特許第6445893号(P6445893)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6445893
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】脱気装置、塗布装置、および脱気方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 19/00 20060101AFI20181217BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20181217BHJP
   B05C 5/02 20060101ALI20181217BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   B01D19/00 B
   B05C11/00
   B05C5/02
   B05D3/00 B
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-29149(P2015-29149)
(22)【出願日】2015年2月18日
(65)【公開番号】特開2016-150310(P2016-150310A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2017年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】時枝 大佐
【審査官】 小川 慶子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−313891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 19/00−19/04
B05C 5/02,11/00
B05D 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体中の溶存気体を除去する脱気装置であって、
一端部が供給元の第1タンクに接続され、他端部が供給先の第2タンクに接続され、中途部に略水平に延びる水平部を有する主配管と、
一端部が前記水平部に接続され、他端部がドレインタンクに接続され、中途部に、
前記水平部から上方へ向けて延びる第1縦管と、
前記第1縦管の上端から前記第1縦管よりも水平に近い角度で側方へ延びる横管と、
前記横管の他端から上方へ向けて延びる第2縦管と、
を含む、脱気配管と、
前記主配管の経路上の前記脱気配管との接続部よりも上流側に設けられた第1バルブと、
前記主配管の経路上の前記脱気配管との接続部よりも下流側に設けられた第2バルブと、
前記第2縦管に設けられた第3バルブと、
前記第2タンクおよび前記ドレインタンクにそれぞれ配管を介して接続され、前記主配管内に前記第2タンク側へ向かう吸引力を発生させるとともに、前記脱気配管内に上方へ向かう吸引力を発生させる減圧部と、
前記第1バルブ、前記第2バルブ、前記第3バルブ、および前記減圧部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
a)前記第2バルブを閉鎖するとともに前記第1バルブおよび前記第3バルブを開放した状態で、前記第1タンクからの液流を前記脱気配管の前記第3バルブよりも上方の位置まで到達させる工程と、
b)前記工程a)の後に、前記第3バルブを閉鎖するとともに前記第2バルブを開放し、前記減圧部を駆動させて、前記主配管内に前記第2タンク側へ向かう液流を形成する工程と、
c)前記工程b)の後に、前記第3バルブを開放することにより、前記脱気配管内に溜まった気泡を排出する工程と、
進行させる脱気装置。
【請求項2】
請求項1に記載の脱気装置であって、
前記横管の第2縦管側の端部は、前記横管の第1縦管側の端部と同等の高さ、またはそれよりも高く、
前記横管の水平面に対する角度は、0°以上かつ45°以下である脱気装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の脱気装置であって、
前記第2縦管は、前記横管以上の容積を有する脱気装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の脱気装置であって、
前記脱気配管は、少なくとも、
前記水平部から上方へ向けて延びる第1縦管、およびそれよりも下流側で上方に向けて延びる第2縦管を有する第1脱気配管と、
前記水平部の前記第1脱気配管よりも下流側の位置から上方へ向けて延びる第1縦管、およびそれよりも下流側で上方に向けて延びる第2縦管を有する第2脱気配管と、
を含み、
前記第1バルブは、前記主配管の経路上の前記第1脱気配管との接続部よりも上流側に設けられ、
前記第2バルブは、前記主配管の経路上の前記第2脱気配管との接続部よりも下流側に設けられ、
前記第3バルブは、前記第1脱気配管および前記第2脱気配管の各々の経路上の、前記第2縦管上に設けられる脱気装置。
【請求項5】
請求項4に記載の脱気装置であって、
前記第1脱気配管の上端部と、前記第2脱気配管の上端部とが、斜め上方へ向けて延びる傾斜配管によって、1本の排出配管に接続され、前記排出配管が前記ドレインタンクに接続されている脱気装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の脱気装置であって、
前記第2縦管と前記ドレインタンクとの間を接続する配管上に設けられた第4バルブ
をさらに有し、
前記工程a)から前記工程c)にかけて、前記第4バルブが開放されている脱気装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の脱気装置であって、
