特許第6445793号(P6445793)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6445793フロントガラス用ワイパー向けの加熱装置、および、かかる加熱装置を有したフロントガラス用ワイパー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6445793
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】フロントガラス用ワイパー向けの加熱装置、および、かかる加熱装置を有したフロントガラス用ワイパー
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/38 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
   B60S1/38 C
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-126462(P2014-126462)
(22)【出願日】2014年6月19日
(65)【公開番号】特開2015-3723(P2015-3723A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2017年6月19日
(31)【優先権主張番号】1355852
(32)【優先日】2013年6月20日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100179338
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド、カイユ
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、イザベル
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ミシェル、ジャラソン
【審査官】 神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0291216(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/000868(WO,A1)
【文献】 特開2009−096449(JP,A)
【文献】 特開2014−223903(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/000876(WO,A1)
【文献】 特表2012−532063(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/006982(WO,A1)
【文献】 仏国特許出願公開第02920729(FR,A1)
【文献】 特表2014−509987(JP,A)
【文献】 特表2013−511424(JP,A)
【文献】 特開2011−219075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00 − 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントガラス用のワイパー(22)において、
スキージブレードと、
縦方向の主軸線を有する支持フレーム(21)であって、前記支持フレーム(21)の縦方向両端部の少なくとも一方で外へ開いている縦方向ハウジング(23)と、前記スキージブレードを保持するための保持手段(29)と、を有する前記支持フレーム(21)と、
前記支持フレーム(21)の前記縦方向ハウジング(23)の中へスライドさせることによって前記支持フレーム(21)に装着することのできる加熱装置(20)であって、前記縦方向ハウジング(23)の内部縦方向に取り付けることのできる少なくとも1つのバーテブラ(24)と、前記バーテブラ(24)上に配置された少なくとも1つの加熱要素(25)と、前記加熱要素(25)と電気的に接触した電気伝導性突出要素(28)と、を有する前記加熱装置(20)と、
前記支持フレーム(21)上に取り付けられるとともに、ワイパー装置の作動アームに前記ワイパー(22)を連結することができるワイパーコネクタ(31)であって、前記ワイパーコネクタ(31)が電気コネクタ(26)と電気接続装置(27)と有し、前記電気接続装置(27)が前記加熱装置(20)の前記突出要素(28)とスライド式の接触を形成して協働することができる湾曲した電気伝導性ワイヤを有している、前記ワイパーコネクタ(31)と、
を備えたことを特徴とするフロントガラス用のワイパー(22)
