特許第6445495号(P6445495)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6445495
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/64 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
   H01R13/64
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-149195(P2016-149195)
(22)【出願日】2016年7月29日
(65)【公開番号】特開2018-18731(P2018-18731A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2017年10月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】関野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】坂元 信幸
(72)【発明者】
【氏名】山本 寿典
【審査官】 高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−140571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/62−13/645
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1嵌合部を有する第1ハウジングと、前記第1嵌合部に嵌合可能な第2嵌合部を有する第2ハウジングと、この第2ハウジングの外周に仮係止位置と本係止位置との間を移動可能に組付けられた嵌合検知部材とを備えたコネクタであって、
前記嵌合検知部材には、前記第2嵌合部の被係止部に係止され前記嵌合検知部材の前記第2ハウジングに対する仮係止位置と本係止位置とを保持する係止部が前記第1嵌合部と当接可能に設けられ、
前記第1嵌合部には、前記第2嵌合部と前記係止部とが内部に収容され
前記第2嵌合部には、外周面より低く形成された縮径部が設けられ、
前記嵌合検知部材には、前記縮径部に配置され前記第1嵌合部の内部に嵌合可能な検知嵌合部が設けられ、
前記第2嵌合部の外周面と前記検知嵌合部の外周面とは、面一に形成され、
前記嵌合検知部材は、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとの嵌合方向と同一方向に前記第2ハウジングに移動可能に組付けられ、
前記第2嵌合部と前記検知嵌合部との移動方向の対向面には、移動方向に延設された係合突部と、この係合突部と係合可能な係合孔部とが設けられ、
前記係合突部の先端側は、前記嵌合検知部材の前記第2ハウジングに対する仮係止位置で前記係合孔部に係合されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタであって、
前記検知嵌合部は、コ字状に形成され、
前記係合突部と前記係合孔部とのうち前記第2嵌合部に設けられた一方の少なくとも一部は、前記嵌合検知部のコ字状の開き方向に対向して前記検知嵌合部に設けられた他方の少なくとも一部を覆っていることを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項1又は2記載のコネクタであって、
前記嵌合検知部材は、少なくとも一側がコ字状に形成され、
前記第2ハウジングと前記嵌合検知部材のコ字状の自由端側との間には、前記嵌合検知部材のコ字状の開き方向に係合された開き防止部が設けられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコネクタであって、
前記嵌合検知部材には、前記第2ハウジングに対する移動方向に貫通された確認孔部が設けられ、
前記第2ハウジングには、前記嵌合検知部材の前記第2ハウジングに対する本係止位置で前記確認孔部に挿入される確認突部が設けられていることを特徴とするコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。詳細には、嵌合可能な第1ハウジングと第2ハウジングと、第1ハウジングと第2ハウジングとの嵌合状態を検知する嵌合検知部材とを有するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コネクタとしては、第1嵌合部を有する第1ハウジングとしての雄コネクタハウジングと、第1嵌合部に嵌合可能な第2嵌合部を有する第2ハウジングとしての雌コネクタハウジングと、この雌コネクタハウジングの外周に仮係止位置と本係止位置との間を移動可能に組付けられた嵌合検知部材とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このコネクタでは、嵌合検知部材に、雌コネクタハウジングの被係止部としての連結部に係止され嵌合検知部材の雌コネクタハウジングに対する仮係止位置と本係止位置とを保持する係止部としての係止爪が雄コネクタハウジングと当接可能に設けられている。
