特許第6446105号(P6446105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6446105
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】アンテナシステム及び移動端末
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/24 20060101AFI20181217BHJP
   H01Q 5/307 20150101ALI20181217BHJP
   H01Q 5/371 20150101ALI20181217BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   H01Q1/24 Z
   H01Q5/307
   H01Q5/371
   H04M1/02 C
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-173727(P2017-173727)
(22)【出願日】2017年9月11日
【審査請求日】2017年9月12日
(31)【優先権主張番号】201710482126.0
(32)【優先日】2017年6月22日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515342457
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ ピーティーイー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC TECHNOLOGIES PTE.LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】ザン リワン
(72)【発明者】
【氏名】ドン カイ
【審査官】 岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−085541(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0078008(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00−25/04
H04M 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属枠、マザーボード、第1の導電部材、第2の導電部材、スリーインワンアンテナユニット及びダイバーシティアンテナユニットを備えるアンテナシステムであって、
前記マザーボードは、システムグランド、前記スリーインワンアンテナユニットに接続される第1の無線周波給電端、及び前記ダイバーシティアンテナユニットに電気的に接続される第2の無線周波給電端を備え、
前記金属枠は、別体で設置される放射部と接地部とを備え、前記放射部と前記接地部との間にスリットを有し、
前記スリーインワンアンテナユニットと前記ダイバーシティアンテナユニットは、それぞれ前記第1の導電部材と前記第2の導電部材により前記放射部に接続され、
前記放射部は、前記システムグランドに接続され、前記ダイバーシティアンテナユニットと前記スリーインワンアンテナユニットとの間に設置される第1の接地点及び第2の接地点を備える、
ことを特徴とするアンテナシステム。
【請求項2】
前記スリットは、対向して設置される第1の裂け目と第2の裂け目を有し、前記スリーインワンアンテナユニットは、前記第1の裂け目と前記ダイバーシティアンテナユニットとの間に位置し、前記ダイバーシティアンテナユニットは、前記スリーインワンアンテナユニットと前記第2の裂け目との間に位置し、
前記第1の接地点は、前記第2の接地点よりも前記スリーインワンアンテナユニットに位置し、
前記スリーインワンアンテナユニットは、一端が前記第1の導電部材により前記放射部に接続され、他端が前記第1の無線周波給電端に接続される第1のサブセクション、及び、前記第1のサブセクションに接続される接続端と前記第1の裂け目の方向に延伸する自由端とを備える第2のサブセクションを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項3】
前記放射部における前記第1の接地点から前記第1の裂け目までの部位と前記第1のサブセクションはGPSアンテナの動作周波数帯域を生成し、
前記放射部における前記第1の導電部材から前記第1の裂け目までの部位と前記第1のサブセクションはWIFI2.4Gアンテナとブルートゥース(登録商標)アンテナの動作周波数帯域を生成し、
前記第1のサブセクションにおける前記第1の無線周波給電端から前記接続端までの部位と前記第2のサブセクションはWIFI5Gアンテナの動作周波数帯域を生成する、
ことを特徴とする請求項2に記載のアンテナシステム。
【請求項4】
前記スリットは、対向して設置される第1の裂け目と第2の裂け目を有し、前記スリーインワンアンテナユニットは、前記第1の裂け目と前記ダイバーシティアンテナユニットとの間に位置し、前記ダイバーシティアンテナユニットは前記スリーインワンアンテナユニットと前記第2の裂け目との間に位置し、
前記第2の導電部材は、第1の導電部と第2の導電部を備え、
前記アンテナシステムは、第1のキャパシタンス素子をさらに備え、前記ダイバーシティアンテナユニットは、間隔を空けて設置される第1のサブユニットと第2のサブユニットを備え、
前記第1のサブユニットは、前記第2のサブユニットと第2の裂け目との間に位置し、前記第1のサブユニットの一端は前記第2の無線周波給電端に接続され、前記第1のサブユニットの他端は前記第1の導電部により前記放射部に接続され、