【請求項2】
前記バーテブラ(24)は実質的に、2つの互いに反対側の縦方向の大きな面を有した矩形断面の縦方向ブレードの形状となっており、これらの縦方向の大きな面の一方が前記電気伝導性突出要素(28)を備えていることを特徴とする、請求項1記載のフロントガラス用のワイパー(22)
【請求項3】
前記加熱要素(25)は加熱フィルムであることを特徴とする、請求項1または2に記載のフロントガラス用のワイパー(22)
【請求項4】
前記突出要素(28)は幅Aを有し、前記支持フレーム(21)は幅Bの縦方向コア(32)を有し、前記突出要素(28)の幅Aが前記縦方向コア(32)の幅Bよりも小さくなっていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のフロントガラス用ワイパー(22)。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載のフロントガラス用ワイパー(22)を備えたことを特徴とするワイパー装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載されたフロントガラス用ワイパー(22)を組み立てるための方法において、
・ 前記フロントガラス用ワイパー(22)の前記支持フレーム(21)上に前記ワイパーコネクタ(31)を取り付ける段階と、
・ 前記支持フレーム(21)の前記縦方向ハウジング(23)の内部へと前記バーテブラ(24)を導入する段階であって、当該支持フレーム(21)の縦方向両端部の一方にて前記バーテブラ(24)を導入する段階と、
・ 前記バーテブラ(24)をその最終的な位置へと縦方向にスライドさせ、そして前記電気コネクタ(26)の前記電気接続装置(27)が、前記加熱装置(20)の前記突出要素(28)と電気的に接触した状態となる段階と、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記加熱装置(20)は、
・ 前記バーテブラ(24)がその最終的な取付位置になる前に前記電気接続装置(27)が前記加熱要素(25)と接触した状態となることを防止することと、
・ 前記バーテブラ(24)がその最終的な取付位置にあるときには、前記電気接続装置(27)と前記突出要素(28)とを接触させることと、
が可能であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ワイパーコネクタ(31)と前記電気コネクタ(26)とが、1つの成型段階で製造される一体型部品であることを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントガラス用ワイパーに装着されるように企図された加熱装置に関すると共に、かかる加熱装置を有したフロントガラス用ワイパーにも関する。
【0002】
それは特に、加熱要素がその上に配置されるバーテブラ(ブレード状支持部材)のような構造的要素を備えた加熱装置に関するものである。
【0003】
本発明はまた、フロントガラス用ワイパーの作動アームに関節連結されるように企図されたワイパーコネクタに対して、上述したタイプの加熱装置を、当該加熱装置とワイパーコネクタとの間の装着後の電気的接続を確保しつつ、装着するための方法にも関する。
【背景技術】
【0004】
本件出願人名義の特許文献1(FR 2 911 834)は、「フラットブレード」として知られるタイプの非加熱式のフロントガラス用ワイパーを記載している。図1に示すように、単一のバーテブラを有したこのタイプのフロントガラス用ワイパー1は、
・ スキージブレード4を連結するための手段を有して縦方向へ伸びる管状本体3を有した支持フレーム2と、
・ 管状本体3の内部に配置されるバーテブラ5と、
・ ワイパー1を作動アームに連結するための一体型のワイパーコネクタ6と、
を備えている。
【0005】
ワイパー1の各要素は、以下の段階を連続して実行することによって組み立てられる。
・ 支持フレーム2上にワイパーコネクタ6を取り付ける段階。ワイパーコネクタ6は、管状本体3の開口7内へと挿入される。その挿入は、図1に示す座標系V,L,Tに従った垂直、縦、および横の各向きが採用された場合において、上方から下方への垂直なスライド移動によるものである。
・ 管状本体3の内部へとバーテブラ5を導入する段階。バーテブラ5は、管状本体3の縦方向両端部の一方にて導入される。
・ バーテブラ5をその最終的な位置へと縦方向にスライドさせる段階。
【0006】
