(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
配列識別子
配列番号1は、ニューモリソイドのアミノ酸配列を示す。
配列番号2は、ニューモリソイドおよび非脂質化A05ポリペプチド(PLY−A05)のアミノ酸配列を示す。
配列番号3は、配列番号1のニューモリソイドをコードするDNA配列を示す。
配列番号4は、配列番号2のポリペプチドをコードするDNA配列を示す。
配列番号5は、A05ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
配列番号6は、A05ポリペプチドをコードするDNA配列を示す。
配列番号7は、配列番号8のポリペプチドをコードするDNA配列を示す。
配列番号8は、非脂質化A05ポリペプチドおよびニューモリソイド(A05−PLY)のアミノ酸配列を示す。
配列番号9は、CRM
197をコードするDNA配列を示す。
配列番号10は、CRM
197のアミノ酸配列を示す。
配列番号11は、CRM
197のアミノ酸残基1〜193(DT−A)をコードするDNA配列を示す。
配列番号12は、CRM
197の残基1〜193(DT−A)のアミノ酸配列を示す。
配列番号13は、配列番号14のポリペプチドをコードするDNA配列を示す。
配列番号14は、CRM
197および非脂質化A05ポリペプチド(CRM
197−A05)のアミノ酸配列を示す。
配列番号15は、配列番号16のポリペプチドをコードするDNA配列を示す。
配列番号16は、非脂質化A05ポリペプチドおよびCRM
197(A05−CRM
197)のアミノ酸配列を示す。
配列番号17は、配列番号18のポリペプチドをコードするDNA配列を示す。
配列番号18は、CRM
197および非脂質化A05ポリペプチドの断片(DT−A−A05)のアミノ酸配列を示す。
配列番号19は、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA05のアミノ酸配列を示す。野生型A05と比較して、配列番号19は、最初のシステイン後のグリシン、およびN末端における4個のアミノ酸の欠失を含む。
配列番号20は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB01のアミノ酸配列を示す。
配列番号21は、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)由来の野生型ニューモリシンのアミノ酸配列を示す。
配列番号22は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA22のアミノ酸配列を示す。
配列番号23は、は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA05のアミノ酸配列を示す。
配列番号24は、は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA04のアミノ酸配列を示す。
配列番号25は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA01のアミノ酸配列を示す。
配列番号26は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA06のアミノ酸配列を示す。
配列番号27は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA07のアミノ酸配列を示す。
配列番号28は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA12のアミノ酸配列を示す。
配列番号29は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA15のアミノ酸配列を示す。
配列番号30は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA19のアミノ酸配列を示す。
配列番号31は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA20のアミノ酸配列を示す。
配列番号32は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA29のアミノ酸配列を示す。
配列番号33は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB03のアミノ酸配列を示す。
配列番号34は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB02のアミノ酸配列を示す。
配列番号35は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB09のアミノ酸配列を示す。
配列番号36は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB15のアミノ酸配列を示す。
配列番号37は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB16のアミノ酸配列を示す。
配列番号38は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB22のアミノ酸配列を示す。
配列番号39は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB24のアミノ酸配列を示す。
配列番号40は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB44のアミノ酸配列を示す。
配列番号41は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA62のアミノ酸配列を示す。
【0025】
N末端Cysが存在しない
配列番号42は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA01のアミノ酸配列を示す。
配列番号43は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA04のアミノ酸配列を示す。
配列番号44は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA05のアミノ酸配列を示す。
配列番号45は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA06のアミノ酸配列を示す。
配列番号46は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA07のアミノ酸配列を示す。
配列番号47は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA12のアミノ酸配列を示す。
配列番号48は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA15のアミノ酸配列を示す。
配列番号49は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA19のアミノ酸配列を示す。
配列番号50は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA20のアミノ酸配列を示す。
配列番号51は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA22のアミノ酸配列を示す。
配列番号52は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA29のアミノ酸配列を示す。
配列番号53は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB01のアミノ酸配列を示す。
配列番号54は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB02のアミノ酸配列を示す。
配列番号55は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB09のアミノ酸配列を示す。
配列番号56は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB15のアミノ酸配列を示す。
配列番号57は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB16のアミノ酸配列を示す。
配列番号58は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB22のアミノ酸配列を示す。
配列番号59は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB24のアミノ酸配列を示す。
配列番号60は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB44のアミノ酸配列を示す。
配列番号61は、アミノ酸1位においてN末端Cysを含まない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA62のアミノ酸配列を示す。
【0026】
修飾:
配列番号62は、配列番号35と比較して、N末端システインが存在せず、配列が追加のGly/Ser領域を含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB09のアミノ酸配列を示す。
配列番号63は、配列番号38のアミノ酸1位におけるN末端Cysがグリシンと置き換えられている、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB22のアミノ酸配列を示す。
配列番号64は、配列番号22のアミノ酸1位におけるN末端Cysがグリシンと置き換えられている、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA22のアミノ酸配列を示す。
配列番号65は、配列番号38のアミノ酸1位のN末端Cysのコドンがグリシンのコドンと置き換えられている、B22遺伝子のDNA配列を示す。
【0027】
ORF2086ポリペプチドをコードする例示的なDNA配列
配列番号66は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA01遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号67は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA29遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号68は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA04遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号69は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA05遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号70は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA06遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号71は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA07遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号72は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA12遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号73は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA15遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号74は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA19遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号75は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA20遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号76は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA22遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号77は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB01遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号78は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB02遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号79は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB44遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号80は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB03遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号81は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB09遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号82は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB15遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号83は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB16遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号84は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB22遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号85は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントB24遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号86は、配列番号69と比較して、N末端システインをコードするコドンが欠失している、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA05遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号87は、N末端Cysをコードするコドンを含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA12−2遺伝子のDNA配列を示す。
【0028】
担体ポリペプチド
配列番号88は、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)由来の野生型ニューモリシンのアミノ酸配列を示す。
配列番号89は、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)由来の野生型ペルフリンゴリシンOのアミノ酸配列を示す。
配列番号90は、ストレプトコッカス・インターメディウス(Streptococcus intermedius)由来の野生型インターメディリシンのアミノ酸配列を示す。
配列番号91は、バチルス・アルベイ(Bacillus alvei)由来の野生型アルベオリシンのアミノ酸配列を示す。
配列番号92は、炭疽菌(Bacillus anthracis)由来の野生型アンスロリシンのアミノ酸配列を示す。
配列番号93は、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)由来の野生型の推定上のセレオリシンのアミノ酸配列を示す。
配列番号94は、リステリア・イバノビイ(Listeria ivanovii)由来の野生型イバノリシンOのアミノ酸配列を示す。
配列番号95は、アルカノバクテリウム・ピオゲネス(Arcanobacterium pyogenes)由来の野生型ピオリシンのアミノ酸配列を示す。
配列番号96は、リステリア・ゼーリゲリ(Listeria seeligeri)由来の野生型ゼーリゲリオリシン(seeligeriolysin)Oのアミノ酸配列を示す。
配列番号97は、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来の野生型ストレプトリジンOのアミノ酸配列を示す。
配列番号98は、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)由来の野生型スイリシンのアミノ酸配列を示す。
配列番号99は、破傷風菌(Clostridium tetani)由来の野生型テタノリジンのアミノ酸配列を示す。
配列番号100は、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)由来の野生型リステリオリシンOのアミノ酸配列を示す。
配列番号101は、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来の野生型チューリンギオリシン(以前にペルフリンゴリシンと注釈されていた)のアミノ酸配列を示す。
配列番号102は、野生型ニューモリシンの残基144〜161に対応するコンセンサス配列を含む、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)由来の野生型ニューモリシンの領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号103は、野生型ニューモリシンの残基144〜161に対応するコンセンサス配列を含む、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)由来の野生型ペルフリンゴリシンOの領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号104は、野生型ニューモリシンの残基144〜161に対応するコンセンサス配列を含む、ストレプトコッカス・インターメディウス(Streptococcus intermedius)由来の野生型インターメディリシンの領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号105は、野生型ニューモリシンの残基144〜161に対応するコンセンサス配列を含む、バチルス・アルベイ(Bacillus alvei)由来の野生型アルベオリシンの領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号106は、野生型ニューモリシンの残基144〜161に対応するコンセンサス配列を含む、炭疽菌(Bacillus anthracis)由来の野生型アンスロリシンの領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号107は、野生型ニューモリシンの残基144〜161に対応するコンセンサス配列を含む、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)由来の野生型の推定上のセレオリシンの領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号108は、野生型ニューモリシンの残基144〜161に対応するコンセンサス配列を含む、リステリア・イバノビイ(Listeria ivanovii)由来の野生型イバノリシンOの領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号109は、野生型ニューモリシンの残基144〜161に対応するコンセンサス配列を含む、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)由来の野生型ペルフリンゴリシンOの領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号110は、野生型ニューモリシンの残基144〜161に対応するコンセンサス配列を含む、リステリア・ゼーリゲリ(Listeria seeligeri)由来の野生型ゼーリゲリオリシンOの領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号111は、野生型ニューモリシンの残基144〜161に対応するコンセンサス配列を含む、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来の野生型ストレプトリジンOの領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号112は、野生型ニューモリシンの残基144〜161に対応するコンセンサス配列を含む、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)由来の野生型スイリシンの領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号113は、野生型ニューモリシンの残基144〜161に対応するコンセンサス配列を含む、破傷風菌(Clostridium tetani)由来の野生型テタノリジンの領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号114は、野生型ニューモリシンの残基144〜161に対応するコンセンサス配列を含む、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)由来の野生型リステリオリシンOの領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号115は、野生型ニューモリシンの残基144〜161に対応するコンセンサス配列を含む、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来の野生型チューリンギオリシン(以前にペルフリンゴリシンと注釈されていた)の領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号116は、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)由来の野生型ペルフリンゴリシンOのアミノ酸配列を示す。