【0004】
このようなコネクタでは、雄コネクタハウジングと雌コネクタハウジングとが嵌合することにより、雄コネクタハウジングによって係止爪の連結部に対する係止位置が移行され、嵌合検知部材が雌コネクタハウジングの仮係止位置から本係止位置に移動可能となる。
【0005】
この嵌合検知部材の移動の可否により、雄コネクタハウジングと雌コネクタハウジングとが半嵌合状態であるのか、嵌合状態であるのかを検知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−128743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1のようなコネクタでは、第1ハウジングと第2ハウジングとが嵌合するとき、第1ハウジングの第1嵌合部が第2ハウジングの第2嵌合部内に収容され、第2ハウジングの外周に嵌合検知部材が位置している。
【0008】
この最も外側に位置する嵌合検知部材には、嵌合検知部材の第2ハウジングに対する仮係止位置と本係止位置とを保持する係止部が設けられている。
【0009】
このため、周辺部材との干渉などによる外力が係止部に加わり易く、第1ハウジングと第2ハウジングとの嵌合状態に関わらず、嵌合検知部材の第2ハウジングに対する係止位置が変動する恐れがあり、正確に嵌合状態を検知することができない可能性があった。
【0010】
そこで、この発明は、嵌合検知部材の係止部への影響を抑制し、嵌合検知部材による嵌合状態の検知を安定して行うことができるコネクタの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明は、第1嵌合部を有する第1ハウジングと、前記第1嵌合部に嵌合可能な第2嵌合部を有する第2ハウジングと、この第2ハウジングの外周に仮係止位置と本係止位置との間を移動可能に組付けられた嵌合検知部材とを備えたコネクタであって、前記嵌合検知部材には、前記第2嵌合部の被係止部に係止され前記嵌合検知部材の前記第2ハウジングに対する仮係止位置と本係止位置とを保持する係止部が前記第1嵌合部と当接可能に設けられ、前記第1嵌合部には、前記第2嵌合部と前記係止部とが内部に収容され、前記第2嵌合部には、外周面より低く形成された縮径部が設けられ、前記嵌合検知部材には、前記縮径部に配置され前記第1嵌合部の内部に嵌合可能な検知嵌合部が設けられ、前記第2嵌合部の外周面と前記検知嵌合部の外周面とは、面一に形成され、前記嵌合検知部材は、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとの嵌合方向と同一方向に前記第2ハウジングに移動可能に組付けられ、前記第2嵌合部と前記検知嵌合部との移動方向の対向面には、移動方向に延設された係合突部と、この係合突部と係合可能な係合孔部とが設けられ、前記係合突部の先端側は、前記嵌合検知部材の前記第2ハウジングに対する仮係止位置で前記係合孔部に係合されていることを特徴とする。
【0012】
このコネクタでは、第1嵌合部に、第2嵌合部と係止部とが内部に収容されているので、嵌合検知部材の第2ハウジングに対する仮係止位置と本係止位置とを保持する係止部が外部に露出することがなく、周辺部材との干渉などによる外力が係止部に加わることを抑制することができる。
【0013】
従って、このようなコネクタでは、嵌合検知部材の係止部への影響を抑制し、嵌合検知部材による嵌合状態の検知を安定して行うことができる。
【0015】
このコネクタでは、第2嵌合部の外周面と検知嵌合部の外周面とが、面一に形成されているので、第1嵌合部に収容される第2嵌合部と検知嵌合部との外周面の張り出しを低減することにより、第1嵌合部の内部を小型化することができ、全体的な小型化を図ることができる。
【0017】
このコネクタでは、係合突部の先端側が、嵌合検知部材の第2ハウジングに対する仮係止位置で係合孔部に係合されているので、嵌合検知部材の第2ハウジングに対する仮係止位置から本係止位置までの移動を安定して行うことができる。
【0018】
加えて、第2ハウジングを第1ハウジングの第1嵌合部にスムーズに挿入させることができる。
