(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
(地域防災情報システムの構成)
図1は本発明の実施の形態1に係る地域防災情報システムの構成を示す図である。本実施の形態の地域防災情報システムは、火災警報器10と、移報アダプタ20と、子機30と、中継機40と、親機50と、ゲートウェイ60と、クラウドサーバー70と、リモートコントローラ600とを備えている。なお、本実施の形態1では、子機30は、屋外に設置された屋外警報装置30である。
【0012】
火災警報器10、及び移報アダプタ20は、所定の地域内における住戸Hにそれぞれ1つ又は複数設けられる。これら1つ又は複数の火災警報器10及び移報アダプタ20は、無線信号の送受信を行うことができる機器によりグループを構成しており、本実施の形態では、親となる火災警報器10をグループ内に1台設け、残りの機器を子としている。
図1では住戸H内を1グループとしているが、例えば住戸H内に複数のグループを構成することもできる。また、特に限定するものではないが、基本的には親となる火災警報器10は、グループ内のすべての機器と通信できる位置に設けられている。そして、他の火災警報器10等からの警報信号等を受信すると、グループ内の他の機器に対して再送信して確実に連動させるようにする。また、例えばグループ内の各機器は、通信元、通信先を特定するために、グループ内において固有に設定されたアドレスをそれぞれ有する。
【0013】
火災警報器10は、例えば火災等を検出すると音、表示等による警報を行い、利用者(例えば居住者)に報知する。また、グループ内の他の火災警報器10から火災に係る警報信号を受信すると、連動して警報を発する。
【0014】
移報アダプタ20は、火災に係る信号(警報信号)を屋外警報装置30に移報(出力)するための装置である。本実施の形態の移報アダプタ20は、火災等を検出する機能は有していないが、火災警報器10からの信号に基づいて、連動して警報を行うことができるものとする。また、移報アダプタ20にも火災警報器10と同様に固有のアドレスが設定されており、通信においては子の機器として扱われる。
【0015】
屋外警報装置30は、所定の地域内における住戸Hの屋外に設けられる。例えば、屋外警報装置30は、住戸Hの外壁面や住戸Hの近傍の構造物等に設置される。また、屋外警報装置30は、前面に設けられた火災確認ボタン331等に人の手が届く位置に設置される。この屋外警報装置30は、移報アダプタ20から移報された警報信号を含む通信情報、火災確定信号を含む通信情報、及び誤報信号を含む通信情報の少なくとも1つを無線通信により送信する装置である。屋外警報装置30から送信される通信情報には、各種の信号とともに、当該屋外警報装置30の識別IDが付加される。なお、屋外警報装置30の識別IDに代えて又はこれに加えて、当該住戸Hにおける火災警報器10のグループに固有に設定されたアドレス(グループID)を付加しても良い。
【0016】
中継機40は、所定の地域内に設けられ、屋外警報装置30からの通信情報を受信して再送信する装置である。親機50は、例えば地域内においてネットワーク71への接続環境が整っている管理部Cに設けられ、屋外警報装置30及び中継機40の少なくとも一方からの通信情報を受信する装置である。この親機50は、ゲートウェイ60を介して通信回線(例えばネットワーク71)に接続される。ゲートウェイ60は、親機50が取得した警報信号を含む通信情報のプロトコル変換を行い、通信回線(例えばネットワーク71)を経由してクラウドサーバー70へ通信情報を送信する。
【0017】
屋外警報装置30、中継機40、及び親機50の間の無線通信は、例えば特定小電力無線を使用して、プロアクティブ型のルーティングプロトコルを採用したアドホックネットワークシステムを用いている。このようなアドホックネットワークシステムは、中継機能を利用したマルチホップ通信方式により、通信エリアを逐次的に拡張することが可能となる。なお、屋外警報装置30、中継機40、及び親機50の間の無線通信の方式はこれに限るものではなく、任意の通信方式を用いることができる。また、中継機40を省略して、屋外警報装置30と親機50とが直接通信するようにしても良い。
【0018】
リモートコントローラ600は、住戸Hの居住者が所有して、火災又は非常状態等が発生した場合、居住者が自ら操作するものである。
【0019】
図2は本発明の実施の形態1に係る屋外警報装置30、中継機40、及び親機50の配置位置を示す図である。
図2に示すように、中継機40は、例えば地域内における屋外の支柱等の上部に設置される。親機50は、例えば地域内においてネットワーク71への接続環境が整っている管理部Cの建屋近傍の屋外に設置される。中継機40及び親機50は、互いに通信可能な位置に配置される。また、中継機40は、少なくとも1つの屋外警報装置30との間で通信可能な位置に配置される。これにより地域内の各住戸Hに配置された屋外警報装置30は、中継機40及び親機50の少なくとも一方との間で通信を行うことが可能となる。なお、屋外警報装置30に中継機40の機能を持たせ、他の住戸Hの屋外警報装置30から送信された通信情報を屋外警報装置30が中継するようにしても良い。
【0020】
なお、本実施の形態においては、中継機40を介して、屋外警報装置30と親機50とが無線通信する場合を説明するが、本発明はこれに限るものではなく、屋外警報装置30と親機50とを有線により接続しても良い。また、中継機40や親機50を介さず、各屋外警報装置30が直接、ゲートウェイ60を介してネットワーク71に接続するようにしても良い。
【0021】
再び
図1において、クラウドサーバー70は、ネットワーク71に接続され、電子メールを送受信する機能を有している。クラウドサーバー70は、例えばPOP3(Post Office Protocol Version 3)およびSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)等のプロトコルに準拠した通信により、ネットワーク71を介して、地域内の住人が所持する1つ又は複数の情報端末80宛に電子メールを送信する。クラウドサーバー70は、クラウドコンピューティングシステムの機能によって構成されている。ここで、クラウドコンピューティングシステムとは、システム提供者等が保有する1つ又は複数のネットワーク機器に、ソフトウェアやユーザーが利用する情報等を格納しておき、ユーザーが保有する端末からネットワークにアクセスすることで、当該ソフトウェアや情報を用いた機能を利用可能とする技術である。なお、本実施の形態では、クラウドサーバー70がクラウドコンピューティングシステムの機能によって構成されている場合を説明するが、本発明はこれに限るものではなく、同様の機能を実現するソフトウェアや情報が記憶された情報処理装置(所謂サーバー70)によって構成しても良い。なおこの場合には、親機50とサーバー70とを直接又は所定のインターフェースを介して接続するようにしても良い。
【0022】
情報端末80は、例えば、携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等、電子メールを送受信する機能を有する機器である。
【0023】
次に、地域防災情報システムを構成する各機器の詳細について説明する。
【0024】
(火災警報器10)
図3は本発明の実施の形態1に係る火災警報器10の回路構成を示す図である。
図3において、火災を検出する警報器10である火災警報器10は、制御回路101、電池102、電源回路103、電池電圧検出回路104、送受信回路105、アンテナ106、火災検出回路107、警報音制御回路108、表示回路109及び点検・警報停止スイッチ120を備える。
【0025】
制御回路101は、入力される信号等に基づいて処理を行い、火災警報器10が有する回路等の制御を行う。例えば、火災検出回路107からの信号に基づいて、警報音制御回路108、表示回路109を動作させて音、表示によって火災に係る警報等を行う。送受信回路105を介して、グループ内における他の機器との通信処理を行う。記憶素子121は、例えばEEPROM等の不揮発性メモリであり、制御回路101が実行する処理に係るプログラム、自己及びグループ内の他の機器に設定されたアドレス、属するグループのグループID等の各種データを格納している。
【0026】
電池102は、電源回路103に直流電源を供給する。電源回路103は、電池102の電圧を所定電圧に制御し、火災警報器10の各回路に供給する。電池電圧検出回路104は、電池102の印加に係る電圧を検出し、検出した電圧に応じた電池電圧検出信号を制御回路101に出力する。
【0027】
電池電圧検出回路104からの電圧検出信号に基づいて、電池残量が低下したこと、電池切れの閾値を超えたことを判断すると、制御回路101は、警報音制御回路108と表示回路109を駆動させて電池切れ等を報知させる。
【0028】
