(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6445743
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】撹拌手段を備えた電気調理装置のための調理方法
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20181217BHJP
A47J 43/046 20060101ALI20181217BHJP
A47J 44/02 20060101ALI20181217BHJP
A47J 37/00 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
A47J27/00 102
A47J43/046
A47J44/02
A47J37/00 301
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-524338(P2018-524338)
(86)(22)【出願日】2016年11月10日
(65)【公表番号】特表2018-533428(P2018-533428A)
(43)【公表日】2018年11月15日
(86)【国際出願番号】FR2016052922
(87)【国際公開番号】WO2017081419
(87)【国際公開日】20170518
【審査請求日】2018年7月11日
(31)【優先権主張番号】1560831
(32)【優先日】2015年11月12日
(33)【優先権主張国】FR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ デルリュ
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ レタン
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル プティ
【審査官】
黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/170589(WO,A1)
【文献】
特開平2−307413(JP,A)
【文献】
特開2000−037304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
A47J 42/00−44/02
A47J 37/00−37/07
A21C 1/00−15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を受け入れるように設けられた受け入れ手段(1)と、前記受け入れ手段(1)の内側に配置された撹拌手段(2)と、加熱流(11)を生成するための少なくとも1つの主要加熱手段(10)および少なくとも1つの通風モータ(51)とを備える食品調理機器のための調理方法であって、前記受け入れ手段(1)および前記撹拌手段(2)は、相対回転運動が付与されるように設計され、前記調理機器は、前記相対回転運動、前記主要加熱手段(10)および前記通風モータ(51)の制御のための少なくとも1つの手段(50)を備える、調理方法において、
前記受け入れ手段(1)および前記撹拌手段(2)の前記相対回転運動がその間無効化される第1の所要時間(T1)の第1の調理ステップ(E1)であって、前記主要加熱手段(10)は制御されて温度を第1の設定点の値に調節し、前記通風モータ(51)は、第1の通風速度に設定されて前記加熱流(11)を第1の循環速度に調節する、第1の調理ステップと、
前記第1の所要時間(T1)より長く、前記受け入れ手段(1)および前記撹拌手段(2)の前記相対回転運動が第1の回転速度でその間有効である、第2の所要時間(T2)の第2の調理ステップ(E2)であって、前記主要加熱手段(10)は制御されて温度を、前記第1の設定点の値以下の第2の設定点の値に調節し、前記通風モータ(51)は、前記第1の通風速度より遅い第2の通風速度に設定されて前記加熱流(11)を第2の循環速度に調節する、第2の調理ステップと
を含むことを特徴とする調理方法。
【請求項2】
前記2つの調理ステップ(T1、T2)の総調理時間は、ユーザによって選択された調理時間に対応することを特徴とする請求項1に記載の調理方法。
【請求項3】
