(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の微小電極の各々は、前記導電性トレースの対応する一つと、当該導電性トレースの前記遠位部分において、電気的に結合されている、請求項6に記載の集積電極構造。
前記複数の導電性トレースの各々は、前記可撓性先端部分の前記可撓性フレームワークの近位端に配置されている複数の電気コネクタの対応する一つと電気的に結合されている、請求項1に記載の集積電極構造。
周方向マスク画定領域を形成するために、前記集積電極構造の前記可撓性フレームワークを、前記導電性トレースの前記遠位部分に対して近位および遠位方向において周方向にマスキングするステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
中空円筒バンドを前記導電性トレースの前記遠位部分に電気的に接続するステップをさらに含み、前記中空円筒バンドは、前記可撓性先端部分の前記可撓性フレームワークと同軸上にある、請求項17に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0081】
「Flexible High−Density Mapping Catheter Tips and Flexible Ablation Catheter Tips with Onboard High−Density Mapping Electrodes」と題する国際出願PCT/US2014/011940号明細書の内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0082】
図1Aは、本開示の様々な実施形態による、高密度電極マッピングカテーテル101の上面図であり、
図1Bは、高密度電極マッピングカテーテル101の等角上側面図である。いくつかの実施形態において、高密度電極マッピングカテーテル101は、微小電極102の可撓性アレイを形成する可撓性先端部分110を含むことができる。微小電極102のこの平面アレイ(または「パドル」構成)は、微小電極102が配置される可撓性フレームワークを形成することができる、4つの隣接した長手方向に延伸するアーム103、104、105、106を備える。4つの微小電極キャリアアームは、第1の外側アーム103と、第2の外側アーム106と、第1の内側アーム104と、第2の内側アーム105とを備える。これらのアームは、互いから側方に分離することができる。
【0083】
4つのアームの各々は、複数の微小電極102を担持することができる。例えば、4つのアームの各々は、4つのアームの各々の長さに沿って離間した微小電極102を担持することができる。
図1Aおよび
図1Bに示す高密度電極マッピングカテーテル101の各々は4つのアームを示しているが、高密度電極マッピングカテーテル101は、より多いまたはより少ないアームを備えてもよい。加えて、
図1Aおよび
図1Bに示す高密度電極マッピングカテーテル101は18個の電極(例えば、第1の外側アーム103および第2の外側アーム106上に5つの微小電極、ならびに、第1の内側アーム104および第2の内側アーム105上に4つの微小電極)を示しているが、カテーテルは、18個よりも多いまたは少ない電極を含んでもよい。加えて、第1の外側アーム103および第2の外側アーム106は、5つよりも多いまたは少ない電極を含んでもよく、第1の内側アーム104および第2の内側アーム105は、4つよりも多いまたは少ない電極を含んでもよい。
【0084】
いくつかの実施形態において、微小電極102は、診断、治療、および/またはマッピング処置において使用することができる。例えば、限定ではなく、微小電極102は、電気生理学的研究、ペーシング、心臓マッピング、およびアブレーションに使用することができる。いくつかの実施形態において、微小電極102は、単極または双極アブレーションを実施するために使用することができる。この単極または双極アブレーションは、特定のラインまたはパターンの損傷を形成することができる。いくつかの実施形態において、微小電極102は、心臓から、電気生理学的研究に使用することができる電気信号を受信することができる。いくつかの実施形態において、微小電極102は、心臓マッピングに関連する所在または位置検知機能を実施することができる。
【0085】
いくつかの実施形態において、高密度電極マッピングカテーテル101は、カテーテルシャフト107を含むことができる。カテーテルシャフト107は、近位端および遠位端を含むことができる。遠位端は、カテーテルシャフト107の遠位端を平面アレイの近位端に結合することができるコネクタ108を含むことができる。カテーテルシャフト107は、
図1Aに示すようにカテーテルシャフト長手方向軸aaを規定することができ、カテーテルシャフト長手方向軸aaに沿って、第1の外側アーム103、第1の内側アーム104、第2の内側アーム105、および第2の外側アーム106は、カテーテルシャフト長手方向軸aaとの関係において概して平行に延伸することができる。カテーテルシャフト107は、患者の蛇行した血管系を通じて縫うように進むことができるように、可撓性材料から作製することができる。いくつかの実施形態において、カテーテルシャフト107は、カテーテルシャフト107の長さに沿って配置されている1つまたは複数のリング電極111を含むことができる。リング電極111は、一例において、診断、治療、および/またはマッピング処置に使用することができる。
【0086】
図1Bに示すように、可撓性先端部分110は、組織(例えば、心臓組織)に応じて変形するようにすることができる。例えば、可撓性先端部分110が組織に接触すると、この可撓性先端部分は屈曲することができ、可撓性フレームワークが組織に応じて変形することが可能になる。いくつかの実施形態において、
図1Aおよび
図1Bに示すカテーテルの遠位端においてパドル構造(またはマルチアーム、電極担持、可撓性のフレームワーク)を備えるアーム(またはアームの下部構造)は、本明細書において論じるように、ニチノールおよび/または可撓性基板のような可撓性またはばね状材料から構築されることが好ましい。アームの構造(例えば、アームの長さおよび/または直径を含む)および材料は、例えば、単一のアームの近位端からそのアームの遠位端までで、または、単一のパドル構造を備える複数のアームの間で変化することができる1つまたは複数の特性を含む、所望の弾性、可撓性、折り曲げ性、なじみ性、および剛性の特性に作製されるように、調整または調節することができる。ニチノールおよび/または可撓性基板のような材料の折り曲げ性は、カテーテルを身体内に送達している間、または、処置の終わりにカテーテルを身体から除去している間にかかわらず、パドル構造を送達カテーテルまたはイントロデューサに挿入することを容易にするという利点を、さらにもたらす。
【0087】
とりわけ、開示されているカテーテルは、それらの複数の微小電極によって、(1)心臓の心房壁内の特定サイズの領域(例えば、1平方センチメートルの領域)の局所伝搬マップを規定し、(2)アブレーションのために複雑な分画心房電位図を特定し、(3)電位図の解像度をより高くするために微小電極間の局所的な限局電位を特定し、および/または、(4)アブレーションのための領域をより正確に標的化するのに有用である。これらのマッピングカテーテルおよびアブレーションカテーテルは、不安定である可能性がある心臓の動きにかかわらず、心臓組織に応じて変形し、心臓組織と接触したままであるように構築される。心臓が動いている間のカテーテルの心臓に対するそのような増強した安定性によって、組織と電極との接触が持続することに起因して、より正確なマッピングおよびアブレーションが可能である。加えて、本明細書において説明されているカテーテルは、心外膜および/または心内膜用途にとって有用であり得る。例えば、本明細書において示されている平面アレイ電極は、微小電極の平面アレイが心筋表面と心膜との間に配置される、心外膜処置において使用されてもよい。代替的に、平面アレイ実施形態は、心内膜処置において、心筋の内表面を迅速に掃引および/または解析し、心臓組織の電気的特性の高密度マップを迅速に生成するために使用されてもよい。
【0088】
図2Aは、本開示の様々な実施形態による、
図1Aの高密度電極マッピングカテーテルの内側下部構造120(本明細書においては内方下部構造としても参照される)の等角上側面図である。いくつかの実施形態において、内側下部構造120は、本明細書において論じるように、ニチノールおよび/または可撓性基板のような可撓性またはばね状材料から形成されてもよい。内側下部構造120は、第1の内側アーム下部構造121および第2の内側アーム下部構造122を含むことができる。図示されていないが、第1の外側アーム103および第2の外側アーム106の下部構造を提供する外側下部構造(本明細書においては外方下部構造としても参照される)を、内側下部構造120に関連して論じるものと同様に形成および/または処理することができる。さらに、高密度電極マッピングカテーテルが追加のアームを含む場合、それらのアームは、内側下部構造120に関連して論じるものと同様に形成および/または処理することができる。簡潔にするために、論述は内側下部構造120を対象とする。図示されているように、内側下部構造120は、第1の内側取り付けアーム123および第2の内側取り付けアーム124を含むことができる。内側取り付けアームは、コネクタ108を通じてカテーテル107の遠位端に挿入することができ、可撓性先端部分110をカテーテルの遠位端107に接続するために使用することができる。いくつかの実施形態において、内側取り付けアームは、本明細書において論じるように、ねじりスペーサを通じて挿入することができる。
【0089】
図2Aに示すように、内側下部構造120(および、図示されてはいないが、外側下部構造)は、平坦な材料片から形成することができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、内側下部構造120(および外側下部構造)は、円筒形、正方形、または他の形状の下部構造から形成されてもよい。いくつかの実施形態において、内側下部構造120および外側下部構造は、
図18A〜
図18Gに関連して論じるように、単一の材料片から形成されてもよい。
【0090】
図2Bは、本開示の様々な実施形態による、高密度電極マッピングカテーテル101のコーティングされている内側下部構造122−1の等角上側面図を示す。いくつかの実施形態において、高密度電極マッピングカテーテルは、内側下部構造および外側下部構造の管状サブアセンブリを使用して組み立てることができる。下部構造を組み立てるときに管を使用する1つの理由は、各個々の微小電極を接続するためにワイヤが管を通じて縫うように進むことを可能にするためである。各ワイヤは管を通じて個々に縫うように進み、各微小電極と個々に接続され得るため、この工程は、労働力および/または費用がかさむ可能性がある。さらに、各微小電極とそのワイヤとの間で確実な電気接続が確立されることを保証することは困難であり得る。
【0091】
加えて、管の壁が対称であり得、特定の様式で屈曲するように付勢されないため、管を使用する結果として、可撓性先端部分の屈曲があまり予測できなくなる可能性がある。本開示の実施形態は、あまり労力および費用がかさまない組み立て工程をもたらし、可撓性先端部分110の屈曲をより予測できるようにすることができる。いくつかの実施形態において、複数のパターン化導電性トレースを、拡張可能構造の可撓性フレームワーク上に配置することができる。例えば、複数のパターン化導電性トレースを、拡張可能医療デバイス構造の可撓性フレームワーク上に配置することができる。本開示のいくつかの実施形態は、個々に延伸するワイヤの代わりに、本明細書において論じるような、可撓性先端部分110の可撓性フレームワーク上に配置される複数のパターン化導電性トレースを含む可撓性先端部分110を提供することができる。パターン化導電性トレースは、可撓性先端部分110上に配置されている複数の微小電極102と電気的に結合することができる。パターン化導電性トレースは、現行の慣例よりも労力および/または費用がかさまない工程を介して形成することができる。本開示のいくつかの実施形態は、複数の微小電極102を電気的に接続する、微小電極102とパターン化導電性トレースおよび/またはワイヤとの間の電気接続部を試験するための手段を提供することができる。
【0092】
本開示のいくつかの実施形態において、内側下部構造は、誘電体材料でコーティングすることができる。いくつかの実施形態において、誘電体材料の例は、パリレンを含むことができる。ポリイミド(例えば、HD Microsystemsから入手可能なPI−2771またはHD−4004)および/またはエポキシ樹脂(例えば、MicroChem Corpから入手可能なSU8エポキシ樹脂)などのような他の誘電体材料が、設計および最終用途要件に従って使用されてもよい。下部構造が導電性材料であるいくつかの実施形態において、誘電体は、本明細書において論じるように、導電性トレースを導電性材料から電気的に絶縁することができる。
【0093】
図3A〜
図3Kは、本開示の様々な実施形態による、高密度電極マッピングカテーテルの第2の内側アームおよび関連する処理ステップの上面および端面の図である(
図3A〜
図3Kにおいて、上面が端面図の上に示されている)。
図3Aは、本開示の様々な実施形態による、誘電体材料131でコーティングされている内側下部構造120の導電性可撓性フレームワーク130を示す。一例において、誘電体材料は、パターン化導電性トレースが配置され得るときに、電気絶縁層を提供するために導電性可撓性フレームワーク130を誘電体材料131でコーティングするために、導電性可撓性フレームワーク130に被着することができる。
【0094】
図3Bは、本開示の様々な実施形態による、誘電体材料131およびマスク134(マスク部分としても参照される)でコーティングされている内側下部構造120の導電性可撓性フレームワーク130(可撓性フレームワークとしても参照される)を示す。一例において、1つまたは複数の非マスクトレースパターン部分132−1、132−2、132−3を、マスク134を介して導電性可撓性フレームワーク130の誘電体コーティング上に形成することができる。いくつかの実施形態において、マスク134は、誘電体材料に沿ってチャネル136を形成することができ、チャネル136の中に導電性材料を堆積して、導電性トレースを形成することができる。
【0095】
図3Cは、本開示の様々な実施形態による、
図3Bの非マスクトレースパターン部分132−1、132−2、132−3内に堆積されているシード層138−1、138−2、138−3を示す。いくつかの実施形態において、シード層は、チャネルをシード層138−1、138−2、138−3で部分的に充填するために、チャネル136内に堆積することができる。いくつかの実施形態において、シード層138−1、138−2、138−3は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)などを含むことができる。シード層138−1、138−2、138−3は、導電性材料の層を堆積することができるベース層を提供することができる。一例において、シード層138−1、138−2、138−3は、誘電体材料131と、導電性トレースを形成するために導電性可撓性フレームワーク130上に堆積される導電性材料との間の界面をもたらすことができる。例えば、シード層は、導電性材料が誘電体材料131に接着されることを可能にすることができる(例えば、導電性材料が、シード層138−1、138−2、138−3を介して誘電体材料131に接着される)。
【0096】
図3Dは、本開示の様々な実施形態による、導電性トレース140−1、140−2、140−3を形成するために導電性材料(例えば、銅)でめっきされているシード層138−1、138−2、138−3を示す。一例において、導電性材料は、シード層138−1、138−2、138−3上に堆積され、したがって、誘電体材料131に接着される。しかしながら、導電性トレース140−1、140−2、140−3を取り囲む部分はマスクされているため、導電性材料は、それらの箇所には堆積されない。
【0097】
図3Eは、本開示の様々な実施形態による、誘電体131および導電性トレース140−1、140−2、140−3でコーティングされている導電性可撓性フレームワーク130を示す。いくつかの実施形態において、マスク部分134は剥離することができ、導電性可撓性フレームワーク130をコーティングする誘電体材料131上で露出した導電性トレース140−1、140−2、140−3が残る。一例において、誘電体材料131は、導電性トレース140−1、140−2、140−3を導電性可撓性フレームワーク130から絶縁することができ、したがって、導電性トレース140−1、140−2、140−3の間で短絡が発生することが防止される。
【0098】
図3Fは、本開示の様々な実施形態による、追加の誘電体材料層141でコーティングされている導電性可撓性フレームワーク130を示す。追加の誘電体材料層141は、初期誘電体材料層131の上、および、導電性トレース140−1、140−2、140−3の上に堆積することができる。いくつかの実施形態において、追加の誘電体材料層141は、導電性可撓性フレームワーク130の、導電性トレース140−1、140−2、140−3が堆積されている側にのみ堆積することができる。
【0099】
図3Gは、導電性トレース140−1、140−2、140−3の各々の遠位部分から追加の誘電体材料層141が剥離された後の、露出領域142−1、142−2、142−3が残った導電性可撓性フレームワーク130を示す。いくつかの実施形態において、レーザアブレーションを使用して、導電性トレース140−1、140−2、140−3の各々の遠位部分を剥離して、露出領域142−1、142−2、142−3を形成することができる。いくつかの実施形態において、追加の誘電体材料層は、レーザアブレーションを介して除去することができる。いくつかの実施形態において、露出領域142−1、142−2、142−3は、感光性誘電体材料を使用して形成することができ、露出領域142−1、142−2、142−3はマスクされ、誘電体材料がマスク領域の上にパターニングされる。感光性誘電体材料は、現像することができ、マスク材料を剥離して、露出領域142−1、142−2、142−3を生成することができる。
【0100】
図3Iは、本開示の様々な実施形態による、導電性可撓性フレームワーク130上のマスク画定領域143−1、143−2、143−3を示す。いくつかの実施形態において、マスク材料(例えば、マスク部分144−1、144−2、144−3)は、感光性マスク材料であってもよく、マスク材料は、マスク部分144−1、144−2、144−3の上にパターニングされ、現像されてマスク部分144−1、144−2、144−3を生成することができる。マスク部分は、マスク画定領域143−1、143−2、143−3を形成するために、複数の導電性トレース140−1、140−2、140−3の各々の遠位部分(および露出領域142−1、142−2、142−3)に対して近位および遠位方向に配置することができる。
【0101】
図3Jは、本開示の様々な実施形態による、マスク画定領域143−1、143−2、143−3上に堆積されているシード層145−1、145−2、145−3を示す。前述したように、シード層145−1、145−2、145−3は、マスク画定領域内に堆積することができる。いくつかの実施形態において、シード層145−1、145−2、145−3は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)などを含むことができる。シード層145−1、145−2、145−3は、導電性材料の層を堆積することができるベース層を提供することができる。一例において、シード層145−1、145−2、145−3は、追加の誘電体材料層141および導電性トレース140−1、140−2、140−3の遠位部分と、後続して被着される、微小電極102を形成する導電性材料との間の界面を提供することができる。例えば、シード層は、微小電極を形成する導電性材料が、追加の誘電体材料141、および導電性トレース140−1、140−2、140−3の遠位部分に接着されることを可能にすることができる。
【0102】
図3Kは、本開示の様々な実施形態による、めっき工程を介して導電性可撓性フレームワーク130上に形成されている微小電極146−1、146−2、146−3を示す。いくつかの実施形態において、シード層145−1、145−2、145−3は、微小電極146−1、146−2、146−3を形成するために導電性材料でめっきすることができる。微小電極146−1、146−2、146−3を形成するために使用される導電性材料は、いくつかの実施形態において、白金イリジウム(Pt−Ir)を含んでもよい。白金イリジウムコーティング工程は、参照により本明細書に組み込まれる、Rao、Chepuri R.K.およびTrivedi、D.C.、「Chemical and electrochemical depositions of platinum group metals and their applications」(Coordination Chemistry Reviews、249、(2005)613〜631ページ)、Sheela G他、「Electrodeposition of Iridium」(Bulletin of Electrochemistry、15(5−6)May−June 1999、208〜210ページ)、Wu,Feng他、「Electrodeposition of Platinum−Iridium Alloy on Nickel−Base Single−Crystal Superalloy TMS75」(Surface and Coatings Technology Volume 184、Issue 1、1 June 2004)、Baumgartner,M.E.およびRaub,Ch.J.、「The Electrodeposition of Platinum and Platinum Alloys」(Platinum Metals Review、1988、32、(4)、188−197)、Ohno、Izumi、「Electroless Deposition of Palladium and Platinum」、Modern Electroplating、5th Edition、Mordechay SchlesingerおよびMilan Paunovic編、Copyright 2010、John Wiley & Sons,Inc. Chp 20、477−482、Electroplating the Platinum Metals−A RECENT SURVEY OF PROCESSES AND APPLICATIONS, Platinum Metals Rev.、1970、14、(3)93〜94ページ、および/または、Yingna Wu他、「Characterization of Electroplated Platinum−Iridium Alloys on the Nickel−Base Single Crystal Superalloy」(Materials Transactions、Vol.46、No.10(2005)2176〜2179ページ)に記載されているように実施することができる。
【0103】
