特許第6445586号(P6445586)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6445586区分された論理素子を有する積層半導体ダイアセンブリおよび関連システムと方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6445586
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】区分された論理素子を有する積層半導体ダイアセンブリおよび関連システムと方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/065 20060101AFI20181217BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20181217BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   H01L25/08 C
【請求項の数】29
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-559523(P2016-559523)
(86)(22)【出願日】2015年3月31日
(65)【公表番号】特表2017-510077(P2017-510077A)
(43)【公表日】2017年4月6日
(86)【国際出願番号】US2015023677
(87)【国際公開番号】WO2015153664
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2016年11月24日
(31)【優先権主張番号】14/242,485
(32)【優先日】2014年4月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン・テクノロジー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100106851
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 泰久
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジアン
(72)【発明者】
【氏名】グルースイス,スティーブン ケー.
【審査官】 木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0146207(US,A1)
【文献】 特開2011−081885(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0193229(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/119309(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/074454(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/074484(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/00−25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第一のボンドパッド、および、前記複数の第一のボンドパッドに操作可能に接続された通信コンポーネントを含み、前記通信コンポーネントは、受信したシリアルデータをパラレルデータストリームにデシリアライズするように構成された第一の論理ダイと、
複数の第二のボンドパッド、および、前記複数の第二のボンドパッドに操作可能に接続されたメモリコントローラを含む第二の論理ダイと、
前記第一の論理ダイの上に位置し、前記第一および第二の論理ダイの間に配置されたメモリダイの積層と、
集団で前記メモリコントローラと前記通信コンポーネントの間のパラレルデータ接続を形成する複数の積層貫通相互接続
を含み、
前記第一の論理ダイは前記第二の論理ダイのフットプリントを超えて延びる周辺部分を含み、
前記第二の論理ダイは前記メモリダイの積層の上に位置し、
前記第二の論理ダイの前記複数の第二のボンドパッドのうちの一つを、前記パラレルデータストリームの一つを受信するための対応する前記第一の論理ダイの前記複数の第一のボンドパッドの一つに接続するために、各積層貫通相互接続は、前記メモリダイの積層の全体にわたって延びる
半導体ダイアセンブリ。
【請求項2】
筐体を画定する熱伝導性ケーシングをさらに含み、前記メモリダイの積層は、前記筐体内に配置される、
請求項1に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項3】
前記第二の論理ダイは、前記熱伝導性ケーシングと前記メモリダイの積層との間に配置される、
請求項に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項4】
前記第二の論理ダイは、半導体基板を含み、前記半導体基板は、前記半導体基板を通って延びる如何なるダイ貫通相互接続も含まない、
請求項に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項5】
前記第一の論理ダイは第一の厚さを有し、
前記第二の論理ダイは、前記第一の厚さよりも大きい第二の厚さを有する、
請求項1に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項6】
前記第一の厚さは、約50μmから約200μmの範囲内にあり、
前記第二の厚さは、約300μmから約1000μmの範囲内にある、
請求項に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項7】
前記複数の積層貫通相互接続は第一の複数の積層貫通相互接続であり、
前記メモリダイの積層を通って延び、前記メモリダイの積層の個々のメモリダイと前記第二の論理ダイを電気的に結合する、第二の複数の積層貫通相互接続をさらに含む、
請求項1に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項8】
