特許第6445187号(P6445187)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6445187
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】光照射装置および光治療器
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
   A61N5/06 Z
【請求項の数】15
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2017-557745(P2017-557745)
(86)(22)【出願日】2016年9月29日
(86)【国際出願番号】JP2016078862
(87)【国際公開番号】WO2017110194
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2018年2月15日
(31)【優先権主張番号】特願2015-252576(P2015-252576)
(32)【優先日】2015年12月24日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2016-23093(P2016-23093)
(32)【優先日】2016年2月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】森 淳
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩哉
(72)【発明者】
【氏名】増田 昌嗣
(72)【発明者】
【氏名】井口 勝次
【審査官】 近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−500717(JP,A)
【文献】 特開2010−284399(JP,A)
【文献】 特開2015−115241(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/017091(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個のLED光源をフレキシブル基板に二次元配置してなるLED光源群を備えており、
上記LED光源群が出射する光は、
380nm以上430nm以下の波長範囲に発光強度のピークを有する第1波長域光と、
430nmよりも波長が長く、635nm以下の波長範囲に発光強度のピークを有する第2波長域光とを含んでおり、
少なくとも1個の上記LED光源は、
上記第1波長域光を出射する第1LED素子と、
上記第1LED素子が出射した上記第1波長域光を吸収して、上記第2波長域光を放出する波長変換部材とを有しており、
上記第1LED素子を二次元配置したフレキシブル基板の出射光側表面には、少なくとも一層のスペーサが備えられていると共に、
上記少なくとも一層のスペーサのうちの少なくとも一層のスペーサは、波長変換部材が含有されているスペーサであり、
上記波長変換部材が含有されているスペーサを組み合わせて、上記第1波長域光と上記第2波長域光との比率を変えることが可能であることを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
上記第1LED素子から患部までの構成要素の厚みの合計値は、上記第1LED素子間のピッチの平均値の0.5倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
【請求項3】
上記第1LED素子から患部までの構成要素の厚みの合計値は、上記第1LED素子間のピッチの平均値の0.8倍以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光照射装置。
【請求項4】
上記第1LED素子から患部までの構成要素の厚みの合計値は、上記第1LED素子間のピッチの平均値の2倍以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光照射装置。
【請求項5】
上記波長変換部材は、蛍光体であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光照射装置。
【請求項6】
上記第1LED素子は、上記第1波長域光に対して透明性を有する樹脂に覆われており、上記スペーサは、上記樹脂から脱着可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光照射装置。
【請求項7】
患者の皮膚疾患に応じた、上記第2波長域光のスペクトルを適宜選択し、治療可能であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光照射装置。
【請求項8】
少なくとも1個のLED光源をフレキシブル基板に二次元配置してなるLED光源群を備えており、
上記LED光源群が出射する光は、
380nm以上430nm以下の波長範囲に発光強度のピークを有する第1波長域光と、
430nmよりも波長が長く、635nm以下の波長範囲に発光強度のピークを有する第2波長域光とを含んでおり、
上記LED光源群は、
上記LED光源の1個であり、上記第1波長域光を出射する第1LED素子と、
上記第1LED素子とは異なる上記LED光源の1個であり、上記第2波長域光を出射する第2LED素子とを備えており、
上記LED光源群の出射光側表面には、少なくとも一層のスペーサが備えられており、
上記LED光源群は、少なくとも2個の第2LED素子を備えており、
上記第1LED素子および上記2個の第2LED素子の上面視は矩形であり、
上記2個の第2LED素子の間に1個の上記第1LED素子が配置されており、
上記2個の第2LED素子における上記矩形の各辺と上記1個の第1LED素子における上記矩形の各辺とが対向しないように配置されていることを特徴とする光照射装置。
【請求項9】
上記第1LED素子および第2LED素子から患部までの構成要素の厚みの合計値は、上記LED光源間のピッチの平均値の0.5倍以上であることを特徴とする請求項に記載の光照射装置。
【請求項10】
上記第1LED素子および第2LED素子から患部までの構成要素の厚みの合計値は、上記LED光源間のピッチの平均値の0.8倍以上であることを特徴とする請求項又はに記載の光照射装置。
【請求項11】
上記第1LED素子および第2LED素子から患部までの構成要素の厚みの合計値は、上記LED光源間のピッチの平均値の2倍以下であることを特徴とする請求項から10のいずれか1項に記載の光照射装置。
【請求項12】
上記第2LED素子のピーク波長が470nm以上であることを特徴とする請求項から11のいずれか1項に記載の光照射装置。
【請求項13】
上記2個の第2LED素子の重心が上記1個の第1LED素子の位置に一致していることを特徴とする請求項から12のいずれか1項に記載の光照射装置。
【請求項14】
上記第1LED素子および上記第2LED素子は、上記第1波長域光および上記第2波長域光に対して透明性を有する樹脂に覆われており、上記スペーサは、上記樹脂から脱着可能であることを特徴とする請求項から13のいずれか1項に記載の光照射装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の光照射装置を備えていることを特徴とする光治療器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光照射装置および光治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
光線力学治療(Photo Dynamic Therapy;PDT)は、異常細胞や腫瘍に親和性をもつ光感受性物質に、ある特定の波長の光を照射することにより起こる化学反応で活性酸素等を生成し、その殺菌力により異常細胞や腫瘍を壊死させる治療法である。正常な細胞に損傷を与えないことから、QOL(Quolity Of Life)の観点から最近非常に注目されている。
【0003】
ところで、PDTに使用される光源としてはレーザが主流となっている。その理由としては、レーザは単色光であり吸収帯が狭い光感受性物質を効果的に励起できること、光強度密度が高いこと、パルス光を発生できること等があげられる。しかし、レーザ光は通常スポット光であり、照射可能範囲が狭く、皮膚疾患等の治療には適していない。
【0004】
最近、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染皮膚潰瘍を、世界で初めて天然アミノ酸である5−アミノレブリン酸(ALA)の全身投与と波長410nmのLED光を用いたPDTで治療することに成功したと、大阪市立大学大学院医学研究科の鶴田大輔教授、小澤俊幸講師等のグループから発表された(非特許文献1)。ALAは、ヘム生合成経路においてポルフィリン系化合物の前駆物質であり、それ自体に光増感性はない。生理的には、一定量のヘムが産生されると、ネガティブ・フィードバック機構によってALAの生合成が阻害される。しかし、外因性のALAが過剰に投与されると、ネガティブ・フィードバック機構が無効となり、ヘム生合成における律速酵素であるフェロキラターゼが枯渇し、生体内因性のポルフィリン系化合物、特にプロトポルフィリンIX(PpIX)が細胞内に多量に蓄積される。ALAを用いたPDTにおいては、このPpIXを光増感性物質として利用する。この治療法は、新たな耐性菌を生じる事がないために、耐性菌治療に難渋する現代医療における新たな細菌感染の治療法として期待されている。
【0005】
一方、非特許文献1において、PpIXの吸収スペクトルが開示されている。PpIXの光吸収ピークは、波長410nm、510nm、545nm、580nm、635nmに位置することが記載されている。
【0006】
一般的に光治療に関しては、新生児黄疸、乾癬、ニキビ、等の疾患治療や、痛みの緩和、美容等、多様な目的で利用されている。新生児黄疸治療には緑色光、青白色光が、乾癬治療には紫外光が、ニキビ治療には青色光、赤色光、黄色光が使用されている。早期肺癌(病期0期または病期1期肺癌)、表在型食道癌、表在型早期胃癌、子宮頸部初期癌、および異形成治療には赤色光が使用されている。このように、用途によって種々の光源が用いられている。
【0007】
このような技術を普及させるため、種々の3次元的形状、サイズを有する患部に均一に光を照射することが出来る光照射装置が求められている。
【0008】
従来、光照射装置としては、エキシマランプやアーク灯等の光源を用いた装置、レーザを光源として用いた装置、光ファイバを用いて面状に治療光を照射する方式の装置等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】日本国公開特許公報「特開平9−38221号(1997年2月10日公開)」
【特許文献2】日本国公開特許公報「特開平11−192315号(1999年7月21日公開)」
【特許文献3】日本国公表特許公報「特表2007−518467号(2007年7月12日公表)」
【特許文献4】日本国公表特許公報「特表2013−532503号(2013年8月19日公表)」
【特許文献5】日本国公開特許公報「特開2015−24060号(2015年2月5日公開)」
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2014/files/setumei_140819.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した従来の光照射装置では、特に、数cm程度の比較的小面積の局所的疾患に対して光治療を行う場合、以下の課題がある。
【0012】
