(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1以上の追加の活性薬が、アベルメクチン、ミルベマイシン、スピノシン、スピノソイド、ベンゾイミダゾール、レバミゾール、ピランテル、モランテル、プラジカンテル、クロサンテル、クロルスロン、アミノアセトニトリル活性薬、ネオニコチノイドもしくはアリーロアゾール-2-イルシアノエチルアミノ活性薬またはそれらの組み合わせである、請求項18に記載の組成物。
製剤化後約3ヶ月においてHPLCで測定するとき、フィプロニルのピーク面積に対して面積比で約3.5%未満のフィプロニルスルホンをさらに含む、請求項1または20に記載の組成物。
フィプロニルスルホンをさらに含む請求項1または20に記載の組成物であって、製剤化後約3ヶ月におけるフィプロニルスルホンの量は、製剤時に存在するフィプロニルスルホンの元の量の50%を超えて増加していない、前記組成物。
【発明を実施するための形態】
【0026】
発明の詳細な説明
本開示の主題事項は、本明細書でさらに十分に説明される。しかしながら、前述の説明で提示した教示を利用すれば、本開示の主題事項が属する当業者には、本明細書で述べた本開示の主題事項の多くの改変および他の実施形態が明らかになるであろう。従って、本開示の主題事項は、開示された特定の実施形態に限定されるべきではなく、改変および他の実施形態は、添付の請求項の範囲に含まれると考えられるべきであることが理解されなければならない。
【0027】
活性物質をスポットオンまたはポアオン製剤に製剤化することが難題であることは公知である。2つの異なる活性物質を組成物中に製剤化し、それによって両方の活性物質が溶液のままであり、所望の量が利用可能となることに成功することはさらに難題である。該組み合わせが、サシバエに対して予想外の増強された忌避性を有することが本明細書において明らかにされたため、増強された忌避性をもたらす濃度が、動物へのこの製剤の投与後でさえも維持されることを確実にするために、この製剤が、所望の溶解性ならびに物理的および化学的安定性を提供することが重要である。
【0028】
ペルメトリンおよびフィプロニルが、互いに特定の範囲および特定の比率で存在するこれらの製剤成分の組み合わせと共に使用するための溶媒系の特有の組み合わせが本明細書に開示される。このような列挙された比率は、広く一般化された量ではなく、フィプロニルおよびペルメトリンに有効な範囲および比率の特定の値である。好都合には、本明細書に記載の溶媒系は、高濃度のペルメトリンを溶解し、フィプロニルと適合する。その結果として、活性物質は溶液のままであり、実質的に分解せず、害虫の侵入と戦うために、侵入が起こりうる部位において有効濃度で利用可能である。本明細書において、用語”物理的安定性”および”物理的に安定な”は、低温(-20℃、4℃および10℃を含む)で有意な量のペルメトリンまたはフィプロニルの結晶を生成せず、使用後ですらも活性成分は溶液のままである製剤の特性のことをいう。組成物の物理的安定性は、その製剤が数日間、数週間、数ヶ月間またはさらには数年間、特定の温度で保存されるときの結晶生成によって説明することができる。該溶媒系は、その使用目的のための所望の安全性プロフィールもまた提供する。
【0029】
ペルメトリンおよび追加の活性成分を含む製剤は、多くの場合、物理的不安定性を欠点としてもつ。ペルメトリンは、特に20%(w/w)を超える高濃度において、製剤中で結晶を生成する傾向を有する。第2の活性物質が製剤に加えられる場合、追加の成分の製剤のための物理的特性および必要条件もまた考慮に入れなければならないので、物理的不安定性の問題は、指数関数的に増加する恐れがある。本明細書に開示された第2の好ましい活性物質はフィプロニルである。しかしながら、高濃度のペルメトリンに有効な溶媒であるN-メチルピロリジノン(NMP)とフィプロニルとを混合するとき、フィプロニルのフィプロニルスルホンへの有意水準の酸化が観察される。
【0030】
フィプロニルスルホンは、フィプロニルの主なin vivo代謝物でもある。フィプロニルスルホンは、以下の構造を有する:
製剤の製造に用いられるフィプロニルは、製剤時にフィプロニルスルホンを含む場合がある。すなわち、有用なグレードのフィプロニルには、その製造の副生成物として、すでに一定量のフィプロニルスルホンが存在する可能性がある。一実施形態において、NMPでの製剤時に、フィプロニルは約3.5%未満のフィプロニルスルホンを有する。より低レベルの、0%までものフィプロニルスルホンを有するグレードのフィプロニルもありうる。しかしながら、ひとたびフィプロニルがNMPと接触すれば、溶液中でフィプロニルスルホンが生成し続ける可能性があると考えられる。さらにまた、フィプロニルスルホンを完全に含まないフィプロニルを使用することは、かなり高コストである。しかしながら、本明細書に記載の製剤は、好都合には、局所組成物に用いられる他の通常の溶媒を含む製剤と比較して、製剤時にどれだけ存在しても、さらなるフィプロニルスルホンの生成を最小化するかまたは低下させる。
【0031】
本明細書に記載の溶媒系は、フィプロニルが、NMPの存在下でフィプロニルスルホンを生成しやすいという発見の後に設計された。特定の理論に拘束されるものではないが、NMP中に存在する過酸化物が、フィプロニルスルホンの生成を容易にしうると考えられる。さらにまた、NMPは、酸素の存在下で過酸化物を生成することができることが知られている(Drago and Riley, J.Am. Chem. Soc. 1990, 112, 215-218; Reynolds et al., Journal of Pharmaceutical Sciences, 2012, 101(2), pp. 761-776 を参照のこと)。このように、NMPは、有用な溶媒ではあるが、フィプロニルの濃厚局所製剤、例えばスポットオン製剤のための溶媒として用いるとき、技術的障害が生じることが見いだされた。NMPは、本明細書に開示された製剤中に存在する濃度レベルでペルメトリンの有効な溶媒であるため、NMP中でのフィプロニルの酸化に取り組まれなければならない。しかしながら、本発明の製剤におけるNMPの必要量は、意外にも、所望のレベルよりも高いレベルでフィプロニルのフィプロニルスルホンへの酸化をもたらすことが観察された。
【0032】
N-メチルピロリジノン(NMP)は、5員環ラクタム構造を有する化学化合物である。これは、水および通常の有機溶媒に可溶性の透明から単黄色の液体である。これは極性非プロトン性溶媒であり、大変弱い塩基である。この化合物の別名には、1-メチル-2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリジノンおよびm-ピロールならびにPHARMASOLVE(登録商標)がある。その有用性にもかかわらず、局所投与のためのその使用は、製剤の当業者に問題をもたらす場合がある。場合によっては、NMPは、皮膚刺激、発赤または皮膚炎を引き起こす恐れがある。従って、NMPは局所製剤に許容されているが、そのレベルはできるだけ低いことが好ましい。
【0033】
局所製剤においてフィプロニルと組み合わせて用いられる従来の溶媒、例えばジエチレングリコールモノエチルエーテル(トランスクトール(登録商標)またはDGME)でNMPを希釈する場合、フィプロニルのフィプロニルスルホンへの酸化は、望ましいレベルよりも高いことが観察された。ジエチレングリコールモノエチルエーテルは、多くの局所製剤において一般的に用いられ、局所フィプロニル製剤の製剤化に使用するための大変有効な溶媒であることが見出されている。NMPと組み合わせてDGMEおよび他の希釈剤が用いられる場合、その組成物の必要な物理的特性が不変である限り、NMPの量を減少させることができる。しかしながら、フィプロニルに通常用いられる補助溶剤、例えばDGMEとNMPが組み合わされるとき、望ましい割合よりも高い割合でフィプロニルがそのスルホンに酸化されることが見いだされた。その結果として、フィプロニルスルホンの生成を最小化するためには、本明細書に記載の製剤において有効な抗酸化剤のレベルの約10倍の抗酸化剤の使用が必要であった。
【0034】
驚くべきことに、ミグリオール(登録商標)812(カプリル/カプリン酸トリグリセリド)を含む中性油と組み合わせてNMPを含む溶媒系は、フィプロニル局所製剤に一般的に用いられる他の溶媒と比較して著しく低いスルホン生成をもたらすことが見出された。中性油は当該技術分野で公知である。中性油は、淡白な味と香りの淡色から無色の液体である。
【0035】
ミグリオール(登録商標)タイプ中性油は、飽和ココナッツオイルおよびパーム核油由来のカプリル酸およびカプリン酸脂肪酸とグリセリンまたはプロピレングリコールとの透明でやや黄色がかったエステルである。中性油には、鎖長C8〜C10を有する分別植物脂肪酸のトリグリセリドがある。ミグリオール(登録商標)810およびミグリオール(登録商標)812として2つの市販品が知られている。他の有用な中性油には、リノール酸(約4〜5%)と組み合わせた鎖長C8およびC10を有する分別植物脂肪酸のトリグリセリドがある。ミグリオール(登録商標)818として市販品が知られている。他の有用な中性油には、コハク酸と組み合わせた鎖長C8およびC10を有する分別植物脂肪酸のグリセリンエステルがある。ミグリオール(登録商標)829として市販品が知られている。他の有用な中性油には、コハク酸と組み合わせた鎖長C8およびC10を有する飽和植物脂肪酸のプロピレングリコールジエステルがある。ミグリオール(登録商標)840(プロピレングリコールジカプリル酸/ジカプロン酸エステル)として市販品が知られている。他の脂肪酸は、ステアリン酸、パルミチン酸およびミチスチン酸ステアリルを含む。適切な中性油および脂肪酸エステルの他の例は、炭化水素系植物油、例えば4〜24炭素原子を含む脂肪酸の液体トリグリセリド(例えばトリグリセリド、ヘプタン酸およびオクタン酸)、ヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、ヒョウタン油、グレープシードオイル、ゴマ油、へーゼルナッツオイル、アプリコットオイル、マカダミアオイル、ひまし油、アボカド油、ホホバ油およびカリテバター;合成エステル、例えば脂肪酸の合成エステル、例えば、ピュアセリンオイル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2−オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシルおよびイソステアリン酸イソステアリルを含む。本明細書において十分に説明されているように、希釈剤の必要条件は、それが、NMP/共溶媒系に追加の過酸化物種を実質的に導入しないことである。その結果として、フィプロニルスルホン生成が抑制され、ペルメトリン/フィプロニル組み合わせ製剤の長期安定性をもたらすために、実質的により低いレベルの抗酸化剤を用いることができる。
【0036】
中性油と組み合わせてNMPを含む本明細書に記載のフィプロニル/ペルメトリン組成物は、異なるNMP/共溶媒系を用いるフィプロニル/ペルメトリン組成物と比較して、顕著に少ないフィプロニルスルホンの増加を示す。HPLCでフィプロニルピークに対するフィプロニルスルホンピークの面積比%を測定するとき、製剤化後約3ヶ月において存在するフィプロニルスルホンのレベルが、製剤時に存在する元のフィプロニルスルホン、例えばフィプロニルのニート原料中に存在する量の約50%を超えて増加しないように本組成物がフィプロニルスルホンの生成を抑制することは有用である。一実施形態において、本発明の溶媒系は、製剤化後3か月において、製剤時に存在する元のフィプロニルスルホンの約45%を超えてフィプロニルスルホンが増加しないか;または製剤時に存在する元のフィプロニルスルホンの約40%を超えてフィプロニルスルホンが増加しないか;または製剤時に存在する元のフィプロニルスルホンの約35%を超えてフィプロニルスルホンが増加しないか;または製剤時に存在する元のフィプロニルスルホンの約30%を超えてフィプロニルスルホンが増加しないか;または製剤時に存在する元のフィプロニルスルホンの約25%を超えてフィプロニルスルホンが増加しない程度にフィプロニルスルホンの生成を抑制する。他の実施形態において、製剤化後3ヶ月において、製剤時に存在する元のフィプロニルスルホンの約20%を超えてフィプロニルスルホンは増加しないか;または製剤時に存在する元のフィプロニルスルホンの約15%を超えてフィプロニルスルホンは増加しない。さらに他の実施形態において、製剤化後3ヶ月において、製剤時に存在する元のフィプロニルスルホンの約10%を超えてフィプロニルスルホンは増加しない。
【0037】
本組成物における抗酸化剤の目的は、主として、NMP中に見出されるどのような過酸化物とも戦うことである。有害な酸化性物質、例えば過酸化物種の本組成物への追加の導入を制限するように希釈剤が注意深く選択される場合、抗酸化剤の量は、好ましくはGRAS(一般に安全と認められる)レベルまたは実質的にそれ以下に保つことができる。いくつかの実施形態において、抗酸化剤の有効量は約0.25%(w/w)以下である。他の実施形態において、抗酸化剤は、約0.2%(w/w);約0.19%(w/w);約0.18%(w/w);約0.17%(w/w);約0.16%(w/w);約0.15%(w/w);約0.14%(w/w);約0.13%(w/w);約0.12%(w/w)または約0.11%(w/w)以下の濃度で存在する。さらに他の実施形態において、抗酸化剤は、約0.1%(w/w)以下の濃度で存在する。
【0038】
濃厚局所製剤でのもう一つの問題は、安全な使用部位への局所投与のためには、製剤中のどのような量の結晶であっても、沈殿物における活性物質の高すぎる濃度をもたらす恐れのあることである。さらにまた、沈殿は溶液から活性物質を効果的に除去するため、溶液中に残る活性物質の濃度が低すぎて、本明細書に記載の有効性を提供できない場合がある。さらに、ひとたび結晶が生成し始めれば、その結晶はさらなる結晶生成の種となる。このプロセスは、溶媒系外への成分の沈殿を増加させ、製剤中の活性物質の濃度に有害作用をもたらす。
【0039】
活性物質の1つまたは両方が、使用の前後に溶液から結晶化するかまたは沈殿すれば、活性薬の相対量は変化することは明らかである。従って、その活性物質の量は、増強された忌避活性のために所望される量から逸脱することが予想される。従って、動物への使用後でさえも溶液中に各活性物質が残る本組成物の特性は、観察されたサシバエに対する活性の増強にも寄与する。WO2007/143298(参照により、その全体が本明細書に組み込まれる)で報告されているように、ペルメトリンの高濃度溶液を調製するのは困難である。しかしながら、本組成物は、最も低い濃度でペルメトリン約30%(w/w)を含み、いくつかの実施形態において、約40〜約45%(w/w)を含む。第2の異なる活性物質を製剤化する場合、ペルメトリンをこれらの濃度で首尾よく製剤化することの困難さは指数関数的に増大する。このことは、複数の活性物質が、異なる物理的特性を有する場合に特にあてはまる。驚くべきことに、本明細書に記載の組成物は、動物の限局性部位に使用されるとき、サシバエに対して驚くほどに増強された忌避性および優れた殺虫効力を示すことが明らかにされた。従って、観察された増強された忌避性は、組成物が動物の外被および皮膚に散布されるときの各活性物質の濃度の結果として生じると考えられる。予想外の増強された忌避性は、組成物が動物に直接的に使用された部位に限定されないと考えられ、このことは、サシバエおよび他の外部寄生虫の効果的な制御にとって重要である。なぜなら、これらの外部寄生虫は、動物の種々の部位で餌を採るからである。本明細書に記載の製剤は、組成物の位置を動物の表面に換えたときでも、組成物の活性薬の有効量を提供する。
【0040】
多くの溶媒系が利用可能であるとはいえ、製剤の当業者は、活性成分の所定の組み合わせに関して、どの系が効果的に作用するか予測することができない。しかしながら、本明細書に記載の溶媒系は、サシバエを含む特定の寄生バエに対する驚くべき増強された忌避性をもたらすフィプロニルおよびペルメトリンを有効量で共に製剤化する問題を解決する。その溶媒系において、増強された忌避性をもたらすフィプロニルおよびペルメトリンの効果的な濃度が維持されている。
【0041】
フィプロニル(5-アミノ-3-シアノ-1-(2,6-ジクロロ-4-トリフルオロメチルフェニル)-4-トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール)は1-N-アリールピラゾール殺虫剤である。
これは以下の構造を有する:
これは、当該分野で公知の化学物質のクラスの1つであり、哺乳動物、例えば家畜もしくはペット動物または鳥における害虫、例えばノミ、サシバエ、ノサシバエまたはカならびにコナダニ科の害虫、例えばマダニ、コダニおよびシラミを含む寄生虫の制御における、単独で、あるいは他の農薬例えば昆虫成長制御剤と組み合わせてのそれらの使用方法もまた公知である。例えば、EP-A-295,217、EP 295 177、EP-A-840-686、EP-A-352,944、WO 00/35844、WO 98/39972、米国特許第5,122,530号、第5,236,938号、第5,232,940号、第5,576,429号、第5,814,652号、第5,567,429号、第6,090,751号および第6,096,329号を参照のこと。これらの参照は、これによって、その全体が本願に組み込まれる。これらの特許において定義されているファミリーの化合物は極めて活性が高い。フィプロニルは特に効果的であり、限定するものではないが、ノミおよびマダニに効果的である。しかしながら、フィプロニルは、外部寄生虫に対して忌避活性を有することは知られていない。
【0042】
ペルメトリンはピレスロイドの1つである。これは以下の構造を有する:
ピレスロイドは合成的に誘導された殺虫剤のクラスである。これらの化合物は、特に、ウエストナイルウイルスを媒介するカ(クレクス種)に対して有効である。ピレスロイドは、天然に存在するピレトリン、ピレトリンIおよびピレトリンIIに構造が関連する。合成ピレスロイドは、ペルメトリン(米国特許第4,113,968号)、レスメトリンおよびスミトリン(米国特許第3,934,023号および第2,348,930号)を含む。ペルメトリンは、種々の節足動物に対するその忌避効果で知られている。これらの参照は、これによって、その全体が本願に組み込まれる。
【0043】
