特許第6445489号(P6445489)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6445489
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】車高制御システム
(51)【国際特許分類】
   B60G 17/015 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
   B60G17/015 C
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-121001(P2016-121001)
(22)【出願日】2016年6月17日
(65)【公開番号】特開2017-222329(P2017-222329A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2017年11月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000969
【氏名又は名称】特許業務法人中部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大橋 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】徳満 淳
(72)【発明者】
【氏名】神田 亮
(72)【発明者】
【氏名】田中 渉悟
(72)【発明者】
【氏名】大石 正明
【審査官】 菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−105016(JP,A)
【文献】 特開2001−246919(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/076210(WO,A1)
【文献】 特開2010−105584(JP,A)
【文献】 特開2007−182197(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0017250(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力媒体を加圧した状態で収容するタンクと、コンプレッサおよびそのコンプレッサを駆動する電動モータを有するコンプレッサ装置とを備えた圧力媒体供給装置と、
前記タンクと前記コンプレッサとに接続され、車輪に対応して設けられた車高制御アクチュエータと、
前記車輪についての車高を高くする要求に応じて、前記圧力媒体供給装置を制御することにより、前記圧力媒体供給装置から前記車高制御アクチュエータに圧力媒体を供給して前記車高を高くする車高制御部と
を含む車高制御システムであって、
前記圧力媒体供給装置が、前記タンクと前記コンプレッサとの間に設けられた遮断弁を含み、
前記遮断弁が、前記遮断弁の前記コンプレッサ側の圧力媒体の圧力から前記タンク側の圧力媒体の圧力を引いた値である差圧が開弁差圧より大きくなると、閉から開に切り換わるものであり、
前記車高制御部が、
前記タンクに収容された圧力媒体の圧力であるタンク圧を測定するタンク圧センサと、
前記車高制御アクチュエータに前記タンクから圧力媒体が供給されるタンク圧供給状態から、前記遮断弁を閉とし、前記電動モータを始動させることにより、前記車高制御アクチュエータに前記コンプレッサ装置から圧力媒体が供給されるコンプレッサ圧供給状態とする状態切換部と
を含むとともに、前記状態切換部が、前記タンク圧供給状態において前記タンク圧センサによって測定されたタンク圧である測定タンク圧が低下して、しきい値に達した場合に、前記タンク圧供給状態から前記コンプレッサ圧供給状態に切り換え、前記しきい値が、前記車高が目標車高に達した場合の前記車高制御アクチュエータの圧力媒体の圧力である目標圧力から前記遮断弁の開弁差圧を引いた値に基づいて決まる値とされたことを特徴とする車高制御システム。
【請求項2】
前記タンクが、前記コンプレッサの吐出部と前記車高制御アクチュエータとを接続する通路の接続部において前記遮断弁を介して接続され、
前記状態切換部が、前記遮断弁を閉とし、前記電動モータを始動させることにより、前記タンク圧供給状態から前記コンプレッサ圧供給状態に切り換えるものである請求項1に記載の車高制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクとコンプレッサ装置とを備えた圧力媒体供給装置を含む車高制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2に記載の車高制御システムは、タンク、コンプレッサ装置およびこれらの間に設けられた遮断弁を備えたエア供給装置と、車高制御アクチュエータとしてのエアシリンダとを含み、タンクまたはコンプレッサからエアシリンダにエアが供給されることにより、車高を高くするアップ制御が行われる。
特許文献1に記載の車高制御システムにおいては、コンプレッサの吐出部とエアシリンダとが、第1通路と第2通路とによって互いに並列に接続され、第1通路に電磁弁である遮断弁とタンクとが直列に設けられる。特許文献1に記載の車高制御システムにおいて、アップ制御直前(以下、アップ制御開始時と称する場合がある)のタンクに収容されたエアの圧力であるタンク圧が設定圧以上である場合には、タンクから第1通路を経てエアシリンダにエアが供給されるタンク圧供給状態とされ、アップ制御直前のタンク圧が設定圧より低い場合には、コンプレッサ装置が始動させられ、コンプレッサから第2通路を経てエアシリンダにエアが供給されるコンプレッサ圧供給状態とされる。アップ制御の間、遮断弁は閉状態に保たれる。
