特許第6446122号(P6446122)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6446122
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】変速機の制御装置及び変速機の制御方法
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/12 20100101AFI20181217BHJP
   F16H 59/08 20060101ALI20181217BHJP
   F16H 59/38 20060101ALI20181217BHJP
   F16H 59/68 20060101ALI20181217BHJP
   F16H 61/662 20060101ALI20181217BHJP
   F16H 61/68 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   F16H61/12
   F16H59/08
   F16H59/38
   F16H59/68
   F16H61/662
   F16H61/68
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-507605(P2017-507605)
(86)(22)【出願日】2016年2月17日
(86)【国際出願番号】JP2016054592
(87)【国際公開番号】WO2016152333
(87)【国際公開日】20160929
【審査請求日】2017年9月7日
(31)【優先権主張番号】特願2015-57904(P2015-57904)
(32)【優先日】2015年3月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジヤトコ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大園 青加
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 洋次
(72)【発明者】
【氏名】阿部 浩介
【審査官】 星名 真幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−090403(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/140841(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 59/00−61/12
F16H 61/16−61/24
F16H 61/66−61/70
F16H 63/40−63/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プーリ圧を制御することにより溝幅が変更されるプーリと、前記プーリに巻きかけられたベルトと、を少なくとも有するバリエータと、
前記プーリ圧の元圧となるライン圧の実圧を制御するライン圧用油圧アクチュエータと、
前記プーリ圧の実圧を制御するプーリ圧用油圧アクチュエータと、
を有する変速機において制御を行う変速機の制御装置であって、
特定箇所のフェールを判定するフェール判定部と、
前記ライン圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるライン指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧を第1所定値以上の値であるライン圧設定値に固定するライン指示圧制御部と、
前記プーリ圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるプーリ指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記プーリ指示圧を第2所定値以上の値であるプーリ圧設定値に固定するプーリ指示圧制御部と、
を有し、
前記特定箇所は、前記バリエータの入力側の回転速度を検出するためのバリエータ入力側回転センサ、前記バリエータの出力側の回転速度を検出するためのバリエータ出力側回転センサ、又は前記変速機の選択レンジを検出する選択レンジ検出部であり、
前記プーリ指示圧制御部は、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧の変化の開始後に前記プーリ指示圧の変化を開始するとともに、前記プーリ指示圧が第1所定時間をかけて前記プーリ圧設定値になるように前記プーリ指示圧を制御する、
変速機の制御装置。
【請求項2】
プーリ圧を制御することにより溝幅が変更されるプーリと、前記プーリに巻きかけられたベルトと、を少なくとも有するバリエータと、
前記プーリ圧の元圧となるライン圧の実圧を制御するライン圧用油圧アクチュエータと、
前記プーリ圧の実圧を制御するプーリ圧用油圧アクチュエータと、
を有する変速機において制御を行う変速機の制御装置であって、
特定箇所のフェールを判定するフェール判定部と、
前記ライン圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるライン指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧を第1所定値以上の値であるライン圧設定値に固定するライン指示圧制御部と、
前記プーリ圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるプーリ指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記プーリ指示圧を第2所定値以上の値であるプーリ圧設定値に固定するプーリ指示圧制御部と、
を有し、
前記変速機は、前記バリエータの出力側に配置され、第1変速段と前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段とを有する副変速機構をさらに備え、
前記特定箇所は、前記副変速機構の出力側の回転速度を検出するための副変速機構出力側回転センサであり、
前記プーリ指示圧制御部は、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧の変化の開始後に前記プーリ指示圧の変化を開始するとともに、前記プーリ指示圧が第1所定時間をかけて前記プーリ圧設定値になるように前記プーリ指示圧を制御する、
変速機の制御装置。
【請求項3】
プーリ圧を制御することにより溝幅が変更されるプーリと、前記プーリに巻きかけられたベルトと、を少なくとも有するバリエータと、
前記プーリ圧の元圧となるライン圧の実圧を制御するライン圧用油圧アクチュエータと、
前記プーリ圧の実圧を制御するプーリ圧用油圧アクチュエータと、
を有する変速機において制御を行う変速機の制御装置であって、
特定箇所のフェールを判定するフェール判定部と、
前記ライン圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるライン指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧を第1所定値以上の値であるライン圧設定値に固定するライン指示圧制御部と、
前記プーリ圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるプーリ指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記プーリ指示圧を第2所定値以上の値であるプーリ圧設定値に固定するプーリ指示圧制御部と、
を有し、
前記特定箇所は、ソレノイドバルブから構成される前記プーリ圧用油圧アクチュエータ、又は、ソレノイドバルブから構成される前記ライン圧用油圧アクチュエータであり、