フィプロニルとピレスロイド、例えばペルメトリンとの組み合わせは公知である(特に、検索可能なデータベースであるPDMSから入手できるEPA登録届出物質;届出者:Virbac AH社)。商品名EFFITIX(登録商標)で販売されている製品は、米国において2011年11月18日に認可された。この製品の化学物質等安全データシート(MSDS)は、この製品がフィプロニル、ペルメトリンおよびジエチレングリコールモノエチルエーテルを含んでいることを表示している。WO 2001/065941 A1およびEP 1013170 A1は、植物害虫における用途において、N-アリールピラゾールとピレスロイドの組み合わせを提案している。JP 11049618 A2は、木造建築物に対する食害を予防するために同様な混合物を用いる。GB2396557 A1は、濃厚粉末製剤が用いられるとき、N-アリールピラゾールとピレスロイドの混合物(必要に応じて、相乗剤、例えばMGK264またはピペロニルブトキシドもまた添加する)による外部寄生虫の治療が可能であることを教示している。これらの参照のすべては、これによって、その全体が本願に組み込まれる。
【0044】
しかしながら、活性物質が作用するためには、増強された忌避効果に関与する効果的な濃度が、投与後および、その活性物質が効果的に動物を覆うかまたは侵入部位に到達するまで溶液中に残っていることを確実にするために、必要な溶解性ならびに化学的および物理的安定性を提供する溶媒系を用いることが重要である。限定するものではないが、サシバエを含む特定の外部寄生虫に対して種々の条件下で増強された忌避性をもたらす濃度を維持するための、ペルメトリンがスポットオンまたはポアオン製剤中で高濃度で存在する、フィプロニルおよびペルメトリンを組み合わせで首尾よく製剤化するために必要な製剤成分については報告されていない。製剤の当業者であっても、どの組み合わせおよび溶媒が最終的に協力して働くかは合理的な確かさを持って予測することはできない。
【0045】
一実施形態において、本主題事項は、約30%w/w〜約55%w/wの濃度のペルメトリン;約2%w/w〜約15%w/wの濃度のフィプロニル;ならびにa)1以上の中性油およびb)N-メチルピロリドン(NMP)を含む製剤に関する。
【0046】
他の実施形態において、本発明は、約30%w/w〜約55%w/wの濃度のペルメトリン;約2%w/w〜約15%w/wの濃度のフィプロニルならびにa)1以上の中性油およびb)NMPを含む製剤であって、a)1以上の中性油およびb)NMPが、中性油対NMPで、約1:18〜約1:2.8の重量対重量比で存在する製剤を提供する。この実施形態において、抗酸化剤が存在する場合、抗酸化剤は約0.25%(w/w)以下の濃度で存在することができる。
【0047】
さらに他の実施形態において、本発明は、約30%w/w〜約55%w/wの濃度のペルメトリン;約2%w/w〜約15%w/wの濃度フィプロニル;ならびにa)1以上の中性油およびb)NMPを含む製剤であって、a)1以上の中性油およびb)NMPが、中性油対NMPで、約1:2.0〜約1:3.5の重量対重量比で存在する製剤を提供する。この実施形態において、抗酸化剤が存在する場合、抗酸化剤は約0.25%(w/w)以下の濃度で存在することができる。
【0048】
一実施形態において、本発明は、少なくとも約40%w/wの濃度のペルメトリン;少なくとも約5%w/wの濃度のフィプロニルならびにa)1以上の中性油およびb)NMPを含む製剤であって、a)1以上の中性油およびb)NMPが、中性油対NMPで、約1:1.18〜約1:2.8または約1:2.0〜約1:3.5の重量対重量比で存在する製剤を提供する。この実施形態において、抗酸化剤が存在する場合、抗酸化剤は約0.25%(w/w)以下の濃度で存在することができる。
【0049】
他の実施形態において、本発明は、少なくとも約40%w/wの濃度のペルメトリン;少なくとも約5%w/wの濃度のフィプロニルならびにa)1以上の中性油およびb)NMPを含む製剤であって、a)1以上の中性油およびb)NMPが、中性油対NMPで、約1:2.5〜約1:3.5の比率で存在する製剤を提供する。この実施形態において、抗酸化剤が存在する場合、抗酸化剤は約0.25%(w/w)以下の濃度で存在することができる。
【0050】
さらに他の実施形態において、本発明は、約40%w/w〜約55%w/wの濃度のペルメトリン;約5%w/w〜約15%w/wの濃度のフィプロニル;ならびにa)1以上の中性油およびb)NMPを含む製剤であって、a)1以上の中性油およびb)NMPが、中性油対NMPで、約1:1.8〜約1:2.8または約1:2.0〜約1:3.5の重量対重量比で存在する製剤を提供する。この実施形態において、抗酸化剤が存在する場合、抗酸化剤は約0.25%(w/w)以下の濃度で存在することができる。
【0051】
さらに他の実施形態において、本発明は、約40%w/w〜約55%w/wの濃度のペルメトリン;約5%w/w〜約15%w/wの濃度のフィプロニル;ならびにa)1以上の中性油およびb)NMPを含む製剤であって、a)1以上の中性油およびb)NMPが、中性油対NMPで、約1:2.5〜約1:3.5の比率で存在する製剤を提供する。この実施形態において、抗酸化剤が存在する場合、抗酸化剤は約0.25%(w/w)以下の濃度で存在することができる。
【0052】
さらに他の実施形態において、本発明は、約40%w/w〜約50%w/wの濃度のペルメトリン;約5%w/w〜約10%w/wの濃度のフィプロニル;ならびにa)1以上の中性油およびb)NMPを含む製剤であって、a)1以上の中性油およびb)NMPが、中性油対NMPで、約1:2.5〜約1:3.0の比率で存在する製剤を提供する。この実施形態において、抗酸化剤が存在する場合、抗酸化剤は約0.25%(w/w)以下の濃度で存在することができる。
【0053】
本発明の一実施形態において、本明細書に記載の組成物におけるフィプロニルスルホンのレベルは、製剤化後約3ヶ月において高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定するとき、フィプロニルのピーク面積に対して面積比で約6%未満である。他の実施形態において、フィプロニルスルホンレベルは、製剤化後約3ヶ月において約5%未満であるか、または製剤化後約3ヶ月において約4%未満である。さらに他の実施形態において、フィプロニルスルホンレベルは、製剤の製造後約3ヶ月において約3.5%未満である。他の実施形態において、フィプロニルスルホンレベルは、製剤化約3ヶ月において約3.2%未満であり、製剤化約3ヶ月において約3.1%未満であり、製剤化約3ヶ月において約3.0%未満であり、製剤化後約3ヶ月において約2.9%であり、製剤化約3ヶ月において約2.8%未満である。他の実施形態において、フィプロニルスルホンレベルは、製剤化後約3ヶ月において約2.7%未満であり、製剤化約3ヶ月において約2.6%未満であり、製剤化後約3ヶ月において約2.5未満である。さらに他の実施形態において、フィプロニルスルホンレベルは製剤化後約3ヶ月において約2.4%未満であり、製剤化後約3ヶ月において約2.3%未満であり、製剤化後約3ヶ月において約2.2%未満である。さらに他の実施形態において、フィプロニルスルホンレベルは、製剤化後約3ヶ月において約2.1%未満であり、製剤化約3ヶ月において約2.0未満である。本明細書において、”製剤化後約3ヶ月において”は、フィプロニルが製剤中の他の成分と接触したときから10週間から14週間の期間を意味する。一般的には、それは、フィプロニルとNMPとの接触からの期間である。フィプロニルスルホンレベルは、その試料中のフィプロニルのピーク面積に対してHPLCによって測定される。
【0054】
本製剤における2つの活性成分、ペルメトリンおよびフィプロニルの特有の安定性を提供するのは、1以上の中性油とNMPとの比率である。なぜなら、特に、有意な量の過酸化物種が導入されないように中性油(単数または複数)が選択されるからである。種々の活性物質のための当該技術分野で公知の種々の製剤とは異なり、本明細書に開示された製剤は、ペルメトリンを可溶化することができ、その結晶化を抑制または予防するばかりでなく、溶液中のフィプロニルスルホンの生成もまた抑制する。その結果として、両方の活性成分を所望の濃度で利用することが可能であり、この両方の活性成分は、本明細書において、サシバエに対して予想外の増強された有効性を有することが示されている。
【0055】
組成物中のフィプロニルの有用な濃度は約2%(w/w)〜約15%(w/w)である。一実施形態において、フィプロニルは約3%(w/w)〜約10%(w/w)の濃度で存在する。他の実施形態において、フィプロニルは約4%(w/w)〜約8%(w/w)の濃度で存在する。さらに他の実施形態において、フィプロニルは約6%(w/w)の濃度で存在する。
【0056】
本発明の組成物におけるペルメトリンの有用な濃度は約35%(w/w)〜約50%(w/w)である。一実施形態において、ペルメトリンは約40%(w/w)〜約48%(w/w)の濃度で存在する。他の実施形態において、ペルメトリンは約42%(w/w)〜約47%(w/w)の濃度で存在する。さらに他の実施形態において、ペルメトリンは約45%(w/w)の濃度で存在する。
【0057】
いくつかの実施形態において、本発明は、以下の製剤を提供する:製剤A)フィプロニル約6%(w/w);ペルメトリン約45%(w/w);NMP約35%(w/w);製剤を完成するために十分な量(QSまたは適量)のDGME(ジエチレングリコールモノエチルエーテルまたはトランスクトール(登録商標))約10〜15%(w/w)および約0.1%(w/w)のBHT;製剤B)フィプロニル約6%(w/w);ペルメトリン約45%(w/w);NMP約35%(w/w);製剤を完成するために十分な量(QS)のミグリオール(登録商標)812 約10〜15%(w/w)および約0.1%の(w/w)BHT。いくつかの実施形態において、製剤A)におけるDGMEの量は約12〜14%、約12%(w/w)、約13%(w/w)または約14%(w/w)である。他の実施形態において、製剤B)におけるミグリオール(登録商標)の量は約12%(w/w)、約13%(w/w)または約14%(w/w)である。
【0058】
活性物質の用量は、当業者によって容易に決定されることができる。しかしながら、一般的に、単回投与または分割投与で1〜5日間投与される場合、体重1kgあたり約0.001〜約100mg、より一般的には約0.01mg〜約50mg/kg体重の用量で十分である。しかしながら、もちろん、特定の状況においては、この特定の投与期間内でより高いかまたはより低い投与量範囲が指示されることもできる場合がある。製剤の投与容量もまた同様に決定され、次いで必要に応じて調整されることができることは明らかであろう。
【0059】
いくつかの実施形態において、本組成物は、約6.0%(w/w)のフィプロニルおよび約45%(w/w)のペルメトリンを含む。本組成物は、N-メチルピロリドンおよび、本明細書に記載の中性油溶媒系も含む。
【0060】
中性油成分およびN-メチルピロリドン成分は、それぞれの相対量に対して数量化することができる。いくつかの実施形態において、中性油対NMPの有用な重量対重量比は1:1.8〜約1:3.5;または約1:2.0〜約1:3.5である。他の実施形態において、比率は、中性油対NMPで、約1:1.9〜約1:2.7;約1:2.0〜約1:3.0;および約1:2.5〜約1:3.0を含む。他の実施形態において、比率値は、中性油対NMPで、1:1.9、1:2、1:2.1、1:2.2、1:2.4、1:2.5、1:2.6、1:2.7、1:2.8、1:2.9、1:3.0、1:3.1、1:3.2、1:3.3、1:3.4および1:3.5を含む。さらに他の実施形態において、比率は、中性油対NMPで、約1:2.2〜約1:2.4を含む。他の実施形態において、比率は、中性油対NMPで、約1:2.3〜約1:3.0である。これらの比率は相対量である。しかしながら、適切には、中性油またはNMPの有用な量に基づく。
【0061】
本組成物におけるNMPの有用な濃度は約25%(w/w)〜約44%(w/w)である。一実施形態において、NMPの濃度は約28%(w/w)〜約42%(w/w)または約31%(w/w)〜約39%(w/w)である。さらに他の実施形態において、NMPの濃度は33%(w/w)〜約37%(w/w)である。さらに他の実施形態において、NMPは約35%(w/w)の濃度で存在する。存在するかまたは想定されるNMPのレベルから、対応する希釈剤の量を算出することができる。
【0062】
本組成物は、フィプロニルおよびNMPを含む製剤中でフィプロニルスルホン生成を最小化する中性油の量を含む。製剤に用いられる中性油の量は、製剤を完成するための量(QS)で用いられるとき、多少変えることができる。本発明の組成物における中性油の有用な濃度は、限定するものではないが、約11%(w/w)〜約18%(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、中性油の濃度は、約12%(w/w)〜約17%(w/w)および約13%(w/w)〜約16%(w/w)を含む。他の実施形態において、中性油は、約12%(w/w)〜約14%(w/w)、約13%(w/w)〜約15%(w/w)の濃度で存在する。他の実施形態において、中性油は約14%(w/w)の濃度で存在する。
【0063】
存在する場合、好ましい実施形態において、抗酸化剤は、有益には約0.25%(w/w)以下の濃度で存在するが、より高い濃度を添加することもできる。いくつかの実施形態において、濃度は、約0.2%(w/w)以下;約0.19%(w/w)以下;約0.18%(w/w)以下;約0.17%(w/w)以下;約0.16%(w/w)以下;約0.15%(w/w)以下;約0.14%(w/w)以下;約0.13%(w/w)以下;約0.12%(w/w)以下または約0.11%(w/w)以下である。他の実施形態において、存在する場合、抗酸化剤は約0.1%(w/w)以下の濃度で存在する。適切な無機抗酸化剤は、例えば亜硫酸塩および亜硫酸水素塩であり、特に亜硫酸水素ナトリウムである。一実施形態において、抗酸化剤は、フェノール性抗酸化剤、例えばアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエンおよびブチル化ヒドロキシアニソールならびにそれらの互いの混合物である。他の実施形態において、抗酸化剤は当該技術分野で通常用いられるものであり、例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、没食子酸プロピル、チオ硫酸ナトリウムまたはそれらの2以下の混合物を含む。NMPおよび、製剤に有意に過酸化物種を追加しない希釈剤を含む製剤に用いられる場合、抗酸化剤の量は、有益には、実質的に、本発明の有益な溶媒系を含まない製剤において望ましい量未満に抑えることができる。
【0064】
他の実施形態において、本主題事項は、サシバエを含む寄生虫に対して驚くべきかつ予想外の忌避性を示す農薬組成物であって、フィプロニル約2%(w/w)〜約15%(w/w);ペルメトリン約30%(w/w)〜約55%(w/w);グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルおよびN-メチルピロリドンならびに場合により抗酸化剤を含む農薬組成物において、前記グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルおよびN-メチルピロリドンが、約1:1.8〜約1:2.8、約1:2.0〜約1:3.5、約1:2.0〜約1:3.0、約1:2.5〜約1:3.5または約1:2.5〜約1:3.0の重量対重量比で存在する農薬組成物に関する。
【0065】
他の実施形態において、本主題事項は、少なくともフィプロニル約5%(w/w);少なくともペルメトリン約40%(w/w);グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルおよびN-メチルピロリドンならびに場合により抗酸化剤を含む農薬組成物であって、前記グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルおよびN-メチルピロリドンが、約1:2.0〜約1:3.5、約1:2.0〜約1:3.0、約1:2.5〜約1:3.5、または約1:2.5〜約1:3.0の重量対重量比で存在する農薬組成物において、サシバエを含む寄生バエに対して予想外の増強された忌避性を提供する農薬組成物に関する。
【0066】
他の実施形態において、本主題事項は、フィプロニル約5%(w/w)〜約15%(w/w);ペルメトリン約40%(w/w)〜約55%(w/w);グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルおよびN-メチルピロリドンならびに場合により抗酸化剤を含む農薬組成物であって、前記グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルおよびN-メチルピロリドンが約1:2.0〜約1:3.5の比率で存在する農薬組成物に関する。
【0067】
他の実施形態において、本主題事項は、フィプロニル約5%(w/w)〜約10%(w/w);ペルメトリン約40%(w/w)〜約50%(w/w);グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルおよびN-メチルピロリドンならびに場合により抗酸化剤を含む農薬組成物であって、前記グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルおよびN-メチルピロリドンが約1:2.0〜約1:3.5の比率で存在する農薬組成物に関する。
【0068】
他の実施形態において、本主題事項は、フィプロニル約6%(w/w)(w/w);ペルメトリン約45%(w/w);グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルおよびN-メチルピロリドンならびに場合により抗酸化剤を含む農薬組成物であって、前記グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルおよびN-メチルピロリドンが約1:2.0〜約1:3.5の比率で存在する農薬組成物に関する。
【0069】
これらの製剤におけるペルメトリンおよびフィプロニルの有用な量は前述のとおりである。いくつかの実施形態において、前述の製剤は、サシバエを含む寄生バエに対する予想外の増強された忌避性および優れた殺虫効力を提供する。