【0019】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコネクタであって、前記検知嵌合部は、コ字状に形成され、前記係合突部と前記係合孔部とのうち前記第2嵌合部に設けられた一方の少なくとも一部は、前記嵌合検知部のコ字状の開き方向に対向して前記検知嵌合部に設けられた他方の少なくとも一部を覆っていることを特徴とする。
【0020】
このコネクタでは、係合突部と係合孔部とのうち第2嵌合部に設けられた一方が、少なくとも検知嵌合部に設けられた他方の外周面の一部を覆っているので、外側に位置する第2嵌合部に設けられた一方によって検知嵌合部に設けられた他方の外側への移動を規制でき、コ字状の検知嵌合部の開きを防止することができる。
【0021】
請求項記載の発明は、請求項1又は2記載のコネクタであって、前記嵌合検知部材は、少なくとも一側がコ字状に形成され、前記第2ハウジングと前記嵌合検知部材のコ字状の自由端側との間には、前記嵌合検知部材のコ字状の開き方向に係合された開き防止部が設けられていることを特徴とする。
【0022】
このコネクタでは、第2ハウジングと嵌合検知部材のコ字状の自由端側との間には、嵌合検知部材のコ字状の開き方向に係合された開き防止部が設けられているので、嵌合検知部材の開きを防止でき、嵌合検知部材を第2ハウジングに安定して保持することができる。
【0023】
請求項記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項に記載のコネクタであって、前記嵌合検知部材には、前記第2ハウジングに対する移動方向に貫通された確認孔部が設けられ、前記第2ハウジングには、前記嵌合検知部材の前記第2ハウジングに対する本係止位置で前記確認孔部に挿入される確認突部が設けられていることを特徴とする。
【0024】
このコネクタでは、第2ハウジングに、嵌合検知部材の第2ハウジングに対する本係止位置で確認孔部に挿入される確認突部が設けられているので、確認孔部への確認突部の挿入の有無を視認することにより、第1ハウジングと第2ハウジングとの嵌合状態を検知することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、嵌合検知部材の係止部への影響を抑制し、嵌合検知部材による嵌合状態の検知を安定して行うことができるコネクタを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施の形態に係るコネクタの第2ハウジングに嵌合検知部材を組付けたときの斜視図である。
図2図1と異なる方向から見たときの斜視図である。
図3】本発明の実施の形態に係るコネクタの第1ハウジングの分解斜視図である。
図4】本発明の実施の形態に係るコネクタの第1ハウジングの断面図である。
図5】本発明の実施の形態に係るコネクタの第2ハウジングの斜視図である。
図6図5と異なる方向から見たときの斜視図である。
図7】本発明の実施の形態に係るコネクタの嵌合検知部材の斜視図である。
図8】本発明の実施の形態に係るコネクタの第2ハウジングに嵌合検知部材を組付ける前の分解斜視図である。
図9】本発明の実施の形態に係るコネクタの第2ハウジングに嵌合検知部材を組付けたときの断面図である。
図10図9と異なる部分で断面とした断面図である。
図11】本発明の実施の形態に係るコネクタの第1ハウジングと第2ハウジングとが嵌合し、嵌合検知部材が仮係止位置に位置したときの断面図である。
図12】本発明の実施の形態に係るコネクタの第1ハウジングと第2ハウジングとが嵌合し、嵌合検知部材を仮係止位置から本係止位置に移動するときの断面図である。
図13図12と異なる部分で断面とした断面図である。
図14】本発明の実施の形態に係るコネクタの第1ハウジングと第2ハウジングとが嵌合し、嵌合検知部材が本係止位置に位置したときの断面図である。
図15図14と異なる部分で断面とした断面図である。
図16】本発明の実施の形態に係るコネクタの嵌合検知部材が本係止位置に位置したときの斜視図である。
図17図16の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1図17を用いて本発明の実施の形態に係るコネクタについて説明する。
【0028】
本実施の形態に係るコネクタ1は、第1嵌合部3を有する第1ハウジング5と、第1嵌合部3に嵌合可能な第2嵌合部7を有する第2ハウジング9と、この第2ハウジング9の外周に仮係止位置と本係止位置との間を移動可能に組付けられた嵌合検知部材11とを備えている。
【0029】
