(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1プローブにより超音波が送受される領域を、第1プローブに対応付けられた位置センサから得られる第1プローブの位置情報に基づき、二次元的又は三次元的に画像化した参照画像を形成する参照画像形成部と、
第2プローブから得られる超音波の受信信号に基づいて超音波画像を形成する超音波画像形成部と、
第1プローブに対応付けられた位置センサから得られる第1プローブの位置情報に基づいて参照画像の位置情報を導出し、当該位置センサを第1プローブから第2プローブに対応付け替えて当該位置センサから得られる第2プローブの位置情報に基づいて、参照画像上における第2プローブでの超音波画像の位置情報を導出する位置情報導出部と、
参照画像と超音波画像のうちの少なくとも一方の画像に他方の位置情報を反映させた表示画像を形成する表示画像形成部と、
を有し、
前記第1プローブは、経会陰アプローチに利用される経会陰プローブであり、
前記第2プローブは、経直腸アプローチに利用される経直腸プローブであり、
被検者の会陰から前立腺に向けて線源の留置を行う前記経会陰アプローチにおいて線源を留置できなかった目標位置またはその近傍に、前記被検者の直腸から前立腺に向けて線源の留置を行う前記経直腸アプローチにおける線源の目標位置が設定され、
前記超音波画像形成部は、前記経直腸プローブから得られる超音波の受信信号に基づいて前記超音波画像を形成し、
前記表示画像形成部は、前記超音波画像内に前記経直腸アプローチにおける線源の目標位置が含まれる場合に、その目標位置を前記超音波画像内に示した表示画像を形成する、
ことを特徴とする超音波システム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の実施において好適な超音波システムの全体構成図である。
図1の超音波システムは、例えば、前立腺がんのブラキセラピー(密封小線源療法)において好適な構成と機能を備えている。もちろん、
図1の超音波システムがブラキセラピー以外の治療や診断に利用されてもよい。
【0019】
経会陰プローブ11と経直腸プローブ12は、超音波を送受する機能を備えた超音波探触子である。経会陰プローブ11は、例えばブラキセラピーにおいて、被検者の会陰からニードルによって前立腺に線源を留置する際に利用され、経直腸プローブ12は、本超音波システムにおいて、被検者の直腸からニードルによって前立腺に線源を留置する経直腸アプローチの際に利用される。
【0020】
経会陰プローブ11と経直腸プローブ12は、セレクタ16を介して、選択的に送受信部20へ電気的に接続される。例えば、経会陰プローブ11と経直腸プローブ12の両方がプローブコネクタに接続されている場合において、セレクタ16は、医師等のユーザからの指示に応じたいずれか一方のプローブを送受信部20に接続する。また、例えば、経会陰プローブ11と経直腸プローブ12のいずれか一方のみがプローブコネクタに接続されている場合には、セレクタ16を介してその一方のプローブが送受信部20に接続されてもよい。
【0021】
送受信部20は、送信ビームフォーマおよび受信ビームフォーマとしての機能を備えている。つまり、送受信部20は、セレクタ16を介して接続されるプローブ(経会陰プローブ11又は経直腸プローブ12)が備える複数の振動素子の各々に対して送信信号を出力することにより送信ビームを形成し、さらに、複数の振動素子から得られる複数の受波信号に対して整相加算処理などを施して受信ビームを形成する。これにより、超音波ビーム(送信ビームと受信ビーム)が走査面内において走査され、走査面内から超音波の受信信号が得られる。なお、超音波の受信信号は、必要に応じて、例えば送受信部20において、検波処理等の受信信号処理を施される。
【0022】
断層画像形成部30は、送受信部20から得られる超音波の受信信号に基づいて、経会陰プローブ11又は経直腸プローブ12の走査面に対応した超音波の断層画像データを形成する。
【0023】
位置情報処理部40は、位置センサ42と位置ソース44から得られる情報に基づいて走査面の位置情報を導出する。つまり、位置情報処理部40は、位置ソース44を基準とした三次元の基準座標系において、位置センサ42が取り付けられた経会陰プローブ11と経直腸プローブ12が形成する走査面の位置情報(位置と傾き)を導出する。
【0024】
位置センサ42の好適な具体例は磁気センサであり、この場合、位置センサ42は、位置ソース44が発生する磁場を検出し、位置ソース44を基準とした基準座標系において経会陰プローブ11と経直腸プローブ12の位置情報(例えばプローブの位置と傾き)を検出し、その検出結果を位置情報処理部40に出力する。なお、位置センサ42は、磁気センサに限らず、例えば光センサ等のセンサであってもよい。
【0025】
位置センサ42は、経会陰プローブ11と経直腸プローブ12に取り付ける事ができる。例えば、経会陰プローブ11を利用して超音波の受信信号を得る場合には、位置センサ42は経会陰プローブ11に取り付けられ、経直腸プローブ12を利用して超音波の受信信号を得る場合には、位置センサ42を経会陰プローブ11から経直腸プローブ12に付け替えられる。
