(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1基材、第2基材、及び該第1基材と該第2基材との間に配置された硬化接着剤シートを含む積層体の製造方法であって、前記第1基材と前記第2基材のうちの少なくとも一方が、その表面の少なくとも一部分にわたって3次元表面トポグラフィーを有し、前記方法が、
放射線硬化性接着剤シート前駆体をシートに形成する工程であって、該前駆体が、
部分的に重合した(メタ)アクリルモノマーを含むポリマー/モノマー混合物と、
第1波長より長い波長の放射線を照射された場合に架橋構造を本質的に形成せず第1波長以下の短波長放射線により活性化される放射線反応性部位を有し、前記(メタ)アクリルモノマーと重合可能なモノマーと、
前記第1波長よりも長い波長の放射線により、前記ポリマー/モノマー混合物及び前記放射線反応性部位を有するモノマーの重合を開始させる光開始剤と、を含む、工程と、
前記前駆体に前記第1波長よりも長い波長の放射線を照射して放射線硬化性接着剤シート前駆体に含まれる前記(メタ)アクリルモノマーと前記放射線反応性部位を有するモノマーとを重合させ、前記放射線反応性部位を有するポリマーを含む前記放射線硬化性接着剤シートを形成する、工程と、
前記放射線硬化性接着剤シートを、前記第1基材の少なくとも1つの表面に隣接して配置する工程と、
前記第2基材を、前記放射線硬化性接着剤シートに隣接して配置する工程と、
熱及び/又は圧力を前記放射線硬化性接着剤シートに加えて、前記シートを前記3次元表面トポグラフィーに一致させる工程と、
前記放射線硬化性接着剤シートに、前記第1波長以下の短波長放射線を含む放射線を照射し、前記放射線反応性部位の活性化による架橋反応を進行させて、前記硬化接着剤シートを得る工程と、
を含む、方法。
第1基材、第2基材、及び該第1基材と該第2基材との間に配置された接着剤シートを含む積層体の製造方法であって、前記第1基材と前記第2基材のうちの少なくとも一方が、ゆがみに敏感であり、前記方法が、
放射線硬化性接着剤シート前駆体をシートに形成する工程であって、該前駆体が、部分的に重合した(メタ)アクリルモノマーを含むポリマー/モノマー混合物と、第1波長より長い波長の放射線を照射された場合に架橋構造を本質的に形成せず第1波長以下の短波長放射線により活性化される放射線反応性部位を有し、前記(メタ)アクリルモノマーと重合可能なモノマーと、前記第1波長よりも長い波長の放射線により、前記ポリマー/モノマー混合物及び前記放射線反応性部位を有するモノマーの重合を開始させる光開始剤と、を含む、工程と、
前記前駆体に前記第1波長よりも長い波長の放射線を照射して放射線硬化性接着剤シート前駆体に含まれる前記(メタ)アクリルモノマーと前記放射線反応性部位を有するモノマーとを重合させ、前記放射線反応性部位を有するポリマーを含む前記放射線硬化性接着剤シートを形成する、工程と、
前記放射線硬化性接着剤シートを、前記第1基材の少なくとも1つの表面に隣接して配置する工程と、
前記第2基材を、前記放射線硬化性接着剤シートに隣接して配置する工程と、
熱及び/又は圧力を前記放射線硬化性接着剤シートに加える工程と、
前記放射線硬化性接着剤シートに、前記第1波長以下の短波長放射線を含む放射線を照射し、前記放射線反応性部位の活性化による架橋反応を進行させて、前記硬化接着剤シートを得る工程と、
を含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の代表的な実施形態が例示目的で下記に更に詳細に記述されるが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。本開示内の記述は、本発明のすべての実施形態、又は本発明に関連するすべての利点の、完全な開示として解釈されるべきではない。
【0018】
本開示で使用される用語「放射線反応性部位」とは、照射により活性化され、別の部位と反応可能になる部位を指す。用語「UV架橋性部位」は、UV照射により活性化され、別の部位と架橋可能になる部位を指す。
【0019】
用語「(メタ)アクリル」は、「アクリル」又は「メタクリル」を指し、用語「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」又は「メタクリレート」を指す。
【0020】
用語「貯蔵弾性率」は、剪断モード1Hz、5℃/分の温度増加率で、−40℃〜200℃の温度範囲にわたって粘弾特性が測定された場合の、特定温度での貯蔵弾性率を指す。
【0021】
放射線硬化性接着剤シート前駆体及び放射線硬化性接着剤シートを重合及び硬化させるのに使用できる放射線の例としては、UV放射線、可視光、及び同様物がある。典型的な一実施形態において、硬化接着剤シートは、UV照射によって重合し架橋を形成した接着剤シートである。
【0022】
本開示において、照射前に、十分な流動性と、被着体への十分な初期接着力を伴い、また照射後に、十分な硬度(特に高い貯蔵弾性率)を伴う、流動特性を呈する、厚く高透明度の硬化接着剤シートを含む積層体の製造方法が提供される。
【0023】
本開示による製造方法で使用される放射線硬化性接着剤シート前駆体は、本質的に溶媒を含まず、部分的に重合した(メタ)アクリルモノマーを含むポリマー/モノマー混合物は放射線を用いて重合され、これによって、エアポケット形成を防止しながら厚い放射線硬化性接着剤シートが製造されることができ、また高い透明度の放射線硬化性接着剤シートを得ることができる。
【0024】
本開示による製造方法で使用される放射線硬化性接着剤シートは、照射により接着強度が増大するよう設計されているため、シートを望ましい用途に使用する際、照射前の望ましい段階で一時的な接合及び再配置が容易に実施できる。よって、このシートは、大きな被着体(例えば、大型の液晶モジュール)に表面保護層を重ねる用途において有利に使用することができる。
【0025】
本開示による製造方法で使用される放射線硬化性接着剤シートは、照射前に十分な流動性を有する。よって、接着剤シートを通常の作業温度で被着体に適用した後、接着剤シートに熱及び/又は圧力を加えることによって、接着剤シートを被着体(例えば表面保護層)の表面の隆起部分、突起、又はその他の3次元表面トポグラフィーに一致させるよう作製することができる。その後、照射により接着剤シートの架橋が増加し、これによって、硬化接着剤シートの高い貯蔵弾性率により、高信頼性の接着と高強度(特に、高い引掻耐性)が得られる。
【0026】
本開示において、放射線硬化性接着剤シート前駆体をシートに形成する工程が用いられ、この前駆体は、部分的に重合した(メタ)アクリルモノマーを含むポリマー/モノマー混合物と、第1波長以下の短波長放射線により活性化される放射線反応性部位を有するモノマーと、第1波長よりも長い波長の放射線により、このポリマー/モノマー混合物の重合を開始させる光開始剤と、を含む。
【0027】
