特許第6444898号(P6444898)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444898
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】捕捉チャネル測位
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/02 20100101AFI20181217BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20181217BHJP
   B64G 1/66 20060101ALI20181217BHJP
   G01S 1/12 20060101ALI20181217BHJP
   G01S 1/14 20060101ALI20181217BHJP
   G01S 19/00 20100101ALI20181217BHJP
【FI】
   G01S5/02 Z
   B64C39/02
   B64G1/66 Z
   G01S1/12
   G01S1/14
   G01S19/00
【請求項の数】14
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-561358(P2015-561358)
(86)(22)【出願日】2014年2月10日
(65)【公表番号】特表2016-515201(P2016-515201A)
(43)【公表日】2016年5月26日
(86)【国際出願番号】US2014015599
(87)【国際公開番号】WO2014137546
(87)【国際公開日】20140912
【審査請求日】2017年2月6日
(31)【優先権主張番号】13/791,662
(32)【優先日】2013年3月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ガット, グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス, デーヴィッド ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ウエラン, デーヴィッド エー.
(72)【発明者】
【氏名】オコーナー, マイケル エル.
【審査官】 安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0248887(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0218147(US,A1)
【文献】 特開平06−160508(JP,A)
【文献】 国際公開第01/006678(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0001819(US,A1)
【文献】 国際公開第98/012571(WO,A1)
【文献】 特開平06−237210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/00− 1/68,
G01S 5/00− 5/14,
G01S 19/00−19/55,
G01C 1/00− 1/14,
G01C 5/00−15/14,
H04W 64/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ受信デバイスの位置の推定を提供する方法であって、
少なくとも1つのビークルから、少なくとも1つのスポットビームを地球上に照射することであって、前記少なくとも1つのスポットビームは、少なくとも1つの捕捉信号を含む、照射することと、
前記ユーザ受信デバイスで、前記少なくとも1つのスポットビームを受信することと、
前記ユーザ受信デバイスによって、前記少なくとも1つのスポットビーム内の前記ユーザ受信デバイスの位置に応じて、前記ユーザ受信デバイスの前記位置の前記推定を算出することと
を含み、
前記少なくとも1つの捕捉信号は、少なくとも1つのリングチャネルを含み、
前記少なくとも1つのリングチャネルは、フレームカウントを含み、
前記方法は、前記ユーザ受信デバイスによって、前記フレームカウントを使用して得られた前記少なくとも1つのビークルのクロックからの時間と、前記ユーザ受信デバイスのクロックからの時間との差を使用して、前記少なくとも1つのビークルから前記ユーザ受信デバイスまでの距離を算出することを更に含む、方法。
【請求項2】
前記方法は、前記ユーザ受信デバイスによって、前記距離、及び前記少なくとも1つのリングチャネルに含まれる前記少なくとも1つのビークルの、Y、Z座標を使用して、前記ユーザ受信デバイスの前記位置の前記推定を改善することを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのビークルは、衛星、疑似衛星、スペースシャトル、航空機、飛行機、無人航空機(UAV)、気球、及びヘリコプターのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのスポットビームは、固定位置のビームとして照射される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのスポットビームは、走査ビームとして照射される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザ受信デバイスは、前記ユーザ受信デバイスの前記位置の前記推定を算出するためにプロセッサを使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザ受信デバイスは、前記ユーザ受信デバイスの前記位置の前記推定を算出するために、前記少なくとも1つのスポットビームの振幅を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ユーザ受信デバイスの位置の推定を提供するためのシステムであって、
少なくとも1つのビークルであって、前記少なくとも1つのビークルは、少なくとも1つのスポットビームを地球上に射出し、前記少なくとも1つのスポットビームは、少なくとも1つの捕捉信号を含む、少なくとも1つのビークルと、
前記ユーザ受信デバイスであって、
少なくとも1つの無線周波数(RF)アンテナであって、前記少なくとも1つのスポットビームを受信する少なくとも1つのRFアンテナと、
プロセッサであって、前記少なくとも1つのスポットビーム内の前記ユーザ受信デバイスの位置に応じて、前記ユーザ受信デバイスの前記位置の前記推定を算出するプロセッサと
を備える前記ユーザ受信デバイスと
を備え
前記少なくとも1つの捕捉信号は、少なくとも1つのリングチャネルを含み、
前記少なくとも1つのリングチャネルは、フレームカウントを含み、
前記プロセッサは、更に、前記フレームカウントを使用することによって得られた前記少なくとも1つのビークルのクロックからの時間と、前記ユーザ受信デバイスのクロックからの時間との差を使用することによって、前記少なくとも1つのビークルから前記ユーザ受信デバイスまでの距離を算出する、システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、更に、前記距離、及び前記少なくとも1つのリングチャネルに含まれる前記少なくとも1つのビークルの、Y、Z座標を使用することによって、前記ユーザ受信デバイスの前記位置の前記推定を改善する、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのビークルは、衛星、疑似衛星、スペースシャトル、航空機、飛行機、無人航空機(UAV)、気球、及びヘリコプターのうちの少なくとも1つである、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのスポットビームは、固定位置のビームとして照射される、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのスポットビームは、走査ビームとして照射される、請求項に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記ユーザ受信デバイスの前記位置の前記推定を算出するために、少なくとも1つのスポットビームの振幅を使用する、請求項に記載のシステム。
【請求項14】
前記ユーザ受信デバイスは、
ローカルクロックと、
メモリであって、経時的に記録される継続的なスポットビーム識別情報を保存するように適合されメモリと
を更に備える、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、測位のためにスポットビームの重なりを利用することに関する。具体的には、本開示は、時刻配信(time transfer)に使用するのに十分な高精度を維持する精密測位を取得するためにスポットビームを使用することに関する。特に、スポットビームは、測位を支援するために使用される少なくとも1つの捕捉信号(acquisition signal)を利用する。
【背景技術】
【0002】
現在、種々の既存の衛星ナビゲーションシステムによって提供されるナビゲーション信号及びタイミング信号は、満足なシステム性能を提供しないことが多い。特に、そのようなナビゲーション信号及びタイミング信号の信号電力及び帯域幅は、概して、多くの要求が求められる使用シナリオのニーズを満たすのに不十分である。例えば、全地球測位システム(GPS)信号に基づく既存のナビゲーションアプローチ及びタイミングアプローチは、通常、多くの場合にナビゲーションユーザが利用できないことがある。動作中に、GPS受信機は、通常、3次元(3D)測位及び正確な時刻配信を可能にするために、少なくとも4つの同時測距源を受信しなければならない。しかしながら、GPS信号は、都市のビルの谷間又は壁を容易に貫通する不十分な低信号電力又は幾何学的位置(geometry)を有することが多い。この場合、GPS受信機は、正確な3D測位及び時刻配信に必要な信号を受信し得ないだろう。別の例では、携帯電話又はテレビの信号に基づくナビゲーションアプローチもまた、十分なシステム性能を提供しない。これは、通常、多くのナビゲーション使用シナリオに望ましい上下方向のナビゲーション情報が不足しているからである。
【0003】
既存のナビゲーションシステムは、種々のアプローチを使用することによって、屋内ナビゲーションの不備に対処しようとしてきた。これらの種々のアプローチのうちのいくつかは、慣性ナビゲーションシステム、特殊ビーコン、及び高感度GPSシステムの使用を含む。しかしながら、これらのアプローチの各々が、それら自身の固有の欠点を有していることに注目すべきである。慣性ナビゲーションシステムは、成り行き任せであり、高価であり得る。ビーコンは、検査を必要とし、高価であり得、かつ標準化されない特殊固定資産(specialized fixed assets)を必要とする。したがって、ビーコンは、特殊な実用性を有するためだけに構築される。更に、高感度GPSシステムは、屋内環境のGPS信号の脆弱性のため、ユーザの期待通りに機能しないことが多い。開示されるシステム及び方法は、ユーザ受信デバイスが、屋内などの減衰環境、混信環境、及び/又は閉鎖環境に位置する場合に、ナビゲーションシステム性能の改善を提供することができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、測位のためにスポットビームの重なりを使用するためのシステム、装置及び方法に関する。一又は複数の実施形態では、測位のためにスポットビームの重なりを使用するための方法は、ユーザ受信デバイスの位置の推定を提供することを含む。方法は、少なくとも1つのビークルから、少なくとも1つのスポットビームを地球上に射出することと、ユーザ受信デバイスで、少なくとも1つのスポットビームから信号を受信することとを含む。方法は、ユーザ受信デバイスで、少なくとも1つのスポットビーム内のユーザ受信デバイスの位置に応じて、ユーザ受信デバイスの位置の推定を算出することを更に含む。
