特許第6446009号(P6446009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6446009
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】位置姿勢推定方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/26 20060101AFI20181217BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20181217BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20181217BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20181217BHJP
【FI】
   G01B11/26 H
   G01B11/00 H
   G06T1/00 300
   G06T7/60 150P
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-190454(P2016-190454)
(22)【出願日】2016年9月28日
(65)【公開番号】特開2018-54452(P2018-54452A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2017年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 信治
【審査官】 齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−088169(JP,A)
【文献】 特開2001−227925(JP,A)
【文献】 特開2017−003399(JP,A)
【文献】 特開2014−160109(JP,A)
【文献】 特開2012−018073(JP,A)
【文献】 特開2004−037440(JP,A)
【文献】 特開2014−089095(JP,A)
【文献】 特開平11−051651(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0027251(US,A1)
【文献】 特表2001−511532(JP,A)
【文献】 特開2016−156762(JP,A)
【文献】 特開2016−070907(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/26
G01B 11/00
G06T 1/00
G06T 7/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
XYZ座標系により定義される実空間における位置および姿勢が固定され、Z軸に対して平行な光軸を有する撮像装置を通じて対象物の撮像画像を取得し、対象物において定義されている、前記対象物の外観または構造に由来する少なくとも1つの指標領域を含む複数の指標領域のそれぞれの前記撮像画像におけるサイズを測定する第1サイズ測定処理と、
前記第1サイズ測定処理における測定結果に基づき、前記複数の指標領域のそれぞれに含まれている複数の指標点のそれぞれのZ座標値を推定する縦実空間位置推定処理と、
前記複数の指標点のそれぞれのX座標値およびY座標値のうち少なくとも一方と、前記複数の指標点のそれぞれのZ座標値の推定結果とに基づき、前記複数の指標点のうち対をなす指標点を通る指標直線の実空間における姿勢を第1実空間姿勢として推定する第1実空間姿勢推定処理と、
前記第1実空間姿勢の推定結果に基づいて前記対象物の実空間姿勢を推定する実空間姿勢推定処理と、
前記撮像画像における前記指標直線の延在方向について、前記少なくとも1つの指標領域のサイズを測定する第2サイズ測定処理と、
前記第2サイズ測定処理における測定結果に基づき、前記少なくとも1つの指標領域の実空間姿勢を第2実空間姿勢として推定する第2実空間姿勢推定処理と、を含み、
前記第1サイズ測定処理において、前記実空間における位置および姿勢が固定されている照射装置を用いて、前記複数の指標点のうち第1指標点に対して光線を照射することで、前記複数の指標領域のうち少なくとも1つの指標領域として第1指標領域を形成し、
前記実空間姿勢推定処理において、前記第1実空間姿勢の推定結果および前記第2実空間姿勢の推定結果を総合することにより、前記対象物の実空間姿勢を推定することを特徴とする位置姿勢推定方法。
【請求項2】
XYZ座標系により定義される実空間における位置および姿勢が固定され、Z軸に対して平行な光軸を有する撮像装置を通じて対象物の撮像画像を取得し、対象物において定義されている複数の指標領域のそれぞれの前記撮像画像におけるサイズを測定する第1サイズ測定処理と、
前記第1サイズ測定処理における測定結果に基づき、前記複数の指標領域のそれぞれに含まれている複数の指標点のそれぞれのZ座標値を推定する縦実空間位置推定処理と、