熱伝導性ケーシングと、
(a)前記熱伝導性ケーシングの第一部分に取り付けられた第一の領域と、(b)前記第一の領域に隣接する第二の領域と、(c)前記第一の領域内シリアライザ/デシリアライザ回路を備える第一の半導体ダイと、
前記第一部分から分離された前記熱伝導性ケーシングの第二部分に取り付けられ、制御コンポーネントを含む第二の半導体ダイと、
前記熱伝導性ケーシング内に少なくとも部分的に包囲された第三の半導体ダイの積層と、
前記第三の半導体ダイの積層を通って延びる複数の積層貫通相互接続と、
を含み、
前記第三の半導体ダイの積層は、前記第一の半導体ダイの前記第二の領域および前記第二の半導体ダイの間に配置され、
前記積層貫通相互接続の少なくとも一部分は、前記シリアライザ/デシリアライザ回路と前記制御コンポーネントを電気的に結合し、
前記シリアライザ/デシリアライザ回路は、
外部より受信した第一のシリアルデータを第一のパラレルデータに変換し、
前記積層貫通相互接続の前記部分を通じて前記第一のパラレルデータを前記第二の半導体ダイへ転送し
前記積層貫通相互接続の前記部分を通じて、前記第二の半導体ダイから受信した第二のパラレルデータを第二のシリアルデータに変換し
前記第二のシリアルデータを外部へ出力する
ように構成される
半導体ダイアセンブリ。
【請求項9】
前記積層貫通相互接続の別の部分は、前記第一の半導体ダイから機能的に分離される、
請求項に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項10】
前記積層貫通相互接続の前記部分は、前記シリアライザ/デシリアライザ回路と前記制御コンポーネントの間に専用回線経路を提供する、
請求項に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項11】
前記第一の半導体ダイを支持するパッケージ基板をさらに含み、
前記パッケージ基板は、複数のパッケージ接点を含み、
前記シリアライザ/デシリアライザ回路は、前記パッケージ接点と、前記積層貫通相互接続の前記部分との間に結合された、
請求項に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項12】
第一の領域、前記第一の領域に隣接する第二の領域、および、シリアルデータストリームを受信し、前記シリアルデータストリームをパラレルデータストリームにデシリアライズするように構成された前記第一の領域中の通信コンポーネントを有する第一の論理ダイと、
前記第二の領域上に設けられたメモリダイの積層と、
前記メモリダイの積層によって支持された第二の論理ダイと、
集団で前記第一の論理ダイと前記第二の論理ダイの間のパラレルデータ接続を形成する複数の積層貫通相互接続を含み、
前記第二の論理ダイは、前記メモリダイの積層を介して前記パラレルデータストリームを受信するように構成され、
前記第二の論理ダイのボンドパッドを、前記パラレルデータストリームの一つを受信するための対応する前記第一の論理ダイのボンドパッドに接続するために、各積層貫通相互接続は、前記メモリダイの積層の全体にわたって延びる
半導体ダイアセンブリ。
【請求項13】
前記第二の論理ダイは、前記複数の積層貫通相互接続を介して、前記パラレルデータストリームを受信するように構成されたメモリコントローラを含む、
請求項12に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項14】
パッケージ基板をさらに含み、前記第一の論理ダイは、前記パッケージ基板を介して前記シリアルデータストリームを受信するように構成される、
請求項12に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項15】
前記第一の論理ダイは、前記パッケージ基板と、前記メモリダイの積層との間に配置される、
請求項14に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項16】
半導体ダイアセンブリを動作させるための方法であって、
第一の論理ダイの第一の領域内に設けられた通信コンポーネントでシリアルデータストリームをパラレルデータストリームにデシリアライズすることと、
メモリダイの積層を通ってほぼ縦方向に延びる複数の第一の通信経路を介して、第二の論理ダイの集積回路コンポーネントで、前記パラレルデータストリームを受信することであって、前記メモリダイの積層は、(a)前記第一の論理ダイの前記第一の領域に隣接する第二の領域と(b)前記第二の論理ダイとの間に配置される、ことと、
前記パラレルデータストリームに基づいて、第二の集積回路コンポーネントを用いて、前記メモリダイの積層を通ってほぼ縦方向に延びる複数の第二の通信経路を介して前記メモリダイの積層のメモリにアクセスすることと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記メモリダイの積層のメモリにアクセスすることは、メモリを読み出す、書き込む、
および/または消去するために前記パラレルデータストリームを処理することを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記通信コンポーネントに隣接する熱伝導性ケーシングの第一部分に対して、前記通信コンポーネントによって生成される熱を放散することと、
前記集積回路コンポーネントに隣接する熱伝導性ケーシングの第二部分に対して、前記集積回路コンポーネントによって生成される熱を放散することと、
をさらに含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
半導体ダイアセンブリを形成するための方法であって、
メモリダイの積層の第一面に、シリアルデータをパラレルデータストリームへデシリアライズするように構成された通信コンポーネントを含む第一の論理ダイの第一の領域部分を取り付けることと、
前記第一面に対向するメモリダイの積層の第二面に、メモリコントローラを含む第二の論理ダイを取り付けることと、
集団で前記メモリコントローラと前記通信コンポーネントの間のパラレルデータ接続を形成し、前記メモリダイの積層を通って延びる、複数の積層貫通相互接続を介して、前記通信コンポーネントを前記メモリコントローラに操作可能に結合すること、