前記主配管内の液体を加熱するヒータ
をさらに備える脱気装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の脱気装置であって、
前記主配管は、前記第1タンクと前記第2タンクとの間で並列に接続される複数の前記水平部を含み、
複数の前記水平部の各々から、前記脱気配管の前記第1縦管が上方へ向けて延びている脱気装置。
【請求項9】
処理対象となる面に液体を塗布する塗布装置であって、
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の脱気装置と、
流体を吐出する吐出口を有するノズルと、
前記第2タンクから前記ノズルへ液体を供給する供給機構と、
を備える塗布装置。
【請求項10】
請求項9に記載の塗布装置であって、
前記第2タンク内において液体を撹拌しつつ脱気する撹拌脱気機構をさらに備える塗布装置。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の塗布装置であって、
前記主配管の経路上に設けられた異物除去フィルタをさらに備える塗布装置。
【請求項12】
一端部が供給元の第1タンクに接続され、他端部が供給先の第2タンクに接続され、中途部に略水平に延びる水平部を有する主配管を介して、前記第1タンクから前記第2タンクへ液体を供給しつつ、液体中の溶存気体を除去する脱気方法であって、
a)一端部が前記水平部に接続され、他端部がドレインタンクに接続され、中途部に、前記水平部から上方へ向けて延びる第1縦管と、前記第1縦管の上端から前記第1縦管よりも水平に近い角度で側方へ延びる横管と、前記横管の他端から上方へ向けて延びる第2縦管と、を含む脱気配管内に、前記ドレインタンクよりも下流側の減圧部へ向かう吸引力を発生させることで、前記脱気配管の少なくとも前記第2縦管の中途部までを液体で満たす工程と、
b)前記工程a)の後に、前記主配管を介して前記第1タンクから前記第2タンクまでが連通した状態、かつ、前記第2縦管よりも下流側を前記横管から遮断した状態としつつ、前記第2タンクと配管を介して接続される前記減圧部により、前記主配管内に前記第2タンク側へ向かう吸引力を発生させることで、前記主配管内に前記第2タンク側へ向かう液流を形成する工程と、
c)前記工程b)の後に、前記第2縦管よりも下流側を前記横管と連通した状態とすることで、前記脱気配管内に溜まった気泡を排出する工程と、
を有する脱気方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中の溶存気体を除去する脱気装置、当該脱気装置を備えた塗布装置、および液体中の溶存気体を除去する脱気方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置用ガラス基板、半導体ウェハ、PDP用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、カラーフィルタ用基板、記録ディスク用基板、太陽電池用基板、電子ペーパー用基板などの精密電子装置用基板の製造工程では、基板の表面にフォトレジスト等の液体を塗布する塗布装置が使用されている。従来の塗布装置については、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1の塗布装置は、水平方向に移動自在なステージに吸着保持された基板に対して、スリット状の吐出口を有するスリットダイから塗布液を吐出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−241056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の塗布装置では、液体に溶存気体が存在すると、スリットダイにおいていわゆる「泡がみ」が発生しやすくなる。「泡がみ」が発生すると、吐出口から均一に液体を塗布できなくなり、塗布膜の均一性が低下する場合がある。このため、従来、塗布前の液体から溶存気体を除去する脱気処理が行われている。従来の塗布装置では、塗布前の液体が貯留された容器内を負圧にすることによって、予め液体中の溶存気体を気泡化させていた。液体の粘度が低い場合には、液体中に発生した気泡を、容易に液面まで浮上させて、容器外へ排出することができる。
【0005】
しかしながら、高粘度の液体を用いる場合には、気泡が液面まで浮上するのに、非常に長い時間がかかる。特に、細かい気泡ほど浮上しにくい傾向がある。このため、従来の方法では、高粘度の液体に対して効率よく脱気を行うことができないという問題がある。近年では、フレキシブルデバイスや電池の製造工程において、処理対象となる面に高粘度の液体を塗布する装置の需要が高まっている。これに伴い、高粘度の液体から効率よく溶存気体を除去できる技術が求められている。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、粘度が高い液体中の溶存気体を効率よく除去できる脱気装置、当該脱気装置を備えた塗布装置、および脱気方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、液体中の溶存気体を除去する脱気装置であって、一端部が供給元の第1タンクに接続され、他端部が供給先の第2タンクに接続され、中途部に略水平に延びる水平部を有する主配管と、一端部が前記水平部に接続され、他端部がドレインタンクに接続され、中途部に、前記水平部から上方へ向けて延びる第1縦管と、前記第1縦管の上端から前記第1縦管よりも水平に近い角度で側方へ延びる横管と、前記横管の他端から上方へ向けて延びる第2縦管と、