【0070】
これらの実施形態において、抗酸化剤は、約0.005〜約1%(w/w)または約0.01〜約0.05%(w/w)の濃度で存在することができる。いくつかの実施形態において、抗酸化剤は、約0.01〜約1重量%または約0.05%〜約0.5重量%の濃度で存在することができる。他の実施形態において、抗酸化剤は、約0.075〜約0.2重量%の濃度で存在する。選択された希釈剤またはNMP中の過酸化物レベルに応じて、0.2重量%未満の量が有用である。
【0071】
本組成物において有用なグリコールは、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG、低分子量PEGから高分子量PEGまでをすべて含む)、プロピレングリコールおよびポリプロピレングリコールを含む。グリコールエーテルは、限定するものではないが、メチルジグリコール、エチルジグリコール、プロピルジグリコール、ブチルジグリコール、メチルグリコール、エチルグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびテトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテル(テトラグリコールまたはグリコフロール)を含む。一実施形態において、グリコールエーテルはジエチレングリコールモノエチルエーテルである。本製剤に用いることができるグリコールエステルは、限定するものではないが、グリコールおよびグリコールエーテルの酢酸エステル、例えばエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(エチルセロソルブ(登録商標)アセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ブチルセロソルブ(登録商標)アセテート)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどを含む、グリコールまたはグリコールエーテルのカルボン酸エステルを含む。
【0072】
グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルおよびNMPを含む前述の実施形態において、本発明の組成物におけるNMPの濃度は約25%(w/w)〜約44%(w/w)であることができる。他の実施形態において、NMPは約28%(w/w)〜約42%(w/w)または約31%(w/w)〜約39%(w/w)の濃度で存在することができる。さらに他の実施形態において、NMPは約33%(w/w)〜約37%(w/w)の濃度で存在することができる。他の実施形態において、NMPは、約35%(w/w)の濃度で存在することができる。存在するかまたは想定されるNMPのレベルから、対応する希釈剤の量を算出することができる。
【0073】
グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルおよびN-メチルピロリドン成分は、それぞれの相対量に対して数量化することができる。グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルのNMPに対する有用な重量対重量比は、1:2.0〜約1:3.5の比率を含む。他の実施形態において、比率は、グリコール、グリコールエーテルまたは脂肪酸エステル対NMPで、約1:1.18〜約1:1.28、約1:2.0〜約1:3.0;約1:1.9〜約1:2.7;約1:2.0〜約1:2.6;および約1:2.5〜約1:3.0を含む。さらに他の実施形態において、グリコール、グリコールエーテルまたは脂肪酸エステル対NMPの重量対重量比は1:1.9、1:2、1:2.1、1:2.2、1:2.4、1:2.5、1:2.6、1:2.7、1:2.8、1:2.9、1:3.0、1:3.1、1:3.2、1:3.3、1:3.4または1:3.5である。本発明の他の実施形態において、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステル対NMPの重量対重量比は、約1:2.5〜約1:3.0または約1:2.5〜約1:3.5である。これらの比率は相対量であり、適切には、グリコール、グリコールエーテルもしくは脂肪酸エステルまたはNMPの有用な量に基づく。
【0074】
特定の実施形態において、本組成物は、フィプロニルおよびNMPを含む、製剤中のフィプロニルスルホン生成を最小化するグリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルの量を含む。一般的には、製剤中に用いられるグリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルの量は、製剤を完成するために十分な量(QS)であり、従って多少異なる。グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルの有用な濃度は約11%(w/w)〜約18%(w/w)を含む。他の実施形態において、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルまたは脂肪酸エステルの濃度は、約12%(w/w)〜約17%(w/w)または約13%(w/w)〜約16%(w/w)である。本発明のさらに他の実施形態において、グリコール、グリコールエーテルまたは脂肪酸エステルの濃度は、約12%(w/w)〜約14%(w/w)または約13%(w/w)〜約15%(w/w)である。他の実施形態において、グリコール、グリコールエーテルまたは脂肪酸エステルは約14%(w/w)の濃度で存在する。
【0075】
すべての実施形態において、他の溶媒および/または希釈剤を本発明の製剤に用いることができる。一実施形態において、使用の前後にフィプロニルおよびペルメトリンの所望の濃度を維持するために必要な溶解性ならびに物理的および化学的安定性を提供する限りは、長鎖アルキルアミドもまた用いることができる。これらには、グリセロールホルマール、デカンアミドおよびオクタンアミドを用いる系、例えばN,N-ジメチルデカンアミド(DMDA)が含まれる。グリセロールホルマールは、5-ヒドロキシ-1,3-ジオキサンおよび4-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキソラン(60:40)の混合物である。一実施形態において、本発明の製剤に添加されるグリセロールホルマールは安定化グリセロールホルマールである。安定化グリセロールホルマールは、一般的には、EDTA二ナトリウム0.02%、没食子酸n-プロピル0.02%およびチオプロピオン酸0.01%を含む。しかしながら、局所投与のための特定の実施形態において、本組成物は希釈剤として中性油を含む。
【0076】
追加の活性薬
一実施形態において、本発明は、1以上の追加の活性薬と組み合わせてフィプロニルおよびペルメトリンを含む局所組成物を提供する。いくつかの実施形態において、フィプロニルおよびペルメトリンと組み合わされる追加の活性薬は、限定するものではないが、本明細書に記載の種々のクラスの殺ダニ剤、駆虫薬、殺虫剤および他の殺寄生虫剤を含むことができる。
【0077】
他の実施形態において、局所組成物は獣医治療薬を含むこともできる。本発明の組成物に含むことができる獣医医薬品は当該分野で公知であり(例えば、Plumb’ Veterinary Drug Handbook, 5
th Edition, ed. Donald C. Plumb, Blackwell Publishing, (2005)またはThe Merck Veterinary Manual, 9
th Edition, (January 2005)を参照のこと)、限定するものではないが、アカルボース、マレイン酸アセプロマジン、アセトアミノフェン、アセタゾラミド、アセタゾラミドナトリウム、酢酸、アセトヒドロキサム酸、アセチルシステイン、アシトレチン、アシクロビル、アルベンダゾール、アルブテロール硫酸塩、アルフェンタニル、アロプリノール、アルプラゾラム、アルトレノゲスト、アマンタジン、アミカシン硫酸塩、アミノカプロン酸、アミノペンタミド硫酸水素塩、アミノフィリン/テオフィリン、アミオダロン、アミトリプチリン、ベシル酸アムロジピン、塩化アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、アモキシシリン、クラブラン酸カリウム、アムホテリシンBデスオキシコール酸塩、アムホテリシンB脂質製剤、アンピシリン、アンプロリウム、制酸剤(経口)、アンチベニン、アポモルフィオン、アプラマイシン硫酸塩、アスコルビン酸、アスパラギナーゼ、アスピリン(aspiring)、アテノロール、アチパメゾール、アトラクリウムベシル酸塩、アトロピン硫酸塩、オーラノフィン(aurnofin)、オーロチオグルコース、アザペロン、アザチオプリン、アジスロマイシン、バクロフェン、バルビツール酸塩、ベナゼプリル、ベタメタゾン、塩化ベタネコール、ビサコジル、次サリチル酸ビスマス、硫酸ブレオマイシン、ボルデノンウンデシレン酸エステル、臭化物、ブロモクリプチンメシル酸塩、ブデノシド、ブプレノルフィン、ブスピロン、ブスルファン、ブトルファノール酒石酸塩、カベルゴリン、サケカルシトニン、カルシトロール、カルシウム塩、カプトプリル、カルベニシリンインダニルナトリウム、カルビマゾール、カルボプラチン、カルニチン、カルプロフェン、カルベジロール、セファドロキシル、セファゾリンナトリウム、セフィキシム、クロルスロン、セフォペラゾンナトリウム、セフォキシチンナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフォキシチンナトリウム、セフポドキシムプロキセチル、セフタジジム、セフチオフルナトリウム、セフチオフル、セフチアキソンナトリウム、セファレキシン、セファロスポリン、セファピリン、木炭(活性炭)、クロラムブシル、クロラムフェニコール、クロロジアゼポキシド、クロロジアゼポキシド+/-臭化クリジニウム、クロロチアジド、マレイン酸クロルフェニラミン、クロロプロマジン、クロロプロパミド、クロロテトラサイクリン、絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、クロム、シメチジン、シプロフロキサシン、シサプリド、シスプラチン、クエン酸塩、クラリスロマイシン、フマル酸クレマスチン、クレンブテロール、クリンダマイシン、クロファジミン、クロミプラミン、クロナゼパム(claonazepam)、クロニジン、クロプロステノールナトリウム、クロラゼプ酸二カリウム、クロルスロン、クロキサシリン、リン酸コデイン、コルヒチン、コルチコトロピン(ACTH)、コシントロピン、シクロホスファミド、シクロスポリン、シプロヘプタジン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン/アクチノマイシンD、ダルテパリンナトリウム、ダナゾール、ダントロレンナトリウム、ダプソン、デコキネート、メシル酸デフェロキサミン、デラコキシブ、デスロレリン酢酸塩、デスモプレシン酢酸塩、ピバル酸デスオキシコルチコステロン、デトミジン、デキサメタゾン、デクスパンテノール、デクスラゾキサン、デキストラン、ジアゼパム、ジアゾキシド(経口)、ジクロルフェナミド、ジクロフェナクナトリウム、ジクロキサシリン、ジエチルカルバマジンクエン酸塩、ジエチルスチルベストロール(DES)、ジフロキサシン、ジゴキシン、ジヒドロタキステロール(DHT)、ジルチアゼム、ジメンヒドリナート、ジメルカプロール/BAL、ジメチルスルホキシド、ジノプロストトロメタミン、ジフェニルヒドラミン、ジソピラミドリン酸塩、ドブタミン、ドキュセート/DSS、ドラセトロンメシル酸塩、ドンペリドン、ドーパミン、ドラメクチン、ドキサプラム、ドキセピン、ドキソルビシン、ドキシサイクリン、エデト酸カルシウム二ナトリウム.カルシウムEDTA、エドロホニウム塩化物、エナラプリル/エナラプリラート、エノキサパリンナトリウム、エンロフロキサシン、エフェドリン硫酸塩、エピネフリン、エポエチン/エリスロポエチン、エプリノメクチン、エプシプランテル、エリスロマイシン、エスモロール、エストラジオールシピオン酸エステル、エタクリン酸/エタクリン酸ナトリウム、エタノール(アルコール)、エチドロン酸ナトリウム、エトドラク、エトミデート、安楽死剤w/ペントバルビタール、ファモチジン、脂肪酸(必須/オメガ)、フェルバメート、フェンタニル、硫酸第一鉄、フィルグラスチム、フィナステリド、フィプロニル、フロルフェニコール、フルコナゾール、フルシトシン、フルドロコルチゾン酢酸エステル、フルマゼニル、フルメタゾン、フルニキシンメグルミン、フルオロウラシル(5-FU)、フルオキセチン、プロピオン酸フルチカゾン、フルボキサミンマレイン酸塩、フォメピゾール(4-MP)、フラゾリドン、フロセミド、ガバペンチン、ゲムシタビン、ゲンタマイシン硫酸塩、グリメピリド、グリピジド、グルカゴン、グルココルチコイド剤、グルコサミン/コンドロイチン硫酸、グルタミン、グリブリド、グリセリン(経口)、グリコピロレート、ゴナドレリン、グリセオフルビン、グアイフェネシン、ハロタン、ヘモグロビングルタマー-200(OXYGLOBIN(登録商標))、ヘパリン、ヘタスターチ、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒドラザリン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコドン重酒石酸塩、ヒドロコルチゾン、ヒドロモルホン、ヒドロキシウレア、ヒドロキシジン、イホスファミド、イミダクロプリド、イミドカルブジプロピオン酸塩、イミペネム−シラスタチンナトリウム、イミプラミン、イナムリノン乳酸塩、インスリン、インターフェロンアルファ-2a(ヒト組換え体)、ヨウ化物(ナトリウム/カリウム)、トコン(シロップ)、イポダートナトリウム、デキストラン鉄、イソフルラン、イソプロテレノール、イソトレチノイン、イソクススプリン、イトラコナゾール、イベルメクチン、カオリン/ペクチン、ケタミン、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトロラクトロメタミン、ラクチュロース、ロイプロリド、レバミゾール、レベチラセタム、レボチロキシンナトリウム、リドカイン、リンコマイシン、リオチロニンナトリウム、リシノプリル、ロムスチン(CCNU)、ルフェヌロン、リジン、マグネシウム、マンニトール、マルボフロキサシン、メクロレタミン、メクリジン、メクロフェナミン酸、メデトミジン、中鎖トリグリセリド、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル、酢酸メゲストロール、メラルソミン、メラトニン、メロキシカン、メルファラン、メペリジン、メルカプトプリン、メロペネム、メトホルミン、メタドン、メタゾラミド、メテナミンマンデル酸塩/馬尿酸塩、メチマゾール、メチオニン、メトカルバモール、メトヘキシタールナトリウム、メトトレキサート、メトキシフルラン、メチレンブルー、メチルフェニデート、メチルプレドニゾロン、メトクロプラミド、メトプロロール、メトロニダキソール、メキシレチン、ミボレロン、ミダゾラム ミルベマイシンオキシム、鉱油、ミノサイクリン、ミソプロストール、ミトタン、ミトキサントロン、硫酸モルヒネ、モキシデクチン、ナロキソン、マンドロロンデカン酸塩、ナプロキセン、麻薬(オピエート)アゴニスト鎮痛剤、ネオマイシン硫酸塩、ネオスチグミン、ナイアシンアミド、ニタゾキサニド、ニテンピラム、ニトロフラントイン、ニトログリセリン、ニトロプルシドナトリウム、ニザチジン、ノボビオシンナトリウム、ナイスタチン、オクトレオチド酢酸塩、オルサラジンナトリウム、オメプロゾール、オンダンセトロン、オピエート下痢止め、オルビフロキサシン、オキサシリンナトリウム、オキサゼパム、塩化オキシブチニン、オキシモルホン、オキシテトラサイクリン(oxytretracycline)、オキシトシン、パミドロン酸二ナトリウム、パンクレプリパーゼ、臭化パンクロニウム、パロモマイシン硫酸塩、パロゼチン、ペニシラミン、一般情報ペニシリン、ペニシリンG、ペニシリンVカリウム、ペンタゾシン、ペントバルビタールナトリウム、ポリ硫酸ペントサンナトリウム、ペントキシフィリン、ペルゴリドメシル酸塩、フェノバルビタール、フェノキシベンザミン、フェニルブタゾン(pheylbutazone)、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン(phenypropanolamine)、フェニトインナトリウム、フェロモン、非経口リン酸塩、フィトナジオン/ビタミンK-1、ピモベンダン、ピペラジン、ピルリマイシン、ピロキシカム、ポリ硫酸化グリコサミノグリカン、ポナズリル、塩化カリウム、塩化プラリドキシム、プラゾシン、プレドニゾロン/プレドニゾン、プリミドン、プロカインアミド、プロカルバジン、プロクロルペラジン、臭化プロパンテリン、プロピオニバクテリウム・アクネス注射、プロポフォール、プロプラノロール、プロタミン硫酸塩、プソイドエフェドリン、車前子親水性粘漿薬、ピリドスチグミン臭化物、ピリラミンマレイン酸塩、ピリメタミン、キナクリン、キニジン、ラニチジン、リファンピン、s-アデノシル-メチオニン(SAMe)、生理食塩水/浸透圧性緩下剤、セラメクチン、セレギリン/l-デプレニル、セルトラリン、セベラマー、セボフルラン、シリマリン/ミルクシスル、炭酸水素ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、スチボグルコン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム(sodum thiosulfate)、ソマトトロピン、ソタロール、スペクチノマイシン、スピロノラクトン、スタノゾロール、ストレプトキナーゼ、ストレプトゾシン、サクシマー、塩化サクシニルコリン、スクラルファート、スフェンタニルクエン酸塩、スルファクロルピリダジンナトリウム、スルファジアジン/トリメトプリム、スルファメトキサゾール/トリメトプリム、スルファジメトキシン(sulfadimentoxine)、スルファジメトキシン/オルメトプリム、スルファサラジン、タウリン、テポキサリン、テルビナフィン、硫酸テルブタリン、テストステロン、テトラサイクリン、チアセタルサミドナトリウム、チアミン、チオグアニン、チオペンタールナトリウム、チオテパ、チロトロピン、チアムリン、チカルシリン二ナトリウム、チレタミン/ゾラゼパム、チルモクシン、チオプロニン、硫酸トブラマイシン、トカイニド、トラゾリン、テルフェナミン酸、トピラマート、トラマドール、トリムシノロンアセトニド、トリエンチン、トリロスタン、酒石酸トリメプラキシンw/プレドニゾロン、トリペレナミン、タイロシン、ウルドシオール、バルプロ酸、バナジウム、バンコマイシン、バソプレシン、ベクロニウム臭化物、べラパミル、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビタミンE/セレン、ワルファリンナトリウム、キシラジン、ヨヒンビン、ザフィルルカスト、ジドブジン(AZT)、酢酸亜鉛/硫酸亜鉛、ゾニサミドおよびそれらの混合物を含む。
