特許第6446460号(P6446460)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6446460
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】PIPAポリオール系粘弾性フォーム
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/48 20060101AFI20181217BHJP
   C08G 18/00 20060101ALI20181217BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20181217BHJP
【FI】
   C08G18/48 004
   C08G18/00 A
   C08G18/00 H
   C08G101:00
【請求項の数】21
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-542125(P2016-542125)
(86)(22)【出願日】2014年9月11日
(65)【公表番号】特表2016-530390(P2016-530390A)
(43)【公表日】2016年9月29日
(86)【国際出願番号】US2014055266
(87)【国際公開番号】WO2015038829
(87)【国際公開日】20150319
【審査請求日】2017年8月28日
(31)【優先権主張番号】61/877,290
(32)【優先日】2013年9月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/017,735
(32)【優先日】2014年6月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/877,287
(32)【優先日】2013年9月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ・カザッティ
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト・ロラ・ラミア
(72)【発明者】
【氏名】デール・ハンター
(72)【発明者】
【氏名】イレーナ・アミシ−クロウティロヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ポール・エイ・クックソン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン・エム・デルク
【審査官】 今井 督
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−514041(JP,A)
【文献】 特表2010−521568(JP,A)
【文献】 特開昭56−127621(JP,A)
【文献】 特開平03−106938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00− 18/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘弾性フォームを作製する方法であって、少なくとも1種の有機ポリイソシアネートを、60から150のイソシアネート指数で水及びポリオール混合物と組み合わせて、反応混合物を形成することと、前記反応混合物を硬化させて、30〜120kg/mのフォーム密度、15%未満の弾力性及び少なくとも3秒の回復時間(後述のように測定される)を有する、ポリウレタン−ウレアフォームを形成することとを含み、前記ポリオール混合物は、
ポリオールA:キャリアポリオール中のポリウレタン及び/またはポリウレタン−ウレア粒子の少なくとも1種の分散系であって、前記キャリアポリオールは、600〜5000の平均分子量、及び分子当たり平均少なくとも2個のヒドロキシル基を有し、分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子は、前記分散系の5〜50重量パーセントを構成し、前記分散系は、少なくとも40のヒドロキシル価を有する、少なくとも1種の分散系と;
ポリオールB:プロピレンオキシドのホモポリマー、または20〜99.9重量%のプロピレンオキシド及び0.1〜80重量%のエチレンオキシドのコポリマーであり、分子当たり2〜4個のヒドロキシル基を有し、200〜400のヒドロキシル当量を有する、少なくとも1種のポリオールと;
を含み、さらに、ポリオールA及びBは、合わせて、前記反応混合物中の水以外の全てのイソシアネート反応性材料の少なくとも75重量パーセントを構成し、前記ポリオール混合物は、少なくとも1重量パーセントの前記分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子を含有する、前記方法。
(前記回復時間は、圧入先端を1Nの事前負荷で接触させて検体の初期厚さを確定するように修正したASTM D6374−08試験Mに従って測定される。なお、当該時間は、回復するフォームが圧子に対して4.5Nの力を印加するまで測定されるか、もしくは、フォームが柔軟すぎるために4.5Nの力を印加するのに十分回復しない場合は、回復するフォームがわずか1.0Nの力を印加するまで測定される。)
【請求項2】
前記ポリオール混合物は、少なくとも1重量パーセントの前記分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子を含有する、請求項1に記載の前記方法。
【請求項3】
ポリオールAは、前記ポリオール混合物の3〜60重量パーセントを構成する、請求項1または2に記載の前記方法。
