(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の先端揃え装置を組み込んだ電線分離ユニットについて
図1〜
図9を参照して説明する。本発明の電線分離ユニット1は、束ねられた複数の電線21を1本ずつ分離すると共に分離した複数の電線21の先端を揃える装置である。このような複数の電線21から構成される電線として、
図1(A)に示すシールド線2が一例として挙げられる。本実施形態では、シールド線を一例として説明するが、これに限らずツイスト電線やキャプタイヤケーブルなどであってもよい。
【0019】
図1(A)に示すように、シールド線2は、所謂被覆電線から成る複数の電線21を束ね、一括して周知の金属箔シールドにより覆い、さらにその外側を絶縁性のシース22で覆って構成している。複数の電線21は、例えば信号線やグランド線からなり、
図1(B)に示すように、その端末に端子23を接続したり、図示しない防水栓を挿入するなどの端末処理を施す場合がある。本実施形態の電線分離ユニット1は、端末処理を施すために、先端を揃えた状態で束ねられた複数の電線21を1本ずつ分離する装置である。
【0020】
電線分離ユニット1は、電線分離装置3と、先端揃え装置4と、を備えている。電線分離装置3は、後述する先端揃え装置4の整列ブロック42(=第1の整列ブロック)に設けた複数の溝42aに複数の電線21をそれぞれ挿入する装置である。先端揃え装置4は、複数の溝42aに挿入された複数の電線21の先端を揃える装置である。
【0021】
まず、電線分離装置3について説明する前に上記整列ブロック42について簡単に説明する。整列ブロック42には、その一面に、複数の電線21をそれぞれ挿入するための複数の溝42aが設けられている。複数の溝42aは、電線21の長手方向Y1に沿って直線状に延在し、互いに平行に並べて設けられている。この整列ブロック42については後に詳細に説明する。
【0022】
次に、電線分離装置3について説明する。
図2及び
図3に示すように、電線分離装置3は、一対の整列ブロック31A、31B(=第2の整列ブロック)と、寄せ集めブロック32(=押出ブロック)と、ストッパ33と、を備えている。
【0023】
一対の整列ブロック31A、31Bは、それぞれ板状に形成され、上記溝42aの並び方向(以下、溝並び方向Y2=対向方向)に対向して配置されると共に、隙間S1を空けて配置されている。一対の整列ブロック31A、31Bの隙間S1は、複数の電線21のうち1本分の直径よりも大きく、2本分の直径を合わせた長さよりも小さくなるように調整される。そして、
図2及び
図3などに示すように、この一対の整列ブロック31A、31B間に、シールド線2を構成する複数の電線21が一列に並べられた状態で挿入される。本実施形態では、複数の電線21の先端を、
図2(A)及び
図3の紙面裏側に向けて一対の整列ブロック31A、31B間に挿入されている。
【0024】
寄せ集めブロック32は、板状に形成され、一対の整列ブロック31A、31B間に電線21の並び方向(以下電線並び方向Y3)に沿ってスライド自在に挿入される。寄せ集めブロック32は、
図2及び
図3などに示すように、電線並び方向Y3において整列ブロック42から離れた側から一対の整列ブロック31A、31B間に挿入される。
【0025】
この寄せ集めブロック32を電線並び方向Y3において整列ブロック42側に向かってスライドさせると、複数電線21を押して整列ブロック42側に寄せ集める。これにより、整列ブロック42側の電線21を一対の整列ブロック31A、31B間外に押し出す。この押し出された電線21が整列ブロック42の溝42a内に挿入される。
【0026】
なお、寄せ集めブロック32は、図示しない空気駆動ポンプやモータなどの駆動源に接続され、この駆動源からの駆動力によりスライドされる。
【0027】
このストッパ33は、板状に形成され、
図2(B)及び(C)に示すように、後述する整列ブロック42よりも電線21の長手方向Y1の外側に位置付けられている。本実施形態のストッパ33は、整列ブロック31Bに固定されている。詳しく説明すると、ストッパ33は、整列ブロック31Bにおいて電線並び方向Y3の整列ブロック42側の端部に固定されていて、一対の整列ブロック31A、31Bの隙間S1に対向するように配置される。
【0028】
また、ストッパ33は、整列ブロック31Aとは電線並び方向Y3に隙間S2を空けて配置されている。上記整列ブロック31Aとストッパ33との隙間S2は、複数の電線21のうち1本分の直径よりも大きく、2本分の直径を合わせた長さよりも小さくなるように調整される。