【0078】
本発明の一実施形態において、追加のアリールピラゾール化合物、例えばフェニルピラゾールを本発明の局所組成物に含むことができる。アリールピラゾールは当該技術分野で公知であり、本発明のやわらかいチュアブル組成物においてイソオキサゾリン化合物との組み合わせに適している。このようなアリールピラゾール化合物の例は、限定するものではないが、米国特許第6,001,384号;第6,010,710号;第6,083,519号;第6,096,329号;第6,174,540号;第6,685,954号、第6,998,131号および第7,759,381号に記載されているものを含む(これらのすべては参照により本願に組み込まれる)。
【0079】
本発明の他の実施形態において、殺ダニ剤、駆虫薬および/または殺虫剤として作用する1以上の大環状ラクトンまたはラクタムを本発明の組成物に含むことができる。不明確を避けるために、用語”大環状ラクトン”は、本明細書において、天然に存在するおよび合成または半合成のアベルメクチンおよびミルベマイシン化合物のいずれをも含む。
【0080】
本発明の組成物に用いることができる大環状ラクトンは、限定するものではないが、天然に産生されるアベルメクチン(例えばA
1a、A
1b、A
2a、A
2b、B
1a、B
1b、B
2aおよびB
2bで表わされる成分を含む)およびミルベマイシン化合物、半合成アベルメクチンおよびミルベマイシン、アベルメクチン単糖化合物およびアベルメクチンアグリコン化合物を含む。本組成物に用いることができる大環状ラクトン化合物の例は、限定するものではないが、アバメクチン、ジマデクチン、ドラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、ラチデクチン、レピメクチン、セラメクチン、ML-1,694,554ならびに、限定するものではないが、ミルベメクチン、ミルベマイシンD、ミルベマイシンA
3、ミルベマイシンA
4、ミルベマイシンオキシム、モキシデクチンおよびネマデクチンを含むミルベマイシンを含む。前記アベルメクチンおよびミルベマイシンの5-オキソおよび5-オキシム誘導体もまた含まれる。
【0081】
大環状ラクトン化合物は当該技術分野で公知であり、商業的にも、当該技術分野で公知の合成技術によっても、容易に入手することができる。広く利用可能な技術的および商業的文献が参照される。アベルメクチン、イベルメクチンおよびアバメクチンに関しては、例えば、”Ivermectin and Abamectin”, 1989, by M.H. Fischer and H. Mrozik, William C. Campbell, published by Springer Verlag., またはAlbers-Schoenberg et al. (1981), ”Avermectins Structure Determination”, J. Am. Chem. Soc., 103, 4216-4221 の論文を参照することができる。ドラメクチンに関しては、”Veterinary Parasitology”, vol. 49, No. 1, July 1993, 5-15 を参照することができる。ミルベマイシンに関しては、特に、Davies H.G. et al., 1986, ”Avermectins and Milbemycins”, Nat. Prod. Rep., 3, 87-121, Mrozik H. et al., 1983, Synthesis of Milbemycins from Avermectins, Tetrahedron Lett., 24, 5333-5336, 米国特許第4,134,973号およびEP 0 677 054を参照することができる(いずれも参照により本願に組み込まれる)。
【0082】
アベルメクチンとミルベマイシンの構造は、例えば複雑な16員大環状ラクトン環を共有することによって密接に関連している。天然物であるアベルメクチンは米国特許第4,310,519号に開示されており、22,23-ジヒドロアベルメクチン化合物は米国特許第4,199,569号に開示されている。特に、米国特許第4,468,390号、第5,824,653号、EP 0 007 812 A1、英国特許明細書第1 390 336号、EP 0 002 916およびニュージーランド特許第237 086号もまた参照される。天然に存在するミルベマイシンは、米国特許第3,950,360号に記載されており、”The Merck Index” 12
th ed., S. Budavari, Ed., Merck & Co., Inc. Whitehouse Station, New Jersey (1996) に引用されている種々の文献にも記載されている。ラチデクチンは、”International Nonproprietary Names for Pharmaceutical Substances (INN)”, WHO Drug Information, vol. 17, no. 4, pp. 263- 286, (2003)に記載されている。これらのクラスの化合物の半合成誘導体は当該分野で公知であり、例えば、米国特許第5,077,308号、第4,859,657号、第4,963,582号、第4,855,317号、第4,871,719号、第4,874,749号、第4,427,663号、第4,310,519号、第4,199,569号、第5,055,596号、第4,973,711号、第4,978,677号、第4,920,148号およびEP 0 667 054に記載されている(いずれも参照により本願に組み込まれる)。
【0083】
一実施形態において、本発明の局所組成物は、アバメクチン、ジマデクチン、ドラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、ラチデクチン、レピメクチン、セラメクチン、ミルベメクチン、ミルベマイシンD、ミルベマイシンA
3、ミルベマイシンA
4、ミルベマイシンオキシム、モキシデクチンもしくはネマデクチンの少なくとも1つまたはそれらの組み合わせの有効量を含む。他の実施形態において、本発明の局所獣医用組成物は、アバメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、ドラメクチンもしくはセラメクチンの少なくとも1つまたはそれらの組み合わせの有効量を含むことができる。さらに他の実施形態において、本発明の局所組成物は、イベルメクチン、ミルベメクチン、ミルベマイシンオキシムもしくはモキシデクチンの少なくとも1つまたはそれらの組み合わせの有効量を含むことができる。
【0084】
本発明の他の実施形態において、フィプロニルおよびペルメトリンを含む局所組成物は、昆虫成長制御剤(IGR)として知られる活性薬のクラスを含むことができる。このグループに属する化合物は当業者に公知であり、広範囲の種々の化学薬品クラスである。これらの化合物は、すべて、害虫の発育または成長を阻害することによって作用する。昆虫成長制御剤は、例えば、米国特許第3,748,356号、第3,818,047号、第4,225,598号、第4,798,837号、第4,751,225号、EP 0 179 022または英国特許第2 140 010号ならびに米国特許第6,096,329号および第6,685,954号(いずれも参照により本願に組み込まれる)に記載されている。
【0085】
一実施形態において、本発明の組成物は、昆虫における幼若ホルモンを模倣するかまたは幼若ホルモンのレベルを調節するIGR化合物を含むことができる。幼若ホルモンミミックの例は、アザジラクチン、ジオフェノラン、フェノキシカルブ、ヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェン、テトラヒドロアザジラクチンおよび4-クロロ-2(2-クロロ-2-メチル-プロピル)-5-(6-ヨード-3-ピリジルメトキシ)ピリダジン-3(2H)-オンを含む。
【0086】
他の実施形態において、本発明の組成物は、キチン合成阻害薬であるIGR化合物を含む。キチン合成阻害薬は、クロロフルアズロン、シロマジン、ジフルベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、テブフェノジド、テフルベンズロン、トリフルモロン、1-(2,6-ジフルオロベンゾイル)-3-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル尿素、1-(2,6-ジフルオロ-ベンゾイル)-3-(2-フルオロ-4-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)-フェニル尿素および1-(2,6-ジフルオロベンゾイル)-3-(2-フルオロ-4-トリフルオロメチル)フェニル尿素を含む。
【0087】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、限定するものではないが、ベンゾイミダゾール、イミダゾチアゾール、テトラヒドロピリミジンおよび有機リン酸エステルクラスの化合物における活性薬を含む1以上の抗線虫薬を含むことができる。いくつかの実施形態において、限定するものではないが、チアベンダゾール、カンベンダゾール、パーベンダゾール、オキシベンダゾール、メベンダゾール、フルベンダゾール、フェンベンダゾール、オキシフェンダゾール、アルベンダゾール、シクロベンダゾール、フェバンテル、チオファネートおよびそのo,o-ジメチルアナログを含むベンゾイミダゾールを組成物中に含むことができる。
【0088】
他の実施形態において、本組成物は、限定するものではないが、テトラミソール、レバミゾールおよびブタミソールを含むイミダゾチアゾール化合物を含むことができる。
【0089】
さらに他の実施形態において、本発明の組成物は、限定するものではないが、ピランテル、オキサンテルおよびモランテルを含むテトラヒドロピリミジン活性薬を含むことができる。
【0090】
適切な有機リン酸エステル活性薬は、限定するものではないが、クマホス、トリクロルホン、ハロクソン、ナフタロホスおよびジクロルボス、ヘプテノホス、メビンホス、モノクロトホス、TEPPならびにテトラクロルビンホスを含む。
【0091】
他の実施形態において、本組成物は、抗線虫化合物である、フェノチアジン、中性化合物および種々の塩形でのピペラジン、ジエチルカルバマジン、フェノール、例えばジソフェノール、ヒ素剤、例えばアルセナマイド、エタノールアミン(例えばベフェニウム、クロシル酸テニウムおよびメチリジン)、シアニン色素(塩化ピルビニウム、パモ酸ピルビニウムおよびヨウ化ジチアザニンを含む)、ビトスカナートを含むイソチオシアネート、スラミンナトリウム、フタロフィンならびに限定するものではないが、ハイグロマイシンB、α-サントニンおよびカイニン酸を含む種々の天然物を含むことができる。
【0092】
他の実施形態において、本発明の組成物は、抗吸虫薬を含むことができる。適切な抗吸虫薬は、限定するものではないが、ミラシル(例えばミラシルDおよびミラサン)、プラジカンテル、クロナゼパムおよびその3-メチル誘導体、オルチプラズ、ルカントン、ヒカントン、オキサムニキン、アモスカナート、ニリダゾール、ニトロキシニル、当該技術分野で公知の種々のビスフェノール化合物(ヘキサクロロフェン、ビチオノール、ビチオノールスルホキシドおよびメニクロホランを含む)、種々のサリチルアニリド化合物(トリブロムサラン、オキシクロザニド、クリオキサニド、ラフォキサニド、ニトロキシニル、ブロチアニド、ブロモキサニドおよびクロサンテルを含む)、トリクラベンダゾール、ジアンフェネチド、クロルスロン、ヘトリンならびにエメチンを含む。
【0093】
好都合には、限定するものではないが、アレコリン(種々の塩形での)、ブナミジン、ニクロサミド、ニトロスカネート、パロモマイシン、パロモマイシンII、プラジカンテルおよびエプシプランテルを含む抗条虫化合物もまた、本発明の組成物中に用いることができる。
【0094】
さらに他の実施形態において、本発明の組成物は、節足動物寄生虫に対して有効である他の活性薬を含むことができる。適切な活性薬は、限定するものではないが、ブロモシクレン、クロルデン、DDT、エンドスルファン、リンデン、メトキシクロル、トキサフェン、ブロモホス、ブロモホス-エチル、カルボフェノチオン、クロルフェンビンホス、クロルピリホス、クロトキシホス、サイチオアート、ジアジノン、ジクロロレンチオン、ジメトエート(diemthoate)、ジオキサチオン、エチオン、ファムフール、フェニトロチオン、フェンチオン、ホスピレート、ヨードフェンホス、マラチオン、ナレド、ホサロン、ホスメット、ホキシム、プロペタンホス、ロンネル、スチロホス、アレスリン、シハロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、ペルメトリン、フェノトリン、ピレトリン、レスメトリン、安息香酸ベンジル、二硫化炭素、クロタミトン、ジフルベンズロン、ジフェニルアミン、ジスルフィラム、イソボルニルチオシアネートアセテート、メトプレン、モノスルフィラム、ピレノニルブトキシド、ロテノン、酢酸トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ、ディート、フタル酸ジメチルならびに化合物1,5a,6,9,9a,9b-ヘキサヒドロ-4a(4H)-ジベンゾフランカルボキシアルデヒド(MGK-11)、2-(2-エチルヘキシル)-3a,4,7,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-イソインドール-1,3(2H)ジオン(MGK-264)、ジプロピル-2,5-ピリジンジカルボキシレート(MGK-326)および2-(オクチルチオ)エタノール(MGK-874)を含む。
【0095】
他の実施形態において、局所獣医用組成物に含むことができる抗寄生虫薬は、限定するものではないが、セクレチン受容体ファミリーに属するシナプス前受容体を刺激することによって神経筋接合部に作用し、寄生虫の麻痺および死をもたらすデプシペプチドを含む生物活性ペプチドまたはタンパク質であることができる。デプシペプチドの一実施形態において、デプシペプチドはエモデプシドである(Wilson et al., Parasitology, Jan. 2003, 126(Pt 1):79-86 を参照のこと)。
【0096】
他の実施形態において、本発明の局所組成物は、殺寄生虫剤であるネオニコチノイド系からの活性薬を含むことができる。これらのネオニコチノイドは、昆虫特異的ニコチン性アセチルコリン受容体に結合しそれらを抑制する。一実施形態において、本発明の局所組成物に含むことができるネオニコチノイド殺虫剤はイミダクロプリドである。このクラスの薬剤は、例えば、米国特許第4,742,060号またはEP 0 892 060(共に参照により本願に組み込まれる)に記載されている。他の実施形態において、本発明の組成物は、ネオニコチノイド系農薬のもう一つの活性薬であるニテンピラムを含むことができる。ノミの制御のためのニテンピラムの使用は、米国特許第5,750,548号に記載されている(参照によりその全体が本願に組み込まれる)。
【0097】
本発明の他の特定の実施形態において、本発明の組成物と組み合わせることができる殺虫剤はセミカルバゾンであり、例えばメタフルミゾンである。
【0098】
他の実施形態において、本発明の組成物は、好都合には、当該技術分野で公知の1以上の他のイソオキサゾリン化合物を含むことができる。外部寄生虫に対して極めて有効であるこれらの活性薬は、US7,964,204およびWO 2007/079162;US2010/0254960 A1、US2011/0159107、US2012/0309620、US2012/0030841、US2010/0069247、WO 2007/125984、WO 2012/086462、US8,318,757、US2011/0144349、US8,053,452;US 2010/0137612、US 2010/0254959、US 2011/152081、WO 2012/089623、WO 2012/089622、US 8,119,671;US 7,947,715;WO 2102/120135、WO 2012/107533、WO 2011/157748、US 2011/0245274、US 2011/0245239、US 2012/0232026、US 2012/0077765、US 2012/0035122、US 2011/0251247、WO 2011/154433、WO 2011/154434、US 2012/0238517、US 2011/0166193、WO 2011/104088、WO 2011/104087、WO 2011/104089、US 2012/015946、US 2009/0143410、WO 2007/123855 A2、US 2011/0118212、US7951828およびUS7662972、US 2010/0137372 A1、US 2010/0179194 A2、US 2011/0086886 A2、US 2011/0059988 A1、US 2010/0179195 A1、US 7,897,630、U.S. 7,951,828;WO 2011/075591ならびにUS 2011/0152312およびUS 7,662,972に記載されている(これらはすべて、参照により本願に組み込まれる)。
【0099】
本発明の他の実施形態において、本発明の組成物にノズリスポル酸およびその誘導体を添加することができる。ヒトおよび動物の治療または予防にこれらの化合物が用いられ、これらの化合物は、例えば、米国特許第5,399,582号、第5,962,499号、第6,221,894号および第6,399,786号に記載されている(これらのすべては、その全体が参照により本願に組み込まれる)。本組成物は、例えば上記で引用した文献に記載されているものを含むすべての立体異性体を含む当該技術分野で公知のノズリスポル酸誘導体の1以上を含むことができる。
