特許第6446232号(P6446232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6446232
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】繰出容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/04 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
   A45D40/04 Z
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-217238(P2014-217238)
(22)【出願日】2014年10月24日
(65)【公開番号】特開2016-83098(P2016-83098A)
(43)【公開日】2016年5月19日
【審査請求日】2017年5月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(72)【発明者】
【氏名】高橋 哲男
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−235232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 40/00
A45D 40/04
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面に螺旋溝が形成された外筒部と、
前記外筒部内に軸線方向に移動不能でかつ軸線回りに移動自在に配設されるとともに、軸線方向に延びる案内孔が形成された内筒部と、
前記内筒部内に軸線方向に沿って昇降自在に配設されるとともに、前記案内孔を通して螺旋溝に係合する被案内突起および棒状内容物が上方に向けて立設される支持皿を備える昇降部材と、を備える繰出容器であって、
前記昇降部材は、外周面から前記被案内突起が突出する被案内筒部と、前記支持皿を備え前記被案内筒部内に上昇自在に配設された支持体と、を備えるとともに、前記被案内筒部のうち、前記支持皿よりも上方に位置する部分内に棒状内容物の下端部を収容し、
前記外筒部内には、軸線回りに回転自在に配設されるとともに、軸線回りに回転したときに、前記支持体に係合して前記支持体を前記被案内筒部に対して上昇させる操作部が備えられ
前記支持体と前記操作部とは、前記操作部が軸線回りに回転するときに、軸線回りに相対的に回転不能に、かつ軸線方向に沿って相対的に昇降自在に係合し、
前記支持体は、前記被案内筒部内に昇降自在に螺着され、前記被案内筒部に対して軸線回りに沿う一方側に回転することで上昇するとともに、前記被案内筒部に対して軸線回りに沿う他方側に回転することで下降することを特徴とする繰出容器。
【請求項2】
前記被案内筒部および前記支持体には、互いに軸線回りに乗り越え可能に係合し、前記被案内筒部に対する前記支持体の前記一方側への回転を規制する係合突起が各別に設けられ、
前記係合突起は、互いに軸線回りに乗り越えたときに、前記被案内筒部に対する前記支持体の前記一方側への回転を許容し、
前記係合突起が前記被案内筒部に対する前記支持体の前記一方側への回転を許容した状態で、前記支持体は、前記被案内筒部に対して前記一方側に回転することで上昇することを特徴とする請求項記載の繰出容器。
【請求項3】
前記被案内筒部および前記支持体には、前記被案内筒部に対する前記支持体の前記一方側への回転を許容しつつ、前記被案内筒部に対する前記支持体の前記他方側への回転を規制するラチェット部が設けられていることを特徴とする請求項または記載の繰出容器。
【請求項4】
前記操作部の下端部には、下方に向けて露出し、外部から操作片が進入自在とされた操作溝が形成され、
