(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
<光伝送モジュール1の構成>
図1から
図3を用いて第1実施形態の光伝送モジュール1について説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態に基づく図面は、模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、夫々の部分の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また一部の構成要素(例えば接着層)の図示を省略する。なお、以下、図面のZ軸増加方向を上方向、Z軸減少方向を下方向という。
【0015】
光伝送モジュール1は、第1の光素子である発光素子50と、第2の光素子である受光素子60と、光導波路基板20と、プリズム30と、光ファイバ70と、を具備する。光導波路基板20の上面20SAには、発光素子50および受光素子60が実装された第1基板(以下「配線板」ともいう。)40が、下面20SBには第2基板10が、それぞれ配設されている。
【0016】
光伝送モジュール1では、発光素子50が送信する第1の波長λ1の第1の光信号と、受光素子60が受信する第1の波長λ1とは異なる第2の波長λ2の第2の光信号とが合波された第3の光信号を、光ファイバ70が導光する。例えば、第1の波長λ1は、850nmであり、第2の波長λ2は、1300nmである。
【0017】
発光素子50は、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting LASER)であり、入力された駆動電気信号に応じて、発光面(XY面)に対して垂直方向(Z軸方向)に光信号の光を出射する。例えば、平面視寸法が250μm×300μmと超小型の発光素子50は、直径が20μmの発光部51と、発光部51と電気的に接続された、電気信号を供給するための接続端子52とを発光面に有する。
【0018】
受光素子60はフォトダイオード(PD)等からなり、受光面に対して垂直方向(Z軸方向)から入射した光信号を電気信号に変換して出力する。例えば、平面視寸法が350μm×300μmと超小型の受光素子60は、直径が50μmの受光部61と、受光部61と電気的に接続された受信電気信号を出力するための接続端子62とを受光面に有する。
【0019】
光導波路基板20は、光信号を導光するX軸方向が長手方向の光導波路であるコア23の周囲をクラッド25が取り囲んでいるポリマー型の光導波路基板である。コア23およびクラッド25が樹脂からなるポリマー型の光導波路基板20は、石英等の無機材料からなる光導波路基板よりも、加工が容易で柔軟性に優れている。また、可撓性の光導波路基板20を2枚の可撓性の第1基板40と第2基板10とで挟み込んだ光伝送モジュール1は、可撓性があり、狭い空間への配設が容易である。すなわち、第1基板40および第2基板10は可撓性を有することが好ましい。
【0020】
光導波路であるコア23は第1の樹脂からなり、クラッド25は、屈折率が第1の樹脂よりも小さい第2の樹脂からなる。後述するように、クラッド25は、コア23の下に配設されている下部クラッド25Aと、コア23の側面および上面を取り囲んでいる上部クラッド25Bとからなる。
【0021】
そして、光導波路基板20は、コア23の材料と同じ第1の樹脂からなる位置決め部材24が、コア23と同じ平面内に配設されている。後述するように、コア23と位置決め部材24とは、コアシート23Sのパターニングにより同時に作製されている(
図5A参照)。
【0022】
発光素子50および受光素子60は、それぞれ配線板40の電極パッド43、44と電気的に接続されている。配線板40には、第1の光信号の光路LP50となる貫通孔41および第2の光信号の光路LP60となる貫通孔42がある。なお、配線板40の光透過率が高く、光信号の減衰が許容内であれば、貫通孔41、42を形成する必要はない。
【0023】
光導波路基板20には、長軸方向がコア23の長軸方向と平行で、長軸に直交する断面が矩形の溝22が形成されている。溝22は、上面が開口で底面が下部クラッド25Aの上面25AS1である。溝22は第1の壁面23S1(
