特許第6445982号(P6445982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6445982管の評価のための装置、システム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6445982
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】管の評価のための装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20181217BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20181217BHJP
   A61B 1/313 20060101ALI20181217BHJP
   A61B 5/0215 20060101ALI20181217BHJP
   A61B 8/12 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   A61B6/00 370
   A61B6/00 331E
   A61B6/03 375
   A61B6/00 360B
   A61B1/313 510
   A61B5/0215 B
   A61B8/12
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-550845(P2015-550845)
(86)(22)【出願日】2013年12月30日
(65)【公表番号】特表2016-507280(P2016-507280A)
(43)【公表日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】US2013078321
(87)【国際公開番号】WO2014106186
(87)【国際公開日】20140703
【審査請求日】2016年12月16日
(31)【優先権主張番号】61/747,480
(32)【優先日】2012年12月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515122402
【氏名又は名称】ボルケーノ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】ブレット・シー・ミレット
(72)【発明者】
【氏名】ジョー・バーネット
(72)【発明者】
【氏名】ハワード・デイビッド・アルパート
(72)【発明者】
【氏名】ファーガス・メリット
【審査官】 伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−518623(JP,A)
【文献】 特表2008−526387(JP,A)
【文献】 特開2010−178906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00
A61B 1/00
A61B 5/0215
A61B 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の管内への導入のための大きさ及び形状の血管内機器;
前記血管内機器、外部イメージングシステム、及びディスプレイに通信可能である処理システムであって、当該処理ユニットが:
患者の管内に位置付けられ、第1位置から第2位置へ管を通じて長手方向に動かされる間に血管内機器により取得される血管内データを取得し;
前記血管内機器が管を通じて長手方向に動かされる間、前記外部イメージングシステムにより取得される管の血管造影イメージを取得し;
前記血管内機器からの血管内データを血管造影イメージ上の場所に相関させ;及び
前記ディスプレイ上に管の改良された血管造影イメージを出力するように構成される、処理システムを備え、
前記改良された血管造影イメージが、相関された場所で血管内データを表す表示が重ね合わされた血管造影イメージを含み、
前記相関された場所で前記血管内データを表す前記表示が、前記血管内データに基づいて前記管内の臨床的に顕著な場所に自動的に位置付けられるマーキング及び前記血管内機器により測定された生理測定値の数値である値インジケータを含む、患者の管を評価するためのシステム。
【請求項2】
前記血管内データが血管内イメージを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記血管内イメージは、血管内超音波(IVUS)イメージ及び光コヒーレンス・トモグラフィー(OCT)イメージの少なくとも一つである、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記血管内データは、圧力測定値を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記表示が、計算された圧力比の表現を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記血管内データが、流速測定値を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記表示は、計算された流速比の表現を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記管内の前記臨床的に顕著な場所は、前記血管内データが前記管に沿って顕著に変化する場所である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記管内の前記臨床的に顕著な場所は、前記血管内データが前記管に沿って閾値量変化する場所である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムの作動方法であって、前記処理システムが、
患者の管内に位置付けられ、第1位置から第2位置へ管を通じて長手方向に動かされる間に血管内機器により取得される血管内データを取得する工程;
前記血管内機器が管を通じて長手方向に動かされる間、前記外部イメージングシステムにより取得される管の血管造影イメージを取得する工程;
前記血管内機器からの血管内データを血管造影イメージ上の場所に相関させる工程;及び
前記ディスプレイ上に管の改良された血管造影イメージを出力する工程、を実施することを含み、
前記改良された血管造影イメージが、相関された場所で血管内データを表す表示が重ね合わされた血管造影イメージを含み、
前記相関された場所で前記血管内データを表す前記表示が、前記血管内データに基づいて前記管内の臨床的に顕著な場所に自動的に位置付けられるマーキング及び前記血管内機器により測定された生理測定値の数値である値インジケータを含む、作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、管の評価に関し、特には、管を通じた流体の流れの閉塞又は他の制限の重大度の評価に関する。本開示の側面は、幾つかの場合、生物の管の評価に特に適する。例えば、本開示の幾つかの特定の実施形態は、ヒトの血管の狭窄の評価のために特に構成される。
【背景技術】
【0002】
現在、生理測定及び血管造影イメージが別々のモニター、若しくは少なくとも共通のモニター上の別々のウィンドウに表示される。結果として、医療要員は、別々のモニター及び/又は単一のモニターの別々の部分を見ながら、血管造影イメージのどの部分(群)が、取得された生理測定に対応するのか決定することを試みなければならない。これについて、組織と放射線不透過要素の間の「グレースケール」のコントラストを有する血管造影イメージの黒色及び白色の特性は、多くの場合、放射線不透過性マーカーの識別を困難にする。
【0003】
更には、心臓血管診断技術の現在の限局性は、治療(例えば、ステント、バルーン、及び/又は他の治療技術)に適し得る脈管構造の特定のスポットを特定することである。これらの各場所は、限局性狭窄(focal stenosis)と呼ばれる。しかしながら、幾つかの場合、広範性狭窄(diffuse stenosis)と呼ばれるものを特定することが望ましい。特には、管の長さに亘り延びる広範性狭窄を特定することが望ましく、主要又は全体の長さに亘る広範性狭窄と理解される時、臨床的に重大な狭窄として提示されるが、より短い、部分的な長さに亘る広範性狭窄と理解される時、無害若しくは少なくとも問題が生じ難いものと見られる。限局性狭窄及び広範性狭窄の影響を評価することにより、より完全な患者の診断が為され、これが、より適切な治療、従って、より良好な患者の結果につながる。