配列番号117は、アミノ酸460位におけるリシンのアスパラギン酸残基への変異を含む、ニューモリソイドのバリアントのアミノ酸配列を示す。
配列番号118は、ニューモリソイドのバリアントのアミノ酸配列を示す。配列番号117と比較したとき、配列番号118は、208位におけるリシンからアルギニンへのアミノ酸変化を有する。
配列番号119は、野生型ニューモリシン配列のアミノ酸385位におけるアスパラギン酸の代わりにアスパラギンの置換、ならびにアラニン146およびアルギニン147の欠失を含む、例示的なニューモリソイドのアミノ酸配列を示す。
配列番号120は、野生型ニューモリシン配列のアミノ酸433位におけるトリプトファンの代わりにフェニルアラニンの置換を含む、例示的なニューモリソイドのアミノ酸配列を示す。
【0029】
コドン最適化配列
配列番号121は、B44遺伝子のコドン最適化DNA配列を示す。
配列番号122は、配列番号81と比較して、N末端システインがコードされておらず、配列が追加のGly/Ser領域をコードするコドンを含む、B09遺伝子のコドン最適化DNA配列を示す。
配列番号123は、N末端システインがコードされていない、B09遺伝子のコドン最適化DNA配列を示す。
配列番号124は、N末端システインがコードされていない、B09遺伝子のコドン最適化DNA配列を示す。
配列番号125は、A05ポリペプチドをコードするコドン最適化DNA配列を示す。
配列番号126は、A05ポリペプチドをコードするコドン最適化DNA配列を示す。
配列番号127は、A22ポリペプチドをコードするコドン最適化DNA配列を示す。
配列番号128は、A62ポリペプチドをコードするコドン最適化DNA配列を示す。
配列番号129は、A12ポリペプチドをコードするコドン最適化DNA配列を示す。
【0030】
追加の配列
配列番号130は、B24ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。配列番号130は、配列番号39の1〜3位における残基が欠失している配列番号39と同一である。
配列番号131は、配列番号22のアミノ酸1位におけるN末端Cysのコドンがグリシンのコドンと置き換えられている、A22ポリペプチドのDNA配列を示す。
配列番号132は、配列番号22のアミノ酸1位におけるN末端Cysがグリシンと置き換えられている、A22のアミノ酸配列を示す。
配列番号133は、N末端システインをコードするコドンが存在しない、B09遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号134は、N末端システインをコードするコドンが存在しない、B44遺伝子のDNA配列を示す。
配列番号135は、N末端システインが存在しない、髄膜炎菌(N.meningitidis)、血清型B、2086バリアントA05のアミノ酸配列を示す。
配列番号136は、ニューモリソイドおよび非脂質化A12ポリペプチド(PLY−A12)のアミノ酸配列を示す。
配列番号137は、配列番号136の1位におけるN末端メチオニンが除去されている、ニューモリソイドおよび非脂質化A12ポリペプチド(PLY−A12)のアミノ酸配列を示す。
配列番号138は、ニューモリソイドおよび非脂質化B01ポリペプチド(PLY−B01)のアミノ酸配列を示す。
配列番号139は、配列番号138の1位におけるN末端メチオニンが除去されている、ニューモリソイドおよび非脂質化B01ポリペプチド(PLY−B01)のアミノ酸配列を示す。
配列番号140は、ニューモリソイドおよび非脂質化B09ポリペプチド(PLY−B09)のアミノ酸配列を示す。
配列番号141は、配列番号140の1位におけるN末端メチオニンが除去されている、ニューモリソイドおよび非脂質化B09ポリペプチド(PLY−B09)のアミノ酸配列を示す。
配列番号142は、ニューモリソイドおよび非脂質化B24ポリペプチド(PLY−B24)のアミノ酸配列を示す。
配列番号143は、配列番号142の1位におけるN末端メチオニンが除去されている、ニューモリソイドおよび非脂質化B24ポリペプチド(PLY−B24)のアミノ酸配列を示す。
配列番号144は、ニューモリソイドおよび非脂質化B44ポリペプチド(PLY−B44)のアミノ酸配列を示す。
配列番号145は、配列番号144の1位におけるN末端メチオニンが除去されている、ニューモリソイドおよび非脂質化B44ポリペプチド(PLY−B44)のアミノ酸配列を示す。
配列番号146は、GNA2091ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
配列番号147は、配列番号146の1位におけるN末端メチオニンが除去されている、GNA2091ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
配列番号148は、GNA2091および非脂質化A05ポリペプチド(GNA2091−A05)のアミノ酸配列を示す。
配列番号149は、配列番号148の1位におけるN末端メチオニンが除去されている、GNA2091および非脂質化A05ポリペプチド(GNA2091−A05)のアミノ酸配列を示す
配列番号150は、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来の連鎖球菌C5aペプチダーゼ(SCP)のアミノ酸配列を示す。
配列番号151は、配列番号150の1位におけるN末端メチオニンが除去されている、SCPのアミノ酸配列を示す。
配列番号152は、SCPおよび非脂質化A05ポリペプチド(SCP−A05)のアミノ酸配列を示す。
配列番号153は、配列番号152の1位におけるN末端メチオニンが除去されている、SCPおよび非脂質化A05ポリペプチド(SCP−A05)のアミノ酸配列を示す。
配列番号154は、CRM
197のアミノ酸配列を示す。
配列番号155は、配列番号154の1位におけるN末端メチオニンが除去されている、CRM
197のアミノ酸配列を示す。
配列番号156は、システインが1位に存在する、配列番号5と同様のA05ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
配列番号157は、システインが2位に存在する、配列番号5と同様のA05ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
配列番号158は、システインが6位に存在する、配列番号5と同様のA05ポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
【0031】
本発明者らは、とりわけ、ORF2086ポリペプチドおよび担体ポリペプチドを含む分子および/または組成物を発見した。この分子および/または組成物は、遺伝子融合によって、もしくはコンジュゲーションによって作製され得、または合成的に作製され得る。
【0032】
本発明のポリペプチドおよび本発明のコンジュゲートは、驚くべきことに、髄膜炎菌(N.meningitidis)に対する広い免疫応答の有効な誘導を可能にする。一部の実施形態では、本発明の融合ポリペプチドおよびコンジュゲートは、担体ポリペプチドの非存在下でORF2086ポリペプチドを含む組成物と比較して、髄膜炎菌(N.meningitidis)に対する免疫応答の誘導において増強された有効性を呈する。例えば、本発明者らは、融合ポリペプチドが広い適用範囲をもたらすことができ、例えば、融合ポリペプチドが1種の髄膜炎菌(N.meningitidis)株由来のORF2086ポリペプチドを含むときでさえ、複数のLP2086バリアント株に対する殺菌抗体を誘発することを発見した。本発明の組成物の増強された有効性は、担体ポリペプチドの非存在下でORF2086ポリペプチドを含む組成物と比較して、対象に投与されるORF2086ポリペプチドの用量または濃度を低減することを可能にし得る。本発明の組成物の増強された有効性はまた、ワクチン生産のコストを最小限にするのに役立ち、広い範囲の血清型に効力をもたらす設計を可能にする。
【0033】
A)単離ポリペプチドおよび融合ポリペプチド
一態様では、本発明は、担体ポリペプチドのアミノ酸配列およびORF2086ポリペプチドのアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドに関する。一実施形態では、単離ポリペプチドは、合成的に構築されたポリペプチドである。好適な実施形態では、単離ポリペプチドは、作動可能に連結されたポリペプチドを含む融合ポリペプチドである。所与の単離および/または融合ポリペプチドの少なくとも1種のポリペプチド成分は、担体ポリペプチド、またはその活性バリアントもしくは断片を含み、これは、ORF2086ポリペプチド、またはその活性バリアントもしくは断片に作動可能に連結している。
【0034】
本明細書において、「融合ポリペプチド」または「融合タンパク質」は、少なくとも2つのポリペプチドのインフレーム遺伝子連結を有するポリペプチドを指す。転写/翻訳後、単一のポリペプチドが作製される。したがって、複数のポリペプチドまたはこれらの断片が、単一のポリペプチド中に組み込まれ得る。複数の形態の融合ポリペプチドが、本明細書に開示されており、以下で詳細に論じられている。
【0035】
「作動可能に連結された」は、2つ以上のエレメント間の機能的な連結を指す。例えば、2つのポリペプチド間の作動可能な連結は、両方のポリペプチドを一緒にインフレームで融合して単一の融合ポリペプチドを生じさせることができる。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドおよび担体ポリペプチドは、互いにインフレームで融合されている。
【0036】
1)ORF2086ポリペプチド。単離ポリペプチドは、任意のORF2086ポリペプチドを含み得る。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、サブファミリーAポリペプチドである。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、サブファミリーBポリペプチドである。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、脂質化されている。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、脂質化されていない。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、脂質化されておらず、ピルビン酸化されていない。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A04である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A05である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A06である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A07である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A12である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A15である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A19である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A20である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A01である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A22である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A29である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、B01である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、B02である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、B09である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、B15である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、B16である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、B22である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、B24である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、B44である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A62である。好ましくは、ORF2086ポリペプチドは、A05である。ORF2086ポリペプチドを以下でより詳細に記載する。ORF2086ポリペプチドは、WO2012032489および米国特許公開第US20120093852号に記載されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。ORF2086ポリペプチドは、WO2013132452および米国特許公開US20130243807号にも記載されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0037】
2)担体ポリペプチド。単離ポリペプチドは、任意の担体ポリペプチドを含み得る。好ましくは、担体ポリペプチドは、対応する野生型担体ポリペプチドと比較して、無毒化されており、または毒性の低下を呈する。一実施形態では、担体ポリペプチドは、サイトリソイドである。好適な実施形態では、サイトリソイドは、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)由来のニューモリシンポリペプチド、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)由来のペルフリンゴリシンOポリペプチド、ストレプトコッカス・インターメディウス(Streptococcus intermedius)由来のインターメディリシンポリペプチド、バチルス・アルベイ(Bacillus alvei)由来のアルベオリシンポリペプチド、炭疽菌(Bacillus anthracis)由来のアンスロリシンポリペプチド、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)由来の推定上のセレオリシンポリペプチド、リステリア・イバノビイ(Listeria ivanovii)由来のイバノリシンOポリペプチド、アルカノバクテリウム・ピオゲネス(Arcanobacterium pyogenes)由来のピオリシンポリペプチド、リステリア・ゼーリゲリ(Listeria seeligeri)由来のゼーリゲリオリシンOポリペプチド、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来のストレプトリジンOポリペプチド、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)由来のスイリシンポリペプチド、破傷風菌(Clostridium tetani)由来のテタノリジンポリペプチド、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)由来のリステリオリシンOポリペプチド、ストレプトコッカス・エクイシミリス(Streptococcus equisimilis)由来のストレプトリジンOポリペプチド、S.カニス(S.canis)由来のストレプトリジンOポリペプチド、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来のチューリンギオリシンOポリペプチド、B.ラテロスポルス(B.laterosporus)由来のラテルスポロリシンOポリペプチド、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)由来のボツリノリジンポリペプチド、クロストリジウム・ショウベイ(Clostridium chauvoei)由来のショウベオリシンポリペプチド、C.バイファーメンタンス(C.bifermentans)由来のバイファーメントリシンポリペプチド、クロストリジウム・ソルデリイ(Clostridium sordellii)由来のソルデリリシンポリペプチド、ヒストリチクム菌(Clostridium histiolyticum)由来のヒストリチコリシンポリペプチド、クロストリジウム・ノビイ(Clostridium novyi)由来のノビリシンポリペプチド、またはクロストリジウム・セプチカム(Clostridium septicum)由来のセプチコリシンOポリペプチドに由来する。
【0038】
担体タンパク質の追加の例としては、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来の連鎖球菌C5aペプチダーゼ(SCP)、ナイセリア由来のGNA2091(アクセサリータンパク質936としても公知)、およびCRM
197がある。担体タンパク質のさらなる例および説明は、セクションCにおいて以下で提供されている。
【0039】
好適な実施形態では、サイトリソイドは、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)由来のニューモリシンポリペプチドに由来する。より好適な実施形態では、サイトリソイドは、配列番号1と少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有する配列を含む。最も好適な実施形態では、サイトリソイドは、配列番号1を含む。
【0040】
別の実施形態では、担体ポリペプチドは、対応する野生型担体ポリペプチドと比較して無毒化されており、または毒性の低下を呈し、破傷風毒素(TT)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)スポロゾイト周囲タンパク質、B型肝炎表面抗原、B型肝炎核コアポリペプチド、インフルエンザ菌(H.influenzae)基質ポリペプチド、インフルエンザ菌(H.influenzae)赤血球凝集素、ジフテリアトキソイド、ジフテリアトキソイド変異体CRM
197、B群髄膜炎菌(N.meningitidis)外膜ポリペプチド複合体(OMPC)、サイトリソイド、肺炎球菌毒素ニューモリシン、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)由来の熱ショックポリペプチド、らい菌(M.leprae)由来の熱ショックポリペプチド、コレラトキソイド、大腸菌(E.coli)LT、大腸菌(E.coli)ST、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来の外毒素A、肺炎球菌表面ポリペプチドA、肺炎球菌アドヘシンポリペプチド(PsaA)、A群またはB群連鎖球菌由来のC5aペプチダーゼ、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)ポリペプチドD、オボアルブミン、キーホールリンペットヘモシニアン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ツベルクリンの精製ポリペプチド誘導体(PPD)、PorB(髄膜炎菌(N.meningitidis)由来)、およびこれらの誘導体、バリアント、または断片からなる群から選択される。
【0041】
一実施形態では、融合ポリペプチドは、CRM
197を含まない。担体ポリペプチドは、以下でより詳細に記載されている。
【0042】
3)アセンブリー:融合ポリペプチドは、直接的なもの、すなわち、経験的なリンカー分子の非存在下におけるものであり得、または融合は、リンカー分子によるものであってもよい。例えば、融合ポリペプチドは、ポリペプチド成分、例えば、融合ポリペプチドのポリペプチド間のリンカーペプチド、または親和性精製のためのペプチドタグ(例えば、NもしくはC末端における)などを含み得る。例示的なリンカーペプチドとしては、Gly−Ser−Gly(GSG)リンカーがある。リンカー分子は、1個または複数のアミノ酸残基、典型的には約2〜約30個のアミノ酸残基、好ましくは3〜25個の残基を含み得る。好適な実施形態では、融合ポリペプチドは、リンカーペプチドを含まない。リンカーを含まない例示的な融合ポリペプチドは、例えば、配列番号2におけるものなど、担体ポリペプチドおよびORF2086ポリペプチドをこの順序で含む融合ポリペプチドである。追加の例としては、PLY−A12(配列番号127)、PLY−B01(配列番号139)、PLY−B09(配列番号141)、PLY−B24(配列番号143)、PLY−B44(配列番号145)、GNA2091−A05(配列番号149)、およびSCP−A05(配列番号153)がある。
【0043】
融合ポリペプチドは、様々な組合せでアセンブルされ得る。担体ポリペプチドは、融合ポリペプチドのN末端もしくはC末端に存在してもよく、またはこれは、免疫原性細菌ポリペプチドに隣接している、例えば、ORF2086ポリペプチドに隣接していてもよい。ORF2086ポリペプチドは、担体ポリペプチドのN末端またはC末端に融合され得る。例えば、一実施形態では、融合ポリペプチドは、担体ポリペプチド、それが作動可能に連結したORF2086ポリペプチドをこの順序で含む。好適な実施形態では、融合ポリペプチドは、担体ポリペプチドがORF2086ポリペプチドに、前記順序で作動可能に連結しているとき、リンカーを含まない。このような好適な実施形態では、ORF2086ポリペプチドの天然ストーク領域が、ポリペプチド間のリンカーとして機能を果たし得る。ORF2086ポリペプチドのストーク領域は、WO2012032489および米国特許公開第US20120093852号に記載されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0044】
