(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているような順番待ち管理システムを店舗などが利用する場合、まず初めに店頭端末などの初期設定を行い、システムを利用するためのアカウントを取得する必要がある。この際、初期設定は基本的に各店舗の管理者等が各種の設定項目を入力して行っていた。
【0006】
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、順番管理システムにおいて、初期設定を行う端末自体の既存の設定情報に基づいて、初期設定を支援することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る順番管理システムは、施設における順番待ちを管理する順番管理システムであって、
施設毎に設けられた端末と、
各施設の端末から送信される情報に基づいて、各施設における順番待ちの状況を管理する順番管理サーバと、を備え、
前記順番管理サーバは、
初期登録を行っていない施設の端末からアクセスを受けた際、当該端末から設定情報を取得する設定情報取得部と、
取得した設定情報に基づいて、前記端末に対する初期設定項目の選択肢を決定する初期設定支援部と、を備えたものである。
【0008】
また、前記設定情報取得部は、
前記端末に実装されているアプリケーションの情報を取得し、
前記初期設定支援部は、
実装されているアプリケーションに基づいて、前記端末に対する初期設定項目の選択肢を決定するようにしてもよい。
【0009】
また、前記初期設定支援部は、実装されているアプリケーションに基づいて当該施設の業種を推定し、業種に応じた設定項目を前記選択肢として決定するようにしてもよい。
【0010】
また、前記設定情報取得部は、前記端末のオペレーティングシステムの設定情報を取得し、前記初期設定支援部は、オペレーティングシステムの設定情報に基づいて、前記端末に対する初期設定項目の選択肢を決定するようにしてもよい。
【0011】
また、前記初期設定支援部は、オペレーティングシステムの設定情報に基づいて、当該施設で利用可能なプリンタの種類を推定し、順番管理システムで使用するプリンタの選択肢を決定するようにしてもよい。
【0012】
また、前記設定情報取得部は、当該端末から複数種類の設定情報を取得し、前記初期設定支援部は、各々の設定情報に基づいて当該施設の業種を推定し、複数の業種が該当した場合には、各設定情報に割り当てられたポイントの合計に応じて1つの業種を選択し、選択した業種に応じた設定項目を前記選択肢として決定するようにしてもよい。
【0013】
また、前記複数種類の設定情報には、前記端末に実装されているアプリケーションの情報、前記端末に実装されているブラウザの閲覧履歴、および前記端末の位置情報が含まれるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、順番管理システムにおいて、初期設定を行う端末自体の既存の設定情報に基づいて、初期設定を支援することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
本実施形態では、レストランAにおける順番待ち管理の例について説明するが、その他、アミューズメント施設、ショッピングモール、デパート、病院、役所、修理専門店、銀行、旅行代理店など、施設利用者の順番待ちの管理を行うあらゆる施設に適用できる。
【0018】
図1は、本実施形態に係る順番管理システム1000の概略構成を示す図である。
図1に示すように順番管理システム1000は、管理センター等に設置された順番管理サーバ(順番管理装置)100と、施設に設置された順番管理端末200を含んでいる。順番管理サーバ100は、順番管理端末200と通信ネットワークNを介して接続されている。
【0019】
順番管理サーバ100は、順番管理端末200を介して登録される順番待ちを施設毎に管理する。
図1の例では、1つの施設(レストランA)の順番管理端末200のみが図示されているが、順番管理サーバ100は、実際には複数の施設に設置されている順番管理端末200と通信ネットワークNで接続され、各施設の順番待ちを管理している。順番管理サーバ100は、汎用的なコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現する。順番管理サーバ100を構成するコンピュータは、必ずしも1台である必要はなく、通信ネットワークN上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。
【0020】
順番管理サーバ100は、施設ごとに順番管理端末200を管理するための管理データベース110と、プロセッサ(順番待ち状況管理部、設定情報取得部、初期設定支援部)120と、を備えている。管理データベース110は、クライアント管理テーブルTA1と、ステータス管理テーブルTA2と、初期設定項目管理テーブルTA3を備えている。
