特許第6446216号(P6446216)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6446216
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】遊技場用管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
   A63F7/02 350Z
   A63F7/02 328
   A63F7/02 353
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-193712(P2014-193712)
(22)【出願日】2014年9月24日
(65)【公開番号】特開2016-63911(P2016-63911A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2017年7月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】向 裕之
【審査官】 大浜 康夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−033796(JP,A)
【文献】 特開2010−240296(JP,A)
【文献】 特開2004−081412(JP,A)
【文献】 特開平11−262574(JP,A)
【文献】 特開2006−288786(JP,A)
【文献】 特開2009−082166(JP,A)
【文献】 特開2004−351072(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入賞の発生に応じて遊技媒体を払い出す複数の遊技機と、遊技者が獲得した遊技媒体を受け入れて計数する島端計数機とを備えた遊技場用管理システムにおいて、
前記遊技機において遊技者が獲得した遊技媒体の数を理論遊技媒体数として算出し、当該遊技機の識別情報と対応付けて記憶する理論遊技媒体数記憶手段と、
前記島端計数機における遊技媒体の計数に際して、当該遊技媒体を獲得した遊技者が遊技していた遊技機の識別情報を受け付ける受付手段と、
前記島端計数機による遊技媒体の計数結果と、前記受付手段が受け付けた識別情報と対応付けて前記理論遊技媒体数記憶手段が記憶している理論遊技媒体数とを照合する照合手段と、
前記照合手段による照合結果を報知する第1報知手段と、
特定の遊技機において遊技者が休憩中であることを示す休憩情報を入力する休憩情報入力手段と、
前記休憩情報入力手段により入力された情報を前記遊技機の識別情報と対応付けて記憶する休憩情報記憶手段と、
前記受付手段が受け付けた識別情報と対応付けて前記休憩情報記憶手段が休憩情報を記憶しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を報知する第2報知手段と、を備え
前記複数の遊技機それぞれに対して、当該遊技機の稼動状況に関する遊技情報を表示可能な遊技情報表示装置を付設し、
前記遊技情報表示装置は、前記休憩情報入力手段により休憩情報が入力されたときに、遊技者が休憩中であることを示す休憩情報を表示するとともに、前記第2報知手段が前記判定結果として前記休憩情報記憶手段が休憩情報を記憶していると判定した旨を報知した場合、遊技媒体の計数が実行された旨を示す計数実行情報を表示することを特徴とする遊技場用管理システム。
【請求項2】
前記複数の遊技機及び計数機と通信可能に接続され、当該遊技機及び計数機の稼動状況を管理する管理装置を備え、
前記管理装置は、前記理論遊技媒体数記憶手段及び前記休憩情報記憶手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の遊技場用管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入賞の発生に応じて遊技媒体を払い出す複数の遊技機と、遊技者が獲得した遊技媒体を受け入れて計数する計数機とを備えた遊技場用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な遊技場においては、遊技者が遊技により獲得した遊技媒体(玉、メダル)を所定の箱に収容し、その箱を足元や頭上に置くようにしている。そして、トイレや食事などの理由で離席する際は、手持ちの箱を全部持っていくことができず、やむを得ずそのままの状態で放置して席を離れることから、遊技媒体の盗難が後を絶たないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−350853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の問題を解決する手段として、例えば特許文献1においては、箱が盗まれないように箱そのものを遊技機島や椅子の支柱にチェーンロックで固定することも提案されている。
