特許第6445601号(P6445601)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6445601全固体電池の製造方法、全固体電池の製造装置及び全固体電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6445601
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】全固体電池の製造方法、全固体電池の製造装置及び全固体電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0585 20100101AFI20181217BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20181217BHJP
   H01M 10/0562 20100101ALI20181217BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20181217BHJP
   H01M 2/06 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   H01M10/0585
   H01M2/02 Z
   H01M10/0562
   H01M2/30 B
   H01M2/06 Z
【請求項の数】11
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-18947(P2017-18947)
(22)【出願日】2017年2月3日
(65)【公開番号】特開2017-220447(P2017-220447A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2017年7月18日
(31)【優先権主張番号】特願2016-110448(P2016-110448)
(32)【優先日】2016年6月1日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129838
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典輝
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人
(72)【発明者】
【氏名】岩野 吉宏
(72)【発明者】
【氏名】辻子 曜
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 史尊
(72)【発明者】
【氏名】河村 知範
(72)【発明者】
【氏名】川上 幹夫
【審査官】 立木 林
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−249265(JP,A)
【文献】 特開2005−005163(JP,A)
【文献】 特開2000−106154(JP,A)
【文献】 特開平11−171910(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/007215(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/00−10/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集電体層、正極合剤層、固体電解質層及び負極合剤層をそれぞれ複数積層して、積層方向両端面と側面とを備える積層電池を得る、第1工程と、
前記積層電池の前記側面にのみ液状の樹脂を供給する、第2工程と、
前記液状の樹脂を硬化させる、第3工程と、
を備え、
前記第1工程において、前記集電体層、前記正極合剤層、前記固体電解質層及び前記負極合剤層のうちの少なくとも1層を他の層よりも延出させて延出層とし、前記積層電池の前記側面において前記延出層を複数延出させ、
前記第2工程において、前記積層電池の前記側面にのみ液状の樹脂を供給することで、一の前記延出層と他の前記延出層との間の隙間に前記液状の樹脂を入り込ませ、
前記第1工程の完了後且つ前記第2工程の開始前に、前記積層電池の前記積層方向両端面を治具で被覆する工程を備え、前記第2工程において、前記治具によって前記積層電池を保持するとともに前記積層方向両端面を前記液状の樹脂から保護し、
前記治具として、前記積層電池の積層方向一端面を被覆する下側底面と、前記積層電池の積層方向他端面を被覆する上側被覆部材と、前記上側被覆部材から前記下側底面に向かって先細りとなっている側面とを有する治具を用いる、
全固体電池の製造方法。
【請求項2】
前記第2工程の完了後且つ前記第3工程の開始前に、前記第2工程における雰囲気圧力よりも、雰囲気圧力を高くする加圧工程を備える、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第1工程の完了後且つ前記第2工程の開始前に、前記第1工程における雰囲気圧力よりも、雰囲気圧力を低くする減圧工程を備える、
請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第1工程において、前記集電体層、前記正極層及び前記負極層によってバイポーラ電極層を構成する、
請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項5】
積層方向両端面と側面とを有し、該側面において延出層が複数延出しているとともに、一の前記延出層と他の前記延出層との間に隙間を有する積層電池に対して、該積層電池の前記側面にのみ液状の樹脂を供給した後、該液状の樹脂を硬化させることによって全固体電池を製造する装置であって、
前記積層電池を収容するチャンバと、
前記チャンバに収容された前記積層電池の前記側面にのみ液状の樹脂を供給する樹脂供給手段と、
を備え、
前記積層電池の前記積層方向端面を保護しながら該積層電池を保持する冶具をさらに備え、
前記治具が、前記積層電池の積層方向一端面を被覆する下側底面と、前記積層電池の積層方向他端面を被覆する上側被覆部材と、前記上側被覆部材から前記下側底面に向かって先細りとなっている側面とを有し、
前記治具が前記積層電池の前記積層方向端面を保護した状態で、前記樹脂供給手段から前記積層電池の前記側面にのみ前記液状の樹脂が供給される、
全固体電池の製造装置。
【請求項6】
前記チャンバ内の圧力を制御する圧力制御手段をさらに備え、
前記樹脂供給手段から前記積層電池の前記側面にのみ前記液状の樹脂が供給された後、且つ、前記液状の樹脂を硬化させる前において、前記圧力制御手段によって、前記チャンバ内の圧力が相対的に高められる、
請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記チャンバ内の圧力を制御する圧力制御手段をさらに備え、
前記積層電池を前記チャンバ内に収容した後、且つ、前記樹脂供給手段から前記積層電池の前記側面にのみ前記液状の樹脂が供給される前において、前記圧力制御手段によって、前記チャンバ内の圧力が相対的に低減される、
請求項又はに記載の装置。
【請求項8】
前記積層電池の少なくとも側面を加熱する加熱手段をさらに備える、