部分的に重合した(メタ)アクリルモノマーを含むポリマー/モノマー混合物は、単一の(メタ)アクリルモノマーのポリマーを包含し、ここにおいて(メタ)アクリルモノマーを含むモノマー構成要素は、UV照射又は別の好適な手段を用いて重合開始剤の存在下で部分的に重合され、更に、複数の(メタ)アクリルモノマーのコポリマーをも含む。ポリマー/モノマー混合物のモノマー構成要素は部分的に重合しており、好適な粘度(約500〜10,000mPas)を有するため、この混合物は支持体又は同様物に容易にコーティングすることができ、あるいは優れた取り扱い易さを呈する。
【0028】
好ましい一実施形態において、(メタ)アクリルモノマーは、アルキル(メタ)アクリレートエステルを含み、ここで、アルキル基の炭素数は2〜26である。このタイプのモノマーは、被着体に対して好ましい湿潤特性を提供し、また放射線硬化性接着剤シートに対して好ましい粘弾性を提供する。このタイプの(メタ)アクリレートアルキルエステルの例としては、非三級アルキルアルコールの(メタ)アクリレート(ここで、アルキル基は2〜26個の炭素を有する)、この混合物、及び同様物が挙げられる。好ましく使用され得る具体的な例には、限定するものではないが、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソアミルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、テトラデシルアクリレート、テトラデシルメタクリレート、ヘキサデシルアクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、イソステアリルアクリレート、イソステアリルメタクリレート、エイコサニルアクリレート、エイコサニルメタクリレート、ヘキサコサニルアクリレート、ヘキサコサニルメタクリレート、2−メチルブチルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、これらの混合物、及び同様物が挙げられる。
【0029】
アルキル基に2〜26個の炭素を有する(メタ)アクリレートアルキルエステルの量は一般に、ポリマー/モノマー混合物の合計質量に対して、約60質量%以上、約70質量%以上、又は約80質量%以上であり、かつ約95質量%以下、約92質量%以下、又は約90質量%以下である。アルキル基に2〜26個の炭素を有する(メタ)アクリレートアルキルエステルの量が、ポリマー/モノマー混合物の合計質量に対して約95質量%以下である場合、接着剤シートの接着力が好ましいように確保され得る。またこの量が60質量%以上の場合、接着剤シートの弾性が好適な範囲になり、被着体に対する接着剤シートの湿潤性が好ましい値になる。
【0030】
このポリマー/モノマー混合物には、放射線硬化性接着剤シートの特性が失われない程度まで、上述のモノマーに加えて他のモノマーを含めることができる。例としては、上述のものとは異なる(メタ)アクリルモノマー、並びに、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、及び同様物などのビニルモノマーが挙げられる。
【0031】
このポリマー/モノマー混合物は、親水性モノマーを含み得る。親水性モノマーを使用することにより、放射線硬化性接着剤シートの接着強度を改善すること、及び/又は接着剤シートに親水性を付与することが可能になる。例えば画像表示デバイスに、親水性が付与された接着剤シートが使用される場合、画像表示デバイス内で水蒸気を吸収する接着剤シートの能力により、水蒸気結露によるくもりを制御することができる。表面保護層が、蒸気透過性が低い材料である場合、及び/又は接着剤シートを適用する画像表示デバイスが高温及び/又は高湿度環境で使用される場合、このことは特に有利である。
【0032】
そのような親水性モノマーの例としては、酸性基を有するエチレン性不飽和モノマー、例えば、カルボン酸、スルホン酸、及び同様物;ビニルアミド;−ビニルラクタム;(メタ)アクリルアミド;アルキル基の炭素数が4以下の(メタ)アクリレートヒドロキシアルキルエステル;及びこれらの混合物が挙げられる。下記に制限されるものではないが、具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0033】
例えば、照射と、同じ分子内又は別の(メタ)アクリルコポリマー分子からの水素ラジカルの抽出とによって励起され得る構造は、第1波長以下の短波長放射線により活性化される放射線反応性部位を有するモノマーとして使用できる。そのような構造の例には、ベンゾフェノン構造、ベンジル構造、o−ベンゾイル安息香酸エステル構造、チオキサントン構造、3−ケトクマリン構造、2−エチルアントラキノン構造、カンファキノン構造、又は同様物が挙げられる。上記の構造はすべて、UV照射により励起され、励起状態にあるときに(メタ)アクリルコポリマーから水素ラジカルを抽出することができる。ラジカルはこのように(メタ)アクリルコポリマー内で生成され、様々な反応がこの系内で起こり、例えば、生成されたラジカルを結合させることによる架橋構造の形成、酸素分子との反応による過酸化ラジカルの生成、及び、形成された過酸化ラジカルを介する架橋構造の形成、生成されたラジカルによる他の水素ラジカルの抽出、といった反応が挙げられる。最後に、この(メタ)アクリルコポリマーは架橋構造を形成する。
【0034】
別の好ましい一実施形態において、放射線反応性部位はベンゾフェノン構造を有する。この実施形態は、透明度及び反応性の点で有利である。ベンゾフェノン構造を有する(メタ)アクリルコポリマーは更に、UV照射のみで硬化され得るという点でも有利である。ベンゾフェノン構造を有する(メタ)アクリルコポリマーを得るのに使用され得るモノマーの例としては、ベンゾフェノン構造を有する(メタ)アクリルエステル、具体的な例としては、4−アクリロイルオキシベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシエトキシベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシエトキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシ−4’−ブロモベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシエトキシ−4’−ブロモベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシエトキシベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシエトキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシ−4’−ブロモベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシエトキシ−4’−ブロモベンゾフェノン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0035】