【0004】
本開示の側面は、血管内診断技術及び治療技術の周辺のこれらの及び他の問題を解決する。例えば、幾つかの場合、本開示は、同時登録される限局性及び/又は広範性生理測定値(圧力、流速、温度、粘度など)で増強された血管内イメージの制御及び表示に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態は、管における閉塞、特には血管の狭窄の重大度を評価するように構成される。幾つか特定の実施形態においては、本開示の装置、システム、及び方法が、管、特には管の任意の狭窄又は病変の評価を許容する管の視覚描写を提供するように構成される。
【0006】
幾つかの実施形態においては、患者の管を評価する方法が提供される。方法は、患者の管内に位置付けられた血管内機器が第1位置から第2位置へ管を通じて長手方向に動かされる間、血管内機器から血管内データを取得すること;血管内機器が管を通じて長手方向に動かされる間、管の血管造影イメージを取得すること;血管内機器からの血管内データを血管造影イメージ上の場所に相関させること;及びディスプレイ上に管の改良された血管造影イメージを出力することを含み、前記改良された血管造影イメージが、相関された場所で血管内データを表す表示(visualizations)が重ね合わされた血管造影イメージを含む。
【0007】
幾つかの場合、第1位置が、管の少なくとも一つの狭窄の遠位にあり、第2位置が、管の少なくとも一つの狭窄の近位にあり、管を通じて長手方向に第2機器を動かすことが、引き戻しを含む。血管内データは、血管内イメージを含むことができる。例えば、幾つかの場合、血管内イメージが、血管内超音波(IVUS)イメージ及び光コヒーレンス・トモグラフィー(OCT)イメージの少なくとも一つである。血管内データが、圧力測定値も含むことができる。これを受けて、表示が、計算された圧力比の表現を含むことができる。血管内データが、流速測定値も含むことができる。従って、表示が、計算された流速比の表現を含むことができる。幾つかの場合、血管造影イメージは、2次元血管造影イメージ、3次元血管造影イメージ、及びコンピューター・トモグラフィー血管造影(CTA)イメージの少なくとも一つである。表示が、血管内機器が管を通じて長手方向に動かされる時の血管内データの変化に基づいた強度マップを含むことができる。例えば、強度マップの第1視覚特徴は、閾値を超える血管内データに関連付けられ、強度マップの第2視覚特徴が、閾値未満の血管内データに関連付けられる。これについて、第1視覚特徴が第1色であり、第2視覚特徴が、第1色から視覚的に識別可能である第2色である。そのような方法を実行するためのシステムも提供される。
【0008】
本開示の追加の側面、特徴、及び利益が、次の詳細な記述から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の例示の実施形態が、添付図面を参照して記述される。
図1図1は、本開示の実施形態に係る狭窄を有する管の斜視模式図である。
図2図2は、図1の断面線2−2に沿って取られた図1の管の部分の部分断面斜視模式図である。
図3図3は、本開示の実施形態に係る機器が位置付けられた図1及び2の管の部分断面斜視模式図である。
図4図4は、本開示の実施形態に係るシステムの概略模式図である。
図5図5は、本開示の実施形態に係る管の改良された血管造影イメージである。
図6図6は、本開示の実施形態に係る管の改良された血管造影イメージである。
図7図7は、本開示の実施形態に係る管の改良された血管造影イメージである。
図8図8は、本開示の実施形態に係る血管内情報のチャートである。
図9図9は、本開示の実施形態に係る管の改良された血管造影イメージである。
図10図10は、本開示の実施形態に係る管の改良された血管造影イメージである。
図11図11は、本開示の実施形態に係る管の改良された血管造影イメージである。
図12図12は、本開示の実施形態に係る管の改良された血管造影イメージである。
図13図13は、本開示の実施形態に係る管の改良された血管造影イメージである。
図14図14は、本開示の実施形態に係る管の改良された血管造影イメージである。
図15図15は、本開示の実施形態に係る管の改良された血管造影イメージである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の原理の理解を促進する目的のため、ここで図面に図示された実施形態について参照し、これを記述するために特定の用語が用いられる。しかしながら、本開示の範囲に如何なる限定も意図されないものと理解される。記述された装置、システム、及び方法の如何なる変更及び更なる変更、また本開示の原理の如何なる更なる用途は、本開示が関連する技術分野の当業者に通常に生じるように、十分に検討され、本開示内に含まれる。特には、一つの実施形態に関して記述された特徴、構成要素、及び/又はステップが、本開示の別の実施形態に関して記述した特徴、構成要素、及び/又はステップに組み合わされることが十分に検討される。しかしながら、簡潔さのため、これらの組み合わせの多数の反復が別々に記述されない。
【0011】
図1及び図2を参照すると、本開示の実施形態に係る狭窄を有する管100が図示される。これについて、図1は、管100の斜視模式図であり、図2は、図1の断面線2−2に沿って取られた管100の一部の部分断面斜視図である。図1をより詳細に参照すると、管100は、近位部102及び遠位部104を含む。内腔106が管100の長さに沿って近位部102と遠位部104の間で延びる。これについて、内腔106は、管を通じた流体の流れを許容するように構成される。幾つかの場合、管100は、血管である。幾つかの特定の場合、管100は、冠動脈である。そのような場合、内腔106は、管100を通じた血液の流れを促進するように構成される。
【0012】
図示のように、管100は、近位部102と遠位部104の間に狭窄108を含む。狭窄108は、概して、任意の閉塞又は他の構造配列の代表であり、管100の内腔106を通じた流体の流れを制限することに帰結する。本開示の実施形態は、広範囲の導管用途に適し、限定の意図なく述べれば、冠動脈、末梢(限定するわけではないが、下肢、頸動脈、及び神経導管を含む)、腎臓、及び/又は静脈を含む。管100が血管の場合、狭窄108は、プラーク構築の結果であり、限定するわけではないが、繊維状、繊維脂質(繊維脂肪)、壊死性コア、石灰化(濃厚カルシウム)、血液、初期血栓、及び成熟血栓といったプラーク物質を含む。概して、狭窄の組成が、評価される管の種類に依存する。これについて、本開示のコンセプトは、事実上、減少した流体の流れに帰結する任意の種類の管の閉塞又は他の狭化に適用可能である。
【0013】
図2をより特に参照すると、管100の内腔106は、狭窄108の近位の径110と、狭窄の遠位の径112を有する。幾つかの場合、径110及び112が、実質的にお互いに等しい。これについて、径110及び112は、狭窄108と比較して内腔106の健康部位、若しくは少なくともより健康な部位を表すことが意図される。従って、内腔106のこれらのより健康な部位は、実質的に一定の円筒プロファイルを有するように図示され、結果として、内腔の高さ又は幅が径と呼ばれる。しかしながら、多くの場合、内腔106のこれらの部分が、プラーク構築部、非対称プロファイル、及び/又は他の不規則性を有するが、狭窄108のよりも小さい程度であり、従って、円筒プロファイルを有しないものと理解される。そのような場合、径110及び112は、内腔の相対的なサイズ又は断面積の表現と理解され、断面円形プロファイルを意味しない。
【0014】
図2に図示のように、狭窄108は、管100の内腔106を狭めるプラーク構築部114を含む。幾つかの場合、プラーク構築部114は、均一又は対称なプロファイルを有せず、そのような狭窄の血管造影評価の信頼性を低める。図示の実施形態においては、プラーク構築部114が、上部116及び対向する下部118を含む。これについて、下部118が、上部116と比較して増加した厚みを有し、狭窄108の近位及び遠位の内腔の部分と比較して非対象及び不均一なプロファイルに帰結する。図示のように、プラーク構築部114が、流体が内腔106を通じて流れることに利用できる空間を低減する。特には、内腔106の断面積が、プラーク構築部114により減少される。上部及び下部116、118の間の最も狭い箇所で、内腔106が高さ120を有し、これは、狭窄108の近位及び遠位の径110及び112に対して減じられたサイズ又は断面積の表現である。プラーク構築部114を含む狭窄108は、実に例示のものであり、如何なる方法でも限定しない。これについて、狭窄108は、他の場合、内腔106を通じた流体の流れを制限する他の形状及び/又は組成を有するものと理解される。図1及び2に単一の狭窄108を有するものとして管100が図示され、以降の実施形態の記述が単一の狭窄に関して主に為される。しかしながら、本明細書に記述の装置、システム、及び方法が、多数の狭窄領域を有する管にとっても同様の用途を有するものと理解される。