【0003】
特許文献2に記載の車高制御システムにおいては、コンプレッサの吐出部とエアシリンダとを接続する通路の途中に、タンクが電磁弁である遮断弁を介して接続される。特許文献2に記載の車高制御システムにおいて、アップ制御直前のエアシリンダに収容されたエアの圧力とタンク圧との差に基づいて設定時間が決定される。そして、アップ制御が開始されると、遮断弁が開とされることによりタンク圧供給状態とされるが設定時間が経過すると、遮断弁が閉とされ、コンプレッサ装置が始動させられることにより、コンプレッサ圧供給状態に切り換えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−70615号公報
【特許文献2】特開2001−246919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、タンク、コンプレッサ装置、遮断弁を備えた圧力媒体供給装置と、車高制御アクチュエータとを含む車高制御システムにおいて、コンプレッサ圧供給状態における遮断弁の漏れを抑制して、コンプレッサ装置の作動時間が長くなり難くすることである。
【課題を解決するための手段および効果】
【0006】
本発明に係る車高制御システムにおいては、車高を高くする場合に、タンクから車高制御アクチュエータに圧力媒体が供給されるタンク圧供給状態から、コンプレッサ装置の作動により、コンプレッサから車高制御アクチュエータに圧力媒体が供給されるコンプレッサ圧供給状態に、タンク圧供給状態におけるタンク圧(タンクに収容された圧力媒体の圧力をいう。以下、同様とする)の測定値である測定タンク圧に基づいて切り換えられる。
【0007】
例えば、特許文献2に記載の車高制御システムにおいて、遮断弁が、その遮断弁のコンプレッサの吐出部側のエアの圧力からタンク側のエアの圧力を引いた値である差圧ΔPが開弁差圧ΔPdより大きくなると、閉から開に切り換わる特性を有するものである場合を想定する。この想定された車高制御システムにおいて、タンク圧供給状態において、タンクからエアシリンダにエアが供給されることにより、タンク圧が低下しエアシリンダのエアの圧力であるエアシリンダ圧が増加する。コンプレッサ圧供給状態において、タンク圧が一定に保持された状態で、コンプレッサから吐出されたエアがエアシリンダに供給されることによりエアシリンダ圧、すなわち、コンプレッサの吐出部のエアの圧力がタンク圧より高くなる。そのため、コンプレッサ圧供給状態において、遮断弁の差圧ΔPが開弁差圧ΔPdより大きくなり、遮断弁からエアが漏れる場合がある。換言すれば、ソレノイドへの供給電流の制御が行われなくても、遮断弁が開き、コンプレッサの吐出部から遮断弁を経てタンクへエアが供給される場合があるのである。そして、タンク圧が増加し、遮断弁の差圧ΔPが開弁差圧ΔPdより小さくなると、遮断弁が閉じ、コンプレッサからエアシリンダにエアが供給されるのであり、以後、コンプレッサからエアがタンクおよびエアシリンダに供給されつつ、車高を高くする車高制御(以下、アップ制御と称する場合がある)が行われることになる。そのため、エアシリンダ圧の増加勾配が小さくなり、車高が目標車高に達するまでの時間が長くなる。コンプレッサ装置の作動時間が長くなり、バッテリの消費電力が多くなる。
【0008】
一方、コンプレッサ圧供給状態において、コンプレッサの吐出部のエアの圧力はエアシリンダ圧が高くなるのに伴って高くなるが、エアシリンダ圧は車高が目標車高に達した場合に最も高くなる。アップ制御における目標車高が予め決まっている場合には、目標車高に達した場合のエアシリンダ圧も予め分かる。それに対して、タンク圧は、タンク圧供給状態からコンプレッサ圧供給状態に切り換えられた場合の高さに保持される。そのため、遮断弁の差圧ΔPは、タンク圧が低い場合、すなわち、タンク側のエアの圧力が低い場合は高い場合より大きくなる。
【0009】
そこで、本車高制御システムにおいては、タンク圧供給状態における測定タンク圧PTに基づいてコンプレッサ圧供給状態に切り換えられるのであり、例えば、測定タンク圧PTが、コンプレッサ圧供給状態において遮断弁の差圧ΔPが開弁差圧ΔPdより大きくなり難い高さまで低下した場合に、コンプレッサ圧供給状態に切り換えられるようにすることができる。
その結果、コンプレッサ圧供給状態において、遮断弁における漏れを抑制、すなわち、遮断弁が開き難くされて、コンプレッサから圧力媒体が遮断弁を経てタンクへ供給され難くすることができる。コンプレッサの作動時間が長くなり難くすることができ、バッテリの電力消費を抑制することができる。また、アップ制御に要する時間が長くなり難くすることができる。
【0010】
なお、特許文献1には、アップ制御において、タンク圧供給状態からコンプレッサ圧供給状態に切り換えられる旨の記載がない。また、特許文献1にも特許文献2にも、コンプレッサ圧供給状態における遮断弁の漏れに関する記載がない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例1に係る車高制御システムを示す回路図である。
