特許第6445736号(P6445736)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6445736アルキルベンゼンスルホン酸のアミン塩及び洗剤製剤におけるその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6445736
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】アルキルベンゼンスルホン酸のアミン塩及び洗剤製剤におけるその使用
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/22 20060101AFI20181217BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20181217BHJP
   C09K 3/00 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   C11D1/22
   C11D17/08
   C09K3/00 Z
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-503459(P2018-503459)
(86)(22)【出願日】2016年3月17日
(65)【公表番号】特表2018-510960(P2018-510960A)
(43)【公表日】2018年4月19日
(86)【国際出願番号】US2016022845
(87)【国際公開番号】WO2016175931
(87)【国際公開日】20161103
【審査請求日】2017年10月4日
(31)【優先権主張番号】62/155,044
(32)【優先日】2015年4月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクラム・プラサド
【審査官】 安孫子 由美
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0031593(US,A1)
【文献】 国際公開第02/057398(WO,A1)
【文献】 特開2000−034494(JP,A)
【文献】 特開昭48−000381(JP,A)
【文献】 特表2012−506457(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/048139(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
(式中、Rは、C−C14アルキルであり、Mは、式II:
【化2】
(式中、Rは、HまたはCHであり、Rは、C−Cアルキルであり、nは、1、2、または3である)のアミン化合物である)のアミンで中和されたアニオン性界面活性剤。
【請求項2】
は、フェニル環の4位にある、請求項1に記載の界面活性剤。
【請求項3】
は、直鎖(C10−C13)アルキルである、請求項1または2のいずれか一項に記載の界面活性剤。
【請求項4】
グリコールエーテルアミン化合物は、2−ブトキシ−1−アミノエタン(EBアミン)、2−(2−ブトキシエトキシ)−1−アミノエタン(DBアミン)、2−(2−メトキシエトキシ)−1−アミノエタン(DMアミン)、1−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−2−アミノプロパン(DPMアミン)、1−メトキシ−2−アミノプロパン(PMアミン)及び1−ブトキシ−2−アミノプロパン(PnBアミン)である、請求項1から3のいずれか一項に記載の界面活性剤。
【請求項5】
水溶性ポリビニルアルコールパウチ内に封入された、請求項1から4のいずれか一項に記載のアミンで中和されたアニオン性界面活性剤を含有する洗剤製剤を含む、洗剤パック。
【請求項6】
前記洗剤製剤は、脂肪酸塩、1種以上の追加の界面活性剤、1種以上の溶媒(例えば、プロピレングリコール及びグリセロール)ならびに水をさらに含む、請求項5に記載の洗剤パック。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2015年4月30日に出願された米国仮特許出願第62/155,044号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概して、アルキルベンゼンスルホン酸界面活性剤、より詳細には、ある特定のグリコールエーテルアミンで中和されたアルキルベンゼンスルホン酸界面活性剤、及び洗剤製剤におけるその使用に関する。
【0003】
