(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の光源の第1の部分は、前記キャリアの開口の近くに環状に配列され、前記複数の光源の第2の部分は、前記キャリアの開口から離れて環状に配列されることを特徴とする請求項3に記載の光学検査システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では本発明の実施態様への参照が詳細になされ、複数の例が以下の図面を用いて説明される。可能な限り、同じ符号が、同一又は同様な部分を参照するために図面と明細書において使用される。
【0012】
図1Aは、本発明の一実施態様による光学検査システム100の模式図である。光学検査システム100は、レンズモジュール110、光源モジュール120、及び光電素子130を有する。レンズモジュール110は、第1のレンズ構成部分112と第2のレンズ構成部分114を備える。第1のレンズ構成部分112は、第2のレンズ構成部分114と物体側200の間に配置され、第1のレンズ構成部分112と第2のレンズ構成部分114が共通の光軸O1を有する。光源モジュール120は第1のレンズ構成部分112と第2のレンズ構成部分114との間に配置され、光軸O1が貫通する開口部122を有している。光源モジュール120は、第1のレンズ構成部分112を通って物体側200に向かって光SLを放出するように構成されている。光電性素子130は、レンズモジュール110の物体側200とは反対の側に配置される。光電素子130は、レンズモジュール110と光源モジュール120の開口部122を通して物体側200から物体光OLを受光するように構成される。
【0013】
光学検査システム100は、レンズモジュール110を通るビームの直径を制限する開口絞り(アパーチャストップ)を含み、開口絞りは光学検査システム100内のビームが最小の直径になる位置に近接して配置される。本実施態様においては、第1のレンズ構成部分112と第2のレンズ構成部分114は共焦点(コンフォーカル)系であり、従って、共焦点システムを形成する。開口絞りは、第1のレンズ構成部分112と第2のレンズ構成部分114の共焦点位置に近接して配置される。本発明の1つ以上の実施態様においては、光源モジュール120は、光学検査システム100の開口絞りの位置に隣接して配置される。
【0014】
本発明の様々な実施態様において、光源モジュール120は開口絞りの位置に距離公差(許容範囲)をもって配置されてよく、その距離公差とは、配置誤差が応用(アプリケーション)に対して受け入れられる範囲の距離である。距離公差は、数ミリメーターでよいが、それには限定されない。いくつかの実施態様において、もし光源モジュール120が開口絞りと第1のレンズ構成部分112との間に配置されるならば、開口絞りと第1のレンズ構成部分112の前側面の間の距離LAの25%未満の距離までに光源モジュール120を開口絞りから離して設置するのが良好である。いくつかの他の実施態様において、もし光源モジュール120が、開口絞りと第2のレンズ構成部分114の間に配置されるならば、開口絞りと第2のレンズ構成部分114の後側面の間の距離LBの25%未満の距離までに光源モジュール120を開口絞りから離して設置するのが良好である。すなわち、光源モジュール120は、光学検査システム100の開口絞りに対して距離LAの+25%、及び距離LBの−25%の公差をもって配置されてよい(前側を+、後側を−で表す)。
【0015】
いくつかの実施態様においては、光源モジュール120の開口部122の最も狭い部分が開口絞りになる。換言すると、光源モジュール120の穴(ホール)が、光学検査システム100の口径(アパーチャ)でよい。ここで、例として、望遠鏡システムが挙げられるが、それは本発明の範囲を限定するべきではない。光源モジュール120は他のシステムの開口絞りの位置に近接して配置されてよく、光源モジュール120は光路の大きさの制限と照明の両方の機能を提供する。
【0016】
物体側200にある検査サンプルを検査するとき、光源モジュールが物体側200に光SLを放出し、光SLが第1のレンズ構成部分112を通り、物体側200の検査サンプルに到達し、検査サンプルは光SLを反射し、光SLは以降は物体光OLと言う。物体光OLは、第1のレンズ構成部分112、光源モジュール120の開口部122、及び、第2のレンズ構成部分114を通って光電素子130へ送られる(伝播される)。検査サンプルの表面のトポグラフィー(微細構成)の情報は、レンズモジュール110によって光電素子130上に結像されてよく、それにより、光電素子130は検査サンプルの情報を取得する。