を含む、脱気配管と、前記主配管の経路上の前記脱気配管との接続部よりも上流側に設けられた第1バルブと、前記主配管の経路上の前記脱気配管との接続部よりも下流側に設けられた第2バルブと、前記第2縦管に設けられた第3バルブと、前記第2タンクおよび前記ドレインタンクにそれぞれ配管を介して接続され、前記主配管内に前記第2タンク側へ向かう吸引力を発生させるとともに、前記脱気配管内に上方へ向かう吸引力を発生させる減圧部と、前記第1バルブ、前記第2バルブ、前記第3バルブ、および前記減圧部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、a)前記第2バルブを閉鎖するとともに前記第1バルブおよび前記第3バルブを開放した状態で、前記第1タンクからの液流を前記脱気配管の前記第3バルブよりも上方の位置まで到達させる工程と、b)前記工程a)の後に、前記第3バルブを閉鎖するとともに前記第2バルブを開放し、前記減圧部を駆動させて、前記主配管内に前記第2タンク側へ向かう液流を形成する工程と、c)前記工程b)の後に、前記第3バルブを開放することにより、前記脱気配管内に溜まった気泡を排出する工程と、を進行させる
【0010】
本願の第発明は、第発明の脱気装置であって、前記横管の第2縦管側の端部は、前記横管の第1縦管側の端部と同等の高さ、またはそれよりも高く、前記横管の水平面に対する角度は、0°以上かつ45°以下である。
【0011】
本願の第発明は、第発明または第発明の脱気装置であって、前記第2縦管は、前記横管以上の容積を有する。
【0012】
本願の第発明は、第発明から第発明までのいずれか1発明の脱気装置であって、前記脱気配管は、少なくとも、前記水平部から上方へ向けて延びる第1縦管、およびそれよりも下流側で上方に向けて延びる第2縦管を有する第1脱気配管と、前記水平部の前記第1脱気配管よりも下流側の位置から上方へ向けて延びる第1縦管、およびそれよりも下流側で上方に向けて延びる第2縦管を有する第2脱気配管と、を含み、前記第1バルブは、前記主配管の経路上の前記第1脱気配管との接続部よりも上流側に設けられ、前記第2バルブは、前記主配管の経路上の前記第2脱気配管との接続部よりも下流側に設けられ、前記第3バルブは、前記第1脱気配管および前記第2脱気配管の各々の経路上の、前記第2縦管上に設けられる。
【0013】
本願の第発明は、第発明の脱気装置であって、前記第1脱気配管の上端部と、前記第2脱気配管の上端部とが、斜め上方へ向けて延びる傾斜配管によって、1本の排出配管に接続され、前記排出配管が前記ドレインタンクに接続されてている。
【0014】
本願の第発明は、第発明から第発明までのいずれか1発明の脱気装置であって、前記第2縦管と前記ドレインタンクとの間を接続する配管上に設けられた第4バルブをさらに有し、前記工程a)から前記工程c)にかけて、前記第4バルブが開放されている。
【0015】
本願の第発明は、第1発明から第発明までのいずれか1発明の脱気装置であって、前記主配管内の液体を加熱するヒータをさらに備える。
【0016】
本願の第発明は、第1発明から第発明までのいずれか1発明の脱気装置であって、前記主配管は、前記第1タンクと前記第2タンクとの間で並列に接続される複数の前記水平部を含み、複数の前記水平部の各々から、前記脱気配管の前記第1縦管が上方へ向けて延びている。
【0017】
本願の第発明は、処理対象となる面に液体を塗布する塗布装置であって、第1発明から第発明までのいずれか1発明の脱気装置と、流体を吐出する吐出口を有するノズルと、前記第2タンクから前記ノズルへ液体を供給する供給機構と、を備える。
【0018】
本願の第10発明は、第発明の塗布装置であって、前記第2タンク内において液体を撹拌しつつ脱気する撹拌脱気機構をさらに備える。
【0019】
本願の第11発明は、第発明または第10発明の塗布装置であって、前記主配管の経路上に設けられた異物除去フィルタをさらに備える。
【0020】
本願の第12発明は、供給元の第1タンクに接続され、他端部が供給先の第2タンクに接続され、中途部に略水平に延びる水平部を有する主配管を介して、前記第1タンクから前記第2タンクへ液体を供給しつつ、液体中の溶存気体を除去する脱気方法であって、a)一端部が前記水平部に接続され、他端部がドレインタンクに接続され、中途部に、前記水平部から上方へ向けて延びる第1縦管と、前記第1縦管の上端から前記第1縦管よりも水平に近い角度で側方へ延びる横管と、前記横管の他端から上方へ向けて延びる第2縦管と、を含む脱気配管内に、前記ドレインタンクよりも下流側の減圧部へ向かう吸引力を発生させることで、前記脱気配管の少なくとも前記第2縦管の中途部までを液体で満たす工程と、b)前記工程a)の後に、前記主配管を介して前記第1タンクから前記第2タンクまでが連通した状態、かつ、前記第2縦管よりも下流側を前記横管から遮断した状態としつつ、前記第2タンクと配管を介して接続される前記減圧部により、前記主配管内に前記第2タンク側へ向かう吸引力を発生させることで、前記主配管内に前記第2タンク側へ向かう液流を形成する工程と、c)前記工程b)の後に、前記第2縦管よりも下流側を前記横管と連通した状態とすることで、前記脱気配管内に溜まった気泡を排出する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0021】
本願の第1発明〜第12発明によれば、減圧により液体中に発生した気泡は、主配管内における液体の流動によって、主配管の上縁部に集められる。このため、工程b)において、当該気泡が、主配管の水平部から脱気配管へ進入する。そして、工程c)において、脱気配管内に溜まった気泡を排出する。これにより、液体の粘度が高い場合であっても、液体中の溶存気体を除去することができる。