前記第一の論理ダイの第二の領域部分に、熱伝導性ケーシングの第一部分を取り付けることと、
前記第二の論理ダイの前記メモリコントローラに隣接して、前記熱伝導性ケーシングの第二部分を取り付けることと、
を含み、
前記第二の領域部分は、前記第一の領域部分に隣接し、
前記通信コンポーネントは前記第一の領域部分中に配置される
方法。
【請求項20】
半導体ダイアセンブリを形成する方法であって、
シリアルデータをパラレルデータストリームにデシリアライズするように構成された通信コンポーネントを含む、第一の論理ダイの第一の領域と熱伝導性ケーシングとの間にメモリダイの積層を配置することと、
前記メモリダイの積層と、前記熱伝導性ケーシングの第一部分との間に第二の論理ダイを配置することと、
前記通信コンポーネント前記第二の論理ダイに電気的に結合するために、前記メモリダイの積層を通って複数の積層貫通相互接続を形成することと、
記第一の論理ダイの第二の領域に前記熱伝導性ケーシングの第二部分を取り付けることと、
を含み、
前記複数の積層貫通相互接続は、集団で前記第二の論理ダイと前記通信コンポーネントの間のパラレルデータ接続を形成し、
前記第二の領域は前記第一の領域と隣接し、前記通信コンポーネントは、前記第一の領域に位置する
方法。
【請求項21】
前記熱伝導性ケーシングの壁部分を前記第一の論理ダイの前記第二の領域に取り付けることと、
前記熱伝導性ケーシングのキャップ部分を前記第二の論理ダイに取り付けることと、
をさらに含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の積層貫通相互接続を形成することは、前記積層貫通相互接続の少なくとも一部分が前記通信コンポーネントと前記第二の論理ダイのメモリコントローラとの間に一つ以上の専用回線経路を提供するように、前記積層貫通相互接続を形成する
ことをさらに含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記複数の積層貫通相互接続は、第一の複数の積層貫通相互接続であり、前記方法は、前記第二の論理ダイを前記メモリダイの積層の個々のメモリダイと電気的に結合する第二の複数の積層貫通相互接続を形成することをさらに含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記第二の複数の積層貫通相互接続を形成することは、前記第二の複数の積層貫通相互接続が前記第一の論理ダイから機能的に分離されるように、前記第二の複数の積層貫通相互接続を形成することを含む、
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
シリアルデータをパラレルデータストリームにデシリアライズするように構成された通信コンポーネントが設けられる第一の領域と、前記第一の領域に隣接する第二の領域と、を含む第一の論理ダイと、
メモリコントローラを含む第二の論理ダイと、
前記第一の論理ダイの前記第二の領域と前記第二の論理ダイとの間に配置されたメモリダイの積層と、
集団で前記メモリコントローラと前記通信コンポーネントの間のパラレルデータ接続を形成し、前記メモリダイの積層を通って延びる複数の積層貫通相互接続と、
前記第二の論理ダイに第一部分が取り付けられ、前記第一の論理ダイの前記第一の領域に第二部分が取り付けられ、筐体内に前記メモリダイの積層を包囲する熱伝導性ケーシングと、
を含むハイブリッドメモリキューブ(HMC)と、
前記第一の論理ダイに電気的に結合されたドライバと、
を含む、半導体システム。
【請求項26】
前記複数の積層貫通相互接続は、前記パラレルデータストリームを、前記パラレルデータ接続を介して、前記メモリコントローラに同時に提供するために配置される
請求項1に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項27】
前記第二の論理ダイの外側のキャップ部分、および、前記キャップ部分から延びた壁部分を有する熱伝導性ケーシングをさらに含み、
前記壁部分は、前記第一の論理ダイの前記周辺部分の上に位置し、稼動中に前記周辺部分で生成された熱の大部分を放散するように構成される
請求項1に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項28】
前記壁部分と前記キャップ部分が一体化して構成されていない
請求項27に記載の半導体ダイアセンブリ。
【請求項29】
前記第一の論理ダイ、前記第二の論理ダイ、および、前記メモリダイの少なくとも一つを、少なくとも部分的に封入するアンダーフィル材料をさらに含み、
前記アンダーフィル材料は前記熱伝導性ケーシングに接している
請求項2に記載の半導体ダイアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される実施形態は、半導体ダイアセンブリに関し、このようなアセンブリ内の熱の管理に関する。より詳細には、本技術は、区分された論理ダイ間に積層されたメモリダイを有するダイアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
メモリチップ、マイクロプロセッサチップおよびイメージャチップを含むパッケージされた半導体ダイは、基板上にマウントされ、プラスチック保護カバー内に収容された半導体ダイを典型的に含む。こうしたダイは、メモリセル、プロセッサ回路およびイメージャデバイスなどの機能的フィーチャ、ならびにこうした機能的フィーチャに電気的に接続されたボンドパッドを含む。ボンドパッドは、より高いレベルの回路に対してダイを接続することが出来るように、保護カバー外の端子に電気的に接続することが出来る。
【0003】
半導体製造者は、動作パラメータに見合うように、各ダイパッケージの機能的容量も増加させながら、電子デバイスの空間的な制約に適合させるために、ダイパッケージのサイズを縮小し続けている。半導体パッケージによって覆われる表面積(即ち、パッケージの“フットプリント”)を実質的に増加させることなく、半導体パッケージの処理パワーを増加させるための手法の一つは、単一パッケージ内で、互いの上部に複数の半導体ダイを縦に積層することである。このような縦に積層されたパッケージ内のダイは、スルーシリコンビア(TSV)を利用して隣接するダイのボンドパッドと、個々のダイのボンドパッドを電気的に結合することによって、相互接続することが出来る。
