特許第6445684号(P6445684)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6445684FGFRキナーゼ阻害剤としてのインダゾール系化合物およびその製造と使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6445684
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】FGFRキナーゼ阻害剤としてのインダゾール系化合物およびその製造と使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 231/56 20060101AFI20181217BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20181217BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20181217BHJP
   C07D 498/04 20060101ALI20181217BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20181217BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20181217BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20181217BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20181217BHJP
   C07D 487/10 20060101ALI20181217BHJP
   C07D 277/56 20060101ALI20181217BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20181217BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20181217BHJP
   A61K 31/416 20060101ALI20181217BHJP
   A61K 31/4162 20060101ALI20181217BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20181217BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20181217BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20181217BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20181217BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20181217BHJP
   A61K 31/551 20060101ALI20181217BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20181217BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20181217BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20181217BHJP
   C07B 51/00 20060101ALN20181217BHJP
【FI】
   C07D231/56 F
   C07D403/12CSP
   C07D403/14
   C07D498/04 103
   C07D471/04 106C
   C07D487/04 143
   C07D405/14
   C07D401/12
   C07D487/10
   C07D277/56
   A61K31/496
   A61K31/5377
   A61K31/416
   A61K31/4162
   A61K31/454
   A61K31/444
   A61K31/437
   A61K31/519
   A61K31/506
   A61K31/551
   A61P43/00 111
   A61P35/00
   A61P35/02
   !C07B51/00 F
【請求項の数】10
【全頁数】79
(21)【出願番号】特願2017-509744(P2017-509744)
(86)(22)【出願日】2015年8月19日
(65)【公表番号】特表2017-532293(P2017-532293A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(86)【国際出願番号】CN2015087556
(87)【国際公開番号】WO2016026445
(87)【国際公開日】20160225
【審査請求日】2017年4月14日
(31)【優先権主張番号】201410409467.1
(32)【優先日】2014年8月19日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201510073179.8
(32)【優先日】2015年2月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】316019082
【氏名又は名称】シャンハイ ハイヘ ファーマシューティカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI HAIHE PHARMACEUTICAL CO., LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】513299225
【氏名又は名称】上海 インスティテュート オブ マテリア メディカ、チャイニーズ アカデミー オブ サイエンシーズ
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI INSTITUTE OF MATERIA MEDICA, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ゲン,メイユウ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,レイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ミン
(72)【発明者】
【氏名】ツァー,チュアンタオ
(72)【発明者】
【氏名】アイ,ジン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ジャンファー
(72)【発明者】
【氏名】ディン,ジャン
【審査官】 水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第03/068773(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0171405(US,A1)
【文献】 European Journal of Organic Chemistry,2012年,2889-2893
【文献】 Paul R. Gavine et al.,Cancer Research,2012年,72(8),2045-2056
【文献】 Vito Guagnano et al.,Journal of Medicinal Chemistry,2011年,54(20),7066-7083
【文献】 Genshi Zhao et al.,Molecular Cancer Therapeutics ,2011年,10(11),2200-2210
【文献】 ACS Medicinal Chemistry Letters,2016年 4月20日,7,629-634
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式Iで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
(ただし、
Lは、H、テトラヒドロピラニル基(THP)からなる群から選ばれる。
各Xは、それぞれ独立にCl、F、H、CNからなる群から選ばれる。
W、Y、Zは、それぞれ独立にNまたはCHから選ばれる。
環Aは、存在しないか、置換または非置換の5〜8員のアリーレン基、あるいは置換または非置換の5員〜8員のヘテロアリーレン基(ここで、前記のヘテロアリーレン基は窒素、酸素または硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含む。)、置換または非置換の3員〜12員の飽和複素環または炭素環(ここで、前記の複素環は窒素、酸素または硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含む。)であるか、あるいは
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
である。
Rは、H、あるいは置換または非置換の以下の群から選ばれる基である。
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
ここで、Mは置換または非置換のC1〜C6のアルキレン基、置換または非置換のC6〜C10のアリーレン基、置換または非置換のC1〜C10のヘテロアリーレン基からなる群から選ばれるか、あるいはMは無しである。
前記の置換とはいずれも上記基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、非置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルキル基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルコキシ基、非置換またはハロゲン置換のC2〜C6アルコキシアルキル基、非置換またはハロゲン置換のC3〜C8シクロアルキル基、非置換またはハロゲン置換のC2〜C6アルキルカルボニル基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルキレン基-ヒドロキシル基、非置換またはC1〜C6アルキル基置換のアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されることである。)
【請求項2】
Lは、H、テトラヒドロピラニル基(THP)からなる群から選ばれ、
各Xは、それぞれ独立にH、Cl、F、CNからなる群から選ばれ、
W、Y、Zは、それぞれ独立にNまたはCHから選ばれ、
環Aは、置換または非置換の6員のアリール基、あるいは置換または非置換の5員〜6員のヘテロアリール基(ここで、前記のヘテロアリール基は窒素、酸素または硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含む。)、あるいは置換または非置換の5員〜6員の飽和複素環または炭素環(ここで、前記の複素環は窒素、酸素または硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含む。)で、
Mは、置換または非置換のC1〜C4のアルキレン基からなる群から選ばれるか、あるいはMは存在せず、
前記の置換は基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルキル基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルコキシ基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルコキシアルキル基、非置換またはハロゲン置換のC3〜C8シクロアルキル基、非置換またはハロゲン置換のC2〜C6アルキルカルボニル基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルキル-ヒドロキシル基、非置換またはC1〜C6アルキル置換のアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されることである、
ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Lは、Hで、
各Xは、それぞれ独立にH、Cl、Fからなる群から選ばれ、
W、Y、Zは、それぞれ独立にNまたはCHから選ばれ、
環Aは、存在しないか、フェニル基、ピラゾリル基、ピリジル基、チアゾリル基、ピリミジニル、ピラジニルまたはピペリジニル基からなる群の基から選ばれ、
Mは置換または非置換のC1〜C3のアルキレン基からなる群から選ばれるか、あるいはMは存在せず、
前記の置換はいずれも基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルキル基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルコキシ基、非置換またはハロゲン置換のC2〜C4アルコキシアルキル基、非置換またはハロゲン置換のC3〜C8シクロアルキル基、非置換またはハロゲン置換のC2〜C6アルキルカルボニル基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルキル-ヒドロキシル基、非置換またはC1〜C6アルキル置換のアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されることである、
ことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
以下の化合物
【化4-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化4-2】
[この文献は図面を表示できません]
【化4-3】
[この文献は図面を表示できません]
【化4-4】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の式I化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の式I化合物の製造方法であって、
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
(上記各式において、各基の定義は請求項1の通りである。)
不活性溶媒において、式I-8化合物を用いて式I-9化合物と反応させ、式I化合物を得る工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