【0022】
特に、本願の第発明によれば、工程b)において、脱気配管の第3バルブよりも下側に溜まった気泡が、工程c)において、脱気配管内の気泡よりも上側の液体と置換されることによって、上側へ排出される。これにより、脱気配管から気泡を効率よく排出できる。また、主配管の水平部から第1縦管内に進入した気泡は、横管内に集合して、大きな気泡に成長する。そして、工程c)において、当該大きな気泡が第2縦管を介して外部へ排出される。これにより、気体とともに排出される液体の量を低減できる。すなわち、液体から溶存気体のみを効率よく除去できる。
【0024】
特に、本願の第発明によれば、横管内において、気泡をより効果的に成長させることができる。
【0025】
特に、本願の第発明によれば、工程c)において、横管内の気泡を、第2管に貯留された液体で、より確実に置換することができる。
【0026】
特に、本願の第発明によれば、第1脱気配管に進入しなかった気体を、下流側の第2脱気配管に進入させて、外部へ排出することができる。これにより、気泡の排出効率をより高めることができる。
【0027】
特に、本願の発明によれば、第1脱気配管および第2脱気配管から排出配管へ、気泡をより効率よく排出することができる。
【0028】
特に、本願の第発明によれば、工程b)においても第4バルブを開放することで、第3バルブよりも上方に貯留される液体中の溶存気体が、減圧により除去される。これにより、溶存気体の除去効率をさらに高めることができる。
【0029】
特に、本願の第発明によれば、液体の粘度を低下させることができる。また、気泡を膨張させて、気泡の排出効率を高めることができる。
【0030】
特に、本願の第発明によれば、第2タンクへの液体の単位時間あたりの供給量を増加させることができる。
【0031】
特に、本願の第10発明によれば、脱気配管において除去しきれなかった気泡を、撹拌脱気機構により除去することができる。
【0032】
特に、本願の第11発明によれば、第2タンクとノズルとの間の供給機構に、異物除去フィルタを設ける必要がない。したがって、供給機構において、フィルタによる圧力損失を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】塗布装置の斜視図である。
図2】スリットノズルの斜視図である。
図3】スリットノズルの内部の流路を示した図である。
図4】スリットノズルに接続される供給配管系の構成を示した図である。
図5】制御部と供給配管系の各部との接続構成を示したブロック図である。
図6】被塗布材料の脱気および供給動作の流れを示したフローチャートである。
図7】脱気配管内の気泡の動きを、概念的に示した図である。
図8】変形例に係る供給配管系の構成を示した図である。
図9】変形例に係る供給配管系の構成を示した図である。
図10】変形例に係る供給配管系の構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下では、説明の便宜上、塗布装置1におけるスリットノズル20の移動方向を「前後方向」と称し、前後方向に直交する水平方向を「左右方向」と称する。
【0035】
<1.塗布装置の構成について>
図1は、本発明の一実施形態に係る塗布装置1の斜視図である。この塗布装置1は、フレキシブルデバイスの製造工程において、ガラス製のキャリア基板9の上面に、高粘度の液体である被塗布材料を塗布する装置である。被塗布材料には、例えば、粘度の高い流体であるポリイミド等の溶融樹脂が用いられる。被塗布材料の粘度は、例えば、数千〜1万cP程度となる。基板9の上面に塗布された被塗布材料は、その後に固化されて薄膜となる。また、当該薄膜の表面に電極等のパターンが形成され、当該薄膜を基板9から引き剥がすことによって、フレキシブルデバイスが形成される。
【0036】
図1に示すように、本実施形態の塗布装置1は、ステージ10、スリットノズル20、ノズル保持部30、走行機構40、および制御部50を有する。
【0037】
ステージ10は、基板9を載置して保持する略直方体状の保持台である。ステージ10は、例えば一体の石材により形成される。ステージ10の上面は、平坦な基板保持面11となっている。基板保持面11には、多数の真空吸着孔(図示省略)が設けられている。基板保持面11に基板9が載置されると、真空吸着孔の吸引力によって、基板9の下面が基板保持面11に吸着する。これにより、ステージ10上に基板9が水平姿勢で固定される。また、ステージ10の内部には、複数のリフトピンが設けられている。ステージ10から基板9を搬出するときには、基板保持面11上に複数のリフトピンが突出する。これにより、基板保持面11から基板9が引き離される。
【0038】
スリットノズル20は、被塗布材料を吐出するノズルである。スリットノズル20は、左右方向に長いノズルボディ21を有する。ノズルボディ21の下端部には、左右方向に延びるスリット状の吐出口23が、設けられている。吐出口23は、ステージ10上に載置された基板9の上面に向けられている。後述する供給機構70(図4参照)からノズルボディ21内に被塗布材料が供給されると、スリットノズル20の吐出口23から、処理対象となる基板9の上面へ向けて、被塗布材料が吐出される。
【0039】
ノズル保持部30は、スリットノズル20を基板保持面11の上方に保持するための機構である。ノズル保持部30は、左右方向に延びる架橋部31と、架橋部31の両端を支持する一対の柱状の支持部32とを有する。スリットノズル20は、架橋部31の下面に取り付けられている。また、各支持部32は、架橋部31の端部の高さを調節する昇降機構33を有する。左右の昇降機構33を動作させると、架橋部31とともにスリットノズル20の高さおよび姿勢が調節される。
