(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444972
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】端末送信電力量を效率的に報告する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 52/30 20090101AFI20181217BHJP
【FI】
H04W52/30
【請求項の数】16
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-255664(P2016-255664)
(22)【出願日】2016年12月28日
(62)【分割の表示】特願2013-554405(P2013-554405)の分割
【原出願日】2012年2月21日
(65)【公開番号】特開2017-60201(P2017-60201A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2016年12月28日
(31)【優先権主張番号】61/444,844
(32)【優先日】2011年2月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/471,872
(32)【優先日】2011年4月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】サン・ブン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ソン・フン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ゲルト−ヤン・ファン・リースハウト
(72)【発明者】
【氏名】キョン・イン・ジョン
【審査官】
齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/065759(WO,A2)
【文献】
国際公開第2011/002789(WO,A1)
【文献】
Fujitsu,Clarifications on PHR[online],3GPP TSG-RAN WG2#72bis R2-110214,2011年 1月21日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_72bis/Docs/R2-110214.zip
【文献】
Ericsson, ST-Ericsson, Qualcomm Incorporated, Nokia Siemens Networks,"Adding a Power Management indication in PHR"[online],3GPP TSG-RAN WG2#73 R2-110940,2011年 2月14日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_73/Docs/R2-110940.zip
【文献】
3GPP TS 36.331 V10.0.0,2010年12月21日,pp.56,59,63,159-161,238,URL,http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.331/36331-a00.zip
【文献】
InterDigital,"PHR Triggering for SAR"[online],3GPP TSG-RAN WG2#72bis R2-110220,2011年 1月11日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_72bis/Docs/R2-110220.zip
【文献】
Ericsson, ST-Ericsson, Qualcomm Incorporated, Nokia Siemens Networks,"Power Management indication in PHR"[online],3GPP TSG-RAN WG2#73 R2-110941,2011年 2月14日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_73/Docs/R2-110941.zip
【文献】
Ericsson, ST-Ericsson,Corrections to the Carrier Aggregation functionality in MAC[online],3GPP TSG-RAN WG2#72bis R2-110664,2011年 1月21日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_72bis/Docs/R2-110664.zip
