特許第6445277号(P6445277)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6445277
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】液晶変調器を含む基板検査装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13 20060101AFI20181217BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20181217BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20181217BHJP
   G01R 31/28 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   G02F1/13 505
   G01N21/956 Z
   H01L21/66 Z
   G01R31/28 Z
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-167240(P2014-167240)
(22)【出願日】2014年8月20日
(65)【公開番号】特開2015-108804(P2015-108804A)
(43)【公開日】2015年6月11日
【審査請求日】2017年8月21日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0149220
(32)【優先日】2013年12月3日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】具 成 謀
(72)【発明者】
【氏名】催 碩
(72)【発明者】
【氏名】盧 泳 辰
(72)【発明者】
【氏名】金 榕 元
(72)【発明者】
【氏名】柳 彰 賢
(72)【発明者】
【氏名】鄭 治 連
【審査官】 横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−258234(JP,A)
【文献】 特表2007−532957(JP,A)
【文献】 特開2010−008292(JP,A)
【文献】 特表2009−540503(JP,A)
【文献】 特開2011−215210(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0168577(US,A1)
【文献】 特開平05−273590(JP,A)
【文献】 特開平08−304852(JP,A)
【文献】 特表2010−506196(JP,A)
【文献】 特開平07−092236(JP,A)
【文献】 特開2002−310933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13,1/137−1/141
G02F 1/136−1/1368,1/133,1/1334
G02F 1/1339−1/1341,1/1347
G01N 21/00,21/01,/21/17−21/61
G01N 21/84−21/958
H01L 21/66
G01R 31/28
Japio−GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の不良を検出する基板検査装置において、
前記基板上に提供される液晶変調器と、
前記液晶変調器から離隔されて提供された光源ユニットと、
前記液晶変調器と前記光源ユニットとの間に提供されて前記光源ユニットからの光を前記光源変調器に反射する光分割器と、
前記光分割器を介して前記液晶変調器と対向して配置され、前記液晶変調器からの前記光を感知する計測ユニットと、を含み、
前記液晶変調器は、
透明基板と、
前記基板上に提供された共通電極と、
前記共通電極に接触して前記透明基板上に提供された液晶層と、
前記液晶層上に提供された反射層と、を含み、
前記反射層上に提供されて前記反射層及び前記液晶層を支持する第1支持部をさらに含み、
前記第1支持部は、第1支持シート、前記第1支持シートの一面に提供されて前記第1支持シートを保護する保護層、及び前記第1支持シートの他の面に提供されるハードコーティング層を含み、前記保護層は、前記第1支持シートと前記反射層との間に提供される基板検査装置。
【請求項2】
前記光源ユニットは、
前記光を出射する光源と、
前記光源から出射された光を導く光均一化器と、
前記光均一化器から出射された光を前記光分割器方向に反射する反射鏡と、を含む請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記ハードコーティング層は、紫外線UV硬化性高分子、ゾルーゲル(sol−gel)、熱硬化性高分子、及び有機及び無機複合材料物質の中の1つ以上を含む請求項に記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記第1支持シートは、有機物質から形成される請求項に記載の基板検査装置。
【請求項5】
前記有機物質はポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、セルロイド、トリアセチルセルロースの中で少なくとも1つを含む請求項に記載の基板検査装置。
【請求項6】
前記反射層は誘電ミラーから形成された請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項7】
前記反射層は、第1屈折率を有する複数の第1誘電層と、前記第1屈折率と異なる屈折率を有する複数の第2誘電層とを含み、前記第1誘電層と前記第2誘電層とは、交互に配置される請求項に記載の基板検査装置。
【請求項8】
前記液晶層は、高分子ネットワーク液晶を含む請求項1に記載の基板検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶変調器を含む基板検査装置に関し、より詳細には基板の不良を検出する基板検査装置及び前記基板検査装置に含まれる液晶変調器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、LCD(Liquid Crystal Display)、OLED(Organic Light Emitting Display)やPDP(Plasma Discharge Panel)のようなディスプレー装置が開発されており、前記ディスプレー装置は高画質、超薄型、軽量化、及び広視野角において優れた特性を有する。
【0003】
このようなディスプレー装置は画像を表示する画素から形成され、各画素は画素電極及び前記画素電極と一対一に対応して電気的に連結される薄膜トランジスターのような駆動回路を包含することができる。この場合に、前記ディスプレー装置の前記画素電極及び前記駆動回路の欠陥を検査することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許公開第10−2005−0046263号公報
【特許文献2】韓国特許公開第10−2006−0092367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一目的は基板の欠陥を検査するために最適化された構造を有する液晶変調器及び前記液晶変調器を含む基板検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態において、基板の不良を検出する基板検査装置は、前記基板上に提供される液晶変調器と、前記液晶変調器から離隔されて提供された光源ユニットと、前記液晶変調器と前記光源ユニットとの間に提供されて前記光源ユニットからの光を前記光源変調器に反射する光分割器と、前記光分割器を介して前記液晶変調器と対向して配置され、前記液晶変調器からの前記光を感知する計測ユニットと、を含む。前記液晶変調器は、透明基板と、前記基板上に提供された共通電極と、前記共通電極に接触して前記透明基板上に提供された液晶層と、前記液晶層上に提供された反射層と、を含む。
