特許第6444989号(P6444989)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6444989
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/008 20060101AFI20181217BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   A61B1/008 512
   G02B23/24 A
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-509874(P2016-509874)
(86)(22)【出願日】2014年7月2日
(86)【国際出願番号】JP2014067699
(87)【国際公開番号】WO2015145791
(87)【国際公開日】20151001
【審査請求日】2017年5月9日
(31)【優先権主張番号】特願2014-62215(P2014-62215)
(32)【優先日】2014年3月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】西島 義和
【審査官】 安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−153714(JP,A)
【文献】 特開2008−237812(JP,A)
【文献】 特開2010−017483(JP,A)
【文献】 実開平01−107301(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
G02B 23/24−23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲部と、
前記湾曲部の基端側に設けられた可撓管部と、
前記可撓管部内に挿通され、前記湾曲部を湾曲させるための複数の湾曲ワイヤと、
各々に前記湾曲ワイヤが挿通された複数のコイルパイプと、
前記可撓管部の先端側に設けられた口金と、
前記口金の先端側に配置され、各々に前記湾曲ワイヤが通る複数の湾曲ワイヤ用孔を有し、前記複数のコイルパイプの先端部を係止するコイルパイプ係止部材と、
前記湾曲部の最基端の湾曲駒に固定された固定部材と、を有し、
前記コイルパイプ係止部材は、前記口金と前記固定部材とにより挟持されていることを
特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記コイルパイプ係止部材は、前記可撓管部内に挿通される前記複数のコイルパイプ以外の内蔵物が通る複数の孔を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記コイルパイプ係止部材は、前記口金と前記固定部材の少なくとも1つに対して、前記可撓管部の軸回りの位置を決めるための位置決め部を有していることを特徴とする請求項に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記コイルパイプ係止部材の前記位置決め部は、前記口金と前記固定部材の少なくとも1つに形成された所定形状に係合する形状を有していることを特徴とする請求項に記載の内視鏡。
【請求項5】
各々に前記コイルパイプの先端部が入り係止される複数の凹部を有し、
各凹部に、前記湾曲ワイヤ用孔が形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の内視鏡。
【請求項6】
前記各コイルパイプの先端部は、前記凹部に接着剤により接着されて固定されていること
を特徴とする請求項に記載の内視鏡。
【請求項7】
各コイルパイプの先端部は、前記複数の湾曲ワイヤ用孔に入り込んで係止されていること
を特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の内視鏡。
【請求項8】
前記各コイルパイプの先端部は、前記湾曲ワイヤ用孔において接着剤により接着されて固定されていることを特徴とする請求項に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記各コイルパイプは、前記口金から前記湾曲ワイヤ用孔に向かって前記可撓管部の軸に対して所定の角度を持って配置され、
前記各湾曲ワイヤ用孔は、前記各コイルパイプの配置に合わせて形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡に関し、特に、湾曲部を湾曲させるための複数の湾曲ワイヤが可撓管部内に挿通された内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内視鏡が工業分野及び医療分野で広く利用されている。内視鏡には、細長で、可撓性を有する挿入部を有するものがある。その挿入部は、先端側に湾曲部を有し、湾曲部の基端側には可撓管部が接続されている。湾曲部は、内視鏡の操作部における湾曲操作により、湾曲可能となっている。湾曲部と可撓管部は、口金により接続され、挿入部は、口金による接続部分も含めて樹脂などにより被覆されている。