前記第2のサブユニットは、一端が前記第2の導電部により前記放射部に接続され、他端が前記第1のキャパシタンス素子により前記システムグランドに接続される接続セクションと、前記接続セクションに接続され、前記第1のサブユニットから離れる方向に延伸する延伸セクションとを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項5】
前記放射部における前記第1の導電部から第2の裂け目までの部位と前記第1のサブユニットは第1の動作周波数帯域を生成し、
前記放射部における前記第2の接地点から第2の裂け目までの部位と前記第1のサブユニットは第2の動作周波数帯域を生成し、
前記放射部における前記第1の導電部から前記第2の導電部までの部位、前記第1のサブユニット及び前記第2のサブユニットは第3の動作周波数帯域を生成し、
前記放射部における前記第1の導電部から前記第2の導電部までの部位、前記第1のサブユニット及び前記接続セクションは第4の動作周波数帯域を生成し、
前記第1の動作周波数帯域、前記第2の動作周波数帯域及び前記第3の動作周波数帯域はいずれも前記第4の動作周波数帯域より小さく、前記第2の動作周波数帯域及び前記第3の動作周波数帯域はいずれも前記第1の動作周波数帯域より小さく、前記第2の動作周波数帯域は前記第3の動作周波数帯域より小さい、
ことを特徴とする請求項4に記載のアンテナシステム。
【請求項6】
前記第1の接地点は、前記第2の接地点よりも前記スリーインワンアンテナユニットに位置し、
前記アンテナシステムは、前記第2の接地点と前記第2の導電部材との間に設置され、前記放射部と前記システムグランドとに接続されるチューニングスイッチをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項7】
前記アンテナシステムは、WIFI5Gアンテナユニット、第3の導電部材及び接続部材をさらに備え、前記マザーボードは第3の無線周波給電端をさらに備え、
前記WIFI5Gアンテナユニットは前記第3の導電部材により前記第3の無線周波給電端に接続され、前記WIFI5Gアンテナユニットは前記接続部材により前記システムグランドに接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナシステム。
【請求項8】
前記WIFI5Gアンテナユニットと前記放射部は、間隔を空けて設置されている、
ことを特徴とする請求項7に記載のアンテナシステム。
【請求項9】
前記アンテナシステムは第2のキャパシタンス素子をさらに備え、
前記WIFI5Gアンテナユニットは、メインブランチノード、前記メインブランチノードに接続され、いずれも前記放射部から離れる方向に延伸する第1のサブブランチノード、第2のサブブランチノード及び第3のサブブランチノードを備え、前記第2のサブブランチノードは前記第1のサブブランチノードと前記第3のサブブランチノードとの間に位置し、
前記第1のサブブランチノードは、前記第2のキャパシタンス素子により前記システムグランドに接続され、
前記第2のサブブランチノードは、前記第3の導電部材により前記第3の無線周波給電端に接続され、
前記第3のサブブランチノードは、前記接続部材により前記システムグランドに接続されている、
ことを特徴とする請求項7に記載のアンテナシステム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一つに記載のアンテナシステムを備えることを特徴とする移動端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術分野に関し、特にアンテナシステム及び移動端末に関する。
【背景技術】
【0002】
現在に、金属枠を有する移動端末は、アンテナシステムを設計する時に、マザーボードにおける無線周波給電端を用いてアンテナユニットを励起させ、当該アンテナユニットをアンテナシステムの第1の放射体として用い、そして、当該アンテナユニットを金属枠に間接結合することにより、当該金属枠をアンテナシステムの第2の放射体とする。ここで、この2つの放射体が共同に作用し、アンテナシステムに生成する共振が帯域幅の要求に満たすようにする。
【0003】
しかしながら、このような方式は、アンテナユニットと金属枠との間の結合距離に対して一定の要求を求めており、当該移動端末のスクリーンが曲面スクリーンである場合、当該曲面スクリーンの粘着箇所がアンテナユニットと金属枠との間の結合空間を占めている。そのため、アンテナユニットと金属枠との間の励起結合効果が悪くなりやすく、アンテナシステムの放射性能が低下してしまう。また、マザーボードにおけるクリアランス面積も、アンテナユニットと金属枠との間の励起結合に一定の影響を与えてしまう。