図3参照)にコアの第2の端面23T2が露出している。なお、上面に配線板40が接着されると、溝22は一方の側面が開口の孔となる。
【0024】
一方、コア23の第2の端面23T2と対向する第1の端面23T1には傾斜角45度の第1の反射面21Mが形成されている。第1の反射面21Mは、ダイシングブレードを用いて下面側から形成された溝21の傾斜面である。第1の反射面21Mは、垂直方向(Z軸方向)からコア23に入射した光を90度反射して、コア23の長手方向(X軸方向)に導光する。
【0025】
なお、コア23は、製造時には第1の端面23T1から更に延設されていてもよい。しかし、溝21が形成されると、第1の反射面21Mよりも外側は光導波路として機能しないため、第1の反射面21Mが光導波路であるコア23の端面となる。
【0026】
なお、溝21の壁面、特に第1の反射面21Mには、反射率を高くするために、金等の金属からなる反射膜が成膜されていてもよいし、溝21の内部が樹脂で充填されていてもよい。
【0027】
一方、溝22には、プリズム30および光ファイバ70が配設されている。プリズム30は、平面視矩形の略直方体であり、傾斜角45度の第2の反射面30Mを有する。第2の反射面30Mは、第1の波長の第1の光信号は透過するが、第2の波長の第2の光信号の光路を反射する。すなわち、プリズム30は、波長λ1の光を透過し波長λ2の光を反射する特性の反射面30Mを有するダイクロイック直角プリズムである。
【0028】
図1に示すように、発光素子50および受光素子60が実装された第1基板(配線板)40が、光導波路基板20の上面に配設されている。そして、発光素子50および受光素子60が、コア23の直上になるように第1基板40と光導波路基板20とは位置決めされている。
【0029】
発光素子50がZ軸に平行に出射(送信)した第1の光信号は、第1の反射面21Mで、X軸平行方向に反射して、コア23に導光される。言い替えれば、第1の反射面21Mが、導波路であるコア23の光路LP23に対して直交している発光素子50の光路LP50を光路LP23と光結合している。第1の光信号は、第2の反射面30Mを通過して光ファイバ70に入射する。
【0030】
一方、光ファイバ70がX軸と平行方向に導光した第2の光信号は、第2の反射面30Mで、Z軸平行方向に反射して、受光素子60の受光部61に入射し受信される。言い替えれば、第2の反射面30Mが、光ファイバ70の光路LP70に対して直交している受光素子60の光路LP60を光ファイバ70の光路LP70と光結合している。
【0031】
そして、溝22に配設されているプリズム30は、その2側面(30S1、30S2)が、それぞれ溝22の第1の壁面23S1(
図3参照)または第1の壁面23S1と直交する第2の壁面24S1(
図3参照)と当接することで面内方向(XY方向)の位置が規定されている。なお、プリズム30は、底面30SBが下部クラッド25Aの上面25AS1と当接することで、垂直方向(Z方向)の位置が規定されている。
【0032】
第2の壁面24S1は、第1の樹脂からなる位置決め部材24の一面である。プリズム30は、2側面(30S1、30S2)および底面30SBの位置が規定されているため、所定位置に正確に配置されている。このため、光伝送モジュール1は、光の伝送効率がよい。
【0033】
<光伝送モジュール1の製造方法>
次に、
図4のフローチャートに沿って、光伝送モジュール1の製造方法を説明する。
【0034】
<ステップS11>
第2基板10の上に、下部クラッドシート25ASがラミネートされる。第2基板10には、FPC基板、セラミック基板、ガラスエポキシ基板、ガラス基板、シリコン基板等が使用されるが、可撓性基板であることが好ましい。なお、第2基板10は光導波路基板20を製造するためのサポート基板であり、光伝送モジュール1の必須の構成要素ではない。また、第2基板10は、配線を有する配線板、または、接地電位線と接続された導電膜で覆われた電極板であってもよい。
【0035】
なお、下部クラッドシート25ASが第
2基板10と密着性が弱い場合には、その間に接着層を設けてもよい。
【0036】
下部クラッドシート25ASは、上部クラッドシート25BS(