前記操作溝内に進入した前記操作片が軸線回りに回転するときに、前記操作片が前記操作溝に係合することで前記操作部とともに回転することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の繰出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繰出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、内周面に螺旋溝が形成された外筒部と、外筒部内に軸線方向に移動不能でかつ軸線回りに移動自在に配設されるとともに、軸線方向に延びる第1案内孔および第2案内孔が形成された内筒部と、内筒部内に軸線方向に沿って昇降自在に配設されるとともに、軸線方向に延びる補助ガイド孔、および第1案内孔に摺動自在に係合する第1案内突起が形成された筒状のスカート部と、スカート部内に軸線方向に沿って昇降自在に配設されるとともに、棒状内容物が上方に向けて立設される支持皿と補助ガイド孔および第2案内孔を通して螺旋溝に係合する第2案内突起とを備える昇降部材と、を備え、補助ガイド孔に、幅小部と、幅小部を軸線方向に挟む両側に位置する幅広部と、が形成され、第2案内突起は、補助ガイド孔のうち、幅小部の下方に位置する幅広部に配置された繰出容器が知られている。
この繰出容器では、外筒部と内筒部とを軸線回りに相対的に回転させると、第1案内突起が第1案内孔の上部係止部に係止されるまでは、昇降部材がスカート部とともに内筒部内を上昇し、第1案内突起が第1案内孔の上部係止部に係止された後は、第2案内突起が補助ガイド孔の幅小部に圧縮状態で摺接しつつ幅小部を上方に乗り越えることによって、昇降部材のみが上昇し、支持皿上の棒状内容物の下端部が外筒部から上方に露出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3510354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の繰出容器では、第1案内突起が第1案内孔の上部係止部に係止された後、つまり、棒状内容物の残量が少なくなり、支持皿上の棒状内容物の下端部を外筒部から上方に露出させる際に、第2案内突起を補助ガイド孔の幅小部に圧縮状態で摺接させることで、第2案内突起により補助ガイド孔の幅小部を押し広げていたため、大きな力を要していた。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、支持皿上の棒状内容物の下端部を、より少ない力で外部に露呈させることができる繰出容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る繰出容器は、内周面に螺旋溝が形成された外筒部と、前記外筒部内に軸線方向に移動不能でかつ軸線回りに移動自在に配設されるとともに、軸線方向に延びる案内孔が形成された内筒部と、前記内筒部内に軸線方向に沿って昇降自在に配設されるとともに、前記案内孔を通して螺旋溝に係合する被案内突起および棒状内容物が上方に向けて立設される支持皿を備える昇降部材と、を備える繰出容器であって、前記昇降部材は、外周面から前記被案内突起が突出する被案内筒部と、前記支持皿を備え前記被案内筒部内に上昇自在に配設された支持体と、を備えるとともに、前記被案内筒部のうち、前記支持皿よりも上方に位置する部分内に棒状内容物の下端部を収容し、前記外筒部内には、軸線回りに回転自在に配設されるとともに、軸線回りに回転したときに、前記支持体に係合して前記支持体を前記被案内筒部に対して上昇させる操作部が備えられ、前記支持体と前記操作部とは、前記操作部が軸線回りに回転するときに、軸線回りに相対的に回転不能に、かつ軸線方向に沿って相対的に昇降自在に係合し、前記支持体は、前記被案内筒部内に昇降自在に螺着され、前記被案内筒部に対して軸線回りに沿う一方側に回転することで上昇するとともに、前記被案内筒部に対して軸線回りに沿う他方側に回転することで下降することを特徴とする。
【0007】
この場合、外筒部および内筒部を軸線回りに相対的に回転させると、被案内突起が案内孔内および螺旋溝内を摺動することで、昇降部材が内筒部内を上昇する。これにより、棒状内容物の内筒部および外筒部からの突出量が調整され、棒状内容物が上端部から使用される。
棒状内容物の残量が少なくなり、棒状内容物の被案内筒部からの突出が無くなったり短くなったりしたときには、操作部を支持体に係合させながら軸線回りに回転させることで、支持体を被案内筒部に対して上昇させ、棒状内容物の下端部を被案内筒部から上方に大きく突出させる。その結果、棒状内容物の下端部が外部に露呈される。