【0017】
具体的には、本発明の実施態様においては、(物体側200に配置された)検査サンプル、レンズモジュール110、光電素子130、及びレンズモジュール110の内部素子の位置は、結像の公式を満たすことができる。ここでは、例えば、薄いレンズを仮定する。レンズモジュール110を、fの焦点距離を持つ薄いレンズとする。像を結ぶために、検査サンプルと光電素子130の配置は、以下の薄いレンズの公式を満たす。
u
−1+v
−1=f
−1
ここで、uは検査サンプルと薄いレンズの間の距離であり、vは光電素子130と薄いレンズの間の距離である。レンズのある厚さとレンズ群の厚さの考慮を伴う実際のアプリケーションにおいて、この薄いレンズの公式が本発明の様々な実施態様を限定するものではない。
【0018】
一方で、開口部122を備える光源モジュール120を配置する本発明の実施態様において、光源モジュール120から放出される光SLの光路は、光電素子130によって受光される物体光OLの光路に結合される(一緒にされる)ことができ、それはそれぞれのビームの中央部が実質的に互いに一致することを意味している。光学検査システム100では、スプリッターの使用によって生じる重大なエネルギー消費をこうむることがなく、光軸O1上に直接的に配置された光源によって生じる複数のゴーストスポットも防がれ得る。他方で、光学検査システム100の開口絞りの位置に近接して光源モジュール120を配置することによって、光源モジュール120は物体光OLに影響を与えること、又は、物体光OLを妨げることなしに、光学検査システム100の光軸O1にできるだけ近づけることができ、それにより、光源モジュール120は物体側200にほぼ垂直な入射光を提供し得る(例えば、第1のレンズ構成部分112を通る光SLの伝播方向と光軸O1の間の角度は、±0.1°から±10°の範囲、±0.1°から±5°の範囲、±0.1°から±3°の範囲内等である)。いくつかの実施態様において、第1のレンズ構成部分112を通る光は、垂直入射光(すなわち、光の光伝播方向と光軸O1の間の角度が0)が除外されてもよい。ここで、F/8の光学検査システム(カメラ)については、角度は±3°未満でよい。
【0019】
本発明のいくつかの実施態様においては、光源モジュール120は環状であり、環状光源モジュール120として参照されてよいが、それは本発明の様々な実施態様を限定するものではない。光源モジュール120は、例えば、正方形、楕円、又は三角形のような、内部に開口部122を備える他の形状でもよい。択一的に、光源モジュール120は、複数の分離した、又は、分断された光源部品(部分)から構成されてよい。
【0020】
図1Bは、
図1Aの光学検査システム100の光源モジュール120の上面図である。
図1Cは、
図1Bの光学検査システム100の光源モジュール120の断面図である。
図1Bと
図1Cの両方がここで参照される。1つ以上の実施態様において、光源モジュール120は、複数の光源124とキャリア126を含む。複数の光源124は、物体側200に向かって光を放出し(
図1A参照)、キャリア126はキャリア内に複数の光源124を保持するように構成され、キャリア126は、光源モジュール120の開口部122を形成し、光軸O1(
図1A参照)が貫通する開口126aを有する。
【0021】
本実施態様においては、光源モジュール120のキャリア126は、キャリア126の開口126aの少なくとも一方の側(面)に配置された凹部(リセス)126bを含む。凹部126bの開口は、物体側200(
図1A参照)に対向し、複数の光源124は物体側200(
図1A参照)に向かって光を放出するように、少なくとも一部は凹部126b内に配置される。ここで、複数の光源124は、キャリア126の底面126c及び側壁126d上に形成されてよい。別の実施態様においては、製作の難しさのために、複数の光源124はキャリア126の底面126c上に配置され、側壁126d上には配置されなくてよい。本実施態様においては、凹部126bはキャリア126の開口126aを取り囲み、それにより、複数の光源124も同様に開口126aを取り囲む。
【0022】