前記プーリ指示圧制御部は、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧の変化の開始後に前記プーリ指示圧の変化を開始するとともに、前記プーリ指示圧が第1所定時間をかけて前記プーリ圧設定値になるように前記プーリ指示圧を制御する、
変速機の制御装置。
【請求項4】
プライマリ圧を制御することにより溝幅が変更されるプライマリプーリと、セカンダリ圧を制御することにより溝幅が変更されるセカンダリプーリと、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとに巻きかけられたベルトと、を有するバリエータと、
前記プライマリ圧及び前記セカンダリ圧の元圧となるライン圧の実圧を制御するライン圧用油圧アクチュエータと、
前記プライマリ圧の実圧を制御するプライマリ圧用油圧アクチュエータと、
前記セカンダリ圧の実圧を制御するセカンダリ圧用油圧アクチュエータと、
を有する変速機において制御を行う変速機の制御装置であって、
特定箇所のフェールを判定するフェール判定部と、
前記ライン圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるライン指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧を第1所定値以上の値であるライン圧設定値に固定するライン指示圧制御部と、
前記プライマリ圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるプライマリ指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記プライマリ指示圧を第3所定値以上の値であるプライマリ圧設定値に固定するプライマリ指示圧制御部と、
前記セカンダリ圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるセカンダリ指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記セカンダリ指示圧を第4所定値以上の値であるセカンダリ圧設定値に固定するセカンダリ指示圧制御部と、
を有し、
前記プライマリ指示圧制御部は、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧の変化の開始後に前記プライマリ指示圧の変化を開始するとともに、前記プライマリ指示圧が、第2所定時間をかけて前記プライマリ圧設定値になるように前記プライマリ指示圧を制御し、
前記セカンダリ指示圧制御部は、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧の変化の開始後に前記セカンダリ指示圧の変化を開始するとともに、前記セカンダリ指示圧が、第3所定時間をかけて前記セカンダリ圧設定値になるように前記セカンダリ指示圧を制御し、
前記プライマリ指示圧制御部はさらに、前記フェールが判定された場合には、前記セカンダリ指示圧の変化の開始前又は開始後に前記プライマリ指示圧の変化を開始する、
変速機の制御装置。
【請求項5】
請求項に記載の変速機の制御装置であって、
前記特定箇所は、前記バリエータの入力側の回転速度を検出するためのバリエータ入力側回転センサ、前記バリエータの出力側の回転速度を検出するためのバリエータ出力側回転センサ、又は前記変速機の選択レンジを検出する選択レンジ検出部である、
変速機の制御装置。
【請求項6】
請求項に記載の変速機の制御装置であって、
前記変速機は、前記バリエータの出力側に配置され、第1変速段と前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段とを有する副変速機構をさらに備え、
前記特定箇所は、前記副変速機構の出力側の回転速度を検出するための副変速機構出力側回転センサである、
変速機の制御装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の変速機の制御装置であって、
前記ライン指示圧制御部は、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧が第4所定時間をかけて前記ライン圧設定値になるように前記ライン指示圧を制御する、
変速機の制御装置。
【請求項8】
プーリ圧を制御することにより溝幅が変更されるプーリと前記プーリに巻きかけられたベルトとを少なくとも有するバリエータと、前記プーリ圧の元圧となるライン圧の実圧を制御するライン圧用油圧アクチュエータと、前記プーリ圧の実圧を制御するプーリ圧用油圧アクチュエータと、を有する変速機において制御を行うための変速機の制御方法であって、
特定箇所のフェールを判定することと、
前記ライン圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるライン指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧を第1所定値以上の値であるライン圧設定値に固定することと、
前記プーリ圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるプーリ指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記プーリ指示圧を第2所定値以上の値であるプーリ圧設定値に固定することと、
を含み、
前記特定箇所は、前記バリエータの入力側の回転速度を検出するためのバリエータ入力側回転センサ、前記バリエータの出力側の回転速度を検出するためのバリエータ出力側回転センサ、又は前記変速機の選択レンジを検出する選択レンジ検出部であり、
前記プーリ指示圧を制御するにあたり、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧の変化の開始後に前記プーリ指示圧の変化を開始するとともに、前記プーリ指示圧が第1所定時間をかけて前記プーリ圧設定値になるように前記プーリ指示圧を制御する、
変速機の制御方法。
【請求項9】
プーリ圧を制御することにより溝幅が変更されるプーリと前記プーリに巻きかけられたベルトとを少なくとも有するバリエータと、前記プーリ圧の元圧となるライン圧の実圧を制御するライン圧用油圧アクチュエータと、前記プーリ圧の実圧を制御するプーリ圧用油圧アクチュエータと、を有する変速機において制御を行うための変速機の制御方法であって、
特定箇所のフェールを判定することと、
前記ライン圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるライン指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧を第1所定値以上の値であるライン圧設定値に固定することと、
前記プーリ圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるプーリ指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記プーリ指示圧を第2所定値以上の値であるプーリ圧設定値に固定することと、
を含み、
前記変速機は、前記バリエータの出力側に配置され、第1変速段と前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段とを有する副変速機構をさらに備え、
前記特定箇所は、前記副変速機構の出力側の回転速度を検出するための副変速機構出力側回転センサであり、
前記プーリ指示圧を制御するにあたり、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧の変化の開始後に前記プーリ指示圧の変化を開始するとともに、前記プーリ指示圧が第1所定時間をかけて前記プーリ圧設定値になるように前記プーリ指示圧を制御する、