図2】上記車高制御システムの車高制御ECUの周辺を示す概念図である。
図3】(a)上記車高制御システムにおいて、タンク圧供給状態を示す図である。(b)コンプレッサ圧供給状態を示す図である。
図4】上記車高制御ECUの記憶部に記憶された車高制御プログラムを表すフローチャートである。
図5】上記車高制御システムにおいて車高制御が行われた場合のタンク圧、チャンバ圧の変化を示す図である。
図6】(a)実施例2に係る車高制御システムの車高制御ECUの記憶部に記憶された車高制御プログラムを表すフローチャートである。(b)上記記憶部に記憶された荷重推定テーブルを表すマップである。
図7】実施例3に係る車高制御システムの回路図である。
図8】コンプレッサ圧供給状態において遮断弁に漏れが生じる状態を説明するための図である。
図9】上記遮断弁に漏れが生じた場合のタンク圧、チャンバ圧の変化を示す図である。
【発明の実施の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態である車高制御システムについて図面に基づいて詳細に説明する。本車高制御システムには、本発明の一実施形態である圧力源装置が含まれる。本発明の一実施形態においては、圧力媒体としてエアが用いられる。
【実施例1】
【0013】
図1に示すように、車両に設けられた左右前後の車輪の各々に対応して、図示しない車輪側部材と車体側部材との間に、車高制御アクチュエータとしてのエアシリンダ2FL,FR,RL,RRと、ショックアブソーバ4FL,FR,RL,RRとが、互いに並列に設けられる。
ショックアブソーバ4FL,FR,RL,RRは、それぞれ、車輪側部材に設けられたシリンダ本体と、車体側部材に設けられたピストンとを含む。
以下、本明細書において、エアシリンダ2等について、車輪の位置で区別する必要がある場合には、車輪の位置を表す符号FL,FR,RL,RRを付して区別するが、車輪の位置で区別する必要がない場合、総称を表す場合等には車輪の位置を表す符号FL,FR,RL,RR等を省略して記載する。
エアシリンダ2は、それぞれ、車体側部材に設けられたシリンダ本体としてのチャンバ本体10と、チャンバ本体10に固定されたダイヤフラム12と、ダイヤフラム12およびショックアブソーバ4のシリンダ本体に上下方向に一体的に移動可能に設けられたエアピストン14とを含み、これらの内部が圧力媒体室としてのエア室(チャンバ)19とされる。
チャンバ19におけるエアの給排によりエアピストン14がチャンバ本体10に対して上下方向に相対移動させられ、それにより、ショックアブソーバ4においてシリンダ本体とピストンとが上下方向に相対移動させられるのであり、車輪側部材と車体側部材との間の距離である車高が変化させられる。
【0014】
エアシリンダ2のチャンバ19には、それぞれ、個別通路20および共通通路22を介して圧力媒体供給装置としてのエア給排装置24が接続される。個別通路20には、それぞれ、車高制御弁26が設けられる。車高制御弁26は常閉の電磁弁であり、開状態において、双方向のエアの流れを許容し、閉状態において、チャンバ19から共通通路22へのエアの流れを阻止するが、共通通路22のエアの圧力(以下、エアの圧力を単に圧力と称する場合がある)がチャンバ19に収容されたエアの圧力であるチャンバ圧より設定圧以上高くなると共通通路22からチャンバ19へのエアの流れを許容する。
【0015】
エア給排装置24は、コンプレッサ装置30、排出弁としての排気弁32、タンク34、切換え装置36、供給弁としての吸気弁44、リリーフ弁46等を含む。
コンプレッサ装置30は、コンプレッサ40と、コンプレッサ40を駆動する電動モータ42とを含み、電動モータ42の駆動によりコンプレッサ(本実施例においては、プランジャポンプ)40が作動させられる。コンプレッサ40の吐出圧が高くなると、リリーフ弁46を経てエアが大気へ放出される。また、コンプレッサ40は、逆止弁である吸入弁40in,吐出弁40outを含み、吐出側から吸引側へのエアの流れが防止される。
タンク34は、エアを加圧した状態で収容するものであり、収容されるエアの量が多くなると、その収容されたエアの圧力であるタンク圧が高くなる。
【0016】
切換え装置36は、共通通路22、タンク34、コンプレッサ装置30の間に設けられ、これらの間のエアの流れる方向等を切り換えるものであり、第1通路50、第2通路52、回路弁61〜64等を含む。図1に示すように、タンク34に接続されたタンク通路48と共通通路22とが、互いに並列に設けられた第1通路50と第2通路52とによって接続され、第1通路50に、直列に2つの回路弁61,62が設けられ、第2通路52に、直列に2つの回路弁63,64が設けられる。タンク通路48は接続部48sにおいて第1通路50および第2通路52に接続され、共通通路22は接続部22sにおいて第1通路50および第2通路52に接続される。また、コンプレッサ40の吸気部40aに接続された第3通路65が、第1通路50の2つの回路弁61,62の間の部分である接続部50sに接続され、コンプレッサ40の吐出部40bに接続された第4通路66が、第2通路52の2つの回路弁63,64の間の部分である接続部52sに接続される。
【0017】