【0029】
これにより、ストッパ33は、寄せ集めブロック32により複数の電線21が寄せ集められた際に、電線並び方向Y3において整列ブロック42側の電線21と当接して、当接した電線21以外の他の電線21を整列ブロック42に設けた溝42a内に挿入させないように規制する。上述した整列ブロック42を溝並び方向Y2に沿ってスライドさせると、溝42a内に挿入された電線21は、ストッパ33と整列ブロック31Aとの隙間S2を通る。
【0030】
次に、先端揃え装置4について説明する。先端揃え装置4は、
図2などに示すように、複数の電線21の先端から離れた部分をまとめて所定位置に固定する電線固定部41(
図4)と、電線固定部41よりも先端側の複数の電線21がそれぞれ挿入される複数の溝42aが設けられた整列ブロック42と、複数の電線21を押して複数の電線21をそれぞれ複数の溝42aの底部まで押し込む押込ブロック43と、を備えている。
【0031】
また、先端揃え装置4は、溝42aに挿入された複数の電線21の先端に突き当てられる先端突き当て板44を備えている。また、先端揃え装置4は、押込ブロック43との間に複数の電線21を挟んだ状態で溝42aの外に押し出して、複数の押込ブロック43との間に複数の電線21を一列に並べた状態で挟んで保持させる保持プレート(=保持ブロック)45と、保持プレート45により溝42aの外に押し出された電線21を保持する保持ブロック46と、を備えている。
【0032】
上記電線固定部41は、
図4などに示すように、例えば4つの固定治具41aから構成され、この4つの固定治具41aにより複数電線21の溝並び方向Y2両側及び電線並び方向Y3両側を挟んで固定している。
【0033】
この4つの固定治具41aは、複数の電線21を挟んで固定する固定位置と、電線21の固定を解除する解除位置と、の間で移動可能に設けられている。本実施形態では固定治具41aは、4つ設けられているが、これに限らず、例えば、2つの固定治具41a間に挟んで固定するようにしてもよい。
【0034】
また、本実施形態においては、電線固定部41は、電線21を整列ブロック42の溝42a内に挿入する分離位置P1(
図3(B))と、整列ブロック42の溝42aに挿入された電線21を押して底部まで押し込む押込位置P2(
図3(C)、
図9(A))、電線21を保持ブロック46に保持させる保持位置P3(
図9(B))と、の間で移動可能に設けられている。
【0035】
上記整列ブロック42は、
図3(B)に示す分離開始位置と、
図2(C)に示す押込位置と、の間で溝並び方向Y2に沿って移動自在に設けられている。分離開始位置とは、
図3(B)に示すように、複数の溝42aのうち溝並び方向Y2の一端側(図面左側)の溝42aに整列ブロック31A、31B間から押し出された電線21を挿入できる位置である。また、押込位置とは、
図3(C)に示すように、複数の溝42aが複数の押込ブロック43と電線並び方向Y3に沿って並ぶ位置である。
【0036】
整列ブロック42を分離開始位置から押込位置に向かって移動させると、一対の整列ブロック31A、31B間から1本ずつ押し出された電線21が溝並び方向Y2の一端側(図面左側)の溝42aから順に挿入される。
【0037】
上記整列ブロック42は、溝42aが設けられたブロック本体42bと、溝42aの底部側に設けられたベース42cと、を備えている。ブロック本体42bに設けられた溝42aは、
図4及び
図5に示すように、押込位置P2にある電線固定部41との距離が近いものほど深くなるように設けられている。本実施形態では、電線固定部41の押込位置P2は、複数の溝42aの溝並び方向Y2中央にあるため、溝42aは中央に向かうほど深く設けられている。
【0038】
また、ブロック本体42bには、
図4(A)及び
図4(C)などに示すように、後述する押込ブロック43を挿入するための複数の挿入溝42dが設けられている。複数の挿入溝42dは、溝並び方向Y2に沿って設けられ、ブロック本体42bを貫通するように設けられている。また、複数の挿入溝42dは、長手方向Y1に沿って並べて設けられている。ベース42cには、
図4(D)に示すように、複数の挿入溝42dの一方に貫通する貫通孔42eが設けられている。この貫通孔42eを通って挿入溝42d内に後述する保持プレート45が挿入される。
【0039】
押込ブロック43は、
