特許第6445312号(P6445312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6445312
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/00 20110101AFI20181217BHJP
【FI】
   F24F1/00 311
   F24F1/00 321
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-241611(P2014-241611)
(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公開番号】特開2016-102622(P2016-102622A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2017年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077780
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 泰甫
(74)【代理人】
【識別番号】100106024
【弁理士】
【氏名又は名称】稗苗 秀三
(74)【代理人】
【識別番号】100167841
【弁理士】
【氏名又は名称】小羽根 孝康
(74)【代理人】
【識別番号】100168376
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 清隆
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雅也
【審査官】 五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−074478(JP,A)
【文献】 特開平08−327082(JP,A)
【文献】 特開2005−249323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00
F24F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口から吹出口に至る空気通路が形成されたキャビネットに、熱交換器および熱交換器を通過した空気を吹出口に送風するクロスフローファンが設けられ、クロスフローファンは空気通路の側壁に回転可能に支持された空気調和機であって、クロスフローファンのエンドプレートと側壁との間の空間において、送風方向とは異なる方向への流れが生じることを防止するために、クロスフローファンの側端を取り囲むカバー部材が設けられ、カバー部材に、熱交換された空気を前記空間に取り入れる吸気部が形成され、吸気部はエンドプレートよりも中央寄りに位置することを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
吸気部は、クロスフローファンの送風方向の上流側に位置することを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】
吸気部は、クロスフローファンのブレードに対向するように配置されたことを特徴とする請求項1または2記載の空気調和機。
【請求項4】
カバー部材は、クロスフローファンの側端の外周面を囲むリング部を有し、リング部に複数の吸気部が形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項5】
カバー部材は、空気通路を形成するキャビネット内の複数の部材を利用して形成されたことを特徴とする請求項4記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調運転時の送風のためにクロスフローファンを用いた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機の室内ユニットでは、クロスフローファンの駆動により、キャビネットの吹出口から温風あるいは冷風が吹き出される。クロスフローファンでは、一般的にブレードの回転により気体の圧力を高める。吸い込んだ空気がキャビネットの内部を通過する際に圧力損失が生じるが、クロスフローファンによって流通する空気の圧力を高めることにより、所望の風量が確保される。
【0003】
ところで、クロスフローファンの軸方向の一側の側面に支持軸が突設され、支持軸は、キャビネットに回転可能に支持される。クロスフローファンの他側の側面には、ボスが設けられ、ボスの軸孔にモータのモータ軸が嵌め込まれ、モータ軸がボスに固定される。クロスフローファンの左右両側には軸があり、軸のある空間がブレードのない部分となる。ブレードのある部分とない部分において、圧力差が生じ、クロスフローファンの両端近傍の熱交換されていない空気が吸い込まれる。この空気が熱交換器を通過した冷たい空気に触れて、露が生じる。
【0004】
このような結露を防ぐために、特許文献1では、クロスフローファンの端面を覆う整流部材が設けられる。整流部材は、風路側側壁からクロスフローファンの端面に重なるように形成される。これにより、風路側側壁の軸孔から流入した空気は、クロスフローファンの上流側には流れず、整流されて吹出口側へ向かって流れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4006703公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、クロスフローファンの側面と側壁との間には、側壁から軸方向に沿って空気が流入するが、熱交換された空気が流れ込まない。クロスフローファンの側端において、送風方向に向かう流量が少なくなり、しかも軸方向に沿う空気の流れにより、送風が悪影響を受け、送風ロスが生じる。
【0007】
本発明は、上記に鑑み、クロスフローファンの側端での流量を多くして、クロスフローファンの送風ロスを軽減できる空気調和機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の空気調和機は、吸込口および吹出口が形成されたキャビネットに、熱交換器および熱交換器を通過した空気を吹出口に送風するクロスフローファンが設けられたものであって、クロスフローファンの側方を空気が流れないようにクロスフローファンの側方を囲むカバー部材が設けられ、カバー部材に、熱交換された空気を取り入れる吸気部が形成されている。
