特許第6445666号(P6445666)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イリソ電子工業株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6445666-電子部品及び電子部品の製造方法 図000002
  • 特許6445666-電子部品及び電子部品の製造方法 図000003
  • 特許6445666-電子部品及び電子部品の製造方法 図000004
  • 特許6445666-電子部品及び電子部品の製造方法 図000005
  • 特許6445666-電子部品及び電子部品の製造方法 図000006
  • 特許6445666-電子部品及び電子部品の製造方法 図000007
  • 特許6445666-電子部品及び電子部品の製造方法 図000008
  • 特許6445666-電子部品及び電子部品の製造方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6445666
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】電子部品及び電子部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/405 20060101AFI20181217BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20181217BHJP
   H01R 43/24 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   H01R13/405
   H01R13/52 301F
   H01R43/24
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-232459(P2017-232459)
(22)【出願日】2017年12月4日
【審査請求日】2017年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】390012977
【氏名又は名称】イリソ電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】坂上 淳哉
(72)【発明者】
【氏名】山内 なつみ
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−338780(JP,A)
【文献】 特開2010−161041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/405
H01R 13/52
H01R 43/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続部と、第2の接続部と、前記第1の接続部と前記第2の接続部とを隔てる隔壁とを有するハウジングと、
前記第1の接続部に配置する第1の接触部と、前記第2の接続部に配置する第2の接触部と、前記第1の接触部と前記第2の接触部とを繋ぎ前記隔壁に配置する中継部とを有する複数の端子とを備える電子部品において、
前記ハウジングは、前記端子を含む一体の成形体として形成されており、
前記端子は、第1の端子と、第2の端子とを有し、
前記第1の端子は、前記中継部に、前記第1の接触部と前記第2の接触部との位置関係の変化を抑制する被保持部として成形用治具を挿通する第1の挿通孔を有し、
前記第2の端子は、前記第1の挿通孔に挿通される前記成形用治具を受け止める第1の受け部を有することを特徴とする電子部品。
【請求項2】
前記第1の端子は、
前記第1の挿通孔とは異なる第2の挿通孔と、
前記第2の挿通孔に挿通される前記成形用治具を受け止める第2の受け部とを有する
請求項1記載の電子部品。
【請求項3】
前記第1の受け部は、前記第1の挿通孔よりも小さな開口面積で形成された第3の挿通孔の縁部によって構成される
請求項1記載の電子部品。
【請求項4】
前記被保持部は、前記挿通孔の外側に突出する拡幅部を有する
請求項1〜請求項3いずれか1項記載の電子部品。
【請求項5】
前記ハウジングは、一端が前記第1の接触部に向けて開口し、他端が前記被保持部に向けて開口する貫通孔に防水材が充填されたシール部を有する
請求項1〜請求項4いずれか1項記載の電子部品。
【請求項6】
前記第1の接続部は、前記貫通孔の前記他端に通じる凹部を有しており、
前記シール部は、前記貫通孔に前記防水材が充填された孔充填部と、前記凹部に前記防水材が充填された凹部充填部とを有する
請求項5記載の電子部品。
【請求項7】
第1の接続部と、第2の接続部と、前記第1の接続部と前記第2の接続部とを隔てる隔壁とを有するハウジングと、
前記第1の接続部に配置する第1の接触部と、前記第2の接続部に配置する第2の接触部と、前記第1の接触部と前記第2の接触部とを繋ぎ前記隔壁に配置する中継部とを有する複数の端子とを備える電子部品の製造方法において、
前記ハウジングを成形する金型のキャビティに前記端子を構成する第1の端子及び第2の端子を設置し、成形用治具を前記第1の端子の前記中継部に設けた被保持部である第1の挿通孔に挿通するとともに、前記第2の端子に設けた第1の受け部に当接させることにより前記中継部を前記キャビティの所定位置に固定した後、前記キャビティに樹脂材料を射出して前記端子を含む一体の成形体として前記ハウジングを成形することを特徴とする電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子部品及び電子部品の製造方法に関し、特に撮像装置等に用いられる電子部品及び電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用カメラや監視カメラ等の撮像装置のように、ハウジングに回路基板を内蔵した小型の電子部品が広く利用されている。電子部品は、例えばハウジングの内部に収容されている回路基板に接続される内側端子部と、外部機器に接続される外側端子部と、内側端子部と外側端子部と繋ぐとともにハウジングに埋設された中継部とを有する端子を備えている(一例として特許文献1:特開2005−347243号公報参照)。
【0003】