【0005】
一又は複数の実施形態では、方法は、少なくとも1つのビークルから地球の表面までの範囲を算出することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つのビークルからユーザ受信デバイスまでの範囲を算出することを更に含む。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つのビークルからユーザ受信デバイスまでの範囲を算出することは、少なくとも1つのビークルのドップラー周波数オフセットを測定することと、カルマンフィルタを使用してドップラー範囲推定及び/又は疑似範囲測定を算出することと、少なくとも1つのビークルからユーザ受信デバイスまでの範囲の移動推定を算出することとを含む。
【0006】
本開示のいくつかの実施形態では、測位のためにスポットビームの重なりを使用するための方法は、測位アルゴリズムの精度の向上を提供する。一又は複数の実施形態では、ユーザ受信デバイスは、減衰環境、混信環境、及び/又は閉鎖環境に配置される。少なくとも1つの実施形態では、閉鎖環境は、屋内である。いくつかの実施形態では、測位のためにスポットビームの重なりを使用する方法は、ユーザ受信デバイスの位置の推定を更に改善するために、少なくとも1つのビークルからの信号対雑音比(SNR)の測定を使用することを更に含む。
【0007】
一又は複数の実施形態では、本開示の少なくとも1つのビークルは、衛星、擬似衛星、スペースシャトル、航空機、気球、及び/又はヘリコプターである。別の実施形態では、種々の他の種類のビークルは、本開示の少なくとも1つのビークルに用いられ得る。いくつかの実施形態では、使用され得る様々な種類の航空機は、飛行機及び/又は無人航空機(UAV)を含むが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施形態では、本開示に用いられ得る様々な種類の衛星は、低高度軌道周回(LEO)衛星、中高度軌道周回(MEO)衛星、及び/又は静止地球軌道(GEO)衛星を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのビークルは、既知の軌道及び/又は既知の経路を有する。一又は複数の実施形態では、ユーザ受信デバイスは、移動している及び/又は静止している。
【0008】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの無線周波数(RF)アンテナで、少なくとも1つのスポットビームを射出する少なくとも1つのビークルを含む。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つのスポットビームは、少なくとも1つのRFアンテナから固定位置のビームとして照射される。他の実施形態では、少なくとも1つのスポットビームは、少なくとも1つのRFアンテナから走査ビームとして照射される。いくつかの実施形態では、ユーザ受信デバイスは、少なくとも1つのRFアンテナで、少なくとも1つのスポットビームから信号を受信する。
【0009】
一又は複数の実施形態では、ユーザ受信デバイスは、ユーザ受信デバイスの位置の推定を算出するために、プロセッサを使用する。いくつかの実施形態では、ユーザ受信デバイスが、1つのスポットビームのみから信号を受信すると、ユーザ受信デバイスは、1つのスポットビームの交差部分の中心に位置しているユーザ受信デバイスの位置の推定を算出する。少なくとも1つの実施形態では、ユーザ受信デバイスが、少なくとも2つのスポットビームから信号を受信すると、ユーザ受信デバイスは、少なくとも2つのスポットビームの交差部分の中心に位置しているユーザ受信デバイスの位置の推定を算出する。他の実施形態では、ユーザ受信デバイスが、少なくとも2つのスポットビームから信号を受信すると、ユーザ受信デバイスは、少なくとも2つのスポットビームの中心の重心に位置しているユーザ受信デバイスの位置の推定を算出する。
【0010】
いくつかの実施形態では、本開示のユーザ受信デバイスは、スポットビームの位置を、スポットビームの「出」(rise)の時間(tRISE)からスポットビームの「入り」(set)の時間(tSET)までに在るものとして記録する。一又は複数の実施形態では、マスク角がユーザ受信デバイスに対して全方向に均一である場合、時間=((tSET−tRISE)/2)において、ユーザ受信デバイスが、軌道内方向のスポットビームの中心に位置していると仮定する。別の構成として、マスク角が、スポットビームの「出」の方向、及びスポットビームの「入り」の方向に不均一である場合、(ΔtTrue)/2=(ΔtRcverMeasured+ΔtβBias)/2とした場合の時間=((ΔtTrue)/2)において、ユーザ受信デバイスが、軌道内方向のスポットビームの中心に位置していると仮定する。一又は複数の実施形態では、ユーザ受信デバイスは、ユーザ受信デバイスの位置の推定を算出するために、少なくとも1つのスポットビームの受信振幅(amplitude)を使用する。
【0011】
一又は複数の実施形態では、ユーザ受信デバイスは、ユーザ受信デバイスの位置の推定を更に改善するために、経時的に算出されたユーザ受信デバイスの位置の2つ以上の推定を平均する。
【0012】
いくつかの実施形態では、ユーザ受信デバイスは、ユーザ受信デバイスの位置の2つ以上の推定を平均するために、カルマンフィルタを使用する。別の実施形態では、ユーザ受信デバイスは、ユーザ受信デバイスの位置の2つ以上の推定を平均するために、整合フィルタを使用する。一又は複数の実施形態では、ユーザ受信デバイスの位置の推定は、全地球測位システム(GPS)信号を迅速に取得し易くするために、GPSによって使用される。
【0013】
一又は複数の実施形態では、測位支援のためにスポットビームの重なりを使用するためのシステムは、ユーザ受信デバイスの位置の推定を提供することを含む。システムは、少なくとも1つのビークルと、ユーザ受信デバイスとを備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのビークルは、少なくとも1つのスポットビームを地球に射出する。少なくとも1つの実施形態では、ユーザ受信デバイスは、少なくとも1つのRFアンテナとプロセッサとを含む。一又は複数の実施形態では、少なくとも1つのRFアンテナは、少なくとも1つのスポットビームを受信する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、少なくとも1つのスポットビーム内のユーザ受信デバイスの位置に応じて、ユーザ受信デバイスの位置の推定を算出する。
【0014】
いくつかの実施形態では、ユーザ受信デバイスは、ローカルクロックとメモリとを更に含む。メモリは、経時的に記録される継続的なスポットビーム識別情報を保存するように適合させる。また、ユーザ受信デバイスのプロセッサは、少なくとも1つのビークルのドップラー周波数オフセットを算出することができる。
【0015】
少なくとも1つの実施形態では、ユーザ受信デバイスは、内蔵の軌道モデルを更に含む。いくつかの実施形態では、ユーザ受信デバイスは、少なくとも1つのビークルからの送信によって軌道データ情報を受信する。他の実施形態では、ユーザ受信デバイスは、少なくとも1つのビークルから及び/又は地球局ネットワークからの送信によって軌道デルタ補正情報を受信する。本開示の少なくとも1つの実施形態では、地球に設置されたネットワークは、セルラーネットワークである。
【0016】
一又は複数の実施形態では、ユーザ受信デバイスの位置の推定を提供する方法は、少なくとも1つのビークルから、数なくとも1つのスポットビームを地球上に射出することを含む。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つのスポットビームは、少なくとも1つの捕捉信号を含む。方法は、ユーザ受信デバイスで、少なくとも1つのスポットビームを受信することを更に含む。更に、方法は、ユーザ受信デバイスで、少なくとも1つのスポットビーム内のユーザ受信デバイスの位置に応じて、ユーザ受信デバイスの位置の推定を算出することを含む。
【0017】
少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの捕捉信号は、少なくとも1つのリングチャネルを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリングチャネルは、フレームカウント;宇宙ビークル識別情報(SVID);スポットビーム識別情報(ID);及び/又は地球座標系に対する少なくとも1つのビークルのX、Y、Z座標を含む。
【0018】
一又は複数の実施形態では、方法は、ユーザ受信デバイスによって、フレームカウントを使用して少なくとも1つのビークルのクロックから時間を算出することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、ユーザ受信デバイスによって、少なくとも1つのビークルのクロックからの時間と、ユーザ受信デバイスのクロックからの時間との差を使用して、少なくとも1つのビークルからユーザ受信デバイスまでの範囲を算出することを更に含む。少なくとも1つの実施形態では、方法は、ユーザ受信デバイスによって、範囲及び少なくとも1つのビークルのX、Y、Z座標を使用して、ユーザ受信デバイスの位置の推定を改善することを更に含む。
【0019】
少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つのビークルは、衛星、疑似衛星、スペースシャトル、航空機、飛行機、無人航空機(UAV)、気球、及び/又はヘリコプターである。いくつかの実施形態で、少なくとも1つの衛星は、低高度軌道周回(LEO)衛星、中高度軌道周回(MEO)衛星、及び/又は地球同期軌道(GEO)衛星である。
【0020】
一又は複数の実施形態では、少なくとも1つのスポットビームは、固定位置のビームとして照射される。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つのスポットビームは、走査ビームとして照射される。いくつかの実施形態では、ユーザ受信デバイスは、ユーザ受信デバイスの位置の推定を算出するために、プロセッサを使用する。一又は複数の実施形態では、ユーザ受信デバイスは、ユーザ受信デバイスの位置の推定を算出するために、少なくとも1つのスポットビームの振幅を使用する。
