特許第6446285号(P6446285)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6446285マルチベンダサーバ機器のリモートログ収集システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6446285
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】マルチベンダサーバ機器のリモートログ収集システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/34 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
   G06F11/34 176
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-27430(P2015-27430)
(22)【出願日】2015年2月16日
(65)【公開番号】特開2016-151796(P2016-151796A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2018年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】特許業務法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 清司
(72)【発明者】
【氏名】川島 貴広
(72)【発明者】
【氏名】嘉田 博仁
(72)【発明者】
【氏名】幡野 利文
【審査官】 三坂 敏夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−328526(JP,A)
【文献】 特開2014−078126(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/190663(WO,A1)
【文献】 特開平10−228433(JP,A)
【文献】 特開2013−045313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/07
11/28−11/34
11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ログ採取要求側装置からログ採取要求を含むオーダーを受けて、指定カタログ(カタログ名)に対応したログをマルチベンダサーバ機器群から収集・アーカイブして、ログ採取要求側装置に返信するシステムにおいて、
前記マルチベンダサーバ機器に依存しないログ収集エージェントをログ収集対象機器にインストールし、
前記ログ収集エージェントは、
前記ログ採取要求側装置からのログ収集要求を受信するログ収集要求受信手段と、
前記ログ収集要求を受信したとき、ログ採取コマンドを実行するコマンド実行手段と、
前記ログ採取コマンドを受けたとき、記憶装置に記録されたカタログ毎のカタログファイルおよびコレクタ設定ファイルを読み込むファイル読込手段と、
前記カタログファイルおよび前記コレクタ設定ファイルの内容に基づき前記マルチベンダサーバ機器群からログ収集を実行するログ収集手段と、
前記カタログ毎のログ収集結果およびカタログのバージョン情報を実行ログとして生成し出力する手段と、
前記実行ログを受信し、当該実行ログをアーカイブして圧縮し、前記ログ採取要求側装置に返信する手段と、
を設けたことを特徴とするマルチベンダサーバ機器のリモートログ収集システム。
【請求項2】
請求項1に記載されたマルチベンダサーバ機器のリモートログ収集システムにおいて、
更に、前記ログ収求を認証する手段と、
前記ログ収集要求が認証されたとき、前記ログを収集する機能を起動する手段と、
を含む、ことを特徴とするマルチベンダサーバ機器のリモートログ収集システム。
【請求項3】
請求項1に記載されたマルチベンダサーバ機器のリモートログ収集システムにおいて、
前記オーダーは、通報ログ収集オーダー、着信ログ収集オーダーを含み、
前記カタログファルは、カタログ名、定義内容を含み、
前記コレクタ設定ファイルは、カタログ単位の許可/禁止フラグを含み、
前記ログ収集結果は、成功、失敗、禁止、を含み、
前記ログ収集手段は、前記オーダーが、前記通報ログ収集オーダー、又は前記着信ログ収集オーダーの場合は、全カタログ分のログを収集する
ことを特徴とするマルチベンダサーバ機器のリモートログ収集システム。
【請求項4】