さらに、
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
(ただし、Lは、テトラヒドロピラニル基(THP)からなる群から選ばれる。
ほかの各基の定義は請求項1の通りである。)
不活性溶媒において、式I化合物を脱保護して、式I'化合物を得る工程、
を含むことを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
(a)FGFRキナーゼの活性または発現量に関連する疾患を治療するための
(b)FGFRキナーゼ選択的阻害のための
(c)in vitroでのFGFRキナーゼの活性に対する非治療的な抑制のためのおよび/あるいは
(d)in vitroでの腫瘍細胞の増殖に対する非治療的な抑制のための、
請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物
【請求項8】
FGFRキナーゼが、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれることを特徴とし、
腫瘍細胞が白血病細胞株である、請求項7に記載の医薬組成物
【請求項9】
(i)治療有効量の請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、(ii)薬学的に許容される担体とを含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項10】
FGFRキナーゼの活性を体外において非治療的に抑制する方法であって、抑制対象由来のサンプルを、抑制有効量の請求項1に記載の式I化合物またはその薬学的に許容される塩で処理する工程、あるいは抑制対象由来のサンプルを、抑制有効量の請求項9に記載の医薬組成物で処理する工程を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬の分野に属し、具体的に、FGFRキナーゼ阻害剤としてのインダゾール系化合物およびその製造と使用に関する。
【背景技術】
【0002】
受容体チロシンキナーゼは、その異常の発現活性化または遺伝子の突然変異によって、腫瘍の発生・発展、浸潤・転移、薬剤耐性などのいずれにおいても重要な作用を発揮する。既に抗腫瘍薬の研究・開発の重要な標的となっている。中では、線維芽細胞増殖因子受容体(fibroblast growth factor receptors、FGFRs)は、受容体チロシンキナーゼファミリーの重要なメンバーで、主にFGFR1、FGFR2、FGFR3およびFGFR4の4種類のサブタイプを含む。そのリガンドは、線維芽細胞増殖因子(Fibroblast Growth Factors、FGFs)である。遺伝子の増幅、突然変異、融合またはリガンドの誘導などによって、FGFRの各メンバーは持続的に活性化し、腫瘍細胞の増殖、浸潤、転移が誘導され、血管新生が促進され、腫瘍の発生・発展が促進される。FGFRsは多くの腫瘍で高度発現されて異常に活性化し、たとえば非小細胞肺癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、子宮内膜癌、前立腺癌、子宮頚癌、結腸癌、食道癌、膠芽腫、骨髄腫、横紋筋肉腫などの主要患者の良くない予後と密接に関係する。研究では、FGFR1の増幅は非小細胞肺癌、扁平上皮癌の20%を占めること、そしてFGFR1増幅の肺癌細胞株の体外増殖、シグナル経路などの研究では、FGFR選択的阻害剤はFGFR1シグナル経路の活性化および細胞の増殖を非常に有効に抑制することが示された。
【0003】
乳癌では、FGFR1が位置する染色体(8p11-12)領域の増幅はER陽性患者の約10%を占め、かつFGFR1とFGFR1のmRNAの高度発現および患者の予後不良関連FGFR2遺伝子の増幅または突然変異はFGFR2シグナル経路の異常活性化につながり、主に胃癌、トリプルネガティブ乳癌、子宮内膜癌と関係する。胃癌組織におけるFGFR2の増幅率は、5%〜10%である。313例の胃癌組織を分析したところ、FGFR2の増幅は腫瘍の大きさ、局所浸潤程度、リンパ節転移の状況および遠隔転移の発生と顕著に関連し、かつFGFR2増幅のある胃癌は一般的に進行性腫瘍で、予後が良くなく、患者全体の生存率が比較的に低いことが示された。FGFR2の増幅は難治性のトリプルネガティブ乳癌で4%を占める。子宮内膜癌は、よく見られる婦人科生殖管腫瘍で、FGFR2の突然変異は子宮内膜癌の約12%を占める。非浸潤性膀胱癌では、FGFR3の突然変異は50%〜60%を占め、浸潤性膀胱癌では、FGFR3の突然変異は10%〜15%を占める。多発性骨髄腫では、FGFR3t(4;14)(p16.3;q32)の遺伝子再構成は15〜20%を占める。また、肝臓癌では、数種類のFGFRおよびそのリガンドであるFGFs、たとえばFGFR2、FGFR3、FGFR4、FGF19、FGF2、FGF5、FGF8、FGF9などは異常の発現および活性化がある。いくつかの臨床前および臨床の研究では、いずれもFGF/FGFR軸の異常活性化の肝臓癌における重要性が示された。無視できないのは、FGF/FGFR軸の異常活性化がEGFR阻害剤、血管新生阻害剤および内分泌治療などの薬剤耐性と密接に関係することである。そのため、FGFRを標的とする阻害剤の研究・開発は既に抗腫瘍薬研究の最先端の焦点になっている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、新規なFGFR選択的阻害剤を提供することである。
【0005】
本発明の第一では、式Iで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
(ただし、
Lは、H、テトラヒドロピラニル基(THP)からなる群から選ばれる。
各Xはそれぞれ独立にCl、F、H、CNからなる群から選ばれる。
W、Y、Zはそれぞれ独立にNまたはCHから選ばれる。
環Aは無しか、置換または非置換の5〜8員のアリーレン基、あるいは置換または非置換の5員〜8員のヘテロアリーレン基(ここで、前記のヘテロアリール基は窒素、酸素または硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含む。)、置換または非置換の3員〜12員の飽和複素環または炭素環(ここで、前記の複素環は窒素、酸素または硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含む。)である。
【0006】
RはH、あるいは置換または非置換の以下の群から選ばれる基である。
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
ここで、Mは置換または非置換のC1〜C6のアルキレン基、置換または非置換のC6〜C10のアリーレン基、置換または非置換のC1〜C10のヘテロアリーレン基からなる群から選ばれるか、あるいはMは無しである。
【0007】
前記の置換はいずれも上記基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、非置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルキル基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルコキシ基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルコキシアルキル基、非置換またはハロゲン置換のC3〜C8シクロアルキル基、非置換またはハロゲン置換のC2〜C6アルキルカルボニル基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルキレン基-ヒドロキシル基、非置換またはC1〜C6アルキル基置換のアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されることである。)
【0008】
もう一つの好適な例において、前記の環Aは以下の群から選ばれるヘテロアリール基または飽和複素環であるか、あるいは環Aは存在しない。
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
(ただし、Q1、Q2、Q3、Q4はそれぞれ独立にNまたはCHから選ばれる。
B1、B2、B3、B4はそれぞれ独立にNまたはCHから選ばれる。)
【0009】
もう一つの好適な例において、前記の環Aは以下の群から選ばれるヘテロアリール基または飽和複素環であるか、あるいは環Aは存在しない。
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【0010】
もう一つの好適な例において、Rは置換または非置換の以下の群から選ばれる基で、
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
(ただし、
R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立にH、ハロゲン、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキル基、ハロゲン置換のC1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキル基からなる群から選ばれる。
R5はH、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキルカルボニル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキレン基-ヒドロキシル基、C1〜C6アルコキシアルキル基、非置換またはアルキル基置換のアミノ基、C1-C8シクロアルキル基からなる群から選ばれる。
【0011】
R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12はそれぞれ独立にH、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキルカルボニル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルコール基(アルキレン基-ヒドロキシル基)からなる群から選ばれる。
G1、G2、G3、G4はそれぞれ独立にH、ハロゲン、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキル基、ハロゲン置換のC1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキル基からなる群から選ばれる。
G5はH、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキルカルボニル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキル基-ヒドロキシル基、C1〜C6アルコキシアルキル基、非置換またはアルキル基置換のアミノ基、C1〜C8シクロアルキル基からなる群から選ばれる。
【0012】
E1、E2はそれぞれ独立にH、ハロゲン、直鎖または分岐鎖のアルキル基、ハロゲン置換のC1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキル基からなる群から選ばれる。
E3はH、C1〜C6直鎖アルキル基または分岐鎖アルキル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキルカルボニル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキレン基-ヒドロキシル基、C1〜C6アルコキシアルキル基、非置換またはアルキル基置換のアミノ基、C1〜C8シクロアルキル基からなる群から選ばれる。
R13、R14、R15、R16はそれぞれ独立にH、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキルカルボニル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルコール基(アルキレン基-ヒドロキシル基)からなる群から選ばれるか、R13およびR14、R15および16は炭素原子と連結して5員〜7員の環を形成する。
C0-C3 alkylは無しか、あるいは1〜3個の炭素原子を有するアルキレン基である。
C1-C6 alkylは1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基である。)
【0013】
もう一つの好適な例において、
Lは、H、テトラヒドロピラニル基(THP)からなる群から選ばれ、
各Xはそれぞれ独立にH、Cl、F、CNからなる群から選ばれ、
W、Y、Zはそれぞれ独立にNまたはCHから選ばれ、
環Aは置換または非置換の6員のアリール基、あるいは置換または非置換の5員〜6員のヘテロアリール基(ここで、前記のヘテロアリール基は窒素、酸素または硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含む。)で、
Mは置換または非置換のC1〜C4のアルキレン基からなる群から選ばれるか、あるいはMは存在せず、前記の置換はいずれも基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルキル基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルコキシ基、非置換またはハロゲン置換のC2〜C6アルコキシアルキル基、非置換またはハロゲン置換のC3〜C8シクロアルキル基、非置換またはハロゲン置換のC2〜C4アルキルカルボニル基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルキル基-ヒドロキシル基、非置換またはC1〜C6アルキル基置換のアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されることである。
【0014】
もう一つの好適な例において、
LはHで、
各Xはそれぞれ独立にH、Cl、Fからなる群から選ばれ、
W、Y、Zはそれぞれ独立にNまたはCHから選ばれ、
環Aは無し、フェニル基、ピラゾリル基、ピリジル基、チアゾリル基、ピリミジン、ピラジンまたはピペリジル基からなる群の基から選ばれ、
Mは置換または非置換のC1〜C3のアルキレン基からなる群から選ばれるか、あるいはMは存在せず、