送受信回路105は、無線信号を送受信するためのアンテナ106に接続されている。送受信回路105は、アンテナ106を介して入力された(送られた)無線信号を処理し、自己のアドレスが通信先のデータとして含まれている(通信先としてすべてのアドレスとしている場合も含む)と判断した場合には受信処理を行う。自己のアドレス以外の無線信号と判断した場合には受信処理を行わない。受信処理した信号は、制御回路101へ出力する。また、送受信回路105は、制御回路101の処理に係る状態信号等の送信処理を行う。
【0029】
火災検出回路107は、火災現象に基づく煙や熱等の物理的変化を検出して検出内容に応じた信号を制御回路101に出力する。ここでは、特に詳細に区別することなく、火災の検出に係る信号を出力するものとして説明する。
【0030】
警報音制御回路108は、ブザー・スピーカ等(図示せず)から警報音を発生させる動作を制御する回路である。表示回路109は、例えば発光ダイオード等の表示灯の点灯動作を制御する回路である。ここでは、表示灯の点灯制御を行う回路であるものとして説明するが、例えば、火災警報器10が文字、数字等を表示できる表示手段を有している場合には、文字等を表示させる制御を行うようにしてもよい。
【0031】
点検・警報停止スイッチ120は、利用者が火災警報器10に連動点検を行わせるために押下するスイッチである。また、別構成にすることもできるが、本実施の形態では、火災に係る警報時において、利用者が火災に係る警報を停止させるためのスイッチも兼ねているものとする。さらに、例えば半押し又は全押し、短押し又は長押し等で区別することにより、スイッチの使い分けを行うことができる。
【0032】
(移報アダプタ20)
図4は本発明の実施の形態1に係る移報アダプタ20の回路構成を示す図である。
図4において、移報アダプタ20は、火災警報器10と同様に、制御回路201、電池202、電源回路203、電池電圧検出回路204、送受信回路205、アンテナ206、警報音制御回路208、表示回路209及び点検・警報停止スイッチ220を備える。これらの回路等は、前述した火災警報器10の対応する回路等と同様の動作を行う。ただし、システムにおける役割の違いから、制御回路201は、火災警報器10の制御回路101の処理とは異なる処理を行う場合がある。また、制御回路201は記憶素子221を有し、制御回路201が実行する処理のプログラム、自己及びグループ内の他の機器に設定されたアドレス等の各種データを格納している。そして、火災警報器10と異なり、火災等の検出を行うものではないため、本実施の形態の移報アダプタ20は、火災検出回路107に対応する回路は有していないものとする。
【0033】
また、本実施の形態の移報アダプタ20は、移報出力回路230、火災警報音出力設定スイッチ231及び移報出力設定スイッチ232を有している。移報出力回路230は屋外警報装置30へ火災に係る警報信号等を含む移報信号を出力(送信)するための構成である。なお、移報出力回路230は屋外警報装置30等に有線接続されているが、無線接続であってもよい。
【0034】
また、火災警報音出力設定スイッチ231は、移報アダプタ20において、警報音(火災警報音)を発生させるか否かを設定するためのスイッチ(ディップスイッチ等の設定手段)である。このため、本実施の形態の移報アダプタ20は、他の音(例えば電池切れ、センサ異常、通信異常等の異常報知に係る音等)については、火災警報音出力設定スイッチ231の設定に関係なく発生させるものとする。また、本実施の形態の火災警報音出力設定スイッチ231による設定の変更は、電源が投入されたとき、リセットボタン(図示せず)等によりリセットされた際に有効となる。このため、通常時にスイッチを切り換えても設定は変更されないものとする。
【0035】
移報出力設定スイッチ232は、例えば連動点検時において、移報出力回路230から移報信号を出力するか否かを設定するためのスイッチである。ここでは、移報出力設定手段をスイッチで構成するが、例えば要求に合わせて施した設定を記憶素子221にデータベースとして記憶させておく等、特にスイッチに限定するものではない。これについては火災警報音出力設定スイッチ231についても同様である。
【0036】
(屋外警報装置30)
図5は本発明の実施の形態1に係る屋外警報装置30の回路構成を示す図である。
図5において、屋外警報装置30は、制御回路301、電池302、電源回路303、電池電圧検出回路304、送受信回路305、アンテナ306、警報音制御回路308、表示回路309、火災確認ボタン331、誤報確認ボタン332、及び移報入力回路330を備える。
【0037】
制御回路301は、入力される信号等に基づいて処理を行い、屋外警報装置30が有する回路等の制御を行う。例えば、移報入力回路330からの信号に基づいて、警報音制御回路308、表示回路309を動作させて音、表示によって火災に係る警報等を行う。また制御回路301は、例えば、移報入力回路330からの信号に基づいて、警報信号又は誤報信号と識別IDとを含む通信情報を生成する。生成した通信情報は、送受信回路305を介して、中継機40及び親機50との通信処理を行う。記憶素子321は、例えばEEPROM等の不揮発性メモリであり、制御回路301が実行する処理に係るプログラム、自己に設定されたアドレス(識別ID)等の各種データを格納している。なお、屋外警報装置30の識別IDは、システム内の屋外警報装置30において固有に設定される。
【0038】
電池302は、電源回路303に直流電源を供給する。電源回路303は、電池302の電圧を所定電圧に制御し、屋外警報装置30の各回路に供給する。電池電圧検出回路304は、電池302の印加に係る電圧を検出し、検出した電圧に応じた電池電圧検出信号を制御回路301に出力する。なお、本実施の形態では、電池302から直流電源を供給する場合を説明するが、本発明はこれに限らず、電源回路303を商用電源(AC100V等)に対応する構成とし、電池302に代えて商用電源を供給するようにしても良い。
【0039】
電池電圧検出回路304からの電圧検出信号に基づいて、電池残量が低下したこと、電池切れの閾値を超えたことを判断すると、制御回路301は、表示回路309を駆動させて電池切れ等を報知させる。
【0040】
送受信回路305は、無線信号を送受信するためのアンテナ306に接続されている。送受信回路305は、制御回路301が生成した通信情報を所定の通信方式の無線信号に変調して送信する。
【0041】
警報音制御回路308は、ブザー・スピーカ等(図示せず)から警報音を発生させる動作を制御する回路である。表示回路309は、例えば発光ダイオード等の表示灯の点灯動作を制御する回路である。ここでは、表示灯の点灯制御を行う回路であるものとして説明するが、これに限らず、文字、数字等を表示させる制御を行うようにしてもよい。
【0042】
移報入力回路330は移報アダプタ20からの火災に係る警報信号等を含む移報信号を入力(受信)するための構成である。なお、移報入力回路330は移報アダプタ20に有線接続されているが、無線接続であってもよい。
【0043】
火災確認ボタン331は、住戸Hの屋外から操作可能に構成されている。火災確認ボタン331は、住戸Hの屋外からの操作により、火災確定信号を含む通信情報を送信させるためのボタンである。誤報確認ボタン332は、住戸Hの屋外から操作可能に構成されている。誤報確認ボタン332は、住戸Hの屋外からの操作により、火災警報器10からの警報信号が誤報であった旨の誤報信号を含む通信情報を送信させるためのボタンである。
【0044】
図6は本発明の実施の形態1に係る屋外警報装置30の外観の一例を示す図である。
図6に示すように、屋外警報装置30は、筐体の正面に、火災確認ボタン331と誤報確認ボタン332とが配置されている。火災確認ボタン331は例えば赤色のランプつきボタン等によって構成されている。なお、屋外警報装置30が警報信号を受信した場合にはランプを点滅させ、屋外警報装置30から火災確定信号を送信している場合にはランプを点灯状態にする等、動作状態によってランプの点灯状態を変更するようにしても良い。誤報確認ボタン332は例えば緑色のランプつきボタン等によって構成されている。なお、屋外警報装置30が警報信号を受信した場合にはランプを点滅させ、屋外警報装置30から火災確定信号を送信している場合にはランプを消灯状態にする等、動作状態によってランプの点灯状態を変更するようにしても良い。このように、火災確認ボタン331及び誤報確認ボタン332の色及び点灯状態を変更することで、操作に不慣れな住人や住戸Hの周辺に居合わせた者等でも直感的に操作を行うことができる。
【0045】
なお、上記構成に加え、屋外警報装置30に、住戸Hの屋外から操作可能な点検ボタンを設けても良い。制御回路301は、点検ボタンが操作されたとき、警報音制御回路308及び表示回路309の少なくとも一方を動作させて警報を発報させる。また、制御回路301は、点検動作である旨の情報を含む通信情報を生成し、送受信回路305から送信するようにしても良い。このとき、警報信号の配信動作と同様に中継機40、親機50、ゲートウェイ60、およびネットワーク71を経由してクラウドサーバー70に伝送するようにしても良いし、この場合さらに点検結果を電子メールによって住戸Hの居住者に送信するようにしてもよい。これにより、住戸Hの屋外から点検操作を行うことができるようになる。なお、点検ボタンを別途設けずに、火災確認ボタン331又は誤報確認ボタン332が点検ボタンを兼ねるようにしても良い。例えば半押し又は全押し、短押し又は長押し等で区別することにより、ボタンの使い分けを行うことができる。