具体的には、マザーボードにおけるクリアランス面積が小さいほど、マザーボードに金属素子が多く配置されていることを意味し、これらの金属素子によって、アンテナユニットと金属枠との間に励起結合効果が悪くなりやすく、アンテナシステムに放射性能が低下してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、アンテナユニットと金属枠との間の結合距離及びマザーボードにおけるクリアランス面積によるアンテナの性能に対する影響を低減させることができると共に、アンテナユニットと金属枠との間の励起効果を高め、アンテナシステムに放射性能を向上させることができるアンテナシステム及び移動端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の側面によれば、金属枠、マザーボード、第1の導電部材、第2の導電部材、スリーインワンアンテナユニット及びダイバーシティアンテナユニットを備えるアンテナシステムが提供され、前記マザーボードは、システムグランド、前記スリーインワンアンテナユニットに接続される第1の無線周波給電端、及び前記ダイバーシティアンテナユニットに電気的に接続される第2の無線周波給電端を備え、前記金属枠は、別体で設置される放射部と接地部とを備え、前記放射部と前記接地部との間にスリットを有し、前記スリーインワンアンテナユニットと前記ダイバーシティアンテナユニットは、それぞれ前記第1の導電部材と前記第2の導電部材により前記放射部に接続され、前記放射部は、前記システムグランドに接続され、前記ダイバーシティアンテナユニットと前記スリーインワンアンテナユニットとの間に設置される第1の接地点及び第2の接地点を備える。
【0006】
好ましくは、前記スリットは、対向して設置される第1の裂け目と第2の裂け目を有し、前記スリーインワンアンテナユニットは、前記第1の裂け目と前記ダイバーシティアンテナユニットとの間に位置し、前記ダイバーシティアンテナユニットは、前記スリーインワンアンテナユニットと前記第2の裂け目との間に位置し、前記第1の接地点は、前記第2の接地点よりも前記スリーインワンアンテナユニットに位置し、前記スリーインワンアンテナユニットは、一端が前記第1の導電部材により前記放射部に接続され、他端が前記第1の無線周波給電端に接続される第1のサブセクション、及び、前記第1のサブセクションに接続される接続端と前記第1の裂け目の方向に延伸する自由端とを備える第2のサブセクションを有する。
【0007】
好ましくは、前記放射部における前記第1の接地点から前記第1の裂け目までの部位と前記第1のサブセクションはGPSアンテナの動作周波数帯域を生成し、前記放射部における前記第1の導電部材から前記第1の裂け目までの部位と前記第1のサブセクションはWIFI2.4Gアンテナ及びブルートゥース(登録商標)アンテナの動作周波数帯域を生成し、前記第1のサブセクションにおける前記第1の無線周波給電端から前記接続端までの部位と前記第2のサブセクションはWIFI5Gアンテナの動作周波数帯域を生成する。
【0008】
好ましくは、前記スリットは、対向して設置される第1の裂け目と第2の裂け目を有し、前記スリーインワンアンテナユニットは、前記第1の裂け目と前記ダイバーシティアンテナユニットとの間に位置し、前記ダイバーシティアンテナユニットは、前記スリーインワンアンテナユニットと前記第2の裂け目との間に位置し、前記第2の導電部材は、第1の導電部と第2の導電部を備え、前記アンテナシステムは、第1のキャパシタンス素子をさらに備え、前記ダイバーシティアンテナユニットは、間隔を空けて設置される第1のサブユニットと第2のサブユニットを備え、前記第1のサブユニットは、前記第2のサブユニットと第2の裂け目との間に位置し、前記第1のサブユニットの一端は前記第2の無線周波給電端に接続され、前記第1のサブユニットの他端が前記第1の導電部により前記放射部に接続され、前記第2のサブユニットは、一端が前記第2の導電部により前記放射部に接続され、他端が前記第1のキャパシタンス素子により前記システムグランドに接続される接続セクションと、前記接続セクションに接続され、前記第1のサブユニットから離れる方向に延伸する延伸セクションとを備える。
【0009】
好ましくは、前記放射部における前記第1の導電部から第2の裂け目までの部位と前記第1のサブユニットは第1の動作周波数帯域を生成し、前記放射部における前記第2の接地点から第2の裂け目までの部位と前記第1のサブユニットは第2の動作周波数帯域を生成し、前記放射部における前記第1の導電部から前記第2の導電部までの部位、前記第1のサブユニット及び前記第2のサブユニットは第3の動作周波数帯域を生成し、前記放射部における前記第1の導電部から前記第2の導電部までの部位、前記第1のサブユニット及び前記接続セクションは第4の動作周波数帯域を生成し、前記第1の動作周波数帯域、前記第2の動作周波数帯域及び前記第3の動作周波数帯域はいずれも前記第4の動作周波数帯域より小さく、前記第2の動作周波数帯域及び前記第3の動作周波数帯域はいずれも前記第1の動作周波数帯域より小さく、前記第2の動作周波数帯域は前記第3の動作周波数帯域より小さい。
【0010】
好ましくは、前記第1の接地点は、前記第2の接地点よりも前記スリーインワンアンテナユニットに位置し、前記アンテナシステムは、前記第2の接地点と前記第2の導電部材との間に設置され、前記放射部と前記システムグランドとに接続されるチューニングスイッチをさらに備える。
【0011】
好ましくは、前記アンテナシステムは、WIFI5Gアンテナユニット、第3の導電部材及び接続部材をさらに備え、前記マザーボードは第3の無線周波給電端をさらに備え、前記WIFI5Gアンテナユニットは前記第3の導電部材により前記第3の無線周波給電端に接続され、前記WIFI5Gアンテナユニットは前記接続部材により前記システムグランドに接続されている。
【0012】
好ましくは、前記WIFI5Gアンテナユニットと前記放射部は間隔を空けて設置されている。
【0013】
好ましくは、前記アンテナシステムは第2のキャパシタンス素子をさらに備え、前記WIFI5Gアンテナユニットは、メインブランチノード、前記メインブランチノードに接続され、いずれも前記放射部から離れる方向に延伸する第1のサブブランチノード、第2のサブブランチノード及び第3のサブブランチノードを備え、前記第2のサブブランチノードは前記第1のサブブランチノードと前記第3のサブブランチノードとの間に位置し、前記第1のサブブランチノードは、前記第2のキャパシタンス素子により前記システムグランドに接続され、前記第2のサブブランチノードは前記第3の導電部材により前記第3の無線周波給電端に接続され、前記第3のサブブランチノードは前記接続部材により前記システムグランドに接続されている。