前記の置換はいずれも基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルキル基、非置換またはハロゲン置換のC2〜C6アルコキシ基、非置換またはハロゲン置換のC2〜C6アルコキシアルキル基、非置換またはハロゲン置換のC3〜C8シクロアルキル基、非置換またはハロゲン置換のC2〜C6アルキルカルボニル基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルキル基-ヒドロキシル基、非置換またはC1〜C4アルキル基置換のアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されることである。
【0015】
もう一つの好適な例において、前記の式I化合物は下記表Aで示される化合物である。
【表A-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0016】
【表A-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0017】
【表A-3】
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【0018】
もう一つの好適な例において、L、X、W、Y、Z、環AまたはRは実施例に記載される具体的な化合物における相応する基である。
【0019】
本発明の第二では、本発明の第一に記載の式I化合物の製造方法であって、
【化6】
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(上記各式において、各基の定義は請求項1の通りである。)
(a) 不活性溶媒において、式I-8化合物を用いて式I-9化合物と反応させ、式I化合物を得る工程、
を含む方法を提供する。
【0020】
もう一つの好適な例において、前記の(a)工程では、前記の反応は銅塩の存在下で行われ、好ましくは、前記の銅塩はCuI、Cu、CuCl、Cu2O、CuO、Cu(OAc)2、CuSO4・5H2O、Cu(acac)2、CuCl2、CuSCN、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記の(a)工程では、前記の反応は配位子の存在下で行われ、好ましくは、前記の配位子は二座アミンの配位子で、より好ましくは、前記の配位子はN1,N2-ジメチル-エチレンジアミン、(1R,2R)-(-)-N,N’-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記の(a)工程では、前記の反応は塩基の存在下で行われ、好ましくは、前記の塩基は無機塩基で、より好ましくはK2CO3、K3PO4、Cs2CO3、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記の不活性溶媒は、トルエン、ジオキサン、THF、DMF、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
【0021】
もう一つの好適な例において、前述方法は、さらに、
【化7】
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(ただし、Lは、テトラヒドロピラニル基(THP)からなる群から選ばれる。
ほかの各基の定義は前記の通りである。)
(b) 不活性溶媒において、式I化合物を用いて脱保護させ、式I'化合物を得る工程、
を含む。
【0022】
もう一つの好適な例において、前記の(b)工程では、前記の反応は酸の存在下で行われ、好ましくは、前記の酸は塩酸、p-トルエンスルホン酸、TFA、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記の(b)工程では、前記の不活性溶媒は、塩化メチレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、t-ブタノール、イソブタノール、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
【0023】
本発明の第三では、本発明の第一に記載の式I化合物の使用であって、
(a)FGFRキナーゼの活性または発現量に関連する疾患を治療する医薬の製造、
(b)FGFRキナーゼ選択的阻害剤の製造、
(c)体外におけるFGFRキナーゼの活性に対する非治療的な抑制、
(d)体外における腫瘍細胞の増殖に対する非治療的な抑制、および/あるいは
(e)FGFRキナーゼの活性または発現量に関連する疾患の治療、
における使用を提供する。
【0024】
もう一つの好適な例において、前記FGFRの活性または発現量に関連する疾患は腫瘍で、好ましくは子宮内膜癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、骨髄腫、肝臓癌からなる群から選ばれる腫瘍である。
もう一つの好適な例において、前記FGFRキナーゼは、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記の腫瘍細胞は白血病細胞株で、好ましくは骨髄性白血病細胞株で、より好ましくは急性骨髄性白血病細胞株KG1細胞である。
【0025】
本発明の第四では、(i)治療有効量の式I化合物、またはその薬学的に許容される塩と、(ii)薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
もう一つの好適な例において、前記の有効量は治療有効量または抑制有効量で、好ましくは0.01〜99.99%である。
もう一つの好適な例において、前記の医薬組成物は、FGFRキナーゼの活性に対しる抑制に使用される。
もう一つの好適な例において、前記の医薬組成物は、FGFRキナーゼの活性または発現量に関連する疾患の治療に使用される。
【0026】
本発明の第五では、FGFRキナーゼの活性を抑制する方法であって、抑制対象に、抑制有効量の本発明の第一に係る式I化合物またはその薬学的に許容される塩を施用する工程、あるいは抑制対象に、抑制有効量の本発明の第四に係る医薬組成物を施用する工程を含む方法を提供する。
もう一つの好適な例において、前記の抑制は体外における非治療的な抑制である。
もう一つの好適な例において、抑制対象に抑制有効量の請求項1に記載の式I化合物またはその薬学的に許容される塩を施用する場合、前記抑制有効量は0.001-500nmol/L、好ましくは0.01-200nmol/Lである。
【0027】
本発明の第六では、FGFRキナーゼの活性または発現量に関連する疾患を治療する方法であって、治療対象に治療有効量の本発明の第一に係る式I化合物、あるいは本発明の第四の発明に係る医薬組成物を施用することを含むことを特徴とする方法を提供する。
もう一つの好適な例において、前記FGFRの活性または発現量に関連する疾患は腫瘍で、好ましくは子宮内膜癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、骨髄腫、肝臓癌からなる群から選ばれる腫瘍である。
【0028】
本発明の第七では、体外で腫瘍細胞を抑制する方法であって、抑制対象に抑制有効量の本発明の第一に係る式I化合物、あるいは本発明の第四に係る医薬組成物を施用することを含む方法を提供する。
【0029】
もちろん、本発明の範囲内において、本発明の上記の各技術特徴および下記(例えば実施例)の具体的に記述された各技術特徴は互いに組合せ、新しい、または好適な技術方案を構成できることが理解される。紙数に限りがあるため、ここで逐一説明しない。
【0030】
具体的な実施形態
本発明者は長期間にわたって深く研究したところ、式Iで表される構造を有する化合物を製造し、かつFGFRキナーゼ抑制活性を有することを見出した。そして、前記の化合物は非常に低い濃度(≦100nmol/Lまで)でも、一連のFGFRキナーゼに抑制作用を果たし、抑制活性が非常に優れているため、FGFRキナーゼの活性または発現量に関連する疾患、たとえば腫瘍の治療に使用することができる。上記の知見に基づき、発明者らは本発明を完成させた。
【0031】
用語
ここで用いられるように、用語「C1〜C6アルキル基」とは、炭素原子を1〜6個有する直鎖または分岐鎖のアルキル基で、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基や類似の基が挙げられる。
【0032】
用語「C1〜C6アルキレン基」とは、上記のようなC1〜C6アルキル基から一つの水素原子が失われた基で、たとえば-CH2-、-CH2-CH2-や類似の基が挙げられる。
用語「C6〜C10アリーレン基」とは、炭素原子を6〜10個有するアリール基から一つの水素原子が失われた基で、単環または二環のアリーレン基を含み、たとえばフェニレン基、ナフチレン基や類似の基が挙げられる。
用語「6員のアリール基」とはフェニル基である。
用語「5〜8員のアリール基」とは、5〜8員環の炭素非飽和系の置換基で、たとえばフェニル基や類似の基が挙げられる。
用語「5員〜8員のヘテロアリール基」とは、5〜8員の環系にO、S、NまたはPから選ばれる一つまたは複数のヘテロ原子を有する非飽和環系置換基で、たとえばピリジル基、チエニル基や類似の基が挙げられる。
【0033】
用語「飽和3〜12員の炭素環」とは、炭素原子を3〜12個有する飽和炭素環で、たとえばシクロヘキシル基や類似の基が挙げられる。
用語「3〜12員の複素環」とは、3〜12員の環系にO、S、NまたはPから選ばれる一つまたは複数のヘテロ原子を有する飽和環系置換基で、たとえばピペリジル基、ピロリル基や類似の基が挙げられる。
用語「ハロゲン」とは、F、Cl、BrおよびIである。
本発明において、用語の「含有」、「包含」または「含む」は、各種の成分が一緒に本発明の混合物或いは組成物に用いられることを指す。そのため、用語「主に〜からなる」および「〜からなる」は、用語の「含有」に含まれる。
【0034】
本発明において、用語「薬学的に允許許容される」成分とは、ヒト及び/又は動物に適用する場合、過度の不良な副反応(例えば毒性、刺激とアレルギー反応)がない、すなわち、合理的なベネフィット/リスク比を持つ物質である。
本発明において、用語の「有効量」とは、治療剤として目的の疾患や病状を治療、緩和または予防できる量、あるいは検出できる治療または予防の効果を示す量を指す。ある対象に対する正確な有効量は、その対象の体型や健康状況、病症の性質や程度、及び選ばれる治療剤および/または治療剤の組み合わせにもよる。そのため、予め指定される精確な有効量は意味がない。しかしながら、ある指定された状況に対して、臨床の医師は、通常の実験で有効量を確定し、判断することができる。
【0035】
ここで、特別に説明しない限り、用語「置換」とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルキル基、非置換またはハロゲン置換のC2〜C6アシル基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルキル基-ヒドロキシル基からなる群から選ばれる置換基で置換されることである。
特別に説明しない限り、本発明において、記載されたすべての化合物はいずれもすべての可能な光学異性体、たとえば単一のキラル化合物、または様々な異なるキラル化合物の混合物(すなわちラセミ体)を含む。本発明のすべての化合物において、各キラル炭素原子は任意にR配置またはS配置でもよく、あるいはR配置とS配置の混合物でもよい。
ここで用いられるように、用語「本発明化合物」とは式Iで表される化合物である。この用語は、さらに、式I化合物の各種の結晶型、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物を含む。
【0036】
ここで用いられるように、用語「薬学的に許容される塩」とは本発明化合物と酸または塩基とで形成される、医薬として適切な塩である。薬学的に許容される塩は無機塩と有機塩を含む。一種の好適な塩は、本発明化合物と酸とで形成される塩である。塩の形成に適切な酸は、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、ギ酸、酢酸、プロパン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、フェニルメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸、およびアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸を含むが、これらに限定されない。
【0037】
式I化合物
【化8】
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(ただし、
Lは、H、テトラヒドロピラニル基(THP)からなる群から選ばれる。
各Xはそれぞれ独立にCl、F、H、CNからなる群から選ばれる。
W、Y、Zはそれぞれ独立にNまたはCHから選ばれる。
【0038】
環Aは無しか、置換または非置換の5〜8員のアリール基、あるいは置換または非置換の5員〜8員のヘテロアリール基(ここで、前記のヘテロアリール基は窒素、酸素または硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含む。)、置換または非置換の3員〜12員の飽和複素環または炭素環(ここで、前記の複素環は窒素、酸素または硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含む。)であるか、あるいは
【化9】
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である。
【0039】
RはHあるいは置換または非置換の以下の群から選ばれる基である。
【化10】
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【0040】
ここで、Mは無し、置換または非置換のC1〜C6のアルキレン基、置換または非置換のC6〜C10のアリーレン基、置換または非置換のC1〜C10のヘテロアリーレン基からなる群から選ばれる。
前記の置換」とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルキル基、非置換またはハロゲン置換のC2〜C6アシル基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルキル基-ヒドロキシル基からなる群から選ばれる置換基で置換されることである。)
【0041】
もう一つの好適な例において、前記の環Aは以下の群から選ばれるヘテロアリール基である。
【化11】