【0026】
ボリュームデータ形成部50は、断層画像形成部30から得られる複数の断層画像データと、位置情報処理部40から得られる走査面の位置情報(位置と傾き)に基づいて、それら複数の断層画像データが得られた三次元走査空間に対応したボリュームデータを形成する。
【0027】
参照画像形成部60は、位置情報処理部40から得られる走査面の位置情報(位置と傾き)と、ボリュームデータ形成部50から得られるボリュームデータに基づいて、参照画像の画像データを形成する。参照画像形成部60は、ブラキセラピーにおいて好適な参照画像として、二次元参照画像の画像データ(2D参照画像データ)と三次元参照画像の画像データ(3D参照画像データ)を形成する。
【0028】
3Dテンプレートデータ生成部70は、
図1の超音波システムを利用したブラキセラピーにおいて利用されるテンプレートに関する3Dテンプレートデータを生成する。テンプレートは、線源をニードルで挿入する際のガイドとなる器具であり、3Dテンプレートデータ生成部70は、そのテンプレートに関する3Dテンプレートデータを生成する。
【0029】
線源情報処理部80は、ブラキセラピーにおいて被検者の体内に留置される線源に関する情報、例えば、線源を留置すべき目標位置、線源を留置するための経路等の情報を導出する。
【0030】
表示画像形成部90は、断層画像形成部30から得られる断層画像データと、参照画像形成部60から得られる参照画像データと、3Dテンプレートデータ生成部70から得られる3Dテンプレートデータと、線源情報処理部80から得られる線源に係る情報に基づいて表示画像を形成する。形成された表示画像は、表示部92に表示される。
【0031】
制御部100は、
図1の超音波システム内を全体的に制御する。制御部100による制御には、操作デバイス110を介してユーザから受け付けた指示も反映される。
【0032】
図1に示した構成(符号を付した各部)のうち、セレクタ16,送受信部20,断層画像形成部30,位置情報処理部40,ボリュームデータ形成部50,参照画像形成部60,3Dテンプレートデータ生成部70,線源情報処理部80,表示画像形成部90の各部は、例えば電気電子回路やプロセッサ等のハードウェアを利用して実現することができ、その実現において必要に応じてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。また、上記各部に対応した機能の少なくとも一部をコンピュータにより実現してもよい。つまり、上記各部に対応した機能が、CPUやプロセッサやメモリ等のハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現されてもよい。
【0033】
表示部92の好適な具体例は液晶ディスプレイ等であり、操作デバイス110は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、タッチパネル、その他のスイッチ類等のうちの少なくとも一つにより実現できる。そして、制御部100は、例えば、CPUやプロセッサやメモリ等のハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現することができる。なお、
図1に示す構成のうちの少なくとも一部が超音波診断装置により実現されてもよい。
【0034】
図1の超音波システムの全体構成は以上のとおりである。次に、当該超音波システムの機能等について詳述する。なお、
図1に示した構成(符号を付した各部)については、以下の説明において
図1の符号を利用する。
【0035】
図2は、経会陰プローブ11の具体例を示す図である。
図2には、経会陰プローブ11の側面図<A>と、経会陰プローブ11をその先端側から見た正面図<B1>,<B2>が示されている。
【0036】
経会陰プローブ11は、全体として長手方向に伸長された形状であり、先端部分にコンベックス振動子Cを備えている。コンベックス振動子Cは、円弧状に配列された複数の振動素子で構成され、それら複数の振動素子が送受信部20により制御されることにより、コンベックス走査面11Cが形成される。
【0037】
また、経会陰プローブ11は、リニア振動子Lも備えている。リニア振動子Lは、長手方向に沿って直線状に配列された複数の振動素子で構成され、それら複数の振動素子が送受信部20により制御されることにより、リニア走査面11Lが形成される。
【0038】
図2に示す具体例において、コンベックス走査面11Cとリニア走査面11Lは、互いに直交関係にあり、例えば、操作デバイス110を介して入力されるユーザからの操作に応じて適宜に切り換えられる。なお、経会陰プローブ11には、位置センサ42が取り付けられている。
【0039】
図3は、経直腸プローブ12の具体例を示す図である。経直腸プローブ12は、全体として長手方向に伸長された形状であり、先端部分にコンベックス振動子を備えている。コンベックス振動子は、円弧状に配列された複数の振動素子で構成され、それら複数の振動素子が送受信部20により制御されることにより、コンベックス走査面12Cが形成される。