【0021】
クライアント管理テーブルTA1には、施設毎に、順番管理端末200に対して付与されている固有のIDとパスコード(アカウント)が登録されている。クライアント管理テーブルTA1の1レコードには、例えば「レストランA」のレコードとして、「ID:A1・・・」、「パスコード:AA2・・・」等が設定されている。1施設で複数の順番管理端末200を利用する場合、施設毎に同一のIDとパスコードを利用してもよいし、所定の条件に従い、複数のIDとパスワードを使い分けるようにしてもよい。IDとパスコードは、順番管理端末200の初期設定の際に付与され、登録される。
【0022】
ステータス管理テーブルTA2には、各施設での順番待ちリストが登録されている。この順番待ちリストは、順番待ちをしている者(順番待ち組)の一覧と、各々の順番待ち組の待ち状況をあらわす情報(ステータス情報)が含まれる。順番待ちリストの1レコードには、受付番号「1」、受付時刻「13:03」、待ち項目「テーブル席」、人数「3」、ステータス「呼出中」等の情報が含まれている。その他、氏名、連絡先のメールアドレス、電話番号などの情報も含むことができる。
【0023】
ステータスには、順番到来前の状態である「待ち中」、順番が来たことを知らせた状態である「呼出中」、順番が来た者を実際に座席等に案内した状態である「案内済」、さらに順番待ちをキャンセルした状態である「取消済」等が含まれる。ステータスとしてどのような項目を設定するかは各施設の管理者等が初期設定の際に適宜設定し、設定後の変更も可能となっている。
【0024】
待ち項目は、受付登録時に選択が可能な受付項目の情報であり、レストランAの場合、利用者は待ち項目として席の種類を選択することができる。ここでは、席の種類として「テーブル席」、「カウンター席」、「テラス席」、「個室」が設定されている。
【0025】
なお、順番待ちリストに含める情報は、各施設の管理者等が初期設定の際に適宜設定し、設定後の変更も可能となっている。順番待ちリストのレコードの内容は、順番管理端末200から送信される順番待ちリストへの新規登録情報、またはステータスの更新情報(詳細は後述)に基づいて更新される。
【0026】
初期設定項目管理テーブルTA3には、業種ごとの初期設定項目の選択肢の情報が登録されている。例えば、業種「レストラン」については、待ち項目の選択肢として「席の種類」、「禁煙・喫煙の希望」等が、業種「銀行」については、待ち項目の選択肢として「用件の種類」、「口座の有無」等が登録されている。
【0027】
プロセッサ120は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、ROM等の記憶手段に格納されている各種プログラムを実行することで順番管理サーバ100の各部を中枢的に制御する。また、プロセッサ120は、順番管理端末200と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(順番管理アプリケーション)も実行する。
【0028】
通信ネットワークNは、順番管理サーバ100と順番管理端末200との間などで、相互に情報を送受信可能な通信網を含む。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0029】
順番管理端末200は、タブレット端末や、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、スマートフォン、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)など、通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100とデータの授受が可能なあらゆる端末装置を利用することができる。なお、順番管理端末200は、1施設で複数台利用することができる。
【0030】
図2は、順番管理端末200の主要構成を示すブロック図である。順番管理端末200は、プロセッサ210と、入力装置215と、表示装置216と、通信インタフェース220と、記憶資源230を備える。順番管理端末200は、施設に来た利用者や、施設の従業者がタッチパネルなどの入力装置215を操作することで、順番待ちリストへの登録や更新等の入力を受け付ける。
【0031】
プロセッサ210は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、記憶資源230に格納されている各種プログラムを実行することで順番管理端末200の各部を中枢的に制御する。各種レジスタは、例えば、プログラムカウンタ、データレジスタ、命令レジスタ、汎用レジスタ等である。
【0032】
入力装置215は、順番待ちリストへの受付や順番待ちリストからの消込み等の入力を受け付けるための各種操作ボタンやタッチパネル215aを備えている。