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(ただし、Q1、Q2、Q3、Q4はそれぞれ独立にNまたはCHから選ばれる。
B1、B2、B3、B4はそれぞれ独立にNまたはCHから選ばれる。)
【0042】
もう一つの好適な例において、前記の環Aは以下の群から選ばれるヘテロアリール基である。
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
【0043】
もう一つの好適な例において、Rは置換または非置換の以下の群から選ばれる基である。
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0044】
(ただし、
R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立にH、ハロゲン、C1〜C6直鎖アルキル基または分岐鎖アルキル基、ハロゲン置換のC1〜C6直鎖アルキル基または分岐鎖アルキル基からなる群から選ばれる。
R5はH、C1〜C6直鎖アルキル基または分岐鎖アルキル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアシル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキレン基-ヒドロキシル基からなる群から選ばれる。
R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12はそれぞれ独立にH、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアシル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルコール基(アルキレン基-ヒドロキシル基)からなる群から選ばれる。
【0045】
G1、G2、G3、G4はそれぞれ独立にH、ハロゲン、C1〜C6直鎖アルキル基または分岐鎖アルキル基、ハロゲン置換のC1〜C6直鎖アルキル基または分岐鎖アルキル基からなる群から選ばれる。
G5はH、C1〜C6直鎖アルキル基または分岐鎖アルキル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアシル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキル基-ヒドロキシル基からなる群から選ばれる。
【0046】
E1、E2はそれぞれ独立にH、ハロゲン、直鎖アルキル基または分岐鎖アルキル基、ハロゲン置換のC1〜C6直鎖アルキル基または分岐鎖アルキル基からなる群から選ばれる。
E3はH、C1〜C6直鎖アルキル基または分岐鎖アルキル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアシル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキレン基-ヒドロキシル基からなる群から選ばれる。
R13、R14、R15、R16はそれぞれ独立にH、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルキル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアシル基、C1〜C6直鎖または分岐鎖のアルコール基(アルキレン基-ヒドロキシル基)からなる群から選ばれる。
C0-C3 alkylは無しか、あるいは1〜3個の炭素原子を有するアルキレン基である。
C1-C6 alkylは1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基である。)
【0047】
もう一つの好適な例において、Lは、H、テトラヒドロピラニル基(THP)からなる群から選ばれ、
各Xはそれぞれ独立にH、Cl、F、CNからなる群から選ばれ、
W、Y、Zはそれぞれ独立にNまたはCHから選ばれる。
環Aは置換または非置換の6員のアリール基、あるいは置換または非置換の5員〜6員のヘテロアリール基(ここで、前記のヘテロアリール基は窒素、酸素または硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含む。)で、
Mは置換または非置換のC1〜C4のアルキレン基からなる群から選ばれるか、あるいはMは存在せず、
前記の置換」とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルキル基、非置換またはハロゲン置換のC2〜C4アシル基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルキル基-ヒドロキシル基からなる群から選ばれる置換基で置換されることである。
【0048】
もう一つの好適な例において、LはHで、
各Xはそれぞれ独立にH、Cl、Fからなる群から選ばれ、
W、Y、Zはそれぞれ独立にNまたはCHから選ばれ、
環Aは無し、フェニル基、ピラゾリル基、ピリジル基、チアゾリル基、ピペリジル基からなる群から選ばれる基で、
Mは置換または非置換のC1〜C3のアルキレン基からなる群から選ばれるか、あるいはMは存在せず、
前記の置換」とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルキル基、非置換またはハロゲン置換のC2〜C4アシル基、非置換またはハロゲン置換のC1〜C4アルキル基-ヒドロキシル基からなる群から選ばれる置換基で置換されることである。
【0049】
もう一つの好適な例において、前記の式I化合物は、以下の群から選ばれる化合物である。
【化14】
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【0050】
【化15】
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【0051】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0052】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0053】
式I化合物の製造
製造方法
以下、具体的に本発明の式(I)の構造の化合物の製造方法を説明するが、これらの具体的な方法は本発明に対する制限にならない。本発明化合物は、本明細書で説明された、又は本分野で知られた各種の合成方法を任意に組合せて便利に製造するができ、このような組合せは本発明が属する分野の技術者が容易にできることである。
本発明で使用された式I-8化合物および式I-9化合物の製造方法は既知のものである。通常、製造のプロセスでは、各反応は通常、不活性溶媒において、室温〜還流温度で行われる。反応時間は、通常、0.1時間〜60時間、好ましくは0.5〜48時間である。
【0054】
好適な式I化合物の製造方法は、
【化18】
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(上記各式において、各基の定義は前記の通りである。)
(a) 不活性溶媒において、式I-8化合物を用いて式I-9化合物と反応させ、式I化合物を得る工程、
を含む。
【0055】
もう一つの好適な例において、前記の反応は銅塩の存在下で行われ、好ましくは、前記の銅塩はCuI、Cu、CuCl、Cu2O、CuO、Cu(OAc)2、CuSO4・5H2O、Cu(acac)2、CuCl2、CuSCN、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれるが、これらに限定されない。
もう一つの好適な例において、前記の反応は配位子の存在下で行われ、好ましくは、前記の配位子は二座アミンの配位子で、より好ましくは、前記の配位子はN1,N2-ジメチル-エチレンジアミン、(1R,2R)-(-)-N,N’-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれるが、これらに限定されない。
もう一つの好適な例において、前記の反応は塩基の存在下で行われ、好ましくは、前記の塩基は無機塩基で、より好ましくはK2CO3、K3PO4、Cs2CO3、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれるが、これらに限定されない。
もう一つの好適な例において、前記の不活性溶媒は、トルエン、ジオキサン、THF、DMF、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれるが、これらに限定されない。
【0056】
もう一つの好適な例において、前述方法は、さらに、を含む。
【化19】
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(ほかの各基の定義は前記の通りである。)
(b) 不活性溶媒において、式I化合物を用いて脱保護させ、式I'化合物を得る工程、
を含む。
【0057】
もう一つの好適な例において、前記の反応は酸の存在下で行われ、好ましくは、前記の酸は塩酸、p-トルエンスルホン酸、TFA、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれるが、これらに限定されない。
もう一つの好適な例において、前記の不活性溶媒は、塩化メチレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、t-ブタノール、イソブタノール、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれるが、これらに限定されない。
一つの好適な製造方法は、以下の工程を含む。
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【0058】
(1)化合物A2は、化合物A1およびDHPから酸(たとえば、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸が挙げられるが、これらに限定されない)の触媒で不活性溶媒(DCM、THFなど)において反応させて得られる。
(2)化合物A4は、相応のホウ酸またはエステルから鈴木カップリング(Suzuki coupling)を行って得られ、不活性溶媒(たとえばジオキサンおよび水、トルエンおよび水、DMSO、THF、DMFなど)において、触媒(たとえばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd2(dba)3)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジアセテート、ビス(トリ-o-トリルホスフィン)パラジウムジクロリド、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウムジクロリドなど)および塩基(たとえば炭酸カリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化ナトリウム、リン酸カリウム、水和リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンまたはこれらの組み合わせなど)の存在下で、一定の時間(たとえば1〜4時間)で鈴木カップリング反応を行い、化合物A4を得る。
【0059】
(3)化合物A5は、化合物A4から不活性溶媒(塩化メチレン、THF、アセトニトリル)において、ゆっくりSO2Cl2を滴下し、室温で撹拌して得られる。
(4)化合物A6は、化合物A5から脱保護して得られ、不活性溶媒(たとえば塩化メチレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、t-ブタノール、イソブタノールなど)に酸(たとえば塩酸、p-トルエンスルホン酸、TFA)を入れて化合物A6を得る。
(5)化合物A7は、化合物A6、ヨウ素およびNaOHを入れて不活性溶媒(1,4-ジオキサン、DMFなど)において室温で撹拌して得られる。
(6)化合物A8は、化合物A7およびDHPから酸(たとえば、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸が挙げられるが、これらに限定されない)の触媒で不活性溶媒(DCM、THFなど)において反応させて得られる。
【0060】
(7)化合物A10は、化合物A8および化合物A9からアラミド化反応を行って得られ、好ましくは、前記の反応は以下の1種類または複数種類の試薬の存在下で行われる。銅塩:前記銅塩はCuI、Cu、CuCl、Cu2O、CuO、Cu(OAc)2、CuSO4・5H2O、Cu(acac)2、CuCl2、CuSCN、またはこれらの組み合わせでもよいが、これらに限定されない。配位子:前記配位子は二座アミンの配位子でもよく、N1,N2-ジメチル-エチレンジアミン、(1R,2R)-(-)-N,N’-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミンを含むが、これらに限定されない。塩基:前記の塩はK2CO3、K3PO4、Cs2CO3などの無機塩でもよいが、これらに限定されない。反応の溶媒はトルエン、ジオキサン、THF、DMFでもよいが、これらに限定されない。
(8)化合物A11は、化合物A10から脱保護して得られ、適切な酸(たとえば塩酸、p-トルエンスルホン酸、TFAが挙げられるが、これらに限定されない)で不活性溶媒(たとえば塩化メチレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、t-ブタノール、イソブタノールなど)において化合物11を得る。
【0061】
式I化合物の使用
前記の式I化合物は、以下の一つまたは複数の用途に使用することができる。
(a)FGFRキナーゼの活性または発現量に関連する疾患を治療する医薬の製造、
(b)FGFRキナーゼ選択的阻害剤の製造、
(c)体外におけるFGFRキナーゼの活性に対する非治療的な抑制、
(d)体外における腫瘍細胞の増殖に対する非治療的な抑制、
(e)FGFRキナーゼの活性または発現量に関連する疾患の治療。
【0062】
もう一つの好適な例において、前記FGFRの活性または発現量に関連する疾患は腫瘍で、好ましくは子宮内膜癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、骨髄腫、肝臓癌からなる群から選ばれる腫瘍である。
もう一つの好適な例において、前記FGFRキナーゼは、FGFR1、FGFR2、FGFR3、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記の腫瘍細胞は白血病細胞株で、好ましくは骨髄性白血病細胞株で、より好ましくは急性骨髄性白血病細胞株KG1細胞である。
