特許第6445372号(P6445372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6445372圧電/電歪材料、圧電/電歪体及び共振駆動デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6445372
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】圧電/電歪材料、圧電/電歪体及び共振駆動デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 41/187 20060101AFI20181217BHJP
   H01L 41/09 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   H01L41/187
   H01L41/09
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-71565(P2015-71565)
(22)【出願日】2015年3月31日
(65)【公開番号】特開2016-192486(P2016-192486A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2017年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】森下 瑛文
(72)【発明者】
【氏名】日比野 朝彦
【審査官】 上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−221096(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/068975(WO,A1)
【文献】 特開昭54−054115(JP,A)
【文献】 Rashed Adnan ISLAM et al.,High-Energy Density Ceramic Composition in the System Pb(Zr,Ti)O3-Pb[(Zn,Ni)1/3Nb2/3]O3,Journal of the American Ceramic Society,2006年10月,Vol. 89, No. 10,pp.3147−3156
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 41/09,41/187,41/43
C04B 35/49
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Pb[(Zn1/3Nb2/3(Ni1/3Nb2/3(TiZr)MnNb]O(ただし、0.996≦x≦0.999、0.2≦a+b≦0.28、0.38≦c≦0.41、0.33≦d≦0.38、0.002≦e≦0.009、0.005≦f≦0.0012、2.0179≦(2a+2b+f)/(a+b)≦2.0818)で表される、
圧電/電歪材料。
【請求項2】
一般式Pb[(Zn1/3Nb2/3(Ni1/3Nb2/3(TiZr)MnNb]O(ただし、0.996≦x≦0.999、0.2≦a+b≦0.28、0.38≦c≦0.41、0.33≦d≦0.38、0.002≦e≦0.009、0.005≦f≦0.0012、2.0179≦(2a+2b+f)/(a+b)≦2.0818)で表される圧電/電歪材料によって構成され
圧電/電歪体。
【請求項3】
機械的品質係数Qmが150以上である、
請求項に記載の圧電/電歪体。
【請求項4】
圧電定数d31が180pm/V以上である、
請求項又はに記載の圧電/電歪体。
【請求項5】
キュリー温度Tcが300℃以上である、
請求項乃至のいずれかに記載の圧電/電歪体。
【請求項6】
請求項乃至のいずれかに記載の圧電/電歪体と、
前記圧電/電歪体に接続される一対の電極と、
を備える共振駆動デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電/電歪材料、圧電/電歪体及び共振駆動デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Pb(Zr,Ti)Oを主成分とする圧電/電歪材料が広く用いられている。
【0003】
また、焼結温度の低下や圧電定数d31の向上を目的として、Pb(Zr,Ti)OにPb(Zn,Nb)OとPb(Ni,Nb)Oを固溶させた化合物が圧電/電歪材料として提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2006/001109号
【特許文献2】特開2003−238248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、低温焼結可能で、かつ、圧電定数d31及び機械的品質係数Qmを向上可能な圧電/電歪材料はいまだ実現されていない。