液体洗濯洗剤市場における最近の商業的革新には、洗剤成分が水溶性ポリマーパウチ内に配置された「単位用量」製品が含まれる。これらの単位用量製品は、高い活性物質濃度、及び低い水分量(典型的には15%未満)を特徴とする。そのような高活性物質製剤を形成するためには、製剤安定性に悪影響を及ぼすことなくそのような小さい空間内に存在し得る界面活性剤分子が必要である。これらの悪影響のいくつかは、製剤の粘度の増加、及び不要なゲル小塊または分散していない凝集物をもたらす製剤と封入ポリマー(ほとんどの場合においてポリビニルアルコール(PVOH))との相互作用を含む。
【0004】
現在の製剤は、概して、1種以上の界面活性剤、典型的にはアニオン性及び/もしくは非イオン性界面活性剤またはそれらの組合せを含有する。一般的に使用されるクラスのアニオン性界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(「HLAS」)である。
【0005】
HLASの酸基は、機能的界面活性剤を得るために(約pH7程度で)、様々な塩基で中和される。商業的界面活性剤用途において使用される塩基のいくつかの一般的な例は、NaOH(LABS−直鎖アルキルベンゼンスルホネートナトリウム塩を生成する)である。しかしながら、LABS等の既知の中和されたHLASは、多くの領域において欠点を有する。例えば、そのような化合物は、洗剤組成物として製剤化された場合の不要にも高い粘度、及び/またはPVOHフィルムとの相互作用から生じるゲル小塊もしくは分散していない凝集物の形成を含む、上で示された欠点を示す可能性がある。
【0006】
本発明が対応する問題は、既存の材料の様々な欠点に対応する新たなアルキルベンゼンスルホン酸塩の提供である。
【発明の概要】
【0007】
ここで、我々は、好ましい特性を有する界面活性剤を提供するために、アルキルベンゼンスルホン酸が、本明細書に記載のように、ある特定のアミン化合物で中和され得ることを見出した。有利には、いくつかの実施形態において、本発明の界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ナトリウム塩またはモノエタノールアミン塩等の従来の界面活性剤と比較して、より低い粘度を示す。界面活性剤はまた、従来の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸系界面活性剤とは異なるようにPVOHフィルムと相互作用し、単位用量洗剤製剤中のより高い水分量を許容し得る。さらに、本発明の様々な界面活性剤は、単位用量製剤中に存在する場合、PVOH溶液と相互作用した際の凝集物形成を軽減または低下し得る。
【0008】
一態様において、式I:
【0009】
【化1】
【0010】
(式中、Rは、C−C14アルキルであり、Mは、式II:
【0011】
【化2】
【0012】
(式中、Rは、HまたはCHであり、Rは、C−Cアルキルであり、nは、1、2、または3である)のアミン化合物である)のアミンで中和されたアニオン性界面活性剤が提供される。
【0013】
別の態様において、水溶性ポリビニルアルコールパウチ内に封入された、本明細書に記載のようなアミンで中和されたアニオン性界面活性剤を含有する洗剤製剤を含む、洗剤パックが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
別段に指定されない限り、数値範囲、例えば「2から10」等は、範囲を画定する数値(例えば2及び10)を含む。
【0015】
別段に指定されない限り、比、パーセンテージ、部等は、重量基準である。組成物における重量パーセンテージ(または重量%)は、乾燥重量のパーセンテージであり、すなわち、組成物中に存在し得る水を除く。
【0016】
「アルキル」は、本明細書において使用される場合、示された数の炭素原子を有する直鎖及び分岐鎖脂肪族基を包含する。好ましいアルキル基は、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、及びヘキシルを含む。
【0017】
上で示されたように、一態様において、本発明は、式I:
【0018】
【化3】
【0019】
のアミンで中和されたアニオン性界面活性剤を提供する。
【0020】
式Iの化合物におけるRは、C−C14アルキル(直鎖または分岐鎖)である。いくつかの実施形態において、Rは、直鎖C−C14アルキルであってもよい。いくつかの実施形態において、Rは、直鎖C10−C13アルキルであってもよい。
【0021】
式I中のMHは、アミン化合物であり、式Iの中和されたアルキルベンゼンスルホネート成分の対イオンを形成する。アミン化合物であるMは、式II:
【0022】
【化4】
【0023】
(式中、Rは、HまたはCHであり、Rは、C−Cアルキルであり、nは、1、2、または3である)のアミン化合物である。