【0015】
図3を参照すると、本開示の実施形態に係る位置付けられた機器130及び132を有する管100が図示される。概して、機器130及び132は、管内に位置付けられる大きさ及び形状の任意の形態の装置、機器、又はプローブであり得る。図示の実施形態においては、機器130は、概して、ガイドワイヤーを代表し、他方、機器132は、概して、カテーテルを代表する。これについて、機器130は、機器132の中央内腔を通じて延びる。しかしながら、他の実施形態においては、機器130及び132が別の形態を取る。これについて、機器130及び132は、幾つかの実施形態においては、同様の形態にある。例えば、幾つかの場合、両方の機器130及び132がガイドワイヤーである。他の場合、両方の機器130及び132がカテーテルである。他方、機器130及び132が、幾つかの実施形態においては、図示の実施形態といった異なる形態であり、機器の一方がカテーテルであり、他方がガイドワイヤーである。更には、幾つかの場合、図3の図示の実施形態に示されるように、機器130及び132がお互いに同軸に配置される。他の場合、機器の一つが他の機器の内腔の中心から外れて延びる。また別の場合、機器130及び132が横並びに延びる。幾つかの特定の実施形態においては、少なくとも一つの機器が、ラピッド・エクスチェンジ(rapid-exchange)カテーテルといったラピッド・エクスチェンジ装置であり得る。そのような実施形態において、他の機器が、バディーワイヤー(buddy wire)であり、若しくは他の機器が、ラピッド・エクスチェンジ装置の導入及び除去を促進するように構成される。また更には、他の場合、二つの別々の機器130及び132に変えて、単一の機器が用いられる。幾つかの実施形態においては、単一の機器が、両方の機器130及び132の機能性(例えば、データ取得)を統合する。
【0016】
機器130は、管100に関する診断情報を取得するように構成される。これについて、機器130は、管に関する診断情報を取得するように構成された1以上のセンサー、トランスデューサー、及び/又はモニタリング要素を含む。診断情報は、圧力、流速(速度)、イメージ(超音波(例えば、IVUS)、OCT、熱、及び/又は他のイメージング技術を用いて取得されたイメージを含む)、温度、及び/又はこれらの組み合わせの1以上を含む。1以上のセンサー、トランスデューサー、及び/又は他のモニタリング要素が、幾つかの場合、機器130の遠位部に隣接して位置付けられる。これについて、1以上のセンサー、トランスデューサー、及び/又は、他のモニタリング要素は、幾つかの場合、機器130の遠位端134から30cm未満、10cm未満、5cm未満、3cm未満、2cm未満、及び/又は、1cm未満に位置付けられる。幾つかの場合、1以上のセンサー、トランスデューサー、及び/又は、他のモニタリング要素の少なくとも一つが、機器130の遠位端に位置付けられる。
【0017】
機器130は、管100内の圧力をモニターするように構成された少なくとも一つの要素を含む。圧力モニタリング要素は、ピエゾ抵抗圧力センサー、ピエゾ電気圧力センサー、キャパシター圧力センサー、電磁圧力センサー、流体カラム(流体カラムの機器近位の部分に位置付けられた及び/又は機器から離れた流体カラムセンサーと連通した流体カラム)、光学圧力センサー、及び/又はこれらの組み合わせの形態を取り得る。幾つかの場合、1以上の圧力モニタリング要素の特徴が、半導体及び/又は他の適切な製造技術を用いて製造された固体状態部品として実施される。圧力モニタリング要素を含む商業的に入手可能なガイドワイヤー製品の例は、限定ではなく、ボルカノ・コーポレーションから入手可能であるPrimeWire PRESTIGE(登録商標)圧力 ガイドワイヤー、PrimeWire(登録商標)圧力ガイドワイヤー、及びComboWire(登録商標)XT圧力及び流速ガイドワイヤーを含み、同様に、セント・ジュード・メディカル・インコーポレイテッドから入手可能である、PressureWire(商標登録) Certus ガイドワイヤー、及びPressureWire(商標登録) Aeris ガイドワイヤーを含む。概して、機器130は、遠位圧力の読み出しに影響する、狭窄に亘る流体の流れに顕著に影響することなく狭窄108を通じて位置付けられることができる大きさにある。従って、幾つかの場合、機器130は、0.018’’以下の外径を有する。幾つかの実施形態においては、機器130が0.014’’未満の外径を有する。
【0018】
機器132は、管100に関する診断情報を取得するようにも構成される。幾つかの場合、機器132は、機器130と同一の診断情報を取得するように構成される。他の場合、機器132は、機器130とは異なる診断情報を取得するように構成され、これは、追加の診断情報、より少ない診断情報、及び/又は代替の診断情報を含み得る。機器132により取得される診断情報は、圧力、流速(速度)、イメージ(例えば、IVUS)、OCT、熱、及び/又は他のイメージング技術)、温度、及び/又はこれらの組み合わせの1以上を含む。機器132は、この診断情報を取得するように構成された1以上のセンサー、トランスデューサー、及び/又は他のモニタリング要素を含む。これについて、1以上のセンサー、トランスデューサー、及び/又は他のモニタリング要素は、幾つかの場合、機器132の遠位部に隣接して位置付けられる。これについて、1以上のセンサー、トランスデューサー、及び/又は他のモニタリング要素は、幾つかの場合、機器132の遠位端136から30cm未満、10cm未満、5cm未満、3cm未満、2cm未満、及び/又は、1cm未満に位置付けられる。幾つかの場合、1以上のセンサー、トランスデューサー、及び/又は、他のモニタリング要素の少なくとも一つが、機器132の遠位端に位置付けられる。
【0019】
機器130と同様、機器132は、管100内の圧力をモニターするように構成された少なくとも一つの要素も含む。圧力モニタリング要素は、ピエゾ抵抗圧力センサー、ピエゾ電気圧力センサー、キャパシター圧力センサー、電磁圧力 センサー、流体カラム(流体カラムの機器近位の部分に位置付けられた及び/又は機器から離れた流体カラムセンサーと連通した流体カラム)、光学圧力センサー、及び/又はこれらの組み合わせの形態を取り得る。幾つかの場合、圧力モニタリング要素の1以上の特徴が、半導体及び/又は他の適切な製造技術を用いて製造された固体部品として実施される。シーメンスAXIOM Sensis、Mennen Horizon XVu、及びフィリップスXper IM Physiomonitoring 5の1以上の現在入手可能な使用に適するカテーテル製品が、幾つかの場合、機器132に使用され得る。
【0020】
本開示の幾つかの側面においては、機器130及び132の少なくとも一つが、狭窄108の遠位で管100内の圧力をモニターするように構成され、機器130及び132の少なくとも一つが、狭窄の近位で管内の圧力をモニターするように構成される。これについて、機器130、132は、装置の構成に基づいて必要なように、狭窄108の近位及び/又は遠位に位置付けられ、管100内の圧力をモニターするように構成された少なくとも一つの要素の位置付けを許容する大きさ及び形状にある。これについて、図3は、狭窄108の遠位で圧力を測定することに適する位置138を図示する。これについて、幾つかの場合、位置138は、(図2に示すように)狭窄108の遠位端から5cm未満、3cm未満、2cm未満、1cm未満、5mm未満、及び/又は2.5mm未満である。図3は、狭窄108の近位で圧力を測定するための複数の適切な位置も図示する。これについて、位置140、142、144、146、及び148各々が、幾つかの場合、狭窄の近位で圧力をモニタリングすることに適する位置を表す。これについて、位置140、142、144、146、及び148は、20cmを超える値から約5mm以下までの範囲で狭窄108の近位端から変動する距離に位置付けられる。概して、近位の圧力測定が、狭窄の近位端から離間される。従って、幾つかの場合、近位の圧力測定が、狭窄の近位端から管の内腔の内径に等しい又はそれよりも大きい距離で取られる。冠動脈圧力測定においては、近位の圧力測定が、概して、管の近位部内で、狭窄の近位及び大動脈の遠位の位置で取られる。しかしながら、冠動脈圧力測定の幾つかの特定の場合、近位の圧力測定は、大動脈内の場所で取られる。他の場合、近位の圧力測定が、冠動脈の根元又は心門で取られる。