【0040】
経直腸プローブ12には、アダプタAが取り付けられており、アダプタAのガイドに沿ってニードルNが被検者に挿入される。なお、ニードルNの挿入経路がコンベックス走査面12C内に入るように、アダプタAが経直腸プローブ12に取り付けられる。また、経直腸プローブ12には、経会陰プローブ11から取り外された位置センサ42が取り付けられる。
【0041】
図4は、線源留置の具体例を説明するための図である。
図1の超音波システムを利用した前立腺がんのブラキセラピーでは、経会陰アプローチと経直腸アプローチにより留置が行われる。
図4には、経会陰アプローチの具体例<1>と経直腸アプローチの具体例<2>が示されている。
【0042】
経会陰アプローチでは、経会陰プローブ11が利用され、被検者の会陰からニードルNによって前立腺に線源が留置される。
図4に示す具体例において、経会陰プローブ11は、治療治具Gに取り付けられている。治療治具(ブラキセラピー用ステッパー)Gは、経会陰プローブ11をその長手方向に平行移動させる機構を備えている。なお、治療治具Gが経会陰プローブ11の角度を調整する機構などを備えてもよい。
【0043】
経会陰プローブ11は、その先端側から被検者の直腸内に挿入され、被検者の直腸内から前立腺を含む治療領域を対象として超音波を送受する。これにより、前立腺を含む治療領域内において、コンベックス走査面11Cとリニア走査面11L(
図2)が形成され、これらの走査面に対応した断層画像データに基づく表示画像が表示部92に表示される。
【0044】
そして、経会陰プローブ11を利用して得られる表示画像が参照され、医師等により、被検者の会陰から前立腺に向けてニードルNが挿入され、ニードルNの中にある線源が被検者の前立腺内に留置される。経会陰アプローチにおいて、ニードルNは、テンプレートTを利用して被検者の体内に挿入される。
【0045】
図4に示す具体例において、テンプレートTは、治療治具Gによって支持されており、位置ソース44を基準とした三次元の基準座標系において、テンプレートTの位置情報が既知とされる。例えば、線源留置に先だって位置センサ42を利用してテンプレートTの位置情報を得るようにしてもよい。
【0046】
図5は、テンプレートTの好適な具体例を示す図である。テンプレートTには、複数の挿入孔Hが設けられており、各挿入孔HにニードルNが挿入され、各挿入孔Hを通ってニードルNが被検者の体内に挿入される。
図5に示す具体例では、縦方向と横方向にそれぞれ等間隔で13個ずつ、合計13×13個の挿入孔Hがマトリクス状に設けられている。
【0047】
図4に戻り、経直腸アプローチでは、経直腸プローブ12が利用され、被検者の直腸からニードルNによって前立腺に線源が留置される。経直腸プローブ12は、例えば医師等により把持され、その先端側から被検者の直腸内に挿入され、被検者の直腸内から前立腺を含む治療領域を対象として超音波を送受する。これにより、前立腺を含む治療領域内においてコンベックス走査面12C(
図3参照)が形成され、この走査面に対応した断層画像が表示部92に表示される。
【0048】
そして、経直腸プローブ12を利用して得られる表示画像を参照しながら、医師等により、被検者の直腸内から前立腺に向けてニードルNが挿入され、ニードルNの中にある線源が被検者の前立腺内に留置される。経直腸アプローチにおいて、ニードルNは、経直腸プローブ12に取り付けられたアダプタAを利用して被検者の体内に挿入される。
【0049】
図1の超音波システムを利用した前立腺がんのブラキセラピーでは、線源留置に先だって、前立腺を含む治療領域に関するボリュームデータが形成される。ボリュームデータは、経会陰プローブ11のコンベックス走査面11C(
図2)を利用して形成される。
【0050】
図6は、ボリュームデータの形成に係る具体例を示す図である。ボリュームデータを形成する際には、経会陰プローブ11が被検者の直腸内に挿入され、前立腺を含む治療領域内においてコンベックス走査面11Cが形成される。そして、コンベックス走査面11Cを形成しつつ経会陰プローブ11を移動させる。例えば、
図6に示す破線矢印の方向(直腸内から取り出す方向)に経会陰プローブ11を移動させる。これにより、コンベックス走査面11Cが平行移動し、コンベックス走査面11Cの平行移動により得られる立体的な三次元走査空間内において、超音波の受信信号が収集される。
【0051】
例えば、破線矢印の方向に移動する経会陰プローブ11の各移動位置において、送受信部20がコンベックス走査面11Cに対応した受信信号を得て、断層画像形成部30がコンベックス走査面11Cに対応した受信信号に基づいて超音波の断層画像データを形成する。断層画像形成部30は、経会陰プローブ11の複数の移動位置に対応した複数の断層画像データを次々に形成する。そして、それら複数の断層画像データに基づいて、ボリュームデータ形成部50が、三次元走査空間に対応したボリュームデータを形成する。
【0052】