【0021】
少なくとも1つの実施形態では、ユーザ受信デバイスの位置の推定を提供するためのシステムは、少なくとも1つのビークルを含み、少なくとも1つのビークルは、少なくとも1つのスポットビームを地球上に射出する。一又は複数の実施形態では、少なくとも1つのスポットビームは、少なくとも1つの捕捉信号を含む。システムは、ユーザ受信デバイスを更に含む。少なくとも1つの実施形態では、ユーザ受信デバイスは、少なくとも1つの無線周波数(RF)アンテナを含み、少なくとも1つのRFアンテナは、少なくとも1つのスポットビームを受信する。いくつかの実施形態では、ユーザ受信デバイスはまた、プロセッサを含み、プロセッサは、少なくとも1つのスポットビーム内のユーザ受信デバイスの位置に応じて、ユーザ受信デバイスの位置の推定を算出する。
【0022】
一又は複数の実施形態では、プロセッサは、フレームカウントを使用して少なくとも1つのビークルのクロックから時間を更に算出する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、少なくとも1つのビークルのクロックからの時間と、ユーザ受信デバイスのクロックからの時間との差を使用して、少なくとも1つのビークルからユーザ受信デバイスまでの範囲を更に算出する。少なくとも1つの実施形態では、プロセッサは、範囲及び少なくとも1つのビークルのX、Y、Z座標を使用することによって、ユーザ受信デバイスの位置の推定を改善する。
【0023】
少なくとも1つの実施形態では、プロセッサは、ユーザ受信デバイスの位置の推定を算出するために、少なくとも1つのスポットビームの振幅を使用する。一又は複数の実施形態では、ユーザ受信デバイスは、ローカルクロックと、経時的に記録される継続的なスポットビーム識別情報を保存するように適合させるメモリとを更に含む。
【0024】
特徴、機能、及び利点は、本発明の種々の実施形態において単独で達成することができ、又は他の実施形態において組み合わせてもよい。
【0025】
本開示のこれらの及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の請求項、及び添付の図面を参照することにより一層深く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイスの位置の推定を取得するために、単一の衛星の重なっている複数のスポットビームを使用することを示す。
図1B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイスの位置の推定を取得するために、単一の衛星の重なっている複数のスポットビームをセルラーネットワークと併せて使用することを示す。
図2】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイスの位置の推定を取得するために、単一の衛星の重なっている複数のスポットビームを経時的に使用することを示す。
図3】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイスの位置の推定を取得するために、2つの衛星の重なっている複数のスポットビームを使用することを示す。
図4】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイスの位置の推定を取得するために、経時的に走査される単一の衛星の重なっている複数のスポットビームを使用することを示す。
図5】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイスの位置の推定を取得するために、ユーザ受信デバイスによって受信される単一の衛星の信号振幅を使用することを示す。
図6】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイスの位置の推定を取得するために、ユーザ受信デバイスによって受信される2つの衛星の信号振幅を使用することを示す。
図7】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイスの位置の推定を取得するために、経時的に走査されるスポットビームからの単一の衛星の信号振幅を使用することを示す。
図8】本開示の少なくとも1つの実施形態による、均一なマスク角に対するユーザ受信デバイスの位置を推定するために、単一の衛星のスポットビームの「出」の時間及び「入り」の時間を使用する図である。
図9A】本開示の少なくとも1つの実施形態による、不均一なマスク角に対するユーザ受信デバイスの位置を推定するために、単一のスポットビームの「出」の時間及び「入り」の時間を使用する図を示す。
図9B】本開示の少なくとも1つの実施形態による、不均一なマスク角に対するユーザ受信デバイスの位置を推定するために、単一の衛星のスポットビームの「出」の時間及び「入り」の時間を使用する図を示す。
図10】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイスと衛星との間の範囲の移動推定を取得する方法を示すフロー図を提供する。
図11】本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイスと衛星との間の範囲の移動推定を取得する別の方法を示すフロー図を示す。
図12】本開示の少なくとも1つの実施形態による、シンプレックスタイムスロット(例示的イリジウムリングチャネルをサポートする)と他のタイムスロットとを含む時間間隔を示す。
図13】本発明の少なくとも1つの実施形態による、図12のシンプレックスタイムスロットのチャネル(例えば、リングチャネル及びメッセージングチャネル)への例示的な周波数割り当てを含む表を提供する。
図14】本開示の少なくとも1つの実施形態による、図12の例示的なイリジウムリングチャネルを使用することによって、衛星から正確な絶対時間を取得する受信機を起動するための方法のフロー図を提供する。
図15】本開示の少なくとも1つの実施形態による、図12のシンプレックスタイムスロットに含まれる例示的リングメッセージを示す。
図16】本開示の少なくとも1つの実施形態による、開示されるユーザ受信デバイスによって用いられる種々の例示的構成要素を示すブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書で開示される方法及び装置は、測位のためにスポットビームの重なりを使用するためのオペレーティブシステムを提供する。特に、本システムは、時刻配信に使用するのに十分な高精度を維持する精密測位を取得するために、スポットビームを使用することに関する。具体的には、一又は複数の実施形態では、スポットビームは、測位を支援するために使用される少なくとも1つの捕捉信号(例えば、イリジウムリングチャネル)を用いる。
【0028】
本開示のシステム及び方法によって、ユーザ受信デバイスが位置する地球の表面の又は表面近傍のユーザ受信デバイスの位置の推定を、衛星の指向性信号(即ち、スポットビーム)の知識に基づき決定することができる。イリジウム低高度軌道周回(LEO)衛星からのような固有に識別可能なスポットビームの幾何学的位置の知識を利用することによって、ユーザ受信デバイスは、ユーザ受信デバイスが、任意の所定期間にどのセットの衛星スポットビームに位置しているかを識別することができる。ユーザ受信デバイスの位置の最も簡易な近似値は、地球の表面のスポットビームの投射の中心を算出することであり、これによって、ユーザ受信デバイスの真の位置となる最大尤度が統計的に有効となる。ユーザ受信デバイスによって得られた既知の衛星位置と組み合わせたこの一次近似のユーザ受信デバイス位置推定は、ユーザ受信デバイスから衛星ユニットまでのベクトルを推定するために使用することができる。
【0029】
本開示のシステムは、ユーザ受信デバイスの位置を推定し、続いて、追加の測定で推定を改善するような、種々の実施形態を含む、ビーム平均化と呼ばれる方法を用いる。一次位置推定が信号スポットビームから導き出された後、推定は、時間の経過とともにユーザ受信デバイス上を通過する継続的なスポットビームをモニタリングすることによって、改善することができる。ユーザ受信デバイスが2つ以上のスポットビームの交差部分内に位置している状況が生じる場合、ユーザ受信デバイスの位置は、これらのスポットビームの交差部分の中心にあると推定することができる。
【0030】
所定期間中、ユーザ受信デバイスは、単一の衛星又は複数の衛星からの複数の重なっているスポットビーム内に位置する可能性があるだろう。ユーザ受信デバイスの位置は、複数の重なっているスポットビームの中心の重心にあると推定することができる。更に、2つ以上の連続するユーザ受信デバイスの位置推定は、ユーザ受信デバイスの位置誤差を更に減らすために、経時的に平均することができる。単位面積当たりより多くのスポットビームを送信する衛星は、より正確なユーザ受信デバイスの推定を提供するだろう。どのビームが重なっており、その重なりが経時的にどのように変化するかを注意深く記録することによって、測位アルゴリズム及び衛星測距予測の精度を大幅に改善することができる。少なくとも1つの実施形態では、単一のスポットビームの「出」の時間及び「入り」の時間が追跡され、ユーザ受信デバイスの位置が、ユーザ受信デバイスによって判定されたスポットビームの「出」の時間と「入り」の時間との間の中間に対応するスポットビーム内の位置にあると推定される。
【0031】
一又は複数の実施形態では、開示されるシステム及び方法は、受信機を搭載した少なくとも1つの非静止ビークルの指向性信号(即ち、スポットビーム)の知識を使用することによって、地球の表面に又は表面近傍に位置するユーザ受信デバイスの位置の推定を取得する。本開示によって採用され得る特定の種類の非静止ビークルは、イリジウム衛星コンステレーションによって例示される、既知の決定論的アンテナスポットビームパターンで地球に向かって信号を送信する低高度軌道周回(LEO)三軸安定地球指向衛星である。任意の所定の衛星に関して、任意の時間tにおいて、地球に対する衛星の位置及び姿勢が既知であり、かつ衛星に対する送信アンテナスポットビームの方向が既知である場合、時間tにおける地球の表面のスポットビームの中心の交差部分を算出することができる。更に、アンテナスポットビームの特性がよく知られている場合、時間tにおける地球表面へのアンテナスポットビームの投射パターンを算出することができる。このことは、当業者によく知られている。イリジウム衛星コンステレーションの例におけるように、衛星は、スポットビーム中心位置を規定の座標系のユーザ受信デバイスに送信することができる。
【0032】
