(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6446148
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】アーチェリーのクッションプランジャー取り付け装置
(51)【国際特許分類】
F41B 5/22 20060101AFI20181217BHJP
F41B 5/00 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
F41B5/22
F41B5/00 E
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-11635(P2018-11635)
(22)【出願日】2018年1月26日
【審査請求日】2018年3月23日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 日本放送協会が、平成29年10月30日22時25分から放送した「凄技!東京五輪で目指せメダルダッシュ究極の競技用具を作れ 室伏由佳欲しがる円盤 国産アーチェリー復活」と言う番組にて、西川喜久と栗林善行と本郷左千夫が発明したアーチェリーおよびハンドルライザーおよびリムおよびアーチェリーのクッションプランジャー取付け装置について公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】508225853
【氏名又は名称】株式会社西川精機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100102015
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100099690
【弁理士】
【氏名又は名称】鷺 健志
(72)【発明者】
【氏名】西川 喜久
(72)【発明者】
【氏名】栗林 善行
(72)【発明者】
【氏名】本郷 左千夫
【審査官】
長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第5678530(US,A)
【文献】
特開平09−273894(JP,A)
【文献】
米国特許第9459069(US,B1)
【文献】
中国特許出願公開第103229015(CN,A)
【文献】
特開昭59−185998(JP,A)
【文献】
特開2008−20178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41B 5/22
F41B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッションプランジャーを取り付ける複数のクッションプランジャー取付け孔を、アーチェリーのハンドルライザーに取り付けたときハンドルライザー長手方向に並ぶように設けるブロックと、
ブロックをハンドルライザーに取り付けたときに、クッションプランジャー取付け孔と重なるアーチェリー長手方向に、アーチェリーのハンドルライザーの一方の面から他方の面まで貫通する長穴と、
ハンドルライザー一方面の長穴周囲に他方の面までは貫通させないで設ける、ブロックを収納するブロック収納孔と、
を有するクッションプランジャー取り付け装置。
【請求項2】
クッションプランジャー取付け孔は、ハンドルライザーの長手方向にブロック中心から偏らせている、
請求項1記載のクッションプランジャー取り付け装置。
【請求項3】
クッションプランジャー取付け孔は、2個の孔からなる、
請求項1または請求項2いずれか記載のクッションプランジャー取り付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーチェリーに係る。更に詳細には、アーチェリーに取り付けられるクッションプランジャーあるいはプランジャーの取り付け装置に係る。
【背景技術】
【0002】
アーチェリーでは、アーチャーのパラドックス(archer's paradox)あるいはアーチェリーパラドックスの問題が知られている。アーチャーのパラドックスを代償するため、クッションプランジャーが発明された。
アーチェリーのクッションプランジャーは、アーチェリーのハンドル部に水平方向でかつ矢方向とは直角になる方向に貫通する孔からなる、取付部である雌ねじに螺合してアーチェリーに取り付けていた。クッションプランジャーの先端によって矢台の上部で側面から矢の弾道を規制する非常に重要な作用していた。このようなクッションプランジャーのアーチェリーにおける位置は固定されたものであった。
