特許第6445405号(P6445405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6445405
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 9/10 20060101AFI20181217BHJP
   B41J 11/42 20060101ALI20181217BHJP
   B41J 13/26 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   B65H9/10
   B41J11/42
   B41J13/26
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-140478(P2015-140478)
(22)【出願日】2015年7月14日
(65)【公開番号】特開2017-19236(P2017-19236A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2017年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 義昌
【審査官】 冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開平2−112649(JP,U)
【文献】 特開平7−277553(JP,A)
【文献】 特開2005−324455(JP,A)
【文献】 特開平7−282205(JP,A)
【文献】 特開平8−337327(JP,A)
【文献】 特開平5−32354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H7/00−9/20
B41J11/42、13/00
G03G15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転することによって媒体を第一の方向へ搬送する第一搬送ローラと、回転することによって前記媒体を前記第一の方向と直交する第二の方向へ搬送する第二搬送ローラと、を有する搬送ローラと、
前記媒体の端のうち、前記第一の方向に位置する第一端が押し当てられる第一壁部と、前記媒体の端のうち、前記第二の方向に位置する第二端が押し当てられる第二壁部と、を有する壁部と、
前記搬送ローラを制御して前記媒体を前記壁部に押し当てることによって前記媒体の傾き補正を行う制御部と、
傾き補正がなされた前記媒体に印字を行う印字部と、
を備え、
前記制御部は、前記傾き補正が失敗した場合に前記搬送ローラの搬送速度を遅くして再度前記媒体を前記壁部に押し当てることによって傾き補正を行う印刷装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記傾き補正が失敗する度に、前記搬送ローラの搬送速度を遅くして再度傾き補正を行う、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記傾き補正が成功した場合の前記搬送ローラの搬送速度により、次の媒体の傾き補正を行う、請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記媒体の傾き補正が1回目で成功した場合、前記搬送ローラの搬送速度を速くして次の媒体の傾き補正を行う、請求項3に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通帳プリンタなどの印刷装置は、アライメントローラを制御して、通帳を搬送路の壁やシャッターに押し当てることによって通帳のアライメントを行っている。ここで、アライメントとは、挿入口から挿入された通帳などの媒体が所定のアライメント位置に配置されるように媒体の位置を調整することである。以下の説明では、アライメントを傾き補正と記載する。
しかしながら、上記の方法では、アライメントローラの回転速度と通帳の種類又は状態との関係によって、通帳が壁やシャッターにあたった後に跳ね返ってくる場合がある。このような場合、印刷装置は、通帳の傾き補正を行うことができない可能性があった。このような問題は、通帳に限らず、傾き補正の対象となる媒体全てに共通する問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−310592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、傾き補正の失敗を低減させることができる印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の印刷装置は、搬送ローラと、壁部と、制御部と、印字部とを持つ。搬送ローラは、回転することによって媒体を第一の方向へ搬送する第一搬送ローラと、回転することによって前記媒体を前記第一の方向と直交する第二の方向へ搬送する第二搬送ローラと、を有する。