前記第1の調理ステップの前記所要時間(T1)は、前記2つの調理ステップ(T1、T2)の総所要時間にかかわらず同一であり、3分から6分の間であり、好ましくは4分であることを特徴とする請求項2に記載の調理方法。
【請求項4】
前記第1の温度設定点の値は、120℃から140℃の間であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の調理方法。
【請求項5】
前記第2の温度設定点の値は、110℃から120℃の間であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の調理方法。
【請求項6】
前記第1の通風速度は、前記通風モータ(51)の定格速度の100%に実質的に等しいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の調理方法。
【請求項7】
前記第2の通風速度は、前記通風モータ(51)の定格速度の50%から90%の間であり、好ましくは、前記通風モータ(51)の定格速度の70%から80%の間にあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の調理方法。
【請求項8】
食品を受け入れるように設けられた受け入れ手段(1)と、前記受け入れ手段(1)の内側に配置された撹拌手段(2)と、加熱流(11)を生成するための少なくとも1つの主要加熱手段(10)および少なくとも1つの通風モータ(51)とを備える食品調理機器であって、前記受け入れ手段(1)および前記撹拌手段(2)は、相対回転運動が付与されるように設計され、前記機器は、前記相対回転運動、前記主要加熱手段(10)および前記通風モータ(51)の制御のための少なくとも1つの手段(50)を備える食品調理機器において、前記制御手段(50)には、調理プログラムを含む電子制御ユニット(52)が装備され、前記調理プログラムは、
前記受け入れ手段(1)および前記撹拌手段(2)の前記相対回転運動がその間無効化される第1の所要時間(T1)の第1の調理ステップ(E1)であって、前記主要加熱手段(10)は、制御されて温度を第1の設定点の値に調節し、前記通風モータ(51)は、第1の通風速度に設定されて前記加熱流(11)を第1の循環速度に調節する、第1の調理ステップと、
前記第1の所要時間(T1)より長く、前記受け入れ手段(1)および前記撹拌手段(2)の前記相対回転運動が第1の回転速度でその間有効である、第2の所要時間(T2)の第2の調理ステップ(E2)であって、前記主要加熱手段(10)は制御されて温度を、前記第1の設定点の値以下の第2の設定点の値に調節し、前記通風モータ(51)は、前記第1の通風速度より遅い第2の通風速度に設定されて前記加熱流(11)を第2の循環速度に調節する、第2の調理ステップと
を含むことを特徴とする食品調理機器。
【請求項9】
前記受け入れ手段(1)は、食品を受け入れるように設けられ、前記受け入れ手段(1)および前記撹拌手段(2)上に位置決めされたプレート(60)を備え、前記プレート(60)および前記受け入れ手段(1)は、相対回転運動が付与されるように設計されることを特徴とする請求項8に記載の食品調理機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品受け入れ手段の内側に配置された撹拌手段を備える電気調理機器の調理方法の分野に関する。
【0002】
本発明は、特に、排他的ではないが、食品を油脂と混合し調理するための電気機器のための調理方法であって、電気機器は、高温空気加熱デバイスを収容するケース内に配置された受け入れ手段(チャンバとも呼ばれる)の内側に配置された撹拌手段を備え、撹拌手段およびチャンバは、食品および油脂をチャンバの内側で、特にフライドポテト、チキン片などの個片の食品を混合し、撹拌するために、互いに対して動作するように設計される、調理方法に関する。特許文献1は、そのような調理機器を開示する。
【背景技術】
【0003】