また、嵌合検知部材11には、第2嵌合部7の被係止部13に係止され嵌合検知部材11の第2ハウジング9に対する仮係止位置と本係止位置とを保持する係止部15が第1嵌合部3と当接可能に設けられている。
【0030】
そして、第1嵌合部3には、第2嵌合部7と係止部15とが内部に収容されている。
【0031】
また、第2嵌合部7には、外周面より低く形成された縮径部17が設けられ、嵌合検知部材11には、縮径部17に配置され第1嵌合部3の内部に嵌合可能な検知嵌合部19が設けられている。
【0032】
そして、第2嵌合部7の外周面と検知嵌合部19の外周面とは、面一に形成されている。
【0033】
また、嵌合検知部材11は、第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合方向と同一方向に第2ハウジング9に移動可能に組付けられている。
【0034】
さらに、第2嵌合部7と検知嵌合部19との移動方向の対向面には、移動方向に延設された係合突部21と、この係合突部21と係合可能な係合孔部23とが設けられている。
【0035】
そして、係合突部21の先端側は、嵌合検知部材11の第2ハウジング9に対する仮係止位置で係合孔部23に係合されている。
【0036】
また、検知嵌合部19は、コ字状に形成され、第2嵌合部7に設けられた係合孔部23は、少なくとも検知嵌合部19に設けられた係合突部21の外周面の一部を覆っている。
【0037】
さらに、第2ハウジング9と嵌合検知部材11のコ字状の自由端側との間には、嵌合検知部材11のコ字状の開き方向に係合された開き防止部25が設けられている。
【0038】
また、嵌合検知部材11には、第2ハウジング9に対する移動方向に貫通された確認孔部27が設けられ、第2ハウジング9には、嵌合検知部材11の第2ハウジング9に対する本係止位置で確認孔部27に挿入される確認突部29が設けられている。
【0039】
図1図17に示すように、第1ハウジング5は、合成樹脂などの絶縁性材料からなり、一側に開口され内部に第2ハウジング9の第2嵌合部7を嵌合可能な第1嵌合部3が設けられている。
【0040】
この第1嵌合部3の底部側には、第1端子31を収容する複数の第1端子収容室33が設けられている。
【0041】
複数の第1端子収容室33は、第1ハウジング5の他側に開口され、内部に第1端子31を係止する第1係止ランス35が撓み可能に設けられている。
【0042】
この複数の第1端子収容室33には、第1ハウジング5の底面に開口され、複数の第1端子収容室33に連通された孔部が連通されており、この孔部に第1スペーサ37を挿入することにより複数の第1端子31が二重係止される。
【0043】
このような複数の第1端子収容室33には、第1ハウジング5の他側に形成された開口から複数の第1端子31がそれぞれ収容される。
【0044】
複数の第1端子31は、それぞれタブ状の接続部を有する雄型端子からなり、例えば、エアバックの作動を制御するエアバック回路に接続された複数の電線39の端末部にそれぞれ電気的に接続されている。
【0045】
この複数の第1端子31は、第1ハウジング5の第1嵌合部3に第2ハウジング9の第2嵌合部7が嵌合することにより、第2ハウジング9に収容された複数の第2端子41に接続される。
【0046】
第2ハウジング9は、合成樹脂などの絶縁性材料からなり、一側に第1端子31のタブ状の接続部を挿入可能な開口が設けられ第1ハウジング5の第1嵌合部3内に嵌合可能な第2嵌合部7が設けられている。
【0047】
この第2嵌合部7の内部には、第2端子41を収容する複数の第2端子収容室43が設けられている。
【0048】
複数の第2端子収容室43は、第2ハウジング9の他側に開口され、内部に第2端子41を係止する第2係止ランス45が撓み可能に設けられている。
【0049】
この複数の第2端子収容室43には、第2ハウジング9の底面に開口され、複数の第2端子収容室43に連通された孔部が連通されており、この孔部に第2スペーサ47を挿入することにより複数の第2端子41が二重係止される。
【0050】
このような複数の第2端子収容室43には、第2ハウジング9の他側に形成された開口から複数の第2端子41がそれぞれ収容される。
【0051】
複数の第2端子41は、それぞれ第1端子31のタブ状の接続部を挿入可能な箱状の接続部を有する雌型端子からなり、例えば、電源や機器などに接続された複数の電線49の端末部にそれぞれ電気的に接続されている。
【0052】
この複数の第2端子41は、第2ハウジング9の第2嵌合部7が第1ハウジング5の第1嵌合部3と嵌合することにより、第1ハウジング5に収容された複数の第1端子31と電気的に接続される。