請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記積層電池の少なくとも側面を冷却する冷却手段をさらに備える、
請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
集電体層、正極合剤層、固体電解質層及び負極合剤層がそれぞれ複数積層されてなる積層電池と、
前記積層電池の積層方向両端面を構成する最外側集電体と、
前記積層電池の側面のみ、且つ、側面全体を被覆する樹脂と、
を備え、
前記集電体層、前記正極合剤層、前記固体電解質層及び前記負極合剤層のうちの少なくとも1層が他の層よりも外方に延出されて延出層とされ、前記積層電池の側面において該延出層が複数延出しており、
一の前記延出層と他の前記延出層との間の隙間に前記樹脂が入り込んでおり、
前記最外側集電体と前記樹脂とによって、前記最外側集電体を除く前記積層電池を封止するための電池ケースが構成されるとともに、前記最外側集電体が電池端子とされている、
全固体電池。
【請求項11】
前記集電体層、前記正極合剤層及び前記負極合剤層が、バイポーラ電極層を構成している、
請求項10に記載のバイポーラ型全固体電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願においては全固体電池の製造方法、全固体電池の製造装置及び全固体電池を開示する。
【背景技術】
【0002】
正極層、固体電解質層及び負極層をそれぞれ複数積層してなる積層電池に対して、その全体を樹脂で覆う技術が知られている(特許文献1参照)。これにより、例えば、電池の耐透湿性や機械的強度が向上する。
【0003】
積層電池の全体を樹脂で覆う方法としては、積層電池を未硬化樹脂で覆った後で当該未硬化樹脂を硬化させる方法が考えられる。ここで、積層電池を未硬化樹脂で覆う方法としては、特許文献1に開示されているように、積層電池を未硬化樹脂中に浸漬した後で引き上げるディッピング法や、積層電池を所定大きさの型内に配置しこの型内に未硬化樹脂を注ぎ込む注型法が一般的である。
【0004】
或いは、正極層、固体電解質層及び負極層を積層した全固体電池素子に、インサート成形にて樹脂被覆層を形成する技術も知られている(特許文献2参照)。
【0005】
一方、全固体電池とはまったく技術分野が異なる半導体製造分野において、基板とチップとの隙間にアンダーフィル用樹脂を充填する技術が知られている(特許文献3及び4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−251858号公報
【特許文献2】特開2015−018769号公報
【特許文献3】特開2008−113045号公報
【特許文献4】特開2011−061093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
積層電池においては、通常、正極層、固体電解質層及び負極層のうちの1層又は2層が他の層よりも延出されて延出層とされており、積層電池の側面において延出層が複数延出した状態となる。ここで、積層電池の側面において一の延出層と他の延出層との間の隙間は狭い。そのため、特許文献1に開示されたようなディッピング法や注型法によって積層電池を樹脂で被覆しようとした場合、積層電池の側面において当該隙間に樹脂が入り込み難いことから、樹脂量をできるだけ増やす必要があると考えられる。結果として、積層方向に体積が増加してしまい、電池のエネルギー密度が低下してしまう。
【0008】
上記背景技術に鑑み、本願では、エネルギー密度を向上させることが可能な全固体電池の製造方法や全固体電池の製造装置、さらには、エネルギー密度が向上した全固体電池を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願は、上記課題を解決するための手段の一つとして、
集電体層、正極合剤層、固体電解質層及び負極合剤層をそれぞれ複数積層して、積層方向両端面と側面とを備える積層電池を得る、第1工程と、前記積層電池の前記側面にのみ液状の樹脂を供給する、第2工程と、前記液状の樹脂を硬化させる、第3工程と、を備え、前記第1工程において、前記集電体層、前記正極合剤層、前記固体電解質層及び前記負極合剤層のうちの少なくとも1層を他の層よりも延出させて延出層とし、前記積層電池の前記側面において前記延出層を複数延出させ、前記第2工程において、前記積層電池の前記側面にのみ液状の樹脂を供給することで、一の前記延出層と他の前記延出層との間の隙間に前記液状の樹脂を入り込ませる、全固体電池の製造方法
を開示する。
【0010】
「集電体層」とは、正極集電体又は負極集電体として機能する層である。一つの集電体層が正極集電体と負極集電体とを兼ねていてもよい。
「集電体層、正極合剤層、固体電解質層及び負極合剤層をそれぞれ複数積層して」とは、例えば、集電体層、正極合剤層、固体電解質層及び負極合剤層をこの順に繰り返し積層することによって、電池素子が複数積層されたような状態となることをいう。すなわち、「積層電池」は複数の電池素子によって構成される。尚、集電体層と正極合材層、集電体層と負極合材層とは、例えば合材スラリーを集電体の表面に塗布するような形で互いに重なり合うように接合されていても良く、この工程は第1工程よりも先に行っても良い。
「積層方向両端面」とは、積層電池の積層方向最外側を構成する面をいう。
「側面」とは、正極層、固体電解質層及び負極層の外縁によって構成される面である。
「液状の樹脂」とは、未硬化樹脂をいい、その後何らかの処理によって硬化させることが可能なものであればよい。「液状」とは、必ずしも室温において液状である必要はなく、加熱によって溶融したような樹脂であってもよい。すなわち、本願において「液状の樹脂」には、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂などの硬化性樹脂だけでなく熱可塑性樹脂も含まれる。
「側面にのみ液状の樹脂を供給する」とは、積層電池の積層方向両端面についてはその大部分を液状の樹脂で被覆することなく露出させたままで、積層電池の側面に対して液状の樹脂を供給することをいう。
「前記集電体層、前記正極合剤層、前記固体電解質層及び前記負極合剤層のうちの少なくとも1層を他の層よりも延出させて延出層とし」とは、集電体層、正極合剤層、固体電解質層及び負極合剤層のうちの少なくとも1層の外縁が、他の層の外縁よりも外方に延出していることを意味する。
【0011】
本開示の製造方法において、前記第2工程の完了後且つ前記第3工程の開始前に、前記第2工程における雰囲気圧力よりも、雰囲気圧力を高くする加圧工程を備えることが好ましい。
【0012】
「雰囲気圧力」とは、積層電池に付与される圧力をいう。
【0013】
本開示の製造方法において、前記第1工程の完了後且つ前記第2工程の開始前に、前記第1工程における雰囲気圧力よりも、雰囲気圧力を低くする減圧工程を備えることが好ましい。なお、第1工程と第2工程とは同一の装置で行わなくても良い。
【0014】
本開示の製造方法において、前記第1工程の完了後且つ前記第2工程の開始前に、前記積層電池の前記積層方向両端面を被覆部材で被覆する工程を備え、前記第2工程において、前記被覆部材によって前記積層電池の前記積層方向両端面を前記液状の樹脂から保護することが好ましい。
【0015】