更に、加熱要素を備えたフロントガラス用ワイパーを車両に備え付けることができる。それは特に、非常に寒冷な天候の場合にワイパーの防氷(除氷)をするため、また氷によってワイパーがフロントガラスに固着するのを防止するため、或いは洗浄および/または防氷液を送って分配供給するための、ワイパー内に含まれたマニホールドを加熱するためである。
【0007】
典型的には、図2および図3に示すように、先行技術の加熱式フロントガラス用ワイパー8は、
・ 電気抵抗性要素を有した2つの加熱フィルム9と、
・ ブレードの形状になっていて、それぞれの上に加熱フィルム9が配置された2本のバーテブラと、
・ 縦方向に伸びるスキージブレード10と、
・ 一般的に「スポイラー」として知られた縦方向に伸びる成形部品11と、
を有している。その成形部品11は、それぞれの上に加熱フィルム9が配置された2本のバーテブラによって保持されている。スキージブレード10は、この成形部品11の連結状態における縦方向の面の一つに沿って伸びている。そして、2本のバーテブラは、ワイパーコネクタ12によって保持されている。
【0008】
このフロントガラス用ワイパー8はアダプタによって作動アームに関節連結され、そのアダプタは一側では当該アームに連結されるが、他側ではこの(それ自体が当該ワイパー8に連結される)ワイパーコネクタ12に連結される。
【0009】
ワイパーコネクタ12は、洗浄および/または防氷液の供給源に接続された流入管(図示せず)を、当該液を送って分配供給するための、ワイパー内に含まれた少なくとも1つのマニホールド(図示せず)に対して接続する。かくして、ワイパーコネクタ12は、洗浄および/または防氷液を少なくとも2つのマニホールドへ送るように企図された流出コネクタを2組19,19’有している。
【0010】
ワイパーコネクタ12は、車両の電気回路に接続される電気コネクタ13を有している。ワイパーコネクタ12は2つの端子14を備えているが、それらの端子14はそれぞれ、実質的に横向きの「U」字形状となっていて、そこに電気コネクタ13が接続されている。
【0011】
装着状態において、電気コネクタ13は、電気接続装置15によって加熱フィルム9に接続されている。その接続装置15は、実質的にタブの形態の、加熱フィルム9に対して垂直に伸びる2つの金属部品16を有している。これらの金属部品16はそれぞれ、フォーク型接続として知られる接続をもたらすために、各端子14によって境界を定められたスロット内へと挿入することができる。これら金属部品16のそれぞれは、一対の電気伝導性足部17を備えている。それらの足部17は、それぞれ実質的に、加熱フィルム9と接触した沓部18をその端部に備えたタブの形態になっている。
【0012】
図2および図3に示すもののような加熱式フロントガラス用ワイパーの構造は、特許文献1で説明したようにスライドする動きを与えることによってバーテブラを管状本体内に取り付けることを可能とするものではない、ということが分かっている。具体的には、管状本体内でバーテブラをスライドさせる場合における、電気接続装置の沓部の加熱フィルムとの接触は、加熱フィルムの変形、および/または表面処理を経ている沓部の接触面の劣化を引き起こし、それにより沓部と加熱フィルムとの間の電気的接触の有効性を損なう危険を冒すこととなるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】仏国特許第2911834号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、加熱要素がその上に配置されているバーテブラをスライドさせることによって、フロントガラス用ワイパーを作っている要素の構造を損なうことなく装着することを可能とする構造の、フロントガラス用ワイパーに含まれる加熱装置を提案すると共に、かかる加熱装置を有したフロントガラス用ワイパーをも提案することによって、これらの欠点を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的のために本発明は、フロントガラス用ワイパーの支持フレームに対して、当該支持フレーム内の縦方向ハウジングの中へスライドさせることによって装着することのできる加熱装置であって、
・ 支持フレーム内のハウジングの内部へ縦方向に取り付けることのできる少なくとも1つのバーテブラと、
・ バーテブラ上に配置された少なくとも1つの加熱要素と、
を有する加熱装置において、
加熱要素と電気的に接触した電気伝導性突出要素を備えたことを特徴とする加熱装置を提案するものである。
【0016】
最終的な取付位置において、バーテブラは完全に、或いは事実上完全に、支持フレームのハウジング内に配置される。
【0017】