図3などに示すように、溝42a毎に複数ずつ設けられている。押込ブロック43は長尺状の平板に設けられ、対応する溝42aの深さが深いほど電線並び方向Y3の長さが長くなるように設けられている。各溝42aに対応する複数の押込ブロック43は、
図4(B)に示すように、溝並び方向Y2に沿って並べて設けられ、1つの溝42aに対応する複数の押込ブロック43は、
図4(C)に示すように、長手方向Y1に沿って並べて設けられている。
【0040】
本実施形態においては、例えば、1つの溝42aに対応する押込ブロック43は、
図4(C)に示すように、ブロック本体42bの長手方向Y1の両側にある2つと、ブロック本体42bに設けた挿入溝42dに挿入される2つと、の計4つ設けられている。押込ブロック43は、電線並び方向Y3に移動自在に設けられ、
図5に示すように、電線並び方向Y3の整列ブロック42側に移動すると、電線21を押して溝42aの底部まで押し出す。
【0041】
先端突き当て板44は、
図6に示すように、電線21の長手方向Y1に垂直に設けられ、整列ブロック42から離れた待機位置と、整列ブロック42に近づいて電線21の先端に突き当たる突き当て位置と、の間で、長手方向Y1に沿って移動自在に設けられている。
【0042】
保持プレート45は、
図7及び
図8に示すように、平板状に設けられて、電線21の長手方向Y1に垂直に配置され、電線並び方向Y3に沿って移動自在に設けられている。本実施形態では、例えば、保持プレート45は、長手方向Y1に沿って2つ並べて設けられている。2つの保持プレート45のうち1つは、整列ブロック42よりも電線21の長手方向Y1の先端から離れた側に設けた押込ブロック43と電線並び方向Y3に沿って並ぶように設けられている。残りの1つは、貫通孔42eとつながる挿入溝42d内に挿入される押込ブロック43と電線並び方向Y3に沿って並ぶように設けられている。
【0043】
保持ブロック46は、
図2などに示すように、整列ブロック42よりも電線21の先端側に配置されると共に、保持プレート45側に配置されている。保持ブロック46は、電線21を挟んで保持する複数対の保持爪46aと、この保持爪46aを支持する支持台46bと、から構成されている。複数対の保持爪46aは、溝並び方向Y2に沿って並んで設けられている。保持ブロック46は、
図9に示すように、押込ブロック43及び保持プレート45と電線並び方向Y3に沿って並んで設けられている。溝42a同士の間隔を狭くするために、隣り合う一対の保持爪46a同士が、一部重なるように長手方向Y1の位置をずらして支持台46bに支持される。
【0044】
次に、上述した構成の電線分離ユニット1の動作について説明する。まず、作業員は、
図1(A)に示すように、シールド線2の端末のシース22を除去して、複数の電線21の端末を露出させる。
【0045】
図3(A)に示すように、一対の整列ブロック31A、31B間を互いに離して、一対の整列ブロック31A、31B間に複数の電線21を一列に並べる。その後、分離位置P1にある電線固定部41に電線21を固定させる(電線固定工程)。次に、図示しない駆動源により
図3(B)に示すように整列ブロック42を分離開始位置に位置付ける。
【0046】
次に、図示しない駆動源により一対の整列ブロック31A、31B間に挿入させた寄せ集めブロック32をスライドさせる。そうすると、寄せ集めブロック32により複数の電線21が押されて電線並び方向Y3の整列ブロック42側に寄せ集められ、一対の整列ブロック31A、31B間外に押し出される。押し出された電線21は、
図3(B)に示すように、ストッパ33に当接して、図中最も左側の溝42a内にストッパ33に当接された電線21のみが挿入される。
【0047】
次に、図示しない駆動源により整列ブロック42が、分離開始位置から押込位置に向かってスライドされると、図中最も左側の溝42a内に挿入された電線21を整列ブロック31A、31B間に挿入された他の電線21と分離できる。そして、左から2番目の溝42aが隙間S1と対向する位置まで整列ブロック42が移動すると、再び1本の電線21が一対の整列ブロック31A、31B間外に押し出され、その溝42a内に挿入される。こうして、左側の溝42aから順番に電線21が挿入される(挿入工程)。
【0048】
なお、電線固定部41は、整列ブロック42のスライドと同時に図示しない駆動源により分離位置P1から押込位置P2に向かってスライドされる。そして、整列ブロック42が押込位置までスライドされると、電線固定部41も押込位置P2までスライドされる。
【0049】
上記電線分離装置3により、複数の電線21は、