いくつかの実施形態において、導電性材料は、可撓性フレームワーク130の周りで周方向にめっきすることができる。例えば、導電性材料は、第1の内側アーム下部構造121および第2の内側アーム下部構造122のうちの一方の周りで周方向に延在することができる。そのため、シード層145−1、145−2、145−3およびマスク部分144−1、144−2、144−3は、導電性材料を可撓性フレームワーク130の周りで周方向にめっきすることができるように、第1の内側アーム下部構造121および第2の内側アーム下部構造122の周りで周方向に延在することができる。そのため、微小電極146−1、146−2、146−3は、第1の内側アーム下部構造121および第2の内側アーム下部構造122のうちのそれぞれを軸とするリング電極として形成することができる。
【0104】
図3Lは、追加の誘電体材料層141、導電性トレース140−1、140−2、140−3および微小電極146−1、146−2、146−3を含む、誘電体131をコーティングされている導電性可撓性フレームワーク130を示す。いくつかの実施形態において、マスク部分144−1、144−2、144−3は剥離することができ、したがって、誘電体131をコーティングされている導電性可撓性フレームワーク130上で、誘電体をコーティングされている導電性トレース140−1、140−2、140−3が露出する。微小電極146−1、146−2、146−3は、追加の誘電体材料層141が導電性トレース140−1、140−2、140−3をコーティングする結果として、互いから絶縁されたままで、各それぞれの導電性トレース140−1、140−2、140−3に電気的に結合することができる。
【0105】
図4Aは、本開示の様々な実施形態による、処理済み内側下部構造160の上面図を示す。
図4Bは、本開示の様々な実施形態による、
図4Aに示す処理済み内側下部構造の第1の内側アーム164の拡大部分(点線の楕円4Bによって示す)を示す。図示されているように、処理済み内側下部構造160は、処理済み内側下部構造160の導電性可撓性フレームワーク(例えば、導電性可撓性フレームワーク130)をコーティングする誘電体コーティング161を有することができる。誘電体コーティング161は、複数のパターン化導電性トレース162−1、162−2、162−2の各々と、導電性可撓性フレームワークとの間に配置することができる。誘電体コーティング161は、パターン化導電性トレース162−1、162−2、162−2を導電性可撓性フレームワークから絶縁することができ、したがって、パターン化導電性トレース162−1、162−2、162−2の間で短絡が発生することが防止される。いくつかの実施形態において、第1のパターン化導電性トレース162−1は、第1の微小電極163−1に電気的に結合することができ、第2のパターン化導電性トレース162−2は、第2の微小電極163−2に電気的に結合することができ、第3のパターン化導電性トレース162−3は、第3の微小電極163−3に電気的に結合することができる。
【0106】
いくつかの実施形態において、複数の微小電極163−1、163−2、163−3は、グループに分けて配置することができる。例えば、第1の内側アーム164に沿って配置されている複数の微小電極163−1、163−2、163−3を、
図4Aに示すように、それぞれ3つの微小電極を含むグループに分けて配置することができる。ただし、3つの微小電極163−1、163−2、163−3よりも多いまたは少ない微小電極が、第1の内側アーム164に沿ったグループに配置されてもよい。加えて、
図1Aに示すように、第2の内側アーム165に沿って、第1の外側アームに沿って、および/または第2の外側アームに沿って、微小電極のグループを配置することができる。いくつかの実施形態において、高密度電極マッピングカテーテル101は、4つよりも多いまたは少ないアームを含んでもよい。
【0107】
複数の微小電極グループのそれぞれを、カテーテルシャフト長手方向軸a’a’に対して平行に整列する、微小電極の長手方向に配列された列として配置することができる。いくつかの実施形態において、複数のパターン化導電性トレース162−1、162−2、162−2は、
図1Aに示すように、カテーテルシャフト長手方向軸a’a’に平行に整列することができる。
【0108】
図4Cは、本開示の様々な実施形態による、
図4Bの線ccに沿った第1の外側アーム164の断面図を示す。
図4Dは、本開示の様々な実施形態による、
図4Bの線ddに沿った第1の外側アーム164の断面図を示す。図示されているように、第1の外側アーム164は、誘電体材料166’、166’’でコーティングされている導電性可撓性フレームワーク165を含む。いくつかの実施形態において、導電性可撓性フレームワーク165は、上層の誘電体材料層166’および下層の誘電体材料166’’でコーティングすることができる。しかしながら、導電性可撓性フレームワーク165は、本明細書において論じるように、誘電体材料で周方向にコーティングされてもよく、それによって、導電性可撓性フレームワーク165の周りに周方向にかつ同軸に配置されている微小電極が導電性可撓性フレームワーク165から絶縁され、導電性可撓性フレームワーク165上に配置されている複数の微小電極間の短絡が防止される。
【0109】
第1のパターン化導電性トレース162−1を、上層の誘電体材料166’の上に配置することができ、本明細書において論じるように、第1のパターン化導電性トレース162−1の遠位部分に位置する露出領域を介して第1の微小電極163−1’と電気的に結合することができる。一例において、第1の微小電極163−1’は、
図3I〜
図3Lに関連して論じたように、マスク画定領域(例えば、マスク画定領域145−3)をめっきすることによって、第1のパターン化導電性トレース162−1に結合することができる。第1の微小電極163−1’は、第1のパターン化導電性トレース162−1の露出領域168(例えば、露出領域142−3)に接触することができ、したがって、第1のパターン化導電性トレース162−1が、第1の微小電極163−1’と電気的に結合される。いくつかの実施形態において、第1の微小電極163−1’は、第1のパターン化導電性トレース162−1の遠位端167の近位の位置において、第1のパターン化導電性トレース162−1の露出領域168に電気的に結合することができる。
【0110】
図4Cに示すように、第2のパターン化導電性トレース162−2(および、第2のパターン化導電性トレース162−2によって隠されている第3のパターン化導電性トレース162−3)は、第1の微小電極163−1’に対して遠位方向に延在することができ、第2の微小電極163−2(および第3の微小電極163−3)と電気的に結合することができる。第2のパターン化導電性トレース162−2(および第3のパターン化導電性トレース162−3)は、本明細書において論じるように、追加の誘電体材料層169を介して第1の微小電極163−1’から電気的に絶縁することができる。
【0111】
いくつかの実施形態において、単一層または複数層のパターン化導電性トレースを、導電性可撓性フレームワーク165上に形成することができる。例えば、処理済み内側下部構造160は、単一層のパターン化導電性トレース162−1、162−2、162−3を含むものとして示されている。しかしながら、いくつかの実施形態において、処理済み内側下部構造160は、複数層のパターン化導電性トレースを含んでもよい。これは、内側アームおよび/または外側アームの1つまたは複数の上に配置される微小電極の数が増大して、フレームの幅が低減し、したがって、パターン化導電性トレースを配置するための面積が低減し、かつ/または、(トレースと関連付けられる材料選択に起因して)パターン化導電性トレースの幅が増大する場合に、望ましい可能性がある。例えば、微小電極の数が増大することによって、アームの幅が十分でなくなる場合があり、それによって、パターン化導電性トレースが、パターン化導電性トレース間のクロストークおよび/または短絡を防止するために互いから適切に分離されなくなる。そのため、複数層のパターン化導電性トレースをアーム上に形成することができ、各層は、誘電体材料によって互いから分離される。
【0112】
各パターン化導電性トレースと関連付けられる微小電極との間の接続は、いくつかの実施形態において、例えば、
図16に関連して論じるように、充填バイアによって行うことができる。本開示のいくつかの実施形態において、各それぞれのアームの幅に応じて、0.001インチのライン(例えば、導電性トレース)および空間(例えば、導電性トレース間の間隔)の基板設計を使用して、5つのパターン化導電性トレースおよび関連付けられる微小電極を、単一層のパターン化導電性トレース内に、かつ、単一のアームに沿って形成することができる。例えば、パターン化導電性トレースの各々は、0.001インチ幅とすることができ、各パターン化導電性トレースは、隣接するパターン化導電性トレースから0.001インチ離して離間することができる。いくつかの実施形態において、より多数の微小電極および/またはパターン化導電性トレースが所望される場合、複数層のパターン化導電性トレースを利用することができ、かつ/または、
図5に示すように、導電性可撓性フレームワークの反対側に追加のトレースを形成することができる。
【0113】
図5は、本開示の様々な実施形態による、導電性可撓性フレームワークの上部および下部に形成されるパターン化導電性トレースの断面図を示す。いくつかの実施形態において、導電性可撓性フレームワーク180は、本明細書において論じるように、誘電体材料でコーティングすることができる。誘電体材料は、パターン化導電性トレース181−1、181−2、181−3、181−4と導電性可撓性フレームワーク180との間に配置することができ、パターン化導電性トレース181−1、181−2、181−3、181−4を導電性可撓性フレームワーク180から絶縁する役割を果たすことができる。いくつかの実施形態において、
図3A〜
図3Lに関連して論じたものと同様にして、1つまたは複数のパターン化導電性トレースを導電性可撓性フレームワーク180の上に形成することができ(例えば、パターン化導電性トレース181−1、181−2)、1つまたは複数のパターン化導電性トレースを導電性可撓性フレームワーク180の下に形成することができる(例えば、パターン化導電性トレース181−3、181−4)。したがって、4つの微小電極を導電性可撓性フレームワーク180に沿って配置することができる。例えば、第1の微小電極182は、いくつかの実施形態において、第2の微小電極183に対して近接して配置することができる。
【0114】
図6Aは、本開示の様々な実施形態による、導電性トレース140−1’、140−2’、140−3’の各々の遠位部分から追加の誘電体材料層141’が剥離された後の、露出領域142−1’、142−2’、142−3’が残った導電性可撓性フレームワーク130’を示す。一例において、
図3A〜
図3Gに関連付けられる工程ステップを、
図6Aに示す実施形態に達するために実施することができる。いくつかの実施形態において、露出領域142−1’、142−2’、142−3’をめっきするのではなく、導電性トレース(例えば、トレース140−1’、140−2’、140−3’)の各々の遠位部分上にはんだを堆積することができる。例えば、
図6Bは、本開示の様々な実施形態による、導電性トレース140−1’、140−2’、140−3’の各々の遠位部分から追加の誘電体材料層141’が剥離された後の、はんだ191−1、191−2、191−3が堆積されている露出領域142−1’、142−2’、142−3’が残った処理済み導電性可撓性フレームワーク199を示す。
図6Cは、線eeに沿った
図6Bに示す処理済み導電性可撓性フレームワーク199の断面端面図を示す。
【0115】
図6Dは、本開示の様々な実施形態による、中空円筒バンド200を示す。
図6Eは、本開示の様々な実施形態による、はんだ208が中に堆積されている中空円筒バンド203を示す図である。
図6Fは、本開示の様々な実施形態による、
図6Dに示す中空円筒バンド200の等角正側面図を示す。いくつかの実施形態において、中空円筒バンド200は、
図6Eに示す中空円筒バンド203と同じまたは類似であってもよい。いくつかの実施形態において、中空円筒バンド200は、中空円筒バンドの側壁に向かって長手方向に延在することができる割れ目201を含むことができる。
図6D(および
図6F)に示すように、割れ目201は、中空円筒バンド200の長手方向軸と平行に延在するが、割れ目201は、中空円筒バンド200の長手方向軸によって分岐することができる。
【0116】
いくつかの実施形態において、
図6Gに示すように、中空円筒バンド200は、処理済み導電性可撓性フレームワーク199と同軸に整列することができる。いくつかの実施形態において、中空円筒バンド200は、処理済み導電性可撓性フレームワーク199のアームの近位端の上で、はんだ191−1の上の位置へと滑らせることができる。例えば、中空円筒バンド200は、はんだ191−1が中空円筒バンド200の近位端と遠位端との間で中空円筒バンド200と整列するように、はんだ191−1の上に配置することができる。いくつかの実施形態において、中空円筒バンド200内の割れ目201の周幅(
図6Dの線ggによって規定される)は、処理済み導電性可撓性フレームワークの高さ(
図6Cの線ffによって規定される)よりも大きくすることができ、それによって、中空円筒バンド200(例えば、中空円筒バンド200のスリット201)は、処理済み導電性可撓性フレームワーク199のアームの近位端の上で滑る代わりに、処理済み導電性可撓性フレームワーク199にわたって側方に摺動することができる。
【0117】
図6Hは、本開示の様々な実施形態による、中空円筒バンド200に関連する処理ステップを示す。いくつかの実施形態において、本明細書において論じるように、中空円筒バンド200は、処理済み導電性可撓性フレームワーク199と同軸に整列することができ、はんだ191−1は、中空円筒バンド200の近位端と遠位端との間で中空円筒バンド200と整列することができる。中空円筒バンド200は、処理済み導電性可撓性フレームワーク199に対してスエージ加工することができる。一例において、少なくとも1つの矢印(例えば、矢印205)の方向において中空円筒バンド200に力を加えて、中空円筒バンド200を処理済み導電性可撓性フレームワーク199に対してスエージ加工することができる。
図6Iは、本開示の様々な実施形態による、
図6Hに関連して説明される処理ステップ後の、スエージ加工済み中空円筒バンド206を示す。図示されているように、スエージ加工の結果として割れ目202の周幅を低減することができ、スエージ加工済み中空円筒バンド206は、処理済み導電性可撓性フレームワーク199の部分(例えば、処理済み導電性可撓性フレームワーク199およびはんだ191−1の隅)に接することができる。
【0118】
図6Jは、本開示の様々な実施形態による、はんだリフロー工程の後のスエージ加工済み中空円筒バンド206および処理済み導電性可撓性フレームワーク199を示す。一例において、リフロー工程を実施して、
図6Iに示すはんだをリフローすることができ、それによって、リフローされたはんだ207が分散され、スエージ加工済み中空円筒バンド206と処理済み導電性可撓性フレームワーク199の両方に接する。はんだ207は、スエージ加工済み中空円筒バンド206と処理済み導電性可撓性フレームワーク199とを接続することができ、導電性トレース140−1とスエージ加工済み中空円筒バンド206を電気的に結合することができる。そのため、スエージ加工済み中空円筒バンド206は、本明細書において論じるような、微小電極を形成する。
【0119】
はんだ208が中空円筒バンド203上に堆積されている
図6Eを参照すると、はんだ(例えば、はんだ191−1)は、導電性トレース140−1’、140−2’、140−3’の露出領域142−1’、142−2’、142−3’上に配置されてもよく、配置されなくてもよい。一例において、中空円筒バンド203は、はんだ208が、導電性トレース140−1’、140−2’、140−3’の露出領域142−1’、142−2’、142−3’に近接近するように、処理済み導電性可撓性フレームワーク199の上に配置することができる。いくつかの実施形態において、
図6G〜
図6Jに関連して図示および説明される処理ステップは、中空円筒バンド203をスエージ加工し、はんだ208をリフローして、中空円筒バンド203と処理済み導電性可撓性フレームワーク199との間の接続、および、中空円筒バンド203と導電性トレース140−1’との間の電気接続を確立するために実施することができる。いくつかの実施形態において、はんだは、リフロー工程においてはんだの分散を増大させることを可能にするために、中空円筒バンド203および導電性トレース140−1’、140−2’、140−3’の露出領域142−1’、142−2’、142−3’上に堆積することができる。
【0120】
図7Aは、本開示の様々な実施形態による、高密度電極マッピングカテーテルの可撓性フレームワーク220が可撓性基板から形成されている、高密度電極マッピングカテーテルの第2の内側アームおよび関連する処理ステップの上面図および端面図を示す(
図7A〜
図7Cにおいて、上面図が端面図の上に示されている)。いくつかの実施形態において、可撓性フレームワーク220は、可撓性基板から形成することができる。可撓性基板は、例えば、
図11に関連して論じるものを含むことができる。いくつかの実施形態において、可撓性基板は、プリント回路基板を含んでもよい。例えば、プリント回路基板は、電気を伝導しないガラス繊維および/またはプラスチックから形成することができる。いくつかの実施形態において、プリント回路基板は、ポリマーから形成することができる。
図7Aに示すように、いくつかの実施形態において、可撓性基板220は、導電性材料222でコーティングすることができる。導電性材料222は、例えば、Cuを含んでもよいが、他の導電性材料が使用されてもよい。
【0121】
図7Bは、本開示の様々な実施形態による、コーティング可撓性フレームワーク上のマスクトレースパターン223−1、223−2、223−3および非マスク部分を形成するために、可撓性フレームワーク220をコーティングする導電性材料222上にマスク層が堆積されている、高密度電極マッピングカテーテルの第2の内側アームの上面図および端面図を示す。一例において、マスクトレースパターン223−1、223−2、223−3の周囲領域は、非コーティング導電性材料222を含む。
【0122】
図7Cは、マスクトレースパターン223−1、223−2、223−3の周囲領域が導電性材料222を剥離されている、高密度電極マッピングカテーテルの第2の内側アームの上面図および端面図を示す。一例において、マスクトレースパターン223−1を包囲する可撓性基板220が露出されるように、導電性材料222を剥離することができる。
図7Cに示すように、マスクトレースパターン223−1、223−2、223−3も剥離されており、したがって、導電性トレース224−1、224−2、224−3が露出している。導電性トレース224−1、224−2、224−3は、電気的に絶縁性である可撓性基板220と直に接続することができる。したがって、導電性トレース224−1、224−2、224−3は、互いから電気的に絶縁することができ、したがって、導電性トレース224−1、224−2、224−3の間で短絡が発生することが防止される。
【0123】
いくつかの実施形態において、当業者には明らかになるように、
図7Cに示す実施形態はさらに、
図3E〜
図3Lおよび/または
図6A〜
図6Jに関して図示および説明されている処理ステップを使用して処理することができる。例えば、導電性トレース224−1、224−2、224−3および可撓性基板220上に誘電体コーティングを堆積することができ、導電性トレース224−1、224−2、224−3の露出領域を形成することができる。
【0124】
図8Aは、本開示の様々な実施形態による、処理済み内側下部構造228の上面図を示す。
図8Bは、本開示の様々な実施形態による、
図8Aに示す処理済み内側下部構造228の第1の内側アーム230の拡大部分(点線の楕円8Bによって示す)を示す。処理済み内側下部構造228は、第1の内側アーム230および第2の内側アーム231を含む。処理済み内側下部構造228は、いくつかの実施形態において、本明細書において論じるように、可撓性基板から形成することができる。例えば、可撓性基板は、いくつかの実施形態において、プリント回路基板および/またはポリマーを含む。可撓性基板は、いくつかの実施形態において、誘電体材料232でコーティングすることができる。
【0125】
処理済み内側下部構造228の第1の内側アーム230は、導電性トレース224−1、224−2、224−3および微小電極227−1、227−2、227−3を含む。第1の導電性トレース224−1は、第1の微小電極227−1に電気的に結合することができ、第2の導電性トレース224−2は、第2の微小電極227−2に電気的に結合することができ、第3の導電性トレース224−3は、第3の微小電極227−3に電気的に結合することができる。処理済み内側下部構造228の第2の内側アーム231は、導電性トレース226−1、226−2、226−3および微小電極229−1、229−2、229−3を含む。第1の導電性トレース226−1は、第1の微小電極229−1に電気的に結合することができ、第2の導電性トレース226−2は、第2の微小電極229−2に電気的に結合することができ、第3の導電性トレース226−3は、第3の微小電極229−3に電気的に結合することができる。
【0126】
図8Cは、本開示の様々な実施形態による、
図8Aに示す処理済み内側下部構造228の第1の内側アーム230の拡大部分(点線の楕円8Cによって示す)を示す。一例において、
図8Cは、第1の近位終端コンタクトパッド235−1に電気的に結合されている第1の導電性トレース224−1、第2の近位終端コンタクトパッド235−2に電気的に結合されている第2の導電性トレース224−2、および、第3の近位終端コンタクトパッド235−3に電気的に結合されている第3の導電性トレース224−3を示す。近位終端コンタクトパッドは、
図8Aには示されていない。いくつかの実施形態において、高密度電極マッピングカテーテル101の可撓性先端部分110の可撓性フレームワークが、近位終端コンタクトパッドを含んでもよい。例えば、内側下部構造の各アームおよび/または外側下部構造(および/または図示されていない追加の下部構造)の各アームが、内側下部構造および/または外側下部構造の近位部分に沿って、近位終端コンタクトパッドを含んでもよい。
【0127】
いくつかの実施形態において、近位終端コンタクトパッド235−1、235−2、235−3は、微小電極(例えば、微小電極227−1、227−2、227−3)を電気的に接続するための電気接続点を提供することができる。例えば、近位終端コンタクトパッド235−1、235−2、235−3は、導電性トレース224−1、224−2、224−3の各々、したがって、微小電極227−1、227−2、227−3の各々と成されるべき電気接続の面積を増大させることを可能にすることができる。いくつかの実施形態において、近位終端コンタクトパッド235−1、235−2、235−3は、導電性トレースの各々と対応する微小電極との間の連続性を、電気的に試験するために使用することができる。例えば、近位終端コンタクトパッドの各々は、近位終端コンタクトパッドの各々と、対応する一つの導電性トレースと、対応する一つの微小電極との間について、中断のない電気接続が存在することを保証するために、電気試験デバイスによって検査されることができる。いくつかの実施形態において、近位終端コンタクトパッドは、(例えば、各個々の導電性トレースを検査するのに対して)電気試験デバイスによって検査するための面積を増大させることを可能にすることができる。
【0128】