エキシマランプやアーク灯等のランプ型の光源を用いる場合には、照射面積が大き過ぎて患部以外にも光が当たるため、正常部位に対する種々の副作用が懸念される。したがって、正常部位への治療光の照射を防ぐ何らかの遮蔽対策が必要であり、治療に時間と手間がかかることとなる。例えば、顔の一部にできた疾患を治療する場合、正常部位である目を保護するアイマスク(目隠し)が必要であり、さらに、顔の正常部位を保護するために、顔の患部のみを露出するようにしたマスクも必要となる。また、患者は治療のために身体を拘束された状態で、数十分の間不動の姿勢を保つ必要があり、治療のためとは言え、これは好ましい経験ではない。また、患部が、例えば、腕、足、顔、臀部のように湾曲した表面を有する場合には、表側、裏側、横側等部位によっては、ランプ型の照射装置では、患者に無理な姿勢を強いることになりかねない。また、湾曲部を有する患部のランプに対する角度や距離によって、患部の場所によって照射強度が異なり、患部全体に対して均一の光照射を行う事が難しい場合が生じる。さらに、この様なランプ型の光源を用いた装置は、電源や冷却装置等の付属装置も多く、大型であるため、設置するためには大きなスペースを要すると共にその価格が高額になる。したがって、治療施設にしか設置できず、治療のための通院が必須となる。
【0013】
レーザを光源として用いた装置においては、その照射光は照射面積が小さいスポット光となる為、大面積の患部全体に治療光を照射するためにはスポット光を走査することが必要となり、装置が複雑および高価になってしまう。
【0014】
光ファイバを用いて、面状に治療光を照射する方式の装置では、光ファイバへ光を送り込む効率が比較的低いため、どうしても治療光の照射パワーが低くなり、比較的長時間の治療にしか向かない。
【0015】
そこで、患部から一定距離を保ち(場合によっては接触し)、患部の形状に沿って患部を覆うことができる、均一に光照射できる光源を備えたフレキシブル基板が求められている。
【0016】
なお、このような要望に対して、以下で説明するような幾つかの技術が提案されている。
【0017】
特許文献1には、フレキシブルな基板に多数個のLEDを取り付けることにより、自由形状でしかも曲げることが可能な、面状光源帯(ガードル)やガウンなど衣類の形をした光治療器が開示されている。しかし、特許文献1には、2つの波長を有する光を治療に使うことについての開示は無く、患部に効率良く、均一に光照射するための具体的な開示も無い。
【0018】
特許文献2には、フレキシブルな基板に近赤外線LEDを取り付けた温熱治療器が開示されている。しかし、2つの波長を有する光を治療に使うことについての開示は無く、患部に効率良く、均一に光照射するための具体的な開示も無い。
【0019】
特許文献3には、フレキシブルな基板に2波長以上の光を発する有機ELを取り付けた治療器が開示されている。しかし、2つの波長を有するLEDの光を治療に使うことについての開示はあるが、患部に効率良く、均一に光照射するための具体的な開示は無い。
【0020】
特許文献4には、使い捨ての接着シートを有する、光を使った医療器具が開示されている。しかし、2つの波長を有するLEDの光を治療に使うことについての開示は無く、患部に効率良く、均一に光照射するための具体的な開示も無い。
【0021】
特許文献5には、青色LEDと緑色LEDを組み合わせた黄疸治療のための光治療器が開示されている。しかし、2つの波長を有するLEDの光を治療に使うことについての開示はあるが、フレキシブルLEDでは無いし、患部に効率良く均一に光照射するための具体的な開示も無い。
【0022】
つまり、これらの技術は、本願の解決する課題に関し、何れも実現していないか、もしくは、広く用いられる状況には無い。
【0023】
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的小さな疾患部の治療に適した、平坦ではない患部に対しても、患部全体に対してほぼ均一で効率的な2つの波長の光照射を実現することができる、光照射装置および光治療器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る光照射装置は、少なくとも1個のLED光源をフレキシブル基板に二次元配置してなるLED光源群を備えており、上記LED光源群が出射する光は、380nm以上430nm以下の波長範囲に発光強度のピークを有する第1波長域光と、430nmよりも波長が長く、635nm以下の波長範囲に発光強度のピークを有する第2波長域光とを含んでおり、上記LED光源群は面内光照射強度が均一であることを特徴としている。
【0025】
なお、本明細書において面内光照射強度が均一であるとは例えば、図21に示すように、最外周のLEDチップ5の中心線で囲まれるエリアにおいて、
1.380nm以上430nm以下の波長範囲(第1波長域)光の放射照度(mW/cm)をP(λ)、430nmよりも波長が長く、635nm以下の波長範囲(第2波長域)光の放射照度をP(λ)が上記第1波長域光の面内最大放射照度をP1max(λ)、上記第2波長域の面内最大放射照度をP2max(λ)、PpIXの吸収係数をα(λ)とした時、上記第1波長域光の面内均一度Uと上記第2波長域の面内均一度Uについて、
=0.5≦∫P(λ)/∫P1max(λ)dλ≦1 式(1)
かつ、
=0.5≦∫P(λ)dλ/∫P2max(λ)dλ≦1 式(2)
が成り立つ場合を言う。
【0026】
、Uが0.5よりも小さい場合、最低光エネルギー密度をJmin(光増感性物質の種類と対象疾患により決まる)、光照射時間をtとした時、最低放射照度Pminは、
min=Jmin/t
で表される。被照射物の面内において、最低放射照度以上の光照射を行うためには、最低放射照度の少なくとも2倍よりも大きな放射照度が必要となる。光治療において、光が強すぎる場合、光増感性物質の種類によっては、全ての人にとって耐え難い痛みを伴うことが考えられる。そのため、0.5以上であることが望ましい。
【0027】
最も望ましくは0.7以上であり、U、Uが0.5以上0.7よりも小さい場合、人によっては耐えがたい痛みを伴うことが考えられる。そのため、0.7以上であるとなお望ましい。
【0028】
あるいは、
2.第1波長域光のエネルギー密度J(λ)、第2波長域光のエネルギー密度J(λ)はそれぞれ、J(λ)=∫P(λ)dt、J(λ)=∫P(λ)dtと表されるが、上記第1波長域光の面内最大エネルギー密度をJ1max(λ)、上記第2波長域の面内最大エネルギー密度をJ2max(λ)とした時、上記第1波長域光のエネルギー密度の均一度U、第2波長域光のエネルギー密度の均一度Uについて、
=0.5≦∫J(λ)/∫J1max(λ)dλ≦1 式(3)
かつ、
=0.5≦∫J(λ)dλ/∫J2max(λ)dλ≦1 式(4)
が成り立つ場合を言う。
【0029】
、Uが0.5よりも小さい場合、被照射物(患部)の面内において、最低光エネルギー密度の少なくとも2倍よりも大きなエネルギー密度、すなわち放射照度が必要となる。光治療において、光が強すぎる場合、光増感性物質の種類によっては、全ての人にとって耐え難い痛みを伴うことが考えられる。そのため、0.5以上であることが望ましい。
【0030】
最も望ましくは0.7以上であり、U、Uが0.5以上0.7よりも小さい場合、人によっては耐えがたい痛みを伴うことが考えられる。そのため、0.7以上であるとなお望ましい。
【0031】
あるいは、
3.ポルフィリンIX(PpIX)などの光増感性物質を使用する場合、PpIXの吸収係数をα(λ)とした時、第1波長域光の面内光均一度U、第2波長域光の面内均一度Uについて、
=0.5≦∫P(λ)α(λ)dλ/∫P1max(λ)α(λ)dλ≦1
式(5)
かつ、
=0.5≦∫P(λ)α(λ)dλ/∫P2max(λ)α(λ)dλ≦1
式(6)
が成り立つ場合を言う。
【0032】
、Uが0.5よりも小さい場合、被照射物の面内において、最低放射照度以上の光照射を行うためには、最低放射照度の少なくとも2倍よりも大きな放射照度が必要となる。光治療において、光が強すぎる場合、光増感性物質の種類によっては、全ての人にとって耐え難い痛みを伴うことが考えられる。そのため、0.5以上であることが望ましい。
【0033】
最も望ましくは0.7以上であり、U、Uが0.5以上0.7よりも小さい場合、人によっては耐えがたい痛みを伴うことが考えられる。そのため、0.7以上であるとなお望ましい。
【0034】
あるいは、
4.3.と同様に光増感性物質を使用する場合、第1波長域光の面内エネルギー均一度U、第2波長域光の面内エネルギー均一度Uについて、
=0.5≦∫J(λ)α(λ)dλ/∫J1max(λ)α(λ)dλ≦1
式(7)
かつ、
=0.5≦∫J(λ)α(λ)dλ/∫J2max(λ)α(λ)dλ≦1
式(8)
が成り立つ場合を言う。
【0035】
、Uが0.5よりも小さい場合、被照射物(患部)の面内において、最低光エネルギー密度の少なくとも2倍よりも大きなエネルギー密度、すなわち放射照度が必要となる。光治療において、光が強すぎる場合、光増感性物質の種類によっては、全ての人にとって耐え難い痛みを伴うことが考えられる。そのため、0.5以上であることが望ましい。
【0036】
最も望ましくは0.7以上であり、U、Uが0.5以上0.7よりも小さい場合、人によっては耐えがたい痛みを伴うことが考えられる。そのため、0.7以上であるとなお望ましい。
【0037】
また、上記の問題を解決するために、本発明の別の態様に係る光治療器は、本発明の一態様に係る光照射装置を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0038】
本発明の各態様によれば、比較的小さな疾患部の治療に適した、平坦では無い患部に対しても、患部全体に対してほぼ均一で効率的な光照射を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の構成を示す断面模式図である。
図2】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の構成を示す表面模式図である。
図3】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の構成を示す裏面模式図である。
図4】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の発光スペクトルの第1例を示すグラフである。
図5】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の発光スペクトルの第2例を示すグラフである。
図6】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の発光スペクトルの第3例を示すグラフである。
図7】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の発光スペクトルの第4例を示すグラフである。
図8】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の発光スペクトルの第5例を示すグラフである。
図9】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の発光スペクトルの第6例を示すグラフである。
図10】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の発光スペクトルの第7例を示すグラフである。
図11】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の発光スペクトルの第8例を示すグラフである。
図12】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の発光スペクトルの第9例を示すグラフである。
図13】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の発光スペクトルの第10例を示すグラフである。
図14】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の発光スペクトルの第11例を示すグラフである。