【0007】
前記光源ユニットは、前記光を出射する光源、前記光源から出射された光を導く光均一化器、及び前記光均一化器から出射された光を前記光分割器方向に反射する反射鏡を包含することができる。ここで、前記光均一化器は棒パイプ形態に提供され得る。
【0008】
本発明の一実施形態において、前記基板検査装置は、前記反射層上に提供されて前記反射層及び前記液晶層を支持する第1支持部をさらに包含することができる。前記第1支持部は、第1支持シート、第1前記支持シートの一面の間に提供されて前記第1支持シートを保護する保護層、及び前記第1支持シートの他の面に提供されるハードコーティング層を含み、前記保護層は、前記支持シートと前記反射層との間に提供される。
【0009】
本発明の一実施形態において、前記反射層は、誘電ミラーからなされ得る。前記反射層は、第1屈折率を有する複数の第1誘電層と、前記第1屈折率と異なる屈折率を有する複数の第2誘電層と、を含み、前記第1誘電層と前記第2誘電層とは、交互に配置され得る。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記液晶層は、高分子ネットワーク液晶を包含することができる。本発明の一実施形態において、前記基板検査装置は、前記透明基板と前記共通電極との間に提供された接着剤と、前記共通電極と前記液晶層との間に提供されて前記共通電極を支持する第2支持部と、をさらに包含することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態によれば、基板の欠陥を検査するために最適化された構造を有する液晶変調器及び前記液晶変調器を含む基板検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態による基板検査装置を示す図面である。
図2】本発明の本発明の一実施形態による液晶変調器を示した断面図である。
図3】本発明の他の実施形態による液晶変調器を示した断面図である。
図4A図3の液晶変調器を製造する第1の方法を概略的に示した断面図である。
図4B図3の液晶変調器を製造する第2の方法を概略的に示した断面図である。
図5】本発明のその他の実施形態による液晶変調器を示した断面図である。
図6図5の液晶変調器を製造する方法を概略的に示した断面図である。
図7】本発明のその他の実施形態による液晶変調器を示した断面図である。
図8図7の液晶変調器を製造する方法を概略的に示した断面図である。
図9】本発明の実施形態による液晶変調器を示した断面図である。
図10】本発明の実施形態による液晶変調器を示した断面図である。
図11】本発明の実施形態による液晶変調器を示した断面図である。
図12】本発明の一実施形態による液晶変調器と既存の液晶変調器の電圧に応じた反射輝度を示したグラフである。
図13】本発明の一実施形態による液晶変調器において、液晶層を高分子分散液晶と、高分子ネットワーク液晶とで異ならせた時の反射率を各々示したグラフである。
図14】本発明の一実施形態による液晶変調器において、液晶変調器の厚さにしたがって検出可能な画素の最小ピッチを示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるので、特定実施形態を図面に例示して、本文で詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定な開示形態に対して限定しようとすることでなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むこととして理解しなければならない。
【0014】
各図面を説明しながら、類似な参照符号を類似な構成要素に対して使用した。添付された図面において、構造物の寸法は本発明を明確に説明するために実際より拡大して示したことである。第1、第2等の用語は多様な構成要素を説明するために使用されるが、構成要素は用語によって限定されない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しなくて第1構成要素は第2構成要素と称され得、同様に第2構成要素も第1構成要素と称され得る。単数の表現は文脈の上に明確に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0015】
図1は本発明の実施形態による基板検査装置を示す図面である。
【0016】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による基板検査装置は表示装置の不良、より詳細には表示装置に使用される表示基板の不良を検出する基板検査装置であり、前記表示装置の種類は限定されない。例えば、前記表示装置は液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)、エレクトロ・ウェッティング表示装置(Electrowetting Display)、電氣泳動表示装置(Electrophoretic Display)、有機発光表示装置(OLED;Organic Light Emitting Display)であり得る。
【0017】
前記表示装置には複数の画素が具備され得る。前記表示装置は前記複数の画素に対応する複数の薄膜トランジスターが形成されている表示基板DVと、前記表示基板DVと対向する対向基板(図示せず)、及び前記表示基板DVと前記対向基板との間に形成された画像表示層(図示せず)を包含することができる。前記画像表示層は、前記液晶表示装置の場合、液晶層であり、前記エレクトロ・ウェッティング表示装置の場合、エレクトロ・ウェッティング層であり、前記電氣泳動表示装置の場合、電氣泳泳動層であり、前記有機発光表示装置の場合、有機発光層であり得る。ここで、前記対向基板は前記表示基板の種類及び構造にしたがって封止層に代替され得る。
【0018】
本発明の一実施形態において、前記表示基板DVは液晶表示装置に使用されるものであり得、例えば、PLS(plane to line switching)モード、FFS(fringe field switching)モード、VA(vertical alignment)モード、TN(twisted nematic)モード、PVA(patterned vertical alignment)及びIPS(in−plane switching)モードのようなモードの液晶表示装置に使用されるものであり得る。
【0019】
前記表示基板DVは、前記薄膜トランジスターが形成されたアレイ基板ASと、前記アレイ基板AS上に形成された対象電極EL’を包含することができる。前記対象電極EL’は各画素に対応して複数に提供され得る。
【0020】
前記アレイ基板ASは図示せずが、絶縁基板を包含することができ、前記薄膜トランジスターは前記絶縁基板上に配置される。前記薄膜トランジスターは前記対象電極EL’の少なくとも一部に電気的に連結されて前記対象電極EL’に所定電圧(例えば、約10V)を印加することができる。
【0021】
以下、前記基板検査装置の構成及び動作原理に対して上述する。
【0022】
本発明の一実施形態による基板検査装置は光源ユニットLU、光分割器(beam splitter)BS、液晶変調器MD、計測ユニットMU、及びイメージ処理ユニットIPUを含む。
【0023】
前記光源ユニットLUは光を出力する。本発明の一実施形態において、前記光源ユニットLUは光を出射する光源LS、前記光源LSから出射された光を導く、均一化させる光均一化器(beam homogenizer;BH)、及び前記光均一化器BHから出射された光を光分割器BS方向に反射する反射鏡MRを包含することができる。