【請求項4】
ポリオールBは、前記ポリオール混合物の40〜85重量パーセントを構成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項5】
ポリオールBは、ポリオールB1及びB2の混合物であり、ポリオールB1は、50〜80重量%のエチレンオキシド及びそれに対応して50〜20重量%のプロピレンオキシドのコポリマーであり、分子当たり2.5〜3.5個のヒドロキシル基、及び200〜400のヒドロキシル当量を有する、少なくとも1種のポリオールであり、ポリオールB2は、プロピレンオキシドのホモポリマー、または80重量%超のプロピレンオキシド及び20重量%未満のエチレンオキシドのコポリマーであり、分子当たり2〜4個のヒドロキシル基を有し、200〜400のヒドロキシル当量を有する、少なくとも1種のポリオールである、請求項1から4のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項6】
ポリオールB−1は、前記ポリオール混合物の30〜60重量%を構成し、ポリオールB−2は、前記ポリオール混合物の10〜25重量%を構成する、請求項5に記載の前記方法。
【請求項7】
ポリオールAは、前記キャリアポリオールよりも高いヒドロキシル価を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項8】
前記分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子は、ポリオールAの5〜25重量パーセントを構成する、請求項1から7のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項9】
ポリオールAは、10〜25重量%の前記キャリアポリオール(複数種可)中の分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子の分散系であり、前記キャリアポリオール(複数種可)は、200〜400の平均ヒドロキシル当量を有し、名目上2〜4個のヒドロキシル基/分子を含有し、少なくとも75%の二級ヒドロキシル基を含有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項10】
ポリオールAは、10〜25重量%の前記キャリアポリオール(複数種可)中の分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子の分散系であり、前記キャリアポリオール(複数種可)は、401〜1200の平均ヒドロキシル当量を有し、名目上2〜4個のヒドロキシル基/分子を含有し、少なくとも75%の二級ヒドロキシル基を含有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項11】
ポリオールAは、10〜25重量%の前記キャリアポリオール(複数種可)中の分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子の分散系であり、前記キャリアポリオール(複数種可)は、1000〜2500の平均ヒドロキシル当量を有し、名目上2〜4個のヒドロキシル基/分子を含有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項12】
前記分散したポリマー粒子は、トリエタノールアミン、トルエンジイソシアネート及び任意選択で水の反応生成物である、請求項1から11のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項13】
前記反応混合物は、SAN型ポリマーポリオールを含有しない、請求項1から12のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項14】
前記ポリオール混合物は、2重量%以下のヒマシ油を含有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項15】
ポリオールBは、前記ポリオール混合物の45〜85重量%を構成する、請求項1から14のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項16】
前記VEフォームは、自由起泡プロセスにおいて作製され、前記硬化させるステップは、少なくとも1つの方向への膨張が、前記フォームの前記膨張に対して無視できる抵抗を提供する雰囲気または軽量表面に対して生じるように、前記反応混合物を開いた容器内に注ぎ込むことにより実行される、請求項1から15のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項17】
前記反応混合物を前記開いた容器内に連続的に注ぎ込むことにより実行される、請求項16に記載の前記方法。
【請求項18】
前記VEフォームは、型内で硬化される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記VEフォームは、少なくとも57L/mの圧搾前の気流及び少なくとも3秒の回復時間を有する、請求項1から18のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項20】
前記VEフォームは、少なくとも57L/mの圧搾前の気流及び少なくとも10秒の回復時間を有する、請求項1から19のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項21】