図4(B)及び(C)に示すように、溝42aの開口付近に挿入され、溝42aの底部までは挿入されないため、
図4(A)に示すようにその先端は揃っていない。詳しく説明すると、電線固定部41に近い溝42aに挿入された電線21ほど先端が整列ブロック42から突出している。
【0050】
次に、整列ブロック42が、
図4に示すように、押込位置まで移動すると、図示しない駆動源により、
図5に示すように、押込ブロック43を整列ブロック42に近づける。すると、押込ブロック43が電線21を押して、電線21が溝42aの底部まで押し込まれる(押込工程)。上述したように溝42aは押込位置P2にある電線固定部41との距離が近いほど深く設けられているため、複数の電線21の先端は同一平面上にほぼ揃う。
【0051】
次に、
図6に示すように、先端突き当て板44を待機位置から突き当て位置に移動させて、電線21の先端に先端突き当て板44を突き当てる。これにより、複数の電線21の先端をより一層同一平面上に揃えることができる。
【0052】
次に、
図7に示すように整列ブロック42から離れた側にある保持プレート45を、
図8に示すように、整列ブロック42に向けて移動させて、押込ブロック43との間に複数の電線21を挟んだ状態でそれぞれ溝42aの外に押し出す。このとき、
図8(C)に示すように、シールド線2の先端側の保持プレート45は、整列ブロック42の貫通孔42eを通って挿入溝42d内に挿入され、電線21を押し出す。これにより、押込ブロック43も押し上げられ、押込ブロック43と保持プレート45との間に電線21が溝並び方向Y2に一列に沿った状態で保持される。
【0053】
次に、
図9に示すように、整列ブロック42を押込位置から分離開始位置に向かって溝並び方向Y2に沿ってスライドさせる。その後、押込ブロック43及び保持プレート45を保持ブロック46に向けて電線並び方向Y3に沿って移動させる。これにより、押込ブロック43及び保持プレート45間に挟まれた複数の電線21が複数対の保持爪46a間にそれぞれ挿入されて、保持される。保持ブロック46は、端末処理が行える別の施設に搬送される。
【0054】
なお、本実施形態では、これらの工程を連続して行いサイクルタイムの短縮を行うために、
図3(C)に示すように、整列ブロック42を押込位置に移動した後、
図9(B)に示すように、整列ブロック42が分離開始位置に戻ってくるまでの間に一対の整列ブロック31A、31B間に複数の電線21を一列に並べておく。そして、整列ブロック42が分離開始位置に戻ってきたら再び一対の整列ブロック31A、31B間に並べられた複数の電線21を整列ブロック42の溝42a内に挿入させて、上記工程を繰り返す。
【0055】
上述した実施形態によれば、整列ブロック42に設けられた複数の溝42aは、互いに平行に設けられると共に、電線固定部41との距離が近いものほど深くなるように設けられている。この複数の溝42aの底部まで複数の電線21を押し込むことにより、複数の電線21の先端を同一平面上に揃えることができる。このため、搬送構造の小型化及び簡素化を図ってサイクルタイムを削減できる。
【0056】
また、上述した実施形態によれば、先端突き当て板44が複数の電線21の先端を突き当てることにより、より一層、複数の電線21の先端を同一平面上に揃えることができる。
【0057】
また、上述した実施形態によれば、保持プレート45と押込ブロック43との間に電線21を挟んだ状態で溝42aの外に押し出すと、保持プレート45と押込ブロック43との間に複数の電線21を一列に並べた状態で挟んで保持できる。このため、複数の電線21の先端を一直線上に揃えた状態で溝42aの外に出すことができ、より一層、搬送構造の小型化及び簡素化を図ってサイクルタイムを削減できる。
【0058】
また、上述した実施形態によれば、溝並び方向Y2に沿って並べられた複数対の保持爪46aにより複数の電線21をそれぞれ保持することにより、より一層、搬送構造の小型化及び簡素化を図ってサイクルタイムを削減できる。
【0059】
また、上述した実施形態によれば、駆動源を用いて寄せ集めブロック31や整列ブロック42をスライドさせることにより、自動で複数の電線21をそれぞれ分離して、複数の溝42a内に挿入できる。
【0060】
なお、上述した実施形態によれば、
図9に示すように、保持プレート45及び押込ブロック43を保持プレート45側に配置された保持ブロック46に保持させていたが、これに限ったものではない。例えば、
図10に示すように、保持プレート45及び押込ブロック43を押込ブロック43側に配置された保持ブロック46に保持させるようにしてもよい。