【0024】
前記光源LSは光を出射することができることであれば、特別に限定されることではなく、本発明の一実施形態では前記光源LSが発光ダイオード、レーザー等であり得る。
【0025】
前記光均一化器BHは前記光源LSから出射された光を前記反射鏡MRへ導く、点光源を面光源形態に均一化させる。本発明の一実施形態において、前記光均一化器BHは一端と他端とを有する棒パイプ(rod pipe)形態に提供され、前記光源LSは前記一端と対向し、前記反射鏡MRは前記他端と対向することができる。本発明の一実施形態において、前記光源LSは前記光均一化器BHの一側の管内に提供され得、この場合、前記光源LSから出射された光が前記光均一化器BHの一端で反射されて損失が減少する。
【0026】
前記光は前記一端から前記他端に進行し、前記他端を通じて前記反射鏡MRへ出射される。前記光源LSから出射された光は前記光均一化器BH内で複数回全反射され、前記光均一化器BHを経て所定面積内で均一な光密度を有する光に変更される。
【0027】
前記反射鏡MRは前記光均一化器BHと前記光分割器BSとの間に提供され、前記光を反射する。言い換えれば、前記光均一化器BHの他端から出射された光が前記光分割器BS方向に進行するように光の経路を変更する。本発明の一実施形態において、前記光均一化器BHの他端が前記光分割器BSと直接的に対向する場合、前記光均一化器BHの他端から出射された光は前記反射鏡MRが無しでも前記光分割器BSに進行することができ、この場合には前記反射鏡MRが省略され得る。
【0028】
前記光分割器BSと前記反射鏡MRとの間及び前記反射鏡MRと前記光分割器BSとの間には前記光を集光するか、或いは発散させる光学レンズが追加され得る。例えば、本発明の一実施形態において、前記光分割器BSと前記反射鏡MRとの間に前記光を発散させる光発散器(beam expander;図示せず)が提供され得る。
【0029】
前記光分割器BSは前記光源ユニットLUから提供された前記光を多数の光成分に分割して、前記液晶変調器MD側に提供する。前記光分割器BSは入射された光を互に異なる2つの線偏光された光(例えば、S波及びP波)に分割する偏光光分割器(polarizing beam splitter)であり得る。
【0030】
ここで、前記光分割器BSの少なくとも一側には前記光分割器BSの偏光効率性を高くするための偏光板(図示せず)がさらに提供され得る。例えば、前記光源ユニットLUと前記光分割器BSとの間、及び/又は前記光分割器BSと前記計測ユニットMUとの間に前記光分割器BSへ入射する光を所定偏光方向に偏光する偏光板が提供され得る。前記偏光板は前記光分割器BSへ入射する光と前記光分割器BSから出射される光とが所定偏光方向、例えばS波やP波に確実に分離することができる。
【0031】
前記液晶変調器MDは前記表示基板DVにおいての画素の良し悪しを確認するための構成要素である。前記液晶変調器MDは前記表示基板DV上に所定間隔を置いて配置される。前記液晶変調器MDは前記表示基板DVの欠陥有無にしたがって互いに異なる透過率又は反射率を示すことによって前記画素の良し悪しを示し、電極(EL;基板の電極との差異点を示すために以下、“共通電極”と表示する)と液晶層LCとを含む。前記液晶変調器MDに対しては図面を参照して後述する。
【0032】
ここで、前記光分割器BSと前記液晶変調器MDとの間には1つ以上の光学レンズが提供され得る。前記レンズは前記光分割器BSと前記液晶変調器MDとの間を進行する光の経路を調節するためのものであって、前記光を収斂させるか、発散させるか、又は平行に進行させる。例えば、本発明の一実施形態において、前記レンズは前記光分割器BS側に位置したチューブレンズ部TLと前記液晶変調器MD側に位置した対物レンズ部OLとを包含することができ、前記チューブレンズ部TL及び前記対物レンズ部OLの各々は1つ以上のレンズを包含することができる。また、本発明の一実施形態において、前記チューブレンズ部TLと前記対物レンズ部OLとは全てテレセントリックレンズ(telecentric lens)であり得る。
【0033】
前記光分割器BSで分割された光は前記表示基板DVの互いに異なる位置に対応して進行することができ、前記分割された光は前記液晶変調器MDによって反射され得る。前記分割された光が前記液晶変調器MDで反射される場合、前記分割された光は前記光分割器BSを透過して前記計測ユニットMUに提供され得る。ここで、前記分割された光は大略的に各対象電極EL’の位置と一対一に対応することができる。
【0034】
前記計測ユニットMUは前記液晶変調器MDで反射されて前記光分割器BSを通過した光を計測する。前記計測ユニットMUは多数のCCD(charge−coupled device)を包含することができる。前記計測ユニットMUは前記多数のCCDを利用して前記分割された光の光量に一対一に対応するデータ信号を生成することができる。本発明の一実施形態において、前記分割された光は前記多数のCCDの中で3つのCCDに一対一に対応して提供され得る。
【0035】
ここで図示せずが、前記光分割器BSと前記計測ユニットMUとの間には集光ユニット(図示せず)が提供され得る。前記集光ユニットは前記液晶変調器MDで反射された分割された光を集光する。本発明の一実施形態において、前記集光ユニットはその表面が膨らんでいる形状のレンズであり得る。
【0036】
図2は本発明の本発明の一実施形態による液晶変調器MDを示した断面図である。
【0037】
図1及び図2を参照すれば、本発明の一実施形態による液晶変調器MDは表示基板DVの対象電極EL’と対向する共通電極EL、前記共通電極EL上に提供された液晶層LC、及び前記液晶層LC上に提供された反射層RFを含む。
【0038】
より詳細には、前記共通電極ELは透明基板SUB上に提供される。前記共通電極ELが提供された前記透明基板SUBの一面は前記表示基板DVと対向し、前記共通電極ELが提供されない前記透明基板SUBの他面は光分割器BSと対向する。前記透明基板SUBの他面には反射防止層AGが提供され得る。また、前記反射層RFの上には前記反射層RFを保護する保護層PRが提供され得る。前記液晶変調器MDは前記表示基板から遠い順に、前記反射防止層AG、前記透明基板SUB、前記共通電極EL、前記液晶層LC、前記反射層RF、及び前記保護層PRを包含することができる。前記構成要素を説明すれば、次の通りである。
【0039】
前記透明基板SUBは絶縁基板として、石英、ガラス、プラスチック等のような物質からなされ得る。
【0040】
前記反射防止層AGは前記透明基板SUBにおいて、前記光分割器BSと対向する面に提供され、他の実施形態では省略され得る。
【0041】
前記共通電極ELは前記透明基板SUBにおいて、前記表示基板DVと対向する面に提供される。前記共通電極ELは所定大きさ、例えば約150V乃至約350Vの電圧が印加され得、前記対象電極EL’と共に電界Eを形成することができる。前記共通電極ELはITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、ITZO(indium tin zinc oxide)、導電性高分子等のような透明導電性物質から形成され得る。前記共通電極ELは約25μm乃至約100μmの厚さに形成され得る。
【0042】
本発明の実施形態において、前記共通電極ELは前記透明基板SUBの直上に提供される。前記共通電極ELは前記透明基板SUBの一面に直接接触する。
【0043】
前記液晶層LCは前記共通電極ELと前記対象電極EL’との間に形成された電界Eにしたがって光を透過又は遮断する画像表示層として、液晶層LCから形成される。本発明の一実施形態による液晶変調器MDでは前記液晶層LCが高分子ネットワーク液晶(polymer network liquid crystal;PNLC)を包含することができる。