別の実施形態では、融合ポリペプチドは、ORF2086ポリペプチド、それが作動可能に連結した担体ポリペプチドをこの順序で含む。好適な実施形態では、担体ポリペプチドがORF2086ポリペプチドに、前記順序で作動可能に連結しているとき、リンカーを含む。
【0045】
一実施形態では、融合ポリペプチドは、1つの担体ポリペプチドに連結された1つのORF2086ポリペプチドを含むが、他のコンホメーションも本発明の射程内である。例えば、別の実施形態では、融合ポリペプチドは、最大で1、2、3、4、または5つの免疫原性細菌ポリペプチドを含む。別の実施形態では、融合ポリペプチドは、最大で1、2、3、4、または5つの担体ポリペプチドを含む。
【0046】
一部の実施形態では、融合ポリペプチドは、第3のまたはさらなるポリペプチドをさらに含む。第3のまたはさらなるポリペプチドの源として、それだけに限らないが、髄膜炎菌(N.meningitidis)を挙げることができる。一実施形態では、第3のポリペプチドは、ORF2086ポリペプチドまたは担体ポリペプチドにインフレームで融合される。別の実施形態では、複数の担体ポリペプチド、またはこれらのバリアントもしくは断片が融合ポリペプチド中に含まれているとき、第3のポリペプチドは、融合ポリペプチドのN末端もしくはC末端に位置していてもよく、またはこれは、担体タンパク質ポリペプチドに隣接しているように、融合ポリペプチド中の内部に位置していてもよい。一実施形態では、融合ポリペプチドは、肺炎球菌に由来するポリペプチド配列を含む。別の実施形態では、融合ポリペプチドは、肺炎球菌に由来するポリペプチド配列を含まない。
【0047】
好ましくは、融合ポリペプチドは、担体ポリペプチドが由来する細菌種と異なる細菌種に由来するポリペプチドを含む。したがって、一実施形態では、担体タンパク質は、ORF2086ポリペプチドと、かつ融合ポリペプチド中に含まれる任意の追加のポリペプチドと非相同である。ポリペプチドを参照した「非相同」は、異なるタンパク質および/または異なる細菌種が起源であるポリペプチドである。
【0048】
4)例示的な単離および/または融合ポリペプチド
一態様では、本発明は、ニューモリソイド(例えば、配列番号1など)ならびに非脂質化ORF2086ポリペプチド(例えば、配列番号42〜61から選択されるアミノ酸配列を有する任意の1つのポリペプチド、および以下のセクションD「ORFポリペプチド」に記載した任意の1つのポリペプチドなど)のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドに関する。例えば、一実施形態では、単離ポリペプチドは、PLY−A12(配列番号136)を生成するためのニューモリソイド(配列番号1)および非脂質化A12(配列番号47)を含む。別の実施形態では、単離ポリペプチドは、PLY−B01(配列番号138)を生成するためのニューモリソイド(配列番号1)および非脂質化B01(配列番号53)を含む。別の実施形態では、単離ポリペプチドは、PLY−B09(配列番号140)を生成するためのニューモリソイド(配列番号1)および非脂質化B09(配列番号55)を含む。別の実施形態では、単離ポリペプチドは、PLY−B24(配列番号142)を生成するためのニューモリソイド(配列番号1)および非脂質化B24(配列番号59)を含む。別の実施形態では、単離ポリペプチドは、PLY−B44(配列番号144)を生成するためのニューモリソイド(配列番号1)および非脂質化B44(配列番号60)を含む。
【0049】
a)PLYおよびA05:一態様では、本発明は、ニューモリソイドおよび非脂質化A05ポリペプチドのアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドに関する。一実施形態では、ニューモリソイドは、配列番号1に示したアミノ酸配列を含む。好ましくは、ニューモリソイドは、配列番号3に示したDNA配列によってコードされる。一実施形態では、A05ポリペプチドは、配列番号5に示したアミノ酸配列を含む。一実施形態では、単離ポリペプチドは、融合ポリペプチドである。
【0050】
一実施形態では、融合ポリペプチドは、担体ポリペプチド、それが作動可能に連結したORF2086ポリペプチドをこの順序で含む。例えば、一実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号2に示したアミノ酸配列(PLY−A05)を含む。一実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号4に示したDNA配列によってコードされる。
【0051】
別の実施形態では、融合ポリペプチドは、ORF2086ポリペプチド、それが作動可能に連結した担体ポリペプチドをこの順序で含む。例えば、一実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号8に示したアミノ酸配列(A05−PLY)を含む。一実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号7に示したDNA配列によってコードされる。
【0052】
別の実施形態では、融合ポリペプチドは、リンカーペプチドをさらに含む。一実施形態では、リンカーは、Gly−Ser−Gly(GSG)ペプチドを含む。配列番号8に示したアミノ酸配列を有する融合ポリペプチドは、GSGリンカーを含む。
【0053】
b)CRM
197およびA05:
一態様では、本発明は、CRM
197(例えば、配列番号155など)ならびに非脂質化ORF2086ポリペプチド(例えば、配列番号42〜61から選択されるアミノ酸配列を有する任意の1つのポリペプチド、および以下のセクションD「ORFポリペプチド」に記載した任意の1つのポリペプチドなど)のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドに関する。
【0054】
一態様では、本発明は、CRM
197および非脂質化A05ポリペプチドのアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドに関する。一実施形態では、CRM
197は、配列番号10に示したアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、CRM
197は、配列番号155に示したアミノ酸配列を含む。好ましくは、CRM
197は、配列番号9に示したDNA配列によってコードされる。一実施形態では、A05ポリペプチドは、配列番号5に示したアミノ酸配列を含む。一実施形態では、単離ポリペプチドは、融合ポリペプチドである。
【0055】
一実施形態では、融合ポリペプチドは、担体ポリペプチド、それが作動可能に連結したORF2086ポリペプチドをこの順序で含む。例えば、一実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号14に示したアミノ酸配列(CRM
197−A05)を含む。一実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号13に示したDNA配列によってコードされる。
【0056】
別の実施形態では、融合ポリペプチドは、ORF2086ポリペプチド、それが作動可能に連結した担体ポリペプチドをこの順序で含む。例えば、一実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号16に示したアミノ酸配列(A05−CRM
197)を含む。一実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号15に示したDNA配列によってコードされる。
【0057】
さらなる実施形態では、融合ポリペプチドは、リンカーペプチドをさらに含む。一実施形態では、リンカーは、Gly−Ser−Gly(GSG)ペプチドを含む。配列番号16に示したアミノ酸配列を有する融合ポリペプチドは、GSGリンカーを含む。
【0058】
一態様では、本発明は、CRM
197の断片および非脂質化A05ポリペプチドのアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドに関する。一実施形態では、CRM
197の断片(例えば、配列番号10に示したCRM
197のアミノ酸残基1〜193;DT−A領域)は、配列番号12に示したアミノ酸配列を含む。好ましくは、CRM
197の断片は、配列番号11に示したDNA配列によってコードされる。一実施形態では、A05ポリペプチドは、配列番号5に示したアミノ酸配列を含む。一実施形態では、単離ポリペプチドは、融合ポリペプチドである。
【0059】
一実施形態では、融合ポリペプチドは、CRM
197の断片、それが作動可能に連結したORF2086ポリペプチドをこの順序で含む。例えば、一実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号18に示したアミノ酸配列(DT−A−A05)を含む。一実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号17に示したDNA配列によってコードされる。
【0060】
c)GNA2091およびA05:
一態様では、本発明は、GNA2091(例えば、配列番号147など)ならびに非脂質化ORF2086ポリペプチド(例えば、配列番号42〜61から選択されるアミノ酸配列を有する任意の1つのポリペプチド、および以下のセクションD「ORFポリペプチド」に記載した任意の1つのポリペプチドなど)のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドに関する。
【0061】
一態様では、本発明は、GNA2091および非脂質化A05ポリペプチドのアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドに関する。一実施形態では、GNA2091は、配列番号147に示したアミノ酸配列を含む。一実施形態では、A05ポリペプチドは、配列番号5に示したアミノ酸配列を含む。一実施形態では、単離ポリペプチドは、融合ポリペプチドである。
【0062】
一実施形態では、融合ポリペプチドは、GNA2091、それが作動可能に連結したORF2086ポリペプチドをこの順序で含む。例えば、一実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号149に示したアミノ酸配列(GNA2091−A05)を含む。
【0063】
d)SCPおよびA05:
一態様では、本発明は、SCP(例えば、配列番号151など)ならびに非脂質化ORF2086ポリペプチド(例えば、配列番号42〜61から選択されるアミノ酸配列を有する任意の1つのポリペプチド、および以下のセクションD「ORFポリペプチド」に記載した任意の1つのポリペプチドなど)のアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドに関する。
【0064】
一態様では、本発明は、SCPおよび非脂質化A05ポリペプチドのアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドに関する。一実施形態では、SCPは、配列番号151に示したアミノ酸配列を含む。一実施形態では、A05ポリペプチドは、配列番号5に示したアミノ酸配列を含む。一実施形態では、単離ポリペプチドは、融合ポリペプチドである。
【0065】
一実施形態では、融合ポリペプチドは、SCP、それが作動可能に連結したORF2086ポリペプチドをこの順序で含む。例えば、一実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号153に示したアミノ酸配列(SCP−A05)を含む。
【0066】
5)融合ポリペプチドを含む免疫原性組成物:
一態様では、本発明は、上述した単離および/または融合ポリペプチドを含む免疫原性組成物に関する。免疫原性組成物は、薬学的に許容できる賦形剤をさらに含む。
【0067】
一実施形態では、免疫原性組成物は、a)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型Aの莢膜糖のコンジュゲート;b)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型Cの莢膜糖のコンジュゲート;c)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型W135の莢膜糖のコンジュゲート;およびd)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型Yの莢膜糖のコンジュゲートから選択される少なくとも1種のコンジュゲートをさらに含む。髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)の莢膜糖のこのようなコンジュゲートは、当技術分野で公知である。髄膜炎菌(N.meningitidis)莢膜糖コンジュゲートおよび多糖コンジュゲートの説明は、以下に記載されている。
【0068】
6)免疫応答:一態様では、融合ポリペプチドは、哺乳動物における髄膜炎菌(N.meningitidis)に対する免疫応答を誘導する。一実施形態では、融合ポリペプチドは、ORF2086ポリペプチドと相同であるORF2086バリアントを発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型B株に対する殺菌抗体を誘導する。例えば、担体タンパク質およびA05ポリペプチドを含む融合ポリペプチドは、髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型B A05発現株に対する殺菌抗体を誘導し得る。別の実施形態では、融合ポリペプチドは、ORF2086ポリペプチドと非相同であるORF2086バリアントを発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型B株に対する殺菌抗体応答を誘導する。例えば、担体タンパク質およびA05ポリペプチドを含む融合ポリペプチドは、髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型B A22発現株に対する殺菌抗体応答を誘導し得る。
【0069】
意外にも、本発明者らは、非脂質化ORF2086ポリペプチドおよび担体ポリペプチドを含む融合ポリペプチドが、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で同じORF2086ポリペプチドの非脂質化形態を含む組成物によって誘導される免疫応答より良好である哺乳動物における免疫応答を誘導し得ることを発見した。
【0070】
一実施形態では、融合ポリペプチドによって誘導される免疫応答は、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する非脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物における免疫応答に等しい。
【0071】
別の実施形態では、融合ポリペプチドによって誘導される免疫応答は、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物における免疫応答に等しい。
【0072】
一実施形態では、融合ポリペプチドによって誘導される免疫応答は、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する非脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物における免疫応答より大きい。例えば、本発明のポリペプチドによって誘導される免疫応答は、少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、またはそれより大きい場合がある。
【0073】
別の実施形態では、融合ポリペプチドによって誘導される免疫応答は、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物における免疫応答より大きい。例えば、本発明のポリペプチドによって誘導される免疫応答は、少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、またはそれより大きい場合がある。
【0074】
別の実施形態では、融合ポリペプチドに対する免疫応答は、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物における免疫応答より、最大で30%、25%、20%、15%、10%、または5%小さい。
【0075】
さらなる態様では、本発明は、哺乳動物における髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に対する免疫応答を誘導するための方法に関する。免疫応答は、任意の1つの髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型、または髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型(例えば、A、B、C、W135、X、および/もしくはY)の組合せに対するものであり得る。本方法は、哺乳動物に有効量の記載した単離ポリペプチドを投与するステップを含む。一実施形態では、単離ポリペプチドは、上述した融合ポリペプチドを含む。別の実施形態では、本方法は、哺乳動物に記載した単離および/または融合ポリペプチドを含む有効量の免疫原性組成物を投与するステップを含む。本方法によって誘導される免疫応答は、殺菌抗体を含み得る。殺菌抗体応答は、以下に記載されている。
【0076】
B)コンジュゲート
一態様では、本発明は、ORF2086ポリペプチドおよび担体ポリペプチドを含む免疫原性組成物に関する。一実施形態では、免疫原性組成物は、担体ポリペプチドに連結されたORF2086ポリペプチドのコンジュゲートを含む。ポリペプチドは、ポリペプチドが生理的条件下で安定であるように、任意の結合を介して連結され得る。一実施形態では、ポリペプチドは、共有結合によって連結される。別の実施形態では、ポリペプチドは、非共有結合によって連結される。コンジュゲートは、当技術分野で公知の方法を使用して調製され得る。
【0077】
1)ORF2086ポリペプチド。コンジュゲートは、任意のORF2086ポリペプチドを含み得る。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、サブファミリーAポリペプチドである。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、サブファミリーBポリペプチドである。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、脂質化されている。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、脂質化されていない。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、脂質化されておらず、ピルビン酸化されていない。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A04である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A05である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A06である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A07である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A12である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A15である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A19である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A20である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A01である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A22である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A29である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、B01である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、B02である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、B09である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、B15である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、B16である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、B22である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、B24である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、B44である。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、A62である。好ましくは、ORF2086ポリペプチドは、A05である。ORF2086ポリペプチドは、以下でより詳細に記載されている。
【0078】
好適な実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、WO2013132452および米国特許公開第US20130243807号に記載されているように、非ピルビン酸化非脂質化ORF2086ポリペプチドであり、これらの文献のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。用語「非ピルビン酸化」は、ピルビン酸含量を有さないポリペプチドを指す。ピルビン酸含量を有する非脂質化ORF2086ポリペプチドは、典型的には、対応する野生型ポリペプチドと比較して+70または+71の質量シフトを呈した。一実施形態では、本発明のポリペプチドは、質量分析法によって測定されるとき、対応する野生型非脂質化ポリペプチドと比較して+70または+71の質量シフトを呈さない。別の実施形態では、本発明のポリペプチドは、質量分析法によって測定されるとき、N末端の1位において最初のシステインを有する対応する非脂質化ポリペプチドと比較して+70または+71の質量シフトを呈さない。