【0003】
可撓管部内には、湾曲部を湾曲させるための湾曲ワイヤが少なくとも2本挿通されており、可撓管部の基端部に設けられた操作部を操作することにより、湾曲ワイヤが可撓管部の軸方向において進退して、湾曲部は湾曲する。各湾曲ワイヤは、コイルパイプ内に挿通されて、複数のコイルパイプは、可撓管部内に設けられている。
【0004】
日本特開2007−298815号に開示のように、湾曲ワイヤの先端部は、湾曲部内の湾曲駒に固定され、コイルパイプの先端部は、湾曲部と可撓管部を接続する口金にろう付けあるいは半田付けにより固定されている。
【0005】
しかし、コイルパイプの先端部が固定される口金は小さく、作業者は、口金の狭い内周面上に、コイルパイプの先端部をろう付け等をしなければならない。そのため、ろう付け等の作業には、熟練した技術が必要とされる。また、熟練した技術を有する技能者がその作業を行ったとしても、技能者間でばらつきもあるため、ろう付け等の後に、余剰なろう等を除去する作業が必要となる場合もある。よって、従来のコイルパイプの先端部の固定する作業には、多くの工数がかかっている。
【0006】
また、可撓管部内には、コイルパイプ以外にも、信号線、電源線などの他の内蔵物も挿通されているため、湾曲部における湾曲動作が繰り返されていくうちに、可撓管部の内部において、コイルパイプ同士あるいはコイルパイプと他の内蔵物とが絡んでしまうこともある。
【0007】
そこで、本発明は、熟練した技能を必要としないでかつ作業工数が少なく、可撓管部内に挿通されるコイルパイプの先端部を固定可能で、コイルパイプ同士あるいはコイルパイプと他の内蔵物が可撓管部内で絡み難い内視鏡を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、湾曲部と、前記湾曲部の基端側に設けられた可撓管部と、前記可撓管部内に挿通され、前記湾曲部を湾曲させるための複数の湾曲ワイヤと、各々に前記湾曲ワイヤが挿通された複数のコイルパイプと、前記可撓管部の先端側に設けられた口金と、前記口金の先端側に配置され、各々に前記湾曲ワイヤが通る複数の湾曲ワイヤ用孔を有し、前記複数のコイルパイプの先端部を係止するコイルパイプ係止部材と、前記湾曲部の最基端の湾曲駒に固定された固定部材と、を有し、前記コイルパイプ係止部材は、前記口金と前記固定部材とにより挟持されていることを特徴とする内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に関わる内視鏡システム1の構成を示す構成図である。
図2】本実施の形態に関わる湾曲部8と可撓管部9の接続部分の断面図である。
図3】本実施の形態に関わる、4本のコイルパイプの先端部が固定され、4本の湾曲ワイヤ31と信号ケーブル28と2本の電源線33が挿通されたコイルパイプ係止部材26の斜視図である。
図4】本実施の形態に関わる、関節受け部材25と、コイルパイプ係止部材26と、接続部材11との係合関係を説明するための模式的斜視図である。
図5】本実施の形態に関わる、4本のコイルパイプ32の先端部が固定されたコイルパイプ係止部材26の断面図である。
図6】本実施の形態の変形例1に関わる、各凹部26b1及び各孔26bの軸Lが挿入部4の軸Oに対して所定の角度αを有するコイルパイプ係止部材26Aの断面図である。
図7】本実施の形態の変形例2に関わる、段差部を有しないで各孔26b3のみが形成されたコイルパイプ係止部材26Bの断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、及び各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
【0011】
(内視鏡装置の構成)
図1は、本実施の形態に関わる内視鏡システムの構成を示す構成図である。
【0012】
図1に示すように、内視鏡システム1は、内視鏡2と、内視鏡2に接続された装置本体3とを有して構成されている。
内視鏡2は、細長で可撓性を有する挿入部4と、挿入部4の基端部に接続された操作部5と、操作部5から延出されたユニバーサルコード6とを具備して構成されている。
【0013】
挿入部4は、挿入部4の先端側から順に、先端硬性部7と、湾曲部8と、湾曲部8の基端側に設けられた可撓管部9とが連設されている。長尺な可撓管部9の基端部には操作部5が接続されている。
湾曲部8は、操作部5に設けられたジョイスティック5aへの操作により、例えば上下左右の4方向に湾曲可能となっている。なお、操作部5には、ジョイスティック5aの他、先端硬性部7内に設けられた撮像素子(図示せず)による撮影動作等を指示する各種スイッチ等も設けられている。さらに、発光ダイオード(LED)を用いた照明部(図示せず)が、先端硬性部7に設けられている。