【0024】
いくつかの実施形態において、式IIのアミンにおけるRは、Hである。いくつかの実施形態において、Rは、CHである。
【0025】
いくつかの実施形態において、nは、1である。いくつかの実施形態において、nは、2である。いくつかの実施形態において、nは、3である。
【0026】
いくつかの実施形態において、Rは、C−Cアルキルである。いくつかの実施形態において、Rは、メチル、代替としてエチル、代替としてn−プロピル、または代替としてn−ブチルである。
【0027】
式IIの好ましい化合物は、2−ブトキシ−1−アミノエタン(「EBアミン」)、2−(2−ブトキシエトキシ)−1−アミノエタン(「DBアミン」)、2−(2−メトキシエトキシ)−1−アミノエタン(「DMアミン」)、1−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−2−アミノプロパン(DPMアミン)、1−メトキシ−2−アミノプロパン(PMアミン)及び1−ブトキシ−2−アミノプロパン(PnBアミン)を含む。
【0028】
式IIの化合物は、商業的に入手可能であり、及び/または、それらは、例えばWO2014/004193A1に記載のような文献の方法を使用して、当業者により合成され得る。
【0029】
式Iの化合物は、水及び/または他の溶媒中で、アルキルベンゼンスルホン酸を式IIのアミン化合物と混合することによって容易に調製され得る。混合は、典型的には、例えば機械的または磁気撹拌器を使用して、室温で行うことができる。追加的な詳細は、実施例により提供される。
【0030】
式Iの好ましい化合物は、以下を含む。
【0031】
【化5】
【0032】
式Iのアミンで中和されたアニオン性化合物は、広範な用途において界面活性剤として有用である。好ましくは、化合物は、洗濯洗剤等の清浄化のための洗剤製剤において有用である。より好ましくは、それらは、単位用量で、または封止パッケージ洗剤形態で使用される。好ましくは、洗剤製剤を含有する封止パッケージは、洗濯機に投入される。洗剤製剤において使用される式Iのアミンで中和されたアニオン性界面活性剤の量は、例えば、洗剤製剤の総重量を基準として、少なくとも20重量%、代替として少なくとも24重量%、及び最大40重量%、代替として最大32重量%であってもよい。
【0033】
洗剤パック用の洗剤製剤において使用される場合、そのような洗剤製剤は、様々な追加の成分を含有してもよい。例えば、製剤は、1種以上の脂肪酸塩(脂肪酸での中和により形成される)、1種以上の追加の界面活性剤、1種以上の溶媒(例えば、プロピレングリコール及びグリセロール)ならびに水を含有してもよい。
【0034】
塩のための好適な脂肪酸は、限定されないが、蒸留パーム核脂肪酸(例えばPALMERA B1220)を含む。洗剤製剤中の脂肪酸の量は、例えば、洗剤製剤の総重量を基準として、4.5から5.5重量パーセントであってもよい。
【0035】
追加の界面活性剤が、洗剤製剤中に含まれてもよい。界面活性剤(複数種可)は、カチオン性、アニオン性、非イオン性、脂肪酸塩、両性イオン性またはベタイン界面活性剤であってもよい。好ましくは、洗剤製剤は、少なくとも1種の、好ましくは少なくとも2種のアニオン性界面活性剤を含む。アニオン性界面活性剤の一方または両方が、式Iのアミンで中和されたアニオン性界面活性剤であってもよい。
【0036】
好ましくは、任意選択の非イオン性界面活性剤は、少なくとも8個の炭素原子及び少なくとも5個の重合エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド残基を有するアルキル基を有する。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、少なくとも5個、好ましくは少なくとも6個、好ましくは少なくとも7個、好ましくは12個以下、好ましくは11個以下、好ましくは10個以下の重合エチレンオキシド残基を有する。好ましくは、洗剤組成物は、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも6重量%、好ましくは少なくとも8重量%、好ましくは最大22重量%の直鎖アルコールエトキシレートを含む。好ましくは、直鎖アルコールエトキシレートは、C8−C18、好ましくはC10−C16、好ましくはC12−C15アルキル基を有する。好ましくは、直鎖アルコールエトキシレートは、6個から12個、好ましくは7個から10個のエチレンオキシド重合単位を含有する。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、少なくとも10個の炭素原子を有するアルキル基、ならびに好ましくはスルホネート及びサルフェートから選択されるアニオン性基を有する。