ボリュームデータ形成部50は、位置情報処理部40から得られるコンベックス走査面11Cの位置情報(位置と傾き)に基づいて、各断層画像データをその断層画像データが得られた位置と傾き、つまりコンベックス走査面11Cの位置と傾きに対応付けることにより、複数の断層画像データで構成されるボリュームデータを形成する。
【0053】
ボリュームデータ形成部50は、複数の断層画像データを構成するデータ(例えば画素データ)をそのまま利用してボリュームデータを形成してもよいし、複数の断層画像データを構成するデータに対する補間処理等によりボリュームデータを形成してもよい。
【0054】
また、ボリュームデータ形成部50において利用されるコンベックス走査面11Cの位置情報(位置と傾き)は、位置情報処理部40から得られる。位置情報処理部40は、経会陰プローブ11に取り付けられた位置センサ42から得られる位置情報(位置と傾き)を利用して、コンベックス走査面11Cの位置情報を得る。例えば、経会陰プローブ11に取り付けられる位置センサ42とコンベックス振動子C(
図2)の相対的な位置関係から得られる変換データに基づいて、位置情報処理部40は、位置センサ42から得られる位置情報(位置と傾き)からコンベックス走査面11Cの位置情報(位置と傾き)を得る。
【0055】
図6を利用して説明したように、ボリュームデータは、経会陰プローブ11のコンベックス走査面11Cから得られる受信信号に基づいて形成されることが望ましいものの、例えば、X線コンピュータ撮影装置(X線CT装置)や磁気共鳴撮影装置(MRI装置)などから得られる画像データに基づいて、ボリュームデータが形成されてもよい。
【0056】
形成されたボリュームデータは、参照画像形成部60における処理に利用される。参照画像形成部60は、ボリュームデータに対応した三次元の参照画像の画像データ(3D参照画像データ)と、位置情報処理部40からのコンベックス走査面11Cの位置情報(位置と傾き)に基づき、三次元の参照画像からコンベックス走査面11Cでの二次元の超音波画像と同一断面となる二次元参照画像の画像データ(2D参照画像データ)を形成する。また、表示画像形成部90により、3D参照画像と2D参照画像を並べた表示画像が形成され、その表示画像が表示部92に表示される。
【0057】
そして、表示部92に表示される3D参照画像や2D参照画像などを確認した医師等のユーザからの指示に基づいて、線源を留置すべき目標位置が決定される。線源を留置すべき目標位置の決定においては、3Dテンプレートデータが利用される。
【0058】
図7は、3Dテンプレートデータの具体例を示す図である。3D(三次元)テンプレートデータは、3Dテンプレートデータ生成部70において生成される。3Dテンプレートデータ生成部70は、テンプレートT(
図5)に対応した複数の2Dテンプレートデータで構成される3Dテンプレートデータを生成する。
図7には、2D−1〜2D−NまでのN個の2Dテンプレートデータで構成される3Dテンプレートデータが図示されている。
【0059】
2Dテンプレートデータの各々には、マトリクス状に配列された複数のグリッド(+印)が付与されている。2Dテンプレートデータ内における各グリッド(+印)の位置は、テンプレートT内における各挿入孔Hの位置(
図5参照)に対応付けられている。
【0060】
図5に示すテンプレートTには、縦方向と横方向にそれぞれ13個ずつ、合計13×13個の挿入孔Hがマトリクス状に設けられている。
図7の具体例は
図5のテンプレートTに対応しており、
図7に示す2Dテンプレートデータの各々は、縦方向と横方向にそれぞれ13個ずつ、合計13×13個のグリッド(+印)が付与されている。
【0061】
また、2Dテンプレートデータの各々には、各グリッドの位置を特定するためのアドレスが付されている。
図7に示す具体例では、縦方向を数字(1,1.5,2,・・・,7)とし、横方向をアルファベット(A,a,B,b,・・・,G)としたアドレスが付されている。
【0062】
複数の2Dテンプレートデータは、経会陰アプローチにおけるニードルNの挿入方向に対応付けられる。
図7に示す具体例においては、2D−1〜2D−NまでのN個の2Dテンプレートデータが挿入方向に対応付けられている。つまり、2Dテンプレートデータの各々を識別する1〜N(Nは自然数)の数字が、挿入方向のアドレスに相当する。なお、
図7に示す具体例では、縦方向を識別する数字(1,1.5,2,・・・,7)に、挿入方向を識別する数字(_1,_2,_3,・・・,_N)が添えられている。
【0063】
図1の超音波システムを利用したブラキセラピーにおいて、線源を留置すべき目標位置は、3Dテンプレートデータを利用して特定される。例えば、医師等のユーザが操作デバイス110を利用して3Dテンプレートデータのアドレス(縦方向,横方向,挿入方向)を指定することにより、そのアドレスに対応したグリッドが特定される。そして、特定されたグリッドの位置、つまり線源を留置すべき目標位置の候補が、例えば表示部92に表示される表示画像に反映され、医師等のユーザが、特定されたグリッドの位置つまり線源を留置すべき目標位置の候補を視覚的に確認しながら目標位置を指定する。線源情報処理部80は、医師等により指定されたグリッドの位置を線源の目標位置に設定する。
【0064】
