【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、複数の個々の長さの細長い繊維強化材料を物品に塗布するための複合材料レイアップ機が提供され、レイアップ機は、支持ヘッドと、複数の個々の長さの細長い繊維強化材料を断つための支持ヘッドによって保持される切断機構と、を備え、切断機構は、支持ヘッドに結合されて支持ヘッドに対して移動可能な複数の切断要素と、支持ヘッドに取り外し可能に取り付けられたカセットであって、これに静的に設置された複数の対応する反作用要素を有するカセットと、を備え、各切断要素は、それぞれの切断要素と反作用要素がそれらの間に形成されたニップを通って延びる或る長さの細長い繊維強化材料を断つように協働する切断ストロークを行うべく対応する反作用要素に対して変位可能である。「静的に」とは、使用中に反作用要素が切断ストロークを行うために動かないことを意味する。
【0010】
複数の切断要素がカセットから分離されてもよい。切断機構は、反作用要素を切断要素から分離するためにカセットを支持ヘッドから取り外すことができるように構成されてもよい。
【0011】
切断機構は、カセットと、カセットに静的に設置される複数の反作用要素と、を備えるカセット組立体を備えてもよい。切断機構は、カセット組立体を切断要素から分離するためにカセット組立体を支持ヘッドから取り外すことができるように構成されてもよい。切断機構は、カセット組立体を切断要素とは独立して支持ヘッドから取り外すことができるように構成されてもよい。
【0012】
カセット組立体は可動部を有していなくてもよい。言い換えれば、カセット組立体は、機器の動作中に支持ヘッドに対して静止したままであるように構成される部分からなってもよい。
【0013】
カセットは、前面及び後面を有してもよい。切断要素が切断ストローク中にカセットの後面を通過するように、カセットが支持ヘッドに取り付けられる場合に切断要素の近傍に後面があってもよい。前面は、物品の近傍または機器の塗布領域の近傍にあってもよく、ニップから離間されており、そこからいくつかの長さの繊維強化材料を物品に塗布することができる。
【0014】
反作用要素は、カセットに取り外し可能に設置されてもよい。
【0015】
切断要素は、反作用要素よりも硬い材料からなってもよい。
【0016】
カセットは、複数の誘導ダクトを備えてもよい。各反作用要素は、それぞれの誘導ダクトに隣接して配置されてもよく、反作用要素と対応する切断要素との間のニップから離れるように繊維強化材料を誘導するように構成されてもよい。
【0017】
各誘導ダクトは、ダクト入口開口部からダクト出口開口部にテーパする外形を有してもよい。
【0018】
カセットから離れるように個々の長さの繊維強化材料を誘導するように構成された出口誘導ローラをカセットが備えてもよい。
【0019】
各反作用要素は切れ刃を有してもよく、各切断要素は切れ刃を有してもよい。各切断要素の切れ刃は、切断ストロークにおいて切断要素と反作用要素がはさみの作用で協働するように、対応する反作用要素の切れ刃に対して傾斜していてもよい。
【0020】
各反作用要素の切れ刃は、切断ストロークにおいて対応する切断要素の切れ刃がたどる経路に触れてもよい。
【0021】
反作用要素は、実質的に平らであってもよい。カセットは、各反作用要素の切れ刃を対応する切断要素の方に弾性的に偏向することができる調整手段をさらに備えてもよい。調整手段は、各反作用要素につき1つである、複数の調整ねじを含んでもよい。各調整ねじは、その反作用要素に作用するように調整されてもよく、これにより、切れ刃を偏向する。
【0022】
複数の反作用要素は、少なくとも1つの列に、隣り合わせて配置されてもよい。反作用要素の2つの列が存在してもよい。反作用要素の第1の列の切れ刃は、反作用要素の第2の列の切れ刃に面していてもよい。少なくとも2つの反作用要素は、カセットに取り外し可能に設置されるホルダによってカセットに設置されてもよい。少なくとも2つの反作用要素のそれぞれは、ホルダに個々に取り外し可能に設置されてもよい。2つのホルダが存在してもよく、反作用要素の各列はそれぞれのホルダに対応する場合がある。
【0023】
各切断要素は、ピボット軸を中心としてピボット運動可能な場合がある別個の細長いアームに結合されてもよい。細長いアームは、切断ストローク中に円弧状経路に沿って切断要素を動かすように配列されてもよい。各切断要素の切れ刃は、対応するピボット軸に実質的に平行であってもよい。各反作用要素の切れ刃は、対応するピボット軸に対して傾斜していてもよい。