壁部は、前記媒体の端のうち、前記第一の方向に位置する第一端が押し当てられる第一壁部と、前記媒体の端のうち、前記第二の方向に位置する第二端が押し当てられる第二壁部と、を有する。制御部は、前記搬送ローラを制御して前記媒体を前記壁部に押し当てることによって前記媒体の傾き補正を行う。さらに、制御部は、前記傾き補正が失敗した場合に前記搬送ローラの搬送速度を遅くして再度前記媒体を前記壁部に押し当てることによって傾き補正を行う。印字部は、傾き補正がなされた前記媒体に印字を行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の印刷装置1の構成図。
図2】傾き補正に使用される印刷装置1の機構の上面図。
図3】第1の実施形態における制御装置40の機能構成を示すブロック図。
図4】傾き補正成功の具体例を説明するための図。
図5】制御装置40の処理の流れを示すフローチャート。
図6】第2の実施形態における制御装置40aの機能構成を示すブロック図。
図7】第2の実施形態における制御装置40aの処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の印刷装置を、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の印刷装置1の構成図である。印刷装置1は、所定の画像又は文字を媒体に印字し、画像又は文字が印字された媒体を出力する。印刷装置1は、例えば通帳プリンタ、ラベルプリンタなどである。印刷装置1が通帳プリンタである場合、媒体は通帳である。
印刷装置1は、挿入口2、用紙装填部3、サーマル印字部4、第一搬送路5a及び第二搬送路5bを備える。以下の説明では、挿入口2が位置する方向を前方と記載し、用紙装填部3が位置する方向を後方と記載する。
【0008】
挿入口2は、印刷装置1の前面に一部を露出して設けられる。挿入口2は、通帳(媒体)の出入口及びステートメントの出口である。用紙装填部3は、印刷装置1の後部に設けられる。用紙装填部3には、サーマル用紙6を設置するための空間が設けられる。用紙装填部3には、サーマル用紙6を装着するための軸が設けられてもよい。サーマル用紙6は、印刷装置1によって印字される用紙である。サーマル用紙6は、ロール状に形成されている。サーマル用紙6は、サーマル印字部4を経由して第一搬送路5aへ搬送される。
サーマル印字部4は、サーマル用紙6の表面に対して印字する。サーマル印字部4についてより詳細に説明する。サーマル印字部4は、第一サーマルヘッド17、第二サーマルヘッド18、第一プラテンローラ20、第二プラテンローラ21及び切断部22を備える。
【0009】
第一サーマルヘッド17及び第二サーマルヘッド18は、所定の間隔で配置される。第一サーマルヘッド17には、第一プラテンローラ20が対向して配置される。第二サーマルヘッド18には、第二プラテンローラ21が対向して配置される。第一サーマルヘッド17は、第一プラテンローラ20によって第一サーマルヘッド17に押しつけられているサーマル用紙6に対して印字する。第二サーマルヘッド18は、第二プラテンローラ21によって第二サーマルヘッド18に押しつけられているサーマル用紙6に対して印字する。第一プラテンローラ20及び第二プラテンローラ21は、それぞれ回転することによってサーマル用紙6を前方に搬送する。第一プラテンローラ20から第二プラテンローラ21の間には、サーマル搬送路24が形成される。
【0010】
切断部22は、サーマル用紙6を切断する。例えば、切断部22は、ロータリーカッター23を備える。例えば、切断部22は、サーマル用紙6のうち印字された部分の後端部分から所定の距離だけ後方(印字されていない部分へ向かう方向)に離れた部分を切断する。切断部22による切断によって、サーマル用紙6は、印字された部分と、印字されていない部分とに分断される。印字されたサーマル用紙6は、第一搬送路5aによって下流(前方)に搬送される。
【0011】
第一搬送路5aには、第一フィードローラ対14及び第二フィードローラ対15が設けられる。第一フィードローラ対14及び第二フィードローラ対15は、それぞれ回転することによって、サーマル用紙6を下流に搬送する。第一フィードローラ対14及び第二フィードローラ対15の間には、弛み形成部9が形成される。第一フィードローラ対14及び第二フィードローラ対15の回転量のずれによって、弛み形成部9においてサーマル用紙6に弛みが生じる。弛み形成部9によって、通帳とサーマル用紙6との搬送速度の差が吸収される。
【0012】
第二搬送路5bには、印字部8と、複数個の搬送ローラ対11(11a〜11e)と、出入用ローラ対12と、第二検知センサ13とが設けられる。第二搬送路5bは第一搬送路5aよりも前方に配置される。第二搬送路5bは、第一搬送路5aに接続される。第二搬送路5bでは、第一搬送路5aから搬送されてきたサーマル用紙6がさらに下流に搬送される。また、第二搬送路5bでは、挿入口2から挿入された媒体が上流方向(後方)又は下流方向に搬送される。