いくつかの実施態様において、光源モジュール120はキャリア126と複数の光源124の間に配置された反射層127を含んでよい。ここで、反射層127は凹部126b内に配置されてよく、光の出力を増加させるための反射カップ(cup)を構成する。いくつかの実施態様において、凹部126bは傾斜した側壁を備える。傾斜した側壁は、反射層127が光を反射するのに役立ち、他方で、傾斜した側壁により、光学検査システム100の開口絞りの位置を確定するために、開口126aの最も狭い部分を形成する。例えば、最も狭い部分は、
図1Aの物体側200に隣接する。
【0023】
加えて、光源モジュール120はさらに、例えば、散光(diffuser)フィルム又はフレネルレンズフィルムのような光学フィルム128を含んでよい。光学フィルムは、複数の光源124から放出された光の分布均一性を改善するために、複数の光源124と物体側200の間にある。
【0024】
ここで、複数の光源124は、複数のハロゲンランプ、複数の発光ダイオード、複数の有機発光ダイード、又は他の複数の照明素子でよい。キャリア126は、複数の光源124とその回路を保持するために良好な堅さ(剛性)を有しており、キャリア126はガラス、プラスティック、金属等でよい。いくつかの実施態様において、キャリア126は、物体側200(
図1A参照)から来る光を妨げても(ふさいでも)よく、キャリア126は光学検査システムが用いるスペクトル波長において低い透過率を有する。反射層127の材料は、例えば、銀、アルミニウム、銅、硫酸バリウム、酸化チタニウム、又は、他の高い反射率を有する材料のようなものであり、光学検査システムで用いられる光のスペクトル波長において80%を超える反射率を有している。光学フィルム128の材料は、ポリエステルアクリレイトでよい。光電素子は、電荷結合素子(CCD)又は他の感光性素子でよい。
【0025】
本発明のいくつか実施態様においては、光源124は可視光線源又は不可視光線源でよい。光源のスペクトルに従って、反射層127、光学フィルム128、第1のレンズ構成部分112、及び第2のレンズ構成部分114の材料が対応して調整される。例えば、可視光線から赤外線までの領域においては、銀は高い反射率を有するが、340ナノメーター未満の波長の範囲については、銀は低い反射率を有する。アルミニウムは、紫外線から赤外線までの範囲において高い反射率を有する。複数の光源124が可視光線源であるときは、反射層127の材質は可視光線を反射するようにより多くの銀を含んでよい。それに反して、複数の光源124が紫外光線源であるときは、反射層127の材質は紫外光線を反射するようにより多くのアルミニウムを含んでよい。
【0026】
加えて、第1のレンズ構成部分112と第2のレンズ構成部分114は、複数の光源124から放出された光を実質的に吸収しないことが求められ、また、複数の光源124から放出された光によって、第1のレンズ構成部分112と第2のレンズ構成部分114の物質特性を容易に損なわないことが求められる(例えば、接着部の赤外線放射による分離又はUV劣化)。
【0027】
図1Dは、本発明の別の実施態様による光学検査システム100の光源モジュール120の断面図である。本実施態様は
図1Cの実施態様に類似しているが、本実施態様においては、光源モジュール120のキャリア126が凹部126bを含まずに、複数の光源124が物体側200に対向する平坦なキャリア126の側(面)に直接的に配置されている点において相違している。
【0028】
前述したのと同様に、光源モジュール120は、出力光を改善するために、キャリア126と複数の光源124の間に配置された反射層127を含んでよい。
【0029】
本実施態様の他の詳細については、
図1Cの実施態様に示されたものと実質的に同じであるため、ここでは、繰り返して説明はしない。実際の応用においては、光源モジュール120の構造は、光学検査システム100の空間的な要求(必要)に基づいて設計されてよく、図に示された構造は本発明の範囲を限定するものではない。
【0030】
図2Aは、本発明の別の実施態様による光学検査システム100の光源モジュール120の上面図である。本発明の1つ以上の実施態様において、複数の光源124は、キャリア126の開口126aを露出するように、キャリア126上に環状に配置される。いくつかの実施態様において、複数の光源124は、単一の制御システムによって点灯(オン)又は消灯(オフ)されてよい。いくつかの実施態様において、複数の光源124の複数の異なる部分は、複数の制御システムによってそれぞれ点灯又は消灯されてよく、複数の光源124の異なる部分は、異なる放出角度を有してよい。以下で、複数の制御システムによって光源モジュール120の複数の光源124を制御する方法が説明される。