前記複数の指標点のそれぞれのX座標値およびY座標値のうち少なくとも一方と、前記複数の指標点のそれぞれのZ座標値の推定結果とに基づき、前記複数の指標点のうち対をなす指標点を通る指標直線の実空間における姿勢を第1実空間姿勢として推定する第1実空間姿勢推定処理と、
前記第1実空間姿勢の推定結果に基づいて前記対象物の実空間姿勢を推定する実空間姿勢推定処理と、を含み、
前記第1サイズ測定処理において、前記実空間における位置および姿勢が固定されている照射装置を用いて、前記複数の指標点のうち第1指標点に対して光線を照射することで、前記複数の指標領域のうち少なくとも1つの指標領域として第1指標領域を形成し、
前記実空間姿勢推定処理において、異なる対のそれぞれをなす指標点を通り、かつ、同一のまたは相互に平行な複数の前記指標直線のそれぞれの前記第1実空間姿勢の推定結果を総合することにより、前記対象物の実空間姿勢を推定することを特徴とする位置姿勢推定方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の位置姿勢推定方法において、
前記複数の指標点の異なる対によって、前記実空間において直交する一対の指標直線が定義されるように、前記複数の指標点が設定され
前記第1実空間姿勢推定処理において、前記一対の指標直線のそれぞれの実空間における姿勢を前記第1実空間姿勢として推定することを特徴とする位置姿勢推定方法。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の位置姿勢推定方法において、
前記複数の指標点のうち対象物座標系に固定されている第2指標点の前記撮像画像における位置に基づき、前記第2指標点のX座標値およびY座標値を推定する横実空間位置推定処理をさらに含むことを特徴とする位置姿勢測定方法。
【請求項5】
請求項4記載の位置姿勢推定方法において、
前記対象物において前記撮像装置を通じて認識可能な輪郭により画定される第2指標領域に含まれる点が、前記第2指標点として定義されていることを特徴とする位置姿勢推定方法。
【請求項6】
請求項1記載の位置姿勢推定方法において、
前記複数の指標点のうち少なくとも1つの指標点のZ座標値を変化させながら、前記対象物の撮像画像における前記少なくとも1つの指標領域のサイズの変化を測定することにより、前記少なくとも1つの指標点のZ座標値と前記撮像画像における前記少なくとも1つの指標領域のサイズとの相関関係を第1相関関係として定義する第1準備処理をさらに含み、
前記縦実空間位置推定処理において、前記第1相関関係にしたがって前記複数の指標点のそれぞれのZ座標値を推定することを特徴とする位置姿勢推定方法。
【請求項7】
請求項1記載の位置姿勢推定方法において、
前記少なくとも1つの指標領域の実空間姿勢を変化させながら、前記撮像画像における前記少なくとも1つの指標領域の、前記指標直線の延在方向についてのサイズの変化を測定することにより、前記少なくとも1つの指標領域の実空間姿勢と前記撮像画像における前記指標直線の延在方向についてのサイズとの相関関係を第2相関関係として定義する第2準備処理をさらに含み、
前記第2実空間姿勢推定処理において、前記第2相関関係にしたがって前記第2実空間姿勢を推定することを特徴とする位置姿勢推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークなどの対象物の3次元空間における位置および姿勢を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラに測距センサを組み合わせて物体の位置を測定する方法が提案されている。カメラの光軸に対して垂直な基準面において、当該カメラによる物体上における既知の3点のそれぞれの位置の検出結果が、測距センサによる当該3点のそれぞれの測距結果に基づいて視差補正され、当該3点の3次元位置、ひいては当該物体の3次元位置を測定する方法が提案されている(特許文献1参照)。平面上の3個のマークのそれぞれのカメラによるX−Y位置の測定結果および測距センサによるZ位置の測定結果に基づき、当該平面の位置および姿勢を推定する方法が提案されている(特許文献2参照)。
【0003】
しかし、測距センサの採用により測定系のコストが高くなるため、これを回避するために測距センサを用いずに撮像装置を用いて物体の3次元位置を測定する方法も提案されている。幾何学的関係が既知の4以上の複数のマークが存在する平面がカメラで撮像され、当該複数のマークの当該平面における位置および2次元画像座標系における位置に基づき、当該複数のマークの3次元位置を推定する方法が提案されている(特許文献3参照)。カメラにより撮像された2次元画像において対象物体の3つの特徴点が抽出され、当該抽出結果と、予め測定されている当該3つの特徴点間の距離とに基づき、当該対象物体の3次元位置を測定する方法が提案されている(特許文献4参照)。格子状に2次元配列された複数のマークがカメラにより撮像されて得られた複数のマークの2次元位置に基づき、所定の関係式にしたがって当該複数のマークの3次元位置を推定する方法が提案されている(特許文献5参照)。相互間距離が予め計測されている4つの目印が付されている対象物の、カメラにより撮像された画像における2次元位置に加えて、当該相互間距離に基づき、当該4つの目印の3次元位置を推定する方法が提案されている(特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−92712号公報