【0009】
カバー部材によりクロスフローファンの側方では、空気が流れず、クロスフローファンの側端の送風の流量が減る。しかし、カバー部材に吸気部が設けられることにより、熱交換された空気がクロスフローファンの側端に向かって流入する。そのため、側端での送風の流量が増える。
【0010】
吸気部は、クロスフローファンの送風方向の上流側に位置する。吸気部から流入した空気は、送風方向に沿って流れる。外部から軸方向に沿って流れる空気が入って来ても、クロスフローファンによる送風はこの空気の流れの影響を受けない。
【0011】
吸気部は、クロスフローファンのブレードに対向するように配置される。熱交換された空気は、流入口からクロスフローファンの側端のブレードに向かってスムーズに流れる。
【0012】
カバー部材は、クロスフローファンの側端の外周面を囲むリング部を有し、リング部に複数の吸気部が形成される。吸気部を有するリング部によりクロスフローファンの側端だけが覆われるので、クロスフローファンによる送風方向の主流の流れが阻害されず、クロスフローファンの側方に主流の流れと同じ方向の流れが生じる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、吸気部からクロスフローファンの側端に熱交換された空気を流すことができるので、側端での送風の流量を増やすことができる。したがって、クロスフローファンの送風ロスを軽減でき、クロスフローファンの側端における送風効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の空気調和機の室内ユニットの斜視図
図2】室内ユニットの断面図
図3】クロスフローファンが装着されたキャビネットの断面図およびクロスフローファンの側端の拡大断面図
図4】第1実施形態のカバー部材の斜視図
図5】クロスフローファンの側端を覆うカバー部材の平面図
図6】第2実施形態のカバー部材の斜視図
図7】第3実施形態のカバー部材の斜視図
図8】他の形態のカバー部材を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1実施形態の空気調和機の室内ユニットを図1〜3に示す。室内ユニットは、熱交換器1およびクロスフローファン2を備え、これらがキャビネット3に内装されている。キャビネット3の上面に吸込口4が形成され、キャビネット3の前面の下部に吹出口5が形成される。
【0016】
キャビネット3の内部には、吸込口4から吹出口5に至る空気通路6が形成され、この空気通路6に熱交換器1が配置され、熱交換器1の送風方向下流側にクロスフローファン2が配置される。吸込口4と熱交換器1との間に、フィルタ7が配され、吸込口4から吸込んだ室内の空気から塵埃がフィルタ7により除去される。吹出口5には、導風パネル8が開閉可能に設けられている。
【0017】
キャビネット3は、背面板10と前面パネル11とから構成され、背面板10に前面パネル11が着脱可能に取り付けられる。前面パネル11は、背面側が開放された箱状に形成され、前面パネル11の前面の下部に、吹出口5となる開口が形成されている。
【0018】
熱交換器1およびクロスフローファン2は、背面板10に装着される。背面板10の前側に、湾曲面状に案内壁12が形成される。また、背面板10に、熱交換器1から滴下するドレン水を受けるドレンパンユニット13が装着される。ドレンパンユニット13は、熱交換器1の下方でクロスフローファン2よりも前方に配置される。ドレンパンユニット13は筒状に形成され、ドレンパンユニット13の中空部分と背面板10の案内壁12とにより空気通路6が形成される。クロスフローファン2は、ドレンパンユニット13と背面板10の案内壁12との間に位置する。
【0019】
クロスフローファン2は、軸方向に沿って並んだ複数の羽根車が連結されてなる。クロスフローファン2の軸方向の一側のエンドプレートにボスが装着されている。クロスフローファン2の他側のエンドプレートに支持軸15が突設されている。背面板10に、空気通路6の側壁16が左右一対に形成される。左右の側壁16に、クロスフローファン2を回転可能に支持するためのフランジ17がそれぞれ設けられる。他側のフランジ17に、軸受18が設けられ、支持軸15が回転可能に支持される。一側のフランジ17の外側に、モータケース19に収容されたモータ20が配置される。モータケース19からモータ軸21が突出しており、モータ軸21は、一側のフランジ17を貫通して、クロスフローファン2のボスに嵌め込まれ、モータ軸21がボスに固定される。
【0020】
クロスフローファン2の左右の側面とフランジ17との間には隙間がある。クロスフローファン2の側方にある隙間を空気が流れないように、クロスフローファン2の側方を囲うカバー部材30が設けられる。カバー部材30は、クロスフローファン2の左右の側端にそれぞれ配置される。
【0021】
カバー部材30は、クロスフローファン2の外周面を覆うリング部31を有する。リング部31は、軸方向の内側に向かって突出するように側壁16に設けられる。リング部31は、クロスフローファン2の外径よりも大径の円弧状に形成される。ドレンパンユニット13に、空気通路6の上壁を構成するスタビライザ32が設けられ、リング部31の前端がスタビライザ32に接触あるいは近接している。リング部31の後端は、背面板10の案内壁12に接触あるいは近接している。そして、リング部31の内側側縁は、クロスフローファン2のエンドプレートよりも中央寄りに位置する。なお、リング部31の軸方向の幅は、クロスフローファン2の側面とフランジ17との間隔以下とされ、クロスフローファン2を軸方向にずらして、クロスフローファン2をキャビネット3に着脱できる。
【0022】
このように、クロスフローファン2の側端を取り囲むカバー部材30は、側壁16、ドレンパンユニット13、案内壁12などの空気通路6を形成する複数の部材を利用して形成される。カバー部材30がクロスフローファン2の側端を取り囲むことにより、クロスフローファン2の両端のエンドプレート34と側壁16との間にある、空気通路6の外部に通じる空間が遮蔽される。これにより、クロスフローファン2の側方の空間において、クロスフローファン2の主流の流れとは異なる空気の流れ、すなわち送風方向とは異なる方向への流れが生じることを防ぐことができる。したがって、クロスフローファン2の側方での空気の流れの乱れが生じない。