【0044】
本発明の一実施形態において、前記液晶層LCはセルギャップが約2μm乃至約50μmであり得る。前記液晶層LCが前記約50μmを超過する場合、前記液晶層LCの駆動電圧があまりにも大きくなり、応答速度があまりにも小さくなり、前記液晶層LCが約2μmである場合、前記液晶層LCの駆動電圧が減少し、応答速度が大きくなる効果はあるが、コントラスト比が減少する。
【0045】
前記高分子ネットワーク液晶は、高分子安定化液晶の一種類として、高分子ネットワークと前記高分子ネットワークによって形成されたドメイン内に提供された液晶化合物とを包含することができる。
【0046】
前記高分子ネットワークは高分子からなされた網形態の構造物である。前記高分子は重合反応等を通じてネットワークを形成し得るものであって、その種類は特別に限定されることではない。前記高分子は光硬化反応器を有する高分子の単量体(二量体や前駆体を含む)が重合されたものであり得る。例えば、前記高分子はメタクリレート、ジアクリレート、トリアクリレート、ジメタクリレート、トリメタクリレート等やこれらの混合物この重合されたことであり得る。また、前記高分子は反応性メソゲンが重合されたことであり得る。
【0047】
前記ドメインには液晶化合物が提供される。前記ドメインは多様な形態に提供されることができ、例えば、柱模様、角柱模様、クモの巣模様、網模様等を有することができる。前記液晶化合物は前記高分子ネットワークとは相分離されて前記高分子ネットワークのドメイン内に分散された状態で提供され得る。前記液晶化合物は前記高分子ネットワーク内で相分離されて配向された状態で存在することができるものであれば、特別に限定されることではない。例えば、前記液晶化合物はスメクチック液晶化合物、ネマティック液晶化合物、コレステリック液晶化合物等を包含することができる。前記液晶化合物は前記高分子ネットワークと結合されない状態に相分離されて存在するので、外部電界の印加の可否にしたがってその配向が変更されることができる。
【0048】
本発明の一実施形態において、前記高分子と前記液晶化合物とは1:1の組成比で提供され得る。しかし、前記高分子と前記液晶化合物との組成比はこれに限定されることではなく、他の比率に変更されることができる。
【0049】
本発明の一実施形態において、前記高分子ネットワーク液晶は光硬化可能な高分子単量体(二量体や高分子前駆体を含む)と液晶の組成物を準備し、紫外線のような光を利用する露光を通じて前記高分子を硬化させるか、或いは液晶と高分子との相分離を誘導する方式で形成され得る。ここで、前記液晶造成物には前記高分子の重合反応を開始するための光開始剤がさらに包含され得る。本発明の他の実施形態では前記液晶造成物に熱を加えることによって、前記高分子を硬化させることができる。
【0050】
前記高分子が硬化されながら、ネットワークを形成し、前記ネットワークによって形成された前記ドメイン内に液晶化合物が位置するようになる。前記高分子ネットワーク液晶は電界が印加されない条件で前記ドメイン内の液晶が無作為に配列される。これにしたがって、光が入射されても前記入射された光が前記液晶と前記高分子との屈折率差によって散乱される。前記高分子ネットワーク液晶は電界が印加される条件で前記ドメイン内の液晶が前記電界によって所定方向に配列される。例えば、前記液晶の誘電率異方性が正(+)である液晶である場合、前記液晶は電気場方向と垂直配列し、この時、仮に液晶ドメインの屈折率が高分子の屈折率と同一になれば、入射光が前記液晶と高分子とのを全て通過するようになって透明な状態になって画像を表示する。前記高分子ネットワーク液晶は偏光子を必要とせず、簡単な方法で製造可能である。また、高分子ネットワーク液晶は、高分子の種類に応じて柔軟な(Flexible)形態で作ることができる。
【0051】
前記高分子ネットワーク液晶に使用される液晶化合物は、約0.05乃至約0.2の屈折率異方性を有し得、約2乃至約50の誘電率異方性を有することができる。
【0052】
本発明の一実施形態において、前記高分子ネットワーク液晶には配向膜が提供されないことがあり得る。しかし、本発明の他の実施形態において、前記高分子ネットワーク液晶を初期配向するための配向膜が提供され得る。この場合、前記配向膜は前記共通電極ELと前記液晶層LCとの間及び前記液晶層LC及び前記反射層RFとの間に提供され得る。前記配向膜は前記高分子ネットワーク液晶を初期配向することができるものであれば、特別に限定されることではなく、例えば、ポリイミド又はポリアミック酸を包含することができる。
【0053】
ここで、前記共通電極ELと前記液晶層LCとの間には、既存発明と異なり、絶縁膜が提供されない。
【0054】
前記反射層RFは前記光分割器BSから提供されて前記液晶層LC内を進行する光を反射する。前記反射層RFによって反射される波長は後述する計測ユニットで感知する光の波長にしたがって変えることがあり得、本発明の一実施形態では約380nm乃至約700nmであり得る。本発明の一実施形態において、前記反射層RFの厚さは約3μm以下であり得り、約2μm乃至約3μm以下であり得る。
【0055】
前記反射層RFは光を反射するものであれば、特別に限定されることではなく、金属膜からなされるか、或いは誘電ミラーからなされ得る。
【0056】
前記誘電ミラーは互いに異なる屈折率を有する複数の誘電層を含む。例えば、前記誘電ミラーは複数回交互に配置された第1屈折率を有する第1誘電層と第2屈折率を有する第2誘電層とを包含することができる。ここで、前記第1屈折率と前記第2屈折率とは互いに異なる値を有し、前記第1誘電層と前記第2誘電層の誘電率とは7以下であり得る。
【0057】
本発明の一実施形態において、前記第1誘電層はジルコニウム酸化物を含み、前記第2誘電層はシリコン酸化物を包含することができる。本発明の一実施形態において、前記ジルコニウム酸化物の屈折率は1.34乃至1.46であり得、前記シリコン酸化物の屈折率は1.67乃至1.72であり得る。又は、本発明の他の実施形態において、前記第1誘電層はジルコニウム酸化物を含み、前記第2誘電層はチタニウム酸化物を包含することができる。
【0058】
また、前記第1誘電層と前記第2誘電層とは総合で3層以上に形成され得るが、本発明の一実施形態では総15層以上に形成され得る。
【0059】
前記保護層PRは前記反射層RFを保護し、前記反射層RF上に約0.1μm乃至0.2μmの厚さに形成され得る。
【0060】
上記した構造を有する液晶変調器MDは、透明基板SUB上に共通電極ELを形成し、前記共通電極EL直ちに上に液晶層LCを形成し、前記液晶層LC上に反射層RFを形成することによって製造され得る。
【0061】
前記共通電極ELは前記透明基板SUBの直上に形成され、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、ITZO(indium tin zinc oxide)、導電性高分子等を蒸着するか、或いは塗布して形成され得る。
【0062】
前記液晶層LCは、高分子ネットワーク液晶を包含することができるが、前記高分子ネットワーク液晶からなされた前記液晶層LCは相分離法(Phase Separation)又は乳化法(Emulsification)で形成され得る。前記相分離法は再び高分子化による相分離法(Polymerization Induced Phase Separation:PIPS)と熱による相分離法(Thermally Induced Phase Separation:TIPS)、溶媒を利用する相分離法(Solvent Induced Phase Separation:SIPS)を含む。本発明の一実施形態において、前記高分子ネットワーク液晶は前記方法の中でいずれか1つに形成され得るが、前記高分子ネットワーク液晶は高分子ネットワーク液晶造成物を前記共通電極EL上に塗布し、前記高分子ネットワーク液晶造成物を硬化することによって形成され得る。