【0013】
印字部8は、第二搬送路5bの途中に設けられる。印字部8は、ドットヘッド8aを備える。印字部8は、ドットヘッド8aを制御することによって、通帳に対して文字を印字する。複数の搬送ローラ対11及び出入用ローラ対12は、それぞれ所定の間隔で配置される。複数の搬送ローラ対11及び出入用ローラ対12は、それぞれ回転することによって媒体を上流方向又は下流方向に搬送に搬送する。
【0014】
第二検知センサ13は、第二搬送路5bの下流(例えば出入用ローラ対12付近)に設けられる。第二検知センサ13は、挿入口2から流入する媒体を検知する。第一搬送路5aと第二搬送路5bとの境界付近には、第一検知センサ16が設けられる。第一検知センサ16は、第一搬送路5aから搬送されて第二搬送路5bに流入するサーマル用紙6を検知する。また、第一検知センサ16は、第二搬送路5bから搬送されて第一搬送路5aに流入する媒体を検知する。第一検知センサ16及び第二検知センサ13は、それぞれ複数設けられる。また、第一検知センサ16及び第二検知センサ13は、印刷装置1に予め設けられる既存のセンサである。例えば、第一検知センサ16は、サーマル用紙検知用のセンサである。例えば、第二検知センサ13は、通帳検知用のセンサである。
【0015】
印刷装置1は、制御装置40を備える。制御装置40は、印刷装置1全体の動作を制御する。例えば、制御装置40は、各種ローラの回転及びサーマル印字部4及び印字部8の印字を制御する。また、制御装置40は、媒体の傾き補正を行う。次に、図2を用いて、傾き補正に使用される印刷装置1の機構について具体的に説明する。
【0016】
図2は、傾き補正に使用される印刷装置1の機構の上面図である。
図2において、図1と同様の機能部については図1と同様の符号を付して説明を省略する。図2において、印刷装置1には、図1で示した機構の他に、読取部25、複数のアライメントローラ26(26a、26b、26c)、搬送路壁27、シャッター28、アライメントセンサ29a及びアライメントセンサ29bが設けられる。また、図2において、矢印30の方向は媒体31の搬送方向を表す。なお、以下の説明では、アライメントセンサ29a及びアライメントセンサ29bの両方を示す場合には、単にアライメントセンサと記載する。
【0017】
読取部25は、媒体31の磁気ストライプを読み取る装置である。アライメントローラ26は、媒体31の傾き補正時に使用されるローラである。アライメントローラ26は、1つの駆動系で動作する。アライメントローラ26は、制御装置40の制御によって、媒体の搬送方向と、搬送方向と直交する方向(以下、「直交方向」という。)とに同時に回転する。より具体的には、アライメントローラ26a及び26bは、制御装置40の制御によって媒体の搬送方向に回転する。また、アライメントローラ26cは、制御装置40の制御によって直交方向に回転する。なお、アライメントローラ26は、全て同じ回転速度で回転する。アライメントローラ26が上記のように同時に回転することによって媒体31が斜め方向に移動する。
【0018】
搬送路壁27は、媒体31の一端が押し当てられる壁である。シャッター28は、媒体31の一端が押し当てられるシャッターである。シャッター28は、制御装置40の制御に従って開閉される。アライメントセンサ29aは、搬送路壁27付近に設けられる。アライメントセンサ29aは、媒体31を検知する。アライメントセンサ29bは、シャッター28付近に設けられる。アライメントセンサ29bは、媒体31を検知する。
【0019】
(第1の実施形態)
図3は、第1の実施形態における制御装置40の機能構成を示すブロック図である。制御装置40は、取得部41、判定部42、制御部43を備える。
取得部41は、複数のセンサから情報を取得する。例えば、取得部41は、第一検知センサ16及びアライメントセンサから、媒体が検知されたことを示す情報(以下、「検知情報」という。)を取得する。
【0020】
判定部42は、媒体の搬送時にアライメントセンサから検知情報が取得されたか否か判定する。また、判定部42は、アライメントローラ26の停止時にアライメントセンサから検知情報が取得されたか否か判定する。なお、以下の説明では、アライメントローラ26の停止時にアライメントセンサから検知情報が取得された場合を傾き補正成功と記載する。一方、アライメントローラ26の停止時にアライメントセンサの全て又は一部から検知情報が取得されなかった場合を傾き補正失敗と記載する。
【0021】