変速機の制御方法。
【請求項10】
プーリ圧を制御することにより溝幅が変更されるプーリと前記プーリに巻きかけられたベルトとを少なくとも有するバリエータと、前記プーリ圧の元圧となるライン圧の実圧を制御するライン圧用油圧アクチュエータと、前記プーリ圧の実圧を制御するプーリ圧用油圧アクチュエータと、を有する変速機において制御を行うための変速機の制御方法であって、
特定箇所のフェールを判定することと、
前記ライン圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるライン指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧を第1所定値以上の値であるライン圧設定値に固定することと、
前記プーリ圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるプーリ指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記プーリ指示圧を第2所定値以上の値であるプーリ圧設定値に固定することと、
を含み、
前記特定箇所は、ソレノイドバルブから構成される前記プーリ圧用油圧アクチュエータ、又は、ソレノイドバルブから構成される前記ライン圧用油圧アクチュエータであり、
前記プーリ指示圧を制御するにあたり、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧の変化の開始後に前記プーリ指示圧の変化を開始するとともに、前記プーリ指示圧が第1所定時間をかけて前記プーリ圧設定値になるように前記プーリ指示圧を制御する、
変速機の制御方法。
【請求項11】
プライマリ圧を制御することにより溝幅が変更されるプライマリプーリと、セカンダリ圧を制御することにより溝幅が変更されるセカンダリプーリと、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとに巻きかけられたベルトと、を有するバリエータと、
前記プライマリ圧及び前記セカンダリ圧の元圧となるライン圧の実圧を制御するライン圧用油圧アクチュエータと、
前記プライマリ圧の実圧を制御するプライマリ圧用油圧アクチュエータと、
前記セカンダリ圧の実圧を制御するセカンダリ圧用油圧アクチュエータと、
を有する変速機において制御を行うための変速機の制御方法であって、
特定箇所のフェールを判定することと、
前記ライン圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるライン指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧を第1所定値以上の値であるライン圧設定値に固定することと、
前記プライマリ圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるプライマリ指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記プライマリ指示圧を第3所定値以上の値であるプライマリ圧設定値に固定することと、
前記セカンダリ圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるセカンダリ指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記セカンダリ指示圧を第4所定値以上の値であるセカンダリ圧設定値に固定することと、
前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧の変化の開始後に前記プライマリ指示圧の変化を開始するとともに、前記プライマリ指示圧が、第2所定時間をかけて前記プライマリ圧設定値になるように前記プライマリ指示圧を制御することと、
前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧の変化の開始後に前記セカンダリ指示圧の変化を開始するとともに、前記セカンダリ指示圧が、第3所定時間をかけて前記セカンダリ圧設定値になるように前記セカンダリ指示圧を制御することと、
さらに、前記フェールが判定された場合には、前記セカンダリ指示圧の変化の開始前又は開始後に前記プライマリ指示圧の変化を開始することと、を含む
変速機の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機の制御装置及び変速機の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無段変速機のセカンダリプーリの回転速度センサ故障時のフェールセーフを行う技術が、JP5−46465Bで開示されている。この技術は、セカンダリプーリの制御圧をライン圧に固定する片調圧方式によって無段変速機を変速する。そして、この技術は、セカンダリプーリの回転速度センサ故障時に、セカンダリプーリの制御圧としてそのまま伝達されるライン圧を最大値に固定する。また、この技術は、ライン圧から生成されるプライマリプーリの制御圧を最小値にして変速比を最大変速比すなわち最Low変速比に固定する。この技術は、これによりベルト滑りを防止する。
【発明の概要】
【0003】
JP5−46465Bの技術では、フェール時にライン圧を最大値に固定することで、セカンダリプーリの制御圧が急激に上昇し得る。結果、フェール時に変速比が急変することで、無段変速機を搭載する車両の運転者に違和感を与える虞がある。
【0004】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、特定箇所のフェール時にフェールセーフを行うにあたり、変速比の急変を抑制することが可能な変速機の制御装置及び変速機の制御方法を提供することを目的とする。
【0005】
本発明のある態様である第1の態様の変速機の制御装置は、プーリ圧を制御することにより溝幅が変更されるプーリと、前記プーリに巻きかけられたベルトと、を少なくとも有するバリエータと、前記プーリ圧の元圧となるライン圧の実圧を制御するライン圧用油圧アクチュエータと、前記プーリ圧の実圧を制御するプーリ圧用油圧アクチュエータと、を有する変速機において制御を行う。当該変速機の制御装置は、特定箇所のフェールを判定するフェール判定部と、前記ライン圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるライン指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧を第1所定値以上の値であるライン圧設定値に固定するライン指示圧制御部と、前記プーリ圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるプーリ指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記プーリ指示圧を第2所定値以上の値であるプーリ圧設定値に固定するプーリ指示圧制御部と、を有する。前記特定箇所は、前記バリエータの入力側の回転速度を検出するためのバリエータ入力側回転センサ、前記バリエータの出力側の回転速度を検出するためのバリエータ出力側回転センサ、又は前記変速機の選択レンジを検出する選択レンジ検出部である。前記プーリ指示圧制御部は、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧の変化の開始後に前記プーリ指示圧の変化を開始するとともに、前記プーリ指示圧が第1所定時間をかけて前記プーリ圧設定値になるように前記プーリ指示圧を制御する。
【0006】