図5C参照)と同じ材料である第2の樹脂からなるフィルムである。第2の樹脂は、コア23を構成する第1の樹脂よりも低屈折率の樹脂である。下部クラッドシート25ASはパターニングされないが、パターニングされる上部クラッドシート25BSにも用いる第2の樹脂は、(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物および(C)光重合開始剤を含有することが好ましい。ただし、下部クラッド25Aと上部クラッド25Bとは、それぞれがクラッド25としての機能を有していれば、必ずしも全く同じ樹脂から構成されている必要はない。例えば、下部クラッドシート25ASは、光重合性化合物および光重合開始剤を含有していなくともよい。
【0037】
ベースポリマーはクラッドの機械的強度を確保するためのものであり、透明性の高い樹脂、例えば、高純度ポリイミド系樹脂またはポリエーテル系樹脂等からなる。光重合性化合物としては、(メタ)アクリレート等の紫外線等の光の照射によって重合するものであれば特に限定されない。光重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば重合性化合物がエポキシ化合物の場合には、アリールジアゾニウム塩などである。
【0038】
このほかに必要に応じて、樹脂には、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、および充填剤などのいわゆる添加剤を本発明の効果に悪影響を与えない割合で添加してもよい。
【0039】
本実施形態では、耐熱性、透明性、および等方性に優れている、屈折率1.40〜1.75のフッ素化ポリイミド樹脂をベースポリマーとして用いた。
【0040】
下部クラッドシート25ASは、上記組成物を溶媒に溶解して、支持体フィルムに塗布し、溶媒を除去することにより製造される。
【0041】
下部クラッドシート25ASおよび上部クラッドシート25BS(
図5C参照)は、厚さが、5μm以上500μm以下が好ましい。厚さが、5μm以上であると、光の閉じ込めに必要なクラッドの厚みが確保でき、500μm以下であると、厚さを均一にすることが容易である。
【0042】
下部クラッドシート25ASは、ラミネート後に紫外線照射等により硬化処理が行われ下部クラッド25Aとなる。下部クラッドシート25ASの材料は、感光性を有しないベースポリマーだけでもよい。
【0043】
次に、下部クラッド25Aの上に、コア23および位置決め部材24となる第1の樹脂からなるコアシート23Sがラミネートされる。第1の樹脂は、第2の樹脂よりも屈折率が高く、パターニング可能な樹脂である。例えば、第1の樹脂は、第2の樹脂と略同じ組成で、分子量、添加剤量等で屈折率が制御されている。本実施形態では、第1の樹脂と第2の樹脂とは、同じポリイミドからなるが、第1の樹脂は屈折率が1.555で、第2の樹脂は屈折率が1.537とした。
【0044】
コアシート23Sの厚さは、光導波路となるコア23の高さとなる。導光性を担保するために、コアシート23Sの厚さは、5μm以上100μm以下が好ましい。
【0045】
<ステップS12>
図5A
ネガ型フォトマスク23SMを介してコアシート23Sに紫外線が照射(露光)される。
【0046】
フォトマスク23SMには、コア23および位置決め部材24の形状に相当する領域が透明になっているネガ型マスクである。このため、コア23および位置決め部材24となる領域にだけ紫外線が照射され、その領域の第1の樹脂が重合する。
【0047】
<ステップS13>
図5B
現像処理により、紫外線が照射されなかった領域の第1の樹脂が溶解し、コア23および位置決め部材24が同時に形成される。
【0048】
光伝送モジュール1の製造方法では、コア23と位置決め部材24とが、フォトリソグラフィ法により同時にパターニングされる。
【0049】
パターニング工程は、上記直接露光法に限られるものではなく、選択重合法、反応性イオンエッチング(RIE)法、またはフォトブリーチング法であってもよい。
【0050】
フォトマスクの寸法精度は高いため、コア23および位置決め部材24の相対的位置関係は正確に規定される。
【0051】