【0033】
表示装置216は、順番待ちリストや、受付画面やステータス管理画面を表示するための装置であり、例えば液晶ディスプレイにより構成される。
【0034】
通信インタフェース220は、通信ネットワークNに接続し、通信ネットワークNを介して他の装置と通信をするためのハードウェアモジュールである。通信インタフェース220は、例えば、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルモデム、光モデム、ソフトモデム等の変調復調装置である。
【0035】
記憶資源230は、例えば、物理デバイスの記憶領域が提供する論理デバイスである。物理デバイスは、例えば、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶資源230は、複数の物理デバイスを1つの論理デバイスにマッピングして構築してもよいし、1つの物理デバイスを複数の論理デバイスにマッピングして構築してもよい。
【0036】
記憶資源230には、オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、各種データ等が格納される。ドライバプログラムとしては、例えば、通信インタフェース220を制御するための通信インタフェースドライバプログラム等がある。また、記憶資源230には、これら各種プログラムや各種データのほか、プロセッサ210が実行することにより、順番管理端末200に様々な機能を実現させる各種のコンピュータプログラム(アプリケーション)が記憶されている。アプリケーションには、例えば、順番管理サーバ100と連携して順番待ちを管理するための順番管理アプリケーションAP1や、座席管理を行うための座席管理アプリケーション(図示せず)が含まれる。
【0037】
(順番管理端末200の初期設定)
次に、施設(ここでは、レストランA)における順番管理端末200の初期設定について、
図3のシーケンス図を用いて説明する。順番管理端末200の初期設定は、施設における順番管理システム1000の導入時などに施設の管理者等によって行われる。初期設定には、順番管理サーバ100にアクセスするためのアカウントの付与、順番管理端末200として動作するために必要な画面レイアウトや画面遷移の情報の設定、順番券等を出力するために接続するプリンタの設定等が含まれる。
【0038】
まず、管理者等は、順番管理端末200を操作して、順番管理サーバ100に接続する(ステップS101)。なお、この時点では順番管理システム1000への初期登録を行っていないため、施設固有のアカウントは付与されていないので、順番管理端末200からはアカウントを用いずに順番管理サーバ100にアクセスする。
【0039】
順番管理サーバ100は、順番管理端末200から、記憶資源230に格納されているアプリケーションの情報を取得する(ステップS102)。
【0040】
順番管理サーバ100は、順番管理端末200の記憶資源230に格納されているアプリケーションに基づいて、当該施設の業種を推定する(ステップS103)。例えば、具体的なアプリケーション名と業種を対応させたデータベース(図示せず)を参照することにより、業種を推定してもよい。ここでは、順番管理端末200の記憶資源230に座席管理アプリケーションAP2(主にレストランで使用される座席管理アプリケーション)が格納されていることから、順番管理サーバ100は、業種を「レストラン」と推定する。
【0041】
順番管理サーバ100は、推定した業種に基づいて、順番管理端末200に対する初期設定項目の選択肢を決定する(ステップS104)。業種ごとの初期設定項目の選択肢は、初期設定項目管理テーブルTA3を参照して取得する。例えば、業種がレストランの場合には、待ち項目として設定可能な選択肢として、席の種類(テーブル席、カウンター席、テラス席等)や禁煙・喫煙の希望等が設定できるようにする。
【0042】
次に、順番管理サーバ100は、順番管理端末200の記憶資源230に格納されているオペレーティングシステムの設定情報を取得する(ステップS105)。
【0043】
順番管理サーバ100は、取得したオペレーティングシステムの設定情報に基づいて、初期設定項目の選択肢を決定する(ステップS106)。例えば、プリンタの設定情報から当該施設で利用可能なプリンタの種類を推定し、順番券の印刷などのために使用するプリンタの選択肢を決定する。
【0044】
順番管理サーバ100は、決定した初期設定項目の選択肢に基づいて、順番管理端末200に初期設定画面情報を送信する(ステップS107)。順番管理端末200は、受信した初期設定画面情報に基づいて、表示装置216に初期設定画面を表示する(ステップS108)。施設の管理者等は、表示された初期設定画面にしたがって順番管理端末200の初期設定を行う。
【0045】
