特許第6446243号(P6446243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6446243
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】用紙搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/38 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
   B65H5/38
【請求項の数】2
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2014-238670(P2014-238670)
(22)【出願日】2014年11月26日
(65)【公開番号】特開2016-98110(P2016-98110A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2017年9月4日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(72)【発明者】
【氏名】悦喜 良平
【審査官】 大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−289586(JP,A)
【文献】 特開2009−126634(JP,A)
【文献】 特開2009−184743(JP,A)
【文献】 特開平07−053087(JP,A)
【文献】 実開昭62−127550(JP,U)
【文献】 特開平09−240897(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/06
B65H 5/36
B65H 5/38
B65H 85/00
B41J 2/01
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙搬送ローラ対が用紙搬送路に沿って複数設置され、前記用紙搬送ローラ対の間で用紙を用紙搬送方向に挟持搬送する用紙搬送手段と、
前記用紙搬送路に沿って互いに対向して設置され、前記用紙搬送手段によって搬送される前記用紙をガイドする一対の用紙搬送ガイド板とを備えた用紙搬送装置において、
前記一対の用紙搬送ガイド板のうち一方の用紙搬送ガイド板は、第1分割用紙ガイド板と、第2分割用紙ガイド板とに分割可能に構成されており、前記第1分割用紙ガイド板が用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に向かって引き出し自在に設けられ、
前記第2分割用紙ガイド板は、前記第1分割用紙ガイド板を引き出した状態のときに、当該第2分割用紙ガイド板を引き出さない状態で前記第1分割用紙ガイド板の引き出し方向とは反対側の後端で前記用紙搬送方向と平行に設けられた回動軸を中心にして他方の用紙搬送ガイド板から離れる方向に回動可能に設けられていることを特徴とする用紙搬送装置。
【請求項2】
前記第2分割用紙ガイド板が前記他方の用紙搬送用紙ガイド板から離れる方向に回動した状態のまま前記第1分割用紙ガイド板を押し込んだ場合に、前記第1分割用紙ガイド板の押し込み動作を禁止させるような押し込み禁止部を、前記第1分割用紙ガイド板又は前記第2分割用紙ガイド板の少なくともいずれか一方に設け、
前記押し込み禁止部は、前記第2分割用紙ガイド板が前記他方の用紙搬送ガイド板から離れる方向に回動していない状態のときに前記第1分割用紙ガイド板を押し込んだ場合、前記第1分割用紙ガイド板及び前記第2分割用紙ガイド板の少なくとも一部が重力方向においてオーバーラップしていることを特徴とする請求項1記載の用紙搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置内で用紙を用紙搬送路に沿って搬送するときに、用紙搬送路に沿って設置した隣り合う用紙搬送装置間に跨って用紙ジャムが生じた場合、ジャム用紙を装置内に残さずにこの装置の外側に容易に取り出すことができる用紙搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、用紙を搬送する用紙搬送装置は、用紙に画像や文字を印刷する印刷装置や、用紙に画像や文字を複写する複写機などの画像形成装置に適用されている。
【0003】
この種の用紙搬送装置を適用した画像形成装置の一例として、用紙ジャムが発生したときに、本体と引き出しユニットとの間にジャム用紙が跨った形で存在する場合、このジャム用紙が破損するのを自動的に防止できるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記した特許文献1に開示された画像形成装置では、ここでの図示を省略するものの、装置内の各所に、引き出しユニットとして、用紙搬送に係るユニット(例えば、用紙搬送ユニットや両面印刷ユニット)を本体より前方に略水平方向に引き出し可能に備えている。
【0005】
例えば、上記した用紙搬送ユニットでは、ベース部が本体内部のレールに係合して用紙搬送方向と直交する前方方向に引き出し自在に取り付けられていると共に、ベース部上に用紙ガイド部材が用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に延びる支軸を中心にして開閉自在に取り付けられている。
【0006】
そして、ベース部と用紙ガイド部材との間に用紙を搬送する用紙搬送路が形成されており、この用紙搬送路に沿って上下に用紙搬送ローラ対が設けられている。
【0007】
ここで、用紙ジャムが発生したときに、制御手段は、本体内の搬送途中の用紙を全て停止させると共に、上記のように構成した引き出しユニットと本体との間に跨る形で用紙が停止した場合、この用紙を引き出しユニットあるいは本体に収まるように移動させている。
【0008】
そして、例えば、用紙搬送ユニットを本体より引き出した後、用紙ガイド部材をベース部に対して上方に開放することにより、用紙搬送路を露出させることが可能となるので、ジャム用紙を取り出すことができる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−31422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、特許文献1に記載の画像形成装置では、前述したように、用紙ジャムが発生したときに、引き出しユニットと本体との間で跨る形で用紙が停止した場合、制御手段は、この用紙を引き出しユニットあるいは本体に収まるように移動させていると記載されているが、引き出しユニットと本体との間に跨っているジャム用紙を引き出しユニットあるいは本体に収まるように移動させれば、用紙のジャム状態がより一層ひどくなる危険性がある。
【0011】
また、引き出しユニットを引き出してジャム用紙を取り出すときに、用紙ガイド部材を用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に延びる支軸を中心にして開かせるには、引き出しユニットを全部引き出さなければならないので、ユニットが重くジャム用紙を取り出しにくいことがある。
【0012】
更に、ジャム用紙を取り出すために引き出しユニットを装置の前方に向かって略水平に引き出したときに、引き出しユニットの引き出し時の占有面積はこの引き出しユニットの外形サイズ分となるために、上記した占有面積が大きくなってしまうので問題である。
【0013】
そこで、本発明では、画像形成装置内で用紙を用紙搬送路に沿って搬送するときに、用紙搬送路に沿って設置した隣り合う用紙搬送装置間に跨って用紙ジャムが生じた場合、ジャム用紙の紙片を装置内に残すことなく、このジャム用紙を装置の外側に容易に取り出すことができ、且つ、ジャム用紙の取り出し時に用紙搬送装置内に設けた部材を装置外に突出させた場合の占有面積を小さく設定して、ジャム用紙を容易に取り出すことができる用紙搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、用紙搬送ローラ対が用紙搬送路に沿って複数設置され、前記用紙搬送ローラ対の間で用紙を用紙搬送方向に挟持搬送する用紙搬送手段と、
前記用紙搬送路に沿って互いに対向して設置され、前記用紙搬送手段によって搬送される前記用紙をガイドする一対の用紙搬送ガイド板とを備えた用紙搬送装置において、
前記一対の用紙搬送ガイド板のうち一方の用紙搬送ガイド板は、第1分割用紙ガイド板と、第2分割用紙ガイド板とに分割可能に構成されており、前記第1分割用紙ガイド板が用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に向かって引き出し自在に設けられ、
前記第2分割用紙ガイド板は、前記第1分割用紙ガイド板を引き出した状態のときに、前記第1分割用紙ガイド板の引き出し方向とは反対側の後端で前記用紙搬送方向と平行に設けられた回動軸を中心にして他方の用紙搬送ガイド板から離れる方向に回動可能に設けられていることを特徴とする用紙搬送装置である。
【0015】
また、第2の発明は、上記した第1の発明の用紙搬送装置において、
前記第2分割用紙ガイド板が前記他方の用紙搬送用紙ガイド板から離れる方向に回動した状態のまま前記第1分割用紙ガイド板を押し込んだ場合に、前記第1分割用紙ガイド板の押し込み動作を禁止させるような押し込み禁止部を、前記第1分割用紙ガイド板又は前記第2分割用紙ガイド板の少なくともいずれか一方に設け、