【0046】
また、火災確認ボタン331及び誤報確認ボタン332は、移報アダプタ20からの火災に係る警報の移報信号(警報信号)を受信している状態の時にのみ操作を受け付ける。これにより、誤操作又はいたずら等によって、システムが作動してしまうことを防止することができる。なお、上記に限らず、火災確認ボタン331及び誤報確認ボタン332は、常時操作を受け付けるようにしてもよい。
【0047】
また、火災警報器10が作動していない状態で、屋外警報装置30の火災確認ボタン331が、例えば2秒以上長押しされた場合に火災確定信号が送信されるようにしてもよい。これにより、住戸Hの外から火災を発見した人は、火災警報器10が作動する前に、火災確認ボタン331によって屋外警報装置30に火災警報を発信させることができる。
【0048】
(中継機40)
図7は本発明の実施の形態1に係る中継機40の回路構成を示す図である。
図7において、中継機40は、制御回路401、充電電池402、電源回路403、電池電圧検出回路404、送受信回路405、アンテナ406、太陽電池407、及び充電切換回路408を備える。
【0049】
制御回路401は、入力される信号等に基づいて処理を行い、中継機40が有する回路等の制御を行う。例えば、送受信回路405が受信した通信情報に、自己の識別IDを含めた通信情報を生成する。生成した通信情報は、送受信回路405を介して、他の中継機40及び親機50との通信処理を行う。記憶素子421は、例えばEEPROM等の不揮発性メモリであり、制御回路401が実行する処理に係るプログラム、自己に設定されたアドレス(識別ID)等の各種データを格納している。なお、中継機40の識別IDは、システム内の中継機40において固有に設定される。ここで、制御回路401は、送受信回路405が受信した無線信号の受信電界強度の情報を付加した通信情報を生成するようにしても良い。この受信電界強度の情報は、親機50を介してクラウドサーバー70に送られ、最も強い電波を受信した中継機40の位置を、火災等の警報信号を送信した屋外警報装置30に最も近い中継機40として検出するようにしても良い。なお、中継機40は、自身よりも先に中継した中継機40からの通信情報を中継する場合は、自身よりも先に中継した中継機40の識別IDと受信電界強度の情報に後続して、自身の識別IDと受信電界強度の情報とを付加した通信情報を生成するようにするとよい。これにより、クラウドサーバー70は、複数の中継機40を経由した通信情報であっても、先頭の中継機IDにおける受信電界強度の情報を比較すれば、最も強い電波を受信した中継機40の位置を、火災等の警報信号を送信した屋外警報装置30に最も近い中継機40として検出することができる。また、中継機40は、自身よりも先に中継した中継機40からの通信情報を中継する場合は、少なくとも自身の受信電界強度の情報を付加しないようにしても同様な効果を奏することができる。また、同様な効果を奏するその他の構成を採用することもできる。
【0050】
送受信回路405は、無線信号を送受信するためのアンテナ406に接続されている。送受信回路405は、屋外警報装置30及び他の中継機40から送信された通信情報を受信する。また、制御回路401が生成した通信情報を所定の通信方式の無線信号に変調して送信する。
【0051】
充電電池402は、電源回路403に直流電源を供給する。電源回路403は、充電電池402の電圧を所定電圧に制御し、中継機40の各回路に供給する。電池電圧検出回路404は、充電電池402の印加に係る電圧を検出し、検出した電圧に応じた電池電圧検出信号を制御回路401に出力する。
【0052】
太陽電池407は、充電切換回路408を介して充電電池402に接続される。制御回路401は、電池電圧検出回路404からの電圧検出信号に基づいて、一定の電圧を下回る場合には、充電切換回路408を動作させて太陽電池407と充電電池402とを接続させて太陽電池407からの電力を充電電池402に供給させる。また、一定の電圧を超えた場合には、充電切換回路408を動作させて太陽電池407と充電電池402との接続を遮断させて充電を停止させる。なお、本実施の形態では、充電電池402及び太陽電池407から直流電源を供給する場合を説明するが、本発明はこれに限らず、電源回路403を商用電源(AC100V等)に対応する構成とし、充電電池402及び太陽電池407に代えて商用電源を供給するようにしても良い。
【0053】
(親機50)
図8は本発明の実施の形態1に係る親機50の回路構成を示す図である。
図8において、親機50は、中継機40と同様に、制御回路501、充電電池502、電源回路503、電池電圧検出回路504、送受信回路505、アンテナ506、太陽電池507、及び充電切換回路508を備える。これらの回路等は、前述した中継機40の対応する回路等と同様の動作を行う。ただし、システムにおける役割の違いから、制御回路501は、中継機40の制御回路401の処理とは異なる処理を行う場合がある。また、制御回路501は記憶素子521を有し、制御回路501が実行する処理のプログラム、自己に設定されたアドレス等の各種データを格納している。また、親機50は、情報出力回路530を有している。情報出力回路530は、ゲートウェイ60に通信情報を出力(送信)するための構成である。情報出力回路530は、例えば、RS232C等のシリアル通信方式のインターフェースにより構成される。なお、情報出力回路530とゲートウェイ60との間は有線接続されているが、無線接続であってもよい。
【0054】
(クラウドサーバー70)
図9は本発明の実施の形態1に係るクラウドサーバー70を示すブロック図である。
図9に示すように、クラウドサーバー70は、記憶手段72、作成手段73、送信手段74、及び対処完了手段76を有している。記憶手段72は、所定の地域内の住人が所持する情報端末80の電子メールアドレスの情報を予め記憶するものである。作成手段73は、各電子メールを作成するものであり、送信手段74は、作成手段73において作成された各電子メールを情報端末80に送信するものである。また、対処完了手段76は、火災対処又は非常対処が完了したことを知らせるものである。また、
図10は本発明の実施の形態1に係るクラウドサーバー70の記憶情報700の構成を示す図である。本実施の形態において、サーバー70は、クラウドサーバー70である。
図10において、クラウドサーバー70には、屋外警報装置30の識別IDと、住戸名と、電子メールアドレスの情報とを有する記憶情報700が予め記憶されている。屋外警報装置30の識別IDは、屋外警報装置30固有の識別情報であり、屋外警報装置30が送信する警報情報に付加される情報である。住戸名は、屋外警報装置30の識別IDに対応する住戸を識別する情報である。例えば住人の氏名等の情報である。なお、住戸名の情報は省略しても良い。電子メールアドレスは、屋外警報装置30の識別IDに対応して記憶され、所定の地域内の住人が所持する1つ又は複数の情報端末80の電子メールアドレスの情報である。ここで、「住人が所持する」とは、地域内の住人及びこれに準ずるものが電子メールの情報内容を確認しうる情報端末80をいうものであり、住人が実際に手にしている情報端末80に限定されるものではない。また、必ずしも情報端末80が常に地域内に存在している場合に限定されるものではない。例えば携帯可能な情報端末80であれば地域外に存在する場合があり得ることは勿論のことである。
【0055】
なお、本実施の形態では屋外警報装置30の識別IDに対応して電子メールアドレスの情報が記憶される場合を説明するが、これに限らず、警報信号を発信した火災警報器10が配置された住戸を特定する情報であればよい。例えば、屋外警報装置30の識別IDに代えて、火災警報器10のグループアドレス(グループID)を用いても良い。
【0056】
なお、ゲートウェイ60には商用電源が供給されるが、停電等により電源供給が遮断された場合に、電源供給を実施する無停電電源装置を設けるようにしても良い。これにより、本実施の形態における地域防災情報システムを構成する、火災警報器10、移報アダプタ20、屋外警報装置30、中継機40、親機50、及びゲートウェイ60は、電池又は無停電電源装置から電源が供給されることとなり、例えば災害等により商用電源からの供給が停止した場合であっても動作を継続することができる。また、クラウドサーバー70は、住戸Hが存在する地域とは別の位置に設けられたネットワーク機器によって構成されるため、当該地域において停電等が発生したとしても電源供給が遮断されることはない。また、当該地域において自然災害が発生した場合等でもクラウドサーバー70の機能が失われることがなく、より信頼性の高い地域防災情報システムを構築できる。さらに、クラウドコンピューティングを利用する場合、サーバー装置単体を購入する場合の費用よりも廉価であることが一般的であり、地域防災情報システムを導入する者(自治体等)の費用負担を軽減することが可能となる。