しかしながら、大当たりが発生して遊技媒体を獲得できるかどうかも分らない状況で、一々予めチェーンロックを準備するのも面倒であるし、仮にチェーンロックが遊技場に準備されていたとしても、離席する度に一々ロックを掛けるのも現実的でないことから、実際の遊技場においては離席中も箱が放置されているのが実情である。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技媒体の盗難を極力抑制することが可能な遊技場用管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、入賞の発生に応じて遊技媒体を払い出す複数の遊技機と、遊技者が獲得した遊技媒体を受け入れて計数する計数機と、を備えた遊技場用管理システムにおいて、
前記遊技機において遊技者が獲得した遊技媒体の数を理論遊技媒体数として算出し、当該遊技機の識別情報と対応付けて記憶する理論遊技媒体数記憶手段と、前記計数機における遊技媒体の計数に際して、当該遊技媒体を獲得した遊技者が遊技していた遊技機の識別情報を受け付ける受付手段と、前記計数機による遊技媒体の計数結果と、前記受付手段が受け付けた識別情報と対応付けて前記理論遊技媒体数記憶手段が記憶している理論遊技媒体数とを照合する照合手段と、前記照合手段による照合結果を報知する第1報知手段と、特定の遊技機において遊技者が休憩中であることを示す休憩情報を入力する休憩情報入力手段と、前記休憩情報入力手段により入力された情報を前記遊技機の識別情報と対応付けて記憶する休憩情報記憶手段と、前記受付手段が受け付けた識別情報と対応付けて前記休憩情報記憶手段が休憩情報を記憶しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を報知する第2報知手段と、を備え、前記複数の遊技機それぞれに対して、当該遊技機の稼動状況に関する遊技情報を表示可能な遊技情報表示装置を付設し、前記遊技情報表示装置は、前記休憩情報入力手段により休憩情報が入力されたときに、遊技者が休憩中であることを示す休憩情報を表示するとともに、前記第2報知手段が前記判定結果として前記休憩情報記憶手段が休憩情報を記憶していると判定した旨を報知した場合、遊技媒体の計数が実行された旨を示す計数実行情報を表示するものである(請求項1)。
【0009】
請求項1に記載の遊技場用管理システムにおいて、
前記複数の遊技機及び計数機と通信可能に接続され、当該遊技機及び計数機の稼動状況を管理する管理装置を備え、前記管理装置は、前記理論遊技媒体数記憶手段及び前記休憩情報記憶手段を備えていても良い(請求項)。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、計数機で遊技媒体を計数する際に、その遊技媒体を獲得した遊技機が現在休憩中であるか否かを確認することができるので、現在休憩中であることが判明した場合には、その遊技者に直接質問する等して遊技媒体の盗難ではないことを十分確認するという運用が可能となり、遊技媒体の盗難を抑制する効果が期待できる。また、休憩中か否かの確認と合わせて、遊技者が獲得した遊技媒体数の理論値と計数値とを照合するので、盗難とは別の不正行為があったかどうかも確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態における遊技場用管理システムの全体構成を概略的に示す図
図2】遊技情報表示装置の正面図
図3】遊技情報表示装置の電気的構成を示す機能ブロック図
図4】島端計数機の斜視図
図5】島端計数機の構成を示す機能ブロック図
図6】レシートの正面図
図7】持ちメダル数情報・休憩情報を示す図
図8】食事休憩中を示す遊技情報表示装置の正面図
図9】食事休憩中及び計数実行情報を示す遊技情報表示装置の正面図
図10】島端計数装置による台番入力画面を示す図
図11】島端計数装置による計数開始画面を示す図
図12】島端計数装置による計数完了画面を示す図