図9Aは、本開示の様々な実施形態による、オーバーモールド工程のための下型245の上面図を示す。下型245は、可撓性先端部分110の下部構造(例えば、処理済み下部構造)を受け入れるようなサイズにし、そのように構成することができる型穴246を含む。いくつかの実施形態において、外側下部構造および内側下部構造(ならびに、含まれる場合は追加の下部構造)に対して異なる型が使用されてもよい。いくつかの実施形態において、下型245は、
図9Bに示すように、処理済み内側下部構造160および/または処理済み内側下部構造228を型穴246内に受け入れるようなサイズにし、そのように構成することができる。
【0129】
図9Bは、本開示の様々な実施形態による、下型245に挿入されている処理済み内側下部構造228の上面図を示す。一例において、
図8Aに示す処理済み内側下部構造228が、下型245の型穴246に挿入されるものとして示されている。
図9Cは、本開示の様々な実施形態による、
図9Bの線hhに沿った、組み立てられた型250の側断面図を示す。
【0130】
図9Cは、閉位置にあり、したがって、処理済み内側下部構造228(処理済み内側下部構造228の遠位部分228−1および処理済み内側下部構造228の近位部分228−2から構成される)を型穴に封入し、組み立てられた型250を形成している、上型247および下型245を示す。一例において、組み立てられた型250は、下型穴246を含む。下型穴246の断面図は、遠位下型穴246−1および近位下型穴246−2を示す。下型穴246は、下型245内に形成することができる。一例において、組み立てられた型250は、上型穴248を含む。上型穴248の断面図は、遠位上型穴248−1および近位上型穴248−2を示す。上型穴248は、組み立てられた型250の上型247内に形成することができる。
【0131】
いくつかの実施形態において、下型245および上型247は、下型穴246および上型穴248を形成する下型245および上型247の壁から特定の距離だけ離れて、処理済み内側下部構造228を配置するために下型穴246および上型穴248へと延在するスタンドオフ(図示せず)を含むことができる。一例において、処理済み内側下部構造228と下型245および上型247の壁との間の距離は、下部構造を被覆するオーバーモールドの厚さを規定することができる。
【0132】
いくつかの実施形態において、上型247および/または下型245は、オーバーモールド材料を下型穴246および上型穴248に導入するように構成されているポート249を含むことができる。いくつかの実施形態において、組み立てられた型250は、オーバーモールド材料が下型穴246および上型穴248に分散するのを助けるためのゲートおよびランナシステムを含むことができる。ゲートおよびランナシステムは、オーバーモールド材料のレオロジー特性に従って設計することができる。
【0133】
図9Dは、本開示の様々な実施形態による、オーバーモールド工程が実施された後の下型245およびオーバーモールド内側下部構造260の上面図を示す。
図9Eは、本開示の様々な実施形態による、
図9Dの線iiに沿った
図9Dの組み立てられた型およびオーバーモールド内側下部構造の側断面図を示す。図示されているように、処理済み内側下部構造228は、オーバーモールド材料261をオーバーモールドされている。オーバーモールド材料261は、ポート249を介して注入され、処理済み内側下部構造228と、下型245および上型247(例えば、組み立てられた型250)の壁との間に存在する空間を充填する。いくつかの実施形態において、オーバーモールド材料261は、ポリエーテルブロックアミド(例えば、Arkemaから入手可能なPEBAX(登録商標))を含んでもよい。いくつかの実施形態において、オーバーモールド材料は、ポリウレタン(例えば、ともにLubrizol Corp.から入手可能なPellethane 2363−80A、もしくは2363−90A、またはTecoflex EG93A、もしくはEG100A)、または、特定の設計および最終用途要件によって必要とされる、必要な生体適合性、弾性および機械的特性を有する他の適切な材料であってもよい。
【0134】
図10Aは、本開示の様々な実施形態による、オーバーモールド内側下部構造260が配置されているアブレーション固定具270の側断面図を示す。図示されているように、微小電極229−1、229−2、229−3は、オーバーモールド材料261をオーバーモールドされている。いくつかの実施形態において、アブレーション固定具270は、アブレーションツールによって参照され得るアブレーション基準点271を含むことができる。アブレーション基準点271の位置は、オーバーモールド内側下部構造260の近位方向にあるものとして示されているが、基準点271は、オーバーモールド内側下部構造260および/またはオーバーモールド内側下部構造260のいずれかの側面に対して遠位方向に位置してもよい。アブレーションツールは、いくつかの実施形態において、微小電極229−1、229−2、229−3を被覆する(例えば、微小電極の外面を被覆する)オーバーモールド材料261をアブレーションツールによって正確に除去することができるように、基準点271を参照することができるレーザおよび/または他のタイプのアブレーションツールであってもよい。
【0135】
いくつかの実施形態において、図示されているように、基準点271は、線jj、線kk、および線llによって表されている特定の距離だけ、微小電極の各々から離れて配置することができる。いくつかの実施形態において、アブレーションツールは、微小電極229−1、229−2、229−3の外面からオーバーモールド材料261を除去するために、各線の端点に対して近位および/または遠位のオーバーモールド材料261をアブレーションすることができる。いくつかの実施形態において、アブレーションツールは、プログラム可能命令に基づいて特定の位置においてアブレーションするようにプログラムすることができる。例えば、プロセッサ(例えば、コンピュータ)が、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されている、アブレーションツールに特定の位置においてアブレーションさせるためのコンピュータ実行可能命令を実行することができる。
【0136】
図10Bは、本開示の様々な実施形態による、アブレーション処理ステップが完了した後の
図10Aのアブレーション固定具270およびアブレーション済みオーバーモールド内側下部構造280の上面図を示す。図示されているように、オーバーモールド材料261は、微小電極227−1、227−2、227−3、229−1、229−2、229−3から除去されており、したがって、微小電極227−1、227−2、227−3、229−1、229−2、229−3は露出している。いくつかの実施形態において、オーバーモールド材料261は、同様にして、近位終端コンタクトパッド235から除去することができる。いくつかの実施形態において、オーバーモールド内側下部構造260の第1の側面をアブレーションすることができ、その後、裏返すことができ、そのため、部分的にアブレーションされている内側下部構造の第2の側面をアブレーションすることができる。したがって、オーバーモールド材料261を、オーバーモールド内側下部構造260から周方向に除去することができる。
図10Cは、本開示の様々な実施形態による、アブレーション固定具270から排出された後のアブレーション済みオーバーモールド内側下部構造280の上面図を示す。
【0137】
図11は、本開示の様々な実施形態による、可撓性先端部分110の下部構造を形成するのに使用することができる様々な材料の機械的特性を示す。いくつかの実施形態において、本明細書において論じるように、下部構造は、可撓性材料から形成することができる。いくつかの実施形態において、可撓性材料は、ニチノールのような超弾性材料であってもよい。ニチノールの例は、NDCから入手可能なニチノール、Johnson Matthey Medical Componentsから入手可能なCuドープニチノール、Fort Wayne Metalsから入手可能なニチノール、および/または、Euroflexから入手可能なニチノールを含むことができる。
【0138】
いくつかの実施形態において、下部構造を形成する可撓性材料は、可撓性基板を含むことができる。いくつかの実施形態において、可撓性先端部分110の下部構造は、本明細書において論じるように、ポリマーおよび/またはプリント回路基板のような可撓性基板から形成されてもよい。いくつかの実施形態において、可撓性基板は、ニチノールに類似の機械的特性を有してもよい。例えば、可撓性基板は、ニチノールと同じもしくは類似の弾性率、ニチノールと同じもしくは類似の引張強さ、ニチノールと同じもしくは類似の負荷プラトー、および/または、ニチノールと同じもしくは類似の曲げ強度を有することができる。いくつかの実施形態において、可撓性基板は、Rogers Corporationから入手可能なUltralam 3850HTのような液晶ポリマー(LCP)回路材料、Rogers Corporationから入手可能なRT/duroid(登録商標)5870/5880のようなガラスマイクロファイバ強化ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)複合材、IPC4101C/21/24/26/121/124/129に準じるガラス強化エポキシ樹脂積層材(FR4)、「Characterization of the material properties of two FR4 printed circuit board laminates」(E.T.HauganおよびP.Dalsjo、Norwegian Defense Research Establishment(FFI)、Report 10 Jan 2014)に準じるガラス強化エポキシ樹脂積層材(FR4)、Shengyi Sci.Tech.Co.Ltd.から入手可能なS1141、Isola Groupから入手可能なFR408HR、Isolaから入手可能なBT G200のようなビスマレイミド/トリアジン(BT)およびエポキシ樹脂混合材、ならびに/または、Nelco(登録商標)から入手可能なN5000−32のようなビスマレイミド/トリアジン(BT)およびエポキシ樹脂混合材を含んでもよい。
【0139】
いくつかの実施形態において、
図1Aおよび
図1Bに示す可撓性先端部分110は、200gF以下のアレイ屈曲力を有することができる。例えば、可撓性先端部分110を屈曲させるために、200gF以下の量の力を可撓性先端部分に加えることができる。例えば、可撓性先端部分は、200gF以下の量の力が、本明細書において論じる材料から形成することができる可撓性先端部分の遠位端に加えられたときに、
図1Bに示すように屈曲することができる。
【0140】
図12Aは、本開示の様々な実施形態による、内側下部構造290の近位端の上面図を示す。いくつかの実施形態において、内側下部構造290は、内側下部構造290の近位端上にフレームロック291−1、291−2、291−3、291−4を含むことができる。外側下部構造は、内側下部構造上のフレームロック291−1、291−2、291−3、291−4と対応するフレームロックを含むことができる。
【0141】
図12Bは、本開示の様々な実施形態による、
図12Aに示す内側下部構造の近位端に示されているフレームロック291−1、291−2、291−3、291−4の拡大部分(点線の円12Bによって示す)の上面図を示す。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の電気接続部292−1、292−2、....292−8を、フレームロック291−1、291−2、291−3、291−4のうちの1つまたは複数および/または下部構造のアームのうちの1つの上に配置することができる。例えば、電気接続部292−1、292−2、....292−8は、下部構造のアームの近位部分上に形成することができる。
【0142】
図12Cは、本開示の様々な実施形態による、
図12Bに示す電気接続部292−3、292−4の拡大部分(点線の円12Cによって示す)の上面図を示す。いくつかの実施形態において、第3の電気接続部292−3は、遠位コンタクトパッド295−1および近位コンタクトパッド295−2を含むことができ、第4の電気接続部292−4は、遠位コンタクトパッド295−4および近位コンタクトパッド295−3を含むことができる。本明細書において論じるように、電気接続部は、可撓性先端部分110の下部構造の近位部分上に配置することができる。いくつかの実施形態において、電気接続部は、電気接続部間に短絡が発生するのを防止するために、下部構造(例えば、下部構造が導電性である場合)から絶縁することができる。第4の電気接続部295−4を参照すると、遠位コンタクトパッド295−4および近位コンタクトパッド295−3は、トレース296−2を介して互いに電気的に結合することができる。
【0143】
図12Dは、本開示の様々な実施形態による、線mmに沿った
図12Cの断面図を示す。いくつかの実施形態において、下部構造290は、パリレンのような誘電体297材料でコーティングすることができる。誘電体材料297は、本明細書において論じるように、電気接続部を導電性下部構造290から電気的に絶縁することができる。いくつかの実施形態において、誘電体の表面上で金属化を達成することができ、したがって、電気接続部292−4と下部構造290との間の堅固な接続が可能になる。一例において、アルミニウムのような金属を誘電体材料297の表面上に堆積することができ、電気接続部292−4を、金属298の上に配置することができる。
【0144】
図12Eは、本開示の様々な実施形態による、
図12Cに示す電気接続部を介して電気的に結合されているワイヤの上面図を示す。一例において、遠位延伸ワイヤ300および/または近位延伸ワイヤ301を、第3の電気接続部292−3に結合することができる。いくつかの実施形態において、遠位延伸ワイヤ300および近位延伸ワイヤ301を、第3の電気接続部292−3を介して電気的に結合することができる。一例において、遠位延伸ワイヤ300を、遠位コンタクトパッド295−4にはんだ付けすることができ、かつ/または、近位延伸ワイヤ301を、近位コンタクトパッド295−3にはんだ付けすることができる。可撓性先端部分が、微小電極の各々と電気的に結合されている導電性トレースを含まないいくつかの実施形態において、ワイヤ(例えば、遠位延伸ワイヤ)を、微小電極の各々と電気的に結合することができる。
【0145】
いくつかの実施形態において、遠位延伸ワイヤの近位端は、電気接続部の各々の遠位コンタクトパッドと電気的に結合することができる。可撓性先端部分110は、モジュールとして形成することができ、個々の遠位延伸ワイヤは、遠位端において微小電極の各々に接続され、近位端において電気接続部の遠位コンタクトパッドに接続される。いくつかの実施形態において、近位コンタクトパッドは、モジュールを試験することができるように、開いたままにすることができる(例えば、ワイヤは近位コンタクトパッドに電気的に結合されなくてもよい)。例えば、近位コンタクトパッドの各々は、連続性が存在し、微小電極の各々および関連する遠位延伸ワイヤと関連付けられる信号雑音が規定量を超えないことを保証するために、電気試験デバイスによって検査することができる。これは、高密度電極マッピングカテーテル101全体が組み立てられる前に達成することができる。
【0146】
対照的に、いくつかの従来の方法は、試験が実施される前に、高密度電極マッピングカテーテル101全体を組み立てる。加えて、電気コネクタが、高密度電極マッピングカテーテル101の近位延伸ワイヤおよび遠位延伸ワイヤを接続することに関連する複雑度を低減することができる。例えば、近位延伸ワイヤおよび遠位延伸ワイヤを直に接続するのではなく、遠位延伸ワイヤの近位端を電気接続部の遠位パッドと結合することができ、近位延伸ワイヤの遠位端を、電気接続部の近位パッドと結合することができる。
【0147】
いくつかの実施形態において、予め作製されている基板(例えば、フレックス基板)が利用されてもよく、予め作製されている基板は、電気接続部を含み、下部構造(例えば、パリレンコーティングフレーム)に接合することができる。一例において、基板設計は、
図12〜
図13Bに関連して論じられ、示されている基本電気接続部構成を複製することができる。これによって、多層基板を形成することによって、可撓性先端部分110によって形成されるアレイ状の微小電極密度を増大することが可能になり得る(例えば、微小電極の数が22個から32個、さらに64個に増大する)。いくつかの実施形態において、予め作製されている基板は、エポキシ樹脂のような接着材料を使用して下部構造に取り付けることができる。
【0148】
図13Aは、本開示の様々な実施形態による、高密度電極マッピングカテーテル101の可撓性先端部分110の可撓性フレームワークの第1の内側アーム310、第2の内側アーム311、第1の外側アーム312、および第2の外側アーム313上に配置されている複数の電気接続部の上面図を示す。複数の電気接続部は、一般に、電気接続部314−1、314−2、314−3、314−4に関して論じる。
図12A〜
図12Eに関連して論じたように、電気接続部は、フレームロック(例えば、フレームロック315)および/またはアーム310、311、312、314の近位部分上に配置することができる。いくつかの実施形態において、各フレームロック上に配置される電気接続部の数は、1から10に及ぶことができる。電気接続部密度は、目標デバイス寸法ならびにパッド/トレースラインおよび空間要件に従って増大することができる。設計によって十分なスペース(real estate)が得られる場合、接続部の数は必要に応じて増大することができる。第1の電気接続部314−1を参照すると、電気接続部の各々は、トレース317によって電気的に結合されている近位コンタクトパッドおよび遠位コンタクトパッドを含むことができる。例えば、第1の電気接続部314−1は、本明細書において論じるように、トレース317によって接続されている遠位コンタクトパッド316−1および近位コンタクトパッド316−2を含むことができる。
【0149】
いくつかの実施形態において、遠位延伸ワイヤ、例えば、遠位延伸ワイヤ321が、高密度電極マッピングカテーテル101の可撓性フレームワークに沿って遠位方向に延伸することができる。
図13Bに示すように、遠位延伸ワイヤの各々の近位端は、電気接続部の各々の遠位コンタクトパッド(例えば、遠位コンタクトパッド316−1)に電気的に結合することができる。遠位延伸ワイヤの各々の遠位端が接続する結果として、本明細書において論じるように、試験することができる単一のモジュールをもたらすことができる。
【0150】
いくつかの実施形態において、アームの各々は、アーム間の整列を維持するように構成することができるねじりスペーサ320を通じて延在することができる。いくつかの実施形態において、可撓性フレームワークの各アーム(例えば、アーム310、311、312、314)およびねじりスペーサ320をオーバーモールドすることができる、
図9A〜
図10Cに関連して論じたようなオーバーモールドおよびアブレーション工程を利用することができる。加えて、
図1Aおよび
図1Bに示すコネクタ108も、オーバーモールドすることができる。いくつかの実施形態において、オーバーモールド材料は、本明細書において論じるようなPEBAX(登録商標)を含んでもよい。
【0151】
図13Bは、本開示の様々な実施形態による、
図13Aに示す高密度電極マッピングカテーテル101の可撓性先端部分110の可撓性フレームワークの第1の内側アーム310、第2の内側アーム311、第1の外側アーム312、および第2の外側アーム313上に配置されている電気接続部のサブセットの一部分の上面図を示す。電気接続部のサブセットは、一般に、電気接続部314−1、314−2、314−3、314−4に関して論じる。一例において、複数の遠位延伸ワイヤの各々の近位端を、複数の電気接続部の各々の複数の遠位コンタクトパッドのなかの対応する一つに電気的に結合することができ、複数の近位延伸ワイヤの各々の遠位端を、複数の電気接続部の各々の近位コンタクトパッドのなかの対応する一つと電気的に結合することができる。例えば、電気接続部314−2、遠位延伸ワイヤ330および近位延伸ワイヤ331を特に参照すると、遠位延伸ワイヤ330の近位端は、遠位コンタクトパッド316−1に電気的に結合することができ、近位延伸ワイヤ331の遠位端は、電気接続部314−2の近位コンタクトパッド316−2に電気的に結合することができる。コンタクトパッド316−1、316−2は、本明細書において論じるように、トレース317を介して電気的に結合することができ、したがって、ワイヤ330、331は、互いに電気的に結合することができる。
【0152】
図14は、本開示の様々な実施形態による、導電性下部構造を含む集積電極構造を形成するための工程の方法流れ
図340を示す。いくつかの実施形態において、方法は、ステップ331において、集積電極構造の可撓性先端部分の可撓性フレームワークを、第1の誘電体材料でコーティングすることを含むことができる。ステップ332において、マスク部分および非マスクトレースパターン部分を形成するために、コーティングされている可撓性フレームワーク上のトレースパターンをマスキング材料でマスキングすることができる。いくつかの実施形態において、ステップ333において、非マスクトレースパターン部分上にシード層を堆積することができる。ステップ334において、方法は、導電性トレースを形成するために、シード層を導電性材料でめっきすることを含むことができる。ステップ335において、方法は、マスク部分からマスキング材料を剥離することを含むことができる。
【0153】
ステップ336において、方法は、導電性トレースを第2の誘電体材料でコーティングすることを含むことができる。ステップ337において、方法は、導電性トレースの遠位部分から第2の誘電体材料を剥離することを含むことができる。ステップ338において、方法は、微小電極を導電性トレースの遠位部分に電気的に接続することを含むことができる。微小電極を導電性トレースの遠位部分に電気的に接続することは、本明細書において論じるように、マスク画定領域を形成するために、集積電極構造の可撓性フレームワークを、導電性トレースの遠位部分に対して近位および遠位方向にマスキングすることと、マスク画定領域にわたって第2のシード層を堆積することと、微小電極を形成するためにマスク画定領域を導電性材料でめっきすることとを含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書において論じるように、可撓性フレームワークのマスク部分から、マスキング材料を剥離することができる。微小電極が可撓性フレームワークの周りで周方向に延在することになるいくつかの実施形態において、方法は、周方向マスク画定領域を形成するために、集積電極構造の可撓性フレームワークを、導電性トレースの遠位部分に対して近位および遠位方向において周方向にマスキングすることを含むことができる。
【0154】
いくつかの実施形態において、微小電極は、めっき工程(例えば、微小電極を形成するために導電性材料を堆積すること)を通じて形成されなくてもよく、むしろ、中空円筒バンドを導電性トレースの遠位部分に電気的に接続することができ、中空円筒バンドは、可撓性先端部分の可撓性フレームワークと同軸上にある。いくつかの実施形態において、中空円筒バンドを導電性トレースの遠位部分に電気的に接続することは、導電性トレースの遠位部分上にはんだを堆積することと、中空円筒バンドを、導電性トレースの遠位部分および可撓性フレームワークと同軸上に整列させることと、中空円筒バンドを、導電性トレースの遠位部分と電気的に結合するために、はんだをリフローすることとを含むことができる。
【0155】