本発明の別の態様である第2の態様によれば、プライマリ圧を制御することにより溝幅が変更されるプライマリプーリと、セカンダリ圧を制御することにより溝幅が変更されるセカンダリプーリと、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとに巻きかけられたベルトと、を有するバリエータと、前記プライマリ圧及び前記セカンダリ圧の元圧となるライン圧の実圧を制御するライン圧用油圧アクチュエータと、前記プライマリ圧の実圧を制御するプライマリ圧用油圧アクチュエータと、前記セカンダリ圧の実圧を制御するセカンダリ圧用油圧アクチュエータと、有する変速機において制御を行う変速機の制御装置であって、次のような構成の変速機の制御装置が提供される。すなわち、当該変速機の制御装置は、特定箇所のフェールを判定するフェール判定部と、前記ライン圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるライン指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧を第1所定値以上の値であるライン圧設定値に固定するライン指示圧制御部と、前記プライマリ圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるプライマリ指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記プライマリ指示圧を第3所定値以上の値であるプライマリ圧設定値に固定するプライマリ指示圧制御部と、前記セカンダリ圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるセカンダリ指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記セカンダリ指示圧を第4所定値以上の値であるセカンダリ圧設定値に固定するセカンダリ指示圧制御部と、を有する。そして、前記プライマリ指示圧制御部は、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧の変化の開始後に前記プライマリ指示圧の変化を開始するとともに、前記プライマリ指示圧が、第2所定時間をかけて前記プライマリ圧設定値になるように前記プライマリ指示圧を制御する。また、前記セカンダリ指示圧制御部は、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧の変化の開始後に前記セカンダリ指示圧の変化を開始するとともに、前記セカンダリ指示圧が、第3所定時間をかけて前記セカンダリ圧設定値になるように前記セカンダリ指示圧を制御する。前記プライマリ指示圧制御部はさらに、前記フェールが判定された場合には、前記セカンダリ指示圧の変化の開始前又は開始後に前記プライマリ指示圧の変化を開始する。
【0007】
本発明のさらに別の態様である第3の態様によれば、プーリ圧を制御することにより溝幅が変更されるプーリと前記プーリに巻きかけられたベルトとを少なくとも有するバリエータと、前記プーリ圧の元圧となるライン圧の実圧を制御するライン圧用油圧アクチュエータと、前記プーリ圧の実圧を制御するプーリ圧用油圧アクチュエータと、を有する変速機において制御を行うための変速機の制御方法であって、特定箇所のフェールを判定することと、前記ライン圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるライン指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧を第1所定値以上の値であるライン圧設定値に固定することと、前記プーリ圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるプーリ指示圧を可変に制御する一方、前記フェールが判定された場合には、前記プーリ指示圧を第2所定値以上の値であるプーリ圧設定値に固定することと、を含み、前記特定箇所は、前記バリエータの入力側の回転速度を検出するためのバリエータ入力側回転センサ、前記バリエータの出力側の回転速度を検出するためのバリエータ出力側回転センサ、又は前記変速機の選択レンジを検出する選択レンジ検出部であり、前記プーリ指示圧を制御するにあたり、前記フェールが判定された場合には、前記ライン指示圧の変化の開始後に前記プーリ指示圧の変化を開始するとともに、前記プーリ指示圧が第1所定時間をかけて前記プーリ圧設定値になるように前記プーリ指示圧を制御する変速機の制御方法が提供される。
【0008】
第1の態様及び第3の態様によれば、フェールが判定された場合に、ライン指示圧をライン圧設定値に、プーリ指示圧をプーリ圧設定値にそれぞれ固定するので、ライン圧の実圧及びプーリ圧の実圧を高めることができる。したがって、ベルトの滑りを抑制するフェールセーフを行うことができる。第2の態様についても同様である。
【0009】
このようにしてフェールセーフを行うにあたり、第1の態様及び第3の態様では、フェールが判定された場合に、ライン指示圧の変化の開始後にプーリ指示圧の変化を開始する。したがって、第1の態様及び第3の態様によれば、ライン指示圧及びプーリ指示圧間で設定値への変化開始タイミングをずらすので、プーリ圧が急変しないようにすることができる。第2の態様についても同様である。
【0010】
さらに、第1の態様及び第3の態様では、プーリ指示圧が第1所定時間をかけてプーリ圧設定値になるようにプーリ指示圧を制御する。したがって、第1の態様及び第3の態様によれば、少なくともフェールセーフで最後に上昇させるプーリ圧を次第に変化させるので、変速比を次第に変化させることができる。第2の態様についても同様である。
【0011】
このため、これらの態様によれば、特定箇所のフェール時にフェールセーフを行うにあたり、変速比の急変を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、変速機を含む車両の要部を示す図である。
図2図2は、コントローラが行う制御の一例をフローチャートで示す図である。
図3図3は、コントローラが行う制御の第1の具体例をフローチャートで示す図である。
図4図4は、図3のフローチャートに対応するタイミングチャートの一例を示す図である。
図5図5は、コントローラが行う制御の第2の具体例をフローチャートで示す図である。
図6図6は、図5のフローチャートに対応するタイミングチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書において、実圧という表現は主に、実圧であることを強調するためや、指示圧との区別を図るために用いる。このため、本明細書では実圧であっても、敢えて実圧とまでは言わないこともある。
【0014】
図1は、変速機100を含む車両の要部を示す図である。車両は、エンジン1と、トルクコンバータ2と、バリエータ20と、副変速機構30と、車軸4と、駆動輪5と、を備える。
【0015】
エンジン1は、車両の動力源を構成する。トルクコンバータ2は、流体を介して動力を伝達する。トルクコンバータ2では、ロックアップクラッチ2aを締結することで、動力伝達効率を高めることができる。バリエータ20と副変速機構30とは、入力された回転速度を変速比に応じた回転速度で出力する。変速比は、入力回転速度を出力回転速度で割って得られる値である。車軸4は、減速ギヤや差動装置で構成される駆動車軸である。エンジン1の動力は、トルクコンバータ2、バリエータ20、副変速機構30及び車軸4を介して駆動輪5に伝達される。
【0016】
バリエータ20は無段変速機構であり、プライマリプーリ21と、セカンダリプーリ22と、ベルト23と、を備える。以下では、プライマリプーリ21を単にプーリ21とも称し、セカンダリプーリ22を単にプーリ22とも称す。
【0017】
