特許第6446186号(P6446186)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6446186
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】使用済み脱硝触媒の再生方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 38/60 20060101AFI20181217BHJP
   B01J 35/04 20060101ALI20181217BHJP
   B01D 53/86 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   B01J38/60ZAB
   B01J35/04 311B
   B01D53/86 222
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-127721(P2014-127721)
(22)【出願日】2014年6月20日
(65)【公開番号】特開2016-7555(P2016-7555A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2017年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109508
【弁理士】
【氏名又は名称】菊間 忠之
(72)【発明者】
【氏名】松山 琴衣
(72)【発明者】
【氏名】加藤 泰良
(72)【発明者】
【氏名】今田 尚美
【審査官】 西山 義之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−049849(JP,A)
【文献】 特開平11−302881(JP,A)
【文献】 特開2013−189668(JP,A)
【文献】 特開昭61−281846(JP,A)
【文献】 特開昭61−288043(JP,A)
【文献】 特開平10−156192(JP,A)
【文献】 特開昭48−047453(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00974397(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00−38/74
B01D 53/86−53/90
B01D 53/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の使用済み脱硝触媒を鋼材製ユニット枠の内に装填して成る使用済みの脱硝触媒ユニットおよび/または複数の前記脱硝触媒ユニットを鋼材製ブロック枠の内に装填して成る使用済みの脱硝触媒ブロックに、鋼材よりも電気化学的に卑なる金属を前記ユニット枠および/または前記ブロック枠と電気的に接触した状態になるように取り付け、
該脱硝触媒ユニットまたは該脱硝触媒ブロックを鉱酸水溶液に浸漬して洗浄し、
次いで、水洗浄することを含み、
鉄イオンの溶出および脱硝触媒への鉄イオンの吸着を抑制できる、
使用済み脱硝触媒の再生方法。
【請求項2】
鋼材よりも電気化学的に卑なる金属がアルミニウム金属および/またはマグネシウム金属である、請求項1に記載の使用済み脱硝触媒の再生方法。
【請求項3】
複数の脱硝触媒を内に装填できる鋼材製の枠と、該枠に電気的に接触した状態で取り付けられた鋼材よりも電気化学的に卑なる金属とを有し、
鉱酸水溶液に浸漬して洗浄した際に鉄イオンの溶出および脱硝触媒への鉄イオンの吸着を抑制できる、
脱硝触媒用ユニット枠。
【請求項4】
複数の脱硝触媒ユニットを内に装填できる鋼材製の枠と、該枠に電気的に接触した状態で取り付けられた鋼材よりも電気化学的に卑なる金属とを有し、
鉱酸水溶液に浸漬して洗浄した際に鉄イオンの溶出および脱硝触媒への鉄イオンの吸着を抑制できる、