前記VEフォームは、少なくとも80L/mの圧搾前の気流及び少なくとも10秒の回復時間を有する、請求項1から20のいずれか一項に記載の前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘弾性ポリウレタンフォームの生成に関する。
【0002】
粘弾性(VE)フォームとして知られるポリウレタンフォームのクラスが存在する。それらは、15%未満の弾力性値を有し、圧縮後にゆっくりと回復することを特徴とする。これらの特性により、VEフォームは、はるかにより高い弾力性を有し、圧縮後にほぼ即時に回復するHR(高弾力性)及び従来の可撓性ポリウレタンフォームから区別される。これらの粘弾性フォームは、時折「メモリー」フォームとして市販されている。それらは、枕及びマットレスに使用されることが多くなっており、フォームの粘弾性特性が、消費者が非常に快適であると認識する感触を付与する。それらはまた、音響用途においてNVH(雑音、振動及びハーシュネス)を低減するために、また、ゆっくりとした回復が有利となる耳栓等の様々な用途において使用されている。
【0003】
HR及び従来の可撓性ポリウレタンフォームと同様に、VEフォームは、ポリイソシアネートと、1種以上のポリアルコール(ポリオール)化合物及び水との反応において作製される。水は、重要な機能を果たす。水は、イソシアネート基と反応して二酸化炭素を生成し、これが発泡ガスとして作用する。
【0004】
それぞれの場合における出発材料は、同様の広範なクラスに属するが(それぞれの場合においてポリイソシアネート及びポリオール、ならびに水)、それらの出発材料は、重要な点でその詳細が異なる。HR及び従来の可撓性ポリウレタンフォームは、主として、1000〜2000のヒドロキシ当量を有するポリエーテルポリオールから作製され、一方、VEフォームは、主として、−20℃超及び50℃までのガラス転移温度(T)を有するポリマーを生成するために、より高い当量のポリオールと組み合わせて、典型的には230〜350である当量を有するポリオールから作製される。これらの差は、系が反応し硬化する様式に対して重大な影響を有する。従来のフォーム系において、ポリエーテルポリオールに対する水のモル比は幾分高く、6〜12の比が典型的である。したがって、ポリエーテルポリオールの全ての分子は、大きなモル数の水と競合しなければならないが、これは、それらが両方とも反応のためにイソシアネート基を求めるためである。VEフォーム系において、ポリオールの水のモル比ははるかにより低く、より典型的には1〜3の範囲内である。水の量がより少ないと、反応系は、不完全な膨張、沈降、隆起またはさらにフォームの崩壊等の大きな処理上の問題を生じやすくなる。HR及び従来の可撓性フォーム系は幾分堅牢であるが、VE系は、界面活性剤及び触媒の種類及びレベル、ならびに反応物質自体及び反応条件(特に温度)における僅かな変化に対して非常に敏感である。
【0005】
VEフォームに関する別の問題は、連続気泡の問題である。使用されるより低分子量のポリオールは、より高度に架橋したポリマー構造をもたらし、これは一方で独立気泡を形成する傾向がある。フォームが冷却されると、気泡ガスが収縮し、大気圧より低い気泡内圧力が形成される。ポリマーネットワーク及びフォーム密度は、大気圧下のフォームを支持するには不十分であり、したがって収縮する傾向がある。さらに、密な(高度独立気泡)フォームは、フォーム快適性の認識に作用悪影響を及ぼす。
【0006】
気泡を開くのを補助するために、時折フォーム配合物に材料が添加される。気泡開放剤の1つの種類はポリマーポリオールであり、これはポリオール中の微小ポリマー粒子の分散系である。発泡中、微小ポリマー粒子は、気泡窓(cell window)の破壊を補助し、これにより気泡が開いて収縮が低減される。ポリマー粒子はまた、VEフォームには望ましくないフォームの耐荷重を増加させる傾向がある。
【0007】
ポリマーポリオールは、粘弾性フォーム配合物中に若干使用されるのみである。VEフォーム配合物におけるそれらの使用は、例えば、US7,947,756、US8,318,823、US2009−0306237及びWO2013−045336に記載されている。これらのそれぞれにおいて、分散したポリマー粒子の性質に従って分類されるいくつかの種類のポリマーポリオールが言及されている。SAN型においては、分散した粒子は、スチレン及びアクリロニトリルのポリマーである。他の種類は、いわゆる「PHD」またはポリウレア分散系、ポリヒドラジド分散系である。言及されている別の種類は、分散したポリマー粒子がポリウレタンまたはポリウレタン−ウレアである、いわゆる「PIPA」ポリオールである。
【0008】
PIPAポリオールは、少なくとも1つの非常に重要な点においてSAN型と異なる。SAN粒子は、本質的に反応性部位を有さないが、PIPA粒子は、フォーム配合物のイソシアネート成分と容易に反応する多数の官能基を有する。したがって、PIPA粒子そのものが、SAN粒子では生じない様式で、フォーム硬化反応に関与する。したがって、上述の参考文献においてSAN型が関わるいくつかの実験研究が報告されている(限定された範囲の配合物に対して)が、PIPAポリオールの性能、またはそれらがVEフォーム配合物中に成功裏に使用され得る条件は、依然として未知である。
【0009】
本発明は、粘弾性フォームを作製する方法であって、少なくとも1種の有機ポリイソシアネートを、60から150のイソシアネート指数で水及びポリオール混合物と組み合わせて、反応混合物を形成することと、反応混合物を硬化させて、30〜120kg/mのフォーム密度、15%未満の弾力性及び少なくとも3秒の回復時間(後述のように測定される)を有する、ポリウレタン−ウレアフォームを形成することとを含み、ポリオール混合物は、