以上のように、棒状内容物の残量が少なくなったときには、操作部を支持体に係合させながら軸線回りに回転させ、支持体を被案内筒部に対して上昇させることで、棒状内容物の下端部を少ない力で外部に露呈させることができる。
【0009】
この場合、操作部が軸線回りに回転するときに支持体に係合することで、支持体が操作部と共回りする。この支持体は、被案内筒部内に昇降自在に螺着されており、操作部とともに軸線回りに沿って一方側に回転すると、被案内筒部内を上昇しようとする。このとき支持体と操作部とが、軸線方向に沿って相対的に昇降自在に係合していることから、支持体は、操作部に阻害されることなく被案内筒部内を円滑に上昇する。
以上のように、支持体を操作部と共回りさせ、軸線回りに沿って一方側に回転させることで、支持体を被案内筒部内で円滑に上昇させることができる。したがって、棒状内容物の下端部を少ない力で確実に外部に露呈させることができる。
【0010】
前記被案内筒部および前記支持体には、互いに軸線回りに乗り越え可能に係合し、前記被案内筒部に対する前記支持体の前記一方側への回転を規制する係合突起が各別に設けられ、前記係合突起は、互いに軸線回りに乗り越えたときに、前記被案内筒部に対する前記支持体の前記一方側への回転を許容し、前記係合突起が前記被案内筒部に対する前記支持体の前記一方側への回転を許容した状態で、前記支持体は、前記被案内筒部に対して前記一方側に回転することで上昇してもよい
【0011】
この場合、被案内筒部および支持体それぞれにおける係合突起が互いに係合している状態で、例えば、操作部に不用意に回転力が加えられる等しても、その回転力が微小な場合には、係合突起によって支持体の回転が規制され、支持体の意図しない回転が規制される。
一方、この状態で、操作部を介して支持体を軸線回りに沿って一方側に回転させるときには、単に、被案内筒部および支持体それぞれにおける係合突起を互いに軸線回りに乗り越えさせるだけで、支持体の回転の規制が解除される。
以上より、被案内筒部および支持体に係合突起を各別に設けることで、支持体の回転に必要とする力を抑えつつ、支持体の意図しない回転が規制することができる。これにより、繰出容器の操作性を向上させることができる。
【0012】
前記被案内筒部および前記支持体には、前記被案内筒部に対する前記支持体の前記一方側への回転を許容しつつ、前記被案内筒部に対する前記支持体の前記他方側への回転を規制するラチェット部が設けられていてもよい。
【0013】
この場合、被案内筒部および支持体にラチェット部が設けられている。したがって、支持体を回転させて上昇させた後、例えば、棒状内容物を被塗布部に押し当てながら塗布するとき等に、棒状内容物を介して支持体に、軸線回りに沿う他方側に向けた回転力が加えられても、支持体の他方側に向けた回転をラチェット部により規制することができる。これにより、支持体の意図しない下降を規制することが可能になり、繰出容器の利便性を向上させることができる。
【0014】
前記操作部の下端部には、下方に向けて露出し、外部から操作片が進入自在とされた操作溝が形成され、前記操作溝内に進入した前記操作片が軸線回りに回転するときに、前記操作片が前記操作溝に係合することで前記操作部とともに回転してもよい。
【0015】
この場合、操作溝内に進入した操作片が軸線回りに回転するときに、操作片が操作溝に係合することで操作部とともに回転するので、外部から操作部を直接、操作することなく、操作片を介して操作部を回転させることが可能になり、繰出容器の操作性を向上させることができるとともに、予期せぬ操作を防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、支持皿上の棒状内容物の下端部を、より少ない力で外部に露呈させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係る繰出容器の縦断面図である。
図2図1に示す繰出容器の縦断面図であって、昇降部材を上昇端位置まで上昇させた状態を示す図である。
図3図1に示す繰出容器の縦断面図であって、昇降部材および支持体をそれぞれ上昇端位置まで上昇させた状態を示す図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る繰出容器の縦断面図である。
図5図4に示す繰出容器の縦断面図であって、支持体を上昇端位置まで上昇させた状態を示す図である。