図15】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の発光スペクトルの第12例を示すグラフである。
図16】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の発光スペクトルの第13例を示すグラフである。
図17】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の発光スペクトルの第14例を示すグラフである。
図18】本発明の実施形態1に係る光照射用基板の発光スペクトルの第15例を示すグラフである。
図19】本発明の実施形態1に係る各蛍光体の比較表である。
図20】本発明の実施形態1〜8に係る光照射用基板の光治療器としての形態を示す断面模式図である。
図21】本発明の実施形態1に係る均一性の定義説明のための模式図である。
図22】本発明の実施形態2に係る光照射用基板の構成を示す断面模式図である。
図23】本発明の実施形態2に係る光照射用基板の構成を示す表面模式図である。
図24】本発明の実施形態2に係る光照射用基板の構成を示す裏面模式図である。
図25】本発明の実施形態3に係る光照射用基板の構成を示す断面模式図である。
図26】本発明の実施形態3に係る光照射用基板の構成を示す表面模式図である。
図27】本発明の実施形態3に係る光照射用基板の構成を示す裏面模式図である。
図28】本発明の実施形態3に係る光照射用基板の発光スペクトルの例を示すグラフである。
図29】本発明の実施形態4に係る光照射用基板の構成を示す断面模式図である。
図30】本発明の実施形態4に係る光照射用基板の構成を示す表面模式図である。
図31】本発明の実施形態4に係る光照射用基板の構成を示す裏面模式図である。
図32】本発明の実施形態5に係る光照射用基板の構成を示す表面模式図である。
図33】本発明の実施形態6に係る光照射用基板の構成を示す表面模式図である。
図34】本発明の実施形態6に係る光照射用基板の発光スペクトルの例を示すグラフである。
図35】本発明の実施形態7に係る光照射用基板の構成を示す表面模式図である。
図36】本発明の実施形態7に係る光照射用基板の発光スペクトルの例を示すグラフである。
図37】本発明の実施形態8に係る光照射用基板の説明のための表面模式図である。
図38】本発明の実施形態8に係る光照射用基板の説明のための裏面模式図である。
図39】本発明の実施形態9に係る光照射用基板の説明のための裏面模式図である。
図40】本発明の実施形態9に係る光照射用基板の発光スペクトルの一例を示すグラフである。
図41】本発明の実施形態9に係る光照射用基板の光治療器としての形態を示す断面模式図である。
図42】本発明の実施形態9に係る光照射用基板に波長変換部材含有スペーサを取り付けたときの発光スペクトルの一例を示すグラフである。
図43】本発明の実施形態10に係る光照射用基板の光治療器としての形態を示す断面模式図である。
図44】本発明の実施形態11に係る光照射用基板の光治療器としての形態を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。但し、以下の実施形態に記載されている構成要素の各寸法、材質、形状、相対配置、加工法等はあくまで一実施形態に過ぎず、これらによってこの発明の範囲が限定解釈されるべきではない。さらに図面は模式的なものであり、寸法の比率、形状は現実のものとは異なる。
【0041】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について、図1図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、以下では、光照射用基板におけるLED(発光ダイオード)搭載面を表面(第1面)とし、LEDチップ搭載面とは反対側の面を裏面(第2面)として説明する。
【0042】
(光照射用基板1)
図1は、本実施形態に係る光照射用基板(光照射装置)1の構成を示す断面模式図である。図2は、本実施形態に係る光照射用基板1の構成を示す表面模式図である。図3は、本実施形態に係る光照射用基板1の構成を示す表面模式図である。
【0043】
図1は、図2に示す光照射用基板1のA−A´線の断面図に相当する。但し、図2では図示の便宜上、LED保護樹脂7の図示を省略している。
【0044】
図1〜3に示すように、光照射用基板1は、フレキシブル基板2、絶縁分離溝3で互いに絶縁分離された複数の配線(配線パターン、第1面配線)4、複数のLEDチップ(LED素子)5、複数のボンディングワイヤ6、LED保護樹脂7、波長変換部材15、複数の裏側配線8、接続部シール9、および外部接続部10、を備えている。全てのLEDチップ5の集合が、本発明に係るLED光源群に対応する。
【0045】
フレキシブル基板2の一方の主面(表面、第1面)には、配線4が形成されている。配線4上には、光源となるLEDチップ5が搭載されている。各配線4間は、絶縁分離溝3で絶縁分離されており、1つの配線4に、1つのLEDチップ5が搭載されている。LEDチップ5は、該LEDチップ5が搭載された配線4および該配線4とY方向に絶縁分離溝3を介して隣り合う配線4に対し、それぞれボンディングワイヤ6で接続されている。複数のLEDチップ5は、後述するとおり、フレキシブル基板2に二次元配置されている。
【0046】
LEDチップ5およびボンディングワイヤ6は、保護膜としてのLED保護樹脂7で覆われている。LED保護樹脂7には、LEDチップ5が出射する第1波長域光を吸収することにより、第2波長域光を放出する波長変換部材15が含まれている。第1波長域光および第2波長域光の詳細については後述する。
【0047】
一方、フレキシブル基板2の他方の主面(裏面、第2面)には、裏側配線8が形成されている。
【0048】
フレキシブル基板2には、該フレキシブル基板を貫通する接続穴11が形成されている。配線4と裏側配線8とは、接続穴11を介して接続されている。また、配線4は、裏側配線8を介して外部接続部10と電気的に接続されている。外部接続部10と裏側配線8との結線部は、接続部シール9で絶縁分離されている。
【0049】
次に、光照射用基板1における各構成要素について、より詳細に説明する。
【0050】
(フレキシブル基板2)
フレキシブル基板2は、絶縁性基板であり、例えばポリイミド等の絶縁性フィルムで形成されている。但し、フレキシブル基板2の材料はポリイミドに限る必要は無く、絶縁性の素材で、必要な強度とフレキシビリティを有するなら、どのような材料でも使用できる。上記フレキシブル基板5としては、ポリイミド樹脂フィルム以外にも、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のフィルムや、これらのフィルムの表面に白色顔料を含む樹脂(白樹脂、白レジスト、等)を塗布した高反射性の樹脂フィルム、白色顔料を混合した高反射性樹脂フィルム等、様々な材料が使用可能である。高反射性材料は、コストは高いが、基板の反射性が高く、光照射効率を向上できる。安価な透明樹脂では、基板の裏面に漏れる光への対策が必要な場合がある。
【0051】
光治療を適用する患部には、種々の形状、サイズ、面積がある。このため、フレキシブル基板2の大きさ、およびフレキシブル基板2の形状は、特に限定されない。フレキシブル基板2は、患部を覆う大きさを有していればよいが、光照射用基板1が患部のみを覆って光照射する大きさを有していることで、患者に対する拘束性を少なくし、患者に対する負担を最小限に抑制することができる。
【0052】
光照射用基板1は、数cm程度の比較的小面積の局所的疾患に好適に使用される。フレキシブル基板2は、この局所的疾患に対応した大きさに形成されていることが望ましい。
【0053】
フレキシブル基板2の厚みは、必要な強度とフレキシビリティとを有していれば、特に限定されない。本実施形態では50μm厚のフィルムを用いたが、他の厚さでもよい。
【0054】
(配線4)
フレキシブル基板2上には、銀メッキ層12と、表面が銀メッキ層12で覆われた銅メッキ層13(銅メッキ配線、第1導電材料)とからなる配線4が形成されている。
【0055】
配線4は、例えば、ポリイミド製フィルムからなるフレキシブル基板2の表面に銅メッキを施し、絶縁分離溝3を形成することでパターン化された銅メッキ層13を形成し、該銅メッキ層13の表面を銀メッキすることで形成することができる。
【0056】
配線材料は、抵抗が低く、その表面の反射率が高くなければならない。特に、光照射時のロスを低減するためには、反射によるエネルギーロスは最小限にする必要がある。そのためには、全光束反射率を、少なくとも80%、望ましくは90%以上にする必要がある。ここで全光束反射率とは、鏡面反射の反射率ではなく、入射光のエネルギーに対する、拡散反射された全ての反射光を積分した光エネルギーの割合を示す。
【0057】
このため、フレキシブル基板2の表側の配線4の少なくとも表面には、全光束反射率が80%以上の反射材料(以下、「高反射率材料」と称する)、望ましくは、全光束反射率が90%以上の高反射率材料が使用される。これは、患部から反射されてくる光をできる限り反射して患部に戻し、光のロスを最小限に抑制するためである。
【0058】
配線4が、表面に銀メッキ層12を有していない場合、銅メッキ層13による光吸収が生じ、光照射用基板1による照射時間を1.2倍に長くする必要がある場合が有った。
【0059】
なお、上記高反射率材料としては、正反射材料であってもよく、拡散反射材料であってもよい。本実施形態では、配線4に、上述したように、表面に銀メッキを施した、銅メッキ層13からなる銅配線を用いたが、配線4あるいは配線4の表面には、例えばアルミニウム等の材料を使用してもよい。
【0060】
以下、配線4による配線パターンを、第1導電材料パターン14と称する。本実施形態では、第1導電材料パターン14が、できる限り広い面積に渡って、フレキシブル基板2の表面を覆うことが、光照射効率を上げる上で重要である。
【0061】
(LEDチップ5およびボンディングワイヤ6)
LEDチップ5は治療目的に応じて選択しなければならない。本実施形態では、405nmのピーク(発光強度のピーク)波長を有するLEDチップを選択した。波長変換部材15を励起することができれば、405nmに限る必要はない。
【0062】
光治療のように一定の広さのある患部を均一に光照射するためには、ハイパワーの(サイズの大きな)LEDチップ5を少数個使うよりも、比較的小さなLEDチップ5を多数配置する方がよい。本実施形態では、複数のLEDチップ5として、440μm×550μmサイズのLEDチップを64個、フレキシブル基板2へ搭載した。
【0063】
LEDチップ5は、図2に示すようにX方向(第1方向)および該X方向と同じ面内で該X方向に直交するY方向(第2方向)に沿った8個×8個の2次元アレイ状に配置した(二次元配置)。図2に示すように、X方向に互いに隣接するLEDチップ5間のピッチをPxとし、上記X方向に直交するY方向に互いに隣接するLEDチップ5間のピッチをPyとすると、LEDチップ5は、ほぼ一定間隔(Px、Py)で2次元アレイ状に配置されている。
【0064】
なお、ここで、X方向およびY方向は、LEDチップ5の配列方向であり、本実施形態では、LEDチップ5を、矩形状(例えば正方形状)のフレキシブル基板2の各辺に平行に配列した。また、上記X方向あるいはY方向に互いに隣接するLEDチップ5間のピッチは、上記X方向あるいはY方向に互いに隣接するLEDチップ5の中心間の距離を示す。
【0065】
このように、光照射用基板1内に、LEDチップ5を、ほぼ一定間隔(Px、Py)で2次元アレイ状に配置することで、光照射用基板1内での光照射強度の均一性を向上させることができる。
【0066】