【0004】
縦に積層されたダイパッケージ内の個々のダイによって生成される熱は、放散しづらく、それによって、個々のダイの動作温度、ダイ間の接合部の動作温度、およびパッケージ全体としての動作温度を上昇させる。これは、多くの種類のデバイスにおける最大動作温度(Tmax)を超える温度へと積層されたダイを到達させることがあり、とりわけ、パッケージ内のダイの密度が増加するほどそうなる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本技術の一実施形態により構成された半導体ダイアセンブリの断面図である。
図2A】動作中のHMCアセンブリの温度プロファイルを図示する等角図である。
図2B】本技術の一実施形態によるHMCアセンブリの温度プロファイルを図示する等角図である。
図2C】本技術の別の実施形態により構成された半導体ダイアセンブリを図示する等角図である。
図3】本技術の別の実施形態により構成された半導体ダイアセンブリの断面図である。
図4】本技術の一実施形態により構成された集積回路コンポーネントを有する半導体ダイアセンブリの概略図である。
図5】本技術の一実施形態による半導体ダイアセンブリを動作させるための方法を図示するフロー図である。
図6】本技術の別の実施形態により構成された半導体ダイアセンブリの断面図である。
図7】本技術の実施形態により構成された半導体ダイアセンブリを含むシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
区分された論理ダイの間に積層されたメモリダイを有する積層半導体ダイアセンブリと、関連システムおよび方法の幾つかの実施形態の具体的な詳細事項が、以下に記述される。“半導体ダイ”という語は、集積回路または集積コンポーネント、データストレージ素子、処理コンポーネント、および/または半導体基板上に製造された他のフィーチャを有するダイを一般的に指す。例えば、半導体ダイは、集積回路メモリおよび/または論理回路を含むことが出来る。半導体ダイおよび/または半導体ダイパッケージ内の他のフィーチャは、二つの構造が熱を通じてエネルギーを交換できる場合に、互いに“熱的に接触する”と言うことが出来る。本技術が追加の実施形態を有してもよいことと、図1図7を参照して以下に記述される実施形態の詳細のうちの幾つかの詳細事項がなくても本技術を実践することが出来ることも、当業者は理解するであろう。
【0007】
本明細書では、“縦(vertical)”“横(lateral)”“上(upper)”および“下(lower)”という語は、図面内に図示された向きから見たときの、半導体ダイアセンブリ内のフィーチャの相対的な方向または位置を指すことが出来る。例えば、“より上(upper)”または“最も上(uppermost)”とは、別のフィーチャよりもページの上部に対してより近接して配置されたフィーチャを指すことが出来る。しかしながら、これらの語は、他の方向づけを有する半導体デバイスを含むように広く解釈されるべきである。
【0008】
図1は、本技術の一実施形態により構成される半導体ダイアセンブリ100(“アセンブリ100”)の断面図である。図示されるように、アセンブリ100は、第一の論理ダイ102aと、第二の論理ダイ102b(まとめて“論理ダイ102”)と、論理ダイ102の間の積層105(“メモリダイ積層105”)として配置された複数のメモリダイ103とを含む。第一の論理ダイ102aは、インターポーザ122によってパッケージ基板120に電気的に結合される。インターポーザ122は、例えば、半導体ダイと、誘電体スペーサとを含むこともあり、かつ/または、インターポーザ122とパッケージ基板120との間に接続された電気的コネクタ(例えば、ビア、金属トレースなど)を有する他の適切な基板とを含むことが出来る。パッケージ基板120は、例えば、インターポーザ、もしくはプリント回路基板を含むこともあり、または、パッケージ接点124(例えば、ボンドパッド)と、外部回路(図示せず)にアセンブリ100を電気的に結合する電気的コネクタ125(例えば、はんだバンプ)とに接続された他の適切な回路を含むこともある。幾つかの実施形態においては、パッケージ基板120および/またはインターポーザ122は、異なるように構成することが出来る。例えば、幾つかの実施形態においては、インターポーザ122は省略することが出来、第一の論理ダイ102aは、パッケージ基板120に直接接続することが出来る。
【0009】
第一および第二の論理ダイ102a、102bは、メモリダイ積層105を通って延びる複数の積層貫通相互接続130に結合される。図1の図示された実施形態においては、各積層貫通相互接続130は、例示の目的で、ほぼ縦方向の独自の構造として図示される。しかしながら、積層貫通相互接続130のうちの各々は、メモリダイ積層105を通って互いに相互接続された縦方向および/または横方向に配置された導電性素子の組み合わせで構成することが出来る。例えば、積層貫通相互接続130のうちの各々は、相互接続された導電性ピラー、ビア、ダイ貫通ビア、はんだバンプ、金属トレースなどの構成を含むことが出来る。
【0010】
アセンブリ100は、筐体(例えば、空洞)内で第二の論理ダイ102bとメモリダイ積層105とを少なくとも部分的に包囲する、熱伝導性ケーシング110をさらに含む。図示された実施形態においては、ケーシング110は、キャップ部分112と、キャップ部分112に取り付けられるか、またはキャップ部分112と一体化して形成された壁部分113とを含む。キャップ部分112は、第一の界面材料114a(例えば、接着剤)によって、第二の論理ダイ102bの裏面部分106に取り付けることが出来る。壁部分113は、キャップ部分112から縦に延びることが出来、第二の界面材料114b(例えば、接着剤)によって、第一の論理ダイ102aの周辺部分107(“ポーチ”または“シェルフ”として当業者に知られる)に取り付けることが出来る。保護カバーを提供するのに加え、ケーシング110は、論理ダイ102およびメモリダイ103から、熱エネルギーを吸収および放散するための熱スプレッダも提供する。したがって、ケーシング110は、ニッケル、銅、アルミニウム、高い熱伝導性を有するセラミック材料(例えば、窒化アルミニウム)、および/または他の適切な熱伝導性材料などの熱伝導性材料から製造することが出来る。