このような電子部品に備える端子としては、前記特許文献のように内側端子部と中継部と外側端子部とが1本の直線形状をなしているピン端子とする場合もある。しかしながら、内側端子部と接続する回路基板に実装したコネクタの配置と、外側端子部と接続する外部機器の配置とに応じて、内側端子部と外側端子部とが一軸上に配置されずに、相互に位置をずらして配置することがある。この場合には中継部をクランク状に曲がる屈曲形状とすることで、そのような配置に対応することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−347243号公報、段落0081、0085、図3図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような屈曲形状の端子が用いられると、ハウジングと一体成形する際に、金型のキャビティに設置した端子が、型締時や溶融樹脂のキャビティへの流入時に位置ずれすることで、端子が破損したり、ハウジングに本来設置すべき正規の配置からずれて端子がハウジングと一体成形されてしまうことがある。
【0006】
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。本発明の目的は、端子をハウジングと一体成形する際の端子の位置ずれを防ぐことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく本発明は、以下の特徴を有するものとして構成される。
【0008】
すなわち、本発明は、第1の接続部と、第2の接続部と、前記第1の接続部と前記第2の接続部とを隔てる隔壁とを有するハウジングと、前記第1の接続部に配置する第1の接触部と、前記第2の接続部に配置する第2の接触部と、前記第1の接触部と前記第2の接触部とを繋ぎ前記隔壁に配置する中継部とを有する端子とを備える電子部品について、前記ハウジングは、前記端子を含む一体の成形体として形成されており、前記中継部は、成形用治具によって保持され、前記第1の接触部と前記第2の接触部との位置関係の変化を抑制する被保持部を有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、端子の中継部に、成形用治具によって保持可能な被保持部が設けられている。このため、ハウジングの成形時に成形用治具により被保持部が保持されることで、端子の第1の接触部と第2の接触部とを適切な位置関係に保ったまま端子を含む一体の成形体としてハウジングを成形することができる。そして、成形用治具により被保持部が保持されており、端子が位置ずれしないので、ハウジングと端子とを一体成形する際に、端子が不用意に動いて破損してしまうことを防ぐことができる。
【0010】
前記被保持部は、前記成形用治具を挿通する挿通孔として構成できる。
【0011】
本発明によれば、簡易に形成可能な挿通孔によって被保持部を構成することができる。挿通孔は、中継部に打抜きにより挿通孔を形成するだけで良いので、例えばつまみ部のような成形用治具によって把持するための専用部分を別途形成する必要がなく、設計及び製造がより容易である。また、本発明によれば、挿通孔に成形用治具を挿通するという簡易な方法で端子の第1の接触部と第2の接触部との位置関係を適切に保つことができる。しかも、挿通孔と成形用治具との組合せでは、成形用治具の挿抜方向以外における端子の動きを容易かつ確実に止めることができる。このため、ハウジングと端子とを一体成形する際に、端子が不用意に動いて破損してしまうことをより確実に防ぐことができる。
【0012】
前記被保持部は前記挿通孔の外側に突出する拡幅部を有するように構成できる。
【0013】
挿通孔が形成されると、その周囲において応力集中が生じやすくなるとともに、端子を構成する金属材が欠如する挿通孔の周囲では構造強度が低下してしまう。しかしながら、本発明によれば、被保持部が挿通孔の外側に拡幅部を有するので、挿通孔の周囲を拡幅部によって補強することができる。よって、挿通孔を設けたことに起因する端子の強度低下を相殺することができる。また、挿通孔が形成されると、挿通孔を含む端子部分の導通断面積が小さくなるため、断面積の影響を受ける許容電流値も小さくなってしまう。しかしながら、本発明によれば、被保持部が挿通孔の外側に拡幅部を有するので、導通断面積を確保し、許容電流値を高く設定することができる。以上のことから、本発明によれば、電子部品の適用範囲を広げることができる。
【0014】
前記ハウジングは、一端が前記第1の接触部に向けて開口し、他端が前記被保持部に向けて開口する貫通孔に防水材が充填されたシール部を有するように構成できる。
【0015】
ハウジングの成形時に、金型及び成形用治具と接触する端子部分と、金型及び成形用治具と非接触の端子部分との境界は、成形後に、端子とハウジングとの境界となって露出する。端子とハウジングとの境界に微細な隙間が生じていると水気の多い場所で電子部品を用いた場合に毛細管現象によってこの境界から水分が浸入してしまう可能性がある。しかしながら、本発明によれば、ハウジングが貫通孔に防水材が充填されたシール部を有するので、成形時に成形用治具によって形成された貫通孔において端子とハウジングとの境界から水分が浸入することを防止することができる。
【0016】
前記第1の接続部は、前記貫通孔の前記他端に通じる凹部を有しており、前記シール部は、前記貫通孔に前記防水材が充填された孔充填部と、前記凹部に前記防水材が充填された凹部充填部とを有するように構成できる。
【0017】
本発明によれば、シール部が貫通孔を充填する孔充填部のみならず、凹部充填部が貫通孔に連通する凹部自体を防水するので、シール部の厚みによって、凹部に配置されている端子部分及び端子とハウジングとの境界部分を外部に対して遮断することができる。よって、端子とハウジングとの境界から水分が浸入することをより確実に防止することができる。
【0018】