図6図4に示す繰出容器の縦断面図であって、昇降部材および支持体をそれぞれ上昇端位置まで上昇させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の第1実施形態に係る繰出容器を、図1から図3を参照して説明する。
図1に示すように、繰出容器10は、内部に収容された棒状内容物Xを繰り出して使用する。棒状内容物Xは、例えば化粧料(口紅、リップクリームもしくはスティックアイシャドーなど)、薬剤または糊などが棒状に形成されてなる。繰出容器10は、外筒部11と、内筒部12と、昇降部材13と、操作部14と、オーバーキャップ15と、を備えている。
【0019】
なお本実施形態では、外筒部11、内筒部12およびオーバーキャップ15の各中心軸は共通軸上に位置している。以下では、この共通軸を軸線Oといい、軸線Oに沿ったオーバーキャップ15側を上側といい、その反対側を下側という。軸線O方向から見た平面視において、軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向とする。
【0020】
外筒部11の内周面には、螺旋溝16が形成されている。本実施形態では、外筒部11は、有底筒状の化粧筒17と、化粧筒17内に嵌合された螺旋筒18と、を備えていて、前記螺旋溝16は、螺旋筒18に形成されている。化粧筒17の底部には、貫通開口19が形成されている。貫通開口19は、軸線Oと同軸に配置され、底部を軸線O方向に貫通している。
【0021】
内筒部12は、外筒部11内に軸線O方向に移動不能でかつ軸線O回りに移動(回転)自在に配設されている。内筒部12には、軸線O方向に延びる案内孔20が形成されている。内筒部12の軸線O方向の大きさは、外筒部11の軸線O方向の大きさよりも大きく、内筒部12の下側部分が外筒部11内に嵌合され、内筒部12の上側部分は、外筒部11内から上方に向けて突出している。案内孔20は、内筒部12の下側部分に形成され、内筒部12の下端縁から下方に向けて開口している。案内孔20は、周方向に間隔をあけて複数(本実施形態では、軸線Oを径方向に挟んで対向するように一対)配置されている。
【0022】
昇降部材13は、内筒部12内に軸線O方向に沿って昇降自在に配設されている。昇降部材13は、被案内筒部21と、筒状の支持体22と、を備えている。これらの被案内筒部21および支持体22は、軸線Oと同軸に配置されている。
【0023】
被案内筒部21は、内筒部12に対して軸線O方向の内側に位置し、内筒部12内に挿通されている。被案内筒部21の外周面には、被案内突起23が設けられている。被案内突起23は、案内孔20を通して螺旋溝16に係合している。被案内筒部21の内周面には、雌ねじ部24が設けられている。雌ねじ部24と被案内突起23とは、軸線O方向にずらされ、雌ねじ部24は、被案内突起23よりも上側に位置している。図示の例では、雌ねじ部24は、被案内筒部21に設けられた縮径部21aに限定して設けられている。
【0024】
支持体22は、被案内筒部21内に上昇自在に配設されている。支持体22は、棒状内容物Xが上方に向けて立設される支持皿25と、支持皿25から下方に向けて延びる係合筒26と、を備えている。支持皿25は、環状に形成され、支持皿25の内周縁部には、棒状内容物X内に突き刺される突き刺し突部27が立設されている。
【0025】
支持皿25は、被案内筒部21の上端よりも下側に位置し、昇降部材13は、棒状内容物Xの下端部を、被案内筒部21のうち、支持皿25よりも上方に位置する部分である上端部内に収容している。被案内筒部21の上端部の内周面には、棒状内容物Xを軸線O方向に係止する係止突部28が設けられている。棒状内容物Xの下端部は、被案内筒部21の上端部内に固定状態で嵌合されている。
【0026】
支持体22は、被案内筒部21内に昇降自在に螺着され、被案内筒部21に対して軸線O回りに沿う一方側に回転することで上昇するとともに、被案内筒部21に対して軸線O回りに沿う一方側の反対側である他方側に回転することで下降する。本実施形態では、係合筒26の外周面に、前記雌ねじ部24に対応する雄ねじ部29が形成されている。雄ねじ部29は、雌ねじ部24よりも軸線O方向に広い範囲にわたって形成されている。なお以下では、軸線O回りに沿う一方側を、軸線O回りの上昇側といい、軸線O回りに沿う他方側を、軸線O回りの下降側という。