【0057】
(リモートコントローラ600)
図11は本発明の実施の形態1に係るリモートコントローラ600を示す図である。
図11に示すように、リモートコントローラ600は、火災ボタン631と非常ボタン632とを有しており、火災が発生した場合には、火災ボタン631が操作され、非常状態が発生した場合には、非常ボタン632が操作される。火災ボタン631は、操作されたときに火災が事実であることを確定し、火災確定信号をクラウドサーバー70に送信するものである。そして、リモートコントローラ600に設けられた火災報知部(図示せず)が、火災を報知する。火災報知部は、例えばブザーとLEDとからなり、火災ボタン631が操作されると、ブザーが鳴動し且つLEDが点滅する。
【0058】
また、非常ボタン632は、操作されたときに非常状態であることを知らせ、非常信号をクラウドサーバー70に送信するものである。そして、リモートコントローラ600に設けられた非常報知部(図示せず)が、非常を報知する。非常報知部は、例えばブザーとLEDとからなり、非常ボタン632が操作されると、ブザーが鳴動し且つLEDが点灯する。更に、火災報知部の報知又は非常報知部の報知が行われているときに、火災ボタン631と非常ボタン632とが同時に押下されると、火災報知部の報知又は非常報知部の報知が復旧される。
【0059】
図12は本発明の実施の形態1に係るリモートコントローラ600の回路構成を示す図である。
図12において、リモートコントローラ600は、制御回路601、電池602、電源回路603、電池電圧検出回路604、送受信回路605、アンテナ606、警報音制御回路608、表示回路609、火災ボタン631及び非常ボタン632を備える。
【0060】
制御回路601は、入力される信号等に基づいて処理を行い、リモートコントローラ600が有する回路等の制御を行う。例えば、火災ボタン631又は非常ボタン632からの信号に基づいて、警報音制御回路608、表示回路609を動作させて音、表示によって火災又は非常に係る警報等を行う。また、制御回路601は、送受信回路605を介して、グループ内における他の機器との通信処理を行う。記憶素子621は、例えばEEPROM等の不揮発性メモリであり、制御回路601が実行する処理に係るプログラム、自己アドレスとして、同一住戸Hの屋外警報装置30に設定された識別IDを格納している。また、記憶素子621は、グループ内の他の機器に設定されたアドレス、属するグループのグループID等の各種データを格納している。なお、自己アドレスは、屋外警報装置30に設定された識別IDではなく、固有のアドレスであってもよい。
【0061】
電池602は、電源回路603に直流電源を供給する。電源回路603は、電池602の電圧を所定電圧に制御し、リモートコントローラ600の各回路に供給する。電池電圧検出回路604は、電池602の印加に係る電圧を検出し、検出した電圧に応じた電池電圧検出信号を制御回路601に出力する。
【0062】
電池電圧検出回路604からの電圧検出信号に基づいて、電池残量が低下したこと、電池切れの閾値を超えたことを判断すると、制御回路601は、警報音制御回路608と表示回路609を駆動させて電池切れ等を報知させる。
【0063】
送受信回路605は、無線信号を送受信するためのアンテナ606に接続されている。送受信回路605は、制御回路601が生成した通信情報を所定の通信方式の無線信号に変調して送信する。
【0064】
警報音制御回路608は、ブザーから警報音を発生させる動作を制御する回路である。表示回路609は、LEDの点灯動作を制御する回路である。ここでは、LEDの点灯制御を行う回路であるものとして説明するが、例えば、リモートコントローラ600が文字、数字等を表示できる表示手段を有している場合には、文字等を表示させる制御を行うようにしてもよい。警報音制御回路608、表示回路609は、火災報知部、非常報知部として機能する。
【0065】
(動作)
次に、本実施の形態1における地域防災情報システムの動作について説明する。
【0066】
(警報動作)
火災警報器10の制御回路101は、火災検出回路107から信号が入力されたかどうかを判断する。火災検出による信号が入力されたものと判断すると、警報音制御回路108を動作させて、火元となる火災である旨の音声等を発生させ、表示回路109を動作させて火災である旨を表示させる火元警報を行わせる。そして、送受信回路105に、グループ内の他の機器に警報を連動させるための連動制御信号を、アンテナ106を介して送信させる。一方、火災警報器10の制御回路101は、アンテナ106、送受信回路105を介して、他の火災警報器10からの連動制御信号を受信すると、警報音制御回路108を動作させて他の場所での火災である旨の音等を発生させ、表示回路109を動作させて火災である旨を表示させる連動警報を行わせる。
【0067】
なお、警報を行った後、点検・警報停止スイッチ120が押下されると、警報音制御回路108による音の発生、表示回路109による表示を停止させ、火元警報又は連動警報を停止させる。また、送受信回路105に、他の機器の連動警報を停止させるための連動警報停止信号を送信させる。火災警報器10の制御回路101は、アンテナ106、送受信回路105を介して、他の火災警報器10または移報アダプタ20からの連動警報停止信号を受信すると、警報音制御回路108による音の発生、表示回路109による表示を停止させ、連動警報を停止させる。
【0068】
移報アダプタ20の制御回路201は、アンテナ206、送受信回路205を介して、火災警報器10からの連動制御信号を受信すると、移報出力回路230に火災に係る警報の移報信号(警報信号)を出力させる。また、このとき、火災警報音出力設定スイッチ231がオンになっている場合には、警報音制御回路208、表示回路209を動作させて連動警報を行わせる。
【0069】
なお、点検・警報停止スイッチ220が押下され、警報停止の指示がなされると、または火災警報器10からの連動警報停止信号を受信すると、火災警報音出力設定スイッチ231の設定に応じて、警報音制御回路208による音の発生、表示回路209による表示を停止させ、連動警報を停止させる。また、自身の点検・警報停止スイッチ220が押下された場合は、送受信回路205に、他の機器の連動警報を停止させるための連動警報停止信号を送信させる。ここで、火元の火災警報器10は、火災を検出しなくなった場合は、火元警報を停止するとともに、他の機器の連動警報を停止、及び移報アダプタ20による火災に係る警報の移報信号(警報信号)の出力を停止させるための復旧信号を送信する。他の機器である他の火災警報器10及び移報アダプタ20は、復旧信号を受信すると、連動警報を停止するとともに、移報アダプタ20は、火災に係る警報の移報信号(警報信号)の出力を停止させる。これにより、屋外警報装置30は、火災が復旧したと判断し、復旧信号を含む通信情報を送信し、中継機40、親機50等を介してクラウドサーバー70に送信させる。
【0070】
次に、クラウドサーバー70が送信する電子メールについて詳細に説明する。
図13は、本発明の実施の形態1に係る地域防災情報システムの動作を示すフローチャートである。
【0071】
(警報信号の配信動作)
屋外警報装置30の制御回路301は、移報入力回路330に移報アダプタ20からの移報信号が入力されたと判断すると、警報音制御回路308を動作させて当該住戸Hで火災が発生した旨の音等を発生させるとともに、警報信号と当該屋外警報装置30の識別IDとを含む通信情報を生成し、送受信回路305に送信させる。なお、このとき、表示回路309を動作させて警報信号を送信している旨を表示させるようにしても良い。
【0072】
中継機40の制御回路401は、アンテナ406、送受信回路405を介して、屋外警報装置30又は他の中継機40からの通信情報を受信すると、受信した通信情報に自己の識別IDを含めた通信情報を生成し、送受信回路405に送信させる。なお、送受信回路405が受信した無線信号の受信電界強度の情報を付加した通信情報を生成するようにしても良い。なお、ここでは受信した通信情報に自己の識別IDや受信電界強度の情報を付加する場合を説明するが、本発明はこれに限らず、受信した通信情報(無線信号)を増幅・成形して再送信のみを行うようにしても良い。
【0073】
親機50の制御回路501は、アンテナ506、送受信回路505を介して、屋外警報装置30又は中継機40からの通信情報を受信すると、情報出力回路530に通信情報を出力させる。ゲートウェイ60は、親機50から入力された通信情報のプロトコル変換を行い、ネットワーク71を経由してクラウドサーバー70に当該通信情報を送信する。
【0074】
クラウドサーバー70は、親機50から取得した通信情報を解析し、通信情報に含まれる信号と識別IDと、予め記憶した記憶情報700とに基づき、作動電子メールを生成して、情報端末80の少なくとも1つである1次通報先に送信する(