固有に識別可能なスポットビーム幾何学的位置の知識を利用することにより、少なくとも1つのスポットビーム信号を検出するユーザ受信デバイスは、ユーザ受信デバイスが所定の時間tにどのセットの衛星及びスポットビームに位置しているかを識別することができる。例えば、受信信号の一部は、特定のスポットビーム識別番号を示し得る。いったんユーザ受信デバイスが内部に位置するスポットビームが判定されると、ユーザ受信デバイスは、ユーザ受信デバイスがスポットビームの投射範囲内に位置しているとの判定を行うことができる。次に、いったんユーザ受信デバイスが、時間tにおけるスポットビームの投射位置を算出すると、ユーザ受信デバイスは、時間tにおける自身の位置の推定を算出することができる。この測定の精度は、地球の表面への所定のスポットビームの投射サイズ次第で決まるだろう。ビークル当たりより多くのスポットビームを送信するビークルは、より正確な位置推定を提供するだろう。容易に理解することができるように、このようなシステムの精度は、地球の表面への又は表面近傍へのスポットビームの投射サイズ及び投射数の関数となるだろう。従って、システムの精度は、スポットビームの数を増やし、地球の表面におけるスポットビームの半径を小さくする(即ち、スポットビームの焦点を合わせる)ことによって、改善され得る。
【0033】
本開示のシステム及び方法では、種々の任意の種類の空中ビークル(overhead vehicles)は、スポットビームの発信源として用いられ得る。本開示のシステムに用いられ得る種類のビークルは、衛星、擬似衛星、スペースシャトル、航空機、飛行機、無人航空機(UAV)、気球、及び/又はヘリコプターを含むが、これらに限定されない。更に、開示されるシステムのビークルに使用され得る種々の種類の衛星は、低高度軌道周回(LEO)衛星、中高度軌道周回(MEO)衛星、及び/又は静止地球軌道(GEO)衛星を含むが、これらに限定されない。衛星ではないビークルを用いる場合、スポットビーム幾何学的位置がユーザ受信デバイスに既知であり、明確に定義されている限り、開示されるシステムに事実上の変更は必要とされない。また、本開示のシステムの一又は複数の実施形態では、少なくとも1つのビークルは、既知の軌道及び/又は既知の経路を有する。
【0034】
先述のように、本開示は、ユーザ受信デバイスの位置の推定を提供するための方法及びシステムを教示する。特に、一又は複数の実施形態では、特別に設計された信号は、少なくとも1つのビークル(例えば、衛星)から、少なくとも1つのスポットビームで、地球に射出される。地球の表面又は表面付近に位置するユーザ受信デバイスは、少なくとも1つのスポットビームから信号を受信する。受信デバイスは、少なくとも1つのスポットビーム内、又は少なくとも2つのスポットビームの交差部分内のデバイスの位置に応じて、ユーザ受信デバイスの位置の推定を算出する。開示された方法及びシステムの能力及びロバスト性(robustness)を増大させるために、一又は複数の実施形態では、追加型の送信、捕捉チャネルが、ユーザ受信デバイスの位置の推定を得るために使用できる信号を提供するために用いられ得ることに注目すべきである。したがって、これらの実施形態について、捕捉チャネル(acquisition channel)は、データをユーザ受信デバイスの位置の推定に提供するための手段である特別に設計された信号の代わりに、測位のための信号として使用される。測位のための捕捉チャネルの使用は、結果として生じるユーザ受信デバイス測位データの精度及び速度の増加を可能にする。
【0035】
一又は複数の実施形態では、ユーザ受信デバイスは、宇宙で信号を取得するために、捕捉チャネルと呼ばれる既知の周波数を利用し得る。捕捉チャネルは、世界中のユーザが広くその捕捉チャネルにアクセスできるように、世界的に一定に保たれる既知の周波数を使用し得る。捕捉チャネルは、ユーザ受信デバイスに注意喚起するダウンリンクチャネルであり得る。注意喚起の種類としては、ユーザ受信デバイスを正しく起動するためにアクセスするためのユーザ受信デバイス用の周波数、チャネル捕捉を可能にするためにアクセスするためのユーザ受信デバイス用の周波数、ハンドオフに使用するためのユーザ受信デバイス用の周波数が含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
例えば、一又は複数の実施形態では、イリジウム衛星システムのリングチャネル(ring channel)は、捕捉チャネルに使用され得る。イリジウム衛星システムでは、捕捉チャネル(リングチャネル又はリングアラートチャネル(ring alert channel)と呼ばれる)は、シンプレックスタイムスロット(simplex time slots)に確保される12の周波数アクセス帯域のうちの1つである。これらのチャネルは、1626.0メガヘルツ(MHz)から1626.5MHzまでの間の世界的に割り当てられた500キロヘルツ(kHz)に位置する。これらの周波数アクセス帯域は、ダウンリンク信号のためだけに使用され得、シンプレックスタイムスロット中に送信され得る唯一の周波数であり得る。リングチャネルは、通常、1626.270833MHzでチャネル7に割り当てられ、正確な絶対時間がユーザ受信デバイスに使用可能であるLバンドフレームを含むデータ信号を送信する。
【0037】
通常のリングメッセージは、復号される場合、Lバンドフレームカウント(LBFC)、宇宙ビークル識別情報(SVID)、スポットビーム識別情報(ID)、及び衛星のX、Y、Z座標などの情報を含み得る。イリジウムバーストシーケンスは、Lバンドフレームで90ミリ秒毎に発生し、ゆえに、LBFC番号は、マイクロ秒の精度を有する有効なクロックである(the LBFC number is effectively a clock with microsecond accuracy)。Lバンドフレーム(及びLBFC)のエッジは、マイクロ秒レベルで正確なので、リングメッセージは、90ミリ秒毎に時を刻む非常に正確なクロックのように作動し、そのような非常に正確なクロックとして使用することができる。一方で、SVIDは、どの衛星がメッセージの情報を中継しているかを理解するために使用され得、スポットビームID番号は、スポットビームを特定するためにユーザ受信デバイスによって測位適用に使用され得る。X、Y、及びZ座標は、衛星の位置に対する座標であり、測位のために、かつ宇宙ビークル(即ち、衛星)からユーザ受信デバイスまでの信号の移動時間を修正するために使用され得る。
【0038】
以下の説明では、システムのより完全な記述を提供するために、非常に多くの詳細事項が説明される。しかしながら、開示されたシステムが、これらの具体的な詳細事項がなくても実施され得ることが、当業者には明らかだろう。その他の場合では、システムを不要に分かりにくくしないよう、よく知られる特徴については詳細に説明していない。
【0039】
図1Aは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイス120の位置の推定を取得するために、単一の衛星100の重なっている複数のスポットビーム110を使用することを示す。また、図1Bは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイス120の位置の推定を取得するために、単一の衛星100の重なっている複数のスポットビーム110をセルラーネットワーク130の使用と併せて使用することを示す。図1Bがセルラーネットワーク130の使用を採る点を除いて、図1Bは、図1Aに類似している。これらの両方の図では、単一の衛星100が、少なくとも1つのスポットビーム110を地球に射出することが理解できる。一又は複数の実施形態では、衛星100は、スポットビーム110のうちの少なくとも1つを射出するために、少なくとも1つの無線周波数(RF)アンテナを使用する。ユーザ受信デバイス120は、投射されたスポットビーム110のうちの少なくとも1つから信号を受信する。次に、ユーザ受信デバイス120は、投射されたスポットビーム110のうちの1つの内部のユーザ受信デバイスの位置に応じて、地球上のユーザ受信デバイスの位置の推定を算出する。
【0040】
図1A及び図1Bでは、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイス120がその内部に位置する少なくとも1つのスポットビームの位置を算出する。この算出を行うために、ユーザ受信デバイス120は、衛星100の位置の知識、衛星100の姿勢の知識、並びに/若しくはスポットビーム110の方向及び/又はパターンの知識を使用する。いくつかの実施形態では、ユーザ受信デバイス120が、スポットビーム110の方向及び/又はパターンの知識を取得するために、ユーザ受信デバイス120は、ビーム幾何学的位置データベース及び/又は内蔵の軌道モデルを参照する。
【0041】
図1Aでは、衛星100の位置情報(即ち、エフェメリス)は、ユーザ受信デバイス120に衛星100自体から送信される。いくつかの実施形態では、ユーザ受信デバイス120は、衛星100から送信される軌道データ情報及び/又は軌道デルタ補正情報を受信する。一又は複数の実施形態では、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイスの内蔵の軌道モデルからのデータを使用し、かつユーザ受信デバイスが衛星100から受信する軌道デルタ補正値を使用することにより、衛星100の位置を算出する。いくつかの実施形態では、複数のスポットビーム110の方向及び/又はパターンの算出は、衛星100内で実現される。スポットビーム110の方向及び/又はパターン情報は、衛星100からユーザ受信デバイス120に、スポットビームの信号に含まれるメッセージの一部として送信され得る。
【0042】
代替的には、図1Bでは、衛星100の位置情報(即ち、エフェメリス)が、ユーザ受信デバイス120にセルラーネットワーク130を介して送信される。他の実施形態では、セルラーネットワーク以外の種々の種類の地球に設置されたネットワークが、衛星100の位置情報(即ち、エフェメリス)をユーザ受信デバイス120に送信するために、本開示のシステムによって用いられ得る。いくつかの実施形態では、ユーザ受信デバイス120は、セルラーネットワーク130から送信される軌道データ情報及び/又は軌道デルタ補正情報を受信する。一又は複数の実施形態では、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイスの内蔵の軌道モデルからのデータを使用し、かつユーザ受信デバイスがセルラーネットワーク130から受信する軌道デルタ補正値を使用することにより、衛星100の位置を算出する。
【0043】
一又は複数の実施形態では、ユーザ受信デバイス120が信号を1つのスポットビーム110のみから受信する場合、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイス120がスポットビームの中心に位置している位置の推定を算出する。代替的には、ユーザ受信デバイス120が信号を2つ以上のスポットビーム110から受信する場合、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイス120が信号を受信するスポットビーム110の交差部分150の中心に位置しているユーザ受信デバイス120の位置の推定を算出する。他の実施形態では、ユーザ受信デバイス120が信号を2つ以上のスポットビーム110から受信する場合、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイス120が信号を受信する2つ以上のスポットビーム110の中心の重心に位置しているユーザ受信デバイス120の位置の推定を算出する。少なくとも1つの実施形態では、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイスの位置の算出された推定を更に改善するために、ユーザ受信デバイスが衛星100から受信する信号対雑音比(SNR)測定を使用する。ある実施形態では、ユーザ受信デバイス120の位置の推定が、現在使用されている測位アルゴリズムの精度の向上を提供するために使用されており、更に、ユーザ受信デバイス120の位置の推定が、GPS信号を迅速に取得し易くするために、全地球測位システム(GPS)によって使用され得ることに注目すべきである。