【0079】
2)担体ポリペプチド。コンジュゲートは、任意の担体ポリペプチドを含み得る。好ましくは、担体ポリペプチドは、対応する野生型担体ポリペプチドと比較して、無毒化されており、または毒性の低下を呈する。一実施形態では、担体ポリペプチドは、サイトリソイドである。好適な実施形態では、サイトリソイドは、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)由来のニューモリシンポリペプチド、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)由来のペルフリンゴリシンOポリペプチド、ストレプトコッカス・インターメディウス(Streptococcus intermedius)由来のインターメディリシンポリペプチド、バチルス・アルベイ(Bacillus alvei)由来のアルベオリシンポリペプチド、炭疽菌(Bacillus anthracis)由来のアンスロリシンポリペプチド、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)由来の推定上のセレオリシンポリペプチド、リステリア・イバノビイ(Listeria ivanovii)由来のイバノリシンOポリペプチド、アルカノバクテリウム・ピオゲネス(Arcanobacterium pyogenes)由来のピオリシンポリペプチド、リステリア・ゼーリゲリ(Listeria seeligeri)由来のゼーリゲリオリシンOポリペプチド、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来のストレプトリジンOポリペプチド、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)由来のスイリシンポリペプチド、破傷風菌(Clostridium tetani)由来のテタノリジンポリペプチド、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)由来のリステリオリシンOポリペプチド、ストレプトコッカス・エクイシミリス(Streptococcus equisimilis)由来のストレプトリジンOポリペプチド、ストレプトコッカス・カニス(Streptococcus canis)由来のストレプトリジンOポリペプチド、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来のチューリンギオリシンOポリペプチド、ブレビバチルス・ラテロスポルス(Brevibacillus laterosporus)由来のラテルスポロリシンOポリペプチド、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)由来のボツリノリジンポリペプチド、クロストリジウム・ショウベイ(Clostridium chauvoei)由来のショウベオリシンポリペプチド、クロストリジウム・バイファーメンタンス(Clostridium bifermentans)由来のバイファーメントリシンポリペプチド、クロストリジウム・ソルデリイ(Clostridium sordellii)由来のソルデリリシンポリペプチド、ヒストリチクム菌(Clostridium histiolyticum)由来のヒストリチコリシンポリペプチド、クロストリジウム・ノビイ(Clostridium novyi)由来のノビリシンポリペプチド、またはクロストリジウム・セプチカム(Clostridium septicum)由来のセプチコリシンOポリペプチドに由来する。
【0080】
好適な実施形態では、サイトリソイドは、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)由来のニューモリシンポリペプチドに由来する。より好適な実施形態では、サイトリソイドは、配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む。
【0081】
別の実施形態では、担体ポリペプチドは、対応する野生型担体ポリペプチドと比較して無毒化されており、または毒性の低下を呈し、破傷風毒素(TT)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)スポロゾイト周囲タンパク質、B型肝炎表面抗原、B型肝炎核コアポリペプチド、インフルエンザ菌(H.influenzae)基質ポリペプチド、インフルエンザ菌(H.influenzae)赤血球凝集素、ジフテリアトキソイド、ジフテリアトキソイド変異体CRM
197、B群髄膜炎菌(N.meningitidis)外膜ポリペプチド複合体(OMPC)、サイトリソイド、肺炎球菌毒素ニューモリシン、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)由来の熱ショックポリペプチド、らい菌(M.leprae)由来の熱ショックポリペプチド、コレラトキソイド、大腸菌(E.coli)LT、大腸菌(E.coli)ST、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来の外毒素A、肺炎球菌表面ポリペプチドA、肺炎球菌アドヘシンポリペプチド(PsaA)、A群またはB群連鎖球菌種由来のC5aペプチダーゼ、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)ポリペプチドD、オボアルブミン、キーホールリンペットヘモシニアン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ツベルクリンの精製ポリペプチド誘導体(PPD)、髄膜炎菌(N.meningitidis)由来のPorB、およびこれらの誘導体、バリアント、または断片からなる群から選択される。好適な実施形態では、コンジュゲートは、CRM
197を含む。担体ポリペプチドは、以下でより詳細に記載されている。
【0082】
担体タンパク質のさらなる例としては、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来の連鎖球菌C5aペプチダーゼ(SCP)、ナイセリア由来のGNA2091(アクセサリータンパク質936としても公知)、およびCRM
197がある。担体タンパク質のさらなる例および説明は、セクションCにおいて以下で提供されている。
【0083】
3)アセンブリー:一実施形態では、コンジュゲートは、担体ポリペプチドに直接連結されたORF2086ポリペプチドを含む。例えば、コンジュゲートのポリペプチドは、リンカー分子の非存在下でカップリングされている。別の実施形態では、コンジュゲートは、担体ポリペプチドに間接的に連結されたORF2086ポリペプチドを含む。例えば、担体ポリペプチドは、中間体に連結されている場合があり、その中間体は、ORF2086ポリペプチドに連結されている。
【0084】
一実施形態では、コンジュゲートは、1つの担体ポリペプチドに連結された1つのORF2086ポリペプチドを含むが、他のコンホメーションも本発明の射程内である。例えば、別の実施形態では、コンジュゲートは、最大で1、2、3、4、または5、6、7、8、9、または10個の免疫原性細菌ポリペプチドを含む。一実施形態では、コンジュゲートは、最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のORF2086ポリペプチドを含む。別の実施形態では、コンジュゲートは、最大で1、2、3、4、または5つの担体ポリペプチドを含む。
【0085】
一部の実施形態では、コンジュゲートは、第3または後続のさらなるポリペプチドをさらに含む。第3のまたはさらなるポリペプチドの源として、それだけに限らないが、髄膜炎菌(N.meningitidis)を挙げることができる。一実施形態では、第3のポリペプチドは、ORF2086ポリペプチドまたは担体ポリペプチドにインフレームで融合される。一実施形態では、コンジュゲートは、肺炎球菌に由来するポリペプチド配列を含む。別の実施形態では、コンジュゲートは、肺炎球菌に由来するポリペプチド配列を含まない。
【0086】
非ピルビン酸化非脂質化ORF2086タンパク質は、WO2013132452および米国特許公開第US20130243807号に記載されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。非脂質化ORF2086タンパク質の発現後のピルビン酸化(pyruvylation)修飾の可能性を除去または低減する方法もこれらの中に記載されている。
【0087】
ピルビン酸化を除去するための追加の方法は、硫酸亜鉛でのタンパク質の処理を含む。
【0088】
さらに別の方法は、N末端の1位における最初のシステインを欠失させ、N末端の任意のアミノ酸残基をシステイン残基で置き換える、非脂質化ORF2086タンパク質の遺伝子改変を含む。例えば、一実施形態では、非脂質化ORF2086タンパク質は、対応する野生型非脂質化ORF2086タンパク質と比較して、システイン残基がORF2086タンパク質のN末端の1位に存在せず、セリン残基がシステイン残基で置き換えられているアミノ酸配列を含む。
【0089】
好ましくは、システイン残基によって置き換えられるアミノ酸残基は、N末端の最初の残基から最大で20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、または5個のアミノ酸である。
【0090】
例えば、一実施形態では、非脂質化ORF2086タンパク質は、対応する野生型非脂質化ORF2086タンパク質と比較して、システイン残基がORF2086タンパク質のN末端の1位に存在せず、2位の残基がシステイン残基で置き換えられているアミノ酸配列を含む。
【0091】
好ましくは、システイン残基によって置き換えられるアミノ酸残基は、N末端の最初の残基から最大で20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、または5個のアミノ酸に位置したセリン残基である。例えば、非脂質化ORF2086タンパク質は、対応する野生型非脂質化ORF2086タンパク質と比較して、システイン残基がORF2086タンパク質のN末端の1位に存在せず、2位のセリン残基がシステイン残基で置き換えられているアミノ酸配列を含む。例えば、配列番号5、配列番号156、および配列番号157を比較されたい。
【0092】
別の実施形態では、非脂質化ORF2086タンパク質は、対応する野生型非脂質化ORF2086タンパク質と比較して、システイン残基がORF2086タンパク質のN末端の1位に存在せず、6位のセリン残基がシステイン残基で置き換えられているアミノ酸配列を含む。例えば、配列番号5、配列番号156、および配列番号158を比較されたい。
【0093】
好ましくは、コンジュゲートは、担体ポリペプチドが由来する細菌種と異なる細菌種に由来するポリペプチドを含む。したがって、一実施形態では、担体タンパク質は、ORF2086ポリペプチドと、かつコンジュゲート中に含まれる任意の追加のポリペプチドと非相同である。ポリペプチドを参照した「非相同」は、異なるタンパク質および/または異なる細菌種が起源であるポリペプチドである。
【0094】
架橋剤を通じてでもよい担体ポリペプチドとORF2086ポリペプチドとの間のコンジュゲーションは、当技術分野で公知の方法に従って行われ得る。好ましくは、担体ポリペプチドとORF2086ポリペプチドとの間の結合は、求核中心(例えば、タンパク質のリシンまたはシステイン残基)との反応に適した少なくとも1つの活性化された末端を有する活性化された担体ポリペプチドを使用して達成される。
【0095】
一実施形態では、担体タンパク質は、リシン残基への非特異的NHS−エステル反応によってマレイミドで活性化されている。次いでORF2086ポリペプチドの単一のN末端システインが、担体タンパク質のマレイミドにコンジュゲートされる。
【0096】
当技術分野で公知であるように、マレイミドは、スルフヒドリル基と反応して安定なチオエーテル結合を形成する。N−エチルマレイミド(NEM)は、チオール反応性試薬の一例である。例えば、ニューモリシンタンパク質は、NEMでのタンパク質の誘導体化、その後のSM(PEG)
4での活性化によってコンジュゲーションのために調製され得る。
【0097】
別の実施形態では、担体ポリペプチドは、スルホスクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(スルホ−SMCC)で活性化される。スルホ−SMCCは、水溶性アミン−スルフヒドリル架橋剤である。これは、アミン反応性N−ヒドロキシスクシンイミド(NHSエステル)およびスルフヒドリル反応性マレイミド基を含有する。一例では、SCPタンパク質は、スルホ−SMCCで活性化され得る。
【0098】
4)コンジュゲートを含む免疫原性組成物:一態様では、本発明は、上述したコンジュゲートを含む免疫原性組成物に関する。免疫原性組成物は、薬学的に許容できる賦形剤をさらに含む。
【0099】
一実施形態では、免疫原性組成物は、a)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型Aの莢膜糖のコンジュゲート;b)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型Cの莢膜糖のコンジュゲート;c)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型W135の莢膜糖のコンジュゲート;およびd)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型Yの莢膜糖のコンジュゲートから選択される少なくとも1種のコンジュゲートをさらに含む。髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)の莢膜糖のこのようなコンジュゲートは、当技術分野で公知である。髄膜炎菌(N.meningitidis)莢膜糖コンジュゲートおよび多糖コンジュゲートの説明は、以下に記載されている。
【0100】
5)免疫応答:一態様では、コンジュゲートは、哺乳動物における髄膜炎菌(N.meningitidis)に対する免疫応答を誘導する。一実施形態では、コンジュゲートは、ORF2086ポリペプチドと相同である髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型Bバリアントに対する殺菌抗体を誘導する。例えば、担体タンパク質およびA05ポリペプチドを含むコンジュゲートは、髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型B A05発現株に対する殺菌抗体を誘導し得る。別の実施形態では、コンジュゲートは、ORF2086ポリペプチドと非相同である髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型Bバリアントに対する殺菌抗体を誘導する。例えば、担体タンパク質およびA05ポリペプチドを含むコンジュゲートは、髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型B A22発現株に対する殺菌抗体を誘導し得る。
【0101】
一実施形態では、非脂質化ORF2086ポリペプチドおよび担体ポリペプチドを含むコンジュゲートは、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で同じORF2086ポリペプチドの脂質化形態を含む組成物によって誘導される免疫応答と同等である哺乳動物における免疫応答を誘導し得る。
【0102】
一実施形態では、コンジュゲートによって誘導される免疫応答は、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する非脂質化ORF2086ポリペプチドを含む組成物を投与される哺乳動物の免疫応答に等しい。
【0103】
別の実施形態では、コンジュゲートによって誘導される免疫応答は、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する脂質化ORF2086ポリペプチドを含む組成物を投与される哺乳動物の免疫応答に等しい。
【0104】
別の実施形態では、コンジュゲートによって誘導される免疫応答は、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する脂質化ORF2086ポリペプチドを含む組成物を投与される哺乳動物の免疫応答より大きい。例えば、コンジュゲートによって誘導される免疫応答は、少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、またはそれより大きい場合がある。
【0105】
別の実施形態では、コンジュゲートによって誘導される免疫応答は、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する非脂質化ORF2086ポリペプチドを含む組成物を投与される哺乳動物の免疫応答より大きい。例えば、コンジュゲートによって誘導される免疫応答は、少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、またはそれより大きい場合がある。
【0106】
さらなる実施形態では、コンジュゲートの免疫応答は、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する脂質化ORF2086ポリペプチドを含む組成物を投与される哺乳動物の免疫応答より最大で30%、25%、20%、15%、10%、または5%小さい。
【0107】
別の態様では、本発明は、哺乳動物における髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に対する免疫応答を誘導するための方法に関する。免疫応答は、任意の1つの髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型、または髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型(例えば、A、B、C、W135、X、および/もしくはY)の組合せに対するものであり得る。本方法は、哺乳動物に有効量の記載した単離ポリペプチドを投与するステップを含む。一実施形態では、単離ポリペプチドは、上述したコンジュゲートを含む。別の実施形態では、本方法は、哺乳動物に記載した単離ポリペプチドおよび/またはコンジュゲートを含む有効量の免疫原性組成物を投与するステップを含む。本方法によって誘導される免疫応答は、殺菌抗体を含み得る。殺菌抗体応答は、以下に記載されている。
【0108】
C)担体ポリペプチド
担体タンパク質またはポリペプチドは、担体ポリペプチドに連結された分子に向けられる免疫応答を誘導するポリペプチド実体である。担体ポリペプチドを分子(例えば、ORF2086ポリペプチド)に連結することによって、抗原性ポリペプチドの免疫原性を増大させることが可能である。
【0109】
例示的な担体ポリペプチドは、以下のうちの無毒化された形態を含む:破傷風毒素(TT)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)スポロゾイト周囲タンパク質、B型肝炎表面抗原、B型肝炎核コアタンパク質、インフルエンザ菌(H.influenzae)基質タンパク質、インフルエンザ菌(H.influenzae)赤血球凝集素、ジフテリアトキソイド、ジフテリアトキソイド変異体CRM
197、B群髄膜炎菌(N.meningitidis)外膜タンパク質複合体(OMPC)、サイトリソイド、肺炎球菌毒素ニューモリシン、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)由来の熱ショックタンパク質、らい菌(M.leprae)由来の熱ショックタンパク質、コレラトキソイド、大腸菌(E.coli)LT、大腸菌(E.coli)ST、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来の外毒素A、肺炎球菌表面プロテインA、肺炎球菌アドヘシンプロテイン(PsaA)、A群またはB群連鎖球菌由来のC5aペプチダーゼ、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)プロテインD、オボアルブミン、キーホールリンペットヘモシニアン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ツベルクリンの精製タンパク質誘導体(PPD)、PorB(髄膜炎菌(N.meningitidis)由来)、およびこれらの誘導体、バリアント、または断片。担体ポリペプチドは、好ましくは、担体ポリペプチドの対応する野生型より低い毒性を呈する。
【0110】
ジフテリアトキソイド:好適な実施形態では、担体ポリペプチドは、ジフテリアトキソイド、またはそのバリアントもしくは断片、より好ましくは、CRM
197である。CRM
197は、ジフテリア毒素の無毒性バリアント(すなわち、トキソイド)である。一実施形態では、CRM
197は、カザミノ酸および酵母エキス系培地中で増殖させたジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)株C7(β197)の培養物から単離される。別の実施形態では、CRM
197は、米国特許第5,614,382号に記載の方法に従って組換えで調製される。一部の実施形態では、CRM
197は、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)中で調製される。当技術分野で公知の他のジフテリアトキソイド、例えば、CRM
176、CRM
228、CRM
45、CRM
9、CRM
102、CRM
103、およびCRM
107なども使用され得る。
【0111】
ジフテリアトキソイドは、全長ジフテリアトキソイドポリペプチド、その活性バリアントもしくは断片、またはジフテリアトキソイドの任意の免疫原性断片を含み得る。例示的なジフテリアトキソイドとしては、米国特許第4,709,017号あるいは米国特許第4,950,740号に開示された、対応する野生型ジフテリア毒素と比較して、欠失、あるいはGlu148のAsp、Gln、もしくはSerへの、および/またはAla158のGlyへの変異;米国特許第5,917,017号または米国特許第6,455,673号に開示された残基Lys516、Lys526、Phe530および/またはLys534のうちの少なくとも1つまたは複数の変異、ならびに他の変異を有するトキソイド;あるいは米国特許第5,843,711号に開示された断片がある。