脱硝触媒用ブロック枠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は使用済み脱硝触媒の再生方法に関する。より詳細に、本発明は、複数の使用済み脱硝触媒が装填される鋼材製ユニット枠および/または複数の使用済み脱硝触媒ユニットが装填される鋼材製ブロック枠の酸による腐食を抑えて、使用済み脱硝触媒を効率的に再生する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒素酸化物を含む排ガスとの単位体積当たりの接触面積を大きくするために、複数の脱硝触媒をコンパクトに重ね合わせ鋼材製ユニット枠の内に装填して一つの触媒ユニットとしたり、複数の前記触媒ユニットを積み重ねて鋼材製ブロック枠の内に装填して一つの触媒ブロックとしたりする。
【0003】
脱硝処理に長期間使用された脱硝触媒は、燃焼排ガスに含まれている、アルカリ成分、ヒ素、リンなどの付着によって、脱硝性能が大きく低下している。資源の有効利用の観点から、このような使用済み脱硝触媒を、鉱酸水溶液、シュウ酸水溶液、アンモニア水溶液などで洗浄して再生させ、脱硝触媒として再利用することが提案されている(特許文献1、2など参照)。特に鉱酸水溶液による洗浄は、ヒ素やリンの除去率が高く、バナジウム、モリブデン、タングステンなどの触媒活性成分の溶出が少ないという特長がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−37634公報
【特許文献2】特開2000−37635公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
鋼材製ブロック枠または鋼材製ユニット枠は、鉱酸によって腐食しやすいので、脱硝触媒の鉱酸水溶液による洗浄は、通常、脱硝触媒を鋼材製ブロック枠または鋼材製ユニット枠から取り出して行われる。脱硝触媒の取り出しは手間と時間が掛かる。
鋼材製ブロック枠または鋼材製ユニット枠から使用済み脱硝触媒を取り出さずに鉱酸水溶液にて洗浄することによっても、使用済み脱硝触媒からヒ素やリンを除去することができる。しかし、鋼材製ユニット枠または鋼材製ブロック枠は、鉱酸によって腐食され、強度が低下し、枠としての機能が低下する。また、鋼材の腐食によって鉄イオンが溶出し、それが再生された脱硝触媒に吸着する。鉄イオンの吸着量が多くなると脱硝触媒のSO2酸化率が高くなる。
【0006】
本発明の課題は、以上のような事情のもと、鋼材製ユニット枠および/または鋼材製ブロック枠の酸による腐食を抑えて、鋼材製ブロック枠または鋼材製ユニット枠から使用済み脱硝触媒を取り出さずに、効率的に使用済み脱硝触媒を再生する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために検討した結果、以下の実施形態を包含する本発明を完成するに至った。
〔1〕複数の使用済み脱硝触媒を鋼材製ユニット枠の内に装填して成る使用済みの脱硝触媒ユニットおよび/または複数の前記脱硝触媒ユニットを鋼材製ブロック枠の内に装填して成る使用済みの脱硝触媒ブロックに、鋼材よりも電気化学的に卑なる金属を前記ユニット枠および/または前記ブロック枠と電気的に接触した状態になるように取り付け、
該脱硝触媒ユニットまたは該脱硝触媒ブロックを鉱酸水溶液に浸漬して洗浄し、
次いで、水洗浄することを含み、
鉄イオンの溶出および脱硝触媒への鉄イオンの吸着を抑制できる、
使用済み脱硝触媒の再生方法。
〕鋼材よりも電気化学的に卑なる金属がアルミニウム金属および/またはマグネシウム金属である、〔1〕に記載の使用済み脱硝触媒の再生方法。
【0008】
〕複数の脱硝触媒を内に装填できる鋼材製の枠と、該枠に電気的に接触した状態で取り付けられた鋼材よりも電気化学的に卑なる金属とを有し、
鉱酸水溶液に浸漬して洗浄した際に鉄イオンの溶出および脱硝触媒への鉄イオンの吸着を抑制できる、
脱硝触媒用ユニット枠。
〕複数の脱硝触媒ユニットを内に装填できる鋼材製の枠と、該枠に電気的に接触した状態で取り付けられた鋼材よりも電気化学的に卑なる金属とを有し、
鉱酸水溶液に浸漬して洗浄した際に鉄イオンの溶出および脱硝触媒への鉄イオンの吸着を抑制できる、
脱硝触媒用ブロック枠。
【発明の効果】
【0009】