【0100】
他の実施形態において、駆虫薬化合物であるアミノアセトニトリルクラス(AAD)化合物、例えばモネパンテル(ZOLVIX)などを本発明の組成物に添加することができる。これらの化合物は、例えば、DucrayらへのUS 7,084,280(参照により本願に組み込まれる);Sager et al., Veterinary Parasitology, 2009, 159, 49-54; Kaminsky et al., Nature vol. 452, 13 March 2008, 176-181 に記載されている。
【0101】
本発明の組成物は、アリーロアゾール-2-イルシアノエチルアミノ化合物、例えば、Sollらへの米国特許第8,088,801号およびUS 2010/0125089に記載されているもの(これは参照により本願に組み込まれる)ならびにLe Hir de Falloisへの米国特許第7,964,621号に記載されているこれらの化合物のチオアミド誘導体(これもまた参照により本願に組み込まれる)もまた含むことができる。
【0102】
本発明の組成物は、デルカンテル(Ostlind et al., Research in Veterinary Science, 1990, 48, 260-61;およびOstlind et al., Medical and Veterinary Entomology, 1997, 11, 407-408 を参照のこと)を含むパラヘルクアミド化合物およびこれらの化合物の誘導体を含むこともできる。パラヘルクアミド化合物ファミリーは、スピロジオキセピノインドールコアを含み、特定の寄生虫に対する活性を有する既知の化合物クラスである(Tett. Lett. 1981, 22, 135; J. Antibiotics 1990, 43, 1380, and J. Antibiotics 1991, 44, 492 を参照のこと)。さらに、構造的に関連するマルクホルチン化合物ファミリー、例えばマルクホルチンA〜Cもまた既知であり、本発明の製剤と組み合わせることができる(J. Chem. Soc. - Chem. Comm. 1980, 601 and Tet. Lett. 1981, 22, 1977 を参照のこと)。パラヘルクアミド誘導体に対するさらなる参照は、例えば、WO 91/09961、WO 92/22555、WO 97/03988、WO 01/076370、WO 09/004432and US 2010/0197624、米国特許第5,703,078号および米国特許第5,750,695号において見出すことができる(それらのすべては、その全体が参照により本願に組み込まれる)。
【0103】
本発明の他の実施形態において、本組成物は、土壌放線菌サッカロポリスポラ・スピノサ(Saccharopolyspora spinosa)によって産生されるスピノシン活性薬(例えば、Salgado V.L. and Sparks T.C., ”The Spinosyns: Chemistry, Biochemistry, Mode of Action, and Resistance,” in Comprehensive Molecular Insect Science, vol. 6, pp. 137-173, 2005 を参照のこと)または半合成スピノソイド活性薬を含むことができる。スピノシンは、一般的には、A、B、C、D、E、F、G、H、J、K、L、M、N、0、P、Q、R、S、T、U、V、WもしくはY因子または成分と呼ばれ、これらの成分またはそれらの組み合わせのいずれも、本発明の組成物に用いることができる。スピノシン化合物は、12員大環状ラクトン、中性糖(ラムノース)およびアミノ糖(フォロサミン)に融合された5,6,5-三環系であることができる。これらおよび他の天然スピノシン化合物は、サッカロポリスポラ・パゴナ(Saccharopolyspora pagona)によって産生される21-ブテニルスピノシン(これは本発明の組成物に用いることができる)は、当該技術分野で公知の慣用法による発酵によって産生することができる。本発明の組成物に用いることができる他のスピノシン化合物は、米国特許第5,496,931号;第5,670,364号;第5,591,606号;第5,571,901号;第5,202,242号;第5,767,253号;第5,840,861号;第5,670,486号;第5,631,155号および第6,001,981号に開示されている(すべて、参照により本願に組み込まれる)。スピノシン化合物は、限定するものではないが、スピノシンA、スピノシンD、スピノサド、スピネトラム、またはそれらの組み合わせを含むことができる。スピノサドはスピノシンAおよびスピノシンDの組み合わせであり、スピネトラムは3’-エトキシ-5,6-ジヒドロスピノシンJおよび3’-エトキシスピノシンLの組み合わせである。
【0104】
一般に、追加の活性薬は、約0.1μg〜約1000mgの量で本発明の投与単位に含まれる。一般的には、活性薬は、約10μg〜約500mg、約10μg〜約400mg、約1mg〜約300mg、約10mg〜約200mgまたは約10mg〜約100mgの量で含まれることができる。より一般的には、活性薬は、本発明の組成物に約5mg〜約50mgの量で存在する。
【0105】
本発明の局所組成物における追加の活性薬(単数または複数)の濃度は、活性薬の効力に応じて通常約0.01%〜約30%(w/w)である。限定するものではないが、大環状ラクトン活性薬を含む大変強力な活性薬のための特定の実施形態において、活性薬の濃度は、通常約0.01%〜約10%(w/w)、約0.01〜約1%(w/w)、約0.01%〜約0.5%(w/w)、約0.1%〜約0.5%(w/w)または約0.01%〜約0.1%(w/w)である。他の実施形態において、活性薬の濃度は、通常、約0.1%〜約2%(w/w)または約0.1%〜約1%(w/w)である。
【0106】
他の実施形態において、追加の活性薬(単数または複数)は、通常、所望の有効性を達成するために、より高い濃度で存在する。いくつかの実施形態において、活性薬は、約1%〜約30%(w/w)、約1%〜約20%(w/w)または約1%〜約15%(w/w)の濃度で存在する。さらに他の実施形態において、活性薬は、組成物中に約5%〜約20%(w/w)または約5%〜約15%(w/w)の濃度で存在する。
【0107】
本発明の種々の実施形態において、追加の活性薬は、動物の体重に対して約0.001mg/kg〜約50mg/kgまたは約0.5mg/kg〜約50mg/kgの用量で送達するように組成物中に含まれることができる。他の実施形態において、活性薬は、通常、約0.05mg/kg〜約30mg/kg、約0.1mg/kg〜約20mg/kgの用量を送達するのに十分な量で存在する。他の実施形態において、活性薬は、動物の体重に対して約0.1mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約1mg/kgまたは約0.5mg/kg〜約50mg/kgの用量を送達するのに十分な量で存在する。
【0108】
本発明の特定の実施形態において、追加の活性薬が大変強力な化合物、例えば大環状ラクトンであるか、または他の強力な化合物である場合、活性薬は、約0.001mg/kg〜約5mg/kg、約0.001mg/kg〜約0.1mg/kgまたは約0.001mg/kg〜約0.01mg/kgの用量を提供する濃度で存在する。さらに他の実施形態において、活性薬は、動物の体重に対して約0.01mg/kg〜約2mg/kgまたは約0.1mg/kg〜約1mg/kgの用量を送達するのに十分な量で存在する。さらに他の実施形態において、追加の活性薬は、動物の体重に対して、約1μg/kg〜約200μg/kgまたは約0.1mg/kg〜約1mg/kgの用量を送達する量で存在することができる。
【0109】
方法および使用
一実施形態において、本主題事項は、動物における寄生虫侵入を治療および/または制御するための方法に関する。本方法は、本明細書に記載の製剤の有効量を動物に投与することを含む。驚くべきことに、フィプロニルおよびペルメトリンは、特定の濃度で、サシバエに対して驚くべき増強された忌避活性を有することが見いだされ、本明細書に開示された。一実施形態において、フィプロニルおよびペルメトリンの組み合わせを有する本発明の製剤は、意外にも、同じ用量を送達するために投与された、同じ濃度でペルメトリン単独を含む製剤と比較して、サシバエに対して有意に高い忌避効果を有することが見出された。フィプロニルは大変強力な殺虫剤であるが、外部寄生虫に対して忌避効果を有することは知られていないため、この観察された増強された忌避効果は驚くべきことである。従って、本発明の一方法は、ハエ種の中でとりわけ、サシバエ(ストモキス・カルシトランス)およびノサシバエ(ヘマトビア・イリタンス)を含む寄生バエの害虫の侵入を阻止することに関する。
【0110】
他の実施形態において、本発明の使用および方法は、アノプルラ目(Anoplura)、例えば、ヘマトピヌス(Haematopinus)種、リノグラツス(Linognathus)種、ソレノポテス(Solenopotes)種、ペディクルス(Pediculus)種、プチルス(Pthirus)種;マロファガ目(Mallophaga)、例えば、トリメノポン(Trimenopon)種、メノポン(Menopon)種、エオメナカンツス(Eomenacanthus)種、メナカンツス(Menacanthus)種、トリコデクテス種、フェリコラ(Felicola)種、ダマリネア(Damalinea)種、ボヴィコラ(Bovicola)種;双翅目(Diptera)ハエ亜目(Brachycera)、例えば、クリソプス(Chrysops)種、タバヌス(Tabanus)種、ムスカ種、ヒドロタエア(Hydrotaea)種、ムッシナ(Muscina)種、ヘマトボスカ(Haematobosca)種、ヘマトビア(Haematobia)種、ストモキス種、ファンニア(Fannia)種、グロッシナ(Glossina)種、ルシリア(Lucilia)種、カリフォラ(Calliphora)種、アウクメロミイア(Auchmeromyia)種、コルジロビア(Cordylobia)種、コクリオミイア種、クリソミイア(Chrysomyia)種、サルコファガ(Sarcophaga)種、ウォールファルチア(Wohlfahrtia)種、ガステロフィルス(Gasterophilus)種、エデマゲナ(Oedemagena)種、ヒポデルマ(Hypoderma)種、エストルス(Oestrus)種、リノエストルス(Rhinoestrus)種、メロファグス(Melophagus)種、ヒポボスカ(Hippobosca)種;双翅目カ亜目(Nematocera)、クレクス種、エデス種、アノフェレス種、クリコイデス(Culicoides)種、フレボトムス(Phlebotomus)種、シムリウム(Simulium)種;シホナプテラ目(Siphonaptera)、例えば、クテノケファリデス種、エチドノファガ(Echidnophaga)種、セラトフィルス(Ceratophyllus)種、プレクス(Pulex)種;メタスチグマタ目(Metastigmata)、例えば、ヒアロムマ種、リピケファルス種、ボーフィルス(Boophilus)種、アンブリオマ(Amblyomma)種、ヘマフィサリス(Haemaphysalis)種、デルマセンター種、イクソデス種、アルガス(Argas)種、オトビウス(Otobius)種;メソスチグマタ目(Mesostigmata)、例えば、デルマニスス(Dermanyssus)種、オルニトニスス(Ornithonyssus)種、ニューモニスス(Pneumonyssus)種;プロスチグマタ目(Prostigmata)、例えば、ケイレティエラ種、プソレルガテス(Psorergates)種、Myobia種、デモデクス種、ネオトロンビクラ(Neotrombicula)種;アスチグマタ目(Astigmata)、例えば、アカルス(Acarus)種、ミオコプテス(Myocoptes)種、プソロプテス(Psoroptes)種、コリオプテス(Chorioptes)種、オトデクテス種、ザルコプテス種、ノトエドレス(Notoedres)種、クネミドコプテス(Knemidocoptes)種、ネオクネミドコプテス(Neoknemidocoptes)種、シトヂテス(Cytodites)種、ラミノシオプテス(Laminosioptes)種;ならびにノミ(ノミ目、例えば、クテノケファリデス種、エチドノファガ種、セラトフィルス種、プレクス種)、マダニ(ヒアロムマ種、リピケファルス種、ボーフィルス種、アンブリオマ種、ヘマフィサリス種、デルマセンター種、イクソデス種、アルガス種、オルニトドルス(Ornithodorus)種、オトビウス種)および特に上で述べた双翅目(クリソプス種、タバヌス種、ムスカ種、ヒドロタエア種、ムッシナ種、ヘマトボスカ種、ヘマトビア種、ストモキス種、ファンニア種、グロッシナ種、ルシリア種、カリフォラ種、アウクメロミイア種、コルディロビア(Cordylobia)種、コクリオミイア種、クリソミイア種、サルコファガ種、ガステロフィルス種、エデマゲナ種、ヒポデルマ種、エストルス種、リノエストルス種、メロファグス種、ヒポボスカ種)からの寄生虫を含む害虫による寄生虫の侵入および/または感染を治療および/または予防するためのものである。
【0111】
他の実施形態において、本明細書に開示された主題事項は、存在する寄生虫およびそれらのくずおよび排泄物を除去し、本明細書に記載の製剤を動物に投与することによる、動物の外被および皮膚を清潔にする方法に関する。このようにして治療された動物は、より目を楽しませ、手触りがより心地よい外被を示す。
【0112】
本明細書において、用語”動物”は、すべての哺乳動物または鳥をさす。特に、ウシ、ヒツジ、ウマ、ブタ、ニワトリおよびイヌは、本組成物によって効果的に制御される寄生虫によって寄生される場合があるため、本明細書に開示された組成物の投与によって利益を得るであろう。有用動物および育種動物は、哺乳動物、例えば、ウシ、ウマ、シマウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラクダヤク、スイギュウ、ロバ、ダマジカ、トナカイ、げっ歯動物、毛皮動物、例えば、ミンク、チンチラ、アライグマ、鳥、例えば、鶏、ニワトリ、ガチョウ、七面鳥、ウズラおよびカモを含む。家畜はイヌを含み、特にイヌの治療が強調される。
【0113】
殺寄生虫製剤を製剤化する種々の方法が当該技術分野で公知である。これらには、経口製剤、ダイエタリー・サプリメント、粉末、皮膚用溶液(ポアオンまたはスポットオン)、スプレー、水薬、入浴、シャワー、ジェット、粉末、グリース、シャンプーおよびクリームが含まれる。
【0114】
特に興味が持たれる製剤は、当該技術分野でスポットオン製剤またはポアオン製剤として公知の、殺寄生虫活性薬の限局性局所投与のための製剤である。製剤の各タイプは異なる特性を有する。例えば、フィプロニルなどの1-N-フェニルピラゾール誘導体を含むポアオン溶液が当該技術分野で公知であり、例えば、米国特許第6,010,710号、米国特許第6,413,542号、米国特許第6,001,384号および米国特許第6,413,542号に記載されている。スポットオン製剤は、宿主の局所部位に所望の物理化学的特性を有する特定の抗寄生虫薬を局所送達するための公知の技術である。例えば、米国特許第5,045,536号は、外部寄生虫のためのこのような製剤を記載している。他のスポットオン製剤は、米国特許第6,426,333号および米国特許第6,482,425号を含む。これらの参照のすべては、これによってその全体が本願に組み込まれる。
【0115】
一実施形態において、本組成物は、フィプロニル約2%(w/w)〜約10%(w/w);ペルメトリン約30%(w/w)〜約55%(w/w);ならびにグリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびN-メチルピロリドンを含むスポットオン製剤であって、前記グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびN-メチルピロリドンが、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油対NMPで、約1:1.8〜約1:2.8または約1:2.0〜約1:3.5の比率で存在し、前記組成物が約0.5mL〜約10mLの容量を有する液体であるスポットオン製剤である。他の実施形態において、スポットオン組成物の容量は約1mL〜約6mLである。
【0116】
他の実施形態において、本組成物は、少なくともフィプロニル約5%(w/w);ペルメトリン少なくとも約40%(w/w);ならびにグリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびN-メチルピロリドンを含むスポットオン製剤であって、前記グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびN-メチルピロリドンが、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油対NMPで、1:1.8〜約1:2.8または約1:2.0〜約1:3.5の重量対重量比で存在し、前記組成物が0.5mL〜約10mLの容量を有する液体であるスポットオン製剤である。他の実施形態において、スポットオン組成物の容量は約1mL〜約6mLである。
【0117】
一実施形態において、本組成物は、フィプロニル少なくとも約5%(w/w);ペルメトリン少なくとも約40%(w/w);ならびにグリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびN-メチルピロリドンを含むスポットオン製剤であって、前記グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびN-メチルピロリドンが、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油対NMPで、約1:2.5〜約1:3.5または約1:25〜約1:3.0の重量対重量比で存在し、前記組成物が約0.5mL〜約10mLの容量を有する液体であるスポットオン製剤である。他の実施形態において、スポットオン組成物は約1mL〜約6mLである。