また、前記目的を達成する他の本発明は、第1の接続部と、第2の接続部と、前記第1の接続部と前記第2の接続部とを隔てる隔壁とを有するハウジングと、前記第1の接続部に配置する第1の接触部と、前記第2の接続部に配置する第2の接触部と、前記第1の接触部と前記第2の接触部とを繋ぎ前記隔壁に配置する中継部とを有する端子とを備える電子部品の製造方法について、前記ハウジングを成形する金型のキャビティに前記端子を設置し、成形用治具により前記中継部に設けた被保持部を前記キャビティの所定位置に固定した後、前記キャビティに樹脂材料を射出して前記端子を含む一体の成形体として前記ハウジングを成形することを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、端子の中継部に設けられている被保持部を成形用治具によってキャビティの所定位置に固定するので、端子の第1の接触部と第2の接触部とを適切な位置関係に保ったままハウジングと端子とを一体成形することができる。特に、端子が中継部を有することがもとで金型内への取付け等の際に変化しやすくなってしまう第1の接触部と第2の接触部との位置関係は、被保持部が成形用治具に保持されることによって適切に保たれる。このため、キャビティに端子を固定した後に、金型を閉じたり、樹脂材料を射出したりしてハウジングと端子とを一体成形する際に、端子が不用意に動いて破損してしまうことを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、端子をハウジングと一体成形する際の端子の不要な位置ずれを防止できるため、端子が適切に一体成形されたハウジングを有する高品質の電子部品を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態による電子部品の平面図。
図2図1の電子部品の正面、右側面、底面を含む外観斜視図。
図3】端子の正面、左側面、平面を含む外観斜視図。
図4図1のIV−IV線断面図。
図5】実施形態の変形例による端子の正面、右側面、平面を含む外観斜視図。
図6】実施形態の変形例による電子部品の正面、右側面、底面を含む外観斜視図。
図7図6のVII−VII線断面図。
図8】ハウジングの製造方法の概略を示す断面図であって、分図(A)はハウジングを成形する金型のキャビティに端子を設置する説明図、分図(B)は中継部に設けた被保持部に対して成形用治具を取り付ける前の説明図、分図(C)は中継部に設けた被保持部に対して成形用治具を取り付けた状態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の「電子部品」の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本発明の「電子部品」をカメラモジュールに備えるハウジング1に適用した例について説明する。しかしながら、本発明の「電子部品」は、カメラモジュール用のハウジング1に限定するものではない。
【0023】
本明細書、特許請求の範囲に記載されている「第1」、「第2」という用語は、発明の異なる構成要素を区別するために用いるものであり、特定の順序や優劣を示すために用いるものではない。また本明細書、特許請求の範囲では、便宜上、図1等に示されるように、ハウジング1の長手方向(幅方向、左右方向)をX方向、短手方向(手前−奥行き方向、前後方向)をY方向、高さ方向(上下方向)をZ方向として説明する。そして、カメラモジュールに接続される外部機器の側を上側とし、カメラモジュールの内部に収容される回路基板等の側を下側として説明する。しかしながら、それらはカメラモジュール及びハウジング1の使用方法等を限定するものではない。
【0024】
カメラモジュール
【0025】
カメラモジュールは、例えば自動車等に搭載される車載用カメラの構成部品である。カメラモジュールは、ハウジング1と、図示せぬ撮像部品ケースと、図示せぬハーネス部品とを備えている。このうち撮像部品ケースは、レンズユニット等の光学部品と、撮像部品とを備え、底壁を有する箱状に構成されている。撮像部品ケースは、図1等で示すハウジング1において後述する内側接触部20を配置する側に固定される。また、ハーネス部品は、ハウジング1と図示せぬ外部機器とを接続する外部導体として機能するように構成されている。このハーネス部品は、ハウジング1における撮像部品ケースとは反対側、即ち後述する外部導体接続部11に嵌合接続される。
【0026】
ハウジング1
【0027】
ハウジング1は、絶縁性の硬質樹脂によって形成されており、撮像部品と外部機器との間を導通接続する端子2を含む一体の成形体である。ハウジング1は、図4等で示すように、正面視でX方向とZ方向とに伸長するL字状に形成されている。ハウジング1は、「第1の接続部」としての本体部10と、「第2の接続部」としての外部導体接続部11と、本体部10と外部導体接続部11とを隔てる隔壁12とを有している。
【0028】
本体部10は、図1で示すように、XY平面に伸長する四角平板状に形成されている。本体部10は、高さ方向における上側には上面10aを有し(図1及び図4参照)、下側には下面10bを有している(図2及び図4参照)。上面10aの中央には、高さ方向における下方に向かってくぼんだ凹部10cが形成されている(図1及び図4参照)。本体部10の下面10bには、外周側に対して内周側が高さ方向における下方に向かって突出する突出部10dが形成されている(図2及び図4参照)。
【0029】
外部導体接続部11は、上面10aの側から高さ方向における上方に向かって突出する有底筒状体として形成されている。外部導体接続部11の底面の中央には、高さ方向における下方に向かってくぼんだ凹部11aが形成されている(図1及び図4参照)。凹部11aには、シール部11bが形成されている(図4参照)。このシール部11bは、「防水材」としての防水性のポッティング剤が充填されることで形成されている。こうしたポッティング材は、疎水性ゲルやゴム状弾性体により構成することができる。シール部11bを外部導体接続部11の凹部11aを充填するように設けることで、外部導体接続部11に配置した端子2とハウジング1との境界を通じて水分が浸入することを防ぐようにしている。
【0030】
隔壁12は、本体部10の凹部10cと外部導体接続部11の凹部11aとの間において、カメラモジュールが組立てられた際の撮像部品ケースの側を閉塞するように設けられている(図1図2及び図4参照)。そして、隔壁12は、上述した突出部10dと一体化して形成されている。
【0031】
本体部10には、凹部10cの底面10eと突出部10dにおける下面10bとを繋ぐ貫通孔10fが形成されている(図4参照)。貫通孔10fは、一端が内側接触部20に向けて開口し、他端が「被保持部」に向けて開口するように構成される。そして、貫通孔10fの他端は、凹部10cに通じている。貫通孔10fは、後述する端子2A〜端子2Fの挿通孔26a、26b、26cを設けた各位置に対応して形成されている。即ち、それらの貫通孔10fは、ハウジング1の成形時に、端子2A〜2Fの配置を保持する後述する成形用治具63〜成形用治具65(図8参照)を挿通孔26a、26b、26cに挿通して成形することで形成された部位となっている。