本発明の再生方法によれば、複数の使用済み脱硝触媒が装填される鋼材製ユニット枠および/または複数の使用済み脱硝触媒ユニットが装填される鋼材製ブロック枠の酸による腐食を抑えて、鋼材製ブロック枠または鋼材製ユニット枠から使用済み脱硝触媒を取り出さずに、効率的に使用済み脱硝触媒を再生することができる。このようにして再生された脱硝触媒は、低いSO2酸化活性で、良好な脱硝性能を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】触媒ユニットの一実施形態を示す図である。
図2】本発明に係る方法を適用した触媒ユニットの一実施形態を示す図である。
図3】本発明に係る方法を適用した触媒ユニットの別の一実施形態を示す図である。
図4】本発明に係る方法を適用した触媒ユニットの別の一実施形態を示す図である。
図5】本発明に係る方法を適用した触媒ユニットの別の一実施形態を示す図である。
図6】触媒ブロックの一実施形態を示す図である。
図7】本発明に係る方法を適用した触媒ブロックの一実施形態を示す図である。
図8】本発明に係る方法を適用した触媒ブロックの別の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の脱硝触媒の再生方法は、複数の使用済み脱硝触媒を鋼材製ユニット枠の内に装填して成る使用済みの触媒ユニットおよび/または複数の前記触媒ユニットを鋼材製ブロック枠の内に装填して成る使用済みの触媒ブロックに、鋼材よりも電気化学的に卑なる金属を電気的に接触した状態になるように取り付け、 該触媒ユニットまたは該触媒ブロックを鉱酸水溶液に浸漬して洗浄し、次いで、水洗浄することを含むものである。
【0012】
図1は触媒ユニットの一実施形態を示す図である。触媒ユニット7は、複数の脱硝触媒1を鋼材製ユニット枠6の内に装填して成る。図1に示す触媒ユニットには、波型凸条からなるスペーサ部を有する板状脱硝触媒(以下、触媒エレメントと言うこともある。)が複数装填されているが、これに限定されない。本発明を適用できる触媒ユニットは、例えば、ハニカム状触媒を鋼材製ユニット枠の内に装填したものであってもよい。
【0013】
図6は触媒ブロックの一実施形態を示す図である。触媒ブロックは、複数の触媒ユニット7を鋼材製ブロック枠11の内に装填して成る。図6に示す触媒ブロックには、波型凸条からなるスペーサ部を有する板状脱硝触媒1が装填された触媒ユニットが複数装填されているが、これに限定されない。本発明を適用できる触媒ブロックは、例えば、ハニカム状触媒が装填された触媒ユニットを複数装填したものであってもよい。
【0014】
ユニット枠またはブロック枠を構成する鋼材は、鉄を主成分とする合金である。鋼材として、炭素を含む普通鋼;ニッケル、クロム、コバルトなどを含有する特殊鋼などを用いることができる。
【0015】
本発明の再生方法においては、鋼材製ユニット枠および/または鋼材製ブロック枠に、鋼材よりも卑なる金属(以下、卑金属と言うことがある。)を電気的に接触した状態になるように取り付ける。鉄の標準酸化還元電位は−0.44Vである。したがって、卑金属は−0.44Vよりも低い標準酸化還元電位を有する金属である。卑金属としては、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、タンタル、クロム、ジルコニウムなどが挙げられる。これらのうち、アルミニウム金属、マグネシウム金属が好ましい。
ところで、異種金属を接触させたときに、両金属間に電位差が生じ、電位の卑なる金属が優先的に腐食し、電位の貴なる金属の腐食が抑制されることが知られている。その例として、トタンが知られている。本発明は、このような電気化学的現象を利用するものである。すなわち、後述する鉱酸に浸漬したときに、卑金属が優先的に腐食され溶解する。それによって、鋼材の腐食を抑制するのである。
【0016】
卑金属の取り付けは、前記ユニット枠および/または前記ブロック枠と電気的に接触した状態になるように行う。取り付けの手段は、特に制限されない。例えば、ボルト止め、ねじ止め、はんだ付け、溶接、鍍金などの手段が挙げられる。鋼材に取り付けられる卑金属は、その形状によって特に限定されない。例えば、棒材、板材、線材、管材などを用いることができる。卑金属の取り付け量は、鋼材の腐食を抑制できる量であれば特に制限されない。なお、取り付け量が少なすぎると鋼材腐食の抑制効果が低下する傾向がある。
【0017】