ログ採取要求側装置からログ採取要求を含むオーダーを受けて、指定カタログ(カタログ名)に対応したログをマルチベンダサーバ機器群から収集・アーカイブして、ログ採取要求側装置に返信するシステムにおけるマルチベンダサーバ機器のリモートログ収集方法において、
前記マルチベンダサーバ機器に依存しないログ収集エージェントをログ収集対象機器にインストールし、
前記ログ収集エージェントは、
前記ログ採取要求側装置からのログ収集要求を受信し、
前記ログ収集要求を受信したとき、ログ採取コマンドを実行し、
前記ログ採取コマンドを受けたとき、記憶装置に記録されたカタログ毎のカタログファイルおよびコレクタ設定ファイルを読み込み、
前記カタログファイルおよび前記コレクタ設定ファイルの内容に基づき前記マルチベンダサーバ機器群からログ収集を実行し、
前記カタログ毎のログ収集結果およびカタログのバージョン情報を実行ログとして生成し出力し、
前記実行ログを受信し、当該実行ログをアーカイブして圧縮し、前記ログ採取要求側装置に返信する、
ことを特徴とするマルチベンダサーバ機器のリモートログ収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマルチベンダサーバ機器のリモートログ収集システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバなどのハードウェアの障害受付から解析、診断、復旧まで、ハードウェア機器の保守に関するサービスを提供するハードウェア保守統括サービスシステムとして、ASSISTセンタ(自動解析システム)と通報装置とを備え、サーバ機器などのハードウェアのログを収集して、ハードウェアの障害を監視し、例えば、OSライブを監視し、ハードウェア機器の保守を可能とする遠隔保守支援サービスシステムが提案されている。
【0003】
ここで、ASSIST(Advanced Service Support Information System Technology:障害自動通報)とは、ASSISTセンタから通報装置を介して遠隔(リモート)でサーバ機器などのログを収集する本出願人により開発された技術であり、他社のマルチベンダサーバ機器にインストールされたログ収集エージェントをもって、例えば、通報装置からの「オーダー」、つまりログ収集の実行指示(ログ採取要求)を受け、通報装置からのセッションを一度切断し、ログ収集エージェントに予め登録されているログ採取処理を実行し、通報装置に転送(Push方式)するものである。
係るPush方式によれば、マルチベンダ環境においても共通インターフェースでログ収集を実現することができる利点がある。
しかし、リモートで対象サーバのログを収集する場合、他社製の対象サーバベンダのログ収集機能及びツール等を使用する必要がある。また、機器によっては、ログ収集機能がない(公開されていない)場合もある。したがって、従来は、ベンダ毎に個別に対応する必要があった。このため、マルチベンダサーバ機器のログ収集機能の標準化が困難であった。
【0004】
すなわち、リモートでマルチベンダ機器のログデータ採取を、本出願人が開発した上述ASSISTで実現しよとすると、リモートセンタからマルチベンダ機器を直接リモート操作でログ採取するのではなく、システム側で自動的にログを採取する必要がある。そして、ログ採取に各ベンダ製のログ採取機能やツールを使用可能とするためには、例えば、対象機器(マルチベンダサーバ機器や仮想化されたサーバ)の通報装置への専用インターフェースを追加するなど、新規に開発する必要があった。すなわち、対象機器ごとのインターフェースを用意する必要があり、システム側が複雑となる課題があった。また、ログ収集機能がない機器は、個別に開発する必要があった。更に、導入時の作業手順もベンダ毎に異なるため、作業が煩雑化する課題があった。
【0005】
また、マルチベンダ環境において、特開平2004−164389号公報(特許文献1)に記載の技術がある。この公報には、「マルチベンダシステムの保守サービスを行う保守サービス方式であって、複数のベンダから納入された各種の機器から構成され情報処理を行うマルチベンダシステムと、前記マルチベンダシステムと接続し前記マルチベンダシステムの障害を検出し障害情報を通報するマルチベンダシステム監視通報サーバと、プライマリ保守者が管理操作し前記マルチベンダシステム監視通報サーバから通報された障害情報を受信し前記障害に関連する保守会社システムに障害解決処理の指示を行い前記障害の発生状況および解決状況に関する報告文書を作成して発信するプライマリ保守者端末と、前記マルチベンダシステム監視通報サーバから通報された障害情報を受信し前記マルチベンダシステムを構成する機器の保守を行う保守会社システム」を備え、障害発生をシステム管理者装置、プライマリ保守者端末に自動通報し、マルチベンダシステムの保守サービスや保守支援に関するシステム管理者の手間を削減する技術が開示されている。