【文献】
3GPP TS 36.321 V10.0.0,2010年12月,URL,http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.321/36321-a00.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信システムにおいて端末のPHR(Power Headroom Report)送信方法であって、
基地局からPHRフォーマットが拡張PHRフォーマットであるか否かを指示する情報及びPHR禁止タイマを含むPHR設定情報を受信する段階;
前記PHR設定情報に基づいて、端末に設定されたPHRフォーマットが、前記拡張PHRフォーマットであるかを判断する段階;
前記端末に設定されたPHRフォーマットが前記拡張PHRフォーマットであり、前記PHR禁止タイマが満了した場合、最大送信電力及び前記最大送信電力の下限値を決定するとき、P−MPRが適用されたか否かを指示するインディケータを含む拡張PHRを生成し、前記生成された拡張PHRを前記基地局に送信する段階;
前記端末に設定されたPHRフォーマットが前記拡張PHRフォーマットでなく、前記PHR禁止タイマが満了した場合、前記インディケータを含まない一般PHRを生成し、前記生成された一般PHRを伝送する段階を含み、
前記拡張PHRは、前記P−MPRによるbackoffが臨界値より多く変化する場合にトリガーされる
ことを特徴とする送信方法。
【請求項2】
前記PHR設定情報は、Media Access Control−MainConfig Information Element(MAC−MainConfig IE)を通じて指示される
ことを特徴とする、請求項1に記載の送信方法。
【請求項3】
前記最大送信電力は、前記基地局から提供されるパラメーター及び前記端末で予め設定されたパラメーターによって前記端末が決める
ことを特徴とする、請求項1に記載の送信方法。
【請求項4】
前記インディケータは、
1ビットから構成されて、
前記P−MPRが前記最大送信電力の変化原因の場合、1値を有する
ことを特徴とする、請求項1に記載の送信方法。
【請求項5】
移動通信システムにおいて基地局のPHR受信方法であって、
PHRフォーマットが拡張PHRフォーマットであるか否かを指示する情報及びPHR禁止タイマを含むPHR設定情報を生成する段階;
前記PHR設定情報を端末に送信する段階;及び
前記端末から前記PHR設定情報のPHRフォーマットに対応するPHRを受信する段階を含み、
前記端末に設定されたPHRフォーマットが前記拡張PHRフォーマットであり、前記PHR禁止タイマが満了した場合、最大送信電力及び前記最大送信電力の下限値を決定するとき、P−MPRが適用されたか否かを指示するインディケータを含む拡張PHRを受信し、
前記端末に設定されたPHRフォーマットが前記拡張PHRフォーマットでなく、前記PHR禁止タイマが満了した場合、P−MPRを適用するか否かを指示するインディケータを含まない一般PHRを受信し、
前記拡張PHRは、前記P−MPRによるbackoffが臨界値より多く変化する場合にトリガーされる
ことを特徴とする受信方法。
【請求項6】
前記PHR設定情報は、
MAC−MainConfig IEを通じて指示される
ことを特徴とする、請求項5に記載の受信方法。
【請求項7】
前記最大送信電力は、前記基地局から提供されるパラメーター及び前記端末で予め設定されたパラメーターを利用して前記端末が決める
ことを特徴とする、請求項5に記載の受信方法。
【請求項8】
前記インディケータは、
1ビットから構成されて、
前記P−MPRが前記最大送信電力の変化原因の場合、1値を有する
ことを特徴とする、請求項5に記載の受信方法。
【請求項9】
移動通信システムにおける端末であって、
信号を送信及び受信する送受信機;及び
基地局からPHRフォーマットが拡張PHRフォーマットであるか否かを指示する情報及びPHR禁止タイマを含むPHR設定情報を受信し、前記PHR設定情報に基づいて、端末に設定されたPHRフォーマットが拡張PHRフォーマットであるかを判断し、前記端末に設定されたPHRフォーマットが前記拡張PHRフォーマットであり、前記PHR禁止タイマが満了した場合、最大送信電力及び前記最大送信電力の下限値を決定するとき、P−MPRが適用されたか否かを指示するインディケータを含む拡張PHRを生成し、前記端末に設定されたPHRフォーマットが前記拡張PHRフォーマットでなく、前記PHR禁止タイマが満了した場合、前記インディケータを含まない一般PHRを生成し、前記生成された一般PHRを伝送するように制御する制御部;を含み、