図15は、本開示の様々な実施形態による、基板下部構造を含む集積電極構造を形成するための工程の方法流れ
図350を示す。いくつかの実施形態において、方法は、ステップ351において、集積電極構造の可撓性先端部分の可撓性フレームワーク基板を、導電性材料でコーティングすることを含むことができる。いくつかの実施形態において、可撓性フレームワークは、可撓性基板から形成することができる。方法は、ステップ352において、マスクトレースパターン部分および非マスク部分を形成するために、マスキング材料を用いて、コーティングされている可撓性フレームワーク上でトレースパターンをマスキングすることを含むことができる。ステップ353において、方法は、可撓性フレームワーク基板を露出させるために、非マスク部分をエッチングすることを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法は、ステップ354において、導電性トレースを露出させるために、マスクトレースパターン部分からマスキング材料を剥離することを含むことができる。方法は、ステップ355において、導電性トレースを誘電体材料でコーティングすることを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法は、ステップ356において、導電性トレースの遠位部分から誘電体材料を剥離することを含むことができる。ステップ357において、方法は、微小電極を導電性トレースの遠位部分に電気的に接続することを含むことができる。
【0156】
本明細書において論じるように、方法は、いくつかの実施形態において、PEBAX(登録商標)のようなポリマーを用いて集積電極構造をオーバーモールドすることをさらに含むことができる。オーバーモールドは、いくつかの実施形態において、本明細書において論じるように、アブレーションステップを介して微小電極の外面から除去することができる。
【0157】
図16は、本開示の様々な実施形態による高密度電極マッピングカテーテルのアーム369の側面図を示す。いくつかの実施形態において、誘電体材料371が、高密度電極マッピングカテーテルのアーム369の下部構造370をコーティングすることができる。いくつかの実施形態において、本明細書において論じるように、1つまたは複数の導電性トレース372を、(下部構造370から外方に面する)誘電体材料371の外側に面する表面上に形成することができる。例えば、本明細書において論じるものと同様にして、非マスクトレースパターン部分を形成するために、誘電体材料371にマスクを被着させることができる。非マスクトレースパターン部分をコーティングするために、シード層を被着させることができる。導電性トレース372は、シード層の上に形成することができ、シード層は、導電性トレース372を誘電体材料371に接着することができる。
【0158】
いくつかの実施形態において、
図16に示すように、複数層の導電性トレース372を、高密度電極マッピングカテーテルのアーム369上に形成することができる。1つまたは複数の追加の導電性トレース373を、第2の誘電体材料層374上に形成することができる。第2の誘電体材料層374は、第1の誘電体材料層371の上、および、導電性トレース372の上に被着させることができる。いくつかの実施形態において、導電性トレース372をコーティングする誘電体材料374内に、第1のバイア375を形成することができる。一例において、第2の誘電体材料層374が被着される前に、導電性トレース372の一部分(例えば、バイア375が形成されることになる部分)の上にマスクを被着させることができ、かつ/または、第1のバイア375を形成するために、第2の誘電体材料層374を除去することができる。追加の導電性トレースを、このように構築することができる。
【0159】
いくつかの実施形態において、追加の導電性トレース373は、第2の誘電体材料層374の一部分の上に被着させることができる。一例において、追加の導電性トレースの遠位端は、第1のバイア375に対して近位方向に配置することができる。いくつかの実施形態において、追加の導電性トレース373および導電性トレース372は、互いに対して平行に、かつ、下部構造370に対して平行に延伸することができる。いくつかの実施形態において、第3の誘電体材料層376が、第2の誘電体材料層374の一部分(例えば、外側に面する表面)、および、追加の導電性トレース373をコーティングすることができる。いくつかの実施形態において、第3の誘電体材料層376が被着される前に、追加の導電性トレース373(例えば、バイア377が形成されることになる部分)の上にマスクを被着させることができ、かつ/または、第2の導電性トレース373のバイア377を形成するために、第3の誘電体材料層376を除去することができる。
【0160】
いくつかの実施形態において、導電性トレース372に被着されるマスクは、第3の誘電体材料層376を被着させた後に除去することができ、したがって、第2の誘電体材料層374内の第1のバイア375および第3の誘電体材料層376内の第2のバイア378が生成されて、バイア379が形成される。
図16に示すように、複数層の導電性トレース372、373を、アーム369の下部構造370上に形成することができる。本明細書において論じるように、これは、アーム369の表面と関連付けられるスペースが、互いに隣接する特定数よりも多い導電性トレースの形成をサポートするほどには大きくない場合に有益であり得る。したがって、本開示のいくつかの実施形態は、導電性トレースが複数の異なる層において形成されることを可能にすることができる。
【0161】
いくつかの実施形態において、同様の構造を、アーム369の下部構造370の別の側面上に形成することができる。例えば、アーム369の別の側面(例えば、アーム369の、導電性トレース372、373に対して反対の側面)は、本明細書において論じるように、導電性トレースの複数の異なる層における形成をサポートする同様の構造を含むことができる。
【0162】
図17A〜
図17Eは、本開示の様々な実施形態による、高密度電極マッピングカテーテルのアームの下部構造および関連する処理ステップの側面図を示す。
図17Aは、高密度電極マッピングカテーテルのアームと関連付けられる下部構造385−1を示す。
図17Bに示すように、いくつかの実施形態において、下部構造385−2内に第1のバイア386−1および第2のバイア386−2を形成することができる。一例において、バイア386−1、386−2は、レーザを介して切削される、穿孔されるなどであり得る。
図17Cに示すように、いくつかの実施形態において、下部構造385−2は、例えば、パリレンのような第1の誘電体材料コーティング387でコーティングすることができる。
【0163】
図17Dに示すように、下部構造385−2をコーティングする第1の誘電体材料コーティング387上に、導電性トレース388を被着させることができる。いくつかの実施形態において、導電性トレース388は、下部構造352−2をコーティングする第1の誘電体材料コーティング387と関連付けられる上面および底面に被着させることができる。導電性トレース388は、バイア386−2を充填することができ、したがって、第1の誘電体材料コーティング387と関連付けられる底面に被着されている導電性トレース388の下部と、第1の誘電体材料コーティング387と関連付けられる上面に被着されている導電性トレース388の上部とを電気的に結合する。いくつかの実施形態において、導電性トレース388は、バイア386−2に対して近位方向に延在することができる。いくつかの実施形態において、導電性トレース388は、第2のバイア386−2に対して遠位方向に延在することができる。例えば、
図17Dに示すように、導電性トレース388の遠位端は、第1のバイア386−1と第2のバイア386−2との間に配置することができる。
【0164】
図17Eに示すように、第1の誘電体材料コーティング387および導電性トレース388の上面および底面に、第2の誘電体材料コーティング390を被着させることができる。いくつかの実施形態において、第2の誘電体材料コーティング390は、第1のバイア386−1に被着されなくてもよく、かつ/または、第1のバイア386−1から除去することができる。
図17Fは、第2の誘電体材料コーティング390の上面および底面に被着されている第2の導電性トレース391を含む処理済み下部構造392を示す。いくつかの実施形態において、
図17Fに示すように、第2の導電性トレース391は、第1のバイア386−1を包囲する第1の誘電体材料コーティング387の、第2の誘電体材料コーティング390でコーティングされていない部分に被着させることができる。一例において、第2の誘電体材料コーティング390は、第1の誘電体材料コーティング387を第2の導電性トレース391でコーティングするために露出したままにして、第1のバイア386−1に対して近位および/または遠位方向に被着させることができる。第2の導電性トレース391は、処理済み下部構造392の上部および下部に沿って延在することができる。第2の導電性トレース391は、バイア386−1を通じて延在することができ、したがって、第2の導電性トレース391の、処理済み下部構造392の上部に沿って延在する部分と、下部に沿って延在する部分とを電気的に結合する。
【0165】
いくつかの実施形態において、第1の導電性トレース388は、第2の導電性トレース391から側方にずらすことができる。そのため、第2の誘電体材料コーティング390内にバイアを形成することができ、このバイアは、微小電極または他のデバイスを第2の導電性トレース391から電気的に絶縁しながら、微小電極または他のデバイスを第1の導電性トレース388に電気的に接続するために使用することができる。いくつかの実施形態において、第3の誘電体材料コーティングを第2の導電性トレース391に被着させることができ、微小電極を、第3の誘電体材料コーティング内に形成されるバイアを通じて第2の導電性トレース391と電気的に結合することができる。
【0166】
図18A〜
図18Gは、本開示の様々な実施形態による、
図1Aの高密度電極マッピングカテーテルの下部構造の実施形態の上面図を示す。
図18A〜
図18Gに示す実施形態は、単一の材料片から構築することができる。例えば、
図18Aは、単一の材料片から形成することができる、内方下部構造411(本明細書においては内側下部構造としても参照される)および外方下部構造412(本明細書においては外側下部構造としても参照される)を含む下部構造410を示す。いくつかの実施形態において、内方下部構造411および外方下部構造412は、単一の材料片からレーザ切断することができ、かつ/または、単一の材料片からフォトエッチングすることができる。
【0167】
図18Aに示すように、内方下部構造411の遠位端は、接続部413を介して外方下部構造412の遠位端に接続することができる。接続部413は、内方下部構造411および外方下部構造412と同じ単一の材料片から形成することができる。接続部413は、内方下部構造411の遠位端の遠位側から、外方下部構造412の遠位端の近位側へと延在することができる。いくつかの実施形態において、接続部413は、平坦にすることができ、内方下部構造411および外方下部構造412と等しい厚さにすることができる。接続部は、
図18Aに示されている、内方下部構造411および外方下部構造412によって規定される下部構造長手方向軸nnの両側で、内方下部構造411の遠位端と外方下部構造412の遠位端との間に延在することができる。
【0168】
図18Aに示すように、外縁部415−1、415−2は、下部構造長手方向軸nnに向かってアール形状にすることができる。いくつかの実施形態において、アール形状外縁部415−1、415−2は、下部構造410が挿入されるとき、および/または、シースから展開されるときに、内方下部構造411と外方下部構造412との間に存在する歪みを最小限に抑えるのに役立ち得る。例えば、外縁部が直線状であり、アール形状でないいくつかの実施形態において、内方下部構造411および外方下部構造412の、接続部413の外縁部に隣接して位置する部分は、増大した歪みを受ける可能性がある。対照的に、アール形状外縁部415−1、415−2は、下部構造410が屈曲するとき、および/または、シース内に挿入されるときもしくはシースから展開されるときに、歪みをより良好に分散させることができる。
【0169】
図18Bは、内方下部構造421および外方下部構造422を含む下部構造420の一実施形態を示す。
図18Bに示すように、内方下部構造421の遠位端は、接続部423を介して外方下部構造422の遠位端に接続することができる。接続部423は、内方下部構造421および外方下部構造422と同じ単一の材料片から形成することができる。接続部423は、いくつかの実施形態において、内方下部構造421の遠位端の遠位側から、外方下部構造422の遠位端の近位側へと延在することができる。
【0170】
いくつかの実施形態において、接続部423は、平坦にすることができ、内方下部構造421および外方下部構造422と等しい厚さにすることができる。接続部423は、
図18Bに示されている、内方下部構造421および外方下部構造422によって規定される下部構造長手方向軸ooの両側で、内方下部構造421の遠位端と外方下部構造422の遠位端との間に延在することができる。
図18Aとは対照的に、接続部423は、本明細書において論じる理由から、下部構造長手方向軸ooのいずれかの側まで延在しなくてもよい。
図18Aに関連して論じたように、接続部は、下部構造420が屈曲するとき、および/または、シースに挿入されるときもしくはシースから展開されるときに、内方下部構造421、接続部423、および外方下部構造422の間の歪みをより良好に分散させることができるアール形状外縁部425−1、425−2を含むことができる。いくつかの実施形態において、接続部423は、下部構造長手方向軸ooの両側まで延在しないため、下部構造は、より小さい力で屈曲することができ、かつ/または、より容易にシース内に導入することができかつ/もしくはより容易にシースから展開することができる。
【0171】
いくつかの実施形態において、下部構造420は、内方下部構造421の張り出し遠位ヘッド427を外方下部構造422に接続する第1の外方接続部材426−1および第2の外方接続部材426−2を含むことができる。例えば、張り出し遠位ヘッド427は、下部構造長手方向軸ooから外方に張り出している第1の張り出しセグメント428−1と、下部構造長手方向軸ooから外方に張り出している第2の張り出しセグメント428−2とを含むことができる。いくつかの実施形態において、第1の外方接続部材426−1は、第1の張り出しセグメント428−1を外方下部構造422に接続することができ、第2の外方接続部材426−2は、第2の張り出しセグメント428−2を外方下部構造422に接続することができる。第1の外方接続部材426−1および第2の外方接続部材426−2は、外方下部構造の、第1の張り出しセグメント428−1および第2の張り出しセグメント428−2のそれぞれに隣接する点において、外方下部構造422と接続することができる。
【0172】
いくつかの実施形態において、第1の接続部材426−1は接続部423に向かって張り出すことができ、第2の接続部材426−2は、いくつかの実施形態において、接続部423に向かって張り出すことができる。代替的に、第1の接続部材426−1および第2の接続部材426−2は、接続部423から外方に張り出してもよい。接続部材426−1、426−2が張り出すことによって、これらの部材は、下部構造が屈曲するとき、および/または、シース内に挿入されるときもしくはシースから展開されるときに、伸長または短縮することができる(例えば、接続部材426−1、426−2内に緩みを組み込むことができる)。例えば、下部構造420がシース内に導入されるとき、外方下部構造422が下部構造長手方向軸ooに向かって圧縮され得、それによって、軸方向長さが増大する。この軸方向長さの増大を補償するために、外方下部構造422が圧縮および伸長されるときに、張り出し遠位ヘッド427が真っ直ぐになる(張り出しが少なくなる)ことができる。これによって、実効的に、内方下部構造421の長さが増大し、内方下部構造421が外方下部構造422に引き起こされることが防止され、したがって、外方下部構造422がシース内で引っかかることが防止される。内方下部構造421が真っ直ぐになり、伸長すると、第1の接続部材426−1および第2の接続部材426−2が真っ直ぐになり(張り出しが少なくなり)、伸長して、外方下部構造422が伸長することが可能になり得る。いくつかの実施形態において、外方下部構造422が圧縮されると、第1の接続部材426−1および第2の接続部材426−2は、張り出し遠位ヘッド427の第1の張り出しセグメント428−1および第2の張り出しセグメント428−2を引くのを助け、張り出し遠位ヘッド427が外方下部構造422とともに伸長するようにすることができる。
【0173】
図18Cは、単一の材料片から形成することができる、内方下部構造431および外方下部構造432を含む下部構造430を示す。いくつかの実施形態において、内方下部構造431および外方下部構造432は、単一の材料片からレーザ切断することができ、かつ/または、単一の材料片からフォトエッチングすることができる。
図18Cに示すように、内方下部構造431の遠位端は、接続部433を介して外方下部構造432の遠位端に接続することができる。接続部433は、内方下部構造431および外方下部構造432と同じ単一の材料片から形成することができる。接続部433は、内方下部構造431の遠位端の遠位側から、外方下部構造432の遠位端の近位側へと延在することができる。いくつかの実施形態において、接続部433は、平坦にすることができ、内方下部構造431および外方下部構造432と等しい厚さにすることができる。接続部433は、
図18Cに示されている、内方下部構造431および外方下部構造432によって規定される下部構造長手方向軸ppの両側で、内方下部構造431の遠位端と外方下部構造432の遠位端との間に延在することができる。
【0174】
図18Cに示すように、接続部433は、下部構造長手方向軸ppから、第1の張り出しセグメント436−1および第2の張り出しセグメント436−2の最外部へと延在することができる。いくつかの実施形態において、接続部433は、下部構造長手方向軸ppから、
図18Cに示すように、第1の張り出しセグメント436−1および第2の張り出しセグメント436−2の最外部の遠位方向にある点へと延在することができる。接続部433は、
図18Aに関連して論じたように、下部構造430が屈曲するとき、および/または、シース内に挿入されるときもしくはシースから展開されるときに、歪みをより良好に分散させることができるアール形状外縁部435−1、435−2を含むことができる。
【0175】
図18Dは、単一の材料片から形成することができる、内方下部構造441および外方下部構造442を含む下部構造440を示す。いくつかの実施形態において、内方下部構造441および外方下部構造442は、単一の材料片からレーザ切断することができ、かつ/または、単一の材料片からフォトエッチングすることができる。
図18Dに示すように、内方下部構造441の遠位端は、接続部443−1および443−2を介して外方下部構造442の遠位端に接続することができる。接続部443−1、443−2は、内方下部構造441および外方下部構造442と同じ単一の材料片から形成することができる。接続部443−1、443−2は、内方下部構造441の遠位端の遠位側から、外方下部構造442の遠位端の近位側へと延在することができる。いくつかの実施形態において、接続部443−1、443−2は、平坦にすることができ、内方下部構造441および外方下部構造442と等しい厚さにすることができる。接続部443−1、443−2は、
図18Dに示されている、内方下部構造441および外方下部構造442によって規定される下部構造長手方向軸qqの両側で、内方下部構造441の遠位端と外方下部構造442の遠位端との間に延在することができる。
【0176】
図18Dに示すように、第1の接続部443−1は、内方下部構造441の第1の遠位湾曲セグメント448−1と、外方下部構造442の対応するセグメントとの間に延在することができる。第2の接続部443−2は、内方下部構造441の第2の遠位湾曲セグメント448−2と、外方下部構造442の対応するセグメントとの間に延在することができる。第1の接続部443−1の、下部構造長手方向軸qqに向かって位置する側は、下部構造長手方向軸qqから外方にアール形状になっている内縁部444−1を含むことができ、第2の接続部443−2の、下部構造長手方向軸qqに向かって位置する側は、下部構造長手方向軸qqから外方にアール形状になっている内縁部444−2を含むことができ、それによって、接続部443−1、443−2の内縁部444−1、444−1と、内方下部構造441および外方下部構造442の遠位端との間に、間隙449が画定される。いくつかの実施形態において、間隙449は、下部構造440が屈曲し、および/または、シース内に挿入されるかもしくはシースから展開されるときに、下部構造440のより良好な可撓性を可能にすることができる。いくつかの実施形態において、接続部443−1、443−2は、
図18Aに関連して論じたように、下部構造440の遠位端に向かってアール形状になっている外縁部445−1、445−2を含むことができる。アール形状内縁部444−1、444−2およびアール形状外縁部445−1、445−2は、本明細書において論じるように、歪みをより良好に分散させることができる。
【0177】
図18Eは、内方下部構造451および外方下部構造452を含む下部構造450の一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、下部構造450は、内方下部構造451の張り出し遠位ヘッド457を外方下部構造452に接続する第1の外方接続部材456−1および第2の外方接続部材456−2を含むことができる。例えば、張り出し遠位ヘッド457は、下部構造長手方向軸rrから外方に張り出している第1の張り出しセグメント458−1と、下部構造長手方向軸rrから外方に張り出している第2の張り出しセグメント458−2とを含むことができる。いくつかの実施形態において、第1の外方接続部材456−1は、第1の張り出しセグメント458−1を外方下部構造452に接続することができ、第2の外方接続部材456−2は、第2の張り出しセグメント458−2を外方下部構造452に接続することができる。第1の外方接続部材456−1および第2の外方接続部材456−2は、外方下部構造452の、第1の張り出しセグメント458−1および第2の張り出しセグメント458−2のそれぞれに隣接する点において、外方下部構造452と接続することができる。
【0178】
いくつかの実施形態において、第1の接続部材456−1は、内方下部構造451および外方下部構造452の遠位端に向かって張り出すことができ、第2の接続部材456−2は、いくつかの実施形態において、内方下部構造451および外方下部構造452の遠位端に向かって張り出すことができる。代替的に、第1の接続部材456−1および第2の接続部材456−2は、内方下部構造451および外方下部構造452の遠位端から外方に張り出してもよい。接続部材456−1、456−2が張り出すことによって、これらの部材は、本明細書において論じるように、下部構造450が屈曲するとき、および/または、シース内に挿入されるときもしくはシースから展開されるときに、伸長または短縮することができる。
【0179】