【特許文献2】特開平9−304013号公報
【特許文献3】特開昭62−175603号公報
【特許文献4】特許第2534517号公報
【特許文献5】特開平6−259536号公報
【特許文献6】特許第4602704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、部品同士の組み付け状態を確認するため、撮像装置を用いて一の部品が撮像された際にそこに付されたマークが他の部品または部品群によって少なくとも部分的に隠されてしまい、当該確認作業が困難になる場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、対象物の一部が他の物体により隠されてしまう状況であっても当該対象物の3次元座標系における位置および姿勢を簡易かつ高精度で推定することができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の位置姿勢推定方法は、XYZ座標系により定義される実空間における位置および姿勢が固定され、Z軸に対して平行な光軸を有する撮像装置を通じて対象物の撮像画像を取得し、対象物において定義されている、前記対象物の外観または構造に由来する少なくとも1つの指標領域を含む複数の指標領域のそれぞれの前記撮像画像におけるサイズを測定する第1サイズ測定処理と、前記第1サイズ測定処理における測定結果に基づき、前記複数の指標領域のそれぞれに含まれている複数の指標点のそれぞれのZ座標値を推定する縦実空間位置推定処理と、前記複数の指標点のそれぞれのX座標値およびY座標値のうち少なくとも一方と、前記複数の指標点のそれぞれのZ座標値の推定結果とに基づき、前記複数の指標点のうち対をなす指標点を通る指標直線の実空間における姿勢を第1実空間姿勢として推定する第1実空間姿勢推定処理と、前記第1実空間姿勢の推定結果に基づいて前記対象物の実空間姿勢を推定する実空間姿勢推定処理と、前記撮像画像における前記指標直線の延在方向について、前記少なくとも1つの指標領域のサイズを測定する第2サイズ測定処理と、前記第2サイズ測定処理における測定結果に基づき、前記少なくとも1つの指標領域の実空間姿勢を第2実空間姿勢として推定する第2実空間姿勢推定処理と、を含み、
前記第1サイズ測定処理において、前記実空間における位置および姿勢が固定されている照射装置を用いて、前記複数の指標点のうち第1指標点に対して光線を照射することで、前記複数の指標領域のうち少なくとも1つの指標領域として第1指標領域を形成し、
前記実空間姿勢推定処理において、前記第1実空間姿勢の推定結果および前記第2実空間姿勢の推定結果を総合することにより、前記対象物の実空間姿勢を推定することを特徴とする。
【0008】
本発明の位置姿勢推定方法によれば、実空間のZ軸に平行な光軸を有する撮像装置を通じて取得された対象物の各指標領域のサイズに応じて、各指標点のZ座標値が推定される。これは、指標点が撮像装置(またはその撮像素子)に近くなるほどその測定サイズが大きくなり、指標点が撮像装置から遠くなるほどその測定サイズが小さくなるという定性的関係に依拠している。各指標点のZ座標値に基づき、対をなす指標点を通る指標直線の第1実空間姿勢(方向ベクトルに応じて定まる。)が推定される。照射装置を用いて複数の指標点のうち第1指標点に対して光線が照射されることで、当該第1指標点を含む第1指標領域が形成かつ定義される。
【0009】
撮像装置の撮像範囲において、対象物の一部が他の物体により隠されている状況であっても、第1指標点に対して当該他の物体を回避するようにまたは間隙を縫うように当該対象物の第1指標点に照射されることで、第1指標領域が形成される。同一の指標直線上にある複数の指標点のそれぞれを含む複数の指標領域を撮像画像に容易に含ませることができる。よって、このような状況であっても、対象物の少なくともZ座標値により定義される実空間位置および少なくとも指標直線の第1実空間姿勢により定義される対象物の実空間姿勢を簡易かつ高精度で推定することができる。
【0011】
当該位置姿勢推定方法によれば、撮像画像における少なくとも1つの指標領域の、指標直線の延在方向についてのサイズに応じて、当該指標領域の第2実空間姿勢(指標領域の垂線ベクトルに応じて定まる。)が推定される。第1実空間姿勢の推定結果および第2実空間姿勢の推定結果が統合されることで、対象物の実空間姿勢の推定精度の向上が図られる。
【0012】