【0112】
追加の例示的なジフテリアトキソイドは、「DT−A」領域として公知の、配列番号12に示したCRM
197のアミノ酸1〜193を含むCRMの断片を含む。
【0113】
一実施形態では、CRM
197タンパク質は、配列番号10と少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有する配列を含む。最も好適な実施形態では、担体タンパク質は、配列番号10を含む。
【0114】
別の好適な実施形態では、CRM
197タンパク質は、配列番号155と少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有する配列を含む。最も好適な実施形態では、CRM
197タンパク質は、配列番号155を含む。
【0115】
サイトリソイド:別の好適な実施形態では、担体ポリペプチドは、サイトリソイドまたはそのバリアントもしくは断片である。より好適な実施形態では、担体ポリペプチドは、無毒化されており、または肺炎球菌毒素ニューモリシンの対応する野生型形態より低い毒性を呈する肺炎球菌毒素ニューモリシンである。
【0116】
本明細書において、「サイトリソイド」は、修飾細胞溶解素であって、タンパク質の修飾が、免疫原性活性を保持しながら、サイトリソイドタンパク質の毒性、オリゴマー化、および/または溶血性を不活化、無毒化、または低減する、修飾細胞溶解素を指す。
【0117】
細胞溶解素は、少なくともクロストリジウム属、連鎖球菌属、リステリア属、バチルス属、およびアルカノバクテリウム属に由来する様々な種によって生成される孔形成毒素のファミリーと関連する。細胞溶解素は、溶血性タンパク質として公知であり得る。例示的な野生型細胞溶解素のアミノ酸配列は、配列番号88〜101に示されている。このような細胞溶解素は、コレステロール結合細胞溶解素である。
【0118】
細胞溶解素タンパク質の毒性の低減(すなわち、毒性、オリゴマー化、および/または溶血の低減)は、対応する野生型細胞溶解素タンパク質と比較してなど、適切な対照と比べて、少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれを超える統計的に有意な低下を含む。細胞溶解素活性をアッセイする方法は、当技術分野で公知である。
【0119】
細胞溶解素の毒性活性(すなわち、オリゴマー化および/または溶血)を不活化または低減し得る修飾は、当技術分野で公知である。これらの修飾は、アミノ酸置換、欠失、および/または付加であり得る。このような修飾は、当技術分野で公知である。いくつかの例としては、それだけに限らないが、野生型ニューモリシンタンパク質の144〜161由来のアミノ酸残基に対応する領域内に変異(例えば、置換または欠失)を有するサイトリソイドを開示しているWO2005/108419およびWO2005/108580に記載されたものがある。ニューモリシンのこの領域は、細胞溶解素の中で共有されているコンセンサス配列を有する。変異体細胞溶解素は、野生型細胞溶解素と比較してオリゴマー化および/または溶血性活性が低減しており、したがって毒性が低い。変異体は、野生型ニューモリシン配列のアミノ酸144〜161に対応する領域内でアミノ酸残基の1個または複数の置換または欠失を有し得る。したがって、サイトリソイドは、野生型ニューモリシンのアミノ酸144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、または161に対応するアミノ酸残基の1個または複数において変異を有し得る。
【0120】
野生型ニューモリシンの残基144〜161に対応する配列番号88〜101によって記載される細胞溶解素の領域を以下に列挙する。
【0123】
ある特定の好適な変異体細胞溶解素タンパク質は、野生型ニューモリシン配列のアミノ酸残基144〜151に対応する領域内の2つの隣り合ったアミノ酸の置換または欠失によって野生型タンパク質と異なる。このような二重変異体の例は、バリン144とプロリン145、アラニン146とアルギニン147、メチオニン148とグルタミン149、またはチロシン150とグルタミン酸151に対応するアミノ酸、すなわち、上記表に示した対応するアミノ酸の置換または欠失を含有するものである。好適な実施形態では、サイトリソイドは、対応する野生型細胞溶解素と比較してアラニン146とアルギニン147の欠失を含む。
【0124】
変異体は、ペルフリンゴリシンのY181に対応する残基において置換を有し得る。この残基は、ニューモリシンのY150に対応する。このような変異体は、ペルフリンゴリシン、または他の細胞溶解素タンパク質に由来し得る。
【0125】
溶血活性が低減された細胞溶解素のさらなる変異体は、WO90/06951に記載されており、野生型ニューモリシン配列のアミノ酸257〜297、367〜397、または424〜437に対応する領域の少なくとも1つにおいて、特に、ニューモリシン配列のアミノ酸367、384、385、428、433、および435に対応する位置において少なくとも1つのアミノ酸置換または欠失を含有する。したがって、本明細書に記載の方法および組成物で使用される細胞溶解素タンパク質は、ニューモリシン配列のアミノ酸144〜161に対応する領域中の変異に加えて、またはその代わりに1つまたは複数のこのような変異を含み得る。
【0126】
細胞溶解素タンパク質は、野生型配列と比べて他の変異を含み得る。これらの変異は、細胞溶解素タンパク質の1つまたは複数の生物活性、例えば、溶血活性、オリゴマー化活性、もしくは補体を活性化する能力などをそれ自体で低減することができ、またはこれらは、表現型的にサイレントであり得る。
【0127】
欠失および置換は、毒性が低減された本発明の変異タンパク質をもたらすのに使用され得る変異の例である。非保存的置換は、変異体の毒性を低減するのに特に適している場合があり、理由は、非保存的変異を有する変異体は、保存的置換を有するものと比べて野生型レベルの機能を保持する可能性が低いためである。当技術分野におけるサイトリソイドの追加の限定されない例は、米国特許出願公開第2009/0285846A1号(WO2012/134975)および米国特許出願公開第2010/0166795号(WO2007/144647)に開示されている。
【0128】
様々なサイトリソイドの活性バリアントまたは断片は、これらが担体ポリペプチド活性を維持する点で、本明細書に提供されるサイトリソイドポリペプチドと、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を含み得る。サイトリソイドの活性バリアントは、当技術分野で公知である。例えば、配列番号117〜120および配列番号1を参照。例えば、米国特許出願第2009/0285846A1号および米国特許出願第2010/0166795号も参照。
【0129】
担体ポリペプチド活性を保持する野生型または変異体細胞溶解素タンパク質の断片も使用され得る。このような断片は、これらが担体ポリペプチド活性を保持する限り、例えば、長さが少なくとも50アミノ酸、長さが少なくとも100アミノ酸、長さが少なくとも200アミノ酸、長さが少なくとも300アミノ酸、または長さが少なくとも400アミノ酸であり得る。
【0130】
ニューモリソイド:好適な実施形態では、担体ポリペプチドは、ニューモリソイドポリペプチドまたはそのバリアントもしくは断片を含む。ニューモリシンは、孔形成毒素であり、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)によって生成される主要な細胞溶解素である。野生型または天然ニューモリシンのアミノ酸配列は、配列番号21に示されている。
【0131】
本明細書において、「ニューモリソイド」は、修飾ニューモリシン(ニューモリシントキソイド)であって、タンパク質の修飾が、対応する野生型ニューモリシンと比較して、依然として担体ポリペプチド活性を保持しながら、ニューモリソイドタンパク質の毒性、オリゴマー化、溶血性および/または補体活性化性を不活化または低減する、修飾ニューモリシン(ニューモリシントキソイド)を指す。
【0132】
本明細書に提供される様々な組成物中に用いられ得る例示的なニューモリソイドは、例えば、WO2005/108419、WO2005/108580、WO90/06951、米国特許出願第2009/0285846A1号、および米国特許出願第2010/0166795号に記載されている。WO2005/108419およびWO2005/108580には、野生型ニューモリシンタンパク質のアミノ酸141〜161の領域内で変異(例えば、置換または欠失)を有するニューモリソイドが開示されている。これらの変異体は、野生型ニューモリシンと比較して、毒性、オリゴマー化および/または溶血活性が低減されており、したがって、毒性が低い。
【0133】
変異体は、野生型ニューモリシン配列144〜161の1個または複数のアミノ酸の置換または欠失を有し得る。したがって、ニューモリソイドは、野生型ニューモリシンのアミノ酸残基144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、または161の1個または複数において変異を有し得る。さらに、溶血活性が低減されており、かつ野生型ニューモリシンのアミノ酸257〜297、367〜397、または424〜437に対応する領域の少なくとも1つにおいて少なくとも1つのアミン酸置換または欠失を有するニューモリソイドが、WO90/06951に記載されている。
【0134】
ニューモリソイドのさらなる例としては、配列番号1、またはその活性バリアントもしくは断片がある。別の例には、対応する野生型ニューモリシン(配列番号21)と比較して、アミノ酸460位のリシンのアスパラギン酸残基への変異を有するニューモリソイド(配列番号117)が含まれる。このようなバリアントニューモリソイドは、米国特許出願第2009/0285846A1号に開示されている。配列番号117のバリアントは、本明細書に提供されており、配列番号118に示されている。活性バリアントは、配列番号117と比較したとき、208位のリシンからアルギニンへのアミノ酸変化を含む。
【0135】
配列番号119に示したニューモリソイド、またはその活性バリアントもしくは断片は、野生型ニューモリシン配列のアミノ酸385位のアスパラギン酸の代わりにアスパラギンの置換、ならびにアラニン146およびアルギニン147の欠失を含む。配列番号119に示したこのニューモリソイドは、溶血性および補体活性化の両方を欠乏している場合があり、米国特許出願第2010/0166795号に開示されている。
【0136】
配列番号120に示したニューモリソイド、またはその活性バリアントもしくは断片は、野生型ニューモリシン配列のアミノ酸433位のトリプトファンの代わりにフェニルアラニンのアミノ酸置換を含む。配列番号120に示したこのニューモリソイドは、溶血性を欠乏している場合があり、米国特許第6716432号に開示されている。
【0137】
最も好適な実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号1を有するニューモリソイド、またはその活性バリアントもしくは断片を含む。配列番号1のポリペプチドは、野生型ニューモリソイドと比較してA146R147欠失を含む。
【0138】
したがって、ニューモリソイドの活性バリアントまたは断片が本明細書に提供されている。このような活性バリアントは、配列番号88〜120または配列番号21と少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を含み得る。ニューモリシンの活性バリアントは、参照により本明細書に組み込まれている、例えば、US2010/0166795およびUS2009/0285846A1にも記載されている。当技術分野では、本明細書の他の箇所で記載されているように、このようなバリアントの調製に関するガイダンスが提供されている。したがって、一実施形態では、融合ポリペプチドは、配列番号88〜101、配列番号21、もしくは配列番号1に示したアミノ酸配列のいずれか1つに示したニューモリソイド、または配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を有するその活性バリアントを含む。
【0139】
一実施形態では、担体タンパク質は、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来の連鎖球菌C5aペプチダーゼ(SCP)に由来する。好適な実施形態では、担体タンパク質は、配列番号151と少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有する配列を含む。最も好適な実施形態では、担体タンパク質は、配列番号151を含む。
【0140】
一実施形態では、担体タンパク質は、GNA2091に由来する。好適な実施形態では、担体タンパク質は、配列番号147と少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有する配列を含む。最も好適な実施形態では、担体タンパク質は、配列番号147を含む。
【0141】
D)ORF2086ポリペプチド
用語「ORF2086」は、本明細書において、ナイセリア種細菌由来のオープンリーディングフレーム2086を指す。ナイセリアORF2086、それからコードされるタンパク質、これらのタンパク質の断片、およびこれらのタンパク質を含む免疫原性組成物は、当技術分野で公知であり、例えば、WO2003/063766に、ならびに米国特許出願公開第US20060257413、同第US20090202593号、WO2012032489、および米国特許出願公開第US20120093852号に記載されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。ORF2086ポリペプチドは、WO2013132452および米国特許公開第US20130243807号にも記載されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。ORF2086ポリペプチドの例としては、配列番号5、19、22〜65に示したアミノ酸配列のいずれか1つなどの配列番号22〜87に示した配列のいずれか1つを有するポリペプチドがある。
【0142】
用語「P2086」は一般に、ORF2086にコードされるタンパク質を指す。「2086」の前の「P」は、「タンパク質」の略語である。本発明のP2086タンパク質は、脂質化されていても、脂質化されていなくてもよい。「LP2086」および「P2086」は典型的には、それぞれ2086タンパク質の脂質化および非脂質化形態を指す。本発明のP2086タンパク質は、組換え体であり得る。「rLP2086」および「rP2086」は典型的には、それぞれ組換え2086タンパク質の脂質化および非脂質化形態を指す。「2086」は、H因子結合タンパク質(fHBP)としても公知である。
【0143】
用語「野生型非脂質化ORF2086ポリペプチド」または「野生型非脂質化2086ポリペプチド」または「野生型非脂質化ポリペプチド」は、本明細書において、自然において見つかる対応する成熟脂質化ORF2086ポリペプチドのアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を有するORF2086ポリペプチドを指す。非脂質化分子と脂質化分子との間の唯一の差異は、野生型非脂質化ORF2086ポリペプチドがN末端システインにおいてトリパルミトイル脂質尾部で脂質化されていないことである。
【0144】
用語「N末端システイン」は、ポリペプチドのN末端またはN末端尾部におけるシステイン(Cys)残基を指す。より具体的には、「N末端システイン」は、本明細書において、当技術分野で公知であるように、LP2086リポタンパク質がリパルミトイル脂質尾部で脂質化されているN末端システインを指す。
【0145】
一実施形態では、本発明のポリペプチドおよび組成物は、ORF2086ポリペプチドを含み、ORF2086ポリペプチドは、ORF2086ポリペプチドのN末端でシステイン残基を含まない。N末端システインが存在しないORF2086ポリペプチドの例としては、配列番号42〜65および配列番号131〜134に記載のポリペプチドがある。
【0146】
一実施形態では、単離ポリペプチドは、システインがORF2086ポリペプチドのN末端において存在しないORF2086ポリペプチドを含む。
【0147】
別の実施形態では、融合ポリペプチドは、システインがORF2086ポリペプチドのN末端において存在しないORF2086ポリペプチドを含む。
【0148】
さらに別の実施形態では、ORF2086ポリペプチド−担体ポリペプチドコンジュゲート中のORF2086ポリペプチドは、ORF2086ポリペプチドのN末端においてシステインを含まない。
【0149】
用語「Gly/Serストーク」は、本明細書において、ORF2086ポリペプチドのN末端における連続したGlyおよびSer残基を指す。Gly/Serストーク中に、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個のGlyおよびSer残基、好ましくは5から12個の間のGlyおよびSer残基が存在し得る。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、少なくとも2個および最大で15個の連続したGlyおよび/またはSer残基を含む。ORF2086ポリペプチドバリアントの天然Gly/Serストークは、WO2012032489および米国特許公開第US20120093852号の
図2A〜2C中の下線が引かれた配列によって表され、これらの文献のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0150】
一実施形態では、ORF2086ポリペプチドのGly/Serストークは、野生型または天然ORF2086ポリペプチドと比較して、修飾を含む。ORF2086ポリペプチドの天然Gly/Serストークへの修飾の例としては、Glyおよび/またはSer残基の欠失、GlyのSer残基との置換、またはSer残基のGly残基との置換、Glyおよび/もしくはSer残基の付加、ならびにこれらの任意の組合せがある。天然Gly/Serストーク領域の修飾を含むORF2086ポリペプチドの例としては、例えば、配列番号62〜65および配列番号131〜134によって記載されるポリペプチドがある。
【0151】
当技術分野で公知であるように、ORF2086ポリペプチドの非脂質化形態は、元のリーダー配列を欠いている場合があり、または宿主細胞内での脂肪酸アシル化の部位を指定しない配列の部分で置き換えられたリーダー配列を含み得る。例えば、WO2003/063766、米国特許第8101194号、WO2012032489、および米国特許公開第US20120093852号を参照。これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。非脂質化ORF2086ポリペプチドの例としては、配列番号22〜65に示した配列のいずれか1つを有するポリペプチドがある。好適な実施形態では、非脂質化ORF2086ポリペプチドとしては、配列番号42〜65に示した配列のいずれか1つを有するポリペプチドがある。
【0152】
一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、配列番号66〜87に示したポリヌクレオチド配列のいずれか1つによってコードされる。好適な実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、ORF2086ポリペプチドのN末端またはアミノ酸残基1位においてシステインをコードしない配列によってコードされる。例示的なポリヌクレオチド配列としては、配列番号131〜134がある。
【0153】
別の好適な実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、配列番号66〜87に示したポリヌクレオチド配列のいずれか1つのコドン最適化配列によってコードされる。ORF2086ポリペプチドをコードするコドン最適化配列は、WO2012032489、米国特許公開第US20120093852号、PCT/IB2013/051791、および米国特許出願第13/787594号に記載されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。例示的なコドン最適化配列は、配列番号121〜129に示したポリヌクレオチド配列を含む。
【0154】
ORF2086ポリペプチドは、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)(血清型A、B、C、D、W−135、X、Y、Z、および29E)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、およびナイセリア・ラクタミカ(Neisseria lactamica)の株を含めたナイセリア属種、ならびに前記タンパク質の免疫原性部分および/または生物学的等価物に由来し得る。
【0155】
ORF2086ポリペプチドとしては、サブファミリーAタンパク質、およびサブファミリーBタンパク質、これらの免疫原性部分、および/またはこれらの生物学的等価物がある。ORF2086ポリペプチドまたはこれらの等価物などは、脂質化されていても、脂質化されていなくてもよい。好ましくは、ORF2086ポリペプチドは、脂質化されていない。代わりに、免疫原性組成物は、脂質化および非脂質化ORF2086ポリペプチドの組合せを含み得る。
【0156】
ORF2086サブファミリーAタンパク質およびサブファミリーBポリペプチドは、当技術分野で公知である。WO2003/063766および米国特許第8101194号を参照。これらは、2086サブファミリーAのタンパク質に関連するアミノ酸配列を代表するものとして、その中で配列番号260〜278を開示している。さらに、WO2003/063766および米国特許第8101194号に開示の配列番号279〜299は、2086サブファミリーBのタンパク質に関連するアミノ酸配列を代表する。WO2003/063766および米国特許第8101194号はそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。ORF2086サブファミリーAおよびサブファミリーBポリペプチドは、WO2012032489、米国特許公開第US20120093852号、PCT/IB2013/051791、現在、WO2013132452、および米国特許出願第13/787594号、現在、公開第US20130243807号にも開示されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0157】
一実施形態では、非脂質化ポリペプチドは、対応する脂質化ポリペプチドをコードする配列と少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0158】