【0021】
幾つかの実施形態においては、機器130及び132の少なくとも一つが、内腔106を通じて動かされる間、管100内の圧力をモニターするように構成される。幾つかの場合、機器130は、内腔106を通じて及び狭窄108に亘り動かされるように構成される。これについて、機器130は、幾つかの場合、狭窄108の遠位に位置付けられ、狭窄に亘り近位方向に(つまり、引き戻し)、狭窄の近位の位置に動かされる。他の場合、機器130は、狭窄108の近位に位置付けられ、狭窄に亘り遠位方向に狭窄の遠位の位置へ動かされる。機器130の動きは、近位方向又は遠位方向のいずれでも、幾つかの実施形態においては、医療要員により手動で制御される(例えば、執刀医の手)。他の実施形態においては、機器130の動きは、近位方向又は遠位方向のいずれでも、動き制御装置(例えば、ボルカノ・コーポレーションからのTrak Back(登録商標)II装置といった引き戻し装置)により自動的に制御される。これについて、幾つかの場合、動き制御装置は、選択及び既知の速度(例えば、2.0mm/s、1.0mm/s、0.5mm/s、0.2mm/sなど)で機器130の動きを制御する。管を通じた機器130の動きは、幾つかの場合、引き戻し又は押し通しのそれぞれについて連続である。他の場合、機器130が、管を通じて段階的に動かされる(つまり、規定の距離及び/又は規定の時間で繰り返し動かされる)。以降に記述の視覚描写の幾つかの側面は、機器130及び132の少なくとも一つが内腔106を通じて動かされる実施形態に特に適する。更には、幾つかの特定の場合、以降に記述の視覚描写の側面が、第2機器の存在と共に又はそれ抜きで、単一の機器が内腔106を通じて動かされる実施形態に特に適する。
【0022】
幾つかの場合、単一の機器の使用が、ドリフトと通常呼ばれる、時間に亘る他方との比較での一つの機器の圧力測定における変動に関する問題を回避する点で有益である。これについて、伝統的な冠血流予備量比(FFR)測定におけるドリフトの主要源は、ガイドカテーテルの圧力の測定値に対するガイドワイヤーの圧力の測定値の差である。これについて、FFRが、カテーテルにより取得された圧力測定値に対するガイドワイヤーにより取得された圧力測定値の比として計算されるため、この差が、得られるFFR値への影響を有する。対照的に、管を通じて動かされる時に圧力測定値を取得するために単一の機器が用いられる場合、ドリフトが無視可能又は存在しない。例えば、幾つかの場合、管を通じて動かされる間、圧力における相対的な変化を取得するために単一の機器が用いられ、圧力測定間の時間期間が十分に短く、機器の圧力感度の変化からの任意の影響を阻止する(例えば、500ms未満、100ms未満、50ms未満、10ms未満、5ms未満、1ms未満、又は他のもの)。
【0023】
ここで図4を参照すると、本開示の実施形態に係るシステム150が図示される。これについて図4は、システム150の概略模式図である。図示のように、システム150は、機器152を含む。これについて、幾つかの場合、機器152は、上述の機器130及び132の少なくとも一つとしての使用のために適する。従って、幾つかの場合、機器152は、機器130及び132に関して上述したものと同様の特徴を含む。図示の実施形態においては、機器152は、遠位部154及び遠位部に隣接して位置付けられたハウジング156を有するガイドワイヤーである。これについて、ハウジング156は、機器152の遠位端から約3cm離間される。ハウジング156は、管に関する診断情報を取得するために構成された1以上のセンサー、トランスデューサー、及び/又は他のモニタリング要素を収容するように構成される。図示の実施形態においては、ハウジング156は、機器152が位置付けられる内腔内の圧力をモニターするように構成された圧力センサーを少なくとも含む。シャフト158がハウジング156から近位方向に延びる。トルク装置160が、シャフト158の近位部上に位置付けられ、結合される。機器152の近位端部162が、コネクター164に結合される。ケーブル166が、コネクター164からコネクター168に延びる。幾つかの場合、コネクター168は、インターフェイス170に差し込まれるように構成される。これについて、インターフェイス170は、幾つかの場合、患者インターフェイスモジュール(PIM)である。幾つかの場合、ケーブル166が、ワイヤレス接続で置き換えられる。これについて、機器152とインターフェイス170間の様々な通信路が利用されるものと理解され、物理的な接続(電気、光学、及び/又は流体接続を含む)、無線接続、及び/又はこれらの組み合わせを含む。
【0024】
インターフェイス170は、接続174を介して計算装置172に通信可能に結合される。概して、計算装置172は、本開示に記述の処理及び分析技術を実行することに適する任意の装置の代表である。幾つかの実施形態においては、計算装置172は、プロセッサー、ランダムアクセスメモリー、及び記憶媒体を含む。これについて、幾つかの特定の場合、計算装置172は、本明細書に記述のデータ取得及び分析に関連したステップを実行するようにプログラムされる。従って、データ取得、データ処理、機器制御、及び/又は本開示の他の処理又は制御の側面に関連した任意のステップが、計算装置によりアクセス可能な非一時的コンピューター読み取り可能媒体上に又はそこに記憶された対応の指令を用いて計算装置により実行されるものと理解される。幾つかの場合、計算装置172は、コンソール装置である。幾つかの特定の場合、計算装置172は、s5(商標登録)イメージングシステム又はs5i(商標登録)イメージングシステムと同様であり、各々が、ボルカノ・コーポレーションから入手可能である。幾つかの場合、計算装置172は、ポータブルである(例えば、手持ち、ローリングカート上など)。更には、幾つかの場合、計算装置172は、複数の計算装置を備えるものと理解される。これについて本開示の異なる処理及び/又は制御側面が、複数の計算装置を用いて別々又は事前規定されたグループ内で実施されるものと特に理解される。多数の計算装置間での以降に記述の処理及び/又は制御側面の分割及び/又は統合が本開示の範囲内にある。
【0025】
一緒に、コネクター164、ケーブル166、コネクター168、インターフェイス170、及び接続174が、機器152の1以上のセンサー、トランスデューサー、及び/又はモニタリング要素と、計算装置172の間の通信を促進する。しかしながら、この通信路は、実に例示のものであり、如何なる場合にも限定するものと理解されるべきではない。これについて、機器152と計算装置172の間の任意の通信路が採用されるものと理解され、物理的な接続(電気、光学、及び/又は流体接続を含む)、無線接続、及び/又はこれらの組み合わせを含む。これについて、幾つかの場合、接続174が無線であるものと理解される。幾つかの場合、接続174が、ネットワーク(例えば、イントラネット、インターネット、電話通信網、及び/又は他のネットワーク)上の通信リンクを含む。これについて、計算装置172は、幾つかの場合、機器152が用いられる施術エリアから離れて位置付けられるものと理解される。ネットワーク上の接続を含む接続174を持つことが、機器152と計算装置172の間の通信を促進することができ、計算装置が隣接の室、隣接のビル、又は異なる州/国にあるか否かを問わない。更には、機器152と計算装置172の間の通信路が、幾つかの場合、安全な接続であるものと理解される。また更には、幾つかの場合、機器152と計算装置172の間の通信路の1以上の部分上で通信されるデータが暗号化されるものと理解される。
【0026】