プライマリプーリ21は、固定円錐板と、可動円錐板と、油圧シリンダ21aと、を備える。セカンダリプーリ22は、固定円錐板と、可動円錐板と、油圧シリンダ22aと、を備える。プーリ21、22それぞれにおいて、固定円錐板と可動円錐板とは、シーブ面を互いに対向させた状態で配置され、V溝を形成する。プーリ21では油圧シリンダ21aが、プーリ22では油圧シリンダ22aが、可動円錐板の背面に設けられ、可動円錐板を軸方向に変位させる。ベルト23は、プーリ21とプーリ22とに巻きかけられる。ベルト23にはVベルトを用いることができる。
【0018】
油圧シリンダ21aには、プライマリプーリ21の制御圧であるプライマリ圧が作用する。油圧シリンダ22aには、セカンダリプーリ22の制御圧であるセカンダリ圧が作用する。プライマリ圧とセカンダリ圧とはともに、プーリの制御圧であるプーリ圧の一例である。
【0019】
プーリ21はプライマリ圧を制御することによりV溝の幅が変更される。プーリ22はセカンダリ圧を制御することによりV溝の幅が変更される。プライマリ圧を調整し、プーリ21のV溝の幅を変化させることで、プーリ21とベルト23との接触半径が変化する。セカンダリ圧を調整し、プーリ22のV溝の幅を変化させることで、プーリ22とベルト23との接触半径が変化する。このため、プーリ21やプーリ22のV溝の幅を制御することで、バリエータ20の変速比を無段階に制御することができる。
【0020】
バリエータ20は、このように構成されることで両調圧方式用のバリエータとして構成される。両調圧方式は、プライマリ圧とセカンダリ圧との大小関係が入れ替わる調圧方式である。したがって、両調圧方式では、プライマリ圧とセカンダリ圧との大小関係が、プライマリ圧>セカンダリ圧となる場合と、プライマリ圧=セカンダリ圧となる場合と、プライマリ圧<セカンダリ圧となる場合がある。両調圧方式で変速を行うバリエータ20では、プライマリプーリ21の受圧面積とセカンダリプーリ22の受圧面積とが等しくなるように設定される。また、可動円錐板を付勢するリターンスプリングがセカンダリプーリ22に設けられる。
【0021】
副変速機構30は有段変速機構であり、前進2段、後進1段の変速段を有する。副変速機構30は、前進用変速段として、1速と、1速よりも変速比が小さい2速を有する。副変速機構30は、エンジン1から駆動輪5に至るまでの動力伝達経路において、バリエータ20の出力側に直列に設けられる。副変速機構30は、バリエータ20に直接接続されてもよく、ギヤ列など他の構成を介してバリエータ20に間接的に接続されてもよい。
【0022】
車両では、バリエータ20及び副変速機構30それぞれにおいて、変速比が変更される。このため、車両ではバリエータ20の変速比に副変速機構30の変速比を掛けて得られるバリエータ20及び副変速機構30全体の変速比であるスルー変速比に応じた変速が行われる。
【0023】
バリエータ20は副変速機構30とともに、自動変速機構3を構成する。バリエータ20と副変速機構30とは構造上、個別の変速機構として構成されてもよい。
【0024】
車両は、オイルポンプ10と、油圧制御回路11と、コントローラ12と、をさらに備える。
【0025】
オイルポンプ10は、油圧を発生させる。オイルポンプ10には、エンジン1の動力で駆動する機械式のオイルポンプを用いることができる。
【0026】
油圧制御回路11は、オイルポンプ10がオイル供給によって発生させる油圧を調整してバリエータ20や副変速機構30の各部位に伝達する。油圧制御回路11は、ライン圧ソレノイドバルブ11s、プライマリ圧ソレノイドバルブ11a及びセカンダリ圧ソレノイドバルブ11bを含む。以下では、ライン圧ソレノイドバルブ11sをSOL11sと称す。また、プライマリ圧ソレノイドバルブ11aをSOL11aと称し、セカンダリ圧ソレノイドバルブ11bをSOL11bと称す。
【0027】
SOL11sは、ライン圧の実圧を制御するライン圧用油圧アクチュエータの一例である。SOL11sは、SOL11sへの指示圧であるライン指示圧に応じて、ライン圧の実圧を制御する。ライン圧は、プライマリ圧及びセカンダリ圧の元圧となる油圧であり、ベルト23の滑りが発生しないように設定される。
【0028】
SOL11aとSOL11bとはともに、プーリ圧の実圧を制御するプーリ圧用油圧アクチュエータの一例である。SOL11aは具体的には、プライマリ圧の実圧を制御するプライマリ圧用油圧アクチュエータの一例であり、SOL11bは具体的には、セカンダリ圧の実圧を制御するセカンダリ圧用油圧アクチュエータの一例である。
【0029】
SOL11aは、SOL11aへの指示圧であるプライマリ指示圧に応じて、プライマリ圧の実圧を制御する。SOL11bは、SOL11bへの指示圧であるセカンダリ指示圧に応じて、セカンダリ圧の実圧を制御する。プライマリ指示圧とセカンダリ指示圧とはともに、プーリ圧用油圧アクチュエータへの指示圧であるプーリ指示圧の一例である。
【0030】
SOL11s、SOL11a及びSOL11bには具体的には、次のようなソレノイドバルブが用いられる。すなわち、通電される電流の大きさに応じてリニアな駆動を行うリニアソレノイドアクチュエータをソレノイド部に用いたソレノイドバルブが用いられる。また、ソレノイド部の駆動に応じてドレーンの度合いを変化させることで調圧を行うバルブ機構をバルブ部に用いたソレノイドバルブが用いられる。このようなソレノイドバルブにおいて、ドレーンポートは指示圧が最大値である場合に全閉にされる。SOL11s、SOL11a及びSOL11bには、通電停止の指示が最大値の指示圧の指示になるノーマルハイタイプのソレノイドバルブが用いられる。
【0031】
本実施形態では、SOL11sは、オイルポンプ10が発生させる油圧を調整してライン圧を生成するライン圧制御弁がさらに組み合わされた構成とされる。また、SOL11aはライン圧からプライマリ圧を生成するプライマリ圧制御弁が、SOL11bはライン圧からセカンダリ圧を生成するセカンダリ圧制御弁が、さらに組み合わされた構成とされる。
【0032】
このような構成のSOL11sは、ライン指示圧に応じてライン圧制御弁の制御圧、換言すればパイロット圧を生成し、生成した制御圧によってライン圧制御弁を制御することで、ライン圧の実圧を制御する。すなわち、本実施形態ではSOL11sは、上述のソレノイドバルブとしてパイロット圧を生成するリニアソレノイドバルブを有するとともに、当該リニアソレノイドバルブが生成したパイロット圧で駆動されライン圧を生成するライン圧制御弁を有した構成される。SOL11a及びSOL11bについても同様である。
【0033】
コントローラ12は、油圧制御回路11を制御する。コントローラ12には、回転センサ41、回転センサ42、回転センサ43の出力信号が入力される。回転センサ41は、バリエータ20の入力側の回転速度を検出するためのバリエータ入力側回転センサに相当するセンサである。回転センサ42は、バリエータ20の出力側の回転速度を検出するためのバリエータ出力側回転センサに相当するセンサである。回転センサ42は具体的には、バリエータ20の出力側且つ副変速機構30の入力側の回転速度を検出する。回転センサ43は、副変速機構30の出力側の回転速度を検出するための副変速機構出力側回転センサに相当するセンサである。
【0034】
バリエータ20の入力側の回転速度は具体的には、バリエータ20の入力軸の回転速度である。バリエータ20の入力側の回転速度は、前述の動力伝達経路において、例えばギヤ列をバリエータ20との間に挟んだ位置の回転速度であってもよい。バリエータ20の出力側の回転速度や、副変速機構30の出力側の回転速度についても同様である。回転センサ41、回転センサ42、回転センサ43は例えば、バリエータ20や副変速機構30の実変速比を検出するために用いられる。
【0035】