【0014】
本発明の第2の側面によれば、上記したいずれか一つに記載のアンテナシステムを備える移動端末が提供される。
【0015】
本発明により提供された技術方案は、以下の有益な効果を奏することができる。本発明により提供されたアンテナシステムにおけるスリーインワンアンテナユニットとダイバーシティアンテナユニットは、それぞれ第1の導電部材と第2の導電部材により前記放射部に接続され、放射部が動作するように励起する。このような放射部を励起する方式は、アンテナユニットが間接結合により金属枠を励起する方式に比べると、アンテナユニットと金属枠との間の距離及びマザーボードにおけるクリアランス面積に対して大きく要求を求めない。即ち、アンテナユニットと金属枠との間の距離の大きさ及びマザーボードにおけるクリアランス面積は、アンテナシステムと金属枠との間の励起効果に影響を与えることなく、アンテナシステムに放射性能を向上させることができる。
【0016】
理解するべきところは、上記の一般的な説明及び下記の詳しい説明は、いずれも例示的なものであり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例が提供したアンテナシステムの構成を示す模式図である。
図2】本発明の実施例が提供したアンテナシステムの分解構成を示す模式図である。
図3】本発明の実施例が提供したアンテナシステムにおける、スリーインワンアンテナユニットと第1の無線周波給電端との間のマッチングネットワークの構成を示す模式図である。
図4】本発明の実施例が提供したアンテナシステムにおける、ダイバーシティアンテナユニットと第2の無線周波給電端との間のマッチングネットワークの構成を示す模式図である。
図5】本発明の実施例が提供したアンテナシステムにおける、ダイバーシティアンテナのリターンロスグラフである。
図6】本発明の実施例が提供したアンテナシステムにおける、スリーインワンアンテナのリターンロスグラフである。
図7】本発明の実施例が提供したアンテナシステムにおける、WIFI5Gアンテナのリターンロスグラフである。
図8】本発明の実施例が提供したアンテナシステムにおける、ダイバーシティアンテナの放射効率図である。
図9】本発明の実施例が提供したアンテナシステムにおける、スリーインワンアンテナとWIFI5Gアンテナの放射効率図である。
図10a】本発明の実施例が提供したアンテナシステムにおける、スリーインワンアンテナとダイバーシティアンテナが複数状態での伝送損失図である。
図10b】本発明の実施例が提供したアンテナシステムにおける、スリーインワンアンテナとダイバーシティアンテナが複数状態での伝送損失図である。
図10c】本発明の実施例が提供したアンテナシステムにおける、スリーインワンアンテナとダイバーシティアンテナが複数状態での伝送損失図である。
図11】本発明の実施例が提供したアンテナシステムにおける、スリーインワンアンテナとWIFI5Gアンテナの伝送損失図である。
図12】本発明の実施例が提供したアンテナシステムにおける、ダイバーシティアンテナとWIFI5Gアンテナの伝送損失図である。
【0018】
なお、ここでの図面は明細書に取り込まれて本明細書の一部を構成し、本発明に合致する実施例を示し、明細書と共に本発明の原理の解釈に用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、具体的な実施例に基づき、図面と組み合わせて本願について詳細な説明を行う。
【0020】
本発明の実施例は、図1及び2に示されたように、携帯電話などの移動端末に応用できるアンテナシステムを提供し、当該アンテナシステムが、金属枠10、マザーボード20、第1の導電部材30、第2の導電部材40、スリーインワンアンテナユニット50及びダイバーシティアンテナユニット60を備える。
【0021】
前記マザーボード20は、システムグランド、第1の無線周波給電端及び第2の無線周波給電端を備え、前記スリーインワンアンテナユニット50とダイバーシティアンテナユニット60は導電性の金属材料により製造されてもよく、当該スリーインワンアンテナユニット50とダイバーシティアンテナユニット60はいずれもアンテナシステムの放射体である。具体的に、当該スリーインワンアンテナユニット50は、第1の無線周波給電端に接続されてもよく、この第1の無線周波給電端は、放射が生成するようにスリーインワンアンテナユニット50を励起することができ、当該ダイバーシティアンテナユニット60は、第2の無線周波給電端に電気的に接続されてもよく、この第2の無線周波給電端は、放射が生成するようにダイバーシティアンテナユニット60を励起することができる。好ましくは、当該スリーインワンアンテナユニット50とダイバーシティアンテナユニット60は、スリーインワンアンテナユニット50と第1の無線周波給電端との接続の安定性、ダイバーシティアンテナユニット60と第2の無線周波給電端との接続の安定性を確保するように、金属弾性脚によりそれぞれ第1の無線周波給電端と第2の無線周波給電端に電気的に接続されてもよい。
【0022】