【0063】
ここで、前記高分子ネットワーク液晶造成物は液晶と、液相の高分子単量体(又は二量体や前駆体を含む)、及び溶媒を包含することができる。本発明の一実施形態において、前記液晶と前記高分子単量体との比率は約1:1であり得る。前記高分子ネットワーク液晶造成物はスピンコーティング、ドクターブレードコーティング(doctor blade coating)、又はスロットダイコーティングを利用して前記共通電極EL上に塗布され得る。
【0064】
前記高分子ネットワーク液晶造成物及び硬化された前記高分子ネットワーク液晶は高分子単量体又は重合された高分子を含むが、前記高分子の種類にしたがって前記高分子ネットワーク液晶造成物及び硬化された前記高分子ネットワーク液晶の表面エネルギーが決定されることができ、その結果、接着剤として併用が可能である。したがって、本発明の実施形態による液晶層LCは別の接着剤無しで前記共通電極EL上に直ちに形成され得る。
【0065】
前記反射層RFは前記液晶層LCに金属膜を形成するか、或いは誘電ミラーを形成することによって製造され得る。前記誘電ミラーは互いに異なる屈折率を有する前記液晶層LC上に誘電材料を順次的に積層して形成され得るが、前記反射層RFの製造方法は特別に限定されるものではない。例えば、本発明の一実施形態において、適切な溶媒及び/又は有機物質を含むジルコニウム酸化物溶液とシリコン酸化物溶液とを順次的に塗布して形成でき、この場合、高温の蒸着工程を必要としない。
【0066】
前記反射層RFの上には保護層PRが形成され、前記保護層PRは有機物質、例えば高分子樹脂で塗布され得る。
【0067】
前記透明基板SUBの上には反射防止層AGが塗布され得、前記反射防止層AGの形成順序は特別に限定されることではない。例えば、本発明の一実施形態で、前記反射防止層AGは前記共通電極ELが形成される前に前記透明基板SUB上に形成されるか、或いは前記透明基板SUB、前記共通電極EL、前記液晶層LC、前記反射層RF、及び前記保護層PRが全て形成された後に最後に前記透明基板SUB上に塗布され得る。以下、各実施形態において、前記反射防止層AGの形成順序に対しては特別な言及しない限り、本発明の一実施形態にしたがい、重複された説明を省略する。
【0068】
本発明の一実施形態による液晶変調器MDにおいて、前記共通電極ELを別に製造して前記透明基板SUBに付着せず、直ちに前記透明基板SUB上に形成するので、前記共通電極ELを付着するための接着剤が省略される。また、前記共通電極EL上に液晶層LCを直ちに形成することによって共通電極ELと液晶層LCとの間の絶縁膜が省略される。これに加えて、液晶層LCを接着剤として使用することによって、反射層RFを付着するための別の接着剤が必要としない。その結果、表示基板の対象電極と前記液晶変調器MDの共通電極ELとの間の総厚さを減少させ得る。
【0069】
前記対象電極EL’と前記共通電極ELとの間の厚さが大きい場合、前記液晶層LCに提供される電気場が減少し、これにしたがって前記液晶層LCが駆動されないこともあり得る。しかし、本発明では前記対象電極EL’と前記共通電極ELとの間の厚さが減少されるので、前記液晶層LCに対する前記電気場の影響力を増加され、その結果、前記液晶変調器MDの液晶層LCのコントラスト比と応答速度とが増加し、前記液晶変調器MDの共通電極ELに提供される電圧が減少され得る。例えば、本発明の一実施形態においては前記共通電極ELに提供される検出電圧が350V以下でも液晶変調器MDが駆動され得、前記液晶層LCは30ms以下の応答速度を有し得、コントラスト比は約10:1以上を現わすことができる。
【0070】
また、前記表示基板DV又は前記液晶変調器MDに異物質が付着されないように前記液晶変調器MDと前記表示基板DVとの間の距離が適切に維持されなければならないが、本発明の実施形態によれば、前記液晶変調器MD内の厚さが減少するので、前記対象電極EL’と共通電極ELとの間の距離を同様に維持しながらも、前記液晶変調器MDと前記表示基板DVとの間の距離を十分に維持することができる。したがって、前記表示基板DVや前記液晶変調器MDの異物質不良が減少される。
【0071】
図3は本発明の他の実施形態による液晶変調器MDを示した断面図である。以下、本発明の他の実施形態による液晶変調器MDにおいて、説明を簡単にするため、本発明の一実施形態と異なる点を主に説明し、省略された部分は本発明の一実施形態にしたがう。
【0072】
図1及び図3を参照すれば、前記液晶変調器MDは表示基板DVの対象電極EL’と対向し、透明基板SUB上に提供された共通電極EL、前記共通電極EL上に提供された液晶層LC、前記液晶層LC上に提供された反射層RF、及び前記反射層RF上に提供された支持部(以下、後述する他の構成要素との区別をために第1支持部SP1と表示する)を含む。ここで、前記透明基板SUBにおいて共通電極ELが提供された面と反対の面の上には反射防止層AGが提供され、前記第1支持部SP1は保護層PR、第1支持シートSPS1、第1ハードコーティング層HC1を含む。
【0073】
言い換えれば、前記液晶変調器MDは前記表示基板から遠い順に、反射防止層AG、前記透明基板SUB、前記共通電極EL、前記液晶層LC、前記反射層RF、前記保護層PR、第1支持シートSPS1、及び第1ハードコーティング層HC1を含む。
【0074】
前記第1支持シートSPS1は前記反射層RFを十分に支持することができる厚さに提供される。例えば、本発明の一実施形態において、前記第1支持シートSPS1は約2μm乃至約6μmの厚さを有するか、約2.2μmの厚さを有することができる。また、前記第1支持シートSPS1はこれを通過する光の位相差が現れないように提供される。
【0075】
前記第1支持シートSPS1は引張強度が強く、耐熱性が高い物質から形成され得、例えば有機高分子物質から形成され得る。前記有機物質はポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、セルロイド、トリアセチルセルロイドの中で少なくとも1つであり得る。
【0076】
前記第1ハードコーティング層HC1は紫外線UV硬化性高分子、ゾルーゲル(sol−gel)、熱硬化性高分子、及び有機/無機複合材料物質の中の1つ以上を包含することができる。前記第1ハードコーティング層HC1は前記第1支持シートSPS1に塗布され、前記第1支持シートSPS1をスクラッチ等から保護し、前記第1支持部SP1の工程の時、取扱いを容易にする。このために、本発明の一実施形態では前記第1ハードコーティング層HC1の硬度(hardness)が2H以上であり得り、前記第1ハードコーティング層HC1の厚さは約3μm乃至約4μmであり得る。この時、前記第1ハードコーティング層HC1の誘電率は4以下であり得る。
【0077】
前記第1支持シートSPS1と前記第1ハードコーティング層HC1とは透過率が95%以上であり得る。
【0078】
図4A図3の液晶変調器MDを製造する第1の方法を概略的に示した断面図である。
【0079】
図1図3及び図4Aを参照すれば、前記液晶変調器MDは透明基板SUB上に共通電極ELを形成し、第1支持部SP1を形成し、前記第1支持部SP1上に反射層RFを形成し、前記共通電極ELと前記反射層RFとの間に液晶層LCを形成することによって製造され得る。本実施形態では本発明の一実施形態と異なり、第1支持部SP1上に反射層RFを形成した後、前記液晶層LCを接着剤として前記共通電極ELと前記反射層RFとが対向するように形成される。
【0080】
これを詳細に説明すれば、次の通りである。
【0081】
先ず、前記共通電極ELが前記透明基板SUBの直上に接触して形成される。
【0082】
次に前記第1支持部SP1が形成される。前記第1支持部SP1は第1支持シートSPS1を準備し、前記第1支持シートSPS1の一面に第1ハードコーティング層HC1を形成し、前記第1支持シートSPS1の他面に保護層PRを形成することによって製造される。