前記拡張PHRは、前記P−MPRによるbackoffが臨界値より多く変化する場合にトリガーされる
ことを特徴とする端末。
【請求項10】
前記PHR設定情報は、MAC−MainConfig IEを通じて指示される
ことを特徴とする、請求項9に記載の端末。
【請求項11】
前記最大送信電力は、前記基地局から提供されるパラメーター及び前記端末で予め設定されたパラメーターを利用して前記端末が決める
ことを特徴とする、請求項9に記載の端末。
【請求項12】
前記インディケータは、
1ビットから構成されて、
前記P−MPRが前記最大送信電力の変化原因の場合、1値を有する
ことを特徴とする、請求項9に記載の端末。
【請求項13】
移動通信システムにおいてPHR受信のための基地局であって、
信号を送信及び受信する送受信部;及び
PHRフォーマットが拡張PHRフォーマットであるか否かを指示する情報及びPHR禁止タイマを含むPHR設定情報を端末に送信して、前記端末から前記PHR設定情報のPHRフォーマットに対応するPHRを受信するように制御する制御部を含み、
前記端末に設定されたPHRフォーマットが前記拡張PHRフォーマットであり、前記PHR禁止タイマが満了した場合、最大送信電力及び前記最大送信電力の下限値を決定するとき、P−MPRが適用されたか否かを指示するインディケータを含む拡張PHRを受信し、
前記端末に設定されたPHRフォーマットが前記拡張PHRフォーマットでなく、前記PHR禁止タイマが満了した場合、前記P−MPRを適用するか否かを指示するインディケータを含まない一般PHRを受信し、
前記拡張PHRは、前記P−MPRによるbackoffが臨界値より多く変化する場合にトリガーされる
ことを特徴とする基地局。
【請求項14】
前記PHR設定情報は、
MAC−MainConfig IEを通じて指示される
ことを特徴とする、請求項13に記載の基地局。
【請求項15】
前記最大送信電力は、前記基地局から提供されるパラメーター及び前記端末で予め設定されたパラメーターを利用して前記端末が決める
ことを特徴とする、請求項13に記載の基地局。
【請求項16】
前記インディケータは、
1ビットから構成されて、
前記P−MPRが前記最大送信電力の変化原因の場合、1値を有する
ことを特徴とする、請求項13記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末送信電力量を效率的に報告する方法及び装置に関する。より具体的に、本発明は端末の最大送信電力の変化原因を含んで端末送信電力量を報告する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、移動通信システムは、使用者の移動性を確保しながら通信を提供するための目的に開発された。このような移動通信システムは、技術の飛躍的な発展に支えられて音声通信はもちろん高速のデータ通信サービスを提供することができる段階に至った。
【0003】
近年、次世代移動通信システム中の1つで3GPPでLTE(Long Term Evolution)に対する規格作業が進行中である。LTEは2010年程度を商用化目標とし、現在提供されているデータ送信率より高い最大100Mbps程度の送信速度を有する高速パケット基盤通信を具現する技術である。このために様々な方案が論議されているが、例えば、ネットワークの構造を簡単にして通信路上に位置するノードの数を減らす方案や、無線プロトコルを最大限無線チャンネルに近接させる方案等が論議中である。
【0004】
一方、データサービスは、音声サービスとは異なり送信しようとするデータの量とチャンネル状況によって割り当てることができる資源等が決定される。したがって、移動通信システムのような無線通信システムでは、スケジューラで送信しようとする資源の量とチャンネルの状況及びデータの量等を考慮して送信資源を割り当てる等の管理が成る。これは次世代移動通信システム中の1つであるLTEでも同様になり、基地局に位置したスケジューラが無線送信資源を管理して割り当てる。
【0005】
最近LTE通信システムに、様々な新技術を組み合わせて送信速度を向上させる進化されたLTE通信システム(LTE−Advanced、LTE−A)に対する論議が本格化されている。上記新しく導入する技術の中で代表的なものでキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation)を挙げることができる。キャリアアグリゲーションとは、従来の端末が1つの順方向キャリアと1つの逆方向キャリアのみを利用してデータ送受信をすることとは異なり、1つの端末が多数の順方向キャリアと多数の逆方向キャリアを用いることである。したがって、基地局は従来と異なり多数の逆方向キャリアごとに端末送信電力を效率的に設定する必要があり、このために、端末が端末最大送信電力及び使用可能電力を報告することは非常に重要になった。