初期設定画面には、施設の情報(施設名、業態、所在地、代表連絡先、代表者等)を入力する画面の他、順番待ちリストに含める項目(待ち項目、人数、氏名、電話番号、メールアドレス等)を設定する画面や、各項目の選択肢(ステータスの選択肢、待ち項目の選択肢等)を設定する画面、順番券を印刷するプリンタを選択する画面、受付画面等に表示するメッセージを設定する画面などが含まれる。
図4は、順番管理端末200に表示される初期設定画面の一つ(待ち項目を設定する画面)を例示する図である。
図4に示すように、待ち項目を設定する画面には、待ち項目の選択肢が表示される。
【0046】
待ち項目の選択肢は、順番管理端末200に実装されているアプリケーションの種類に基づいて推定した業種に対応したものが表示される。例えば、レストランであれば
図4に示すように「席の種類」、「禁煙・喫煙の希望」などが選択肢となるが、銀行ならば、例えば「用件の種類」、「口座の有無」が選択肢となり、病院ならば「診療科」、「初診・再診の区別」などを選択肢とすることができる。施設の管理者等は、表示された選択肢の中から、待ち項目として設定したい項目を選択することができる。また、プリンタの選択肢は、推定した当該施設で利用可能なプリンタとすることができる。また、受付画面等に表示するメッセージについても、業種に応じた選択肢を提示するようにしてもよい。
【0047】
初期設定項目の入力が完了し、完了ボタン等が操作されると、入力した情報が順番管理サーバ100に送信される(ステップS109)。順番管理サーバ100は、入力情報を受信すると、当該施設のアカウントを発行し、サーバ側の初期設定(クライアント管理テーブルTA1への登録、順番待ちリストの生成等)を行う。また、受信した入力情報に基づいて、順番管理端末200の初期設定に必要な情報(画面レイアウト、画面遷移等)を生成する(ステップS110)。順番管理サーバ100は、発行したアカウントや順番管理端末200の初期設定に必要な情報を順番管理端末200に送信する(ステップS111)。順番管理端末200において、受信した情報に基づいて画面設定等の初期設定を行う(ステップS112)。また、以降は、順番管理端末200から順番管理システム1000にログインする際には、受信したアカウントを用いる。
【0048】
(順番待ちの受付登録)
次に、順番管理システム1000による順番待ちの受付登録処理について
図5のフローチャートを用いて説明する。施設(ここでは、レストランA)に来訪した利用者は、施設に設置された順番管理端末200を操作して、受付登録を行うことができる。
【0049】
まず、順番管理端末200は通信インタフェース220を介して、順番管理サーバ100からステータス管理テーブルTA2に登録されている順番待ちリストに含まれる情報を受信する(ステップS31)。
【0050】
次に、順番管理端末200は、順番待ちの受付をするための受付画面を表示装置216に表示させる(ステップS32)。受付画面には、例えば順番待ちリストの情報(順番待ちをしている者の受付番号と現在のステータス情報)が、受付をした順番に時系列に並べられた一覧が表示される。さらに、現在順番待ちをしている待ち組数なども表示される。
【0051】
表示された受付画面に対して利用者が所定の操作入力を行い、順番待ちの受付に必要な情報(待ち項目、利用人数、呼出(電話又はメール)の希望の有無、呼出時の連絡先の電話番号またはメールアドレス等)の入力が完了すると(ステップS33:YES)、順番管理端末200は受付完了画面を表示する(ステップS34)。受付完了画面には、受付番号(待ち番号)や、現時点での待ち時間等が表示される。また、順番券を受け取るよう促すメッセージが表示され、利用者は、初期設定時に設定したプリンタから印刷される順番券を受け取ることができる。
【0052】
順番券には、受付番号と対応付けられた二次元コードが印刷されている。利用者が自身の携帯端末を利用して順番券に印刷された二次元コードを読み取ることで、携帯端末の表示装置に、利用者の現在の順番待ち状況(現状の待ち組数や予想待ち時間など)が表示される。また、利用者が、二次元コードを読み込むことによって表示される案内にしたがって電話番号やメールアドレスを入力することにより、順番が到来した際に電話またはメールによるメッセージを受信したり、順番が近づいたときにリマインドメッセージを受信したりすることができる。
【0053】
確定した新規登録情報は、順番管理端末200から通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100に送信される(ステップS35)。順番管理サーバ100は、ある施設から新規登録情報を受信すると、受信した新規登録情報に基づいて、その施設の順番待ちリストに順番待ちを1組新たに追加する処理を行い、ステータス管理テーブルTA2を更新する(ステップS36)。
【0054】
(順番待ちリストの更新)