本開示の製造方法において、積層電池を治具によって保持しながら前記第2工程を行い、前記治具として、前記積層電池の積層方向一端面を被覆する下側底面と、前記積層電池の積層方向他端面を被覆する上側被覆部材と、前記上側被覆部材から前記下側底面に向かって先細りとなっている側面とを有する治具を用いることが好ましい。
【0016】
本開示の製造方法においては、前記第1工程において、前記集電体層、前記正極層及び前記負極層によってバイポーラ電極層を構成し、前記固体電解質層を介して前記バイポーラ電極層を複数積層して前記積層電池とし、前記集電体層、前記正極合剤層、前記固体電解質層及び前記負極合剤層のうちの少なくとも1層を他の層よりも延出させて延出層とし、前記積層電池の前記側面において前記延出層を複数延出させることが好ましい。
【0017】
本願は、上記課題を解決するための手段の一つとして、
積層方向両端面と側面とを有し、該側面において延出層が複数延出しているとともに、一の前記延出層と他の前記延出層との間に隙間を有する積層電池に対して、該積層電池の前記側面にのみ液状の樹脂を供給した後、該液状の樹脂を硬化させることによって全固体電池を製造する装置であって、前記積層電池を収容するチャンバと、前記チャンバに収容された前記積層電池の前記側面にのみ液状の樹脂を供給する樹脂供給手段と、を備える、全固体電池の製造装置
を開示する。
【0018】
「積層電池」とは、上述したように、集電体層、正極合剤層、固体電解質層及び負極合剤層がそれぞれ複数積層されてなるものである。
「樹脂供給手段」とは、液状の樹脂を吐出する等して積層電池の側面のみに液状の樹脂を供給できるものであればよい。吐出口を有する配管やノズル等、種々の形態をいずれも採用可能である。
【0019】
本開示の製造装置において、前記チャンバ内の圧力を制御する圧力制御手段をさらに備え、前記樹脂供給手段から前記積層電池の前記側面にのみ前記液状の樹脂が供給された後、且つ、前記液状の樹脂を硬化させる前において、前記圧力制御手段によって、前記チャンバ内の圧力が相対的に高められることが好ましい。
【0020】
「前記樹脂供給手段から前記積層電池の前記側面にのみ前記液状の樹脂が供給された後、且つ、前記液状の樹脂を硬化させる前において、前記圧力制御手段によって、前記チャンバ内の圧力が相対的に高められる」とは、後述するように「前記樹脂供給手段から前記積層電池の前記側面にのみ前記液状の樹脂が供給される前」にチャンバ内が減圧されていた場合、当該チャンバ内の圧力を大気圧に戻す(すなわち、チャンバを大気圧に開放する)形態をも含む概念である。すなわち、チャンバ外の圧力とは関係なく、チャンバ内において相対的に圧力を上昇させるものであれば、本開示の製造装置の圧力制御手段を満たす。
【0021】
本開示の製造装置において、前記チャンバ内の圧力を制御する圧力制御手段をさらに備え、前記積層電池を前記チャンバ内に収容した後、且つ、前記樹脂供給手段から前記積層電池の前記側面にのみ前記液状の樹脂が供給される前において、前記圧力制御手段によって、前記チャンバ内の圧力が相対的に低減されることが好ましい。
【0022】
本開示の製造装置において、前記積層電池の前記積層方向端面を保護しながら該積層電池を保持する冶具をさらに備え、前記冶具が前記積層電池の前記積層方向端面を保護した状態で、前記樹脂供給手段から前記積層電池の前記側面にのみ前記液状の樹脂が供給されることが好ましい。
【0023】
本開示の製造装置において、前記積層電池の前記積層方向端面を保護しながら該積層電池を保持する治具をさらに備え、前記治具が、前記積層電池の積層方向一端面を被覆する下側底面と、前記積層電池の積層方向他端面を被覆する上側被覆部材と、前記上側被覆部材から前記下側底面に向かって先細りとなっている側面とを有することが好ましい。
【0024】
本開示の製造装置において、前記積層電池の少なくとも側面を加熱する加熱手段をさらに備えることが好ましい。
【0025】
本開示の製造装置において、前記積層電池の少なくとも側面を冷却する冷却手段をさらに備えることが好ましい。
【0026】
本願は、上記課題を解決するための手段の一つとして、
集電体層、正極合剤層、固体電解質層及び負極合剤層がそれぞれ複数積層されてなる積層電池と、前記積層電池の積層方向両端面を構成する最外側集電体層と、前記積層電池の側面のみを被覆する樹脂と、を備え、前記集電体層、前記正極合剤層、前記固体電解質層及び前記負極合剤層のうちの少なくとも1層が他の層よりも外方に延出されて延出層とされ、前記積層電池の側面において該延出層が複数延出しており、一の前記延出層と他の前記延出層との間の隙間に前記樹脂が入り込んでおり、前記最外側集電体層と前記樹脂とによって、前記最外側集電体層を除く前記積層電池を封止するための電池ケースが構成されるとともに、前記最外側集電体層が電池端子とされている、全固体電池
を開示する。
【0027】
「前記最外側集電体層と前記樹脂とによって、前記最外側集電体層を除く前記積層電池を封止するための電池ケースが構成される」とは、言い換えれば、積層電池のうち最外側集電体層を除いた部分が、最外側集電体層と樹脂とによって画定される空間内に収容されるとともに最外側集電体層と樹脂とによって保持され、積層電池の内部に水分等が入り込まないように構成されていることを意味する。尚、「最外側集電体層が電池端子とされている」本開示の全固体電池は積層電池の積層方向両端面が樹脂に覆われず露出している。
【0028】
本開示の全固体電池において、前記集電体層、前記正極合剤層及び前記負極合剤層が、バイポーラ電極層を構成しており、前記積層電池は、前記固体電解質層を介して前記バイポーラ電極層が複数積層されてなり、前記集電体層、前記正極合剤層、前記固体電解質層及び前記負極合剤層のうちの少なくとも1層が他の層よりも外方に延出されて延出層とされ、前記積層電池の側面において前記延出層が複数延出していることが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
本開示の製造方法等によれば、積層電池の側面にのみ樹脂が供給されることで、積層電池の側面における隙間部分に樹脂を効率的に入り込ませることができる。本開示の製造方法等においては積層電池の積層方向には樹脂が供給されないことから、全固体電池のエネルギー密度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】全固体電池の製造方法(S10)の流れを説明するための図である。
図2】第1工程(S1)を説明するための断面概略図である。
図3】積層電池6の側面の形態について説明するための断面概略図である。
図4】第2工程(S2)を説明するための断面概略図である。
図5】第3工程(S3)を説明するための概略図である。
図6】S10について、S1〜S3以外の工程(加圧工程、減圧工程)について説明するための図である。
図7】S10について、S1〜S3以外の工程(被覆工程)について説明するための図である。
図8】全固体電池の製造装置100を説明するための概略図である。
図9】全固体電池10を説明するための断面概略図である。
図10】治具50を説明するための断面概略図である。
図11】治具50を用いてS2を行う場合について説明するための断面概略図である。
図12】実施例の結果を説明するための写真図である。
図13】参考例の結果を説明するための写真図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