制御部43は、搬送制御部431及び開閉制御部432を備える。搬送制御部431は、各ローラを制御して媒体の搬送を制御する。例えば、搬送制御部431は、第二検知センサ13によって媒体が検知されると、アライメントローラ26を駆動させて媒体を搬送する。このように、アライメントローラ26を駆動させることによって、搬送制御部431は媒体の傾き補正を行う。また、搬送制御部431は、初期速度情報を記憶する。初期速度情報は、第二検知センサ13によって媒体が検知されてから、その媒体に対する1回目の傾き補正時におけるアライメントローラ26の回転速度に関する情報である。第1の実施形態では、どの媒体に対しても初期速度情報で示されるアライメントローラ26の回転速度は同じである。搬送制御部431は、初期速度情報に基づく回転速度となるようにアライメントローラ26を制御して媒体を搬送する。また、搬送制御部431は、媒体の搬送時にアライメントセンサから検知情報が取得された場合、アライメントローラ26を停止させる。また、搬送制御部431は、傾き補正成功と判定された場合、アライメントローラ26を再度駆動させて媒体を搬送する。
【0022】
一方、傾き補正失敗と判定された場合、搬送制御部431はアライメントローラ26の回転速度を制御する。例えば、搬送制御部431は、アライメントローラ26の回転速度を前回の傾き補正時における回転速度より遅い回転速度となるようにアライメントローラ26を制御する。搬送制御部431が前回の傾き補正時における回転速度より遅い回転速度となるように回転速度を落とす幅は、予め決定されていてもよい。例えば、回転速度を落とす幅は、所定の間隔(例えば、1IPS(Inch Per Second)毎)であってもよい。
【0023】
以下、第1の実施形態における搬送制御部431の動作について具体例を挙げて説明する。まず、初期速度情報に基づく回転速度を5IPSとする。傾き補正失敗の場合、搬送制御部431は前回の傾き補正時の回転速度(5IPS)よりも遅い回転速度(例えば、4IPS)となるようにアライメントローラ26を制御する。そして、搬送制御部431は、再度傾き補正を行う。再度傾き補正失敗の場合、搬送制御部431は前回の傾き補正時の回転速度(4IPS)よりも遅い回転速度(3IPS)となるようにアライメントローラ26を制御する。そして、搬送制御部431は、再度傾き補正を行う。このように、搬送制御部431は、傾き補正が失敗する度にアライメントローラ26の回転速度を遅くして傾き補正を行う。
【0024】
開閉制御部432は、シャッター28の開閉を制御する。例えば、開閉制御部432は、第二検知センサ13によって媒体が検知されると、シャッター28を閉じる。例えば、開閉制御部432は、アライメントローラ26の停止時に傾き補正が成功した場合、シャッター28を開く。
【0025】
図4は、傾き補正成功の具体例を説明するための図である。図4に示すように、媒体31がアライメントセンサによって検知されると、判定部42は傾き補正成功と判定する。この場合、開閉制御部432は、シャッター28を開く。そして、搬送制御部431は、搬送ローラ対11を制御して、媒体31を上流側に搬送する。
【0026】
図5は、第1の実施形態における制御装置40の処理の流れを示すフローチャートである。図5の処理は、印刷装置1に媒体が挿入された後に開始される。第二検知センサ13は、媒体を検知する(ACT101)。媒体を検知した第二検知センサ13は、検知情報を制御装置40に送信する。取得部41は、第二検知センサ13から送信された検知情報を取得する。制御部43は、検知情報が取得されると傾き補正を実施する(ACT102)。具体的には、搬送制御部431は、初期速度情報に基づく回転速度となるようにアライメントローラ26を制御して媒体を搬送する。また、開閉制御部432はシャッター28を閉じる。搬送制御部431によるアライメントローラ26の制御によって、媒体が搬送路壁27及びシャッター28に押し当てられる。
【0027】
判定部42は、アライメントセンサから検知情報が取得されたか否か判定する(ACT103)。具体的には、判定部42は、アライメントセンサ29a及びアライメントセンサ29bの両方から検知情報が取得されたか否か判定する。アライメントセンサから検知情報が取得されなかった場合(ACT103:NO)、制御装置40はACT103の処理を繰り返し実行する。
【0028】
一方、アライメントセンサから検知情報が取得された場合(ACT103:YES)、搬送制御部431はアライメントローラ26を停止させる(ACT104)。その後、判定部42は、取得部41の検知情報の取得結果に基づいて、傾き補正の結果を判定する(ACT105)。傾き補正の結果が傾き補正成功である場合(ACT105:成功)、開閉制御部432はシャッター28を開く(ACT106)。シャッター28が開かれると、搬送制御部431は搬送ローラ対11を制御して媒体を上流側に搬送する(ACT107)。
【0029】