各施設の順番待ちリストの各レコードの内容は、施設の従業者が順番管理端末200(主に店舗モード端末)を用いて「取消」、「変更」、「呼出」、「案内」等の操作を行った際に更新される。「取消」は、順番待ちをキャンセルすることを意味し、「変更」は、いったん入力された順番待ちの内容を変更することを意味する。また、「呼出」は、順番が来た組を口頭で呼出したり、電話や呼出メールなどで知らせた状態であることを意味し、「案内」は、順番が来た組に対して実際に対応を開始した状態であることを意味する。
【0055】
従業者は、順番管理端末200に表示された順番待ちリストの中から、更新対象の順番待ち組を選択し、選択した順番待ち組に対して「呼出」、「取消」、「変更」のいずれかの更新操作を行う。更新対象の順番待ち組を特定する情報(例えば受付番号「1」)と更新操作の情報(例えば「呼出」)は、順番管理端末200から通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100にアップロードされる。順番管理サーバ100は、受信した情報に基づき、当該施設の順番待ちリストを更新する。例えば、受付番号「1」に対して「呼出」操作を行った場合には、受付番号「1」の順番待ち組のステータスが「呼出中」に更新される。
【0056】
以上のように、本実施形態によれば、順番管理サーバ100は、初期登録を行っていない施設の順番管理端末200からアクセスを受けた際、順番管理端末200に実装されているアプリケーションの情報に基づいて当該施設の業種を推定し、業種に応じて初期設定項目の選択肢を決定するようにした。
【0057】
また、順番管理サーバ100は、順番管理端末200のオペレーティングシステムの設定情報に基づいて、例えば施設で利用可能なプリンタを推定し、順番管理システム1000で利用するプリンタの選択肢を決定するようにした。
【0058】
これにより、順番管理端末200の既存の設定環境に基づいて、適切な初期設定を行えるよう支援することができる。また、初期設定項目の選択肢が絞られるため、施設の管理者等の初期設定の際の負担も軽減される。
【0059】
また、上記の実施形態では、施設の業種を推定するのに、順番管理端末200に実装されているアプリケーションの情報を利用しているが、推定に利用する情報はこれに限られない。例えば、順番管理端末200に実装されているブラウザの閲覧履歴に基づいて施設の業種を推定してもよい。具体的には、例えば、閲覧履歴に、飲食店向けツールへのログインクッキー(Cookie)の情報が含まれている場合には、業種を「レストラン」と推定する。また、医療機関向けサイトへのログイン画面の情報が含まれている場合には、業種を「病院」と推定することができる。業種の推定は、具体的なツール名やサイトのURLと、業種を対応させたデータベースを参照することにより行うようにしてもよい。
【0060】
また、順番管理端末200のGPS(Global Positioning System)による位置情報に基づいて施設の業種を推定してもよい。具体的には、取得した位置情報を地図データ等と照合し、施設が特定できる場合には、その施設に当てはまる業種を選択する。例えば、位置情報が病院の所在地に合致する場合には業種を「病院」と推定する。また、施設が特定できない場合でも、例えば、位置情報が飲食店街のエリアに含まれる場合など、明らかに施設の業種が特定できる場合には、位置情報を利用して業種を推定するようにしてもよい。
【0061】
また、アプリケーション、ブラウザの閲覧履歴、位置情報のそれぞれに基づいて、業種を推定してもよい。これにより、2つ以上の異なる業種が推定された場合には、予め定めた優先順位にしたがって、1つの業種に絞り込むようにしてもよい。例えば、優先順位を、アプリケーション、ブラウザの閲覧履歴、位置情報の順とし、どの項目に基づいて推定されたかによって、推定された業種に所定のポイントを加算し、最も高いポイントの業種を選択するようにしてもよい。例えば、アプリケーション:5ポイント、ブラウザの閲覧履歴:3ポイント、位置情報:1ポイント、アプリケーションから推定される業種が「レストラン」、ブラウザの閲覧履歴および位置情報から推定される業種が「銀行」の場合、業種「レストラン」は5ポイント、業種「銀行」は3+1=4ポイントなので、業種としては「レストラン」が選択される。
【0062】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【解決手段】施設における順番待ちを管理する順番管理システムであって、施設毎に設けられた端末と、各施設の端末から送信される情報に基づいて、各施設における順番待ちの状況を管理する順番管理サーバと、を備え、順番管理サーバは、初期登録を行っていない施設の端末からアクセスを受けた際、当該端末から設定情報を取得する設定情報取得部と、取得した設定情報に基づいて、端末に対する初期設定項目の選択肢を決定する初期設定支援部とを備える。