コントローラ12には、このほかアクセル開度センサ44、インヒビタスイッチ45、エンジン回転センサ46などの出力信号が入力される。アクセル開度センサ44は、アクセルペダルの操作量を表すアクセル開度APOを検出する。インヒビタスイッチ45は、変速機100の選択レンジを検出する選択レンジ検出部の一例であり、セレクトレバーの位置を検出する。エンジン回転センサ46は、エンジン1の回転速度Neを検出する。コントローラ12は、回転センサ43の出力信号に基づき車速VSPを検出することができる。
【0036】
コントローラ12は、これらの信号に基づき変速制御信号を生成する。変速制御信号は、ライン指示圧、プライマリ指示圧及びセカンダリ指示圧を指示するための信号を含む。このため、コントローラ12は、上述した各種の信号に基づき変速制御信号を生成することで、ライン指示圧やプライマリ指示圧やセカンダリ指示圧を可変に制御する。コントローラ12は、生成した変速制御信号を油圧制御回路11に出力する。
【0037】
油圧制御回路11は、コントローラ12からの変速制御信号に基づき、ライン圧、プライマリ圧、セカンダリ圧の実圧を制御したり、油圧経路の切り換えを行ったりする。油圧制御回路11は具体的には、ライン圧、プライマリ圧及びセカンダリ圧それぞれにつき、実圧が指示圧になるように実圧を制御する。
【0038】
これにより、油圧制御回路11からバリエータ20や副変速機構30の各部位に変速制御信号に応じた油圧の伝達が行われる。結果、バリエータ20や副変速機構30の変速比が、変速制御信号に応じた変速比すなわち目標変速比に変更される。
【0039】
目標変速比は、アクセル開度APO及び車速VSPに応じて設定することができる。目標変速比は、アクセル開度APOの代わりに、エンジン1の吸入空気量を調節するスロットル弁のスロットル開度TVOに応じて設定されてもよい。ライン指示圧、プライマリ指示圧及びセカンダリ指示圧は、目標変速比に応じて設定することができる。
【0040】
変速機100は自動変速機であり、このようにして変速比を制御する油圧制御回路11及びコントローラ12のほか、バリエータ20、副変速機構30、回転センサ41、回転センサ42、回転センサ43及びインヒビタスイッチ45を有して構成されている。アクセル開度センサ44やエンジン回転センサ46も、変速機100の構成として把握されてもよい。
【0041】
回転センサ41、回転センサ42、回転センサ43及びインヒビタスイッチ45それぞれは、変速機100の変速比の制御に用いられる検出部の一例であり、フェールの判定対象である特定箇所を構成する。アクセル開度センサ44、エンジン回転センサ46も、検出部として把握されてもよい。油圧制御回路11及びコントローラ12は、変速機100において制御を行う変速機の制御装置50を構成する。以下では、変速機の制御装置50を単に制御装置50と称す。
【0042】
図2は、コントローラ12が行う制御の一例をフローチャートで示す図である。コントローラ12は、本フローチャートに示す処理を微小時間毎に繰り返し実行することができる。ステップS1で、コントローラ12は、特定箇所が異常であるか否かを判定する。ステップS1で、コントローラ12は例えば、特定箇所が断線しているか否かを判定することができる。特定箇所が異常であるか否かの判定には、公知技術のほか適宜の技術が適用されてよい。
【0043】
ステップS1で、コントローラ12は、特定箇所のうち少なくとも一部が異常である場合に、特定箇所が異常であると判定する。具体的にはコントローラ12は、回転センサ41、回転センサ42、回転センサ43及びインヒビタスイッチ45のうち少なくともいずれかが異常である場合に、特定箇所が異常であると判定する。ステップS1で否定判定であれば、処理はステップS11に進む。
【0044】
ステップS11で、コントローラ12は通常の変速比制御を行う。ステップS11で、コントローラ12は、ライン指示圧、プライマリ指示圧、セカンダリ指示圧を可変に制御することで、バリエータ20の変速比を制御する。
【0045】
ステップS11で、ライン指示圧は、変速機100への入力トルクに応じて、ベルト23の滑りが発生しないように制御される。プライマリ指示圧とセカンダリ指示圧とは、目標変速比に応じて、バリエータ20の変速比が目標変速比になるように制御される。
【0046】
ステップS11で、プライマリ指示圧とセカンダリ指示圧とは、さらに変速機100への入力トルクに応じて制御される。ベルト23の滑りが発生しないように制御されるライン指示圧に対応させて、これらの指示圧をベルト23の滑りが発生しないように制御するためである。ステップS11の後には本フローチャートの処理は一旦終了する。
【0047】
ステップS1で肯定判定であれば、処理はステップS2に進む。この場合、コントローラ12は、ライン指示圧をライン圧設定値Psに固定する。ライン圧設定値Psは第1所定値以上の値であり、本実施形態ではライン指示圧の最大値とされる。第1所定値は、ベルト23のすべりを抑制可能な値であればよい。
【0048】
ステップS2で、コントローラ12は具体的には、ライン指示圧が第4所定時間をかけてライン圧設定値Psになるようにライン指示圧を制御する。第4所定時間は、ライン指示圧がライン圧設定値Psでない場合に、時間に応じたライン指示圧の変化を示すグラフに傾きが生じるようにすることで、発生する時間とすることができる。第4所定時間は、このような傾きや本ステップの制御開始時のライン指示圧に応じて決まってくる時間であってよい。ライン指示圧がもともとライン圧設定値Psであった場合、第4所定時間はゼロであってもよい。
【0049】
ステップS3で、コントローラ12は、セカンダリ指示圧をセカンダリ圧設定値Pbに固定する。セカンダリ圧設定値Pbは、第2所定値以上の値であるプーリ圧設定値の一例である。セカンダリ圧設定値Pbは具体的には、セカンダリ指示圧についての第2所定値をなす第4所定値以上の値であり、本実施形態では、セカンダリ圧設定値Pbはセカンダリ指示圧の最大値とされる。第2所定値と第4所定値とは、ベルト23のすべりを抑制可能な値であればよい。
【0050】
ステップS3で、コントローラ12は具体的には、セカンダリ指示圧が第1所定時間、具体的にはセカンダリ指示圧についての第1所定時間をなす第3所定時間をかけてセカンダリ圧設定値Pbになるようにセカンダリ指示圧を制御する。第1所定時間と第3所定時間とは、ライン指示圧をライン圧設定値Psに固定する際の第4所定時間と同様である。
【0051】
コントローラ12は、ステップS2の処理に続いてステップS3の処理を行うことで、ライン指示圧の変化の開始後にプーリ指示圧の一例であるセカンダリ指示圧の変化を開始する。ステップS3の後には、本フローチャートの処理を一旦終了する。
【0052】
ステップS2につき、ライン指示圧をライン圧設定値Psに固定する、とは、修理等によってフェールが解除されるまでの間、ライン指示圧をライン圧設定値Psに維持することを意味する。ステップS3についても同様である。
【0053】
図2に示す制御は、バリエータ20がプライマリ圧又はセカンダリ圧をライン圧に固定する片調圧方式用のバリエータとして構成される場合にも適用することができる。片調圧方式は、プライマリ圧とセカンダリ圧との大小関係が入れ替わらない調圧方式である。したがって、片調圧方式では、プライマリ圧とセカンダリ圧との大小関係は、プライマリ圧≧セカンダリ圧のまま、或いはプライマリ圧≦セカンダリ圧のままとなる。
【0054】
プライマリ圧をライン圧に固定する片調圧方式の場合、図2に示す制御をそのまま適用することができる。セカンダリ圧をライン圧に固定する片調圧方式の場合、ステップS3でセカンダリ指示圧及びセカンダリ圧設定値Pbの代わりに、プライマリ指示圧及びプライマリ圧設定値Paを適用すればよい。プライマリ圧設定値Paはセカンダリ圧設定値Pbと同様、プーリ圧設定値の一例である。プライマリ圧設定値Paは具体的には、プライマリ指示圧についての第2所定値をなす第3所定値以上の値であり、本実施形態ではプライマリ指示圧の最大値とされる。第3所定値は、ベルト23のすべりを抑制可能な値であればよい。