第1波長以下の短波長放射線により活性化される放射線反応性部位を有するモノマーは、第1波長より長い波長の放射線を照射された場合に架橋構造を本質的に形成しないため、ポリマー/モノマー混合物(すなわち、放射線硬化性接着剤シート前駆体)が、ポリマー/モノマー混合物でコポリマーを生成するために、第1波長より長い長波長放射線を照射された場合に、放射線反応性部位の大半が無反応のままである。この理由から、重合した放射線硬化性接着剤シートは被着体の3次元表面トポグラフィーに良好に一致し、このシートは内部ストレスが軽減された状態で被着体に取り付けることができる。続く工程で、シートに第1波長以下の短波長放射線を照射すると、架橋反応が進行し、十分な硬度を備えた硬化接着剤シートを得ることができる。
【0036】
放射線反応性部位を有するモノマーの量は一般に、ポリマー/モノマー混合物の質量に対して、約0.1質量%以上、約0.2質量%以上、又は約0.3質量%以上である。ポリマー/モノマー混合物の質量に対して、放射線反応性部位を有するモノマーが約0.1質量%以上という量は、被着体に対する照射により形成された硬化接着剤シートの接着性を増加させることができ、これにより、高い信頼性の結合が得られる。放射線反応性部位を有するモノマーの量が、ポリマー/モノマー混合物の質量に対して、増加するほど、硬化接着剤シートの硬度増加の効果は、より明らかになる。
【0037】
第1波長より長い波長の放射線を介して、ポリマー/モノマー混合物及び放射線反応性部位を有するモノマーの重合を開始するための適切な光開始剤は、ポリマー/モノマー混合物及び放射線反応性部位を有するモノマーのタイプに従って選択することができる。
【0038】
光開始剤の例としては、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジエトキシホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ベンゾインアルキルエーテル類(すなわち、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、n−ブチルベンゾインエーテル、及び同様物)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンジル、アセトフェノン、チオキサントン類(2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン)、カンファキノン、3−ケトクマリン、アントラキノン類(すなわち、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、α−クロロアントラキノン、及び2−tert−ブチルアントラキノン、及び同様物)、アセナフテン、4,4’−ジメトキシベンジル、4,4’−ジクロロベンジル、及び同様物が挙げられる。市販されている光開始剤の例としては、BASFから商品名「Irgacure」及び「Darocur」として販売されているもの、並びにVelsicolから商品名「Velsicure」として販売されているものが挙げられる。
【0039】
上記の化合物は、個別に、又は2種以上の混合物として使用され得る。光開始剤と増感剤を一緒に使用することもできる。ポリマー/モノマー混合物の100質量部当たり使用される光開始剤の量は一般に、少なくとも約0.01質量部かつ約2質量部以下である。
【0040】
上述の構成要素に加え、放射線硬化性接着剤シート前駆体に、重合阻害剤を加えることができる。重合阻害剤を使用することにより、重合の程度を容易に制御できるようになり、また、重合した放射線硬化性接着剤シートの貯蔵弾性率を所定範囲内に容易に調節できるようになり、これによって、このシートが3次元表面トポグラフィーに十分に一致し、かつ、低減された内部応力での結合が可能になる。
【0041】
本開示において、重合阻害剤及び連鎖移動剤を一緒に使用することができる。ラジカル重合に一般的に使用される様々な重合阻害剤を、重合遅延剤として使用することができる。重合阻害剤の例としては、α−メチルスチレンダイマー;キノン類(例えばo−、m−、又はp−ベンゾキノン);ニトロ化合物(例えばニトロベンゼン、o−、m−、又はp−ジニトロベンゼン、又は2,4−ジニトロ−6−クロロベンゼン);アミン類(例えばジフェニルアミン);カテコール誘導体(例えばtert−ブチルカテコール);1,1−ジフェニルエチレン、及び同様物が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上の組み合わせで使用され得る。
【0042】
ポリマー/モノマー混合物の100質量部当たり、約0.05〜10質量部の重合阻害剤を加えることができる。約0.05質量部より少ない量を加えた場合は得られる効果がほとんどなく、約10質量部を超える量を加えた場合は生産性に悪影響がもたらされる。
【0043】
連鎖移動剤の例としては、アルキルメルカプタン類(例えばn−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、及びn−ステアリルメルカプタン;キサントゲン化合物(例えばジメチルキサントゲンスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、及びジイソプロピルキサントゲンジスルフィド);チウラム化合物(例えばテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、及びテトラメチルチウラムモノスルフィド);フェノール化合物(例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール及びスチレン化フェノール);アリル化合物(例えばアクロレイン、メタクロレイン、及びアリルアルコール);ハロゲン化炭化水素化合物(例えばジクロロメタン、ジブロモメタン、四塩化炭素、四臭化炭素、及び臭化エチレン);ビニルエーテル類(例えばα−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、及びα−ベンジルオキシアクリルアミド);炭化水素(例えばトリフェニルエタン及びペンタフェニルエタン);チオグリコール酸;チオマレイン酸;2−エチルヘキシルチオグリコレート;テルピノレン(turpenolene);α−テルピネン;γ−テルピネン;ジペンテン;及び同様物が挙げられる。これらの連鎖移動剤のうちの1種以上を使用することができる。
【0044】
使用される連鎖移動剤の量は、通常、ポリマー/モノマー混合物の100重量部当たり、約0.1〜約5重量部、好ましくは約0.2〜3重量部である。連鎖移動剤の同時使用により、重合安定性を改善することができる。
【0045】
重合の程度の制御を促進するため、上述の重合遅延剤又は連鎖移動剤の使用に加えて、重合開始剤の量、又は適用する放射線の強度を調節することも有効である。
【0046】
上述の構成要素に加えて、放射線硬化性接着剤シート前駆体には、任意の構成要素も含まれ得る。任意の構成要素の例としては、充填剤、酸化防止剤、及び同様物が挙げられる。
【0047】