【0011】
幾つかの実施形態においては、第一の界面材料114aおよび/または第二の界面材料114bは、“熱界面材料(thermal interface material)”または“TIM”として本技術分野で既知の材料から製造することが出来、熱界面材料は、表面接合(例えば、ダイ表面と熱スプレッダとの間)において熱接触コンダクタンスを増加させるように設計される。TIMは、導電性材料(例えば、炭素ナノチューブ、はんだ材料、ダイアモンド状炭素(DLC)など)ならびに相変化材料をドープされたシリコンベースのグリース、ゲルまたは接着剤を含むことが出来る。幾つかの実施形態においては、例えば、熱界面材料は、Phoenix,ArizonaのShin−Etsu MicroSi,Inc.によって製造された、X−23−7772−4TIMから製造することが出来、それは、約3−4W/m°Kの熱伝導性を有する。他の実施形態においては、第一の界面材料114aおよび/または第二の界面材料114bは、金属(例えば、銅)および/または他の適切な熱伝導性材料などの他の適切な材料を含むことが出来る。
【0012】
論理ダイ102および/またはメモリダイ103は、誘電性アンダーフィル材料116に少なくとも部分的に封入することが出来る。アンダーフィル材料116は、ダイ間の機械的接続を高めるため、および/または、ダイ間の相互接続または他の導電性構造間の電気的絶縁を提供するために、アセンブリ100のダイのうちの幾つかまたは全ての周囲に、かつ/または、それらの間に堆積することが出来るか、または形成することが出来る。アンダーフィル材料116は、非導電性エポキシペースト(例えば、日本の新潟のNamics Corporationによって製造されたXS8448−171)、キャピラリアンダーフィル、非導電性フィルム、モールドアンダーフィルとすることが出来、および/または、他の適切な電気的に絶縁性の材料を含むことが出来る。幾つかの実施形態においては、アンダーフィル材料116は、アセンブリ100のダイを通じた熱放散を高めるために、その熱伝導性に基づいて選択することが出来る。幾つかの実施形態においては、アンダーフィル材料116は、第一の論理ダイ102aおよび/または第二の論理ダイ102bにケーシング110を取り付けるために、第一の界面材料114aおよび/または第二の界面材料114bの代わりに使用することが出来る。
【0013】
論理ダイ102およびメモリダイ103は、シリコン、シリコン・オン・インシュレータ、化合物半導体(例えば、窒化ゲルマニウム)または他の適切な基板などの、半導体基板から各々形成することが出来る。半導体基板は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、フラッシュメモリ、ならびに、メモリ、処理回路、イメージングコンポーネントおよび/もしくは他の半導体デバイスを含む集積回路デバイスの他の形態など、様々な集積回路コンポーネントまたは機能的フィーチャのうちの任意のものを有する半導体ダイへと切断することが出来、またはシンギュレート(singulate)することが出来る。選択された実施形態においては、アセンブリ100は、ハイブリッドメモリキューブ(HMC)として構成することが出来、このハイブリッドメモリキューブ(HMC)において、メモリダイ103は、データストレージ(例えば、DRAMダイ)を提供し、論理ダイ102は、HMC内のメモリ制御(例えば、DRAM制御)を集合的に提供する。幾つかの実施形態においては、アセンブリ100は、論理ダイ102およびメモリダイ103のうちの一つ以上に加えて、および/または、その一つ以上の代わりに他の半導体ダイを含むことが出来る。例えば、このような半導体ダイは、データストレージおよび/またはメモリ制御コンポーネント以外の集積回路コンポーネントを含むことも出来る。さらに、アセンブリ100は、インターポーザ122上に積層された10個のダイを含むが、他の実施形態においては、アセンブリ100は、10個未満のダイ(例えば、6個のダイ)または10個より多いダイ(例えば、12個のダイ、14個のダイなど)を含むことが出来る。例えば、一実施形態においては、アセンブリ100は、4個のメモリダイの上部の上に積層された2個の論理ダイと、それら4個のメモリダイの下に積層された1個のダイとを含むことが出来る。また、種々の実施形態においては、論理ダイ102およびメモリダイ103は、様々なサイズを有することが出来る。例えば、幾つかの実施形態においては、第一の論理ダイ102aは、メモリダイ積層105と同一のフットプリントを有することが出来、および/または、第二の論理ダイ102bは、メモリダイ積層105より小さいフットプリントもしくはそれより大きいフットプリントを有することが出来る。
【0014】
一般的には、論理ダイによって生成される熱は、メモリダイによって集合的に生成される熱よりもかなり大きくなることがある。例えば、従来のHMCアセンブリ内の論理ダイは、動作中の電力全体のうちの80%を消費することがある。従来の半導体ダイアセンブリは、アセンブリの底部近辺に配置された単一の論理ダイを典型的に含む。これは、動作中に、論理ダイからの熱がアセンブリのケーシングに向かう途中で、メモリダイを通って伝達しなければならないことを意味する。熱はメモリダイを通って伝達するので、これによって、アセンブリ全体の温度を上昇させる。図2Aは、例えば、動作中の、HMCアセンブリ290の温度プロファイルを図示する等角図である。図示されるように、HMCアセンブリ290は、積層されたメモリダイ204と、単一の下部論理ダイ201とを含む。動作中、論理ダイ201の高温が、アセンブリ290の底部に向かって熱エネルギーを集中させる。例えば、論理ダイ201は、約111℃の最大動作温度を有するが、メモリダイ204は、約105℃の最大動作温度を有する。この熱の集中によって、隣接するメモリダイ204と共に論理ダイ201にそれらの最大動作温度(Tmax)を超えさせることがある。これは、特に、新世代のHMCアセンブリの場合にそうであり得、こうした新世代のHMCアセンブリは、例えば、約14Wの論理コアパワーを有することがある(例えば、初期世代のHMCアセンブリの場合は、約4Wである)。