【0031】
具体的には、本実施態様において、複数の光源124aによる第1の部分P1は、キャリア126の開口126aに近接して環状に配置されており、複数の光源124bによる第2の部分P2は、キャリア126の開口126aから離れて環状に配置される。複数の光源124aによる第1の部分P1と複数の光源124bによる第2の部分P2は、それぞれ異なる放出角度を有する。例えば、物体側200について(
図1A参照)、複数の光源124aによる第1の部分P1によって提供された光は、複数の光源124bによる第2の部分P2によって提供された光よりも、より垂直に入射する。
【0032】
図2Bは、
図2Aの光学検査システムの光源モジュール120の作動を示す模式図である。ここで、明瞭に表示するために、光電素子130と物体側にある物体だけが描かれ、光学検査システムの光源モジュールと関係するレンズモジュールは省略されている。ここで、
図2Aと
図2Bを参照する。物体が検査されるとき、最初に、複数の光源124aによる第1の部分P1が物体に光SL1を提供し、次に、複数の光源124bによる第2の部分P2が物体へ光SL2を提供し、物体は順番に異なる放出角度を有する光SL1とSL2を受光する。
【0033】
いくつかの実施態様において、複数の光源124aによる第1の部分P1と複数の光源124bによる第2の部分P2は、同時に、光SL1とSL2を提供してもよい。この構成により、より滑らかな表面領域RAは、光電素子130へ光SL1とSL2を反射してよく、それに比べ滑らかでない表面領域RBは、光電素子130へ光SL2だけを反射してもよい。このとき、複数の光源124aと複数の光源124bは、認識(識別)を改善するために、異なる波長を有する光を提供するように構成されてよい。例えば、複数の光源124aは青色の光源であり、複数の光源124bは赤色の光源であり、表面領域RAは紫色(青色と赤色の混合)を示し、表面領域RBは赤色を示す。異なる放出角度を有する複数の光源124aと複数の光源124bにより、物体の表面は、物体の表面トポグラフィーについての詳細な情報を取得するように、層ごとに検査されてよい。
【0034】
ここで、光SL1が光SL2よりも光軸に対してより平行であることを示すために、光SL1は実質的に鉛直に描かれている。しかしながら、実際の構成においては、光SL1は完全には鉛直でない。
図2Bは、本発明の複数の実施態様の概念と設計を例示するためだけに描かれており、光の角度、物体の表面、又は図に示された他の詳細は、本発明の範囲を限定するものではない。
【0035】
図2Cは、本発明の別の実施態様による光学検査システムの光源モジュール120の上面図である。本実施態様は、
図2Aの実施態様に類似であるが、本実施態様においては、複数の光源124が第1の部分P1、第2の部分P2、第3の部分P3、及び第4の部分P4を含む点において異なっている。物体が検査されるとき、複数の光源124の照明パターンが完全には対称ではないように、第1の部分P1と第4の部分P4が同時に照射するように制御されてよく、又は、第2の部分P2と第3の部分P3が同時に照射するように制御されてよい。
【0036】
上述したのと同様に、複数の光源124の各部分は、異なる放出角度と光の色を有してよく、層ごとの検査が達成され得る。
【0037】
ここで、
図2A及び
図2Cに描かれた構成は、本発明の範囲を限定するものではなく、実際の応用において、複数の光源124の配列に関して、複数の様式の設計があり得る。例えば、複数の光源124は、環状形状を除く複数の形状で配列されてよいが、それでも、層ごとの検査のために複数の部分を含む。
【0038】
図3Aは、本発明の別の実施態様による光学検査システム100の模式図である。本実施態様は、
図1Aの実施態様に類似するが、本実施態様においては、光源モジュール120が少なくとも1つの光源124と反射鏡(ミラー)129を含む点において異なっている。光源124は光を放出するように構成される。反射鏡129は、光源124から来る光を物体側200へ反射するように構成され、反射鏡129は光源モジュール120の開口を形成するように、光軸O1が通る(貫通する)開口129aを備える。
【0039】