光導波路となるコア23は、幅が5μm以上100μm以下が好ましい。位置決め部材24は、コア23の第2の端面23S1と直交する側面24S1を所定位置に有していれば、それ以外の部分の形状は特に限定されない。
【0052】
なお、ポリエチレンテレフタレート等からなり柔軟性および強靭性のあるキャリアフィルムに配設された第1の樹脂からなるコアシート23Sをパターニング後に、下部クラッド25Aの上に転写して、コア23および位置決め部材24を配設してもよい。
【0053】
<ステップS14>
図5C
上部クラッドシート25BSが積層(ラミネート)される。コア23を覆うために、上部クラッドシート25BSの厚さ下限値は、(コアシート23Sの厚さと下部クラッドシート25ASの厚さとを加算した値)超とする必要がある。上部クラッドシート25BSの厚さは、(前記下限値+10μm以上100μm)以下が好ましい。例えば、下部クラッドシート25ASの厚さが30μm、コアシート23Sの厚さが25μmの場合、上部クラッドシート25BSの下限厚さは55μmであるが、好ましくは65μm以上155μm以下である。
【0054】
<ステップS15>
図5D
上部クラッド25Bに所定の溝22を形成するため、上部クラッドシート25BSのパターニングが行われる。例えば、ネガ型フォトマスクを用いた直接露光法により溝22が形成される。
【0055】
別途、
図5Eに示すように、発光素子50および受光素子60が第1基板(第1の配線板)40に表面実装される。すなわち、発光部51が第
1基板40の貫通孔41と対向する位置に配置された状態で、発光素子50が第1基板40にフリップチップ実装される。受光素子60は、受光部61が第
1基板40の貫通孔42と対向する位置に配置された状態で、第1基板40にフリップチップ実装される。
【0056】
例えば、発光素子50の接続端子52であるAuバンプが、第
1基板40の電極パッド43と超音波接合される。なお、接合部にはアンダーフィル材またはサイドフィル材等の封止剤が注入されてもよい。第
1基板40に、半田ペースト等を印刷し、発光素子50を所定位置に配置した後、リフロー等で半田を溶融して、実装してもよい。同様に、受光素子60の接続端子62が、第
1基板40の電極パッド44と接合される。
【0057】
<ステップS16>
一方、第2基板10が接着された光導波路基板20の下面側(第2基板側)から、ダイシングブレードを用いてV溝21が形成される。V溝21は、垂直面と、傾斜角度45度の第1の反射面21Mとを有する。そして、V溝21はコア23に到達する深さを有する。
【0058】
なお、
図1では、コア23が光導波路基板20の端面にまで延設されており、
V溝21がコア23を分断し第1の反射面21Mが形成される場合を示している。このため、
V溝21の垂直面にも、第1の反射面21Mと同じようにコア23およびクラッド25が露出している。しかし、コア23はV溝21の第1の反射面21Mの位置まで延設されており、
V溝21の垂直面が全てクラッドの露出面であってもよい。
【0059】
<ステップS17>
図5F
第1基板40が光導波路基板20の主面20SAに接着される。すなわち、発光素子50および受光素子60が実装された配線板である第1基板40が、光導波路基板20の上面20SAに配設される。溝22は上面が第
1基板40で覆われて穴となる。
【0060】
<ステップS18>
図5G
プリズム30に光ファイバ70が接着される。例えば、径が125μmのマルチモード型の光ファイバ70は、光を伝送する径が50μmのコア71と、コア71の外周を覆うクラッド72とからなる。光ファイバ70は、樹脂からなる外皮に覆われていてもよい。
【0061】
直方体のプリズム30は、上面30SUと下面30SDと4側面30S1〜30S4とを有する。そして、プリズム30の第3の側面30S3が光透
過性の紫外線硬化型接着剤等により光ファイバ70の端面と接着される。プリズム30の傾斜角45度の第2の反射面30Mは、第2の波長の第2の光を上面方向に反射する。一方、第2の反射面30Mは、第1の波長の光を透過する。
【0062】
<ステップS19>
光ファイバ70が接着されたプリズム30が、溝22の側面の開口から挿入され、例えば紫外線硬化型の透明接着剤(不図示)により溝22に固定される。このとき、