【0003】
従来の、アーチェリーのクッションプランジャーとしては、特開昭59−185998号公報「アーチェリー用の弓」(特許文献1)、特開平09−273894号公報「アーチェリーおよびアーチェリーのクッションプランジャー用ローター」(特許文献2)、特開2008−20178号公報「アーチェリーにおける矢保持装置」(特許文献3)記載のものが知られている。
「クッションプランジャーは、矢の振動や蛇行を吸収して矢の飛行方向を規制するものである。」(特許文献3 特開2008−20178号公報[0003])、「クッションプランジャーは、その先端部がシューティング時の矢の進行方向に対して直角方向に突出」している(同[0004])等の記載がある。
【0004】
「アーチェリー競技では、アーチャーが使用するアーチェリー本体の強さと矢の長さによって、矢のスパイン(矢の硬度および太さ)が決定される。矢のスパインは、スパイン値が微小に異なっても同一の矢道を通らず競技に影響を与える。そのため決定される矢のスパインは、通常はチャート表の基準値を目安として選択するが、各競技者の力の強さや個性、また競技の種類で微妙に異なり、各アーチャーがベストアローを選択することや、あるいは調整することは非常に重要なことであるとともに非常に困難なことである。」とされる(特許文献2[0006]参照)。
【0005】
「アーチャーの押し手の仮想線と地平線との為す仰角は、アーチェリー競技の矢を正確に的にあてる為の重要な要素の一つである。一般的に仰角が大きくなると、押し手の水平方向の維持が難しくなる傾向がある。特にアーチェリーの長距離競技(90m、70m)では押し手の仰角はより大きくとる必要があり、押し手が上方へ向かうため、押し手の制止が不安定になり打ちにくくなる課題があった。」とされる(特許文献2[0007]参照)。
【0006】
「アーチャーの仰角を決める他の要素としては、アーチャーの目の位置から顎の先端位置までの寸法、アーチャーの背の高さ、各々のアーチャーの弓の取りかけの高さ位置という各々のアーチャーの特質による高さと、照準器(サイト)の高さ位置と、クッションプランジャーと矢台の高さ位置という三つの高さ位置要素が関連してアーチャーの仰角Gを決定している。」とされる(特許文献2[0008]参照)。
【0007】
「従来のように位置の固定されたクッションプランジャーおよび矢台を使用すると目と顎の間隔の比較的短い人、および取りかけの高い人、および背の低い人は、照準器を標準の高さ位置で矢を射る場合、的の高さ(130cm高)が固定されている為、アーチェリー全体が下がり矢は通常より下方に向いて飛んでしまう。したがって照準器の高さを下げて矢の飛ぶ方向を調整する必要がある。照準器の高さを下げるとアーチャーの仰角は大きくなり、長距離競技と同様に押し手の制止が不安定になり易い課題があった。」とされる(特許文献2[0009]参照)。
【0008】
「目と顎の間隔Dの比較的長い人、および取りかけの低い人、および背の高い人は、照準器を標準の高さ位置で矢を射る場合、的の高さが固定されている為アーチェリー全体が上がり矢は通常より上方に向いて飛んでしまう。したがって照準器の高さ位置を上げて矢の飛ぶ方向を調整する必要がある。照準器の高さを上げるとアーチャーの仰角は小さくなるが、5m競技等の短距離競技では、押し手の位置が極端に下方に向き押し手の制止が難しい課題があった。」とされる(特許文献2[0010]参照)。
【0009】
「長距離競技と短距離競技、目と顎の先の間隔の大きい人と小さい人、背の高いアーチャーと背の低いアーチャーによって、照準器の高さ位置は変える必要があり、従来のようにクッションプランジャーと矢台が固定されたものであるとそれにしたがって押し手の仰角が大きく変化せざる得ない課題があった。」とされる(特許文献2[0011]参照)。
【0010】
「アーチェリー競技では、初心者と上級者では弓を引く力が異なる。したがって自分の持っている同一の弓でも、上級の力が加わってくると弓の引く力が大きくなり矢の先端がクッションプランジャーと矢台に載らない位置にくる問題点があった。また、購入した矢が長すぎたり、矢52が真っすぐに飛ばなかったりした場合、従来では高価な矢を取り変えて調整するしか方法がなかった。」とされる(特許文献2[0012]参照)。
【0011】
そこで、特開平09−273894号公報「アーチェリーおよびアーチェリーのクッションプランジャー用ローター」(特許文献2)では、