【0053】
このような第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合状態は、第1ハウジング5に設けられたロック部51と、第2ハウジング9に設けられた被ロック部53との係合によって保持される。
【0054】
ロック部51は、第1ハウジング5の第1嵌合部3の開口縁部に、内部に向けて突出された突部となっている。
【0055】
被ロック部53は、第2ハウジング9の上面に撓み可能に設けられたロックアーム55の中央部近傍に設けられた孔部となっている。
【0056】
このロック部51と被ロック部53とは、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合するときに、ロック部51がロックアーム55と当接してロックアーム55を下方に向けて撓ませ、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合したときに、ロック部51が被ロック部53に到達してロックアーム55が上方に向けて復元することによって被ロック部53に係合される。
【0057】
このようなロック部51と被ロック部53との係合により、第2ハウジング9の第2嵌合部7が第1ハウジング5の第1嵌合部3から抜け出ることが防止され、第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合状態が保持される。
【0058】
一方、第1ハウジング5の第2ハウジング9との嵌合を解除する場合には、ロックアーム55の自由端側に設けられた操作部57を下方に向けて押圧することにより、ロックアーム55が下方に向けて撓まされ、ロック部51と被ロック部53との係合が解除されて第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合を解除することができる。
【0059】
ここで、ロックアーム55の操作部57の両側には、第2ハウジング9の上面から突設され操作部57を保護する一対の保護壁59,59が配置されている。
【0060】
このように操作部57を保護壁59,59で保護することにより、周辺部材と操作部57との干渉を防止することができ、周辺部材との干渉などによる操作部57の誤操作を防止することができる。
【0061】
なお、第1ハウジング5内には、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合していない状態で、複数の第1端子31に接触して複数の第1端子31の間を電気的に接続する短絡端子61が収容されている。
【0062】
このように短絡端子61によって複数の第1端子31の間を接続することにより、例えば、メンテナンスなどによって、第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合を解除した状態で、静電気などによって複数の第1端子31の間に電位差が生じることを防止し、エアバックの誤爆を防止することができる。
【0063】
この短絡端子61による複数の第1端子31の間の接続は、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合するときに、第2ハウジング9に設けられた押上部63によって短絡端子61の第1端子31と接触する接触片が変位されて解除される。
【0064】
このような第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合状態は、第2ハウジング9の外周に組付けられた嵌合検知部材11の配置位置によって検出することができる。
【0065】
嵌合検知部材11は、合成樹脂などの絶縁性材料からなり、第2ハウジング9の外周に第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合方向と同一方向に移動可能に組付けられ、一側に係止部15が設けられ、他側に検知嵌合部19が設けられている。
【0066】
係止部15は、嵌合検知部材11の一側に撓み可能に設けられた検知アーム65の自由端側に設けられている。
【0067】
この係止部15は、第2ハウジング9のロックアーム55に設けられた被ロック部53を構成する被係止部13に係止され、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合するときに、第1ハウジング5のロック部51と当接可能に配置されている。
【0068】