前記押し込み禁止部は、前記第2分割用紙ガイド板が前記他方の用紙搬送ガイド板から離れる方向に回動していない状態のときに前記第1分割用紙ガイド板を押し込んだ場合、前記第1分割用紙ガイド板及び前記第2分割用紙ガイド板の少なくとも一部が重力方向においてオーバーラップしていることを特徴とする用紙搬送装置である。
【発明の効果】
【0016】
第1発明の用紙搬送装置によれば、一対の用紙搬送ガイド板で用紙をガイドしながら用紙搬送方向に搬送する際、一方の用紙搬送ガイド板は、第1分割用紙ガイド板と、第2分割用紙ガイド板とに分割可能に構成されており、第1分割用紙ガイド板は、用紙搬送方向と直交する方向に引き出し自在に設けられ、一方、第2分割用紙ガイド板は、第1分割用紙ガイド板を引き出した状態のときに、第1分割用紙ガイド板の引き出し方向とは反対側の後端で用紙搬送方向と平行に設けられた回動軸を中心にして他方の用紙搬送ガイド板から離れる方向に回動可能に設けられている。
【0017】
この結果、第1分割用紙ガイド板を装置内から引き出し、第2分割用紙ガイド板を他方の用紙搬送ガイド板から離れる方向に回動させて開くことで、第2分割用紙ガイド板側に残っているジャム用紙を第1分割用紙ガイド板の引き出し時の占有面積を小さくして簡易に取り出すことができる。
【0018】
また、第2の発明の用紙搬送装置によれば、第2分割用紙ガイド板が他方の用紙搬送ガイド板から離れる方向に回動した状態のまま第1分割用紙ガイド板を引き出し方向とは反対側に押し込む動作をした場合に、第1分割用紙ガイド板の押し込み動作を禁止させるような押し込み禁止部を第1分割用紙ガイド板又は第2分割用紙ガイド板の少なくともいずれか一方に設け、押し込み禁止部は、第2分割用紙ガイド板が他方の用紙搬送ガイド板から離れる方向に回動していない状態のときに押し込み動作をされた場合、第1分割用紙ガイド板及び第2分割用紙ガイド板の少なくとも一部が重力方向においてオーバーラップしている。
【0019】
この結果、第2分割用紙ガイド板が他方の用紙搬送ガイド板から離れる方向に回動した場合、ユーザの不注意又は故意により、ユーザが第1分割用紙ガイド板を引き出し方向とは反対方向に押し込むと、第1分割用紙ガイド板又は第2分割用紙ガイド板に形成した押し込み禁止部の作用により第1,第2分割用紙ガイド板同士が重なり合った状態で衝突するので、第1分割用紙ガイド板の押し込み動作を禁止することができると共に、第2分割用紙ガイド板を装置内に収納できなくする。
【0020】
従って、第2分割用紙ガイド板が開いたままの状態で第1分割用紙ガイド板が装置内の正規の位置に押し込まれたときに、第2分割用紙ガイド板が第1分割用紙ガイド板上に重なり合って搭載される異常な状態が発生せず、装置への安全性及び信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る用紙搬送装置を適用したインクジェット印刷装置の全体構成を示した構成図である。
図2】本発明の実施例1に係る用紙搬送装置を示した斜視図である。
図3】本発明の実施例1に係る用紙搬送装置において、図2に示した駆動側用紙搬送ガイド板を示した斜視図である。
図4】本発明の実施例1に係る用紙搬送装置において、図2に示した従動側用紙搬送ガイド板を示した斜視図である。
図5】本発明の実施例1に係る用紙搬送装置において、図2図4に示した従動側用紙搬送ガイド板の第1分割用紙ガイド板を示した斜視図である。
図6】本発明の実施例1に係る用紙搬送装置において、図2図4に示した従動側用紙搬送ガイド板の第2分割用紙ガイド板を示した斜視図である。
図7】本発明の実施例1に係る用紙搬送装置において、第1分割用紙ガイド板の下流側の翼部の上方部位に連接させた押し込み禁止部と、第2分割用紙ガイド板の下流側の外側面側とがオーバーラップした状態を模式的に示した平面図である。
図8】本発明の実施例1に係る用紙搬送装置において、従動側用紙搬送ガイド板の第1分割用紙ガイド板を装置内からフロント側に引き出す動作を説明するための図である。
図9】本発明の実施例1に係る用紙搬送装置において、用紙搬送ローラ対の駆動ローラと従動ローラのニップ状態を図2に示したイーイ線に沿って断面して示した縦断面図である。
図10】本発明の実施例1に係る用紙搬送装置内からジャム用紙を取り出す状態を示した斜視図である。
図11】(a),(b)は本発明の実施例1に係る用紙搬送装置において、第1分割用紙ガイド板がフロント側に引き出され、且つ、第2分割用紙ガイド板が駆動側用紙搬送ガイド板から離れる上方向に回動して開いているときに、第1分割用紙ガイド板の装置内への押し込みを禁止する動作を模式的に示した斜視図,下流側から見た側面図である。
図12】本発明の実施例2に係る用紙搬送装置を示した斜視図である。
図13】本発明の実施例2に係る用紙搬送装置において、図12に示した従動側用紙搬送ガイド板を示した斜視図である。
図14】本発明の実施例2に係る用紙搬送装置において、図12図13に示した従動側用紙搬送ガイド板の第1分割用紙ガイド板を示した斜視図である。
図15】本発明の実施例2に係る用紙搬送装置において、図12図13に示した従動側用紙搬送ガイド板の第2分割用紙ガイド板を示した斜視図である。
図16】本発明の実施例2に係る用紙搬送装置において、第1分割用紙ガイド板の下流側の外側面に連接させた翼部と、第2分割用紙ガイド板の下流側の外側面兼用押し込み禁止部とがオーバーラップした状態を模式的に示した平面図である。
図17】(a),(b)は本発明の実施例2に係る用紙搬送装置において、第1分割用紙ガイド板がフロント側に引き出され、且つ、第2分割用紙ガイド板が駆動側用紙搬送ガイド板から離れる上方向に回動して開いているときに、第1分割用紙ガイド板の装置内への押し込みを禁止する動作を模式的に示した斜視図,下流側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明に係る用紙搬送装置を実施する形態につき、図1図17を参照して実施例1,実施例2の順に詳細に説明する。
【0023】
本発明に係る用紙搬送装置は、用紙に画像や文字を印刷する印刷装置や、用紙に画像や文字を複写する複写機などの画像形成装置に適用されており、この画像形成装置内で用紙を搬送する用紙搬送路に沿ってユニット化して設置されている。
【0024】
上記した用紙搬送装置は、画像形成装置内で用紙を用紙搬送路に沿って搬送するときに、用紙搬送路に沿って設置した隣り合う用紙搬送装置間に跨って用紙ジャムが生じた場合、ジャム用紙の紙片を装置内に残すことなく、このジャム用紙を装置の外側に容易に取り出すことができるように構成されている。
【0025】
ここで、本発明の実施例1,2に係る用紙搬送装置を説明する前に、この実施例1,2の用紙搬送装置を適用した画像形成装置の一例としてインクジェット印刷装置について、図1を用いて説明する。
【0026】
(インクジェット印刷装置)
図1は実施例1の用紙搬送装置70又は実施例2の用紙搬送装置70’を適用したインクジェット印刷装置1を示している。
【0027】
図1に示す如く、インクジェット印刷装置1は、用紙P上にインクジェット方式により片面印刷又は両面印刷可能になっており、この装置全体を操作する操作パネル部10と、用紙Pを1枚ずつ給紙する給紙部20と、給紙部20よりも用紙搬送方向の下流側に回転可能に設置されたベルトプラテン部30と、ベルトプラテン部30と対向して複数色のインクIKを吐出する複数のライン型インクジェットヘッド41が設置された印刷部40と、印刷部40で印刷された印刷済みの用紙Pを排紙する排紙部50と、装置全体を制御する制御部60とで構成されている。
【0028】
また、インクジェット印刷装置1内で用紙Pを一定の速度で搬送する用紙搬送路は、給紙部20からベルトプラテン部30及び印刷部40に向かう給紙用搬送路KRと、給紙用搬送路KRと接続されてベルトプラテン部30及び印刷部40を経由して用紙Pへの両面印刷を可能に循環する循環用搬送路JRと、循環用搬送路JRの途中から分岐して排紙部50に向かう排紙用搬送路HRとからなっている。
【0029】
この際、上記した循環用搬送路JRは、ベルトプラテン部30及び印刷部40に沿った印刷用搬送路JR1と、片面印刷済みの用紙Pをベルトプラテン部30側の下方に向かって搬送させる第1縦搬送路JR2と、片面印刷済みの用紙Pをベルトプラテン部30の下方から用紙搬送方向の上流側に向かって略水平に搬送させる水平搬送路JR3と、片面印刷済みの用紙Pをスイッチバックしてこの用紙Pの先頭を先端部から後端部に変更するように搬送するスイッチバック搬送路JR4と、スイッチバックした片面印刷済みの用紙Pの表裏を反転させて上方に向けながら再びベルトプラテン部30及び印刷部40に搬送する第2縦搬送路JR5とがこの順に連接されている。
【0030】
そして、実施例1の用紙搬送装置70又は実施例2の用紙搬送装置70’が、例えば、循環用搬送路JR中の水平搬送路JR3に沿ってユニット化して設置されているが、各用紙搬送装置70,70’については後で詳述する。
【0031】
また、用紙搬送路には、用紙Pを一定の速度で搬送する用紙搬送ローラ対Rが、用紙サイズが異なる複数種の用紙Pのうちで最小サイズの用紙を搬送できるように間隔を隔てて複数設置されている。この際、各用紙搬送ローラ対Rは、駆動源となるギアードモータMと連結されて回転する駆動ローラR1と、この駆動ローラR1に圧接して従動する従動ローラR2とで対をなしている。