図13のステップST1)。通信情報に含まれる信号が警報信号である場合、当該住戸の火災警報器10が火災等を検出した旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報とを電子メールの本文とし、屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする作動電子メールを生成する。
【0075】
なお、通信情報に中継機40の識別IDが付加されている場合には、中継機40の識別IDの情報を電子メール本文に付加しても良い。なお、複数の中継機40から屋外警報装置30の識別IDが同一の通信情報を取得した場合には、クラウドサーバー70は、無線信号の受信電界強度の情報に基づき、最も強い電波を受信した中継機40の位置を、火災等の警報信号を送信した屋外警報装置30に最も近い中継機40として検出し、この中継機40の識別IDを電子メール本文に付加するようにしても良い。
【0076】
図14は、本発明の実施の形態1に係る情報端末80が受信する作動電子メールの一例を示す図である。例えば
図14に示すように、通信情報に含まれる信号が警報信号である場合には、作動電子メールの件名を「緊急メール」とし、屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする。そして、作動電子メール本文には、記憶情報700から取得した住宅名と、中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と、予め設定された文章(テンプレート)とを合成して、「○○さん宅から火災通報を受信しました。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。○○さん宅へ駆け付けて火災の有無を確認して下さい。」等の文章を生成する。
【0077】
なお、上記の例では、住宅名、屋外警報装置30の識別ID、中継機40の識別IDの情報を作動電子メール本文に付加する場合を説明したが、これらの少なくとも1つを付加するようにしても良い。また、作動電子メールの内容は、警報信号を発信した火災警報器10が配置された住戸を特定する情報であればよい。
【0078】
情報端末80は、ネットワーク71を介して、クラウドサーバー70から配信された作動電子メールを受信する。そして、情報端末80を所持する住人は、受信した作動電子メールの内容から、地域内の住戸で火災等の警報が発生した旨を確認する。
【0079】
以上のように本実施の形態においては、火災警報器10からの警報信号を、屋外警報装置30、中継機40、親機50を介してクラウドサーバー70へ送信し、所定の地域内の住人が所持する情報端末80に対して、火災等を検出した旨の情報を含む作動電子メールを送信するので、地域内で発生した火災等の警報信号を地域内の住人が共有することができる。
【0080】
(火災確定信号の配信動作)
上述した警報信号の配信動作における作動電子メールによって、地域内の住戸で火災等の警報が発生した旨を確認した住人は、所定の時間、例えば60秒以内に(ステップST2)、直ちに該当する住戸Hへ駆け付けて火災発生の有無を確認する(ステップST3)。そして、住人は、住戸Hにおいて実際に火災等が発生しているか否かを判断し(ステップST4)、火災等が発生している場合、屋外に設置された屋外警報装置30の火災確認ボタン331を操作する(ステップST5)。なお、作動電子メールを確認した住人に限らず、住戸Hの周辺に居合わせた者が屋外警報装置30の火災確認ボタン331を操作しても良い。火災確認ボタン331が操作されると、屋外警報装置30の制御回路301は、火災確定信号と、当該屋外警報装置30の識別IDとを含む通信情報を生成し、送受信回路305に送信させる。屋外警報装置30から送信された通信情報は、上述した警報信号の配信動作と同様に、中継機40、親機50、ゲートウェイ60、およびネットワーク71を経由してクラウドサーバー70に伝送される。
【0081】
クラウドサーバー70は、親機50から取得した通信情報を解析し、通信情報に含まれる信号が火災確定信号である場合、当該住戸Hに火災が発生した旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報とを電子メールの本文とし、火災確定信号の配信先として予め記憶情報700に記憶された電子メールアドレスの全てを宛先とする確定電子メールを生成して、情報端末80の全てである2次通報先に送信する(ステップST7)。また、「電子メールアドレスの全て」とは、火災確定信号の配信先として予め設定した電子メールアドレスの全てをいうものであり、クラウドサーバー70に記憶されている電子メールアドレスの全てに限定されるものではない。少なくとも、当該住戸Hの屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレス以外の電子メールアドレスを含んでいれば良く、例えば、クラウドサーバー70に当該住戸Hと同一地域(市町村等)として登録されている電子メールアドレスの全てに送信する。
【0082】
図15は本発明の実施の形態1に係る情報端末80が受信する確定電子メールの一例を示す図である。例えば
図15に示すように、通信情報に含まれる信号が火災確定信号である場合には、確定電子メールの件名を「火災発生メール」とし、火災確定信号の配信先として設定された電子メールアドレスの全てを宛先とする。そして、確定電子メール本文には、記憶情報700から取得した住宅名と、中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と、予め設定された文章(テンプレート)とを合成して、「○○さん宅で火災が発生しました。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。」等の文章を生成する。
【0083】
なお、上記の例では、住宅名、屋外警報装置30の識別ID、中継機40の識別IDの情報を確定電子メール本文に付加する場合を説明したが、これらの少なくとも1つを付加するようにしても良い。また、確定電子メールの内容は、警報信号を発信した火災警報器10が配置された住戸を特定する情報であればよい。
【0084】
情報端末80は、ネットワーク71を介して、クラウドサーバー70から配信された確定電子メールを受信する。そして、情報端末80を所持する住人は、受信した確定電子メールの内容から、地域内の住戸で火災等が発生した旨を確認する。なお、作動電子メールが送信された後、所定時間、例えば60秒経過すると、火災確認ボタン331の操作にかかわらず、火災が確定したものとされ(ステップST6)、ステップST7に進む。
【0085】
住戸Hへ駆け付けた住人および住戸Hの周辺に居合わせた者は、火災対応マニュアルに従って、初期消火活動や避難誘導等を迅速に実施すると共に、公設消防等へ連絡する(ステップST8)。
【0086】
以上のように本実施の形態においては、火災確認ボタン331が操作されると、地域内の住戸で火災等が発生した旨の情報を含む確定電子メールを、所定の地域内の住人が所持する情報端末80の全てに送信するため、火災等の警報の確実性を向上することができる。
【0087】
その後、火災警報器10が復旧しているか否かが判定される(ステップST9)。そして、火災警報器10が復旧している場合、親機50から復旧信号を含む通信情報がクラウドサーバー70に送信され、クラウドサーバー70は、当該住戸Hが火災から復旧した旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報とを電子メールの本文とし、復旧信号の配信先として予め記憶情報700に記憶された電子メールアドレスの全てを宛先とする対処完了電子メールを生成して、情報端末80の全てである2次通報先に送信する(ステップST10)。
【0088】
図16は本発明の実施の形態1に係る情報端末80が受信する対処完了電子メールの一例を示す図である。例えば
図16に示すように、通信情報に含まれる信号が復旧信号である場合には、対処完了電子メールの件名を「火災復旧メール」とし、復旧信号の配信先として設定された電子メールアドレスの全てを宛先とする。そして、対処完了電子メール本文には、記憶情報700から取得した住宅名と、中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と、予め設定された文章(テンプレート)とを合成して、「○○さん宅で発生した火災が復旧されました。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。」等の文章を生成する。
【0089】
なお、上記の例では、住宅名、屋外警報装置30の識別ID、中継機40の識別IDの情報を対処完了電子メール本文に付加する場合を説明したが、これらの少なくとも1つを付加するようにしても良い。また、対処完了電子メールの内容は、警報信号を発信した火災警報器10が配置された住戸を特定する情報であればよい。
【0090】