このような係止部15は、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合していない状態、或いは半嵌合状態であるとき、被係止部13の被ロック部53側に係合して、嵌合検知部材11の仮係止位置から本係止位置への移動を規制し、嵌合検知部材11の第2ハウジング9に対する仮係止位置を保持する。
【0069】
この状態から第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合すると、被ロック部53に係合される第1ハウジング5のロック部51と係止部15が当接し、検知アーム65が下方に向けて撓まされ、係止部15と被係止部13との係合が解除される。
【0070】
この係止部15と被係止部13との係合が解除された状態では、嵌合検知部材11を第2ハウジング9に対する仮係止位置から本係止位置へ移動させることができ、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合したことを検知することができる。
【0071】
嵌合検知部材11が本係止位置に位置した状態では、検知アーム65が上方に向けて復元され、係止部15が被係止部13の被ロック部53と反対側に係合して、嵌合検知部材11の第2ハウジング9に対する本係止位置を保持する。
【0072】
このように第2ハウジング9に対する嵌合検知部材11の仮係止位置から本係止位置への移行の可否により、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合に至ったか否かを検知することができ、第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合状態を検出することができる。
【0073】
このような第2ハウジング9に対する嵌合検知部材11の移動を制御する係止部15は、第1ハウジング5の第1嵌合部3内に収容されている。
【0074】
このように係止部15を第1嵌合部3内に収容することにより、係止部15の外側に第1嵌合部3が位置され、係止部15と周辺部材とが干渉することがなく、係止部15に、直接、外力が加わることを防止できる。
【0075】
このため、第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合状態に合わせて、正確に嵌合検知部材11の移動を制御することができ、嵌合検知部材11による嵌合状態の検出を安定して行うことができる。
【0076】
検知嵌合部19は、嵌合検知部材11の他側に設けられ、上面が開口されたコ字状に形成され、第2ハウジング9の第2嵌合部7の最も外側に張り出した外周面より低く形成された縮径部17に配置されている。
【0077】
この検知嵌合部19は、縮径部17に移動可能に配置され、第1ハウジング5と第2ハウジング9とが嵌合するときに、第1ハウジング5の第1嵌合部3の内部に嵌合されて第1嵌合部3内に収容される。
【0078】
このような検知嵌合部19の外周面は、第2嵌合部7の最も外側に張り出した外周面と面一となるように形成されている。
【0079】
このように検知嵌合部19の外周面と第2嵌合部7の外周面とを面一に形成することにより、第2嵌合部7の外周面から検知嵌合部19の外周面が張り出すことがなく、検知嵌合部19が収容される第1嵌合部3の内部を小型化することができ、コネクタ1を小型化することができる。
【0080】
この検知嵌合部19と第2嵌合部7との移動方向の対向面には、係合突部21と、係合孔部23とが設けられている。
【0081】
係合突部21は、検知嵌合部19の第2嵌合部7との移動方向の対向面から移動方向の第2嵌合部7側に向けて延設され、検知嵌合部19の周方向に複数(ここでは4つ)設けられている。
【0082】
この係合突部21は、嵌合検知部材11の外側に向けて突出するように断面凸状に形成され、この凸形状は移動方向にわたって連続して形成されている。
【0083】
係合孔部23は、第2嵌合部7の検知嵌合部19との移動方向の対向面から移動方向の第2嵌合部7側に向けて有底状に壁部を貫通して設けられ、係合突部21と対応するように第2嵌合部7の周方向に複数(ここでは4つ)設けられている。
【0084】
この係合孔部23は、第2嵌合部7の内側に段差を有して係合突部21の外周面の一部を覆うように断面凹状に形成され、この凹形状は移動方向にわたって連続して形成されている。
【0085】
このような係合突部21と係合孔部23とは、嵌合検知部材11が第2ハウジング9に対して仮係止位置に組付けられた状態で、係合突部21の先端側が係合孔部23に挿入されて係合された状態となる。
【0086】