また、前記金属枠10は、別体で設置される放射部100及び接地部101を備え、当該接地部101は、アンテナシステムのレファレンスグランドとされるように、システムグランドに接続されてもよく、スリーインワンアンテナユニット50とダイバーシティアンテナユニット60は、放射部100を励起して放射が生成するように、それぞれ第1の導電部材30及び第2の導電部材40により当該放射部100に接続されてもよい。つまり、当該放射部100とスリーインワンアンテナユニット50及びダイバーシティアンテナユニット60は、共にアンテナシステムの放射体とされている。
【0023】
本実施例では、放射部100を励起するように、スリーインワンアンテナユニット50とダイバーシティアンテナユニット60がそれぞれ第1の導電部材30と第2の導電部材40により前記放射部100に接続されているため、このような放射部100を励起する方式は、アンテナユニットが間接結合により金属枠10を励起する方式に比べ、アンテナユニットと金属枠10との間の距離の大きさ及びマザーボード20におけるクリアランス面積に対して大きく要求を求めない。つまり、アンテナユニットと金属枠10との間の距離の大きさ及びマザーボード20におけるクリアランス面積は、アンテナシステムと金属枠10との間の励起効果に影響を与えることなく、アンテナシステムの放射性能を向上させることができる。
【0024】
なお、前記放射部100と接地部101との間にスリットを有し、当該スリットに絶縁材が充填されてもよい。このような設計は、アンテナシステムの放射に役立つのみならず、移動端末の構造の強度や使用の安全性を確保することもできる。
【0025】
また、前記放射部100は、システムグランドに接続される第1の接地点100a及び第2の接地点100bを有し、この第1の接地点100a及び第2の接地点100bは、ダイバーシティアンテナユニット60とスリーインワンアンテナユニット50との間の隔離程度を増加させるように、ダイバーシティアンテナユニット60とスリーインワンアンテナユニット50との間に設置されている。
【0026】
具体的に、前記スリットは、対向して設置される第1の裂け目102及び第2の裂け目103を有し、当該第1の裂け目102及び第2の裂け目103は放射部100の長手方向において対向して設置されてもよい。このように設計すると、当該金属枠10を有する移動端末の外観質感を向上させるのみならず、金属枠10の加工の難しさを低減させ、加工効率を向上させることができる。前記スリーインワンアンテナユニット50は、第1の裂け目102とダイバーシティアンテナユニット60との間に位置し、ダイバーシティアンテナユニット60はスリーインワンアンテナユニット50と第2の裂け目103との間に位置し、且つ、第1の接地点100aは第2の接地点100bよりもスリーインワンアンテナユニット50に位置する。つまり、当該第1の裂け目102、スリーインワンアンテナユニット50、第1の接地点100a、第2の接地点100b、ダイバーシティアンテナユニット60及び第2の裂け目103は放射部100の長手方向に沿って順次に配列されている。ここで、当該放射部100の長手方向は、図1に示したY方向である。
【0027】
前記スリーインワンアンテナユニット50、第1の接地点100a、第2の接地点100b及びダイバーシティアンテナユニット60の間の位置関係に基づき、本発明の1つの実施例では、選択的に、前記スリーインワンアンテナユニット50は第1のサブセクション500と第2のサブセクション501を備え、第1のサブセクション500の一端は第1の導電部材30により放射部100に接続されてもよい。好ましくは、当該第1のサブセクション500と放射部100との接続の安定性を確保するように、当該第1の導電部材30は弾性部材であってもよい。且つ、当該第1のサブセクション500の他端は、第1の無線周波給電端に接続され、好ましくは、第1のサブセクション500と第1の無線周波給電端との接続の安定性を確保するように、当該第1のサブセクション500の他端は、弾性を有する金属弾性脚により、第1の無線周波給電端に電気的に接続されてもよい。第2のサブセクション501は第1のサブセクション500に接続される接続端と、第1の裂け目102の方向に延伸する自由端とを備え、このように設計すると、スリーインワンアンテナユニット50の放射長さを適当に増加させ、スリーインワンアンテナユニット50に複数の動作周波数帯域を生成させることに有利である。
【0028】
具体的には、前記放射部100における第1の接地点100aから第1の裂け目102までの部位と第1のサブセクション500とは、GPSアンテナの動作周波数帯域を生成することができる。つまり、放射部100における第1の接地点100aから第1の裂け目102までの部位と第1のサブセクション500が生成した共振は、GPSアンテナの動作周波数帯域に入り、当該共振長はGPSアンテナの波長の二分の一である。また、当該放射部100における第1の接地点100aから第1の裂け目102までの部位と第1のサブセクション500が生成した三次共振は、WIFI5Gアンテナの動作周波数帯域に入る。
【0029】
前記放射部100における第1の導電部材30から第1の裂け目102までの部位と第1のサブセクション500とは、WIFI2.4Gアンテナとブルートゥース(登録商標)アンテナの動作周波数帯域を生成することができる。つまり、放射部100における第1の導電部材30から第1の裂け目102までの部位と第1のサブセクション500が生成した共振は、WIFI2.4Gアンテナとブルートゥース(登録商標)アンテナの動作周波数帯域に入る。なお、当該共振長は、WIFI2.4Gアンテナとブルートゥース(登録商標)アンテナの波長の二分の一である。
【0030】