特許文献2は、食品受け入れ手段(チャンバとも呼ばれる)の内側で回転される撹拌パドルを備える前述のタイプの調理機器を開示している。撹拌パドルの幾何学的形状およびチャンバの内側の撹拌パドルの動きは、食品、特にフライドポテトを互いに関連して再配向させるのを助ける。フライドポテトの種々の表面は、次いで、油脂を収集するように考えられたチャンバの底部とうまく接触することができ、チャンバの上部のフライドポテトは、高温空気流により多くさらされる。これらの配置は、より均一な調理を得るのを可能にする。しかし、前述の構造の1つの欠点は、混合システムがチャンバに加えられたすべてのタイプの食品、たとえば「軟質」食品を調理することを可能にしないという事実にある。実際、この混合は軟質食品に機械的応力をかけ、この軟質食品は、調理開始時、その食品の安定性により、かけられる力に耐えることができない。たとえば、軟質食品のタイプは、それだけに限定されないが、ドーナツを含む。
【0004】
上記で述べた機器を使用し、パン粉で覆われた食品を調理することを可能にする調理方法が、知られている。この方法は、食品の混合がない、すなわち撹拌手段が停止されている最初のステップを含む、いくつかのステップを有する。しかし、この方法は、「軟質」の食品を調理するのに適さず、その理由は、後のステップにおいて実施される混合が、ドーナツなどの食品を変形させる影響を有し、これらを消費者にとって魅力のないものにするためである。さらに、この方法では、軟質食品は、固い表面が厚くなり、十分に膨らまない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2006/000699号
【特許文献2】国際公開第2007/088279号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、したがって、ドーナッツなどの「軟質」食品を、その幾何学的形状を保ち、これらを膨らませることを可能にしながら、少ない油脂で調理することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの目的は、食品を受け入れるように設けられた受け入れ手段と、受け入れ手段の内側に配置された撹拌手段と、加熱流を生成するための少なくとも1つの主要加熱手段および少なくとも1つの通風モータとを備える食品調理機器のための調理方法であって、受け入れ手段および撹拌手段は、相対回転運動が付与されるように設計され、調理機器は、相対回転運動、主要加熱手段および通風モータの制御のための少なくとも1つの手段を備える、調理方法において、
− 受け入れ手段および撹拌手段の相対回転運動がその間無効化される第1の所要時間の第1の調理ステップであって、主要加熱手段は制御されて温度を第1の設定点の値に調節し、通風モータは第1の通風速度に設定されて加熱流を第1の循環速度に調節する、第1の調理ステップと、
− 第1の所要時間より長く、受け入れ手段および撹拌手段の相対回転運動がその間第1の回転速度で有効である、第2の所要時間の第2の調理ステップであって、主要加熱手段は制御されて温度を、第1の設定点の値以下の第2の設定点の値に調節し、通風モータは、第1の通風速度より遅い第2の通風速度に設定されて加熱流を第2の循環速度に調節する、第2の調理ステップと
を含むことを特徴とする、調理方法に関する。
【0008】
このようにして、2つの特有のステップにおける調理方法は、軟質食品をうまく調理することを可能にする。実際、第1のステップの高温調理は、混合を有さないことと相まって、食品が含んでいる場合イーストによって軟質食品を膨らませることを可能にする。軟質食品に対する第2のステップの効果は、低温調理が、外側を調理せずに内側を調理することを可能にし、この第2のステップ中、軟質食品の表面を乾燥させないことを可能にすることである。
【0009】
1つの実施形態によれば、2つの調理ステップの総調理所要時間は、ユーザによって選択された調理所要時間に対応する。
【0010】
このようにして、総調理所要時間を示すだけで十分であり、調理方法は、この総所要時間を2つの調理ステップに必要な2つの特有の調理所要時間に自動的に適応させる。
【0011】
1つの実施形態によれば、第1の調理ステップの所要時間は、2つの調理ステップの総所要時間に関係なく同一であり、3分から6分の間であり、好ましくは4分である。
【0012】
第1の調理ステップの所要時間は、好ましくは4分に固定され、その理由は、シンプルなドーナツまたはダブルドーナツ(すなわち充填されたドーナツ)などの軟質食品では、この所要時間は、軟質食品の外側の固い表面を厚くせずに正しい膨らみをもたらす所要時間である。この所要時間は、投入される軟質食品の量に関係なく同じである。