回路弁61〜64は常閉の電磁弁であり、開状態において双方向のエアの流れを許容し、閉状態において、一方の側から他方の側へのエアの流れを阻止するが、他方の側の圧力が一方の側の圧力より設定圧以上高くなると、他方の側から一方の側へのエアの流れを許容するものである。回路弁61,63は、閉状態においてタンク34からのエアの流出を阻止するものであり、回路弁62は、閉状態において、共通通路22からのエアの流出を阻止するものであり、回路弁64は、閉状態において共通通路22へのエアの供給を阻止するものである。
本実施例においては、第4通路66、第2通路52の接続部52sと接続部22sとの間の部分、共通通路22、個別通路20等から構成される通路74によってコンプレッサ装置30とエアシリンダ2とが接続され、タンク34が通路74の接続部52sに、タンク通路48、第2通路52の接続部48sと接続部52sとの間の部分によって接続される。また、第2通路52の接続部52sと接続部48sとの間の部分に遮断弁としての回路弁63が設けられるのであり、回路弁63は、コンプレッサ40の吐出部40bとタンク34との間に位置することになる。
【0018】
回路弁63は、図1に示すように、常閉の電磁式ポペット弁であり、弁座、弁子、弁子を弁座に着座させる向きに弾性力を付与するスプリング等含み、回路弁63の接続部52s側のエアの圧力からタンク側のエアの圧力を引いた差圧ΔPに応じた力が弁子を弁座から離間させる向きに作用する状態で取り付けられている。そのため、回路弁63が閉状態において差圧ΔPが上述の設定圧である開弁差圧ΔPdより大きくなると、ソレノイドがOFFであっても、回路弁63が開き、接続部52sからタンク34へのエアの流れが許容されるのであり、回路弁63においてエアが漏れる。
【0019】
第3通路65の接続部65sと当該車高制御システムの外部である大気との間には吸気弁44が設けられる。吸気弁44は、差圧によって開閉させられるメカ的な逆止弁であり、接続部65sのエアの圧力が大気圧以上の場合に閉、大気圧より低い場合に開となる。コンプレッサ40の作動により接続部65sのエアの圧力が大気圧より低くなると、フィルタ43、吸気弁44を経て大気からエアが吸い込まれる。
第4通路66の接続部66sには排気弁32が接続される。排気弁32は常閉の電磁弁であり、開状態において、第4通路66から大気へのエアの排出が許容され、閉状態において、第4通路66から大気へのエアの排出が阻止されるが、第4通路66のエアの圧力が大気圧より設定圧以上低くなると大気から第4通路66へのエアの供給が許容される。
また、第4通路66の接続部66sより第2通路側の部分には、ドライヤ70と流れ抑制機構72とが直列に設けられる。流れ抑制機構72は、互いに並列に設けられた、差圧弁72vと絞り72sとを含む。差圧弁72vは、第2通路側からコンプレッサ側へのエアの流れを阻止し、コンプレッサ側の圧力が第2通路側の圧力より設定圧以上高くなると、コンプレッサ40から第2通路52へのエアの流れを許容する。
【0020】
本車高制御システムは、コンピュータを主体とする車高制御ECU80によって制御される。車高制御ECU80はCAN(Controller Area Network)82を介してECU等との間で通信可能とされている。車高制御ECU80は、図2に示すように、実行部80c、記憶部80m、入出力部80i、タイマ80t等を含み、入出力部80iには、車高切換えスイッチ88、タンク圧センサ90、チャンバ圧センサ91、車高センサ93、乗降関連動作検出装置95等が接続されるとともに、通信装置96、イグニッションスイッチ98等がCAN82を介して接続される。また、電動モータ42が駆動回路100を介して接続されるとともに、排気弁32、車高制御弁26、回路弁61〜64が接続される。
【0021】
車高切換えスイッチ88は、運転者によって操作されるものであり、車高をL(Low),N(Normal),H(High)のうちのいずれかへの変更を指示する場合に操作される。タンク圧センサ90は、タンク圧を検出するものである。チャンバ圧センサ91は、共通通路22に設けられ、開にある車高制御弁26(車輪)に対応するエアシリンダ2のチャンバ19に収容されたエアの圧力であるチャンバ圧を測定する。車高センサ93は、前後左右の各車輪に対応してそれぞれ設けられ、車輪側部材と車体側部材との間の標準距離(標準車高に対応)からの隔たりを検出して、車体側部材の車輪側部材からの距離である車高、すなわち、車輪についての車高を検出する。乗降関連動作検出装置95は、乗降に関連する動作の有無を検出するものであり、車両に設けられた複数のドアの各々に対応して設けられ、そのドアの開閉を検出するドア開閉センサ(カーテシランプセンサ)102、複数のドアの各々のロック、アンロックを検出するドアロックセンサ103等を含むものとすることができる。ドアの開閉、ドアロック、アンロックの動作の有無等に基づいて乗車、降車、発進の意図等が推定される。通信装置96は、予め定められた通信可能領域内において、運転者等が所持する携帯機104との間で通信を行うものであり、通信により、ドアのロック、アンロックが行われる場合もある。
【0022】
また、本車高制御システムは、電源としてのバッテリ110を含み、バッテリ110からの電力供給により作動可能とされている。バッテリ110の電圧である電源電圧は電圧モニタ112によって検出されるが、電圧モニタ112は、車高制御ECU80の入出力部80iに接続されている。