アニオン性界面活性剤はまた、エチレンオキシドの重合残基を有してもよく、及び/または芳香環を有してもよく、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホネートであってもよい。いくつかのアニオン性界面活性剤は、脂肪酸塩である。好ましくは、洗剤組成物は、25重量%以下、代替として15重量%以下、代替として5重量%以下、代替として3重量%以下、または代替として1重量%以下の直鎖アルキルベンゼンスf,,ルホネート(式Iのアミンで中和されたアニオン性界面活性剤が寄与する量とは別個)を含む。好ましくは、存在する場合、式Iのもの以外のアルキルベンゼンスルホネートは、C10−C14アルキル基を有する。
【0037】
好ましくは、洗剤組成物は、少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも3重量%、好ましくは少なくとも4重量%のアルキルサルフェートを含む。好ましくは、洗剤組成物は、15重量%以下、好ましくは13重量%以下のアルキルサルフェートを含む。好ましくは、アルキルサルフェートは、分子当たり1個から5個の重合エチレンオキシド単位を含有する。
【0038】
洗剤製剤は、1種以上の非水性溶媒を含有してもよい。好適な非水性溶媒は、限定されないが、プロピレングリコール及びグリセロールを含む。プロピレングリコール及びグリセロール等の各非水性溶媒の量は、例えば、5重量%から20重量%であってもよい。
【0039】
洗剤製剤は、水を含有してもよいが、典型的には、その量は、20重量%未満、代替として15重量%未満であり、少なくとも1重量%、代替として少なくとも4重量%であってもよい。
【0040】
好ましくは、洗剤製剤のpHは、4から11、好ましくは4.5から10、好ましくは4.5から9、好ましくは6から8である。必要な場合、製剤のpHを調節するための好適な塩基は、無機塩基、例えば水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム;水酸化アンモニウム;ならびに有機塩基、例えばモノ−、ジ−もしくはトリ−エタノールアミン;または2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール(DMAMP)を含む。塩基の混合物も使用可能である。必要な場合、製剤のpHを調節するための好適な酸は、無機酸、例えば塩酸、リン酸及び硫酸;ならびに有機酸、例えば酢酸を含む。酸の混合物も使用可能である。製剤は、塩基でより高いpHに調節され、次いで再び酸で上述の範囲に滴定されてもよい。
【0041】
洗剤製剤は、単位用量洗剤パッケージとして使用される場合、一般に、ポリビニルアルコール(PVOH)パウチ内に封入及び封止される。そのようなパウチを形成するための方法は知られており、例えばWO2002/060758A1に記載されている。パウチ内の洗剤製剤の量は、所望のパッケージのサイズに依存して変動し得る。量は、例えば、3gから35gの範囲であってもよい。
【0042】
ここで、以下の実施例において、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明する。
【0043】
界面活性剤溶液の調製
モノエタノールアミン(MEA):110mLガラス瓶に、56.7gの脱イオン水を入れる。磁気撹拌棒による撹拌下で、3.16gのMEAを完全に可溶化するまで添加する。次いで、終始撹拌下で、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(アルキルは、フェニル環のパラ位において約C10−C13である)(HLAS)を滴下様式で徐々に添加する。添加されるHLASの質量が15.08gとなるまで継続する。全ての成分(HLAS+MEA)が完全に可溶化し、視認され得る微粒子または凝集体が観察されなくなるまで、撹拌を継続する。全界面活性剤濃度は、(3.16+15.08)*100/(3.16+15.08+56.7)=24.3%であると計算される。次いで、溶液のpHを測定するが、この場合pH=8.27である。
【0044】
界面活性剤溶液:上記実施例を使用して、アミンを含む界面活性剤溶液を形成する方法を推定する。2−(2−メトキシエトキシ)−1−アミノエタンを含む溶液を、以下のように調製する。110mLガラス瓶に、53.6gの脱イオン水を入れる。撹拌下で、6.39gの2−(2−メトキシエトキシ)−1−アミノエタンを完全に可溶化するまで添加する。次いで、15.01gのHLASを滴下様式で徐々に添加し、視認され得る微粒子または凝集体が観察されなくなるまで撹拌を継続する。全界面活性剤濃度は、28.6重量%であると計算され、溶液のpHは8.34である。