システム150は、機器175も含む。これについて、幾つかの場合、機器175は、上述した機器130及び132の少なくとも一つとしての使用に適する。従って、幾つかの場合、機器175は、機器130及び132に関して上述したものと同様の特徴を含む。図示の実施形態においては、機器175は、カテーテルタイプの装置である。これについて機器175は、管に関する診断情報を取得するように構成された機器の遠位部に隣接して1以上のセンサー、トランスデューサー、及び/又は他のモニタリング要素を含む。図示の実施形態においては、機器175は、機器175が位置付けられる内腔内の圧力をモニターするように構成された圧力センサーを含む。機器175は、接続177を介してインターフェイス176と通信される。幾つかの場合、インターフェイス176は、血流力学モニターリングシステム又は他の制御装置、例えば、シーメンスAXIOM Sensis、Mennen Horizon XVu、及びフィリップスXper IM Physiomonitoring 5である。一つの特定の実施形態においては、機器175が圧力センシングカテーテルであり、その長さに沿って延びる流体カラムを含む。そのような実施形態においては、インターフェイス176が、カテーテルの流体カラムに流体連通した止血バルブ、止血バルブに流体連通したマニホールド、及び構成部品を流体連通するのに必要な構成部品間を延びるチューブを含む。これについて、カテーテルの流体カラムは、バルブ、マニホールド、及びチューブを介して圧力センサーに流体連通している。幾つかの場合、圧力センサーは、インターフェイス176の一部である。他の場合、圧力センサーは、機器175とインターフェイス176の間に位置付けられる別の部品である。インターフェイス176は、接続178を介して計算装置172に通信可能に結合される。
【0027】
機器152及び計算装置172の間の接続と同様、インターフェイス176及び接続177及び178が、機器175の1以上のセンサー、トランスデューサー、及び/又は他のモニタリング要素と、計算装置172の間の通信を促進する。しかしながら、通信路がそもそも例示であり、どのような場合にも限定するではない。これについて、機器175と計算装置172の間の任意の通信路が用いられるものと理解され、物理的な接続(電気、光学、及び/又は流体接続を含む)、無線接続、及び/又はこれの組み合わせを含む。これについて、接続178が、幾つかの場合、無線であるものと理解される。幾つかの場合、接続178が、ネットワーク(例えば、イントラネット、インターネット、電話通信網、及び/又は他のネットワーク)上の通信リンクを含む。これについて、計算装置172が、幾つかの場合、機器175が用いられる手術エリアから離れて位置付けられるものと理解される。ネットワーク上の接続を含む接続178を持つことが、機器175とリモート計算装置172の間の通信を促進することができ、計算装置が隣接の室、隣接のビル、又は異なる州/国にあるか否かを問わない。更には、機器175と計算装置172の間の通信路が、幾つかの場合、安全な接続であるものと理解される。また更には、幾つかの場合、機器175と計算装置172の間の通信路の1以上の部分上で通信されるデータが暗号化されるものと理解される。
【0028】
本開示の他の実施形態においては、システム150の1以上の構成部品が含まれず、異なる配列/順番で実施され、及び/又は代替の装置/機構により置換されるものと理解される。例えば、幾つかの場合、システム150は、インターフェイス170及び/又はインターフェイス176を含まない。そのような場合、接続168(又は、機器152又は機器175と通信接続した他の同様の接続)が、計算装置172に関連したポートにプラグ接続される。代替として、機器152、175が、計算装置172と無線通信する。概して述べれば、機器152、175のいずれか又は両方と計算装置172の間の通信路が、中間ノードを持たず(つまり、直接接続)、機器と計算装置の間で一つの中間ノードを有し若しくは機器と計算装置の間で複数の中間ノードを有する。
【0029】
関心の対象の脈管構造内の診断情報が、1以上の機器130、132、152、及び175を用いて取得される。例えば、診断情報は、1以上の冠動脈、末梢動脈、脳血管等のために取得される。診断情報は、圧力関連値、流速関連値などを含むことができる。圧力関連値は、FFR、Pd/Pa(例えば、病変の近位の圧力に対する病変の遠位の圧力の比)、iFR(例えば、管の少なくとも一つの狭窄に亘ることを含む、第2機器に対して管を通じて第1機器が動かされる距離に関して診断ウィンドウを用いて計算された圧力比の値)を含むことができる。流速関連値は、冠血流予備量比又はCFR(例えば、通常の待機量を超える冠動脈を通じて流れる血流における最大増分)、ベース狭窄抵抗インデックス(BSR(basal stenosis resistance index))等を含むことができる。
【0030】
幾つかの実施形態においては、診断情報は、血管造影イメージ及び/又は患者の脈管構造の他の2次元又は3次元描写を含むことができる。機器130、132、152、及び/又は175により取得された診断情報及び/又はデータは、血管造影イメージ(群)及び/又は患者の脈管構造の他の2次元又は3次元描写に相関又は同時登録される。幾つかの場合、血管内機器の場所が、血管造影イメージ上に図示される。例えば、放射線不透過マーカーといった血管内機器の識別可能なマーカーが、血管造影イメージ上に視覚可能に図示され、マーカー、従って、血管内機器の場所を図示する。
【0031】
幾つかの実施形態においては、血管内機器の放射線不透過要素が、アルゴリズム的に配置され、差別化され、及び改善され、血管内装置の放射線不透過要素が、血管造影ディスプレイにおいてより簡単に視認される。例えば、幾つかの場合、放射線不透過要素が、血管造影イメージディスプレイの標準のグレースケールと対照を為す色(例えば、赤、青、黄、緑など)でディスプレイ表示される。図5は、代表のディスプレイを示し、血管造影イメージ300を図示し、血管内機器のマーカー302が視覚的にアクセントされて管304内に位置付けられる。幾つかの実施においては、血管造影イメージ300は、血管内装置の放射線不透過要素をアルゴリズム的に配置し、差別化し、及び改良するとともに改良される。例えば、幾つかの場合、血管造影イメージ300が、フィルター、処理、及び/又は他の方法で取り扱われ、血管造影イメージにおいてディスプレイ表示された組織の様々な部分と血管内装置(群)の間のコントラストを高める。これにより、ユーザーは、脈管構造内で血管内装置の場所、また従って、血管内装置で取得された生理測定値に関連した脈管構造の対応の部分をより簡単に識別することができる。図6は、図5の血管造影イメージ300のそのような改良法の後の血管造影イメージ310を示す。
【0032】
幾つかの場合、生理情報は、血管内機器の部分が脈管構造を通じて移動される時、血管造影イメージ(群)に相関又は同時登録される。例えば、図7は、多数の限局性病変を有する管を通じて血管内装置が動かされる通路を図示する血管造影イメージ320を示す。血管造影イメージとの血管内データの相関/同時登録を促進するため、幾つかの実施においては、管を通じて血管内機器を動かす間、少なくとも心拍(又は他の規則的な感覚)毎に一回、次の情報が取得及び記録される:パルス数;生理測定値(群);血管造影イメージ(及び配向);放射線不透過要素のイメージ上の場所;及び/又はスタート/ゼロ位置に対する導管の測定場所。情報が、次の使用及び/又は処理のためにチャート又は他のデータ構造において維持される。例えば、図8は、代表のチャート330を示す。幾つかの実施形態においては、血管内装置の動きが、毎心毎約1mmの解像度で追跡される。脈管構造に対する血管内装置の動きの相対的な量が、装置の近位部でリニアエンコーダー(例えば、患者の外)を用いてモニターされる。他の場合、相対的な移動量が、血管造影イメージの画像処理により決定される。
【0033】
血管造影イメージ(群)との血管内機器の場所(及び対応のデータ取得値)の同時登録は、既知の引き戻し速度/距離に基づいて、既知の開始点に基づいて、既知の終了点に基づいて、及び/又はこれらの組み合わせに基づいて、米国特許NO.7,930,014「導管イメージ同時登録」に開示の技術を用いて完了され、これが、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。幾つかの実施形態においては、診断情報及び/又はデータが、各々がその全体において参照により本明細書に組み込まれる、米国特許No.8,290,228「場所センシティブカーソル制御及び管分析のためのその使用」、2009年12月28日に出願された米国特許出願No.12/666,879「自動的な量的な管分析」、2008年3月9日に出願されたPCT出願No.PCT/IL2008/000316「動く器官のためのイメージング及びツール」、2008年3月10日に出願された米国特許出願No.12/075,244「動く器官のためのイメージング」、2008年3月10日出願の米国特許出願No.12/075,214「動く器官のためのツール」、及び2008年3月10日出願の米国特許出願No.12/075,252「動く器官のためのイメージング及びツール」の1以上の文献に記述のものと同様の技術を用いて管イメージに相関される。幾つかの実施形態においては、同時登録及び/又は相関が、米国仮特許出願No.61/856,509「管の評価のための装置、システム、及び方法」に記述のように完了され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