傾き補正の結果が傾き補正失敗である場合(ACT105:失敗)、搬送制御部431はアライメントローラ26の回転速度を制御する(ACT108)。例えば、搬送制御部431は、アライメントローラ26の回転速度を、前回の回転速度よりも下げる。その後、搬送制御部431は、下げた後の回転速度でアライメントローラ26を再駆動させて媒体を搬送させる(ACT109)。その後、ACT103以降の処理が繰り返し実行される。
【0030】
以上のように構成された第1の実施形態における印刷装置1によれば、傾き補正の失敗を低減させることができる。以下、この効果について詳細に説明する。印刷装置1は、傾き補正が失敗すると、アライメントローラ26の回転速度を制御する。例えば、印刷装置1は、アライメントローラ26の回転速度を、前回の回転速度よりも下げる。したがって、失敗後の傾き補正では、前回の傾き補正の時より搬送路壁27及びシャッター28に押し当てられた媒体の跳ね返りが小さい。これにより、アライメントローラ26の停止後にアライメントセンサによって媒体が検知される確率が上がる。そのため、傾き補正の失敗を低減させることが可能になる。
【0031】
以下、第1の実施形態における印刷装置1の変形例について説明する。
本実施形態では、アライメントローラ26が1つの駆動系で駆動する構成を示したが、これに限定される必要はない。例えば、各アライメントローラ26は、それぞれ別の駆動系で駆動されてもよい。このように構成される場合、搬送制御部431は、各アライメントローラ26に対応する駆動系を制御することによってアライメントローラ26を制御する。また、各アライメントローラ26がそれぞれ別の駆動系で駆動する場合、以下のような処理が行なわれてもよい。
【0032】
判定部42は、アライメントセンサの一部から検知情報が取得されない場合、検知情報が取得されていないアライメントセンサ(以下、「未取得センサ」という。)を判定する。この場合、判定部42は、各アライメントセンサを識別するための識別情報を予め記憶する。判定部42は、検知情報の送信元の識別情報と、記憶している識別情報とに基づいて未取得センサを判定する。例えば、判定部42は、記憶している識別情報のうち、検知情報の送信元の識別情報に該当しない識別情報で識別されるアライメントセンサを未取得センサと判定する。この場合、搬送制御部431は、未取得センサと判定されたアライメントセンサが設置されている方向に回転するアライメントローラ26を制御する。例えば、図4におけるアライメントセンサ29bが未取得センサである場合、搬送制御部431はアライメントローラ26a及び26bを回転させる。この際、搬送制御部431は、アライメントローラ26a及び26bの回転速度を、前回の回転速度よりも下げる。
【0033】
このように構成されることによって、傾き補正の失敗をより低減させることができる。具体的には、本実施形態では、アライメントローラ26が1つの駆動系で駆動するため、アライメントローラ26を回転させるとアライメントローラ26全てが回転してしまう。これによって、再び傾き補正が行われると、前回の傾き補正で既に媒体を検知しているアライメントセンサが媒体を検知しなくなってしまう可能性がある。それに対して、各アライメントローラ26がそれぞれの駆動系で動作する場合、既に媒体を検知しているアライメントセンサが位置している方向には回転されない。つまり、既に媒体を検知しているアライメントセンサが位置している方向に回転するアライメントローラ26は、駆動されない。したがって、前回の傾き補正で既に媒体を検知しているアライメントセンサが媒体を検知しなくなってしまうおそれを軽減させることができる。そのため、傾き補正の失敗をより低減させることが可能になる。
【0034】
印刷装置1には、2つのアライメントローラ26が設けられてもよいし、4つ以上のアライメントローラ26が設けられてもよい。また、印刷装置1には、アライメントセンサが3つ以上設けられてもよい。
【0035】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、印刷装置1は、傾き補正成功時のアライメントローラ26の回転速度で、次の媒体の傾き補正を行う。
図6は、第2の実施形態における制御装置40aの機能構成を示すブロック図である。制御装置40aは、取得部41、判定部42、制御部43aを備える。
制御装置40aは、制御部43に代えて制御部43aを備える点で制御装置40と構成が異なる。制御装置40aは、他の構成については制御装置40と同様である。そのため、制御装置40a全体の説明は省略し、制御部43aについて説明する。
【0036】