【0055】
バリエータ20が両調圧方式用のバリエータである変速機100の場合、コントローラ12はさらに具体的には、フェール判定対象に応じて以下で説明するように制御を行うことができる。
【0056】
図3は、コントローラ12が行う制御の第1の具体例をフローチャートで示す図である。この例では、回転センサ41及び回転センサ42がフェール判定対象である場合を示す。フェール判定対象は、回転センサ41及び回転センサ42のうち少なくともいずれかであってよい。
【0057】
ステップS1´で、コントローラ12は、回転センサ41又は回転センサ42が異常であるか否かを判定する。ステップS1´で否定判定であれば、処理はステップS11に進む。ステップS1´で肯定判定であれば、処理はステップS2に進み、さらにその後ステップS3に進む。ステップS3の後には、処理はステップS4´に進む。
【0058】
ステップS4´で、コントローラ12は、プライマリ指示圧を可変に制御することにより、バリエータ20の変速比を連続的に変化させる。具体的にはコントローラ12は、車速VSPに応じてプライマリ指示圧を制御することにより、バリエータ20の変速比を連続的に変化させる。ステップS4´で、コントローラ12は、開ループ制御によってプライマリ指示圧を制御する。
【0059】
ステップS4´で、コントローラ12は、プライマリ指示圧を可変に制御することにより、最Low変速比からMid変速比の変速比領域の範囲内でバリエータ20の変速比を連続的に変化させることができる。これにより、車両の発進性を確保することができる。Mid変速比は、プライマリ圧とセカンダリ圧とが等しくなる中間変速比である。ステップS4´で、コントローラ12は、変速機100への入力トルクに応じない態様でプライマリ指示圧を可変に制御することができる。ステップS4´の後には、本フローチャートの処理は一旦終了する。
【0060】
コントローラ12は、ステップS3の処理に続いてステップS4´の処理を行うことで、セカンダリ指示圧の変化の開始後にプライマリ指示圧の変化を開始する。コントローラ12は、ステップS3の処理よりも先にステップS4´の処理を行うことで、セカンダリ指示圧の変化の開始前にプライマリ指示圧の変化を開始してもよい。
【0061】
コントローラ12は、ステップS3でセカンダリ指示圧及びセカンダリ圧設定値Pbの代わりにプライマリ指示圧及びプライマリ圧設定値Paを適用した制御を行うとともに、ステップS4´でプライマリ指示圧の代わりにセカンダリ指示圧を適用した制御を行ってもよい。この場合には、Mid変速比から最High変速比の変速比領域の範囲内でバリエータ20の変速比を連続的に変化させることができる。最High変速比は最小変速比である。
【0062】
図3に示す制御は、回転センサ43及びインヒビタスイッチ45のうち少なくともいずれかがフェール判定対象である場合に適用されてもよい。この場合において、回転センサ43のフェール時には、ABS(Antilock Brake System)で用いられる車速センサなど他のセンサの出力に基づき車速VSPを検出することで、車速VSPに応じてプライマリ指示圧を制御することができる。
【0063】
図4は、図3のフローチャートに対応するタイミングチャートの一例を示す図である。図4では、パラメータとしてプライマリ指示圧、セカンダリ指示圧及びライン指示圧を示す。
【0064】
タイミングT1では、回転センサ41又は回転センサ42のフェールが判定される。このため、ライン指示圧は、タイミングT1以降のタイミングであるタイミングT2から、第4所定時間をかけてライン圧設定値Psになるように制御される。このとき、ライン指示圧は、徐々に増加するように制御される。ライン指示圧は、タイミングT2後のタイミングであるタイミングT3でライン圧設定値Psになる。ライン指示圧は、タイミングT3以降、ライン圧設定値Psに固定される。
【0065】
タイミングT3からは、セカンダリ指示圧が、第3所定時間をかけてセカンダリ圧設定値Pbになるように制御される。このとき、セカンダリ指示圧は徐々に増加するように制御される。この例に示すように、セカンダリ指示圧の変化は例えば、ライン指示圧がライン圧設定値Psに固定されてから開始することができる。セカンダリ指示圧は、ライン指示圧がライン圧設定値Psに固定される前に開始されてもよい。セカンダリ指示圧は、タイミングT3後のタイミングであるタイミングT4でセカンダリ圧設定値Pbになる。セカンダリ指示圧は、タイミングT4以降、セカンダリ圧設定値Pbに固定される。
【0066】
タイミングT4からは、車速VSPに応じてプライマリ指示圧が制御される。この例に示すように、プライマリ指示圧の制御は、ライン指示圧がライン圧設定値Psに、セカンダリ指示圧がセカンダリ圧設定値Pbにそれぞれ固定されてから開始することができる。
【0067】
図5は、コントローラ12が行う制御の第2の具体例をフローチャートで示す図である。この例では、回転センサ43及びインヒビタスイッチ45がフェール判定対象である場合を示す。フェール判定対象は、回転センサ43及びインヒビタスイッチ45のうち少なくともいずれかであってよい。
【0068】
ステップS1´´で、コントローラ12は、回転センサ43又はインヒビタスイッチ45が異常であるか否かを判定する。ステップS1´´で否定判定であれば、処理はステップS11に進む。ステップS1´´で肯定判定であれば、処理はステップS2に進み、さらにその後ステップS3に進む。ステップS3の後には処理はステップS4´´に進む。
【0069】
ステップS4´´で、コントローラ12は、プライマリ指示圧をプライマリ圧設定値Paに固定する。ステップS4´´で、コントローラ12は具体的には、プライマリ指示圧が第1所定時間、具体的にはプライマリ指示圧についての第1所定時間をなす第2所定時間をかけてプライマリ圧設定値Paになるようにプライマリ指示圧を制御する。第2所定時間は、ライン指示圧をライン圧設定値Psに固定する際の第4所定時間と同様である。
【0070】
コントローラ12は、前述した第1の具体例の場合と同様、ステップS3の処理よりも先にステップS4´´の処理を行うことで、セカンダリ指示圧の変化の開始前にプライマリ指示圧の変化を開始することもできる。
【0071】
図5に示す制御は、回転センサ41及び回転センサ42のうち少なくともいずれかがフェール判定対象である場合に適用されてもよい。すなわち、回転センサ43の出力に基づき車速VSPを検出することが可能な場合であっても、プライマリ指示圧をプライマリ圧設定値Paに固定してもよい。
【0072】
図6は、図5のフローチャートに対応するタイミングチャートの一例を示す図である。図6では、パラメータとしてプライマリ指示圧、セカンダリ指示圧及びライン指示圧を示す。タイミングT1からタイミングT4までの変化は、図4に示す第1の具体例の場合と同様である。
【0073】
第2の具体例の場合、タイミングT4からは、プライマリ指示圧が、第2所定時間をかけてプライマリ圧設定値Paになるように制御される。このとき、プライマリ指示圧は徐々に増加するように制御される。プライマリ指示圧の変化は、タイミングT2後すなわちライン指示圧の変化の開始後に開始される。また、セカンダリ指示圧がセカンダリ圧設定値Pbに固定されてから開始される。プライマリ指示圧の変化は、セカンダリ指示圧がセカンダリ圧設定値Pbに固定される前に開始されてもよい。プライマリ指示圧は、タイミングT4後のタイミングであるタイミングT5でプライマリ圧設定値Paになる。プライマリ指示圧は、タイミングT5以降、プライマリ圧設定値Paに固定される。
【0074】