本実施態様において、反射鏡129は平面反射鏡である。平面反射鏡は、高い反射率を有する複数の反射層を含み、平面反射鏡の材質は、銀、アルミニウム、銅、硫化バリウム、酸化チタニウム、又は、光を反射するために、高い反射率を備える他の物質でよい。複数の反射層は平坦な表面を有してよい。さらに、反射鏡129の表面の粗さ(算術的平均偏差;Ra)が、ある粗さ未満であるように構成され、そのような粗さを有する反射鏡129は、完全な反射鏡又は光の散乱を実現することができる平面反射鏡と見なされてよい。いくつかの実施態様において、ある粗さが、光学検査システム100に基づいて設定されてよい。例えば、ある粗さとは約1.6マイクロメーター(μm)未満でよい。もちろん、ある粗さの数値は本発明の範囲を限定するものではない。他の実施態様において、ある粗さは1μmと1.6μmの間のどのような値でもよい。
【0040】
本実施態様において、光源124からの光の光伝播方向と平面反射鏡(反射鏡129)に垂直な方向はその間に角度を成し、その角度は平面反射鏡(反射鏡129)に垂直な方向と光軸O1との間の角度に実質的に等しい。例えば、その角度は約45°であるが、それは本発明の範囲を限定するものではなく、実際の応用においては、その角度は光学検査システム100の空間的な配置(構成)に基づいて決定されてよい。
【0041】
物体側200にある検査サンプルが検査されるとき、複数の光源124は反射鏡129での反射を通して光SLを物体側200へ提供する。光SLは、第1のレンズ構成部分112を通して物体側200にある検査サンプルへ伝播される(送られる)。検査サンプルによって反射された後で、物体光OLは第1のレンズ構成部分112、光源モジュール120の反射鏡129の開口129a、及び第2のレンズ構成部分114を通って、光電素子130へ送られ、さらに、光電素子130は検査サンプルの情報を取得する。本実施態様の他の詳細については、
図1Aの実施態様のものと同様であり、従って、ここでは説明を繰り返さない。
【0042】
図3Bは、本発明の別の実施態様による光学検査システム100の模式図である。本実施態様は、
図3Aの実施態様と類似であるが、本実施態様は、反射鏡129が2つの平面反射鏡を含み、複数の光源124の数が2であり、2つの平面反射鏡は光軸O1の互いに反対側にそれぞれ配置されて、全体として開口129aを成す。
【0043】
前述したのと同様に、本実施態様においては、複数(2つ)の光源の各々からの光の光伝播方向と複数(2つ)の平面反射鏡(反射鏡129)の各々とは、その間に角度を成し、その角度は該平面反射鏡(反射鏡129)に垂直な方向と光軸O1との間の角度に実質的に等しい。本実施態様の他の詳細はこれまでの実施態様のものと同様であるので、ここでは繰り返して説明はしない。
【0044】
図3Aと
図3Bに示された配置(構成)に加えて、反射鏡129と光源124は他の方法(やり方)で設計されてもよいことが理解されるべきである。
図3Cは、本発明の別の実施態様による光学検査システムの光源モジュール120の模式図である。光源モジュール120の構造的な配置において、反射鏡129は、物体側に対向する反射鏡129の側に粗い反射面129bを有する。換言すると、反射鏡129は、これまで説明した平面反射鏡でなくともよい。光源124から来る光が表面129bへ送られ、表面129bは、光のより均一な強度分布を形成するように、物体側へ光を放散的に(拡散的に)反射する。これまで例示した平面反射鏡と比べて、本実施態様の反射鏡129は光を放散させるより高い能力を有する。具体的には、本実施態様において、反射鏡129の表面129bの算術的平均偏差(Ra)は、例えば、1.6μmのような以前例示した、ある粗さより大きくてよい。
【0045】
反射鏡129の様々な構成がこれまでの記載の中でもたらされてきた。反射鏡129の上面図をこれまで示していないけれども、当業者は、反射鏡129は例えば内部に開口を備えた円、正方形、楕円、又は三角形のような他の形状でもよいということを理解し得ることに注意すべきである。反射鏡は完全に連続的な構造でよい。択一的に、反射鏡129は複数の分離した、又は、分断された反射部品(部分)から構成されてよい。図に示された反射鏡129の詳細は、本発明の範囲を限定するものではない。
【0046】
図4Aは本発明の別の実施態様による光学検査システム100の模式図である。本実施態様は