【0032】
凹部10cの内側と各貫通孔10fの内側には、シール部13が形成されている。シール部13は、外部導体接続部11に設けたシール部11bと同様の防水性のポッティング剤が充填されることで形成されている。シール部13は、具体的には図4で示すように、凹部充填部13a、孔充填部13bを有する。なお、図1では、凹部10cに配置した拡幅部27A、27B、27Cを見て取れるように、シール部13を形成する前の平面図を示している。このようなシール部13を凹部10cの内側と各貫通孔10fの内側に充填することで、ハウジング1と端子2A〜2Fとの間の境界から水分が浸入することを防ぐようにしている。
【0033】
端子2A〜端子2F
【0034】
複数の端子2は、導電性金属片でなる電気伝導体であり、ハウジング1によって保持されている。各端子2は、本体部10に配置する「第1の接触部」としての内側接触部20と、外部導体接続部11に配置する「第2の接触部」としての外側接触部21と、内側接触部20と外側接触部21とを繋ぎ隔壁12に配置する中継部22とを有している。各端子2は、材料とする平板状の導電性金属片が細長い板状に打抜き加工された後に曲げ加工されることで単一の部品として形成されている。
【0035】
本実施形態においては、複数の端子2が、図3で示すように、6本の端子2A〜端子2Fで構成されている。6本の端子2A〜2Fは共通する構成を多く備えている。そのため、本明細書では、便宜上、6本の端子2A〜端子2Fを適宜まとめて端子2として説明する場合がある。そして、端子2に関する構成を個別に説明するときには英大文字「A」〜「F」を付して説明する。ここでの6本の端子2A〜2Fによる構成は例示であって、これは5本以下であっても7本以上であっても良い。
【0036】
本実施形態においては、端子2を形状によって2つの群に区分することができる。即ち、「第1の端子」としての端子2A〜端子2Cが1つの群をなし、「第2の端子」としての端子2D〜端子2Fが別の群をなしている。端子2A〜2Cの群及び端子2D〜2Fの群は、それぞれが正面視において重なるように配置されている。そして、端子2A及び端子2Cは、図4に示された端子2Bと同じ断面形状を有し、端子2D及び端子2Fは、図4に示された端子2Eと同じ断面形状を有している。
【0037】
更に、端子2A〜2Cの群は、端子2D〜2Fの群に対して、X方向において内側接触部20に近い側(図1及び図4における右側)並びにZ方向において上側にずれるように配置されている。そして、端子2A、端子2B及び端子2Cは、それぞれ端子2D、端子2E及び端子2Fに対して平面視において手前側(Z方向における上側)に重なるように配置されている。
【0038】
外側接触部21は、図3で示すように、接触部側基部24と中継部側基部25とを介して中継部22と連結されている。外側接触部21は、接触部側基部24の上端からZ方向における上側に角柱状に伸長している。接触部側基部24は、板厚がX方向で、板面がYZ平面の方向に伸長する平板状に形成されている。そして、ハウジング1が端子2を含む一体の成形体とされた状態での接触部側基部24は、略下半分が凹部11aに埋設され、略上半分が外部導体接続部11の内側空間に露出している。
【0039】
外側接触部21A〜外側接触部21Cの群は、外側接触部21D〜外側接触部21Fの群に対して、X方向における内側接触部20に近い側(図1及び図4における右側)に予め定められた距離だけずらして配置されている。この距離は、ハーネス部品に備える複数の端子の接点の間隔に対応している。
【0040】
中継部22は、一端が接触部側基部24と連結され、他端が内側接触部20と連結されている。そして、中継部22は、主に3つの部分によって構成され、正面視で、Z方向に対してX方向により長い逆Z字状に形成されている(図4等参照)。中継部22は、一端の側及び他端の側の部分においてはZ方向に伸長するようにして板厚がX方向に配置され、中間部分においてはX方向に伸長するようにして板厚がZ方向に配置されている。
【0041】
中継部22は、隔壁12に大部分が埋設されており、中継部22A〜中継部22Cの群が内側接触部20と連結される前記他端側において、中継部22D〜中継部22Fの群が接触部側基部24に連結される前記一端側において、それぞれハウジング1の外に露出している。しかしながら、中継部22は、全体が隔壁12に埋設されるように構成されていても構わない。
【0042】
内側接触部20A〜内側接触部20Cは、中継部22の前記他端から屈曲してX方向において外側接触部21に近づく側(図1及び図4における左側)に伸長している。他方、内側接触部20D〜内側接触部20Fは、中継部22の他端から屈曲してX方向において外側接触部21から遠ざかる側(図1及び図4における右側)に伸長している。そして、内側接触部20A〜20C及び内側接触部20D〜20FのZ方向における上方を中継部22A〜中継部22Cが伸長している。これら、内側接触部20A〜20C及び内側接触部20D〜20Fが中継部22の他端から伸長する方向は、ハウジング1の外に露出する形態であれば、他の組合せで構わない。
【0043】
中継部側基部25は、接触部側基部24のZ方向における下側に隣接している。中継部側基部25は、Y方向に伸長する角柱状に形成されている。中継部側基部25は、YZ平面においては接触部側基部24と面一に形成されており、Y方向においては接触部側基部24から両外側に突出している。
【0044】
中継部側基部25は、内側接触部20と外側接触部21とにおけるY方向に隣接する端子2の間隔を変更する機能を有している。すなわち、端子2A及び端子2Dについては、中継部側基部25(25A、25D)に対して、Y方向におけるより手前側に中継部22(22A、22D)が配置され、Y方向におけるより奥側に接触部側基部24(24A、24D)が配置されている。他方で、端子2C及び端子2Fについては中継部側基部25(25C、25F)に対して、Y方向におけるより奥側に中継部22(22C、22F)が配置され、Y方向におけるより手前側に接触部側基部24(24C、24F)が配置されている。これによって、内側接触部20よりも外側接触部21を広い間隔で配置することができる。これは、逆の配置とすることによって内側接触部20よりも外側接触部21を狭い間隔とすることもできる。