本発明の位置姿勢推定方法は、XYZ座標系により定義される実空間における位置および姿勢が固定され、Z軸に対して平行な光軸を有する撮像装置を通じて対象物の撮像画像を取得し、対象物において定義されている複数の指標領域のそれぞれの前記撮像画像におけるサイズを測定する第1サイズ測定処理と、前記第1サイズ測定処理における測定結果に基づき、前記複数の指標領域のそれぞれに含まれている複数の指標点のそれぞれのZ座標値を推定する縦実空間位置推定処理と、前記複数の指標点のそれぞれのX座標値およびY座標値のうち少なくとも一方と、前記複数の指標点のそれぞれのZ座標値の推定結果とに基づき、前記複数の指標点のうち対をなす指標点を通る指標直線の実空間における姿勢を第1実空間姿勢として推定する第1実空間姿勢推定処理と、前記第1実空間姿勢の推定結果に基づいて前記対象物の実空間姿勢を推定する実空間姿勢推定処理と、を含み、前記第1サイズ測定処理において、前記実空間における位置および姿勢が固定されている照射装置を用いて、前記複数の指標点のうち第1指標点に対して光線を照射することで、前記複数の指標領域のうち少なくとも1つの指標領域として第1指標領域を形成し、前記実空間姿勢推定処理において、異なる対のそれぞれをなす指標点を通り、かつ、同一のまたは相互に平行な複数の前記指標直線のそれぞれの前記第1実空間姿勢の推定結果を総合することにより、前記対象物の実空間姿勢を推定することを特徴とする
【0013】
当該位置姿勢推定方法によれば、異なる対をなす指標点を通る複数の指標直線のそれぞれの実空間姿勢、ひいては対象物の実空間姿勢の推定精度の向上が図られる。
【0014】
本発明の位置姿勢推定方法において、前記複数の指標点の異なる対によって、前記実空間において直交する一対の指標直線が定義されるように、前記複数の指標点が設定され、前記第1実空間姿勢推定処理において、前記一対の指標直線のそれぞれの実空間における姿勢を前記第1実空間姿勢として推定することが好ましい。
【0015】
当該位置姿勢推定方法によれば、実空間において直交する2つの指標直線のそれぞれの、第1実空間姿勢(または第1実空間姿勢の複数の推定結果の統合結果、または第1実空間姿勢および第2実空間姿勢の統合結果)により定義される対象物の実空間姿勢が推定される。
【0016】
本発明の位置姿勢推定方法において、前記複数の指標点のうち対象物座標系に固定されている第2指標点の前記撮像画像における位置に基づき、前記第2指標点のX座標値およびY座標値を推定する横実空間位置推定処理をさらに含むことが好ましい。
【0017】
当該位置姿勢測定方法によれば、対象物座標系において固定されている第2指標点の撮像画像における位置に応じて当該指標点のX座標値およびY座標値が推定される。これにより、第2指標点のZ座標値の推定結果に加えて、X座標値およびY座標値の推定結果により定義される対象物の実空間位置が高精度で推定される。
【0018】
本発明の位置姿勢推定方法において、前記対象物において前記撮像装置を通じて認識可能な輪郭により画定される第2指標領域に含まれる点が、前記第2指標点として定義されていることが好ましい。
【0019】
当該位置姿勢推定方法によれば、撮像画像における第2指標点の位置の測定精度の向上が図られることにより、対象物の実空間位置および実空間姿勢の推定精度の向上が図られる。
【0020】
本発明の位置姿勢推定方法において、前記複数の指標点のうち少なくとも1つの指標点のZ座標値を変化させながら、前記対象物の撮像画像における前記少なくとも1つの指標領域のサイズの変化を測定することにより、前記少なくとも1つの指標点のZ座標値と前記撮像画像における前記少なくとも1つの指標領域のサイズとの相関関係を第1相関関係として定義する第1準備処理をさらに含み、前記縦実空間位置推定処理において、前記第1相関関係にしたがって前記複数の指標点のそれぞれのZ座標値を推定することが好ましい。
【0021】
当該位置姿勢推定方法によれば、事前に定義された第1相関関係にしたがって各指標点のZ座標値が推定されるので、対象物の実空間位置および実空間姿勢の推定精度の向上が図られる。
【0022】
本発明の位置姿勢推定方法において、前記少なくとも1つの指標領域の実空間姿勢を変化させながら、前記撮像画像における前記少なくとも1つの指標領域の、前記指標直線の延在方向についてのサイズの変化を測定することにより、前記少なくとも1つの指標領域の実空間姿勢と前記撮像画像における前記指標直線の延在方向についてのサイズとの相関関係を第2相関関係として定義する第2準備処理をさらに含み、前記第2実空間姿勢推定処理において、前記第2相関関係にしたがって前記第2実空間姿勢を推定することが好ましい。
【0023】
当該位置姿勢推定方法によれば、事前に定義された第2相関関係にしたがって第2実空間姿勢が推定されるので、対象物の実空間位置および実空間姿勢の推定精度の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態としての位置姿勢推定方法に関する説明図。