一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、ORF2086ポリペプチドのN末端において少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個の連続したセリンおよび/またはグリシン残基を含む。好ましくは、ORF2086ポリペプチドは、ORF2086ポリペプチドのN末端において少なくとも3、4、5、6、7、8、9、または10個、および最大で15、14、13、12、11、または10個の連続したセリンおよび/またはグリシン残基を含む。このような残基の存在は、融合ポリペプチドの構築を容易にすることができる。
【0159】
例示的な実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、そのそれぞれの天然Gly/Serストーク領域を含む。例えば、B44ポリペプチドは、WO2012032489および米国特許公開第US20120093852号の
図2C中で下線を引いて示されたストーク領域を含み、これらの文献のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。例えば、配列番号40の残基2〜12および配列番号60の残基1〜11を参照。別の例として、A12ポリペプチドは、WO2012032489および米国特許公開第US20120093852号の
図2A中に下線を引いて示されたストーク領域を含み、これらの文献のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。例えば、配列番号28の残基2〜7および配列番号47の残基1〜6を参照。
【0160】
一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、少なくとも約200、210、220、230、240、250、255、または260個の連続したアミノ酸、および最大で約270、269、268、267、266、265、264、263、260、259、258、257、256、または255個の連続したアミノ酸を含む。任意の最小値を任意の最大値と組み合わせて範囲を定義することができる。より好ましくは、ポリペプチドは、少なくとも254または262個の連続したアミノ酸を有する。一部の実施形態では、ポリペプチドは、最大で254個の連続したアミノ酸を有する。他の実施形態では、ポリペプチドは、最大で262個の連続したアミノ酸を有する。一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、対応するORF2086ポリペプチドをコードする配列と少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む。例えば、例示的な実施形態では、A62ポリペプチドは、配列番号41と少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0161】
本明細書において、用語「ピルビン酸化されていない」は、ピルビン酸含量をまったく有さないポリペプチドを指す。ピルビン酸含量を有する非脂質化ORF2086ポリペプチドは、典型的には、対応する野生型ポリペプチドと比較して、+70の質量シフトを呈した。一実施形態では、本発明のポリペプチドは、質量分析法によって測定される場合、対応する野生型非脂質化ポリペプチドを比較して+70の質量シフトを呈さない。非ピルビン酸化ORF2086ポリペプチドは、WO2012032489、米国特許公開第US20120093852号、PCT/IB2013/051791、および米国特許出願第13/787594号にも記載されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0162】
E)ポリヌクレオチド
一態様では、本発明は、本明細書に記載の単離ポリペプチドのいずれか1つをコードする単離ポリヌクレオチドに関する。一態様では、本発明は、本明細書に記載の融合ポリペプチドのいずれか1つをコードする単離ポリヌクレオチドに関する。一実施形態では、単離ポリヌクレオチド配列は、コドン最適化配列である。
【0163】
一実施形態では、ORF2086ポリペプチドは、コドン最適化ポリヌクレオチド配列によってコードされる。ORF2086ポリペプチドをコードするコドン最適化配列の例としては、配列番号121〜129に示した配列がある。好適な実施形態では、単離ポリペプチドは、ORF2086ポリペプチドをコードするコドン最適化ポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる。より好適な実施形態では、融合ポリペプチドは、ORF2086ポリペプチドをコードするコドン最適化ポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド配列によってコードされる。別の好適な実施形態では、担体−ORF2086ポリペプチドコンジュゲート中のORF2086ポリペプチドは、コドン最適化ポリヌクレオチド配列によってコードされる。
【0164】
F)ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの断片
開示したポリヌクレオチドおよびポリペプチドの活性バリアントおよび断片も、本明細書に記載されている。「バリアント」は、実質的に同様の配列を指す。本明細書において、「バリアントポリペプチド」は、天然タンパク質の任意の位置における1個または複数のアミノ酸残基の修飾によって天然タンパク質に由来するポリペプチドを指す。修飾として、天然タンパク質のN末端および/もしくはC末端における1個もしくは複数のアミノ酸残基の欠失(いわゆる、トランケーション)、天然タンパク質中の1つもしくは複数の内部部位における1個もしくは複数のアミノ酸残基の欠失および/もしくは付加、または天然タンパク質中の1つもしくは複数の部位における1個もしくは複数のアミノ残基の置換を挙げることができる。バリアントポリペプチドは、天然ポリペプチドの所望の生物活性を保有し続け、すなわち、これらは、免疫原性である。本明細書に開示のポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列のバリアントは、典型的には、参照配列と少なくとも約65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれより高い配列同一性を有することになる。
【0165】
用語「断片」は、指定数の連続したアミノ酸またはヌクレオチド残基を含むアミノ酸またはヌクレオチド配列の部分を指す。特定の実施形態では、本明細書に開示のポリペプチドの断片は、完全長ポリペプチドの生物活性を保持することができ、したがって免疫原性であり得る。ポリヌクレオチドの断片は、タンパク質の生物活性を保持するタンパク質断片をコードすることができ、したがって免疫原性であり得る。代わりに、PCRプライマーとして有用であるポリヌクレオチドの断片は一般に、生物活性を保持するタンパク質断片をコードしない。したがって、本明細書に開示のヌクレオチド配列の断片は、少なくとも約15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、175、200、225、250、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、もしくは1500個の連続したヌクレオチド、または最大で全長ポリヌクレオチドに及びうる。本明細書に開示のポリペプチド配列の断片は、少なくとも10、15、20、25、30、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、もしくは500個の連続したアミノ酸、または最大で完全長ポリペプチド中に存在するアミノ酸の総数を含み得る。
【0166】
G)髄膜炎菌コンジュゲート
一実施形態では、免疫原性組成物は、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型Aの莢膜糖のコンジュゲート;髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型Cの莢膜糖のコンジュゲート;髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型W135の莢膜糖のコンジュゲート;および髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型Yの莢膜糖のコンジュゲートからなる群から選択される少なくとも1種のコンジュゲートをさらに含む。
【0167】
好適な実施形態では、免疫原性組成物は、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)の莢膜多糖のコンジュゲート、および担体タンパク質を含む。好ましくは、糖コンジュゲート中の担体タンパク質は、細菌毒素、例えば、ジフテリアもしくは破傷風毒素など、またはトキソイド、あるいはこれらの変異体である。最も好ましくは、担体タンパク質は、CRM
197である。例えば、一実施形態では、組成物は、(a)血清型A髄膜炎菌(N.meningitidis)の莢膜多糖およびCRM
197のコンジュゲート;(b)血清型C髄膜炎菌(N.meningitidis)の莢膜多糖およびCRM
197のコンジュゲート;(c)血清型W135髄膜炎菌(N.meningitidis)の莢膜多糖およびCRM
197のコンジュゲート;ならびに(d)血清型Y髄膜炎菌(N.meningitidis)の莢膜多糖およびCRM
197のコンジュゲートから選択される少なくとも1種のコンジュゲートを含む。
【0168】
血清型A、C、W135、およびYの莢膜糖は、特徴付けられており、当技術分野で公知であり、WO2012032489および米国特許公開第US20120093852号に記載されており、これらの文献のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0169】
H)殺菌免疫応答
別の態様では、本明細書に記載の単離ポリペプチドおよび組成物は、血清型B髄膜炎菌(N.meningitidis)由来のORF2086ポリペプチドに対して、哺乳動物において殺菌免疫応答を誘発する。本組成物は、哺乳動物に投与された後、殺菌性抗髄膜炎菌抗体を誘導する能力を有し、好適な実施形態では、それぞれのサブファミリー由来のLP2086バリアントを発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)の株に対して殺菌性である抗体を誘導することができる。殺菌応答に対するさらなる情報を以下に示す。
【0170】
一実施形態では、本明細書に記載の単離ポリペプチドおよび/または組成物は、ORF2086ポリペプチドと相同であるORF2086バリアントを発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型B株に対して殺菌免疫応答を誘発する。好適な実施形態では、サブファミリーAポリペプチドを含む組成物は、相同サブファミリーA LP2086バリアントを発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型Bの株に対して殺菌免疫応答を誘発する。別の好適な実施形態では、サブファミリーAポリペプチドを含む組成物は、非相同サブファミリーA LP2086バリアントを発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型Bの株に対して殺菌免疫応答を誘発する。
【0171】
別の好適な実施形態では、本明細書に記載の単離ポリペプチドおよび/または組成物は、ORF2086ポリペプチドと非相同であるORF2086バリアントを発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型B株に対して殺菌免疫応答を誘発する。
【0172】
一実施形態では、本組成物は、非相同サブファミリーLP2086バリアントを発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型Bの株に対して殺菌免疫応答を誘発する。例えば、サブファミリーAポリペプチドを含む組成物は、サブファミリーAまたはサブファミリーB LP2086バリアントを発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型Bの株に対して殺菌免疫応答を誘発し得る。
【0173】
さらなる態様では、本明細書に記載の単離ポリペプチドおよび組成物は、髄膜炎菌(N.meningitidis)の血清型A、血清型B、血清型C、血清型W135、血清型X、および/または血清型Yの株のうちの少なくとも1種に対して殺菌免疫応答を誘発する。好適な実施形態では、本組成物は、少なくとも髄膜炎菌(N.meningitidis)の血清型B、血清型C、および血清型Yに対して殺菌免疫応答を誘発する。
【0174】
殺菌抗体は、ヒトにおける保護の指標であり、前臨床研究は、サロゲートとして機能を果たす。本明細書に記載の任意の新しい免疫原性組成物候補が好ましくは、これらの機能的な抗体を誘発する。
【0175】
一実施形態では、殺菌抗体の免疫応答および/または誘導は、血清殺菌アッセイ(SBA)によって測定される。例示的なSBAは、以下に記載されている。
【0176】
好適な実施形態では、本発明のポリペプチドおよび/または組成物は、哺乳動物において免疫応答を誘導し、応答は、本発明のポリペプチドおよび/または組成物の非存在下での哺乳動物における免疫応答より、少なくとも1倍の上昇、2倍の上昇、少なくとも3倍の上昇、もしくは好ましくは少なくとも4倍の上昇であり、またはそれより高い。例えば、一実施形態では、本発明のポリペプチドおよび/または組成物は、哺乳動物において免疫応答を誘導し、応答は、本発明のポリペプチドおよび/または組成物を投与する前の哺乳動物における免疫応答より、少なくとも1倍の上昇、2倍の上昇、3倍の上昇、もしくは好ましくは少なくとも4倍の上昇であり、またはそれより高い。例示的な実施形態では、配列番号2を含む単離ポリペプチドは、哺乳動物における免疫応答を誘導し、応答は、ポリペプチドの非存在下での哺乳動物における免疫応答より、少なくとも1倍、2倍、3倍、または好ましくは少なくとも4倍大きい。
【0177】
一般的な記載
用語「哺乳動物」は、本明細書において、任意の哺乳動物、例えば、ヒト、マウス、ウサギ、または非ヒト霊長類などを指す。好適な実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。
【実施例】
【0178】
(実施例1)
A05を含む融合ポリペプチドのクローニングおよび発現
使用したfHBP A05遺伝子を配列番号6(発現コンストラクトpEB042)に示す。
【0179】
PLY融合物の設計
これらの研究で使用したニューモリシンのバージョン(PLY)をデルタ6(Δ6PLY)と呼んだ。これは、アミノ酸残基の欠失A146R147を含有する。結果として生じる遺伝子は、1410bp(配列番号3)および470アミノ酸(配列番号1)である。A05への2種のΔ6PLY融合物を設計した。1つは、融合ポリペプチドのN末端においてΔ6PLYを有していた(配列番号4、DNAおよび配列番号2、タンパク質;
図1A)。A05のストーク領域は、タンパク質同士間の可動性リンカーとして機能を果たした。第2の融合物では、A05を、N末端に配置し、その後、Gly−Ser−Glyリンカー(GSG)を配置し、その後、PLY遺伝子を配置した(配列番号7、DNA;配列番号8、タンパク質、
図1B)。
【0180】
いくつかの追加のニューモリシン融合タンパク質コンストラクトを作製し、発現について検証した。これらの追加のコンストラクトは、可動性リンカーとしてそれぞれのfHBPバリアントのストーク領域を使用する。これらとしては、PLY−A12(配列番号136)、PLY−B01(配列番号138)、PLY−B09(配列番号140)、PLY−B24(配列番号142)、PLY−B44(配列番号144)がある。
【0181】
CRM
197−A05融合物の設計
CRM
197を、全長タンパク質(536アミノ酸、配列番号9、DNA;配列番号10、タンパク質)またはDT−A領域(CRM
197のアミノ酸1〜193;配列番号11、DNA;配列番号12、タンパク質)の両方として使用した。全長CRM
197を使用して2種のA05融合物、すなわち、(i)A05に融合したN末端CRM
197(配列番号13、DNA;配列番号14、タンパク質、
図1C)、ならびに(ii)N末端A05、その後のGSGリンカー、および次いでCRM
197(配列番号15、DNA;配列番号16;タンパク質、
図1D)を作製した。一バージョンのDT−A−A05融合物を作製した:C末端でA05に融合したN末端DT−A(配列番号17、DNA;配列番号18、タンパク質、
図1E)。
【0182】
代替のタンパク質担体を使用するA05融合タンパク質コンストラクトの設計
追加のコンストラクトを設計して、A05 fHBPバリアントと融合した代替のタンパク質担体を査定した。これらのタンパク質担体としては、(i)髄膜炎菌(N.meningitidis)由来のGNA2091、および(ii)化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来の連鎖球菌C5aペプチダーゼ(SCP)がある。前者の場合における融合タンパク質は、タンパク質同士間の可動性リンカーとしてA05のストーク領域を使用して、C末端でA05に融合したN末端におけるGNA2091(配列番号146)由来の180アミノ酸から構成されている(GNA2091−A05 配列番号148)。第2の例は、タンパク質同士間の可動性リンカーとしてA05のストーク領域を使用して、C末端でA05に融合したN末端におけるSCP(配列番号150)由来の950アミノ酸から構成されている(SCP−A05 配列番号152)。
【0183】
これらの研究で使用した発現ベクター
最初の融合タンパク質を、InFusion(登録商標)(Clontech)反応を介してNdeI−BamHI部位でpET30a中にクローニングした。融合物を6ベクターのパネル中に引き続きクローニングして異なるプロモーターを査定することによって、タンパク質発現を最適化した(rhaT、lac、およびアラビノースプロモーター)。ベクターは、翻訳開始を促進するシャインダルガーノ配列(Shine Delgarno sequence)の強度の点でも異なった。ベクターは、pET30a骨格に基づき、T7プロモーターおよび調節遺伝子をこれらの特定のエレメントの代わりにする。
【0184】
細胞系統および発現
すべての発現プラスミドを大腸菌(E.coli)中に形質転換した。発現株を、30℃でHySoy+0.5%グルコースおよび50μg/mlカナマイシン中で一晩増殖させた。一晩培養物を、1:50の希釈で新鮮なHySoy培地+50μg/mlカナマイシン中に播種した。細胞を30℃または20℃で増殖させた。OD
600約1.0で、培養物を適切な誘導因子で誘導し、同じ温度で一晩インキュベートした。細胞を集菌し、BUGBUSTER(商標)(EMD)試薬の添加によって、または超音波処理、その後の遠心分離によって、試料を溶解度について評価した。全細胞溶解産物および可溶性/不溶性画分をTris−Bis4〜12%ゲル上で走らせ、クマシー染色で染色した。
【0185】
結果
表1は、CRM
197−A05(配列番号14)融合クローニングの結果を示す。一般に、CRM
197−A05クローンは、オープンリーディングフレーム内で複数の変異を有する生成物を与えた。すべての融合クローンが、100%不溶性である組換えタンパク質を生成した。DT−A−A05(配列番号18)融合コンストラクトも、不溶性タンパク質を生成した。
【0186】
表2は、Ply−A05融合タンパク質の結果を示す。30℃でpET30aからPly−A05またはA05−Plyを発現させると、不溶性融合タンパク質が生成された一方、代替のベクターは、部分的に可溶性のタンパク質を生成した。特に、30℃でpRHAM(pDD18)、pRAME(pDD21)、およびpDK347(pDD20)から発現されたPly−A05融合タンパク質は、概ね可溶性であった(
図2)。pDD18を発酵のために選択したが、使用した条件(Apollon培地、30℃増殖、0.2%ラムノース誘導)により、不溶性タンパク質が生成された。pDD18、pDD20、およびpDD21の小規模振盪フラスコ培養物を20℃で増殖させて、より低い温度が融合タンパク質の溶解度を増強し得るか否かを判定した。pDD20と異なり、pDD18およびpDD21培養物は、20℃で検出可能な量のPly−A05タンパク質を発現しなかった(
図3)。したがって、pDD20の6つの1リットルフラスコ培養物を、タンパク質精製のために生成させた(
図4)。pDD20から発現される融合タンパク質は、融合タンパク質のニューモリシン部分中に単一のアミノ酸変化(L32F)を有する。
【0187】
【表2】
【0188】
【表3】
【0189】
(実施例2)
血清殺菌アッセイ
機能的抗体価を、ワクチン中に含有されるものと相同または非相同の配列を有するLP2086バリアントを発現する髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)株に対する血清殺菌アッセイ(SBA)によって判定した。
【0190】
ORF2086ワクチンで免疫されたマカクまたはウサギ由来の血清中の殺菌抗体を、ヒト補体を用いたSBAを使用して検出した。ウサギ免疫血清またはマカク免疫血清を熱不活化して内因性の補体活性を除去し、引き続き、96ウェルマイクロタイタープレート内のCa2+およびMg2+を含むダルベッコPBS(D−PBS)中で1:2に連続的に希釈して、髄膜炎菌(N.meningitidis)株に対する血清殺菌活性について試験した。アッセイで使用した細菌を、Kelloggサプリメントを補充したGC培地(GCK)および4.2% NaHCO
3中で増殖させ、650nmでの光学密度によって監視した。0.50〜0.60の最終的なOD
650で、アッセイで使用するために細菌を集菌し、D−PBS中で希釈し、1000〜3000CFUを、20%ヒト補体を含むアッセイ混合物中に添加した。
【0191】
検出可能な殺菌活性をまったく有さないヒト血清を外因性補体源として使用した。それぞれの個々の髄膜炎菌(N.meningitidis)試験株に対する適性について補体源を試験した。補体源は、免疫血清を添加しない対照反応で生存する細菌の数が投入量の50%超であった場合のみ使用した。
【0192】
5% CO
2とともに、37℃にてシェーカー上で700rpmで撹拌しながら30分インキュベートした後、D−PBSを反応混合物に添加し、アリコートを50% GCK培地で満たされたマイクロフィルタープレートに移した。マイクロフィルタープレートを濾過し、5% CO