また、サーバ機器ではなく、ネットワーク機器などのログ収集エージェントがインストール付加の機器に対して、通報装置からネットワーク経由でログを採取する処理をカタログ化して自動化するシステムが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−164389号公報
【特許文献2】特開2014−78126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来技術では、導入時の作業手順もベンダ毎に異なるため、作業が煩雑化する課題があり、特許文献1では、「障害通報/通知」のためのログ収集までは考慮されていない。そのため、障害発生の自動通報という効果に留まる。
【0008】
そこで、本発明では、上述した背景技術に鑑み、マルチベンダサーバ機器の標準化を実現可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、代表的な本発明のマルチベンダサーバ機器のリモートログ収集システムおよび方法の一つは、ベンダに依存しないログ収集エージェントを対象サーバ機器のOS(基本ソフト)にインストールし、異なるベンダの他のサーバ機器も全て同じ手順によりリモートからのログ収集を可能とする。
【0010】
ベンダに依存しないログ収集エージェントとは、例えば、ログ採取要求側の通報装置(例えば、通報機能を有する監視装置)からログ採取要求を受けたとき、当該ログ採取要求に従って、OS上のコマンド・スクリプト経由でログを収集し、ログ採取要求側の通報装置へ返信する機能(プログラム)である。
【0011】
グ採取要求側装置からログ採取要求を含むオーダーを受けて、指定カタログ(カタログ名)に対応したログをマルチベンダサーバ機器群から収集・アーカイブして、ログ採取要求側装置に返信するシステムにおいて、
前記マルチベンダサーバ機器に依存しないログ収集エージェントをログ収集対象機器にインストールし、
前記ログ収集エージェントは、
前記ログ採取要求側装置からのログ収集要求を受信するログ収集要求受信手段と
記ログ収集要求を受信したとき、ログ採取コマンドを実行するコマンド実行手段と、
前記ログ採取コマンドを受けたとき、記憶装置に記録されたカタログ毎のカタログファイルおよびコレクタ設定ファイルを読み込むファイル読込手段と、
前記カタログファイルおよび前記コレクタ設定ファイルの内容に基づき前記マルチベンダサーバ機器群からログ収集を実行するログ収集手段と、
前記カタログ毎のログ収集結果およびカタログのバージョン情報を実行ログとして生成し出力する手段と、
前記実行ログを受信し、当該実行ログをアーカイブして圧縮し、前記ログ採取要求側装置に返信する手段と、
を設けたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明のマルチベンダサーバ機器のリモートログ収集方法は、
ログ採取要求側装置からログ採取要求を含むオーダーを受けて、指定カタログ(カタログ名)に対応したログをマルチベンダサーバ機器群から収集・アーカイブして、ログ採取要求側装置に返信するシステムにおけるマルチベンダサーバ機器のリモートログ収集方法において、
前記マルチベンダサーバ機器に依存しないログ収集エージェントをログ収集対象機器にインストールし、
前記ログ収集エージェントは、
前記ログ採取要求側装置からのログ収集要求を受信し、
前記ログ収集要求を受信したとき、ログ採取コマンドを実行し、
前記ログ採取コマンドを受けたとき、記憶装置に記録されたカタログ毎のカタログファイルおよびコレクタ設定ファイルを読み込み、
前記カタログファイルおよび前記ログコレクタ設定ファイルの内容に基づき前記マルチベンダサーバ機器群からログ収集を実行し、
前記カタログ毎のログ収集結果およびカタログのバージョン情報を実行ログとして生成し出力し、
前記実行ログを受信し、当該実行ログを実行ログファイルアーカイブ・圧縮し、前記ログ要求側装置に返信する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、マルチベンダサーバ機器の導入手順が全て標準化でき、導入に係る期間の短縮を図ることができる。