図2A】基準状態における対象物の撮像画像および光線の照射および撮像態様(第1実施形態)に関する説明図。
図2B】任意状態における対象物の撮像画像および光線の照射および撮像態様(第1実施形態)に関する説明図。
図3A】第1相関関係に関する説明図。
図3B】第1相関関係に関する説明図。
図3C】第1相関関係に関する説明図。
図4A】第2相関関係に関する説明図。
図4B】第2相関関係に関する説明図。
図4C】第2相関関係に関する説明図。
図5A】基準状態における対象物の撮像画像および光線の照射および撮像態様(第2実施形態)に関する説明図。
図5B】任意状態における対象物の撮像画像および光線の照射および撮像態様(第2実施形態)に関する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態としての位置姿勢推定方法においては、実空間座標系(X,Y,Z)における対象物座標系(x,y,z)の位置および姿勢がワークW(対象物)の実空間位置および実空間姿勢として推定される(図2A下側、図2B下側、図5A下側および図5B下側参照)。当該推定に際して、照射装置2および撮像装置4が用いられ、ワークWの実空間における位置および姿勢が推定される。照射装置2はその光線20(レーザービーム)の光軸がZ軸に平行になるように、実空間における位置および姿勢が基台1により保持されている。撮像装置4はその光軸がZ軸に平行になるように、実空間における位置および姿勢が基台1により保持されている。
【0026】
ワークWは、例えば、実空間における位置および姿勢が一定に維持されるように配置されている他のワークに対して組み付けられる部品であり、ワークWのそれぞれが当該他のワークのそれぞれに対して組み付けられた際に、その実空間位置および姿勢のそれぞれの、目標位置および目標姿勢のそれぞれに対する偏差を評価するために実行される。
【0027】
照射装置2の実空間位置および実空間姿勢が一定に維持されることにより、複数の指標点Pi(i=0,1,2,‥N)のうち、第1指標点のX座標値XiおよびY座標値Yiはあらかじめ定められている。第2指標点は、対象物座標系における位置が固定されている。第1実施形態では、対をなす指標点PiおよびPjを通る複数の指標直線は相互に非平行である。例えば、図2A上側および図2B上側に示されているように、指標点P0およびP1を通る第1指標直線(ここではx軸に一致している。)および指標点P0およびP2を通る第2指標直線(ここではy軸に一致している。)は、指標点P0において直交する。
【0028】
ワークWの複数の指標点Piのうち第1指標点Pi1に対して、照射装置2を用いて光線20が照射される(図1/STEP02)。これにより、例えば図2A上側および図2B上側に示されている第1指標点P1およびP2(i1=1,2)のそれぞれに対して同時にまたは異なる時刻に光線が照射される。その結果、略円形の照射領域がワークWの表面に第1指標領域A1およびA2として形成かつ定義される。光線20の照射領域の形状は略円形状のほか、略楕円形上などの他の形状であってもよく、略円環状などの環状であってもよい。照射領域の形状が環状である場合、当該環を輪郭とする領域が第1指標領域Ai1として定義されてもよい。
【0029】
撮像装置4により取得された撮像画像において識別可能な、ワークWの外観または構造由来の領域が第2指定領域Ai2として定義され、第2指定領域Ai2の中心点またはその境界線上の点など、そこに含まれている点が第2指定点Pi2として定義されている。第2指定点Pi2は、その性質上、対象物座標系においてその位置が固定されている。図2Aおよび図2Bに示されている例では、ワークWに形成されている開口部の周縁により定義される第2指標領域A0(i2=0)中心点が第2指標点P0として定義されている。第1実施形態では、対をなす第1指標点Pi1および第2指標点Pi2を通るように指標直線Qi1i2が定義されている。なお、複数の指標点Piに複数の第2指標点Pi2が含まれていてもよい。複数の指標点Piの全てが第1指標点Pi1として定義され、全ての指標点Piに対して光線20が照射されてもよい。
【0030】
続いて、撮像装置4を通じてワークWの撮像画像が取得される(図1/STEP04)。これにより、例えば、図2A上側および図2B上側のそれぞれに示されているように、指標領域A0〜A2(A0’〜A2’)が含まれているワークWの撮像画像が取得される。
【0031】
撮像画像に基づき「第1サイズ測定処理」が実行され、画像座標系における指標領域Aiのサイズφi(または径)が測定される(図1/STEP10)。なお、第1サイズ測定処理として、後述する第2サイズ測定処理(図1/STEP20参照)と同様に、撮像画像における指標直線の延在方向について指標領域Aiのサイズφiが測定されてもよい。
【0032】