【0023】
本車高制御システムにおいて、例えば、車高切換えスイッチ88が操作された場合、人の乗降が推定された場合、降車後設定時間が経過した場合等の予め定められた条件が成立した場合に車高制御が行われる。例えば、車高切換えスイッチ88の状態、乗降状態等に基づいて決まる目標車高Hrefと、車高センサ93の測定値である実車高H*との差である偏差が取得され、偏差の絶対値が設定値以上の場合に、車高を高くする要求がある、すなわち、開始条件が成立したとされて、開始指令が出力される。そして、実車高H*(または実際の車高変化量である実車高変化量)が目標車高Href(または目標車高変化量)に近づいた場合、例えば、実車高H*(または実車高変化量)が目標車高Href(または目標車高変化量)と不感帯幅とで決まる設定範囲内に入った場合等に終了条件が成立したとされて、終了指令が出力される。
【0024】
例えば、車高を高くする車高制御(以下、アップ制御と称する場合がある)が行われる場合には、本実施例において、図3(a)に示す状態とされる。回路弁61,62が閉、回路弁63,64が開とされるとともに、制御対象輪に対応する車高制御弁26(図3においては、4輪すべてが制御対象輪である場合を示す)が開とされる。タンク34が共通通路22を介して制御対象輪のエアシリンダ2のチャンバ19に連通させられ、タンク34のエアがチャンバ19に供給される。この状態をタンク圧供給状態と称する。タンク圧供給状態においては、タンク34からチャンバ19にエアが供給されるのに伴って、タンク圧が低くなり、チャンバ圧が高くなる。
それに対して、タンク圧供給状態において、切換え条件が成立すると、図3(b)に示すように、回路弁61,62,63が閉とされ、回路弁64が開とされて、コンプレッサ装置30が駆動される。共通通路22がタンク34から遮断されて、コンプレッサ装置30に連通させられるのであり、コンプレッサ装置30により、大気からエアが吸引されて共通通路22を経てチャンバ19に供給される。この状態をコンプレッサ圧供給状態と称する。コンプレッサ圧供給状態において、タンク圧が一定に保たれた状態でチャンバ圧、すなわち、コンプレッサ40の吐出圧が高くなるのであり、タンク圧より高くなる。
【0025】
なお、図示は省略するが、車高を低くする車高制御が行われる場合には、回路弁61,64が閉、回路弁62,63が開とされるとともに、コンプレッサ装置30が駆動され、制御対象輪に対応する車高制御弁26が開とされる。チャンバ19から流出させられたエアは、コンプレッサ40によって加圧されてタンク34に戻される。
【0026】
図9に、図1の回路に特許文献2に記載の制御を適用した場合のタンク圧、チャンバ圧の変化を示す。アップ制御直前のタンク圧PTとチャンバ圧PCとの差圧に基づいて決まる設定時間(タンク34からエアシリンダ2にエアを供給することが困難となるほどタンク圧PTとチャンバ圧PCとの差圧が小さくなるまでの時間)が経過すると切換え条件が成立したとされて、タンク圧供給状態からコンプレッサ圧供給状態に切り換えられる。例えば、長期間、車高制御が行われなった場合等には、チャンバ19からエアが漏れて車高が低くなっている場合があり、タンク圧供給状態においてアップ制御の終了条件が成立することなく設定時間が経過して、コンプレッサ圧供給状態に切り換えられる場合がある。コンプレッサ圧供給状態において、接続部52sの圧力が高くなり、回路弁63の差圧ΔPが開弁差圧ΔPdより大きくなった場合には、回路弁63が開き、図8に示すように、コンプレッサ40から吐出されて接続部52sに供給されたエアが、主として回路弁63を経てタンク34に供給されることになる。このように回路弁63において漏れが生じ、コンプレッサ40から吐出されたエアがタンク34に供給されることによりタンク圧PTが高くなり、回路弁63の差圧ΔPが開弁差圧ΔPdより小さくなると、回路弁63が閉じ、エアシリンダ2に供給される。以後、コンプレッサ40から吐出されたエアがタンク34にもエアシリンダ2にも供給されつつアップ制御が行われることになり、図9の破線が示すように、チャンバ圧PCの増加勾配が非常に小さくなる。その結果、コンプレッサ40の駆動時間tが長くなり、バッテリ110の消費電力が多くなる。また、アップ制御に要する時間(目標車高Hrefに達するまでに要する時間)が長くなる。
【0027】
なお、回路弁63の差圧ΔPは、厳密には、回路弁63の接続部52s側のエアの圧力からタンク側のエアの圧力を引いた値であるが、回路弁63の接続部52sのエアの圧力PSからタンク34の圧力PTを引いた大きさ(PS−PT)とほぼ同じであると推定することができる。一方、接続部52sのエアの圧力PSは、チャンバ圧PCより圧力損失分(α)高い値となる(PS≒PC+α)。そのため、回路弁63の差圧ΔPは、チャンバ圧PCからタンク圧PTを引いた値よりチャンバ圧センサ91と接続部52sとの間の圧力損失分(α)大きくなると考えることができる。
ΔP=PC−PT+α
そのため、図9に示すように、チャンバ圧PCからタンク圧PTを引いた値(PC−PT)が開弁差圧ΔPdより圧力損失分(α)小さい値(ΔPd−α)より大きくなった時点で、回路弁63が開となる。
PC−PT>ΔPd−α
【0028】