以上のように本実施の形態においては、火災警報器10が復旧すると、地域内の住戸で発生した火災等が復旧されたという情報を含む対処完了電子メールが、所定の地域内の住人が所持する情報端末80の全てに送信されるので、火災から復旧したことが周知される。
【0091】
(誤報信号の配信動作)
上述した警報信号の配信動作における作動電子メールによって、地域内の住戸で火災等の警報が発生した旨を確認した住人は、直ちに該当する住戸Hへ駆け付けて火災発生の有無を確認する(ステップST3)。そして、住人は、住戸Hにおいて実際に火災等が発生しているか否かを判断し(ステップST4)、住戸Hにおいて実際に火災等が発生していない場合、屋外に設置された屋外警報装置30の誤報確認ボタン332を操作する(ステップST11)。なお、作動電子メールを確認した住人に限らず、住戸Hの周辺に居合わせた者が屋外警報装置30の誤報確認ボタン332を操作しても良い。
【0092】
クラウドサーバー70は、親機50から取得した通信情報を解析し、通信情報に含まれる信号が誤報信号である場合、当該住戸Hの火災警報器10からの警報信号が誤報である旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報とを電子メールの本文とし、屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする誤報電子メールを生成して、情報端末80の少なくとも1つである1次通報先に送信する(ステップST12)。
【0093】
図17は本発明の実施の形態1に係る情報端末80が受信する誤報電子メールの一例を示す図である。例えば
図17に示すように、通信情報に含まれる信号が誤報信号である場合には、誤報電子メールの件名を「誤報通知メール」とし、屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする。そして、誤報電子メール本文には、記憶情報700から取得した住宅名と、中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と、予め設定された文章(テンプレート)とを合成して、「○○さん宅からの火災通報は誤報です。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。」等の文章を生成する。
【0094】
なお、上記の例では、住宅名、屋外警報装置30の識別ID、中継機40の識別IDの情報を誤報電子メール本文に付加する場合を説明したが、これらの少なくとも1つを付加するようにしても良い。また、誤報電子メールの内容は、警報信号を発信した火災警報器10が配置された住戸を特定する情報であればよい。
【0095】
情報端末80は、ネットワーク71を介して、クラウドサーバー70から配信された誤報電子メールを受信する。そして、情報端末80を所持する住人は、受信した誤報電子メールの内容から、当該住戸Hの火災警報器10からの警報信号が誤報である旨を確認する。そして、火災警報器10は、停止操作が行われて復旧するか自然復旧する(ステップST13)。
【0096】
以上のように本実施の形態においては、誤報確認ボタン332が操作されると、当該住戸Hの火災警報器10からの警報信号が誤報である旨の情報を含む誤報電子メールを、情報端末80に送信するので、火災等の警報の確実性を向上することができる。
【0097】
(リモートコントローラ600の動作)
次に、リモートコントローラ600の動作について説明する。リモートコントローラ600の制御回路601は、火災ボタン631又は非常ボタン632から信号が入力されたと判断すると、警報音制御回路608を動作させて当該住戸Hで火災又は非常状態が発生した旨の音等を発生させるとともに、火災確定信号又は非常信号とリモートコントローラ600に設定された同一住戸Hの屋外警報装置30の識別IDとを含む通信情報を生成し、送受信回路605に送信させる。なお、このとき、表示回路609を動作させて火災確定信号又は非常信号を送信している旨を表示させるようにしても良い。リモートコントローラ600は、屋外警報装置30と同様に、中継機40又は親機50と送受信する構成である。
【0098】
中継機40の制御回路401は、アンテナ406、送受信回路405を介して、リモートコントローラ600からの通信情報を受信すると、受信した通信情報に自己の識別IDを含めた通信情報を生成し、送受信回路405に送信させる。なお、送受信回路405が受信した無線信号の受信電界強度の情報を付加した通信情報を生成するようにしても良い。なお、ここでは受信した通信情報に自己の識別IDや受信電界強度の情報を付加する場合を説明するが、本発明はこれに限らず、受信した通信情報(無線信号)を増幅・成形して再送信のみを行うようにしても良い。
【0099】
親機50の制御回路501は、アンテナ506、送受信回路505を介して、リモートコントローラ600又は中継機40からの通信情報を受信すると、情報出力回路530に通信情報を出力させる。ゲートウェイ60は、親機50から入力された通信情報のプロトコル変換を行い、ネットワーク71を経由してクラウドサーバー70に当該通信情報を送信する。
【0100】
図18は、リモートコントローラ600の動作を示すフローチャートである。
図18に示すように、先ず、リモートコントローラ600のボタンが押下されると、火災ボタン631又は非常ボタン632のいずれかが押下されたかが判定される(ステップST20)。火災ボタン631が押下された場合、2秒以上押下され続けたか否かが判定される(ステップST21)。ここで、火災ボタン631が押下され続けた時間が2秒未満である場合、制御は終了する。一方、火災ボタン631が2秒以上押下され続けると、火災報知部が火災を報知すると共に、火災確定信号を、クラウドサーバー70に送信する(ステップST22)。なお、火災報知部の報知は、例えば、ブザーが鳴動し且つLEDが点滅することによって行われる。
【0101】
そして、クラウドサーバー70は、当該住戸Hに火災が発生した旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報と、操作されたときに、火災対処が完了したことを知らせる火災対処完了信号を送信する火災対処完了用リンクとを電子メールの本文とし、火災確定信号の配信先として予め記憶情報700に記憶された電子メールアドレスの全てを宛先とするリモコン用確定電子メールを生成して、情報端末80の全てである2次通報先に送信する(ステップST23)。なお、火災対処完了用リンクは、例えばURLが記載されたものである。また、「電子メールアドレスの全て」とは、火災確定信号の配信先として予め設定した電子メールアドレスの全てをいうものであり、クラウドサーバー70に記憶されている電子メールアドレスの全てに限定されるものではない。少なくとも、当該住戸Hの屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレス以外の電子メールアドレスを含んでいれば良く、例えば、クラウドサーバー70に当該住戸Hと同一地域(市町村等)として登録されている電子メールアドレスの全てに送信する。
【0102】
図19は本発明の実施の形態1に係る情報端末80が受信するリモコン用確定電子メールの一例を示す図である。
例えば
図19に示すように、リモートコントローラ600の火災ボタン631が押下された場合には、リモコン用確定電子メールの件名を「火災発生メール」とし、火災確定信号の配信先として設定された電子メールアドレスの全てを宛先とする。そして、リモコン用確定電子メール本文には、記憶情報700から取得した住宅名と、中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と、予め設定された文章(テンプレート)とを合成して、「○○さん宅で火災が発生しました。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。」等の文章を生成する。また、クラウドサーバー70は、リモコン用確定電子メール本文の末尾に、操作されたときに火災対処完了信号を送信する火災対処完了用リンクを付加する。
【0103】
なお、上記の例では、住宅名、屋外警報装置30の識別ID、中継機40の識別IDの情報をリモコン用確定電子メール本文に付加する場合を説明したが、これらの少なくとも1つを付加するようにしても良い。また、リモコン用確定電子メールの内容は、リモートコントローラ600が操作された住戸を特定する情報であればよい。
【0104】
リモコン用確定電子メールによって、地域内の住戸で火災が発生した旨を確認した住人等は、直ちに該当する住戸Hへ駆け付けて火災発生の有無を確認する(ステップST24)。そして、住人は、住戸Hにおいて実際に火災等が発生しているか否かを判断し(ステップST25)、火災等が発生していなければ、リモートコントローラ600の誤操作であると認識して、リモートコントローラ600の復旧操作に移る。一方、実際に火災等が発生している場合、火災対応マニュアルに従って、初期消火活動や避難誘導等を迅速に実施すると共に、公設消防等へ連絡する(ステップST26)。
【0105】