前記第1のサブセクション500における第1の無線周波給電端から接続端までの部位と第2のサブセクション501はWIFI5Gアンテナの動作周波数帯域を生成することができる。つまり、第1のサブセクション500における第1の無線周波給電端から接続端までの部位と第2のサブセクション501が生成した共振は、WIFI5Gアンテナの動作周波数帯域に入り、当該共振長はWIFI5Gアンテナの波長の二分の一である。且つ、当該第1のサブセクション500における第1の無線周波給電端から接続端までの部位と第2のサブセクション501が生成した共振は、前記放射部100における第1の接地点100aから第1の裂け目102までの部位と第1のサブセクション500が生成した三次共振を補助することができ、スリーインワンアンテナにWIFI5Gアンテナの帯域幅を拡大させることができる。
【0031】
前記スリーインワンアンテナユニット50、第1の接地点100a、第2の接地点100b及びダイバーシティアンテナユニット60の間の位置関係に基づき、本発明の1つの実施例では、選択的に、当該アンテナシステムは第1のキャパシタンス素子をさらに備え、前記第2の導電部材40は第1の導電部400と第2の導電部401とを備え、前記ダイバーシティアンテナユニット60は間隔を空けて設置される第1のサブユニット600及び第2のサブユニット601を備え、当該第1のサブユニット600は第2のサブユニット601と第2の裂け目との間に位置し、つまり、第2のサブユニット601、第1のサブユニット600及び第2の裂け目は放射部100の長手方向に沿って順次に配列されている。ここで、第1のサブユニット600は、一端が第2の無線周波給電端に接続されている。好ましくは、当該第1のサブユニット600は、第1のサブユニット600と第2の無線周波給電端との接続の安定性を確保するように、一端が金属弾性脚により当該第2の無線周波給電端に電気的に接続されている。第1のサブユニット600は、他端が第1の導電部400により放射部100に接続されている。好ましくは、第1のサブユニット600と放射部100との接続の安定性を確保するように、当該第1の導電部400は、弾性部材である。
【0032】
前記第2のサブユニット601は、接続セクション601aと接続セクション601aに接続される延伸セクション601bとを備え、当該延伸セクション601bは第1のサブユニット600から離れる方向に延伸し、接続セクション601aの一端は第2の導電部401により放射部100に接続されている。好ましくは、第2の導電部401と放射部100との接続の安定性を確保し、さらに第2のサブユニット601と放射部100との接続の安定性を確保するように、当該第2の導電部401は、弾性部材である。且つ、接続セクション601aは、他端が第1のキャパシタンス素子によりシステムグランドに接続され、キャパシタンス素子のパラメーター値を調整することにより、ダイバーシティアンテナ帯域幅を調整することができる。
【0033】
前記ダイバーシティアンテナユニット60と放射部100との具体的な構成及びその接続関係に基づき、当該ダイバーシティアンテナユニット60と放射部100は、複数の動作周波数帯域を生成することができる。
【0034】
具体的に、放射部100における第1の導電部400から第2の裂け目までの部位と第1のサブユニット600は第1の動作周波数帯域を生成することができる。つまり、当該放射部100における第1の導電部400から第2の裂け目までの部位と第1のサブユニット600が生成した共振は、ダイバーシティアンテナの第1の動作周波数帯域に入り、なお、当該共振長は第1の動作周波数帯域の波長の二分の一である。
【0035】
放射部100における第2の接地点100bから第2の裂け目までの部位と第1のサブユニット600は第2の動作周波数帯域を生成することができる。つまり、当該放射部100における第2の接地点100bから第2の裂け目までの部位と第1のサブユニット600が生成した共振は、ダイバーシティアンテナの第2の動作周波数帯域に入り、当該共振長は第2の動作周波数帯域の波長の二分の一である。
【0036】
放射部100における第1の導電部400から第2の導電部401までの部位、第1のサブユニットと600及び第2のサブユニット601は第3の動作周波数帯域を生成することができる。つまり、当該放射部100における第1の導電部400から第2の導電部401までの部位、第1のサブユニットと600及び第2のサブユニット601が生成した共振は、ダイバーシティアンテナの第3の動作周波数帯域に入り、当該共振長は第3の動作周波数帯域波長の二分の一である。
【0037】
放射部100における第1の導電部400から第2の導電部401までの部位、第1のサブユニット600及び接続セクション601aは第4の動作周波数帯域を生成することができる。つまり、当該放射部100における第1の導電部400から第2の導電部401までの部位、第1のサブユニット600及び接続セクション601aが生成した共振は、ダイバーシティアンテナの第4の動作周波数帯域に入り、当該共振幅は第4の動作周波数帯域の波長の二分の一である。
【0038】
なお、前記第1の動作周波数帯域、第2の動作周波数帯域及び第3の動作周波数帯域はいずれも第4の動作周波数帯域より小さく、第2の動作周波数帯域、第3の動作周波数帯域はいずれも第1の動作周波数帯域より小さく、第2の動作周波数帯域は第3の動作周波数帯域より小さく、具体的に、第1の動作周波数帯域は2100MHz程度であり、第2の動作周波数帯域は690〜960MHz範囲にあり、第3の動作周波数帯域は1710MHz程度であり、第4の動作周波数帯域は2400MHz程度である。
【0039】