図9を参照すると、本開示の実施形態に係る血管内測定に基づいた管の改良された血管造影イメージ340が図示される。図示のように、血管内生理測定値は、血管内データが血管内機器により取得される時、血管内機器のマーカー(群)の場所に基づいて血管造影イメージ上に重ね合わされる。図9に示すように、管の血管造影イメージが、1以上の病変及び/又は血栓を識別し、及び/又はそれらの重大度を評価することを補助するように構成された1以上の表示により注釈付けられる。表示は、機器(例えば、機器130)が、管内に位置付けられ、及び/又は管を通じて動かされる時、機器により取得された生理学値に基づく。例えば、図9は、管の長さに沿う異なる箇所での(FFR又はiFRといった)圧力比計算値を図示する。管は、カラー化され、及び/又はヒートマップで表示され、機器が管を通じて動かされる時に取得された圧力測定の変化を図示する。例えば、図10は、図9と同じ圧力比計算値を示す改良された血管造影イメージ350を図示するが、ヒートマップアプローチを用い、異なる色で対応の圧力比の指標が提供される。このようにして、色が、病変の重大度、限局性又は広範性病変であるか否かの指標を提供する。
【0035】
幾つかの場合、ヒートマップに図示された圧力測定値が、管内の固定場所と、機器が管を通じて移動する時の機器の移動位置の間の圧力差の指標である。例えば、幾つかの場合、近位圧力測定が取得される位置の遠位の第1位置から、第1位置よりもより近位の第2位置(つまり、遠位圧力測定の固定位置により近い)へ管を通じて引き戻される間、近位の圧力測定が、管内の固定場所で取得される。
【0036】
本開示のコンセプトの明白な理解のため、他方が静止している間に引き戻しされた一つの機器を有する本構成を用いて本開示の多くの実施形態を記述する。しかしながら、コンセプトは、等しく他の構成にも適用可能であるものと理解される。例えば、幾つかの場合、機器が、管を通じて近位圧力測定場所の遠位の第1位置から、さらに遠位の第2位置(つまり、近位圧力測定の固定位置よりも更に離れた位置)へ押し通される。他の場合、遠位圧力測定が、管内の固定場所で取得され、機器が、管を通じて、遠位圧力測定の固定場所の近位の第1位置から、第1位置よりもより近位の第2位置(つまり、遠位圧力測定の固定位置よりも更に離れた位置)へ引き戻される。また、他の場合、遠位圧力測定が管内の固定場所で測定され、機器が、遠位圧力測定の固定場所の近位の第1位置から第1位置よりも近位ではない第2位置(つまり、遠位圧力測定の固定位置により近い位置)へ管を通じて押し通される。
【0037】
幾つかの場合、管内での2つの圧力測定値(例えば、固定場所の圧力測定値と移動中の圧力測定値)の間の圧力差は、2つの圧力測定値の比として計算される(例えば、移動中の圧力測定値が、固定場所の圧力測定値により除算される)。幾つかの場合、圧力差が、患者の各心拍のサイクルについて計算される。これについて、幾つかの実施形態においては、計算された圧力差は、心拍サイクルに亘る平均圧力差である。例えば、充血剤が患者に適用される幾つかの場合、心拍サイクルに亘る平均圧力差が、圧力差を計算するために用いられる。他の実施形態においては、心拍サイクルの一部のみが、圧力差を計算するために用いられる。幾つかの場合、圧力差は、心拍サイクルの診断ウィンドウの一部に亘る平均である。これについて、幾つかの実施形態においては、診断ウィンドウが、2012年4月30日出願の米国特許出願No.13/460,296「管を評価するための装置、システム、及び方法」に記述された1以上の技術を用いて選択され、それがその全体において参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記述のように、診断ウィンドウ及び関連の技術が、患者への充血剤を適用しない使用に特に適する。概して、充血剤の使用なく狭窄に亘る圧力差を評価するための診断ウィンドウが、1以上の近位圧力測定、遠位圧力測定、近位流速測定、遠位流速測定、ECG波形、及び/又は他の識別可能及び/又は測定可能な管の特性の側面の特徴及び/又は成分に基づいて識別される。これについて、様々な信号処理及び/又は計算技術が、1以上の近位圧力測定、遠位圧力測定、近位流速測定、遠位流速測定、ECG波形、及び/又は他の識別可能及び/又は測定可能な管の特性の側面の特徴及び/又は成分に適用され、適切な診断ウィンドウを特定する。
【0038】
幾つかの実施形態においては、診断ウィンドウの決定及び/又は圧力差の計算が、ほぼリアルタイム又はライブで実行され、セクション212及び計算された圧力差を特定する。これについて、本開示の内容において「リアルタイム」又は「ライブ」で圧力差を計算することが、10秒内のデータ取得で生じる計算を意味するものと理解される。しかしながら、たびたび「リアルタイム」又は「ライブ」計算が、1秒のデータ取得内で行われるものと理解される。幾つかの場合、「リアルタイム」又は「ライブ」計算が、データ取得と同時に行われる。幾つかの場合、計算が、データ取得間の遅延においてプロセッサーにより実行される。例えば、毎5ms、1msの間にデータが圧力センシング装置から取得されるならば、データ取得間の4msにおいて、プロセッサーが計算を行うことができる。これらのタイミングは例示のみであり、データ取得速度、処理回数、及び/又は計算に関する他のパラメーターが変更されるものと理解される。他の実施形態においては、圧力差の計算が、データ取得後、10秒以上で実行される。例えば、幾つかの実施形態においては、診断ウィンドウを特定するため及び/又は圧力差を計算するために用いられるデータが、事後の分析のために記憶される。
【0039】
計算された圧力差を閾値又は事前規定値と比較することにより、医師又は他の治療医療要員が、もし必要ならば、どの治療が施されなければならないかを決定することができる。これについて、幾つかの場合、閾値(例えば、0.00〜1.00のスケール上で0.80)を超える計算された圧力差が、第1の治療モード(例えば、治療なし、投薬療法など)を示し、他方、閾値未満の計算された圧力差が、第2又は侵襲的モード(例えば、血管形成、ステントなど)を示す。幾つかの場合、閾値が、固定の事前設定値である。他の場合、閾値が、特定の患者及び/又は特定の患者の狭窄について選択される。これについて、特定の患者のための閾値が、経験データ、患者特徴、患者歴、医師選択、利用可能な治療オプション、及び/又は他のパラメーターの1以上に基づく。
【0040】
これについて、生理値(physiology values)(例えば、圧力差測定値)の色づけ及び/又は他の視覚的に識別可能な側面が、閾値に基づいたものであり得る。色及びそれらの対応の生理値を示すインデックス又は重大度キーがユーザーに提供され得る。例えば、第1色(例えば、緑、ミディアムグレー、又は他のもの)が閾値よりもかなり上の値(例えば、閾値が、0.00〜1.00のスケール上で0.80の場合、0.85よりも上の値)を表し、第2色(例えば、黄色、白、又は他のもの)が閾値に近いが閾値よりも上の値(例えば、閾値が、0.00〜1.00のスケール上で0.80の場合、0.82と0.84の間の値)を表し、第3色(例えば、オレンジ、ライトグレー、又は他のもの)が閾値に近い値(例えば、閾値が、0.00〜1.00のスケール上で0.80の場合、0.79と0.81の間の値)を表し、及び第4色(例えば、赤、ダークグレー、又は他のもの)が閾値以下の値(例えば、閾値が、0.00〜1.00のスケール上で0.80の場合、0.79以下の値)を表す。任意の数の色の組み合わせ、スケーリング、分類、及び/又は他の特徴が、閾値に対する圧力差の相対的な値を視覚的に表すために利用されることが予期される。しかしながら、簡潔さのため、多数のバリエーションが個別に記述されない。
【0041】