図18Fは、内方下部構造461−1、461−2および外方下部構造462を含む下部構造460の一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、下部構造460は、内方下部構造461−1、461−2の張り出し遠位ヘッド467を外方下部構造462に接続する第1の外方接続部材466−1および第2の外方接続部材466−2を含むことができる。
図18Eとは対照的に、内方下部構造461−1、462−2は、第1の張り出しセグメント468−1および第2の張り出しセグメント468−2において終端することができ、第1の張り出しセグメント468−1および第2の張り出しセグメント468−2から遠位方向に延在しなくてもよい。内方下部構造461−1、461−2は、図示されているように、第1の張り出しセグメント468−1および第2の張り出しセグメント468−2から近位方向に延在する。いくつかの実施形態において、第1の外方接続部材466−1は、第1の張り出しセグメント468−1を外方下部構造462に接続することができ、第2の外方接続部材466−2は、第2の張り出しセグメント468−2を外方下部構造462に接続することができる。第1の外方接続部材466−1および第2の外方接続部材466−2は、外方下部構造462の、第1の張り出しセグメント468−1および第2の張り出しセグメント468−2のそれぞれに隣接する点において、外方下部構造462と接続することができる。
【0180】
いくつかの実施形態において、第1の接続部材466−1は、内方下部構造461−1、461−2および外方下部構造462の遠位端に向かって張り出すことができ、第2の接続部材466−2は、いくつかの実施形態において、内方下部構造461−1、461−2および外方下部構造462の遠位端に向かって張り出すことができる。代替的に、第1の接続部材466−1および第2の接続部材466−2は、内方下部構造461−1、461−2および外方下部構造462の遠位端から外方に張り出してもよい。接続部材466−1、466−2が張り出すことによって、これらの部材は、本明細書において論じるように、下部構造460が屈曲するとき、および/または、シース内に挿入されるときもしくはシースから展開されるときに、伸長または短縮することができる。
【0181】
図18Gは、内方下部構造471−1、471−2および外方下部構造472を含む下部構造470の一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、内方下部構造471−1、471−2の第1のアームおよび第2のアームは、下部構造470の近位端から遠位方向に延在することができる。内方下部構造471−1、471−2の第1のアームおよび第2のアームの遠位部分は、下部構造長手方向軸ttに平行に延在することができ、外方下部構造472の第1のアール形状セグメント473−1および第2のアール形状セグメント473−2のそれぞれに対して近位方向において終端することができる。いくつかの実施形態において、接続アーム474−1、474−2、...474−6が、内方下部構造471−1、471−2の第1のアームおよび第2のアームから横方向に、かつ下部構造長手方向軸ttから外方下部構造472に向かって外方に延在することができる。接続アーム474−1、474−2、474−6は、内方下部構造471−1、471−2および外方下部構造472と接続することができる。
【0182】
図19Aは、本開示の様々な実施形態による、複数の微小電極502−1、502−2、...、502−16を含む高密度電極マッピングカテーテルの可撓性先端部分500の上面図を示す。以下、複数の微小電極502−1、502−2、...、502−16は、複数形で微小電極502として参照される(本明細書においては電極としても参照される)。いくつかの実施形態において、可撓性先端部分500は、カテーテルシャフトの遠位端に配置することができる、微小電極502の可撓性アレイを形成する。微小電極502のこの平面アレイ(または「パドル」構成)は、微小電極502が配置される可撓性フレームワークを形成することができる、4つの隣接した長手方向に延伸するアーム504、506、508、510を備える。4つの微小電極キャリアアームは、第1の外側アーム504と、第2の外側アーム510と、第1の内側アーム506と、第2の内側アーム508とを含む。これらのアームは、互いから側方に分離することができる。可撓性先端500の内側部分は、張り出しヘッド部分512を含むことができ、可撓性先端500の外側部分は、ヘッド部分514を含むことができる。前述したように、第1の外側アーム504および第2の外側アーム510は、外側下部構造の一部分とすることができ、第1の内側アーム506および第2の内側アーム508は、内側下部構造の一部分とすることができる。第1の内側アーム506および第2の内側アーム508ならびに張り出しヘッド部分512は、平坦な断面を含む要素を備える内側アーム下部構造を形成することができ、第1の外側アーム504および第2の外側アーム510ならびにヘッド部分514は、平坦な断面を含む要素を備える外側アーム下部構造を形成することができる。いくつかの実施形態において、可撓性先端部分500は、ニチノールのような可撓性金属から形成することができる。いくつかの実施形態において、可撓性先端部分500は、可撓性プリント回路基板から形成することができる。いくつかの実施形態において、可撓性先端部分500は、取り付け部分516を含むことができる。一例において、第1の外側アーム504および第2の外側アーム510ならびに第1の内側アーム506および第2の内側アーム508は、取り付け部分516に接続することができる。いくつかの実施形態において、取り付け部分516、第1の外側アーム504および第2の外側アーム510、第1の内側アーム506および第2の内側アーム508、張り出しヘッド部分512、ならびにヘッド部分514はすべて、単一の材料片から形成することができる。取り付け部分516は、いくつかの実施形態において、カテーテルシャフトの遠位端内に挿入することができる。
【0183】
いくつかの実施形態において、可撓性先端部分500は、取り付け部分516、第1の外側アーム504および第2の外側アーム510、第1の内側アーム506および第2の内側アーム508、張り出しヘッド部分512、ならびに/またはヘッド部分514に沿って配置される複数の導電性トレース518−1、518−2、518−3、518−4を含むことができる。以下、導電性トレース518−1、518−2、518−3、518−4は、複数形で導電性トレース518として参照される。導電性トレース518の各々は、微小電極502のうちの1つと電気的に結合することができる。例えば、第1の微小電極502−1は、第1の導電性トレース518−1と電気的に結合することができ、第2の微小電極502−2は、第2の導電性トレース518−2と電気的に結合することができ、第3の微小電極502−3は、第3の導電性トレース518−3と電気的に結合することができ、かつ/または、第4の微小電極502−4は、第4の導電性トレース518−4と電気的に結合することができる。5つ以上のトレースが可撓性先端部分上に配置されるが、明瞭にするために、トレース518−1、518−2、518−3、518−4のみが本明細書において論じられる。
【0184】
いくつかの実施形態において、トレース518および/または微小電極502は、本明細書において前述したように形成することができる。いくつかの実施形態において、トレース518および/または微小電極502は、
図23A〜
図23Fに関連して論じるように形成することができる。図示されているように、第1のトレース518−1は、第1の微小電極502−1の近位側から延在することができる。いくつかの実施形態において、トレース518の各々は、本明細書においてさらに論じるように、バイアを通じて微小電極502のうちの対応する一つと電気的に結合することができる。図示されているように、微小電極502は、アームの各々の長手方向の長さに沿って配置することができる。いくつかの実施形態において、トレース518は、トレース518が電気的に結合されていない微小電極と接触することを回避し、したがって、短絡が発生するのを防止するために、それらの微小電極502の各々を迂回してルーティングすることができる。一例において、図示されているように、第2の導電性トレース518−2は、第1の微小電極502−1と接触することを回避するために、第1の微小電極502−1を迂回してルーティングすることができる。第2の導電性トレース518−2は、第1の微小電極502−1の内側に沿って延在することができ、第2の微小電極502−2と結合することができる。第3のトレース518−3は、第1の微小電極502−1および第2の微小電極502−2の外側に沿って延在することができ、第3の微小電極502−3と結合することができる。第4のトレース518−4は、第1の微小電極502−1、第2の微小電極502−2、および第3の微小電極502−3の内側に沿って延在することができ、第4の微小電極502−4と結合することができる。一例において、図示されているように、各長手方向において交互になっている微小電極502と関連付けられるトレースを、先行する微小電極502の交互になっている側を迂回してルーティングすることができる。例えば、第2の微小電極と関連付けられる第2のトレース518−2は、先行する第1の微小電極502−1の内側にルーティングすることができ、第3の微小電極502−3と関連付けられる第3のトレース518−3は、先行する第1の微小電極502−1および第2の微小電極502−3の外側にルーティングすることができ、第4の微小電極502−4と関連付けられる第4のトレース518−4は、先行する第1の微小電極502−1、第2の微小電極502−2、および第3の微小電極502−3の内側にルーティングすることができる。これによって、微小電極502の両側にトレース518をより均等に分布させることが可能になり得、したがって、微小電極502が、各アームの中心においてより均等に離間されることが可能になる。
【0185】
いくつかの実施形態において、トレース518の各々は、アーム504、506、508、510の各々に沿って取り付け部分516へと近位方向にルーティングすることができる。いくつかの実施形態において、取り付け部分516は、第1の列522−1および第2の列522−2に構成されている、以下、複数形でコンタクトパッド520として参照される、複数のコンタクトパッド520−1、520−2、...、520−9を含むことができる。明瞭にするために、コンタクトパッド520−1、520−2、...、520−9のみを論じる。いくつかの実施形態において、トレース518の各々の近位端は、コンタクトパッド520のうちのそれぞれにおいて終端することができる。
【0186】
コンタクトパッドの各列522−1、522−2は、可撓性先端部分500の長手方向軸によって分岐することができる。一例において、コンタクトパッドの各列522−1、522−2は、コンタクトパッドの列522−1、522−2が遠位方向に延伸するにつれて、可撓性先端部分500の長手方向軸から外方に延伸することができる。したがって、コンタクトパッドの各列522−1、522−2は、列が遠位方向に延伸するにつれて、横方向において互いから外方に延伸することができる。いくつかの実施形態において、コンタクトパッドの各列522−1、522−2は線形とすることができる。一例において、取り付け部分516は、制限された横幅を有し得る。したがって、コンタクトパッド520は、長手方向および横方向において互いに対して互い違いにされ得る。例えば、取り付け部分516の遠位端から近位端へ、コンタクトパッド520は、長手方向において近位端に向かって互い違いであり得、横方向において可撓性先端部分500の長手方向軸に向かって互い違いであり得る。
【0187】
いくつかの実施形態において、トレース518−3は、コンタクトパッド520−1の近位端に接続することができる。したがって、コンタクトパッド520−1は、微小電極502−3と電気的に結合することができる。いくつかの実施形態において、試験トレースが、コンタクトパッド520の1つまたは複数に対して近位方向に延在することができる。例えば、試験トレースは、コンタクトパッド520−1に対して近位方向に延在することができる。試験トレースは、コンタクトパッド520−1、電気トレース518−3、および微小電極502−3の間の連続性を保証するために試験機器によって検査することができる、より大きいコンタクト試験パッドを含むことができる試験部分(図示せず)に至ることができる。いくつかの実施形態において、コンタクト試験パッドは、試験トレースを介してコンタクトパッド520の各々と電気的に結合することができる。いくつかの実施形態において、試験トレースは、コンタクトパッド520の各々から近位方向に延在することができる。コンタクトパッド520が長手方向および横方向に互い違いであることによって、図示されているように、電気トレースが、コンタクトパッド520の各々から遠位方向に延在することが可能であり、試験トレースが、コンタクトパッドの各々から近位方向に延伸することが可能である。
【0188】
図19Bは、本開示の様々な実施形態による、
図19Aに示す可撓性先端部分上に配置されている一対のコンタクトパッド520−8、520−9の拡大上面図を示す。いくつかの実施形態において、コンタクトパッド520は、導電性材料から形成することができる。例えば、コンタクトパッド520は、銅、金などから形成することができる。いくつかの実施形態において、コンタクトパッド520は、約0.2ミリメートルの横幅を有することができるが、コンタクトパッドは、より小さいまたはより大きい横幅を有してもよい。いくつかの実施形態において、コンタクトパッド520は、約0.45ミリメートルの長手方向の長さを有することができるが、コンタクトパッドは、より短いまたはより長い長手方向の長さを有してもよい。図示されているように、導電性トレース518−5、518−6が、コンタクトパッド520−8、520−9から遠位方向に延伸することができ、コンタクトパッド520−8、520−9と電気的に結合することができる。例えば、導電性トレース518−5、518−6はそれぞれ、コンタクトパッド520−8を微小電極502−8と電気的に結合することができ、コンタクトパッド520−9を微小電極502−12と電気的に結合することができる。いくつかの実施形態において、コンタクトパッド520−8、520−9は、前述したように、それぞれコンタクトパッド520−8、520−9の各々から近位方向に延伸する試験トレース532−8、532−9を含むことができる。図示されているように、他の試験トレース532−4、532−5、532−6、532−7、532−8は、取り付け部分516に沿って長手方向に延伸することができる。いくつかの実施形態において、試験トレース532は、約0.05ミリメートルだけ互いから側方に離間することができるが、試験トレースは、いくつかの実施形態において、より小さいまたはより大きい距離だけ離間されてもよい。いくつかの実施形態において、試験トレースは、約0.03ミリメートルの横幅を有することができるが、試験トレースは、0.03ミリメートルよりも大きいまたはより小さい横幅を有してもよい。
【0189】
図19Cは、本開示の様々な実施形態による、
図19Aに示す可撓性先端部分500上に配置されている微小電極502−1の拡大上面図を示す。いくつかの実施形態において、微小電極502−1は、微小電極502−1から近位方向に延伸する導電性トレース518−1を有することができる。いくつかの実施形態において、微小電極502−1は、0.1〜5ミリメートルの範囲内の長手方向の長さを有することができ、0.1〜5ミリメートルの範囲内の横幅を有することができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、微小電極502−1は、約0.92ミリメートルの長手方向の長さを有することができ、約0.9ミリメートルの横幅を有することができる。しかしながら、いくつかの実施形態において、微小電極502−1は、約0.92ミリメートルの長手方向の長さおよび約0.3ミリメートルの横幅を有することができる。図示されているように、導電性トレースは、微小電極502−1の両側に延伸することができ、他の微小電極502を、コンタクトパッド520のうちの対応する一つと接続する。
【0190】
図19Dは、本開示の様々な実施形態による、
図19Aに示す可撓性先端部分500の上部および下部に配置されている微小電極の側面図を示す。
図19Aは、微小電極502が第1の外側アーム504上に配置されている、可撓性先端部分500の上部を示す。いくつかの実施形態において、可撓性先端部分500の下部は、可撓性先端部分500の上部と同じ特徴を含むことができる。例えば、
図19Dに示すように、可撓性先端部分500の下部はまた、以下、複数形で微小電極502として参照される微小電極502−17、502−18、502−19、502−20、導電性トレース518(図示せず)、コンタクトパッド520(図示せず)などを含むことができる。一例において、これは、異なる単極および双極電位図構成を調査することを可能にすることができる。一例において、可撓性先端部分500の上部に配置されている電極が組織に対して配置され、可撓性先端部分500の下部の電極が血液プール内に配置される、またはその逆である場合、上部電極によって、下部電極とは異なる電気信号を受信することができる。いくつかの実施形態において、上部電極から受信される信号(例えば、インピーダンス)を、下部電極から受信される信号(例えば、インピーダンス)に対して分析して、可撓性先端部分500が組織と接しているか否かを判定することができる。いくつかの実施形態において、可撓性先端部分500および関連する微小電極502と組織との間の接触度は、下部電極および上部電極から受信される信号の分析に基づいて判定することができる。一例において、下部電極と上部電極の両方からの信号が同じである場合、これは、可撓性先端部分500全体が血液プール内に配置されており、組織と接していないことの指標であり得る。
【0191】
一例において、この「下部−上部」双極構成を使用する結果として、「下部−隣接する下部」双極構成を使用する双極電位図とは明瞭に異なる電位図をもたらすことができる。例えば、電位図を生成するために使用されるいくつかの医療デバイスは、互いに隣接し、医療デバイスの同じ側に位置する電極から電気信号を受信する。本開示のデバイス、例えば、デバイス(例えば、可撓性先端部分500)の両側(例えば、上部および下部)に電極を含むデバイスは、明瞭に異なる電位図を生成することができる。
【0192】
図19Dに示すように、微小電極502は、可撓性先端部分500の上部および/または下部に配置することができる。例えば、微小電極502は、第1の外側アーム504、第2の外側アーム510(
図19A)、第1の内側アーム506(
図19A)、および/または第2の内側アーム508(
図19A)の上部および/または下部に配置することができる。上部微小電極502の各々は、垂直方向に隣接する下部微小電極502を有することができる。一例において、第1の上部微小電極502−1は、第1の上部微小電極502−1の直下に位置する下部微小電極502−17に垂直方向に隣接することができる。いくつかの実施形態において、可撓性先端部分500の上部および下部の微小電極502の各々の外面の間の垂直間隔(VS)は、0〜3ミリメートルの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態において、可撓性先端部分500の上部および下部の微小電極502の各々の外面の間の垂直間隔(VS)は、約0.22ミリメートルであってもよい。上部に配置されている微小電極502と下部に配置されている電極との間の垂直間隔VSは、可撓性先端部分500の上部および下部に配置されている微小電極502が細胞外基質(ECM)信号を受信することを可能にする、微小電極502間の第3の寸法を提供することができる。
【0193】
いくつかの医療デバイスは、一次元間隔を提供する単一のラインに沿って、または、二次元間隔を提供する平面(例えば、互いに側方に隣接する)に沿って配置されている電極を含むことができる。しかしながら、本開示の実施形態は、互いに側方に隣接し、また、互いに垂直方向にも隣接する微小電極502を提供することができ、互いに垂直方向に隣接する下部電極と上部電極の両方によってECM信号を受信するように構成することができる。本開示のいくつかの実施形態において、微小電極502間の垂直間隔VSは、より大きい解像度の細胞外基質(ECM)信号を提供することができる。加えて、可撓性先端部分500の上部に配置されている微小電極502と、可撓性先端部分500の下部に配置されている微小電極502との間で、明瞭な双極信号を生成することができる。
【0194】
前述したように、可撓性先端部分500上の微小電極のいずれかが組織と接しているか否かの判定は、可撓性先端部分500の下部に配置されている微小電極502によって受信される下部信号と、可撓性先端部分500の上部に配置されている微小電極502によって受信される上部信号との差に基づいて行うことができる。例えば、下部微小電極502が組織と接しており、かつ上部微小電極502が血液プール内に配置されている場合、下部信号は、上部信号とは異なることになる。下部微小電極502と上部微小電極502の両方が血液プール内に配置されている場合、下部信号および上部信号は、いくつかの実施形態において、同じになり得る。この判定は、
図31に関連して論じるような、微小電極の各々と通信している電子制御部によって行うことができる。
【0195】
図19Dにさらに示すように、微小電極502は、下部構造(例えば、第1の外側アーム504)の表面から垂直方向に延伸することができる。いくつかの実施形態において、微小電極502は、0.1〜1000マイクロメートルの範囲内の厚さを有することができる。いくつかの実施形態において、微小電極502は、0.5マイクロメートルの厚さを有することができる。微小電極502を下部構造の表面から持ち上げることによって、微小電極502は、より容易に組織に接触することができる。
【0196】
図20は、本開示の様々な実施形態による、
図19Aに示す可撓性先端部分500の遠位端等角上側面図を示す。可撓性先端部分500は、
図19A〜
図19Cに関連して論じたような特徴を含む。一例において、可撓性先端部分500は、長手方向延伸アーム504、506、508、510、張り出しヘッド部分512、ヘッド部分514、および取り付け部分516を含む。図示されているように、可撓性先端部分500を形成する種々の要素(例えば、長手方向延伸アーム504、506、508、510、張り出しヘッド部分512、ヘッド部分514、および取り付け部分516)は、平坦な断面を含むことができる。例えば、各要素の厚さは、各要素の横幅未満とすることができる。したがって、可撓性先端部分500の上面および可撓性先端部分500の底面は平坦であり得、これは、可撓性先端部分500上に微小電極502、導電性トレース518、および/またはコンタクトパッド520を形成するときに有益であることが判明し得る。本明細書において論じるように、可撓性先端部分500の下部構造は、ニチノールのような可撓性金属、ならびに/または、微小電極502、導電性トレース518、および/もしくはコンタクトパッド520を上に配置することができる可撓性プリント回路基板から形成することができる。
【0197】
図21は、本開示の様々な実施形態による、高密度電極マッピングカテーテルの可撓性先端部分540の下部構造の上面図を示す。いくつかの実施形態において、可撓性先端部分540は、第1の外側アーム542と、第2の外側アーム548と、第1の内側アーム544と、第2の内側アーム546とを含む4つの微小電極キャリアアームを含むことができる。これらのアームは、互いから側方に分離することができる。可撓性先端540の内側部分は、張り出しヘッド部分550を含むことができ、可撓性先端540の外側部分は、ヘッド部分552を含むことができ、これらは接続部554を介して接続される。いくつかの実施形態において、張り出しヘッド部分550は、側方頂部556を含むことができる。いくつかの実施形態において、側方頂部556の横幅L