【0045】
なお、端子2B及び端子2EについてはY方向に関して、中継部22(22B、22E)と接触部側基部24(24B、24E)とが同軸上に配置されている。これらについても、Y方向にずれて配置されていても構わない。
【0046】
本実施形態のカメラモジュールは、中継部22が、後述する成形用治具63〜65によって保持され、内側接触部20と外側接触部21との位置関係の変化を抑制する「被保持部」を有することを特徴としている。本実施形態のカメラモジュールによれば、ハウジング1の成形時に成形用治具63〜65により「被保持部」が保持されることで、端子2の内側接触部20と外側接触部21とを適切な位置関係に保ったまま端子2を含む一体の成形体としてハウジング1を成形することができる。そして、成形用治具63〜65により「被保持部」が保持されており、端子2が位置ずれしないので、ハウジング1と端子2とを一体成形する際に、端子2が不用意に動いて破損してしまうことを防ぐことができる。
【0047】
「被保持部」は、ハウジング1を成形する後述する固定側金型60のキャビティ61(図8参照)に端子2を取り付ける際に、内側接触部20と外側接触部21との位置関係の変化が抑制されるように例えば成形用治具63〜65のような治具によって保持可能な構成であれば良い。したがって、「被保持部」は、例えば中継部22から側方に突出するつまみ部のような構成であっても良い。この場合において、つまみ部は、成形用治具63〜65や固定側金型60、後述する可動側金型62によって挟み込まれたり、切れ込みの形成された成形用治具63〜65に嵌合されたりすることでキャビティ61における所定の位置に固定され、端子2の位置ずれを防ぐことができる。
【0048】
本実施形態では、そのような「被保持部」を、図1図3及び図4で示すように、成形用治具63〜65を挿通する挿通孔26にて構成している。挿通孔26は、X方向に伸長する中継部22に対し、交差する方向、すなわち中継部22の板厚方向に貫通するように形成されている。挿通孔26の貫通方向は、中継部22の板厚方向には限らない。しかしながら、挿通孔26の貫通方向が中継部22の板厚方向の場合には、中継部22(端子2)に対する挿通孔26の金属加工(例えば打抜き加工)が容易であること、固定側金型60や成形用治具63〜65等の構造を簡易にできること、型締の方向と一致させることができてハウジング1を成形しやすいこと等の利点が多い。このため、挿通孔26は、中継部22の板厚方向に貫通するように形成されると良い。更に、挿通孔26は、中継部22の板幅方向(Y方向)における中心に形成されると、中継部22(端子2)に対する挿通孔26の加工が容易である点で良い。
【0049】
挿通孔26は、中継部22の他端側(内側接触部20との連結部側)に形成されている。端子2A〜2Cの群では、中継部22の他端の側から順に、「第2の挿通孔」としての挿通孔26a、「第1の挿通孔」としての挿通孔26b及び挿通孔26cの3つの挿通孔26がX方向に沿って等間隔の配置で形成されている。例えば端子2Aには、挿通孔26Aa、挿通孔26Ab及び挿通孔26Acが形成されている。他方で、端子2D〜2Fの群では単一の挿通孔26aが形成されている。例えば端子2Dには、挿通孔26Daが形成されている。
【0050】
挿通孔26Aa〜挿通孔26Caは、それぞれ内側接触部20A〜20CのZ方向における上方に形成されている。挿通孔26Ab〜挿通孔26Cbは、それぞれ内側接触部20D〜20FのZ方向における上方に形成されている。そして、挿通孔26Ac〜挿通孔26Ccは、それぞれ挿通孔26Da〜挿通孔26FaのZ方向における上方に形成されている。挿通孔26Ac〜26Ccは、それぞれ挿通孔26Da〜26Faと平面視で同心位置に形成されている。したがって、成形用治具65がZ方向に沿って動くと挿通孔26Ac〜26Cc及び挿通孔26Da〜26Faのそれぞれに挿通されるように構成されている。
【0051】
なお、内側接触部20D〜20Fが中継部22の前記他端から伸長する方向を、内側接触部20A〜20Cと同様に、外側接触部21に近づく側(図1及び図4における左側)に伸長する構成として、内側接触部20D〜20Fの中継部22に挿通孔26を形成する領域を、内側接触部20D〜20FのZ方向における上方に更に確保しても良い。この挿通孔26は、挿通孔26Ab〜26Cbと平面視で同心位置に形成されていても良い。これによって、端子2D〜2Fについて、内側接触部20と外側接触部21とを適切な位置関係により確実に保ったまま端子2D〜2Fを含む一体の成形体としてハウジング1を成形することができる。
【0052】
挿通孔26は、1つの端子2につき少なくとも1つ形成されていれば「被保持部」としての機能を果たすことができる。1つの端子2に、複数の挿通孔26が形成されていると、端子2は、成形用治具63〜65のいずれかを軸に意図せず回転してしまうことがなく、「被保持部」としての機能がより高まる。他方で、1つの端子2における挿通孔26の数が多すぎると、端子2の強度の低下や、電気の導通断面積の縮小による電気抵抗の増大が伴って好ましくない。よって、挿通孔26は、1つの端子2につき1つ〜3つであると良い。
【0053】
本実施形態によれば、簡易に形成可能な挿通孔26によって「被保持部」を構成することができる。挿通孔26は、中継部22に孔を形成するだけで良いので、成形用治具63〜65によって把持される例えばつまみ部のような箇所を別途形成する必要がなく、設計及び製造がより容易である。更に、本実施形態によれば、挿通孔26に成形用治具63〜65を挿通するという簡易な方法で端子2の内側接触部20と外側接触部21との位置関係を適切に保つことができる。しかも、挿通孔26と成形用治具63〜65との組合せでは、成形用治具63〜65の挿抜方向以外、すなわちXY方向における端子2の動きを容易かつ確実に止めることができる。このため、ハウジング1と端子2とを一体成形する際に、端子2が不用意に動いて破損してしまうことをより確実に防ぐことができる。
【0054】
「被保持部」は、挿通孔26の外側に突出する拡幅部27を有するように構成できる。拡幅部27は、図1及び図3で示すように、中継部22からY方向における両方向に板面の幅を広げるように形成されている。拡幅部27は、端子2が形成される際に、例えばプレス加工における打抜き加工によって他の箇所と同時に形成することも可能である。