さらに「縦実空間位置推定処理」が実行され、画像座標系(u,v)における指標領域Aiのサイズφiの測定結果に基づき、指標点PiのZ座標値Zi(Z座標値)が推定される(図1/STEP12)。例えば、図3A図3Cに概念的に示されているように、撮像装置4(またはその撮像素子)と指標点Piとの間隔Diが小さいほど撮像画像における指標領域Aiのサイズφiが大きくなる(撮像装置4と指標点Piとの間隔Dが大きいほど撮像画像における指標領域Aiのサイズφiが小さくなる)というように、当該間隔Diおよび当該サイズφiの間には相関関係(第1相関関係)が存在する。よって、画像座標系(u,v)における指標領域Aiのサイズφiに基づき、当該第1相関関係にしたがって、間隔Diに相当する指標点PiのZ座標値Ziが推定されうる。
【0033】
撮像画像に基づき「横実空間位置推定処理」が実行され、画像座標系(u,v)における第2指標点Pi2の位置(ui2,vi2)に基づき、実空間における当該第2指標点Pi2のX座標値Xi2およびY座標値Yi2が測定される(図1/STEP14)。これにより、例えば、第2指標点P0(i2=0)の画像座標系における位置(u0,v0)に基づき、X座標値X0およびY座標値Y0が測定される(図2A上側および図2B上側参照)。
【0034】
第2指標点Pi2に関する縦実空間位置推定処理の結果(図1/STEP12参照)および横実空間位置推定処理の結果(図1/STEP14参照)に基づき、「実空間位置推定処理」が実行されることで、当該第2指標点Pi2の実空間位置(Xi2,Yi2,Zi2)がワークWの実空間位置として推定される(図1/STEP16参照)。これにより、例えばワークWの代表点である第2指標点P0(i2=0)の実空間位置(X0,Y0,Z0)が推定される(図2Aおよび図2B参照)。
【0035】
縦実空間位置推定処理の結果(図1/STEP12参照)に基づき、「第1実空間姿勢推定処理」が実行される(図1/STEP18)。具体的には、各指標点PiのX座標値XiおよびY座標値Yi(第1指定点については既知の値であり、第2指定点については推定値である。)ならびにZ座標値Ziの推定結果とに基づき、複数の指標点Piのうち対をなす指標点PiおよびPjを通る指標直線Qijの実空間姿勢が第1実空間姿勢として推定される。例えば、指標直線Qijの方向ベクトル(ai1,bi1,ci1)に基づき、実空間のX軸に対する指標直線Qijの角度θ1X(i,j)=arctan(ci1/ai1)および実空間のY軸に対する指標直線Qijの角度θ1Y(i,j)=arctan(ci1/bi1)のそれぞれが、第1実空間姿勢θ1(i,j)として推定される。
【0036】
対象物座標系のxy平面の実空間のXY平面に対する姿勢が基準姿勢(例えば平行)である基準状態における指標点PiのZ座標値Zi(0)に対する、対象物座標系のxy平面の実空間のXY平面に対する姿勢が不明である任意の状態における指標点PiのZ座標値Zi(k)の偏差ΔZi(k)に基づき、関係式(01)にしたがって第1実空間姿勢θ1(i,j)が推定されてもよい。対象物座標系のxy平面の実空間のXY平面に対する姿勢が基準姿勢に調節された上で、指標点PiのZ座標値Zi(0)が予め測定されていてもよい。
【0037】
θ1(i,j)=arctan{(ΔZj(k)−ΔZi(k))/Lij}‥(01)。
【0038】
例えば、図2A下側に示されている状態では、x軸がX軸に対して平行であり、かつ、y軸がY軸に対して平行である。この状態では、対象物座標系のxy平面が、実空間のXY平面に対して平行であり、XY平面に対する第1指標直線(x軸線)の第1実空間姿勢θ1(0,1)および第2指標直線(y軸線)の第1実空間姿勢θ1(0,2)がともに0であると推定される。
【0039】
これに対して、図2B下側に示されている状態では、対象物座標系のxy平面が、実空間のXY平面に対して傾斜している。この状態では、指標点PiのZ座標値Zi(k)(縦実空間位置推定処理の結果)に基づき、関係式(01)にしたがって、第1指標直線の第1実空間姿勢θ1(0,1)および第2指標直線の第1実空間姿勢θ1(0,2)が推定される。
【0040】
撮像画像に基づき「第2サイズ測定処理」が実行され、画像座標系における指標直線の延在方向について、複数の指標領域Aiのうち少なくとも1つの指標領域のサイズが測定される(図1/STEP20)。これにより、例えば、第1指標直線Q01(対象物座標系のx軸に相当する。)および第2指標直線Q02(対象物座標系のy軸に相当する。)のそれぞれの延在方向について、撮像画像における第2指標領域A2のサイズφ01およびφ02が測定される(図2A上側および図2B上側参照)。
【0041】
続いて、第2サイズ測定処理における測定結果に基づき「第2実空間姿勢推定処理」が実行され、少なくとも1つの指標領域Aiの実空間姿勢が第2実空間姿勢として推定される(図1/STEP22)。指標領域Aiの垂線ベクトル(ai2,bi2,ci2)に基づき、実空間のX軸に対する指標直線Qijの角度θ2X(i,j)=arctan(ci2/ai2)および実空間のY軸に対する指標直線Qijの角度θ2Y(i,j)=arctan(ci2/bi2)のそれぞれが、第2実空間姿勢θ2(i,j)として推定される。