1.全固体電池の製造方法
図1〜5を参照しつつ、全固体電池10の製造方法(S10)について説明する。図1に示すように、S10は、集電体層1、正極合剤層2、固体電解質層5及び負極合剤層3をそれぞれ複数積層して、積層方向両端面と側面とを備える積層電池6を得る、第1工程(S1)と、積層電池6の側面にのみ液状の樹脂7’を供給する、第2工程(S2)と、液状の樹脂7’を硬化させる、第3工程(S3)と、を備えている。ここで、図2、3に示すように、第1工程(S1)においては、集電体層1、正極合剤層2、固体電解質層5及び負極合剤層3のうちの少なくとも1層を他の層よりも延出させて延出層とし、積層電池6の側面において延出層を複数延出させる。また、図4に示すように、第2工程(S2)においては、積層電池6の側面にのみ液状の樹脂7’を供給することで、一の延出層と他の延出層との間の隙間Xに液状の樹脂7’を入り込ませる。
【0032】
1.1.第1工程(S1)
S1は、集電体層1、正極合剤層2、固体電解質層5及び負極合剤層3をそれぞれ複数積層して、積層方向両端面と側面とを備える積層電池6を得る工程である。図2、3に示すように、S1においては、集電体層1、正極合剤層2、固体電解質層5及び負極合剤層3のうちの少なくとも1層を他の層よりも延出させて延出層とし、積層電池6の側面において延出層を複数延出させる。
【0033】
1.1.1.集電体層1
集電体層1は、全固体電池の集電体して公知のものをいずれも採用可能である。例えば、金属箔や金属メッシュ等により構成すればよい。特に金属箔が好ましい。集電体層1の積層面の面積や厚みは特に限定されるものではない。集電体層1を構成する金属としては、Cu、Ni、Al、Fe、Ti等が挙げられる。
【0034】
尚、図2(A)に示すように、S10では、正極合剤層2と集電体層1と負極合剤層3とでバイポーラ電極層4を構成することが好ましい。バイポーラ電極層4とすることで、積層電池6の積層方向体積を削減することができ、よりエネルギー密度の高い全固体電池10を製造することができる。バイポーラ電極層4を構成する場合、積層電池6の内部において電池要素が互いに直列に接続された状態となり、積層電池6の積層方向両端面を構成する集電体層(最外側集電体層)から電気を取り出すことができる。
尚、集電体層1、正極合材層2及び負極合材層3がバイポーラ電極層を構成しない場合、積層電池6内において単電池が並列に接続されることとなる。言い換えれば、積層電池6を構成する複数の正極集電体層同士、及び、複数の負極集電体層同士をリード等で接続する必要がある。この場合、当該リード端部を最外側集電体層によって構成することで、最外側集電体層から電気を取り出すことができる。尚、この場合、樹脂の供給前(後述するS2の前)に、積層電池6の側面に当該リード等が露出している場合がある。この場合は後述するS2において積層電池6の側面にのみ樹脂を供給し、当該リードごと当該側面を封止することが有り得る。
【0035】
ここで、後述するように、最外側集電体層を電池端子とする場合は、積層電池6の内部の集電体層よりも厚みが大きく、機械的強度の高いものによって最外側集電体層を構成することが好ましい。具体的には、最外側集電体層の厚みを15μm以上200μm以下とすることが好ましい。
【0036】
1.1.2.正極合剤層2
正極合剤層2は、全固体電池の正極合剤層として公知のものをいずれも採用可能である。図2においては、正極合剤層2は集電体層1の一面側に積層される。
【0037】
正極合剤層2は少なくとも正極活物質を含み、さらに任意に固体電解質、バインダー及び導電助剤を含む。正極活物質は公知の活物質を用いればよい。公知の活物質のうち、所定のイオンを吸蔵放出する電位(充放電電位)の異なる2つの物質を選択し、貴な電位を示す物質を正極活物質とし、卑な電位を示す物質を後述の負極活物質として、それぞれ用いることができる。例えば、全固体リチウムイオン電池を構成する場合は、正極活物質としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3等のリチウム化合物を用いることができる。正極活物質は表面がニオブ酸リチウム層等の酸化物層で被覆されていてもよい。固体電解質は無機固体電解質が好ましい。有機ポリマー電解質と比較してイオン伝導度が高いためである。また、有機ポリマー電解質と比較して、耐熱性に優れるためである。例えば、LiPO等の酸化物固体電解質やLiS−P等の硫化物固体電解質が挙げられる。特に、LiS−Pを含む硫化物固体電解質が好ましく、LiS−Pを50モル%以上含む硫化物固体電解質がより好ましい。導電助剤としてはアセチレンブラックやケッチェンブラック等の炭素材料やニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料を用いることができる。バインダーはブタジエンゴム(BR)、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等の種々のバインダーを用いることができる。正極合剤層2における各成分の含有量は従来と同様とすればよい。正極合剤層2の形状はシート状であればよい。正極合剤層2の厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。
【0038】
1.1.3.固体電解質層5
固体電解質層5は、固体電解質と任意にバインダーとを含む。固体電解質は上述した無機固体電解質が好ましい。バインダーは正極合剤層2に用いられるバインダーと同様のものを適宜選択して用いることができる。固体電解質層5における各成分の含有量は従来と同様とすればよい。固体電解質層5の形状はシート状とすればよい。固体電解質層5の厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。
【0039】
1.1.4.負極合剤層3
負極合剤層3は、全固体電池の負極合剤層として公知のものをいずれも採用可能である。図2においては、負極合剤層3は集電体層1の他面側に積層される。
【0040】
負極合剤層3は、少なくとも負極活物質を含み、さらに任意に固体電解質、バインダー及び導電助剤を含む。負極活物質は公知の活物質を用いればよい。公知の活物質のうち、所定のイオンを吸蔵放出する電位(充放電電位)の異なる2つの物質を選択し、貴な電位を示す物質を上述の正極活物質とし、卑な電位を示す物質を負極活物質として、それぞれ用いることができる。例えば、全固体リチウムイオン電池を構成する場合は、負極活物質としてグラファイト等の炭素材料や、各種酸化物、或いは、金属リチウムやリチウム合金を用いることができる。固体電解質、バインダー及び導電助剤は正極合剤層2に用いられるものと同様のものを適宜選択して用いることができる。負極合剤層3における各成分の含有量は従来と同様とすればよい。負極合剤層3の形状はシート状とすればよい。負極合剤層3の厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。ただし、負極の容量が正極の容量よりも大きくなるように、負極合剤層3の厚みを決定することが好ましい。
【0041】
1.1.4.積層電池6