バーテブラは実質的に、2つの互いに反対側の縦方向の大きな面を有した、矩形断面の縦方向ブレードの形状となっており、これらの縦方向の大きな面の一方が電気伝導性突出要素を備えていることが好ましい。
【0018】
加熱要素は加熱フィルムであることが優先される。
【0019】
加熱要素は、特に(但し、専らではないが)加熱ワイヤや抵抗性塗料の層であってもよい。
【0020】
電気接続装置は、突出要素との電気的接触を最適化するために可撓性であることが優先される。
【0021】
本発明はまた、フロントガラス用ワイパーにおいて、
・ 本発明による加熱装置と、
・ 縦方向の主軸線を有する支持フレームであって、
・ 当該支持フレームの縦方向両端部の少なくとも一方で外へ開いている縦方向ハウジングと、
・ スキージブレードを保持するための保持手段と、
を有した支持フレームと、
・ スキージブレードと、
・ ワイパー装置の作動アームに当該ワイパーを連結することのできるワイパーコネクタであって、支持フレーム上に取り付けられるワイパーコネクタと、
を備えたことを特徴とするフロントガラス用ワイパーにも関する。
【0022】
当該ワイパーのワイパーコネクタは、液圧式のものであって、スキージブレードの接触表面上に散布されるように企図された洗浄および/または防氷液を送って分配供給するための少なくとも1つのマニホールドを備えていてもよい。
【0023】
ワイパーコネクタが、このワイパーコネクタ内に収容された電気コネクタと、接続装置とを備えていることが有利である。
【0024】
電気接続装置が、突出要素とスライド式の接触を形成して協働することのできる湾曲した電気伝導性ワイヤを備えていることが優先される。
【0025】
本発明の変形実施形態によれば、電気接続装置は、突出要素とスライド式の接触を形成し、電気的接触を保つように突出要素と協働することのできるバネ取付式の半球体を備えている。
【0026】
本発明のもう一つの変形実施形態によれば、電気接続装置は、電気コネクタに対して分離可能な方式で固定される。
【0027】
本発明はまた、本発明によるフロントガラス用ワイパーを備えたことを特徴とするワイパー装置にも関する。
【0028】
本発明はまた、本発明によるフロントガラス用ワイパーを組み立てるための方法において、
・ フロントガラス用ワイパーの支持フレーム上にワイパーコネクタを取り付ける段階と、
・ 支持フレームのハウジングの内部へとバーテブラを導入する段階であって、当該支持フレームの縦方向両端部の一方にてバーテブラを導入する段階と、
・ バーテブラをその最終的な位置へと縦方向にスライドさせ、そして電気コネクタの電気接続装置が、加熱装置の突出要素と電気的に接触した状態となる段階と、
を備えたことを特徴とする方法にも関する。
【0029】
当該加熱装置は、
・ バーテブラがその最終的な取付位置になる前に電気接続装置が加熱要素と接触した状態となることを防止することと、
・ バーテブラがその最終的な取付位置にあるときには、電気接続装置と突出要素とを接触させることと、
が可能であることが優先される。
【0030】
このようにして、支持フレームのハウジング内へのバーテブラのスライド中に、電気コネクタの電気接続装置と加熱要素との間に接触がないことによって、加熱要素の変形および/または電気接続装置の接触面の劣化が防止されるのである。
【0031】
ワイパーコネクタと電気コネクタとが、1つの成型段階で製造される一体型部品であることが有利である。
【0032】
本発明の更なる特徴や利点は、以下の実例および添付図面(当該実例および図面は、非限定的な例示として与えられるものである)を考慮して明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】既に説明した、先行技術の、単一のバーテブラを備える「フラットブレード」タイプのフロントガラス用ワイパーと、機械式ワイパーコネクタとの分解斜視図。
図2】既に説明した、先行技術の、2本のバーテブラを備える加熱式フロントガラス用ワイパーと、液圧式ワイパーコネクタとの斜視図。
図3】既に説明した、図2に示すフロントガラス用ワイパーの電気接続装置を示す図。
図4】本発明によるフロントガラス用ワイパーのバーテブラと支持フレームとの組立中における斜視図。
図5】本発明によるフロントガラス用ワイパーのバーテブラが支持フレームに装着されている斜視図。
図6】本発明による加熱装置とワイパーコネクタとの、組付中および組付済み状態での模式図。