【0055】
ここで、挿通孔26を形成すると、その周囲において応力集中が生じやすくなるとともに、挿通孔26を含めたその近傍において端子2の材料の板幅が短くなることによって構造強度が低下してしまう。しかしながら、本実施形態によれば、「被保持部」が挿通孔26の外側に拡幅部27を有するので、応力集中が生じやすく、構造強度が低下している挿通孔26の外側の領域を補強することができる。よって、挿通孔26が形成されたことに起因する端子2の強度低下を相殺することができる。更に、挿通孔26が形成されると、挿通孔26を含んだ領域の導通断面積が小さくなるため、断面積と関連する許容電流値も小さくなってしまう。しかしながら、本実施形態によれば、「被保持部」が挿通孔26の外側に拡幅部27を有するので、導通断面積を確保し、許容電流値を高く設定することができる。以上のことから、本実施形態によれば、電子部品の適用範囲を広げることができる。
【0056】
拡幅部27によって中継部22の板面の幅が大きく確保できることで、拡幅部27以外の箇所における中継部22の板面の幅よりも挿通孔26の径を大きく形成することも可能となる。これによって、成形用治具63〜65の先端にテーパをつける等して、成形用治具63〜65を挿通孔26に挿入しやすくすることもできる。
【0057】
拡幅部27は、図1及び図3で示すように、平面視で、両側面が直線状の長方形状とされている。拡幅部27は、このような単純な構成であるため、その形成が容易である。しかしながら、拡幅部27は、長方形状に限らず、例えば挿通孔26の外径に沿った波状に形成されていても良い。拡幅部27の両側面が波状に形成されることによって、板面の幅が狭くなっているくびれ部分を端子2の搬送に用いることができ、更に、両側面が直線状の構成と比べて材料の使用量を少なくすることができる。
【0058】
なお、「被保持部」がつまみ部のような形状で構成される場合において、つまみ部に、拡幅部27の機能を兼ねさせても良い。こうすることで、例えば端子2の搬送用の孔が中継部22に設けられた際に、上述した挿通孔26が形成された場合の不都合を解消することができる。
【0059】
内側接触部20は、板厚がZ方向で、板面がXY平面の方向に伸長する略正方形の平板状に形成されている。そして、内側接触部20は、Z方向における下側の面において、撮像部品ケースに収容されている撮像部品の図示せぬ接点と導通接続するように構成されている。
【0060】
内側接触部20のZ方向における上側の面には受け部28が形成されている。端子2A〜2Cの群の「第2の受け部」としての受け部28A〜受け部28Cは、それぞれ端子2A〜2Cの挿通孔26Aa〜26Caと対向している。端子2D〜2Fの群の「第1の受け部」としての受け部28D〜受け部28Fは、それぞれ端子2A〜2Cの挿通孔26Ab〜26Cbと対向している。
【0061】
受け部28は、挿通孔26に挿入される成形用治具63及び64を受け止める機能を有している。そして、受け部28で成形用治具63及び64を受け止めた端子2は、内側接触部20が固定側金型60のキャビティ61に押しつけられることで固定側金型60内の予め定められた位置に固定されるように作用する。こうして、挿通孔26と平面視で同心位置に配置される受け部28と成形用治具63及び64との組合せでは、Z方向における端子2の動きを容易かつ確実に止めることができる。したがって、本実施形態の端子2では、挿通孔26及び受け部28を有する構成によって、XYZの全方向において、内側接触部20と外側接触部21とを適切な位置関係に保ったまま端子2を含む一体の成形体としてハウジング1を成形することができる。
【0062】
電子部品の製造方法〔図8
【0063】
次に、電子部品の製造方法の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。ここでは、本体部10と、外部導体接続部11と、本体部10と外部導体接続部11とを隔てる隔壁12とを有するハウジング1と、本体部10に配置する内側接触部20と、外部導体接続部11に配置する外側接触部21と、内側接触部20と外側接触部21とを繋ぎ隔壁12に配置する中継部22とを有する端子2とを備える「電子部品」であるカメラモジュール用のハウジング1の製造方法について説明する。
【0064】
まず、撮像部品と外部機器との間を導通接続するための端子2が用意される。端子2は、材料とする平板状の導電性金属片が細長い板状に打抜き加工された後に曲げ加工されることで単一の部品として形成される。導電性金属片が打抜き加工される際には挿通孔26及び拡幅部27を同時に形成することもできる。ただし、挿通孔26は、後の工程で別途形成しても構わない。
【0065】
次に、ハウジング1と端子2との一体成形が行われる。ハウジング1は、絶縁性の硬質樹脂によって形成され、完成品は、金属部品の端子2を含む一体の成形体である。
【0066】
内側接触部20や外側接触部21、中継部22等の形成された端子2は、図8(A)で示すように、ハウジング1を成形する固定側金型60のキャビティ61に設置される。キャビティ61は、内側接触部20の形状に対応して形成されている。
【0067】
キャビティ61に設置された端子2には挿通孔26が形成されている(図8(B)参照)。他方、固定側金型60と組み合わせて用いられる可動側金型62には、固定側金型60の側に向かって突出する成形用治具63、成形用治具64及び成形用治具65が挿通孔26の位置に対応して設けられている(図8(B)参照)。成形用治具65は、他の成形用治具63及び成形用治具64よりも突出高さが低く形成されている。これら成形用治具63〜65は、可動側金型62の移動方向に対し、交差する方向に伸長する押さえ部66から突出している。
【0068】
固定側金型60に対して可動側金型62が閉じられると、成形用治具63は、挿通孔26Baを通り抜けて受け部28Bと接触し、成形用治具64は、挿通孔26Bbを通り抜けて受け部28Eと接触する。その際に、成形用治具65は、挿通孔26Bcを通り抜けて挿通孔26Eaの下端付近に到達する。そして、押さえ部66は、端子2A〜2Cの群の中継部22の上側の面と接触する。
【0069】