図6に示すように、プリズム30の第1の側面30S1が溝22の第1の壁面23S1と当接するように、かつ、第2の側面30S2が、第1の壁面23S1と直交する第2の壁面24S1と当接するように配置される。
【0063】
ここで、溝22の第1の壁面23S1、第2の壁面24S1には、コア23および位置決め部材24の第1の樹脂だけでなく、クラッドの第2の樹脂も露出している。第1の樹脂の露出面と第2の樹脂の露出面が完全に同一の平面を構成するようにパターニングすることは容易ではない場合もある。
【0064】
このため、溝22は、コア23および位置決め部材24が凸になるようにパターニングされていることが好ましい。
【0065】
例えば、
図6に示した光伝送モジュール1では、プリズム30の側面30S1が当接している溝22の第1の壁面23S1は、コア23からなる高さD1の凸部である。また、プリズム30の側面30S2が当接している溝22の第2の壁面24S1は、位置決め部材24からなる高さD2の凸部である。
凸部の高さD1、D2は、0.5μm以上5μm以下であれば、プリズム30を正確に配置できる。
【0066】
コア23および位置決め部材24は、フォトリソグラフィにより正確に位置規定されている。このため、プリズム30は、2側面が、コア23の第2の端面23S1および位置決め部材24の一面24S1と当接させているため、水平方向(XY方向)位置を容易に正確に規定できる。
【0067】
本実施形態の製造方法によれば、光の伝送効率がよい光伝送モジュール1を容易に製造できる。
【0068】
なお、光伝送モジュール1では、第1の光素子が発光素子50で、第2の光素子が受光素子60であった。しかし、第1の光素子が受光素子で、第2の光素子が発光素子であっても光伝送モジュール1と同じ効果を有することはいうまでもない。さらに第1の光素子および第2の光素子が、共に受光素子または発光素子であってもよい。
【0069】
<第1実施形態の変形例>
次に第1実施形態の変形例の光伝送モジュール1Aについて説明する。光伝送モジュール1Aは、光伝送モジュール1と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0070】
図7に示すように、光伝送モジュール1Aでは、受光素子60が実装された第1基板40Aが、光導波路基板20の上面20SAに配設されており、発光素子50が実装された第2基板10Aが、光導波路基板20の下面20SBに配設されている。すなわち、光伝送モジュール1Aでは、第2基板10Aが、電極パッド43が配設されている配線板である。
【0071】
コア23の第1の端面の傾斜角45度の第1の反射面21MAは、ダイシングブレードを用いて上面側から形成された溝21Aの傾斜角45度の傾斜面である。第1の反射面21MAは、下方向からコア23に垂直に入射した光をコア23の長手方向に反射する。
【0072】
光伝送モジュール1Aは、光伝送モジュール1と同じ効果を有する。
【0073】
なお、第1基板40Aに発光素子50が実装され、第2基板10Aに受光素子60Aが実装されている光伝送モジュールが、光伝送モジュール1Aと同じ効果を有することはいうまでもない。
【0074】
<第2実施形態>
次に第2実施形態の光伝送モジュール1Bについて説明する。光伝送モジュール1Bは、光伝送モジュール1と類似しているので、同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0075】
図8および
図9に示すように、光伝送モジュール1Bでは、プリズム30Bの第2の反射面30MBが、光ファイバ70が導光した第2の光信号を面内直交方向(Y方向)に反射する。さらに、細長く延設された位置決め部材が光導波路機能を有し、第2のコア24Bを構成している。第2のコア24Bの端面には斜角45度の第3の反射面29Mがある。第3の反射面29Mは、光導波路基板20Bの下面側(第2基板側)から、ダイシングブレードを用いて形成された、傾斜角45度の傾斜面を有するV溝21B2の壁面である。すなわち、V溝21B2は、溝22と平行で、V溝21と直交している。
【0076】
発光素子50Bはコア23の直上に配設されており、受光素子60Bはコア23と直交する方向に延設された位置決め部材である第2のコア24Bの直上に配設されている。