図2(B)に示すように、積層電池6は、上述した集電体層1、正極合剤層2、固体電解質層5及び負極合剤層3がそれぞれ複数積層されてなる。具体的には、集電体層1、正極合剤層2、固体電解質層5及び負極合剤層3をこの順に繰り返し積層することによって、電池素子が複数積層されたような状態となる。ここで、積層電池6においては、図2、3に示すように、集電体層1、正極合剤層2、固体電解質層5及び負極合剤層3のうちの少なくとも1層が他の層よりも延出されて延出層となっており、積層電池6の側面において延出層が複数延出した状態となる。
【0042】
積層電池6において延出層とする層は特に限定されるものではない。特に、集電体1を延出層として、他の層よりも外方に延出させることが好ましい。或いは、固体電解質層3を延出層として、他の層よりも外方に延出させることが好ましい。また、正極合剤層2は他の層よりも内方に入り込ませることが好ましい。
【0043】
図3(A)に示すように、積層電池6においては、集電体1のうち最外側に存在するものが積層方向両端面を構成している。また、積層電池6においては、各層の外縁の重ね合わせによって側面が構成される。上述の通り、積層電池6の側面においては延出層が複数延出しており、隙間Xが複数形成される。隙間Xの形態については、上述した延出層の延出長や上述した各層の厚みによって決定されるものである。積層電池6の側面において、隙間の具体的な幅(延出層の間隔)や深さ(延出層の延出長さ)については、例えば、一の延出層と他の延出層との間の最小隙間幅(図3(B)の長さX1)が、下限が好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上であり、上限が好ましくは1mm以下、より好ましくは100μm以下である。また、積層電池6において、延出層の最大延出長さ(図3(B)の長さY1)は、下限が好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上であり、上限が好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。尚、図3(B)に示すように、積層電池6の側面に構成される隙間が多段構造となっていてもよい。
【0044】
1.2.第2工程(S2)
S2は、積層電池6の側面にのみ液状の樹脂7’を供給する工程である。図4に示すように、S2においては、積層電池6の側面にのみ液状の樹脂7’を供給する(図4(A)、(B))ことで、一の延出層と他の延出層との間の隙間Xに液状の樹脂7’を入り込ませる(図4(C))。
【0045】
1.2.1.液状の樹脂7’
液状の樹脂7’の種類は特に限定されるものではない。熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等、種々の樹脂を採用できる。特に熱硬化性樹脂が好ましい。積層電池6に液状の樹脂7’を供給する際の、当該液状の樹脂7’の粘度は25℃において3000mPa・s以上3500mPa・s以下であることが好ましい。このような粘度の液状の樹脂7’によれば、毛細管現象によって、上述した積層電池6の側面の隙間の内部へと、液状の樹脂7’をより容易に入り込ませることができる。液状の樹脂7’の具体例としては、半導体製造分野におけるアンダーフィル用樹脂と同様のものを用いることが好ましい。すなわち、エポキシ系樹脂等を用いることができる。或いはアミン系樹脂等を用いることもできる。
【0046】
S2における液状の樹脂7’の供給速度や供給量は、積層電池6の側面の隙間の形態によって適宜調整すればよく、積層電池6の側面を十分に封止可能な量を供給すればよい。S2では、積層電池6の積層方向両端面(集電体層1の表面)についてはその大部分を液状の樹脂7’で被覆することなく露出させたままで、積層電池6の側面に対して液状の樹脂7’が供給される。このようにすることで、積層電池6の側面の隙間に樹脂を効率的に入り込ませることができるとともに、積層方向における電池体積の増加を抑制することができる。
【0047】
1.3.第3工程(S3)
S3は、液状の樹脂7’を硬化させる工程である。図5に示すように、積層電池6の側面において液状の樹脂7’が徐々に硬化し(図5(A))、積層電池6の側面に硬化樹脂層7が設けられ、全固体電池10となる(図5(B))。
【0048】
液状の樹脂7’を硬化させる方法は、樹脂の種類毎で異なる。例えば、液状の樹脂7’として熱硬化性樹脂を用いた場合は、S2の後、積層電池6の少なくとも側面側を加熱することによって、液状の樹脂7’を硬化させることが可能である。また、紫外線硬化性樹脂を用いた場合は、S2の後、積層電池6の少なくとも側面側に紫外線を照射することによって、液状の樹脂7’を硬化させることが可能である。また、熱可塑性樹脂を用いた場合は、S2の後、積層電池6の少なくとも側面側を冷却する(自然冷却を含む)ことによって、液状の樹脂7’を硬化させることが可能である。
【0049】
尚、S2やS3は、低露点下で行うことが好ましい。具体的には、好ましくは露点−30℃以下の低露点下、より好ましくは露点−50℃以下の低露点下でS2、S3を行う。尚、後述するように雰囲気圧力を制御したり、雰囲気をドライエアー雰囲気としたりすることによって低露点下でS2及びS3を行うことができる。
【0050】
1.4.その他の工程
以上の通り、本開示の製造方法S10においては、S1〜S3が必須で備えられる。ここで、S1〜S3は大気圧雰囲気下で行うことが可能であるが、雰囲気圧力を制御することによって、積層電池6の側面の隙間に液状の樹脂7’を一層効率的に入り込ませることができる。
【0051】
1.4.1.加圧工程
図6に示すように、S10は、S2の完了後且つS3の開始前に、S2における雰囲気圧力よりも、雰囲気圧力を高くする加圧工程を備えることが好ましい。これにより、積層電池6の側面において、液状の樹脂7’の隙間への入り込みを促進することができる。尚、後述するように、S1の完了後且つS2の開始前に減圧工程を行う場合、S2の完了後且つS3の開始前において、雰囲気圧力を大気圧に開放することで、S2における雰囲気圧力よりも、雰囲気圧力を高くすることができる。すなわち、S10において「加圧工程」とは、雰囲気圧力を必ずしも大気圧よりも大きくする必要はない。
【0052】
1.4.2.減圧工程
図6に示すように、S10は、S1の完了後且つS2の開始前に、S1における雰囲気圧力よりも、雰囲気圧力を低くする減圧工程を備えることが好ましい。これにより、液状の樹脂7’を供給する前に、積層電池6の側面の隙間中の空気等や積層電池6の内部に存在する水分等を除去することができ、積層電池6の側面に液状の樹脂7’を供給した際、樹脂が当該隙間に入り込み易くなり、ボイドの発生を防ぐことができる。減圧工程における減圧度については特に限定されるものではない。例えば、雰囲気圧力が好ましくは1000Pa以下、より好ましくは500Pa以下、さらに好ましくは130Pa以下となるまで、減圧を行う。
【0053】
以上のように、S10においては、雰囲気圧力を制御することによって、積層電池6の側面の隙間に液状の樹脂7’を一層効率的に入り込ませることができる。雰囲気圧力を制御する手段は特に限定されるものではない。例えば、積層電池6をチャンバ内に設置したうえで、チャンバ内を真空引きしたり、或いは、大気圧開放したりすることで、雰囲気圧力を所望の圧力に制御することができる。
【0054】
1.4.3.被覆工程