放射線硬化性接着剤シート前駆体は、望ましい方法を用いて混合でき、例えば溶液注型成形、押出成形、及び同様方法などの従来の既知の方法を用いてシートに成形される。そのような場合、接着剤シートは、その片面又は両面に、シリコーン処理ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、及び同様物などの剥離フィルムを有し得る。
【0048】
シートに成形された後の、放射線硬化性接着剤シート前駆体の厚さは、用途に応じて適切に設定することができ、これは例えば約50μm以上であり得る。放射線硬化性接着剤シート前駆体の厚さを決定する1つの基準は、被着体の表面にある3次元表面トポグラフィーの高さである。
【0049】
本開示による放射線硬化性接着剤シート前駆体は、空隙空間、異常、及び同様のものなどの、欠陥を抑制することができる。被着体の表面が本質的に平坦である一実施形態において、被着体の表面の3次元表面トポグラフィーの高さが、被着体の主表面に対して垂直な方向で決定された場合、放射線硬化性接着剤シート前駆体の厚さは、3次元表面トポグラフィーの最大厚さの、約0.8倍以上、約1倍以上、又は約1.2倍以上、かつ約10倍以下、約5倍以下、又は約3倍以下であり得る。
【0050】
本開示の一実施形態による放射線硬化性接着剤シート前駆体を使用して、LCDモジュールにより生成される電磁放射線による静電容量タッチパネルの故障も予防することができる。この実施形態において、タッチパネルモジュールとLCDモジュールとの間に配置された放射線硬化性接着剤シート前駆体の厚さは、例えば、少なくとも約250μm、より好ましくは少なくとも約500μmであり得る。
【0051】
放射線硬化性接着剤シート前駆体を重合させるために、放射線硬化性接着剤シート前駆体に第1波長より長い波長の放射線を照射する工程中に、第1波長より長い波長の放射線のみを有効に含む放射線が適用される。したがって、この前駆体内に、第1波長以下の短波長放射線により活性化された放射線反応性部位を有するモノマーの反応性部位は、活性化されない。「第1波長より長い波長の放射線のみを有効に含む」とは、第1波長以下の短波長放射線が少量ある場合であっても、モノマーの反応性部位が活性化されていない場合をも包含する。
【0052】
第1波長は、使用されるポリマー/モノマー混合物及び放射線反応性部位を有するモノマーのタイプに応じて選択することができる。例えば、UV範囲内の波長を選択することができる。近UV範囲(200〜380nm)の波長を選択して、より長い波長を有する放射線を用いて放射線硬化性接着剤シート前駆体を重合させることも可能である。
【0053】
この前駆体に、選択された第1波長よりも長い波長の放射線を照射する方法として、例えば、照査装置光源を選択し、第1波長より長い波長の放射線のみを発する照射装置を使用して、照射を実行することが可能である。
【0054】
また、前駆体と光源との間に第1波長以下の放射線を有効に(例えば、透過性約5%以下、好ましくは1%以下に)ブロックするフィルターを挟み、この前駆体に、第1波長より長い波長の放射線を照射することも可能である。前駆体がライナー上にコーティングされている場合、第1波長以下の放射線を有効にブロックするよう、ライナーに、UV吸収剤を加えることも許容される。したがって、放射線源がライナーに近接して配置された場合、第1波長以下の波長の放射線が、前駆体の照射中に有効にブロックされ得る。
【0055】
上記のようにして得られた放射線硬化性接着剤シートの貯蔵弾性率は、好ましくは、80℃及び1Hzで、約5.0×10
4Pa以下である。80℃及び1Hzで約5.0×10
4Pa以下の貯蔵弾性率は、被着体に適用されたときに、放射線硬化性接着剤シートが流動することができる(特に加熱された場合)という利点を有し、よって所定の時間内で(例えば数秒単位〜数分単位で)、その付近に隙間を形成することなく、被着体の3次元表面トポグラフィーに一致し、あるいは、LCDなどのように、ゆがみに敏感な被着体の場合であっても、接着剤シートの変形により生じた応力により起こるゆがみによって生じるカラーパッチを抑制することができる。
【0056】
放射線硬化性接着剤シートの貯蔵弾性率は、接着剤シートに含まれる(メタ)アクリルコポリマーを構成するモノマーの種類、分子量、又は比率、(メタ)アクリルコポリマーの重合の度合、可塑剤の種類と比率などを変えることにより、変化させることができる。例えば、酸性基を有するエチレン性不飽和モノマーを使用した場合、貯蔵弾性率は増加する傾向にある。同様に、例えば、アルキル基に2〜26個の炭素を有する(メタ)アクリルアルキルエステル;アルキル基に4個以下の炭素を有する(メタ)アクリルヒドロキシアルキルエステル;オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、又はこれらの複数が一緒に結合されている基を含む(メタ)アクリレート;あるいは、アルコール残基中にカルボニル基を有する(メタ)アクリレートの量が増加すると、貯蔵弾性率は減少する傾向にある。また、(メタ)アクリルコポリマーの重合の度合を増加させると、貯蔵弾性率が増加する傾向にある。
【0057】
本開示の一実施形態は、第1基材、第2基材、第1基材と第2基材との間に配置された硬化接着剤シートを含む積層体の製造方法を提供し、これら基材のうち少なくとも1方が、その主表面のうちの一方の少なくとも一部分に、3次元表面トポグラフィーを有する。
【0058】
本実施形態による方法において、放射線硬化性接着剤シートは、基材に隣接して配置され、これによって、放射線硬化性接着剤シートは、熱及び/又は圧力が加えられたときに、基材の3次元表面トポグラフィーに接しかつ一致する。上記の方法により、3次元表面トポグラフィー周辺の空間は、放射線硬化性接着剤シートにより充填され、3次元表面トポグラフィー付近の空隙形成が抑制される。より具体的には、放射線硬化性接着剤シートの十分な流動性により、3次元表面トポグラフィーを有する基材の表面における接着剤シートの内部応力が軽減され、積層体は、十分な潤滑特性を備えて形成され得る。限定するものではないが、上述の方法が適用される積層体構成の一例は、第1基材が、隆起部分又は突起などの3次元表面トポグラフィーを有する表面保護層であり、第2基材が、そのような3次元表面トポグラフィーを有するか又は欠いている画像表示モジュール又はタッチパネルである場合である。
【0059】
上述の方法における工程の順序は、上述の順序に限定されない。
【0060】
一例において、放射線硬化性接着剤シートを第1基材と第2基材との間に挟んだ後、熱及び/又は圧力が、この放射線硬化性接着剤シートに加えられる。この例は、3次元表面トポグラフィー付辺での空隙形成が防止でき、かつ、第1基材及び第2基材のうちの一方が接着表面に3次元表面トポグラフィーを有する場合と、第1基材及び第2基材の両方が接着表面に3次元表面トポグラフィーを有する場合との両方の場合において、十分な接着が得られるという利点を有する。第1基材及び第2基材の両方が3次元表面トポグラフィーを有する構成の一例は、第1基材が表面保護層であり、第2基材が画像表示モジュールに取り付けられている偏光板(これに接着シートが適用される)である場合である。