【0006】
LTE通信システムの発展は、一端末内に多数のシステムモデムを有するデュアルモード機能が可能にするように作られた。また、別個のサービスをそれぞれ相違するシステムを利用して同時に提供受けることもできるようになった。この時、各システムごとに用いる端末最大送信電力及び使用可能電力を基地局に報告することはスケジューリングのために重要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Ericsson, ST-Ericsson, Qualcomm Incorporated, Nokia Siemens Networks,"Adding a Power Management indication in PHR"[online],3GPP TSG-RAN WG2#73 R2-110940,2011年 2月14日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解決するためのものである。特に、本発明は送信電力量報告に端末の最大送信電力の変化原因を含むことができる方法及び装置を提供することを目的とする。
【0009】
ひいては、本発明は1ビットインディケータを利用して端末の最大送信電力の変化原因がP−MPRであるか否かを報告することができる方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような問題点を解決するための端末のPHR送信方法は、端末の最大送信電力の変化原因に対するインディケータを含む拡張PHRを構成する段階;及び拡張PHRを基地局に発信する段階を含むことを特徴とする。そして基地局のPHR受信方法は、端末の最大送信電力の変化原因に対するインディケータを含む拡張PHR適用を指示する制御情報を端末に発信する段階;及び端末から拡張PHRを受信する段階を含むことを特徴とする。
【0011】
ひいては、本発明のPHR送信装置は、端末の最大送信電力の変化原因に対するインディケータを含む拡張PHRを構成する制御部;及び拡張PHRを基地局に発信する送受信機を含むことを特徴とする。そして本発明のPHR受信装置は、端末の最大送信電力の変化原因に対するインディケータを含む拡張PHR適用を指示する制御情報を生成する制御部;及び端末に制御情報を送信して、端末から拡張PHRを受信する送受信部を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明によると、基地局が端末の最大送信電力及びその変化原因が分ることができ、效率的なスケジューリングが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】基地局が好ましくないスケジューリングを行う場合を説明するための図面である。
【
図1B】基地局が好ましくないスケジューリングを行う場合を説明するための図面である。
【
図2】本発明の実施例によってPHRを送信して受信する過程を示した図面である。
【
図3A】本発明の実施例によってPHRを端末が送信する過程を示した図面である。
【
図3B】本発明の実施例によってPHRを基地局が受信する過程を示した図面である。
【
図4】本発明の実施例による拡張PHRの構成を示した図面である。
【
図5】本発明の実施例による端末のPHR送信装置200の構造を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、以下に記載する実施例の説明内容に限定されるものではなく、本発明の技術的要旨を外れない範囲内で多様な変形が加えられることは自明である。そして実施例を説明することにおいて本発明が属する技術分野に広く知られており、本発明の技術的要旨と直接的に関連がない記述内容に対しては説明を省略する。
【0015】
一方、添付の図面で同一構成要素は同一符号で表現される。そして添付図面において一部構成要素は誇張されたり省略されたり概略的に図示されることもできる。これは本発明の要旨と関連がない不必要な説明を省略することによって本発明の要旨を明確に説明するためである。以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。
【0016】
LTEシステムでは、端末が使用可能な送信電力量をPH(Power Headroom)と言い、端末最大送信電力P