【0010】
ポリオールA:キャリアポリオール中のポリウレタン及び/またはポリウレタン−ウレア粒子の少なくとも1種の分散系であって、キャリアポリオールは、600〜5000の平均分子量、及び分子当たり平均少なくとも2個のヒドロキシル基を有し、分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子は、分散系の2〜50重量パーセントを構成し、分散系は、少なくとも40のヒドロキシル価を有する、少なくとも1種の分散系と;
【0011】
ポリオールB:プロピレンオキシドのホモポリマー、または20〜99.9重量%のプロピレンオキシド及び0.1〜80重量%のエチレンオキシドのコポリマーであり、分子当たり2〜4個のヒドロキシル基を有し、200〜400のヒドロキシル当量を有する、少なくとも1種のポリオールと;
【0012】
を含み、さらに、ポリオールA及びBは、合わせて、反応混合物中の水以外の全てのイソシアネート反応性材料の少なくとも75重量パーセントを構成し、ポリオール混合物は、少なくとも1重量パーセントの分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子を含有する方法である。
【0013】
驚くべきことに、ポリオールA材料(本明細書において時折「PIPAポリオール」と呼ばれる)は、分散した粒子上の反応基の存在の予測不可能な効果にもかかわらず、処理上の問題を引き起こすことなく反応混合物中に含めることができる。配合物及び発泡条件のわずかな変化に対しても影響を受けやすいことが知られている連続スラブストックVEフォームプロセスにおいても、良好な品質の粘弾性フォームが形成される。別の有益な驚くべき効果は、VEフォームのある特定の重要な属性が改善されることである。特に、フォームは、気流測定により示されるように、PIPAポリオールの代わりにSAN型コポリマーポリオールが使用された場合(同等の固体レベルで)と比較して、より連続気泡型である。これは、粒子上の反応基がポリマー架橋をさらに増加させ、それどころか、より多くの独立気泡、より低い気流、及びより高い収縮傾向によって「より密な」フォームを生成することが予測されることを考慮して、極めて驚くべきことである。さらに、本発明のVEフォームは、典型的には、SAN型コポリマーが使用された場合よりも長い回復時間を示す。PIPAポリオールの使用は、その気泡構造を開くことによりVEフォームの空気力学的効果を低減するため、これは別の驚くべき発見である。より長い回復時間は、寝具及び他の用途における快適性の認識の増加に寄与し、また音の減衰を補助するため、VEフォームの非常に有益な属性である。
【0014】
さらに別の利点は、フォームがPIPAポリオールの代わりにSAN型ポリマーポリオールを用いて生成された場合と比較して、VOCが低減されることである。
【0015】
VEフォームを作製するために使用されるポリイソシアネート化合物は、例えば、300までのイソシアネート当量を有し得る。イソシアネート当量は、250まで、175までであってもよく、いくつかの実施形態において、50から175である。ポリイソシアネート化合物の混合物が使用される場合、これらの当量は、混合物に対して適用され、そのような混合物中の個々のポリイソシアネート化合物は、上述のイソシアネート当量を、それらの範囲以内またはそれ未満で有し得る。
【0016】
有用なポリイソシアネートの例は、m−フェニレンジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、1,3−及び/または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(シス及び/またはトランス異性体を含む)、メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、水素化ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、水素化ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、4,4’−biフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4−4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’,4’ ’−トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(PMDI)、トルエン−2,4,6−トリイソシアネートならびに4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートを含む。好ましくは、ポリイソシアネートは、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、PMDI、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネートまたはそれらの混合物である。ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート及びそれらの混合物は、一般にMDIと呼ばれ、全て使用され得る。PMDI及びMDIの混合物である「ポリマーMDI」が使用され得る。トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート及びそれらの混合物は、一般にTDIと呼ばれ、全て使用され得る。
【0017】