【0044】
いくつかの実施形態では、図1A及び図1Bのユーザ受信デバイス120は、衛星100から投射される少なくとも1つのスポットビームから信号を受信するために使用される少なくとも1つの無線周波数(RF)アンテナ140を含む。RFアンテナは、ユーザ受信デバイス120のハウジングの内部または外部の何れかに製作され得る。いくつかの実施形態では、ユーザ受信デバイス120はまた、少なくとも1つのスポットビーム110内のユーザ受信デバイス120の位置に応じて、ユーザ受信デバイス120の位置の推定を算出するために使用されるプロセッサを含む。少なくとも1つの実施形態では、ユーザ受信デバイス120は、ローカルクロックと、経時的に記録される継続的なスポットビーム識別情報を保存するように適合させるメモリとを更に含む。一又は複数の実施形態では、ユーザ受信デバイス120は、移動できるか静止しているかのいずれかである。
【0045】
一又は複数の実施形態では、各スポットビーム110からの信号は、少なくとも1つの捕捉チャネルを含むことに注目すべきである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの捕捉チャネルは、イリジウムリングチャネルである。これらの実施形態について、ユーザ受信デバイス120は、イリジウムリングチャネルから、スポットビーム110のID番号、地球座標系に対する衛星100のX、Y、Z座標、及びLBFCを使用することによる衛星100のクロックの時間などの情報を取得し得る。
【0046】
図2は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイスの位置の推定を取得するために、単一の衛星100の重なっている複数のスポットビームを経時的に使用することを示す。この図では、時間tにおいて、ユーザ受信デバイス120が、SAT1衛星100によって照射される複数のスポットビーム200の交差部分210内に位置していることが示される。この図では、SAT1衛星100により照射されているスポットビーム200が、固定指向性ビームであり、走査ビームではないことに注目すべきである。一又は複数の実施形態では、ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、複数のスポットビーム200の交差部分210の中心に位置しているユーザ受信デバイス120の位置の第1推定を算出する。次に、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイス120のメモリに、時間tにおけるスポットビーム200の位置を保存するだけでなく、ユーザ受信デバイス120の位置の第1推定を保存する。
【0047】
またこの図に示されているように、後の時間t+Δtでは、SAT1衛星100から照射されるスポットビーム200が、地球の表面を通過してしまっている。従って、ユーザ受信デバイス120はこの時点で、地球の表面の複数のスポットビーム200の異なる交差部分220内に位置している。この時点では、ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、スポットビーム200の交差部分220の中心に位置しているユーザ受信デバイス120の位置の第2推定を算出する。次に、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイス120のメモリに、時間t+Δtにおける複数のスポットビーム200の位置を保存するだけでなく、ユーザ受信デバイス120の位置の第2推定も保存する。
【0048】
いったんユーザ受信デバイス120がユーザ受信デバイス120の位置の少なくとも2つの推定を取得すると、ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、ユーザ受信デバイス120の位置の更に改善された推定を算出するために、これらの推定を使用する。この図では、ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、交差部分210領域及び交差部分220領域の重なっている領域230の中心に位置しているユーザ受信デバイス120の位置の改善された推定を算出したことを示している。
【0049】
一又は複数の実施形態では、ユーザ受信デバイス120は、更に改善された推定を取得するために、ビームを平均する技術を使用する。この技術を用いて、ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、ユーザ受信デバイス120の位置の保存された推定の全ての平均を算出することにより、改善された推定を取得する。いくつかの実施形態では、ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、ビーム平均化を行うためにカルマンフィルタを使用する。別の実施形態では、ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、ビーム平均化を行うために整合フィルタを使用する。
【0050】
図3は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイスの位置の推定を取得するために、2つの衛星の重なっている複数のスポットビームを使用することを示す。この図では、時間tにおいて、ユーザ受信デバイス120が、SAT1衛星100及びSAT2衛星300によって照射される複数のスポットビーム310の交差部分320内に位置していることが示される。この図では、SAT1衛星100及びSAT2衛星300によって照射されているスポットビーム310は、走査ビームではなく、固定指向性ビームである。いくつかの実施形態では、ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、SAT1衛星100によって照射される複数のスポットビームの交差部分330と、SAT2衛星300によって照射される複数のスポットビームの交差部分340との交差部分320の中心に位置するユーザ受信デバイス120の位置の第1推定を算出する。次に、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイス120のメモリに、時間tにおける複数のスポットビーム310の位置を保存するだけでなく、ユーザ受信デバイス120の位置のこの第1推定も保存する。
【0051】
少なくとも1つの実施形態では、時間t+Δtでは、SAT1衛星100及びSAT2衛星300から照射される複数のスポットビーム310が、地球の表面全域を通過してしまっている。従って、ユーザ受信デバイス120はこの時点で、SAT1衛星100によって照射される複数のスポットビームの交差部分と、SAT2衛星300によって照射される複数のスポットビームの交差部分との異なる交差部分内に位置している。この時点では、ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、SAT1衛星100によって照射される複数のスポットビームの交差部分と、SAT2衛星300によって照射される複数のスポットビームの交差部分との交差部分に位置しているユーザ受信デバイス120の位置の第2推定を算出する。
【0052】
次に、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイス120のメモリに、時間t+Δtにおける複数のスポットビーム310の位置を保存し、更にユーザ受信デバイス120の位置の第2推定を保存する。いくつかの実施形態では、ユーザ受信デバイス120は、ビームの平均化を使用することによって、更に改善された推定を取得する。ビームの平均化のために、ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、ユーザ受信デバイス120の位置の保存された推定全ての平均を算出することによって、改善された推定を決定する。
【0053】
別の実施形態では、ユーザ受信デバイス120のプロセッサが、SAT1衛星100によって照射される複数のスポットビームの中心と、SAT2衛星300によって照射される複数のスポットビームの中心との重心に位置しているユーザ受信デバイス120の位置を算出することに注目すべきである。
【0054】
図4は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイスの位置の推定を取得するために、経時的に走査される単一の衛星の重なっている複数のスポットビームを使用することを示す。この図では、時間tにおいて、ユーザ受信デバイス120が、SAT1衛星100によって照射される複数のスポットビーム400の交差部分410内に位置していることが示される。SAT1衛星100によって照射されるスポットビーム400が、走査ビームであり、固定指向性ビームでないことに注目すべきである。従って、走査スポットビーム400は、経時的に地球の表面全域を通過している。ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、SAT1衛星100によって照射される複数のスポットビーム400の交差部分410の中心に位置しているユーザ受信デバイス120の位置の第1推定を算出する。次に、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイス120のメモリに、時間tにおける複数のスポットビーム400の位置を保存するだけでなく、ユーザ受信デバイス120の位置の第1推定も保存する。
【0055】
時間t+Δtでは、SAT1衛星100から照射される走査スポットビーム400が地球の表面を通過してしまっている。ユーザ受信デバイス120はこの時点で、地球の表面の複数のスポットビーム400の異なる交差部分420内に位置している。この時点では、ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、複数のスポットビーム400の交差部分420の中心に位置しているユーザ受信デバイス120の位置の第2推定を算出する。次に、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイス120のメモリに、時間t+Δtにおける複数のスポットビーム400の位置を保存し、更にユーザ受信デバイス120の位置の第2推定も保存する。
【0056】