1は、0.08〜0.32ミリメートルの範囲内であってもよい。一例において、頂部556の横幅L
1は、約0.16ミリメートルであってもよい。張り出しヘッド部分550は、加えて、0.10〜0.45ミリメートルの範囲内の幅L
2を有することができる先細ヘッドアーム558を含むことができる。一例において、先細ヘッドアーム558の幅L
2は、0.21ミリメートルであってもよい。いくつかの実施形態において、ヘッド部分552を形成するアームは、−0.1〜0.45ミリメートルの範囲内の幅L
3を有することができる。一例において、ヘッド部分552を形成するアームの幅L
3は、約0.21ミリメートルの幅を有してもよい。接続部554は、0.08〜0.32ミリメートルの範囲内の横幅L
4を有することができる。接続部554は、約0.16ミリメートルの横幅L
4を有することができる。
【0198】
前述したように、第1の外側アーム542および第2の外側アーム548は、外側下部構造を含むことができ、第1の内側アーム544および第2の内側アーム546は、内側下部構造を含むことができる。いくつかの実施形態において、第1の内側アーム544および第2の内側アーム546の横幅L
5は、0.10〜1.0ミリメートルの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態において、第1の内側アーム544および第2の内側アーム546の横幅L
5は、約0.51ミリメートルであってもよい。いくつかの実施形態において、第1の外側アーム542および第2の外側アーム548の横幅L
6は、0.10〜1.0ミリメートルの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態において、第1の外側アーム542および第2の外側アーム548の横幅L
6は、約0.51ミリメートルであってもよい。
【0199】
いくつかの実施形態において、第1の外側遷移アーム562が、第1の外側アーム542を取り付け部分560に接続することができ、第1の内側遷移アーム564が、第1の内側アーム544を取り付け部分560に接続することができ、第2の内側遷移アーム566が、第2の内側アーム546を取り付け部分に接続することができ、第2の外側遷移アーム568が、第2の外側アーム548を取り付け部分560に接続することができる。いくつかの実施形態において、第1の外側遷移アーム562および第2の外側遷移アーム568の幅L
7は、0.10〜1.0ミリメートルの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態において、第1の外側遷移アーム562および第2の外側遷移アーム568の幅L
7は、約0.51ミリメートルであってもよい。
【0200】
いくつかの実施形態において、可撓性先端部分540は、前述したように、取り付け部分560を含むことができる。いくつかの実施形態において、取り付け部分560の長手方向の長さL
8は、5〜20ミリメートルの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態において、取り付け部分560の長手方向の長さL
8は、約11.1ミリメートルであってもよい。いくつかの実施形態において、内側アームおよび外側アームの長手方向の長さL
9は、3〜20ミリメートルの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態において、可撓性先端部分の、遷移アームを含む部分の長手方向の長さL
9は、9.1ミリメートルであってもよい。いくつかの実施形態において、内側遷移アームおよび外側遷移アームの長手方向の長さL
10は、8〜50ミリメートルの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態において、内側アームおよび外側アームの長手方向の長さL
10は、13.9ミリメートルであってもよい。いくつかの実施形態において、張り出しヘッド部分550およびヘッド部分552の長手方向の長さL
11は、3〜20ミリメートルの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態において、張り出しヘッド部分550およびヘッド部分552の長手方向の長さL
11は、9.8ミリメートルであってもよい。
【0201】
いくつかの実施形態において、第1の内側アーム544と第2の内側アーム546との間の側方間隔L
12は、0.10〜4ミリメートルの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態において、第1の内側アーム544と第2の内側アーム546との間の側方間隔L
12は、約4ミリメートルであってもよい。いくつかの実施形態において、第1の内側アーム544と第1の外側アーム542との間、および、第2の内側アーム546と第2の外側アーム548との間の側方間隔L
13は、0.10〜4ミリメートルの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態において、側方間隔L
13は、約4ミリメートルであってもよい。
【0202】
図22は、本開示の様々な実施形態による、高密度電極マッピングカテーテルの可撓性先端部分580の下部構造の代替的な実施形態の上面図を示す。いくつかの実施形態において、可撓性先端部分580は、取り付け部分596に取り付けることができる、第1の外側アーム582と、第2の外側アーム588と、第1の内側アーム584と、第2の内側アーム586とを含む4つの微小電極キャリアアームを含むことができる。取り付け部分596、内側および外側アーム582、584、586、588、張り出しヘッド部分590、およびヘッド部分592は、単一の材料片から形成することができる。可撓性先端580の内側部分は、張り出しヘッド部分590を含むことができ、可撓性先端580の外側部分は、ヘッド部分592を含むことができ、これらは接続部594を介して接続される。いくつかの実施形態において、張り出しヘッド部分590およびヘッド部分592は、
図21に示すものよりも大きい長手方向の長さを有することができる。いくつかの実施形態において、張り出しヘッド部分590およびヘッド部分592を形成する要素は、
図21に関連して示すものよりも小さい幅を有することができる。一例において、張り出しヘッド部分590もしくはヘッド部分592、または、可撓性先端580の他の部品の幅を低減することによって、張り出しヘッド部分590、ヘッド部分592または可撓性先端580の他の部品を屈曲させるのに必要とされる力を低減することができる。したがって、可撓性先端580の様々な部分をより無傷性(atraumatic)にすることができる。例えば、屈曲力が低減する結果として、可撓性先端580の部分は、組織に接するときにより容易に屈曲することができる。
【0203】
図23A〜
図23Fは、本開示の様々な実施形態による、高密度電極マッピングカテーテルの下部構造のアームおよび関連する処理ステップの等角上側面図を示す。
図23Aに示すように、下部構造610は、いくつかの実施形態において可撓性材料から形成することができる。一例において、可撓性材料は、ニチノールを含んでもよく、約160マイクロメートル厚であってもよいが、可撓性材料は、160マイクロメートルよりも厚くてもよく、薄くてもよい。いくつかの実施形態において、下部構造610は、
図23Bに示すように、上部誘電体層612−1および/または下部誘電体層612−2でコーティングすることができる。一例において、誘電体材料は、本明細書において前述したように、例えば、パリレン、ポリイミド、エポキシ樹脂などを含んでもよい。しかしながら、誘電体材料は、他のタイプの誘電体を含んでもよい。いくつかの実施形態において、誘電体層612−1、612−2の厚さは、1.0〜30マイクロメートルの範囲内であってもよい。一例において、誘電体層612−1、612−2は約10マイクロメートル厚であってもよいが、誘電体材料は、10マイクロメートルよりも厚くてもよく、薄くてもよい。いくつかの実施形態において、誘電体材料は、下部構造を、誘電体層の上に形成される導電性トレースから電気的に絶縁することができる。いくつかの実施形態において、誘電体材料と可撓性材料との間に結合層を配置することができる。一例において、結合層は、約1000オングストロームの厚さを有するスパッタクロムであってもよいが、スパッタクロムの厚さは、1000オングストローム厚よりも厚くてもよく、薄くてもよい。
【0204】
いくつかの実施形態において、誘電体層612−1、612−2は、無傷性内側および/または外側縁部を形成するために、下部構造610に対して横方向外向きに延伸することができる。一例において、下部構造610は、前述したように、下部構造610の幅よりも小さい厚さを有する平坦な断面を有することができる。いくつかの実施形態において、下部構造610の側方縁部は、下部構造610の厚さが相対的に薄いことに起因して、尖鋭であり得る。下部構造610の無傷性の側方縁部(例えば、外側および/または内側縁部)を提供するために、誘電体層612−1、612−2は、
図23Cに示すように、下部構造610に対して横方向外向きに延伸することができる。無償性縁部は、下部構造610が他の材料(例えば、イントロデューサシースの内径、心臓内の組織など)に接触するのを防止するためのプロテクタ/バンパとして機能することができる。
【0205】
図23Cは、線23C−23Cに沿った
図23Bに示すコーティング下部構造610の断面図である。例えば、
図23Cに示すように、第1の誘電体層612−1および第2の誘電体層612−2は、第1の外側突出部614−1および第2の外側突出部614−2を含むことができ、第1の誘電体層612−1および第2の誘電体層612−2は、第1の内側突出部616−1および第2の内側突出部616−2を含むことができる。いくつかの実施形態において、第1の外側突出部614−1および第2の外側突出部614−2ならびに/または第1の内側突出部616−1および第2の内側突出部616−2は、
図19A〜
図22に関連して論じたような、高密度電極マッピングカテーテルの可撓性先端部分の各部分に形成することができる。例えば、
図21に関連して示され、論じられている可撓性先端部分540に関して、第1の外側遷移アーム562、第1の外側アーム542、ヘッド部分552、第2の外側アーム548、および第2の外側遷移アーム568を含む外側下部構造622は、外側下部構造622(
図21)の周縁に沿って延伸する外側縁部618に沿って配置されている第1の外側突出部614−1および第2の外側突出部614−2を有することができる。いくつかの実施形態において、第1の外側突出部614−1および第2の外側突出部614−2は、第1の外側遷移アーム562、第1の外側アーム542、ヘッド部分552、第2の外側アーム548、および/または、第2の外側遷移アーム568のうちの1つまたは複数の外側縁部618に沿って配置することができる。いくつかの実施形態において、外側下部構造622は、外側下部構造622の内側縁部620に沿って配置されている第1の内側突出部616−1および第2の内側突出部616−2を有することができる。いくつかの実施形態において、第1の内側突出部616−1および第2の内側突出部616−2は、第1の外側遷移アーム562、第1の外側アーム542、ヘッド部分552、第2の外側アーム548、および/または、第2の外側遷移アーム568のうちの1つまたは複数の内側縁部620に沿って配置することができる。
【0206】
図21をさらに参照すると、いくつかの実施形態において、第1の内側遷移アーム564、第1の内側アーム544、張り出しヘッド部分550、第2の内側アーム546、および第2の内側遷移アーム566を含む内側下部構造624は、内側下部構造624(
図21)の周縁に沿って延伸する外側縁部626に沿って配置されている第1の外側突出部614−1および第2の外側突出部614−2を有することができる。いくつかの実施形態において、第1の外側突出部614−1および第2の外側突出部614−2は、第1の内側遷移アーム564、第1の内側アーム626、張り出しヘッド部分550、第2の内側アーム546、および/または、第2の内側遷移アーム566のうちの1つまたは複数の外側縁部624に沿って配置することができる。いくつかの実施形態において、内側下部構造624は、内側下部構造624の内側縁部628に沿って配置されている第1の内側突出部616−1および第2の内側突出部616−2を有することができる。いくつかの実施形態において、第1の内側突出部616−1および第2の内側突出部616−2は、第1の内側遷移アーム564、第1の内側アーム544、張り出しヘッド部分550、第2の内側アーム546、および/または、第2の内側遷移アーム566のうちの1つまたは複数の内側縁部628に沿って配置することができる。
【0207】
図23Dに示すように、1つもしくは複数の導電性トレース636−1、636−2および/または導電性パッド638を、誘電体材料612−1、612−2の外面上に形成することができる。いくつかの実施形態において、1つもしくは複数の導電性トレース636−1、636−2および/または導電性パッド638は、第1の誘電体層612−1の外面および/または第2の誘電体層612−2の外面上に形成することができる。いくつかの実施形態において、導電性トレース636−1、636−2および/または導電性パッド638は、銅のような導電性材料から形成することができる。銅は、約7マイクロメートルの厚さを有してもよいが、銅の厚さは、7マイクロメートルよりも厚くてもよく、薄くてもよい。いくつかの実施形態において、導電性トレース636−1、636−2と誘電体材料612−1、612−2との間に結合層が含まれてもよい。一例において、結合層は、約130オングストロームの厚さを有するスパッタクロムであってもよい。しかしながら、結合層の厚さは、130オングストロームよりも大きくてもよく、小さくてもよい。
【0208】
図23Eに示すように、第1の誘電体層612−1は、第1のオーバーコート誘電体層640−1でコーティングされており、第2の誘電体層612−2は、第2のオーバーコート誘電体層640−2でコーティングされている。いくつかの実施形態において、オーバーコート誘電体層640−1、640−2は、1つもしくは複数の導電性トレース636−1、636−2および/または1つもしくは複数の導電性パッド638を保護することができ、かつ/または、1つもしくは複数の導電性トレース636−1、636−2および/または1つもしくは複数の導電性パッド638が組織に接触するのを防止することができる。いくつかの実施形態では、露出領域642をオーバーコート誘電体層640−1に作製可能であり、かつ/または(図示はされていないが)オーバーコート誘電体層640−2内にも作製可能である。一例において、露出領域642は、導電性パッド638にアクセスすることができるように、オーバーコート誘電体層640−1を通じて延伸するバイアとすることができる。いくつかの実施形態において、オーバーコート誘電体層640−1、640−2は、約10マイクロメートルの厚さを有してもよいが、オーバーコート層の厚さは、10マイクロメートルよりも厚くてもよく、薄くてもよい。
図23Fに示すように、オーバーコート誘電体層640−1の外面上に、微小電極644を配置することができる。一例において、電極644は、金のような導電性材料から形成することができる。金は、約0.5マイクロメートルの厚さを有してもよいが、金の厚さは、0.5マイクロメートル厚よりも厚くてもよく、薄くてもよい。いくつかの実施形態において、導電性パッド638と電極644との間に結合層を配置することができる。一例において、結合層は、ニッケルを含むことができる。いくつかの実施形態において、ニッケルは、約0.4マイクロメートルの厚さを有してもよいが、ニッケルの厚さは、0.4マイクロメートルよりも厚くてもよく、薄くてもよい。
【0209】
図24Aは、本開示の様々な実施形態による、以下、複数形で電極662として参照される複数の電極662−1、662−2、662−3、662−4、トレース664、および取り付け部分666を含む高密度電極マッピングカテーテルの可撓性先端部分660の下部構造の上面図を示す。本明細書において論じるように、可撓性先端部分660は、第1の外側アーム668と、第1の内側アーム670と、第2の内側アーム672と、第2の外側アーム674とを含むことができる。いくつかの実施形態において、可撓性先端部分660は、第1の外側遷移アーム676と、第1の内側遷移アーム678と、第2の内側遷移アーム680と、第2の外側遷移アーム682とを含むことができる。遷移アームの近位端は、コンタクトパッド684を含む取り付け部分に接続することができる。
図8A〜
図8Cに関連して論じたように、導電性トレース664は、可撓性先端部分660の下部構造上に配置されている電極の各々に接続することができる。導電性トレース664は、電極662の各々から、外側アーム668、674、内側アーム670、672、外側遷移アーム676、682、および内側遷移アーム678、680の各々を下って、取り付け部分666へと近位方向に延伸することができる。いくつかの実施形態において、導電性トレース664は、
図19Aに関連して前述したように、第1のコンタクトパッド列684−1および第2のコンタクトパッド列684−2において終端することができる。いくつかの実施形態において、試験トレースが、第1のコンタクトパッド列684−1および第2のコンタクトパッド列684−2内のコンタクトパッドの各々から近位方向に延在することができる。
図24Aに概して示すように、可撓性先端部分660の下部構造をカバーする導電性トレース664の密度は、近位方向において増大する。例えば、図示されているように、外側取り付けアーム668、674および内側取り付けアーム678、680の近位部分、外側遷移アーム676、682および内側遷移アーム678、680の各々、ならびに取り付け部分666は、図示されているようにそれらの表面の大部分をカバーする導電性トレース664を含むことができる。
【0210】
図24Bに示すように、第2の外側アーム674の近位端と第2の外側遷移アーム682との間の接合部は、第2の外側アーム674および第2の外側遷移アーム682の大部分をカバーする複数の導電性トレース664を含むことができる。いくつかの実施形態において、トレースは、例えば、
図4Dに関連して本明細書において前述したように、複数の電極662の各々の下に延伸することができる。いくつかの実施形態において、以下、複数形でバイア688として参照されるバイア688−1、688−2、688−3、688−4が、可撓性先端部分660の下部構造をカバーする誘電体コーティング内に形成され得、導電性トレース664の各々と電極662の各々との間の電気接続を提供することができる。いくつかの実施形態において、導電性トレース664の各々は、バイア688の各々を迂回してルーティングすることができる。一例において、導電性トレース664の各々は、導電性トレース664の、バイア688の各々に隣接する部分内に、以下、複数形でルーティング湾曲部690として参照される、ルーティング湾曲部690−1、690−2、690−3、690−4、690−4、690−5を有することができる。一例において、ルーティング湾曲部690は、導電性トレース664の密度が増大する外側アームおよび内側アームの近位端に向かって形成することができる。例えば、導電性トレース664を、バイア688を迂回してルーティングするために、トレース664は、バイア688を迂回して、可撓性先端部分660の長手方向軸に対して外向きまたは内向きにルーティングすることができる。
図24Bに示すように、ルーティング湾曲部690−1、690−2、690−3は、トレース664内に含まれ得る。ルーティング湾曲部690−1、690−2、690−3は、トレース664が下部構造(例えば、第2の外側アーム674)に沿って近位方向に延伸するにつれて、いくつかの実施形態において、より大きくなり得る(例えば、さらに外向きまたは内向きに延伸する)。
【0211】
図24Cは、本開示の様々な実施形態による、
図24Aに示す第1のコンタクトパッド列684−1および第2のコンタクトパッド列684−2を含む可撓性先端部分660の一部分696の拡大上面図を示す。図示されているように、複数のトレース664が、外側遷移アーム676、682および内側遷移アーム678、680および取り付け部分666に沿って、コンタクトパッド(例えば、コンタクトパッド692)へと延伸することができる。いくつかの実施形態において、取り付け部分666は、張り出しコンタクトパッド部分694−1、694−2を含むことができる。一例において、張り出しコンタクトパッド部分694−1、694−2は、取り付け部分666のいずれかの側から側方に延伸することができ、第1のコンタクトパッド列684−1および第2のコンタクトパッド列684−2を取り付けるための空間を増大させることができる、増大下横幅を含む領域を提供することができる。
【0212】
図25Aは、本開示の様々な実施形態による、複数の電極702−1、702−2、702−3、702−4、およびコンタクトパッドの列704−1、704−2、704−3、704−4を含む高密度電極マッピングカテーテルの可撓性先端部分700の下部構造の上面図を示す。可撓性先端部分700は、第1の外側アーム706と、第2の外側アーム712と、第1の内側アーム708と、第2の内側アーム710とを含むことができる。いくつかの実施形態において、可撓性先端部分700は、第1の外側遷移アーム716および第2の外側遷移アーム722を介して外側アーム706、712に接続される取り付け部分714を含むことができる。取り付け部分714は、第1の内側遷移アーム718および第2の内側遷移アーム720を介して第1の内側アーム708および第2の内側アーム710に接続することができる。
【0213】
図25Aに示すように、可撓性先端部分700のアームに沿って、複数の電極(例えば、電極702−1、702−2、702−3、702−4)を配置することができる。
図25Bは、本開示の様々な実施形態による、
図25Aに示す可撓性先端部分700の一部分724の拡大図を示す。いくつかの実施形態において、下部構造の、外側アーム706、712および/または内側アーム708、710を形成する部分は、以下、複数形でバンプアウト726として参照されるバンプアウト726−1、726−1、726−3、726−4、726−5を含むことができる。いくつかの実施形態において、バンプアウト726は、下部構造の、電極702を含む領域から側方に延在することができる。
図24Bに関連して前述したように、電極702の各々から近位方向に延伸するトレースは、ルーティング湾曲部690(
図24B)を有することができる。いくつかの実施形態において、ルーティング湾曲部690は、バンプアウト726上に配置することができる。
【0214】
図25Cは、本開示の様々な実施形態による、