制御部43aは、搬送制御部431a及び開閉制御部432を備える。搬送制御部431aは、各ローラを制御して媒体の搬送を制御する。例えば、搬送制御部431aは、第二検知センサ13によって媒体が検知されると、アライメントローラ26を駆動させて媒体を搬送する。このように、アライメントローラ26を駆動させることによって、搬送制御部431aは媒体の傾き補正を行う。また、搬送制御部431aは、初期速度情報を記憶する。第2の実施形態では、傾き補正が成功するまでの回数に基づいて初期速度情報で示されるアライメントローラ26の回転速度が決定される。具体的には、1回目で傾き補正が成功した場合、搬送制御部431aは傾き補正成功時の回転速度よりも速い回転速度を初期速度情報で示される回転速度に決定する。搬送制御部431aが傾き補正成功時における回転速度より速い回転速度となるように回転速度を上げる幅は、予め決定されていてもよい。そして、搬送制御部431aは、決定した回転速度に関する情報を初期速度情報として記憶する。なお、傾き補正の結果が無い場合、例えば起動されてから傾き補正が行われていない場合には、予め設定された回転速度が初期速度情報で示される回転速度となる。
【0037】
また、2回目以降で傾き補正が成功した場合、搬送制御部431aは傾き補正成功時の回転速度を初期速度情報で示される回転速度に決定する。そして、搬送制御部431aは、決定した回転速度に関する情報を初期速度情報として記憶する。搬送制御部431aは、初期速度情報に基づく回転速度となるようにアライメントローラ26を制御して媒体を搬送する。また、搬送制御部431aは、媒体の搬送時にアライメントセンサから検知情報が取得された場合、アライメントローラ26を停止させる。また、搬送制御部431aは、傾き補正成功と判定された場合、アライメントローラ26を再度駆動させて媒体を搬送する。
一方、傾き補正失敗と判定された場合、以下の処理が行なわれる。例えば、搬送制御部431aは、アライメントローラ26の回転速度を前回の傾き補正時における回転速度より遅い回転速度となるようにアライメントローラ26を制御する。
【0038】
以下、第2の実施形態における搬送制御部431aの動作について具体例を挙げて説明する。まず、初期速度情報に基づく回転速度を5IPSとする。傾き補正失敗の場合、搬送制御部431aは前回の傾き補正時の回転速度(5IPS)より遅い回転速度(例えば、4IPS)となるようにアライメントローラ26を制御する。そして、搬送制御部431aは、再度傾き補正を行う。再度傾き補正失敗の場合、搬送制御部431aは前回の傾き補正時の回転速度(4IPS)よりも遅い回転速度(3IPS)となるように制御する。その後、搬送制御部431aは、再度傾き補正を行う。そして、傾き補正成功の場合、搬送制御部431aは成功時の回転速度(3IPS)を初期速度情報で示される回転速度に決定する。搬送制御部431aは、成功時の回転速度(3IPS)に関する情報を初期速度情報として記憶する。次に、新たに媒体が検出されると、搬送制御部431aは初期速度情報に基づく回転速度(3IPS)となるようにアライメントローラ26を制御して傾き補正を行う。ここで、1回目で傾き補正成功の場合、以下の処理が行なわれる。例えば、搬送制御部431aは、傾き補正成功時の回転速度(3IPS)よりも速い回転速度(例えば、4IPS)を初期速度情報で示される回転速度に決定する。搬送制御部431aは、成功時の回転速度よりも速い回転速度(例えば、4IPS)に関する情報を初期速度情報として記憶する。
【0039】
図7は、第2の実施形態における制御装置40aの処理の流れを示すフローチャートである。図7の処理は、印刷装置1に媒体が挿入された後に開始される。また、図5と同様の処理については、図7において図5と同様の符号を付して説明を省略する。
ACT105の処理において、傾き補正の結果が傾き補正成功である場合(ACT105:成功)、搬送制御部431aは1回目で成功か否か判定する(ACT201)。
1回目で成功の場合(ACT201:YES)、搬送制御部431aは新たな回転速度を記憶する(ACT202)。具体的には、搬送制御部431aは、傾き補正成功時における回転速度よりも速い回転速度を初期速度情報で示される回転速度に決定する。そして、搬送制御部431aは、決定した回転速度に関する情報を初期速度情報として記憶する。その後、ACT106以降の処理が実行される。
一方、1回目で成功でない場合(ACT201:NO)、搬送制御部431aは成功時の回転速度を記憶する(ACT203)。具体的には、搬送制御部431aは、成功時の回転速度に関する情報を初期速度情報として記憶する。その後、ACT106以降の処理が実行される。
【0040】
以上のように構成された第2の実施形態における印刷装置1によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第2の実施形態における印刷装置1は、傾き補正が成功するまでの回数に基づいて、次の媒体の傾き補正時におけるアライメントローラ26の回転速度が決定される。具体的には、1回目で傾き補正が成功した場合、印刷装置1は次の媒体の傾き補正時に前回の傾き補正成功時の回転速度より速い回転速度で傾き補正を行う。これは、1回目で成功した場合には、成功時の回転速度より速い回転速度であっても、傾き補正が成功する可能性があるためである。このように、回転速度を上げることで1回の傾き補正の時間を短縮することができる。また、2回目以降で傾き補正が成功した場合、印刷装置1は次の媒体の傾き補正時に前回の傾き補正成功時の回転速度で傾き補正を行う。これは、傾き補正成功前の回転速度では、次の媒体の傾き補正が成功する可能性が低いためである。このような制御によって、アライメントローラ26の停止後にアライメントセンサによって媒体が検知される確率が上がる。そのため、傾き補正の失敗を低減させることが可能になる。