ユーザ受信デバイス120がユーザ受信デバイス120の位置の少なくとも2つの推定を取得した後に、ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、ユーザ受信デバイス120の位置の改善された推定を算出するために、これらの推定を使用する。ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、交差部分410領域及び交差部分420領域の重なっている領域430の中心に位置しているユーザ受信デバイス120の位置の改善された推定を算出する。
【0057】
いくつかの実施形態では、ユーザ受信デバイス120は、更に改善された推定を算出するために、ビームの平均化を使用する。この技術のために、ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、改善された推定を取得するために、ユーザ受信デバイス120の位置の保存された推定全ての平均を算出する。
【0058】
図5図6及び図7は、本開示の複数の実施形態による、ユーザ受信デバイスの位置の推定を取得するために、衛星信号振幅を使用する、種々の実施形態を示す。具体的には、図5は、ユーザ受信デバイスの位置の推定を取得するために、ユーザ受信デバイスによって受信される単一の衛星の信号振幅の使用を示し、図6は、ユーザ受信デバイスの位置の推定を取得するために、ユーザ受信デバイスによって受信される2つの衛星の信号振幅の使用を示し、図7は、ユーザ受信デバイスの位置の推定を取得するために、経時的に走査されるスポットビームからの単一の衛星の信号振幅の使用を示す。
【0059】
図5では、SAT1衛星100は、1つのスポットビーム110を地球に照射する。この図では、スポットビーム500は、メインビーム510と、2つのサイドローブビーム520とを有するものとして示される。この図に関して、スポットビーム500は、固定指向性ビームであり、走査ビームでないことに注目すべきである。この図では、ユーザ受信デバイス120は、照射メインビーム510から信号を受信するように示される。ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、投射されるメインビーム510の複数の信号振幅の輪郭530内のユーザ受信デバイスの位置に応じて、地球上のユーザ受信デバイスの位置の推定を算出するために、ユーザ受信デバイスが受信する信号の振幅(amplitude)を使用する。いったんユーザ受信デバイス120がユーザ受信デバイスの位置の推定を取得すると、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイスのメモリに、地球上のスポットビーム500の位置を保存するだけでなく、ユーザ受信デバイス120の位置の推定も保存する。
【0060】
図6では、SAT1衛星100及びSAT2衛星300がそれぞれ、1つのスポットビーム600、610をそれぞれ地球に照射しているものとして示される。この図では、ユーザ受信デバイス120が、SAT1衛星100によって照射されるスポットビーム600と、SAT2衛星300によって照射されるスポットビーム610との交差部分630内に位置していることが示される。この図について、スポットビーム600及びスポットビーム610は、固定指向性ビームであり、走査ビームではない。ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、投射されるスポットビーム600、610の信号振幅の輪郭640内のユーザ受信デバイスの位置に応じて、交差部分630内のユーザ受信デバイスの位置の推定を算出するために、ユーザ受信デバイスが受信する信号の振幅を使用する。ユーザ受信デバイス120がユーザ受信デバイスの位置の推定を取得した後に、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイスのメモリに、スポットビーム600及びスポットビーム610の位置を保存するだけでなく、ユーザ受信デバイス120の位置の推定も保存する。
【0061】
図7では、時間tにおいて、SAT1衛星100が、スポットビーム700を地球に照射するものとして示される。この時点では、ユーザ受信デバイス120は、SAT1衛星100によって照射されているスポットビーム700内に位置している。SAT1衛星100によって照射されるスポットビーム700が、走査ビームであって、固定指向性ビームでないことに注目すべきである。このように、スポットビーム700は経時的に走査されているので、スポットビーム700は、地球の表面を通過している。ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、スポットビーム700の複数の信号振幅の輪郭内のユーザ受信デバイスの位置に応じて、スポットビーム700内のユーザ受信デバイスの位置の第1推定を算出するために、ユーザ受信デバイスが受信する信号の振幅を使用する。次に、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイス120のメモリに、時間tにおけるスポットビーム700の位置を保存するだけでなく、ユーザ受信デバイス120の位置の第1推定も保存する。
【0062】
また、図7では、時間t+Δtにおいて、SAT1衛星100から照射されるスポットビーム700は、地球の表面を通過してしまっているものとして示される(この時点では、スポットビーム710として示される)。ユーザ受信デバイス120はこの時点で、スポットビーム710内に位置している。この時点で、ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、スポットビーム710の複数の信号振幅の輪郭内のユーザ受信デバイスの位置に応じて、スポットビーム710内のユーザ受信デバイスの位置の第2推定を算出するために、ユーザ受信デバイスが受信する信号の振幅を使用する。次に、ユーザ受信デバイス120は、ユーザ受信デバイス120のメモリに、時間t+Δtにおけるスポットビーム710の位置を保存し、更にユーザ受信デバイス120の位置の第2推定も保存する。
【0063】
いったんユーザ受信デバイス120がユーザ受信デバイス120の位置の少なくとも2つの推定を取得すると、ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、ユーザ受信デバイス120の位置の更に改善された推定を算出するために、これらの推定を使用する。ユーザ受信デバイス120のプロセッサは、スポットビーム700及びスポットビーム710の重なっている領域720内に位置しているユーザ受信デバイス120の位置の更に改善された推定を算出するために、ビーム平均化法を使用する。更に、プロセッサは、スポットビーム700及び710の信号振幅の輪郭730内のユーザ受信デバイスの位置に応じて、重なっている領域720内のユーザ受信デバイスの位置を算出するために、ユーザ受信デバイスが受信する信号の振幅を使用することによって、ユーザ受信デバイス120の位置の更にいっそう改善された推定を取得する。
【0064】
図8は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、均一なマスク角に対するユーザ受信デバイス120の位置を推定するために、単一の衛星100のスポットビームの「出」の時間及び「入り」の時間を使用する図である。この図では、ユーザ受信デバイス120の位置の推定を取得するために、スポットビームの「出」の時間及び「入り」の時間が使用される。これらの実施形態について、スポットビームの「出」の時間(tRISE)からスポットビームの「入り」の時間(tSET)までのスポットビームの位置全てが記録される。均一な仰角マスク角をユーザ受信デバイス120に対する全方向に想定すると、時間=((tSET−tRISE)/2)では、ユーザ受信デバイスが、軌道内方向のスポットビームの中心に位置すると想定される。
【0065】
軌道内方向が、ユーザ受信デバイス120の上空を通過する衛星の運動方向として定義されることに注目すべきである。軌道内方向の座標枠に対して、原点は、ユーザ受信デバイス120の位置に位置し、x軸は、ユーザ受信デバイス120の上空を通過する衛星の運動方向にあり、z軸は、地球の中心に向かう方向にあり、y軸は、右手デカルト座標枠を完成させる。
【0066】
図9Aは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、不均一なマスク角に対するユーザ受信デバイスの位置を推定するために、単一のスポットビームの「出」の時間及び「入り」の時間を使用する図を示す。更に、図9Bは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、不均一なマスク角に対するユーザ受信デバイスの位置を推定するために、単一の衛星のスポットビームの「出」の時間及び「入り」の時間を使用する図を示す。これらの図では、ユーザ受信デバイス上を通過する衛星コンステレーションのビームパターンが既知の方向(例えば、北から南へ)にあるので、これらの方向(例えば、北及び南)のマスク角のみが適切であろうが、それは、第1方向(例えば、北)が衛星の「出」の方向であり、第2方向(例えば、南)が衛星の「入り」の方向であるからである。
【0067】
これらの実施形態について、αは、コンスタレーションマスク角を表わし;βは、衛星の「出」の方向における衛星に対するユーザ受信デバイスの見通し線を妨害している、予想される障害物に関連するマスク角であり;βは、衛星の「入り」の方向における衛星に対するユーザ受信デバイスの見通し線を妨害している、予想される障害物に関連するマスク角である。どちらか一方又は両方のβ角>αである場合に、バイアス(補正値)が導入される。β=β=α又はβ=β≠αの場合、図8で検討される均一のマスク角の事例が発生する。これらの実施形態について、β角は、既知であるか推定されるかのどちらかである。図9A及び9Bは、βをマスク角αよりも大きくする障害物が存在する特定の事例を示す。衛星の「出」の方向に小さな障害物が存在する場合、β<αであるので、障害物は、ユーザ受信デバイスの衛星との見通し線に影響しない。従って、障害物は無視できる。β>αである場合、衛星が上る方向の障害物に、類似のバリエーションが存在することに注目すべきである。不均一な仰角を衛星の「出」の方向及び衛星の「入り」の方向に想定すると、(ΔtTrue)/2=(ΔtRcverMeasured+Δtβ2Bias)/2である場合の時間(ΔtTrue)/2において、ユーザ受信デバイスが、軌道内方向のスポットビーム投射の中心に位置すると想定され得る。
【0068】
図10は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイスと衛星との間の範囲の移動推定を取得する方法を示すフロー図1000を提供する。この図では、ユーザ受信デバイスは、衛星エフェメリスデータを低高度軌道周回(LEO)衛星から受信する(1010)。他の種々の実施形態では、LEO衛星以外の異なる種類の衛星が開示される方法によって用いられ得ることに注目すべきである。
【0069】
ユーザ受信デバイスがエフェメリスデータを受信した後、ユーザ受信デバイスのプロセッサは、瞬時の衛星位置、速度、及び加速度を得る(1020)。ユーザ受信デバイスが、これらの得られた値(derivation)を算出した後、ユーザ受信デバイスは、衛星から、照射された衛星スポットビームの初期スポットビーム識別子を受信する(1030)。スポットビーム識別子を衛星から受信した後、ユーザ受信デバイスは、ユーザ受信デバイスのメモリに、継続的なスポットビームのスポットビーム識別子及びスポットビームの中心を記録する(1040)。