成形用治具63は、端子2A〜2Cの群の中継部22を保持するとともに、内側接触部20を固定する。成形用治具64は、端子2A〜2Cの群の中継部22を保持するとともに、端子2D〜2Fの内側接触部20を固定する。成形用治具65は、端子2A〜2Cの群の中継部22を保持するとともに、端子2D〜2Fの中継部22を保持する。更に、押さえ部66は、端子2A〜2Cの群の中継部22を上側から覆うようにして保持する。これら成形用治具63〜65及び押さえ部66により中継部22に設けた「被保持部」をキャビティ61の所定位置に固定する(図8(C)参照)。
【0070】
この状態で、キャビティ61に樹脂材料を射出して端子2を含む一体の成形体としてハウジング1を成形する。
【0071】
成形用治具63〜65が取り除かれた後には、挿通孔26a、26b及び26cに連通する貫通孔10fが形成されている。更に、貫通孔10fには凹部10cが通じている。凹部10c及び貫通孔10fに防水性のポッティング剤が充填されることでそれぞれ凹部充填部13a及び孔充填部13b、すなわちシール部13が形成される。
【0072】
なお、本実施形態では、成形用治具63及び成形用治具64の押さえ部66からの突出高さは、端子2A〜2Cの群における挿通孔26の上端から端子2A〜2Cの群及び端子2D〜2Fの群の受け部28までの長さと等しく形成されている。しかしながら、成形用治具63及び成形用治具64の突出高さは、これよりも長くても良い。この場合には、端子2A〜2Cの群における挿通孔26の上側にも樹脂が充填され、端子2A〜2Cの群の中継部22が露出することなく、成形用治具63及び成形用治具64が取り除かれた後の穴のみが露出することとなる。
【0073】
本実施形態によれば、端子2の中継部22に設けられている「被保持部」としての挿通孔26を成形用治具63〜65によってキャビティ61の所定位置に固定するので、端子2の内側接触部20と外側接触部21とを適切な位置関係に保ったままハウジング1と端子2とを一体成形することができる。特に、端子2が中継部22を有することがもとで金型内への取付け等の際に変化しやすくなってしまう内側接触部20と外側接触部21との位置関係は、「被保持部」としての挿通孔26が成形用治具63〜65に保持されることによって適切に保たれる。
【0074】
具体的には、中継部22の長さ方向に沿って離間して配置した複数の挿通孔26が成形用治具63〜65により保持されるので、中継部22の長さ中心に対する外方への回転による位置ずれを効果的に防ぐことができる。また、端子2Aと2D、端子2Bと2E、端子2Cと2Fを、それぞれ共通する成形用治具63〜65で保持するので、Z方向で上下に配置した端子2A〜2Cと端子2D〜2FのXY方向への位置ずれを確実に防ぐことができる。このため、キャビティ61に端子2を固定した後に、固定側金型60に対して可動側金型62を閉じたり、樹脂材料を射出したりしてハウジング1と端子2とを一体成形する際に、端子2が不用意に動いて破損してしまうことを防ぐことができる。
【0075】
実施形態の変形例〔図5図7
【0076】
次に、本実施形態の変形例について図面を参照しつつ説明する。変形例のハウジング4は、上述した実施形態のハウジング1の内側接触部20及び中継部22の挿通孔26に相当する構成が異なるものの、他の箇所の構成及びその作用効果については同様である。ここでは、上述した実施形態とは異なる構成について、主に説明を行うこととする。
【0077】
ハウジング4
【0078】
ハウジング4は、絶縁性の硬質樹脂によって形成されており、撮像部品と外部機器との間を導通接続する複数の端子5を含む一体の成形体である。ハウジング4の形状自体は、ハウジング1と略同様である。
【0079】
端子5A〜端子5F
【0080】
端子5は、導電性金属片でなる電気伝導体である。端子5は、本体部10に配置する「第1の接触部」としての内側接触部50と、外部導体接続部11に配置する「第2の接触部」としての外側接触部21と、内側接触部50と外側接触部21とを繋ぎ隔壁12に配置する中継部52とを有している。複数の端子5は、図5で示すように、6本の端子5A〜端子5Fで構成されている。
【0081】
内側接触部50は、図5で示すように、内側接触部側基部53を介して中継部52と連結されている。内側接触部側基部53は、板厚がX方向で、板面がYZ平面の方向に伸長する平板状に形成されている。そして、ハウジング4が端子5を含む一体の成形体とされた状態での内側接触部側基部53は、上側の大部分が突出部10dに埋設され、下側の一部が突出部10dの下方に突出している。
【0082】
内側接触部側基部53は、図5で示すように、内側接触部50及び中継部52よりもY方向における両方向に突出して板面が幅広に形成されている。内側接触部側基部53は、端子5が形成される際に、例えばプレス加工における打抜き加工によって他の箇所と同時に形成することも可能である。端子5が成形用金型のキャビティに取り付けられる際に、内側接触部50よりも幅広の内側接触部側基部53は、キャビティに突き当たり、特にZ方向への端子5の位置ずれを防ぐように作用する。他方、キャビティに取り付けられた端子5が型締される際に、中継部52よりも幅広の内側接触部側基部53は、図8で示すような可動側金型62に形成された治具によって押さえつけられ、特にZ方向への端子5の位置ずれを防ぐように作用する。
【0083】
したがって、端子5は、内側接触部側基部53を有することで、成形時において、内側接触部50と外側接触部21との位置関係を適切に保つことができる。
【0084】
なお、中継部52A〜中継部52Cの群は、中継部52D〜中継部52Fの群よりもZ方向における上方に位置しているため、内側接触部側基部53A〜内側接触部側基部53Cの群は、内側接触部側基部53D〜内側接触部側基部53FよりもZ方向により長く伸長している。
【0085】
内側接触部50は、内側接触部側基部53の下端からZ方向における下側に角柱状に伸長している。そして、内側接触部50A〜内側接触部50Cの群は、内側接触部50D〜内側接触部50Fの群に対して、X方向における外側接触部21に遠い側(図5図6及び図7における右側)に予め定められた距離だけずれるように配置されている。この距離は、撮像部品の接点として例えば可動コネクタの接点の間隔に適合している。
【0086】
本実施形態の変形例のカメラモジュールも、中継部52が、成形用治具によって保持され、内側接触部50と外側接触部21との位置関係の変化を抑制する「被保持部」としての挿通孔56を有している。
【0087】