CMAXと現在使用中の端末送信電力の差に定義される。端末は特定条件が満足されると、PHを基地局に報告して、これをPHR(Power Headroom Report)と言う。従来技術で端末がPHRを報告する特定条件は無線経路損失(pathloss)が特定臨界値より大きく変化したり、PH報告周期が到来した時である。基地局は収集したPH値を基づいて当該の端末が経験しているチャンネル状態を予測することができ、当該の端末に追加的に無線資源を割り当てするのかを決めることができる。
【0017】
PHは端末最大送信電力P
CMAXの変化、電波経路損失の変化、TPC command errorなどの原因によって、継続変化して、これにより、基地局は無線資源を誤り割り当てることもできる。
【0018】
図1A及び1Bは、基地局が好ましくないスケジューリングを行う場合を説明する図面である。
【0019】
図1Aには時間t1時点で端末電力使用割合を示す。端末最大送信電力P
CMAX110は、基地局から提供されるパラメーターと予め定義されたパラメーターを利用して、最大値P
CMAX_H105と最小値P
CMAX_L115が決定されて、この範囲内から1つの値で決まる。
【0020】
時間t1時点で端末はx個のRB(Resource Block)の無線資源を割り当てられ、MCS(Modulation & Coding Scheme)=mでデータを送信している。この時、用いられる端末送信電力120は、端末最大送信電力110に比べて顕著に低い。端末は特定条件が満足すると、最大送信電力P
CMAX110と使用中の送信電力120の差であるPH145を基地局に伝達する。
【0021】
基地局は、PH値を基づいて端末により多い無線資源を割り当てても端末送信電力が不足ではないことと判断する。ここに基地局は当該の端末にさらに高い送信率でサービスを提供するために、追加的にy RBsさらに割り当てて、MCSも以前mよりさらに高いnへ増加させる。
【0022】
図1Bは、時間t2時点で端末電力使用割合を示す。
図1Bで示されるように必要な送信電力135は大きく増加するが、反対に最大送信電力P
CMAX140は減って、必要な送信電力に及ぶことができなくなる。これは最大送信電力P
CMAX140がスケジューリングされPRB(Physical Resource Block)の量及び位置、システム帯域幅、周波数バンド、スケジューリングされたキャリアの数などの原因によって、変化されるからである。
【0023】
したがって、このような問題を解決する方法は、端末が基地局に最大送信電力を報告して、基地局はこのような情報を収集して、多くの状況で変化する端末最大送信電力を予め念頭して計算することである。しかし、端末最大送信電力値のみを収集することとしては十分ではない。基地局が意味ある情報を有するためには端末最大送信電力がどんな原因によって変化されたのかを分かるべきである。
【0024】
端末最大送信電力に原因を及ぼす要素を調べるためには端末最大送信電力を決める基準を把握しなければならない。前述したように、端末最大送信電力P
CMAXは基地局から提供されるパラメーターと予め定義されたパラメーターを利用して、最大値P
CMAX_Hと最小値P
CMAX_Lが決定されて、この範囲内から1つの値と決まる。
すなわち、
P
CMAX_L≦P
CMAX≦P
CMAX_H 式1
ここで、最大値P
CMAX_Hと最小値P
CMAX_Lは式2と式3を利用して下記のように定義される。
P
CMAX_L=MIN{P
CMAX−ΔT
C、P
PowerClass−MAX(MPR+A−MPR、P−MPR) −ΔT
C} 式2
P
CMAX_H=MIN{P
EMAX、P
PowerClass} 式3
【0025】
P
EMAXは、基地局が提供する最大送信電力値でbroadcast情報であるSIB1を通じて端末に伝達する。一方、P
PowerClassは各端末で提供可能な最大送信電力である。 P
CMAX_Hは2つ値の最小値で定義される。
【0026】
一方、P
CMAX_Lは多少複雑である。P
CMAX_Lは大きくMPR+A−MPRとP−MPR の影響を受ける。ΔT
C、MPR、A−MPRは隣接チャンネルに対する意図されない放射や干渉を所定の要求条件に合わせるために端末がサービングセルで最大送信電力を調整することができる限界値を定義するパラメーターである。
【0027】
MPRは、端末が割り当てられた送信資源の量(すなわち帯域幅)と変造方式によって決まる値である。 A−MPRは逆方向送信がなる周波数帯域、地域的特性、逆方向送信の帯域幅などによって決まる値である。A−MPRは地域的特性と周波数帯域的特性によって、周辺にスプリアス放射に特別に敏感な周波数帯域がある場合に対比して用いられる。ΔT
Cは逆方向送信が周波数帯域の縁部で行われる場合、追加的な送信電力調整を許容するためのものである。逆方向送信が任意の周波数帯域の最低4MHzに該当する帯域や最高4MHzに該当する帯域で行われれば、端末はΔT