【0042】
例えば、図4A図4C上側に示されているように、実空間のXY平面に対する指標直線Q01(この例では対象物座標系のx軸に相当する。)の傾斜角度ξが大きくなるほど、図4A図4C下側に示されているように、画像座標系における指標領域Aiの当該指標直線の延在方向(この例ではx方向)についてのサイズφ01(ξ)が小さくなるというように、当該傾斜角度ξおよび当該サイズφij(ξ)の間には相関関係(第2相関関係)が存在する。よって、画像座標系(u,v)における指標領域Aiの指標直線Qi jの延在方向についてのサイズφijに基づき、当該第2相関関係にしたがって、第2実空間姿勢θ2(i,j)が推定されうる。
【0043】
対象物座標系のxy平面の実空間のXY平面に対する姿勢が基準姿勢(例えば平行)である基準状態における指標領域Aiのサイズφij(ξ(0))に対する、対象物座標系のxy平面の実空間のXY平面に対する姿勢が不明である任意の状態における指標領域Aiのサイズφij(ξ(k))の偏差Δφij(k)に基づき、関係式(02)にしたがって第2実空間姿勢θ2(i,j)が推定される。対象物座標系のxy平面の実空間のXY平面に対する姿勢が基準姿勢に調節された上で、指標領域Aiのサイズφij(ξ(0))が予め測定されていてもよい。
【0044】
θ2(i,j)=arccos{Δφij(k)/φij(k)}‥(02)。
【0045】
第1実空間姿勢推定処理の結果(図1/STEP18参照)および第2実空間姿勢推定処理の結果(図1/STEP22参照)に基づき、「実空間姿勢推定処理」が実行される(図1/STEP24)。具体的には、前記のように推定された第1実空間姿勢θ1(i,j)および第2実空間姿勢θ2(i,j)に基づき、関係式(04)にしたがってワークWの実空間姿勢θ(i,j)が推定される。
【0046】
θ(i,j)=αθ1(i,j)+(1−α)θ2(i,j) (0<α<1)‥(04)。
【0047】
重み係数αは、例えば「0.5」に設定されるが、第1実空間姿勢θ1(i,j)および第2実空間姿勢θ2(I,j)のそれぞれの推定精度の高低差に応じて、適宜変更されてもよい。例えば、撮像画像における光線由来の第1指標領域の認識精度が、ワークWの構造または外観由来の第2指標領域の認識精度よりも高い場合、αが0.5より大きい値に設定されてもよい。
【0048】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態としての位置姿勢推定方法においては、第2サイズ測定処理(図1/STEP20参照)および第2実空間姿勢推定処理(図1/STEP22参照)が省略されている点で第1実施形態と相違する。
【0049】
第2実施形態では、複数の指標直線QijおよびQi’j’は相互に平行に配置され、または、同一の直線である。例えば、図5A上側および図5B上側に示されているように、指標点P0およびP1を通る第1指標直線Q01(i=0,j=1)および指標点P0およびP3を通る第3指標直線Q03(i’=0,j’=1)は、同一の直線(対象物座標系のx軸に相当する。)である。同様に、指標点P0およびP2を通る第2指標直線Q02(i=0,j=2)および指標点P0およびP4を通る第4指標直線Q04(i’=0,j’=4)は、同一の直線(対象物座標系のy軸に相当する。)である。第1指標点として定義されている4つの指標点P1〜P4のそれぞれに対して光線が照射されて第1指標領域A1〜A4が形成かつ定義される(図1/STEP02参照)。
【0050】
第1サイズ測定処理、縦実空間位置推定処理および第1実空間姿勢推定処理(図1/STEP10→STEP12→STEP18参照)を経て、相互に平行である(または同一の直線である)複数の指標直線Qi1j1〜QiMjM(M=2,3,‥)のそれぞれのXY平面に対する角度が第1実空間姿勢θ1(i1,j1)〜θ1(iM,jM)として推定される。そして、複数の第1実空間姿勢θ1(i1,j1)〜θ1(iM,jM)に基づき、関係式(06)にしたがって「実空間姿勢推定処理」が実行される(図1/STEP24参照)。
【0051】
θ=Σm=1-Mβmθ1(im,jm)) (0<βm<1、Σβm=1)‥(06)。
【0052】
例えば、図5A下側に示されている基準状態では、XY平面に対する第1〜第4指標直線のそれぞれの第1実空間姿勢θ1(0,1)〜θ1(0,4)が0であると推定される(図2A下側参照)。これに対して、図5B下側に示されている任意の状態では、対象物座標系のx軸線の実空間のXY平面に対する角度θxが(θ1(0,1)+θ1(0,3))/2(β01=1/2、β03=1/2)であると推定され、対象物座標系のy軸線の実空間のXY平面に対する角度θyが(θ1(0,2)+θ1(0,4))/2(β02=1/2、β04=1/2)であると推定される。
【0053】
(本発明の作用効果)