線源の目標位置が設定されると、まず、経会陰アプローチ(
図4)により、その目標位置に対して線源の留置が行われる。経会陰アプローチによる線源の留置においては、経会陰プローブ11のリニア走査面11L(
図2)に対応したリアルタイムの断層画像が表示部92に表示される。そして、テンプレートTを利用して被検者に挿入されるニードルN(
図4)を断層画像内に表示させ、医師等のユーザがそのリアルタイムの断層画像を視覚的に確認しつつ、つまりニードルNの挿入状態を視覚的に確認しつつニードルNを目標位置まで挿入し、線源が目標位置に留置される。経会陰アプローチにより、3Dテンプレートデータ(
図7)のグリッドで特定される複数の目標位置に線源が留置される。
【0065】
ところが、被検者の会陰と前立腺の間には恥骨があり(
図6参照)、その恥骨が障害物となりニードルNを目標位置まで挿入できない場合がある。つまり、経会陰アプローチにおいては、例えば恥骨等の影響により、全ての目標位置に線源を留置できない場合がある。
【0066】
そこで、
図1の超音波システムを利用したブラキセラピーにおいては、経会陰アプローチにより線源を留置できなかった箇所に対して、経直腸アプローチにより線源が留置される。
【0067】
経会陰アプローチにより線源が留置できなかった箇所、つまり経直腸アプローチにより線源を留置すべき目標位置は、表示部92に表示される表示画像により確認できることが望ましい。
【0068】
図8は、線源の目標位置を確認するための表示画像の具体例を示す図である。
図8には表示画像形成部90により形成されて表示部92に表示される表示画像の具体例が図示されている。
【0069】
経会陰コンベックス断層画像(a)は、経会陰プローブ11のコンベックス走査面11C(
図2)に対応した断層画像である。経会陰コンベックス断層画像(a)は、経会陰プローブ11を利用して送受信部20から得られる受信信号に基づいて、断層画像形成部30において形成される。経会陰コンベックス断層画像(a)内には、前立腺の断面が含まれている。
【0070】
ボリュームデータ断層画像(b)は、ボリュームデータより切り出された経会陰コンベックス断層画像(a)と同一となる断面の断層画像であり、ボリュームデータ形成部50から得られるボリュームデータに基づいて、参照画像形成部60において形成される。つまり、ボリュームデータ断層画像(b)は、2D参照画像の好適な具体例である。参照画像形成部60は、例えば、位置情報処理部40から得られる経会陰プローブ11のコンベックス走査面11Cの位置情報(位置と傾き)に基づいて、コンベックス走査面11Cと同じ断面、つまり経会陰コンベックス断層画像と同じ断面に対応したボリュームデータ断層画像を形成する。
【0071】
ボリュームデータ3D画像(c)は、ボリュームデータが得られた三次元走査空間内、つまり前立腺を含む治療領域を立体的に表現した画像であり、ボリュームデータ形成部50から得られるボリュームデータに基づいて、参照画像形成部60において形成される。つまり、ボリュームデータ3D画像は、3D参照画像の好適な具体例である。
【0072】
ボリュームデータ3D画像には、経会陰コンベックス断層画像(a)が得られた断面位置を示す断層画像面を合成することが望ましい。表示画像形成部90は、例えば、参照画像形成部60から得られるボリュームデータ3D画像に、断層画像形成部30において形成される経会陰コンベックス断層画像(a)に対応した断層画像面を、それらの位置情報(位置と傾き)に応じた位置に配置(重畳)して合成することにより、ボリュームデータ3D画像と経会陰コンベックス断層画像(a)に対応した断層画像面の相対的な位置関係を示した表示画像を形成する。さらに合成されている断層画像面の近傍に断層画像面の面方向(面の表裏や上下)を示すオリエンテーションマークを表示させてもよい。
【0073】
さらに、表示画像形成部90は、線源情報処理部80から得られる目標位置の情報(位置情報)に基づいて、経会陰コンベックス断層画像(a)内に、経会陰アプローチにより線源が留置できなかった目標位置を示す目標位置マーカを表示させる。
図8に示す具体例において、目標位置マーカは、円形の中心を+印で表現した表示態様であるが、目標位置マーカの表示態様はこの具体例に限定されない。
【0074】
なお、経会陰コンベックス断層画像(a)内に、経会陰アプローチにより線源が留置できなかった目標位置が複数ある場合には、それら複数の目標位置に対応した複数の目標位置マーカを表示させてもよい。また、ボリュームデータ断層画像(b)内とボリュームデータ3D画像(c)内に、目標位置マーカを表示させてもよい。また、
図8には、経会陰コンベックス断層画像(a)を表示する具体例を示したが、経会陰プローブ11のリニア走査面11L(
図2)に対応した断層画像を表示させてもよいし、さらに、リニア走査面11Lに対応した断層画像内に目標位置マーカを表示させてもよい。
【0075】
医師等のユーザは、例えば