図7】本発明の変形実施形態による加熱装置とワイパーコネクタとの、組付済み状態での部分的模式図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図4から図7に示すように、本発明による加熱装置20は、フロントガラス用ワイパー22の支持フレーム21のハウジング23内部に縦方向に取り付けることのできるバーテブラ24を有している。
【0035】
そのバーテブラ24はおおよそ、2つの互いに反対側の縦方向の大きな面を有した矩形断面の縦方向ブレードの形状となっている。
【0036】
バーテブラ24は、支持フレーム21を補剛するために、鋼鉄などの比較的剛性の材料で出来ている。
【0037】
更に、バーテブラ24は、その縦方向両端部の一方に近接して設置された少なくとも1つの横向きの切欠き40を備えていてもよい。その切欠き40は、支持フレーム21上の突起(図示せず)と係合することのできるものである。バーテブラ24はまた、おおよそ当該バーテブラ24の縦方向縁部の中央に配置された少なくとも1つの横向きの切欠き(図示せず)を備えていてもよい。この切欠きは、バーテブラ24がワイパーコネクタ31に対して並進方向に移動するのを防止するために、当該ワイパーコネクタ上のもう1つの突起(図示せず)と係合するものである。
【0038】
バーテブラ24の縦方向の大きな両面の一方の上に、加熱要素25が配置されている。この加熱要素25は、電気絶縁性材料で出来た少なくとも2つのシート同士の間に配置される少なくとも1つの伝導性金属テープで構成され得る加熱フィルムである。
【0039】
「配置される」という用語は、ここでは、物理的に接触していること、即ち加熱要素が、その表面全体に渡ってバーテブラと物理的に接触していることを意味するものと解される。
【0040】
加熱要素25は、ちょうど同じくらい容易に、図6に示すようにバーテブラ24の上面上に配置されたり、図7に示すようにバーテブラ24の下面上に配置されたりすることができるであろう。バーテブラ24に関する上や下という用語は、そのバーテブラが、後述することとなる縦方向主軸線と同方向に支持フレーム21のハウジング内に取り付けられたならば定義されるものである。
【0041】
バーテブラ24の下面は、そのバーテブラが支持フレーム21内に挿入されてしまったならばスキージブレードの連結手段29と向かい合って置かれる面である。
【0042】
バーテブラ24の上面は、そのバーテブラが支持フレーム21内に挿入されてしまったならばワイパーコネクタ31と向かい合って置かれる面である。
加熱要素25がその上に配置される縦方向の面は、突出要素28を備えてもいる。その突出要素28は、バーテブラ24の上面より高くなっていて、加熱要素25と電気的に接触している。この突出要素28は、電気伝導性材料で出来ている。
【0043】
図6に示すように、突出要素28(これは、幅Aの略平行六面体形状を有している)は、加熱フィルム25上において、金属テープとの電気的接触を可能とするために当該加熱フィルムに上方絶縁フィルムが設けられていない箇所に配置されている。
【0044】
図7の場合、突出要素28(これも、略平行六面体形状を有している)は、加熱フィルム25上において、金属テープとの電気的接触を可能とするために当該加熱フィルムに上方絶縁フィルムが設けられていない箇所に配置されている。かくして突出要素28は、バーテブラ24内の凹所を貫通している。これは、この突出要素28がバーテブラ24の上面より高くなるようにするためである。
【0045】
バーテブラ24は、支持フレーム21のハウジング23内へと縦方向主軸線と同方向に挿入されるように企図されている。このフレーム21は、
・ 当該支持フレーム21の縦方向両端部の少なくとも一方で外へ開いている縦方向ハウジング23と、
・ スキージブレードを保持するための保持手段29と、
を有している。
【0046】
支持フレーム21はまた、縦方向ハウジング23と保持手段29とを分ける縦方向コア32を備えてもいる。
【0047】
縦方向ハウジング23は、幅Bの縦方向コア32と、それぞれがコア32の縦方向縁部を延長する2つの壁33とによって境界を定められている。それぞれの壁33は、
・ 当該コア32に対して横断方向に伸びる第1の部分と、
・ 屈曲部を画成する第2の部分と、
を備えており、縦方向スロット34の境界を定めるように、それらの壁33の2つの屈曲部同士が、互いに向かって当該コア32と平行に戻っている。ハウジング23は、当該コア32の横断方向の中央軸線に対して対称となっている。
【0048】
このようにして、バーテブラ24がハウジング23内でコア32に略垂直な方向へ動くことを、コア32と両屈曲部とが防止している。
【0049】