【0013】
第2の所要時間は、投入される軟質食品の量に適応される。たとえば、4個のシンプルなドーナツは15分間調理され、4個のダブルドーナツは20分間調理される。いずれの場合も、第1の調理ステップの所要時間は、投入される軟質食品の量に関係なく、好ましくは4分である。
【0014】
1つの実施形態によれば、第1の温度設定点の値は、120℃から140℃の間である。この温度は、軟質食品を「膨張させる」かまたは「膨らませる」ことを可能にする。
【0015】
1つの実施形態によれば、第2の温度設定点の値は、110℃から120℃の間である。
【0016】
このようにして、軟質食品の内側を、これらの外側を調理しすぎることなく調理することが可能になる。
【0017】
1つの実施形態によれば、第1の通風速度は、定格通風速度の100%に実質的に等しい。このようにして、加熱流の速度は、軟質食品を膨張させるように適応される。
【0018】
1つの実施形態によれば、第2の通風速度は、通風モータの定格速度の50%から90%の間であり、好ましくは、通風モータの定格速度の70%から80%にある。このようにして、加熱流の速度は、軟質食品の内側を調理するように適応される。
【0019】
本発明の別の目的は、食品を受け入れるように設けられた受け入れ手段と、受け入れ手段の内側に配置された撹拌手段と、加熱流を生成するための少なくとも1つの主要加熱手段および少なくとも1つの通風モータとを備える食品調理機器であって、受け入れ手段および撹拌手段は、相対回転運動が付与されるように設計され、機器は、相対回転運動、主要加熱手段および通風モータの制御のための少なくとも1つの手段を備える食品調理機器において、制御手段には、調理プログラムを含む電子制御ユニットが装備され、調理プログラムは、
− 受け入れ手段および撹拌手段の相対回転運動がその間無効化される第1の所要時間の第1の調理ステップであって、主要加熱手段は制御されて温度を第1の設定点の値に調節し、通風モータは第1の通風速度に設定されて加熱流を第1の循環速度に調節する、第1の調理ステップと、
− 第1の所要時間より長く、受け入れ手段および撹拌手段の相対回転運動がその間第1の回転速度で有効である、第2の所要時間の第2の調理ステップであって、主要加熱手段は制御されて温度を、第1の設定点の値以下の第2の設定点の値に調節し、通風モータは、第1の通風速度より遅い第2の通風速度に設定されて加熱流を第2の循環速度に調節する、第2の調理ステップと
を含むことを特徴とする、食品調理機器に関する。
【0020】
そのような機器は、軟質食品を、これらがその最初の形状を保持し、膨張させ、固い表面を薄くし、彩色を有するように調理することを可能にする。
【0021】
1つの実施形態によれば、受け入れ手段は、食品を受け入れるように設けられ、前記受け入れ手段および撹拌手段上に位置決めされたプレートを備え、プレートおよび受け入れ手段は、相対回転運動が付与されるように設計される。
【0022】
このようにして、軟質食品は撹拌手段にかけられず、それによってそれらの幾何学的形状をより良好に保つことを可能にする。
【0023】
本発明は、決して制限的ではなく、添付の図に示す実施形態の例を検討することでより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明による方法を実施するための機器の実施形態の例の長手方向の断面図である。
【
図2】受け入れ手段を取り外した、
図1に表す機器の開位置にある斜視図である。
【
図3】受け入れ手段の内側に配置されるように設けられた撹拌手段の斜視図である。
【
図5】プレートを受け入れ手段上に組み入れた変形形態における、
図1に表す機器の開位置にある斜視図である。
【
図6】本発明による方法における、経時的な温度発展の図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に表す調理機器は、食品を受け入れるように設けられた受け入れ手段1と、受け入れ手段1の内側に配置された撹拌手段2とを備える。受け入れ手段1は、上部開口部3を有する。受け入れ手段1および撹拌手段2は、相対回転運動が付与されるように設計される。
【0026】
より詳細には、受け入れ手段1は、ケース4内に配置される。ケース4は、受け入れ手段1が中に配置されるハウジング5を画定する。ケース4は、蓋7が上部にかぶさる本体6を備える。蓋7は、受け入れ手段1上に配置された透明または半透明の部分を有する。