【0070】
次に、ユーザ受信デバイスのプロセッサは、ビーム平均化技術により、これらの記録されたスポットビーム識別子及びスポットビームの中心を用いて、移動するユーザ受信デバイスの位置の推定を得る(1050)。次に、ユーザ受信デバイスのプロセッサは、ユーザ受信デバイスから衛星ユニットまでのベクトルの移動推定を得る(1060)。次に、ユーザ受信デバイスのプロセッサは、衛星のドップラー周波数オフセットを測定する(1070)。次に、ドップラー周波数オフセットを使用して、ユーザ受信デバイスのプロセッサは、ドップラー範囲推定を算出する(1080)。少なくとも1つの実施形態では、ユーザ受信デバイスは、ドップラー範囲推定を算出するために、カルマンフィルタを使用する。ユーザ受信デバイスは、算出されたユーザ受信デバイスから衛星までの範囲の移動推定を保存する(1090)。
【0071】
図11は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ受信デバイスと衛星との間の範囲の移動推定を取得する別の方法を示すフロー図1100を示す。この図に示されるように、図11の方法のステップは、図10に示された方法のステップに類似する。しかしながら、図10の方法とは異なり、開示される図11の方法は、種々の順序で実行される種々のステップを可能にする。
【0072】
先ほど上で述べられたように、一又は複数の実施形態では、捕捉チャネルは、スポットビーム毎に信号を提供するために用いられ得る。捕捉チャネルは、ユーザ受信デバイスの位置の推定を得るために使用することができる。いくつかの実施形態では、イリジウム衛星システムのリングチャネルは、捕捉チャネルに使用され得る。図12は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、シンプレックスタイムスロット(例として挙げたイリジウムリングチャネルをサポートする)と他のタイムスロットとを含む時間間隔1200を示す。図12に示すように、時間間隔1200は、約90ミリ秒(ms)の長さであり、約20.32ミリ秒にわたるシンプレックスタイムスロット、各々が約8.28ミリ秒の長さである4つのアップリンクタイムスロットUL1〜UL4、及び4つのダウンリンクタイムスロットDL1〜DL4を含む。
【0073】
通信チャネルは、通信システム又は衛星システム(例えば、イリジウム衛星ネットワークなどの)において、90ミリ秒フレーム(例えば、時間間隔1200など)を使用した時分割複信(TDD)に基づく、ハイブリッド時分割多重アクセス周波数分割多重アクセス(TDMA/FDMA)アーキテクチャを使用して、実行され得る。特定のチャネルは、例えば、特定のFDMA周波数(例えば、搬送周波数帯域)及びTDMAタイムスロット(例えば、図12に示すシンプレックス、アップリンク、又はダウンリンクタイムスロット)であり得る。チャネルはまた、例えば、許容範囲の同一チャネル干渉制限、又は時分割多重化などのその他のチャネル干渉回避法を実行することによって、異なる地理的位置で再利用され得る。したがって、チャネルの割り当ては、周波数キャリアとフレーム内のタイムスロットの両方が含まれ得る。
【0074】
1つの実施形態では、シンプレックスタイムスロットは、世界中のユーザが広く獲得チャネルにアクセスできるように、世界的に一定に保たれる既知の周波数を使用し得る捕捉チャネルを含み得る。捕捉チャネルは、(例えば、イリジウム衛星ネットワークを用いる実施形態について)ユーザの呼出しを完了させるために、どの周波数にアクセスすべきかを含み得る注意喚起をユーザのデバイスに送るTDMAを使用してフォーマットされるダウンリンクチャネルであり得る。捕捉チャネルのTDMA構造により、例えば、時間間隔1200などの1つのフレームで複数の注意喚起の送信が可能になり得る。また、例えば、その他のチャネルは、チャネルの捕捉及びハンドオフを可能にするために必要な情報を提供することによって、ユーザの受信デバイス(例えば、携帯電話、又はその他の小型電子デバイス)をサポートし得る。
【0075】
捕捉チャネルは、ユーザの機器(例えば、携帯電話、又はその他の小型電子デバイス)にチャネル捕捉及びハンドオフの情報を提供するために同様に利用され得る。これが攻撃下のクリティカルアセットに関連して使用されるかもしれない状況では、捕捉チャネルが妨害された場合に、緊急に必要とするときに主要なアセットが利用できない可能性があるだろう。このような状況を緩和するために、一又は複数の周波数(例えば、イリジウム衛星システムには、4つの利用可能なメッセージングチャネルが存在する)での二次送信が、一斉送信され得る。原則的には、二次送信は、例えば、10MHzのイリジウムLバンド周波数帯域全体(即ち、1616〜1626.5MHz)に一斉送信され得る。そのような広域スペクトルの二次送信には、例えば、衛星システムを妨害しようとする上で、10MHzのスペクトルを完全に上回る電力を広げるための妨害器が必要であり、このため、妨害器の妨害する潜在能力を低下させることに成り得る。
【0076】
図13は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、図12のシンプレックスタイムスロットのチャネル(例えば、リングチャネル及びメッセージングチャネル)への例示的な周波数割り当てを含む表1300を提供する。この実施形態について、12の周波数アクセス帯域は、シンプレックスタイムスロットチャネル(即ち、捕捉チャネル及びメッセージングチャネル)に予約され得る。これらのチャネルは、1626.0MHzから1626.5MHzまでの間の世界的に割り当てられた500kHz帯域に位置し得る。これらの周波数アクセスは、ダウンリンク信号のためだけに使用され得、シンプレックスタイムスロット中に送信され得る唯一の周波数であり得る。イリジウムの例に関する表1300に示されるように、4つのメッセージングチャネル及び1つのリング注意喚起が、シンプレックスタイムスロット中に利用可能である。
【0077】
シンプレックスタイムスロットのリングチャネル(即ち、リングアラートチャネル)を伴う別の周波数に位置する4つのメッセージングチャネルは、何らかの理由でリングチャネルが利用できなかった場合(例えば、リングチャネルが妨害されていた場合)、チャネル捕捉及び正確な絶対時刻配信のために使用され得る。イリジウムについてのメッセージングチャネル(表1300に示される)は、チャネル3、4、10、及び11であり、これらはそれぞれ、四次メッセージングチャネル、三次メッセージングチャネル、二次メッセージングチャネル、及び一次メッセージングチャネルである。したがって、1つの実施形態では、時間パラメーター値(例えば、周波数ホッピング、TDMA/FDMA)からコンピュータで計算することができる既知の(推測的な)パターン又は予測可能なパターンにしたがって、捕捉チャネル(例えば、イリジウムのためのリングチャネル)及びメッセージングチャネル(例えば、タイムスロット及び周波数)で、データ信号(例えば、ユーザ受信デバイスが正確な絶対時間を利用できるLバンドフレームを含むリングメッセージデータ)を送信し得る。
【0078】
特定の情報(例えば、LBFC、宇宙ビークル識別情報(SVID)、並びに衛星のX、Y、及びZ位置座標)は、ユーザ受信デバイスがシステムを使用するためにアクセスを可能にし得る周波数(例えば、表1300に示されるメッセージング周波数のうちの1つ)を検出可能とするように、ユーザ受信デバイスのクロックを許容可能な精度に位置合わせするために使用され得る。捕捉チャネルが利用できない場合に、捕捉のために使用されるデータ(LBFC、SVIDなど)が、1つの別のメッセージングチャネルにそのまま位置することが可能である。いくつかの別の実施形態では、捕捉データはまた、例えば、異なる暗号化を有する複数の別のメッセージングチャネル全域に部分的に位置することもあるだろう。そのような実施形態は、概して、権限のない情報のアクセス可能性を更に低減するために、若しくは1つの暗号化方法又は両方の暗号化方法が悪徳ユーザにより危険に冒される心配がある場合に、有用な実施を提供し得る。例えば、高いセキュリティが要求される状況においては、1つのメッセージングチャネルでは、捕捉データの一部が、1つの暗号化方法を介してユーザ受信デバイスに供給され、捕捉データの第2部分が、第2の暗号化方法を介して供給されるだろう。さらに、別のチャネルにアクセスするために、1つのチャネルを介して追加のセキュリティ情報にアクセスし得る点で、捕捉データは、入れ子化することができるだろう。
【0079】
図14は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、図12の例示的なイリジウムリングチャネルを使用することによって、衛星から正確な絶対時間を取得するユーザ受信デバイスを起動するための方法1400のフロー図を提供する。方法1400が開始する(1405)と、ブロック1410で、ユーザ受信デバイス(例えば、本明細書に記載される種々のユーザ受信デバイスのうちの任意のデバイスなど)は、衛星(例えば、イリジウム衛星などの低高度軌道周回(LEO)衛星)から、捕捉チャネルによってデータを受信しようと試み得る。ユーザ受信デバイスは、リングメッセージ(又は「訪問メッセージ(visit message)」とも呼ばれる)の形式で、捕捉チャネルからデータを受信しようと試み得る。
【0080】
図15は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、図12のシンプレックスタイムスロットに含まれる例示的リングメッセージ1500を示す。この図に示されるように、通常のリングメッセージ1500(又は訪問メッセージ)は、復号されると、LBFC=485215784、SVID=34、ビームID=6、X座標=127、Y座標=−1140、Z座標=1102などの情報を含み得る。
【0081】
これに関して、宇宙ビークル識別情報(SVID)は、どの衛星がメッセージ1500の情報を中継しているのかを理解するために使用され得る。ビームID(又はスポットビーム識別(ID))番号は、どのスポットビームが、ユーザ受信デバイスの測位を決定するためにメッセージ1500を送信しているかを識別するために使用され得る。X、Y、及びZ座標は、衛星の位置に対する座標であり、宇宙ビークル(例えば、衛星)からユーザ受信デバイスまでの信号の移動時間を修正するために使用され得る。X、Y、Z座標はまた、ユーザ受信デバイスの測位のためにも使用され得る。
【0082】
LBFC番号に関しては、イリジウムバーストシーケンスは、90ミリ秒毎にいわゆるLバンドフレーム(図12を参照)に生じる。LBFC番号は、マイクロ秒の精度を有する有効なクロックである。LBFC番号は、既知の基準開始時間(例えば、「era」とも呼ばれる)から90ミリ秒フレームの数をカウントする32ビットの数であり得る。例えば、あるデータの午前12時の開始時間が使用され得る。Lバンドフレーム(及びLBFC)のエッジは、マイクロ秒レベルで正確なので、リングメッセージは、90ミリ秒毎に時を刻む非常に正確なクロックのように作動し、そのような非常に正確なクロックとして使用することができる。