図8に示す表示画像を見て線源の目標位置を確認し、経直腸アプローチにおける線源の目標位置を指定する。例えば、経会陰アプローチにおいて線源を留置できなかった目標位置またはその近傍に、経直腸アプローチにおける線源の目標位置が指定される。線源情報処理部80は、医師等により指定された位置を経直腸アプローチにおける線源の目標位置に設定する。こうして、経会陰アプローチにより線源が留置できなかった目標位置が決定されると、その目標位置に対して、経直腸アプローチにより線源留置が行われる。
【0076】
図1の超音波システムによるブラキセラピーでは、経会陰アプローチにおいて経会陰プローブ11が利用され、経直腸アプローチにおいて経直腸プローブ12が利用される。つまり、経会陰アプローチから経直腸アプローチへの移行において、超音波探触子が経会陰プローブ11から経直腸プローブ12へ変更される。その変更において、経会陰プローブ11に取り付けられていた位置センサ42が、経会陰プローブ11から取り外されて、経直腸プローブ12へ付け替えられる。位置センサ42の付け替えにおいては、経会陰プローブ11に取り付けられた状態から、位置センサ42の出力を維持したまま、経直腸プローブ12へ付け替えられることが望ましい。
【0077】
位置センサ42を付け替えることにより、例えば1つの位置センサ42のみで、経会陰プローブ11と経直腸プローブ12の2つのプローブに係る位置情報(位置と傾き)を得ることが可能になる。また、例えば1つの位置センサ42を付け替えて利用することにより、例えば2つの位置センサ42を利用する場合と比較して、2つの位置センサ42間における検出誤差が無いため、位置情報の検出精度が高まる。
【0078】
位置センサ42が経直腸プローブ12に付け替えられると、経直腸プローブ12を利用した経直腸アプローチ(
図4)により線源留置が行われる。その留置の際に、位置情報処理部40は、経直腸プローブ12に取り付けられた位置センサ42から得られる位置情報(位置と傾き)を利用して、コンベックス走査面12C(
図3)の位置情報(位置と傾き)を得る。例えば、経直腸プローブ12に取り付けられる位置センサ42と、経直腸プローブ12のコンベックス振動子の相対的な位置関係から得られる変換データに基づいて、位置情報処理部40は、位置センサ42から得られる位置情報(位置と傾き)からコンベックス走査面12Cの位置情報(位置と傾き)を得る。
【0079】
図9は、経直腸アプローチにおける表示画像の具体例を示す図である。
図9には、表示画像形成部90により形成されて表示部92に表示される表示画像の具体例が図示されている。
【0080】
経直腸コンベックス断層画像(a)は、経直腸プローブ12のコンベックス走査面12C(
図3)に対応した断層画像である。経直腸コンベックス断層画像(a)は、経直腸プローブ12を利用して送受信部20から得られる受信信号に基づいて、断層画像形成部30において形成される。
【0081】
経直腸コンベックス断層画像(a)内に、線源を留置すべき目標位置が含まれる場合には、その目標位置を示す目標位置マーカが表示される。経直腸アプローチにおいて、医師等のユーザは、経直腸コンベックス断層画像(a)内に線源を留置すべき目標位置が含まれるように、経直腸プローブ12の位置と姿勢を調整する。例えば、医師等のユーザは、経直腸コンベックス断層画像(a)を見ながら、その断層画像内に目標位置マーカが表示されるように、経直腸プローブ12の位置と姿勢を調整する。
【0082】
また、経直腸コンベックス断層画像(a)内には、ガイドラインも表示される。ガイドラインは、経直腸プローブ12に取り付けられたアダプタA(
図3)を利用して被検者に挿入されるニードルN(
図3)の挿入経路を示すラインである。例えば、医師等のユーザは、経直腸コンベックス断層画像(a)を見ながら、ガイドライン上に目標位置マーカが表示されるように、経直腸プローブ12の位置と姿勢を調整する。
【0083】
ボリュームデータ断層画像(b)は、ボリュームデータより切り出された経直腸コンベックス断層画像(a)と同一となる断面の断層画像であり、ボリュームデータ形成部50から得られるボリュームデータに基づいて、参照画像形成部60において形成される。つまり、ボリュームデータ断層画像(b)は、2D参照画像の好適な具体例である。参照画像形成部60は、例えば位置情報処理部40から得られる経直腸プローブ12のコンベックス走査面12Cの位置情報(位置と傾き)に基づいて、コンベックス走査面12Cと同じ断面、つまり経直腸コンベックス断層画像(a)と同じ断面に対応したボリュームデータ断層画像(b)を形成する。なお、ボリュームデータ断層画像(b)内に、目標位置マーカが表示されてもよい。
【0084】
ボリュームデータ3D画像(c)は、ボリュームデータが得られた三次元走査空間内、つまり前立腺を含む治療領域を立体的に表現した画像であり、ボリュームデータ形成部50から得られるボリュームデータに基づいて、参照画像形成部60において形成される。つまり、ボリュームデータ3D画像(c)は、3D参照画像の好適な具体例である。
【0085】