一方、コンプレッサ圧供給状態において、チャンバ圧PCは、車高が目標車高Hrefに達した場合に最も高くなるが、目標車高HrefはHighまたはNormalに設定されるのが普通であり、車高が目標車高Hrefに達した時のチャンバ圧PCである目標圧力Prefは予め取得しておくことができる。また、タンク圧PTは、タンク圧供給状態からコンプレッサ圧供給状態に切り換えられた時点の値に保持される。
【0029】
そこで、本実施例においては、タンク圧供給状態において、タンク圧センサ90によってタンク圧が測定され、その測定タンク圧PTが低下して、しきい値PTthに達した場合にコンプレッサ圧供給状態に切り換えられるようにするとともに、しきい値PTthを、コンプレッサ圧供給状態における回路弁63の差圧ΔPの最大値ΔPmが開弁差圧ΔPdより大きくならない値に決定される。
コンプレッサ圧供給状態における回路弁63の差圧ΔPの最大値ΔPmは、下式に示すように、ほぼ目標圧力Prefからタンク圧PTを引いた値より圧力損失分大きい値となる。
ΔPm≒Pref−PT+α
そして、最大値ΔPmが開弁差圧ΔPd以下であることから、(1)式が成立し、(1)式を整理することによって、(2)式が得られる。
(Pref−PT)+α≦ΔPd・・・(1)
PT≧Pref−ΔPd−α・・・(2)
本実施例においては、例えば、(2)式の右辺に余裕分βを加えて、しきい値PTthを下式に示す大きさとした。
PTth=(Pref−ΔPd−α)+β
【0030】
図4のフローチャートで表される車高制御プログラムは、予め定められた設定時間毎に実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、車高が検出され、S2において車高制御中であるか否かが判定され、車高制御中でない場合には、S3において、開始条件が成立するか否かが判定される。開始条件が成立しない場合には、S1〜S3が繰り返し実行されるが、開始条件が成立すると、S4において、タンク圧センサ90によりタンク圧が測定され、S5において、測定タンク圧PTがしきい値PTth以下であるか否かが判定される。開始条件が成立した時点においては、測定タンク圧PTはしきい値PTthより高いのが普通であるため、S5の判定はNOとなり、S6において、回路弁61,62が閉、回路弁63,64が開とされることにより、タンク圧供給状態とされる。
次に、車高制御中であるため、S2の判定がYESとなり、S7において、終了条件が成立したか否かが判定され、終了条件が成立しない場合には、S8において、コンプレッサ圧供給状態であるか否かが判定される。この場合には、コンプレッサ圧供給状態でないため、上述のように、S4,5において、タンク圧が測定されて、測定タンク圧PTがしきい値PTth以下であるか否かが判定される。以下、測定タンク圧PTがしきい値PTthより高い間、S1,2,7,8,4〜6が繰り返し実行される。そのうちに、測定タンク圧PTがしきい値PTthに達すると、S9において、回路弁63が閉とされて電動モータ42が始動させられることにより、コンプレッサ圧供給状態に切り換えられる。そして、終了条件が成立するまでの間、S1,2,7,8が繰り返し実行され、終了条件が成立すると、S7の判定がYESとなって、S10において終了処理が行われる。例えば、回路弁61〜64が閉、車高制御弁26が閉とされ、コンプレッサ装置30が停止させられる。
【0031】
図5には、アップ制御中におけるタンク圧センサ90によって測定された測定タンク圧PT,チャンバ圧センサ91によって測定された測定チャンバ圧PCの変化の一例を示す。タンク圧供給状態において、測定タンク圧PTがしきい値PTthに達するまで低下した場合にコンプレッサ圧供給状態に切り換えられる。コンプレッサ圧供給状態において、タンク圧PTがしきい値PTthに保持され、測定チャンバ圧PCが増加させられるが、回路弁63の差圧ΔPが開弁差圧ΔPdより大きくなり難いため、回路弁63におけるエアの漏れが回避される。その結果、コンプレッサ40から吐出されたエアは良好にエアシリンダ2に供給されるため、コンプレッサ40の作動時間が長くなることが防止され、バッテリ110の消費電力を抑制し、アップ制御時間が長くなり難くすることができる。
また、本実施例においては、タンク圧供給状態においてタンク圧センサ90によって実際に測定された値である測定タンク圧としきい値とが比較されてコンプレッサ圧供給状態に切り換えられる。そのため、仮に、タンク圧がしきい値に達するまで低下するのに要すると推測される時間を設定時間とし、タンク圧供給状態の開始時からの経過時間が設定時間に達した場合にコンプレッサ圧供給状態に切り換えられる場合と比較して、より良好に、回路弁63の差圧が開弁差圧より大きくなり難くすることができる。
【0032】
以上のように、本実施例においては、タンク圧センサ90、車高制御ECU80の車高制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等により車高制御部が構成され、そのうちの、S5,6,9を記憶する部分、実行する部分等により状態切換部が構成される。
【0033】
なお、しきい値を決定する場合に、圧力損失分α、余裕分βを考慮することは不可欠ではない。例えば、圧力損失分αは、チャンバ圧センサ91と接続部52sとの間の距離が短い場合には考慮する必要性が低い。また、しきい値は目標車高に基づいて決まる可変値とすることもできる。