【0032】
また、用紙搬送路には、用紙Pの通過を検出する複数の用紙センサSが適宜な位置に設置されており、複数の用紙センサSは光反射型センサ又は光透過センサを用いて一定の速度で搬送される用紙Pがそれぞれのセンサ位置で予め設定した時間に到達しない場合に用紙ジャムが生じたことを制御部60を介して検出できるようになっている。
【0033】
更に、排紙用搬送路HRと循環用搬送路JR中の第1縦搬送路JR2と間、及び、循環用搬送路JR中のスイッチバック搬送路JR4と第2縦搬送路JR5との間には、用紙Pの搬送方向を切り替えるためのフリッパFがそれぞれ回動自在に設置されている。
【0034】
ここで、インクジェット印刷装置1の各部について順を追って具体的に説明すると、このインクジェット印刷装置1の外観を形成する筐体2は箱状に形成されている。
【0035】
まず、上記した操作パネル部10は、筐体2の上面2aに設置されており、ここでの詳細な図示を省略するが、片面/両面印刷選択キー、スタートキー、ストップキー、テンキー、印刷枚数設定キー、アラーム表示部、液晶パネルなどが設けられている。
【0036】
次に、上記した給紙部20は、給紙台21が第1ギアードモータ22により筐体2の左側板2bの外側に沿って上下動可能に設置されている。
【0037】
また、給紙台21上には、最小サイズ(例えば、葉書サイズ)から最大サイズ(例えば、A3サイズ)までの複数種の用紙Pのうちで1種類の用紙Pが積載されており、1種類の用紙Pの用紙サイズは給紙台21内で不図示の用紙サイズ検出手段により自動的に検出されている。
【0038】
そして、給紙台21が上動して、給紙台21上に積載した未印刷の用紙Pのうちで最上層の用紙Pが給紙位置に至ったときに、この最上層の用紙Pに給紙ローラ23が回転しながら圧接してこの用紙Pを給紙している。
【0039】
この後、給紙された用紙Pは、給紙ローラ23よりも下流に設けた捌きローラ24と、捌き板25との間で挟持搬送される際に1枚ずつに分離される。
【0040】
この際、給紙ローラ23及び捌きローラ24は、同一の駆動源となる第2ギアードモータ26によりそれぞれ時計方向に回転駆動されている。
【0041】
更に、給紙された用紙Pの搬送方向の先端部は、回転停止中のレジストローラ対27に突き当たって点線で示したループLが形成されて、このループLにより用紙Pの先端位置がレジストローラ対27に対して揃うようになる。
【0042】
その後、レジストローラ対27が回転を開始することにより、このレジストローラ対27で用紙Pの斜行が補正され且つ用紙Pの搬送タイミングが調整されながらこの用紙Pがベルトプラテン部30及び印刷部40に向けて搬送されるようになっている。
【0043】
そして、上記した給紙ローラ23と、捌きローラ24と、捌き板25とが給紙台21上に積層された用紙Pを1枚ずつ給紙する1次給紙手段となり、一方、上記したレジストローラ対27が1次給紙手段で給紙した用紙Pに対して斜行を補正し且つ搬送タイミングを調整してこの用紙Pを下流に向けて搬送する2次給紙手段となっている。
【0044】
次に、上記したベルトプラテン部30は、複数のエアー吸引孔(図示せず)を有して帯状に形成されたベルトプラテン31が第3ギアードモータ32により一定の搬送速度で回転駆動される駆動プーリ33と従動プーリ34との間に中間プーリ35を介してエンドレスに掛け渡されており、ベルトプラテン31上に搬送された用紙Pをエアー吸引部36で吸引搭載しながら矢印方向に搬送している。
【0045】
次に、上記した印刷部40は、ベルトプラテン部30の上方でこのベルトプラテン部30と僅かに間隔を離して対向して設けられており、筐体2内の略中央部位に位置している。
【0046】
この印刷部40では、複数色のインクIKと対応して複数のライン型インクジェットヘッド41が用紙Pの搬送方向の上流側から下流側に向かってC(シアン)用,K(ブラック)用,M(マゼンタ)用,Y(イエロー)用の順に固定設置されている。
【0047】
そして、用紙Pをエアー吸引によりベルトプラテン31上に固定した状態でベルトプラテン31の回転より用紙Pを矢印方向に搬送しながら複数のライン型インクジェットヘッド41により用紙P上にカラー画像を印刷している。
【0048】
この際、用紙P上にカラー画像を片面印刷する場合には、用紙Pに対して循環用搬送路JR中の印刷用搬送路JR1を1回だけ通して下記する排紙部50に排紙している。一方、用紙P上にカラー画像を両面印刷する場合には、片面印刷済みの用紙Pに対して循環用搬送路JRを介して表裏を反転して印刷用搬送路JR1を2回通して下記する排紙部50に排紙している。
【0049】
次に、上記した排紙部50は、ベルトプラテン部30及び印刷部40よりも下流で筐体2の右側板2c側に設けられている。この排紙部50では片面印刷済み又は両面印刷済みの用紙Pを排紙ローラ対51を介して排紙台52上に排紙している。
【0050】
次に、装置全体を制御する制御部60は、筐体2内の適宜な位置に設置されている。この制御部60は、演算処理や判断処理するCPU60aと、インクジェット印刷装置1の動作プログラムなどを格納したROM60bと、インクジェット印刷装置1内で変更可能な各種の情報などを一時的に記憶するRAM60cと、用紙Pが各用紙センサSを通過する時間を計測するタイマ60dとを内部に有している。
【実施例1】
【0051】
ここで、本発明の実施例1に係る用紙搬送装置の構成について、先に示した図1と、新たな図2図7とを用いて説明する。
【0052】
図2は本発明の実施例1に係る用紙搬送装置70を斜視的に示している。また、図3図2に示した駆動側用紙搬送ガイド板71を斜視的に示している。また、図4図2に示した従動側用紙搬送ガイド板81(82,83)を斜視的に示している。また、図5は従動側用紙搬送ガイド板81の第1分割用紙ガイド板82を斜視的に示している。また、図6は従動側用紙搬送ガイド板81の第2分割用紙ガイド板83を斜視的に示している。更に、図7は第1分割用紙ガイド板82の下流側の翼部82e2の上方部位に連接させた押し込み禁止部82e3と、第2分割用紙ガイド板83の下流側の外側面83dとがオーバーラップした状態を模式的に平面図で示している。
【0053】
図1に示す如く、本発明の実施例1に係る用紙搬送装置70は、インクジェット印刷装置1内の用紙搬送路に沿って設置されており、例えば、用紙搬送路の一部を形成する循環用搬送路JR中の水平搬送路JR3に沿ってユニット化して設置されている。
【0054】
また、循環用搬送路JR中の水平搬送路JR3には、前述したように、駆動源となるギアードモータMに連結されて回転駆動する駆動ローラR1と、この駆動ローラR1に圧接して従動する従動ローラR2とを対にした用紙搬送ローラ対Rが複数設置されており、各用紙搬送ローラ対Rの駆動ローラR1と従動ローラR2とが用紙Pを挟持搬送する用紙搬送手段となっている。
【0055】
そして、実施例1の用紙搬送装置70を循環用搬送路JR中の水平搬送路JR3に沿って設置することで、例えば、循環用搬送路JR中の第1縦搬送路JR2と水平搬送路JR3との間に跨って用紙ジャムが生じた場合、ジャム用紙JP(図9図10)の紙片を両搬送路JR2,JR3内に残すことなく、このジャム用紙JPを装置70の外側に容易に取り出すことができるように構成されている。
【0056】
この際、実施例1の用紙搬送装置70の上方にはベルトプラテン部30が設置されており、ベルトプラテン部30と用紙搬送装置70との間でこの装置70のフロント側(前面側)から人手を差し込むことができる程度の空間KUが形成されているので、後述するように前記空間KU内に人手を差し込んでジャム用紙JPを回収できるようになっている。
【0057】
ここで、図1及び図2を併用して説明すると、実施例1の用紙搬送装置70は、駆動源となるギアードモータMと連結されて回転自在な駆動ローラR1を取り付けた駆動側用紙搬送ガイド板(以下、駆動側用紙ガイド板と記す)71と、駆動ローラR1に従動回転する従動ローラR2を取り付けた従動側用紙搬送ガイド板(以下、従動側用紙ガイド板と記す)81とを例えば循環用搬送路JR中の水平搬送路JR3に沿って互いに対向させて設置して、駆動ローラR1と従動ローラR2とを対にした用紙搬送ローラ対Rにより用紙Pを用紙搬送方向に挟持搬送できるように構成されている。
【0058】
そして、駆動側用紙ガイド板71は、装置70内の固定部材(図示せず)に固定されて、複数の駆動ローラR1により用紙搬送方向に向けて搬送される用紙Pの一方の面(下面)Paをガイドするようになっている。
【0059】
一方、従動側用紙ガイド板81は、駆動側用紙ガイド板71の上面71aに対して僅かな間隔を離して対向しており、且つ、複数の従動ローラR2により用紙搬送方向に向けて搬送される用紙Pの他方の面(上面)Pbをガイドするようになっている。
【0060】
この際、上記した従動側用紙ガイド板81は、装置70の一方の面側となるフロント側(前面側)に向かって引き出し自在に設けた第1分割用紙ガイド板82と、装置70の一方の面側とは反対の他方の面側となるリア側(後面側)に回動可能(開閉可能)にその位置を保持し、且つ、必要に応じて回動可能(開閉可能)に設けた第2分割用紙ガイド板83とに2分割されている。