挿通孔56は、中継部52の他端側(内側接触部50との連結部側)に形成されている。本実施形態の変形例においては、「第1の端子」としての端子5A〜端子5Cの群及び「第2の端子」としての端子5D〜端子5Fの群の双方ともに、中継部52の他端の側から順に、挿通孔56a及び挿通孔56bの2つの挿通孔56がX方向に沿って形成されている。例えば端子5Aには、挿通孔56Aa及び挿通孔56Abが形成されている。更に、例えば端子5Dには、挿通孔56Da及び挿通孔56Dbが形成されている。
【0088】
挿通孔56Aa〜挿通孔56Caは、それぞれ挿通孔56Da〜挿通孔56Faと平面視で同心位置に形成されており、挿通孔56Ab〜挿通孔56Cbは、それぞれ挿通孔56Db〜挿通孔56Fbと平面視で同心位置に形成されている。したがって、成形用治具がZ方向に沿って動くと、挿通孔56Aa〜56Ca及び挿通孔56Da〜56Faのそれぞれ並びに挿通孔56Ab〜56Cb及び挿通孔56Db〜56Fbのそれぞれに挿通されるように構成されている。このような挿通孔56Aa〜56Ca及び挿通孔56Da〜56Fa並びに挿通孔56Ab〜56Cb及び挿通孔56Db〜56Fbは、特にXY方向への端子5の位置ずれを防ぐように作用する。
【0089】
更に、「第3の挿通孔」としての挿通孔56Da〜Fa及び「第3の挿通孔」としての挿通孔56Db〜Fbは、それぞれ「第1の挿通孔」としての挿通孔56Aa〜Ca及び「第1の挿通孔」としての挿通孔56Ab〜Cbよりも小さな開孔面積で形成されている(図7参照)。これに合わせて成形用治具は、挿通孔56Da〜Fa及び挿通孔56Db〜Fbに挿通される先端側が基端側よりも細く形成されている。したがって、端子5D〜5Fの群は、型締時に、成形用治具の基端側と先端側との境界に段部が形成され、その段部が中継部52D〜52F(「第1の受け部」としての受け部58D〜58F)に当接することで、中継部52D〜52FがZ方向における上側に浮かないように作用する。このような挿通孔56Aa〜56Ca及び挿通孔56Da〜56Fa並びに挿通孔56Ab〜56Cb及び挿通孔56Db〜56Fbは、特にZ方向への端子5の位置ずれを防ぐように作用する。
【0090】
なお、挿通孔56Da〜Fa及び挿通孔56Db〜Fbは、それぞれ、平面視で、挿通孔56Aa〜Ca及び挿通孔56Ab〜Cbの外縁からはみ出すことなく小さな開孔面積で形成されていれば、円形でなくても構わない。
【0091】
このように、挿通孔56は、成形用治具が挿通されることでキャビティにおける所定の位置に端子5が固定され、XYZの全方向において、端子5の位置ずれを防ぐことができる。
【0092】
以上のように、本実施形態の変形例においても、端子5の中継部52に、成形用治具によって保持可能な「被保持部」としての挿通孔56が設けられている。このため、ハウジング4の成形時に成形用治具により「被保持部」が保持されることで、端子5の内側接触部50と外側接触部21とを適切な位置関係に保ったまま端子5を含む一体の成形体としてハウジング4を成形することができる。そして、成形用治具により「被保持部」が保持されており、端子5が位置ずれしないので、ハウジング4と端子5とを一体成形する際に、端子5が不用意に動いて破損してしまうことを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0093】
1 ハウジング(電子部品)
2 端子(端子2A〜端子2F)
2A 端子(第1の端子)
2B 端子(第1の端子)
2C 端子(第1の端子)
2D 端子(第2の端子)
2E 端子(第2の端子)
2F 端子(第2の端子)
4 ハウジング(電子部品)
5 端子(端子5A〜端子5F)
5A 端子(第1の端子)
5B 端子(第1の端子)
5C 端子(第1の端子)
5D 端子(第2の端子)
5E 端子(第2の端子)
5F 端子(第2の端子)
10 本体部(第1の接続部)
10a 上面
10b 下面
10c 凹部
10d 突出部
10e 底面
10f 貫通孔
11 外部導体接続部(第2の接続部)
11a 凹部
11b シール部
12 隔壁
13 シール部
13a 凹部充填部
13b 孔充填部
20 内側接触部(第1の接触部)
21 外側接触部(第2の接触部)
22 中継部
24 接触部側基部
25 中継部側基部
26 挿通孔(被保持部)(挿通孔26a〜挿通孔26c)
26a 挿通孔(第2の挿通孔)
26b 挿通孔(第1の挿通孔)
26c 挿通孔
27 拡幅部
28 受け部(受け部28A〜受け部28F)
28A 受け部(第2の受け部)
28B 受け部(第2の受け部)
28C 受け部(第2の受け部)
28D 受け部(第1の受け部)
28E 受け部(第1の受け部)
28F 受け部(第1の受け部)
50 内側接触部(第1の接触部)
52 中継部
53 内側接触部側基部
56 挿通孔(被保持部)(挿通孔56A〜挿通孔56F)
56A 挿通孔(第1の挿通孔)
56B 挿通孔(第1の挿通孔)
56C 挿通孔(第1の挿通孔)
56D 挿通孔(第3の挿通孔)
56E 挿通孔(第3の挿通孔)
56F 挿通孔(第3の挿通孔)
58 受け部(受け部58D〜受け部58F)
58D 受け部(第1の受け部)
58E 受け部(第1の受け部)
58F 受け部(第1の受け部)
60 固定側金型(金型)
61 キャビティ
62 可動側金型
63 成形用治具
64 成形用治具
65 成形用治具
66 押さえ部
【要約】
【課題】端子をハウジングと一体成形する際の端子の位置ずれを防ぐ。
【解決手段】本体部10と、外部導体接続部11と、本体部10と外部導体接続部11とを隔てる隔壁12とを有するハウジング1と、本体部10に配置する内側接触部20と、外部導体接続部11に配置する外側接触部21と、内側接触部20と外側接触部21とを繋ぎ隔壁12に配置する中継部22とを有する端子2とを備え、ハウジング1は、端子2を含む一体の成形体として形成されており、中継部22は、成形用治具によって保持され、内側接触部20と外側接触部21との位置関係の変化を抑制する「被保持部」として例えば挿通孔26を有する。ハウジング1の成形時に成形用治具により「被保持部」としての挿通孔26が保持されることで、端子2の内側接触部20と外側接触部21とを適切な位置関係に保ったまま端子2を含む一体の成形体としてハウジング1を成形することができる。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8