ここで、係合突部21と係合孔部23とが設けられていない、或いは嵌合検知部材11の仮係止位置で係合突部21の先端側が係合孔部23に挿入されていない場合、第2嵌合部7と係合突部21の間、または第2嵌合部7と検知嵌合部19との間に、互いに当接していない完全な隙間(クリアランス)が発生してしまう。
【0087】
このような状態で第2ハウジング9を第1ハウジング5の第1嵌合部3内に挿入しようとすると、係合突部21の先端や検知嵌合部19の端縁が第1嵌合部3の開口縁部に衝突し、スムーズ(円滑)な挿入ができない恐れがある。
【0088】
そこで、嵌合検知部材11の仮係止位置で、係合突部21の先端側を係合孔部23に係合させることにより、第2ハウジング9を第1ハウジング5の第1嵌合部3内にスムーズに挿入させることができる。
【0089】
また、係合突部21と係合孔部23との係合により、嵌合検知部材11を第2ハウジング9に対する仮係止位置から本係止位置に安定して移動させることができる。
【0090】
一方、係合突部21の外周面の一部は、係合孔部23によって覆われているので、コ字状に形成された検知嵌合部19の開きを防止することができ、嵌合検知部材11の変形を防止することができる。
【0091】
なお、係合突部21と係合孔部23との形状は、例えば、係合突部21を外側に向けて突出するように断面台形状に形成させ、係合孔部23を係合突部21の台形状の傾斜面を覆うような形状に形成させてもよい。
【0092】
加えて、係合孔部23は、壁部を貫通して設けているが、これに限らず、第2嵌合部7の内壁面に溝状に係合孔部23を形成させてもよく、この場合には係合突部21の外周面の全域を覆うことができ、検知嵌合部19の開きをさらに防止することができる。
【0093】
ここで、コネクタ1では、検知嵌合部19の開きを防止するために、係合突部21と係合孔部23との形状に加えて、開き防止部25が設けられている。
【0094】
開き防止部25は、検知嵌合部19のコ字状の自由端側に設けられた開き防止溝67と、第2ハウジング9に設けられ開き防止溝67に係合する開き防止リブ69とを有する。
【0095】
この開き防止溝67と開き防止リブ69とは、コ字状の検知嵌合部19の開き方向に係合し、検知嵌合部19の開きを防止して嵌合検知部材11の変形を防止し、第2ハウジング9に対する嵌合検知部材11の組付状態を安定化させている。
【0096】
このような仮係止位置と本係止位置との間を移動する嵌合検知部材11の係止位置を確認するために、嵌合検知部材11と第2ハウジング9とには、確認孔部27と、確認突部29とが設けられている。
【0097】
確認孔部27は、嵌合検知部材11に設けられ、第2ハウジング9の一対の保護壁59,59の近傍に設けられた一対の枠部71,71のそれぞれの嵌合検知部材11の移動方向に対向する壁部に設けられている。
【0098】
この確認孔部27は、嵌合検知部材11の外側から内部を視認できるように、枠部71の壁部を嵌合検知部材11の移動方向に貫通して設けられている。
【0099】
確認突部29は、第2ハウジング9の一対の保護壁59,59にそれぞれ設けられ、確認孔部27に挿入可能なように、保護壁59から連続する一部材で確認孔部27に向けて突状に延設されている。
【0100】
この確認突部29は、嵌合検知部材11が仮係止位置であるときには確認孔部27に挿入されず、嵌合検知部材11が本係止位置であるときに確認孔部27に挿入される。
【0101】
このような確認孔部27への確認突部29の挿入の有無を視認することにより、嵌合検知部材11の確実な係止位置を検出することができ、第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合状態を確実に検出することができる。
【0102】
ここで、嵌合検知部材11の枠部71の上面には、嵌合検知部材11が本係止位置に位置したときに、ロックアーム55の操作部57の幅方向の両側を係止して保持するロック保持部73が設けられている。
【0103】
このロック保持部73は、移動方向の前側が傾斜面となっており、嵌合検知部材11を本係止位置に移動させたときに、傾斜面がロックアーム55の操作部57と当接し、ロックアーム55を下方に向けて撓ませ、嵌合検知部材11が本係止位置に位置したときに、ロックアーム55の上方に向けた復元によって操作部57に係止される。
【0104】
このようにロック保持部73によってロックアーム55の操作部57を保持することにより、嵌合検知部材11が本係止位置から仮係止位置に移動することを規制することができる。
【0105】
なお、ロックアーム55の操作部57は、所定の押圧力よって下方に向けて押圧することにより、ロック保持部73との係合を解除することができ、第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合を解除することができる。