【0061】
また、上述した実施形態によれば、溝42aの底部に押し込まれた電線21を押込ブロック43と保持プレート45との間に挟んで保持して、溝42a外に押し出して一列に並べていたが、これに限ったものではない。例えば、押込ブロック43と保持プレート45の代わりに、
図11及び
図12に示すように、電線チャック47(=保持ブロック)と電線押え48(=押込ブロック)とを用いてもよい。
【0062】
同図に示すように、電線チャック47は、溝42aの底部に押し込まれた電線21を挟んで保持する一対のチャック部47aと、一対のチャック部47aを支持する支持部47bと、を備えている。一対のチャック部47aは、溝並び方向Y2に離間している。支持部47bは、この一対のチャック部47aを溝並び方向Y2に接離自在に支持している。電線押え48は、溝並び方向Y2の両端が一対のチャック部47aにそれぞれ支持されている。各電線チャック47は、押込ブロック43と同様に電線並び方向Y3にスライド自在に設けられている。
【0063】
次に、
図11及び
図12に示す構成の電線分離ユニット1の動作について説明する。電線21を整列ブロック42の溝42aの開口付近に挿入するまでは上述した実施形態と同様であるため省略する。
図11(A)に示すように、電線21が溝42aの開口付近に挿入されているときは、一対のチャック部47aは離れていて、互いの間に電線21を挿入できるようになっている。
【0064】
次に、
図11(B)に示すように、図示しない駆動源により、各電線チャック47を整列ブロック42に近づける。すると、一対のチャック部47a間に電線21が挿入され、電線押え48が電線21を押して、電線21が溝42aの底部まで押し込まれる。次に、
図11(C)に示すように、図示しない駆動源により、一対のチャック部47aを互いに近づけて電線21を挟んで保持する。
【0065】
次に、
図12(A)に示すように、図示しない駆動源により、各電線チャック47を整列ブロック42から離して、電線21を溝42aの外に出す。このとき、各電線チャック47は、複数の電線21を溝並び方向Y2に沿って一列に並べた状態で保持する。次に、上述した実施形態と同様に、
図12(B)に示すように、整列ブロック42を押込位置から分離開始位置に向かって溝並び方向Y2に沿ってスライドさせる。その後、各電線チャック47を保持ブロック46に向けて電線並び方向Y3に沿って移動させる。これにより、電線チャック47により保持された複数の電線21が複数対の保持爪46a間にそれぞれ挿入されて、保持される。
【0066】
また、上述した実施形態によれば、押込ブロック43を溝42a毎に別体に形成していたが、これに限ったものではない。溝42a毎に対応する押込ブロック43を一体に形成してもよい。
【0067】
また、上述した実施形態によれば、複数の溝42aは、中央が一番深く、両端に近づくに従って浅くなるように設けられていたが、これに限ったものではない。溝42aの深さは、電線固定部41との位置関係で決まるものであり、例えば、電線固定部41が溝並び方向Y2一方側の溝42aに近い位置に設けられていれば、溝並び方向Y2一方側の溝42aが一番深く、他方側に向かうに従って浅くなるように設けられる。
【0068】
また、上述した実施形態によれば、先端突き当て板44により電線21の先端を突き当てていたが、先端突き当て板44は必須ではない。必要がなければなくてもよい。
【0069】
また、上述した実施形態によれば、保持プレート45を設けて電線21を溝42a外から押し出した後、保持ブロック46に保持させて、別の施設に搬送していたが、これに限ったものではない。例えば、電線21を整列ブロック42から押し出さずに、電線21を保持したままの整列ブロック42を搬送するようにしてもよい。
【0070】
また、上述した実施形態によれば、保持プレート45と押込ブロック43との間に挟まれた電線21を、保持ブロック46に保持させて、別の施設に搬送していたが、これに限ったものではない。例えば、電線21を保持プレート45と押込ブロック43との間に挟んだ状態で、別の施設に搬送するようにしてもよい。
【0071】
また、上述した実施形態によれば、電線分離装置3を用いて自動で整列ブロック42の溝42a内に電線21を挿入していたが、これに限ったものではない。例えば、手作業で整列ブロック42の溝42a内に電線21を挿入してもよい。
【0072】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。