【0024】
本発明の一態様によれば、複合材料レイアップ機において細長い繊維強化材料を断つための切断機構が提供され、切断機構は、それらの間のニップを通って延びる繊維強化材料を断つように協働する切断要素及び反作用要素を備え、切断要素は、切断ストロークを行うべく反作用要素に対して切断要素を変位させるためにニップから離間されたピボット軸を中心としてピボット運動可能な細長いアーム上に設置され、機構は、ピボット軸を横断する送り方向にニップを通して繊維強化材料を誘導するように構成された誘導手段と、切断ストロークにおいて細長いアームを駆動するための作動装置と、をさらに備え、作動装置は、切断要素から離れた位置で細長いアームに作用する。
【0025】
作動装置は、ピボット軸の一方の側部上で細長いアームに作用してもよく、切断要素は、ピボット軸の反対の側部上で細長いアーム上に設置されてもよい。ピボット軸が細長いアームからオフセットされる構成では、ピボット軸の位置は、細長いアーム上へのピボット軸の垂直投影とみなされる。
【0026】
細長いアームは、ピボット軸に実質的に垂直な平面内に延びてもよい。誘導手段は、ピボット軸に実質的に垂直な平面内に延びる誘導経路に沿って繊維強化材料を誘導するように構成されてもよく、細長いアームに沿って延びてもよい。
【0027】
誘導手段は、ニップに隣接する出口を有する誘導チャネルを含んでもよい。誘導チャネルは細長いアームに形成されてもよい。誘導チャネルは、その長さの少なくとも一部にわたって囲われたチャネルであってもよく、この場合、出口はスロットであってもよい。誘導チャネルは、一方の端でピボット運動可能である場合がある取り外し可能なカバーを備えてもよい。
【0028】
切断要素は、切断要素の切れ刃がチャネルの端に位置するように配置されてもよい。細長いアームは、第1の切断要素を受け入れるためのスロットを備えてもよい。切断要素の切れ刃は出口のリップを提供してもよい。切断要素は、切断要素の切れ刃で終端するチャネルの表面と面一の誘導面を有してもよい。
【0029】
切断要素は、交換可能であるように細長いアーム上に取り外し可能に設置されてもよい。切断要素は硬化された材料を含んでもよい。
【0030】
切断要素及び反作用要素は、切断ストロークによって繊維強化材料に形成された切断部が細長い繊維複合材料を横断する方向に及び/又はピボット軸に実質的に平行に延びるように配置されてもよい。
【0031】
繊維強化材料が、ピボット軸を含む平面に垂直な方向にそれらの間を通過できるように切断要素及び反作用要素が配置されてもよい。
【0032】
切断要素及び反作用要素は、切断ストロークにおいて切断要素と反作用要素がはさみの作用で協働するように互いに対して傾斜しているそれぞれの切れ刃を有してもよい。切断要素及び反作用要素は、対向する切れ刃を有してもよい。
【0033】
切断要素及び反作用要素は、それぞれの切れ刃を有してもよく、反作用要素の切れ刃は、切断ストロークにおいて切断要素の切れ刃がたどる円弧状経路に触れてもよい。
【0034】
細長いアームは、ピボット軸を中心としたピボット運動可能な移動のための構造支持体に設置されてもよく、ピボット軸は構造支持体に対して固定されている。
【0035】
切断要素は、アレイに配置された複数の切断要素のうちの1つであってもよく、少なくとも1つの反作用要素が存在する場合があり、各切断要素は、切断要素とそれぞれの反作用要素との間のそれぞれのニップを通って延びるそれぞれの長さの繊維強化材料を断つべく反作用要素又は反作用要素のうちの1つと協働する。各切断要素は、切断ストロークを行うべく反作用要素又はそれぞれの反作用要素に対して切断要素を変位させるために、ニップから離間されたピボット軸を中心としてピボット運動可能な対応する複数の細長いアームのうちの1つに設置されてもよい。誘導手段は、ピボット軸又は各ピボット軸を横断する場合がある送り方向でニップを通して繊維強化材料を誘導するように構成されてもよい。それぞれの切断ストロークにおいて細長いアームを駆動するための少なくとも1つの作動装置が存在してもよく、作動装置又は各作動装置は、それぞれの切断要素から離れた位置で細長いアームに作用してもよい。
【0036】
細長いアームのアレイのピボット軸は互いに実質的に平行であってもよい。細長いアームのアレイのピボット軸は互いに実質的に一致していてもよい。