ボリュームデータ3D画像(c)には、経直腸コンベックス断層画像(a)が得られた断面位置を示す断層画像面を合成することが望ましい。表示画像形成部90は、例えば、参照画像形成部60から得られるボリュームデータ3D画像(c)と、断層画像形成部30において形成される経直腸コンベックス断層画像(a)に対応した断層画像面を、それらの位置情報(位置と傾き)に応じた位置に配置(重畳)して合成することにより、ボリュームデータ3D画像(c)と経直腸コンベックス断層画像(a)の相対的な位置関係を示した表示画像を形成する。
【0086】
ボリュームデータ3D画像(c)上に配置(重畳)して合成された経直腸コンベックス断層画像(a)の断層画像面は、経直腸コンベックス断層画像(a)の形状、つまり、経直腸プローブ12のコンベックス走査面12C(
図3)に対応した形状であることが望ましい。なお、ボリュームデータ3D画像(c)上に配置(重畳)して合成された経直腸コンベックス断層画像(a)の断層画像面は、矩形その他の平面形状であってもよい。また、経直腸コンベックス断層画像(a)の断層画像面の近傍に、経直腸コンベックス断層画像(a)の面方向(面の表裏や上下)を示すオリエンテーションマークを表示させてもよい。
【0087】
医師等のユーザは、例えば
図9に示す表示画像を見て線源の目標位置を確認ながら、経直腸アプローチ(
図4)により、目標位置に対して線源の留置を行う。経直腸アプローチによる留置においては、例えば、経直腸コンベックス断層画像(a)のリアルタイム画像が表示部92に表示され、医師が、ガイドラインに沿って挿入されるニードルN(
図4)の挿入状態を確認しつつ、目標位置マーカが表示された目標位置までニードルNを挿入し、線源を目標位置に留置する。
【0088】
こうして、経会陰アプローチでは線源を留置できなかった複数の目標位置に、望ましくは全ての目標位置に対して、経直腸アプローチにより線源が留置される。
【0089】
図10は、線源の目標位置を確認するための表示画像の変形例を示す図である。
図10に示す表示画像は、
図8に示す表示画像の変形例である。
図8の表示画像と同様に、
図10において、経会陰コンベックス断層画像(a)は、経会陰プローブ11のコンベックス走査面11C(
図2)に対応した断層画像であり、ボリュームデータ断層画像(b)は、ボリュームデータより切り出された経会陰コンベックス断層画像(a)と同一となる断面の断層画像であり、ボリュームデータ3D画像(c)はボリュームデータが得られた三次元走査空間内を立体的に表現した画像である。
【0090】
図8との比較において、
図10の経会陰コンベックス断層画像(a)とボリュームデータ断層画像(b)には、テンプレートデータ(
図7)に対応した格子状の表示態様が合成されている。そして、テンプレートデータに対応した表示態様内に、目標位置に対応した目標位置マーカが表示される。
【0091】
表示画像形成部90は、例えば、経会陰コンベックス断層画像(a)とテンプレートデータの表示態様を、コンベックス走査面11Cの位置情報(位置と傾き)に応じた位置に配置して合成することにより、
図10(a)に示すように、経会陰コンベックス断層画像(a)とテンプレートデータの相対的な位置関係を示した表示画像を形成する。また、示画像形成部90は、例えば、ボリュームデータ断層画像(b)とテンプレートデータの表示態様を、コンベックス走査面11Cの位置情報(位置と傾き)に応じた位置に配置して合成することにより、
図10(b)に示すようにボリュームデータ断層画像(b)とテンプレートデータの相対的な位置関係を示した表示画像を形成する。
【0092】
例えば、
図10のボリュームデータ断層画像(b)内には、経会陰アプローチにより線源を留置できた目標位置(黒丸)と、経会陰アプローチにより線源を留置できなかった目標位置(白丸)が表示される。テンプレートデータの表示態様にアドレス(縦方向の数字と横方向のアルファベット)を付すことにより、各目標位置に対応したアドレスを確認することができる。なお、ボリュームデータ断層画像(b)内にテンプレートデータの格子状の表示態様を表示させずに、各目標位置のアドレスを数字とアルファベットで表示させてもよい。
【0093】
また、例えば、
図10の経会陰コンベックス断層画像(a)には、経会陰アプローチにより線源を留置できなかった目標位置(白丸)が表示される。つまり、経直腸アプローチにおける目標位置が表示される。テンプレートデータの表示態様との組み合わせにより、各目標位置に対応したアドレスを確認することができる。なお、経会陰アプローチにより線源を留置できた目標位置(黒丸)を、経会陰コンベックス断層画像(a)内に表示させてもよい。
【0094】
さらに、
図8との比較において、
図10のボリュームデータ3D画像(c)には、線源を留置する際の経路が合成される。
図10に示す変形例において、黒矢印は、経会陰アプローチにより線源を留置できた経路であり、白矢印は、経会陰アプローチにより線源を留置できなかった経路である。なお、これらの経路に係る情報は、例えば医師等のユーザから操作デバイス110を介して入力される線源の留置に係る結果に基づいて、例えば線源を留置できた目標位置のアドレスと線源を留置できなかった目標位置のアドレスに基づいて、線源情報処理部80において生成される。さらに、
図10のボリュームデータ3D画像(c)に合成されている断層画像面は矩形で示しているが、経会陰コンベックス断層画像(a)の形状、つまり、経会陰プローブ11のコンベックス走査面11C(