その後、住人は、リモコン用確定電子メールに添付された火災対処完了用リンクを選択する(ステップST27)。火災対処完了用リンクが選択されると、火災対処完了信号がクラウドサーバー70に送信され、対処完了手段76が、火災対処が完了したことを確定する。これにより、クラウドサーバー70は、当該住戸Hが火災から復旧した旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報とを電子メールの本文とし、火災対処完了信号の配信先として予め記憶情報700に記憶された電子メールアドレスの全てを宛先とする火災対処完了電子メールを生成して、情報端末80の全てである2次通報先に送信する(ステップST28)。そして、リモートコントローラ600の復旧操作に進む。なお、火災対処完了電子メールは、
図16に示す対処完了電子メールと同様である。
【0106】
以上のように本実施の形態においては、火災対処完了用リンクが選択されると、地域内の住戸で火災から復旧した旨の情報を含む火災対処完了電子メールが、所定の地域内の住人が所持する情報端末80の全てに送信されるため、火災から復旧したことが周知される。このように、本実施の形態は、リモコン用確定電子メールに、火災対処が完了したことを知らせる火災対処完了用リンクが含まれており、対処完了手段76が、火災対処完了用リンクが操作されたときに火災対処が完了したことを確定するため、火災等の対処が完了したかを、簡便に伝達することができる。
【0107】
なお、ステップST25、ステップST27、ステップST28は省略されても良い。この場合、ステップST24にて、住人等が該当する住戸Hへ駆け付け、ステップST26にて、火災対応マニュアルに従って火災対処が行われる。その後、クラウドサーバー70による火災対処完了電子メールの送信は行われずに、リモートコントローラ600の復旧操作に進む。
【0108】
一方、ステップST20にて、非常ボタン632が押下された場合、2秒以上押下され続けたか否かが判定される(ステップST29)。ここで、非常ボタン632が押下され続けた時間が2秒未満である場合、制御は終了する。一方、非常ボタン632が2秒以上押下され続けると、非常報知部が非常を報知すると共に、非常信号を、クラウドサーバー70に送信する(ステップST30)。なお、非常報知部の報知は、例えば、ブザーが鳴動し且つLEDが点灯することによって行われる。
【0109】
そして、クラウドサーバー70は、当該住戸Hに非常状態が発生した旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報と、操作されたときに、非常対処が完了したことを知らせる非常対処完了信号を送信する非常対処完了用リンクとを電子メールの本文とし、非常信号の配信先として予め記憶情報700に記憶された電子メールアドレスを宛先とするリモコン用非常電子メールを生成して、情報端末80の少なくとも一つである非常通報先に送信する(ステップST31)。なお、非常対処完了用リンクは、例えばURLが記載されたものである。
【0110】
図20は本発明の実施の形態1に係る情報端末80が受信するリモコン用非常電子メールの一例を示す図である。例えば
図20に示すように、リモートコントローラ600の非常ボタン632が押下された場合には、リモコン用非常電子メールの件名を「非常メール」とし、屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする。そして、リモコン用非常電子メール本文には、記憶情報700から取得した住宅名と、中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と、予め設定された文章(テンプレート)とを合成して、「○○さん宅で非常状態が発生しました。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。」等の文章を生成する。また、クラウドサーバー70は、リモコン用非常電子メール本文の末尾に、操作されたときに非常対処完了信号を送信する非常対処完了用リンクを付加する。
【0111】
なお、上記の例では、住宅名、屋外警報装置30の識別ID、中継機40の識別IDの情報をリモコン用非常電子メール本文に付加する場合を説明したが、これらの少なくとも1つを付加するようにしても良い。また、リモコン用非常電子メールの内容は、リモートコントローラ600が操作された住戸を特定する情報であればよい。
【0112】
リモコン用非常電子メールによって、地域内の住戸で非常が発生した旨を確認した住人等は、直ちに該当する住戸Hへ駆け付けて非常発生の有無を確認する(ステップST32)。そして、住人は、住戸Hにおいて実際に非常状態が発生しているか否かを判断し(ステップST33)、非常状態が発生していなければ、リモートコントローラ600の誤操作であると認識して、リモートコントローラ600の復旧操作に移る。一方、実際に非常状態が発生している場合、適切な対処が行われる(ステップST34)。
【0113】
その後、住人は、リモコン用非常電子メールに添付された非常対処完了用リンクを選択する(ステップST35)。非常対処完了用リンクが選択されると、非常対処完了信号がクラウドサーバー70に送信され、対処完了手段76が、非常対処が完了したことを確定する。これにより、クラウドサーバー70は、当該住戸Hが非常状態から復旧した旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報とを電子メールの本文とし、非常対処完了信号の配信先として予め記憶情報700に記憶された電子メールアドレスを宛先とする非常対処完了電子メールを生成して、情報端末80の少なくとも一つである非常通報先に送信する(ステップST36)。そして、リモートコントローラ600の復旧操作に進む。
【0114】
図21は本発明の実施の形態1に係る情報端末80が受信する非常対処完了電子メールの一例を示す図である。例えば
図21に示すように、非常対処完了用リンクが選択されると、非常対処完了電子メールの件名を「非常復旧メール」とし、屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする。そして、非常対処完了電子メール本文には、記憶情報700から取得した住宅名と、中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と、予め設定された文章(テンプレート)とを合成して、「○○さん宅で発生した非常状態が復旧されました。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。」等の文章を生成する。
【0115】
なお、上記の例では、住宅名、屋外警報装置30の識別ID、中継機40の識別IDの情報を非常対処完了電子メール本文に付加する場合を説明したが、これらの少なくとも1つを付加するようにしても良い。また、非常対処完了電子メールの内容は、リモートコントローラ600が操作された住戸を特定する情報であればよい。
【0116】
以上のように本実施の形態においては、非常対処完了用リンクが選択されると、地域内の住戸で非常状態から復旧した旨の情報を含む非常対処完了電子メールが、所定の地域内の住人が所持する情報端末80に送信されるため、非常状態から復旧したことが非常通報先に知らされる。このように、本実施の形態は、リモコン用非常電子メールに、非常対処が完了したことを知らせる非常対処完了用リンクが含まれているため、非常状態の対処が完了したかを、簡便に伝達することができる。
【0117】
(リモートコントローラ600の復旧操作)
次に、リモートコントローラ600の復旧操作について説明する。
図22は、リモートコントローラ600の復旧操作を示すフローチャートである。リモートコントローラ600は、火災報知部の報知又は非常報知部の報知が行われているときにのみ、復旧操作を受け付ける。
図22に示すように、先ず、火災ボタン631と非常ボタン632とが同時に押下される(ステップST40)。そして、火災ボタン631と非常ボタン632とが、2秒以上押下され続けたか否かが判定される(ステップST41)。ここで、火災ボタン631と非常ボタン632とが押下され続けた時間が2秒未満である場合、ステップST40に戻る。一方、火災ボタン631と非常ボタン632とが、2秒以上押下され続けると、リモートコントローラ600の火災報知部又は非常報知部の報知が終了すると共に、リモコン復旧信号が、クラウドサーバー70に送信される(ステップST42)。なお、報知の終了は、例えば、ブザーの鳴動が停止し且つLEDが消灯することによって行われる。
【0118】
次に、リモートコントローラ600の報知種別が判定される(ステップST43)。リモートコントローラ600の報知種別が、火災報知部による報知である場合、更に、火災対処完了信号が送信されているか否かが判定される(ステップST44)。火災対処完了信号が送信されていれば、クラウドサーバー70は、当該住戸Hが火災状態から復旧した旨の情報と、リモートコントローラ600が復旧した旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報とを電子メールの本文とし、火災対処完了信号の配信先として予め記憶情報700に記憶された電子メールアドレスを宛先とする火災復旧電子メールを生成して、情報端末80の全てである2次通報先に送信する(ステップST45)。