図1Aの実施態様に類似しているが、本実施態様は、第1のレンズ構成部分と第2のレンズ構成部分が全体としてダブルガウスレンズを構成する点において異なっている。ここで、光源モジュール120は、ダブルガウスレンズの開口絞りの位置に近接して配置される。具体的には、光源モジュール120の開口部122の最も狭い部分が開口絞りである。ダブルガウスレンズは、開口絞りに関して実質的に対称であるレンズ群のタイプ(様式)であり、負のレンズ(発散レンズ)が開口絞りを囲み、正のレンズ(収斂レンズ)とメニスカスレンズがその周囲(外側)に配置され、正のレンズとメニスカスレンズは適切な距離で並べられる。
【0047】
換言すると、本実施態様においては、第1のレンズ構成部分112と第2のレンズ構成部分114は、相互に実質的に同様であり、それぞれ負のレンズ、正のレンズ、及びメニスカスレンズを含み、第1のレンズ構成部分112と第2のレンズ構成部分114は、光源モジュール120の開口部122の最も狭い部分に関して中心的に対称に配置される。
【0048】
本実施態様の他の詳細は
図1Aの実施態様のものと同様であるので、ここでは繰り返して説明はしない。
【0049】
図4Bは、本発明の別の実施態様による光学検査システム100の模式図である。本実施態様は
図1Aの実施態様と類似であるが、本実施態様においては、第1のレンズ構成部分と第2のレンズ構成部分が全体としてクックトリプレットを構成する点において異なっている。ここで、光源モジュール120は、クックトリプレットの開口絞りである。
【0050】
具体的には、第1のレンズ構成部分112は凸レンズと凹レンズを含み、第2のレンズ構成部分114は凸レンズを含む。第1のレンズ構成部分112の凸レンズと第2のレンズ構成部分114の凸レンズは、第1のレンズ構成部分112の凹レンズの前後にそれぞれ配置され、第1のレンズ構成部分112の凹レンズから所定の距離に保持され、そして、実質的に対称な設計を形成する。光源モジュール120は、開口絞りの位置に隣接して配置され、従って、第1のレンズ構成部分112の凹レンズと第2のレンズ構成部分114の凸レンズの間に配置される。
【0051】
本実施態様の他の詳細は
図1Aの実施態様のものと同様であるので、ここでは繰り返して説明はしない。
【0052】
図4Cは、本発明の別の実施態様による光学検査システム100の模式図である。本実施態様は
図1Aの実施態様と類似であるが、本実施態様においては、第1のレンズ構成部分と第2のレンズ構成部分が全体としてテッサーを構成する点において異なっている。光源モジュール120は、テッサーの開口絞りの位置に隣接して配置される。
【0053】
具体的には、第1のレンズ構成部分112は凸レンズと凹レンズを含み、第2のレンズ構成部分114は複合レンズを含む。第1のレンズ構成部分112の凸レンズと第2のレンズ構成部分114の複合レンズは、第1のレンズ構成部分112の凹レンズの前後に配置され、第1のレンズ構成部分112の凹レンズから所定の距離に保持される。光源モジュール120は、第1のレンズ構成部分112の凹レンズと第2のレンズ構成部分114の複合レンズの間に配置された開口絞りとして働く。
【0054】
本実施態様の他の詳細は
図1Aの実施態様のものと同様であるので、ここでは繰り返して説明はしない。
【0055】
図5Aは、本発明の別の実施態様による光学結像システム300の模式図である。光学結像システム300は、レンズモジュール310と光源モジュール320を有している。レンズモジュール310は、物体400と光検出側500の間に配置され、光軸O2を有する。光源モジュール320は、レンズモジュール310と光検出側500の間に配置される。光源モジュール320は、開口部322を含み、レンズモジュール310の光軸O2が開口部322を貫通する。光源モジュール320は、物体400が光検出側500へ像を反射するように、レンズモジュール310を通って物体400上に像を形成するように構成される。
【0056】
本実施態様においては、光源モジュール320は、少なくとも1つの光源324、少なくとも1つの反射鏡、少なくとも1つの光源レンズ構成部分328を備えている。反射鏡326は、光源324から放出された光を反射するように構成され、その光PLが物体400へ向かって伝播し、反射鏡326は、光源モジュール320の開口部322を形成するように、光軸O2が通る開口326aを有している。ここで、前の実施態様において示された反射鏡(