本発明の式I化合物は、(i)治療有効量の式I化合物、またはその薬学的に許容される塩と、(ii)薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物の製造に使用することができる。
もう一つの好適な例において、前記の有効量は治療有効量または抑制有効量である。
もう一つの好適な例において、前記の医薬組成物は、FGFRキナーゼの活性に対しる抑制に使用される。
もう一つの好適な例において、前記の医薬組成物は、FGFRキナーゼの活性または発現量に関連する疾患の治療に使用される。
【0063】
また、本発明の式I化合物は、FGFRキナーゼの活性を抑制する方法であって、抑制対象に、抑制有効量の請求項1に記載の式I化合物またはその薬学的に許容される塩を施用する工程、あるいは抑制対象に、抑制有効量の請求項7に記載の医薬組成物を施用する工程を含むことを特徴とする方法に使用することができる。
もう一つの好適な例において、前記の抑制は体外における非治療的な抑制である。
もう一つの好適な例において、抑制対象に抑制有効量の請求項1に記載の式I化合物またはその薬学的に許容される塩を施用する場合、前記抑制有効量は0.001-500nmol/L、好ましくは0.01-200nmol/Lである。
特に、本発明は、さらに、FGFRキナーゼの活性または発現量に関連する疾患を治療する方法であって、治療対象に治療有効量の式I化合物、あるいは前記式I化合物を有効成分として含有する医薬組成物を施用することを含む方法を提供する。
もう一つの好適な例において、前記FGFRの活性または発現量に関連する疾患は腫瘍で、好ましくは子宮内膜癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、骨髄腫、肝臓癌からなる群から選ばれる腫瘍である。
【0064】
医薬組成物および使用方法
本発明化合物は、優れたFGFRキナーゼ(Kinase)、たとえばFGFR1、FGFR2、FGFR3に対する抑制活性を有するため、本発明化合物およびその各種の結晶型、薬学的に許容される無機・有機塩、水和物もしくは溶媒和物、並びに本発明化合物を主要活性成分として含有する医薬組成物はFGFRの活性または発現量に関連する疾患の治療、予防および緩和に有用である。既存技術によれば、本発明の化合物は、子宮内膜癌、乳癌、胃癌、膀胱癌、骨髄腫、肝臓癌などの疾患の治療に使用することができる。
【0065】
本発明の医薬組成物は、安全な有効量の範囲にある本発明化合物または薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤または担体と含む。ここで、「安全有効量」とは、化合物の量が病状の顕著な改善に充分で、重度な副作用が生じないことを指す。通常、医薬組成物は、本発明化合物を1〜2000mg/製剤で、好ましくは5〜200mg/製剤で含有する。好ましくは、前記の「製剤」は、カプセルまたは錠である。
【0066】
「薬学的に許容される担体」とは、ヒトに適用でき、且つ十分な純度および充分に低い毒性を持たなければならない、一種または複数種の相溶性固体または液体フィラーまたはゲル物質を指す。「相溶性」とは、組成物における各成分が本発明の化合物と、またその同士の間で配合することができ、化合物の効果を顕著に低下させないことを指す。薬学的に許容される担体の例の一部として、セルロースおよびその誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースナトリウム、セルロースアセテートなど)、ゼラチン、タルク、固体潤滑剤(例えばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム)、硫酸カルシウム、植物油(例えば大豆油、ゴマ油、落花生油、オリーブオイルなど)、多価アルコール(例えばプロピレングリコール、グリセリン、マンニトール、ソルビトールなど)、乳化剤(例えばツインR)、湿潤剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム)、着色剤、調味剤、安定剤、酸化防止剤、防腐剤、発熱性物質除去蒸留水などがある。
【0067】
本発明の医薬組成物の施用様態は、特に限定されないが、代表的な施用様態は、経口投与、腫瘍内、直腸、胃腸外(静脈内、筋肉内、または皮下)投与、および局部投与を含むが、これらに限定されない。
【0068】
経口投与に用いられる固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤を含む。これらの固体剤形において、活性化合物は通常、少なくとも一種の不活性賦形剤(または担体)、たとえばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムと混合されるが、或いは、(a)フィラーまたは相溶剤、例えば、でん粉、乳糖、ショ糖、グルコース、マンニトールやケイ酸、(b)バインダー、例えば、ヒドロメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖やアラビアゴム、(c)保湿剤、例えば、グリセリン、(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯澱粉やタピオカ澱粉、アルギン酸、ある複合ケイ酸塩や炭酸ナトリウム、(e)溶液遅延剤、例えばパラフィン、(f)吸収促進剤、例えば、アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、例えばセタノール、グリセリンモノステアレート、(h)吸着剤、例えば、カオリン、また(i)潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ドデシル硫酸ナトリウム、またはこれらの混合物、のような成分と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤において、剤形に緩衝剤を含んでもよい。
【0069】
固体剤形、例えば錠剤、ピル、カプセル剤、丸剤や顆粒剤は、コーディングやシェル剤、例えば、腸衣および他の本分野で公知の材料で製造することができる。不透明剤を含んでもよく、且つこのような組成物において、活性物または化合物の放出は遅延の様態で消化管のある部分で放出してもよい。使用できる包埋成分の実例として、重合物質やワックス系物質が挙げられる。必要な場合、活性化合部も上記賦形剤のうちの一種または複数種とマイクロカプセルの様態に形成してもよい。
【0070】
経口投与に用いられる液体剤形は、薬学的に許容される乳液、溶液、懸濁液、シロップまたはチンキ剤を含む。活性化合物の他、液体剤形は、本分野で通常使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、相溶剤及び乳化剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジメチルホルムアミドおよび油、特に、綿実油、落花生油、コーン油、オリーブ油、ヒマシ油やゴマ油またはこれらの物質の混合物などを含んでもよい。
これらの不活性希釈剤の他、組成物は助剤、例えば、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味料、矯味剤や香料を含んでもよい。
活性化合物の他、懸濁液は、懸濁剤、例えば、エトキシ化イソオクタデカノール、ポリオキシエチレンソルビトールやソルビタンエステル、微晶質セルロース、メトキシアルミニウムや寒天またはこれらの物質の混合物などを含んでもよい。
【0071】
胃腸外注射用組成物は、生理的に許容される無菌の水含有または無水溶液、分散液、懸濁液や乳液、及び再溶解して無菌の注射可能な溶液または分散液にするための無菌粉末を含む。適切な水含有または非水性担体、希釈剤、溶媒または賦形剤は、水、エタノール、多価アルコールおよびその適切な混合物を含む。
局部投与のための本発明化合物の剤形は、軟膏剤、散剤、湿布剤、噴霧剤や吸入剤を含む。活性成分は、無菌条件で生理学的に許容される担体および任意の防腐剤、緩衝剤、または必要よって駆出剤と一緒に混合される。
【0072】
本発明化合物は、単独で投与してもよいし、或いは他の薬学的に許容される化合物と併用して投与してもよい。
医薬組成物を使用する場合、安全な有効量の本発明化合物を治療の必要のある哺乳動物(例えばヒト)に使用し、使用の際の用量は薬学上で効果があるとされる投与量で、体重60kgのヒトの場合、毎日の投与量は、通常1〜2000mg、好ましくは5〜500mgである。勿論、具体的な投与量は、さらに投与の様態、患者の健康状況などの要素を考えるべきで、すべて熟練の医者の技能範囲以内である。
【0073】
本発明の主な利点は以下の通りである。
1.式Iで表される化合物を提供する。
2.新規な構造のFGFR阻害剤およびその製造と使用を提供し、前記の阻害剤は非常に低い濃度でも各FGFRキナーゼの活性を抑制することができる。
3.FGFRキナーゼの活性に関連する疾患を治療する医薬組成物を提供する。
【0074】
以下、具体的な実施例によって、さらに本発明を説明する。これらの実施例は本発明を説明するために用いられるものだけで、本発明の範囲の制限にはならないと理解されるものである。以下の実施例において、具体的な条件が記載されていない実験方法は、通常、通常の条件、或いはメーカーの薦めの条件で行われた。特に断らない限り、%と部は、重量で計算される。
【0075】
各実施例において:
LCMS装置:Pump Agilent 1100 UV 検出器:Agilent 1100 DAD
Mass Spectrometer API 3000
クロマトグラフィーカラム:Waters sunfire C18, 4.6×50mm, 5um
移動相:A-アセトニトリル B- H2O (0.1%FA)
【0076】
実施例1
合成経路1
【化21】
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乾燥した250 mL丸底フラスコに1(10.00 g,51.0 mmol)、p-TSA (1.75g,10.2 mmol)および塩化メチレン(100.0 mL)を入れ、ゆっくりDHP (8.56 g,102.0 mmol)を滴下し、室温で4.0 h撹拌した。反応終了後、反応液を100.0 mLの水で希釈し、200 mLの塩化メチレンで2回抽出し、有机相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して化合物2を得た(8.90 g,62%)。LCMS: 281(M+H)+ , RT= 1.626 mim。
【0077】
【化22】
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乾燥した250 mL丸底フラスコに室温で順に化合物2(8.90 g,31.7 mmol)、3 (5.77 g,31.7 mmol)、Pd(PPh3)4 (3.66 g,3.17 mmol)、K2CO3 (8.75 g, 63.4 mmol)、1,4-ジオキサン(60.0 mL)および水(15.0 mL)を入れ、均一に分散するまで撹拌した。窒素ガスの保護下で、4.0 h加熱還流させた。反応液を室温に冷却し、溶媒を回転乾燥して粗製品を得、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:10)によって化合物4を得た(8.10g,76%)。LC MS: 339(M+H)+, RT=1.626mim。
【0078】
【化23】
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乾燥した250 mL丸底フラスコに化合物4(7.90 g,23.4 mmol)および塩化メチレン(50.0 mL)を入れ、ゆっくりSO2Cl2(7.15 g,46.7 mmol)を滴下し、室温で4.0 h撹拌した。反応液に50.0 mLの水を入れて希釈し、200 mLの塩化メチレンで2回抽出し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、有机相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して化合物5を得た(8.50 g,89%)。LC MS: 407(M+H)+, RT=1.798mim。
【0079】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
乾燥した250 mL丸底フラスコに化合物5(8.50 g,20.9 mmol)および塩酸のメタノール溶液(1M)(80.0 mL)を入れ、16.0 h加熱還流させた。反応液は溶媒を回転乾燥して7.50 gの化合物6を得、精製せずにそのまま次の工程に使用した。LCMS: 323(M+H)+, RT= 1.592mim。
【0080】
【化25】
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乾燥した250 mL丸底フラスコに化合物6(7.40 g,23.0 mmol)、ヨウ素(11.68 g,46.0 mmol)、NaOH(1.84 g,46.0 mmol)および1,4-ジオキサン(60.0 mL)を入れた。室温で2.0h撹拌した。反応終了後、200 mLの水を入れ、混合物を200 mLの塩化メチレンで2回抽出し、有機相を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、有机相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して化合物7を得た(9.50 g,92%)。LC MS: 449(M+H)+, RT=1.644mim。
【0081】
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
乾燥した250 mL丸底フラスコに7(9.30 g,20.76 mmol)、p-TSA (0.71 g,4.152 mmol)および塩化メチレン(50.0 mL)を入れ、ゆっくりDHP (3.48 g,41.52 mmol)を滴下し、室温で4.0 h撹拌した。反応液を50.0 mLの水で希釈し、200 mLの塩化メチレンで2回抽出し、有机相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して化合物8を得た(7.70 g,70%)。LC MS: 281(M+H)+,RT= 2.165mim.