取り付ける場所は、後述する鉱酸水溶液による洗浄および水による洗浄の操作の妨げとならなければどのような場所でもよい。ユニット枠またはブロック枠の外側に取り付けてもよいし、内側に取り付けてもよい。
【0018】
図2〜4は、本発明に係る方法を適用した触媒ユニットの実施形態を示す図である。卑金属の取り付け態様として、例えば、棒材8をユニット枠6の一面の対角線に沿ってボルト9で止める態様(図2)、棒材8をユニット枠6の一面に水平にボルト9で止める態様(図3)、板材10をユニット枠6の一面の一部を覆うようにボルト9で止める態様(図4)、棒材8をユニット枠6の一辺に沿ってボルト9で止める態様(図5)などが挙げられる。
【0019】
図7〜8は、本発明に係る方法を適用した触媒ブロックの実施形態を示す図である。卑金属の取り付け態様として、例えば、棒材8をブロック枠11の一面の対角線に沿ってボルト9で止める態様(図7)、板材10をブロック枠11の一面の一部を覆うようにボルト9で止める態様(図8)、棒材8をブロック枠11の一面に水平にボルト9で止める態様、棒材8をブロック枠11の一辺に沿ってボルト9で止める態様などが挙げられる。
【0020】
卑金属の取り付けは、鉱酸水溶液で洗浄する前であれば、いつ行ってもよい。例えば、新品の脱硝触媒を装填する前、新品の脱硝触媒を装填した後で脱硝装置に取り付ける前、脱硝装置から取り出した後などに行うことができる。
【0021】
鉱酸水溶液による洗浄は、通常、前記の触媒ユニットまたは触媒ブロックを鉱酸水溶液に浸漬することによって行われる。また、浸漬させた状態で、鉱酸水溶液をポンプや攪拌機で対流させることが好ましい。本発明に使用し得る鉱酸としては、硫酸、硝酸、塩酸などが挙げられる。鉱酸水溶液の量は、触媒ユニットまたは触媒ブロックが液面下に没する程度あれば、特に限定されない。鉱酸水溶液の量は、例えば、触媒重量の3倍〜20倍の液量があればよい。また、鉱酸水溶液の濃度は、特に限定されないが、好ましくは10%以下であればよい。鉱酸水溶液の温度は、特に制限されないが、常温から100℃までの範囲のいずれかが好ましい。鉱酸水溶液による洗浄時間は、特に制限されないが、好ましくは30分間〜24時間である。
【0022】
鉱酸水溶液による洗浄の後、液切りし、次いで水による洗浄を行う。水による洗浄は、通常、前記の触媒ユニットまたは触媒ブロックを水に浸漬することによって行われる。また、浸漬させた状態で、水をポンプや攪拌機で対流させることが好ましい。水洗浄に用いられる水は硬水および軟水のいずれでもよい。水の温度は、特に制限されないが、常温から100℃までの範囲のいずれかが好ましい。鉱酸に塩酸を採用した場合、塩素が残留しないように、水による洗浄を複数回繰り返すか、アルカリ水溶液による洗浄を行うか、水洗浄とアルカリ水溶液洗浄を組み合わせることが好ましい。塩素が多量に残留すると、鋼材や脱硝触媒基材の腐食を促進させる傾向がある。また、鉱酸に硝酸を採用した場合は、水洗浄で洗い流した硝酸が富栄養化をもたらすので、廃液の処理を十分行うことが好ましい。水による洗浄時間は、特に制限されないが、好ましくは30分間〜24時間である。
【0023】
水による洗浄の後、液切りし、必要に応じて乾燥させることができる。このようにして再生された脱硝触媒を脱硝装置に取り付けて燃焼排ガスの脱硝処理に使用することができる。
【0024】
上記の再生方法によって再生される脱硝触媒の脱硝性能が不足している場合は、触媒活性成分を再生された脱硝触媒に担持することができる。触媒活性成分の担持は、バナジウム、タングステン、モリブデン、リン、硫酸アルミニウムなどを含む溶液を再生された脱硝触媒に含浸させることによって行うことができる。
【実施例】
【0025】
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
【0026】
本実施例で行った評価方法は、以下のとおりである。
(SO2酸化活性)
触媒ユニットから触媒エレメントを抜き取り、該触媒エレメントを20mm×100mmの大きさに裁断した。SO2500ppm、O23%、およびN2残部からなるガスを空間速度6m/hで、20mm×100mmの大きさに裁断された触媒3枚を充填した管型反応器に流して、該触媒のSO2酸化率を測定した。
【0027】
(洗浄液への鉄溶出量)