【0061】
この例において、放射線硬化性接着剤シートは最初に、第1基材の少なくとも1つの表面に隣接して配置され、第2基材がこの放射線硬化性接着剤シートに隣接して配置される。この時点で、放射線硬化性接着剤シートは第1基材と第2基材との間に挟まれ、これにより、3次元表面トポグラフィーは放射線硬化性接着剤シートに向かって面している。次に、熱及び/又は圧力を放射線硬化性接着剤シートに加えて、放射線硬化性接着剤シートを3次元表面トポグラフィーに一致させる。
【0062】
上述の例において、第1基材と第2基材のうちの少なくとも一方が、少なくとも部分的に透明であり、これにより、第1波長以下の短波長放射線を含む放射線が、これを通して適用され得る。例えば、第1基材と第2基材のうちの一方が3次元表面トポグラフィーを有し、この3次元表面トポグラフィーが放射線を透過しない場合、3次元表面トポグラフィーを有する基材の側から照射を実施したときに、放射線は、3次元表面トポグラフィーの下には直接透過しない。しかしながら、非照射部分に形成されたラジカルの拡散により、非照射部分でも、放射線硬化性接着剤シートは依然としてある程度硬化される。そのような場合、3次元表面トポグラフィーを有さない基材が、例えばタッチパネルなどの透明基材である場合、3次元表面トポグラフィーを有さない基材の側から照射を行うことにより、3次元表面トポグラフィー部分に対応する放射線硬化性接着剤シートの部分を照射することが可能であり、これにより、放射線硬化性接着剤シートのより均質な硬化が実現できる。
【0063】
本開示の別の実施形態は、第1基材、第2基材、第1基材と第2基材との間に配置された硬化接着剤シートを含む積層体の製造方法を提供し、これら基材のうちの少なくとも1方が、ゆがみに敏感である。本開示の文脈において、「ゆがみに敏感」とは、性能の低下がゆがみによるものであり、例えば、ゆがみによりLCDにおいてカラーパッチが形成される傾向を指す。具体的には、ゆがみに敏感な基材は、基材の局所的な応力に由来する光学的ひずみを呈しやすい。ゆがみに敏感な基材の例としては、LCD、アクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイ、3D画像ディスプレイ(例えば3Dテレビ)に使用される3Dレンズ、及び同様物が挙げられる。
【0064】
本実施形態の一例において、放射線硬化性接着剤シートを第1基材と第2基材との間に挟んだ後、熱及び/又は圧力が、この放射線硬化性接着剤シートに加えられる。別の例において、放射線硬化性接着剤シートが、ゆがみに敏感な、又はゆがみに敏感ではない、第1基材に隣接して配置され、熱及び/又は圧力が、この放射線硬化性接着剤シートの開放面側に加えられ、ゆがみに敏感な第2基材が、この放射線硬化性接着剤シートに隣接して配置される。本開示による放射線硬化性接着剤シートは、照射前に十分な流動性及び柔軟性を有する。これにより、ゆがみに敏感な基材にシートが接着されたとき、基材に対して過剰な応力がかかることが防止され、内部応力の軽減された接着が可能になる、という利点が得られる。本実施形態の様々な工程は、3次元表面トポグラフィーを有する基材を使用して、上記の実施形態に示されるものと同じ順序で実施することができる。
【0065】
本実施形態の放射線硬化性接着剤シートに熱及び/又は圧力を加える工程において、この熱及び/又は圧力は、対流炉、ホットプレート、ヒートプレス、ヒートラミネーター、オートクレーブ、又は同様物を使用して加えることができる。放射線硬化性接着剤シートが基材の形状により効率的に一致するように、放射線硬化性接着剤シートの流動性を強化するために、ヒートラミネーター、ヒートプレス、オートクレーブ、又は同様物を用いて、熱の適用と同時に、圧力が好ましいように加えられる。オートクレーブで圧力を加えることは、放射線硬化性接着剤シートからエアポケット又は空隙を除去するのに、特に有利である。放射線硬化性接着剤シートを加熱する温度は、基材の形状に十分に一致するようにするため、放射線硬化性接着剤シートが軟化又は流動する任意の温度であってよく、一般に、約30℃以上、約40℃以上、又は約60℃以上、かつ約150℃以下、約120℃以下、又は約100℃以下である。放射線硬化性接着剤シートに圧力を加える場合、加えられる圧力は、一般に約0.05MPa以上、又は約0.1MPa以上であり、かつ約2MPa以下、又は約1MPa以下である。
【0066】
放射線反応性部位を有するモノマーの反応性部位を活性化させ、架橋反応させるために、第1波長以下の短波長放射線を含む放射線が適用される。この架橋工程中、第1波長以下の短波長放射線と、第1波長より長い波長の放射線の両方が、使用され得る。
【0067】
UV放射線、可視光、及び同様物を、この放射線として使用することができる。UV放射線が使用される場合、照射は、例えば、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ、LED、及び同様物を光源として使用したベルトコンベア型紫外光照射装置など、一般的なUV照射装置を使用して実施することができる。そのような場合、UV照射量は一般に、約500mJ/cm
2〜約5,000mJ/cm
2である。
【0068】
本開示の一実施形態において、異なる放射線波長をポリマー/モノマー混合物の様々な調製工程(すなわち、放射線硬化性接着剤シート前駆体を重合させる工程と、放射線硬化性接着剤シートを架橋させる工程)で使用することができるため、望ましい放射線波長を選択することができるフィルター又は同様物をこの様々な工程で使用して、これにより、上述の工程すべてを、単一の照射装置及び/又は光源を用いて実施することができる。
【0069】
例示の目的で、第1基材が、表面に3次元表面トポグラフィーとして隆起部分を有する表面保護層であり、第2基材が、画像表示モジュール又はタッチパネルである実施形態が、
図1及び2を参照して記述される。
【0070】
表面保護層は、画像表示モジュール又はタッチパネルの最外側表面に配置され、外部環境からこれを保護する。表面保護層は、画像表示モジュール又はタッチパネルのための保護材料として従来使用されている任意の層であり得、この例としては、アクリル樹脂(例えばポリメチルメタクリレート(PMMA))のフィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリエステル樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート(PET))のフィルム、又はガラスシートが挙げられる。限定するものではないが、フィルム又はガラスシートの厚さの例は、約0.1mm〜約5mmである。
【0071】