【0040】
走行機構40は、スリットノズル20を前後方向に移動させるための機構である。走行機構40は、一対の走行レール41と、一対のリニアモータ42とを有する。一対の走行レール41は、ステージ10の左右の側部付近において、前後方向に延びている。走行レール41は、一対の支持部32をそれぞれ支持しながら、各支持部32の下端部を前後方向に案内する。すなわち、一対の走行レール41は、一対の支持部32の移動方向を前後方向に規制するリニアガイドとして機能する。
【0041】
リニアモータ42は、ステージ10に固定された固定子421と、支持部32に固定された移動子422とを有する。固定子421は、ステージ10の左右の側縁部に沿って、前後方向に延びている。塗布装置1の稼働時には、固定子421と移動子422との間に磁気的吸引力または磁気的反発力が生じる。これにより、移動子422、ノズル保持部30、およびスリットノズル20が、一体として前後方向に移動する。
【0042】
制御部50は、塗布装置1内の各部を動作制御するための手段である。図1中に概念的に示したように、制御部50は、CPU等の演算処理部51、RAM等のメモリ52、およびハードディスクドライブ等の記憶部53を有するコンピュータにより構成されている。制御部50は、上述したリフトピン、昇降機構33、リニアモータ42等の塗布装置1内の各部と、それぞれ電気的に接続されている。また、制御部50は、後述する脱気装置60および供給機構70内に設けられたバルブやポンプとも、電気的に接続されている。制御部50は、記憶部53に記憶されたコンピュータプログラムやデータを、メモリ52に一時的に読み出し、当該コンピュータプログラムおよびデータに基づいて、演算処理部51が演算処理を行うことにより、塗布装置1内の各部を動作制御する。これにより、基板9に対する塗布処理が進行する。
【0043】
<2.スリットノズルの構造について>
次に、スリットノズル20のより詳細な構造について、説明する。図2は、スリットノズル20の斜視図である。図3は、スリットノズル20の内部の流路210を示した図である。
【0044】
図2に示すように、スリットノズル20のノズルボディ21は、一対のノズル部材211,212と、一対のサイドプレート213,214とを有する。ノズル部材211,212およびサイドプレート213,214の材料には、例えば、アルミニウム等の金属が用いられる。一対のノズル部材211,212を互いに固定するとともに、その左右の両端部に一対のサイドプレート213,214を取り付けると、内部に流路210を有するノズルボディ21が形成される。
【0045】
ノズルボディ21には、一対の供給口22と、1つのスリット状の吐出口23とが、設けられている。一対の供給口22は、一対のサイドプレート213,214に、それぞれ設けられている。1つの吐出口23は、前方のノズル部材211の下端部と、後方のノズル部材212の下端部との間において、スリット状に開口している。塗布装置1の稼働時には、一対の供給口22からノズルボディ21内の流路210へ、被塗布材料が供給される。そして、流路210内の被塗布材料が、吐出口23からノズルボディ21の下方へ向けて、吐出される。
【0046】
また、図2に示すように、本実施形態のノズルボディ21は、1つの排出口24を有する。排出口24は、ノズルボディ21の上面に設けられている。後述する脱気装置60において除去しきれなかった気泡は、スリットノズル20の洗浄時に、リンス液とともに排出口24からスリットノズル20の外部へ排出される。
【0047】
<3.供給配管系の構成について>
続いて、スリットノズル20へ被塗布材料を供給する供給配管系の構成について、説明する。図4は、スリットノズル20に接続される供給配管系の構成を示した図である。図4に示すように、本実施形態の供給配管系は、脱気装置60と供給機構70とを有する。
【0048】
脱気装置60は、供給機構70よりも配管系の上流側に設けられている。脱気装置60は、供給元の第1タンク81から供給先の第2タンク82へ被塗布材料Lを供給しつつ、被塗布材料L中の溶存気体を除去する。図4に示すように、本実施形態の脱気装置60は、主配管61、脱気配管62、ドレインタンク63、および減圧部64を備えている。
【0049】
主配管61は、第1タンク81と第2タンク82とを繋ぐ配管である。第1タンク81には、未使用の被塗布材料Lまたは一旦使用された後に再生処理された被塗布材料Lが、貯留される。第1タンク81に貯留された被塗布材料Lは、主配管61を通って第2タンク82へ供給される。また、図4に示すように、主配管61は、略水平方向(重力方向に対して略垂直な方向)に延びる水平部611を有する。
【0050】
主配管61の水平部611には、異物除去フィルタ83、第1バルブ91、および第2バルブ92が、設けられている。第1タンク81から供給される被塗布材料L中に異物が含まれている場合には、当該異物が異物除去フィルタ83において除去される。第1バルブ91および第2バルブ92は、制御部50からの電気信号に基づいて開閉動作を行う電磁弁である。第1バルブ91は、主配管61の経路上の脱気配管62との接続部よりも上流側(第1タンク81側)の位置に設けられる。第2バルブ92は、主配管61の経路上の脱気配管62との接続部よりも下流側(第2タンク82側)の位置に設けられる。
【0051】