図3A参照)のように、反射鏡326は平面反射鏡であり、光源324からの光の光伝播方向と平面反射鏡に垂直な方向はその間に角度を成し、その角度は該平面反射鏡に垂直な方向と光軸O2との間の角度に実質的に等しい。光源レンズ構成部分328は、光源324と反射鏡326の間に配置され、光源レンズ構成部分328は、光源324から放出された光が物体400に像を形成するのを助けるように構成される。
【0057】
本実施態様においては、光源324から放出された光は、あるパターンを備えてよい。択一的に、(例えばスリット又は正方形の穴のような)特別なパターンが形成された複数の開口を備えるいくつかの遮蔽シートが、該遮蔽シートを通過した後で、光源324から放出された光があるパターンを備えるように、一様な光源324の前に配置されてよい。1つ以上の実施態様において、光源324、光源レンズ構成部分328、レンズモジュール310、及び物体400の配置を結像の公式を満たすように調整することによって、光源324のパターンが物体400上に結像されてよい。より明瞭な例示のために、ここで例として薄いレンズを取りあげる。光源レンズ構成部分328とレンズモジュール310を、焦点距離fを有する薄いレンズであるとみなす(考える)。結像させるために、(複数の)光源324、光源レンズ構成部分328、レンズモジュール310、及び物体400の配置は薄いレンズについての以下の公式を満たす。
u
−1+v
−1=f
−1
ここで、uは光源324と薄いレンズの間の距離であり、vは物体400と薄いレンズの間の距離である。実際の応用では、レンズのある厚さとレンズ群の厚さが考慮され、薄いレンズの公式は本発明の様々な実施態様を制限するものではない。
【0058】
その配置を通して、光源モジュール320は物体400上に像を形成してよい。開口326aを備える光源モジュール320の反射鏡326の構成によって、光源モジュール320はほとんど垂直な入射光PLを提供し得る。いくつかの実施態様において、光源モジュール320によって提供された光PLは、垂直入射光を除外している。物体400の表面が十分にフラットではないいくつかの場合において、ほとんど垂直な入射光によって形成された認識パターンは、垂直な入射光によって形成された認識パターンよりも、より垂直に反射されることができ、ほとんど垂直な入射光によって形成された認識パターンは続いて起こる認識(識別)のためにより有用である。
【0059】
ここで、物体400は開口部322を通して光検出側500へ像を反射する。具体的には、以前の実施態様で例示された光電素子が光検出側500に配置されてよい。光電素子は物体400から像を受光するために、光軸O2上に配置される。
図1Aの実施態様に示した通り、物体400、光電素子、他のレンズ、及びレンズモジュール310の配置が結像の公式を満たすように、及び、物体400によって反射された像が光電素子上に結像され得るように、光電素子とレンズモジュール310の間に他のレンズがあってもよい。しかしながら、光電素子は光軸上に配置されることに限定されずに、光電素子が開口部322を通して像を検出する代わりに、側面の側から物体400上の像を検出してもよいことが理解されるべきである。実際の応用においては、光学結像システム300は光電素子を含まなくともよく、ユーザーは裸眼で側面方向から物体400上の像を直接的に観察してもよい。
【0060】
1つの平面反射鏡だけが図に示されているが、実際の応用ではそれに限定されない。いくつかの実施態様においては、これまでに示したように、反射鏡326は2つの平面反射鏡を備え、複数の光源324の数が2であり、(2つの)平面反射鏡は光軸O2の互いに反対側にそれぞれ配置されて、全体として(反射鏡の)開口を成す。複数の光源324の各々からの光の光伝播方向と複数の平面反射鏡の各々に垂直な方向はその間に角度を成し、その角度は前述の平面反射鏡に垂直な方向と光軸O2との間の角度に実質的に等しい。択一的に、反射鏡326は、光が物体400へ放散的に反射されるように、粗い表面を備えてもよい(すなわち、算術的平均偏差が1.6μmより大きい)。
【0061】
本実施態様において、光源レンズ構成部分328は、図に示されたように、ダブレットレンズでもよく、光源レンズ構成部分328は凹レンズと凸レンズから構成されるが、図に示された構成は本発明の範囲を制限するものではない。加えて、本実施態様の光源モジュール320は、様々な設計を含んでよく、関係する設計のあるものは、これまでの実施態様の光源モジュール120への参照がなされてよく、関係する詳細はここでは繰り返さない。
【0062】