【0061】
尚、装置70のフロント側(前面側)は、用紙Pの搬送方向と直交する用紙幅方向の一方側に設定されており、且つ、装置70のリア側(後面側)は、用紙Pの搬送方向と直交する用紙幅方向の他方側に設定されている。
【0062】
そして、第1,第2分割用紙ガイド板82,83の分割線BLが用紙Pの搬送方向に略沿いながら用紙搬送方向と直交する用紙幅方向の中心線近傍に設定されている。
【0063】
この際、従動側用紙ガイド板81の分割位置を、複数の異なる用紙サイズのうち、用紙搬送路に沿って搬送される最小サイズの用紙Pにおける装置70のフロント側の端部Pcと用紙Pの幅方向の中心線との間、又は、用紙Pの幅方向の中心線上に設定すれば、あらゆるサイズの用紙Pであっても、確実に取り出すことができる。
【0064】
即ち、従動側用紙ガイド板81の一部を構成する第1分割用紙ガイド板82は、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向の一方側で、用紙Pの幅方向の左側端部Pc側と対応して用紙Pの幅方向に向かって引き出し自在に設置されている。
【0065】
この際、第1分割用紙ガイド板82は、駆動側用紙ガイド板71上で用紙搬送方向の上流側と下流側とに間隔を隔てて設けた一対の引き出し用ガイド板75,76に案内されて装置70のフロント側(前面側)に向かう引き出し方向に引き出し自在に取り付けられている。
【0066】
一方、従動側用紙ガイド板81の一部を構成する第2分割用紙ガイド板83は、用紙幅方向の一方と反対の他方側で、用紙Pの幅方向の右側端部Pd側と対応してその位置を保持したまま設置されており、且つ、装置70内のリア側(後面側)で用紙搬送方向と平行に設けた一対の回動軸86(片側のみ図示)を中心にして回動可能に支持されている。
【0067】
更に、第1分割用紙ガイド板82は、装置70内に収納されているときに、用紙搬送方向の下流側の外側面82d側が第2分割用紙ガイド板83の下流側の外側面83d側とオーバーラップしているが、これについては後で詳述する。
【0068】
ここで、図3に示す如く、上記した駆動側用紙ガイド板71は、板金材を用いて上面71aが用紙Pの搬送方向の上流側から下流側に向かって用紙搬送方向の長さが長く形成された第1平坦面71a1と、この第1平坦面71a1の下流側に連接して僅かな高さだけ上方に向かって凹状に湾曲した凹状湾曲面71a2と、この凹状湾曲面71a2の下流側に第1平坦面71a1よりも僅かに高い高さで用紙搬送方向の長さが短く形成された第2平坦面71a3とからなっていると共に、フロント側,リア側に対応した前後の側面71c,71dが下方に向かって折り曲げ形成されている。
【0069】
この実施例1では、駆動側用紙ガイド板71の上面71aの下流側を周辺部品の配置関係などの理由から凹状湾曲面71a2により上面71aの上流側に対して所定の高さだけ上方に向けて凹状に湾曲させている。
【0070】
そして、駆動側用紙ガイド板71は、用紙搬送方向の寸法がユニット化に応じて適宜な値に設定され、且つ、用紙幅方向の寸法は最大サイズ(例えば、A3サイズ)の用紙の幅寸法よりも大きな値に設定されて、略矩形状に形成されている。
【0071】
また、駆動側用紙ガイド板71の第1平坦面71a1内の中間部位の前後左右には複数の矩形孔71eが貫通して形成されており、これら複数の矩形孔71e内に用紙搬送ローラ対Rの駆動ローラR1がそれぞれ下面71b側から上面71a側に僅かに突出するように臨んでいる。
【0072】
この際、各駆動ローラR1は、駆動側用紙ガイド板71の前後の側面71c,71d間に回転自在に支持されて用紙幅方向に沿いながら用紙搬送方向に所定の間隔を離して設けた2本の長尺な第1ローラ軸72に固着されており、且つ、各第1ローラ軸72に駆動ローラR1が用紙Pを搬送する際の仮想搬送中心線を中心にして用紙幅方向に対して略対称に固着されている。
【0073】
尚、駆動側用紙ガイド板71上において、用紙サイズが異なる複数種の用紙Pは、左右の側端部Pc,Pd(図2)が位置規制されることなく、駆動ローラR1と従動ローラR2(図1)とでニップされながら用紙Pを搬送する際の仮想搬送中心線を中心にして搬送されているものとする。
【0074】
また、駆動側用紙ガイド板71の第1平坦面71a1内のフロント側には複数の指孔71fが用紙サイズの異なる複数種の用紙Pの左側端部Pc(図2)の各位置に対応して貫通して形成されており、これらの複数の指孔71fは後述するように駆動側用紙ガイド板71上に搭載されたジャム用紙JP(図9図10)の引き出し側の端部をユーザの指で掴むときの逃げ孔として機能している。
【0075】
また、駆動側用紙ガイド板71の第1平坦面71a1上で後側面71dの近傍には、一対のL字状ブラケット73,74が上流側と下流側とに分かれて用紙Pの搬送に影響しない位置に対称に取り付けられており、これらの一対のL字状ブラケット73,74は従動側用紙ガイド板81(図2図4)のうちでリア側に位置する第2分割用紙ガイド板83のリア端側に取り付けた一対の回動軸86(図2図4)を回動可能に支持する機能を有している。
【0076】
また、駆動側用紙ガイド板71の上面71aのうちで上流側と下流側とで高さを違えて形成された第1,第2平坦面71a1,71a3上には、一対の引き出し用ガイド板75,76が用紙幅方向に沿いながら用紙搬送方向の上流側と下流側とに間隔を離して互いに対向して対称に取り付けられている。
【0077】
尚、一対の引き出し用ガイド板75,76の用紙搬送方向の各外側には、図示しない別の用紙搬送装置が取り付けられている。
【0078】
そして、一対の引き出し用ガイド板75,76は、従動側用紙ガイド板81(図2図4)の第1分割用紙ガイド板82のみをフロント側に引き出す機能を備えている。
【0079】
上記した一対の引き出し用ガイド板75,76は、駆動側用紙ガイド板71の上面71aと対向する下方部位に用紙P(図1図2)が通過するための用紙通過口75a,76aが用紙幅方向に沿って凹状に形成されている。また、一対の引き出し用ガイド板75,76は、一対の傾斜ガイド溝75b,76bが第1分割用紙ガイド板82(図2図4)をリア側からフロント側に向かって徐々に斜め上方に引き出し自在にガイドするように傾斜して形成されている。
【0080】
そして、一対の引き出し用ガイド板75,76に形成した一対の傾斜ガイド溝75b,76b内に第1分割用紙ガイド板82の上流側及び下流側の各外側面82c,82d(図4)にそれぞれ取り付けた小径ピン84(図4)及び大径ピン85(図4)が嵌合するようになっている。
【0081】
また、一対の引き出し用ガイド板75,76の傾斜ガイド溝75b,76b内でフロント側の先端には、第1位置決め用凹部75b1,76b1が下方に向かって凹状に形成され、且つ、傾斜ガイド溝75b,76b内でリア側には第2位置決め用凹部75b2,76b2が下方に向かって凹状に形成されている。
【0082】
この際、第1位置決め用凹部75b1,76b1内に第1分割用紙ガイド板82の各外側面82c,82dに取り付けた引き出し方向先方側の小径ピン84が落ち込むことで第1分割用紙ガイド板82の最大引き出し位置を位置決めし、一方、第2位置決め用凹部75b2,76b2内に上記した小径ピン84が落ち込むことで第1分割用紙ガイド板82の収納位置を位置決めするようになっている。
【0083】
更に、駆動側用紙ガイド板71の前側面71c側の上面71aで用紙搬送方向の略中央部位には、ロック機構部90の被係止部材91が固着されており、このロック機構部90は第1分割用紙ガイド板82(図2図4)を装置70内に収納したときに、第1分割用紙ガイド板82を駆動側用紙ガイド板71にロックするためのものである。
【0084】
次に、図4に示す如く、従動側用紙ガイド板81を構成する第1,第2分割用紙ガイド板82,83は、共に樹脂材を用いて各上面82a,83a側の内部が複数の補強リブにより枠組みされて剛性を有する枠体にそれぞれ形成されている。
【0085】
また、第1,第2分割用紙ガイド板82,83の各下面82b,(83b…図6)は、駆動側用紙ガイド板71(図3)の上面71aと対向してこの上面71aの形状に合わせて用紙搬送方向の上流側から下流側に向かって平坦に形成され、更に下流端側の近傍が上方に向かって湾曲している。
【0086】
ここで、図4及び図5に示す如く、駆動側用紙ガイド板71上で装置70(図1図2)のフロント側に設置される従動側用紙ガイド板81の第1分割用紙ガイド板82は、上流側及び下流側の各外側面82c,82dが分割線BLよりもリア側に向かって延出されているので、各外側面82c,82dは用紙幅方向に沿って長尺に形成されている。
【0087】
また、第1分割用紙ガイド板82の各外側面82c,82dのリア側には、引き出し方向先方側の小径ピン84と、引き出し方向後方側の大径ピン85とがそれぞれ外側に向かって固着されている。
【0088】
そして、第1分割用紙ガイド板82の各外側面82c,82dに固着した各2本の小径ピン84及び大径ピン85は、先に図3を用いて説明した駆動側用紙ガイド板71上に取り付けた一対の引き出し用ガイド板75,76に形成した一対の傾斜ガイド溝75b,76b内に引き出し自在に嵌合している。
【0089】