なお、一般的には、Px=Pyであるが、LEDチップ5の形状によって、上記X方向とY方向とで光出力分布が異なる場合がある。この場合は、上記X方向とY方向とでLEDチップ5間のピッチ(Px、Py)を変更することが望ましい。例えば、細長い形状のLEDチップ5では、その長辺に垂直な方向に光が出易く、その短辺に垂直な方向に出る光は少ない傾向がある。また、LEDチップ5の長辺が例えば上記X方向に平行な場合、Px<Pyとすることが望ましい。最も単純化するためには、ほぼ正方形に近いLEDチップ5を使用し、Px=Pyとすることが望ましい。なお、上述した傾向はLEDチップ5の電極の配置の影響を受ける場合が有る。このため、実際のLEDチップ5の発光特性によって、最適化することが望ましい。
【0067】
本実施形態では、上記LEDチップ5の平均ピッチは5mm〜10mm程度とした。このサイズのLEDチップ5としては、サファイア基板上に窒化物半導体層をエピタキシャル成長し、カソード電極とアノード電極とが同一面に形成された、最もありふれた構造のLEDチップが、最も発光効率が良い。
【0068】
本実施形態では、上述した、カソード電極とアノード電極とが同一面に形成されたLEDチップ5を、配線4上に、透明なダイボンドペーストで接着し、LEDチップ5の図示しないカソード電極およびアノード電極を、図1〜3に示すように、ボンディングワイヤ6で、配線4と接続(結線)した。
【0069】
ボンディングワイヤ6には金(金ボンディングワイヤ)を使用した。但し、ボンディングワイヤ6は、必ずしも金である必要はなく、銀やアルミニウム等からなる公知のボンディングワイヤを使用することができる。
【0070】
なお、LEDチップ5がいわゆる上下電極構造である場合、すなわちカソード電極およびアノード電極が上下電極構造を有するLEDチップ5を使用する場合には、LEDチップ5の下部電極となる、LEDチップ5の下面を、配線4上に銀ペースト等の導電材料で接着し、上部電極を、該LEDチップ5が搭載された配線4とは別の配線4とボンディングワイヤ6で接続することになる。
【0071】
(LED保護樹脂7および波長変換部材15)
LEDチップ5およびボンディングワイヤ6を保護するため、これらLEDチップ5およびボンディングワイヤ6は、LED保護樹脂7で覆われている。LED保護樹脂7中には、波長変換部材15がほぼ均一に混合されている。本実施形態では、予め、LED保護樹脂7と波長変換部材15を攪拌、脱泡後、封止を行った。
【0072】
波長変換部材15としては、一般式BaSi(O,Cl):Eu、(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn、(Ba,Sr)Si:Eu、SrAl1425:Eu、SrAl:Eu、(Sr,Al)(O,N):Eu、(Lu,Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce、(Ca1.7Si8.2)Al3.80.315.7:Eu、LaSi11:Ce、(Sr,Ca)AlSiN:EuおよびKSiF:Mnを使用すると、LEDチップ5の発する波長405nmの光で効率よく励起することができる。ピーク波長を例えば450nmのLEDチップ5をさらに加えることも可能である。
【0073】
BaSi(O,Cl):Eu蛍光体を使用した場合の発光スペクトルを図4に示す。
【0074】
(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn蛍光体を使用した場合の発光スペクトルを図5に示す。
【0075】
(Ba,Sr)Si:Eu蛍光体を使用した場合の発光スペクトルを図6に示す。
【0076】
SrAl:Eu蛍光体を使用した場合の発光スペクトルを図7に示す。
【0077】
(Sr,Al)(O,N):Eu蛍光体を使用した場合の発光スペクトルを図8に示す。
【0078】
(Sr,Al)(O,N):Eu蛍光体を使用した場合の発光スペクトルを図9に示す。
【0079】
(Lu,Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce蛍光体を使用した場合の発光スペクトルを図10に示す。
【0080】
(Ca1.7Si8.2)Al3.80.315.7:Eu蛍光体を使用した場合の発光スペクトルを図11に示す。
【0081】
(Sr,Ca)AlSiN:Eu蛍光体を使用した場合の発光スペクトルを図12に示す。
【0082】
(Sr,Ca)AlSiN:Eu蛍光体を使用した場合の発光スペクトルを図13に示す。
【0083】
(Sr,Ca)AlSiN:Eu蛍光体を使用した場合の発光スペクトルを図14に示す。
【0084】
(Sr,Ca)AlSiN:Eu蛍光体を使用した場合の発光スペクトルを図15に示す。
【0085】
(Lu,Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce蛍光体を使用した場合の発光スペクトルを図16に示す。
【0086】
(Lu,Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce蛍光体を使用した場合の発光スペクトルを図17に示す。
【0087】
SiF:Mn蛍光体を使用した場合の発光スペクトルを図18に示す。
【0088】
図4〜18に示す通り、発光スペクトルには、第1波長域光と、第2波長域光が含まれている。
【0089】
図16〜18に示す発光スペクトルでは、ピーク波長450nmの光を持つ、LEDチップ5を加えており、LEDチップ5の発光は、ピーク波長405nmと450nmの両方に存在する。ピーク波長450nmの光が主に蛍光体励起に寄与する。
【0090】
これらの各蛍光体を用いた試作の特徴を図19にまとめた。蛍光体は、治療光に求められる特性に応じたものを自由に選択し、発光スペクトルをカスタマイズすることが可能である。
【0091】
なお、光照射用基板1の柔軟性をできるだけ確保するため、LED保護樹脂7は、可能な限り柔軟な樹脂を使った方がよい。硬い樹脂では、光照射用基板1を曲げた場合に、ボンディングワイヤ6が断線する場合があるためである。
【0092】
(外部接続部10および裏側配線8)
外部接続部10は、光照射用基板1と、光照射用基板1に電流を供給する外部の電源とを接続するための配線部である。外部接続部10は、外部から、配線4を介して、LEDチップ5に電力を供給するためのものである。
【0093】
本実施形態では、図1および図3に示すように、外部接続部10をフレキシブル基板2の裏面側に設けている。外部接続部10は、裏側配線8とハンダ接続等により結線されている。裏側配線8は、接続穴11を介して、表側の配線4の一部と繋がっている。このように、裏側配線8と配線4とが互いに電気的に接続されていることによって、外部接続部10は、裏側配線8を介して配線4に電気的に接続されている。
【0094】
外部接続部10は、例えば、リード線、および該リード線をフレキシブル基板2に接続するためのコネクタ等を備えている。また、外部接続部10は、電源との接続の利便性を高めるため、ソケット、プラグ等により終端し、簡単に電源と接続できるように構成されていることが好ましい。したがって、図3では、外部接続部10としてリード線を記載している。但し、これはあくまで例示であって、実際にはリード線を接続するためのコネクタ等がフレキシブル基板2の裏面側に設置されていてもよい。
【0095】
また、外部接続部10は、図3に示すように、カソード外部接続部10aとアノード外部接続部10bとを備えている。図3は、本実施形態に係る光照射用基板1の構成を示す裏面模式図である。上記裏側配線8は、それぞれ、外部接続部10と裏側配線8との結線部を覆うように、絶縁性の樹脂からなる接続部シール9で被覆されていることが好ましい。このように、上記裏側配線8(結線部)をそれぞれ接続部シール9で被覆することで、互いに絶縁分離することができると共に、光照射用基板1の裏面の絶縁性を確保することができる。
【0096】
光照射用基板1の表面側には、後述するように、患部との間の距離を一定に保ち、光照射用基板1と患部20との位置関係を固定するスペーサ21(図20参照)が設けられる。このため、光照射用基板1の表面側には、光照射用基板1の配線に対する外部接続部10を設け難いが、外部接続部10を表面側に設けることも可能である。
【0097】
(スペーサ21)
図20に示すように、実際の治療では、治療光18の光照射に際し、光照射用基板1の表面(具体的には、LEDチップ5の表面)と例えばマウス17等の皮膚19の患部20との間の距離を一定に保ち、光照射用基板1と患部20との位置関係、特にLEDチップ5と患部20との位置関係を固定するために、スペーサ21が必要となる。
【0098】
スペーサ21としては、一定の厚さを保つように加工したプラスチック製の袋に水または空気を詰めたもの、エポキシ系またはポリウレタン系の柔軟性のある透明な樹脂板、板状に加工した吸水性ポリマー等、種々の形態が使用できる。
【0099】
スペーサ21および光照射用基板1は、互いに一体化されていてもよく、それぞれ別部材として用いてもよい。
【0100】
スペーサ21は、例えば患部20およびその周辺に白色ワセリンを薄く塗ることで、患部20と密着させることができる。同様に、光照射用基板1とスペーサ21との間に、例えば白色ワセリンを薄く塗ることで、光照射用基板1とスペーサ21とを互いに密着させることができる。
【0101】
しかしながら、スペーサ21を、予め光照射用基板1の表面側に例えば接着しておくことで、患部20に光照射用基板1を貼りつける工程を容易にすることができる。
【0102】
スペーサ21と光照射用基板1との接着には、例えば、公知の各種接着剤を用いることができる。
【0103】
すなわち、光照射用基板1は、スペーサ付光照射用基板であってもよく、LED保護樹脂7上に、例えば、図示しない接着層と、上記スペーサ21と、をさらに備えていてもよい。言い換えれば、本実施形態に係るスペーサ付光照射用基板は、図1〜3に係る光照射用基板1と、スペーサ21と、該光照射用基板1とスペーサ21とを接着する接着層と、を備えていてもよい。
【0104】
スペーサ21の材質として、ゴム硬度10〜20程度のものを用いるのが望ましい。これにより、腕、足、顔、臀部のように湾曲した表面に沿って無理なく曲げることが可能である。スペーサ21は、治療において、光照射用基板1を押さえる際に、光照射用基板1にかかる応力を低減する役割も持つ。
【0105】
患部20への光照射強度を均一化する上では、スペーサ21の厚さと、LEDチップ5の中心間のピッチ(つまり、ピッチPxおよびピッチPy)との関係が重要である。
【0106】
そこで、隣り合うLEDチップ5間のピッチの平均値をDとし、スペーサ21の平均の厚さをT(厳密には、LEDチップ5の表面からスペーサ21までの距離)とすると、T/Dは、好ましくはT/D≧0.5であり、より好ましくはT/D≧0.8である。一般的にT/Dが0.5よりも小さい場合には、LEDチップ5の直下部とLEDチップ5間の中央部の直下部とにおける光照射強度の差が大きくなる傾向にあることから、T/Dは、0.5以上とすることが望ましい。
【0107】
なお、本実施形態では、例えば、エポキシ系の透明低粘度樹脂、日新レジン株式会社製CEP−10Aを、厚さ約7mmで40mm角程度に成型した樹脂板をスペーサ21として使用し、T/Dを、7mm/5mm=1.4となるようにした。
【0108】
なお、光照射強度の均一性と言う観点からは、T/Dの値に特に上限はない。しかしながら、実際の治療時の取扱い易さは、スペーサ21が薄い程取り扱い性が向上する。このため、取り扱い性の観点からは、T/Dが例えば2.0以下となるようにスペーサ21の厚みを設定することが望ましい。
【0109】
以下の実施形態では、DとTについての記載かつ、T/D=1.4となるような構成についてのみ説明する。
【0110】
(効果)
本実施形態によれば、比較的小さな疾患部の治療に適した、平坦では無い患部に対しても、ほぼ均一で効率的な光照射を実現することができる光照射用基板1を提供することができる。
【0111】
本実施形態では、U=0.75、U=0.8が得られた。