図13】島端計数装置による休憩中警告画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用管理システムの全体構成を概略的に示している。遊技場内には、複数台の遊技機1が設置されている。本実施形態の場合、遊技機1は所謂スロットマシンを想定している。各遊技機1には、貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3(休憩情報入力手段)がそれぞれ付設されている。遊技機1、貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3は、それぞれ中継装置4に接続されている。遊技情報表示装置3は、対応する遊技機1の上方に設置されており、中継装置4で受信する信号に基づいて各種の遊技データを表示する。中継装置4は、LAN5を介して管理装置6(理論遊技媒体数記憶手段、照合手段、休憩情報記憶手段、判定手段)に接続されている。
【0013】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務所等に設置されており、モニタ7、キーボード8等が接続されている。管理装置6は、遊技場内に設置される各種機器(遊技機1、貸出ユニット2、遊技情報表示装置3等)の稼働状況を管理する。尚、遊技場内には、所謂パチンコ機も含めて例えば数百台の遊技機1が設置されており、それぞれの遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。遊技場には島端計数機9(計数機、受付手段、第1報知手段、第2報知手段)及び景品交換端末(以下、POS)10も設置されており、それらもLAN5を介して管理装置6と接続されている。
【0014】
遊技機1は、表示窓11、リール12、スタートレバー13、ストップボタン14、液晶表示部15、メダル投入口16、BETボタン17、受皿18等を備えている。遊技者は、表示窓11を通じて内部に設けられたリール12に描かれた図柄を視認可能となっている。遊技者がメダル(遊技価値)をメダル投入口16に投入する、またはBETボタン17を操作することで、クレジットメダル(遊技価値)が所定枚数ベットされ(遊技価値が消費され)、その状態でスタートレバー13が操作されると(ゲームの開始操作が行われると)、内部抽選を実行するとともに図柄の変動を開始させ、ストップボタン14が操作されると、所謂引込制御(予め規定された引込範囲である例えば4図柄まで図柄を有効ライン上に引込んで停止表示させる制御)によりリール12の変動を停止する。尚、遊技機1は、上記した物理的なリール12を備えるものに限らず、表示窓11を液晶表示器等で構成し、図柄を画像として表示及び変動させるタイプのものであっても良い。その場合、スタートレバー13が操作されると、液晶表示器の画面に表示された図柄の変動を開始させ、ストップボタン14が操作されると、対応する図柄が停止表示されることになる。
【0015】
このような遊技機1には、周知のようにボーナス役、小役、リプレイ役等の役が設定されており、上記した内部抽選時に何れの役に内部当選した状態で遊技者によりストップボタン14が操作され、予め設定されている有効ライン上にその内部当選役に対応する図柄が停止表示されると(図柄が揃うと)、入賞が発生する。そして、入賞が発生した場合には、対応する枚数のメダルの払出(遊技価値の付与)または大当たり状態(ボーナス状態)等への移行が行われる。
【0016】
遊技機1は、遊技の実行に応じて各種の遊技信号を出力する。具体的には、遊技機1は、遊技機1に対して投入された遊技媒体の数を示す投入信号、入賞の発生により払出された遊技媒体の数を示す払出信号、ゲームが開始されたことを示すスタート信号、大当たり状態が発生したことを示す大当たり信号(ボーナス信号)等を出力する。遊技情報表示装置3や管理装置6は、これらの遊技信号を遊技機1から中継装置4を経由して入力することに基づいて、遊技情報の集計及び管理、大当たり状態の特定、ART状態の発生の特定等を行う。
【0017】
貸出ユニット2は、動作状態を示す動作ランプ19、遊技者が貨幣(有価価値)を投入する貨幣投入口20、メダルを払出す(貸し出す)メダル払出口21等を備えている。貸出ユニット2は、不具合が生じた場合等に動作ランプ19を点灯させ、従業員に不具合の発生等を報知する。また、遊技者が貨幣を貨幣投入口20に投入すると、その投入された貨幣に応じた数のメダルをメダル払出口21から遊技機1に払出すとともに、貨幣投入口20に投入された貨幣の有価価値を示す貸出信号(売上信号)を出力する。
【0018】
図2は遊技情報表示装置3の正面図である。遊技情報表示装置3は、ランプ部22、液晶表示部23、従業員を呼出すための呼出ボタン24、液晶表示部23に表示される遊技情報の種類等を切替えるためのデータ切替ボタン25、従業員が携帯して操作するリモコン26(図1参照)からの信号を受信(受光)するリモコン受光部27等を備えている。図2では、液晶表示部23の画面表示の一例を示しており、以下の遊技情報を表示している。
【0019】