前記第1の接地点100a、第2の接地点100bとスリーインワンアンテナユニット50の位置関係に基づき、好ましくは、アンテナシステムは、チューニングスイッチをさらに備え、当該チューニングスイッチは、第2の接地点100bと第2の導電部材40との間に設置され、且つ、当該チューニングスイッチは放射部100とシステムグランドとを接続する。当該チューニングスイッチと第1のキャパシタンス素子により、並列組合せ近似する効果を有し、この効果は、第1の動作周波数帯域と第3の動作周波数帯域、及び第4の動作周波数帯域の表現方式に影響を与える。一般的には、第1の動作周波数帯域が第3の動作周波数帯域と1つの共振として合併し、帯域幅を増大させる。ここで、チューニングスイッチ及び第1のキャパシタンス素子のパラメーター値を調整することにより、寄生効果によって等価共振長が変化するため、第1の動作周波数帯域、第3の動作周波数帯域及び第4の動作周波数帯域に部分的に共振ずれが発生するようにすることができる。
【0040】
本発明の1つの実施例では、前記アンテナシステムは、WIFI5Gアンテナユニットの80、第3の導電部材90及び接続部材91をさらに備え、マザーボード20は第3の無線周波給電端をさらに備え、WIFI5Gアンテナユニットの80は、第3の導電部材90により第3の無線周波給電端に接続され、WIFI5Gアンテナユニット80は、接続部材91によりシステムグランドに接続されている。このように設計すると、アンテナシステムにWIFI5Gアンテナの多入力多出力の機能を有するようにすることができ、当該通信チャネルのデータ利用率を高め、WIFI5Gアンテナの放射性能を向上させることができる。
【0041】
なお、WIFI5Gアンテナユニット80とシステムグランド及び第3の無線周波給電端との接続の安定性を確保するように、前記接続部材91と第3の導電部材90は、金属弾性脚であってもよい。
【0042】
ここで、前記WIFI5Gアンテナユニットは、メインブランチノード801、及び、メインブランチノード801に接続される第1のサブブランチノード802、第2のサブブランチノード803及び第3のサブブランチノード804を備え、第1のサブブランチノード802、第2のサブブランチノード803及び第3のサブブランチノード804は、いずれもが放射部100から離れる方向に延伸し、第2のサブブランチノード803は第1のサブブランチノード802と第3のサブブランチノード804との間に位置する。且つ、アンテナシステムは第2のキャパシタンス素子をさらに備え、第1のサブブランチノード802は第2のキャパシタンス素子によりシステムグランドに接続され、第2のサブブランチノード803は第3の導電部材90により第3の無線周波給電端に接続され、第3のサブブランチノード804は接続部材91によりシステムグランドに接続されている。
【0043】
本実施例では、第2のキャパシタンス素子を搭載することにより、WIFI5Gアンテナユニットの共振経路を増加させ、WIFI5Gアンテナユニットの容量結合作用を増強させると共に、WIFI5Gアンテナユニットに二共振の波形が生成するようにすることができる。
具体的に、メインブランチノード801における第2のサブブランチノード803から第3のサブブランチノード804までの部位、第2のサブブランチノード803及び第3のサブブランチノード804は、WIFI5Gアンテナの1つの共振(5700MHz程度)を生成することができる。当該共振長はその動作周波数帯域の波長の二分の一である。
メインブランチノード801における第1のサブブランチノード802から第3のサブブランチノード804までの部位、第1のサブブランチノード802、第2のサブブランチノード803及び第3のサブブランチノード804は、WIFI5Gアンテナのもう一つの共振(5250MHz程度)を生成することができる。当該共振長はその動作周波数帯域の波長の二分の一である。選択的に、WIFI5Gアンテナに対する放射部100による影響を低減し、WIFI5Gアンテナユニット80に放射性能を向上させるように、前記WIFI5Gアンテナユニット80と放射部100は間隔を空けて設置されている。
【0044】
なお、WIFI5Gアンテナとスリーインワンアンテナが、第1の無線周波給電端と第2の無線周波給電端に合わせ、当該アンテナシステムがWIFI5GHz周波数帯域にMIMO(Multiple−Input Multiple−Output、多入力多出力)通信性能を有するようにし、データの利用率を向上させる。
【0045】
本発明の1つの実施例では、前記スリーインワンアンテナユニット50、ダイバーシティアンテナユニット60及びWIFI5Gアンテナユニット80はFPC回路板(即ち、フレキシブル回路基板)であってもよく、LDS(即ち、レーザ直接成形技術)により製作してもよい。また、当該スリーインワンアンテナユニット50と第1の無線周波給電端との間、ダイバーシティアンテナユニット60と第2の無線周波給電端との間、及びWIFI5Gアンテナユニット80と第3の無線周波給電端との間は、それぞれ、マッチングネットワークにより接続されることができる。マッチングネットワークのパラメーター値を調整することにより、スリーインワンアンテナ、ダイバーシティアンテナ及びWIFI5Gアンテナの帯域幅を調整することができ、アンテナのインピーダンスマッチングの調節ができるようにする。
【0046】