【0014】
また、例えば、ベンダ固有のログ情報採取の追加も可能(カタログアップデート機能をサポート)とし、仮想化されたサーバのゲストOSのログ採取もリモートから収集可能である。
【0015】
上述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明に係る対象機器(マルチベンダサーバ機器や仮想化されたサーバ)と通報装置とサポートセンタ(ASSISTセンタ)の構成を示すブロック図。
図2図2は、本発明のログ収集エージェントの構成例を示す機能ブロック図。
図3図3は、本発明のログ収集エージェントのログ収集処理フローを示すフローチャート。
図4図4は、カタログファイルの一例を示す図。
図5図5は、収集ログファイルの一例を示す図。
図6図6は、実行結果ファイルとロス収集の実行結果とエージェント・カタログファイルのバージョンを出力したファイルの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態は、対象となるサーバ機器にログ収集エージェントをインストールした例である。
【実施例】
【0018】
以下、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る対象機器(マルチベンダサーバ機器や仮想化されたサーバ)1と通報装置2とルータ3とサポートセンタ(ASSISTセンタ)4の構成を示すブロック図である。
【0019】
ネットワークを介して対象機器であるマルチベンダサーバ機器1は、ネットワークを介して通報装置2、ルータ3、サポートセンタ(ASSISTセンタ)4に接続する。対象機器には、仮想化されたサーバが含まれる。
【0020】
対象機器1は、複数のサーバを含むマルチベンダサーバ機器を有する。各サーバは、ログ収集機能を有するログ収集エージェント11を有する。
通報装置2は、マルチベンダサーバ機器1側にインストールしたログ収集エージェント11を起動し、ログ採取指示を行うログ収集処理部21、ログを格納するログDB221を含む記憶装置22、を有する。
サポートセンタ4は、ルータ3を介して通報装置2にログ採取要求を含む「オーダー」を行うものである。
【0021】
ログ収集エージェント11は、後述するが、管理エージェント112、ログコレクタ111、を有し、例えば、サーバ機器1を制御するプログラムからなり、当該ブログラムは、サーバ機器1の内部にインストールされるものである。通報装置2は、例えば、ログ収集処理部からなり、サポートセンタ4からの要求(ログ採取要求)に従って、OS上のコマンド・スクリプト経由でログを収集し、通報装置へ返信するものであり、以下のようなログ収集機能(プログラム)を有する。
【0022】
(1)管理エージェント112は、通報装置から「オーダー」によるログ収集要求を受けIPアドレス認証を実施する。「オーダー」は、「ALL(通報ログ収集オーダー)」、「AGTANS(着信ログ収集オーダー)」の2通りある。
(2)アドレス 認証結果、認証OKの場合は、ログ収集プロセスのログコレクタ「LogCollector」を起動する。
(3)ログコレクタ「LogCollector」111は、「オーダー」に対応したカタログファイルの定義内容、および
(4)設定ファイルに定義されたカタログ単位の許可/禁止フラグに従って、
(5)ログ収集を実行する。ここで、「オーダー」が「ALL」(通報ログ収集オーダー)の場合、「AGTANS」(着信ログ収集オーダー)の場合は、全カタログ分のログを収集する。
(6)カタログ毎のログ収集結果(成功・失敗・禁止)およびバージョン情報を実行ログ「AEXECLOG」(実行結果ファイル「AEXELOG」参照)に出力する。
(7)管理エージェント112で実行ログ「AEXECLOG」以外をアーカイブ・圧縮(アーカイブ処理参照)する。
(8)通報装置2へ送信する。
【0023】
マルチベンダサーバ機器1は、ログ収集エージェント11に基づきログを採取し、対象機器2のログDB221に記録する。
【0024】
図2は、本発明のログ収集エージェント11の構成例を示す機能ブロック図である。
【0025】
ログ収集エージェント11は、対象機器のマルチベンダサーバ機器1にインストールされ、記録装置22のカタログファイルおよび設定ファイルに基づいて、上述した機能を実行し、また、管理する制御装置を有する。制御装置は、ログコレクタ111、管理エージェント112、を含む。
【0026】