【0027】
被案内筒部21および支持体22には、互いに軸線O回りに乗り越え可能に係合する係合突起30が各別に設けられている。係合突起30は、互いに係合することで、被案内筒部21に対する支持体22の軸線O回りの上昇側への回転を規制し、互いに軸線O回りに乗り越えたときに、この回転を許容する。係合突起30のうち、被案内筒部21に設けられた外突起30aは、被案内筒部21において前記縮径部21aに上方から隣接し、支持体22に設けられた内突起30bは、係合筒26において雄ねじ部29に上方から隣接している。
【0028】
被案内筒部21および支持体22には、ラチェット部31がさらに設けられている。ラチェット部31は、被案内筒部21に対する支持体22の軸線O回りの上昇側への回転を許容しつつ、被案内筒部21に対する支持体22の軸線O回りの下降側への回転を規制する。ラチェット部31には、被案内筒部21に設けられた外ラチェット31aと、支持体22に設けられた内ラチェット31bと、が設けられている。外ラチェット31aと内ラチェット31bとは、軸線O回りの上昇側へは乗り越え可能に、かつ軸線O回りの下方側へは乗り越え不能に係合されている。外ラチェット31aは、被案内筒部21において前記縮径部21aに下方から隣接し、内ラチェット31bは、係合筒26において雄ねじ部29に下方から隣接している。
【0029】
操作部14は、軸線Oと同軸の筒状に形成され、係合筒26内に挿通されている。操作部14は、化粧筒17内に貫通開口19を通して下方から上方に向けて差し込まれている。操作部14の下端には、径方向の外側に向けて突出する環状のフランジ部32が形成されている。フランジ部32は、化粧筒17の底部における貫通開口19の周縁部に、下方から当接している。
【0030】
操作部14には、下方に向けて露出し、外部から操作片Yが進入自在とされた操作溝33が形成されている。操作溝33は、フランジ部32の下面に形成され、軸線Oを間に挟むように一対設けられている。一対の操作溝33は、操作部14を下側から見た底面視において、軸線Oを通る同一直線に沿って延びている。一対の操作溝33内には、例えば硬貨など平板状の操作片Yが一体に進入自在とされている。
【0031】
操作部14は、外筒部11内に軸線O回りに回転自在に配設されている。操作部14は、軸線O回りに回転したときに、支持体22に係合して支持体22を被案内筒部21に対して上昇させる。支持体22と操作部14とは、操作部14が軸線O回りに回転するときに、軸線O回りに相対的に回転不能に、かつ軸線O方向に沿って相対的に昇降自在に係合する。
【0032】
操作部14および支持体22には、互いに軸線O回りに乗り越え不能に係合する係合リブ34が各別に設けられている。係合リブ34は、表裏面が周方向を向き、かつ軸線O方向に長い板状に形成されている。係合リブ34のうち、支持体22に設けられた外リブ34aは、係合筒26の内周面に軸線O方向の全長にわたって延び、操作部14に設けられた内リブ34bは、操作部14の外周面に軸線O方向の全長にわたって延びている。外リブ34aの上端は、支持皿25の下面に連結され、内リブ34bの下端は、フランジ部32の上面に連結されている。
なお、操作部14および支持体22の両方に係合リブ34を設けるのに代えて、操作部14および支持体22のいずれか一方に係合リブ34を設け、いずれか他方に、軸線O方向に延び、係合リブ34が軸線O方向に昇降自在に嵌合する縦溝を設けてもよい。
【0033】
オーバーキャップ15は、外筒部11に着脱自在に外嵌されている。オーバーキャップ15は、有頂筒状に形成され、内筒部12を外部から覆っている。
【0034】
次に、前記繰出容器10の作用について説明する。
なお、図1に示す繰出容器10では、昇降部材13および支持体22はそれぞれ下降端位置(下死点)に位置している。
【0035】
棒状内容物Xの使用に際しては、まず、外筒部11からオーバーキャップ15を取り外した後、例えば外筒部11と内筒部12とを各別に把持して相対的に回転させる。このとき、内筒部12の被案内突起23が案内孔20内および螺旋溝16内を摺動することで、昇降部材13が内筒部12内を上昇する。これにより、棒状内容物Xの内筒部12および外筒部11からの突出量が調整され、棒状内容物Xが上端部から使用される。