【0083】
図14に戻り、ブロック1415において、捕捉チャネルが利用可能である場合、次に、ユーザ受信デバイスは、捕捉チャネルからリングメッセージデータを受信し得、本方法は、ブロック1430に続く。そうでなければ、本方法は、ブロック1420に続く。
【0084】
これに関して、上述の主要な捕捉情報を見い出すための唯一の予測可能な位置として、既知の固定周波数チャネル(例えば、捕捉チャネル)に依存することによって、その適用をサポートするためにイリジウムを利用する任意の極めて重要なリソースは、更に干渉の影響を受けやすくなる可能性がある。この同じ主要な捕捉情報を上述のシンプレックスタイムスロットメッセージングチャネルに入力することによって、ブロック1420で識別されるユーザ受信デバイスは、メッセージングチャネル(例えば、上述のチャネル3、4、10、11)のうちの1つから、チャネル捕捉データ(例えば、リングメッセージデータ)を受信する(例えば、別のメッセージングチャネル中で検索する)よう試み得る。リングメッセージデータをシンプレックスタイムスロットメッセージングチャネルに入力することによって、衛星システムは、複数の周波数に妨害の脅威を広げ得、また信号電力を9デシベル(dB)増加させ、衛星システムを妨害に対してさらに強固にすることができる。
【0085】
ブロック1430では、ユーザ受信デバイスは、メッセージングチャネルのうちの1つで(例えば、又はブロック1415で決定されたように、利用可能であれば捕捉チャネルを介して)暗号化されたリングメッセージデータを受信し得る。様々な実施形態では、リングメッセージデータの符号化が、特別なユーザ(例えば、米軍)のために特別に暗号化され得る。
【0086】
例えば、特別なユーザに更に高い優先度を与えるために、既存のイリジウム衛星システムを再フォーマットするいくつかの異なる方法が存在し得る。例えば、1つの選択肢は、呼び出し優先及び優先レベルを追加的に拡張して、更なるレベルを含むこと、例えば、サービス品質(QoS)又はサービスレベル(LoS)などのレベルを割り当てること、若しくはレベルキューイング方法をシステムに追加することであり得る。例えば、重大な用途に対する呼び出しには、特定の数、例えば、4によって表示されるより高い優先度が割り当てられ得る。これらの呼び出しが捕捉チャネルにアクセスできなかった場合、呼び出しは、必要な情報にアクセスするための4つのチャネルのうちの一又は複数のチャネルのバックアップ周波数を有し得る。加えて、加入者識別モジュール(SIM)カード又はその他の同様に機能するデバイスは、イリジウムの捕捉制御スキーム用に定義された特定の捕捉クラスでプログラムされ得る、又は捕捉制御スキームは、この特別な例を満足させるように拡張され得る。これらの特別な例のための信号は、セキュリティレベルを更に高めるために暗号化され得る。暗号化されたリングメッセージデータは、ブロック1440で、ユーザ受信デバイスによって暗号解除され、ダウンコンバートされ得る。
【0087】
ブロック1450において、ユーザ受信デバイスは、リングメッセージデータが受信されている衛星を識別するために、暗号解除されたリングメッセージデータを使用し得、衛星と受信デバイスとの間の信号の移動時間に対して修正を行うために、リングメッセージデータ内の位置座標情報を使用し得る。正確な時間を得るために、ユーザ受信デバイスは、次の数式のLバンドフレームカウント(LBFC)を使用することができる。
Time=(Era+LBFC)90ms+Time Bias+(Range/C)
【0088】
上記の数式において、「Era」は、システム(例えば、イリジウムシステム)に対して規定される既知の日付/時間に基づいていてもよく、ユーザ受信デバイスは、推測的知識を有し得る。「Time Bias」(すなわちタイムスロットオフセット)は、システムの任意のタイミングバイアスを表示し得、衛星のクロックの測定されたエラー及び/又は送信シーケンスの既知のタイムスロットの変化を補償し得る。時間スロットは、衛星によって提供され得、基準局によって測定され得、サービスの一部として固定され得又は予測され得る。
【0089】
「Range」は、衛星とユーザ受信デバイスとの間の距離を表し、データリンクを介して送られ得る衛星用の軌道モデル、ユーザ受信デバイスの位置の適度に正確な知識、及びおおよその時間(衛星の軌道モデルへのインプットとして)を使用してコンピュータで計算される。1つの実施形態では、約10マイクロ秒内の精度を得るために、範囲推定は、約3000mまで正確でなければならず、これは、地上の水平精度の約20000mに匹敵し得る。このレベルの測位は、例えば、セルネットワーク技術を介して、容易に実現され得る。更に、簡単なビームカバレッジ方法は、ユーザが現在どの衛星ビームに位置しているかの知識及び最新のビーム時間履歴に基づき、ユーザ受信デバイスの位置を決定するために用いられ得る。その他多数の粗い測位方法もまた、適切に用いられ得る。1つの実施形態では、衛星に対する衛星軌道情報(例えば、エフェメリス)は、様々な時点における衛星のコンステレーション内の衛星の位置などの情報、及び衛星からクロック値を正しく取得するために、ユーザ受信デバイスによって使用することができる他の情報を含む。この実施形態では、ネットワークは、1キロメートル未満の範囲内でユーザ受信デバイス(又はユーザ)の位置を容易に決定し得る。範囲は、約3キロメートルまで正確であり得る。ユーザ受信デバイスのおおよその時間は、衛星の位置を決定するために軌道情報と併用され得る。衛星の範囲が決定した後で、次にこれを光の速さ(「C」とも呼ばれる)で除算する。
【0090】
各Lバンドフレームは、90ミリ秒毎に繰り返される(LBFCは、2.5インクリメントする、例えば、1をカウントに加える(LBFC increments,2.5 e.g.,adds 1 to the count))。Lバンドフレームのエッジによって(例えば、ユーザ受信デバイスが信号を受信する場合)、ユーザ受信デバイスは、ユーザ受信デバイスの時間の精度をマイクロ秒レベルに維持(例えば、ブロック1460で、ユーザ受信デバイスのローカルクロックを位置合わせ)し得る。ユーザ受信デバイスは、まず信号の移動時間を修正するが、そうするために、ユーザ受信デバイスは、データ(SVID)を提供している衛星、及びその衛星が適切な座標系の空(X、Y、及びZ座標)のどこに位置しているかを知るべきである。これら両方の情報は、先ほど記述されたように、リングメッセージデータで利用可能であり得る。また、高精度のため、ユーザ受信デバイスは、衛星に対する軌道モデルにアクセスし得る。ユーザ受信デバイスは、軌道モデルを局所的に有し得、又は軌道モデルは、ユーザ受信デバイスが、必要に応じて情報を引き出し処理するためにアクセスし得るネットワークで搬送され得る。衛星とユーザ受信デバイスとの間での信号の移動時間の後に、方法1400は終了する1470。
【0091】
図16は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、開示されるユーザ受信デバイス1600によって用いられる種々の例示的構成要素を示すブロック図1600を示す。これについて、ユーザ受信デバイス1600は、本明細書に記載される種々のユーザ受信デバイスのうちの任意のものを実施するために使用され得る。例えば、1つの実施形態では、ユーザ受信デバイス1600は、ナビゲーションデバイスを実施するために使用され得る。
【0092】
ユーザ受信デバイス1600は、アンテナ1610、無線周波数(RF)フロントエンド及びデジタイザー1615、プロセッサ1620、クロック1630、メモリ1640、及びその他の構成要素1650を含み得る。
【0093】
アンテナ1610は、本明細書に記載される種々の実施形態に従って、信号を送信及び/又は受信するために使用される一又は複数のアンテナとして実施され得る。
【0094】
RFフロントエンド及びデジタイザー1615は、増幅器、無線周波数ダウンコンバータ、及びアナログ−デジタル(A/D)コンバータを含み得る。RFフロントエンド及びデジタイザー1615は、アンテナ1610からの信号を処理し、信号からプロセッサ1620に情報を提供し得る。
【0095】
プロセッサ1620は、一又は複数のメモリ1640、若しくは一又は複数の非持続的機械(又はコンピュータ)によって読み取り可能な媒体1690(又は両方)に記憶された適切な命令を実行し得る一又は複数のプロセッサ(例えば、ソフトウェア)として、実装可能である。クロック1630(例えば、ユーザ受信クロック)は、上述の種々の技術によって位置合わせ又は整合され得るクロックであり得る。
【0096】
その他の構成要素1650は、ユーザ受信デバイス1600の任意の他の所望の特徴を実施するために使用され得る。当然ながら、適切な場合には、本明細書に記載される一又は複数の衛星は、図16に示されるものと同一、類似、又は補完的な構成要素で実施され得る。
【0097】
適用可能な場合、本開示によって提供される種々の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを使用して実施することができる。更に適用可能な場合、本明細書で説明される種々のハードウェア構成要素及び/又はソフトウェア構成要素は、本開示の精神から逸脱せずに、ソフトウェア、ハードウェア、及び/又はそれらの両方を含む複合構成要素に統合することができる。適用可能な場合、本明細書で説明される種々のハードウェア構成要素及び/又はソフトウェア構成要素は、本開示の精神から逸脱せずに、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの両方を含む従属構成要素に分割することができる。また、適用可能な場合、ソフトウェア構成要素は、ハードウェア構成要素として実施され得、その逆もあり得ることが考えられる。
【0098】
本発明によるソフトウェア、例えばプログラムコード及び/又はデータは、一又は複数のコンピュータによって読み取り可能な媒体に記憶され得る。本明細書で識別されるソフトウェアは、ネットワーク化された及び/又はそれ以外の一又は複数の汎用コンピュータ又は特定目的のコンピュータ並びに/若しくはコンピュータシステムを使用して実装することができる。適用可能な場合、本明細書に記載された特徴を提供するために、本明細書に記載された様々なステップの順序を変更する、複合ステップに統合する、及び/又は従属ステップに分割することができる。
【0099】
特定の例示的実施形態及び方法が本明細書に開示されたが、前述の開示内容から、当業者には、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、このような実施形態及び方法に変更及び修正を加えることが可能であることは明らかであろう。その他多数の本開示の実施例があり、各実施例はその詳細事項においてのみ他と異なる。したがって、本開示は特許請求の範囲及び適用法の規則及び原理によって必要とされる範囲にのみ制限されることが意図されている。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16