【0119】
図23は本発明の実施の形態1に係る情報端末80が受信する火災復旧電子メールの一例を示す図である。例えば
図23に示すように、火災対処完了信号が送信されていると判定されると、火災復旧電子メールの件名を「火災・リモコン復旧メール」とし、火災対処完了信号の配信先として予め記憶情報700に記憶された電子メールアドレスの全てを宛先とする。そして、火災復旧電子メール本文には、記憶情報700から取得した住宅名と、中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と、予め設定された文章(テンプレート)とを合成して、「○○さん宅で発生した火災が復旧されました。また、リモートコントローラが復旧されました。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。」等の文章を生成する。
【0120】
なお、上記の例では、住宅名、屋外警報装置30の識別ID、中継機40の識別IDの情報を火災復旧電子メール本文に付加する場合を説明したが、これらの少なくとも1つを付加するようにしても良い。また、火災復旧電子メールの内容は、リモートコントローラ600が操作された住戸を特定する情報であればよい。
【0121】
以上のように本実施の形態においては、火災対処完了信号が送信されていると、地域内の住戸で火災から復旧した旨の情報を含む火災復旧電子メールが、所定の地域内の住人が所持する情報端末80の全てに送信されるため、火災から復旧したことが周知される。
【0122】
一方、ステップST44において、火災対処完了信号が送信されていないと判定されると、火災誤操作信号がクラウドサーバー70に送信される。そして、クラウドサーバー70は、当該住戸Hの火災確定信号が、リモートコントローラ600の誤操作による誤報である旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報とを電子メールの本文とし、屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする火災誤操作電子メールを生成して、火災誤操作信号の配信先として予め記憶情報700に記憶された電子メールアドレスを宛先として、情報端末80の全てである2次通報先に送信する(ステップST46)。
【0123】
図24は本発明の実施の形態1に係る情報端末80が受信する火災誤操作電子メールの一例を示す図である。例えば
図24に示すように、通信情報に含まれる信号が火災誤操作信号である場合には、火災誤操作電子メールの件名を「火災誤操作通知メール」とし、火災誤操作信号の配信先として設定された電子メールアドレスの全てを宛先とする。そして、火災誤操作電子メール本文には、記憶情報700から取得した住宅名と、中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と、予め設定された文章(テンプレート)とを合成して、「○○さん宅からの火災通報は、リモートコントローラの誤操作による誤報です。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。」等の文章を生成する。
【0124】
なお、上記の例では、住宅名、屋外警報装置30の識別ID、中継機40の識別IDの情報を火災誤操作電子メール本文に付加する場合を説明したが、これらの少なくとも1つを付加するようにしても良い。また、火災誤操作電子メールの内容は、リモートコントローラ600が操作された住戸を特定する情報であればよい。
【0125】
以上のように本実施の形態においては、火災対処完了信号が送信されていないと、当該住戸Hの火災通報が誤報である旨の情報を含む火災誤操作電子メールが、情報端末80に送信されるので、火災等の警報の確実性を向上することができる。
【0126】
なお、ステップST25、ステップST27、ステップST28が省略された場合、リモートコントローラ600の誤操作における行程も省略されるため、ステップST46も省略される。
【0127】
また、ステップST28の火災対処完了電子メールが省略された場合、ステップST46の火災誤操作電子メールによって、火災が復旧されたことが周知されるように運用されてもよい。
【0128】
一方、ステップST43にて、リモートコントローラ600の報知種別が、非常報知部による報知であると判定された場合、更に、非常対処完了信号が送信されているか否かが判定される(ステップST47)。非常対処完了信号が送信されていれば、クラウドサーバー70は、当該住戸Hが非常状態から復旧した旨の情報と、リモートコントローラ600が復旧した旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報とを電子メールの本文とし、非常対処完了信号の配信先として予め記憶情報700に記憶された電子メールアドレスを宛先とする非常復旧電子メールを生成して、情報端末80の少なくとも一つである非常通報先に送信する(ステップST48)。
【0129】
図25は本発明の実施の形態1に係る情報端末80が受信する非常復旧電子メールの一例を示す図である。
例えば
図25に示すように、非常対処完了信号が送信されていると判定されると、非常復旧電子メールの件名を「非常・リモコン復旧メール」とし、非常対処完了信号の配信先として予め記憶情報700に記憶された電子メールアドレスを宛先とする。そして、非常復旧電子メール本文には、記憶情報700から取得した住宅名と、中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と、予め設定された文章(テンプレート)とを合成して、「○○さん宅で発生した非常が復旧されました。また、リモートコントローラ600が復旧されました。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。」等の文章を生成する。
【0130】
なお、上記の例では、住宅名、屋外警報装置30の識別ID、中継機40の識別IDの情報を非常復旧電子メール本文に付加する場合を説明したが、これらの少なくとも1つを付加するようにしても良い。また、非常復旧電子メールの内容は、リモートコントローラ600が操作された住戸を特定する情報であればよい。
【0131】
以上のように本実施の形態においては、非常対処完了信号が送信されていると、地域内の住戸で非常状態から復旧した旨の情報を含む非常復旧電子メールが、所定の地域内の住人が所持する情報端末80に送信されるため、非常状態から復旧したことが周知される。
【0132】
一方、ステップST47において、非常対処完了信号が送信されていないと判定されると、非常誤操作信号がクラウドサーバー70に送信される。そして、クラウドサーバー70は、当該住戸Hの非常信号が、リモートコントローラ600の誤操作による誤報である旨の情報と、屋外警報装置30の識別IDの情報とを電子メールの本文とし、屋外警報装置30の識別IDに対応する電子メールアドレスを宛先とする非常誤操作電子メールを生成して、非常誤操作信号の配信先として予め記憶情報700に記憶された電子メールアドレスを宛先とする非常誤操作電子メールを生成して、情報端末80の少なくとも一つである非常通報先に送信する(ステップST49)。
【0133】
図26は本発明の実施の形態1に係る情報端末80が受信する非常誤操作電子メールの一例を示す図である。例えば
図26に示すように、通信情報に含まれる信号が非常誤操作信号である場合には、非常誤操作電子メールの件名を「非常誤操作通知メール」とし、非常誤操作信号の配信先として設定された電子メールアドレスを宛先とする。そして、非常誤操作電子メール本文には、記憶情報700から取得した住宅名と、中継機40及び屋外警報装置30の識別IDの情報と、予め設定された文章(テンプレート)とを合成して、「○○さん宅からの非常通報は、リモートコントローラ600の誤操作による誤報です。現在地は中継機1付近です。屋外警報装置IDは1234です。」等の文章を生成する。
【0134】
なお、上記の例では、住宅名、屋外警報装置30の識別ID、中継機40の識別IDの情報を非常誤操作電子メール本文に付加する場合を説明したが、これらの少なくとも1つを付加するようにしても良い。また、非常誤操作電子メールの内容は、リモートコントローラ600が操作された住戸を特定する情報であればよい。
【0135】
なお、ステップST36にて、非常対処完了電子メールが送信されて、既に非常状態が復旧されたことは周知されているため、非常復旧電子メールを送信するステップST48は省略されても良い。
【0136】
以上のように本実施の形態においては、非常対処完了信号が送信されていないと、当該住戸Hの非常通報が誤報である旨の情報を含む非常誤操作電子メールが、情報端末80に送信されるので、非常の警報の確実性を向上することができる。