【数1】
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【0082】
【化27】
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化合物9(10 g, 82.6 mmol)を500 mLの単口フラスコに置き、200 mLのDMSOを入れた。室温で(2R,6S)-2,6-ジメチルピペラジン(14 g, 124 mmol)およびK2CO3 (28.5 g, 206.5 mmol)を入れ、均一に撹拌した。その後、130℃に加熱し、8 h反応させた。反応終了後、1 Lの水に注いだ。酢酸エチル(150 mL×3)で抽出した。有機相を100 mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した、溶媒を回転乾燥し、微黄色固体15 gを得、収率は85%であった。
【数2】
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【0083】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
化合物11(9.03 g, 42 mmol)を175 mLのエタノールに溶解させ、さらに室温で溶液に順にNaOH(6.0 N, 105 ml)およびH2O2(16.1 ml)を入れた。50℃に昇温させ、5 h撹拌した。反応終了後、0℃に冷却し、3Nの硫酸でpH値を7にした。有機相を回転蒸発させ、0℃で30分間撹拌した。ろ過して白色固体6.5 gを得、収率は66%であった。
【数3】
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【0084】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
化合物8(2.0 g, 3.75 mmol)を20 mLの無水DMFに溶解させ、さらに室温で溶液に順にトランス-N,N’-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン(107 mg, 0.75 mmol)、CuI(36 mg, 0.19 mmol)、K3PO4(1.6 g, 7.5 mmol)および12(1.05 g, 4.5 mmol)を入れた。窒素ガスで3回置換し、110℃に昇温させ、16 h撹拌した。反応終了後、溶媒を回転蒸発させて粗製品を得、カラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=40:1)によって白色固体0.98 gを得、収率は41%であった。
【数4】
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【0085】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
化合物13(0.86 g, 1.35 mmol)を10 mLの塩化メチレンに溶解させ、さらに室温で溶液にトリフルオロ酢酸(5 ml)を入れた。室温で4時間撹拌した。反応終了後、溶媒を回転蒸発させて粗製品を得、カラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=20:1)によって白色固体0.61gを得、収率は82%であった。
【数5】
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【0086】
類似の方法によって以下の化合物を得ることができる。
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【化31】
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【数6】
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【0087】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【数7】
[この文献は図面を表示できません]
【0088】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-モルホリンベンズアミド
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【数8】
[この文献は図面を表示できません]
【0089】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(4-エチルピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【数9】
[この文献は図面を表示できません]
【0090】
4-((4-アセチル-1-イル)メチル)-N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)ベンズアミド
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【数10】
[この文献は図面を表示できません]
【0091】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)ベンズアミド
【化36】
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【数11】
[この文献は図面を表示できません]
【0092】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-5-((3R,5S)-3,5-ジメチル-1-イル)ピコリンアミド
【化37】
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【数12】
[この文献は図面を表示できません]
【0093】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(3,3-ジメチル-1-イル)ベンズアミド
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
【数13】
[この文献は図面を表示できません]
【0094】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-3-(4-メチル-1-イル)ベンズアミド
【化39】
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【数14】
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【0095】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(4-イソプロピル-1-イル)ベンズアミド
【化40】
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【数15】
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【0096】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(ピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【化41】
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【数16】
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【0097】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)ベンズアミド
【化42】
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【数17】
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【0098】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジル)ベンズアミド
【化43】
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【数18】
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【0099】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(2-(ジメチルアミノ)アセチルアミノ)ベンズアミド
【化44】
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【数19】
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【0100】
N-(6-(3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-((3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
【数20】
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【0101】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(4-ピバロイルピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【化46】
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【数21】
[この文献は図面を表示できません]
【0102】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-1-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-4-カルボアミド
【化47】
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【数22】
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【0103】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[5,1-B]オキサゾール-7-カルボアミド
【化48】
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【数23】
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【0104】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロピル)ベンズアミド
【化49】
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【数24】
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【0105】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-((ジメチルアミノ)メチル)ベンズアミド
【化50】
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【数25】
[この文献は図面を表示できません]
【0106】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(ジメチルアミノ)ベンズアミド
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
【数26】
[この文献は図面を表示できません]
【0107】
4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)-N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)ベンズアミド
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【数27】
[この文献は図面を表示できません]
【0108】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)ベンズアミド
【化53】
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【数28】
[この文献は図面を表示できません]
【0109】
合成経路2
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
乾燥した50 mL丸底フラスコに化合物38(1.20 g,3.55 mmol)およびアセトニトリル(20.0 mL)を入れた。N2の保護下で0℃でセレクトフルオル(2.51g,7.1 mmol)を分けて入れ、室温で18.0 h撹拌した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を順に水、飽和NaHCO3、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して粗製品を得、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:8)によって粗製品の化合物39を得た(629 mg,47%)。LCMS: 374.9(M+H)+,RT= 1.243min。
【0110】
【化55】
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乾燥した50 mL丸底フラスコに化合物39(629 mg,1.68 mmol)および塩化メチレン(10.0 mL)を入れ、氷浴下でゆっくりTFA(2 mL)を滴下し、室温で3.0 h撹拌した。溶媒を回転乾燥し、残渣を氷水で希釈し、飽和NaHCO3溶液でpH=8に調整し、酢酸エチルで抽出し、有機相を水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して粗製品の化合物40を得た(460 mg,94%)。LCMS: 291.0(M+H)+,RT= 1.233min。
【0111】
【化56】
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乾燥した50 mL丸底フラスコに化合物40(460 mg,1.59 mmol)、NaOH水溶液(5.3 mL,3N)および1,4-ジオキサン(6.0 mL)を入れた。0℃でヨウ素(484.0 mg,1.90 mmol)の1,4-ジオキサン溶液を滴下した。室温で18.0 h撹拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、酢酸エチルで抽出し、有機相を順に水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して粗製品41(633.0 mg,95.6%)を得、精製せずにそのまま次の工程に使用した。LCMS: 416.9(M+H)+,RT= 1.540min。
【0112】
【化57】
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乾燥した50 mL丸底フラスコに41(633.0 mg,1.52 mmol)、p-TSA (58.0 mg,0.30 mmol)および塩化メチレン(6.0 mL)を入れ、ゆっくりDHP (256.0 mg,3.04 mmol)を滴下し、室温で18.0 h撹拌した。反応液を20.0 mLの水で希釈し、塩化メチレンで抽出し、有机相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して粗製品を得、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:12)によって化合物42を得た(260.0 mg,34%)。
【0113】
【化58】
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乾燥した25 mL三口フラスコに42(260 mg, 0.52 mmol)、5a(145 mg,0.62 mmol)、5b(148.0 mg,1.04 mmol)、K3PO4(331.0 mg,1.56 mmol)、CuI(99 mg,0.52 mmol)および乾燥したDMF(3.0 mL)を入れ、120℃で6.0 h撹拌した。反応液を20.0 mLの水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を合併し、順に水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して粗製品の化合物43(290 mg,92%)を得、精製せずにそのまま次の工程に使用した。LCMS: 606.1(M+H)+,RT= 1.063min。
【0114】
【化59】
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乾燥した25 mL丸底フラスコに43(290.0 mg,0.48 mmol)および塩化メチレン(10.0 mL)を入れ、氷水浴でゆっくりTFA(2.0 mL)を滴下し、室温で4.0 h撹拌した。溶媒を回転乾燥して粗製品を得、酸性prep-HPLCによって化合物44を得た(50.2 mg,21%,TFA塩)。LCMS: 522.1(M+H)+,RT= 1.227min。
【数29】
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【0115】
類似の方法によって以下の化合物を得ることができる。
N-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【化60】
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【数30】
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【0116】
N-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(3,3-ジメチルピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【数31】
[この文献は図面を表示できません]
【0117】
1N-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(4-エチルピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【化62】
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【数32】
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【0118】