Cを1.5dBで設定して、残り場合には0で設定する。
【0028】
P−MPRはSAR(Specific Absorption Rate:電子波が人体に及ぶ影響を所定の基準以下で制御すること)要求条件を満足させるために適用される送信出力縮小値であり、機器と人体の間の距離などを考慮して決まる値である。例えば、機器と人体の間の距離が近ければ機器の総送信出力値が低くなければならなく、このためにP−MPRは高い値が適用される。
【0029】
反対に機器と人体の間の距離が遠ければ機器の総送信出力値が高くなっても構わないので P−MPRで低い値が適用される。P−MPRは電力管理と関連があり、多数のキャリアと共に運用したり、他のシステムモデムと共にデータを送信する場合、1つのキャリアまたは1つのシステムに割り当てられる最大電力量を制限する。このような影響をP−MPRで反映する。
【0030】
したがって、端末最大送信電力P
CMAXは大きくout-of-band emission 要求事項に係ったMPR+A−MPRまたは電力管理に係ったP−MPRの2つの原因によって変化されることを分かる。端末が最大送信電力量と共に、2つの原因を区分してくれることができる1つのインディケータを基地局に報告すると、基地局は多くの状況に対して端末最大送信電力がどんなに変化するはずなのかを予め念頭して計算することができるでしょう。
【0031】
本発明ではPHRに端末最大送信電力量と最大送信電力量の変化原因を現わす1ビットインディケータを共に伝達する方法を提案する。
【0032】
本発明では当該の1 ビットインディケータをPビットと称する。当該のインディケータは1ビットから構成されて、「0」は最大送信電力が電力管理のためのP−MPRによって影響を受けない場合を現わして、「1」は影響を受ける場合を現わす。
【0033】
すなわち、P−MPRが適用されてP
CMAX、Cが異なる値になるとPビットを1と設定して、P−MPR適用された場合と適用にならない場合にP
CMAX、C 値が同一であればPビットを0と設定する。このために、従来のPHRフォーマットと異なり、追加的な情報を含ませるように拡張されたPHRフォーマットが利用されるはずであり、従来のPHRトリガー条件と共に、追加的にP−MPRが特定臨界値より大きく変化する場合、PHRはトリガーされるでしょう。
【0034】
図2は、本発明の実施例によってPHRを送信して受信する過程を示した図面である。
【0035】
段階210で端末200は基地局205に端末が他のRATまたはCarrier Aggregation(CA)に対する支援が可能であると知らせる。段階215で基地局は多様な状況に対して、P
CMAX変化に対する情報を収集することに決めて、拡張されたPHRフォーマットを用いることに決める。
【0036】
段階220で基地局はRRC Connection Reconfiguration メッセージを通じて、拡張されたPHRフォーマットの適用を端末に指示する。拡張されたPHRフォーマットを適用するか否かはMAC−MainConfig IEを通じて指示されて、以外のPHR関連設定情報はPHR−config IEに含まれる。端末は段階225で他のRATを通じてデータを送信したり、CA 技術を利用して、複数のサービングセル、すなわち追加的にSCellを通じてデータ送信が必要であることを認知する。
【0037】
段階230で、基地局はアップリンク無線資源を端末に割り当てる。段階235で端末は P
CMAXを決める時、電力管理のために、P−MPRによってP
CMAXが影響を受けることを認知する。P
CMAXは式2と式3によって導出される最大値P
CMAX_Hと最小値P
CMAX_Lの範囲内で端末が選択する。
【0038】
段階240で、端末は以下の条件のうちの少なくとも1つが満足するとPHRをトリガーする。
【0039】
-条件1:prohibitPHR−Timerが満了された状態で、少なくとも1つのサービングセルで基地局に提供受けた1つの臨界値dl−PathlossChange よりダウンリンクでの無線経路損失(pathloss)が大きく変化する時
【0040】
-条件2:periodicPHR−Timerが満了された場合
【0041】
-条件3:上位階層からPHRがconfiguration/reconfigurationされる時
【0042】
-条件4:アップリンクセルと共に1つのSCellがactivateになる時
【0043】
-条件5:prohibitPHR−Timerが満了された状態で、P−MPRによるpower backoffが臨界値dl−PathlossChangeより大きく変化する。
【0044】