図25Aに示す可撓性先端部分の取り付け部分714の拡大上面図を示す。図示されているように、取り付け部分714は、張り出しコンタクトパッド部分730−1、730−2を含むことができる。いくつかの実施形態において、張り出しコンタクトパッド部分730−1、730−2は、取り付け部分714の横幅を増大させることができ、それによって、本明細書において前述したように、コンタクトパッドの列704−1、704−2、704−3、704−4を取り付け部分714上に配置することができる。いくつかの実施形態において、コンタクトパッドの各列704は、複数の側方に離間されたコンタクトパッド732−1、732−2、...、732−8を含むことができる。いくつかの実施形態において、コンタクトパッドの各列704は、共通の接地734を含むことができる。いくつかの実施形態において、コンタクトパッドの各列704は、外側および内側アーム上に配置されている電極702のセットに対応することができる。一例において、第1のコンタクトパッド列704−1は、第1の外側アーム706上に配置されている微小電極に対応することができ、第2のコンタクトパッド列704−2は、第1の内側アーム708上に配置されている微小電極に対応することができ、第3のコンタクトパッド列704−3は、第2の内側アーム710上に配置されている微小電極に対応することができ、第4のコンタクトパッド列704−4は、第2の外側アーム712上に配置されている微小電極に対応することができる。いくつかの実施形態において、図示されているように、コンタクトパッドの各列704は、可撓性先端部分700の対応するアーム上に配置されている電極に対する接地としての役割を果たすことができる接地パッド734を含むことができる。いくつかの実施形態において、コンタクトパッドの各列704は、図示されているように、互いから長手方向に離間することができる。図示されていないが、取り付け部分714の反対面が、追加のコンタクトパッド列を含んでもよい。例えば、外側下部構造および内側下部構造の両面に電極が配置されている場合、コンタクトパッドは、取り付け部分714の両面に配置することができる。取り付け部分714の第1の面に配置されているコンタクトパッドは、外側および内側下部構造の第1の面に配置されている電極に電気的に結合することができ、一方、取り付け部分714の第2の面に配置されているコンタクトパッドは、外側および内側下部構造の第2の面に配置されている電極に電気的に結合することができる。
【0215】
図26は、本開示の様々な実施形態による、取り付け部分742上に配置されているコンタクトパッドに接続されている複数のワイヤ746を含む、
図19Aに示すものと同様の高密度電極マッピングカテーテルの可撓性先端部分740を示す。一例において、本明細書において論じるように、可撓性先端部分は、複数のコンタクトパッド(
図26の視点からは隠れている)が配置される取り付け部分742を含むことができる。いくつかの実施形態において、ワイヤ(例えば、ワイヤ746)は、コンタクトパッドの各々に接続することができ、コンタクトパッドは、可撓性先端部分740上に配置されている各電極(例えば、電極748)および関連する導電性トレース750を、ワイヤ746と電気的に結合する。
【0216】
図27Aは、本開示の様々な実施形態による、フレックスケーブル752の区画を示す。いくつかの実施形態において、以下、複数形でフレックスケーブル754として参照される、フレックスケーブルの第1の区画754−1、フレックスケーブルの第2の区画754−2、フレックスケーブルの第3の区画754−3が示されている。一例において、フレックスケーブルの各区画は、複数の導電性トレースを含む。例えば、フレックスケーブルの第1の区画754−1は、以下、複数形で導電性トレース758として参照される導電性トレース758−1、758−2、...、758−8を含むことができる。いくつかの実施形態において、複数の導電性トレース758は、
図27Bに関連してさらに論じるように、ポリマー裏当て766上に配置することができる。加えて、フレックスケーブルの区画の各々は、導電性トレース758と平行に延伸する接地トレース764を含むことができる。いくつかの実施形態において、試験区画756−1、756−2を、フレックスケーブルの区画754の間に配置することができる。一例において、各試験区画756−1、756−2は、導電性トレース758の各々に接続されている、以下、複数形で試験トレース762として参照される、複数の試験トレース762−1、762−2、...、762−8を含むことができる。いくつかの実施形態において、各試験区画756−1、756−2はまた、接地トレース764に電気的に接続されている接地試験トレース764をも含むことができる。いくつかの実施形態において、試験トレース762および接地試験トレース764は、機器が試験区画756のトレースを検査することを可能にするために、導電性トレース758よりも広い横幅を有することができる。接地試験トレース764は、ポリマー裏当て766を通じて延伸し、接地試験トレース764を接地パッド772(
図27B)に電気的に結合するバイア768を含むことができる。
【0217】
いくつかの実施形態において、接地試験トレース764は、
図27Bにさらに示すように、接地試験トレースを接地パッド772に電気的に接続するバイアを含むことができる。
図27Bは、本開示の様々な実施形態による、
図27Aに示すフレックスケーブル752の接地トレース760の端面断面図を示す。いくつかの実施形態において、接地トレース760は、銅から形成することができ、ポリマー裏当て766の上に配置することができる。接地トレース760は、約10マイクロメートルの厚さを有してもよいが、接地トレース760の厚さは、10マイクロメートルよりも厚くてもよく、薄くてもよい。一例において、ポリマー裏当て766は、ポリイミドから形成することができる。ポリマー裏当て766は、約25マイクロメートルの厚さを有してもよいが、ポリマー裏当て766の厚さは、25マイクロメートルよりも厚くてもよく、薄くてもよい。いくつかの実施形態において、各フレックスケーブルは、信号雑音低減を可能にし、微小電極によって受信され、フレックスケーブル752を通過する心電図信号を改善する接地トレース760を有することができる。
【0218】
いくつかの実施形態において、接地パッド772を、接地トレース760のポリマー裏当て766の反対側に配置することができる。接地パッド772は、約12マイクロメートルの厚さを有してもよいが、接地パッド772の厚さは、12マイクロメートルよりも厚くてもよく、薄くてもよい。いくつかの実施形態において、
図27Aに関連して論じたように、バイア(図示せず)が、ポリマー裏当て766内に形成され得、接地トレース760を接地パッド772に電気的に結合することができる。いくつかの実施形態において、トレース(例えば、接地トレース760)および/または接地パッド772を保護するために、第1のポリマー層770をフレックス回路の上部に配置することができ、第2のポリマー層774をフレックス回路の下部に配置することができる。第1のポリマー層770は、約15マイクロメートルの厚さを有してもよいが、第1のポリマー層770の厚さは、15マイクロメートルよりも厚くてもよく、薄くてもよい。第2のポリマー層774は、約25マイクロメートルの厚さを有してもよいが、第2のポリマー層774の厚さは、15マイクロメートルよりも厚くてもよく、薄くてもよい。いくつかの実施形態において、第1のポリマー層および第2のポリマー層は、散逸係数−感光性レジスト(DF−PSR)材料群から選択されるポリマーのようなポリマーを含むことができる。
【0219】
いくつかの実施形態において、本明細書において論じるように、1つもしくは複数のフレックスケーブル752を、高密度電極マッピングカテーテルの可撓性先端部分上に配置されている微小電極と電気的に結合することができる。図示されているように、フレックスケーブル752は、8つの試験トレース762および共通の接地を含むことができる。いくつかの実施形態において、5つのフレックスケーブルを高密度電極マッピングカテーテルの可撓性先端部分の各面に取り付けて、可撓性先端部分の面あたり40個の微小電極を許容することができる。これによって、半自動工程が可能になる結果として、面あたり40個のコンタクトを個々にはんだ付けするのに対して、時間およびリソースを節約することができる。一例において、各フレックスケーブル752は、可撓性先端部分上に配置されているコンタクトパッドと対合するパターンを有することができる。例えば、フレックスケーブル752は、コンタクトパッドの列704(
図25C)と対合することができる。
【0220】
図28は、本開示の様々な実施形態による、カテーテルシャフト782の遠位端に配置されている高密度電極マッピングカテーテルの可撓性先端部分780を示す。高密度電極マッピングカテーテルの可撓性先端部分780は、本明細書において論じるような特徴を含むことができる。図示されているように、可撓性先端部分780の近位部分が、カテーテルシャフト782の遠位端内に配置される。図示されていないが、可撓性先端部分780の取り付け部分を、カテーテルシャフト782の遠位端によって画定される空洞内に配置することができる。いくつかの実施形態において、コネクタ784が、カテーテルシャフト782の遠位端に配置され得、可撓性先端部分780を、カテーテルシャフト782の遠位端に接続することができる。図示されているように、第1の外側遷移アーム786、第2の外側遷移アーム792、第1の内側遷移アーム788、および第2の内側遷移アーム790が、コネクタ784およびカテーテルシャフト782の遠位端から遠位方向に延伸することができる。いくつかの実施形態において、図示されているように、遷移アームの近位端およびコネクタ784の周りに接着剤794(例えば、エポキシ樹脂)を配置して、可撓性先端部分780をカテーテルシャフト782とともに固定することができる。
【0221】
図29は、本開示の様々な実施形態による高密度電極マッピングカテーテル800を示す。いくつかの実施形態において、高密度電極マッピングカテーテル800は、カテーテルシャフト804の遠位端に配置されている可撓性先端部分802を含むことができる。いくつかの実施形態において、カテーテルシャフト804は、本明細書において論じるように、1つまたは複数のリング電極806−1、806−2を含むことができる。いくつかの実施形態において、可撓性先端部分802は、可撓性先端部分802の両側に配置されている電極を含むことができる。いくつかの実施形態において、シャフトカプラに対するケーブルが、カテーテルシャフト804の近位端に配置され得、第1の検知ケーブル808−1および第2の検知ケーブル808−2を、カテーテルシャフトと結合することができる。いくつかの実施形態において、第1の検知ケーブル808−1は、可撓性先端部分802の第1の面上に配置されている電極のための電気接続部を含むことができ、第2の検知ケーブル808−2は、可撓性先端部分802の第2の面上に配置されている電極のための電気接続部を含むことができる。いくつかの実施形態において、第1の検知ケーブル808−1は、可撓性先端部分802上に配置されている電極のための電気接続部を含むことができ、第2の検知ケーブル808−2は、リング電極806−1、806−2のための電気接続部を含むことができる。いくつかの実施形態において、第1の検知ケーブル808−1および第2の検知ケーブル808−2の近位端は、可撓性先端部分802上に配置されている電極から受信される信号を分析するように構成されているコンピュータに接続することができる、第1のコネクタ810−1および第2のコネクタ810−2を含むことができる。
【0222】
図30は、本開示の様々な実施形態による、高密度電極マッピングカテーテル820の別の実施形態を示す。いくつかの実施形態において、高密度電極マッピングカテーテル820は、カテーテルシャフト824の遠位端に配置されている可撓性先端部分822を含むことができる。
図29とは対照的に、カテーテルシャフト824は、リング電極を含まない。いくつかの実施形態において、可撓性先端部分822は、可撓性先端部分822の両側に配置されている電極を含むことができる。いくつかの実施形態において、シャフトカプラ826に対するケーブルが、カテーテルシャフト824の近位端に配置され得、第1の検知ケーブル828−1および第2の検知ケーブル828−2を、カテーテルシャフト824と結合することができる。いくつかの実施形態において、第1の検知ケーブル828−1は、可撓性先端部分822の第1の面上に配置されている電極のための電気接続部を含むことができ、第2の検知ケーブル828−2は、可撓性先端部分822の第2の面上に配置されている電極のための電気接続部を含むことができる。いくつかの実施形態において、第1の検知ケーブル828−1および第2の検知ケーブル828−2の近位端は、可撓性先端部分822上に配置されている電極から受信される信号を分析するように構成されているコンピュータに接続することができる、第1のコネクタ820−1および第2のコネクタ820−2を含むことができる。
【0223】
図31は、本開示の様々な実施形態による、医療システム840の概略ブロック図を示す。システム840は、図示されているように、様々な入出力機構844を有する主電子制御回路842(例えば、プロセッサ)と、ディスプレイ846と、任意選択の画像データベース848と、心電図(ECG)モニタ850と、医療測位システム852のような位置特定システムと、医療測位システムが使用可能な細長い医療デバイス854と、患者基準センサ856と、磁気位置センサ858と、電極860(例えば、位置検知電極)と、心臓によって生成される電気信号を検知するように構成されている微小電極862とを含む。単純にするために、1つの磁気位置センサ858、1つの電極860、および1つの微小電極862が示されているが、2つ以上の磁気位置センサ858、2つ以上の電極860、および/または2つ以上の微小電極862が、システム300内に含まれてもよい。
【0224】
入出力機構844は、例えば、キーボード、マウス、タブレット、フットペダル、スイッチなどを含む、コンピュータベースの制御ユニットとインターフェースするための従来の装置を含んでもよい。ディスプレイ846もまた、コンピュータモニタのような従来の装置を含んでもよい。
【0225】
システム840は、任意選択的に、患者の身体に関連する画像情報を記憶するための画像データベース848を含んでもよい。画像情報は、例えば、医療デバイス854の行先部位を包囲する関心領域、および/または、医療デバイス854が進行するように企図されているナビゲーション経路に沿った複数の関心領域を含むことができる。画像データベース848内のデータは、(1)過去のそれぞれの時点において取得されている1つもしくは複数の二次元静止画像、(2)画像取得デバイスからリアルタイムで得られる複数の関連二次元画像(例えば、x線撮像装置からの蛍光画像)であって、画像データベースはバッファとして機能する(ライブ蛍光透視法)、複数の関連二次元画像、および/または、(3)シネループを規定する関連二次元画像のシーケンスであって、シーケンス内の各画像は少なくとも、ECGモニタ314から得られる取得リアルタイムECG信号と関連付けられるシーケンスの再生を可能にするのに十分なECGタイミングパラメータを有する、関連二次元画像のシーケンスを含む、既知の画像タイプを含むことができる。上記の実施形態は例に過ぎず、本質的に限定ではないことを理解されたい。例えば、画像データベースはまた、三次元画像データを含んでもよい。画像は、例えば、X線、超音波、コンピュータ断層撮影、核磁気共鳴などのような、既知でないまたは今後開発される任意の画像診断法を通じて取得され得てもよいことを、さらに理解されたい。
【0226】
ECGモニタ850は、複数の微小電極862を使用することによって心臓の電気タイミング信号を継続的に検出するように構成されている。タイミング信号は一般に、とりわけ、心周期の特定の位相に対応する。一般に、ECG信号は、制御ユニット842によって、データベース848内に記憶されている、以前にキャプチャされた画像シーケンス(シネループ)のECG同期再生のために使用することができる。ECGモニタ850とECG電極は両方とも、従来の構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態において、主制御部842は、
図19Dに関連して論じたように、微小電極によって受信される信号の差を判定するように構成されているハードウェア、および/または、ハードウェアとプログラミングとの組み合わせを含むことができる、コンピューティングデバイスを含むことができる。例えば、主制御部842は、微小電極から受信される信号の差を判定するために、主制御部842と通信するプロセッサによって実行可能である命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。医療測位システム852は、位置特定システムとしての役割を果たし、それゆえ、1つまたは複数の磁気位置センサ858および/または電極860に対する位置(位置特定)データを判定し、それぞれの位置読み値を出力するように構成されている。
【0227】
図32は、本開示の様々な実施形態による、第1の電極と組織との間の接触度を決定するための方法870の制御ブロック流れ図を示す。いくつかの実施形態において、例えば、
図19Dに関連して本明細書において前述したように、方法870は、方法制御ブロック872において、医療デバイスの先端部分の第1の側面上に配置されている第1の電極から第1の電気信号を受信することを含むことができる。方法870は、方法制御ブロック874において、医療デバイスの先端部分の第2の側面上に配置されている第2の電極から第2の電気信号を受信することをさらに含むことができる。前述したように、第1の電極および第2の電極は、垂直方向において互いに対して隣接して配置することができる。例えば、第1の電極は、
図19Dに関連して示し、論じたように、第2の電極の直下に配置されてもよい。
【0228】
いくつかの実施形態において、方法870は、方法制御ブロック876において、第1の電気信号と第2の電気信号との間の比較に基づいて、第1の電極と組織との間の接触度を決定することを含むことができる。一例において、第1の電極が組織に対して配置されるとき、第2の電極は、医療デバイスの反対側に、かつ血液プール内に配置され得る。そのため、第1の電極から、第2の電極に対して異なる電気信号(例えば、電圧)が受信され得る。したがって、いくつかの実施形態において、第1の電気信号と第2の電気信号との間の比較は、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧と、第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧との比較を含むことができる。
【0229】
一例において、心臓組織は、脱分極しているか否かにかかわらず、電圧を生成することができる。電圧は、心筋を通じて、およびまた、血液プールを通じて伝播することができ、第1の電極と第2の電極の両方によって取得することができる。それらの電極の1つ(例えば、第1の電極)が組織に触れている場合、その電圧は、血液プール内に配置されている電極(例えば、第2の電極)によって取得される電圧とは異なるものになる。第1の電極と関連付けられる第1の電気信号と第2の電極と関連付けられる第2の電気信号との間の差は、第1の電極が組織に触れており、第2の電極が血液プール内に配置されているときに、より大きくなる。第1の電極と関連付けられる第1の電気信号と第2の電極と関連付けられる第2の電気信号との間の差は、第1の電極と第2の電極の両方が血液プール内に配置されているときに、より小さくなる。
【0230】
電気信号(例えば、電圧)の差に基づいて、医療デバイス(例えば、第1の電極)と組織との間の接触の判定を行うことができる。例えば、方法870は、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧と、第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧とが同じであるとき、第1の電極が組織と接触していないと判定することを含むことができる。例えば、第1の電極と関連付けられる電圧と第2の電極と関連付けられる電圧とが同じであるとき、これは、第1の電極および第2の電極が血液プール内に配置されており、組織と接触していないことの指標であり得る。いくつかの実施形態において、方法は、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧と、第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧との間の差が閾値電圧未満である(例えば、それらの電圧が同じに近い)とき、第1の電極が組織と接触していないと判定することを含むことができる。例えば、第1の電極および第2の電極の各々と関連付けられる電圧は、血液プール内の電気的干渉に起因して正確に同じではない場合がある。
【0231】
代替的に、いくつかの実施形態において、方法879は、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧が、第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧と異なるとき、第1の電極が組織と接触していると判定することを含むことができる。一例において、方法879は、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧と、第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧との間の差が閾値よりも大きいとき、第1の電極が組織と接触していると判定することを含むことができる。例えば、方法879は、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧が、第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧よりも大きい(例えば、規定の閾値を超えて大きい)とき、第1の電極が組織と接触していると判定することを含むことができる。論じられているように、第1の電極が組織に対して配置され、第2の電極が血液プール内に配置されているとき、第1の電極と関連付けられる第1の電気信号は、第2の電気信号よりも大きい電圧を有し得る。
【0232】
いくつかの実施形態において、方法870は、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧が第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧に対して増大していることに基づいて、第1の電極と組織との間の接触度が増大していると判定することを含むことができる。例えば、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧が第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧よりも大きい割合で増大する場合、かつ/または、第2の電圧が同じままである間に増大する場合、第1の電極と組織との間の接触度が増大していると判定することができる。いくつかの実施形態において、医療デバイスと組織との間に十分な接触が存在することを保証することは、診断情報が医療デバイス(例えば、電極)によって収集されており、かつ/または、治療エネルギーが医療デバイス(例えば、電極)から組織に送達されている場合に有益であり得る。代替的に、方法870は、第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧が第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧に対して低減していることに基づいて、第1の電極と組織との間の接触度が低減していると判定することを含むことができる。
【0233】