図7に示すように、S10は、S1の完了後且つS2の開始前に、積層電池6の積層方向両端面を被覆部材で被覆する工程を備えることが好ましい。被覆手段としては特に限定されるものではない。例えば、積層電池6を積層方向両端から挟み込むようにして保持するジグによって、積層電池6の積層方向両端面を被覆することができる。或いは、積層電池6の積層方向両端面にマスキングテープを貼り付けるような形態であってもよい。生産効率が高く、且つ、繰り返し使用可能である観点から、被覆部材としてジグを用いた形態が好ましい。
【0055】
S10において、S1の完了後且つS2の開始前に、このような被覆工程を備えることで、S2において、被覆部材によって積層電池6の積層方向両端面を液状の樹脂7’から保護することができる。すなわち、積層電池6の積層方向両端面に液状の樹脂7’が付着することを防止でき、積層方向における体積の増加を容易に抑制できる。
【0056】
尚、被覆工程は、ドライエアー環境下で行うことが好ましい。これにより、積層電池6が水分を吸収して劣化することを防ぐことができる。
【0057】
以上のように、S10では、S1〜S3以外の工程をさらに適宜追加することが可能である。S10においては、上記した加圧工程、減圧工程及び被覆工程のうち1つの工程のみが採用されてもよいし、2つ以上の工程が採用されてもよい。
【0058】
2.全固体電池の製造装置
図8に、製造方法S10を実施可能な全固体電池の製造装置100を概略的に示す。製造装置100は、積層方向両端面と側面とを有し、該側面において延出層が複数延出しているとともに、一の延出層と他の延出層との間に隙間を有する積層電池6に対して、積層電池6の側面にのみ液状の樹脂を供給した後、該液状の樹脂を硬化させることによって全固体電池を製造する装置である。図8に示すように、製造装置100は、積層電池6を収容するチャンバ101と、チャンバ101に収容された積層電池6の側面にのみ液状の樹脂7’を供給する樹脂供給手段102と、を備えている。
【0059】
2.1.チャンバ101
チャンバは、内部に積層電池6を収容可能なものであればよく、内部の圧力を制御できるように密閉可能なものが好ましい。チャンバ自体は公知のチャンバを採用できるため、ここでは説明を省略する。
【0060】
2.2.樹脂供給手段102
樹脂供給手段102は、チャンバ101に収容された積層電池6の側面にのみ液状の樹脂7’を供給する手段である。例えば、図8に示すように、チャンバー101の内部に積層電池6が設置された状態において、積層電池6の側面近傍となる箇所にディスペンスノズル102を設置し、これを樹脂供給手段として機能させることができる。具体的には、ディスペンスノズル102は、チャンバー101の外部に設けられた樹脂供給源103に接続されており、当該樹脂供給源103から配管を介してディスペンスノズル102へと供給された液状の樹脂7’が、ディスペンスノズル102の先端から吐出されることによって、積層電池6の側面にのみ液状の樹脂7’を供給することができる。
【0061】
樹脂供給手段102はチャンバ101内に一つだけ備えられていてもよいし、複数備えられていてもよい。また、樹脂供給手段102は、積層電池6の側面の周囲を移動可能とされることが好ましい。すなわち、製造装置100においては、チャンバ101内における樹脂供給手段102の設置箇所を自由に変更できるようにすることが好ましい。或いは、製造装置100においては、チャンバ101内部において積層電池6の側面近傍に樹脂供給手段102を固定したうえで、積層電池6を回転可能とする(積層電池6を固定するジグ105を回転可能とする)ことで、樹脂供給手段102が、積層電池6の側面の周囲を相対的に移動可能とされることも好ましい。
【0062】
2.3.その他の構成
以上の通り、製造装置100は、チャンバ101と樹脂供給手段102とを必須で備える。製造装置100は、これらに加えて、さらに以下の圧力制御手段を備えることが好ましい。すなわち、全固体電池の製造は大気圧雰囲気下で行うことが可能であるが、チャンバ101内の圧力を制御することによって、積層電池6の側面の隙間に液状の樹脂7’を一層効率的に入り込ませることができる。
【0063】
2.3.1.圧力制御手段104
すなわち、製造装置100は、チャンバ101内の圧力を制御する圧力制御手段104をさらに備えることが好ましい。圧力制御手段104によって、チャンバ101内の圧力は、例えば、以下の(1)及び/又は(2)のように制御される。尚、チャンバ101内の圧力(雰囲気圧力)を制御することの作用・効果については上述の加圧工程や減圧工程にて説明したとおりであり、ここでは説明を省略する。
(1)樹脂供給手段102から積層電池6の側面にのみ液状の樹脂7’が供給された後、且つ、液状の樹脂7’を硬化させる前において、チャンバ101内の圧力を高める(加圧する)。
(2)積層電池6をチャンバ101内に収容した後、且つ、樹脂供給手段102から積層電池6の側面にのみ液状の樹脂7’が供給される前において、チャンバ101内の圧力を低くする(減圧する)。
【0064】
2.3.2.冶具105
製造装置100は、積層電池6の積層方向端面を保護しながら積層電池6を保持する冶具105をさらに備えることが好ましい。冶具105は、チャンバ101内に固定されていてもよいし、チャンバ101内に着脱可能とされていてもよい。製造装置100が冶具105を備える場合、チャンバ101内において、治具105が積層電池6の積層方向端面を保護した状態で、樹脂供給手段102から積層電池6の側面にのみ液状の樹脂7’を供給することができ、電池の積層方向の体積増加を容易に防止することができる。
【0065】
製造装置100においては、治具105を搬送する搬送手段(不図示)をさらに備えることが好ましい。搬送手段は、チャンバ101外で冶具105が積層電池6を保持した後で、チャンバ101外からチャンバ101内へと積層電池6を冶具105ごと搬送する手段である。
【0066】
2.3.3.樹脂硬化手段106
製造装置100は、積層電池6の側面に供給された液状の樹脂7’の硬化を進行・促進する樹脂硬化手段106を備えることが好ましい。例えば、液状の樹脂7’が熱硬化性樹脂である場合、製造装置100は、樹脂硬化手段106として、積層電池6の少なくとも側面を加熱する加熱手段をさらに備えることが好ましい。一方、液状の樹脂7’が熱可塑性樹脂である場合、製造装置100は、樹脂硬化手段106として、積層電池6の少なくとも側面を冷却する冷却手段をさらに備えることが好ましい。或いは、液状の樹脂7’が紫外線硬化樹脂である場合は、樹脂硬化手段106として紫外線照射手段をさらに備えることが好ましい。
【0067】
以上のように、製造装置100は、チャンバ101及び樹脂供給手段102に加えて、上記のその他の構成を備えることが好ましい。製造装置100において、圧力制御手段104、治具105及び樹脂硬化手段106のうちの1つのみが追加で備えられてもよいし、2つ以上が追加で備えられてもよい。
【0068】
以上のような製造装置100は、例えば、以下のように動作させることで、エネルギー密度が向上した全固体電池を製造することができる。尚、以下の説明では、チャンバを1つのみ利用する形態について説明するが、チャンバを複数利用して、各工程を別々のチャンバ内で行ってもよい。ただし、より簡便な構成とする観点から、チャンバは一つのみが好ましい。
(1)ドライエアー環境下で、積層電池6の積層方向両端面を冶具105で挟み込む。