「本日大当たり回数」23a:本日における大当たり状態の発生回数
「前日大当たり回数」23b:前日における大当たり状態の発生回数
「前々日大当たり回数」23c:前々日における大当たり状態の発生回数
「過去最高大当たり回数」23d:過去最高の大当たり状態の発生回数
「大当たり間スタート回数」23e:大当たり間のスタート回数
「本日累計スタート回数」23f:本日のスタート回数の累計
「差メダル数グラフ」23g:「払出枚数」−「投入枚数」の推移を示すグラフ
尚、データ切替ボタン25の操作により、過去10日分の「差メダル数グラフ」23gを切り替えて表示可能である。
【0020】
図3は、遊技情報表示装置3の電気的構成を機能ブロックにより示している。遊技情報表示装置3は、CPU28a、ROM28b、RAM28c及びI/O28d等を有する制御部28を主体として構成されている。制御部28にはランプ部22、液晶表示部23、呼出ボタン24、データ切替ボタン25、リモコン受光部27、液晶表示部23の画面上に形成されるタッチパネル29、中継装置4との間での各種の遊技信号の入出力を制御するI/F部30等が接続されており、制御部28は、ROM28bに記憶されているコンピュータプログラムに基づいて全体の動作を制御する。
【0021】
図4は島端計数機9を示す斜視図である。島端計数機9は、閉鎖位置と開放位置との間でスライド移動されるスライドカバー31、計数結果等の各種情報を表示する表示機能及び従業員や遊技者からの操作入力を受付ける入力受付機能を有するタッチパネル式の液晶表示部32、島端計数機9の状態を示すためのLEDからなる状態表示部33、計数値及び当該計数値を記録した2次元コードやバーコード等が印字されたレシート34(図5参照)を発行するレシート発行口35、従業員が所持する従業員ICカード36(図5参照)が翳されている状態で当該従業員ICカード36に内蔵されているICチップ36aに記憶されている担当者IDを読取るICカードリーダ37等を備えている。
【0022】
島端計数機9は、従業員が従業員ICカード36をICカードリーダ37に翳すことで従業員の認証処理が行われ、スライドカバー31のロックが解除されてスライド移動されることにより図示しない投入容器が開放されると、計数可能な状態となる。従業員又は遊技者が獲得メダルを投入容器に投入すると、獲得メダルは計数センサにより計数され、その計数結果を記録したレシート34を発行するとともに、当該計数結果を、入力された台番や担当者ID等の各種情報とともに管理装置6へ送信する。尚、スライドカバー31は、そのロックの解除により手動で開放され、閉鎖位置に戻すと自動でロックされる。
【0023】
図5は、島端計数機9の構成を機能ブロックにより示している。島端計数機9は、CPU38a、ROM38b、RAM38c、I/O38dを有する制御部38を主体として構成されている。制御部38には液晶表示部32、当該液晶表示部32の表面に設けられたタッチパネル39、計数値等を印字したレシート34をレシート発行口35から発行するレシート発行部40、ICカードリーダ37、状態表示部33、スライドカバー31を自動ロックするカバーロック部41、メダルを計数する計数部42、各種信号を管理装置6と送受信するI/F部43等が接続されており、ROM38bに記憶されているコンピュータプログラムに基づいて全体の動作を制御する。
【0024】
図6に示すように、レシート34には、遊技場名34a、発行日時34b、計数結果34c、景品交換結果34d、計数誤差結果34e、遊技機番号34f、担当者ID34gが印刷されているとともに、二次元コード34hが印刷されている。二次元コード34hには、発行日時、計数機番号、計数結果、計数誤差結果(正常/異常 誤差枚数)、担当者ID、遊技機番号、種別(単価・種類)が記録されている。
POS10は、レシート34により特定される遊技媒体数を読取って景品交換処理を行う。
【0025】
管理装置6は、遊技機1や貸出ユニット2からの出力信号に基づいて、現時点の遊技者の持ちメダル数を、以下の計算式に従って算出する。ここで、持ちメダルとは、遊技により遊技者が獲得(所持)しているメダルである。
現時点の持ちメダル数(理論遊技媒体数)=貸出メダル数+払出メダル数−投入メダル数−計数メダル数
算出した持ちメダル数は、遊技情報表示装置3へ随時送信される。例えば、貸出メダル数=500枚(売上信号に基づいて特定)、払出メダル数=3500枚(払出信号に基づいて特定)、投入メダル数=3000枚(投入信号に基づいて特定)、計数メダル数=0枚(島端計数機9からの計数結果に基づいて特定)のとき現時点の持ちメダル数は1000枚(=500+3500−3000−0)となる。尚、中継装置4が持ちメダル数の算出を行い、算出結果を遊技情報表示装置3及び管理装置6へ送信するようにしても良い。或いは、遊技情報表示装置3及び管理装置6が夫々持ちメダル数を算出しても良い。