N-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【化63】
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【数33】
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【0119】
合成経路3
【化64】
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乾燥した50 mL丸底フラスコに化合物49(1.20 g,3.55 mmol)およびアセトニトリル(20.0 mL)を入れた。N2の保護下で0℃でセレクトフルオル(2.51g,7.1 mmol)を分けて入れ、室温で18.0 h撹拌した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を順に水、飽和NaHCO3、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して粗製品を得、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:8)によって粗製品の化合物50を得た(629 mg,47%)。LCMS: 374.9(M+H)+,RT= 1.243min。
【0120】
【化65】
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乾燥した50 mL丸底フラスコに化合物50(629 mg,1.68 mmol)および塩化メチレン(10.0 mL)を入れ、氷浴下でゆっくりTFA(2 mL)を滴下し、室温で3.0 h撹拌した。溶媒を回転乾燥し、残渣を氷水で希釈し、飽和NaHCO3溶液でpH=8に調整し、酢酸エチルで抽出し、有機相を水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して粗製品の化合物51を得た(460 mg,95%)。LCMS: 291.0(M+H)+,RT= 1.233min。
【0121】
【化66】
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乾燥した50 mL丸底フラスコに化合物51(460 mg,1.59 mmol)、NaOH水溶液(5.3 mL,3N)および1,4-ジオキサン(6.0 mL)を入れた。0℃でヨウ素(484.0 mg,1.90 mmol)の1,4-ジオキサン溶液を滴下した。室温で18.0 h撹拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、酢酸エチルで抽出し、有機相を順に水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して粗製品52(633.0 mg,96%)を得、精製せずにそのまま次の工程に使用した。LCMS: 416.9(M+H)+,RT= 1.540min。
【0122】
【化67】
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乾燥した50 mL丸底フラスコに52(633.0 mg,1.52 mmol)、p-TSA (58.0 mg,0.30 mmol)および塩化メチレン(6.0 mL)を入れ、ゆっくりDHP (256.0 mg,3.04 mmol)を滴下し、室温で18.0 h撹拌した。反応液を20.0 mLの水で希釈し、塩化メチレンで抽出し、有机相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して粗製品を得、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:12)によって化合物53を得た(265.0 mg,26%)。
【0123】
【化68】
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乾燥した25 mL三口フラスコに53(193 mg, 0.40 mmol)、5a(112 mg,0.48 mmol)、5b(114.0 mg,0.81 mmol)、K3PO4(256.0 mg,1.21 mmol)、CuI(76 mg,0.40 mmol)および乾燥したDMF(3.0 mL)を入れ、120℃で6.0 h撹拌した。反応液を30.0 mLの水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を合併し、順に水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して粗製品の化合物54(240 mg,99%)を得、精製せずにそのまま次の工程に使用した。LCMS: 588.1(M+H)+,RT= 1.320min。
【0124】
【化69】
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乾燥した25 mL丸底フラスコに54(240.0 mg,0.41 mmol)および塩化メチレン(7.5 mL)を入れ、氷水浴でゆっくりTFA(1.5 mL)を滴下し、室温で4.0 h撹拌した。溶媒を回転乾燥して粗製品を得、酸性prep-HPLCによって化合物55を得た(70.8 mg,34%,TFA塩)。LCMS: 522.1(M+H)+,RT= 1.227min。
【数34】
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【0125】
合成経路4
【化70】
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乾燥した250 mL丸底フラスコに56(10.00 g,51.0 mmol)、p-TSA (1.75g,10.2 mmol)および塩化メチレン(100.0 mL)を入れ、ゆっくりDHP (8.56 g,102.0 mmol)を滴下し、室温で4.0 h撹拌した。反応終了後、反応液を100.0 mLの水で希釈し、200 mLの塩化メチレンで2回抽出し、有机相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して化合物57を得た(8.90 g,62%)。LCMS: 281(M+H)+ , RT= 1.626 min。
【0126】
【化71】
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乾燥した250 mL丸底フラスコに室温で順に化合物57(8.90 g,31.7 mmol)、3(5.77 g,31.7 mmol)、Pd(PPh3)4 (3.66 g,3.17 mmol)、K2CO3 (8.75 g, 63.4 mmol)、1,4-ジオキサン(60.0 mL)および水(15.0 mL)を入れ、均一に分散するまで撹拌した。窒素ガスの保護下で、4.0 h加熱還流させた。反応液を室温に冷却し、溶媒を回転乾燥して粗製品を得、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:10)によって化合物58を得た(8.10 g,76%)。LCMS: 339(M+H)+, RT=1.626min。
【0127】
【化72】
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乾燥した250 mL丸底フラスコに化合物58(7.90 g,23.4 mmol)および塩化メチレン(50.0 mL)を入れ、ゆっくりSO2Cl2(7.15 g,46.7 mmol)を滴下し、室温で4.0 h撹拌した。反応液に50.0 mLの水を入れて希釈し、200 mLの塩化メチレンで2回抽出し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、有机相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して化合物59を得た(8.50 g,89%)。LCMS: 407(M+H)+, RT=1.798min。
【0128】
【化73】
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乾燥した250 mL丸底フラスコに化合物59(0.972 g,3 mmol)、NIS(1.6 g,7 mmol)およびDCM(10.0 mL)を入れた。室温で2.0h撹拌した。反応終了後、200 mLの水を入れ、混合物を200 mLの塩化メチレンで2回抽出し、有機相を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、有机相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して化合物60を得た(1.1 g,82%)。LCMS: 450(M+H)+, RT=1.644min。
【0129】
【化74】
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乾燥した250 mL丸底フラスコに60(9.30 g,20.76 mmol)、p-TSA (0.71 g,4.152 mmol)および塩化メチレン(50.0 mL)を入れ、ゆっくりDHP (3.48 g,41.52 mmol)を滴下し、室温で4.0 h撹拌した。反応液を50.0 mLの水で希釈し、200 mLの塩化メチレンで2回抽出し、有机相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して化合物61を得た(7.70 g,70%)。LCMS: 281(M+H)+,RT= 2.165min。
【0130】
【化75】
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化合物61(2.0 g, 3.75 mmol)を20 mLの無水DMFに溶解させ、さらに室温で溶液に順にトランス-N,N’-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン(107 mg, 0.75 mmol)、CuI(36 mg, 0.19 mmol)、K3PO4(1.6 g, 7.5 mmol)およびA12(1.05 g, 4.5 mmol)を入れた。窒素ガスで3回置換し、110℃に昇温させ、16 h撹拌した。反応終了後、溶媒を回転蒸発させて粗製品を得、カラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=40:1)によって62の白色固体0.98 gを得、収率は41%であった。
【0131】
【化76】
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化合物62(0.86 g, 1.35 mmol)を10 mLの塩化メチレンに溶解させ、さらに室温で溶液にトリフルオロ酢酸(5 ml)を入れた。室温で4時間撹拌した。反応終了後、溶媒を回転蒸発させて粗製品を得、カラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=20:1)によって白色固体63を得た(0.61 g、収率82%)。
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【数35】
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【0132】
類似の方法によって以下の化合物を得ることができる。
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インダゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-4-((3S,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【化77】
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【数36】
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【0133】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インダゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-4-(4-エチルピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【化78】
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【数37】
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【0134】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-4-((3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【化79】
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【数38】
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【0135】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-4-(4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)ベンズアミド
【化80】
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【数39】
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【0136】
N-(6-(3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-4-(((3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル))ベンズアミド
【化81】
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【数40】
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【0137】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)ピリジンカルボアミド
【化82】
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【数41】
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【0138】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-4-モルホリンベンズアミド
【化83】
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【数42】
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【0139】
【化84】
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【数43】
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【0140】
【化85】
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【数44】
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【0141】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-4-(2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)ベンズアミド
【化86】
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【数45】
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【0142】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ニコチンアミド
【化87】
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【数46】
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【0143】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-6-(4-エチルピペラジン-1-イル)ニコチンアミド
【化88】
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【数47】
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【0144】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-6-(3,3-ジメチルピペラジン-1-イル)ニコチンアミド
【化89】
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【数48】
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【0145】
6-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)ニコチンアミド
【化90】
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【数49】
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【0146】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-4-(4-シクロプロピルピペリジン-1-イル)ベンズアミド
【化91】
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【数50】
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【0147】
合成経路5
【化92】
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窒素ガスの保護下で乾燥した250 mL三口フラスコに74(10.00 g,43.9 mmol)およびテトラヒドロフラン(100.0 mL)を入れ、-78℃でゆっくりイソプロピルマグネシウムクロリド-塩化リチウム錯体溶液(2M)(24.2 mL,48.3 mmol)を滴下し、-78℃〜-35℃で半時間撹拌した後、-78℃でゆっくりDMF(9.6 g,131.6 mmol)を滴下し、-35℃で4時間撹拌した。反応を飽和塩化アンモニウム溶液で-78℃でクエンチングし、反応液を100.0 mLの水で希釈し、200 mLの酢酸エチルで2回抽出し、有机相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転乾燥して化合物75を得(2.1 g,31%)、白色固体であった。