【0118】
さらに他の実施形態において、本組成物は、フィプロニル約5%(w/w)〜約15%(w/w);ペルメトリン約40%(w/w)〜約55%(w/w);ならびにグリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびN-メチルピロリドンを含むスポットオン製剤であって、前記グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびN-メチルピロリドンが、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油対NMPで、約1:1.8〜約1:2.8または約1:2.0〜約1:3.5の重量対重量比で存在し、前記組成物が約0.5mL〜約10mLの容量を有する液体であるスポットオン製剤である。他の実施形態において、スポットオン組成物の容量は約1mL〜約6mLである。
【0119】
さらに他の実施形態において、本組成物は、フィプロニル約5%(w/w)〜約15%(w/w);ペルメトリン約40%(w/w)〜約55%(w/w);ならびにグリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびN-メチルピロリドンを含むスポットオン製剤であって、前記グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびN-メチルピロリドンが、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油対NMPで、約1:2.5〜約1:3.0または約1:2.5〜約1:3.5の重量対重量比で存在し、前記組成物が約0.5mL〜約10mLの容量を有する液体であるスポットオン製剤である。他の実施形態において、スポットオン組成物の容量は約1mL〜約6mLである。
【0120】
他の実施形態において、本組成物は、フィプロニル約5%(w/w)〜約10%(w/w);ペルメトリン約40%(w/w)〜約50%(w/w);ならびにグリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびN-メチルピロリドンを含むスポットオン製剤であって、前記グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびN-メチルピロリドンが、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油対NMPで、約1:1.8〜約1:2.8または約1:2.0〜約1:3.5の重量対重量比で存在し、前記組成物が約0.5mL〜約10mLの容量を有する液体であるスポットオン製剤である。他の実施形態において、スポットオン組成物の容量は約1mL〜約6mLである。
【0121】
他の実施形態において、本組成物は、フィプロニル約5%(w/w)〜約10%(w/w);ペルメトリン約40%(w/w)〜約50%(w/w);ならびにグリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびN-メチルピロリドンを含むスポットオン製剤であって、前記グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびN-メチルピロリドンが、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油対NMPで、約1:2.5〜約1:3.5または約1:2.5〜約1:3.0の重量対重量比で存在し、前記組成物が約0.5mL〜約10mLの容量を有する液体であるスポットオン製剤である。他の実施形態において、スポットオン組成物の容量は約1mL〜約6mLである。
【0122】
本発明の局所組成物は、いくつかの方法で投与することができる。投与は、前記動物の外被および/または皮膚と前記組成物とを接触させることを含む。一実施形態において、本製剤はスポットオン製剤またはポアオン製剤である。これらの製剤は、ポアオン製剤に関しては、背中の線に沿って、その動物の背中に使用されるか、あるいはスポットオン製品に関しては、背中の1つまたは2つのスポットに使用される。一実施形態において、本製剤は、動物の極めて限局された部位、好ましくは肩甲骨間上で動物に投与される。他の実施形態において、この限局性部位は、面積10cm
2未満、特に5〜10cm
2の表面積を有する。このような接触または使用は、予防上行うこともできるし、治療上行うこともできる。
【0123】
本製剤の投与は、間欠的に投与することができ、毎日、毎週、隔週、毎月、隔月、年4回またはさらに長期間毎に投与することができる。治療の間の期間は、いくつかの因子、例えば標的寄生虫、侵入頻度、治療される哺乳動物または鳥のタイプおよびそれらが住む環境によって左右される。特定の状態のために特定の投与期間を決定することは、当業者の能力水準の範囲内である。本明細書による方法は、動物が寄生虫の強い圧力にさらされており、投与が、連日投与よりははるかに低い頻度で行われる場合において、環境中の寄生虫と永続的に戦うことに関する。例えば、一実施形態において、本発明に記載の治療は、哺乳動物、例えばイヌに毎月行われる。
【0124】
特定の実施形態において、本発明の液剤はスプレー使用に適している。スプレー使用は、例えば、ポンプスプレーまたはエアゾールスプレー(加圧スプレー)を用いて行うことができる。特定の適用のために、浸液として、水での希釈後に本製剤を用いることもできる。この場合は、本製剤は乳化剤を含まなければならない。一実施形態において、本組成物はポアオン製剤およびスポットオン製剤として使用される。スポットオン使用が特に好ましい。本発明の製剤は、通例の”単回投与”プラスチックピペットとのそれらの優れた適合性および種々の気候帯におけるそれらの貯蔵安定性によって際立って優れている。本発明の製剤は低い粘度を有し、容易に使用することができる。
【0125】
本発明の液剤は、例えば通常の撹拌槽または他の適切な器械を用い、各成分の適切な量を互いに混合することによって製造することができる。各成分の必要に応じて、保護雰囲気下または酸素を排除する他の方法で操作することも可能である。スポットオン製剤は、薬学的または獣医学的に許容されるビヒクルに活性成分を溶解することによって製造することができる。あるいはまた、スポットオン製剤は、動物の表面に治療剤の残留物を残すために、活性成分をカプセル化することによって製造することができる。これらの製剤は、治療される宿主動物の種、感染の重症度およびタイプならびに宿主の体重に応じて、組み合わせ中の治療剤の重量が変えられる。
【0126】
特定の実施形態において、本明細書に記載の組成物は、肉眼で見える固形物を含まず、記載されたフィプロニルおよびペルメトリンの相乗作用的な量を完全に可溶化してその中に有する、澄んでいるが必ずしも無色透明ではない溶液である。この2成分溶媒系は、組成物中の高濃度の活性物質にもかかわらず、固着または粘着性状の外観の傾向を有さず、外被上の結晶化の非存在および毛皮の審美的外観維持という目的を確実にする。
【0127】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示された製剤は、相乗剤を含むこともできる。本願における相乗剤は、それ自体は所望の活性を有さないが、混合パートナーとして、活性化合物の活性を増加させる化合物を意味するとして理解されるべきである。例示的な意味で、本明細書において、ピペロニルブトキシド、MGK264、ベルブチン、S,S,S-トリブチルホスホロトリチオエートを挙げることができる。
【0128】
必須ではないが、本組成物は、さらに安定性増進剤を含むことができる。”安定性増進剤”は、安定性増進剤の非存在下での活性薬の安定性と比較して活性薬の安定性を増進する化合物である。安定性増進剤の例は、グリセロールホルマールおよびポリエチレングリコール(例えばPEG200)を含む。他の安定性増進剤は、当該分野において公知である。特定の実施形態において、少量、例えば5%以下のグリセロールホルマールを添加することができる。いくつかの実施形態において、グリセロールホルマールの安定性改善および溶解性機能を維持するために、本発明の製剤にPEG200を添加することが望ましい場合がある。
【0129】
本発明は、さらに、本発明の製剤に添加される安定性増進剤の量の滴定を提供する。例えば、安定性増進剤がグリセロールホルマールである実施形態において、フィプロニルおよびペルメトリン組成物の最適の安定性が本製剤中で達成されるようにグリセロールホルマールの量を滴定することができる。本発明の製剤に存在する安定性増進剤の量は低い量であることができ、例えば約5%w/v以下(例えば1.5%w/v)であることができる。他の実施形態において、安定性増進剤は、約5〜25%w/vの量、例えば15%w/vの量で存在する。
【0130】
いくつかの実施形態において、油状である本発明の溶液は、グリコールエーテルに加えて、希釈剤またはビヒクルを含むことができ、活性薬のための溶媒(有機溶媒)もまた含むことができる。しかしながら、ペルメトリンおよびフィプロニルの両方を溶解する本明細書に記載の2成分溶媒系の能力のために、追加の溶解補助剤の使用は、適切には最小限であろう。
【0131】
さらにまた、必須ではないが、必要に応じて、組成物中に結晶化阻害薬を用いることができる。これらには、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとビニルピロリドンとの共重合体、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、マンニトール、グリセロール、ソルビトールまたはソルビタンのポリオキシエチレン化エステル;レシチンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウム;またはアクリル誘導体、例えばメタクリレートなど、陰イオン界面活性剤、例えばステアリン酸アルカリ金属塩、特にステアリン酸ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム;ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸トリエタノールアミン;アビエチン酸ナトリウム;アルキル硫酸、特にラウリル硫酸ナトリウムおよびセチル硫酸ナトリウム;ドデシルベンゼンスルホン酸またはジオクチルスルホコハク酸ナトリウム;または脂肪酸、特にココナッツ油由来の脂肪酸、陽イオン界面活性剤、例えば式N
+R'R''R'''R''''Y
-の水溶性第四級アンモニウム塩(式中、R'、R''、R'''およびR''''ラジカルは、場合により水酸化された同一または異なる炭化水素ラジカルであり、Y
-は強酸のアニオン、例えばハロゲン化物、硫酸およびスルホン酸アニオンである);臭化セチルトリメチルアンモニウムは使用することができる陽イオン界面活性剤の1つである。式N
+HR'R''R'''Y
-(式中、R'、R''およびR'''ラジカルは場合により水酸化された同一または異なる炭化水素ラジカルであり、Y
-は上記で定義された通りである)のアミン塩;オクタデシルアミン塩酸塩は、使用することができる陽イオン界面活性剤の1つである。非イオン性界面活性剤、例えば場合により、ソルビタンのポリオキシエチレン化エステル、特にポリソルベート80またはポリオキシエチレン化アルキルエーテル;ステアリン酸ポリエチレングリコール、ひまし油のポリオキシエチレン化誘導体、ポリグリセロールエステル、ポリオキシエチレン化脂肪アルコール、ポリオキシエチレン化脂肪酸またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体;両性界面活性剤、例えばベタインの置換ラウリル化合物、または上記の化合物の少なくとも2つの混合物を含む。
【0132】
結晶化阻害薬1組を用いることができる。このような組は、例えば、ポリマータイプの皮膜形成剤および界面活性剤の組み合わせを含む。これらの薬剤は、特に、上記で結晶化阻害薬として述べた化合物から選択される。本発明の特定の実施形態において、ポリマータイプの皮膜形成剤は、種々のグレードのポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールおよび酢酸ビニルとビニルピロリドンの共重合体を含む。一実施形態において、表面活性剤は、ソルビタンのポリオキシエチレン化エステルおよびひまし油のポリオキシエチレン化誘導体、特に種々のグレードのポリソルベート、例えばポリソルベート80を含む非イオン性界面活性剤からなる表面活性剤を含む。
【0133】
皮膜形成剤および界面活性剤は、特に、他で述べた結晶化阻害薬の総量の限度内で同様な量または同一の量で組み込まれることができる。
【0134】
本発明に用いることができる、代わりのあるいは追加の有機溶媒は、クエン酸アセチルトリブチル、脂肪酸エステル、例えばジメチルエステル、アジピン酸ジイソブチル、アセトン、アセトニトリル、ベンジルアルコール、ブチルジグリコール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、セバシン酸ジエチル、ジメチルイソソルビド、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、エタノール、イソプロパノール、メタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、モノメチルアセトアミド、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリオキシエチレングリコール、プロピレングリコール、2-ピロリドン、エチレングリコール;グリコールエステル(エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどを含む);およびフタル酸ジエチルまたはこれらの溶媒の少なくとも2つの混合物を含む。
【0135】
さらに、特に、他の可能な成分、例えば植物油:大豆油、ラッカセイ油、ひまし油、コーンオイル、コットンオイル、オリーブ油、グレープシードオイル、ヒマワリ油など;鉱油、例えばペトロラタム、パラフィン、シリコーンなど;脂肪族もしくは環式炭化水素、あるいはまた、例えば、中鎖(特にC8〜C12)トリグリセリドを挙げることができる。
【0136】
皮膚軟化薬および/または拡展剤および/または皮膜形成剤をさらに添加することができる。この薬剤は、特に、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとビニルピロリドンの共重合体、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、マンニトール、グリセロール、ソルビトール、ポリオキシエチレン化ソルビタンエステル;レシチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、シリコーンオイル、ポリジ有機シロキサンオイル、特にポリジメチルシロキサン(PDMS)オイル、例えばシラノール官能基を含むものまたは45V2オイル、陰イオン界面活性剤、例えばステアリン酸アルカリ金属塩、特にステアリン酸ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸トリエタノールアミン;アビエチン酸ナトリウム;アルキル硫酸、特にラウリル硫酸ナトリウムおよびセチル硫酸ナトリウム;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム;脂肪酸、特にココナッツ油由来の脂肪酸、陽イオン界面活性剤、例えば式N
+R'R''R'''R''''Y
-の水溶性第四級アンモニウム塩(式中、ラジカルR'、R''、R'''およびR''''は、場合により水酸化された同一または異なる炭化水素ラジカルであり、Y
-は強酸のアニオン、例えばハロゲン化物、硫酸およびスルホン酸アニオンである);臭化セチルトリメチルアンモニウムは使用することができる陽イオン界面活性剤の1つである。式N
+HR''R'''R'''',Y
-(式中、ラジカルR''、R'''およびR''''は場合により水酸化された同一または異なる炭化水素ラジカルであり、Y
-は上記で定義された通りである)のアミン塩;オクタデシルアミン塩酸塩は、使用することができる陽イオン界面活性剤の1つである。非イオン性界面活性剤、例えば場合により、ポリオキシエチレン化されたソルビタンエステル、特にポリソルベート80、ポリオキシエチレン化アルキルエーテル;ポリオキシエチレン化脂肪アルコール、例えばポリオキシプロピレンスチロールエーテル;ステアリン酸ポリエチレングリコール、ひまし油のポリオキシエチレン化誘導体、ポリグリセロールエステル、ポリオキシエチレン化脂肪アルコール、ポリオキシエチレン化脂肪酸、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、両性界面活性剤、例えばベタインの置換ラウリル化合物;またはこれらの薬剤の少なくとも2つの混合物から選択される。皮膚軟化薬は、容量比で0.1〜10%、特に0.25〜5%の比率で用いることができる。
【0137】
いくつかの実施形態において、液体担体は、有機溶媒および場合により有機補助溶剤を含む。一実施形態において、液体担体ビヒクルのための有機溶媒は、約10〜約35の誘電率を有する。他の実施形態において、有機溶媒は約20〜約30の誘電率を有し、全組成物中のこの溶媒の含有量は組成物100%に対する残りを示す。これらのパラメータに基づいて適切な溶媒を選択することは、当業者の能力水準の範囲内である。
【0138】
いくつかの実施形態において、液体担体ビヒクルのための有機補助溶剤は約100℃未満の沸点を有する。他の実施形態において、有機補助溶剤は約80℃未満の沸点を有し、約10〜約40の誘電率を有する。さらに他の実施形態において、有機補助溶剤は約20〜約30の誘電率を有する。この補助溶剤は、好都合には、溶媒に対する重量比(w/w)約1/15〜約1/2で、組成物中に存在することができる。一実施形態において、補助溶剤は、特に乾燥促進剤として機能を果たすために揮発性であり、水および/または溶媒に混和性である。同様に、これらのパラメータに基づいて適切な溶媒を選択することは当業者の能力水準の範囲内である。
【0139】