磁性皿に洗浄液1gと純水9gを入れ、それにTiO210gを入れた。磁性皿を加熱して蒸発乾固した。このようにして得られた粉末を蛍光X線分析装置で分析し鉄溶出量を決定した。
【0028】
実施例1
酸化チタン、三酸化モリブデン、メタバナジン酸アンモニウム、シリカゾル、シリカアルミナ系セラッミク繊維、および水を混練して、水分30%の触媒ペーストを得た。該触媒ペーストを、一対の圧延ローラを用いて、先に調製しておいた幅500mmSUS430製メタルラス基板のラス目間及び表面に塗布して、厚さ0.7mm帯状触媒を得た。これにプレス機を用いて波型のスペーサ部(高さ4mm)を成形して波板状触媒を得た。該波板状触媒を幅150mm、長さ600mmの大きさに裁断し、触媒エレメントを得た。
【0029】
該触媒エレメント12枚をスペーサ部が互い違いになるようにして積み重ね、図1に示す構造になるように軟鋼製の触媒ユニット枠に装填し、ガス流路の大きさが150mm×150mmの触媒ユニットを得た。該触媒ユニットを24時間風乾し、次いで空気を流しながら500℃で2時間焼成した。焼成後の触媒エレメントのSO2酸化率は0.74%であった。
【0030】
次いで、前記触媒ユニットの枠の外側に150mm×300mm×厚み0.3mmのアルミニウム金属板を図4に示すようにボルトで取り付けた。
【0031】
触媒重量の10倍量の5%の硫酸水溶液を容器に溜めた。硫酸水溶液に前記触媒ユニットを沈めた。硫酸水溶液を揺り動かしながら60℃で10分間保持した。触媒ユニットを硫酸水溶液から取り出し、液切りし、次いで水洗浄した。その後150℃で1時間乾燥、350℃で1時間乾燥させた。触媒ユニットの外観は硫酸水溶液による洗浄前とほとんど差がなかった。乾燥後の触媒エレメントのSO2酸化率は0.85%であった。硫酸水溶液に溶出した鉄の量はFe23換算で0.22重量%であった。
【0032】
実施例2
アルミニウム金属板を、縦5mm×横5mm×長さ600mmのアルミニウム金属棒に変更した以外は実施例1と同じ処理を行った(図3参照)。触媒ユニットの外観は硫酸水溶液による洗浄前とほとんど差がなかった。乾燥後の触媒エレメントのSO2酸化率は0.88%であった。硫酸水溶液に溶出した鉄の量はFe23換算で0.26重量%であった。
【0033】
実施例3
アルミニウム金属板を、直径8mm×長さ600mmのマグネシウム金属棒に変更した以外は実施例1と同じ処理を行った(図3参照)。触媒ユニットの外観は硫酸水溶液による洗浄前とほとんど差がなかった。乾燥後の触媒エレメントのSO2酸化率は0.86%であった。硫酸水溶液に溶出した鉄の量はFe23換算で0.23重量%であった。
【0034】
実施例4
5%の硫酸水溶液を5%の硝酸水溶液に変更した以外は実施例1と同じ処理を行った。触媒ユニットの外観は硫酸水溶液による洗浄前とほとんど差がなかった。乾燥後の触媒エレメントのSO2酸化率は0.80%であった。硫酸水溶液に溶出した鉄の量はFe23換算で0.11重量%であった。
【0035】
実施例5
5%の硫酸水溶液を5%の塩酸水溶液に変更した以外は実施例1と同じ処理を行った。触媒ユニットに腐食した痕跡がわずかに見られた。またユニット枠の一部がわずかに痩せた。乾燥後の触媒エレメントのSO2酸化率は1.03%であった。硫酸水溶液に溶出した鉄の量はFe23換算で0.53重量%であった。
【0036】
比較例1
アルミニウム金属板を取り付けなかった以外は実施例1と同じ処理を行った。触媒ユニットに明かな腐食が見られた。ユニット枠に凹凸が生じた。乾燥後の触媒エレメントのSO2酸化率は8.37%であった。硫酸水溶液に溶出した鉄の量はFe23換算で1.50重量%であった。
【0037】
【表1】
【0038】
以上の結果を表1に示す。表1が示すとおり、本発明に従って、鋼材製ユニット枠に卑金属を取り付けて、鉱酸水溶液による洗浄を行うと、ユニット枠の腐食が抑制されることがわかる。また、本発明の方法によれば、洗浄液への鉄の溶出が低減されるので、脱硝触媒に吸着する鉄分の量が低く抑えられてSO2酸化率が大きく上昇することがない。このことは鋼材製ブロック枠についても同様であることが理解できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8