また、タンク圧供給状態において、回路弁61,62を開として、回路弁63,64を閉とすることもできる。換言すれば、タンク圧はバイパス通路(タンク通路48、第1通路50、共通通路22、個別通路20等により構成される)を介してエアシリンダ2に供給されることになる。その場合には、タンク圧供給状態においてもコンプレッサ圧供給状態においても、回路弁63は閉状態にあるが、コンプレッサ圧供給状態に切り換えられる際に、「回路弁63が閉とされる」と称する。
さらに、タンク圧供給状態において、回路弁61〜64をすべて開とすることもできる。
また、圧力媒体として、流体としての作動液を用いることもできる。
【実施例2】
【0034】
本実施例においては、しきい値PTthは固定値ではなく、可変値とされる。
例えば、アップ制御直前のチャンバ圧、車高等に基づいて車輪に加えられる荷重が推定され、推定された荷重が大きい場合は小さい場合より、しきい値PTthを大きい値とすることができる。荷重が大きい場合は小さい場合より、車高が目標車高Hrefに達した場合のチャンバ圧である目標圧力Prefが高くなるからである。例えば、図6(b)に示すように、荷重が標準荷重である場合の車高とチャンバ圧との関係を表すテーブルを予め記憶させておき、それらの関係に対してチャンバ圧が高い場合には、荷重が標準荷重より大きいと推定される。
【0035】
その場合の車高制御プログラムの一例を図6(a)のフローチャートで表す。
図6(a)のフローチャートにおいて、実施例1の車高制御プログラムと同様の実行が行われるステップについては同じステップ番号を付して説明を省略する。
本実施例においては、開始条件が成立すると、S3の判定がYESとなり、S3b,3cにおいて、チャンバ圧センサ91によってチャンバ圧が測定され、その測定チャンバ圧PC、S1において測定された車高等に基づいて荷重が推定され、しきい値PTthが決定される。そして、S4以降において、実施例1における場合と同様に、タンク圧PTがタンク圧センサ90によって測定され、測定タンク圧としきい値とが比較されて、タンク圧供給状態からコンプレッサ圧供給状態に切り換えられる。
アップ制御は4輪共通に行っても、各車輪毎に個別に行ってもよいが、4輪共通に行われる場合には、4輪についての車高の平均値、チャンバ圧PCの平均値に基づいて、荷重の平均的な値が求められ、しきい値PTthが求められるようにすることもできる。
【0036】
このように、車輪に加えられる荷重が大きく、車高が目標車高に達した場合のチャンバ圧PCが高い場合であっても、コンプレッサ圧供給状態において、回路弁63における漏れを良好に抑制し、コンプレッサ40の作動時間が長くなることを良好に回避することができる。
【実施例3】
【0037】
さらに、エア給排装置の構造は問わない。
例えば、図7に示すエア給排装置24*において、コンプレッサ装置30は、第4通路66*を介して第1通路50と第2通路52との接続部130に接続され、タンク34がタンク通路48*を介して第2通路52の回路弁63*と回路弁64との間の接続部131において接続される。
本実施例においては、第4通路66*、第1通路50、共通通路22、個別通路20等により通路132が構成され、通路132の接続部130に、タンク34が、タンク通路48*、第2通路52の接続部131と接続部130との間の部分によって接続される。回路弁63*は、第2通路52の接続部131と接続部130との間の部分に位置する。
また、本実施例において、タンク圧供給状態において、回路弁61,62,63*が閉、回路弁64が開とされ、コンプレッサ圧供給状態において、回路弁61,62が開、回路弁63*、64が閉とされる。回路弁63*が遮断弁に対応するが、回路弁63*の接続部130側のエアの圧力からタンク側のエアの圧力を引いた値である差圧ΔPに応じた力がスプリングの弾性力に抗して弁子を弁座から離間させる向きに作用する状態で取り付けられる。そのため、差圧ΔPが開弁差圧ΔPdより大きくなると、回路弁63*において漏れが生じ、コンプレッサ40からタンク34へのエアの流れを許容する。
本実施例においても、上記実施例1,2における場合と同様に、タンク圧供給状態において、測定タンク圧PTが低下して、しきい値PTthに達した場合にコンプレッサ圧供給状態に切り換えられるようにすることができる。その結果、コンプレッサ圧供給状態において回路弁63*の差圧が開弁差圧ΔPdより大きくなり難くすることができる。
【0038】
その他、本発明は、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0039】
2:エアシリンダ 4:ショックアブソーバ 24,24*:エア給排装置 26:車高制御弁 34:タンク 40:コンプレッサ 42:電動モータ 61〜64:回路弁 80:車高制御ECU 90:タンク圧センサ 91:チャンバ圧センサ 93:車高センサ 52s,130,131:接続部 74,132:通路
【特許請求可能な発明】
【0040】
以下、特許請求可能な発明について説明する。
(1)圧力媒体を加圧した状態で収容するタンクと、コンプレッサおよびそのコンプレッサを駆動する電動モータを有するコンプレッサ装置とを備えた圧力媒体供給装置と、
その圧力媒体供給装置に接続され、車輪に対応して設けられた車高制御アクチュエータと、