また、第1分割用紙ガイド板82の各外側面82c,82dの内側には、分割線BLよりもリア側で且つ各外側面82c,82dからそれぞれ内側に向かって用紙搬送方向に沿う細い幅W1を隔て各外側面82c,82dと平行に奥深く肉抜きすることで矩形状凹部82eが大面積を有して形成されている。
【0090】
そして、第1分割用紙ガイド板82が装置70内に収納されているときに、上記した矩形状凹部82e内にリア側の第2分割用紙ガイド板83が位置するようになっている。
【0091】
上記のように第1分割用紙ガイド板82の矩形状凹部82eを形成したときに、第1分割用紙ガイド板82の各外側面82c,82dの内側に2本の翼部82e1,82e2がそれぞれ細い幅W1を有して上流側と下流側との間に間隔を隔てて対向し、且つ、リア側に向かって長尺に形成されている。
【0092】
また、第1分割用紙ガイド板82の矩形状凹部82eに沿って形成した上流側及び下流側の各翼部82e1,82e2の内側面は、後述する第2分割用紙ガイド板83の上流側及び下流側の各外側面83c,83d(図6)に対しても平行になっている。
【0093】
この際、第1分割用紙ガイド板82の矩形状凹部82eに沿って形成した上流側及び下流側の各翼部82e1,82e2の内側面間の幅寸法W2は、第2分割用紙ガイド板83の上流側及び下流側の各外側面83c,83d間の幅寸法W3(図6)よりも僅かに幅広く設定されている。
【0094】
また、駆動側用紙ガイド板71の上面71a(図3)を高さ基準としたときに、第1分割用紙ガイド板82の矩形状凹部82eに沿って形成した下流側の翼部82e2の高さH2は、駆動側用紙ガイド板71(図3)の下流側の湾曲形状によって上流側の翼部82e1の高さH1及び第2分割用紙ガイド板83の上流側の外側面83cの高さH1(図6)よりも高く設定されている。
【0095】
更に、第1分割用紙ガイド板82の下流側の翼部82e2の上方部位に連接して押し込み禁止部82e3がこの翼部82e2の内側面に対して幅寸法W4だけ内側(上流側)に向かって突出形成されている。
【0096】
また、下流側の翼部82e2の下面から押し込み禁止部82e3の下面までの高さH3は、第2分割用紙ガイド板83の下流側の外側面83dの高さH4(図6)よりも僅かに高く設定されている。
【0097】
これにより、第1分割用紙ガイド板82が装置70内に収納されているときに、第1分割用紙ガイド板82の下流側に形成した押し込み禁止部82e3の下面よりも下方で且つ下流側の翼部82e2の下方の高さ位置に第2分割用紙ガイド板83の下流側の外側面83d側がもぐり込んで、両者82e3,83dが重なり合うようになっているが、押し込み禁止部82e3の作用については後述する。
【0098】
また、第1分割用紙ガイド板82の矩形状凹部82eには、内側後面82e4が第2分割用紙ガイド板83の前側面83e(図6)と対向するように分割線BLに略沿って形成されている。
【0099】
更に、第1分割用紙ガイド板82の矩形状凹部82eに沿って形成した内側後面82e4の外側部位に連接して2本の押圧ピン82e5が上流側と下流側との間で間隔を隔ててリア側に向かって突出形成されており、且つ、2本の押圧ピン82e5のうちで下流側の押圧ピン82e5は下記する下流側の箱部82fの外側部位にも連接されている。
【0100】
そして、2本の押圧ピン82e5は、第2分割用紙ガイド板83の前側面83e側を駆動側用紙ガイド板71の上面71a(図3)側に押し付ける機能を有している。
【0101】
また、第1分割用紙ガイド板82の上面82a側には、分割線BLの近傍に上流側と下流側に分かれて箱部82fが上方を閉蓋して2箇所突出形成されており、各箱部82f内に従動ローラR2(図1)が駆動ローラR1(図1図3)と対向するように収納されている。
【0102】
尚、箱部82f内に収納した従動ローラR2を用紙Pを介して駆動ローラR1に圧接させる機構については後述する。
【0103】
また、第1分割用紙ガイド板82の上面82a上で2箇所の箱部82f間には、駆動側用紙ガイド板71(図2図3)上にジャム用紙JP(図9図10)が搭載されているか否かを確認するための覗き孔82gが貫通して形成されている。
【0104】
また、第1分割用紙ガイド板82の前側面82hの用紙搬送方向の略中央部位には、取っ手82iがフロント側に向かって突出形成されており、この取っ手82iをユーザがフロント側に引くことにより第1分割用紙ガイド板82がフロント側に引き出し可能になっている。
【0105】
更に、第1分割用紙ガイド板82の前側面82h側に設けた取っ手82iの後方部位には、ロック機構部90のロック解除レバー92が前述した駆動側用紙ガイド板71(図3)に設けたロック機構部90の被係止部材91と対応して取り付けられている。
【0106】
尚、ロック機構部90は、第1分割用紙ガイド板82を駆動側用紙ガイド板71にロックできる構造であればいかなる構造形態でも良いものである。
【0107】
次に、図4及び図6に示す如く、駆動側用紙ガイド板71上で装置70(図1図2)内のリア側に設置される従動側用紙ガイド板81の第2分割用紙ガイド板83は、前述したように、第1分割用紙ガイド板82の矩形状凹部82e内に収納されるので第1分割用紙ガイド板82よりも小型に形成されている。
【0108】
この際、第2分割用紙ガイド板83の第2分割用紙ガイド板83の上流側及び下流側の各外側面83c,83d間の幅寸法W3は、前述したように、第1分割用紙ガイド板82の矩形状凹部82eに沿って形成した上流側及び下流側の各翼部82e1,82e2の内側面間の幅寸法W2(図5)よりも僅かに幅狭く設定されている。
【0109】
そして、第2分割用紙ガイド板83も、第1分割用紙ガイド板82と同様に、駆動側用紙ガイド板71(図3)の上面71aと対向してこの上面71aの形状に合わせて用紙搬送方向の上流側から下流側に向かって平坦に形成され、更に下流端側の近傍が上方に向かって湾曲している。
【0110】
また、第2分割用紙ガイド板83の前側面83eの内側部位には、2箇所の凹部83e1が用紙搬送方向に対して間隔を離して前方及び上方を開口して凹状に形成されており、且つ、2箇所の凹部83e1のうちで下流側の凹部83e1は下記する下流側の箱部83fの外側部位にも連接されている。
【0111】
そして、2箇所の凹部83e1内に第1分割用紙ガイド板82の矩形状凹部82eの内側後面82e4の外側部位に突出形成した2本の押圧ピン82e5(図5)が左右方向を位置決めされて挿脱自在になっている。
【0112】
また、第2分割用紙ガイド板83の上面83a側にも、分割線BLの近傍に上流側と下流側に分かれて箱部83fが上方を閉蓋して2箇所突出形成されており、各箱部83f内に従動ローラR2(図1)が駆動ローラR1(図1図3)と対向するように収納されている。
【0113】
また、第2分割用紙ガイド板83の上面83a上で2箇所の箱部83f間にも、駆動側用紙ガイド板71(図2図3)上にジャム用紙JP(図9図10)が有るか否かを確認するための覗き孔83gが貫通して形成されている。
【0114】
上記のように、従動側用紙ガイド板81の第1,第2分割用紙ガイド板82,83を構成した場合、図7に平面的に示すように、第1分割用紙ガイド板82が装置70(図1図2)内に収納されているときに、第1分割用紙ガイド板82の下流側に形成した押し込み禁止部82e3と、第2分割用紙ガイド板83の下流側の外側面83d側とが重力方向においてオーバーラップして重なりあっているが、第2分割用紙ガイド板83は第1分割用紙ガイド板82の下流側に形成した押し込み禁止部82e3及び翼部82e2の内側面の各下方に収納されているので、第1分割用紙ガイド板82の引き出し動作及び押し込み動作に対して何等の支障もきたさない。
【0115】
次に、上記のように構成した本発明の実施例1に係る用紙搬送装置70において、従動側用紙ガイド板81の第1分割用紙ガイド板82を装置70内からフロント側に引き出す動作を図8を用いて説明する。
【0116】
図8(a)〜(c)は第1分割用紙ガイド板82の引き出し動作を示しており、(a)は用紙搬送方向の上流側から下流側に向って一対の引き出し用ガイド板75,76を見た側面図であり、(b),(c)は上流側の引き出し用ガイド板75を取り除いて、この上流側の引き出し用ガイド板75の傾斜ガイド溝75bを二点鎖線で示した側断面図である。
【0117】
尚、以下に実施例1における第1分割用紙ガイド板82の引き出し動作を説明する際に、第1分割用紙ガイド板82の上流側の外側面82c側についてのみ説明し、上流側の外側面82c側に対して高さを違えて形成された下流側の外側面82d(図4図5)側についての説明を省略する。
【0118】
まず、図8(a)に示す如く、実施例1の用紙搬送装置70内では、駆動側用紙ガイド板71と対向して従動側用紙ガイド板81の第1分割用紙ガイド板82がフロント側に収納され、且つ、従動側用紙ガイド板81の第2分割用紙ガイド板83が引き出し前の第1分割用紙ガイド板82と同じ高さ位置でリア側に収納されている。この際、第1,第2分割用紙ガイド板82,83は、駆動側用紙ガイド板71と対向して各下面位置が同じ高さでこの駆動側用紙ガイド板71と略平行な姿勢を保っている。
【0119】
この際、第1分割用紙ガイド板82の外側面82cに固着させた小径ピン84及び大径ピン85のうちで引き出し方向先方側の小径ピン84は上流側の引き出し用ガイド板75の傾斜ガイド溝75b内に形成したリア側の第2位置決め用凹部75b2に係合し、且つ、引き出し方向後方側の大径ピン85は傾斜ガイド溝75b内でリア端側に至っているので、第1分割用紙ガイド板82が収納位置に位置決めされている。