いくつかの実施形態において、第1の電極および/または第2の電極は、電流(例えば、高周波電流)によって駆動されるように構成することができる。一例において、第1の電極および/または第2の電極は、電流によって駆動することができ、電流によって電圧(例えば、高周波電圧)を誘導することができる。例えば、電圧は、心臓組織および/または血液プール内で誘導することができる。したがって、心臓ではなく1つまたは複数の電極によって生成される誘導電圧を、医療デバイス上の1つまたは複数の電極によって受信することができる。それらの電極のうちの一方から受信される電気信号と関連付けられる誘導電圧(例えば、インピーダンス)を測定することができる。電気信号が受信される電極が血液プール内に配置されているか、または、組織と接触しているかに応じて、電気信号は変化し得る。一例において、第1の電極と第2の電極とから受信される電気信号から測定される誘導電圧は、それらの電極のうちの一方が組織に対して配置されており、それらの電極のうちの一方が血液プール内に配置されている場合は異なり得、両方の電極が血液プール内に配置されている場合は同様であり得る。
【0234】
いくつかの実施形態において、第1の電極および第2の電極の一方または両方は、電流によって駆動することができ、医療デバイス上に配置されている1つもしくは複数の他の電極または皮膚パッチ上に配置されている電極は、誘導電圧を受信することができる。いくつかの実施形態において、第1の電極において電流を誘導することができ、第2の電極によって誘導電圧を受信することができる。第2の電極が血液プール内に配置されているか、または、心臓組織と接触しているかは、誘導電圧の大きさに影響を及ぼし得る。同様に、第2の電極において電流を誘導することができ、第1の電極によって誘導電圧を受信することができる。第1の電極が血液プール内に配置されているか、または、心臓組織と接触しているかは、誘導電圧の大きさに影響を及ぼし得る。いくつかの実施形態において、医療デバイス上に配置されている別の電極において電流を誘導することができ、第1の電極および2の電極の一方または両方によって誘導電圧を受信することができる。第1の電極および第2の電極から受信される電気信号と関連付けられる誘導電圧は、本明細書において論じるように、第1の電極および第2の電極の一方または両方が血液プール内に配置されているか、または、心臓組織に対して配置されているかに応じて変化し得る。
【0235】
図33は、本開示の様々な実施形態による、心内膜組織と関連付けられる心臓活性化を決定するための方法880の制御ブロック流れ図を示す。
図33に関連して論じたように、方法880は、方法制御ブロック882において、医療デバイスの先端部分の第1の側面上に配置されている第1の電極から第1の電気信号を受信することを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法880は、方法制御ブロック884において、医療デバイスの先端部分の第2の側面上に配置されている第2の電極から第2の電気信号を受信することを含むことができる。前述したように、第1の電極および第2の電極は、
図19Dに関連して示し、論じたものと同様にして、垂直方向において互いに対して隣接して配置することができる。
【0236】
いくつかの実施形態において、方法880は、方法制御ブロック886において、心臓活性化と関連付けられる特性を決定するステップを含むことができ、心臓活性化は、心内膜組織の表面に垂直な方向である。一例において、第1の電極および第2の電極は垂直方向において互いに隣接するため、心臓活動が心内膜組織を通じて進行するとき、電気活動信号は、組織に対して配置されている第1の電極によって受信することができ、その後、垂直方向において第1の電極に隣接している第2の電極によって受信することができる。例えば、電気活動信号が、第1の電極が配置されている心内膜組織の表面に向かって進行するとき、電気活動信号は、心内膜組織の表面に垂直な方向において、第1の電極に向かって進行することができる。電気活動信号が、第1の電極が配置されている心内膜組織の表面に達すると、第1の電気信号を、第1の電極から受信することができる。電気活動信号はその後、血液プールの一部分を通じて進行することができ、垂直方向において第1の電極に隣接して配置されている第2の電極によって受信することができる。2つの電極が垂直方向において互いに隣接して配置されているため、これによって、電気活動信号のより良好な測定を可能にすることができる。
【0237】
いくつかの実施形態において、心臓活性化と関連付けられる特性は、心臓活性化の方向を含むことができる。例えば、心臓活性化の方向ベクトルの成分が心内膜組織の表面に垂直であるという判定を行うことができる。いくつかの実施形態において、心臓活性化は、心内膜組織の表面に垂直な方向であることが一般的であり得る。例えば、厚い心室組織において、心臓活性化は、心内膜組織の表面に垂直な方向であり得る。
【0238】
いくつかの実施形態において、方法880は、第2の電気信号に基づいて第1の電気信号から雑音をフィルタリング除外することを含むことができる。例えば、第1の電極が心内膜組織の表面に対して配置される場合、周囲の雑音が、第1の電極と関連付けられる第1の電気信号に対して悪影響を及ぼす可能性がある。周囲の雑音は、いくつかの実施形態において、血液プールを通じて流れる漂遊電気信号によって引き起こされる場合がある。したがって、血液プール内に配置されている第2の電極は、第2の電極と関連付けられる第2の電気信号内で表現され得る、血液プールを通じて流れる任意の漂遊電気信号を受信する可能性がある。いくつかの実施形態において、第2の電気信号は、第1の電気信号から漂遊電気信号をフィルタリング除外するのに使用することができる。
【0239】
いくつかの実施形態において、方法870および方法880は、
図31に関連して論じたようなコンピュータによって実行することができる。いくつかの実施形態において、方法制御ブロック(例えば、制御ブロック872、874、876、882、884、886)は、コンピュータと通信するプロセッサによって、特定の機能を実施する(例えば、医療デバイスの先端部分の第1の面上に配置されている第1の電極から第1の電気信号を受信する)ために実行することができる、非一時的コンピュータ可読媒体(CRM)上に記憶することができるコンピュータ実行可能命令を表すことができる。
【0240】
本明細書において、様々な装置、システム、および/または方法の実施形態が説明されている。多数の特定の詳細が、本明細書において説明され、添付の図面に示されている実施形態の全体的な構造、機能、製造、および使用の完全な理解をもたらすために記載されている。しかしながら、実施形態はこのような特定の詳細なしに実践することができることは当業者には理解されよう。他の事例において、本明細書において説明されている実施形態を不必要に不明瞭にしないように、既知の動作、構成要素、および要素は説明されていない。本明細書において説明され、示されている実施形態は非限定例であることは当業者には理解され、したがって、本明細書において開示されている特定の構造的および機能的詳細は代表的なものであり得、必ずしも実施形態の範囲を限定するものではなく、その範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ確定されることが諒解され得る。
【0241】
本明細書全体を通じて「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「1つの実施形態」、または「一実施形態」などが参照されている場合、これは、その実施形態と関連して説明されている特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、「様々な実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「1つの実施形態において」、または「一実施形態において」などの語句が、本明細書全体を通じた箇所に見られるとき、これは必ずしもすべてが同じ実施形態を参照しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において、任意の適切な様式で組み合わせることができる。したがって、1つの実施形態に関連して示し、または説明されている特定の特徴、構造、または特性は、組み合わせが非論理的または非機能的でないことを所与として、限定はせず、1つまたは複数の他の実施形態の特徴、構造、または特性と、全体的にまたは部分的に組み合わせることができる。
【0242】
「近位」および「遠位」という用語は、本明細書全体を通じて、患者を処置するために使用される機器の一端を操作している臨床医を参照して使用され得る。「近位」という用語は、機器の、臨床医に最も近い部分を参照し、「遠位」という用語は、臨床医から最も遠くに位置する部分を参照する。簡潔かつ明瞭にするために、「垂直」、「水平」、「上」および「下」のような特定の用語は、本明細書においては、示されている実施形態を参照して使用され得る。しかしながら、手術器具は、多くの向きおよび位置において使用することができ、これらの用語は、限定的で絶対的であるようには意図されていない。
【0243】
高密度電極マッピングカテーテルの少なくとも1つの実施形態が、一定の詳細度で上述されているが、当業者であれば、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、開示されている実施形態に多くの改変を行うことができる。すべての方向の参照(例えば、上方、下方、上向き、下向き、左、右、左側、右側、上部、下部、上、下、垂直、水平、時計回り、および反時計回り)は、読者の本開示の理解を助けるための識別を目的として使用されているに過ぎず、特にデバイスの位置、向き、または使用に関する限定を成すものではない。結合の参照(例えば、固定されている、取り付けられている、結合されている、接続されている、など)は、広範に解釈されるべきであり、要素の接続の間の中間部材、および、要素間の相対運動を含んでもよい。そのため、結合の参照は、必ずしも、2つの要素が直に接続され、互いに固定された関係にあることを意味するとは限らない。上記の説明に含まれ、添付の図面に示されているすべての事項は、限定ではなく例示としてのみ解釈されるべきであることが意図されている。添付の特許請求の範囲に規定されている本開示の精神から逸脱することなく、詳細または構造の変更を行うことができる。
【0244】
その全体または一部が参照により本明細書に組み込まれると記載されている任意の特許、刊行物、または他の公開資料は、その組み込まれる資料が既存の定義、記述、または他の本開示において記載されている他の公開資料と矛盾しない限りにおいてのみ本明細書に組み込まれている。このようなものとして、かつ必要な限りにおいて、本明細書において明示的に記載されているような本開示は、参照により組み込まれている、いかなる矛盾する資料にも優先する。参照により本明細書に組み込まれると記載されているが、本明細書に記載されている既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾する任意の資料またはその一部は、その組み込まれている資料と既存の公開資料との間に矛盾が生じない限りにおいてのみ組み込まれることになる。
本開示により、下記の各項目に記載された実施形態が、その技術的意義とともに把握される。
[項目1]
集積電極構造であって、
近位端および遠位端を備えており、カテーテルシャフト長手方向軸を規定するカテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの前記遠位端に隣接して位置しており、可撓性フレームワークを備える可撓性先端部分と、
前記可撓性フレームワーク上に配置されており、組織に応じて変形するように構成された微小電極の可撓性アレイを形成する複数の微小電極と、
前記可撓性フレームワーク上に配置されており、各々が前記複数の微小電極のうちの対応する一つと電気的に結合されている複数の導電性トレースと、
を備える集積電極構造。
[項目2]
前記複数の微小電極は、複数のグループに分けて配置されており、
前記複数の微小電極グループの各々は、前記カテーテルシャフト長手方向軸に対して平行に整列する、微小電極の長手方向に配列された列を含み、
前記複数の導電性トレースの各々は、前記カテーテルシャフト長手方向軸に平行に整列されている、項目1に記載の集積電極構造。
[項目3]
前記複数の微小電極の各々は、前記可撓性フレーム構造に対してスエージ加工されている中空円筒バンドを備える、項目2に記載の集積電極構造。
[項目4]
前記複数の微小電極の各々は、前記可撓性フレーム上にパターニングされている、項目2に記載の集積電極構造。
[項目5]
前記複数の導電性トレースの各々と前記可撓性フレームワークとの間に誘電体材料が配置されており、
前記誘電体材料は、前記複数の導電性トレースの各々の外側に面する表面をカバーする、項目2に記載の集積電極構造。
[項目6]
前記複数の導電性トレースの各々と、前記誘電体材料との間にシード層が配置されている、項目5に記載の集積電極構造。
[項目7]
前記複数の微小電極の各々と、前記誘電体材料と、前記複数の導電性トレースの各々の遠位端との間にシード層が配置されている、項目6に記載の集積電極構造。
[項目8]
前記複数の導電性トレースの各々の前記外側に面する表面の遠位部分から前記誘電体材料が剥離されている、項目5に記載の集積電極構造。
[項目9]
前記複数の微小電極の各々は、前記導電性トレースの対応する一つと、当該導電性トレースの前記遠位部分において、電気的に結合されている、項目8に記載の集積電極構造。
[項目10]
前記可撓性フレームワークは、誘電体材料でコーティングされたフレームを含む、項目1に記載の集積電極構造。
[項目11]
前記複数の導電性トレースの各々は、前記可撓性先端部分の前記可撓性フレームワークの近位端に配置されている複数の電気コネクタの対応する一つと電気的に結合されている、項目1に記載の集積電極構造。
[項目12]
前記複数の電気コネクタの各々は、互いに電気的に結合されている近位コンタクトパッドおよび遠位コンタクトパッドを含む、項目11に記載の集積電極構造。
[項目13]
前記複数の導電性トレースの各々は、前記複数の電気コネクタの各々の前記遠位コンタクトパッドに電気的に結合されている、項目12に記載の集積電極構造。
[項目14]
前記複数の電気コネクタの各々の前記近位コンタクトパッドに、電気接続部が形成されている、項目12に記載の集積電極構造。
[項目15]
前記可撓性フレームワークは、内方下部構造および外方下部構造を含み、
前記内方下部構造および前記外方下部構造は、単一の材料片から形成されている、項目1に記載の集積電極構造。
[項目16]
前記内方下部構造および前記外方下部構造は、前記内方下部構造および前記外方下部構造の周縁の周りに延伸する無傷性縁部を含む、項目15に記載の集積電極構造。
[項目17]
前記複数の微小電極は、前記可撓性フレームワークの上部および前記可撓性フレームワークの下部に配置されている、項目1に記載の集積電極構造。
[項目18]
前記複数の微小電極は、前記可撓性フレームワークの表面の上方に延伸する、項目1に記載の集積電極構造。
[項目19]
集積電極構造を形成するための方法であって、
前記集積電極構造の可撓性先端部分の可撓性フレームワークを、第1の誘電体材料でコーティングするステップと、
前記マスク部分および非マスクトレースパターン部分を形成するために、マスキング材料を用いて、前記コーティングされている可撓性フレームワーク上でトレースパターンをマスキングするステップと、
前記非マスクトレースパターン部分上にシード層を堆積するステップと、
導電性トレースを形成するために、前記シード層を導電性材料でめっきするステップと、
前記マスク部分から前記マスキング材料を剥離するステップと、
前記導電性トレースを第2の誘電体材料でコーティングするステップと、
前記導電性トレースの遠位部分から前記第2の誘電体材料を剥離するステップと、
微小電極を前記導電性トレースの前記遠位部分に電気的に接続するステップと
を含む、方法。
[項目20]
前記微小電極を前記導電性トレースの前記遠位部分に電気的に接続するステップは、
マスク画定領域を形成するために、前記集積電極構造の前記可撓性フレームワークを、前記導電性トレースの前記遠位部分に対して近位方向および遠位方向においてマスキングすることと、
前記マスク画定領域にわたって第2のシード層を堆積することと、
前記微小電極を形成するために、前記マスク画定領域を導電性材料でめっきすることと
を含む、項目19に記載の方法。
[項目21]
前記可撓性フレームワークのマスク部分を剥離するステップをさらに含む、項目20に記載の方法。
[項目22]
周方向マスク画定領域を形成するために、前記集積電極構造の前記可撓性フレームワークを、前記導電性トレースの前記遠位部分に対して近位および遠位方向において周方向にマスキングするステップをさらに含む、項目20に記載の方法。
[項目23]
中空円筒バンドを前記導電性トレースの前記遠位部分に電気的に接続するステップをさらに含み、前記中空円筒バンドは、前記可撓性先端部分の前記可撓性フレームワークと同軸上にある、項目19に記載の方法。
[項目24]
前記中空円筒バンドを前記導電性トレースの前記遠位部分に電気的に接続するステップは、
前記導電性トレースの前記遠位部分上にはんだを堆積することと、
前記中空円筒バンドを、前記導電性トレースの前記遠位部分および前記可撓性フレームワークと同軸上に整列させることと、
前記中空円筒バンドを前記導電性トレースの前記遠位部分に電気的に結合するために、前記はんだをリフローすることと
を含む、項目23に記載の方法。
[項目25]
集積電極構造を形成するための方法であって、
前記集積電極構造の可撓性先端部分の可撓性フレームワークを、導電性材料でコーティングするステップと、
マスクトレースパターン部分および非マスク部分を形成するために、マスキング材料を用いて、前記コーティングされている可撓性フレームワーク上でトレースパターンをマスキングするステップと、
前記可撓性フレームワーク基板を露出させるために、前記非マスク部分をエッチングするステップと、
導電性トレースを露出させるために、前記マスクトレースパターン部分から前記マスキング材料を剥離するステップと、
前記導電性トレースを誘電体材料でコーティングするステップと、
前記導電性トレースの遠位部分から前記誘電体材料を剥離するステップと、
微小電極を前記導電性トレースの前記遠位部分に電気的に接続するステップと
を含む、方法。
[項目26]
前記集積電極構造にポリマーをオーバーモールドするステップをさらに含む、項目25に記載の方法。
[項目27]
前記微小電極の外面から前記ポリマーを除去するステップをさらに含む、項目26に記載の方法。
[項目28]
集積電極構造であって、
近位端および遠位端を備えており、カテーテルシャフト長手方向軸を規定するカテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの前記遠位端に隣接して位置しており、内方下部構造および外方下部構造を含む可撓性フレームワークを備える可撓性先端部分と、
前記内方下部構造および前記外方下部構造の上面、ならびに、前記内方下部構造および前記外方下部構造の底面上に配置されており、組織に応じて変形するように構成された微小電極の可撓性アレイを形成する複数の微小電極と、
前記内方下部構造および前記外方下部構造の前記上面、ならびに、前記内方下部構造および前記外方下部構造の底面上に配置されており、各々が前記複数の微小電極のうちの対応する一つと電気的に結合されている複数の導電性トレースと、
を備える集積電極構造。
[項目30]
前記上面上に配置されている前記微小電極の各々は、前記底面上に配置されているとともに垂直方向において隣接した対応する微小電極を有する、項目28に記載の集積電極構造。
[項目31]
前記内方下部構造および前記外方下部構造は、前記内方下部構造および前記外方下部構造の周縁の周りに延伸する無傷性縁部を含む、項目28に記載の集積電極構造。
[項目32]
前記内方下部構造および前記外方下部構造に接続されている取り付け部分をさらに備え、前記取り付け部分は、前記複数の導電性トレースを介して前記複数の微小電極と電気的に結合されている複数のコンタクトパッドを含む、項目28に記載の集積電極構造。
[項目33]
第1の電極と組織との間の接触度を決定するための方法であって、
医療デバイスの先端部分の第1の側面上に配置されている前記第1の電極から第1の電気信号を受信するステップと、
前記医療デバイスの前記先端部分の第2の側面上に配置されている第2の電極から第2の電気信号を受信するステップであり、前記第1の電極および前記第2の電極は、互いに対して垂直方向に隣接して配置されている、第2の電気信号を受信するステップと、
前記第1の電気信号と前記第2の電気信号との間の比較に基づいて、前記第1の電極と前記組織との間の前記接触度を決定するステップと
を含む、方法。
[項目34]
前記第1の電気信号と前記第2の電気信号との間の前記比較は、前記第1の電気信号と関連付けられる第1の電圧と、前記第2の電気信号と関連付けられる第2の電圧との比較を含む、項目33に記載の方法。
[項目35]
前記第1の電気信号と関連付けられる前記第1の電圧と、前記第2の電気信号と関連付けられる前記第2の電圧とが同じであるとき、前記第1の電極が前記組織と接触していないと判定するステップをさらに含む、項目34に記載の方法。
[項目36]
前記第1の電気信号と関連付けられる前記第1の電圧が、前記第2の電気信号と関連付けられる前記第2の電圧よりも大きいとき、前記第1の電極が前記組織と接触していると判定するステップをさらに含む、項目34に記載の方法。
[項目37]
前記第1の電極は、前記組織に対して配置されており、前記第2の電極は血液プール内に配置されている、項目36に記載の方法。
[項目38]
前記第1の電気信号と関連付けられる前記第1の電圧が前記第2の電気信号と関連付けられる前記第2の電圧に対して増大していることに基づいて、前記第1の電極と前記組織との間の接触度が増大していると判定するステップをさらに含む、項目34に記載の方法。
[項目39]
前記第1の電気信号と関連付けられる前記第1の電圧が前記第2の電気信号と関連付けられる前記第2の電圧に対して低減していることに基づいて、前記第1の電極と前記組織との間の接触度が低減していると判定するステップをさらに含む、項目34に記載の方法。
[項目40]
心内膜組織と関連付けられる心臓活性化を判定するための方法であって、
医療デバイスの先端部分の第1の側面上に配置されている第1の電極から第1の電気信号を受信するステップと、
前記医療デバイスの前記先端部分の第2の側面上に配置されている第2の電極から第2の電気信号を受信するステップであり、前記第1の電極および前記第2の電極は、互いに対して垂直方向に隣接して配置されている、第2の電気信号を受信するステップと、
前記心臓活性化と関連付けられる特性を判定するステップであり、前記心臓活性化は、前記心内膜組織の表面に垂直な方向である、判定するステップと
を含む、方法。
[項目41]
前記心臓活性化と関連付けられる前記特性を判定するステップが、前記心臓活性化の方向を判定することを含む、項目40に記載の方法。
[項目42]
前記第2の電気信号に基づいて前記第1の電気信号から雑音をフィルタリング除外するステップをさらに含む、項目40に記載の方法。
集積電極構造は、近位端および遠位端を備えるカテーテルシャフトを備えることができ、カテーテルシャフトは、カテーテルシャフト長手方向軸を規定する。可撓性先端部分が、カテーテルシャフトの遠位端に隣接して位置することができ、可撓性先端部分は、可撓性フレームワークを備える。複数の微小電極が、可撓性フレームワーク上に配置することができ、組織に応じて変形するようになっている微小電極の可撓性アレイを形成することができる。複数の導電性トレースを、可撓性フレームワーク上に配置することができ、複数の導電性トレースの各々は、複数の微小電極のうちの対応する一つと電気的に結合することができる。