幾つかの実施形態においては、図10に含まれるヒートマップは、例えば、累積的又は全ての圧力差に基づき、特定の点について選択された色が、管を通じて動かされたその点の機器と静止又は固定された機器の間の圧力差に基づいて決定される。他の実施形態においては、ヒートマップは、局在の圧力差に基づき、特定の点について選択された色が、その点と、1以上の周囲の点の圧力差の間の差分に基づいて決定される。これについて、幾つかの場合、局在の圧力差が、直に先行する点の間の差分として計算される。例えば、点Pnについての局在圧力差が、点Pnについての累積的又は全圧力差から点Pn-1についての全又は累積的圧力差を減算した値に等しい。他の場合、局在圧力差が、その点と、その点から規定の時間(例えば、10ms、5ms、2ms、1ms又は他の値)又は距離(例えば、10mm、5mm、2mm、1mm、又は他の値)で離れた点の間の差分として計算される。局在圧力差を用いることにより、病変又は狭窄の存在を度々伴う圧力差が顕著な変化の場所が特定される。
【0042】
改良された血管造影イメージは、管の部分間の生理値が閾値量だけ変化する管の変化点又は領域(transition points or areas)も特定することができる。幾つかの実施形態においては、閾値量が固定され、他方、他の実施形態においては、閾値量が患者間で変化する。1以上の変化点が、血管造影イメージ上の表示(visualizations)により識別される。例えば、管を横断するように延びるチックマーク(tick marks)といったマーキングが変化点を示すために用いられる。他の実施形態においては、マーキングが、異形状を取り(例えば、円、四角など)、管に対して異なる位置にあり(横、内など)、異なる大きさである等。変化点は、管の病変又は狭窄の境界の指標であり得、増加又は減少した圧力差に帰結し、管の色の変化により表示される。結果として、血管内測定の表示(例えば、血管内測定の数値表現、色の変化、マーキングなど)が、管内の病変又は狭窄の場所を特定し、また病変又は狭窄の重要度を評価する両方のために用いられる。
【0043】
血管内機器の値インジケーター又は数値表現が、血管内イメージ上にディスプレイ表示され、測定値が対応する患者の脈管構造内の場所を示す。これについて、値インジケーターが、管の対応部分に隣接してディスプレイ表示され、若しくは、管の対応部分から更に離れてディスプレイ表示されるが、測定値の場所を示す追加の視覚要素(例えば、矢印、直線、曲線など)を有する。例えば、図11は、改良された血管造影イメージ360を示し、FFR計算値、関連の近位及び遠位圧力測定値、及び比が、血管造影イメージ上の対応の場所を特定する矢印でディスプレイ表示されている。同様、図12は、改良された血管造影イメージ370を示し、FFR計算値、関連の近位及び遠位圧力測定値、及び比が、血管内機器の引き戻しに関連した管の長さに沿う複数の場所で対応の場所を特定する矢印でディスプレイ表示されている。テキスト又は血管内データを囲うボックスの色が、ヒートマップと同様の態様でコード化された色であり、実際の値に加えて血管内データの色が、病変の重大度に関してユーザーに指標を提供する。
【0044】
幾つかの実施形態においては、値インジケーターが、生理測定値のみ含み(例えば、「0.96」)、他方、他の実施形態においては、値インジケーター204が、生理測定の値と種類を含む(例えば、「0.95 FFR」)。また他の実施形態においては、測定が取られた時間、狭窄又は病変の重大度等といった追加の情報が提示される。例えば、ユーザーは、値インジケーターにディスプレイ表示されるべき情報の種類を選択するユーザー入力(例えば、ドロップダウンメニュー、利用可能なオプションを通じたトグルなど)を提供する。各値インジケーターについて、ラベルも提示され得る。ラベルは、アルファベット、数字、及び/又は他のシンボル記号を含むことができる。ラベルは、マーキング及び/又は値インジケーターを特定することを補助する(例えば、異なるマーキング/値インジケーターの間を区別し、及び/又は管描写の議論を促進する)。ラベルが、主要及び/又は非主要管又はそのセグメントの名前を提供するテキスト表示であり得る。ラベルは、アルファベット、数、及び/又は他のシンボル記号を含むことができる。幾つかの実施形態においては、ラベルは、患者の脈管構造の部分のリストに対応し得る。
【0045】
幾つかの実施形態においては、マーキング及び/又は値インジケーターが自動的に位置付けられる。システムは、取得された血管内情報に基づいて臨床的に顕著な管内の場所(例えば、生理値が顕著に変化した場所)を選択するように構成される。幾つかの実施形態においては、マーキングは、管の長さに沿って動かされる。例えば、ユーザーは、ユーザー入力(例えば、マーキングのクリック・アンド・ドラッグ、マーキングをクリックし、それを選択し、次に、それが移動するべき新しい場所をクリックするなど)を提供し、マーキングに動きを生じさせる。値インジケーターは、対応して、新しい場所に基づくデータ及び/又は新しい場所に基づく動きでデータをアップデートする。つまり、値インジケーターは、管の長さに沿って診断情報をディスプレイ表示することができる。この態様において、ユーザーは、マーキング及び/又は値インジケーターを動かすことにより管の対象の領域を選択し、より高い圧力差、病変、及び/又は狭窄の管の場所を示す。
【0046】
幾つかの実施形態においては、関心の領域を示す表示(visualizations)が、多数のマーキング及びマーキング間のコネクターを含む。幾つかの実施形態においては、マーキングが個別に動かされ、コネクターが、対応して、それらの間の空間に亘るように長くなり又は短くなる。他の実施形態においては、マーキング及びコネクターが、固定された長さ又はそれらの間の間隔で管に沿って一括して平行移動される。
【0047】
図13を参照すると、図示のものは、基礎の近位及び遠位圧力測定値の対応の圧力グラフ、及び計算を行い及び/又は血管造影イメージに血管内情報を同時登録するために用いられた血管内情報のチャートと共に、FFR計算値、関連の近位及び遠位圧力測定値、及び比を含む改良された血管造影イメージ380である。圧力グラフ及びチャートは、そもそも例示のものであり、幾つかの実施形態においては、血管内情報がより伝統的なフォーマットで血管造影イメージの部分上に提示されるという事実を指摘する。以降に記述のように、幾つかの場合、ユーザーは、どの血管内情報及びどのフォーマットで改良された血管造影イメージ上にディスプレイ表示されるのかを選択することができる。
【0048】
管の1以上のイメージ、これらのイメージの表示(visualizations)、及び/又は測定された生理値が、外科手術を行うか否か及び/又はどのように外科手術を行うのかを評価するために利用される。例えば、1以上の病変又は狭窄の場所、程度、及び重大度を示す、管の測定された生理値及び/又はイメージが、異なる治療オプションの可能性を予測するために用いられる。対象領域が、脈管構造にてどのように及び/又はどこで介入するかを決定するために用いられる。例えば、1以上の病変又は狭窄の場所、程度、及び重大度が、ステントの数、ステントの長さなどを推定するために用いられる。生理値は、本明細書に記述のように、リスク/利益の数字又は他の客観的な指標を計算するためにも用いられる。リスク/利益の客観的な指標は、外科手術を行うか否か及び/又はどのように外科手術を行うかを評価するために用いられ得る。
【0049】
1以上の表示(visualizations)が、1以上の他の管データ収集モダリティーを利用して病変又は狭窄及び/又は管の特徴に関する情報を含む又は追加される。病変又は狭窄及び/又は管の他の表現が、例えば、IVUS(仮想組織構造を含む)、OCT、ICE、熱、赤外、流速、ドップラー流、及び/又は他の管データ収集モダリティーを含むことができる。追加の情報は、管の特徴のより完全及び/又は正確な理解を提供し、及び/又は病変又は狭窄に関連するリスクを評価することを補助することができる。例えば、幾つかの場合、情報が、管の閉塞性値(occlusive value)を含むことができる。管の閉塞性値及び/又は他の追加の情報が、狭窄又は病変に関連したリスクの客観的な測定値を計算するために用いられる。
【0050】