【0026】
管理装置6は、島端計数機9から計数結果を受信する毎に、その計数結果について図7に示す持ちメダル数情報を更新する。持ちメダル数情報としては台番に対応して持ちメダル数が設定されている。また、台番に対応して休憩情報も設定されている。休憩情報としては休憩フラグが設定されており、休憩フラグ「1」が休憩中を示し、「0」が非休憩中を示している。管理装置6は、後述するように従業員がリモコン26を操作して遊技情報表示装置3へ送信した休憩情報を中継装置4経由で受信し、休憩の開始・終了を判定してフラグを変更する。
【0027】
次に、上記構成の作用について説明する。
遊技者が遊技によりメダルを獲得した状態で食事休憩する場合は、従業員に食事休憩することを申し出る。従業員がリモコン26を操作して食事休憩であることを示す信号を遊技情報表示装置3へ送信すると、遊技情報表示装置3は、図8に示すように食事休憩中の表示を開始し、その旨を示す休憩開始信号を管理装置6へ送信する。食事休憩中の表示では、最大休憩時間の残り時間を表示する。
管理装置6は、休憩開始信号を受信した場合は、図7に示す休憩情報として該当する台番の休憩フラグを「1」とする。図7に示す例では、台番「3」の遊技者の持ちメダル数が6543枚で休憩中であることを示している。
【0028】
従業員は、遊技者が食事休憩から戻った時点でリモコン26を再度操作し、休憩中を解除する。遊技情報表示装置3は、食事休憩中の表示を終了するとともに、休憩中を解除した旨を示す休憩終了信号を管理装置6へ送信する。また、残り時間が零となった時点でも管理装置6へ休憩終了信号を送信する。
管理装置6は、遊技情報表示装置3から休憩終了信号を受信した場合は、図7に示す休憩情報として該当する休憩フラグを「0」とする。
【0029】
さて、遊技者は獲得メダルを計数する場合、メダルが収容された収容箱を従業員に渡して計数を依頼する。この収容箱には台番(遊技機の識別情報)が表記されている。
島端計数機9は、初期画面として液晶表示部32に、図10に示す台番入力画面を表示する。この台番入力画面では、「台番を入力してから「OK」をタッチしてください。」というメッセージ44a、台番号入力部44b、テンキー44c、「OK」ボタン44d、「クリア」ボタン44eが表示される。従業員は、遊技者がメダルを獲得した遊技機1の台番号をテンキー44cに対するタッチ操作により入力してから「OK」ボタン44dをタッチ操作する。図10に示す例では、台番として234番台が入力された状態を示している。
【0030】
島端計数機9が入力された台番号を管理装置6へ送信すると、管理装置6は、島端計数機9から入力した台番に対応して記憶している休憩情報が示す休憩中フラグが「0」、つまり遊技者が休憩中でないことを確認してから、持ちメダル数情報等を島端計数機9に対して出力する。これにより、島端計数機9は、受信した234番台の持ちメダル数情報を含む情報を示す計数開始画面を表示し、メダルの計数が不可能な状態から可能な状態へ移行して計数開始画面を表示する。
【0031】
図11に示す計数開始画面では、「カバーのロックを解除しました。カバーを開放してメダルを投入してください。」というメッセージ45a、「計数スタート」ボタン45b、「中止」ボタン45cが表示されるとともに、受信した234番台の情報に基づき機種表示部45d、持ちメダル表示部45eが表示される。
【0032】
従業員が獲得メダルを島端計数機9に投入して「計数スタート」ボタン45bをタッチ操作すると、それに応じて島端計数機9は、メダルの計数処理を実行し、計数が終了すると、計数値と持ちメダル数(管理装置6から受信)とを照合し、その照合結果(正常/異常)を計数完了画面に表示する。尚、「中止」ボタン45cがタッチされたときは、台番の情報をクリアする。
【0033】
図12に示す計数完了画面では、「計数が完了しました。確認後、レシート発行ボタンを押してください。」というメッセージ46a、「レシート発行」ボタン46b、「計数再スタート」ボタン46c、計数結果表示部46d、持ちメダル表示部46e、計数誤差判定処理結果表示部46f、台番情報表示部46gが表示される。計数誤差判定処理では、持ちメダル数と計数値との差が許容範囲内であるか否かを判定し、許容範囲内である場合は「正常計数」、許容範囲外である場合は「異常計数」と表示する。
【0034】
島端計数機9は、従業員による「レシート発行」ボタン46bの操作に応じて、レシート34を発行するとともに、発行情報を管理装置6へ送信し、台番・発行情報をクリアする。尚、「計数再スタート」ボタン46cがタッチ操作されたときは、計数処理を再実行する。