【0112】
光増感性物質として他の物質を使用することも同様の関係式により導くことが可能である。
【0113】
第1波長域の光と第2波長域の光を含むLEDを実現するのに、一番単純な手段は、第1波長域の光を発するLED素子と、第2波長域の光を発するLED素子を組み合わせることである。本実施形態における光照射用基板1はこの方法に対し、下記の優位性を有する。
【0114】
(1)蛍光体の発光は、全方向に伝播するため、光照射用基板1の第1波長域の放射照度(mW/cm)の面内均一性、第2波長域の放射照度の面内均一性の点で有利である。
【0115】
(2)蛍光体の濃度を変えることによって、自由に上記第1波長域の光照射強度と第2波長域の光照射強度の比を変えることが可能である。これは、量産における歩留、作業容易性の点でも有利である。上記のように単純に2種類のLED素子を組み合わせる方法では、動作電流を制御する必要があり、困難である。
【0116】
図20は、本実施形態に係る光照射用基板1の治療への適用例を示す模式図である。
【0117】
光照射用基板1を用いた治療では、LEDチップ5を患部20と対向させて、外部接続部10を外部の電源に接続し、光照射を行う。
【0118】
次いで、上記光照射用基板1に、外部接続部10を介して外部電源より200mAの電流を8分間通電して、光照射強度を測定した。なお、時間と共に僅かに出力が減少するが、第1短波長域、第2長波長域それぞれにおいて、平均的に210mW/cmの放射照度であったことから、目標の約100J/cmのドーズを達成するために、通電時間(光照射時間)を8分に決定した。
【0119】
上記「METVIXA」局部投与と光照射を5回程度繰り返した後、癌細胞数の減少を確認できた。癌細胞が全体的に死滅していったことから、患部20全面でほぼ均一に癌細胞を死滅させる効果があったと推測できる。したがって、光照射用基板1を用いることで、図20に示すように患部20の背中のように、湾曲面を有する、平坦では無い比較的小さな患部20に対しても、ほぼ均一に光照射することが可能であることが証明された。
【0120】
また、スペーサ21よりも外側にフレキシブル基板2の端部がはみ出した場合のエネルギーの無駄や、正常部位への光照射の防止の観点からは、スペーサ21は光照射用基板1と同じかもしくは光照射用基板1よりも大きく形成されていることが望ましい。但し、スペーサ21が光照射用基板1よりも小さい場合であっても、大きなランプで患部に光を一斉照射する現在の光治療器に比べれば、遥かにロスは少ない。
【0121】
光照射用基板1によれば、光照射による副作用を最小限に抑制しつつ、効率的で均一な光照射を実現することができるので、患者や家族の負担を抑えた光治療効果を実現することができる。光照射用基板1によれば、患部の大きさに応じて、切り取ることが可能な光治療器を提供することができる。
【0122】
なお、以下の実施例では、上記光治療器としての説明は省くことにする。
【0123】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図22図24に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態では、実施形態1との相違点について説明するものとし、実施形態1で説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0124】
図22は、本実施形態に係る光照射用基板(光照射装置)1の構成を示す断面模式図である。図23は、本実施形態に係る光照射用基板1の構成を示す表面模式図である。図24は、本実施形態に係る光照射用基板1の構成を示す裏面模式図である。
【0125】
なお、図22は、図23に示す光照射用基板1のB−B´線の断面図に相当する。
【0126】
(光照射用基板1の概略構成)
図22〜24に示すように、光照射用基板1は、フレキシブル基板2、絶縁分離溝3で互いに絶縁分離された複数の配線4、複数のLEDチップ(LED素子)5、複数のボンディングワイヤ6、LED保護樹脂7、LED保護樹脂ドーム16、外部接続部10、裏側配線8、接続穴11、接続部シール9、および波長変換部材15を備えている。
【0127】
実施形態1との違いは、図22および23のように、波長変換部材15を混合させたLED保護樹脂ドーム16を形成している点である。
【0128】
LED保護樹脂ドーム16は、例えばディスペンサを用いたポッティングで形成することもできるが、形状の再現性を確保するためには、金型を使用して樹脂モールドした方がよい。
【0129】
LED保護樹脂ドーム16により埋められていない部分に、LED保護樹脂7を形成することにより、実施形態1と比べて、波長変換部材15の使用量を削減することが可能であり、コストを下げることができる。
【0130】
(発光スペクトル)
本実施形態では、波長405nmのLEDチップ5に対して、波長変換部材15として実施形態1の図5と同じく、(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn蛍光体を使用した。図5と同様のスペクトルが得られた。
【0131】
(スペーサ21)
本実施形態では、スペーサ21の厚さTは、実施形態1と同じとした。
【0132】
(効果)
本実施形態において、実施形態1とほぼ同じ、U=0.74、U=0.78が得られた。
【0133】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図25図27に基づいて説明すれば、以下の通りである。実施形態1で説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0134】
図25は、本実施形態に係る光照射用基板(光照射装置)1の構成を示す断面模式図である。図26は、本実施形態に係る光照射用基板1の構成を示す表面模式図である。図27は、本実施形態に係る光照射用基板1の構成を示す裏面模式図である。
【0135】
なお、図25は、図26に示す光照射用基板1のC−C´線の断面図に相当する。
【0136】
図25〜27に示すように、光照射用基板1は、フレキシブル基板2、絶縁分離溝3で互いに絶縁分離された複数の配線(配線パターン、第1面配線)4、複数の第1LEDチップ(LED素子)5a、複数の第2LEDチップ(LED素子)5b、複数のボンディングワイヤ6、LED保護樹脂7、複数の裏側配線8、接続部シール9、および外部接続部10、を備えている。全ての第1LEDチップ5a、および第2LEDチップ5bの集合が、本発明に係るLED光源群に対応する。
【0137】
フレキシブル基板2の一方の主面(表面、第1面)には、配線4が形成されている。配線4上には、光源となる第1LEDチップ5a、および第2LEDチップ5bが搭載されている。各配線4間は、絶縁分離溝3で絶縁分離されており、1つの配線4に、1つの第1LEDチップ5a、もしくは第2LEDチップ5bが搭載されている。第1LEDチップ5は、該LEDチップ5が搭載された配線4および該配線4とY方向に絶縁分離溝3を介して隣り合う配線4に対し、それぞれボンディングワイヤ6で接続されており、第2LEDチップ5も同様である。
【0138】
図26に示す光照射用基板において、一番左の列には、第1LEDチップ5aが、その右の列には、第2LEDチップ5bが、その右の列には、第1LEDチップ5aが同じように配列されている。
【0139】
第1LEDチップ5a、第2LEDチップ5bおよびボンディングワイヤ6は、保護膜としてのLED保護樹脂7で覆われている。
【0140】
一方、フレキシブル基板2の他方の主面(裏面、第2面)には、裏側配線8が形成されている。
【0141】
フレキシブル基板2には、該フレキシブル基板を貫通する接続穴11が形成されている。配線4と第1LEDチップ用裏側配線8a、配線4と第2LEDチップ用裏側配線8bとは、接続穴11を介して接続されている。また、配線4は、第1LEDチップ用裏側配線8aを介して第1LEDチップ用カソード外部接続部10c、および第1LEDチップ用アノード外部接続部10dと電気的に接続されている。配線4は、第2LEDチップ用裏側配線8bを介して第2LEDチップ用カソード外部接続部10e、および第2LEDチップ用アノード外部接続部10fと電気的に接続されている。外部接続部10と裏側配線8との結線部は、接続部シール9で絶縁分離されている。
【0142】
次に、光照射用基板1における各構成要素について、より詳細に説明する。
【0143】
(第1LEDチップ5a、第2LEDチップ5bおよびボンディングワイヤ6)
本実施形態では、第1LEDチップ5aとして、405nmのピーク波長を有するLEDチップを選択し、第2LEDチップ5bとして、505nmのピーク波長を有するLEDチップを選択した。
【0144】
光治療のように一定の広さのある患部を均一に光照射するためには、ハイパワーの(サイズの大きな)第1LEDチップ5a、および第2LEDチップ5bを少数個使うよりも、比較的小さな第1LEDチップ5a、および第2LEDチップ5bを多数配置する方がよい。本実施形態では、第1LEDチップ5aは、実施形態1と同じく、440μm×550μmサイズのLEDチップを32個、フレキシブル基板2へ搭載した。第2LEDチップ5bは、440μm×550μmサイズのLEDチップを32個、フレキシブル基板2へ搭載した。
【0145】
第1LEDチップ5a、および第2LEDチップ5bは、図26に示すようにX方向(第1方向)および該X方向と同じ面内で該X方向に直交するY方向(第2方向)に沿った8個×8個の2次元アレイ状に配置した(二次元配置)。図26に示すように、X方向に互いに隣接する第1LEDチップ5aもしくは第2LEDチップ5b間のピッチをPxとし、上記X方向に直交するY方向に互いに隣接する第1LEDチップ5aもしくは第2LEDチップ5b間のピッチをPyとすると、第1LEDチップ5a、および第2LEDチップ5bは、ほぼ一定間隔(Px、Py)で2次元アレイ状に配置されている。
【0146】
本実施形態では、上記LEDチップ5の平均ピッチは5mm〜10mm程度とした。このサイズのLEDチップ5としては、サファイア基板上に窒化物半導体層をエピ成長し、カソード電極とアノード電極とが同一面に形成された、最もありふれた構造のLEDチップが、最も発光効率が良い。
【0147】
(外部接続部10および裏側配線8)
一般に、第1LEDチップ5aと第2LEDチップ5bの動作電圧は同じとは限らない。図27に示す通り、第1LEDチップ5aを8個駆動するための電圧と、第2LEDチップ5bを8個駆動するための電圧が異なる場合、第1LEDチップ用裏側配線8a、第2LEDチップ用裏側配線8bとが必要となる。
【0148】
外部接続部10は、図27に示すように、第1LEDチップ用カソード外部接続部10cと第1LEDチップ用アノード外部接続部10dと第2LEDチップ用カソード外部接続部10eと第2LEDチップ用アノード外部接続部10fとを備えている。図27は、本実施形態に係る光照射用基板1の構成を示す裏面模式図である。上記裏側配線8は、それぞれ、外部接続部10と裏側配線8との結線部を覆うように、絶縁性の樹脂からなる接続部シール9で被覆されていることが好ましい。このように、上記裏側配線8(結線部)をそれぞれ接続部シール9で被覆することで、互いに絶縁分離することができると共に、光照射用基板1の裏面の絶縁性を確保することができる。
【0149】
(発光スペクトル)
図28に示すように、波長405nmに、第1LEDチップ5aの発光が、波長505nmに、第2LEDチップ5bの発光が見られた。意図した通り、第1波長域光と第2波長域光を併せ持つ、フレキシブルLEDが実現できた。
【0150】
(スペーサ21)
本実施形態では、LEDチップ間の平均ピッチDとは、第1LEDチップ5aと第2LEDチップ5bの繰り返し周期であり、実施形態1の2倍となる。よって、スペーサ21の厚さTは、実施形態1の2倍とした。
【0151】
(効果)