表面保護層はまた、機能又は特性を付与するための層を含み得、例えば、耐水性、耐磨耗性、耐汚染性、反射防止特性、帯電防止性、及び同様の性質が挙げられる。この層は、画像表示モジュールの観測者側、又はタッチパネルのユーザー側であり得る。耐磨耗性及び磨耗抵抗を付与するための層は、ハードコートの形成が可能な硬化性樹脂組成物を適用及び硬化させることによって形成できる。例えば、コロイドシリカと、シラン混合物の部分的縮合生成物(この主成分はアルキルトリアルコキシシランである)から構成されるコーティング材料を適用してから、熱硬化させて、硬化コーティングを形成することができる。あるいは、コーティング材料(この主成分は多官能基アクリレートである)を適用してから、UV照射を用いて硬化させ、硬化コーティングを形成することができる。耐汚染性を確実にするために、有機ケイ素化合物、フッ化化合物、又は同様物を含む樹脂層を形成させることができる。帯電防止性を得るために、界面活性剤、帯電防止剤、導電性粒子、及び同様物を含む樹脂層を形成させることができる。これらの機能又は特性を付与する層は、好ましくは、表面保護層の透明度を妨げないものであり、好ましくは、層の機能が発揮できる範囲内で、できる限り薄い。機能付与層又は特性付与層の厚さは一般に、約0.05μm〜約10μmであるが、これに限定されるものではない。
【0072】
本明細書に記述される実施形態は、放射線硬化性接着剤シートに隣接する表面保護層の表面の一部に、印刷層又は蒸着層などの追加層を有し得、この表面保護層の表面に、隆起部分が形成される。印刷層又は蒸着層は、例えば、画像表示モジュールの外周にフレーム状の形状で形成され、その部分を表示されないようにする遮光層として機能する。そのような遮光層として使用される印刷層又は蒸着層の厚さは一般に、高い遮光効果を有する黒色に対しては約10μm〜約20μm、白色、赤色、又は別の光透過性の色に対しては約40μm〜約100μmである。
【0073】
画像表示モジュールの例としては、反射LCD装置及びバックライトLCD装置、プラズマディスプレイ装置、エレクトロルミネセンス(EL)ディスプレイ、電子ペーパー、及び同様物が挙げられるがこれらに限定されない。画像表示モジュールのディスプレイ表面は、例えば偏光板(陥凹部及び突出部を備えた表面を有し得る)などの追加層(1層又は複数層)を有し得る。また、後述するタッチパネルは、画像表示モジュールのディスプレイ面上に存在してもよい。
【0074】
タッチパネルは、透明な薄膜形状の装置であり、ユーザーがタッチパネル上の特定の位置を指又はペン(スタイラス)で触れるか又は押すと、その位置が検出及び特定され得るものである。更に、複数の点が同時に触れると、対象物の移動、回転、画像ズーム、及び同様の動きを、直接入力することができる。位置検出方法は一般に、タッチパネルに加えられた圧力によって作動する抵抗フィルム法、指先とタッチペインとの間の静電容量の変化を検出する静電容量法、又は同様の方法である。タッチパネルは、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、又は同様物などの画像表示デバイス上に提供され、ATM、PC(パーソナルコンピューター)、携帯電話、及びPDAなどの携帯デバイス、及び同様物などの携帯端末に使用される。
【0075】
図1は、硬化接着剤シートを含む積層体形態の、画像表示デバイスの一実施形態の断面図である。画像表示デバイス10は、硬化接着剤シート3及び表面保護層4が、この順序で画像表示モジュール1の表示面上に積み重ねられる構造を有する。表面保護層4は、連続層5及び遮光層6(硬化接着剤シート3の側)により構成され、この遮光層6は、連続層5の下表面の一部に提供されて、その表面上に隆起部分を形成する。遮光層6は、硬化性樹脂組成物のコーティング溶液に着色剤を混合し、このコーティング溶液を、スクリーン印刷又は別の好適な方法を用いて連続層5の特定の領域に適用し、UV照射又は別の好適な硬化方法を用いてこのコーティングを硬化させることにより、形成される。硬化接着剤シート3は、隆起部分を有する表面保護層4の表面に適用される。硬化接着剤シート3は、硬化前に加熱及び/又は加圧されるため、このシートは、遮光層6に形成された隆起部分に十分に一致し、この隆起部分の付近に隙間が形成されない。また、硬化接着剤シートの内部残留応力が軽減されているため、画像表示デバイスの表示変形を防止することができる。画像表示デバイス10は、例えば、表面保護層4及び硬化接着剤シート3から形成された積層体2を、画像表示モジュール1に適用することによって得ることができる。
【0076】
図2は、硬化接着剤シートを含む積層体形態の、タッチパネル装置の一実施形態の断面図である。タッチパネル装置20は、硬化接着剤シート3及び表面保護層4が、この順序でタッチパネル7の表面上に積み重ねられる構造を有する。硬化接着剤シート3及び表面保護層4をこの順序で積み重ねた積層体2の構造は、
図1に示されるものと同一である。硬化接着剤シート3は、硬化前に加熱及び/又は加圧されるため、このシートは、遮光層6に形成された隆起部分に十分に一致し、この隆起部分の付近に隙間が形成されない。タッチパネル装置20は、例えば、表面保護層4及び硬化接着剤シート3から形成された積層体2を、タッチパネル7に適用することによって得ることができる。上側にディスプレイ表面を有する画像表示モジュール(図示なし)も、直接、又は別の接着剤シートを間に挟んで、タッチパネル7の下側に取り付けることができる。
【実施例】
【0077】
本発明は、実施例を用いて以下に更に詳述されるが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
【0078】
<放射線硬化性接着剤シートの製造>
[略語]
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
ISTA:イソステアリルアクリレート(Osaka Organic Chemical Industry Ltdより入手)
AA:アクリル酸
AEBP:4−アクリロイルオキシエトキシベンゾフェノン
AMSD:α−メチルスチレンダイマー(2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン)
Irg651:Irgacure(登録商標)651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)(BASF Corporationから入手)
DarTPO:Darocure(登録商標) TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド)(BASF Corporationから入手)
8172P:3M OPTICALLY CLEAR ADHESIVE 8172P(UV吸収剤入り)、3M Company(St.Paul、Minnesota)から市販
【0079】
(実施例1)
37.5質量部の2−EHA、50.0質量部のISTA、12.5質量部のAA、及び0.04質量部のIrg651の混合物を調製し、ガラス容器で完全に混合し、窒素でパージして溶存酸素を除去した。次にこの混合物に数分間、低圧水銀ランプを使用してUV照射を行い、部分的に重合させて、ポリマー/モノマー混合物を得た。得られたポリマー/モノマー混合物の粘度は、約670mPa・sであった。