液体担体のための有機溶媒は、製剤業界で公知の一般に許容される有機溶媒を含む。これらの溶媒は、例えば、Remington Pharmaceutical Science, 16th Edition (1986) において見出すことができる。これらの溶媒は、例えば、アセトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミドまたはジクロロメタンを含む。局所投与に適した溶媒が好ましい。
【0140】
他の実施形態において、本明細書に開示された主題事項は、A)NMPおよびB)グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油を含む溶媒系であって、N-メチルピロリドンおよびグリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油が、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油対NMPで、約1:1.8〜約1:2.8の重量対重量比で存在する溶媒系において、溶媒系に溶解されているものが、N-アリールピラゾール1つおよびピレスロイド1つから選択される2つの活性薬である溶媒系に関する。このような一実施形態において、本主題事項は、約30%w/w〜約55%w/wの濃度のピレスロイド1つ;約2%w/w〜約10%w/wの濃度のN-アリールピラゾール1つ;ならびにA)グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびB)NMPを含む製剤であって、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびNMPが、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油対NMPで、約1:1.8〜約1:2.8の重量対重量比で存在する製剤に関する。
【0141】
他の実施形態において、本製剤は、少なくとも約40%w/wの濃度のピレスロイド1つ;少なくとも約5%w/wの濃度のN-アリールピラゾール1つならびにA)グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびB)NMPを含み、ここで、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびNMPは、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油対NMPで、約1:1.8〜約1:2.8または約1:2.0〜約1:3.5の重量対重量比で存在する。
【0142】
他の実施形態において、本製剤は、少なくとも約40%w/wの濃度のピレスロイド1つ;少なくとも約5%w/wの濃度のN-アリールピラゾール1つ;ならびにA)グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびB)NMPを含み、ここで、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびNMPは、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油対NMPで、約1:2.0〜約1:3.0重量対重量比で存在する。
【0143】
他の実施形態において、本製剤は、少なくとも約40%w/wの濃度のピレスロイド1つ;少なくとも約5%w/wの濃度のN-アリールピラゾール1つ;ならびにA)グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびB)NMPを含み、ここで、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびNMPは、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油対NMPで、約1:2.5〜約1:3.5の重量対重量比で存在する。
【0144】
他の実施形態において、本製剤は、少なくとも約40%w/wの濃度のピレスロイド1つ;少なくとも約5%w/wの濃度のN-アリールピラゾール1つ;ならびにA)グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびB)NMPを含み、ここで、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびNMPは、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油対NMPで、約1:2.5〜約1:3.0の比率で存在する。
【0145】
この実施形態の特定の側面において、本主題事項は、N-アリールピラゾール約2%(w/w)〜約15%(w/w);ピレスロイド約30%(w/w)〜約55%(w/w);A)グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびB)NMPならびに場合により抗酸化剤を含む農薬組成物であって、前記グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油およびNMPが、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、脂肪酸エステルまたは中性油対NMPで、約1:1.8〜約1:2.8または約1:2.0〜約1:3.5、約1:2.0〜約1:3.0、約1:2.5〜約1:3.5もしくは約1:2.5〜約1:3.0の重量対重量比で存在する農薬組成物に関する。
【0146】
本組成物におけるN-アリールピラゾールの有用な濃度は約2%(w/w)〜約15%(w/w)である。他の実施形態において、N-アリールピラゾールの濃度は約3%(w/w)〜約10%(w/w)または約4%(w/w)〜約8%(w/w)である。さらに他の実施形態において、N-アリールピラゾールの濃度は約6%(w/w)である。
【0147】
本発明の組成物におけるピレスロイドの有用な濃度は約35%(w/w)〜約50%(w/w)である。他の実施形態において、ピレスロイドは約40%(w/w)〜約48%(w/w)の濃度で存在する。さらに他の実施形態において、ピレスロイドの濃度は約42%(w/w)〜約47%(w/w)である。他の実施形態において、本組成物におけるピレスロイドの濃度は約45%(w/w)である。
【0148】
N-アリールピラゾールおよびそれらの殺寄生虫活性および殺ダニ活性については、US 20060014802 A1、W02005090313 A1、FR2834288 A1、W09828277、US6069157、WO0031043、DE19824487、WO9804530、WO9962903、EP0933363、EP0911329、WO9856767、US5814652、WO9845274、WO9840359、WO9828279、WO9828278、DE19650197、WO9824767、EP0846686、EP0839809、WO9728126、EP0780378、GB2308365、US5629335、WO9639389、US5556873、EP0659745、US5321040、EP0511845およびEP0234119、EP0295117ならびにWO98/24769によって知られる。これらの文献は、参照によって、その全体が本願に組み込まれる。
【0149】
同様に、ピレスロイドは比較的広域の殺寄生虫作用を有し、代表的なもののいくつかは、優れた殺ダニ作用を示すこともできる。上記のように、用いられる材料の物理化学的特性が異なるため、特別な製剤が必要とされる。しかしながら、本明細書に記載の溶媒系は、フィプロニルと組み合わせた高濃度のペルメトリンを溶解することが示されている。
【0150】
いくつかの実施形態において、N-アリールピラゾールおよびピレスロイドの組み合わせを含む組成物は、シアノピレスロイド(例えばフルメトリン)、I型ピレスロイド(例えばペルメトリン)または非エステルピレスロイド(エトフェンプロックス)タイプの1以上を含むことができる。他の実施形態において、本組成物は、ピレスロイドであるα-シアノピレスロイド(例えばα-シペルメトリン、シフルトリン、β-シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、τ-フルバリネート);I型ピレスロイド(例えばアレスリン、ビオアレスリン、ペルメトリン、フェノトリン、レスメトリン、テトラメトリン、トランスフルトリン);および非エステルピレスロイド(例えばエトフェンプロックス、ハルフェンプロックス、シラフルオフェン)の1以上を含むことができる。
【0151】
さらに、活性化合物をそれらの溶媒和物、特に水和物の形態で使用することも可能である。溶媒和物は、活性化合物それ自体の溶媒和物(特に水和物)および活性化合物の塩の溶媒和物(特に水和物)の両方を意味するものとして理解されなければならない。
【0152】
適切な場合には、本明細書に記載の活性化合物の薬学的または獣医学的に許容される酸塩または塩基塩もまた考えられる。用語”酸”は、すべての薬学的または獣医学的に許容される無機酸または有機酸を考える。無機酸は、鉱酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば臭化水素酸および塩酸、硫酸、リン酸ならびに硝酸を含む。有機酸は、すべての薬学的または獣医学的に許容される脂肪族、脂環式および芳香族のカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸および脂肪酸を含む。好ましい酸は、ハロゲンまたはヒドロキシル基によって置換されていてもよい直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和のC1〜C20脂肪族カルボン酸であるか、あるいはC6〜C12芳香族カルボン酸である。このような酸の例は、酢酸、炭酸、ギ酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、イソプロピオン酸、吉草酸、α-ヒドロキシ酸、例えばグリコール酸および乳酸、クロロ酢酸、安息香酸、メタンスルホン酸ならびにサリチル酸である。ジカルボン酸の例は、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸およびマレイン酸を含む。トリカルボン酸の例はクエン酸である。脂肪酸は、4〜24炭素原子を有する、すべての薬学的または獣医学的に許容される飽和または不飽和の脂肪族または芳香族カルボン酸を含む。例は、酪酸、イソ酪酸、sec-酪酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびフェニルステル酸を含む。他の酸は、グルコン酸、グリコヘプトン酸、ラクトビオン酸、メタンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、ガラクツロン酸、エムボン酸、グルタミン酸またはアスパラギン酸を含む。
【0153】
用語”塩基”は、すべての薬学的または獣医学的に許容される無機または有機塩基を考える。このような塩基は、例えば、アルカリ金属およびアルカリ土塁金属塩、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム塩を含む。有機塩基は、一般のヒドロカルビルおよび複素環アミン塩を含み、これらは、例えば、モルホリンおよびピペリジン塩を含む。
【0154】
一実施形態において、液体担体はマイクロエマルションを含むこともできる。マイクロエマルションもまた、液体担体ビヒクルとして適切である。マイクロエマルションは、水相、油相、界面活性剤および補助界面活性剤を含む第四級系である。マイクロエマルションは、半透明の等方性液体であることができる。
【0155】
マイクロエマルションは、油相中の水相の微小滴または逆に水相中の油相の微小滴からなる安定な分散系で構成される。これらの微小滴のサイズは200nm未満(エマルションに対して1000〜100,000nm)である。界面膜は、界面活性(SA)分子および補助界面活性(Co-SA)分子の変化で構成され、これは、界面張力を低下させることによって、マイクロエマルションが自発的に形成されることを可能にする。
【0156】
油相は、特に、鉱物油もしくは植物油、不飽和ポリグリコシル化グリセリドもしくはトリグリセリドまたはこのような化合物の混合物から形成されることができる。油相は、中鎖トリグリセリド、例えばC8〜C10カプリル/カプリン酸トリグリセリドを含むトリグリセリドを含むことができる。いくつかの実施形態において、油相は、特に、マイクロエマルションの約2〜約15%、約7〜約10%または約8〜約9%、v/vの濃度である。
【0157】
いくつかの実施形態において、水相は、例えば水またはグリコール誘導体、例えばプロピレングリコール、グリコールエーテル、ポリエチレングリコールまたはグリセロールを含む。プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノエチルエーテルが特に好ましい。一般に、水相は、マイクロエマルション中、約1〜約4%v/vの比率である。
【0158】
マイクロエマルションのための界面活性剤は、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリグリコール化C8〜C10グリセリドまたはポリグリセリル-6ジオレエートを含む。これらの界面活性剤に加えて、補助界面活性剤は、短鎖アルコール、例えばエタノールおよびプロパノールを含む。
【0159】
上記3成分、例えば、水相、界面活性剤および補助界面活性剤に共通な化合物もある。しかしながら、同じ製剤の各成分に異なる化合物を使用することは、当業者の能力水準の範囲内である。
【0160】
一実施形態において、補助界面活性剤対界面活性剤の比率は約1/7〜約1/2である。他の実施形態において、界面活性剤の濃度は、マイクロエマルション中、約25〜約75%v/vであり、補助界面活性剤の濃度は約10〜約55%である。
【0161】
同様に、補助溶剤もまた当業者に公知である。いくつかの実施形態において、補助溶剤は、乾燥を助長させるものを含み、例えば、無水エタノール、イソプロパノール(2−プロパノール)またはメタノールを含む。
【0162】
本発明の製品の化学合成に関しては、当業者は、特に、”Chemical Abstracts”およびそれに引用されている文献の全内容を自由に使えると考えられる。
【0163】
置換基の性質および配置に応じて、活性化合物は、適切な場合には、種々の立体異性体、特にエナンチオマーおよびラセミ化合物として存在することができる。本発明によれば、純粋な立体異性体およびそれらの混合物の両方を使用することが可能である。
【0164】
本主題事項は、本発明をさらに例示する、限定するものではない以下の実施例によってさらに説明されるが、これらは本発明の範囲を限定するものではなく、またそのように解釈されるべきでもない。
【実施例】
【0165】
実施例1:ラットにおけるサシバエ忌避性および殺寄生虫効果
この試験によって、フィプロニルおよびペルメトリンを含む本発明の製剤の、ラットにおけるストモキス・カルシトランスを忌避し殺す有効性を単回投与後に評価した。治療群(第2群)のラットは、0日目に1回、DMDA対DGMEの比率が0.73:1のDMDAおよびDGMEを含む溶媒系中にフィプロニル9.2(w/w)およびペルメトリン41.5%(w/w)を含む本発明の局所製剤で治療し、ペルメトリン30mg/kgおよびフィプロニル6.7mg/kgの用量を送達した。第3群のラットは、ペルメトリンを単独で含む製剤で治療し、30mg/kgの用量を送達した。これら2つの治療群を溶媒系プラセボで治療した対照群と比較した。
【0166】
これらの治療されたラットをハエに1時間暴露させ、次いで移動させる。暴露期間終了時ならびに暴露後4時間および24時間で死んだハエを計数する。フィプロニル+ペルメトリン群は、測定したすべての時点で大変高レベルの有効性を示した。さらにまた、フィプロニル+ペルメトリン群は、ペルメトリン単独群と比較して、同じ用量レベルで、暴露24時間後の測定で、有意に高い忌避性を示した。フィプロニルは忌避活性を有することが知られていないため、この発見は重要である。
【0167】
本製剤の殺双翅目効力を表1および
図6に示す。忌避性のデータを表2および
図7に示す。
【0168】
表1
EOE=暴露期間終了時
【0169】
表2
【0170】
実施例2:イヌにおけるサシバエ忌避性および殺寄生虫効果
この試験によって、フィプロニルおよびペルメトリンを含む本発明の製剤の、イヌにおけるストモキス・カルシトランスを忌避し殺す有効性を単回投与後に評価した。
【0171】
本発明の製剤のハエ忌避性および殺寄生虫活性をイヌ10頭において評価した。抽選でイヌを2つの群のうちの1つにランダムに割り当てた。第1群のイヌは治療しなかった。第2群のイヌは、0日目に1回局所投与することによって、以下の表3に示すフィプロニルおよびペルメトリンの組み合わせを含む本発明の局所製剤を投与し、おおよそフィプロニル6.70mg/kgおよびペルメトリン30.15mg/kgの用量を送達した。
【0172】
表3:製剤
【0173】
1、14、21および28日目に、おおよそ100匹の3〜7日齢のS.カルシトランス(S. calcitrans)をイヌに暴露させた。おおよそ60分後に、生きたハエをバイアルに吸引し、死んだハエをケージから採取した。すべてのハエを採取した後、生きたハエを殺し、ハエ(生きたハエおよび死んだハエ)を計数し、押しつぶして食餌状態(食餌あり対食餌なし)を決定した。不適切なハエが発生したために、7日目にはハエ暴露を行うことができなかった。
【0174】
ハエ忌避性は、各暴露期間における、対照群と比較した治療群における食餌したハエの数に基づかせた。忌避性は、治療したイヌにおいて1日目に99%であり、14、21および28日目に、それぞれ85.9%、84.6%および61.7%であった。
【0175】
殺寄生虫効果は、各暴露期間の終了時点における、対照群と比較した治療群における生きたハエの数に基づかせた。殺寄生虫効果は、治療したイヌにおいて1日目に100%であり、14、21および28日目に、それぞれ98.7%、95.5%および81.3%であった。パーセント有効性を表3に示す。
【0176】
この試験において、フィプロニル+ペルメトリンを含む組成物は、治療後3週間、S.カルシトランス(サシバエ)に対して>84.6%の忌避性と>95.5%の殺寄生虫効果を提供した。
【0177】
フィプロニル+ペルメトリン組成物に関する概要データを表4に示す。