「アーチェリーのクッションプランジャーが固定されたものであると背の高さや競技の種類により押し手の仰角が大きくせざる得ない課題」を解決するため、「アーチェリーのクッションプランジャーを取り付けるローターがハンドル部に回転自在に設けられ、ローターのクッションプランジャーを取り付ける部分位置がローターの回転中心位置とは異なる位置に設けられ、ローターの回転固定手段によりクッションプランジャー取付部位置の変更が可能であるクッションプランジャー用ローターおよびクッションプランジャー用ローターを有するアーチェリー」を提供した。
その前提として、ノッキングポイント(現に矢をつがえる位置)は、上下リムのバランスを考慮して、矢と弦の角度は直角にあらず、一般的には直角よりは上方へ8分の1インチから4分の1インチに高さを設定することは周知の事実であり、そのことは本発明においても、何ら変わることはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開昭59−185998号公報
【特許文献2】特開平09−273894号公報
【特許文献3】特開2008−20178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特開平09−273894号公報「アーチェリーおよびアーチェリーのクッションプランジャー用ローター」(特許文献2)では、回転自在に設けられたクッションプランジャー用ローターの同心円上どこにでもクッションプランジャーを取り付けることができるとされるが、クッションプランジャーは、ピボットポイント(回転軸)直上の線上に設置されず、ピボットポイントからの直上の線上外に変更されたのでは、意味がない。
クッションプランジャー用ローターを用いても、実際上、ピボットポイントからの直上の線上となる2か所しか使用されない課題を有した。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明に係る、クッションプランジャー取り付け装置では、
クッションプランジャーを取り付ける複数のクッションプランジャー取付け孔を、アーチェリーのハンドルライザーに取り付けたときハンドルライザー長手方向に並ぶように設けるブロックと、
ブロックをハンドルライザーに取り付けたときに、クッションプランジャー取付け孔と重なるアーチェリー長手方向に、アーチェリーのハンドルライザーの一方の面から他方の面まで貫通する長穴と、
ハンドルライザー一方面の長穴周囲に他方の面までは貫通させないで設ける、ブロックを収納するブロック収納孔と、
を、提供する。
【0015】
この発明は更に、
クッションプランジャー取付け孔は、ハンドルライザーの長手方向にブロック中心から偏らせている。
【0016】
この発明は更に、
クッションプランジャー取付け孔は、2個の孔からなる。
【発明の効果】
【0017】
複数のクッションプランジャー取付け孔をハンドルライザー長手方向逆に、ブロックをブロック収納孔に入れ替えることで、クッションプランジャー取付け孔以上の種類のクッションプランジャー取付け孔を長穴に得ることができる。
クッションプランジャー取付け孔が2個の場合は、孔をハンドルライザー長手方向逆にブロックをブロック収納孔に入れ替えることで、4種類のクッションプランジャー取付け孔を長穴に得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】この発明の実施の形態にかかるアーチェリー全体の正面図である。
【
図2】この発明の実施の形態にかかるアーチェリーのハンドルライザー部分の一部拡大正面図である。
【
図3】この発明の実施の形態にかかるハンドルライザーのクッションプランジャー取り付け部分の表側一部拡大斜視図である。
【
図4】この発明の実施の形態にかかるハンドルライザーのクッションプランジャー取り付け部分の裏側一部拡大斜視図である。
【
図5】この発明の実施の形態にかかるクッションプランジャー取付け用ブロックの斜視図である。
【
図6】この発明の実施の形態にかかるハンドルライザーのクッションプランジャー取り付け部分の裏側にクッションプランジャー取付け用ブロックを嵌めた裏側から見た一部拡大斜視図である。
【
図7】この発明の実施の形態にかかるハンドルライザーのクッションプランジャー取り付け部分の裏側にクッションプランジャー取付け用ブロックを
図6とはハンドルライザー長手方向に上下逆に嵌めた裏側から見た一部拡大斜視図である。
【
図8】この発明の実施の形態にかかるハンドルライザーのクッションプランジャー取り付け部分の裏側にクッションプランジャー取付け用ブロックを嵌めた
図6に図示する状態を逆の表側から見た一部拡大斜視図である。
【