【0120】
そして、第1分割用紙ガイド板82の取っ手82iの後方部位に設置したロック機構部90により、第1分割用紙ガイド板82が駆動側用紙ガイド板71にロックされている。
【0121】
従って、第1分割用紙ガイド板82がロックされている時には、実施例1の用紙搬送装置70内で用紙Pが用紙搬送ローラ対R(図1図9)により搬送可能(通紙可能)な状態に至っている。
【0122】
次に、図8(b)に示す如く、実施例1の用紙搬送装置70内で用紙ジャムが生じたとき、ユーザがロック機構部90によるロックを解除して、第1分割用紙ガイド板82の取っ手82iを上方に持ち上げると、二点鎖線で示した傾斜ガイド溝75b内で第1分割用紙ガイド板82がこの外側面82cに固着させた大径ピン85を支点にして時計方向に回動する。
【0123】
これにより、上記外側面82cに固着させた小径ピン84がリア側の第2位置決め用凹部75b2から離脱して傾斜ガイド溝75b内に進入するので、この後、ユーザは取っ手82iを掴みながら第1分割用紙ガイド板82を引き出し方向となるフロント側に向かって引き出しを開始する。
【0124】
そして、第1分割用紙ガイド板82のフロント側への引き出し動作に伴って、後述するように、第1分割用紙ガイド板82側の従動ローラR2(図1図9)が駆動側用紙ガイド板71側の駆動ローラR1(図1図9)から離間して用紙P(図1図2)へのニップが解除される。
【0125】
一方、駆動側用紙ガイド板71上でリア端側に取り付けたL字状ブラケット73に回動軸86を介して回動可能に支持された第2分割用紙ガイド板83は、回動することなく収納位置に保持されたまま駆動側用紙ガイド板71と略平行な姿勢を保っている。
【0126】
次に、図8(c)に示す如く、ユーザが第1分割用紙ガイド板82を更にフロント側に引き出すと、第1分割用紙ガイド板82の外側面82cに固着させた小径ピン84及び大径ピン85が二点鎖線で示した傾斜ガイド溝75bに沿って斜め上方に向かってガイドされる。
【0127】
この後、小径ピン84が傾斜ガイド溝75b内に形成したフロント側の第1位置決め用凹部75b1に係合すると、第1分割用紙ガイド板82がフロント側の最大引き出し位置に位置決めされる。
【0128】
また、上記した小径ピン84が第1位置決め用凹部75b1に係合したときに、第1分割用紙ガイド板82のフロント端側が僅かに下降して、この第1分割用紙ガイド板82が第2分割用紙ガイド板83よりも高い位置で駆動側用紙ガイド板71と略平行な姿勢に保たれるので、第1分割用紙ガイド板82の引き出しが完了する。
【0129】
一方、第2分割用紙ガイド板83は、第1分割用紙ガイド板82から離れてリア側の位置まま駆動側用紙ガイド板71と略平行な姿勢を保っている。
【0130】
そして、第1分割用紙ガイド板82がフロント側の最大引き出し位置に位置決めされたときに、後述するように、隣り合う用紙搬送装置(図示せず)にジャム用紙JP(図9図10)が跨っている場合でも、ユーザは駆動側用紙ガイド板71上に搭載されたジャム用紙JPの紙片を装置70内に残すことなく、この装置70の外側に容易に取り出すことができる。
【0131】
ここで、実施例1の用紙搬送装置70内で用紙Pを搬送する際に、図1に示した用紙搬送ローラ対Rの駆動ローラR1及び従動ローラR2のニップ状態について、図9を用いて説明する。
【0132】
図9は用紙搬送ローラ対Rの駆動ローラR1と従動ローラR2のニップ状態を図2に示したイーイ線に沿って断面して示しており、(a)は第1分割用紙ガイド板82のロック時の状態を示し、(b)は第1分割用紙ガイド板82の引き出し時の状態を示している。
【0133】
図9(a)に示す如く、用紙搬送ローラ対Rの駆動ローラR1は、駆動側用紙ガイド板71の下方で用紙幅方向に沿って形成した長尺な第1ローラ軸72に固着されて矩形孔71e内に臨んでいる。
【0134】
一方、用紙搬送ローラ対Rの従動ローラR2は、従動側用紙ガイド板81の第1,第2分割用紙ガイド板82,83にそれぞれ形成した箱部82f,83f内で用紙幅方向に沿って形成した短尺な第2ローラ軸SAに固着され、且つ、第2ローラ軸SAの両端側に軸受BEが嵌め込まれている。
【0135】
また、第1,第2分割用紙ガイド板82,83にそれぞれ形成した箱部82f,83f内で用紙幅方向の両側には、軸受支持用有底孔82f1,83f1がそれぞれ形成されており、これらの軸受支持用有底孔82f1,83f1内に第2ローラ軸SAの両端側に嵌め込んだ各軸受BEが上方部位側で回り止めを図って上下方向に遊嵌されている。そして、箱部82f,83fの天面内部82f2,83f2と、各軸受BEとの間に各圧縮バネCSが掛止されている。
【0136】
また、第1分割用紙ガイド板82の内側後面82e4及び箱部82fの各外側部位に連接して押圧ピン82e5がリア側に向かって突出形成されており、一方、第2分割用紙ガイド板83の前側面83eの内側部位及び箱部83fの外側部位に連接して凹部83e1がフロント側に向かって形成されている。
【0137】
そして、第1分割用紙ガイド板82が駆動側用紙ガイド板71にロックされている時には、第1分割用紙ガイド板82に形成した上記押圧ピン82e5が第2分割用紙ガイド板83に形成した上記凹部83e1内に進入して被さっているので、第2分割用紙ガイド板83のフロント側の先端部位は駆動側用紙ガイド板71側に向かって押さえ込まれている。
【0138】
これにより、第1,第2分割用紙ガイド板82,83にそれぞれ形成した箱部82f,83f内に収納した各従動ローラR2は、ロック時に各圧縮バネCSの付勢力により用紙Pを介して各駆動ローラR1に圧接可能になっているので、用紙Pを搬送できる。
【0139】
一方、図9(b)に示す如く、第1分割用紙ガイド板82の駆動側用紙ガイド板71へのロックを解除した後に第1分割用紙ガイド板82をフロント側に引き出す時には、第1分割用紙ガイド板82の引き出し動作に伴って、第1分割用紙ガイド板82の内側後面82e4及び箱部82fに連接形成した押圧ピン82e5が第2分割用紙ガイド板83の前側面83e及び箱部83fに連接形成した凹部83e1から離脱するので、第2分割用紙ガイド板83は第1分割用紙ガイド板82による押さえがなくなる。
【0140】
これにより、第2分割用紙ガイド板83の箱部83f内に収納した従動ローラR2の駆動ローラR1への圧接力は、従動ローラR2の自重が加わっているものの圧縮バネCSの付勢力が弱まり、第2分割用紙ガイド板83側で用紙搬送ローラ対Rにニップされているジャム用紙JP(図9図10)を取り出し易くなる。
【0141】
更に、第1分割用紙ガイド板82がフロント側に引き出されるときには、第1分割用紙ガイド板82が一対の引き出し用ガイド板75,76(図3)の傾斜ガイド溝75b,76bに沿って斜め上方に向かうために、第1分割用紙ガイド板82の箱部82f内に収納した従動ローラR2は駆動ローラR1から徐々に離間して両ローラR1,R2間でニップが解除されるので、駆動側用紙ガイド板71上に搭載されたジャム用紙JPへのニップも解除される。
【0142】
次に、実施例1の用紙搬送装置70内からジャム用紙JPを取り出す方法について図10を用いて説明する。
【0143】
図10は実施例1の用紙搬送装置70内からジャム用紙JPを取り出す状態を斜視的に示しており、(a)は最小サイズのジャム用紙JP−Sの取り出しを示し、(b)は最大サイズのジャム用紙JP−Lの取り出しを示している。
【0144】
実施例1の用紙搬送装置70内で用紙ジャムが発生したか否かは先に説明したように用紙搬送路に沿って適宜な位置に設けた各用紙センサS(図1)で検出している。
【0145】
そして、用紙ジャムが発生したことを制御部60(図1)が認識したときに、制御部60は操作パネル部10(図1)にアラームを表示するので、図10(a),(b)に示す如く、ユーザは従動側用紙ガイド板81を構成する第1,第2分割用紙ガイド板82,83のうちで第1分割用紙ガイド板82のみを一対の引き出し用ガイド板75,76に沿って最大引き出し位置まで手動により引き出す。
【0146】
この際、用紙搬送装置70内では、駆動側用紙ガイド板71と、第2分割用紙ガイド板83は、当初の位置をそのまま保持している。
【0147】
また、第1分割用紙ガイド板82の最大引き出し位置は、図10(b)に示す如く、駆動側用紙ガイド板71上に搭載された最大サイズ(例えば、A3サイズ)のジャム用紙JP−Lのうちで引き出し側の端部となる左側端部Pcを人手で掴むことができる位置に設定されている。
【0148】
更に、装置70のフロント側に引き出した第1分割用紙ガイド板82の上方には、前述したように人手を差し込むことができる程度の空間KUが形成されているので、この空間KU内に人手を差し込む。
【0149】
そして、図10(a)又は図10(b)に示したように、駆動側用紙ガイド板71上に搭載されたジャム用紙JPとして最小サイズ(例えば、葉書サイズ)のジャム用紙JP−S又は最大サイズ(例えば、A3サイズ)のジャム用紙JP−Lの幅方向の左側端部Pcを、駆動側用紙ガイド板71上で用紙サイズに応じて形成された指孔71fの部位でユーザの指で掴んで装置70の外側に取り出している。
【0150】