【0027】
調理機器は、主要加熱手段10を備える。
図1に表すように、主要加熱手段10は、上部開口部3から受け入れ手段1に入る加熱流11を生成する。
【0028】
より詳細には、調理機器は、ハウジング5内の空気を空気取り入れ口13から吸引し、ハウジング5に至るダクト15内に配置された加熱要素14上で空気を推進するように設けられたファン12を備える。ダクト15の一部分16は、蓋7内に配置される。ファン12は、通風モータ51によって始動される。
【0029】
より詳細には、受け入れ手段1は、底部21および側壁22を備えるチャンバ20から形成される。底部21は、側壁22に向かって下方に傾斜する。チャンバ20は、モータ25によって回転される駆動シャフト24の通過のために設けられた中央開口部23を有する。スタック26が、中央開口部23上に装着される。撹拌手段2は、駆動シャフト24上に装着される。撹拌手段2は、スタック26の内側に配置された保持部材28と係合するように設けられたフック部材27を有する。チャンバ20は、有利には金属材料、好ましくはコーティングされた金属材料またはステンレス鋼から作製される。受け入れ手段1は、チャンバ20に固定された支持体29を備える。受け入れ手段1は、ハンドル8を有する。ハンドル8は、たとえば、支持体29上に連接されて装着される。
【0030】
受け入れ手段1は、ケース4に対して脱着可能に装着される。
図2は、蓋7が開き、受け入れ手段1が存在しないケース4を示す。
【0031】
図3に示す撹拌手段2は、スタック26を手入れするために設けられたハブ30と、ハブ30から出てくるアーム31とを備える。撹拌手段2は、ハブ30の軸に対して傾斜した後退表面によって形成された、食品を持ち上げるための手段32を備える。後退表面の幅は、より低い正面部分34からより高い後部分35に向かって低減する。スプーン36が、ハブ30の上側端部に脱着可能に装着される。
【0032】
図4に見ることができるように、側部障害物40が、受け入れ手段1内に位置決めされる。より詳細には、側部障害物40は、支持体29から出てくる。側部障害物40は、チャンバ20の側壁22の高さの少なくとも一部分上を延びる。
【0033】
本発明によれば、撹拌手段2は、駆動シャフト24に機械的に連結されたモータ25によって回転される。モータ25は、制御手段50によって制御される。通常、制御手段50は、モータ25の作動または無効化を確実にし、したがって撹拌手段2の回転を確実にする。同様に、制御手段50は、機器の主要加熱手段10への電力および通風モータ51への電力を確実にする。特に、制御手段50は、少なくとも2つの温度レベルおよび少なくとも1つの通風速度にしたがって機器が機能することを確実にするように適合される。
【0034】
変形形態によれば、機器はまた、ケース内の受け入れ手段1および受け入れ手段1の内側に配置された撹拌手段2上に配置されたプレート60も備える。
【0035】
機器は、調理プログラムを保存することができる電子制御ユニット52も備える。
【0036】
機器はまた、特にユーザが機器をオンにし、電子制御ユニット52内にプログラムされた調理モードを選択し、変更し、または取り消すことを可能にするユーザインターフェースもそれ自体知られている方法で備える。
【0037】
本発明によれば、電子制御ユニット52は、軟質食品の品質を保つことを可能にする特定の調理方法を実施することを可能にする。方法の実施は、特に、ドーナッツなどの軟質食品を、その幾何学的形状を保ち、これらが膨らむことを可能にしながら、少ない油脂で調理することを可能にする。
【0038】
調理方法は、このために2つの主要なステップを含む。第1の所要時間(T1)の第1の調理ステップ(E1)は、受け入れ手段1および撹拌手段2の相対回転運動を無効化するステップと、主要加熱手段10を制御して温度を第1の設定点の値に調節するステップと、通風モータ51を第1の通風速度に設定して加熱流11を第1の循環速度に調節するステップとからなる。
【0039】
第1のステップによれば、撹拌手段2の非回転は、調理開始時に壊れやすい軟質食品の幾何学的形状を保つことを可能にする。この第1のステップ中に選択される温度は、食品の調理を始めることを可能にし、したがって固化を可能にする。この第1のステップ後には、軟質食品は、第2のステップにおいて実施される撹拌に耐えるような機械的強度を得ている。