記憶装置22は、ログDB221、カタログファイルDB222、ログコレクタ設定ファイルDB223、を有する。ログDB221は、収集したログを格納し、カタログファイルDB222は、複数のカタログのカタログファイルを格納し、ログコレクタ設定ファイルDB223は、各カタログに対応するログコレクタ設定ファイル2231を格納する。
【0027】
カタログファイルDB222におけるカタログは、例えば、「項番」、「オーダー」、「カタログ名」、「収集内容」、「形式」、「タイムアウト」、「最大容量(圧縮前)」、などの各情報を含む。これらの内容は、OS(「Windows」版と「RedHatLinux」版)によって内容が異なる。
【0028】
ログコレクタ設定ファイルDB223における設定ファイルは、ログの収集方法や収集時のパラメータを定義したファイルである。
【0029】
管理エージェント112は、IP認証処理部1121、コマンド実行処理部1122、実行ログアーカイブ・圧縮処理部1123、実行ログ送信処理部1124、を有する。
【0030】
ログコレクタ111は、カタログファイル読込処理部1111、設定ファイル読込処理部1112、ログ収集部1113、実行ログ生成処理部1114、を有する。
【0031】
管理エージェント112におけるIP認証処理部1121は、コマンド実行処理部1122、サポートセンタ4から通報装置2を経由して送られてくる「オーダー」、つまりログ採取要求を受けたとき、通報装置2のアドレス(IPアドレス)を認証する機能を有する。
【0032】
コマンド実行処理部1122は、IP認証処理部1121にてIPアドレス認証ができたとき、ログコレクタ111を起動する機能を有する。
【0033】
実行ログアーカイブ・圧縮処理部1123は、実行ログ生成処理部1114から出力される実行ログを受けて、実行ログアーカイブ・圧縮する機能を有する。アーカイブ処理は、採取した全てのログをアーカイブし圧縮するものであり、例えば、Windows版ログ収集エージェント・カタログ導入ツールで使用するアーカイブ・圧縮方式とする。
【0034】
換言すれば、アーカイブ・圧縮は、実行ログ「AEXECLOG」以外をアーカイブ・圧縮する。
【0035】
実行ログ送信処理部1124は、実行ログアーカイブ・圧縮処理部1123から出力される実行ログ、つまり、実行結果ファイル「AEXECLOG」とログ収集の結果とエージェント・カタログファイルのバージョンを出力したファイル(図6参照)を収集したログと共に通報装置へ送信する機能を有する。
【0036】
ログコレクタ111におけるカタログファイル読込処理部1111は、コマンド実行処理部1122からのコマンドを受けてカタログファイルDB222のカタログファイルを読み込む機能を有する。読み込むカタログファイルは、ログ採取要求に含まれる指定カタログ名のファイルである。
【0037】
設定ファイル読込処理部1112は、読み込んだカタログファイル名を受けて、当該ログファイル名に対応するログコレクタ設定ファイルをログコレクタ設定ファイルDB223から読み込む機能を有する。
【0038】
ログ収集部1113は、指定されたカタログ名に対応したログをマルチベンダーサーバ機器1から収集する機能を有する。収集したログは、ログDB22に蓄積する機能を有する。
【0039】
実行ログ生成処理部1114は、収集したログを受けて実行ログ(図6参照)を生成して出力する機能を有する。この実行ログは、管理エージェント112の実行ログアーカイブ・圧縮処理部1123に供給される。
【0040】
図3は、本発明のログ収集エージェントのログ収集処理フローを示すフローチャートである。図3のフローチャートに基づく動作は以下のとおりである。
【0041】
ステップS2111:ログ収集エージェント11は、ログ収集処理を開始する。
【0042】
ステップS2112:管理エージェント112は、通報装置2からのオーダーに基づくログ採取要求を受信する。
【0043】
ステップS2113:管理エージェント112は、受信したログ採取要求のIPアドレスを認証する。
【0044】
ステップS2114:管理エージェント112は、IPアドレスの認証結果、認証がOKの場合、ログコレクタ214側に対してコマンドを実行し、ログコレクタ111側を起動する。
【0045】
ステップS2115:ログコレクタ111は、収集するカタログ(カタログ名)を指定して、カタログファイルDB222にカタログ(カタログ名)を読み出す。
【0046】
ステップS2116:ログコレクタ111は、次いで、読み出したカタログに対応した設定ファイルをログコレクタ設定ファイルDB223から読み出す。
