【実施例】
【0018】
以下、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る対象機器(マルチベンダサーバ機器や仮想化されたサーバ)1と通報装置2とルータ3とサポートセンタ(ASSISTセンタ)4の構成を示すブロック図である。
【0019】
ネットワークを介して対象機器であるマルチベンダサーバ機器1は、ネットワークを介して通報装置2、ルータ3、サポートセンタ(ASSISTセンタ)4に接続する。対象機器には、仮想化されたサーバが含まれる。
【0020】
対象機器1は、複数のサーバを含むマルチベンダサーバ機器を有する。各サーバは、ログ収集機能を有するログ収集エージェント11を有する。
通報装置2は、マルチベンダサーバ機器1側にインストールしたログ収集エージェント11を起動し、ログ採取指示を行うログ収集処理部21、ログを格納するログDB221を含む記憶装置22、を有する。
サポートセンタ4は、ルータ3を介して通報装置2にログ採取要求を含む「オーダー」を行うものである。
【0021】
ログ収集エージェント11は、後述するが、管理エージェント112、ログコレクタ111、を有し、例えば、サーバ機器1を制御するプログラムからなり、当該ブログラムは、サーバ機器1の内部にインストールされるものである。通報装置2は、例えば、ログ収集処理部からなり、サポートセンタ4からの要求(ログ採取要求)に従って、OS上のコマンド・スクリプト経由でログを収集し、通報装置へ返信するものであり、以下のようなログ収集機能(プログラム)を有する。
【0022】
(1)管理エージェント112は、通報装置から「オーダー」によるログ収集要求を受けIPアドレス認証を実施する。「オーダー」は、「ALL(通報ログ収集オーダー)」、「AGTANS(着信ログ収集オーダー)」の2通りある。
(2)アドレス 認証結果、認証OKの場合は、ログ収集プロセスのログコレクタ「LogCollector」を起動する。
(3)ログコレクタ「LogCollector」111は、「オーダー」に対応したカタログファイルの定義内容、および
(4)設定ファイルに定義されたカタログ単位の許可/禁止フラグに従って、
(5)ログ収集を実行する。ここで、「オーダー」が「ALL」(通報ログ収集オーダー)の場合、「AGTANS」(着信ログ収集オーダー)の場合は、全カタログ分のログを収集する。
(6)カタログ毎のログ収集結果(成功・失敗・禁止)およびバージョン情報を実行ログ「AEXECLOG」(実行結果ファイル「AEXELOG」参照)に出力する。
(7)管理エージェント112で実行ログ「AEXECLOG」以外をアーカイブ・圧縮(アーカイブ処理参照)する。
(8)通報装置2へ送信する。
【0023】
マルチベンダサーバ機器1は、ログ収集エージェント11に基づきログを採取し、対象機器2のログDB221に記録する。
【0024】
図2は、本発明のログ収集エージェント11の構成例を示す機能ブロック図である。
【0025】
ログ収集エージェント11は、対象機器のマルチベンダサーバ機器1にインストールされ、記録装置22のカタログファイルおよび設定ファイルに基づいて、上述した機能を実行し、また、管理する制御装置を有する。制御装置は、ログコレクタ111、管理エージェント112、を含む。
【0026】
記憶装置22は、ログDB221、カタログファイルDB222、ログコレクタ設定ファイルDB223、を有する。ログDB221は、収集したログを格納し、カタログファイルDB222は、複数のカタログのカタログファイルを格納し、ログコレクタ設定ファイルDB223は、各カタログに対応するログコレクタ設定ファイル2231を格納する。
【0027】
カタログファイルDB222におけるカタログは、例えば、「項番」、「オーダー」、「カタログ名」、「収集内容」、「形式」、「タイムアウト」、「最大容量(圧縮前)」、などの各情報を含む。これらの内容は、OS(「Windows」版と「RedHatLinux」版)によって内容が異なる。
【0028】
ログコレクタ設定ファイルDB223における設定ファイルは、ログの収集方法や収集時のパラメータを定義したファイルである。
【0029】
管理エージェント112は、IP認証処理部1121、コマンド実行処理部1122、実行ログアーカイブ・圧縮処理部1123、実行ログ送信処理部1124、を有する。
【0030】
ログコレクタ111は、カタログファイル読込処理部1111、設定ファイル読込処理部1112、ログ収集部1113、実行ログ生成処理部1114、を有する。
【0031】
管理エージェント112におけるIP認証処理部1121は、コマンド実行処理部1122、サポートセンタ4から通報装置2を経由して送られてくる「オーダー」、つまりログ採取要求を受けたとき、通報装置2のアドレス(IPアドレス)を認証する機能を有する。
【0032】
コマンド実行処理部1122は、IP認証処理部1121にてIPアドレス認証ができたとき、ログコレクタ111を起動する機能を有する。
【0033】
実行ログアーカイブ・圧縮処理部1123は、実行ログ生成処理部1114から出力される実行ログを受けて、実行ログアーカイブ・圧縮する機能を有する。アーカイブ処理は、採取した全てのログをアーカイブし圧縮するものであり、例えば、Windows版ログ収集エージェント・カタログ導入ツールで使用するアーカイブ・圧縮方式とする。
【0034】
換言すれば、アーカイブ・圧縮は、実行ログ「AEXECLOG」以外をアーカイブ・圧縮する。
【0035】
実行ログ送信処理部1124は、実行ログアーカイブ・圧縮処理部1123から出力される実行ログ、つまり、実行結果ファイル「AEXECLOG」とログ収集の結果とエージェント・カタログファイルのバージョンを出力したファイル(
図6参照)を収集したログと共に通報装置へ送信する機能を有する。
【0036】
ログコレクタ111におけるカタログファイル読込処理部1111は、コマンド実行処理部1122からのコマンドを受けてカタログファイルDB222のカタログファイルを読み込む機能を有する。読み込むカタログファイルは、ログ採取要求に含まれる指定カタログ名のファイルである。