【0083】
前記第1ハードコーティング層HC1は前記第1支持シートSPS1の一面上に多様な方法、例えばスピンコーティング、ドクターブレードコーティング、又はスロットダイコーティングで塗布され得る。
【0084】
前記保護層PRは前記第1支持シートSPS1の前記第1ハードコーティング層HC1が形成されない他面上に多様な方法、例えばスピンコーティング、ドクターブレードコーティング、又はスロットダイコーティングで塗布され得る。前記保護層PRは有機高分子樹脂を含む材料からなされ得る。
【0085】
前記第1支持部SP1の上には前記反射層RFが形成される。前記反射層RFは前記液晶層LCに金属膜を形成するか、或いは誘電ミラーを形成することによって製造され得る。前記誘電ミラーは互いに異なる屈折率を有する前記液晶層LC上に誘電材料を順次的に積層して形成され得るが、前記反射層RFの製造方法は特別に限定されることではない。例えば、本発明の一実施形態において、適切な溶媒及び/又は有機物質を含むジルコニウム酸化物溶液とシリコン酸化物溶液とを順次的に塗布して形成でき、この場合、高温の蒸着工程を必要としない。
【0086】
次に、前記共通電極ELが形成された透明基板SUBと前記反射層RFが形成された前記第1支持部SP1との間に液晶層LCが形成される。前記液晶層LCは前記共通電極ELが形成された透明基板SUBと前記反射層RFが形成された前記第1支持部SP1とを接着する接着剤として機能する。この時、前記液晶層LCは前記共通電極ELと前記反射層RFと直接接触する。前記液晶層LCは高分子ネットワーク液晶造成物を前記共通電極ELと前記反射層RFとの間に位置させ、前記高分子ネットワーク液晶造成物を硬化することによって形成され得る。
【0087】
図4B図3の液晶変調器MDを製造する第2の方法を概略的に示した断面図である。
【0088】
図1図3及び図4Bを参照すれば、前記液晶変調器MDは透明基板SUB上に共通電極ELを形成し、液晶層LC上に反射層RF、及び保護層PRを順次的に形成し、第1支持シートSPS1と第1ハードコーティング層HC1とを形成した後、前記共通電極EL上に前記液晶層LCを付着し、前記第1支持シートSPS1を前記保護層PR上にラミネーションすることによって製造され得る。
【0089】
これを詳細に説明すれば、次の通りである。
【0090】
先ず、前記共通電極ELが前記透明基板SUBの直上に接触して形成される。
【0091】
前記透明基板SUB及び共通電極ELと、別個に、液晶層LC上に反射層RF及び保護層PRを順次的に形成する。前記液晶層LCは硬化程度を調節することによって強度(又は硬度)及び接着性を調節することができる。前記液晶層LCの上には順次的に前記反射層RF及び前記保護層PRが形成される。前記反射層RFは前記液晶層LCに金属膜を形成するか、或いは誘電ミラーを形成することによって製造され得る。前記誘電ミラーは互いに異なる屈折率を有する前記液晶層LC上に誘電材料を順次的に積層して形成され得る。前記保護層PRは前記反射層RF上に多様な方法、例えば、スピンコーティング、ドクターブレードコーティング、又はスロットダイコーティングで塗布され得る。
【0092】
前記液晶層LC、前記反射層RF、及び前記保護層PRと別個に、第1支持シートSPS1が準備され、前記第1支持シートSPS1上に第1ハードコーティング層HC1が形成される。前記第1ハードコーティング層HC1は前記第1支持シートSPS1の一面上に多様な方法、例えばスピンコーティング、ドクターブレードコーティング、又はスロットダイコーティングで塗布され得る。ここで、前記液晶層LCの厚さが約20μm乃至約25μmに至って、十分に厚いので、前記反射層RFが前記液晶層LC上に容易に塗布され得る。
【0093】
次に、前記共通電極EL上に前記液晶層LCが直接接触して付着され、これにしたがって、前記透明基板SUB、前記共通電極EL、前記液晶層LC、前記反射層RF、及び前記保護層PRが順次的に積層される。その次に前記保護層PR上に前記第1支持シートSPS1がラミネートされる。
【0094】
上述したように、本発明の他の実施形態による液晶変調器MDは本発明の一実施形態による液晶変調器MDと同様に、前記共通電極ELを別に製造して前記透明基板SUBに付着せず、前記透明基板SUBの直上に形成するので、前記共通電極ELを付着するための接着剤が省略される。また、前記共通電極EL上に液晶層LCを直ちに形成することによって共通電極ELと液晶層LCとの間の絶縁膜が省略される。これに加えて、液晶層LCを接着剤として使用することによって、反射層RFを付着するための別の接着剤を必要としない。その結果、表示基板DVの対象電極EL’と前記液晶変調器MDの共通電極ELとの間の総厚さを減少させ得る。
【0095】
図5は本発明のその他の実施形態による液晶変調器MDを示した断面図である。以下、本発明の他の実施形態による液晶変調器MDにおいて、説明を簡単にするため、図3に図示された本発明の他の実施形態と異なる点を主に説明し、省略された部分は本発明の一実施形態にしたがう。
【0096】
図5を参照すれば、前記液晶変調器MDは表示基板DVの対象電極EL’と対向し、透明基板SUB上に接着剤ADHを介して提供された共通電極EL、前記共通電極EL上に提供された液晶層LC、前記液晶層LC上に提供された反射層RF、及び前記反射層RF上に提供された第1支持部SP1を含む。ここで、前記透明基板SUBにおいて共通電極ELが提供された面と反対の面の上には反射防止層AGが提供され、前記第1支持部SP1は保護層PR、第1支持シートSPS1、ハードコーティング層を含む。
【0097】
言い換えれば、前記液晶変調器MDは前記表示基板DVから遠い順に、反射防止層AG、前記透明基板SUB、前記接着剤ADH、前記共通電極EL、前記液晶層LC、前記反射層RF、前記保護層PR、第1支持シートSPS1及びハードコーティング層HC1を含む。
【0098】
前記接着剤ADHは光学的に透明なものであり、特別に限定されるものではない。本発明の一実施形態で前記接着剤ADHは光学的に透明な高分子樹脂を包含することができる。前記接着剤ADHはフィルムタイプや液相タイプに提供され得る。前記接着剤ADHは接着剤の材料や接着力にしたがって多様な厚さに形成されることができ、本発明の一実施形態では約5μm乃至約50μm、又は約25μm乃至約50μmの厚さを有することができる。
【0099】
図6図5の液晶変調器MDを製造する方法を概略的に示した断面図である。
【0100】
図1図5及び図6を参照すれば、前記液晶変調器MDを製造するために、先ず透明基板SUBが準備される。その次に、順次的に積層された共通電極EL、液晶層LC、反射層RF、及び第1支持部SP1は別に製造された後、接着剤ADHを介して前記透明基板SUBと接着され得る。
【0101】
前記順次的に積層された前記共通電極EL、前記液晶層LC、前記反射層RF、及び第1支持部SP1を形成される。つまり、前記第1支持部SP1上に前記反射層RFを形成し、前記反射層RF上に液晶層LCを形成した後、前記液晶層LC上に共通電極ELを形成することによって製造され得る。
【0102】
又は上記の順次的に積層された前記共通電極EL、前記液晶層LC、前記反射層RF、及び第1支持部SP1は、液晶層LC上に反射層RFと保護層PRを順次的に形成し、第1支持シートSPS1上に第1ハードコーティング層HC1を形成した後、前記保護層PR上に前記第1支持シートSPS1をラミネートして形成することができる。
【0103】