具体的に、本発明の図3には、スリーインワンアンテナユニット50と第1の無線周波給電端との間のマッチングネットワークを示し、当該マッチングネットワークは第1の並列インダクタンス素子920、第2の並列インダクタンス素子921、第1の直列キャパシタンス素子922、第1のポート923及び第2のポート924を備え、ここで、第1のポート923はスリーインワンアンテナユニット50に接続され、第2のポート924は第1の無線周波給電端に接続され、当該第1のポート923と第2のポート924との間に第1の直列キャパシタンス素子922が直列接続され、第1の並列インダクタンス素子920と第2の並列インダクタンス素子921は第1のポート923と第2のポート924との間に位置し、且つ、第1の並列インダクタンス素子920と第2の並列インダクタンス素子921は、一端がそれぞれシステムグランドに接続され、他端がそれぞれ第1の直列キャパシタンス素子922の両側に接続されている。ここで、第1の直列キャパシタンス素子922の数値は0.7pFであってもよく、第1の並列インダクタンス素子920の数値は7.5nHであってもよく、第2の並列インダクタンス素子921の数値は3nHであってもよい。なお、第1の直列キャパシタンス素子922の数値、第1の並列インダクタンス素子920の数値及び第2の並列インダクタンス素子921の数値は上記した数値に限定されず、具体的な状況に応じて決定され、他の数値であってもよい。
【0047】
さらに、本発明の図4には、ダイバーシティアンテナユニット60と第2の無線周波給電端との間のマッチングネットワークを示し、当該マッチングネットワークは第2の直列キャパシタンス素子931、第3の並列インダクタンス素子930、第3のポート932、及び第4のポートの933を備え、ここで、第3のポート932はダイバーシティアンテナユニット60に接続され、第4のポートの933は第2の無線周波給電端に接続され、当該第3のポート932と第4のポート933との間に当該第2の直列キャパシタンス素子931が直列接続され、第3の並列インダクタンス素子930は、一端がシステムグランドに接続され、他端が第2の直列キャパシタンス素子931に接続されている。ここで、第2の直列キャパシタンス素子931の数値は1.2pFであってもよく、第3の並列インダクタンス素子930の数値は10nHであってもよい。なお、第2の直列キャパシタンス素子931の数値と第3の並列インダクタンス素子930の数値は、上記した数値に限定されず、具体的な状況に応じて決定され、他の数値であってもよい。
【0048】
なお、各アンテナユニットとシステムグランドとの接続箇所にも、ゼロオーム抵抗又はキャパシタンス、インダクタンスなどの集中素子を搭載してもよく、アンテナの放射性能を調整する作用も果たすことができる。前記構成に基づき、本発明の実施例に係るアンテナシステムにおけるスリーインワンアンテナ、ダイバーシティアンテナ及びWIFI5Gアンテナのリターンロスはそれぞれ図5図6及び図7に示されている。また、当該ダイバーシティアンテナの放射効率は図8に示され、スリーインワンアンテナとWIFI5Gアンテナの放射効率は図9に示され、スリーインワンアンテナとダイバーシティアンテナの複数状態での伝送損失は図10a乃至図10cに示され、スリーインワンアンテナとWIFI5Gアンテナの伝送損失は図11に示され、ダイバーシティアンテナとWIFI5Gアンテナの伝送損失は図12に示されている。
【0049】
また、本発明は、前記いずれかの実施例に係るアンテナシステムを備える移動端末を提供する。
【0050】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者にとって、本発明に各種の変更及び変化を有してもよい。本発明の主旨及び原則の枠組み内でなされた全ての修正、均等な置換、改良等はいずれも本発明の保護範囲内に含まれなければならない。
【符号の説明】
【0051】
10 金属枠
100 放射部
100a 第1の接地点
100b 第2の接地点
101 接地部
102 第1の裂け目
103 第2の裂け目
20 マザーボード
30 第1の導電部材
40 第2の導電部材
400 第1の導電部
401 第2の導電部
50 スリーインワンアンテナユニット
500 第1のサブセクション
501 第2のサブセクション
60 ダイバーシティアンテナユニット
600 第1のサブユニット
601 第2のサブユニット
601a 接続セクション
601b 延伸セクション
80 WIFI5Gアンテナユニット
801 メインブランチノード
802 第1のサブブランチノード
803 第2のサブブランチノード
804 第3のサブブランチノード
90 第3の導電部材
91 接続部材
920 第1の並列インダクタンス素子
921 第2の並列インダクタンス素子
922 第1の直列キャパシタンス素子
923 第1のポート
924 第2のポート
930 第3の並列インダクタンス素子
931 第2の直列キャパシタンス素子
932 第3のポート
933 第4のポート
【要約】
【課題】本発明は、アンテナユニットと金属枠との間の励起効果を向上させ、アンテナシステムの放射性能を向上させるアンテナシステム及び移動端末に関する。
【解決手段】アンテナシステムは、金属枠、マザーボード、第1の導電部材、第2の導電部材、スリーインワンアンテナユニット及びダイバーシティアンテナユニットを備え、マザーボードはシステムグランド、スリーインワンアンテナユニットに接続される第1の無線周波給電端及びダイバーシティアンテナユニットに電気的に接続される第2の無線周波給電端を備え、金属枠は、別体で設置され、両者間にスリットを有する放射部及び接地部を備え、スリーインワンアンテナユニットとダイバーシティアンテナユニットは、それぞれ第1の導電部材と第2の導電部材により放射部に接続され、放射部は、システムグランドに接続され、ダイバーシティアンテナユニットとスリーインワンアンテナユニットとの間に設置される第1の接地点及び第2の接地点を有する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図11
図12