【0006】
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、低温焼結可能で、かつ、圧電定数d31及び機械的品質係数Qmを向上可能な圧電/電歪材料、圧電/電歪体及び共振駆動デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る圧電/電歪材料は、Pb(Zn,Nb)O−Pb(Ni,Nb)O−Pb(Zr,Ti)O系化合物とMnを含有する。Mnのモル数のNi、Zn、Ti、Zr、Nb及びMnそれぞれのモル数の和に対する比は、0.001以上0.015以下である。Nbのモル数のNi及びZnそれぞれのモル数の和に対する比は、2.007以上2.125以下である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、低温焼結可能で、かつ、圧電定数d31及び機械的品質係数Qmを向上可能な圧電/電歪材料、圧電/電歪体及び共振駆動デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】圧電/電歪体の製造方法を説明するためのフローチャート
図2】共振駆動デバイスの製造方法を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なっている場合がある。
【0011】
(圧電/電歪材料)
本実施形態に係る圧電/電歪材料は、Pb(Zn,Nb)O−Pb(Ni,Nb)O−Pb(Zr,Ti)O系化合物を主成分として含有する。本実施形態において、組成物Xが物質Yを「主成分として含む」とは、組成物X全体のうち、物質Yが好ましくは80重量%以上を占め、より好ましくは90重量%以上を占めることを意味する。
【0012】
Pb(Zn,Nb)O−Pb(Ni,Nb)O−Pb(Zr,Ti)O系化合物は、Pb(Zn,Nb)O(亜鉛ニオブ酸鉛)とPb(Ni,Nb)O(ニッケルニオブ酸鉛)とPb(Zr,Ti)O(チタン酸ジルコン酸鉛)との固溶体である。Pb(Zr,Ti)Oは、PbZrO(ジルコン酸鉛)とPbTiO(チタン酸鉛)の固溶体である。
【0013】
Pb(Zn,Nb)O−Pb(Ni,Nb)O−Pb(Zr,Ti)O系化合物は、化学量論比より少ないPbを含有することが好ましい。Pbの含有量を化学量論比より少なくすることによって、圧電性の低下を引き起こすNiやZnの異相が焼結時に析出することを抑制できる。そのため、圧電/電歪材料を焼結することによって得られる圧電/電歪体の圧電定数d31を向上させることができる。
【0014】
Pb(Zn,Nb)O−Pb(Ni,Nb)O−Pb(Zr,Ti)O系化合物は、化学量論比より多いNbを含有する。具体的に、圧電/電歪材料におけるNbのモル数のNi及びZnそれぞれのモル数の和に対する比は、2.007以上2.125以下である。換言すれば、Ni及びZnに対するNbの原子数比率が2.007以上2.125以下である。
【0015】
このように、Nbの含有量を化学量論比より多くすることによって、圧電性の低下を引き起こすNiやZnの異相が焼結時に析出することを抑制できるとともに、微粒化によって粒内ポアが形成されることを抑制できる。そのため、圧電/電歪体の圧電定数d31を向上させることができる。
【0016】
圧電/電歪材料は、Mnを副成分として含有する。圧電/電歪材料におけるMnのモル数のNi、Zn、Ti、Zr、Nb及びMnそれぞれのモル数の和に対する比は、0.001以上0.015以下である。換言すれば、Ni、Zn、Ti、Zr、Nb及びMnに対するMnの原子数比率は、0.001以上0.015以下である。Mnは、主成分であるPb(Zn,Nb)O−Pb(Ni,Nb)O−Pb(Zr,Ti)O系化合物に固溶していてもよい。
【0017】
このように、圧電/電歪材料にMnを添加することによって、機械的品質係数Qmを向上させることができる。
【0018】
このような圧電/電歪材料は、1100℃以下で低温焼結可能である。そのため、圧電/電歪材料を焼結することによって得られる圧電/電歪体のキュリー温度Tcを高くすることができる。
【0019】
圧電/電歪材料は、一般式Pb[(Zn1/3Nb2/3(Ni1/3Nb2/3(TiZr)MnNb]Oで表すことができる。
【0020】
上記一般式におけるxは、0.98≦x≦1.00を満たす。xが1.00よりも小さい場合には、圧電性の低下を引き起こすNiやZnの異相が焼結時に析出することを抑制できる。そのため、圧電/電歪体の圧電定数d31を向上させることができる。
【0021】
上記一般式におけるa+bは、0.2≦a+b≦0.3を満たす。このように、a+bを0.2以上0.3以下とすることによって、圧電/電歪体のキュリー温度Tcを300℃以上にすることができる。
【0022】
上記一般式におけるcは、0.35≦c≦0.45を満たす。また、上記一般式におけるdは、0.3≦d≦0.4を満たす。
【0023】