端末は段階245で拡張されたPHRを基地局に報告する。この拡張されたPHRには PH情報と共に、P
CMAXとP−MPRの影響であるか否かを知らせるための1ビットインディケータPを含む。この1ビットは、最大送信電力が電力管理のためのP−MPRを影響を受けない場合には「0」と設定されて、影響を受ける場合には「1」と設定される。
【0045】
参照にこの拡張されたPHRはCAが適用される場合、すべてのactivated SCellのPH、P
CMAX、P値を含む。ここでPHは以下の数式で計算される。
【数1】
Serving cellcでi番目subframeのPH(i)は最大逆方向送信電力P
CMAX 、c(i)、資源ブロックの数M
PUSCH、c (i)、MCSから誘導されるpower offset Δ
TF、c、経路損失PL
c、f
c(i)(accumulated TPC commands)によって計算される。
【0046】
上記数式でPL
cはサービングセルcに対して経路損失を提供するように設定されているセルの経路損失である。任意のサービングセルの逆方向送信出力決定に用いられる経路損失は当該のセルの順方向チャンネルの経路損失であるか、或いは他のセルの順方向チャンネルの経路損失である。この中、どんな経路損失を用いられるかはコール設定過程で基地局が選択して端末に知らせる。
【0047】
上記数式でf
c(i)はサービングセル cの送信出力調整命令(Transmission Power Control)の累積値である。P
O_PUSCH、Cは上位階層でパラメーターとして、cell−specific及びUE−specific値の合からなる。一般的に、P
O_PUSCH、Cはsemi-persistent scheduling、dynamic scheduling、random access responseなどのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)送信種類によって他の値が適用される。
【0048】
α
cは上位階層で提供される3-bit cell−specific値で逆方向送信出力計算時、経路損失に適用する加重値(すなわち、この値が高いほど経路損失が逆方向送信出力により多い影響を及ぶ)であり、PUSCH送信種類によって適用する数の値が制限される。j価格はPUSCHの種類を現わすことに用いられる。J=0である時には semi−persistent scheduling、j=1である時にはdynamic scheduling、j=2である時にはrandom access responseをそれぞれ現わす。
【0049】
以後、段階250で基地局は当該の情報をデータベース化して、スケジューリングすることに利用する。
【0050】
図3Aは、本発明の実施例によってPHRを端末が送信する過程を示した図面である。
【0051】
段階300で端末は基地局から提供受けたPHR設定情報の中に拡張されたPHRフォーマットを適用しなさいという指示があるかどうかを確認する。当該の指示がなければ段階310で従来のPHフォーマットを利用してPHRを報告すれば良い。
【0052】
段階305で端末は、アップリンク無線資源割り当てによってデータを送信して、段階 315でPHRトリガー条件が満足されるかどうかを継続確認する。
【0053】
もし、前述した条件が1つでも満足されると、段階320で端末は報告するP
CMAX値が電力管理次元でP−MPRの影響を受けたのかを確認する。もし影響を受けたら、段階325で拡張されたPHRを構成して、段階330でPビット値を1と設定する。そうではない場合には、段階335で拡張されたPHRを構成して、段階340でPビット値を0と設定する。
【0054】
以後、段階345で端末はPHRを基地局に報告する。
【0055】
図3Aは、本発明の実施例によってPHRを端末が送信する過程を示した図面である。
【0056】
段階350で基地局は多様な状況に対して、P
CMAX変化に対する情報を収集することに決める。すなわち、基地局は本発明の実施例による拡張されたPHRフォーマットを用いることに決める。
【0057】
段階360で基地局はRRC Connection Reconfiguration メッセージを通じて、拡張されたPHRフォーマットの適用を端末に指示する。拡張されたPHRフォーマットの適用であるか否かは、MAC−MainConfig IEを通じて指示されて、その他PHR関連設定情報はPHR-config IEに含まれる。以後、段階370で基地局はアップリンク無線資源を端末に割り当てる。
【0058】
段階380で基地局は端末から拡張されたPHRを受信する。前述したように、このような拡張されたPHRにはPH情報と共に、P