図5Bは、本発明の別の実施態様による光学結像システム300の模式図である。本実施態様は、
図5Aの実施態様に類似しているが、光源モジュール320が複数の光源とキャリアを含んでいる点において異なっている。
【0063】
本実施態様においては、光源モジュール320から放出された光が、像情報を伝えるように設計されてよく、レンズモジュール310はその光を物体400上の像となるように変換する。ここで、レンズモジュール310の構成は単に模式的に示しただけであり、図に示された構成が本発明の範囲を制限するものではない。
【0064】
光源モジュール320の構造については、
図1Bから
図1Dの以前の実施態様において示された光源モジュール120を参照してよい。同様に、複数の光源は物体に向かって光を放射し、キャリアは複数の光源を保持するように構成され、キャリアは光源モジュールの開口部を形成するように、光軸が貫通する1つの開口を有する。いくつかの実施態様において、複数の光源はキャリアの開口を露出するように、キャリア上に環状に配列される。光源モジュールの前に、例えば、散光フィルム又はフレネルレンズフィルムのような、開口を備えるいくつかの光学フィルムがあってもよい。複数の光学フィルムは光源からの光の分布の均一性を改善してよいし、又は、結像システムの実用の複数のレンズとして、レンズモジュール310と協働してよい。
【0065】
本発明の他の詳細は、
図5Aの実施態様のものと同様であり、ここで繰り返して説明はしない。
【0066】
本発明の実施態様では、光源モジュールが開口部を備えるように構成され、かつ、光学検査装置の開口絞りの位置に近接して配置されて、検査サンプルからの反射光の影響を受けずに、光源を光学検査システムの光軸に近づけることができる光学検査システムが提供される。そのような構成を通して、光源モジュールは、反射光が光電素子の受光範囲内にあるように、ほぼ垂直な入射光を提供する。スプリッターの配置によるエネルギー消費についての問題は解決され、光軸上に直接的に配置された光源から結果として生じるゴーストスポットは防がれる。加えて、検査サンプルの表面が十分に平坦でない、いくつかの場合においては、垂直入射光に比べ、ほとんど垂直な入射光は光電素子の受光範囲内に向けられるのに役立ち、そのことは光学検査システムによる検査に有用である。
【0067】
本発明の実施態様では、光源が開口部を備えるように構成され、ほとんど垂直な光を提供する光学結像システムが提供される。光源はレンズを通して物体上に結像されることができる。物体サンプルの表面が十分に平坦でないいくつかの場合には、ほとんど垂直な入射光によって形成された認識パターンは、垂直入射光によって形成された認識パターンよりも、より認識において有用である。
【0068】
本発明を、それについてのある複数の実施態様を参照してかなり詳細に記述してきたが、他の実施態様も可能である。従って、添付の特許請求の範囲の精神と範囲は、本明細書に含まれる実施態様の記載に限定されるものではない。
【0069】
本発明の範囲と精神からはずれることなく、様々な修正や変形を本発明の構成に対して行うことができることは、当業者にとって明らかであろう。上述した観点において、本発明では以下の特許請求の範囲の範囲内に入るように提供された本発明への修正や変形を包含することが意図されている。
【符号の説明】
【0070】
100…光学検査システム、 110…レンズモジュール、
112…第1のレンズ構成部分、 114…第2のレンズ構成部分、
120…光源モジュール、 122…光源モジュールの開口部、
124、124a、124b…光源、 126…キャリア、
126a…キャリアの開口、 126b…凹部、 126c…底面、
126d…側壁、 127…反射層、 128…光学フィルム、 129…反射鏡、
129a…反射鏡の開口、 129b…粗い反射面、 130…光電素子、
200…物体側、 300…光学結像システム、 310…レンズモジュール、
320…光源モジュール、 322…開口部、 324…光源、
326…反射鏡、 326a…反射鏡の開口、 328…光源レンズ構成部分、
400…物体、 500…光検出側、
LA…開口絞りと第1のレンズ構成部分の前側面の間の距離、
LB…開口絞りと第2のレンズ構成部分の後側面の間の距離、
O1、O2…光軸、 OL…物体光、 P1…第1の部分、 P2…第2の部分、
P3…第3の部分、 P4…第4の部分、 PL…光、
SL、SL1、SL2…光、 RA…滑らかな表面領域、
RB…滑らかでない表面領域。