遊技者は、島端計数機9から発行されたレシート34をPOS10にて景品交換処理することにより獲得したメダルを所望の景品に交換することができる。
【0035】
ところで、遊技者は、メダルを収容した箱を足元や頭上に置くようにしているが、食事で長時間離席する際は、収容箱をそのままの状態で放置して席を離れることから、遊技媒体が盗難されて不正に計数される虞がある。
このような事情から、遊技者が食事休憩中に収容箱のメダルが計数された場合は、島端計数機9は、図10に示す台番入力画面において台番が入力された際に、234番台の休憩情報が示す休憩フラグが「1」、つまり遊技者が休憩中であった場合は、図11に示す計数開始画面に代えて、図13に示す休憩中警告画面を表示する。この休憩中警告画面では、「この台は現在休憩中です。計数しますか?」というメッセージ47a、「中止」ボタン47b、「計数続行」ボタン47cを表示する。
【0036】
従業員は、計数開始時に休憩中警告画面により該当台番の遊技者が休憩中であることが報知された場合には、その遊技者に直接質問したり、監視カメラの録画映像を再生したりする等して、メダルの盗難ではないことを十分に確認した場合は、「計数続行」ボタン46cをタッチ操作する。島端計数機9は、「計数続行」ボタン46cがタッチ操作された場合は、図11に示す計数開始画面を表示するので、従業員はメダルの計数を継続する。
【0037】
これに対して、遊技者に直接質問する等して十分に確認した結果、メダルの盗難を特定できる場合は、「中止」ボタン46bをタッチする。島端計数機9は、「中止」ボタン46bが操作された場合は、図10に示す台番入力画面を表示することで計数を中止する。従業員は、メダルの盗難を特定した場合は、盗難に対して適切に対処する。
【0038】
一方、管理装置6は、上述のように遊技者の休憩中(休憩フラグが「1」の場合)に島端計数機9で計数処理が行われた場合は、該当する遊技情報表示装置3に対して計数結果を示す計数実行情報を送信する。遊技情報表示装置3は、計数実行情報を受信した場合は、図9に示すように食事中である旨のメッセージ(休憩情報)とともに、受信した計数実行情報が示す計数結果を表示するので、食事休憩から戻った遊技者は食事休憩中に不正な計数が行われたことを確認することができ、盗難に対して迅速な対応が可能となる。
【0039】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
島端計数機9は、遊技媒体を計数した際に、その遊技媒体を獲得した遊技者が該当する遊技機1で現在休憩中である場合に休憩中警告メッセージを表示するようにしたので、現在休憩中であることが判明した場合には、その遊技者に直接質問する等して遊技媒体の盗難ではないことを十分確認するという運用が可能となり、遊技媒体の盗難を抑制する効果が期待できる。
【0040】
また、休憩中か否かの確認と合わせて、遊技者が獲得した遊技媒体数の理論値と計数値とを照合するので、盗難とは別の不正行為があったかどうかも確認できる。
遊技情報表示装置3にて遊技者が休憩中である旨のメッセージとともに計数結果も表示するので、遊技者が遊技媒体の盗難に対して迅速に対処可能となる。
【0041】
(その他の実施形態)
従業員がリモコン26を操作することにより遊技情報表示装置3に休憩情報を入力するようにしたが、遊技情報表示装置3に休憩情報の入力手段を設けるようにしてもよい。
管理装置6に休憩情報の入力手段を設け、管理装置6から遊技情報表示装置3に対して休憩情報を送信するようにしてもよい。
管理装置6が休憩情報を記憶し、島端計数装置9へその休憩情報を送信するようにしたが、中継装置4あるいは遊技情報表示装置3が記憶し、島端計数装置9へ休憩情報を送信するようにしてもよい。
【0042】
中継装置4は2台の遊技機1に1つ設けるようにしたが、3台以上に対して1つ設けるようにしてもよい。
遊技機1としてスロットマシン、遊技媒体としてメダルを例示したが、これに限定されない。
遊技媒体として遊技球を用いるスロットマシンやパチンコ遊技機に適用することもできる。
島端計数装置9の投入容器に投入を防止するためのスライドカバー31を設けたが、スライドカバー31は無くてもよい。
【符号の説明】
【0043】
図面中、1は遊技機、3は遊技情報表示装置(休憩情報入力手段)、6は管理装置(理論遊技媒体数記憶手段、照合手段、休憩情報記憶手段、判定手段)、9は島端計数機(計数機、受付手段、第1報知手段、第2報知手段)である。
図1
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