前記車輪についての車高を高くする要求に応じて、前記圧力媒体供給装置を制御することにより、前記圧力媒体供給装置から前記車高制御アクチュエータに圧力媒体を供給することにより、前記車高を高くする車高制御部と
を含む車高制御システムであって、
前記車高制御部が、
前記タンクに収容された圧力媒体の圧力であるタンク圧を測定するタンク圧センサと、
前記車高制御アクチュエータに前記タンクから圧力媒体が供給されるタンク圧供給状態から、前記車高制御アクチュエータに前記コンプレッサ装置から圧力媒体が供給されるコンプレッサ圧供給状態に、前記タンク圧供給状態における前記タンク圧センサの測定値である測定タンク圧に基づいて切り換える状態切換部と
を含むことを特徴とする車高制御システム。
(2)前記状態切換部が、前記測定タンク圧が低下して、しきい値に達した場合に、前記タンク圧供給状態から前記コンプレッサ圧供給状態に切り換えるものである(1)項に記載の車高制御システム。
(3)前記車高制御アクチュエータが、前記タンクと前記コンプレッサとに接続され、
前記圧力媒体供給装置が、前記タンクと前記コンプレッサとの間に設けられた電磁弁である遮断弁を含み、
前記遮断弁が、前記遮断弁の前記コンプレッサ側の圧力媒体の圧力から前記タンク側の圧力媒体の圧力を引いた値である差圧が開弁差圧より大きくなると、閉から開に切り換えられるものであり、
前記状態切換部が、前記遮断弁を閉とするとともに前記電動モータを始動させることにより前記コンプレッサ圧供給状態に切り換えるものである(1)項または(2)項に記載の車高制御システム。
(4)前記タンクが、前記コンプレッサの前記吐出部と前記車高制御アクチュエータとを接続する通路の接続部において前記遮断弁を介して接続され、
前記遮断弁が、前記遮断弁の前記接続部側の圧力媒体の圧力から前記タンク側の圧力媒体の圧力を引いた値である差圧が開弁差圧より大きくなると、前記閉から前記開に切り換わるものである(3)項に記載の車高制御システム。
(5)前記圧力媒体供給装置が、前記タンクと前記車高制御アクチュエータとを、前記遮断弁をバイパスして接続するバイパス通路を含む(4)項に記載の車高制御システム。
バイパス通路が設けられる場合には、遮断弁は閉であっても、タンク圧供給状態が実現される。そのため、遮断弁が閉のままでタンク圧供給状態からコンプレッサ圧供給状態に切り換えられる。本明細書において、本項に記載の車高制御システムにおいても、タンク圧供給状態からコンプレッサ圧供給状態に切り換えられる場合に「遮断弁は閉とされる」とする。
(6)前記コンプレッサの吐出部と前記車高制御アクチュエータとが互いに並列に第1通路と第2通路とによって接続され、
前記タンクが前記第2通路に接続されるとともに、
前記遮断弁が前記第2通路の前記タンクの接続部と前記コンプレッサの吐出部との間の部分に設けられた(3)項に記載の車高制御システム。
タンク圧供給状態においてもコンプレッサ圧供給状態においても遮断弁は閉にある。タンク圧供給状態において、タンク圧は第2通路を経て車高制御アクチュエータに供給され、コンプレッサ圧供給状態において、コンプレッサから吐出された圧力媒体の圧力は第1通路を経て車高制御アクチュエータに供給される。
(7)前記しきい値が、前記車高が目標車高に達した場合の前記車高制御アクチュエータの圧力媒体の圧力である目標圧力から前記遮断弁の開弁差圧を引いた値に基づいて決まる値とされた(2)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
しきい値は、コンプレッサ圧供給状態において遮断弁が閉から開に切り換わり難い値に決めることができる。
(8)前記車高制御部が、前記車高制御アクチュエータの圧力媒体の圧力であるアクチュエータ圧を測定するアクチュエータ圧センサを含み、
前記状態切換部が、車高制御開始時の、前記アクチュエータ圧センサの測定値である測定アクチュエータ圧が高い場合は低い場合より、前記しきい値を大きい値に決定するしきい値決定部を含む(2)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
車輪に加えられる荷重は、ブッシュ、スプリング等のサスペンション構成部材と車高制御アクチュエータの圧力媒体とによって受けられるのが普通である。車高が高い場合は低い場合より、サスペンションの構成部材が受ける分が小さくなり、アクチュエータ圧が高くなる。そのため、車高が同じ場合において、車輪に加えられる荷重が大きい場合は小さい場合より、アクチュエータ圧が高くなる。また、車輪に加えられる荷重が大きい場合は小さい場合より、目標車高に達した場合のアクチュエータ圧が高くなる。
以上の事情に基づき、車高制御開始直前の車高がほぼ同じ場合のアクチュエータ圧に基づいて、車輪に加えられる荷重を推定し、推定した荷重に基づいてしきい値が求められるようにすることができる。また、車高とアクチュエータ圧とに基づき、車高に対してアクチュエータ圧が高い場合は低い場合より車輪に加えられる荷重が大きいと推定され、推定された荷重が大きい場合は小さい場合よりしきい値を大きい値に決定することができる。
(9)前記車高制御部が、前記車高を高くする要求がある場合に、前記タンク圧供給状態とするものである(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の車高制御システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9