【0015】
本技術の実施形態により構成される半導体ダイアセンブリは、メモリダイを通じて熱の流れを減少させることが予想される。例えば、図2Bは、動作中の、本技術によるHMCアセンブリ200の温度プロファイルを図示する等角図である。HMCアセンブリ200は、第一の論理ダイ202aと第二の論理ダイ202bとの間に配置されたメモリダイ203の積層を含む。図示されるように、第一の論理ダイ202aは、周辺部分207に向かって、その熱の大半を放散する。例えば、周辺部分207は、ケーシング110(図1)の壁部分113に直接熱を放散することが出来る。一方、第二の論理ダイ202bは、アセンブリの上部に向かってその熱の大半を放散する。例えば、第二の論理ダイ202bは、ケーシング110(図1)のキャップ部分112に熱を直接放散することが出来る。その結果として、第一の論理ダイ202aの最大温度は、HMCアセンブリ290の論理ダイ201の最大温度よりも低い(例えば、96℃対111℃)。また、メモリダイ203の最大温度は、メモリダイ204の最大動作温度よりも低い(例えば、91℃対96℃)。結果として、HMCアセンブリ200の論理ダイ202とメモリダイ203は、最大温度仕様より低い、より受容可能な温度範囲内で動作することが出来る。
【0016】
一般的には、半導体ダイアセンブリの論理ダイは、半導体ダイアセンブリを通じて熱を放散するための種々の配置のうちの任意の配置を有する集積回路コンポーネントを含むことが出来る。図2Cは、例えば、メモリダイ203の積層の下の論理ダイ202cと、メモリダイ203の積層の上部上の論理ダイ202dとを有する半導体ダイアセンブリ260を図示する。論理ダイ202cは、論理ダイ202cの周辺に向かって密集していく第一の集積回路コンポーネント240a(概略的に図示される)を含むことが出来、論理ダイ202dは、実質的に論理ダイ202dの全体にわたって形成される第二の集積回路コンポーネント240b(概略的に図示される)を含むことが出来る。別の実施形態においては、第二の集積回路コンポーネント240bは、論理ダイ202dの周辺からずらすことが出来、(重ねられたフットプリント227によって図示されるように)より中心に配置することが出来る。種々の実施形態においては、集積回路コンポーネントは、また、様々な量の熱を生成するようにも構成することが出来る。例えば、最上部の論理ダイの集積回路コンポーネントは、論理素子関連の熱のうちの50%を超える量(例えば、熱のうちの約75%以上)を生成することが出来るが、最底部の論理ダイは、論理素子関連の熱のうちの50%未満(例えば、熱のうちの約25%以下)を生成することが出来る。あるいは、最上部の論理ダイの集積回路コンポーネントは、最底部の論理ダイの回路コンポーネントよりも少ない熱を生成することもある。
【0017】
図3は、本技術の別の実施形態により構成される半導体ダイアセンブリ300(“アセンブリ300”)の断面図である。アセンブリ300は、詳細に上述されたアセンブリ100のフィーチャとほぼ類似のフィーチャを含むことが出来る。例えば、アセンブリ300は、論理ダイ102の間に配置されたメモリダイ積層105を含むことが出来る。図2の図示された実施形態においては、第一の論理ダイ102a、第二の論理ダイ102b、およびメモリダイ103の各々は、複数の電気的コネクタまたは相互接続332(例えば、銅ピラー、はんだバンプ、導電性トレース、接触パッドなど)によって、互いに電気的に結合される。第一の論理ダイ102aと個々のメモリダイ103とは、相互接続332に対して両側で結合された複数のダイ貫通相互接続334(例えば、基板貫通ビア、TSVなど)を各々含むことが出来る。相互接続332およびダイ貫通相互接続334は、銅、ニッケル、アルミニウムなどの種々の種類の導電性材料(例えば、金属材料)から形成することが出来る。幾つかの実施形態においては、導電性材料は、はんだ(例えば、SnAgベースはんだ)、導体充填エポキシおよび/または他の導電性材料を含むことが出来る。選択された実施形態においては、例えば、相互接続332は銅ピラーとすることが出来るが、他の実施形態においては、相互接続332は、バンプ・オン・窒化物(bump−on−nitride)構造などのより複雑な構造を含むことが出来る。他の実施形態においては、相互接続332は、導電性ペーストなどの他の種類の材料または構造と置換することが出来る。
【0018】
この実施形態の一態様においては、第二の論理ダイ102bは、ダイ貫通相互接続なしで形成することもある。これは、第二の論理ダイ102bを、アセンブリの底部ではなく、アセンブリ100の上部近辺に配置されるからである。例えば、従来の半導体ダイパッケージは、パッケージ基板とメモリダイ積層との間に配置された単一の論理素子を有する。この配置により、メモリダイ積層とパッケージ基板を電気的に接続するために、ダイ貫通相互接続を論理ダイが有することを必要とすることがある。この配置により、また、ダイ貫通相互接続の縦方向の長さとアスペクト比とを減少させるために、論理ダイを薄くすることを必要とすることがある。例えば、論理ダイ(または論理ダイを形成するために用いられる基板)は、裏面研削、エッチングおよび/または化学機械研磨(CMP)によって、適切な寸法になるように薄くすることが出来る。このように、アセンブリ100の上部に第二の論理ダイ102bを有する利点の一つは、第二の論理ダイ102bが、第一の論理ダイ102aよりもより少ない製造ステップで形成することが出来ることである。例えば、第二の論理ダイ102bは、ダイ貫通相互接続を形成するために基板薄化、スルーホールエッチングおよび金属堆積プロセスなしで形成することが出来る。幾つかの実施形態においては、第二の論理ダイ102bは、約300μmから約1000μm(例えば、350μm)の範囲内の厚さを有することが出来、アセンブリ100内の他のダイは、約50から約200μmの範囲内の厚さ(例えば、100μm)を有することが出来る。
【0019】