【0080】
0.95質量部のAEBP(放射線反応性部位を有するモノマー)、0.40質量部(重合阻害剤)、及び1.00質量部のDarTPO(光開始剤)を、100質量部のポリマー/モノマー混合物に加え、この混合物を撹拌して、放射線硬化性接着剤シート前駆体を得た。
図3に示すように、AEBPは、310nm以下のUV放射線を吸収する。
図3に示す吸収スペクトルは、Hitachi U−4100分光光度計を使用して、10mmパスにそって、0.004質量%のAEBPのシクロヘキサン溶液を測定することによって得られた。
【0081】
ナイフコーターを使用して、得られた放射線硬化性接着剤シート前駆体を、シリコーン剥離処理フィルム(製品名「SP−PET−01−50−Bu」、Panac Corp.製造)のシート2枚の間にコーティングした。ナイフコーターのギャップを調節して、厚さ100μmの放射線硬化性接着剤シート前駆体のシートを形成した。
【0082】
8172Pを、シリコーン剥離処理フィルムのシート両方に適用した後、一方の表面から15分間だけ、低圧水銀ランプを使用して照射を行った。放射線強度は、Topcon Technohouse UVR−2/UD−40(Topcon Technohouse Corporationから入手)を用いて測定した。8172Pを通過したUVエネルギーの合計量は、約1000mJ/cm
2であった。次に、もう一方の表面から15分間、同様にUV照射を行い、放射線硬化性接着剤シートを得た。
【0083】
図3に示すように、8172Pは、約370nmより長い波長の放射線を透過する。
図3に示す透過スペクトルは、Hitachi U−4100分光光度計を使用して8172Pを測定することにより得られた。
【0084】
シリコーン剥離処理フィルムを、放射線硬化性接着剤シートの一方の表面から除去し、このシートを、ゴムローラーを用いて、85mm×60mm×0.7mmのガラスシート(EAGLE2000(登録商標)、Corning製造)に適用した。次に、シリコーン剥離処理フィルムを、放射線硬化性接着剤シートのもう一方の表面から除去し、このシートを、
図4に示す3次元表面トポグラフィーを有する基材に適用した。この基材は、80mm×55mm×0.7mmガラスシート(EAGLE2000(登録商標)、Corning Incorporated(Corning、New York)製造)で、その周囲に、Takatori TPL−0209MH接着プロセス機(Takatori Corporationから入手)を用いて、厚さ15μmの印刷が行われた。適用条件は、次の通りであった。
適用時圧力:0.01MPa
適用時間:5秒
真空圧力:30Pa
【0085】
適用後、このシートを60℃及び0.5MPaのオートクレーブに30分間入れ、放射線硬化性接着剤シートを含む積層体を得た。
【0086】
次に、Heraeus Noblelight Fusion UV K.K.製造のF−300 UV照射装置(Hバルブ、120W/cm)を使用して、基材の3次元表面トポグラフィーを有する側からUV照射を行った。放射線硬化性接着剤シートは、第1波長(この場合は約370nm)未満の波長の短波長で照射され、硬化接着剤シートを含む積層体が製造された。EIT UV POWER PUCK(登録商標)II UV計(EIT,LLC(Sterling、Virginia)から入手)を用いて測定したUVエネルギー合計量は、UV−A(320〜390nm)について2,214mJ/cm
2、UV−B(280〜320nm)について1,692mJ/cm
2、UV−C(250〜260nm)について196mJ/cm
2、及びUV−V(395〜445nm)について2,232mJ/cm
2であった。
【0087】
(実施例2)
100質量部のポリマー/モノマー混合物当たりAMSD及びDarTPOの量をそれぞれ、0.20質量部及び0.60質量部に調節したことを除き、放射線硬化性接着剤シートは実施例1と同様にして製造された。
【0088】
(実施例3)
100質量部のポリマー/モノマー混合物当たりAMSD及びDarTPOの量をそれぞれ、0.10質量部及び0.60質量部に調節したことを除き、放射線硬化性接着剤シートは実施例1と同様にして製造された。
【0089】
(実施例4)
AMSDは添加せず、100質量部のポリマー/モノマー混合物当たりDarTPOの量を0.60質量部に調節し、放射線硬化性接着剤シート前駆体は、低圧水銀ランプの代わりにFusion UV Systems Japan製造のF−300 UV照射装置(Hバルブ、120W/cm)を用いて、UV照射が行われたことを除き、放射線硬化性接着剤シートが実施例1と同様にして製造された。EIT UV POWER PUCK(登録商標)II UV計を用いて測定した照射UVエネルギー合計量は、UV−A(320〜390nm)について76mJ/cm
2、UV−B(280〜320nm)について0mJ/cm
2、UV−C(250〜260nm)について0mJ/cm
2、及びUV−V(395〜445nm)について690mJ/cm
2であった。
【0090】
上述のようにして得られた放射線硬化性接着剤シートを使用して、放射線硬化性接着剤シートを含む積層体と、硬化接着剤シートを含む積層体が、実施例1と同様にして製造された。
【0091】
比較実施例5(CE−5)
実施例1と同様にして放射線硬化性接着剤シートを製造した後、8172Pをシリコーン剥離処理フィルムから剥がし、その前面及び後面をそれぞれ10分間ずつ、低圧水銀ランプを用いて照射し、本実施例による最初の硬化接着剤シートを製造した。UV照射を行う前に8172Pを剥がすということは、第1波長より短波長(この場合は約370nm以下)を含む放射線も適用されたことを意味する。前面に10分間適用された照射UVエネルギーの合計量は、Topcon Technohouse UVR−2/UD−40を用いた測定により、約1,600mJ/cm
2であった。
【0092】
最初の硬化接着剤シートを含む積層体が、実施例1と同様にして製造された。
【0093】
(実施例6)
図5に示すように、「3D」と記された文字52が、シルクスクリーン印刷により、フロートガラス51(40mm×70mm×0.55mm)の表面に印刷された。印刷された文字の厚さ(高さ)は7μmに調節され、大きさは約4mm×8mmに調節された。実施例1で製造された放射線硬化性接着剤シート53を、この印刷されたガラスの表面にハンドローラーを用いて適用し、次いでその上に、カバーガラス54(24mm×32mm×0.15mm)を置いた。カバーガラスは厚さが薄いため、ゆがみに敏感であると見なすことができる。構成体全体をオートクレーブに入れ、0.5MPa及び60℃で30分間処理し、放射線硬化性接着剤シートを含む積層体を製造した(
図5)。
【0094】