(2)冶具105を搬送手段に設置し、搬送手段を稼動させて積層電池6を冶具105ごとチャンバ101内に収容する。
(3)圧力制御手段によってチャンバ101内を減圧する。これにより、積層電池6から空気や水分が除去される。
(4)減圧雰囲気下、積層電池6の側面に対して、樹脂供給手段102から液状の樹脂7’を吐出させ、毛細管現象により積層電池6の側面の隙間へ液状の樹脂7’を入り込ませる。ここで、積層電池6の積層方向端面は治具105によって保護されており、液状の樹脂7’が付着することはない。
(5)チャンバ101を開放し、ドライエアーをチャンバ101内に導入する。このとき、差圧によって、積層電池6の側面の隙間に液状の樹脂7’をさらに押し込む。
(6)チャンバ101から冶具105を取り外し、装置内にある樹脂硬化手段105内に、積層電池6を冶具105ごと設置し、樹脂硬化手段105を稼動させて液状の樹脂7’を硬化させて硬化樹脂層7とする。
【0069】
3.全固体電池
上記では全固体電池の製造方法に関して説明した。以下、図9を参照しつつ全固体電池そのものについて説明する。図9において、既に説明した部材と同様の部材については同一符号を付し、説明を省略する。図9に示すように、全固体電池10は、集電体層1、正極合剤層2、固体電解質層5及び負極合剤層3がそれぞれ複数積層されてなる積層電池6と、積層電池6の積層方向両端面を構成する最外側集電体1a、1bと、積層電池6の側面のみを被覆する樹脂7と、を備え、集電体層1、正極合剤層2、固体電解質層5及び負極合剤層3のうちの少なくとも1層が他の層よりも外方に延出されて延出層とされ、積層電池6の側面において延出層が複数延出しており、一の延出層と他の延出層との間の隙間に樹脂7が入り込んでおり、最外側集電体1a、1bと樹脂7とによって、最外側集電体1a、1bを除く積層電池6を封止するための電池ケース8が構成されるとともに、最外側集電体1a、1bが電池端子とされている。
【0070】
このように、全固体電池10においては、積層電池6の積層方向端面において最外側集電体1a、1bが露出した状態にあり、樹脂封止による積層方向への体積の増加が抑制されている。また、最外側集電体層1a、1bと樹脂7とによって電池ケース8が構成されることから(図9(C))、全固体電池10を別途ラミネートパック等に封止する必要がなく、さらに、最外側集電体層1a、1bが電池端子としても機能することから、別途端子を設ける必要がない。この点でも、一層の省スペース化が可能である。このように、全固体電池10は、複数の観点から体積の増加が抑制されており、エネルギー密度が大きく向上する。
【0071】
尚、既に説明したように、集電体層1、正極合材層2及び負極合材層3がバイポーラ電極層を構成しない場合、積層電池6を構成する複数の正極集電体層同士、及び、複数の負極集電体層同士をリード等で接続する必要がある。この場合、当該リード端部を最外側集電体層によって構成することで、最外側集電体層から電気を取り出すことができる。
ただし、エネルギー密度を一層向上させる観点から、図9に示すように、全固体電池10においては、集電体層1、正極合剤層2及び負極合剤層3が、バイポーラ電極層4を構成していることが好ましい。
【0072】
4.上記製造方法や製造装置に用いられる治具の好ましい形態について
本発明者らの新たな知見では、上記第2工程S2において、積層電池6の側面にのみ液状の樹脂7’を供給する場合において、積層電池6を所定のテーパー側面を有する治具を用いることで、積層電池6の側面のみに効率的に樹脂7’を供給することができる。
【0073】
図10に所定のテーパー側面を有する治具50の断面を概略的に示す。図10に示すように、治具50は、積層電池6の積層方向一端面を被覆する下側底面50aと、積層電池6の積層方向他端面を被覆する上側被覆部材50bと、上側被覆部材50bから下側底面50aに向かって先細りとなっている側面50cとを有する。治具50は、全体として剛性や耐熱性等を有するものであればよい。例えば、治具50は、ステンレス鋼等の金属材料により構成されることが好ましい。
【0074】
図10に示すように、治具50は、下側側面50aと側面50cとが一体に構成されていることが好ましい。言い換えれば、図10に示すように、掘り込み式のステージ50dの凹部の底面が上記下側底面50aを構成し、当該凹部の側壁が上記側面50cを構成することが好ましい。一方、ステージ50dと上側被覆部材50bとは別体に構成されていることが好ましい。この場合、ステージ50dと上側被覆部材50bとは、固定部材50eを介して、連結可能とされていることが好ましい。このように、構成することで、積層電池6を凹部内に設置した後で、上側被覆部材50bと下側底面50aとによって積層電池6の積層方向両端面を押え付けることができ、積層電池6の各層間の隙間が安定し、積層電池6の端部の反り等を防止することができる。また、上側被覆部材50bと下側底面50aとによって積層電池6の積層方向両端面を押え付けることで、積層電池6の積層方向両端面への樹脂7’の回り込みを容易に防止することもできる。
【0075】
図10に示すように、治具50は、上側被覆部材50bに供給口50fが設けられており、当該供給口50fを介して、治具内の空間に樹脂7’を供給可能とされている。供給口50fは、上側被覆部材50bの被覆面のうち、積層電池6の積層方向端面とは接触しない部分に設けられている(図11参照)。このようにすることで、積層電池6の側面のみに樹脂7’を供給することが容易となる。
【0076】
図10に示すように、側面50cは、上側被覆部材50bから下側底面50aに向かって先細りとなっており、言い換えれば、テーパー角度αを有して傾斜している。ここで、テーパー角度αは、0°超であればよい。好ましくは10°以上である。上限は90°未満であればよい。好ましくは50°以下である。テーパー角度αは、より好ましくは20°以上40°以下であり、特に好ましくは30°である。側面50cにテーパーを設けない場合、樹脂7’が積層電池の下段から中段にかけて集中してしまう虞があり、最上段の層に樹脂を効率的に注入させることができない虞がある。側面50cにテーパーを設けることで、このような事態を防止できる。また、側面50cにテーパーを設けることで、治具50から全固体電池10を傷付けることなく取り出す易くなるという効果もある。
【0077】
ここで、治具50の表面のうち、積層電池6や液状の樹脂7’と接触する表面は、フッ素樹脂で被覆されていることが好ましい。これにより、全固体電池10を治具50から取り出す際、樹脂7が治具50に固着して全固体電池10から剥離してしまうことを防止できる。また、フッ素樹脂は絶縁体であるため、積層電池6の端子等が接触した場合でも、電池のショートを防止することができる。
【0078】
上記の製造方法S10においては、このような治具50の空間内に積層電池6を設置して、上記の第2工程S2を行うことが好ましい。すなわち、製造方法S10においては、積層電池6を治具によって保持しながら第2工程S2を行い、治具として、積層電池6の積層方向一端面を被覆する下側底面50aと、積層電池6の積層方向他端面を被覆する上側被覆部材50bと、上側被覆部材50bから下側底面50aに向かって先細りとなっている側面50cとを有する治具50を用いることが好ましい。
【0079】