上記一般式におけるeは、0.001≦e≦0.015を満たす。これによって、圧電/電歪体の機械的品質係数Qmを150以上にすることができる。
【0024】
上記一般式におけるfは、0.002≦f≦0.025を満たす。また、上記一般式における(2a+2b+f)/(a+b)は、2.007≦(2a+2b+f)/(a+b)≦2.125)を満たす。これによって、圧電定数d31を180pm/V以上にすることができる。
【0025】
(圧電/電歪体の製造方法)
上述した圧電/電歪材料を用いた圧電/電歪体の製造方法について説明する。図1は、圧電/電歪体の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0026】
まず、ステップS101において、一般式Pb[(Zn1/3Nb2/3(Ni1/3Nb2/3(TiZr)MnNb]O(ただし、0.98≦x≦1.00、0.2≦a+b≦0.3、0.35≦c≦0.45、0.3≦d≦0.4、0.001≦e≦0.015、0.002≦f≦0.025、2.007≦(2a+2b+f)/(a+b)≦2.125)の組成が得られるように構成元素(Pb、Zr、Ti、Zn、Ni、Mn、Nb)の出発原料の粉末を秤量して混合する。この際、後述する焼結工程においてPbが蒸発する場合があるため、焼結工程における組成変動を考慮して秤量することが好ましい。また、粉砕メディアとしてジルコニアボールを用いたボールミルによって混合する場合には、ジルコニアボールからのZrの混入を考慮して秤量することが好ましい。なお、混合方法は、湿式法と乾式法のいずれであってもよい。
【0027】
出発原料としては、酸化物又は酸化物の前駆体を用いることができる。酸化物の前駆体は、炭酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩等である。酸化物の前駆体は、最終的に酸化物に変化してもよい。例えば、酸化物の前駆体は、後述する仮焼工程において酸化物に変化してもよい。酸化物としては、通常は単純酸化物が用いられるが、コロンバイト等の複合酸化物を用いることもできる。
【0028】
次に、ステップS102において、出発原料の粉末の混合物を仮焼する。これにより、出発原料の粉末が反応して仮焼原料の粉末が合成される。仮焼温度は、800℃以上950℃以下であることが好ましいが、これに限られるものではない。
【0029】
なお、粉砕又は分級によって仮焼原料の粉末の粒子径及び比表面積を調整してもよい。造粒処理(例えば、噴霧乾燥)によって仮焼原料の粉末の2次粒子の形状や粒子径を調整してもよい。仮焼原料の粉末はさらに熱処理されてもよい。
【0030】
次に、ステップS103において、仮焼原料を用いて、成形用の原料を成形方法に応じた形態(粉末、スラリー、ペーストなど)に調製する。成形用の原料には、バインダーを混合することが好ましい。
【0031】
次に、ステップS104において、成形用の原料を成形することによって成形体を形成する。成形方法としては、加圧成形、テープ成形、鋳込み成形、押出成形、射出成形、ゲルキャスト成形などの手法を用いることができる。テープ成形する場合には、成形体としてグリーンシートが得られるが、2枚以上のグリーンシートを積層圧着することによって基板状の成形体を形成してもよい。
【0032】
次に、ステップS105において、成形体の脱脂と焼結を行うことによって圧電/電歪体を形成する。脱脂と焼結は連続的に行われてもよいし、別々に行われてもよい。焼結温度は、1000℃以上1150℃以下とすることができる。特に、上記一般式Pb[(Zn1/3Nb2/3(Ni1/3Nb2/3(TiZr)MnNb]Oで表される化合物は、1100℃以下での低温焼結が可能である。圧電/電歪体には、切削、研削、研磨などの加工を施してもよい。
【0033】
以上のように形成される圧電/電歪体の組成は、基本的には上記圧電/電歪材料の組成と同じである。従って、圧電/電歪体は、Pb(Zn,Nb)O−Pb(Ni,Nb)O−Pb(Zr,Ti)O系化合物とMnを含有し、Mnのモル数のNi、Zn、Ti、Zr、Nb及びMnそれぞれのモル数の和に対する比は、0.001以上0.015以下となる。また、圧電/電歪体におけるNbのモル数のNi及びZnそれぞれのモル数の和に対する比は、2.007以上2.125以下となる。
【0034】
(共振駆動デバイスの製造方法)
上述した圧電/電歪体を用いた圧電/電歪デバイスの製造方法について説明する。図2は、共振駆動デバイスの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0035】
まず、ステップS201において、圧電/電歪体に一対の電極を取り付けることによって、圧電/電歪体と一対の電極の複合体を形成する。電極の形成方法としては、蒸着、スパッタリング、焼き付け、めっきなどの手法を用いることができる。電極には、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、アルミニウム(Al)、又はこれらを主成分とする合金などを用いることができるが、これに限られるものではない。