本実施形態において、U=0.71、U=0.72が得られた。
【0152】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、図29図31に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、主に実施形態3との差異について説明し、実施形態3で説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0153】
図29は、本実施形態に係る光照射用基板(光照射装置)1の構成を示す断面模式図である。図30は、本実施形態に係る光照射用基板1の構成を示す表面模式図である。図31は、本実施形態に係る光照射用基板1の構成を示す裏面模式図である。
【0154】
なお、図29は、図30に示す光照射用基板1のD−D´線の断面図に相当する。
【0155】
フレキシブル基板2の一方の主面(表面、第1面)には、配線4が形成されている。配線4上には、光源となる第1LEDチップ5a、および第2LEDチップ5bが搭載されている。各配線4間は、絶縁分離溝3で絶縁分離されており、1つの配線4に、1つの第1LEDチップ5a、もしくは第2LEDチップ5bが搭載されている。第1LEDチップ5aは、該第1LEDチップ5aが搭載された配線4および該配線4とY方向に絶縁分離溝3を介して隣り合う配線4に対し、それぞれボンディングワイヤ6で接続されている。第2LEDチップ5bは、該第2LEDチップ5bが搭載された配線4および該配線4とY方向に絶縁分離溝3を介して隣り合う配線4に対し、それぞれボンディングワイヤ6で接続されている。
【0156】
(第1LEDチップ5aおよび第2LEDチップ5b)
図29および図30に示す通り、本実施形態に係る光照射用基板1においては、第1LEDチップ5aと第2LEDチップ5bとを交互に、Y方向(第2方向)に4個1列に配置し、右の列は順番を逆に、Y方向に4個1列に配置し、右の列は順番を逆に、Y方向に4個1列に配置し、右の列は順番を逆に、Y方向に4個1列に配置している(二次元配置)。すなわち、第1LEDチップ5aの隣接チップは第2LEDチップ5bであり、第2LEDチップ5bの隣接チップは第1LEDチップ5aである。
【0157】
一方、フレキシブル基板2の他方の主面(裏面、第2面)には、裏側配線8が形成されている。
【0158】
フレキシブル基板2には、該フレキシブル基板を貫通する接続穴11が形成されている。配線4と裏側配線8とは、接続穴11を介して接続されている。また、配線4は、裏側配線8を介して外部接続部10と電気的に接続されている。外部接続部10と裏側配線8との結線部は、接続部シール9で絶縁分離されている。
【0159】
次に、光照射用基板1における各構成要素について、より詳細に説明する。
【0160】
本実施形態では、図30に示すように第1LEDチップ5aは、実施形態1と同じく、440μm×550μmサイズのLEDチップを32個、フレキシブル基板2へ搭載した。第2LEDチップ5bは、440μm×550μmサイズのLEDチップを32個、フレキシブル基板2へ搭載した。
【0161】
第1LEDチップ5a、および第2LEDチップ5bは、図30に示すようにX方向(第1方向)および該X方向と同じ面内で該X方向に直交するY方向(第2方向)に沿った8個×8個の2次元アレイ状に配置した(二次元配置)。図30に示すように、X方向に互いに隣接する第1LEDチップ5aと第2LEDチップ5b間のピッチをPxとし、上記X方向に直交するY方向に互いに隣接する第1LEDチップ5aと第2LEDチップ5b間のピッチをPyとすると、第1LEDチップ5a、および第2LEDチップ5bは、ほぼ一定間隔(Px、Py)で2次元アレイ状に配置されている。
【0162】
(外部接続部10および裏側配線8)
実施形態3と異なり、各列に4個の第1LEDチップ5aと4個の第2LEDチップ5bを直列接続しているため、各列の動作電圧はほぼ同じとなる。図31に示す通り、実施形態3と異なり、裏側配線は実施形態1と同じように1系統である。
【0163】
(発光スペクトル)
図28に示すように、実施形態3と同様に、波長405nmに、第1LEDチップ5aの発光が、波長505nmに、第2LEDチップ5bの発光が見られた。意図した通り、第1波長域光と第2波長域光を併せ持つ、LEDが実現できた。
【0164】
(スペーサ21)
本実施形態では、LEDチップ間の平均ピッチDとは、第1LEDチップ5aと第2LEDチップ5bの繰り返し周期であり、実施形態3の√2/2倍となる。それに伴い、スペーサ21の厚さTは、実施形態1の√2/2倍に薄くした。
【0165】
(効果)
本実施形態において、U=0.74、U=0.75が得られた。
【0166】
〔実施形態5〕
本発明の他の実施形態について、図32に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、主に実施形態4との差異について説明し、実施形態4で説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0167】
図32は、本実施形態に係る光照射用基板(光照射装置)1の構成を示す表面模式図である。
【0168】
フレキシブル基板2の一方の主面(表面、第1面)には、配線4が形成されている。配線4上には、光源となる第1LEDチップ5aと第2LEDチップ5bが搭載されている。各配線4間は、絶縁分離溝3で絶縁分離されており、1つの配線4に、1個の第1LEDチップ5aと1個の第2LEDチップ5bが搭載されている。第1LEDチップ5aは、第2LEDチップ5bおよび該第1LEDチップ5aが搭載された配線4とY方向に絶縁分離溝3を介して隣り合う配線4に対し、それぞれボンディングワイヤ6で接続されている。第2LEDチップ5bは、第2LEDチップ5bが搭載された配線4および第1LEDチップ5aに対し、それぞれボンディングワイヤ6で接続されている。
【0169】
(第1LEDチップ5aおよび第2LEDチップ5b)
図32に示す通り、本実施形態に係る光照射用基板1においては、1個の第1LEDチップ5aと1個の第2LEDチップ5bを一つのユニットとして、X方向、Y方向(第2方向)に8×8列に配置している(二次元配置)。
【0170】
次に、光照射用基板1における各構成要素について、より詳細に説明する。
【0171】
図32に示すように、X方向の第1LEDチップ5a間のピッチをPxとし、上記X方向に直交するY方向の第1LEDチップ5a間のピッチをPyとすると、1個の第1LEDチップ5aと1個の第2LEDチップ5bは、それらを一つのユニットとして、ほぼ一定間隔(Px、Py)で2次元アレイ状に配置されている。
【0172】
(発光スペクトル)
図28に示すように、実施形態4と同様に、波長405nmに、第1LEDチップ5aの発光が、波長505nmに、第2LEDチップ5bが見られた。意図した通り、第1波長域光と第2波長域光を併せ持つ、LEDが実現できた。
【0173】
(スペーサ21)
本実施形態では、LEDチップ間の平均ピッチDとは、第1LEDチップ5aと第2LEDチップ5bの繰り返し周期であり、実施形態4の2/√2倍となる。それに伴い、スペーサ21の厚さTは、実施形態4と比較して実施形態1と同じにした。
【0174】
(効果)
本実施形態において、U=0.75、U=0.74が得られた。
【0175】
〔実施形態6〕
本発明の他の実施形態について、図33に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、主に実施形態5との差異について説明し、実施形態5で説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0176】
図33は、本実施形態に係る光照射用基板(光照射装置)1の構成を示す表面模式図である。
【0177】
一般的に、第2LEDチップ5bのピーク波長が470nm以上の場合、第1LEDチップ5aと比較して、同一動作電圧下の第2LEDチップ5bの光強度は弱い。その場合、第2LEDチップ5bを例えば2個搭載することが必要となる。しかし、第2LEDチップ5bは、第1LEDチップ5aの発する光を吸収してしまうため、第1LEDチップ5aと第2LEDチップ5bはなるべく距離を開けて配置することが望まれる。また、第1波長域の光と第2波長域の光をほぼ均一に照射するためには、1個の第1LEDチップ5aと2個の第2LEDチップ5bを一つのユニットとして、配置することが必要となる。具体的には、2個の第2LEDチップ5bの重心を1個の第1LEDチップ5aの位置に一致させることが重要である。
【0178】
フレキシブル基板2の一方の主面(表面、第1面)には、配線4が形成されている。配線4上には、光源となる第1LEDチップ5aと第2LEDチップ5bが搭載されている。各配線4間は、絶縁分離溝3で絶縁分離されており、1つの配線4に、1個の第1LEDチップ5aと2個の第2LEDチップ5bが搭載されている。配線4、第2LEDチップ5b、第1LEDチップ5a、第2LEDチップ5b、Y方向に絶縁分離溝3を介して隣り合う配線4に対し、それぞれボンディングワイヤ6で接続されている。
【0179】
(第1LEDチップ5aおよび第2LEDチップ5b)
図33に示すように、本実施形態に係る光照射用基板1においては、1個の第1LEDチップ5aと2個の第2LEDチップ5bを一つのユニットとして、X方向、Y方向(第2方向)に8×8列に配置している(二次元配置)。
【0180】
次に、光照射用基板1における各構成要素について、より詳細に説明する。
【0181】
図33に示すように、X方向の第1LEDチップ5a間のピッチをPxとし、上記X方向に直交するY方向の第1LEDチップ5a間のピッチをPyとすると、1個の第1LEDチップ5aと2個の第2LEDチップ5bは、それらを一つのユニットとして、ほぼ一定間隔(Px、Py)で2次元アレイ状に配置されている。
【0182】
(発光スペクトル)
図34に示すように、実施形態5と同様に、波長405nmに、第1LEDチップ5aの発光が、波長505nmに、第2LEDチップ5bの発光が見られた。それと共に、意図した通り、第2波長域光のピーク強度が増大した。第2LEDチップ5bを2個配置した効果が確認できた。第1波長域光と第2波長域光を併せ持つ、LEDが実現できた。
【0183】
(スペーサ21)
本実施形態では、LEDチップ間の平均ピッチDとは、1個の第1LEDチップ5aと2個の第2LEDチップ5bの繰り返し周期であり、実施形態5と同じとなる。それに伴い、スペーサ21の厚さTは、実施形態5と同じにした。
【0184】
(効果)
本実施形態において、U=0.74、U=0.73が得られた。
【0185】
本実施形態において、2個の第2LEDチップ5bを搭載する場合を例に挙げたが、2個よりも多く配置することも可能である。その場合、同様の技術思想に基づき、空間的配置を考案することが可能である。
【0186】
光照射用基板1によれば、光照射による副作用を最小限に抑制しつつ、効率的で均一な光照射を実現することができるので、患者や家族の負担を抑えた光治療効果を実現することができる。光照射用基板1によれば、患部の大きさに応じて、切り取ることが可能な光治療器を提供することができる。
【0187】
〔実施形態7〕
本発明の他の実施形態について、図35に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、主に実施形態6との差異について説明し、実施形態6で説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0188】
図35は、本実施形態に係る光照射用基板(光照射装置)1の構成を示す表面模式図である。
【0189】