【0023】
図4、5に示すように、カバー部材30には、空気通路6に臨む吸気部33が設けられる。吸気部33として、円形の孔がリング部31に形成される。吸気部33は、クロスフローファン2に対して送風方向の上流側に位置し、複数の吸気部33が等間隔に並んでいる。吸気部33は、熱交換器1に対向し、また吸気部33は、クロスフローファン2のエンドプレート34よりも内側寄りに位置し、ブレードに懸かる。これにより、カバー部材30に覆われるクロスフローファン2の側端は空気通路6に通じる。
【0024】
クロスフローファン2が駆動されると、熱交換器1を通過して熱交換された空気が空気通路6を通って吹出口5から室内に吹き出される。クロスフローファン2の左右両側では、カバー部材30によって囲まれた空間が負圧となって、熱交換された空気が吸気部33から取り入れられる。この空間に取り入れられた空気は、クロスフローファン2の側端のブレード内に流入して、吹出口5に向かって吹き出される。流入した空気の一部は、クロスフローファン2の側面とフランジ17および側壁16との間の空間を流れ、クロスフローファン2よりも下流側の空気通路6に引き込まれる。
【0025】
吸気部33から流入した空気の流れは、クロスフローファン2による送風方向と同じ方向であるので、クロスフローファン2による送風を乱すことはない。また、カバー部材30がクロスフローファン2の側方を囲むことによってクロスフローファン2の側端における空気の流量が少なくなるが、吸気部33からの空気がクロスフローファン2の側端に向かって流通するので、クロスフローファン2の側端での送風の流量が増す。しかも、クロスフローファン2の側方の空間は、吸入された空気によって負圧にならないので、側壁16の外側から熱交換されていない空気が流入することを防ぐことができる。したがって、クロスフローファン2の送風ロスを軽減でき、クロスフローファン2の性能を十分に発揮させることができる。
【0026】
(第2実施形態)
本実施形態の空気調和機では、カバー部材30の吸気部33から吸入される空気がクロスフローファン2のブレード側に多く流れるようになっている。すなわち、吸気部33は、軸方向において内側が外側よりも開口が大きくなるような形状とされる。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
【0027】
図6に示すように、吸気部33が三角形の孔とされる。吸気部33のブレードに懸かる部分の開口がエンドプレートに懸かる部分の開口よりも大になっている。これにより、クロスフローファン2の側端のブレードに十分な空気が流れ込み、クロスフローファン2の側端での送風の流量が多くなる。したがって、クロスフローファン2の側端での送風量が増し、送風効率がよくなる。
【0028】
(第3実施形態)
本実施形態の空気調和機でも、カバー部材30の吸気部33は、吸入される空気がクロスフローファン2のブレード側に多く流れるような形状とされる。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
【0029】
図7に示すように、吸気部33は、リング部31の内側側縁から切り欠かれたスリットとされ、軸方向において内側から外側に向かって狭くなるような形状とされる。これにより、クロスフローファン2の側端のブレードに多くの空気が流れ込み、クロスフローファン2の側端での送風の流量が増し、クロスフローファン2の側端での送風ロスを軽減できる。
【0030】
以上の通り、本発明の空気調和機は、吸込口4および吹出口5が形成されたキャビネット3に、熱交換器1および熱交換器1を通過した空気を吹出口5に送風するクロスフローファン2が設けられた空気調和機であって、クロスフローファン2の側方を空気が流れないようにクロスフローファン2の側方を囲むカバー部材30が設けられ、カバー部材30に、熱交換された空気を取り入れる吸気部33が形成されている。
【0031】
カバー部材30により、クロスフローファン2の側方における空気の流れの乱れをなくすことができる。そして、吸気部33を設けることにより、熱交換された空気が流入して、クロスフローファン2の側端における送風の流量を増加させることができる。
【0032】
吸気部33は、クロスフローファン2の送風方向の上流側に位置する。これにより、熱交換された空気だけがクロスフローファン2の側方に吸入され、クロスフローファン2の側方において下流側に向かう空気の流れを生じさせることができる。
【0033】
吸気部33は、クロスフローファン2のブレードに対向するように配置される。これにより、吸気部33から流入した空気は、クロスフローファン2の側端のブレードに向かって流れ、側端での送風の流量を増やすことができる。
【0034】
カバー部材30は、クロスフローファン2の側端の外周面を囲むリング部31を有し、リング部31に複数の吸気部33が形成される。これにより、クロスフローファン2による送風方向の主流の流れが阻害することなく、クロスフローファン2の側方に主流の流れと同じ方向の流れを生じさせることができる。
【0035】
カバー部材30は、吸込口4から吹出口5に至る空気通路6を形成するキャビネット3内の複数の部材を利用して形成される。これにより、少ない部材でクロスフローファン2の側方の空間を囲むことができる。
【0036】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。カバー部材30の吸気部33は左右のいずれか一方のリング部31だけに設けてもよい。また、カバー部材30の他の実施形態として、図8に示すように、クロスフローファン2の側面を囲むようなカバー部材30としてもよい。クロスフローファン2の側面に対向する半円板状の側板35がリング部31に一体的に形成される。このカバー部材30は、背面板10に取り付けられる。
【符号の説明】
【0037】
1 熱交換器
2 クロスフローファン
3 キャビネット
6 吹出口
12 案内壁
13 ドレンパンユニット
16 側壁
17 フランジ
30 カバー部材
31 リング部
33 吸気部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8