このときに、駆動側用紙ガイド板71上に搭載されたジャム用紙JPは、隣り合う用紙搬送装置(図示せず)間に跨っていても、第1分割用紙ガイド板82の引き出し最中には駆動側用紙ガイド板71上に搭載されたジャム用紙JPが引き出されないので、ジャム用紙JPは第1分割用紙ガイド板82の引き出し動作中に破損することはない。
【0151】
また、第1分割用紙ガイド板82の引き出し動作に伴って、第2分割用紙ガイド板83は第1分割用紙ガイド板82による押えがはずされるので、第2分割用紙ガイド板83側の駆動ローラR1と従動ローラR2との間では用紙Pへのニップ圧が小さくなり、これにより、第2分割用紙ガイド板83側で用紙搬送ローラ対Rにニップされているジャム用紙JPを外し易くなる。
【0152】
また、第1分割用紙ガイド板82を装置70のフロント側の一方の面側に引き出した時に、ユーザの人手によりジャム用紙JPの紙片を装置70内に残すことなく、この装置70の外側に容易に取り出すことができる。
【0153】
また、従動側用紙ガイド板81は第1分割用紙ガイド板82と第2分割用紙ガイド板83とに2分割されているために、第1分割用紙ガイド板82の引き出し時の占有面積を従来装置よりも小さく設定でき、且つ、第1分割用紙ガイド板82の重量が従来装置よりも軽くなるので、第1分割用紙ガイド板82の引き出し負荷を軽減することができる。
【0154】
更に、ジャム用紙JPを装置70内から取り出す場合に、ユーザは前述したように従動側用紙ガイド板81の第1分割用紙ガイド板82を人手により引き出しているが、ユーザは必要に応じて回動自在な第2分割用紙ガイド板83を人手により駆動側用紙ガイド板71及びジャム用紙JPから離れる上方向に回動させて開くことで、第2分割用紙ガイド板83側に残っているジャム用紙JPをより一層確実に取り出すことができる。
【0155】
この場合、第1分割用紙ガイド板82が装置70のフロント側に引き出され、且つ、従動側用紙ガイド板81の第2分割用紙ガイド板83が上方に向かって開いている状態で、装置70のフロント側に引き出された第1分割用紙ガイド板82をユーザが誤って装置70内に押し込んでしまったり、あるいは、第1分割用紙ガイド板82をユーザが故意に装置70内に押し込んでしまうと、第2分割用紙ガイド板83が駆動側用紙ガイド板71上の正規な位置に収納できず、次回に搬送される用紙Pを搬送できなかったり、再び用紙ジャムが発生する。
【0156】
そこで、この実施例1では、第2分割用紙ガイド板83が開いている状態で、第1分割用紙ガイド板82の装置70内への押し込み動作を禁止する対策を施しており、これについて図11を用いて説明する。
【0157】
図11(a),(b)は、第1分割用紙ガイド板82がフロント側に引き出され、且つ、第2分割用紙ガイド板83が駆動側用紙ガイド板71から離れる上方向に回動して開いているときに、フロント側に引き出された第1分割用紙ガイド板82の装置70内への押し込みを禁止する動作を模式的に示している。
【0158】
図11(a),(b)に示す如く、ユーザの一方の手で従動側用紙ガイド板81の第1分割用紙ガイド板82がフロント側に引き出されているときに、ユーザの他方の手で従動側用紙ガイド板81の第2分割用紙ガイド板83の前側面83e側を持ち上げると、第2分割用紙ガイド板83が一対の回動軸86(片側のみ図示)を中心にして駆動側用紙ガイド板71から離れる上方向に回動し、ユーザの他方の手により第2分割用紙ガイド板83の回動状態が維持されている。
【0159】
このときに、ユーザの不注意又は故意により、ユーザが第1分割用紙ガイド板82を引き出し方向とは反対方向に押し込むと、第1分割用紙ガイド板82の上流側及び下流側の各外側面82c,82d側が一対の引き出し用ガイド板75,76に沿いながらリア側に向かって移動する。
【0160】
この第1分割用紙ガイド板82の押し込み動作に伴って、第1分割用紙ガイド板82の上流側及び下流側の各翼部82e1,82e2のうちで下流側の翼部82e2の上方部位に連接して内側に向けて突出形成した押し込み禁止部82e3が第2分割用紙ガイド板83の下流側の外側面83d側に衝突する。
【0161】
この結果、第1分割用紙ガイド板82の下流側に形成した押し込み禁止部82e3の作用により、第1分割用紙ガイド板82の装置70内への押し込み動作を禁止することができると共に、第2分割用紙ガイド板83を装置70内に収納できないことをユーザに知らせることができる。
【0162】
従って、第2分割用紙ガイド板83が開いたままの状態で第1分割用紙ガイド板82が装置70内の正規の位置に押し込まれたときに、第2分割用紙ガイド板83が第1分割用紙ガイド板82上に重なり合って搭載される異常な状態が発生せず、装置70への安全性及び信頼性を高めることができる。
【実施例2】
【0163】
図12は本発明の実施例2に係る用紙搬送装置70’を斜視に示している。
【0164】
図12に示した本発明の実施例2に係る用紙搬送装置70’は、先に説明した実施例1の用紙搬送装置70(図1図2)の構成に対して、駆動側用紙搬送ガイド板(以下、駆動側用紙ガイド板と記す)71と対向する従動側用紙搬送ガイド板(以下、従動側用紙ガイド板と記す)81’を構成する第1,第2分割用紙ガイド板82’,83’のみが一部異なっている。
【0165】
この実施例2では、説明の便宜上、先に示した実施例1と同一の構成部材及び同一形状に対しては同一の符号を付して図示し、且つ、先に示した構成部材は必要に応じて適宜説明するが、実施例1に対して異なる構成部材に新たな符号を付して、実施例1とは異なる点を中心にして説明する。
【0166】
図12に示す如く、本発明の実施例2に係る用紙搬送装置70’も、実施例1と同様にインクジェット印刷装置1(図1)内の用紙搬送路に沿って設置されており、例えば、用紙搬送路の一部を形成する循環用搬送路JR中の水平搬送路JR3に沿ってユニット化して設置されている。
【0167】
この実施例2の用紙搬送装置70’でも、駆動側用紙ガイド板71の上面71a上には、従動側用紙ガイド板81’の第1分割用紙ガイド板82’が装置70’のフロント側に引き出し自在に取り付けられ、且つ、従動側用紙ガイド板81’の第2分割用紙ガイド板83’が装置70’内のリア側(後面側)に回動自在に取り付けられている。
【0168】
この際、実施例2でも、従動側用紙ガイド板81’の第1分割用紙ガイド板82’が装置70’のフロント側に引き出され、且つ、第2分割用紙ガイド板83’が駆動側用紙ガイド板71から離れる上方向に回動して開いているときに、従動側用紙ガイド板81’の第1分割用紙ガイド板82’の装置70’内への押し込み動作を禁止する対策が施されているが、この対策を従動側用紙ガイド板81’により実施例1とは異なる形状で行っており、以下、従動側用紙ガイド板81’について図13図16を用いて説明する。
【0169】
図13図12に示した従動側用紙ガイド板81’(82’,83’)を斜視的に示している。また、図14は従動側用紙ガイド板81’の第1分割用紙ガイド板82’を斜視的に示している。また、図15は従動側用紙ガイド板81’の第2分割用紙ガイド板83’を斜視的に示している。更に、図16は第1分割用紙ガイド板82’の下流側の翼部82e2と第2分割用紙ガイド板83’の下流側の外側面兼用押し込み禁止部83d’とがオーバーラップした状態を模式的に平面図で示している。
【0170】
図13及び図14に示す如く、駆動側用紙ガイド板71上で装置70’(図1図12)のフロント側に設置される従動側用紙ガイド板81’の第1分割用紙ガイド板82’は、実施例1と同様に、上流側及び下流側の各外側面82c,82dが分割線BLよりもリア側に向かって延出されているので、各外側面82c,82dは用紙幅方向に沿って長尺に形成されている。
【0171】
また、第1分割用紙ガイド板82’の各外側面82c,82dの内側には、実施例1と同様に、分割線BLよりもリア側で且つ各外側面82c,82dからそれぞれ内側に向かって用紙搬送方向に細い幅W1で各外側面82c,82dと平行に奥深く肉抜きすることで矩形状凹部82eが大面積を有して形成されている。
【0172】
そして、第1分割用紙ガイド板82’が装置70’内に収納されているときに、上記した矩形状凹部82e内にリア側の第2分割用紙ガイド板83’が位置するようになっているが、実施例1とは異なって第2分割用紙ガイド板83’の下流側に形成した後述の外側面兼用押し込み禁止部83d’(図15)側が矩形状凹部82e内からはみ出している。
【0173】
上記ように第1分割用紙ガイド板82’の矩形状凹部82eを形成したときに、第1分割用紙ガイド板82’の各外側面82c,82dの内側に2本の翼部82e1,82e2がそれぞれ細い幅W1を有して上流側と下流側との間で互い間隔を離して対向し、且つ、リア側に向かって長尺に形成されている。
【0174】
また、第1分割用紙ガイド板82’の矩形状凹部82eに沿って形成した上流側及び下流側の各翼部82e1,82e2の内側面間の幅寸法W2は、実施例1と同寸法に設定されているが、実施例1とは異なって後述する第2分割用紙ガイド板83’の上流側の外側面83cと下流側の外側面兼用押し込み禁止部83d’との間の幅寸法W5(図15)よりも僅かに幅狭く設定されている。
【0175】