一般に、図35に示すように第1LEDチップ5aおよび第2LEDチップ5bの上面視が矩形である場合、第1LEDチップ5aおよび第2LEDチップ5bにおいて、チップの4つの辺から光が出射される。第2LEDチップ5bは、第1LEDチップ5aの発する光を吸収してしまう。本現象を改善するために、1個の第1LEDチップ5a、2個の第2LEDチップ5bをX方向だけでなく、Y方向にずらしている。換言すれば、配線4単位において、2つの第2LEDチップ5bにおける上記矩形の各辺と第1LEDチップ5aにおける上記矩形の各辺とが対向しないように配置されている。それにより、上記吸収をさらに下げることが可能となる。実施形態6と同じく、第1波長域の光と第2波長域の光をほぼ均一に照射するためには、1個の第1LEDチップ5aと2個の第2LEDチップ5bを一つのユニットとして、配置することが必要となる。具体的には、2個の第2LEDチップ5bの重心を1個の第1LEDチップ5aの位置に一致させる。
【0190】
図35に示す通り、本実施形態に係る光照射用基板1においては、1個の第1LEDチップ5aと2個の第2LEDチップ5bを一つのユニットとして、X方向、Y方向(第2方向)に8×8列に配置している(二次元配置)。
【0191】
次に、光照射用基板1における各構成要素について、より詳細に説明する。
【0192】
図35に示すように、X方向の第1LEDチップ5a間のピッチをPxとし、上記X方向に直交するY方向の第1LEDチップ5a間のピッチをPyとすると、1個の第1LEDチップ5aと2個の第2LEDチップ5bは、それらを一つのユニットとして、ほぼ一定間隔(Px、Py)で2次元アレイ状に配置されている。
【0193】
(発光スペクトル)
図36に示すように、実施形態6と同様に、波長405nmに、第1LEDチップ5aの発光が、波長505nmに、第2LEDチップ5bの発光が見られた。それと共に、意図した通り、第1波長域光のピーク強度が増大した。第2LEDチップ5bによる第1LEDチップ5aの発する光の吸収の減少による効果が確認できた。第1波長域光と第2波長域光を併せ持つ、LEDが実現できた。
【0194】
(スペーサ21)
本実施形態では、LEDチップ間の平均ピッチDとは、1個の第1LEDチップ5aと2個の第2LEDチップ5bの繰り返し周期であり、実施形態7と同じとなる。それに伴い、スペーサ21の厚さTは、実施形態7と同じにした。
【0195】
(効果)
本実施形態において、U=0.8、U=0.73が得られた。
【0196】
〔実施形態8〕
実施形態8について、図37図38に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、今までの実施形態で説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0197】
光照射用基板1の構成、スペーサ21の厚さは、実施形態1と同じである。
【0198】
図21は、本実施形態に係る光照射用基板1の光治療器としての適用例を示す断面模式図である。
【0199】
ところで、患部20の大きさは様々である。既に作製された光照射用基板1よりも患部20の大きさが明らかに小さく、光を患部20以外に当てたくない場合、図37および図38に示すように、カット可能ライン22で、光照射用基板1を切り取ることが可能である。これは、光照射用基板1が、はさみで簡単に切れるため、換言すれば、フレキシブル基板2、配線4、裏側配線8、LED保護樹脂7、スペーサ21等からなるために初めて可能となる。既に作製された光照射用基板1よりも患部20の大きさが明らかに大きい場合は、同様の技術思想に基づき、光照射用基板1を切り取り、切り取っていない光照射用基板1を組み合わせれば、可能となる。
【0200】
図38に示す通り、予め、外部接続部10を取り付けた光照射用基板1であれば、適切な裏側配線8に外部接続部10を取り付ける必要がある。または、予め、外部接続部10を複数取り付けておくのも格段の効果を有する。
【0201】
以上のことから、本実施形態に係る光照射用基板1は、比較的小さな疾患部の治療に適していると共に、ランプ型の照射装置のように患者に無理な姿勢を強いることがなく、また、平坦では無い患部に対しても、ほぼ均一で効率的な光照射を実現することができる。光照射用基板1を備えた光治療器についても同様である。
【0202】
(効果)
本実施形態において、実施形態7と同じく、U=0.8、U=0.73が得られた。
【0203】
〔実施形態9〕
本発明の他の実施形態について、図2〜3、および図39図42に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、主に実施形態1との差異について説明し、実施形態1で説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0204】
図39は、本実施形態に係る光照射用基板1の構成を示す断面模式図である。図2は、本実施形態に係る光照射用基板1の構成を示す表面模式図である。図3は、本実施形態に係る光照射用基板1の構成を示す裏面模式図である。なお、図39は、図2に示す光照射用基板1のA−A´線の断面図に相当する。
【0205】
(光照射用基板1の概略構成)
図2〜3、および図39に示すように、光照射用基板1は、フレキシブル基板2、絶縁分離溝3で互いに絶縁分離された複数の配線4、複数のLEDチップ(LED素子)5、複数のボンディングワイヤ6、LED保護樹脂7、外部接続部10、裏側配線8、接続穴11および接続部シール9を備えている。
【0206】
実施形態1との違いは、図39に示すように、波長変換部材15を備えていない点である。
【0207】
本実施形態に係る光照射用基板1の発光スペクトルの一例を図40に示す。ここでは、LEDチップ5として、第1LEDチップ5aのみを載せた場合を示す。図40に示すように、出射光には、第1波長域光のみが含まれていることがわかる。
【0208】
図41は、本実施形態に係る光照射用基板1の治療への適用例を示す模式図である。
【0209】
実施形態1の図20との違いは、図41に示すように、波長変換部材15を含有していないスペーサ21の替わりに、波長変換部材15を含有した波長変換部材含有スペーサ23を備えている点である。このように、波長変換部材含有スペーサ23は、波長変換部材15を含んでいる。
【0210】
(波長変換部材含有スペーサ23)
波長変換部材含有スペーサ23は、実施形態1に示した、スペーサ21に波長変換部材15を混合して作製する。本実施形態では、例えば、シリコーン系透明樹脂と(Ba,Sr)Si:Eu蛍光体とを予め混合、撹拌し、硬化、成型したものを用いた。なお、厚さは実施形態1と同じとした。ここでは、波長変換部材含有スペーサ23の材料としてシリコーン系透明樹脂を用いた。但し、必ずしもこれに限らず、スペーサ21として、一定の厚さを保つように加工したプラスチック製の袋に水もしくは空気を詰めたもの、エポキシ系もしくはポリウレタン系の柔軟性のある透明な樹脂板、または板状に加工した吸水性ポリマー等、種々の形態を使用することができる。
【0211】
なお、波長変換部材含有スペーサ23に含有される波長変換部材15としては、実施形態1に示した蛍光体を使うことが当然可能である。その場合、実施形態1に示したように、光照射用基板1に搭載するLEDチップ5の種類を変えて、出射光の波長を変更することも可能である。
【0212】
(発光スペクトル)
図42は、本実施形態に係る光照射用基板1に波長変換部材含有スペーサ23を取り付けたときの発光スペクトルの一例を示すものである。
【0213】
図42に示すように、出射光には、LEDチップ5が発する第1波長域光と、第1波長域光により励起された、波長変換部材含有スペーサ23内の、(Ba,Sr)Si:Eu蛍光体が発する第2波長域光とが含まれていることがわかる。
【0214】
なお、波長変換部材含有スペーサ23において、(Ba,Sr)Si:Eu蛍光体のシリコーン系透明樹脂に対する重量比を変えることによって、第1波長域光と第2波長域光との比率を自由に変えることが可能である。
【0215】
また、混合する、(Ba,Sr)Si:Eu蛍光体のシリコーン系透明樹脂に対する重量比を変えた波長変換部材含有スペーサ23を予め用意することが可能である。その結果、所望の波長変換部材含有スペーサ23を組み合わせることにより、第1波長域光と第2波長域光との比率を自由に変えることも可能である。
【0216】
例えば、第1LEDチップのみを実装した光照射用基板1を準備しておく。これにより、(Ba,Sr)Si:Eu蛍光体のシリコーン系透明樹脂に対する重量比を変えた、波長変換部材含有スペーサ23を用意することにより、同じく第1波長域光と第2波長域光との比率を自由に変えることができ、色々な波長の光を発するようにすることができる。
【0217】
言い換えれば、波長変換部材含有スペーサ23を別の製品として個別に譲渡することができる。また、大量生産における歩留、作業容易性の点でも有利である。
【0218】
また、光線力学治療現場において、患者の皮膚疾患に応じた、第2波長域光のスペクトルを適宜選択し、カスタマイズされた治療をすることも可能となる。
【0219】
(効果)
本実施形態において、U=0.85、U=0.82が得られた。
【0220】
〔実施形態10〕
本発明の他の実施形態について、図43に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、主に実施形態9との差異について説明し、実施形態9で説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0221】
本実施形態に係る光照射用基板1の構成は、実施形態9と同様である。
【0222】
図43は、本実施形態に係る光照射用基板1の治療への適用例を示す断面模式図である。
【0223】
実施形態9との違いは、図43に示すように、波長変換部材15を含有していないスペーサ21と、波長変換部材15を含有する波長変換部材含有スペーサ23との両方を備えている点である。波長変換部材含有スペーサ23は、実施形態9と同じ構成のものを使用し、スペーサ21の厚さと波長変換部材含有スペーサ23の厚さとの和が、実施形態9の波長変換部材含有スペーサ23の厚さと同じになるようにした。
【0224】
(発光スペクトル)
図42は、本実施形態に係る光照射用基板1にスペーサ21と波長変換部材含有スペーサ23との両方を取り付けたときの発光スペクトルの一例を示すグラフである。
【0225】
スペーサ21と波長変換部材含有スペーサ23との両方を備えていることにより、前記実施形態9にて示した図42と同様に、出射光には、LEDチップ5が発する第1波長域光と、第1波長域光により励起された、波長変換部材含有スペーサ23内の、(Ba,Sr)Si:Eu蛍光体が発する第2波長域光とが含まれていることがわかる。
【0226】
なお、波長変換部材含有スペーサ23において、(Ba,Sr)Si:Eu蛍光体のシリコーン系透明樹脂に対する重量比を変えることによって、第1波長域光と第2波長域光との比率を、自由に変えることが可能である。
【0227】
また、混合する、(Ba,Sr)Si:Eu蛍光体のシリコーン系透明樹脂に対する重量比を変えた波長変換部材含有スペーサ23を予め用意することによって、所望の波長変換部材含有スペーサ23を組み合わせることにより、第1波長域光と第2波長域光との比率を自由に変えることも可能である。
【0228】
例えば、第1LEDチップのみを実装した光照射用基板1を準備しておく。これにより、(Ba,Sr)Si:Eu蛍光体のシリコーン系透明樹脂に対する重量比を変えた波長変換部材含有スペーサ23を用意した場合、同じく第1波長域光と第2波長域光との比率を自由に変えることができ、色々な波長の光を発するようにすることができる。
【0229】
言い換えれば、波長変換部材含有スペーサ23を別の製品として個別に譲渡することができる。また、大量生産における歩留、作業容易性の点でも有利である。
【0230】
また、光線力学治療現場において、患者の皮膚疾患に応じた、第2波長域光のスペクトルを適宜選択し、カスタマイズされた治療をすることも可能となる。
【0231】