図9】この発明の実施の形態にかかるハンドルライザーのクッションプランジャー取り付け部分の裏側にクッションプランジャー取付け用ブロックを
図8とはハンドルライザー長手方向に上下逆に嵌めた
図7に図示する状態を逆の表側から見た一部拡大斜視図である。
【
図10】アーチャーが矢を射る場合の目の高さ位置、取りかけの位置、照準器の位置、押し手の仰角を示す説明図である。
【
図11】アーチャーの目の高さ位置(背の高さ、目と顎の間隔、取りかけの高さ)と照準器の高さ位置と、的の高さ位置(固定)との関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の一形態を、
図1ないし
図9に基づいて説明する。
11は、アーチェリーである。21はハンドルライザー、12はリムである。アーチェリー11は、中央に位置するハンドルライザー21の両端に、リム12をそれぞれ取り付ける。41は、クッションプランジャーである。211は、グリップ部である。グリップ部211は、ハンドルライザー21の中央部に設ける。
【0020】
22は、長穴である。長穴22は、アーチェリー11のハンドルライザー21長手方向に、アーチェリー11のハンドルライザー21の一方の面であるハンドルライザー21の表側から他方の面であるハンドルライザー21の裏側まで貫通して設ける。
長穴22は、この実施例では、縦28mm横11mmからなる。
長穴22は、ハンドルライザー21本体に、ハンドルライザー21の表側では縦方向すなわちハンドルライザー21長手方向に孔を設け、クッションプランジャー41を縦方向すなわちハンドルライザー21長手方向にしか調整できないようにしている。
【0021】
23は、ブロック収納孔である。ブロック収納孔23は、長穴22を含むより広い大きさでハンドルライザー21の一方の面であるハンドルライザー21の裏側の表面から削って断面凹状に設けるが、他方の面であるハンドルライザー21の表側まで貫通させない。ブロック収納孔23には、ブロック31を収納する。
ブロック収納孔23は、ハンドルライザー21の一方の面の表面に四角に設ける。この実施の形態では、縦横34mmからなる。ブロック収納孔23の中心部にハンドルライザー21長手方向に長穴22を設けてある。
長穴22の両先端からブロック収納孔23の端部までの余白部分は、この実施の形態では各々3mmである。
24は、ブロック固定部である。ブロック固定部24は、ブロック収納孔23の長穴22を挟んだ底面の両側に雌ねじ孔として設ける。
【0022】
31は、ブロックである。32は、クッションプランジャー取付け孔である。
ブロック31は、クッションプランジャー41を取り付ける複数のクッションプランジャー取付け孔32を、中央に一列に雌ねじ孔として設ける。クッションプランジャー取付け孔32は、アーチェリー11のハンドルライザー21に取り付けたときハンドルライザー21長手方向に設ける。
ブロック31をハンドルライザー21に取り付けたときに、長穴22と重なる位置にクッションプランジャー取付け孔32は設けてある。
【0023】
クッションプランジャー取付け孔32は、この実施の形態では2個からなる。
33は、ブロック取付け孔である。ブロック取付け孔33は、クッションプランジャー取付け孔32を挟んだ両側に雌ねじ孔として設ける。
ブロック31をブロック収納孔23に収納した後、ブロック取付け孔33とブロック固定部24を重ねて、ハンドルライザー21にボルトを通して固定する。
雌ねじ孔は直径6〜15mm、この実施の形態では直径11mmの雌ねじ孔である。
【0024】
ブロック31には、この実施の形態では、クッションプランジャー取付け孔32を2個設ける。2個のうちブロック31の縁よりのクッションプランジャー取付け孔32は、ブロック31の縁から3mmの位置から設ける。そのため、
図5等に図示するように、縁よりのクッションプランジャー取付け孔32とロック31の縁までは、余白3mmである。
縁よりの雌ねじ孔として設けるクッションプランジャー取付け孔32の径は11mmである。縁よりのクッションプランジャー取付け孔32と孔間1mmのスペースを空けて、中心寄りのクッションプランジャー取付け孔32を径11mmで設ける。
そのため、中心寄りのクッションプランジャー取付け孔32とブロック31の縁までは8mmとなる。
【0025】
ブロック31に設ける、2個のクッションプランジャー取付け孔32の位置は、取り付けるハンドルライザー21長手方向に偏心している。この実施例では、クッションプランジャー取付け孔32は、ハンドルライザー21の長手方向にブロック31中心から偏らせ、対称にしていない。