2とともに37℃で一晩インキュベートし、微小コロニーを染色し、定量化した。血清殺菌力価は、これらのアッセイ条件を使用して、免疫血清を含まない対照ウェル中のコロニー形成単位(CFU)と比較してCFUの50%の低減を生じた補間された血清希釈率の逆数(reciprocal serum dilution)として定義した。免疫前の血清と比べたORF2086免疫血清での殺傷に対する感受性の増強は、SBA力価の4倍またはそれより高い上昇があった場合、記録した。出発希釈率においてアッセイ株に対して陰性であった血清は、アッセイの検出限界の半分の力価(すなわち、4)を割り当てた。
【0193】
(実施例3)
融合ポリペプチド(配列番号2)の免疫原性
fHBPタンパク質対立遺伝子の非脂質化バージョンで免疫されたマウス由来の血清試料の殺菌活性は、一般に、脂質化fHBP対応物で免疫されたマウス由来の血清試料より低い。同様に、2種の別個のサブファミリーA fHBPバリアント(A05およびA22)を発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)株に対するSBA応答は、非脂質化A05(配列番号44)より、脂質化A05(配列番号19)で非ヒト霊長類(NHP)を免疫した後でより大きい(表3)。
【0194】
【表4】
【0195】
非脂質化タンパク質の組合せを使用して適用範囲を規定するために、追加の組成物を査定した。この調査では、本発明者らは、免疫原性が、担体タンパク質に遺伝的に融合されたfHBPの非脂質化バリアントから構成される組換えタンパク質で増強され得ることを実証する。同じ知見を、担体タンパク質にコンジュゲートされているfHBPバリアントに拡張することもできる。
【0196】
本実施例では、髄膜炎菌(N.meningitidis)fHBP A05バリアント(配列番号5)に遺伝的に融合された弱毒肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)ニューモリシン(Δ6PLY)から構成される組換え融合タンパク質(配列番号2)を試験する。
【0197】
弱毒Δ6PLY(配列番号1)は、部位特異的変異誘発によって生成される。具体的には、免疫原性Δ6PLYバリアント(A146R147ジペプチドの欠失)は、野生型PLY(配列番号21)の特性である孔形成細胞溶解活性および炎症促進性表現型の両方を排除する。
【0198】
弱毒Δ6PLYが非脂質化A05の免疫原性を安定化させ、したがって増強することができるか否かを探索するために、髄膜炎菌(N.meningitidis)fHBPバリアントA05に遺伝的に融合された肺炎連鎖球菌(Str.pneumoniae)Δ6PLYから構成される組換えタンパク質を、試験のために構築した(配列番号2)。本実施例では、非ヒト霊長類(NHP)を、Δ6PLY−A05融合タンパク質(配列番号2)または脂質化された二価のA05(配列番号19)/B01(配列番号20)組成物で免疫化し、4週目および8週目にブーストした。10週間(投薬後3、PD3)に採取した動物由来の血清を、髄膜炎菌(N.meningitidis)の株を発現するA05に対する殺菌活性について査定した。両処置群からのPD3試料中のSBA力価は、ワクチン接種前力価と比較して上昇した(表4)。Δ6PLY−A05(配列番号2)に対する免疫応答は、脂質化A05(配列番号19)/B01(配列番号20)組成物に対する応答と同様に強かった。
【0199】
【表5】
【0200】
Δ6PLY−A05(配列番号2)でワクチン接種されたNHP由来のPD3血清試料も、fHBP A22(配列番号22)バリアントを発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)の株に対して強い殺菌活性を有していた(表4)。髄膜炎菌(N.meningitidis)のA22標的株を使用してSBA力価が4倍以上上昇して応答する動物の百分率は、二価の脂質化fHBP処置群よりΔ6PLY−A05で処置されたNHPにおいてより大きかった。要約すると、非脂質化Δ6PLY−A05融合タンパク質でワクチン接種されたNHP由来の血清を使用する、2種の別個のサブファミリーA fHBPバリアントを発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)株に対する機能的な殺菌活性は、脂質化された二価のrLP2086処置群からの活性と少なくとも同じぐらい強い。
【0201】
非脂質化A05の免疫原性に対する他の担体タンパク質と比べた肺炎連鎖球菌(Str.pneumoniae)Δ6PLYのインパクトをさらに探索するために、fHBPバリアントA05と融合された髄膜炎菌(N.meningitidis)由来のGNA2091から構成される組換えタンパク質を、試験のために調製した。さらに、fHBPバリアントA05(配列番号5)とカップリングされた、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来の組換え発現された連鎖球菌C5aペプチダーゼ(SCP)の化学的コンジュゲート(亜鉛処理した、実施例4を参照)も、免疫原性評価のために調製した。本実施例では、非ヒト霊長類(NHP)を、それぞれのA05融合タンパク質、SCP−A05化学的コンジュゲート、脂質化された二価のA05(配列番号19)/B01(配列番号20)組成物、または非脂質化A05(配列番号5)で免疫化し、4週目および8週目でブーストした。抗原用量は、A05 10mcgの等価物が各ワクチン接種で投与されるように調整した。10週間(投薬後3、PD3)に採取した動物由来の血清を、髄膜炎菌(N.meningitidis)の株を発現するA05に対する殺菌活性について査定した。PLY−A05(配列番号2)処置群からのPD3試料中のSBA力価は、(i)ワクチン接種前力価と比較して上昇しており、(ii)脂質化された二価のA05/B01組成物に対する応答と同等であり、(iii)非脂質化A05およびGNA2091−A05(配列番号149)融合タンパク質抗原の両方に対する免疫応答より優れていた(表5)。SCP−A05化学的コンジュゲートでワクチン接種された動物は、抗原に対して確かに応答したが、免疫応答の規模は、PLY−A05融合タンパク質処置群において検出されたものほどロバストではなかった。
【0202】
【表6】
【0203】
(実施例4)
翻訳後修飾除去
rP2086−A05−cys中のシステインがアミノ末端に位置している場合(配列番号156)、かなりの量のタンパク質が発酵中にピルビン酸化される。このピルビン酸化修飾を、硫酸亜鉛で処理することによってタンパク質から除去した。質量スペクトルにより、ピルビン酸化rP2086−A05−cys(配列番号156)は、硫酸亜鉛で処理されたrP2086−A05−cysタンパク質と比較して、+71Daの質量シフトを呈するとして特徴付けられ、この硫酸亜鉛で処理されたタンパク質は、対応するピルビン酸化rP2086−A05−cysと比較して、+71の質量シフトを呈さなかった。
【0204】
システイン残基をタンパク質中の他の位置に移動させると(例えば、システインの2位または6位への移動、それぞれ配列番号157および配列番号158を参照)、ピルビン酸化問題が排除される。これらのコンストラクトの説明は、実施例9に提供されている。
【0205】
標準的なクロマトグラフィー技法に加えて、ブロック化されたチオールを含有するタンパク質から天然rP2086−A05−cysを分離するために、チオール反応性樹脂(Thioproply Sepharose 6B)を使用した。この技法では、天然rP2086−A05−cysがカラムに結合し、ブロック化されたrP2086−A05−cysがフロースルーで溶出される。次いで天然rP2086−A05−cysが、還元剤(好ましくはDTT)を使用してカラムから溶出される。
【0206】
以下の実施例で使用するように、用語「rP2086−A05−cys」は、どのようにしてピルビン酸化修飾が存在しないか、例えば、発酵中に天然に、硫酸亜鉛処理によって、N末端の1位における最初のシステインを欠失し、2位または6位のセリン残基をシステイン残基で置き換えるためのタンパク質への遺伝子改変によって、にかかわらず、非ピルビン酸化非脂質化rP2085 A05タンパク質を指す。
【0207】
以下に記載のプロセスのいずれも最適化されていない。したがって、記載したもの以外のタンパク質濃度、タンパク質比、反応時間、および温度も、rP2086−A05コンジュゲートを生成するのに使用することができる。
【0208】
(実施例5)
可溶性ポリエチレングリコール(PEG)スペーサーアームとともにアミン−スルフヒドリル架橋剤を使用する、ニューモリシンのrP2086−A05−cysへのコンジュゲーション
SM(PEG)
4−活性化ニューモリシン−NEM中間体の調製:
リン酸緩衝溶液中約10mg/mlのニューモリシンタンパク質を、N−エチルマレイミド(NEM)を用いたタンパク質の誘導体化、その後のSM(PEG)
4を用いた活性化によるコンジュゲーションのために調製する。10倍モル過剰のNEMを、20〜25℃のニューモリシン(pnemolysin)および1mM EDTAとともに、ニューモリシンスルフヒドリルを完全にブロックするのに十分な時間にわたってインキュベートする。典型的には、20分がニューモリシン−NEM中間体を調製するのに十分である。100mMの濃度を有する溶液から得られ、ジメチルスルホキシド溶媒中に溶解したSM(PEG)
4リンカーを、ニューモリシン−NEM中間体に対して10倍モル過剰で30分間インキュベートする。活性化反応を、Sephadex G25樹脂で充填されたカラムを使用してサイズ排除クロマトグラフィーによって終わらせる。SM(PEG)
4−活性化ニューモリシン−NEM中間体を含有するクロマトグラフィー画分は、−80℃で貯蔵することができ、または還元されたMnB 2086 A05システインステム(Cysteine−stem)変異タンパク質中間体に直ちにコンジュゲートすることができる。
【0209】
NEM修飾を使用して、ニューモリシン中のシステイン残基を、これがSM(PEG)リンカーと反応しないようにブロックする。
【0210】
(実施例6)
還元されたrP2086−A05−cysの調製:
リン酸緩衝溶液中の約1.3mg/mlのrP2086−A05−cysを、MnBタンパク質のスルフヒドリル(sulfhydyl)を完全に還元するのに十分な量の定着固定化されたTCEP樹脂および1mM EDTAとともにインキュベートする。典型的には、等体積の定着した樹脂および1mM EDTAを用いたrP2086−A05−cysの30分のインキュベーションが、スルフヒドリルを完全に還元するのに十分である。還元されたMnBタンパク質中間体を、0.2ミクロンポリエーテルスルホン膜に通して濾過することによって回収し、コンジュゲーションのために直ちに使用する。
【0211】
(実施例7)
SM(PEG)
4−活性化ニューモリシン−NEM中間体のrP2086−A05−cysへのコンジュゲーション:
還元されたrP2086−A05−cys中間体をSM(PEG)
4−活性化ニューモリシン−NEM中間体と組み合わせて、それぞれおよそ1.2および0.6mg/mLのタンパク質濃度で4:1のモル比を実現する。反応を20〜25℃で2時間進行し、システアミン−HClの2mMの最終濃度まで反応溶液にシステアミン−HCl、pH5.5を添加することによって終わらせる。コンジュゲーション反応生成物であるrP2086−A05−cys SM(PEG)
4ニューモリシン−NEMコンジュゲート反応生成物を、Nickel Sepharose6ファーストフロー樹脂を使用して固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)によって非コンジュゲートSM(PEG)
4−活性化ニューモリシン−NEM中間体からクロマトグラフィーで精製する。反応生成物は、20mM Tris、0.5M NaCl、pH7.7から構成される緩衝液中で結合し、20mM Tris、0.5M NaCl、pH7.7、40mMイミダゾール中で溶出される。コンジュゲートのさらなる精製を、Q Sepharose HP樹脂を使用してイオン交換クロマトグラフィーによって、還元されたMnB 2086 A05システインステム変異タンパク質中間体を除去することによって実現する。反応生成物は、20mM Tris、pH7.7中で結合し、20mM Tris、0.5M NaCl、pH7.7の塩勾配溶出で回収する。コンジュゲートを含有するQ画分を、Sephadex G25樹脂を充填されたカラムを使用してサイズ排除クロマトグラフィーによって緩衝液交換し、滅菌濾過する。
【0212】
(実施例8)
シクロヘキサンスペーサーアームとともにアミン−スルフヒドリル架橋剤を使用するSCPのrP2086−A05−cysへのコンジュゲーション
SMCC−活性化SCP中間体の調製:
リン酸緩衝溶液中約12.6mg/mlのSCPタンパク質を、25℃で、20倍モル過剰のスルホスクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレートリンカー(スルホ−SMCC;10mMリン酸ナトリウム、pH6.8中で調製した20mM原料から得られる)および1mM EDTAとともに1時間インキュベートする。活性化反応を、Sephadex G25樹脂を充填されたカラムを使用してサイズ排除クロマトグラフィーによって終わらせる。SMCC−活性化SCP中間体を含有するクロマトグラフィー画分は、−80℃で貯蔵することができ、または還元されたrP2086−A05−cys中間体に直ちにコンジュゲートすることができる。
【0213】
還元されたrP2086−A05−cys中間体の調製:
リン酸緩衝溶液中約3.8mg/mlのrP2086−A05−cysを、MnBタンパク質のスルフヒドリルを完全に還元するのに十分な4mM TCEPおよび1mM EDTAとともにインキュベートする。典型的には、MnBタンパク質のTCEPおよび1mM EDTAとの1時間のインキュベーションが、スルフヒドリルを完全に還元するのに十分である。還元されたMnBタンパク質をコンジュゲーションのために直ちに使用する。
【0214】
SMCC−活性化SCP中間体のrP2086−A05−cysへのコンジュゲーション:
還元されたrP2086−A05−cysをSMCC−活性化SCP中間体と組み合わせて、それぞれおよそ2.6mg/mlおよび2.6mg/mLのタンパク質濃度で、等重量比(4:1のモル比)を実現する。反応を25℃で2.5時間進行し、システアミン−HClの2mMの最終濃度まで反応溶液にシステアミン−HCl、pH5.5を添加することによって終わらせる。コンジュゲーション反応生成物であるMnB 2086 A05システイン−変異タンパク質SMCC−SCPコンジュゲート反応生成物を、Nickel Sepharose6ファーストフロー樹脂を使用して固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)によって非コンジュゲートSMCC−SCP活性化中間体からクロマトグラフィーで精製する。反応生成物は、20mM Tris、0.5M NaCl、pH7.7から構成される緩衝液中で結合し、20mM Tris、0.5M NaCl、pH7.7、40mMイミダゾール中で溶出される。コンジュゲートのさらなる精製を、Q Sepharose HP樹脂を使用してイオン交換クロマトグラフィーによって、還元されたMnB 2086 A05システイン変異タンパク質中間体を除去することによって実現する。反応生成物は、20mM Tris、pH7.7中で結合し、20mM Tris、0.5M NaCl、pH7.7の塩勾配溶出で回収する。コンジュゲートを含有するQ画分を、Sephadex G25樹脂を充填されたカラムを使用してサイズ排除クロマトグラフィーによって緩衝液交換し、滅菌濾過する。
【0215】
(実施例9)
rP2086−A05−cysストーク変異体の作製
A05の非脂質化コンストラクトを設計して脂質化シグナルを除去し、N末端でシステインを有する組換えタンパク質を生成した。タンパク質は、大腸菌(E.coli)内で強く発現された。生成物関連バリアントの形成を監視する手段をもたらすために、四重極飛行時間型質量分析計(QTOF−MS)とインターフェースした逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を使用して精製タンパク質を分析した。
【0216】
システインをA05のセリングリシンストーク領域内に移動させることにより、これをコンジュゲーションに利用可能に保ちながらシステイン上の修飾が低減されるか否かを評価するために、A05の2種のバリアント、すなわち、N末端システインが成熟タンパク質の2位に、この位置のセリン残基に置き代わって移動したもの(配列番号157を参照)、およびシステインが成熟タンパク質の6位に、この位置のセリン残基に置き代わって移動したもの(配列番号158を参照)を構築した。これは、遺伝子の増幅に使用される5’プライマー中にコドン変化を組み込むことによって達成した。A05を増幅するように設計された5’および3’プライマーはともに、NdeIおよびBamHIで切断されるpET30aと相同性を伴って15の塩基伸長を有していた。A05およびベクターを、Clontech InFusion(登録商標)キットを使用してライゲーションした。形質転換後、コロニーをインサートについてスクリーニングし、インサートを含有するものが、DNA配列決定によってアミノ酸置換を含有することが検証された。
【0217】
以下の条項は、本発明の追加の実施形態を記載するものである:
C1.担体ポリペプチドのアミノ酸配列およびORF2086ポリペプチドのアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド。
C2.単離ポリペプチドが融合ポリペプチドである、条項C1に記載のポリペプチド。
C3.ORF2086ポリペプチドが、サブファミリーAポリペプチドである、条項C1に記載のポリペプチド。
C4.ORF2086ポリペプチドが、サブファミリーBポリペプチドである、条項C1に記載のポリペプチド。
C5.ORF2086ポリペプチドが、脂質化されている、条項C1に記載のポリペプチド。
C6.ORF2086ポリペプチドが、脂質化されていない、条項C1に記載のポリペプチド。
C7.ORF2086ポリペプチドがA05である、条項C1に記載のポリペプチド。
C8.ORF2086ポリペプチドがA12である、条項C1に記載のポリペプチド。
C9.ORF2086ポリペプチドがA22である、条項C1に記載のポリペプチド。
C10.ORF2086ポリペプチドがB01である、条項C1に記載のポリペプチド。
C11.ORF2086ポリペプチドがB09である、条項C1に記載のポリペプチド。
C12.ORF2086ポリペプチドがB15である、条項C1に記載のポリペプチド。
C13.ORF2086ポリペプチドがB16である、条項C1に記載のポリペプチド。
C14.ORF2086ポリペプチドがB22である、条項C1に記載のポリペプチド。
C15.ORF2086ポリペプチドがB24である、条項C1に記載のポリペプチド。
C16.ORF2086ポリペプチドがB44である、条項C1に記載のポリペプチド。
C17.ORF2086ポリペプチドがA62である、条項C1に記載のポリペプチド。
C18.ORF2086ポリペプチドがA04である、条項C1に記載のポリペプチド。
C19.ORF2086ポリペプチドがA01である、条項C1に記載のポリペプチド。
C20.ORF2086ポリペプチドがA06である、条項C1に記載のポリペプチド。
C21.ORF2086ポリペプチドがA07である、条項C1に記載のポリペプチド。
C22.ORF2086ポリペプチドがA15である、条項C1に記載のポリペプチド。
C23.ORF2086ポリペプチドがA19である、条項C1に記載のポリペプチド。
C24.ORF2086ポリペプチドがA20である、条項C1に記載のポリペプチド。
C25.ORF2086ポリペプチドがA29である、条項C1に記載のポリペプチド。
C26.ORF2086ポリペプチドがB02である、条項C1に記載のポリペプチド。
C27.ORF2086ポリペプチドが、配列番号5、19、22〜65からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、条項C1に記載のポリペプチド。
C28.担体ポリペプチドがサイトリソイドである、条項C1に記載のポリペプチド。
C29.サイトリソイドが、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)由来のニューモリシンポリペプチド、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)由来のペルフリンゴリシンOポリペプチド、ストレプトコッカス・インターメディウス(Streptococcus intermedius)由来のインターメディリシンポリペプチド、バチルス・アルベイ(Bacillus alvei)由来のアルベオリシンポリペプチド、炭疽菌(Bacillus anthracis)由来のアンスロリシンポリペプチド、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)由来の推定上のセレオリシンポリペプチド、リステリア・イバノビイ(Listeria ivanovii)由来のイバノリシンOポリペプチド、アルカノバクテリウム・ピオゲネス(Arcanobacterium pyogenes)由来のピオリシンポリペプチド、リステリア・ゼーリゲリ(Listeria seeligeri)由来のゼーリゲリオリシンOポリペプチド、S.ピオゲネス(S.pyogenes)由来のストレプトリジンOポリペプチド、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)由来のスイリシンポリペプチド、破傷風菌(Clostridium tetani)由来のテタノリジンポリペプチド、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)由来のリステリオリシンOポリペプチド、ストレプトコッカス・エクイシミリス(Streptococcus equisimilis)由来のストレプトリジンOポリペプチド、S.カニス(S.canis)由来のストレプトリジンOポリペプチド、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来のチューリンギオリシンOポリペプチド、B.ラテロスポルス(B.laterosporus)由来のラテルスポロリシンOポリペプチド、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)由来のボツリノリジンポリペプチド、C.ショウベイ(C.chauvoei)由来のショウベオリシンポリペプチド、C.バイファーメンタンス(C.bifermentans)由来のバイファーメントリシンポリペプチド、C.ソルデリイ(C.sordellii)由来のソルデリリシンポリペプチド、ヒストリチクム菌(Clostridium histiolyticum)由来のヒストリチコリシンポリペプチド、クロストリジウム・ノビイ(Clostridium novyi)由来のノビリシンポリペプチド、またはクロストリジウム・セプチカム(Clostridium septicum)由来のセプチコリシンOポリペプチドに由来する、条項C28に記載のポリペプチド。