CMAXとP−MPRの影響であるか否かを知らせるための1ビットインディケータPを含む。この1ビットは最大送信電力が電力管理のためのP−MPRを影響を受けない場合には「0」と設定されて、影響を受ける場合には「1」と設定される。参照にこの拡張されたPHRはCAが適用される場合、すべてのactivated SCellのPH、P
CMAX、P値を含む。
【0059】
以後、段階390で基地局は当該の情報をデータベース化して、スケジューリングすることに利用する。
【0060】
図4は、
図3の段階325及び335のPHR構成に対してさらに詳しく説明するためのPHR構成図である。
【0061】
いくつかのキャリアが集積された移動通信システムでいくつかのサービングセルに対するPHを報告すべきである場合、これらを1つのPHRに集めて送信する。このような方法は各キャリア別でPHを送信することに比べてシグナルオーバーヘッドを減らすことができ、実際PUSCH送信がないキャリアに対してもPH情報を得ることもできる。
【0062】
ブロック400乃至430は、CAのうちで、どんなactivated CC(Component Carrier)のPHが当該のPHRに含まれているかどうかを指示するためのビットマップである。ビットマップの各ビットはSCell indexと一致して、1つのSCellと対応される。
【0063】
ブロック435は、Pビットで本発明でP−MPRによって、端末最大送信電力P
CMAXが影響を受けたのかを指示する。
【0064】
実際PUSCH送信がなくても、基地局は特定逆方向キャリアでの経路損失情報を得るため、PHをトリガーさせることができる。端末と基地局がPUSCH送信がない場合に PH算出のために用いる送信フォーマット(送信資源の量とMCSレベル)を決めておくことで解決可能である。
【0065】
この時、基地局は報告されたPHを正しく解釈するためには、PHRに含まれた各サービングセルに対するPHが実際PUSCH送信を考慮して計算されたのか、または予め定義された送信フォーマットを利用して計算されたのか分かるべきである。このために、既存のPHRフォーマットにこれを知らせることができるインディケータ(indicator)が必要である。ブロック440のVビットはこのため1ビットインディケータである。
【0066】
任意のセルのPHを報告することにおいて端末は上記セルのPHを計算する時、実際PUSCH送信に基礎して、すなわち実際送信フォーマットを用いてPHを計算したら上記ビットを所定の値(例えば、0)と設定して、当該のセルにPUSCH送信がなかったのでreference format(すなわち、RB個数=0、とΔT
F=0)を用いてPHを計算したら上記ビットをまた他の所定の値(例えば、1)と設定する。
【0067】
ブロック450及び455は、それぞれPHとP
CMAX値である。連続されたバイトで各キャリアのPH情報は、PCellのType2 PHとP
CMAX→PCellのType 1 PH(ブロック460)とP
CMAX(ブロック465)→1番SCellのPH(ブロック 470)とP
CMAX(ブロック475)→2番SCellのPHとP
CMAX→3番SCellのPHとP
CMAX→4番SCellのPHとP
CMAXの昇順で構成される。R(ブロック450)はreserved bitである。
【0068】
図5は、本発明を適用した端末200の内部構造を示したブロック図である。
【0069】
端末は上位階層とデータなどを送受信する上位階層装置510を含み、制御メッセージ処理部515を通じて制御メッセージを送受信する。
【0070】
ひいては端末200は、基地局205で制御信号またはデータ送信時、制御部520の制御によって多重化装置505を通じて多重化後の送信機500を通じてデータを送信する。
【0071】
一方、端末がデータを受信する場合、端末は制御部520の制御によって受信機500で物理信号を受信した後、逆多重化装置505で受信信号を逆多重化して、それぞれメッセージ情報によって上位階層装置510、或いは制御メッセージ処理部515で受信信号を伝達する。
【0072】
本明細書と図面に開示された本発明の実施例は、本発明の記述内容を容易に説明して本発明の理解を助けるために特定例を提示したものだけで、本発明の範囲を限定しようとするものではない。ここに開示された実施例以外にも本発明の技術的思想に基づいた他の変形例が実施可能であるということは本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に自明なものである。
【符号の説明】
【0073】
500 送受信機
505 多重化及び逆多重化装置
510 上位階層
515 制御メッセージ処理部
520 制御部