図14及び15を参照すると、図示のものは、圧力測定値及び流速測定値の両方に基づく表示(visualizations)を含む改良された血管造影イメージである。特には、図14は、血管内機器の引き戻しに関連して管の長さに沿って多数の場所で対応の場所を特定する矢印でディスプレイ表示されたCFR及びFFR計算値の両方を有する改良された血管造影イメージ390を示す。図15は、同様の特徴を有する改良された血管造影イメージ400を示すが、対応の圧力測定値、流速測定値のグラフ、及び/又は計算を行い及び/又は血管造影イメージに血管内情報を同時登録するために用いられた血管内情報のチャートも含む。
【0051】
多数の他の表示技術(visualization techniques)が、ユーザーによる管の評価を助けるため、血管造影イメージ又は他の管のイメージ(IVUS、OCT、ICE、CTA等といった血管内及び外の両方の導管イメージング技術を含む)と情報を伝達するために用いられるものと理解される。これについて、本開示の例が血管造影イメージに関して提示されたが、血管内及び導管外のイメージングを含む他の種類の管のイメージング技術にも等しく本コンセプトが適用可能であるものと理解される。
【0052】
幾つかの場合、ユーザーは、ディスプレイ表示されたイメージにどの情報が含まれるべきか、又はそこから除外されるべきかを選択することができる。これについて、血管造影又は管の他のイメージと共に圧力測定データを伝達することに関連したこれらの表示技術(visualization techniques)が、個別、又は任意の組み合わせで用いられる点に留意されたい。例えば、幾つかの実施においては、ユーザーは、どの表示モード(群)(visualization modes(s))及び/又はその部分が用いられるかを選択することができ、システムは、従ってディスプレイ表示を出力する。更には、幾つかの実施においては、ユーザーは、ディスプレイ表示されたイメージに手動で注釈してメモを含めることができ、1以上の測定されたパラメーターを入力することができる。幾つかの場合、ユーザーは、グラフ、テーブル、及び/又は重ね合わされた生理学的データに対応する他のデータを示し又は隠すいずれかのオプションを有する。このため、ユーザーが、グラフ、テーブル、及び/又は他のデータをディスプレイ表示するためクリック又は他の方法で選択し、ユーザーに特定の関連のデータ又は他の関心の情報をズームインすることを含む。
【0053】
管のイメージは、3次元、2次元、血管造影、コンピューター・トモグラフィー血管造影(CTA)、及び/又はイメージの他の適切なフォームを含むことができる。幾つかの実施形態においては、3次元イメージが、垂直軸周りに回転される。幾つかの実施形態においては、2次元イメージが、垂直軸周りに多数のビューを含み、イメージが回転される時、異なる2次元ビューが示される。幾つかの実施においては、3次元モデルが、対応の管の2次元描写の近くにディスプレイ表示される。これについて、ユーザーは、どの表示モード(群)及び/又はその部分が利用されるのかと共に、描写(群)のタイプ(2次元(イメージングモダリティータイプを含む)及び/又は3次元)の両方を選択することができる。システムは、ユーザーの好み/選択及び/又はシステムデフォルトに基づいて対応のディスプレイ表示を出力する。
【0054】
当業者は、ユーザーの好み、ターゲットの生理機能、用いられる血管内機器(群)の種類(群)、利用可能な処理リソース、手順時間などといった様々な要因に依存して、上述した特徴が多くの異なる方法にて実施され得るものと理解する。しかしながら、本開示の実施形態に係る生理測定値が重ね合わされた改良された血管造影イメージを生成するための例示の技術が、ここで記述される。結果物は、選択されたシンボル設定を用いて放射線不透過場所及び/又は付随の生理測定値を強調するように構築された複合イメージ(一連のイメージ)である。以降に記述のステップが、異なる順番で実行され、追加のステップを含み、記述のステップを省略し、及び/又はさもなければ本開示の範囲から逸脱することなく修正され得るものと理解される。
【0055】
幾つかの場合、方法は、生理組織オーバーレイ・ディスプレイ表示設定(physiology overlay display settings)を規定することをユーザーに許容することから開始する。つまり、ユーザーは、どの情報及びどの形式においてディスプレイ表示されるべきかを規定する。システムは、デフォルト設定、グループ設定、及び/又は個人設定を含み得る。グループ設定は、ユーザーのグループにディスプレイ表示設定を共有することを許容する。多数のグループが規定でき、各々が、カスタム設定を有する。同様に、個人設定が個人ユーザーにカスタムディスプレイ表示設定を持つことを許容する。繰り返しになるが、多数の個人設定が規定され、各々が、カスタム設定を持つ。オーバーレイ設定は、本出願に記述の任意の特徴のためのディスプレイ表示パラメーターを設定するために利用され得る。簡潔さのため、少数のオプションが記述される。例えば、個人又はグループは、固有のシンボル(矢印、円、Pd、FFR、CFR、FFR/CFR等)、シンボルの組み合わせ(矢印/FFR、矢印/CFR等)、シンボルカラー、シンボルアクション(フェードイン/フェードアウト、ストローブ(strobe)等)などを用いて、どのように導管場所を高め、またどのように血管造影イメージ上に生理測定値(群)をディスプレイ表示するのかを選択することができる。
【0056】
規定された初期の生理組織オーバーレイ・ディスプレイ表示設定では、血管内機器が組織内に位置付けられ、血管内情報を取得するために用いられる。幾つかの場合、オプションの充血剤が施される。(ボタン、ボイスコマンド等を介して)生理組織オーバーレイが有効になると、システムは、ピクセルの場所を計算し、ディスプレイ内の血管造影イメージ(群)に関して血管内機器の全ての放射線不透過要素を個別に識別する。幾つかの実施においては、同一のガイドワイヤー上の多数の放射線不透過要素が個別に識別される(長さ、放射線不透過性など)。血管内情報又は生理組織が、血管内機器により測定され、血管内/生理測定値が、検出場所(又は検出焦点)にある放射線不透過要素に対応する2次元表示場所に関連付けられる。概して、重複のイメージ(すなわち、放射線不透過要素の場所が同一又は「等しい」)が、概して無視される。選択された生理組織オーバーレイ・ディスプレイ表示設定から事前選択されたシンボル(群)が、次に、特定された2次元ディスプレイ表示場所で血管造影イメージ上に重ね合わされる。オプションとして、複合イメージ及び関連要素(時間スタンプ、血管造影配向など)が、別の基礎のデータとは別の新しい単一の要素として記憶される。この手順が、血管内機器が管を通じて移動される時、心拍(又は他の一般的な間隔)毎に繰り返される。幾つかの場合、一回の心拍についてデータが取得される。複合イメージ(群)が、次に、ユーザーにディスプレイ表示される。幾つかの場合、多数の複合イメージが、血管内装置の移動過程で取得された異なる基礎の血管造影イメージを用いて提示される。幾つかの場合、異なる血管造影イメージが異なる配向からであり、管の代替のビューを許容する。例えば、幾つかの場合、2面血管造影法(bi-plane angiography)が用いられる。
【0057】
本開示の側面は、(1)ターゲットの導管領域について限局性及び/又は広範性狭窄の重要度の包括的マップ;(2)広範性狭窄上に重ね合わされた進行性狭窄についてCFRがリニアにFFRに関連するデモンストレーション;(3)限局性及び広範性病気の相対的な貢献が、直線的なCFR及びFFR関係に沿ってスロープ及び値を規定するとのデモンストレーション;及び(4)CFR及びFFR値の不一致が、いずれかのツールの欠陥ではなく、限局性及び広範性病気の異なる両極端(divergent extremes)を反映することの提示を提供する。
【0058】
当業者は、また、上述の機器、システム、及び方法が様々な方法で修正されるものと理解する。従って、当業者は、本開示により指南された実施形態が、上述の特定の例示の実市形態に限定されないものと予期する。これについて、説明のための実施形態が図示及び記述されたが、広範囲の修正、変更、及び代替が、上述の開示において検討される。そのようなバリエーションが、本開示の範囲から逸脱することなく為され得るものと理解される。従って、添付請求項が広義及び本開示に一貫した態様で解釈されることが適切である。
図1
図2
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図5
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図10
図11
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図15