【0041】
以下、第2の実施形態における印刷装置1の変形例について説明する。
第2の実施形態における印刷装置1は、第1の実施形態における印刷装置1と同様に変形例されてもよい。
搬送制御部431aは、以下のようにして、初期速度情報で示される回転速度を決定してもよい。例えば、搬送制御部431aは、過去全て又は直近所定数分の媒体の傾き補正における各媒体の傾き補正成功時の回転速度の統計値によって回転速度を決定してもよい。統計値としては、例えば平均値、中央値、最大値、最頻値などがある。このように構成される場合、搬送制御部431aは起動されてから媒体ごとに行われた傾き補正成功時の回転速度の情報を媒体ごとに記憶する。そして、搬送制御部431aは、過去全て又は直近所定数分の各媒体の傾き補正成功時の回転速度の統計値から初期速度情報で示される回転速度を決定する。新たに媒体が検出されると、搬送制御部431aは決定した回転速度となるようにアライメントローラ26を制御して傾き補正を行う。
このように構成されることによって、過去の傾き成功時の情報を活かして効率的に傾き補正の失敗を低減させることが可能になる。
【0042】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、印刷装置1は、アライメントローラ26と、搬送制御部431と、印字部8とを持つ。アライメントローラ26は、媒体のアライメントに使用される。搬送制御部431は、アライメントローラを制御して媒体のアライメントを行う。また、搬送制御部431は、アライメントが失敗した場合、アライメントローラ26の回転速度を前回と異なる回転速度となるように制御して再度アライメントを行う。印字部8は、アライメントがなされた媒体に印字を行う。印刷装置1は、このような構成を持つことにより、アライメントの失敗を低減させることができる。
【0043】
上述した実施形態における印刷装置1の一部の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。そして、上述したプログラムを記録した記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティングシステムや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、可搬媒体や記憶装置等のことをいう。可搬媒体は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等である。また、記憶装置は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等である。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するものである。通信回線は、インターネット等のネットワークや電話回線等である。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリであってもよい。揮発性メモリは、一定時間プログラムを保持しているものである。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また上記プログラムは、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0045】
1…印刷装置,2…挿入口,3…用紙装填部,4…サーマル印字部,5a…第一搬送路,5b…第二搬送路,6…サーマル用紙,8…印字部,8a…ドットヘッド,9…弛み形成部,11(11a〜11e)…搬送ローラ対,12…出入用ローラ対,13…第二検知センサ,14…第一フィードローラ対,15…第二フィードローラ対,16…第一検知センサ,17…第一サーマルヘッド,18…第二サーマルヘッド,20…第一プラテンローラ,21…第二プラテンローラ,22…切断部,23…ロータリーカッター,24…サーマル搬送路,25…読取部,26(26a、26b、26c)…アライメントローラ,27…搬送路壁,28…シャッター,29a、29b…アライメントセンサ,31…媒体,40、40a…制御装置,41…取得部,42…判定部,43、43a…制御部,431、431a…搬送制御部,432…開閉制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7