【0036】
図2に示すように、棒状内容物Xの残量が少なくなり、昇降部材13を上昇端位置(上死点)まで上昇させた状態であっても、棒状内容物Xの被案内筒部21からの突出が無くなったり短くなったりしたときには、操作部14を支持体22に係合させながら軸線O回りに回転させる。このとき本実施形態では、図3に示すように、操作部14の操作溝33内に下方から操作片Yを進入させ、この操作片Yを軸線O回りに回転させる。すると操作片Yが操作溝33に係合し、操作片Yが操作部14とともに回転する。このとき、操作部14および支持体22それぞれの係合リブ34が係合することで、支持体22と操作部14とは、軸線O回りに相対的に回転不能に、かつ軸線O方向に沿って相対的に昇降自在に係合し、その結果、支持体22が操作部14と共回りする。
【0037】
ここで支持体22は、被案内筒部21内に昇降自在に螺着されており、操作片Yおよび操作部14を介して支持体22を軸線O回りの上昇側に回転させると、被案内筒部21および支持体22それぞれにおける係合突起30が互いに軸線O回りに乗り越え、支持体22が被案内筒部21内を上昇しようとする。このとき、被案内筒部21および支持体22それぞれにおけるラチェット部31が互いに軸線O回りに乗り越えながら、支持体22が被案内筒部21内を上昇する。これにより、図3に示すように、棒状内容物Xの下端部を被案内筒部21から上方に大きく突出させることが可能になり、棒状内容物Xの下端部を外部に露呈させることができる。
【0038】
なおその後、例えば、棒状内容物Xを被塗布部に押し当てながら塗布するとき等に、棒状内容物Xを介して支持体22に、軸線O回りの下降側に向けた回転力が加えられても、支持体22の下降側に向けた回転をラチェット部31により規制することができる。これにより、支持体22の意図しない下降を規制することが可能になり、繰出容器10の利便性を向上させることができる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態に係る繰出容器10によれば、棒状内容物Xの残量が少なくなったときには、操作部14を支持体22に係合させながら軸線O回りに回転させ、支持体22を被案内筒部21に対して上昇させることで、棒状内容物Xの下端部を少ない力で外部に露呈させることができる。
また、支持体22を操作部14と共回りさせ、軸線O回りの上昇側に回転させることで、支持体22を被案内筒部21内で円滑に上昇させることができる。したがって、棒状内容物Xの下端部を少ない力で確実に外部に露呈させることができる。
また、操作溝33内に進入した操作片Yが軸線O回りに回転するときに、操作片Yが操作溝33に係合することで操作部14とともに回転するので、外部から操作部14を直接、操作することなく、操作片Yを介して操作部14を回転させることが可能になり、繰出容器10の操作性を向上させることができるとともに、予期せぬ操作を防止することができる。
【0040】
また図2に示すように、被案内筒部21および支持体22それぞれにおける係合突起30が互いに係合している状態で、例えば、操作部14に不用意に回転力が加えられる等しても、その回転力が微小な場合には、係合突起30によって支持体22の回転が規制され、支持体22の意図しない回転が規制される。
一方、この状態で、操作部14を介して支持体22を軸線O回りの上昇側に回転させるときには、単に、被案内筒部21および支持体22それぞれにおける係合突起30を互いに軸線O回りに乗り越えさせるだけで、支持体22の回転の規制が解除される。
以上より、被案内筒部21および支持体22に係合突起30を各別に設けることで、支持体22の回転に必要とする力を抑えつつ、支持体22の意図しない回転が規制することができる。これにより、繰出容器10の操作性を向上させることができる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る繰出容器40を、図4から図6を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0042】