本発明の位置姿勢推定方法によれば、実空間のZ軸に平行な光軸を有する撮像装置4を通じて取得されたワークWの各指標領域Aiのサイズφiに応じて、各指標点PiのZ座標値が推定される(図1/STEP04→STEP10→STEP12、図2A図2B参照)。これは、指標点Piが撮像装置4(またはその撮像素子)に近くなるほどその測定サイズが大きくなり、指標点Piが撮像装置4から遠くなるほどその測定サイズが小さくなるという定性的関係に依拠している(図3A図3C参照)。各指標点PiのZ座標値Ziに基づき、対をなす指標点PiおよびPjを通る指標直線Qijの第1実空間姿勢θ1(i,j)(方向ベクトルに応じて定まる。)が推定される(図1/STEP18→STEP24、関係式(04)参照)。照射装置2を用いて複数の指標点Piのうち第1指標点Pi1に対して光線20が照射されることで、当該第1指標点Pi1を含む第1指標領域Ai1が形成かつ定義される(図1/STEP02、図2A上側、図2B上側、図5A上側および図5B上側参照)。
【0054】
撮像装置4の撮像範囲において、ワークWの一部が他の物体により隠されている状況であっても、第1指標点Pi1に対して当該他の物体を回避するようにまたは間隙を縫うように当該ワークWの第1指標点Pi1に照射されることで、第1指標領域Ai1が形成される。同一の指標直線上にある複数の指標点Piのそれぞれを含む複数の指標領域Aiを撮像画像に容易に含ませることができる。よって、このような状況であっても、ワークWの少なくともZ座標値Ziにより定義される実空間位置および少なくとも指標直線Qijの第1実空間姿勢θ1(i,j)により定義されるワークWの実空間姿勢を簡易かつ高精度で推定することができる。
【0055】
第1実施形態によれば、撮像画像における少なくとも1つの指標領域Piの、指標直線Qijの延在方向についてのサイズφijに応じて、当該指標領域Piの第2実空間姿勢θ2(i,j)(指標領域Piの垂線ベクトルに応じて定まる。)が推定される(図1/STEP20→STEP22、関係式(02)参照)。第1実空間姿勢θ1(i,j)の推定結果および第2実空間姿勢θ2(i,j)の推定結果が統合されることで、ワークWの実空間姿勢θ(i,j)の推定精度の向上が図られる(図1/STEP24、関係式(04)参照)。
【0056】
第2実施形態によれば、実空間姿勢推定処理(図1/STEP24参照)において、異なる対のそれぞれをなす指標点を通り、かつ、同一のまたは相互に平行な複数の指標直線Qi1j1〜QiMjMのそれぞれの第1実空間姿勢θ1(im,jm)の推定結果を総合することにより、ワークWの実空間姿勢θ(i,j)が推定される(関係式(06)参照)。これにより、単一の指標直線の第1実空間姿勢θ1(im,jm)のみに基づいてワークWの実空間姿勢θ (i,j)が推定されるよりも、当該推定精度の向上が図られる。
【0057】
(他の実施形態)
前記実施形態において、横実空間位置推定処理(図1/STEP14参照)が省略されてもよい。この場合、少なくとも1つの指標点PiのZ座標値Ziの推定結果またはその統合結果がワークWの実空間位置の推定結果とされる。
【0058】
第2実施形態と同様に複数の指標点Piが定義され、第1の対をなす第2指標点P1およびP3を通る指標直線Q13(対象物座標系のx軸に相当する。)および第2の対をなす第2指標点P2およびP4を通る指標直線Q24(対象物座標系のy軸に相当する。)のそれぞれのX軸およびY軸に対する角度が第1実空間姿勢θ1(1,3)およびθ1(2,4)として推定された上で、本発明の第1実施形態と同様の手順にしたがってワークWの姿勢が推定されてもよい。
【0059】
前記実施形態において「第1準備処理」が予め実行されていてもよい。具体的には、複数の指標点Piのうち少なくとも1つの指標点PkのZ座標値Zkを変化させながら、ワークWの撮像画像における少なくとも1つの指標領域Akのサイズφkの変化を測定することにより、当該Z座標値Zkと当該サイズφkとの相関関係を第1相関関係として定義する。これにより、縦実空間位置推定処理(図1/STEP12)において、第1相関関係にしたがって各指標点PiのZ座標値Ziが推定される。
【0060】
前記実施形態において「第2準備処理」が予め実行されていてもよい。具体的には、少なくとも1つの指標領域Piの実空間姿勢θ(i,j)を変化させながら、撮像画像における当該指標領域Piの、指標直線Qijの延在方向についてのサイズφijの変化を測定することにより、当該実空間姿勢θ(i,j)と撮像画像における指標直線Qijの延在方向についてのサイズφijとの相関関係を第2相関関係として定義する。これにより、第2実空間姿勢推定処理(図1/STEP22参照)において、第2相関関係にしたがって第2実空間姿勢θ2(i,j)が推定される。
【符号の説明】
【0061】
1‥基台、2‥照射装置、4‥撮像装置、20‥光線、Ai‥指標領域、Pi‥指標点、W‥ワーク(対象物)。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B