次に、Fusion UV Systems Japan製造のF−300 UV照射装置(Hバルブ、120W/cm)を使用して、カバーガラスの側からUV照射を行った。放射線硬化性接着剤シートは、第1波長(この場合は約370nm)未満の波長の短波長で照射され、硬化接着剤シートを含む積層体が製造された。EIT UV POWER PUCK(登録商標)II UV計を用いて測定したUVエネルギー合計量は、UV−A(320〜390nm)について2,214mJ/cm
2、UV−B(280〜320nm)について1,692mJ/cm
2、UV−C(250〜260nm)について196mJ/cm
2、及びUV−V(395〜445nm)について2,232mJ/cm
2であった。
【0095】
比較実施例7(CE−7)
比較実施例5において第1波長以下の短波長放射線も含む放射線での照射により製造された最初の硬化接着剤シートが使用されたことを除いて、硬化接着剤シートを含む積層体が、実施例6と同様に製造された。
【0096】
<評価方法>
本開示による、放射線硬化性接着剤シート、放射線硬化性接着剤シートを含む積層体、及び硬化接着剤シートを含む積層体の特性が、下記の方法により測定された。
【0097】
<放射線硬化性接着剤シートの貯蔵弾性率(G’)及び誘電正接(tanδ)(動的機械分析)>
各実施例による放射線硬化性接着剤シートのG’及びtanδを評価するために、ARES動的粘弾性計(TA Instruments(New Castle、Delaware))を用いて動的機械分析(DMA)が実施された。放射線硬化性接着剤シートを厚さ約3mmに重ね、8mmφパンチブレードを用いてパンチすることにより製造した試験ストリップが、測定に使用された。測定は、温度範囲−40℃〜200℃にわたって温度増加率5℃/分で、剪断モード(1Hz)で実施された。G’及びtanδの結果を
図6に、また80℃でのG’を表1に示す。
【0098】
【表1】
【0099】
<インクレベル差形状適合性試験>(実施例1及び比較実施例5)
実施例1による放射線硬化性接着剤シートを含む積層体と、比較実施例5による最初の硬化接着剤シートを含む積層体とを、60℃及び0.5MPaのオートクレーブに30分間置き、肉眼で観察した。
図7に示すように、実施例1による積層体にはエアポケットは観察されなかったが、比較実施例5では、
図8に示すように、大きなエアポケットが観察され、このことは、最初の硬化接着剤シートが、ガラスシートの周囲に印刷された隆起インク部分に一致していなかったことを示している。
【0100】
実施例1による放射線硬化性接着剤シートを含む積層体を、次に、85℃の炉に24時間、並びに65℃で湿度95%の炉に24時間入れた。いずれの場合もエアポケットは観察されなかった。
【0101】
<ゆがみ測定>(実施例6及び比較実施例7)
実施例6による放射線硬化性接着剤シートを含む積層体と、比較実施例7による最初の硬化接着剤シートを含む積層体とを、Talysurf CCI 6000 Optical 3D Profiler(AMETEK Incの子会社Taylor Hobson Ltd(Paoli、Pennsylvania)から入手)のステージに置き、カバーガラス表面のゆがみを測定した。印刷文字を中心に、17.5mm×7.0mmの面積が測定された。測定された3D輪郭(
図5、55)の断面を、
図9(実施例6)及び
図10(比較実施例7)に示す。比較実施例7による放射線硬化性接着剤シートは、第1波長以下の短波長放射線も含む放射線での照射により製造されたもので、隆起印刷部分にうまく一致しておらず、カバーガラスの表面のゆがみが確認された。
本発明はまた、以下の態様を包含する。
[1]
第1基材、第2基材、及び該第1基材と該第2基材との間に配置された硬化接着剤シートを含む積層体の製造方法であって、前記第1基材と前記第2基材のうちの少なくとも一方が、その表面の少なくとも一部分にわたって3次元表面トポグラフィーを有し、前記方法が、
放射線硬化性接着剤シート前駆体をシートに形成する工程であって、該前駆体が、
部分的に重合した(メタ)アクリルモノマーを含むポリマー/モノマー混合物と、
第1波長以下の短波長放射線により活性化される放射線反応性部位を有するモノマーと、
前記第1波長よりも長い波長の放射線により、前記ポリマー/モノマー混合物及び前記放射線反応性部位を有するモノマーの重合を開始させる光開始剤と、を含む、工程と、
前記前駆体に前記第1波長よりも長い波長の放射線を照射して放射線硬化性接着剤シート前駆体を重合させ、前記放射線硬化性接着剤シートを形成する、工程と、
前記放射線硬化性接着剤シートを、前記第1基材の少なくとも1つの表面に隣接して配置する工程と、
前記第2基材を、前記放射線硬化性接着剤シートに隣接して配置する工程と、
熱及び/又は圧力を前記放射線硬化性接着剤シートに加えて、前記シートを前記3次元表面トポグラフィーに一致させる工程と、
前記放射線硬化性接着剤シートに、前記第1波長以下の短波長放射線を含む放射線を照射して、前記硬化接着剤シートを得る工程と、
を含む、方法。
[2]
第1基材、第2基材、及び該第1基材と該第2基材との間に配置された接着剤シートを含む積層体の製造方法であって、前記第1基材と前記第2基材のうちの少なくとも一方が、ゆがみに敏感であり、前記方法が、
放射線硬化性接着剤シート前駆体をシートに形成する工程であって、該前駆体が、部分的に重合した(メタ)アクリルモノマーを含むポリマー/モノマー混合物と、第1波長以下の短波長放射線により活性化される放射線反応性部位を有するモノマーと、前記第1波長よりも長い波長の放射線により、前記ポリマー/モノマー混合物及び前記放射線反応性部位を有するモノマーの重合を開始させる光開始剤と、を含む、工程と、
前記前駆体に前記第1波長よりも長い波長の放射線を照射して放射線硬化性接着剤シートを重合させ、前記放射線硬化性接着剤シートを形成する、工程と、
前記放射線硬化性接着剤シートを、前記第1基材の少なくとも1つの表面に隣接して配置する工程と、
前記第2基材を、前記放射線硬化性接着剤シートに隣接して配置する工程と、
熱及び/又は圧力を前記放射線硬化性接着剤シートに加える工程と、
前記放射線硬化性接着剤シートに、前記第1波長以下の短波長放射線を含む放射線を照射して、前記硬化接着剤シートを得る工程と、
を含む、方法。
[3]
前記第1波長が、200nm〜380nmである、項目1又は2に記載の積層体の製造方法。
[4]
前記放射線硬化性接着剤シートの厚さが、少なくとも100μmである、項目1〜3のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
[5]
前記放射線硬化性接着剤シートの貯蔵弾性率が、80℃及び1Hzで4.0×104Pa以下である、項目1〜4のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
[6]
前記放射線反応性部位が、ベンゾフェノン構造を有する、項目1〜5のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
[7]
前記放射線硬化性接着剤シート前駆体が、重合遅延剤を更に含む、項目1〜6のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
【0102】
【表2】