スキージブレードを保持するための保持手段29は例えば、互いに対向して配置されて第2の縦方向ハウジング(図示せず)の境界を定める2つの縦方向フックからなっていてもよい。その第2の縦方向ハウジングの形状は、スキージブレードの上端部と合致するものである。このようにして、スキージブレードの上端部が第2のハウジング内へと導入されたならば、スキージブレードはその最終的な位置へと縦方向にスライドする。
【0050】
ワイパー22はフロントガラス用ワイパーの作動アーム(図示せず)に連結されるが、その連結は、ワイパーコネクタ31と、作動アームに対するワイパーの回動を可能とする軸穴35とによってなされる。
【0051】
ワイパーコネクタ31はまた、フロントガラス洗浄/防氷液の輸送および分配供給の機能をも果たす。この目的のためにワイパーコネクタ31は、流入管41と内部ダクト(図示せず)とからなる液圧回路を備えている。液体は、流出管42および43によって機械式コネクタの両側で散布用マニホールド(図示せず)を通じてフロントガラス用ワイパーの所で分配供給されるために、内部ダクトの中を循環する。マニホールドは、ワイパー22内に含まれているが、それは支持フレーム21にクリップ固締される空力的デフレクタの形態になっている。
【0052】
フロントガラス用ワイパー22はまた、ワイパーコネクタ31内に取り付けられた電気コネクタ26も備えている。当該電気コネクタ26は、車両の電気回路に接続されている。この電気コネクタ26は、車両の電気回路からやって来る電流を突出要素28へ伝達する。
【0053】
ワイパーコネクタ31は、電気コネクタ26に接続された電気接続装置27を備えている。このコネクタ26は、それ自体、フロントガラス用ワイパーの作動アームに連結されている。電気接続装置27は、少なくとも部分的に、ワイパーコネクタ31の内部空間の外側へ伸びている。
【0054】
図6に示すように、この電気接続装置27は、湾曲した電気伝導性のワイヤないしストリップを備えている。そのワイヤないしストリップは、突出要素28とスライド式の接触を形成し、電気的接触を保つように突出要素28と協働することができる。
【0055】
スライド式の接触の湾曲形状は、ワイパー22と、そのワイパーコネクタ31とのアームに対する角度位置に拘わらず突出要素28との電気的接触を確保してくれる。このワイヤないしストリップは、突出要素28との電気的接触を最適化するために可撓性であってよい。
【0056】
本発明の変形実施形態によれば、電気接続装置27は、突出要素28とスライド式の接触を形成し、電気的接触を保つように突出要素28と協働することのできるバネ取付式の半球体を備えていてもよい。
【0057】
電気接続装置27は、電気コネクタ26に対して分離可能な方式で固定される。例として、電気接続装置27は、電気コネクタに対してクリップ固締によって固定される。
【0058】
電気接続装置27はまた、電気コネクタ26に対してリベット留めやクリンプ加工によって固定されてもよい。
【0059】
ワイパーコネクタ31は、縦方向でおおよそ支持フレーム21の中央部に取り付けられる。
【0060】
本発明の変形実施形態によれば、ワイパーコネクタ31は、縦方向に伸びる2つの側方ラグを備えている。それらのラグは、特許文献1(FR 2 911 834)の主題であるフロントガラス用ワイパーにおけるもののような支持フレーム21における開口部と係合することができる。かくしてワイパーコネクタ31は、垂直方向のスライド移動によって、この開口部内へと挿入され、前記の各側方ラグが支持フレーム21の各縦方向縁部を把持する。
【0061】
加熱装置20は、以下の各段階を実施することによってワイパーコネクタ31に装着される。
・ フロントガラス用ワイパー22の支持フレーム21上に、ワイパーコネクタ31を取り付ける段階。
・ 加熱要素25がその上に配置されたバーテブラ24を、支持フレーム21のハウジング23内部へと導入する段階。バーテブラ24は、当該支持フレーム21の縦方向両端部の一方にて導入される。
・ バーテブラ24をその最終的な位置へと縦方向にスライドさせ、そして電気コネクタ26の電気接続装置27が加熱装置20の突出要素28と電気的に接触した状態となる段階。
【0062】
図5に示すように、突出要素28の幅Aは縦方向コア32の幅Bよりも小さくなっている。これは、支持フレーム21内でのバーテブラ24のスライドをより容易にすると共に、それにより突出要素と縦方向フレームとの間の如何なる接触をも回避するためである。
【0063】
バーテブラ24のスライド中には、電気接続装置27と加熱要素25とが接触してしまわないことが有利である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7