本実施形態において、フェール判定部はコントローラ12、具体的には前述のステップS1、ステップS1´又はステップS1´´の判定を行う部分として機能的に把握されるコントローラ12の一部により実現されている。また、ライン指示圧制御部はコントローラ12、具体的には前述のステップS2及びステップS11の処理を行う部分として機能的に把握されるコントローラ12の一部により実現されている。また、プーリ指示圧制御部はコントローラ12、具体的には前述のステップS3及びステップS11、さらにはステップS4´及びステップS11、或いはステップS4´´及びステップS11の処理を行う部分として機能的に把握されるコントローラ12の一部により実現されている。
【0075】
プライマリ指示圧制御部は、コントローラ12、具体的には前述のステップS4´及びステップS11、或いはステップS4´´及びステップS11の処理を行う部分として機能的に把握されるコントローラ12の一部により実現されている。セカンダリ指示圧制御部は、コントローラ12、具体的には前述のステップS3及びステップS11の処理を行う部分として機能的に把握されるコントローラ12の一部により実現されている。
【0076】
次に、制御装置50の主な作用効果について説明する。制御装置50は、プーリの一例であるセカンダリプーリ22とベルト23とを少なくとも有するバリエータ20と、SOL11sと、プーリ圧用油圧アクチュエータの一例であるSOL11bと、を有する変速機100において制御を行う。制御装置50は、コントローラ12を有する。コントローラ12は、特定箇所のフェールを判定する。また、コントローラ12は、ライン指示圧を可変に制御する一方、フェールが判定された場合には、ライン指示圧をライン圧設定値Psに固定する。また、コントローラ12は、プーリ指示圧の一例であるセカンダリ指示圧を可変に制御する一方、フェールが判定された場合には、セカンダリ指示圧をプーリ圧設定値の一例であるセカンダリ圧設定値Pbに固定する。コントローラ12はさらに、フェールが判定された場合には、ライン指示圧の変化の開始後にセカンダリ指示圧の変化を開始するとともに、セカンダリ指示圧が第1所定時間をかけてセカンダリ圧設定値Pbになるようにセカンダリ指示圧を制御する。
【0077】
このような構成の制御装置50によれば、フェールが判定された場合に、ライン指示圧をライン圧設定値Psに、セカンダリ指示圧をセカンダリ圧設定値Pbに固定するので、ライン圧の実圧及びセカンダリ圧の実圧を高めることができる。したがって、ベルト23の滑り発生を抑制するフェールセーフを行うことができる。
【0078】
このようにしてフェールセーフを行うにあたり、上記構成の制御装置50では、フェールが判定された場合に、ライン指示圧の変化の開始後にセカンダリ指示圧の変化を開始する。したがって、上記構成の制御装置50によれば、ライン指示圧及びセカンダリ指示圧間で設定値への変化開始タイミングをずらすので、セカンダリ圧が急変しないようにすることができる。
【0079】
さらに、上記構成の制御装置50では、指示圧が所定時間をかけて設定値になるようにライン指示圧及びセカンダリ指示圧のうち少なくともセカンダリ指示圧を制御する。したがって、上記構成の制御装置50によれば、少なくともフェールセーフで最後に上昇させるセカンダリ圧を次第に変化させるので、変速比を次第に変化させることができる。
【0080】
このため、このような構成の制御装置50によれば、特定箇所のフェール時にフェールセーフを行うにあたり、変速比の急変を抑制することができる。
【0081】
制御装置50は、プライマリプーリ21、セカンダリプーリ22、及びベルト23を有するバリエータ20と、SOL11sと、SOL11aと、SOL11bと、を有する変速機100において制御を行う。制御装置50は、コントローラ12を有する。コントローラ12は、特定箇所のフェールを判定する。また、コントローラ12は、ライン指示圧を可変に制御する一方、フェールが判定された場合には、ライン指示圧をライン圧設定値Psに固定する。また、コントローラ12は、プライマリ指示圧を可変に制御する一方、フェールが判定された場合には、プライマリ指示圧をプライマリ圧設定値Paに固定する。また、コントローラ12は、セカンダリ指示圧を可変に制御する一方、フェールが判定された場合には、セカンダリ指示圧をセカンダリ圧設定値Pbに固定する。コントローラ12はさらに、フェールが判定された場合に、次のような制御を行う。すなわち、コントローラ12は、ライン指示圧の変化の開始後にプライマリ指示圧の変化を開始するとともに、プライマリ指示圧が第2所定時間をかけてプライマリ圧設定値Paになるようにプライマリ指示圧を制御する。また、コントローラ12は、ライン指示圧の変化の開始後にセカンダリ指示圧の変化を開始するとともに、セカンダリ指示圧が第3所定時間をかけてセカンダリ圧設定値Pbになるようにセカンダリ指示圧を制御する。さらに、コントローラ12は、セカンダリ指示圧の変化の開始前又は開始後にプライマリ指示圧の変化を開始する。
【0082】
このような構成の制御装置50によれば、ライン指示圧、プライマリ指示圧及びセカンダリ指示圧それぞれにつき、指示圧を設定値に固定するので、ベルト23の滑り発生を抑制するフェールセーフを行うことができる。また、このような構成の制御装置50によれば、プライマリ圧及びセカンダリ圧それぞれにつき、ライン圧との兼ね合いで急変しないようにすること、及び次第に変化させることができる。このため、このような構成の制御装置50によれば、両調圧方式で変速を行う場合において、特定箇所のフェール時にフェールセーフを行うにあたり、変速比の急変を抑制することができる。
【0083】
さらに、このような構成の制御装置50によれば、プライマリ指示圧及びセカンダリ指示圧間で設定値への変化開始タイミングをずらすので、SOL11a及びSOL11b間でライン圧を奪い合うようにして供給油量不足が発生する事態を抑制することができる。
【0084】
ところで、SOL11aでは、プライマリ指示圧が最大値である場合にドレーンが行われなくなる。このためこの場合には、ライン圧がそのままプライマリ圧になる。SOL11bについても同様である。
【0085】
このため、制御装置50では、コントローラ12は、フェールが判定された場合には、ライン指示圧が第4所定時間をかけてライン圧設定値Psになるようにライン指示圧を制御する。
【0086】
このような構成の制御装置50によれば、フェール発生時のプライマリ指示圧やセカンダリ指示圧が最大値であった場合に、ライン圧の急変によってプライマリ圧やセカンダリ圧が急変することをさらに防止することができる。したがって、このような構成の制御装置50によれば、このような場合であっても、変速比の急変を抑制することができる。
【0087】
制御装置50では、特定箇所を回転センサ41、回転センサ42又はインヒビタスイッチ45とすることができる。この場合、回転センサ41、回転センサ42又はインヒビタスイッチ45のフェール時に変速比の急変を抑制しつつフェールセーフを行うことができる。
【0088】
制御装置50では、変速機100は副変速機構30をさらに備える。このような構成の制御装置50では、特定箇所を回転センサ43とすることもできる。この場合、回転センサ43のフェール時に変速比の急変を抑制しつつフェールセーフを行うことができる。
【0089】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0090】
制御装置50は、フェールが判定された場合に、プライマリ圧やセカンダリ圧につき指示圧を設定値に固定する場合であれば適用可能である。このため、特定箇所には、油圧アクチュエータ(例えばSOL11sやSOL11aやSOL11bや、これらの代わりに用いることが可能な油圧ステップモータ)など、変速機100の変速比の制御に用いられる検出部以外の構成が適用されてもよい。
【0091】
本願は2015年3月20日に日本国特許庁に出願された特願2015−57904に基づく優先権を主張し、この出願のすべての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6