【0014】
装置本体3は、例えば箱状を有しており、外装筐体に、内視鏡2により撮像された内視鏡画像を表示するモニタが設けられている。
【0015】
(可撓管部と湾曲部の接続部分の構成)
図2は、本実施の形態に関わる湾曲部8と可撓管部9の接続部分の断面図である。湾曲部8と可撓管部9は、接続部材11により接続されている。接続部材11は、可撓管部9の先端側に設けられ、筒状形状を有する口金である。接続部材11は、ステンレス等の金属製である。
【0016】
口金である接続部材11は、2つの筒状部材12と13とから構成されている。筒状部材12の外周側には、段差部12aが形成されており、筒状部材13の先端部が段差部12aに突き当たるように、筒状部材13の先端部が、筒状部材12の基端部から外挿されている。段差部12aの部分がレーザ溶接されて、筒状部材13は、筒状部材12に接続されて固定されている。なお、筒状部材12と13は、接着剤により固定してもよい。
【0017】
湾曲部8は、複数の湾曲駒14を有する。
筒状部材13の先端部分が筒状部材12の基端側から外挿されて筒状部材12と13が接続固定されたときに、筒状部材12の基端部分の外周面12cと、筒状部材13の基端部分の内周面13aとの間に隙間gが形成されるような形状を、筒状部材12と13の基端部分は有している。
【0018】
可撓管部9の先端薄肉部9aが、筒状部材12の基端側部分の外周面12cと、筒状部材13の基端側部分の内周面13aとにより挟まれた状態で、その隙間gに配置されている。
可撓管部9は、内側から、フレックス21と、ブレード22と、外皮樹脂23とが積層されて構成されている。フレックス21は、平板材が螺旋状に巻かれた形状を有する可撓性部材としての螺旋管である。ブレード22は、金属編組である。外皮樹脂23は、ブレード22の細かな金属素線の間に、一部が入り込むようにしてブレード22の外周部に形成されている。
【0019】
さらに、挿入部4は、先端側から基端側にかけて、湾曲駒14、接続部材11及び外皮樹脂23の外周部に、ブレード24が被せられている。なお、ブレード24は、外皮樹脂でもよい。
【0020】
接続部材11の外周部において、ブレード24の外周部に糸巻きがされて、接着剤24aが塗布されている。
以上のように、可撓管部9は、筒状の可撓性部材を有し、可撓性部材は、フレックス21と、フレックス21を被覆する外皮樹脂23と、フレックス21と外皮樹脂23の間に設けられたブレード22を有する。
【0021】
接続部材11の先端部には、円筒状の関節受け部材25が接続されている。接続部材11と関節受け部材25は、関節受け部材25の基端部と筒状部材12の凸部12bとの当接部分において溶接あるいは接着剤により接続されて固定されている。
【0022】
関節受け部材25の先端部が最基端の湾曲駒14pの基端部から内挿されて、関節受け部材25の先端部の外周面が湾曲駒14pの内周面に嵌合するように、関節受け部材25は、湾曲駒14pに接続されている。すなわち、関節受け部材25は、湾曲部8の最基端の湾曲駒14pに固定された固定部材である。
【0023】
接続部材11と関節受け部材25の間には、ステンレス、アルミニウム、真鍮などの金属製のコイルパイプ係止部材26が挟持されている。なお、コイルパイプ係止部材26は、樹脂製でもよい。
【0024】
具体的には、円筒状の関節受け部材25は、内周面25aにおいて周方向に形成された円形の段差部25bを有する。コイルパイプ係止部材26が関節受け部材25の基端側の開口部内に入れられ、次に、筒状部材12の先端部が関節受け部材25の基端側の開口部に内挿される。コイルパイプ係止部材26は、段差部25bに当接し、関節受け部材25と筒状部材12により挟持される。すなわち、コイルパイプ係止部材26は、口金である接続部材11と固定部材である関節受け部材25とによって、挟持されている。
【0025】
4本の湾曲ワイヤ31の各々は、コイルパイプ32に挿通されている。4本のコイルパイプ32の先端は、コイルパイプ係止部材26に係止されている。複数の(ここでは4本の)湾曲ワイヤ31は、可撓管部9内に挿通され、湾曲部8を湾曲させるためのワイヤであり、複数の(ここでは4本の)コイルパイプ32の各々には、湾曲ワイヤ31が挿通されている。
【0026】
(コイルパイプ係止部材の構成)
図3は、4本のコイルパイプの先端部が固定され、4本の湾曲ワイヤ31と信号ケーブル28と2本の電源線33が挿通されたコイルパイプ係止部材26の斜視図である。図4は、関節受け部材25と、コイルパイプ係止部材26と、接続部材11との係合関係を説明するための模式的斜視図である。図5は、4本のコイルパイプ32の先端部が固定されたコイルパイプ係止部材26の断面図である。
【0027】