【0037】
アレイは、ピボット軸を通って延びる平面の反対側に配置される少なくとも2つのアレイのうちの1つであってもよい。
【0038】
アレイ又は各アレイの細長いアームは、列をなすように実質的に隣り合わせて配置されてもよい。細長いアームの少なくとも2つの列が存在してもよく、各列の細長いアームは、実質的に隣り合わせて配置されてもよい。切断機構の遠位端に向かって収束する場合がある細長いアームの2つのアレイが存在してもよい。
【0039】
少なくとも1つの作動装置は、それらを一斉に駆動するために2つ以上の細長いアームに結合されてもよい。各作動装置は、単一の細長いアームに作用してもよい。互いに独立して動作可能である場合がある複数の作動装置が存在してもよい。
【0040】
少なくとも1つの反作用要素は、少なくとも2つの異なる切断要素と協働するように配列されてもよい。各反作用要素は、単一の切断要素と協働するように配列されてもよい。
【0041】
本発明の一態様によれば、複合材料レイアップ機において細長い繊維強化材料を断つための切断機構が提供され、切断機構は、複数の切断要素と少なくとも1つの反作用要素とを備え、各切断要素は、切断要素とそれぞれの反作用要素との間のそれぞれのニップを通って延びるそれぞれの長さの繊維強化材料を断つために反作用要素又は反作用要素のうちの1つと協働し、各切断要素は、切断ストロークを行うべくそれぞれの反作用要素に対して切断要素を変位させるためにニップから離間されたピボット軸を中心としてピボット運動可能なそれぞれの細長いアーム上に設置され、機構は、繊維強化材料をピボット軸又は各ピボット軸を横断する送り方向にニップを通して誘導するように構成された誘導手段と、それぞれの切断ストロークにおいて細長いアームを駆動するための少なくとも1つの作動装置と、をさらに備え、作動装置又は各作動装置は、それぞれの切断要素から離れた位置で細長いアームに作用する。
【0042】
本発明の一態様によれば、いくつかの長さの細長い繊維強化材料を物品に塗布するための複合材料レイアップ機が提供され、レイアップ機は、本明細書の任意の記述に係る切断機構と、切断機構を保持する支持ヘッドと、を備える。
【0043】
作動装置は、支持ヘッドに設置されてもよい。作動装置は、支持ヘッドと細長いアームとの間で作用してもよい。作動装置は、支持構造体の近位端の実質的に内側に配置されてもよい。
【0044】
作動装置は、被駆動要素及びベース要素を有するリニアアクチュエータを備えてもよく、作動装置は、被駆動要素をベース要素に対して直線的に動かすように動作可能であってもよい。ベース要素は支持ヘッドに結合されてもよく、被駆動要素は細長いアームに結合されてもよい。
【0045】
ベース要素及び/又は被駆動要素は、支持構造体の近位端の実質的に内側に配置されてもよい。
【0046】
作動装置は機械的リンク機構を介して細長いアームと結合されてもよく、細長いアームに作用してもよい。
【0047】
機械的リンク機構は、作動装置と細長いアームとの間で作用するベルクランクを含んでもよい。ベルクランクは、例えば機械的利点を提供するために、不揃いな長さのアームを有してもよい。ベルクランクは、均一性を上回る機械的利点を有してもよい。
【0048】
作動装置の少なくともいくつかは、各対の作動装置が互い違いになるように対に配列されてもよい。対のうちの第1の作動装置は、支持ヘッドの近位端に向かう方向で第2の作動装置に対してオフセットされてもよく、第1の作動装置は、それぞれの機械的リンク機構に接続するための延長されたアームを備えてもよい。
【0049】
機器は、作動装置が支持ヘッドに設置される作動領域から、いくつかの長さの繊維強化材料が切断されて物品に塗布される先端領域まで、概して長手方向の塗布方向に延びてもよい。作動領域は、先端領域から長手方向に離間されてもよい。塗布方向に対する法線面における機器の断面外形は先端領域において作動領域よりも小さくてもよい。
【0050】
支持ヘッドは、少なくとも1つの並進方向に移動可能であってもよい。支持ヘッドは、長手方向の回転軸を中心として回転するように構成されてもよい。
【0051】
本発明は、本明細書で言及される特徴の任意の組み合わせ及び/又は限定を含む場合があるが、このような特徴の組合せが相互に排他的である場合を除く。
【0052】
添付の図面の参照により、本発明の実施形態が単なる例として以下で説明される。