【0106】
ここで、嵌合検知部材11の枠部71は、嵌合検知部材11が仮係止位置であっても、保護壁59及び確認突部29の幅方向の外側面を覆うように配置されている。
【0107】
嵌合検知部材11の枠部71で保護壁59及び確認突部29の外側面を覆っていない場合、確認突部29と確認孔部27が設けられた壁部との間に、周辺部材の電線が入り込む恐れがあった。
【0108】
このような電線の入り込みが生じると、ロックアーム55の破損や嵌合検知部材11の破損を生じる恐れがあると共に、嵌合検知部材11が本係止位置に移動したときに、電線とロックアーム55の操作部57とが干渉してロックアーム55が上方に向けて復元することができず、ロック保持部73と操作部57とが係合せずに、嵌合検知部材11を本係止位置に保持できない恐れがあった。
【0109】
そこで、枠部71によって保護壁59及び確認突部29の外側面を覆うことにより、確認突部29と確認孔部27が設けられた壁部との間に電線が入り込むことを防止でき、ロックアーム55の破損や嵌合検知部材11の破損を防止できると共に、ロック保持部73と操作部57とを係合することができ、嵌合検知部材11を本係止位置に保持することができる。
【0110】
このようなコネクタ1では、第1嵌合部3に、第2嵌合部7と係止部15とが内部に収容されているので、嵌合検知部材11の第2ハウジング9に対する仮係止位置と本係止位置とを保持する係止部15が外部に露出することがなく、周辺部材との干渉などによる外力が係止部15に加わることを抑制することができる。
【0111】
従って、このようなコネクタ1では、嵌合検知部材11の係止部15への影響を抑制し、嵌合検知部材11による嵌合状態の検知を安定して行うことができる。
【0112】
また、第2嵌合部7の外周面と検知嵌合部19の外周面とは、面一に形成されているので、第1嵌合部3に収容される第2嵌合部7と検知嵌合部19との外周面の張り出しを低減することにより、第1嵌合部3の内部を小型化することができ、全体的な小型化を図ることができる。
【0113】
さらに、係合突部21の先端側は、嵌合検知部材11の第2ハウジング9に対する仮係止位置で係合孔部23に係合されているので、嵌合検知部材11の第2ハウジング9に対する仮係止位置から本係止位置までの移動を安定して行うことができる。
【0114】
加えて、第2ハウジング9を第1ハウジング5の第1嵌合部3内にスムーズに挿入させることができる。
【0115】
また、第2嵌合部7に設けられた係合孔部23は、少なくとも検知嵌合部19に設けられた係合突部21の外周面の一部を覆っているので、外側に位置する第2嵌合部7に設けられた係合孔部23によって検知嵌合部19に設けられた係合突部21の外側への移動を規制でき、コ字状の検知嵌合部19の開きを防止することができる。
【0116】
さらに、第2ハウジング9と嵌合検知部材11のコ字状の自由端側との間には、嵌合検知部材11のコ字状の開き方向に係合された開き防止部25が設けられているので、嵌合検知部材11の開きを防止でき、嵌合検知部材11を第2ハウジング9に安定して保持することができる。
【0117】
また、第2ハウジング9には、嵌合検知部材11の第2ハウジング9に対する本係止位置で確認孔部27に挿入される確認突部29が設けられているので、確認孔部27への確認突部29の挿入の有無を視認することにより、第1ハウジング5と第2ハウジング9との嵌合状態を検知することができる。
【0118】
なお、本発明の実施の形態に係るコネクタでは、係合突部が検知嵌合部に設けられ、係合孔部が第2嵌合部に設けられているが、係合突部を第2嵌合部に設け、係合孔部を検知嵌合部に設けてもよい。
【0119】
この場合には、第2嵌合部に設けた係合突部によって、少なくとも検知嵌合部に設けられた係合孔部の外周面の一部を覆うことで、コ字状の検知嵌合部の開きを防止することができる。
【0120】
加えて、係合突部と係合孔部とを、第2嵌合部と検知嵌合部との周方向に互い違いに設けるなど、係合突部と係合孔部との両方を第2嵌合部と検知嵌合部とに設けてもよい。
【符号の説明】
【0121】
1…コネクタ
3…第1嵌合部
5…第1ハウジング
7…第2嵌合部
9…第2ハウジング
11…嵌合検知部材
13…被係止部
15…係止部
17…縮径部
19…検知嵌合部
21…係合突部
23…係合孔部
25…開き防止部
27…確認孔部
29…確認突部
図1
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