本実施形態の繰出容器40では、図4に示すように、支持体22を、被案内筒部21内に昇降自在に螺着させるのに代えて、支持体22を、被案内筒部21内に螺着させることなく挿通させている。被案内筒部21の内周面は、下側の小径部42と上側の大径部41とが段部43を介して連結されてなり、支持体22のうち、支持皿25の外周縁部が、段部43により下方から支持され、係合筒26が、小径部42内に挿通されている。
【0043】
小径部42には、周方向に連続または間欠状態の環状凸部44が設けられている。環状凸部44は、係合筒26の外周面に形成された環状凹部45内に離脱可能に嵌合されている。環状凹部45は、軸線O方向に間隔をあけて複数形成されている。環状凸部44は、係合筒26の外周面において軸線O方向に隣り合う環状凹部45の間に位置する部分を、軸線O方向に乗り越え可能とされている。
【0044】
係合筒26の内周面には、第1実施形態の繰出容器40と同様に外リブ34aが設けられている。ただし本実施形態では、外リブ34aを、係合筒26の内周面に軸線O方向の全長にわたって設けるのに代えて、外リブ34aの下端を、係合筒26の下端よりも上側に配置している。なお外リブ34aと環状凹部45とは、軸線O方向にずらされている。
【0045】
化粧筒17の底部における貫通開口19の周縁部には、雌ねじ筒46が立設されている。雌ねじ筒46は、軸線Oと同軸とされ、係合筒26の下端部内に挿通されている。
操作部14は、雌ねじ筒46内に螺着されていて、支持体22に下方から突き当たることで係合している。図示の例では、操作部14のうちの上端が、支持体22のうちの外リブ34aの下端に下方から当接している。
【0046】
次に、前記繰出容器40の作用について説明する。
なお、図4に示す繰出容器40では、昇降部材13および支持体22はそれぞれ下降端位置に位置している。
【0047】
この繰出容器40では、棒状内容物Xの残量が少なくなったときには、図5に示すように、昇降部材13を下降端位置に位置させた状態で、操作部14を軸線O回りに回転させて雌ねじ部24内を上昇させる。このとき操作部14の上端が、支持体22の外リブ34aの下端に係合して突き上げ、支持体22が操作部14とともに上昇して、棒状内容物Xの下端部が被案内筒部21から上方に大きく突出する。この状態で、図6に示すように、昇降部材13を内筒部12に対して上昇させることで、棒状内容物Xの下端部を外部に露呈させることができる。
【0048】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0049】
例えば、前記実施形態では、棒状内容物Xの下端部が、被案内筒部21の上端部内に固定状態で嵌合されているが、棒状内容物Xを被案内筒部21内に遊嵌するなど適宜変更してもよい。
【0050】
また前記操作片Yを、オーバーキャップ15の天壁部の上面、下面又は周壁外面等に突設することも可能である。この場合、オーバーキャップ15を外筒部11から取り外した後、取り外したオーバーキャップ15を介して操作片Yを操作溝33内に進入させることができる。例えば、操作片Yをオーバーキャップ15の天壁部から下方に向けて突設した場合、オーバーキャップ15を外筒部11から取り外した後、このオーバーキャップ15を軸線O方向に反転させて外筒部11に装着させることで、操作片Yを操作溝33内に進入させること等が可能になる。
【0051】
また操作片Yは、平板状(つまり、操作片Yの平面視において直線状)に限られない。例えば、操作片Yを、その平面視において十字状や星形状などに形成した上で、この操作片Yが進入して係合可能な操作溝33を形成すること等も可能である。
【0052】
また、オーバーキャップ15、突き刺し突部27および係止突部28がなくてもよい。係合突起30及びラチェット部31のうちのいずれか一方のみ設けてもよく、両方設けなくてもよい。
さらに外筒部11として、化粧筒17および螺旋筒18が一体に形成された構成を採用してもよい。
【0053】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0054】
10、40 繰出容器
11 外筒部
12 内筒部
13 昇降部材
14 操作部
16 螺旋溝
20 案内孔
21 被案内筒部
22 支持体
23 被案内突起
25 支持皿
30 係合突起
31 ラチェット部
33 操作溝
O 軸線
X 棒状内容物
Y 操作片
図1
図2
図3
図4
図5
図6