この実施形態の別の態様においては、第二の論理ダイ102bは、ダイ貫通相互接続を形成するときに、第二の論理ダイ102bから通常であれば除去されるはずの、半導体基板のうちのバルク部分329を含む。幾つかの実施形態においては、バルク部分329は、ケーシング120のキャップ部分112を通じた、アセンブリ100からの熱伝導を容易にすることが出来る。別の実施形態においては、ケーシング120は、アセンブリ300から省略することが出来、こうすることで、アセンブリ100の最外部表面326が露出されるようにする。別の一実施形態においては、最外部表面326は、アンダーフィル材料116および/または別の材料(例えば、パッケージケーシングの封止材料)で被覆することが出来る。
【0020】
電気的通信に加えて、相互接続332およびダイ貫通相互接続334は、コンジットとして機能することが出来、メモリダイ積層105からケーシング110に向かって熱を伝達することが出来る。幾つかの実施形態においては、アセンブリ100は、また、論理ダイ102bおよびメモリダイ103からの熱伝達を更に容易にするために、相互接続332間に介在して配置された、複数の熱伝導性素子または“ダミー素子”(図示せず)も含むことが出来る。このようなダミー素子は、論理ダイ102およびメモリダイ103に電気的に結合されないことを除いて、相互接続332と少なくともほぼ類似の構造および組成とすることが出来る。
【0021】
図示された実施形態においては、複数の積層貫通相互接続330が、第一の論理ダイ102aのボンドパッド308を、第二の論理ダイ102bの対応するボンドパッド309に結合する。上述されたように、積層貫通相互接続330は、相互接続332とダイ貫通相互接続334の集合部分で各々構成することが出来る。幾つかの実施形態においては、積層貫通相互接続330の一部339を、第一の論理ダイ102aから機能的に分離することが出来る。例えば、積層貫通相互接続330の一部339は、第一の論理ダイ102aの集積回路コンポーネント(図示せず)から機能的に分離された、第一の論理ダイ102aにおいて、“ダミー”接触パッド331に接続することが出来る。
【0022】
図4は、本技術の一実施形態により構成された集積回路コンポーネントを有する半導体ダイアセンブリ(“アセンブリ400”)の概略図である。アセンブリ400は、詳細に上述されたダイアセンブリのフィーチャとほぼ類似のフィーチャを含むことが出来る。例えば、アセンブリ400は、第一の論理ダイ102aと第二の論理ダイ102bとの間に配置されたメモリダイ積層105を含むことが出来る。図示された実施形態においては、第一の論理ダイ102aは、パッケージ基板120(図1)のパッケージ接点124に結合された通信コンポーネント440を含む。第二の論理ダイ102bは、一つ以上の第一の積層貫通相互接続(両方向矢印430aによって概略的に表される)によって通信コンポーネント440に結合されたメモリコントローラコンポーネント442(“メモリコントローラ442”)を含むことが出来る。メモリダイ103の各々は、メモリ(“メモリ444”)からなる一つ以上のアレイおよび/またはメモリブロック状に配置された複数のメモリセル(図示せず)を含むことが出来る。個々のメモリダイ103のメモリ444は、一つ以上の第二の積層貫通相互接続(両方向矢印430bによって概略的に表される)によってメモリコントローラ442に結合される。
【0023】
この実施形態の一態様においては、通信コンポーネント440は、ケーシング110(図1)の壁部分113に熱を放散するために、第一の論理ダイ102aの外周近辺に配置される。一方、メモリコントローラ442は、ケーシング110(図1)のキャップ部分112に熱を放散するために、アセンブリ100の上部に配置される。しかしながら、幾つかの実施形態においては、通信コンポーネント440および/またはメモリコントローラ442は、アセンブリ400内で様々に配置することが出来る。例えば、幾つかの実施形態においては、通信コンポーネント440は、メモリダイ積層105の3以上の面に配置することができる。他の実施形態においては、通信コンポーネント440は、メモリダイ積層105の唯一つの側面に配置することが出来る。さらに、ある実施形態においては、通信コンポーネント440は、メモリダイ積層105の下で延在することが出来る。
【0024】
幾つかの実施形態においては、第一の論理ダイ102aおよび/または第二の論理ダイ102bは、追加のおよび/または代替の集積回路コンポーネントを含むことが出来る。例えば、図示された実施形態においては、第一の論理ダイ102aは、メモリダイ積層105の下に追加の回路コンポーネント441(例えば、電力分配コンポーネント、クロック回路など)を含む。幾つかの実施形態においては、追加の回路コンポーネント441は、通信コンポーネント440よりも低い動作温度を有する場合がある。一実施形態においては、追加の回路コンポーネント441は、第三の積層貫通相互接続(両方向矢印430cによって概略的に表される)によって第二の論理ダイ102bに結合することが出来る。別の実施形態においては、追加の回路コンポーネント441は、第一の積層貫通相互接続430aおよび/または第二の積層貫通相互接続430bによって、第二の論理ダイ102bに結合することもできる。あるいは、第一の積層貫通相互接続430aおよび/または第二の積層貫通相互接続430bは、追加の回路コンポーネント441に接続されない専用回線経路とすることが出来る。さらに、明瞭性のために図面には示されていないが、通信コンポーネント440、メモリコントローラ442、および/またはメモリ444のうちの各々は、種々の回路素子を含むことが出来る。例えば、これらの回路素子は、マルチプレクサ、シフトレジスタ、エンコーダ、デコーダ、ドライバ回路、増幅器、バッファ、レジスタ、フィルタ(例えば、低域通過フィルタ、高域通過フィルタおよび/または帯域通過フィルタ)などを含むことが出来る。
【0025】