脱気配管62は、主配管61を流れる被塗布材料Lに含まれる気泡を捕集するための配管である。図4に示すように、本実施形態の脱気配管62は、第1縦管621、横管622、第2縦管623、および排出配管624を有する。第1縦管621は、主配管61の水平部611から上方へ向けて延びている。横管622は、第1縦管621の上端から水平に側方へ延びている。第2縦管623は、横管622の他端からさらに上方へ向けて延びている。排出配管624は、第2縦管623の上端部とドレインタンク63とを接続している。
【0052】
脱気配管62には、第3バルブ93、第4バルブ94、第1センサ84、および第2センサ85が設けられている。第3バルブ93および第4バルブ94は、制御部50からの電気信号に基づいて開閉動作を行う電磁弁である。第3バルブ93は、第2縦管621の経路上に介挿されている。第4バルブ94は、排出配管624の経路上に介挿されている。また、第1センサ84は、第2縦管623の経路上の第3バルブ93よりも上側の位置に、設けられている。第1センサ84は、第2縦管623の当該位置における被塗布材料Lの存否を検出し、検出結果を示す電気信号を制御部50へ送信する。第2センサ85は、横管622の近傍に設けられている。第2センサ85は、後述する脱気処理において、横管622内に気泡が蓄積されたか否かを検出し、検出結果を示す電気信号を制御部50へ送信する。第1センサ84および第2センサ85には、例えば光センサが用いられる。
【0053】
ドレインタンク63は、脱気配管62へ吸引された被塗布材料Lが、後述する真空ポンプ640へ流れ込むことを防止するために、設けられている。万が一、脱気配管62へ被塗布材料Lが過剰に流入したとしても、当該被塗布材料Lは、ドレインタンク63内に回収され、真空ポンプ640側へ流れ込むことはない。ドレインタンク63に回収された被塗布材料Lは、ドレインタンク63の下部から排出され、廃棄または再生処理される。
【0054】
減圧部64は、真空ポンプ640と、第1吸引配管641と、第2吸引配管642とを有する。第1吸引配管641の両端は、真空ポンプ640とドレインタンク63とに、それぞれ接続されている。第2吸引配管642の両端は、真空ポンプ640と第2タンク82とに、それぞれ接続されている。このため、真空ポンプ640を動作させると、第1吸引配管641およびドレインタンク63内の空気が、真空ポンプ640側へ吸引されるとともに、第2吸引配管642および第2タンク82内の空気も、真空ポンプ640側へ吸引される。これにより、主配管61および脱気配管62内が減圧されて負圧となる。また、主配管61内には、第2タンク82側へ向かう吸引力が発生し、脱気配管62内には、ドレインタンク63側へ向かう吸引力が発生する。
【0055】
また、図4に示すように、本実施形態では、第2タンク82内に撹拌器86が設けられている。撹拌器86は、モータ(図示省略)から得られる動力によって回転する。それにより、第2タンク82内に貯留された被塗布材料Lを撹拌する。第2タンク82内に貯留された被塗布材料L中に、上述した脱気配管62で回収しきれなかった気泡が含まれている場合、撹拌器86を動作させると、当該気泡を被塗布材料Lの液面に浮上させることができる。
【0056】
供給機構70は、第2タンク82からスリットノズル20へ、被塗布材料Lを供給するための機構である。供給機構70は、送液配管71と、送液ポンプ72を有する。送液配管71の上流側の端部は、第2タンク82の底部に接続されている。送液配管71の下流側の端部は、2方向に分岐して、スリットノズル20の2つの供給口22に、それぞれ接続されている。送液ポンプ72を動作させると、送液ポンプ72により生じる圧力で、第2タンク82に貯留された被塗布材料Lが、送液配管71を通って、スリットノズル20へ供給される。そして、当該被塗布材料Lが、スリットノズル20の吐出口23から基板9の上面に、吐出される。
【0057】
図5は、制御部50と供給配管系の各部との接続構成を示したブロック図である。図5に示すように、制御部50は、上述した第1バルブ91、第2バルブ92、第3バルブ93、第4バルブ94、第1センサ84、第2センサ85、撹拌器86、真空ポンプ640、および送液ポンプ72と、それぞれ電気的に接続されている。制御部50は、予め設定されたコンピュータプログラムまたは外部からの指示に基づき、これらの各部を動作制御する。これにより、被塗布材料Lの脱気および供給の各動作が進行する。
【0058】
<4.被塗布材料の脱気および供給動作について>
続いて、上記の塗布装置1において、第1タンク81に貯留された被塗布材料Lを、脱気しながらスリットノズル20に供給するときの動作について、説明する。図6は、当該動作の流れを示したフローチャートである。図7は、脱気配管62内の気泡の動きを、概念的に示した図である。
【0059】
図6に示すように、塗布装置1は、まず、第2バルブ92を閉鎖するとともに、第1バルブ91、第3バルブ93、および第4バルブ94を開放する。そして、真空ポンプ640の動作を開始させる。そうすると、真空ポンプ640の圧力によって、脱気配管62内に、上方へ向かう吸引力が発生する。したがって、第1タンク81から供給される被塗布材料Lは、主配管61を通って脱気配管62へ流れ込む。その結果、主配管61の第2バルブ92よりも上流側の部分と、脱気配管62の少なくとも第3バルブ93よりも下側の部分とが、被塗布材料Lで満たされる(ステップS1)。
【0060】
被塗布材料Lが第1センサ84の検出位置に到達すると、第1センサ84は、被塗布材料Lを検出したことを示す検出信号を、制御部50へ送信する。制御部50は、当該検出信号を受信すると、第3バルブ93を閉鎖して、第2バルブ92を開放する。そうすると、真空ポンプ640から第2吸引配管642および第2タンク82を介して伝わる圧力によって、主配管61内に、第2タンク82側へ向かう吸引力が発生する。したがって、主配管61内に、第1タンク81から第2タンク82へ向かう被塗布材料Lの流れが形成される(ステップS2)。