【数51】
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【0148】
【化93】
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化合物75(2.0 g, 11.3 mmol)をTHF(10 mL)に溶解させ、0℃で水加ヒドラジン(1.33 g,22.6 mmol)のTHF(20 mL)溶液を入れ、反応液を室温で半時間撹拌してシリカゲルカラムにかけて精製して化合物76を得て黄色固体であった(1.0 g,57%)。LCMS: 155(M+H)+, RT=0.929min。
【0149】
【化94】
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化合物76(1.0 g,6.5 mmol)、DHP(1.1 g,13 mmol)およびPTSA(224 mg,1.3 mmol)を30mlの塩化メチレンに溶解させて室温で一晩置き、混合物をシリカゲルカラムにかけて精製して黄色固体の化合物77を得た(1.0 g,65%)。LCMS: 239(M+H)+, RT= 1.32min。
【0150】
【化95】
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化合物77(900mg,3.8mmol)、3,5-ジメトキシフェニルホウ酸(826 mg,4.5 mmol)、Pd(dppf)Cl2(415 mg,0.57 mmol)およびリン酸カリウム(960 mg,4.5 mmol)を1,4-ジオキサン(12 mL)に溶解させて110℃で90分間マイクロ波反応させ、シリカゲルカラムにかけて精製して黄色固体の化合物78を得た(950 mg,74%)。LCMS: 341(M+H)+, RT= 1.803min。
【0151】
【化96】
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化合物78(500 mg,1.5 mmol)を10mLの塩化メチレンに溶解させ、0℃でスルホニルクロリド(446 mg,3.3 mmol)を入れ、室温で4時間撹拌し、原料がなくなるのをLCMSで検出し、反応液に少量の水を入れてクエンチングし、シリカゲルカラムにかけて精製して白色固体の化合物79を得た(460 mg,84%)。LC MS: 325(M+H)+, RT=1.24min。
【0152】
【化97】
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化合物79(400 mg,1.23 mmol)およびNIS(554 mg,2.46 mmol)を5 mLのDMFに溶解させて80℃で一晩置いた。反応液をオイルポンプで回転乾燥してシリカゲルカラムにかけて精製して化合物80を得た(370 mg、67%)。LCMS: 450(M+H)+,RT= 1.577min。
【0153】
【化98】
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化合物80(370 mg, 0.82 mmol)、DHP(138 mg,1.64 mmol)およびPTSA(28 mg,0.16 mmol)を10 mLの塩化メチレンに溶解させて室温で4時間撹拌し、混合物をカラムにかけて精製して黄色固体の化合物81を得た(450 mg,100%)。LCMS: 534(M+H)+,RT= 1.964min。
【0154】
【化99】
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化合物81(100 mg, 0.19 mmol)、4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンズアミド(82 mg,0.37 mmol)、CuI(7 mg,0.037 mmol)、K3PO4(119 mg,0.56 mmol)およびN,N'-ジメチル-1,2-シクロヘキサンジアミン(5 mg,0.037 mmol)を3 mLのDMFに溶解させ、110℃で一晩撹拌し、回転乾燥してカラムにかけて精製し、得られた褐色油状の化合物82は55 mgで、収率は47%であった。LCMS: 626 (M+H)+,RT= 1.37min。
【0155】
【化100】
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化合物82(55 mg, 0.088 mmol)および2 mLのトリフルオロ酢酸を2 mLの塩化メチレンに溶解させ、室温で一晩置き、反応終了後、溶媒を回転蒸発させて粗製品を得、pre-TLCで精製してからpre-HPLCで精製して4 mgの黄色固体の産物83を得、収率は8%であった。LCMS: 542 (M+H)+,RT= 1.27min。
【数52】
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【0156】
類似の方法によって以下の化合物を得ることができる。
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-イル)-4-((3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)ベンズアミド
【化101】
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【数53】
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【0157】
化合物63を合成する方法によって以下の化合物を得ることができる。
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ニコチンアミド
【化102】
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【数54】
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【0158】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-6-(4-エチルピペラジン-1-イル)ニコチンアミド
【化103】
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【数55】
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【0159】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-6-(3,3-ジメチルピペラジン-1-イル)ニコチンアミド
【化104】
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【数56】
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【0160】
6-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)ニコチンアミド
【化105】
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【0161】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-4-(4-シクロプロピルピペリジン-1-イル)ベンズアミド
【化106】
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【0162】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-4-((3S,5R)-3,4,5-トリメチルピペリジン-1-イル)ベンズアミド
【化107】
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【数57】
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【0163】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-4-(3,3-ジメチルピペラジン-1-イル)-3-フルオロベンズアミド
【化108】
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【数58】
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【0164】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-カルボアミド
【化109】
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【数59】
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【0165】
44の合成と類似の方法によって以下の化合物を得ることができる。
N-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(ピペリジン-1-イル)ベンズアミド
【化110】
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【数60】
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【0166】
N-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド
【化111】
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【数61】
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【0167】
N-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(4-メチル-1,4-ジアザシクロヘプタン-1-イル)ベンズアミド
【化112】
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【数62】
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【0168】
N-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリミジン-5-カルボアミド
【化113】
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【数63】
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【0169】
N-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(3,3-ジメチルピペラジン-1-イル)-3-メトキシベンズアミド
【化114】
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【数64】
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【0170】
N-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-インドール-3-イル)-4-(3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)ベンズアミド
【化115】
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【数65】
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【0171】
化合物63を合成する方法によって以下の化合物を得ることができる。
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-4-(3,3,5,5-テトラメチルピペリジン-1-イル)ベンズアミド
【化116】
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【数66】
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【0172】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-4-(3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル)ベンズアミド
【化117】
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【数67】
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【0173】
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-4-(3,3-ジメチルピペラジン-1-イル)-3-メトキシベンズアミド
【化118】
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【数68】
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【0174】
実施例2 化合物の分子レベルにおけるFGFR1、FGFR2、FGFR3、KDRキナーゼの酵素活性に対する影響
1.試験方法
酵素反応の基質であるPoly(Glu, Tyr)4:1を無カリウムイオンのPBS(10 mM リン酸ナトリウム緩衝液、150 mM NaCl、pH 7.2〜7.4)で20 μg/mlに希釈し、125 μl/ウェルでマイクロプレートを被覆し、37℃に置いて12〜16時間反応させた。ウェルの中の液体を捨てた後、プレートを洗浄し、200 μl/ウェルのT-PBS(0.1% Tween-20を含有するPBS)でプレートを5分/回で3回洗浄した。37℃オーブンでマイクロプレートを1〜2時間乾燥した。
【0175】
各ウェルに反応緩衝液(50 mM HEPES、pH 7.4、50 mM MgCl2、0.5 mM MnCl2、0.2 mM Na3VO4、1 mM DTT)で希釈したATP溶液50 μLを最終濃度が5 μMになるように入れた。化合物をDMSOで適切な濃度に希釈し、1 μL/ウェルまたは相応の濃度のDMSO(陰性コントロールウェル)を含有するようにし、さらに49 μLの反応緩衝液で希釈した各キナーゼのキナーゼドメイン組み換えタンパク質を入れて反応を開始させ、毎回の実験に無ATPコントロールウェルを2つ設けた。37℃のシェーカー(100 rpm)に置いて1時間反応させた。T-PBSでプレートを3回洗浄した。一次抗体PY99希釈液を100 μL/ウェルで入れ、37℃のシェーカーで0.5時間反応させた。T-PBSでプレートを3回洗浄した。二次抗体西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ヒツジ抗マウスのIgG希釈液を100 μL/ウェルで入れ、37℃のシェーカーで0.5時間反応させた。T-PBSでプレートを3回洗浄した。2 mg/mLのOPD呈色液(0.03% H2O2含有0.1Mクエン酸-クエン酸ナトリウム緩衝液(pH=5.4)で希釈したもの)を100 μL/ウェルで入れ、25℃で光を避けて1〜10分間反応させた。(OPDの溶解に超音波が必要で、呈色液は使用直前に調製する。)2M H2SO4を50 μL/ウェルで入れて反応を中止し、波長調節可能なマイクロプレートリーダーSPECTRA MAX 190によって波長490 nmで数値を読み取った。
【0176】
サンプルの抑制率は、以下の公式で求めた。
【数69】
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IC50値はマイクロプレートリーダー付属ソフトによって4パラメータ法でフィッティングして求めた。
【0177】
2. 結果
下記表で一部のIC50資料を提供した。符号+はIC50が100 nm未満を、符号++はIC50が100 nm〜500 nmを、N/Aはデータ無しを表す。
【表1-1】
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【0178】
【表1-2】
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結果から、本発明の化合物は非常に低い濃度(≦100 nm)でも、有効に各種類のFGFRキナーゼの活性を抑制することができることが示された。
【0179】
実施例3 FGFR1が仲介する腫瘍細胞の増殖能力に対する化合物の影響の試験
1.試験方法
急性骨髄性白血病細胞株KG1細胞(細胞においてFGFR1融合タンパク質は細胞質基質で発現され、FGFR1依存性腫瘍細胞株で、ATCC細胞ライブラリーから購入された)に対する化合物の生長抑制はCCK-8細胞計数キット(Dojindo)によって検出した。具体的な手順は以下の通りである。対数増殖期にあるKG1細胞を適切な密度で96ウェルプレートに90 μL/ウェル接種し、一晩培養した後、異なる濃度の化合物を入れて72 h作用させ、かつ溶媒コントロール群(陰性コントロール)を設けた。化合物で細胞に72 h作用させた後、細胞増殖に対する化合物の影響はCCK-8細胞計数キット(Dojindo)によって検出し、CCK-8試薬を10 μL/ウェル入れ、37℃インキュベーターに2〜4時間置いた後、全波長式マイクロプレートリーダーSpectraMax 190で数値を読み取り、測定波長は450 nmであった。以下に示す公式で腫瘍細胞の生長に対する化合物の抑制率(%)を計算した。抑制率(%)=(OD陰性コントロールウェル-OD医薬投与ウェル)/ OD陰性コントロールウェル×100%IC50値はマイクロプレートリーダー付属ソフトによって4パラメータ法でフィッティングして求めた。
【0180】
2. 結果
下記表で一部の化合物のIC50値を提供した。符号+はIC50が200 nm未満を、かつ符号++はIC50が200 nm〜1000 nmを表す。
【表2】
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結果から、本発明の化合物は非常に低い濃度(≦1000 nm、好ましくは≦200 nm)でも、有効に腫瘍細胞の増殖を抑制することができることが示された。
【0181】
各文献がそれぞれ単独に引用されるように、本発明に係るすべての文献は本出願で参考として引用する。また、本発明の上記の内容を読み終わった後、この分野の技術者が本発明を各種の変動や修正をすることができるが、それらの等価の様態のものは本発明の請求の範囲に含まれることが理解されるはずである。