上述したように、本発明のその他の実施形態による液晶変調器MDは本発明の一実施形態及び他の実施形態と異なり、接着剤ADHが追加されたが、本発明の一実施形態による液晶変調器MDと同様に、前記共通電極EL上に液晶層LCを直ちに形成することによって共通電極ELと液晶層LCとの間の絶縁膜が省略される。これに加えて、液晶層LCを接着剤として使用することによって、反射層RFを付着するための別の接着剤を必要としない。その結果、表示基板DVの対象電極EL’と前記液晶変調器MDの共通電極ELとの間の総厚さを減少させ得る。
【0104】
図7は本発明のその他の実施形態による液晶変調器MDを示した断面図である。
【0105】
図7を参照すれば、本発明のその他の実施形態による液晶変調器MDは図5に図示された液晶変調器MDと異なり、第2支持部SP2を有し、前記第2支持部SP2上に共通電極ELが形成される。即ち、本実施形態による液晶変調器MDは透明基板SUB上に接着剤ADHを介して提供され、第2支持部SP2、前記第2支持部SP2上に提供された共通電極EL、前記共通電極EL上に提供された液晶層LC、前記液晶層LC上に提供された反射層RF、及び前記反射層RF上に提供された第1支持部SP1を含む。前記第1支持部SP1は保護層PR、第1支持シートSPS1、及びハードコーティング層HC1を含み、前記第2支持部SP2は第2ハードコーティング層HC2、第2支持シートSPS2、及び第3ハードコーティング層HC3を含む。
【0106】
言い換えれば、前記液晶変調器MDは前記表示基板から遠い順に、反射防止層AG、前記透明基板SUB、前記接着剤ADH、前記第2ハードコーティング層HC2、前記第2支持シートSPS2、前記第3ハードコーティング層HC3、前記共通電極EL、前記液晶層LC、前記保護層PR、前記第1支持シートSPS1、及び第1ハードコーティング層HC1を含む。
【0107】
前記第2支持部SP2は前記共通電極ELを十分に支持することができる厚さに提供され、前記共通電極ELとの総厚さが約25μm乃至約100μmであり得る。また、本発明の一実施形態において、前記共通電極ELの抵抗は約150オーム以下、又は、約80オーム乃至約150オーム以下であり得、透過率は約90%以上であり得る。前記共通電極ELの抵抗が前記値より大きければ、駆動電圧があまりにも高くなり得る。また、前記第2支持部SP2と前記共通電極ELとからなされた全体フィルムは液晶層LCの散乱を防止するために1.0%のヘーズ値(hazevalue)を有することができる。
【0108】
前記第2支持シートSPS2は引張強度が強く、耐熱性が高い物質から形成され、例えば有機高分子物質から形成され得る。前記有機物質はポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、セルロイド、トリアセチルセルロイドの中で少なくとも1つであり得る。前記第2支持シートSPS2はまた前記有機物質を含む単一層に形成できるが、これに限定されるものではなく、前記有機物質を含むマルチ層からなされ得る。前記第2支持シートSPS2がマルチ層からなされる場合、前記マルチ層の中でいずれか1つは光学的に透明な接着剤から形成され得る。前記光学的に透明な接着剤は透明基板SUBとの屈折率差が相対的に小さいものであることができ、本発明では前記屈折率差が約1.5±0.05であり得る。また、前記光学的に透明な接着剤は前記接着剤を透過する光の散乱が最少化になるように約0.5%のヘーズ値を有するように製造され得る。
【0109】
前記第2支持シートSPS2の一面には第2ハードコーティング層HC2が、前記第2支持シートSPS2の他面には第3ハードコーティング層HC3が提供される。前記第2ハードコーティング層HC2及び前記第3ハードコーティング層HC3は前記第1ハードコーティング層HC1と同様に、紫外線UV硬化性高分子、ゾルーゲル(sol−gel)、熱硬化性高分子、及び有機/無機複合材料物質の中の1つ以上を包含することができる。前記第2ハードコーティング層HC2及び前記第3ハードコーティング層HC3は前記第2支持シートSPS2に塗布され、前記第2支持シートSPS2をスクラッチ等から保護し、前記第2支持部SP2の工程の時、取扱いを容易にする。このために、本発明の一実施形態では前記第1ハードコーティング層HC1及び前記第2ハードコーティング層HC2の硬度(hardness)が2H以上であり得り、前記第1ハードコーティング層HC1の及び前記第2ハードコーティング層HC2厚さは各々約3μm乃至約4μmであり得る。この時、前記第1ハードコーティング層HC1及び前記第2ハードコーティング層HC2の誘電率は各々4以下であり得る。
【0110】
図8図7の液晶変調器MDを製造する方法を概略的に示した断面図である。
【0111】
図1図7及び図8を参照すれば、先ず透明基板SUBが提供される。
【0112】
次に前記第1支持部SP1が形成される。前記第1支持部SP1は第1支持シートSPS1を準備し、前記第1支持シートSPS1の一面に第1ハードコーティング層HC1を形成し、前記第1支持シートSPS1の他面に保護層PRを形成することによって製造される。
【0113】
前記透明基板SUB及び前記第1支持部SP1と別個に、第2支持部SP2が準備され、前記第2支持部SP2上に共通電極ELが形成される。
【0114】
前記第2支持部SP2は第2支持シートSPS2の一面に第2ハードコーティング層HC2を形成し、前記第2支持シートSPS2の他面に第3ハードコーティング層HC3を形成することによって製造される。前記第2ハードコーティング層HC2及び前記第3ハードコーティング層HC3は前記第1ハードコーティング層HC1と実質的に同一の方式で前記第2支持シートSPS2上に形成され得る。即ち、前記第2支持シートSPS2の両面上に多様な方法、例えばスピンコーティング、ドクターブレードコーティング、又はスロットダイコーティングで塗布されて形成され得る。
【0115】
以後、前記共通電極ELと前記第1支持部SP1とは液晶層LCを介して互いに対向して接着される。この時前記液晶層LCは接着剤として作用することができる。
【0116】
また、前記透明基板SUBと前記第2支持部SP2とは接着剤ADHを介して接着され得る。この時、前記透明基板SUBと前記第2支持部SP2の前記第2ハードコーティング層HC2とが互いに対向するように接着される。
【0117】
上述したように、本発明のその他の実施形態による液晶変調器MDは本発明の一実施形態及び他の実施形態と異なり、接着剤ADHが追加されたが、本発明の一実施形態による液晶変調器MDと同様に、前記共通電極EL上に液晶層LCを直ちに形成することによって共通電極ELと液晶層LCとの間の絶縁膜が省略される。これに加えて、液晶層LCを接着剤として使用することによって、反射層RFを付着するための別の接着剤が必要としない。その結果、表示基板DVの対象電極EL’と前記液晶変調器MDの共通電極ELとの間の総厚さを減少させ得る。
【0118】
本発明の実施形態によれば、前記液晶変調器MDを透過する光を極大化するために偏光板及び位相遅延板等の追加光学シートが提供され得る。図9乃至図11は本発明の実施形態による液晶変調器を示した断面図である。
【0119】
図9には図5に図示された本発明の実施形態による液晶変調器MDと実質的に同一な構造を有するが、偏光板POLが提供された実施形態が図示された。図9を参照すれば、前記液晶変調器MDは表示基板DVの対象電極EL’と対向し、透明基板SUB上に接着剤ADHを介して提供された共通電極EL、前記共通電極EL上に提供された液晶層LC、前記液晶層LC上に提供された反射層RF、及び前記反射層RF上に提供された第1支持部SP1を含む。ここで、前記透明基板SUBの中で前記共通電極ELが形成された面と反対面の上には偏光板POLが提供され、前記第1支持部SP1は保護層PR、第1支持シートSPS1、ハードコーティング層HC1を含む。
【0120】