【0061】
このとき、主配管61および脱気配管62の内部は、真空ポンプ640の吸引力によって、大気圧よりも圧力が低い状態(負圧状態)となっている。このため、第1タンク81から流れ出した被塗布材料L中の溶存気体が、気泡となって被塗布材料L中に発生する。また、主配管61の内部では、被塗布材料Lが流動しているため、当該流動によって、気泡の浮上が促進される。したがって、図7中に破線B1で示したように、被塗布材料L中の気泡は、主配管61の上縁部に集合する。そして、主配管61の上縁部に集合した気泡は、図7中の破線矢印A1のように、主配管61から第1縦管621へ効率よく進入する。このようにすれば、被塗布材料Lの粘度が高い場合であっても、被塗布材料L中の気泡を、効率よく脱気配管62へ進入させることができる。したがって、第2タンク82内の撹拌器86のみを用いる場合よりも、気泡の除去に掛かる時間を大幅に低減できる。
【0062】
第1縦管621内に進入した気泡は、その後、横管622の高さまで上昇する。そして、図7中に破線B2で示したように、横管622の上縁部の下面に沿って、気泡が蓄積される。また、破線B2の位置において、複数の気泡は、互いに集合して大きな気泡に成長する。
【0063】
気泡が成長し、横管622内の所定の領域が気泡で占められると、第2センサ85が、当該気泡を検出して、検出信号を制御部50へ送信する。制御部50は、当該検出信号を受信すると、第1バルブ91および第2バルブ92を閉鎖し、第3バルブ93を開放する。そうすると、第2縦管623内に貯留された被塗布材料Lが、その自重によって、図7中の破線矢印A2のように、横管622側へ移動しようとする。これにより、横管622内の気泡が、破線矢印A3のように、第2縦管623側へ移動する。すなわち、第2縦管623内の被塗布材料Lと、横管622内の気泡とが、置換される。その結果、横管622内の気泡が、第2縦管623内の被塗布材料Lの液面よりも上側へ、排出される(ステップS3)。気泡を構成していた気体は、その後、排出配管624、ドレインタンク63、および第1吸引配管641を通って、真空ポンプ640から外部へ排出される。
【0064】
このように、本実施形態では、脱気配管62の横管622内で気泡を成長させて、成長後の大きな気泡を排出する。このようにすれば、気体とともに排出される被塗布材料Lの量を低減できる。したがって、被塗布材料Lから溶存気体のみを、効率よく除去できる。
【0065】
また、上記のステップS3では、横管622内で成長した気泡を、第2縦管623内の被塗布材料Lと置換させることによって、上方へ排出する。このようにすれば、気泡を、被塗布材料Lの液面まで、効率よく浮上させることができる。なお、第2縦管623は、横管622以上の容積を有していることが好ましい。そうすれば、ステップS3において、横管622内の気泡を、第2縦管623内の被塗布材料Lで、より確実に置換することができる。
【0066】
また、本実施形態では、上記のステップS1からステップS3にかけて、第4バルブ94を開放している。すなわち、第3バルブ93を閉鎖したステップS2においても、第4バルブ94を開放している。このため、ステップS2では、第2縦管623内の第3バルブ93よりも上側に貯留された被塗布材料Lからも気泡が発生し、当該気泡が液面まで浮上することで、気泡を構成する気体が除去される。これにより、溶存気体の除去効率を、さらに高めることができる。
【0067】
なお、脱気配管62だけでは気泡の除去が十分でない場合には、制御部50からの指令により、第2タンク82内の撹拌器86を回転させるようにするとよい。そうすれば、第2タンク82内において、被塗布材料L中に残存する気泡を、液面へ浮上させることができる。また、それと同時に真空ポンプ640を動作させれば、気泡を構成していた気体を、第2タンク82および第2吸引配管642を通って、真空ポンプ640から外部へ排出できる。すなわち、本実施形態では、撹拌器86および真空ポンプ640が、第2タンク82内において被塗布材料Lを撹拌しつつ脱気する撹拌脱気機構を構成している。このように、撹拌脱気機構を併用すれば、気泡の除去率をより高めることができる。
【0068】
その後、制御部50は、送液ポンプ72を動作させる。そうすると、第2タンク82に貯留された脱気後の被塗布材料Lが、送液配管71を通ってスリットノズル20へ供給される(ステップS4)。そして、スリットノズル20へ供給された被塗布材料Lが、スリットノズル20の吐出口23から基板9の上面に吐出される。
【0069】
なお、本実施形態では、第1タンク81と第2タンク82とを繋ぐ主配管61に、異物除去フィルタ83を設けた。そして、第2タンク82とスリットノズル20とを繋ぐ送液配管71から、異物除去フィルタを排除した。このようにすれば、ステップS4における被塗布材料Lの供給時に、異物除去フィルタによる圧力損失が無くなる。したがって、より小さい圧力で、スリットノズル20に被塗布材料Lを供給することができる。
【0070】
<5.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0071】
図8は、一変形例に係る供給配管系の構成を示した図である。図8の例では、脱気装置60内に、第1脱気配管62Aと第2脱気配管62Bとが、設けられている。第1脱気配管62Aおよび第2脱気配管62Bは、いずれも、水平部611から上方へ向けて延びている。また、第2脱気配管62Bの下端部は、第1脱気配管62Aの下端部よりも、主配管61の下流側に位置する。また、第1バルブ91は、主配管61の経路上の第1脱気配管62Aとの接続部よりも上流側に設けられる。第2バルブ92は、主配管61の経路上の第2脱気配管62Bとの接続部よりも下流側に設けられる。第3バルブ93は、第1脱気配管62Aおよび第2脱気配管62Bの各々の経路上に設けられる。