図3に示すように、コイルパイプ係止部材26は、位置決め部としての2箇所のカット部26aを有する円板状部材であり、複数の貫通孔を有する。2箇所のカット部26aは、可撓管部9の軸回りの位置を決めるための部分である。なお、ここでは、カット部26aは、コイルパイプ係止部材26に2つ設けられているが、1つでもよい。
【0028】
4つの孔26bは湾曲ワイヤ31用の孔である。貫通孔である4つの孔26bは、円形のコイルパイプ係止部材26の中心軸回りに90度の間隔で配置されるように、コイルパイプ係止部材26に形成されている。筒状部材12の先端部の外周部にも、カット部26aと同形状のカット部12dが2つ形成されている。
【0029】
関節受け部材25の段差部25bが形成されている内周面25aには、2つのカット部26aと2つのカット部12dに対応する2つの平面部25dが形成されている。すなわち、2つの平面部25dは、2つのカット部26aと2つのカット部12dに係合する所定の形状を有する。
【0030】
各カット部26aと12dが、関節受け部材25の内周面25aの各平面部25dと密着するように、コイルパイプ係止部材26と筒状部材12が、関節受け部材25の基端部の開口内に挿入される。
【0031】
各カット部26aと12dが関節受け部材25の内周面25aの各平面部25dと密着するので、コイルパイプ係止部材26と筒状部材12は、関節受け部材25の基端部の開口内で、可撓管部9の軸O回りに回動することがないように位置決めされる。
【0032】
なお、ここでは、各カット部26aが関節受け部材25の内周面25aの各平面部25dと密着するように、各カット部26aと密着して係合する所定の形状を有する部分が関節受け部材25に設けられているが、接続部材11側に、各カット部26aと密着して係合する所定の形状を有する部分を設けるようにしてもよい。
【0033】
すなわち、コイルパイプ係止部材26は、接続部材11と関節受け部材25の少なくとも1つに対して可撓管部9の軸回りの位置を決めるための位置決め部である2箇所のカット部26aを有する。2箇所のカット部26aは、接続部材11と関節受け部材25の少なくとも1つに形成された所定の形状に係合する形状を有している。
【0034】
また、図5に示すように、コイルパイプ係止部材26は、複数の凹部26b1を有し、各コイルパイプ32の先端部が凹部26b1内に入って係止される。各凹部26b1に、湾曲ワイヤ用の孔26bが形成されている。
【0035】
各孔26bは、湾曲ワイヤ31を挿通可能で、コイルパイプ32の外径よりも小さな内径を有するが、凹部26b1の内径は、コイルパイプ32の外径よりも大きい内径を有している。
【0036】
よって、コイルパイプ32内に挿通された湾曲ワイヤ31は、孔26bを通るが、コイルパイプ32の先端部は、凹部26b1の段差部26b2に係止される。すなわち、コイルパイプ係止部材26は、口金である接続部材11の先端側に配置され、各々に湾曲ワイヤ31が通る複数の湾曲ワイヤ用の孔26bを有し、複数のコイルパイプ32の先端部を係止している。
【0037】
各コイルパイプ32の先端部は、接着剤27により凹部26b1において接着されて固定されている。
なお、各コイルパイプ32の先端部は、接着剤27により段差部26b2に固定せず、係合した状態のままでもよい。各コイルパイプ32内には、湾曲ワイヤ31が挿通されているので、コイルパイプ32の先端部が孔26bから外れても、挿入部4内で、軸Oに直交する方向に大きくずれることはない。
【0038】
図2に示すように、関節受け部材25には、4本の湾曲ワイヤ31を通すための孔25cが設けられている。各孔25cに挿通された湾曲ワイヤ31は、湾曲駒14内に配置され固定されたガイド部材15内に挿通される。各湾曲ワイヤ31は、図示しない最先端湾曲駒に固定される。
【0039】
図3に示すように、コイルパイプ係止部材26の中央の孔26cは、撮像素子ユニットの信号ケーブル28が挿通される孔である。さらに、中央の孔26cの周りには、LED照明用の2本の電源線33用の2つの孔26d、送気・送水用のパイプ用の孔26e、及び吸引パイプ用の孔26fも形成されている。4つの孔26d、26d、26fの各々は、湾曲ワイヤ31用の隣り合う2つの孔26bの間に設けられている。
【0040】
すなわち、コイルパイプ係止部材26は、可撓管部9内に挿通される複数のコイルパイプ32以外の内蔵物が通る貫通孔である複数の26c等も有している。
【0041】
なお、ここでは、内視鏡2の先端硬性部7に、LEDを用いた照明部が設けられているが、光ファイバを用いたライトガイドを用いた照明部の場合は、2つの孔26dには、ライトガイドが挿通される。
【0042】
さらに、可撓管部9内に、先端硬性部7に発生した熱を挿入部の基端側へ逃がすための放熱用のワイヤが配置される場合は、コイルパイプ係止部材26は、先端硬性部7に発生した熱を挿入部の基端側へ逃がすための放熱用のワイヤ用の孔が設けられる。
(作用)