【0047】
ステップS2117:ログコレクタ111は、設定ファイルに基づきマルチベンダサーバ機器1のログを収集する。マルチベンダサーバ機器1は、ログ収集エージェント11をインストールすることにより、各サーバ機器のログを採取することができる。
【0048】
ステップS2118:ログコレクタ111は、収集したログから実行ログ(実行結果ファイル「AEXECLOG」を生成し、管理エージェント112に送信する。
【0049】
ステップS2119:管理エージェント112は、実行ログ(実行結果ファイル「AEXECLOG」を受信し、実行ログをファイルアーカイブ・圧縮する。但し、このとき、実行ログ「AEXECLOG」は除く。
【0050】
ステップS2120:管理エージェント112は、実行ログを通報装置2側に送信する。
【0051】
すなわち、ログ収集エージェント11は、ステップS2117にて、ログ収集に失敗した場合は、エラー内容をログファイルに直接書き出してアーカイブする。アーカイブは、エラー内容は要因によって異なるが、[target log file(/var/log/message) don’t exist.]など、要因が判断しやすい文言を出力する。
【0052】
ステップS2120は、ステップS2118にて、実行結果ファイル「AEXECLOG 」およびログ収集の実行結果、並びにエージェント・カタログファイルのバージョンを出力としたファイルを収集したログと共に通報装置2に送信する。
【0053】
また、このステップS2119にて、カタログファイルの記述内容に従って収集・生成されるログファイルを、OS毎の形式でアーカイブし、ステップS2120にて通報装置2へ送信する。
【0054】
ステップS2121:ログ収集エージェント11は、ログ収集処理を終了する。
【0055】
図4は、カタログファイルの一例を示す図である。カタログファイル2221は、「カタログ名22211(「NETLOG」、「SYSLOG」)」、「カタログファイル内容(「echo / sbin/ifconfig>if.log」、「cp / var/log/message.log」)」22212、を含む。
【0056】
図5は、収集ログファイルの一例を示す図である。収集ファイル2143は、「項番」21431、「OS(「Windows」、「RedHatLinux」)」21432、「元ファイル(AEXECLOG)」21433、「センタ送信時のファイル名(AEXECLOG)」21434、「形式(テキスト)」21435、などを含む。
【0057】
図6は、実行ログ生成部2144の出力データ(実行結果ファイルとロス収集の実行結果とエージェント・カタログファイルのバージョンを出力したファイル)の一例を示す図である。
【0058】
出力データは、「項番」21441、「OS(「Windows」、「RedHatLinux」)」21442、「元ファイル(AEXECLOG)」21443、「センタ送信時のファイル名(AEXECLOG)」21444、「形式(テキスト)」21445、などを含む。
【0059】
以上述べた実施例によれば、通報装置(ログ採取要求側)からログ採取要求を受けて、指定カタログ(カタログ名)に対応したログをマルチベンダサーバ機器群から収集・アーカイブして、通報装置(ログ採取要求側)に返信するベンダに依存しないログ収集エージェントをログ収集対象サーバ、例えば、OS(基本ソフト)にインストールすることにより、異なる他のベンダのサーバ機器も同じ手順でリモートからのログ収集が可能である。また、カタログファイルDB222にベンダ固有のログ情報採取の追加も可能(カタログアップデート機能をサポート)である。また、本システムによれば、マルチベンダー機器側の仮想化されたサーバのゲストOS(コンピュータ上に別のコンピュータ環境を用意する「仮想マシン」環境で、仮想マシン上で動作しているOS)のログ採取もリモートから収集可能である。
【0060】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Draive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【符号の説明】
【0061】
1:対象機器(マルチベンダサーバ機器)
2:通報装置(監視装置)
3: ルータ
4:サポートセンタ
11:ログ収集エージェント
111:ログコレクタ
112:管理エージェント
22:記憶装置
211:カタログファイルDB
212:ログコレクタ設定ファイルDB

図1
図2
図3
図4
図5
図6