【0072】
このように、2本の脱気配管62A,62Bを設ければ、第1脱気配管62Aに進入しなかった気体を、下流側の第2脱気配管62Bに進入させて、外部へ排出することができる。したがって、気泡の排出効率をより高めることができる。
【0073】
特に、図8の例では、第1脱気配管62Aの上端部と、第2脱気配管62Bの上端部とが、斜め上方へ向けて延びる傾斜配管625によって、1本の排出配管624に接続されている。このようにすれば、第1脱気配管62Aおよび第2脱気配管62Bから排出配管624への気泡の排出を、重力に逆らうことなくスムーズに行うことができる。特に、上述したステップS2と同等の処理を行うときに、閉鎖された第3バルブ93よりも上方に貯留された被塗布材料L中の気泡を、容易に上方へ浮上させることができる。
【0074】
なお、気泡の排出効率をさらに高めるために、脱気配管62の数を、3本以上としてもよい。
【0075】
図9は、他の変形例に係る供給配管系の構成を示した図である。図9の例では、主配管の一部分に、ヒータ87が設けられている。ヒータ87は、制御部50と電気的に接続される。制御部50からの指令によってヒータ87を動作させると、主配管61内の被塗布材料Lが加熱される。これにより、被塗布材料Lの粘度を低下させることができる。また、被塗布材料L中の気泡が膨張する。このため、脱気配管62へ気泡がより進入しやすくなるとともに、脱気配管62内において、気泡が浮上しやすくなる。これにより、気泡の排出効率を、より高めることができる。
【0076】
図10は、他の変形例に係る供給配管系の構成を示した図である。図10の例では、主配管61が、2本の水平部611を有している。2本の水平部611は、第1タンク81と第2タンク82との間において、並列に接続される。そして、各水平部611から、脱気配管62が上方へ向けて延びている。このようにすれば、2本の水平部611によって、同時または交互に被塗布材料Lを第2タンク82へ供給できる。したがって、第2タンク82への液体の単位時間あたりの供給量を増加させることができる。
【0077】
また、上記の実施形態では、横管622が水平に配置されていた。しかしながら、横管622の姿勢は、必ずしも水平でなくてもよい。横管622は、第1縦管621の上端から第1縦管621よりも水平に近い角度で側方へ延びる管であればよい。ただし、横管622の第2縦管623側の端部は、横管622の第1縦管621側の端部と同等の高さ、またはそれよりも高いことが好ましい。また、横管622内において、気泡をより効果的に成長させるために、横管622の水平面に対する角度は、0°以上かつ45°以下とすることが好ましい。
【0078】
また、上記の実施形態では、第1縦管621、横管622、および第2縦管623が、いずれも同径の配管であった。しかしながら、第1縦管621、横管622、および第2縦管623の内径は、必ずしも同一でなくてもよい。例えば、ステップS2において第3バルブ93よりも上側に貯留される被塗布材料Lの量を増加させるために、第2縦管623の内径を、第1縦管621および横管622の内径よりも、大きくしてもよい。
【0079】
また、上記の実施形態の装置では、真空ポンプ640および送液ポンプ72の圧力のみで被塗布材料Lを搬送していた。しかしながら、これらのポンプの駆動と併行して、第1タンク81内および第2タンク82内に、加圧された気体を導入して、被塗布材料Lの流れを促進させるようにしてもよい。
【0080】
また、上記の塗布装置1は、フレキシブルデバイスの基材自体を製造するプロセスに用いられるものであったが、本発明の塗布装置は、デバイス形成後の基材の表面に、保護膜を形成するプロセスに用いられるものであってもよい。また、本発明の塗布装置は、基板と基板とを貼り合わせる際の接着剤を塗布するプロセスに用いられるものであってもよい。また、本発明の塗布装置は、フレキシブルデバイス以外の液晶表示装置や半導体基板の製造工程に用いられるものであってもよい。また、本発明の塗布装置は、リチウムイオン二次電池や燃料電池などの電池の製造工程に用いられるものであってもよい。すなわち、本発明の塗布装置は、高粘度の材料を塗布するプロセスに特に好適である。
【0081】
また、脱気装置および塗布装置の細部については、本願の各図に示された構成と、相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 塗布装置
9 基板
10 ステージ
11 基板保持面
20 スリットノズル
21 ノズルボディ
22 供給口
23 吐出口
24 排出口
30 ノズル保持部
31 架橋部
32 支持部
33 昇降機構
40 走行機構
41 走行レール
42 リニアモータ
50 制御部
60 脱気装置
61 主配管
62,62A,62B 脱気配管
63 ドレインタンク
64 減圧部
70 供給機構
71 送液配管
72 送液ポンプ
81 第1タンク
82 第2タンク
83 異物除去フィルタ
84 第1センサ
85 第2センサ
86 撹拌器
87 ヒータ
91 第1バルブ
92 第2バルブ
93 第3バルブ
94 第4バルブ
611 水平部
621 第1縦管
622 横管
623 第2縦管
624 排出配管
625 傾斜配管
640 真空ポンプ
641 第1吸引配管
642 第2吸引配管
L 被塗布材料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10