【0040】
実際、方法の第2のステップは、受け入れ手段1および撹拌手段2の第1の回転速度による相対回転運動を作動させるステップからなり、主要加熱手段10は、制御されて温度を、第1の設定点の値以下である第2の設定点の値に調節し、通風モータ51は、第1の通風速度より遅い第2の通風速度に設定されて加熱流11を第2の循環速度にしたがって調節する。この第2の調理ステップ(E2)は、第1の所要時間(T1)より長い、第2の所要時間(T2)のものである。
【0041】
第2のステップ(E2)によれば、加熱流11の循環速度は、軟質食品の表面を乾燥させないように第1のステップと比べて遅い。
【0042】
1つの実施形態によれば、第1のステップの第1の設定点の値は、120℃から140℃の間であり、第2のステップの第2の設定点の値は、110℃から120℃の間である。
【0043】
温度の正確な選択は、特に、調理される軟質食品のタイプによって決まる。
【0044】
本発明による方法の別の特徴によれば、2つの調理ステップ(T1、T2)の総調理所要時間は、ユーザによって選択される調理所要時間に対応する。
【0045】
本発明による方法をよりよく理解するために、機器の機能および使用が、以下に詳細に説明される。
【0046】
ユーザは、ケース4のハウジング5内に受け入れ手段1を置き、撹拌手段2を受け入れ手段1内に装着し、軟質食品を受け入れ手段1内に置き、所望の場合、油脂または油をスプーン36を用いて加える。
【0047】
機器がオンにされると、ユーザは、ユーザインターフェースを介して適切な調理モードを選択し、調理所要時間を選ぶ。別の変形形態によれば、所定の所要時間が表示され、その後ユーザによって変更されてよい。
【0048】
ユーザが機器の選択された調理サイクルを開始すると、本発明による方法の第1のステップが、電子制御ユニット52によって起動される。したがって、加熱手段10は、上部開口部3から受け入れ手段1に入る加熱流11を生成し、受け入れ手段1内の撹拌手段2を回転させるモータ25は、作動されない。第1の温度値による温度制御は、たとえば、負温度係数(NTC)センサによって確実にされる。第1のステップの所要時間が過ぎると、本発明による方法の第2のステップが始まる。
【0049】
加熱手段は有効に保たれるが、制御温度は第2の値に変更され低減される。受け入れ手段1内の撹拌手段2を回転させるモータ25が、付随して作動される。
【0050】
撹拌手段2は、食品を互いに対して変位させることを助ける。
【0051】
特に、側部障害物40は、周囲内に配置された食品の一部分を遮り、食品を持ち上げるための手段32の影響下で食品の上昇を促進する。
【0052】
ユーザは、ハンドル8を使用して受け入れ手段1をケース4から取り外すことができる。
【0053】
時間の関数として機器内の温度変動を表す
図6に見ることができるように、2つのステップを見ることができ、温度降下は、実質的には第1のステップの最後に起こり、約4分のところにある。
【0054】
図5に見ることができる変形形態のように、プレート60が、撹拌手段2および受け入れ手段1上に位置決めされ、それによって軟質食品が撹拌手段2によって混合されることを防止する。しかし、プレート60は受け入れ手段1に対して可動のものであり、方法の2つのステップもまた実施され得る。
【0055】
変形形態として、加熱手段10の他のタイプを企図することができ、特に上部開口部3から受け入れ手段1に入る放射加熱流11を生成する放射加熱手段、または受け入れ手段1内にまたはその下方に配置された加熱手段がある。所望の場合、加熱手段は受け入れ手段1と一体化していてよい。
【0056】
変形形態として、撹拌手段2は、必ずしも受け入れ手段1内で回転されない。特に、受け入れ手段は、所望の場合ケースの内側で回転されてよい。
【0057】
変形形態として、受け入れ手段1は、必ずしもチャンバから形成されない。受け入れ手段1は、好ましくは、底部および側壁を有する。受け入れ手段は、特に、穿孔されたバスケットから形成されてよい。
【0058】
本発明は、決して説明する実施形態の例およびその変形形態に限定されず、特許請求の範囲の文脈において数多くの改変形態を包含する。