【0077】
このため、光ファイバ70が導光した第2の光信号は、プリズム30Bの第2の反射面30MBで反射され第2のコア24Bに導光され、第3の反射面29Mで反射されて受光素子60Bに入射する。言い替えれば、受光素子60Bは、第3の反射面29M、第2のコア24B、およびプリズム30の第2の反射面30MBを介して光ファイバ70と光結合している。
【0078】
なお、光伝送モジュール1Bでは、位置決め部材である第2のコア24Bが、光伝送モジュール1の位置決め部材24と対向する位置に形成されている。しかし、プリズム30Bも、プリズム30と同じように、2側面および底面の位置を精度良く配置することが容易であり、光伝送モジュール1
Bは、光伝送モジュール1と同じ効果を有し、さらに、光伝送モジュール1よりも光素子の配置の自由度が高く、小型化(特に短小化)が容易である。
【0079】
なお、第1の光素子が受光素子で、第2の光素子が発光素子であっても光伝送モジュール1Bと同じ効果を有することはいうまでもない。さらに第1の光素子および第2の光素子が、共に受光素子または発光素子であってよい。
【0080】
なお、本実施形態では、プリズム30を第1基板40Bに形成した開口部から挿入し固定し、
光ファイバ70を溝22から挿入し固定しているが、プリズム30と
光ファイバ70とを接着し固定した後に、溝22からで挿入し固定してもよい。さらに、溝22と同形状の開口を第1基板40Bに形成しておき、接着されたプリズム30と
光ファイバ70を第1基板40Bの上から配置し固定しても良い。
【0081】
<第3実施形態>
次に、第3の実施の形態の内視鏡9について説明する。
【0082】
まず、
図10に光伝送モジュール1Bを含む撮像モジュール2を示す。撮像モジュール2は、カバーガラス(ガラスリッド)81と、撮像素子82と、T字型の配線板83と、光伝送モジュール1Bと、ケーブル84と、を有する。T字型
の配線板83には、撮像素子82が実装され、さらにケーブル84が接続されている。なお、合分波機能を有する光伝送モジュール1Bの第1基板40Bには、発光素子50Bおよび受光素子60Bだけでなく、半導体IC(85)、チップコンデンサ等の電子部品86が表面実装されている。また、光伝送モジュール1Bの光ファイバ70の端面には光を集光するボールレンズ87が配設されている。
【0083】
光伝送モジュール1Bは、撮像素子82と電気信号を送受信する配線板83に配設されている。光伝送モジュール1Bの第1の配線板40Bは、光導波路基板20Bおよび第2の配線板10Bを貫通する貫通配線28により配線板83と接続されている。
【0084】
光伝送モジュール1Bは、光ファイバ70を介して導光された第2の光信号を受光素子60Bが受光して電気信号に変換し撮像素子82に伝送する。一方、撮像素子82からの撮像信号は発光素子50Bにより第1の光信号に変換されて光ファイバ70を介して導光される。例えば、波長λ2の第2の光信号に変換されたクロック信号は、光ファイバ70から合分波器を備えた光伝送モジュール1Bに入射し、受光素子60Bで受光される。 受光された第2の光信号は、電気信号に光電変換されクロック信号として撮像素子82に入力される。一方、撮像素子82から出力される撮像信号は、発光素子50Bにより波長λ1の第1の光信号に変換され光ファイバ70へ導光される。
【0085】
撮像モジュール2は、撮像素子82の入出力信号を、小型な合分波機能を有する光伝送モジュール1Bによって光に変換し多重化することで、小型化が容易である。
【0086】
図11に示すように、内視鏡9は、撮像モジュール2が先端部9Aに配設された挿入部9Bと、挿入部9Bの基端側に配設された操作部9Cと、操作部9Cから延出するユニバーサルコード9Dと、を具備する。なお、挿入部9Bを挿通する光ファイバ70が導光した光信号は操作部9Cに配設された撮像モジュール
2により電気信号に変換される
【0087】
内視鏡9は、小型の撮像モジュール2を有するため先端部9Aが細径である。
【0088】
本発明は、上述した実施形態および変形例等に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、組み合わせおよび応用が可能である。