図2)に対応した形状で表示しても良い。また、その他の平面形状であってもよい。そして、経会陰コンベックス断層画像(a)の断層画像面の近傍に、経会陰コンベックス断層画像(a)の面方向(面の表裏や上下)を示すオリエンテーションマークを表示させてもよい。
【0095】
また、
図10に示す変形例では、経会陰リニア断層画像(d)も表示される。経会陰リニア断層画像(d)は、経会陰プローブ11のリニア走査面11L(
図2)に対応した断層画像である。そして、経会陰リニア断層画像(d)にも、線源を留置する際の経路が合成される。例えば、経会陰アプローチにより線源を留置できた経路が黒矢印で表現され、経会陰アプローチにより線源を留置できなかった経路が白矢印で表現される。また、白矢印の経路には、矢印方向(ニードルNが挿入される深さ方向)に、例えば等間隔に5mm程度の間隔に対応した複数の目盛が表示されることが望ましい。複数の目盛の間隔をユーザが調整できるようにしてもよい。また、例えば、経会陰アプローチにより線源を留置できなかった経路(白矢印)上に、経直腸アプローチにより線源を留置する目標位置が表示される。さらに、経会陰リニア断層画像(d)の近傍に、経会陰リニア断層画像(d)の面方向(面の表裏や上下)を示すオリエンテーションマークを表示させてもよい。
【0096】
なお、
図10の具体例では、経会陰アプローチにより線源を留置できなかった目標位置と線源を留置できた目標位置の相違を白丸と黒丸により識別する表示態様を示したが、例えば色等の表示態様の相違により目標位置の相違が表現されてもよい。また、経会陰アプローチにより線源を留置できた経路と線源を留置できなかった経路についても、例えば矢印の色等により経路の相違が表現されてもよい。
【0097】
図11は、経直腸アプローチにおける表示画像の変形例を示す図である。
図11に示す表示画像は、
図9に示す表示画像の変形例である。
図9の表示画像と同様に、
図11において、経直腸コンベックス断層画像(a)は、経直腸プローブ12のコンベックス走査面12C(
図3)に対応した断層画像であり、ボリュームデータ断層画像(b)は、ボリュームデータより切り出された経直腸コンベックス断層画像(a)と同一となる断面の断層画像であり、ボリュームデータ3D画像(c)は、ボリュームデータが得られた三次元走査空間内を立体的に表現した画像である。
【0098】
図9との比較において、
図11の経直腸コンベックス断層画像(a)のガイドラインはニードルNが挿入される深さ方向に、例えば等間隔に5mm程度の間隔に対応した複数の目盛が表示させても良い。また、複数の目盛の間隔をユーザが調整できるようにしてもよい。
【0099】
また、
図9との比較において、
図11のボリュームデータ断層画像(b)内には、互いに異なる表示態様により経路の種別が表現されている。つまり、直腸アプローチにおいて留置中である経路が実線矢印で表示され、直腸アプローチによる他の留置経路が破線矢印で表示されている。なお、色付け処理等の相違により留置経路の種別が表現されてもよいし、留置中である経路とその他の留置経路のいずれか一方が選択的に表示されてもよい。
【0100】
さらに、
図9との比較において、
図11のボリュームデータ3D画像(c)には、線源を留置する際の経路が合成される。
図11に示す変形例において、互いに異なる表示態様により留置経路の種別が表現されている。つまり、黒矢印は、経会陰アプローチにより線源を留置できた経路であり、実線矢印は、直腸アプローチにおいて留置中である経路であり、破線矢印は、直腸アプローチにおける他の留置経路を示している。なお色付け処理等の相違により留置経路の種別が表現されてもよいし、いずれかの留置経路が選択的に表示されてもよい。
【0101】
図12は、ボリュームデータ3D画像に係る表示の変形例を示す図である。
図12に示すボリュームデータ3D画像(c)には、3Dテンプレートデータ(
図7)に対応した画像が合成されている。つまり、3Dテンプレートデータを構成する複数の2Dテンプレートデータに対応した画像が各2Dテンプレートデータに対応した位置に配置されている。
【0102】
さらに、
図12に示すボリュームデータ3D画像(c)内には、線源の目標位置を示すマーカが表示される。
図12に示す具体例では、アドレス「B5_3」に対応した目標位置が+印で表現されている。また、目標位置のアドレス「B5_3」を含む2Dテンプレートデータが実線で表現され、破線で表現される他の2Dテンプレートデータと視覚的に識別されることが望ましい。
【0103】
なお、ボリュームデータ3D画像(c)内に表示される目標位置は、例えばユーザによって指定されてもよいし、+印以外の表示態様で目標位置が表現されてもよい。もちろん複数の目標位置がボリュームデータ3D画像(c)内に表示されてもよい。また、色付け処理等により、目標位置を含む2Dテンプレートデータと他の2Dテンプレートデータを識別するようにしてもよい。
【0104】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。