【0178】
表4.概要データ
【0179】
実施例3:活性物質の結晶化
フィプロニル6%w/wおよびペルメトリン44.9%w/wならびに様々な量の賦形剤N-ジメチルデカンアミド(DMDA)およびジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)を含む4つの実験製剤を製造した。DMDA濃度は5〜20%w/wの間で変化させた。これらの製剤を、-20℃、4℃および10℃を含む種々の低温条件に供した。一部の試料には、以前のバッチで成長した種結晶を入れた。種々の条件のすべての製剤において結晶化が見られた。
【0180】
本明細書に記載したフィプロニルおよびペルメトリンのDMDA含有製剤を低温に供した。一部の試料には種結晶を入れた。このDMDA製剤において結晶が見られた。
【0181】
ペルメトリンとの適合性およびペルメトリン溶液を維持する能力に関して溶媒をスクリーニングした。この試験の概要および結果を表5に示す。
【0182】
表5
【0183】
この実験セットからは、安息香酸ベンジルおよびN,N-ジメチルデカンアミドがペルメトリンと最も適合することをこのスクリーニングは示している。
【0184】
ペルメトリンとの適合性に関するスクリーニング溶媒に加えて、ペルメトリン44.9%w/wおよびフィプロニル6%w/wをすべてが含むいくつかの実験バッチを製造した。これらの製剤の結果を表6および7に示す。
【0185】
表6
【0186】
このセットの中では、N-メチルピロリジノンを含む製剤が物理的安定性において最も優れている。
【0187】
表7
注:1)これらの結果はおおよそであり、実験室のスクリーニングデータに基づく。2)DGME、DMDA、NMPの量はおおよそであり、活性物質のアッセイに左右される。3)これらの実験および計算において、全活性物質のアッセイは100%と仮定されている。
【0188】
実施例4:本明細書に完全に記載された本発明の製剤の1つを表8に示す。
【0189】
表8
【0190】
実施例5:イヌにおけるノミ(クテノケファリデス・フェリス)およびマダニ(リピケファルス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus))に対する有効性
ペルメトリン単独を50.3mg/kgの用量を送達する量で含む製剤と比較した、フィプロニルおよびペルメトリンを、それぞれ6.7mg/kgおよび50.3mg/kgの用量を送達する量で含む本発明の3つの異なる製剤の有効性を評価するために試験を行った。
【0191】
イヌ6匹からなる5つの治療群をそれぞれ作成した。第1群のイヌは未治療群とした。0日目に、第2群、第3群および第4群のイヌに、種々の溶媒系にフィプロニル6.0%(w/w)およびペルメトリン44.9%(w/w)を含む本発明のスポットオン製剤を投与した。第5群のイヌは、0日目に、ペルメトリン44.9%(w/w)単独を含むスポットオン製剤で治療した。各観察時点で、対照群である第1群に対する治療の有効性を測定した。製剤成分を以下の表9に示す。
【0192】
表9
【0193】
-1、8、15、22および29日目に、すべてのイヌにおおよそ100匹のC.フェリス(C.felis)を寄生させた。1、9、16、23および30日目にノミの計数を行った。また、-1、14および28日目に、すべてのイヌにおおよそ50匹のリピケファルス・サングイネウスを寄生させた。15および29日目にマダニを親指で計数し(thumb-counted)、1、16および30日目に計数し除去した。
【0194】
ノミに対する有効性は第2群、第3群および第4群に対して同様であり、30日目まで95〜100%であった。第5群に対する有効性は、1日目に51%であり、9日目にピークの96%に達し、次いで30日目に13%に低下した。
【0195】
治療24時間後におけるマダニに対する有効性は、第2群、第3群、第4群および第5群に対して、それぞれ69.1%、89.9%、94.7%および70.2%であった。侵入24時間後におけるマダニに対する有効性は、すべての治療群にわたって、15日目に91〜99%であり、29日目に56〜81%であった。侵入48時間後におけるマダニに対する有効性は、すべての治療群にわたって、16日目に96〜100%であり、30日目に74〜85%であった。
【0196】
この試験は、本発明の製剤が、ペルメトリン単独を含む製剤と比較して、C.フェリスおよびR.サングイネウス(R. sanguineus)に対して優れた有効性を提供することを明らかにしている。有効性データは、
図4および5にも示す。
【0197】
実施例6:イヌにおけるフレオボトムス・ペルニキオスス(Phlebotomus perniciosus)(サンドフライ)に対する忌避性および有効性
この試験によって、フィプロニルおよびペルメトリンを含む本発明の2つの製剤の、単回投与後にイヌにおいてフレオボトムス・ペルニキオススを忌避し殺す有効性を評価した。
【0198】
実施例2に記載した手順とよく似た手順に従って、本製剤の忌避性および殺虫効力を試験した。イヌ5匹からなる3つの治療群をそれぞれ作成した。第1群のイヌは未治療群とした。0日目に、第2群および第3群のイヌを、フィプロニル6.7mg/kgおよびペルメトリン50.3mg/kgの用量を送達するための、以下の表10に記載された本発明の製剤で1回治療した。
【0199】
表10
【0200】
1、7、14、21、29および35日目に、80(±5)匹のP.ペルニキオスス(P. perniciosus)雌サンドフライにイヌを暴露した。60分後、サンドフライを除去し、生きた(血を吸ったまたは血を吸ってない)、死んだ(血を吸ったまたは血を吸ってない)として分類した。暴露おおよそ4時間後ならびに暴露おおよそ24時間後の2、8、15、22および29日目に死んだハエの数を決定することによって有効性を測定した。治療群における血を吸ったハエ(生きたまたは死んだ)の数と対照群における血を吸ったハエの数を比較することによって忌避性を測定した。
【0201】
1、7、14、21、29および35日目に、治療群である第2群のイヌに関して観察された忌避性は、それぞれ97.0%、90.1%、96.0%、80.0%、96.4%および79.6%であると測定された。1、7、14、21、29および35日目における、第3群のイヌに関する忌避性は、それぞれ94.4%、94.7%、99.3%、88.6%、97.3%および82.5%であることが見出された。
【0202】
1、7、14、21、29および35日目における、暴露4時間後の第2群に対する有効性は、それぞれ99.8%、100.0%、94.0%、63.2%、91.1%および65.8%であった。1、7、14、21、29および35日目における、暴露4時間後における第3群に対する有効性は、それぞれ99.6%、100.0%、92.3%、56.3%、90.6%および70.0%であった。
【0203】
2、8、15、22、30および36日目における、暴露24時間後の第2群に対する有効性は、それぞれ100.0%、99.4%、94.4%、66.3%、91.7%および69.6%であった。2、8、15、22、30および36日目における、暴露4時間後の第3群に対する有効性は、それぞれ99.6%、100.0%、92.6%、58.0%、93.1%および70.7%であった。
【0204】
この試験は、本発明の製剤が、単回治療後に、イヌにおいて、フレオボトムス・ペルニキオススに対して少なくとも35日間の優れた忌避性および少なくとも30日間の優れた殺虫効力を提供することを明らかにしている。このデータは
図3にも示す。
【0205】
実施例7:イヌにおけるサシバエ(ストモキス・カルシトランス)に対する忌避性および有効性
この試験は、単回局所投与後の、ストモキス・カルシトランス(サシバエ)に対する、フィプロニルおよびペルメトリンの組み合わせを含む表8に記載の本発明のスポットオン製剤の忌避性および有効性を評価するために行った。
【0206】
上記の実施例2に記載した手順とよく似た手順に従って、イヌ8匹からなる2つの群をそれぞれ作成した。第1群のイヌは未治療群とし、対照群として用いた。0日目に、第2群のイヌを、フィプロニル6.8mg/kgおよびペルメトリン50.5mg/kgの用量を送達するための表8に記載の製剤で1回治療した。1、7、14、21、28および35日目に、おおよそ60分間、おおよそ100匹のサシバエにイヌを暴露し、その後ハエ(生きたおよび死んだの両方)を採取し、食餌状態を決定するために試験した。第2群のイヌに投与された製剤の忌避性は、1、7、14、21、28および35日目において、それぞれ100.0%、100.0%、99.2%、97.3%、96.6%および88.7%であることが測定された。第2群のイヌに使用された製剤の殺虫効力は、1、7、14、21、28および35日目において、それぞれ100.0%、99.9%、99.4%、99.6%、98.3%および98.3%であると測定された。忌避性および有効性データを
図8および9に示す。
【0207】
実施例8の製剤に関する、少なくとも35日間の作用の持続時間での、ストモキス・カルシトランスに対する大変高レベルの忌避性および殺虫効力は、用いた用量レベルでペルメトリンを含む局所製剤に関しては驚くべきことである。例えば、Fourieらはイミダクロプリド10%およびペルメトリン50%(本実施例中に用いられた製剤中のペルメトリンと同じ濃度)を含む局所製剤が、治療後、イヌにおいて、82%のS.カルシトランスの食餌を4週間妨げ、29日間の評価期間にわたって、85.6%の平均有効性を示したのみであったことを報告した(“The Efficacy of a Topically Applied Combination of Imidacloprid and Permethrin Against Stomoxys calcitrans on Dogs,” Intern. J. Appl. Res. Vet. Med., 2006, vol. 4(1), pp. 29-33 を参照のこと)。この試験において、全29日の評価期間にわたって、観察された最も高い忌避性は、治療1日後で90.2%であり、他のすべての時点での忌避性は90%未満であった。本発明の製剤によって示された忌避性および有効性は、異なる農薬活性薬と組み合わせて同じ濃度のペルメトリンを含む他の局所製剤よりも驚くほど優れている。フィプロニルは、忌避活性を有することが知られていないため、この優れた忌避性は、特に驚くべきことである。
【0208】
実施例8:イヌにおけるカ(クレクス・ピピエンス)(Culex pipiens)に対する忌避性
この試験は、単回局所投与後の、クレクス・ピピエンスに対する、表8に記載の本発明のスポットオン製剤の忌避性および有効性を評価するために行った。
【0209】
上記の実施例2に記載した手順とよく似た手順に従って、イヌ8匹からなる2つの群をそれぞれ作成した。第1群のイヌは未治療群とし、対照群として用いた。0日目に、第2群のイヌを、フィプロニル6.8mg/kgおよびペルメトリン50.5mg/kgの用量を送達するための表8に記載の製剤で1回治療した。1、7、14、21および28日目に、おおよそ60分間、イヌ1匹当たりおおよそ100匹のクレクス・ピピエンス雌カでイヌを暴露し、その後カ(生きたおよび死んだの両方)を採取し、食餌状態を決定するために試験した。
【0210】
第2群のイヌに投与された製剤の忌避性は、1、7、14、21および28日目で、それぞれ99.4%、98.9%、94.7%、91.7%および90.4%であることが測定された。忌避性データは
図10に示す。
【0211】
本明細書および特許請求の範囲を通じて、用語”含む(comprise)”、”含む(comprises)”および”含んでいる(comprising)”は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、包括的な意味で用いられる。
【0212】
本明細書において、数値に関する用語”約”は、開示された方法の実施または開示された組成物の使用に変化が適切な場合、いくつかの実施形態において±20%、いくつかの実施形態において±10%、いくつかの実施形態において±5%、いくつかの実施形態において±1%、いくつかの実施形態において±0.5%、いくつかの実施形態において±0.1%の、特定の量から変化を含むものと解される。
【0213】
すべての出版物、特許出願、特許および他の文献は、それぞれの出版物、特許出願、特許および他の文献が、個別具体的に参照により示されると同じように参照により本願に組み込まれる。多くの特許出願、特許および他の文献を本明細書に引用したが、当然のことながら、このような文献は、当該技術分野で共通一般知識の一部をこれらの文書が形成することの承認を構成しない。
【0214】
理解を明らかにするために、前述の主題事項を例示として少し詳しく説明してきたが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更および改変を行うことができることは、当業者には明らかであろう。
【0215】
以上、本発明の特定の実施形態を詳細に説明してきたが、上記のパラグラフによって定義される本発明は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、多くの見かけの変形が可能であるため、上記の説明で述べた特定の詳細に限定されるべきではないことが理解されるべきである。
次に、本発明の態様を示す。
1. 外部寄生虫侵入の治療および予防のための局所組成物であって、
フィプロニル約2%(w/w)〜約15%(w/w);
ペルメトリン約30%(w/w)〜約55%(w/w);ならびに
中性油およびN-メチルピロリドンを含む局所組成物において、前記中性油およびN-メチルピロリドンが、中性油対N-メチルピロリドンで、約1:2.0〜約1:3.5の重量対重量比で存在する局所組成物。
2. フィプロニルが約4%(w/w)〜約8%(w/w)の濃度で存在する、上記1に記載の組成物。
3. フィプロニルが約6%(w/w)の濃度で存在する、上記1に記載の組成物。
4. ペルメトリンが約35%(w/w)〜約50%(w/w)の濃度で存在する、上記1に記載の組成物。
5. ペルメトリンが約40%(w/w)〜約48%(w/w)の濃度で存在する、上記1に記載の組成物。
6. ペルメトリンが約45%(w/w)の濃度で存在する、上記1に記載の組成物。
7. フィプロニルが約6.0%(w/w)の濃度で存在し、ペルメトリンが約45%(w/w)の濃度で存在する、上記1に記載の組成物。
8. 中性油およびN-メチルピロリドンが、中性油対N-メチルピロリドンで、約1:2.0〜約1:3.0の重量対重量比で存在する、上記1に記載の組成物。
9. 中性油が約12%(w/w)〜約14%(w/w)の濃度で存在し、N-メチルピロリドンが約35%(w/w)の濃度で存在する、上記1に記載の組成物。
10. 中性油およびN-メチルピロリドンが、中性油対N-メチルピロリドンで、約1:2.5〜約1:3.0の重量対重量比で存在する、上記1に記載の組成物。
11. 中性油およびN-メチルピロリドンが、中性油対N-メチルピロリドンで、約1:2.5〜約1:3.5の重量対重量比で存在する、上記1に記載の組成物。
12. 中性油およびN-メチルピロリドンが、中性油対N-メチルピロリドンで、約1:2.2〜約1:2.4の重量対重量比で存在する、上記1に記載の組成物。
13. 中性油およびN-メチルピロリドンが、中性油対N-メチルピロリドンで、約1:2.5〜約1:2.8の重量対重量比で存在する、上記1に記載の組成物。
14. 中性油が、鎖長C8およびC10を有する分別植物脂肪酸のトリグリセリドである、上記1に記載の組成物。
15. フィプロニル約6%(w/w);
ペルメトリン約45%(w/w);
鎖長C8およびC10(w/w)を有する分別植物脂肪酸のトリグリセリド約12%〜約14%(w/w);
N-メチルピロリドン約35%(w/w);ならびに
ブチル化ヒドロキシトルエン約0.1%(w/w)を含む、上記1に記載の組成物。
16. 抗酸化剤をさらに含む、上記1のいずれか1つに記載の組成物。
17. 抗酸化剤がブチル化ヒドロキシトルエンである、上記16に記載の組成物。
18. 1以上の追加の活性薬をさらに含む、上記1〜17のいずれか1つに記載の組成物。
19. 1以上の追加の活性薬が、アベルメクチン、ミルベマイシン、スピノシン、スピノソイド、ベンゾイミダゾール、レバミゾール、ピランテル、モランテル、プラジカンテル、クロサンテル、クロルスロン、アミノアセトニトリル活性薬、昆虫成長制御剤、ネオニコチノイドもしくはアリーロアゾール-2-イルシアノエチルアミノ活性薬またはそれらの組み合わせである、上記18に記載の組成物。
20. フィプロニル約2%(w/w)〜約15%(w/w);
ペルメトリン約30%(w/w)〜約55%(w/w);ならびに
中性油およびN-メチルピロリドンを含むスポットオン組成物であって、前記中性油およびN-メチルピロリドンが約1:2.5〜約1:3.5の重量対重量比で存在し、前記組成物が約1mL〜約10mLの容量を有する液体であるスポットオン組成物。
21. 製剤化後約3ヶ月においてHPLCで測定するとき、フィプロニルのピーク面積に対して面積比で約3.5%未満のフィプロニルスルホンをさらに含む、上記1または20に記載の組成物。
22. フィプロニルスルホンをさらに含む上記1または20に記載の組成物であって、製剤化後約3ヶ月におけるフィプロニルスルホンの量は、製剤時に存在するフィプロニルスルホンの元の量の50%を超えて増加していない、前記組成物。
23. フィプロニル約2%(w/w)〜約15%(w/w);
ペルメトリン約30%(w/w)〜約55%(w/w);
中性油およびN-メチルピロリドン;
ならびにフィプロニルスルホンを含む組成物であって、製剤化後約3ヶ月におけるフィプロニルスルホンの量が製剤時に存在するフィプロニルスルホンの元の量の50%を超えて増加していない量で、前記中性油が存在する、前記組成物。
24. 動物における寄生虫侵入の治療および/または防御のための方法であって、上記1に記載の組成物の有効量を動物に投与することを含む方法。
25. 前記投与が、前記動物の外被および/または皮膚と前記組成物とを接触させることを含む、上記24に記載の方法。
26. 動物における寄生虫侵入の治療および予防のための医薬の製造における、フィプロニルおよびペルメトリンの組み合わせならびにNMPおよび1以上の中性油の使用。
27. 動物における寄生虫侵入の治療および予防のための、上記1に記載の組成物の使用。