具体的には、図11(A)に示すように、積層電池6を治具50の下側底面50aに載置して、上側被覆部材50bと下側底面50aとによって積層電池6の積層方向両端面を押え付けながら保持する。続いて、図11(B)に示すように、上側被覆部材50bの供給口50fから治具50内の空間に液状の樹脂7’を供給する。これにより、図11(C)に示すように、積層電池6の側面のみに樹脂7’効率的に供給することができる。ここで、治具50の側面50cは所定のテーパー角度αを有しており、樹脂7’が積層電池6の側面に近付くように流れ込む。すなわち、積層電池6の側面に樹脂7’を多く供給することができるとともに、積層電池6の側面に供給された樹脂7’の流出を抑えることもでき、積層電池6の一の延出層と他の延出層との間の隙間Xに液状の樹脂7’を効率的に入り込ませることができる。
【0080】
尚、製造方法S10では、積層電池6を治具50に保持したまま、液状の樹脂を硬化させる第3工程S3を実施可能である。例えば、液状の樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合、積層電池6を治具50ごと加熱装置内で加熱することで、熱硬化性樹脂を硬化させることができる。
【実施例】
【0081】
<全固体電池の製造>
(実施例)
キャピラリーアンダーフィル工法を応用することで積層電池の隙間に樹脂を導入し、樹脂封止を行った。
具体的には、バイポーラ型積層電池(73mm×73mm、積層高さ2.88mm、側面における延出層の延出長さ2mm、一の延出層と他の延出層との隙間幅0.2mm)を準備し、当該積層電池の積層方向端面を冶具(150mm×150mm、全固体電池接触部にフッ素系プレートを組み込んだSUS製冶具)にて挟み込んだ。当該冶具を、図8に示すような装置のチャンバ内にセットした。チャンバ内を130Paにまで減圧した。減圧したチャンバ内で、ディスペンスノズルから、液状の樹脂(ナミックス社製 SUF1575-9)を7000PPSの供給速度にて、1115mgの塗布量となるように、積層電池の側面にのみ供給した。樹脂の塗布完了から60秒後、チャンバのドアを開放し、ドライエアーをチャンバー内に導入した。その後、チャンバから冶具を取り外し、オーブンにて80℃、150分間加熱することで、液状の樹脂を硬化させた。
【0082】
(参考例)
射出成形を応用することで積層電池の隙間に樹脂を導入し、樹脂封止を行った。具体的には、上記と同様のバイポーラ型積層電池の側面に対して、樹脂を射出することによって樹脂封止を行った。
【0083】
<全固体電池の評価>
図12に示すように、実施例に係る全固体電池は、積層電池の側面の隙間の奥にまで樹脂を注入することができていた。また、ボイドが抑制されており、電池の短絡もなく、最外側集電体を介して適切に充電及び放電を行うことができた。さらに、最外側集電体と樹脂とによって、積層電池を適切に封止することができ、且つ、十分な強度が確保できており、最外側集電体を電池端子として機能させることで、別途、ラミネートパック等の電池ケースに収納せずとも、そのまま電池として使用可能であった。
【0084】
参考例のようにして得られた全固体電池の側面を観察したところ、図13のように、上記の隙間に樹脂が不均一に充填され、積層構造が大きく崩れるとともに、樹脂中にボイドが多量に発生していた。また、積層電池の側面だけでなく積層方向両端面にまで樹脂が侵出していた。射出成形法では、狭い隙間を保ったままの樹脂注入が困難であることが分かった。
【0085】
<治具の検討>
図10、11に示すような、側面にテーパー角度αを有する治具を用いて積層電池を保持しつつ、上記の実施例と同様の方法で積層電池の側面のみに樹脂を注入して全固体電池を製造した。テーパー角度αを種々変更させ、電池の封止状態と電池の外観状態とを目視にて観察した。結果を下記表1に示す。
【0086】
尚、下記表1において、テーパー角度0°の場合と比較して状態が極めて良好なものを「◎」、状態が良好なものを「○」、状態が同等であるものを「△」として評価した。
【0087】
【表1】
【0088】
表1に示すように、治具の側面にテーパー角度αを設けることで、全固体電池の封止状態がより良好なものとなった。仕上がりの外観も考慮すると、好ましいテーパー角度αは10°以上50°以下であり、最も好ましいテーパー角度αは、20°以上40°以下であった。
【0089】
尚、本発明者らの知見では、参考例のように射出成形法によって全固体電池を製造する場合は、平置きする積層電池に対して樹脂を治具内に射出するため、治具の側面にテーパーが設けられていたとしても、積層電池の側面の各層間に樹脂を均一に注入することはできない。すなわち、射出成形法においては、樹脂を治具内に射出する際、シリンダーなどで一度に樹脂を流し込んでしまうことから、積層電池の各層間に大きな圧力がかかり、治具の側面のテーパーの有無に関わらず、積層電池の層間に樹脂を均一に注入することができない。
【0090】
一方、モールド法によって全固体電池を製造する場合は、モールド法ではスキージを使って樹脂を押し込むような動作を必要とすることから、積層電池に注入される樹脂の量が多く、治具の側面にテーパーが設けられていたとしても、積層電池の側面の各層間に樹脂を均一に注入することはできない。すなわち、モールド法においては、マスクを掛けて積層電池上部から樹脂をスキージで押し込むように流し込むため、積層電池に挿入される樹脂量よりも過剰に樹脂が供給されてしまい、治具の側面のテーパーの有無に関わらず、積層電池の層間に樹脂を均一に注入することができない。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本開示の製造方法により製造される全固体電池は、エネルギー密度が高く、例えば車両搭載用の大型電源として利用可能である。
【0092】
尚、従来において、本技術分野における当業者は、積層電池を樹脂封止する際、積層電池の側面のみに樹脂を供給することについて、想定していなかった。特許文献1、2や上述の参考例で示される通り、従来の方法(ディッピング法、注型法、インサート成形法等)では、積層電池を適切に樹脂封止するためには、積層電池全面に多量の樹脂を供給する必要があると考えられていたためである。また、従来において、当業者は、全固体電池をラミネートパックに収容せずにそのまま使用することについても、想定していなかった。 これに対して、本願は、当業者がまったく想定していなかったキャピラリーアンダーフィル工法を応用した全固体電池を製造方法を開示するものである。上述の通り、本願では、積層電池の側面のみに少量の樹脂を供給するだけで、積層電池を適切に樹脂封止できることを開示するとともに、樹脂と集電体とによって電池ケースを構成した新しい形態の全固体電池を開示した。
【符号の説明】
【0093】
1 集電体層
2 正極合剤層
3 負極合剤層
4 バイポーラ電極層
5 固体電解質層
6 積層電池
7’ 液状の樹脂
7 硬化樹脂
10 全固体電池
50 治具
50a 下側底面
50b 上側被覆部材
50c 側面
100 全固体電池の製造装置
101 チャンバ
102 樹脂供給手段(ディスペンスノズル)
103 樹脂供給源
104 圧力制御手段
105 ジグ(被覆部材)
106 樹脂硬化手段(加熱手段、冷却手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13