前記偏光板POLは前記液晶変調器MDを透過する光を偏光するためのものであって、前記液晶変調器MDを透過する光のノイズをフィルタリングする。前記液晶層LCが高分子ネットワーク液晶を包含する場合、前記液晶層LCを透過する光の散乱が増加する。特に、前記共通電極ELと前記対象電極(EL’;図1参照)とに電界が形成される場合、前記電界によって液晶分子が整列しなければならないが、硬化された高分子付近に配置された液晶分子は前記高分子のアンカリングエネルギー(anchoring energy)によって配列が乱れることがあり得る。前記配列が乱れた液晶によって前記液晶層LCを透過する光が散乱され得る。前記散乱された光は計測ユニット(MU、図1参照)でノイズとして測定され、実際、液晶変調器MDによって屈折された光の検出を妨害し得る。したがって、本実施形態では前記偏光板POLが提供されることによって前記散乱された光を遮断することによって前記計測ユニットMUの感度を向上させる。
【0121】
本実施形態において、前記偏光板POLは前記透明基板SUBの中で前記共通電極ELが形成された面と反対面の上には偏光板POLが提供されることを図示したが、前記偏光板POLの位置はこれに限定されることではない。本発明の他の実施形態において、前記偏光板POLは前記透明基板SUBと前記液晶層LCとの間に提供され得る。例えば、図示せずが、前記偏光板POLは前記透明基板SUBと前記接着剤ADHとの間に提供され得る。
【0122】
図10には図9に図示された本発明の実施形態による液晶変調器MDと実質的に同一な構造を有するが、偏光板POLと透明基板SUBとの間にクォーター(1/4)波長板(quarter wave plate;QWP)が追加されている。図9及び図10を参照すれば、前記クォーター波長板QWPは前記液晶変調器MDを透過する光の位相を変更(例えば、線偏光された光を円偏光された光に変えるか、或いは円偏光である光を線偏光された光に変える)する。ここで、前記偏光板POLの偏光軸と前記クォーター波長板QWPの偏光軸とは互に45°の角度に配置され得る。
【0123】
これにしたがって、前記偏光板POLによって前記液晶変調器MDを透過する光が偏光され、前記クォーター波長板QWPによって前記反射層で反射された光の透過率が高くなる。その結果、前記液晶変調器MDを透過する光のノイズが減少することと共に前記液晶変調器MDを透過する光量が最大化になる。
【0124】
本実施形態において、前記偏光板POL及び前記クォーター波長板QWPが前記透明基板SUBの中で前記共通電極ELが形成された面と反対面上に提供されることを図示したが、前記偏光板POL及び前記クォーター波長板QWPの位置はこれに限定されることではない。本発明の他の実施形態において、前記偏光板POL及び前記クォーター波長板QWPは前記透明基板SUBと前記液晶層LCとの間に提供され得る。例えば、図示せずが、前記偏光板POL及び前記クォーター波長板QWPは前記透明基板SUBと前記接着剤ADHとの間に順次的に提供され得る。
【0125】
図11には図9に図示された本発明の実施形態による液晶変調器MDと実質的に同一な構造を有するが、偏光板POLの代わりに波長遮断フィルターWCFが追加されている。
【0126】
図9及び図11を参照すれば、前記液晶変調器MDの各構成要素に光が透過される時、前記光の波長にしたがって前記液晶変調器MDの各構成要素を透過する比率及び散乱される比率が異なる。これにしたがって、特定波長の光はさらに多く透過されるか、或いは散乱されることによってノイズとして作用することができる。前記波長遮断フィルターWCFは特定波長、特に可視光線の中で青色光以下の短波長の光を遮断することができる。本発明の実施形態では前記青色光より短い波長を有する光、例えば380nm以下の波長を有する光が遮断されるように短波長遮断フィルターであり得る。これにしたがって、本発明の実施形態によれば、前記液晶変調器MDを通過した後、計測ユニット(MU、図1参照)で計測される光のノイズが減少する。
【0127】
図12は本発明の一実施形態による液晶変調器(実施形態)と、既存の液晶変調器(比較例1)との電圧に応じた反射輝度を示したグラフである。図12において、本発明の一実施形態による液晶変調器は図5に図示されたものを使用し、液晶変調器を除外した他の条件は同様に維持された。
【0128】
図12を参照すれば、液晶変調器の共通電極に同一な駆動電圧を印加する時、本発明の実施形態による液晶変調器の反射輝度が既存発明の液晶変調器の反射輝度より大きい。特に、本発明の一実施形態による液晶変調器において、駆動電圧が約100V以上で反射輝度が既存発明にしたがう液晶変調器の反射輝度より約7%以上増加した。これにしたがって、本発明の一実施形態による液晶変調器の場合、コントラスト比が既存発明に比べて向上され、各画素の欠陥可否をさらに明確に確認することができる。また、本発明の一実施形態による液晶変調器の場合、コントラスト比が既存発明に比べて低電圧で駆動可能である。
【0129】
図13は本発明の一実施形態による液晶変調器において、液晶層を高分子ネットワーク液晶(実施形態1)と、高分子分散液晶(実施形態2)とで異ならせた時の反射率を各々示したグラフである。前記実施形態1と前記実施形態2とでは液晶層を除外した構造が同一であり、液晶変調器が25Hzによって駆動された。また、前記液晶変調器から前記表示基板までの距離は50μmに維持された。
【0130】
図13を参照すれば、高分子ネットワーク液晶を採用した実施形態1の駆動電圧が高分子分散液晶を採用した実施形態2の駆動電圧が低いことを確認することができる。即ち、高分子ネットワーク液晶を採用する場合、高分子分散液晶を採用する場合より低い駆動電圧でも容易に画素の不良を感知することができ、またコントラスト比は大きい。したがって、最終の結果物である液晶変調器において、高分子ネットワーク液晶を採用する場合に欠陥画素の形状が容易に視認されることができる。
【0131】
図14は本発明の一実施形態による液晶変調器において、液晶変調器の厚さにしたがって検出可能な画素の最小ピッチを示したグラフである。図13において、前記液晶変調器の“厚さ”とは前記共通電極から、対象基板と対向する前記液晶変調器の最外殻部までの距離を意味する。即ち、前記共通保護層までの距離(本発明の一実施形態)、又は第1ハードコーティング層までの距離(本発明の他の実施形態)を意味する。ここで、前記液晶変調器と前記表示基板までの距離は50μmに維持された。
【0132】
図14を参照すれば、前記液晶変調器の厚さが減少するほど、検出できる画素のピッチが減少する。特に、図14のグラフによれば、前記液晶変調器の厚さが約118μmの場合、画素のピッチが20μmぐらいである場合まで検出が可能である。
【0133】
上述したように、本発明の一実施形態による液晶変調器において、表示基板の対象電極と前記液晶変調器の共通電極との間の総厚さが減少されることによって高解像度表示基板(例えば、画素のピッチが20μmぐらいである表示基板)の不良検出が可能である。
【0134】
上記本発明によれば、既存発明に比べて厚さが薄い液晶変調器が提供される。これにしたがって、既存の液晶変調器に比べてコントラスト比が向上され、高解像度表示基板の不良検出が可能である。
【0135】
以上に実施形態を参照して説明したが、該当技術分野の熟練された当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させ得ることを理解できる。
【0136】
また、本発明に開示された実施形態は本発明の技術思想を限定するためものでなく、下記の特許請求の範囲及びそれと同等な範囲内にある全て技術思想は本発明の権利範囲に含まれることと解析されなければならない。
【符号の説明】
【0137】
BS・・・光分割器
DV・・・表示基板
EL・・・共通電極
EL’・・・対象電極
IPU・・・イメージ処理ユニット
MD・・・液晶変調器MD
MU・・・計測ユニット
LU・・・光源ユニット

図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14