【0036】
なお、一対の電極は、圧電/電歪体の焼結工程(図2のステップS105)において、圧電/電歪材料の成形体とともに2枚の電極材料膜を共焼結することによって形成することもできる。2枚の電極材料膜は、共焼結によって一対の電極となる。2枚の電極材料膜の少なくとも一方は、圧電/電歪材料の成形体内に埋設されていてもよい。
【0037】
次に、ステップS202において、圧電/電歪体と一対の電極の複合体を分極することによって、圧電/電歪デバイスを形成する。圧電/電歪体と一対の電極の複合体には、分極後に個片加工などが施されてもよい。
【0038】
次に、ステップS203において、圧電/電歪体と一対の電極の複合体に基材を貼り付けることによって、圧電/電歪デバイスを形成する。基材は、所定の弾性を有する材料によって構成されていればよい。基材の貼り付けには、接着剤(エポキシ樹脂系やUV硬化性樹脂など)を用いることができる。
【0039】
なお、基材は、圧電/電歪体の焼結工程(図2のステップS105)において、圧電/電歪材料の成形体とともに基材材料膜を共焼結することによって貼り付けることもできる。基材材料膜は、共焼結によって基材となる。
【0040】
以上のように形成される圧電/電歪デバイスとしては、圧電アクチュエータ、圧電フィルター、圧電振動子、圧電トランス、圧電超音波モータ、圧電ジャイロセンサ、ノックセンサ、ヨーレートセンサ、エアバッグセンサ、バックソナー、コーナーソナー、圧電ブザー、圧電スピーカー、圧電着火器などが挙げられる。
【0041】
特に、上記圧電/電歪材料を用いて形成された圧電/電歪体は、共振周波数で駆動するデバイスにおいて好適に用いることができる。共振周波数で駆動するデバイスとしては、圧電アクチュエータ(例えば、特開2011−136322号公報参照)やハプティックフィードバックデバイス(例えば、特開2013−134776号公報参照)が挙げられるがこれに限られるものではない。
【実施例】
【0042】
以下において本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
【0043】
(サンプルNo.1〜12の作製)
まず、表1に示す組成のPb[(Zn1/3Nb2/3(Ni1/3Nb2/3(TiZr)MnNb]O化合物が得られるように、構成元素(Pb、Zr、Ti、Zn、Ni、Mn、Nb)の出発原料の粉末を秤量して混合することによって、圧電/電歪材料を作製した。
【0044】
次に、出発原料の粉末の混合物を仮焼(900℃、2時間)した。
【0045】
次に、仮焼原料を用いて、成形用の原料スラリーを調製して、テープ成形法によってグリーンシートを形成した。
【0046】
次に、スグリーンシートの脱脂と焼結によって、圧電/電歪体を作製した。サンプルNo.1、3の焼結条件は、焼結温度1075℃、焼結時間2時間とした。サンプルNo.2、4の焼結条件は、焼結温度1125℃、焼結時間2時間とした。サンプルNo.5〜12の焼結条件は、焼結温度1075℃、焼結時間2時間とした。
【0047】
そして、インピーダンスアナライザーを用いた共振−反共振法によって、圧電定数d31及び機械的品質係数Qmを測定した。また、圧電/電歪体の温度を1分当たり1℃ずつ600℃まで上げながら比誘電率を測定し、比誘電率が最も高くなったときの温度をキュリー温度として測定した。測定結果を表1にまとめて示す。
【0048】
【表1】
【0049】
表1に示すように、一般式Pb[(Zn1/3Nb2/3(Ni1/3Nb2/3(TiZr)MnNb]Oにおいて、0.98≦x≦1.00、0.2≦a+b≦0.3、0.35≦c≦0.45、0.3≦d≦0.4、0.001≦e≦0.015、0.002≦f≦0.025、2.007≦(2a+2b+f)/(a+b)≦2.125を満たすサンプルNo.5〜12の圧電/電歪材料は、1075℃で低温焼結することができた。また、サンプルNo.5〜12の圧電/電歪体では、180pm/V以上の圧電定数d31と、150以上の機械的品質係数Qmと、300℃以上のキュリー温度Tcを得ることができた。
【0050】
なお、サンプルNo.5〜12の圧電/電歪材料及び圧電/電歪体において、Mnのモル数のNi、Zn、Ti、Zr、Nb及びMnそれぞれのモル数の和に対する比は0.001以上0.015以下であり、かつ、Nbのモル数のNi及びZnそれぞれのモル数の和に対する比は、2.007以上2.125以下であった。
【0051】
一方で、サンプルNo.1では、Nbの含有量が不足していたため、圧電定数d31が低下した。サンプルNo.2では、Nbの含有量が多すぎたため、圧電定数d31とキュリー温度Tcが低下した。サンプルNo.3では、Mnの含有量が不足していたため、機械的品質係数Qmが低下した。サンプルNo.4では、Mnの含有量が多すぎたため、圧電定数d31とキュリー温度Tcが低下した。
図1
図2