C30.サイトリソイドが、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)由来のニューモリシンポリペプチドに由来する、条項29に記載のポリペプチド。
C31.サイトリソイドが、配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む、条項C30に記載のポリペプチド。
C32.担体ポリペプチドが、対応する野生型担体ポリペプチドと比較して無毒化されており、破傷風毒素(TT)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)スポロゾイト周囲タンパク質、B型肝炎表面抗原、B型肝炎核コアポリペプチド、インフルエンザ菌(H.influenzae)基質ポリペプチド、インフルエンザ菌(H.influenzae)赤血球凝集素、ジフテリアトキソイド、ジフテリアトキソイド変異体CRM
197、B群髄膜炎菌(N.meningitidis)外膜ポリペプチド複合体(OMPC)、サイトリソイド、肺炎球菌毒素ニューモリシン、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)由来の熱ショックポリペプチド、らい菌(M.leprae)由来の熱ショックポリペプチド、コレラトキソイド、大腸菌(E.coli)LT、大腸菌(E.coli)ST、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来の外毒素A、肺炎球菌表面ポリペプチドA、肺炎球菌アドヘシンポリペプチド(PsaA)、A群またはB群連鎖球菌由来のC5aペプチダーゼ、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)ポリペプチドD、オボアルブミン、キーホールリンペットヘモシニアン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ツベルクリンの精製ポリペプチド誘導体(PPD)、PorB(髄膜炎菌(N.meningitidis)由来)、およびこれらの誘導体、バリアント、または断片からなる群から選択される、条項C1に記載のポリペプチド。
C33.担体ポリペプチドがCRM
197である、条項C1に記載のポリペプチド。
C34.担体ポリペプチドがCRM
197でない、条項C32に記載のポリペプチド。
C35.担体ポリペプチドが、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来の連鎖球菌C5aペプチダーゼ(SCP)である、条項C1に記載のポリペプチド。
C36.担体ポリペプチドがGNA2091である、条項C1に記載のポリペプチド。
C37.肺炎球菌に由来するポリペプチド配列をさらに含む、条項C1に記載のポリペプチド。
C38.肺炎球菌に由来するポリペプチド配列を含まない、条項C1に記載のポリペプチド。
C39.ORF2086ポリペプチドと相同である髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型Bバリアントに対する殺菌抗体を誘発する、条項C1に記載のポリペプチド。
C40.ORF2086ポリペプチドと非相同である髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型Bバリアントに対する殺菌抗体を誘発する、条項C1に記載のポリペプチド。
C41.融合ポリペプチドが、担体ポリペプチド、それが作動可能に連結したORF2086ポリペプチドをこの順序で含む、条項C2に記載のポリペプチド。
C42.融合ポリペプチドが、ORF2086ポリペプチド、それが作動可能に連結した担体ポリペプチドをこの順序で含む、条項C2に記載のポリペプチド。
C43.担体ポリペプチドが配列番号1を含み、ORF2086ポリペプチドが配列番号5を含む、条項C2に記載のポリペプチド。
C44.単離ポリペプチドが配列番号2を含む、条項C43に記載のポリペプチド。
C45.条項C1〜C44のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチド。
C46.条項C1〜C44のいずれか一項に記載のポリペプチドおよび薬学的に許容できる賦形剤を含む免疫原性組成物。
C47.a)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型Aの莢膜糖のコンジュゲート;b)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型Cの莢膜糖のコンジュゲート;c)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型W135の莢膜糖のコンジュゲート;およびd)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型Yの莢膜糖のコンジュゲートから選択される少なくとも1種のコンジュゲートをさらに含む、条項C46に記載の組成物。
C48.哺乳動物における髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に対する免疫応答を誘導するための方法であって、哺乳動物に有効量の条項C1〜C44のいずれか一項に記載の単離ポリペプチドを投与するステップを含む、方法。
C49.免疫応答が殺菌抗体を含む、条項C48に記載の方法。
C50.免疫応答が、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物の免疫応答に等しい、条項C48に記載の方法。
C51.免疫応答が、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する非脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物の免疫応答より大きい、条項C48に記載の方法。
C52.免疫応答が、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物の免疫応答より最大で10%小さい、条項C48に記載の方法。
C53.免疫応答が、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物の免疫応答より最大で20%小さい、条項C48に記載の方法。
C54.哺乳動物における髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に対する免疫応答を誘導するための方法であって、哺乳動物に有効量の条項C46〜C47のいずれか一項に記載の免疫原性組成物を投与するステップを含む、方法。
C55.免疫応答が殺菌抗体を含む、条項C54に記載の方法。
C56.免疫応答が、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物の免疫応答に等しい、条項C54に記載の方法。
C57.免疫応答が、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する非脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物の免疫応答より大きい、条項C54に記載の方法。
C58.免疫応答が、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物の免疫応答より最大で10%小さい、条項C54に記載の方法。
C59.免疫応答が、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物の免疫応答より最大で20%小さい、条項C54に記載の方法。
C60.ORF2086ポリペプチドおよび担体ポリペプチドを含む免疫原性組成物。
C61.コンジュゲートである、条項C60に記載の組成物。
C62.ORF2086ポリペプチドが、サブファミリーAポリペプチドである、条項C60に記載の組成物。
C63.ORF2086ポリペプチドが、サブファミリーBポリペプチドである、条項C60に記載の組成物。
C64.ORF2086ポリペプチドが、脂質化されている、条項C60に記載の組成物。
C65.ORF2086ポリペプチドが、脂質化されていない、条項C60に記載の組成物。
C66.ORF2086ポリペプチドが、脂質化されておらず、ピルビン酸化されていない、条項C60に記載の組成物。
C67.ORF2086ポリペプチドがA05である、条項C60に記載の組成物。
C68.ORF2086ポリペプチドがA12である、条項C60に記載の組成物。
C69.ORF2086ポリペプチドがA22である、条項C60に記載の組成物。
C70.ORF2086ポリペプチドがB01である、条項C60に記載の組成物。
C71.ORF2086ポリペプチドがB09である、条項C60に記載の組成物。
C72.ORF2086ポリペプチドがB15である、条項C60に記載の組成物。
C73.ORF2086ポリペプチドがB16である、条項C60に記載の組成物。
C74.ORF2086ポリペプチドがB22である、条項C60に記載の組成物。
C75.ORF2086ポリペプチドがB24である、条項C60に記載の組成物。
C76.ORF2086ポリペプチドがB44である、条項C60に記載の組成物。
C77.ORF2086ポリペプチドがA62である、条項C60に記載の組成物。
C78.ORF2086ポリペプチドがA04である、条項C60に記載の組成物。
C79.ORF2086ポリペプチドがA01である、条項C60に記載の組成物。
C80.ORF2086ポリペプチドがA06である、条項C60に記載の組成物。
C81.ORF2086ポリペプチドがA07である、条項C60に記載の組成物。
C82.ORF2086ポリペプチドがA15である、条項C60に記載の組成物。
C83.ORF2086ポリペプチドがA19である、条項C60に記載の組成物。
C84.ORF2086ポリペプチドがA20である、条項C60に記載の組成物。
C85.ORF2086ポリペプチドがA29である、条項C60に記載の組成物。
C86.ORF2086ポリペプチドがB02である、条項C60に記載の組成物。
C87.ORF2086ポリペプチドが、配列番号5、19、22〜65からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、条項C60に記載の組成物。
C88.担体ポリペプチドがサイトリソイドである、条項C60に記載の組成物。
C89.サイトリソイドが、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)由来のニューモリシンポリペプチド、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)由来のペルフリンゴリシンOポリペプチド、ストレプトコッカス・インターメディウス(Streptococcus intermedius)由来のインターメディリシンポリペプチド、バチルス・アルベイ(Bacillus alvei)由来のアルベオリシンポリペプチド、炭疽菌(Bacillus anthracis)由来のアンスロリシンポリペプチド、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)由来の推定上のセレオリシンポリペプチド、リステリア・イバノビイ(Listeria ivanovii)由来のイバノリシンOポリペプチド、アルカノバクテリウム・ピオゲネス(Arcanobacterium pyogenes)由来のピオリシンポリペプチド、リステリア・ゼーリゲリ(Listeria seeligeri)由来のゼーリゲリオリシンOポリペプチド、S.ピオゲネス(S.pyogenes)由来のストレプトリジンOポリペプチド、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)由来のスイリシンポリペプチド、破傷風菌(Clostridium tetani)由来のテタノリジンポリペプチド、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)由来のリステリオリシンOポリペプチド、ストレプトコッカス・エクイシミリス(Streptococcus equisimilis)由来のストレプトリジンOポリペプチド、S.カニス(S.canis)由来のストレプトリジンOポリペプチド、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来のチューリンギオリシンOポリペプチド、B.ラテロスポルス(B.laterosporus)由来のラテルスポロリシンOポリペプチド、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)由来のボツリノリジンポリペプチド、C.ショウベイ(C.chauvoei)由来のショウベオリシンポリペプチド、C.バイファーメンタンス(C.bifermentans)由来のバイファーメントリシンポリペプチド、C.ソルデリイ(C.sordellii)由来のソルデリリシンポリペプチド、ヒストリチクム菌(Clostridium histiolyticum)由来のヒストリチコリシンポリペプチド、クロストリジウム・ノビイ(Clostridium novyi)由来のノビリシンポリペプチド、またはクロストリジウム・セプチカム(Clostridium septicum)由来のセプチコリシンOポリペプチドに由来する、条項C88に記載の組成物。
C90.サイトリソイドが、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)由来のニューモリシンポリペプチドに由来する、条項C89に記載の組成物。
C91.サイトリソイドが、配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む、条項C90に記載の組成物。
C92.担体ポリペプチドが、対応する野生型担体ポリペプチドと比較して無毒化されており、破傷風毒素(TT)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)スポロゾイト周囲タンパク質、B型肝炎表面抗原、B型肝炎核コアポリペプチド、インフルエンザ菌(H.influenzae)基質ポリペプチド、インフルエンザ菌(H.influenzae)赤血球凝集素、ジフテリアトキソイド、ジフテリアトキソイド変異体CRM
197、B群髄膜炎菌(N.meningitidis)外膜ポリペプチド複合体(OMPC)、サイトリソイド、肺炎球菌毒素ニューモリシン、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)由来の熱ショックポリペプチド、らい菌(M.leprae)由来の熱ショックポリペプチド、コレラトキソイド、大腸菌(E.coli)LT、大腸菌(E.coli)ST、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来の外毒素A、肺炎球菌表面ポリペプチドA、肺炎球菌アドヘシンポリペプチド(PsaA)、A群またはB群連鎖球菌由来のC5aペプチダーゼ、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)ポリペプチドD、オボアルブミン、キーホールリンペットヘモシニアン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ツベルクリンの精製ポリペプチド誘導体(PPD)、PorB(髄膜炎菌(N.meningitidis)由来)、およびこれらの誘導体、バリアント、または断片からなる群から選択される、条項C60に記載の組成物。
C93.担体ポリペプチドがCRM
197である、条項C60に記載の組成物。
C94.担体ポリペプチドがCRM
197である、条項C92に記載の組成物。
C95.担体ポリペプチドが、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来の連鎖球菌C5aペプチダーゼ(SCP)である、条項C60に記載の組成物。
C96.担体ポリペプチドがGNA2091である、条項C60に記載の組成物。
C97.担体ポリペプチドが、ORF2086ポリペプチドと非相同である、条項C60に記載の組成物。
C98.肺炎球菌に由来するポリペプチド配列をさらに含む、条項C60に記載の組成物。
C99.肺炎球菌に由来するポリペプチド配列を含まない、条項C60に記載の組成物。
C100.ORF2086ポリペプチドと相同であるORF2086バリアントを発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型B株に対する殺菌抗体応答を誘発する、条項C60に記載の組成物。
C101.ORF2086ポリペプチドと非相同であるORF2086バリアントを発現する髄膜炎菌(N.meningitidis)血清型B株に対する殺菌抗体応答を誘発する、条項C60に記載の組成物。
C102.a)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型Aの莢膜糖のコンジュゲート;b)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型Cの莢膜糖のコンジュゲート;c)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型W135の莢膜糖のコンジュゲート;およびd)髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清型Yの莢膜糖のコンジュゲートから選択される少なくとも1種のコンジュゲートをさらに含む、条項C60に記載の組成物。
C103.薬学的に許容できる賦形剤をさらにふくむ条項C60〜C102のいずれか一項に記載の組成物。
C104.哺乳動物における髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に対する免疫応答を誘導するための方法であって、哺乳動物に有効量の条項C60〜C103のいずれか一項に記載の組成物を投与するステップを含む、方法。
C105.免疫応答が殺菌抗体を含む、条項104に記載の方法。
C106.免疫応答が、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物の免疫応答に等しい、条項C104に記載の方法。
C107.免疫応答が、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する非脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物の免疫応答より大きい、条項C104に記載の方法。
C108.免疫応答が、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物の免疫応答より最大で10%小さい、条項C104に記載の方法。
C109.免疫応答が、同一条件下で評価されるとき、担体ポリペプチドの非存在下で対応する脂質化ORF2086ポリペプチドを投与される哺乳動物の免疫応答より最大で20%小さい、条項C104に記載の方法。
C110.配列番号2を含む単離ポリペプチド。
C111.配列番号8を含む単離ポリペプチド。
C112.配列番号14を含む単離ポリペプチド。
C113.配列番号16を含む単離ポリペプチド。
C114.配列番号18を含む単離ポリペプチド。
C115.配列番号137を含む単離ポリペプチド。
C116.配列番号139を含む単離ポリペプチド。
C117.配列番号141を含む単離ポリペプチド。
C118.配列番号143を含む単離ポリペプチド。
C119.配列番号145を含む単離ポリペプチド。
C120.配列番号149を含む単離ポリペプチド。
C121.配列番号153を含む単離ポリペプチド。
C122.配列番号42〜配列番号61に示したいずれか1つの配列に作動可能に連結された配列番号1を含む融合ポリペプチド。
C123.配列番号42〜配列番号61に示したいずれか1つの配列に作動可能に連結された配列番号147を含む融合ポリペプチド。
C124.配列番号42〜配列番号61に示したいずれか1つの配列に作動可能に連結された配列番号151を含む融合ポリペプチド。
C125.配列番号42〜配列番号61に示したいずれか1つの配列に作動可能に連結された配列番号10を含む融合ポリペプチド。
C126.配列番号42〜配列番号61に示したいずれか1つの配列に作動可能に連結された配列番号155を含む融合ポリペプチド。
C127.配列番号156のアミノ酸配列を有するポリペプチドにコンジュゲートした化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来の連鎖球菌C5aペプチダーゼ(SCP)を含む組成物。
C128.配列番号157のアミノ酸配列を有するポリペプチドにコンジュゲートした化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来の連鎖球菌C5aペプチダーゼ(SCP)を含む組成物。
C129.配列番号158のアミノ酸配列を有するポリペプチドにコンジュゲートした化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)由来の連鎖球菌C5aペプチダーゼ(SCP)を含む組成物。
C130.配列番号156のアミノ酸配列を有するポリペプチドにコンジュゲートしたニューモリソイドを含む組成物。
C131.配列番号157のアミノ酸配列を有するポリペプチドにコンジュゲートしたニューモリソイドを含む組成物。
C132.配列番号158のアミノ酸配列を有するポリペプチドにコンジュゲートしたニューモリソイドを含む組成物。
C133.非脂質化ORF2086 A05に作動可能に連結されたニューモリソイドを含む第1の融合ポリペプチド、および非脂質化ORF2086 B01に作動可能に連結されたニューモリソイドを含む第2の融合ポリペプチドを含む組成物。
C134.配列番号2のアミノ酸配列を含む第1の融合ポリペプチド、および配列番号139のアミノ酸配列を含む第2の融合ポリペプチドを含む組成物。
C135.非脂質化ORF2086 B01に作動可能に連結されたニューモリソイドを含む第1の融合ポリペプチド、および非脂質化ORF2086 B24に作動可能に連結されたニューモリソイドを含む第2の融合ポリペプチドを含む組成物。
C136.非脂質化ORF2086 B09に作動可能に連結されたニューモリソイドを含む第1の融合ポリペプチド、および非脂質化ORF2086 B44に作動可能に連結されたニューモリソイドを含む第2の融合ポリペプチドを含む組成物。