【0037】
設定ファイル読込処理部1112は、読み込んだカタログファイル名を受けて、当該ログファイル名に対応するログコレクタ設定ファイルをログコレクタ設定ファイルDB223から読み込む機能を有する。
【0038】
ログ収集部1113は、指定されたカタログ名に対応したログをマルチベンダーサーバ機器1から収集する機能を有する。収集したログは、ログDB22に蓄積する機能を有する。
【0039】
実行ログ生成処理部1114は、収集したログを受けて実行ログ(
図6参照)を生成して出力する機能を有する。この実行ログは、管理エージェント112の実行ログアーカイブ・圧縮処理部1123に供給される。
【0040】
図3は、本発明のログ収集エージェントのログ収集処理フローを示すフローチャートである。
図3のフローチャートに基づく動作は以下のとおりである。
【0041】
ステップS2111:ログ収集エージェント11は、ログ収集処理を開始する。
【0042】
ステップS2112:管理エージェント112は、通報装置2からのオーダーに基づくログ採取要求を受信する。
【0043】
ステップS2113:管理エージェント112は、受信したログ採取要求のIPアドレスを認証する。
【0044】
ステップS2114:管理エージェント112は、IPアドレスの認証結果、認証がOKの場合、ログコレクタ214側に対してコマンドを実行し、ログコレクタ111側を起動する。
【0045】
ステップS2115:ログコレクタ111は、収集するカタログ(カタログ名)を指定して、カタログファイルDB222にカタログ(カタログ名)を読み出す。
【0046】
ステップS2116:ログコレクタ111は、次いで、読み出したカタログに対応した設定ファイルをログコレクタ設定ファイルDB223から読み出す。
【0047】
ステップS2117:ログコレクタ111は、設定ファイルに基づきマルチベンダサーバ機器1のログを収集する。マルチベンダサーバ機器1は、ログ収集エージェント11をインストールすることにより、各サーバ機器のログを採取することができる。
【0048】
ステップS2118:ログコレクタ111は、収集したログから実行ログ(実行結果ファイル「AEXECLOG」を生成し、管理エージェント112に送信する。
【0049】
ステップS2119:管理エージェント112は、実行ログ(実行結果ファイル「AEXECLOG」を受信し、実行ログをファイルアーカイブ・圧縮する。但し、このとき、実行ログ「AEXECLOG」は除く。
【0050】
ステップS2120:管理エージェント112は、実行ログを通報装置2側に送信する。
【0051】
すなわち、ログ収集エージェント11は、ステップS2117にて、ログ収集に失敗した場合は、エラー内容をログファイルに直接書き出してアーカイブする。アーカイブは、エラー内容は要因によって異なるが、[target log file(/var/log/message) don’t exist.]など、要因が判断しやすい文言を出力する。
【0052】
ステップS2120は、ステップS2118にて、実行結果ファイル「AEXECLOG 」およびログ収集の実行結果、並びにエージェント・カタログファイルのバージョンを出力としたファイルを収集したログと共に通報装置2に送信する。
【0053】
また、このステップS2119にて、カタログファイルの記述内容に従って収集・生成されるログファイルを、OS毎の形式でアーカイブし、ステップS2120にて通報装置2へ送信する。
【0054】
ステップS2121:ログ収集エージェント11は、ログ収集処理を終了する。
【0055】
図4は、カタログファイルの一例を示す図である。カタログファイル2221は、「カタログ名22211(「NETLOG」、「SYSLOG」)」、「カタログファイル内容(「echo / sbin/ifconfig>if.log」、「cp / var/log/message.log」)」22212、を含む。
【0056】
図5は、収集ログファイルの一例を示す図である。収集ファイル2143は、「項番」21431、「OS(「Windows」、「RedHatLinux」)」21432、「元ファイル(AEXECLOG)」21433、「センタ送信時のファイル名(AEXECLOG)」21434、「形式(テキスト)」21435、などを含む。
【0057】
図6は、実行ログ生成部2144の出力データ(実行結果ファイルとロス収集の実行結果とエージェント・カタログファイルのバージョンを出力したファイル)の一例を示す図である。
【0058】
出力データは、「項番」21441、「OS(「Windows」、「RedHatLinux」)」21442、「元ファイル(AEXECLOG)」21443、「センタ送信時のファイル名(AEXECLOG)」21444、「形式(テキスト)」21445、などを含む。
【0059】
以上述べた実施例によれば、通報装置(ログ採取要求側)からログ採取要求を受けて、指定カタログ(カタログ名)に対応したログをマルチベンダサーバ機器群から収集・アーカイブして、通報装置(ログ採取要求側)に返信するベンダに依存しないログ収集エージェントをログ収集対象サーバ、例えば、OS(基本ソフト)にインストールすることにより、異なる他のベンダのサーバ機器も同じ手順でリモートからのログ収集が可能である。また、カタログファイルDB222にベンダ固有のログ情報採取の追加も可能(カタログアップデート機能をサポート)である。また、本システムによれば、マルチベンダー機器側の仮想化されたサーバのゲストOS(コンピュータ上に別のコンピュータ環境を用意する「仮想マシン」環境で、仮想マシン上で動作しているOS)のログ採取もリモートから収集可能である。
【0060】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Draive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。