ブロック31と、ブロック収納孔23等で、クッションプランジャー取り付け装置Aを得る。
【0026】
複数のクッションプランジャー取付け孔32をハンドルライザー21長手方向逆にブロック31をブロック収納孔23に入れ替えることで、設けてあるクッションプランジャー取付け孔32の数以上の種類のクッションプランジャー取付け孔32を長穴22に得ることができる。
この実施の形態では、クッションプランジャー取付け孔32が2個からなるので、クッションプランジャー取付け孔32をハンドルライザー21長手方向逆にしてブロック31をブロック収納孔23に入れ替えることで、4種類のクッションプランジャー取付け孔32を長穴22に得る。
そのため、ブロック31上下を入れ替えて、ブロック収納孔23に収納することで4種類のクッションプランジャー取付け孔32の位置を作ることができる。
【0027】
ブロック31上下を入れ替えて、ブロック収納孔23に収納する。長穴22から露出する2個のクッションプランジャー取付け孔32の内の一を選択して、アーチェリー112における、ハンドルライザー21のグリップ部211上部にクッションプランジャー41を取り付ける。
【0028】
図10において51はアーチャー、52は矢、53は取りかけ位置、54は目の高さ、9は照準器、56はアーチャーの押し手、57は地平面である。Gの角度は押し手の仰角を示し、押し手の仮想線56aと地平面の仮想線57aの為す角度である。照準器9は昇降自在であり、各々のアーチャー51が高さ調整可能である。
【0029】
目と顎の間隔の比較的短い人(A1)、取りかけの高い人(A2)、背の低い人(A3)においては、通常照準器9を標準の高さ位置(9C)で矢52を射ると、的55の高さ(130cm)が固定されている為、矢道は通常より下方に向いて飛んでしまう。したがって、従来例のようにクッションプランジャー41の設置位置が固定されたものでは照準器9の高さを下げて(9A)矢52の飛ぶ方向を調整する必要があった。
【0030】
このような場合は、クッションプランジャー41を取り付けるクッションプランジャー取付け孔32の位置を高くすることにより、クッションプランジャー41と矢台の位置を高く調整し、照準器9の高さを移動させず(照準器の高さ移動はアーチャーにより0.1mm〜1.0mm程度の徴調整は競技中に行うことがある)に矢道を上方へ修正できる。したがって、押し手56の仰角Gを小さくできる。
【0031】
同様に長距離競技の場合に、あらかじめクッションプランジャー41を取り付けるクッションプランジャー取付け孔32の位置高くする。これにより、押し手56の仰角Gを最適の角度にできる。
逆に、目と顎の間隔の比較的長い人(B1)、取りかけの低い人(B2)、背の高い人(B3)は、照準器9を標準の高さ位置(9C)で矢52を射ると、同様に矢52は通常より上方に向いて飛んでしまう。したがって照準器9の高さ位置を上げて(9B)矢52の飛ぶ方向を調整する必要がある。
このような場合は、クッションプランジャー41と矢台の位置を低く調整し、照準器9の位置を移動させずに矢道を下方へ修正できる。
この実施例では、ピボットポイントを弓の中心(長手方向)よりも下方に設置することで、矢の設定位置をより弓の中心に近づけることができる。それに伴い、矢発射時にパワーを無理なく矢に伝えることが可能となる。
更に、近年オリンピック及びFITA公認大会では長距離70mのみの競技である。その為、本発明のクッションプランジャー4段階取り付け装置は威力を発揮することとなる。
【符号の説明】
【0032】
11 アーチェリー
12 リム
21 ハンドルライザー
211 グリップ部
22 長穴
31 ブロック
32 クッションプランジャー取付け孔
33 ブロック取付け孔
41 クッションプランジャー
A クッションプランジャー取り付け装置
【要約】 (修正有)
【課題】洋弓においては、ハンドルライザー部に設けたブロックに、クッションプランジャを固定し、それに矢を保持させて使用する。クッションプランジャの縦方向の固定位置を、容易に多種類選択できる構成を提供する。
【解決手段】クッションプランジャー取り付け装置Aである。ブロック31には、クッションプランジャー41を取り付ける複数のクッションプランジャー取付け孔32が、中央に一列に、かつ非対称の位置に、雌ねじ孔としてもうけられている。ブロック収納孔は、ハンドルライザー21の片面に凹状に設けられ、そこにブロック31を収納する。ブロック収納孔の底部に、ハンドルライザー21を貫通する長穴が、縦方向に設けられる。ブロックを上下逆にすることを含めることで、縦方向の固定位置を多種類選択することができる。
【選択図】
図2