【0045】
2−ブトキシ−1−アミノエタン及び2−(2−ブトキシエトキシ)−1−アミノエタン系界面活性剤は、それだけでは水溶性ではなく、プロピレングリコールの添加を必要とする。
【0046】
洗剤製剤:
上述のような界面活性剤溶液に加えて、2種の溶媒(プロピレングリコール及びグリセロール)、2種の界面活性剤(StepanからのBIOSOFT N25−7、7モルのEOを有する直鎖アルコールエトキシレート及びSTEOL CS270、2モルのEOを有するアルキルエーテルサルフェート)ならびに脂肪酸(CrodaからのPALMERA B1220)を含有する洗剤製剤を調製する。そのような洗剤製剤の典型的な調製例は、以下の通りである。
【0047】
110mLガラス瓶内で、2gの脱イオン水を7.5gのプロピレングリコールに添加し、磁気撹拌棒で混合する。次いで、7gのSTEOL CS 270、続いて9gのBIOSOFT N 25−7を徐々に添加する。2種の界面活性剤が完全に可溶となり、凝集体が視認できなくなるまで混合を継続する。その後、撹拌しながら2gのPALMERA B1220及び2.75gのグリセロールを添加し、完全に可溶化するまで待つ。最終中和ステップのために、2.1gのMEAを溶液に混合する。次いで、撹拌下でHLASを滴下様式で徐々に添加し、添加されるHLASの質量が7.5gとなるまで継続する。溶液の全ての成分を完全に可溶化し、溶液を一晩静置する。溶液のpHを測定し、必要な場合にはMEAを滴下することにより調節する。
【0048】
以下の例は、従来のLAS−Na及びHLAS−MEA界面活性剤に勝る本発明の界面活性剤の利点を実証する。
【0049】
粘度
前項記載のように調製された界面活性剤溶液(2−(2−メトキシエトキシ)−1−アミノエタン(DMアミン)塩、1−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−2−アミノプロパン(DPMアミン)塩、Na塩、及びMEA塩)の粘度を、Brookfield粘度計で、6s−1から60s−1の間のせん断速度で測定する。データを表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
表1中のデータは、モル基準において(すなわち、単位体積当たり同じ分子数で)、本発明の界面活性剤が、NaまたはMEA塩と比較して大幅に優れた粘度を示すことを示している。
【0052】
PVOHとの相互作用
この実施例において、約0.6gのPVOHフィルム(M8630、Monosol Inc.から商業的に入手可能)を、6gの20重量%界面活性剤に添加し、手により激しく振盪する。多くの商業的液体洗濯洗剤において一般的に使用されているMEA系界面活性剤では、PVOHフィルムは、界面活性剤/水混合物と相互作用して、「塊」、すなわち完全には可溶化していない複合体を形成する。DMアミン系界面活性剤溶液に関しても同様の挙動が観察された。
【0053】
水との相互作用
この実施例において、バイアル内で1.5gの洗剤製剤を1.5gの脱イオン水に添加し、これを手で激しく振盪する。MEA系界面活性剤を含有する製剤は、粘稠性の凝集体を形成する。一方、2−(2−ブトキシエトキシ)−1−アミノエタン(DBアミン)、2−ブトキシ−1−アミノエタン(EBアミン)、1−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−2−アミノプロパン(DPMアミン)、または1−メトキシ−2−アミノプロパン(PMアミン)を含有する製剤は、水が添加された場合より低い粘度を示し、均質である。
【0054】
複合体製剤とPVOHとの相互作用
この実施例において、3gの洗剤製剤を0.6gの10重量%PVOH溶液(PVOHフィルムを水に溶解することにより調製される)に添加する。この実施例は、パウチが水に溶解した際に生じること、すなわちまずPVOHフィルムが水に溶解し、次いで製剤の内容物が洗浄液中に放出されることを動的に模擬している。次いで、製剤成分、水、及び溶解したPVOHの間で相互作用が生じる。
【0055】
溶解していない凝集物が、全てのバイアル内で明瞭に視認され得る。凝集物は、準規則的形状(楕円形)を有し、その寸法に基づいて凝集物サイズの推定が可能である。凝集物の出現が消失する順番は以下の通りである(100のサイズ指数を有するMEAに対するランク付け):MEA(100)、DMアミン(72)、DBアミン(50)、EBアミン(40)。
【0056】
この試験は、本発明のアミン界面活性剤が、MEA界面活性剤と比較して、水及び他の製剤成分の存在下でPVOHと共に形成される凝集物のサイズを低下させ得ることを示している。