以上の構成によれば、作業者は、各コイルパイプ32の先端部を、コイルパイプ係止部材26の係止部である凹部26b1に挿入して接着剤で固定するだけでよいので、熟練した技能を有する必要はない。
【0043】
さらに、各コイルパイプ32の先端部は、コイルパイプ係止部材26の孔26bに係止されているので、湾曲部8が湾曲されたときに、挿入部4内で、コイルパイプ32は、軸Oに対して直交する方向に移動し難い。よって、湾曲部8の湾曲動作が繰り返されても、コイルパイプ32同士、及びコイルパイプ32と他の内蔵物とが絡み合い難い。すなわち、コイルパイプ係止部材26は、複数の孔26bを有し、湾曲部8と可撓管部9の接続部分において複数のコイルパイプ32を互いに離間させるセパレータとしての機能を有する。
【0044】
上述した実施の形態によれば、熟練した技能を必要としないで、挿入部内に挿通されるコイルパイプの先端部を工数が少なく固定可能で、コイルパイプ同士あるいはコイルパイプと他の内蔵物が挿入部内で絡み難い内視鏡を提供することができる。
【0045】
次に、変形例について説明する。
【0046】
(変形例1)
上述した実施の形態では、4つの凹部26b1及び4つの孔26bは、4つのコイルパイプ32が軸Oに平行に配置されるようにコイルパイプ係止部材26に形成されているが、4つのコイルパイプ32が軸Oに対して平行とならないにように、すなわち可撓管部9の軸Oに対して所定の角度αを有するように、4つの凹部26b1及び4つの孔26bをコイルパイプ係止部材26に形成するようにしてもよい。
【0047】
図6は、各凹部26b1及び各孔26bの軸Lが挿入部4の軸Oに対して所定の角度αを有するコイルパイプ係止部材26Aの断面図である。
【0048】
図2に示すように、接続部材11と関節受け部材25の接続部分の内側では、接続部材11から引き出された湾曲ワイヤ31は、接続部材11内の点P1の位置からコイルパイプ係止部材26を通って関節受け部材25内の点P2の位置に向かって、配置される。
【0049】
そこで、本変形例では、図6に示すように、各凹部26b1及び各孔26bの軸Lが点P1から点P2へ向かう直線に略一致するように、各凹部26b1及び各孔26bは、コイルパイプ係止部材26に形成される。すなわち、可撓管部9の軸Oに対して各凹部26b1及び各孔26bの軸Lがなす角度αが、可撓管部9の軸Oに対して点P1と点P2を結ぶ線分がなす角度と略一致するように、各凹部26b1及び各孔26bが形成される。
【0050】
言い換えれば、各コイルパイプ32は、口金である接続部材11から湾曲ワイヤ用の孔26bに向かって可撓管部9の軸Oに対して所定の角度αを持って配置されている。各湾曲ワイヤ用の孔26bは、各コイルパイプ32の配置に合わせて形成されている。
【0051】
これにより、各湾曲ワイヤ31は、接続部材11と関節受け部材25の接続部分の内側において、コイルパイプ係止部材26の各孔26bを通るときに摩擦抵抗が少なく、軸Oの方向に沿って進退することができる。
【0052】
(変形例2)
さらに、上述した実施の形態及び変形例1では、コイルパイプ係止部材26は、図5及び図6に示すように、各凹部26b1は、内周側に段差部26b2を有しているが、段差部26b2はなくてもよい。
【0053】
図7は、段差部を有しないで各孔26b3のみが形成されたコイルパイプ係止部材26Bの断面図である。
図7に示すように、各コイルパイプ32の先端部は、孔26b3において接着剤27で固定される。各孔26b3の内径は、コイルパイプ32の外径よりも大きい。
【0054】
すなわち、各コイルパイプ32の先端部は、湾曲ワイヤ用の孔26b3に入り込んで係止されている。そして、各コイルパイプ32の先端部は、湾曲ワイヤ用の孔26b3において接着剤により接着されて固定されている。
【0055】
以上のように、上述した実施の形態及び各変形例によれば、内視鏡は、熟練者でなくても組み立てることが出来き、組立性向上及び工数削減になるだけでなく、不良も出難く、壊れ難くなる。
また、内蔵物同士が絡み難くすることが出来るので、湾曲部のアングルダウンや、断線を減らすことにも繋がる。
【0056】
よって、上述した実施の形態及び各変形例によれば、熟練した技能を必要としないでかつ作業工数が少なく、可撓管部内に挿通されるコイルパイプの先端部を固定可能で、コイルパイプ同士あるいはコイルパイプと他の内蔵物が可撓管部内で絡み難い内視鏡を提供することができる。
【0057】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0058】
本出願は、2014年3月25日に日本国に出願された特願2014−62215号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の内容は、本願明細書、請求の範囲、および図面に引用されたものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7