なお、図43では、光照射用基板1の上に、スペーサ21、その上に波長変換部材含有スペーサ23を配置しているが、同様の思想において、光照射用基板1の上に、波長変換部材含有スペーサ23、およびその上にスペーサ21を配置することも可能である。その場合、スペーサ21は皮膚に直接接触することを考えて、いわゆる生体適合性のある、材料とすることも可能である。
【0232】
〔実施形態11〕
本発明の他の実施形態について、図44に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、主に実施形態10との差異について説明し、実施形態10で説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0233】
本実施形態に係る光照射用基板1の構成は、実施形態10と同様である。
【0234】
図44は、本実施形態に係る光照射用基板1の治療への適用例を示す断面模式図である。
【0235】
実施形態10との違いは、図44に示すように、光照射用基板1に、第1スペーサ21a、波長変換部材含有スペーサ23および第2スペーサ21bを備えている点である。波長変換部材含有スペーサ23は、実施形態10と同じ構成のものを使用し、第1スペーサ21a、波長変換部材含有スペーサ23および第2スペーサ21bの厚さの和が、実施形態10のスペーサ21の厚さと波長変換部材含有スペーサ23の厚さとの和と同じになるようにした。
【0236】
(発光スペクトル)
図42は、本実施形態に係る光照射用基板1に、第1スペーサ21a、波長変換部材含有スペーサ23および第2スペーサ21bを取り付けたときの発光スペクトルの一例を示すグラフである。
【0237】
第1スペーサ21a、波長変換部材含有スペーサ23および第2スペーサ21bを含むことにより、前記実施形態10にて示した図42と同様に、出射光には、LEDチップ5が発する第1波長域光と、第1波長域光により励起された、波長変換部材含有スペーサ23内の、(Ba,Sr)Si:Eu蛍光体が発する第2波長域光とが含まれていることがわかる。
【0238】
なお、波長変換部材含有スペーサ23において、(Ba,Sr)Si:Eu蛍光体のシリコーン系透明樹脂に対する重量比を変えることによって、第1波長域光と第2波長域光との比率を自由に変えることが可能である。
【0239】
また、混合する、(Ba,Sr)Si:Eu蛍光体のシリコーン系透明樹脂に対する重量比を変えた波長変換部材含有スペーサ23を予め用意することによって、所望の波長変換部材含有スペーサ23を組み合わせることにより、第1波長域光と第2波長域光との比率を自由に変えることも可能である。
【0240】
例えば、第1LEDチップのみを実装した光照射用基板1を準備しておく。これにより、(Ba,Sr)Si:Eu蛍光体のシリコーン系透明樹脂に対する重量比を変えた波長変換部材含有スペーサ23を用意した場合、同じく第1波長域光と第2波長域光との比率を自由に変えることができ、色々な波長の光を発するようにすることができる。
【0241】
また、光線力学治療現場において、患者の皮膚疾患に応じた、第2波長域光のスペクトルを適宜選択し、カスタマイズされた治療をすることも可能となる。
【0242】
さらに、波長変換部材含有スペーサ23と第2スペーサ21bとの少なくとも一方に接着性を持たせておき、これによって、波長変換部材含有スペーサ23に第2スペーサ21bを取り付けたものを予め用意しておくことができる。
【0243】
つまり、波長変換部材含有スペーサ23に第2スペーサ21bを取り付けたものを別の製品として個別に譲渡することができる。また、大量生産における歩留、作業容易性の点でも有利である。
【0244】
ここで、第1スペーサ21aと、波長変換部材含有スペーサ23に第2スペーサ21bを取り付けたものとの接着強度を弱くすることにより、波長変換部材含有スペーサ23に第2スペーサ21bを取り付けたものを、光線力学治療現場において、実施形態10よりもさらに容易に、適宜交換することができる。そのことにより、第1波長域光と第2波長域光とをさらに容易にカスタマイズすることが可能である。
【0245】
加えて、さらにスペーサ21を追加したり、波長変換部材含有スペーサ23を追加したりすることも可能である。
【0246】
(効果)
本実施形態において、U=0.83、U=0.81が得られた。
【0247】
今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0248】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る光照射装置は、少なくとも1個のLED光源をフレキシブル基板に二次元配置してなるLED光源群を備えており、上記LED光源群が出射する光は、380nm以上430nm以下の波長範囲に発光強度のピークを有する第1波長域光と、430nmよりも波長が長く、635nm以下の波長範囲に発光強度のピークを有する第2波長域光とを含んでおり、上記LED光源群は面内光照射強度が均一である。
【0249】
上記の構成によれば、比較的小さな疾患部の治療に適した、平坦では無い患部に対しても、ほぼ均一で効率的な光照射を実現することができる光照射装置を提供することができる。上記の構成によれば、光照射による副作用を最小限に抑制しつつ、効率的で均一な光照射を実現することができるので、患者や家族の負担を抑えた光治療効果を実現することができる。上記の構成によれば、患部の大きさに応じて、切り取ることが可能な光治療器を提供することができる。
【0250】
本発明の態様2に係る光照射装置は、上記態様1において、少なくとも1個の上記LED光源は、上記第1波長域光を出射するLED素子(LEDチップ5)と、上記LED素子が出射した上記第1波長域光を吸収して、上記第2波長域光を放出する波長変換部材とを有していることが好ましい。
【0251】
上記の構成によれば、光照射装置が、第1波長域光と第2波長域光との両方を出射することができる。
【0252】
本発明の態様3に係る光照射装置は、上記態様2において、上記波長変換部材は蛍光体であり、上記蛍光体は、一般式BaSi(O,Cl):Eu、(Ba,Sr)MgAl1017:Eu,Mn、(Ba,Sr)Si:Eu、SrAl1425:Eu、SrAl:Eu、(Sr,Al)(O,N):Eu、(Lu,Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce、LaSi11:Ce、(Sr,Ca)AlSiN:EuおよびKSiF:Mnのうち、少なくとも1種の材料によって構成されていることが好ましい。
【0253】
上記の構成によれば、蛍光体を用いて波長変換部材を実現することができる。
【0254】
本発明の態様4に係る光照射装置は、上記態様1において、上記LED光源群は、上記LED光源の1個であり、上記第1波長域光を出射する第1LED素子(第1LEDチップ5a)と、上記第1LED素子とは異なる上記LED光源の1個であり、上記第2波長域光を出射する第2LED素子(第2LEDチップ5b)とを備えていることが好ましい。
【0255】
上記の構成によれば、光照射装置が、第1波長域光と第2波長域光との両方を出射することができる。
【0256】
本発明の態様5に係る光照射装置は、上記態様4において、上記LED光源群は、上記第1LED素子および上記第2LED素子をそれぞれ複数備えており、第1方向と上記第1方向に対して垂直な第2方向との両方について、2個の上記第1LED素子の間に1個の上記第2LED素子が配置されていると共に、2個の上記第2LED素子の間に1個の上記第1LED素子が配置されていることが好ましい。
【0257】
上記の構成によれば、第1LED素子と第2LED素子とを交互に配置することができ、これにより、より均一な光照射を実現することができる。
【0258】
本発明の態様6に係る光照射装置は、上記態様5において、上記第1LED素子と第2LED素子は同一配線パターンに配置されて、それぞれ上記LED光源を構成することが好ましい。
【0259】
上記の構成によれば、第1波長域光と第2波長域光との両方を出射することができる。
【0260】
本発明の態様7に係る光照射装置は、上記態様6において、上記第2LED素子の重心が上記第1LED素子の中心位置と一致することが好ましい。
【0261】
上記の構成によれば、第1LED素子と第2LED素子を一つのユニットとして、より均一な光照射を実現することができる。
【0262】
本発明の態様8に係る光照射装置は、上記態様4において、上記LED光源群は、少なくとも2個の第2LED素子を備えており、上記第1LED素子および上記2個の第2LED素子の上面視は矩形であり、上記2個の第2LED素子の間に1個の上記第1LED素子が配置されており、上記2個の第2LED素子における上記矩形の各辺と上記1個の第1LED素子における上記矩形の各辺とが対向しないように配置されていることが好ましい。
【0263】
上記の構成によれば、第1LED素子の発する光に対する、第2LED素子の吸収が最小限となるので、第1波長域光を更に増大させることができる。
【0264】
本発明の態様9に係る光照射装置は、上記態様2において、前記LED素子を二次元配置したフレキシブル基板の出射光側表面には、少なくとも一層のスペーサが備えられていると共に、前記波長変換部材は蛍光体であり、前記少なくとも一層のスペーサのうちの少なくとも一層のスペーサ内に前記蛍光体が含有されているとすることができる。
【0265】
上記の構成によれば、LED素子を二次元配置したフレキシブル基板を1つ用意しておけば、波長変換部材としての蛍光体を含有したスペーサを取り替えることが可能となる。
【0266】
この結果、第2波長域光の波長域を異ならせたい場合に、種類の異なる蛍光体を含有したスペーサを用意しておけば、LED素子を二次元配置したフレキシブル基板と蛍光体を含有したスペーサとを容易に組み合わせて、所望の波長域の出射光を容易に得ることができる。
【0267】
本発明の態様10に係る光照射装置は、上記態様9において、前記スペーサは、前記LED素子を二次元配置したフレキシブル基板に脱着可能となっていることが好ましい。
【0268】
上記の構成によれば、例えば、種類の異なる蛍光体を含有したスペーサを複数種類用意しておけば、ユーザにおいても、スペーサをフレキシブル基板に脱着することにより、所望の波長域の出射光を容易に得ることができる。
【0269】
本発明の態様11に係る光治療器は、上記態様1から10のいずれかの光照射装置を備えている。
【0270】
上記の構成によれば、上記の各光照射装置と同様の効果を奏する光治療器を実現することができる。
【0271】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0272】
1 光照射用基板(光照射装置)
2 フレキシブル基板
3 絶縁分離溝
4 配線
5 LEDチップ(LED素子)
5a 第1LEDチップ(第1LED素子)
5b 第2LEDチップ(第2LED素子)
6 ボンディングワイヤ
7 LED保護樹脂
8 裏側配線
8a 第1LEDチップ用裏側配線
8b 第2LEDチップ用裏側配線
9 接続部シール
10 外部接続部
10a カソード外部接続部
10b アノード外部接続部
10c 第1LEDチップ用カソード外部接続部
10d 第1LEDチップ用アノード外部接続部
10e 第2LEDチップ用カソード外部接続部
10f 第2LEDチップ用アノード外部接続部
11 接続穴
12 銀メッキ層
13 銅メッキ層
14 第1導電材料パターン
15 波長変換部材
16 LED保護樹脂ドーム
17 マウス
18 治療光
19 皮膚
20 患部
21 スペーサ
21a 第1スペーサ
21b 第2スペーサ
22 カット可能ライン
23 波長変換部材含有スペーサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図33
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図43
図44