この際、実施例2の第1分割用紙ガイド板82’では、実施例1の第1分割用紙ガイド板82の下流側の押し込み禁止部82e3(図5)が形成されてなく、押し込み禁止機能を後述する第2分割用紙ガイド板83’の下流側の外側面兼用押し込み禁止部83d’(図15)に持たせている。
【0176】
また、駆動側用紙ガイド板71の上面71a(図3)を高さ基準としたときに、第1分割用紙ガイド板82’の矩形状凹部82eに沿って形成した下流側の翼部82e2の高さH2は、実施例1と同様に、駆動側用紙ガイド板71(図3)の下流側の湾曲形状によって上流側の翼部82e1の高さH1及び第2分割用紙ガイド板83’の上流側の外側面83cの高さH1(図15)よりも高く形成されている。
【0177】
一方、図13及び図15に示す如く、駆動側用紙ガイド板71上で装置70’(図1図12)内のリア側に設置される従動側用紙ガイド板81’の第2分割用紙ガイド板83’は、下流側の外側面側を用紙搬送方向に沿って実施例1の第2分割用紙ガイド板83(図6)よりも僅かな幅だけ延出させて、延出させた部位を外側面兼用押し込み禁止部83d’として形成している。
【0178】
これにより、第2分割用紙ガイド板83’の上流側の外側面83cと、下流側の外側面兼用押し込み禁止部83d’との間の幅寸法W5は、実施例1における第2分割用紙ガイド板83の上流側及び下流側の各外側面82c,82d間の幅寸法W3(図6)よりも幅広く設定されていると共に、実施例2における第1分割用紙ガイド板82’の上流側及び下流側の各外側面82c,82d間の幅寸法W2(図14)よりも幅広く設定されている。
【0179】
また、第2分割用紙ガイド板83’の下流側の外側面兼用押し込み禁止部83d’の高さH5は、第1分割用紙ガイド板82’の下流側の翼部82e2の下方にもぐり込める値に設定されている。
【0180】
上記のように、従動側用紙ガイド板81’の第1,第2分割用紙ガイド板82’,83’を構成した場合、図16に平面的に示すように、第1分割用紙ガイド板82’が装置70’内に収納されているときに、第1分割用紙ガイド板82’の下流側の翼部82e2と、第2分割用紙ガイド板83’の下流側の外側面兼用押し込み禁止部83d’側とが重力方向においてオーバーラップして重なりあっているが、第2分割用紙ガイド板83’は第1分割用紙ガイド板82’の下流側の翼部82e2の下方に収納されているので、第1分割用紙ガイド板82’の引き出し動作及び押し込み動作に対して何等の支障もきたさない。
【0181】
また、上記のように構成した実施例2の用紙搬送装置70’でも、実施例1と同様に、ジャム用紙JP(図9図10)を装置70’内から取り出す場合に、ユーザは従動側用紙ガイド板81’の第1分割用紙ガイド板82’を人手により引き出しているが、ユーザは必要に応じて回動自在な第2分割用紙ガイド板83’を人手により駆動側用紙ガイド板71及びジャム用紙JPから離れる上方向に回動させて開くことで、第2分割用紙ガイド板83’側に残っているジャム用紙JPをより一層確実に取り出すことができる。
【0182】
この場合、第1分割用紙ガイド板82’が装置70’のフロント側に引き出され、且つ、第2分割用紙ガイド板83’が開いている状態で、装置70’のフロント側に引き出された第1分割用紙ガイド板82’をユーザが誤って装置70’内に押し込んでしまったり、あるいは、ユーザが故意に装置70’内に押し込んでしまうと、第2分割用紙ガイド板83’が駆動側用紙ガイド板71上の正規な位置に収納できず、次回に搬送される用紙Pを搬送できなかったり、再び用紙ジャムが発生する。
【0183】
そこで、この実施例2でも、第2分割用紙ガイド板83’が開いている状態で、第1分割用紙ガイド板82’の装置70’内への押し込み動作を禁止する対策を施しており、これについて図17を用いて説明する。
【0184】
図17(a),(b)は、第1分割用紙ガイド板82’がフロント側に引き出され、且つ、第2分割用紙ガイド板83’が駆動側用紙ガイド板71’から離れる上方向に回動して開いているときに、第1分割用紙ガイド板82’の装置70’内への押し込みを禁止する動作を模式的に示している。
【0185】
図17(a),(b)に示す如く、ユーザの一方の手で従動側用紙ガイド板81’の第1分割用紙ガイド板82’がフロント側に引き出されているときに、ユーザの他方の手で従動側用紙ガイド板81’の第2分割用紙ガイド板83’の前側面83e側を持ち上げると、第2分割用紙ガイド板83’が一対の回動軸86(片側のみ図示)を中心にして駆動側用紙ガイド板71から離れる上方向に回動し、ユーザの他方の手により第2分割用紙ガイド板83’の回動状態が維持されている。
【0186】
このときに、ユーザの不注意又は故意により、ユーザが従動側用紙ガイド板81’の第1分割用紙ガイド板82’を引き出し方向とは反対方向に押し込むと、第1分割用紙ガイド板82’の上流側及び下流側の各外側面82c,82d側が一対の引き出し用ガイド板75,76に沿いながらリア側に向かって移動する。
【0187】
この第1分割用紙ガイド板82’の押し込み動作に伴って、第1分割用紙ガイド板82’の上流側及び下流側の各翼部82e1,82e2のうちで下流側の翼部82e2が第2分割用紙ガイド板83’の下流側の外側面兼用押し込み禁止部83d’側に衝突する。
【0188】
この結果、第2分割用紙ガイド板83’の下流側に形成した外側面兼用押し込み禁止部83d’の作用により、第1分割用紙ガイド板82’の装置70’内への押し込み動作を禁止することができると共に、第2分割用紙ガイド板83’を装置70’内に収納できないことをユーザに知らせることができる。
【0189】
従って、第2分割用紙ガイド板83’が開いたままの状態で第1分割用紙ガイド板82’が装置70内の正規の位置に押し込まれたときに、第2分割用紙ガイド板83’が第1分割用紙ガイド板82’上に重なり合って搭載される異常な状態が発生せず、装置70’への安全性及び信頼性を高めることができる。
【0190】
以上詳述したように、本発明に係る用紙搬送装置70(又は70’)では、用紙搬送路に沿って互いに対向して一対の用紙搬送ガイド板71,81(又は71,81’)を設置した際、一対の用紙搬送ガイド板71,81(又は71,81’)のうち一方の用紙搬送ガイド板81(又は81’)は、第1分割用紙ガイド板82(又は82’)と、第2分割用紙ガイド板83(又は83’)とに分割可能に構成されている。
【0191】
この際、第1分割用紙ガイド板82(又は82’)が用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に向かって引き出し自在に設けられ、第2分割用紙ガイド板83(又は83’)は、第1分割用紙ガイド板82(又は82’)を引き出した状態のときに、第1分割用紙ガイド板82(又は82’)の引き出し方向とは反対側の後端で用紙搬送方向と平行に設けられた回動軸86を中心にして他方の用紙搬送ガイド板71から離れる方向に回動可能に設けられている。
【0192】
更に、第2分割用紙ガイド板83(又は83’)が他方の用紙搬送用紙ガイド板71から離れる方向に回動した状態のまま第1分割用紙ガイド板82(又は82’)を押し込んだ場合に、第1分割用紙ガイド板82(又は82’)の押し込み動作を禁止させるような押し込み禁止部82e3(又は83d’)を、第1分割用紙ガイド板82又は第2分割用紙ガイド板83’の少なくともいずれか一方に設け、押し込み禁止部82e3(又は83d’)は、第2分割用紙ガイド板83(又は83’)が他方の用紙搬送ガイド板71から離れる方向に回動していない状態のときに第1分割用紙ガイド板82(又は82’)を押し込んだ場合、第1分割用紙ガイド板82及び第2分割用紙ガイド板82の少なくとも一部が重力方向においてオーバーラップしている。
【符号の説明】
【0193】
1…インクジェット印刷装置、
70,70’…実施例1,2の用紙搬送装置、
71…駆動側用紙搬送ガイド板(駆動側用紙ガイド板)、
75,76…一対の引き出し用ガイド板、75b,76b…傾斜ガイド溝、
81,81’…実施例1,2の従動側用紙搬送ガイド板(従動側用紙ガイド板)、
82,82’…実施例1,2の第1分割用紙ガイド板、
82a…上面、82b…下面、82c…上流側の外側面、82d…下流側の外側面、
82e…矩形状凹部、82e1…上流側の翼部、82e2…下流側の翼部、
82e3…下流側の押し込み禁止部、82e4…内側後面、82e5…押圧ピン、
82h…前側面、82i…取っ手、
83,83’…実施例1,2の第2分割用紙ガイド板、
83a…上面、83b…下面、83c…上流側の外側面、83d…下流側の外側面、
83d’…下流側の外側面兼用押し込み禁止部、83e…前側面、83e1…凹部、
84…小径ピン、85…大径ドピン、86…回動軸、90…ロック機構部、
KR…給紙用搬送路、JR…循環用搬送路、JR1…印刷用搬送路、
JR2…第1縦搬送路、JR3…水平搬送路、JR4…スイッチバック搬送路、
JR5…第2縦搬送路、HR…排紙用搬送路、
P…用紙、Pa…一方の面(下面)、Pb…他方の面(上面)、Pc…左側端部、
Pd…右側端部、JP…ジャム用紙、JP−S…最小サイズのジャム用紙、
JP−L…最大サイズのジャム用紙、IK…インク、
R…用紙搬送ローラ対、R1…駆動ローラ、R2…従動ローラ、SA…第2ローラ軸、
S…用紙センサ、KU…空間、BL…分割線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17