図5は、本技術の一実施形態による半導体ダイアセンブリを動作させるための方法570を図示するフロー図である。幾つかの実施形態においては、方法570は、詳細に上述されたダイアセンブリを動作させるために使用することが出来る。ブロック572において、通信コンポーネント440(図3)は、パッケージ接点124(図1)からシリアルデータS(“シリアル入力S”)の入力ストリームを受信する。シリアル入力Sは、例えば、データと、データを格納する命令とを、含むことが出来る。更に、またはその代わりに、シリアル入力Sは、データを読み出す命令、および/またはデータを消去する命令を含むこともある。ブロック574においては、通信コンポーネント440は、シリアル入力Sを複数の入力ストリームPI1−PIXにデシリアライズする。幾つかの実施形態においては、通信コンポーネント440は、データのシリアルフローをデータのパラレルフローへと変換する(または、その逆に変換する)ように構成された、一つ以上のシリアライザ/デシリアライザ回路(“SerDes”回路として当業者に知られる)を含むことが出来る。例えば、シリアライザ/デシリアライザ回路は、複数の信号成分(例えば、4成分の信号、8成分の信号、16成分の信号など)を有するパラレルデータフローの生成および変換の双方を行うことが出来る。
【0026】
ブロック576において、メモリコントローラ442(図3)は、入力ストリームPI1−PIXを第一の積層貫通相互接続を介して受信する。例えば、メモリコントローラは、積層貫通相互接続130(図1)の一部を介して、第一の入力ストリームPI1を受信し、これと同時に、またはほぼ同時に、積層貫通相互接続130の別の部分を介して他の入力ストリームPI2−PIXを受信することが出来る。ブロック578において、メモリコントローラ442は、入力ストリームPI1−PIXを処理し、その後、第二の積層貫通相互接続を介して、特定のメモリを選択してアクセスする。例えば、メモリコントローラ442は、データを取得、格納および/または消去するために、メモリアドレスと共に命令をエンコードすることによって、メモリダイ103のうちの一つ以上のメモリ444(図3)を選択してアクセスすることが出来る。
【0027】
ブロック580において、メモリコントローラ442は、選択されたメモリから受信された応答を処理して、複数の出力ストリームPO1−POXにする。この応答は、例えば、要求されたデータ、確認応答および/または、選択されたメモリからの他の情報(例えば、データが読み出すことが出来ない、または書き込むことが出来ない場合のエラー応答)を含むことが出来る。ブロック582において、通信コンポーネント440は、第一の積層貫通相互接続の少なくとも一部を介して、複数の出力ストリームPOI−POXを受信する。次いで、ブロック584において、通信コンポーネント440は、出力ストリームPO1−POXをシリアライズして、パッケージ接点124に出力することが出来る出力シリアルデータストリームS(“シリアル出力S”)とする。
【0028】
図6は、本技術の別の実施形態により構成される半導体ダイアセンブリ600(“アセンブリ600”)の断面図である。アセンブリ600は、詳細に上述されたダイアセンブリのフィーチャとほぼ類似のフィーチャを含むことが出来る。例えば、アセンブリ600は、ケーシング110内に包囲されたメモリダイ積層105と第二の論理ダイ102bとを含む。しかしながら、図6の図示された実施形態においては、第一の論理ダイ102aは、メモリダイ積層105に取り付けられていない。そうではなく、第一の論理ダイ102aは、支持基板620(例えば、プリント回路基板)上の異なる位置にマウントされる。したがって、第一の論理ダイ102aは、支持基板620、インターポーザ122、積層貫通相互接続130を通って延びる通信経路を通じて、第二の論理ダイ102bに電気的に結合される。この実施形態においては、第一の論理ダイ102aによって生成される熱は、メモリダイ積層105または第二の論理ダイ102bを通じて放散されず、したがって、メモリダイ103および第二の論理ダイ102bは、より低い動作温度を有することが出来る。
【0029】
図1図6を参照して上述された積層半導体ダイアセンブリのうちの任意のアセンブリを、多数のより大きいおよび/またはより複雑なシステムのうちの任意のシステムに組み込むことが出来、その代表例は、図7に概略的に図示されるシステム790である。システム790は、半導体ダイアセンブリ700、電源792、ドライバ794、プロセッサ796および/または他のサブシステムもしくはコンポーネント798を含むことが出来る。半導体ダイアセンブリ700は、上述された積層半導体ダイアセンブリのフィーチャとほぼ類似のフィーチャを含むことが出来る。結果として生じるシステム790は、メモリストレージ、データ処理および/または他の適切な機能などの、様々な広範囲の機能のうちの任意の機能を実施することが出来る。したがって、代表的なシステム790は、ハンドヘルドデバイス(例えば、携帯電話、タブレット、デジタルリーダ、デジタル音声プレイヤー)、コンピュータおよび特定用途機器(appliance)を含むことが出来るが、そのいずれにも限定はされない。システム790のコンポーネントは、単一ユニット内に収容されてもよいし、または複数の相互接続されたユニットにわたって(例えば、通信ネットワークを介して)分散されてもよい。システム790のコンポーネントは、リモートデバイスと、広範囲の様々なコンピュータ可読媒体のうちの任意の媒体も含むことが出来る。
【0030】
前述から、本技術の特定の実施形態が、例示の目的で本明細書に記述されてきたが、本開示から逸脱することなく、種々の改変が行われてもよいことが理解されるだろう。例えば、半導体ダイアセンブリの実施形態のうちの多くがHMCに関連して記述されたが、他の実施形態においては、半導体ダイアセンブリは、他のメモリデバイスとして、または他の種類の積層されたダイアセンブリとして構成することが出来る。個々の実施形態の文脈で記述された新規技術の複数の特定の態様を、他の実施形態においては、組み合わせることもできるし、または排除することもできる。さらに、本新規技術の特定の実施形態に関連する利点は、それらの実施形態の文脈で記述されてきたが、他の実施形態も、このような利点を示してもよいし、本技術の範囲内に含まれるために、全ての実施形態が、このような利点を必ずしも示す必要はない。したがって、本開示および関連する技術は、本明細書に明確に図示されていない、または記述されていない他の実施形態を包含することが出来る。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7