VEフォームを作製するために、ポリイソシアネート化合物(複数種可)は、60〜150のイソシアネート指数で水及びポリオール混合物と組み合わされ、反応混合物が形成される。イソシアネート指数は、出発材料により提供される(すなわち、フォームを形成する硬化反応におけるそれらの基のいずれかの消費前の)イソシアネート反応基に対するイソシアネート基の比の100倍である。好ましいイソシアネート指数は、60から120であり、より好ましい指数は、70から100である。ポリオール混合物を形成する水及び様々なポリオールは、全て、それらがポリイソシアネートと組み合わされる前に一緒に混合されてもよい。代替として、それらは、ポリイソシアネートと個別に(すなわち、別個のストリームとして)組み合わされてもよく、または、次いでポリイソシアネートと組み合わされる任意の部分混合物として形成されてもよい。硬化反応の速度に起因して、水及びポリオールをポリイソシアネートと同時に、またはほぼ同時(例えば5秒以内)に組み合わせることが好ましい。
【0018】
ポリイソシアネート、水及びポリオール混合物は、好ましくは、ミキシングヘッドまたはこれらの成分(及び後述のような反応混合物中の他の成分)の密な混合物を形成する他の装置を使用して組み合わされる。
【0019】
水の量は、一般に、ポリオール混合物100重量部当たりの重量部で表現される。好適な量は、ポリオール混合物100重量部当たり0.5〜6部であり、より好適な量は、1〜3.5部である。特に好ましい量は、ポリオール混合物100重量部当たり1.25〜2.5部である。
【0020】
ポリオール混合物は、本明細書において時折ポリオールAとして特定されるPIPAポリオールを含む。ポリオールAの量は、全ての他のポリオールと同様に、水を除く(水の量は別個に指定される)反応混合物に提供される全てのイソシアネート反応性材料の組み合わされた重量を基準とする。ポリオールAの量は、少なくとも1重量パーセントの分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子をポリオール混合物に提供するのに十分である。ポリオール混合物は、好ましくは、少なくとも2重量パーセントの分散した粒子を含有し、25重量パーセントまで、20重量パーセントまで、または10重量パーセントまでの分散した粒子を含有してもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、ポリオール混合物は、3〜60重量パーセントのポリオールAを含有する。好ましい量は、5〜25重量%であり、さらにより好ましい量は、5〜20重量%である。いくつかの実施形態において、ポリオール混合物は、5〜15重量パーセントまたは5〜20重量%のPIPAポリオール(複数種可)を含む。
【0022】
PIPAポリオール(ポリオールA)は、キャリアポリオール中のポリウレタン及び/またはポリウレタン−ウレア粒子の少なくとも1種の分散系である。キャリアポリオールは、ポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子が分散した連続相を形成する。キャリアポリオールは、600〜5000の平均分子量、及び分子当たり平均少なくとも2個のヒドロキシル基を有する。キャリアポリオールは、例えば、700〜1200、1200〜2000、または2000〜4000の平均分子量を有してもよい。キャリアポリオールは、250〜1500、350〜1250、または500〜1000の平均ヒドロキシル当量を有してもよい。キャリアポリオールは、好ましくは、平均して、分子当たり2〜8個、好ましくは2〜4個、さらにより好ましくは2〜3個のヒドロキシ基を含有する。キャリアポリオールは、2種以上のポリオールの混合物であってもよく、その場合、分子量、当量及び官能価に関する上記の値は、混合物に対して適用される。
【0023】
キャリアポリオール(複数種可)は、例えば、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ブタジエンのポリマー、アクリレートポリオール、または他の種類であってもよい。ポリエーテルポリオール、特にプロピレンオキシドホモポリマーならびにプロピレンオキシド及びエチレンオキシドのコポリマーが好ましい。
【0024】
キャリアポリオール上のヒドロキシル基は、一級または二級ヒドロキシル基であってもよい。いくつかの実施形態において、ヒドロキシル基の少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも85%が、二級ヒドロキシル基である。他の実施形態において、ヒドロキシル基の50〜100%が、一級ヒドロキシル基である。
【0025】
ポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子は、キャリアポリオールの存在下での、ポリイソシアネート化合物と低分子量ポリオール、アミノアルコール、アミンまたはヒドラジド化合物とのin situ重合により生成され得る。PIPAポリオールを生成するためのそのようなin situ法は周知であり、例えば、US4,293,470、US4,305,857、US4,374,209、US4,438,252、US4,497,913、US4,518,778、US4,554,306、US5,488,085、US6,881,783、US2006−0058410、WO94/20558、WO2012/154820、WO2012−154831、米国仮特許出願第61/877,287号(2013年9月13日出願)及び米国仮特許出願第61/877,290号(2013年9月13日出願)に記載されている。
【0026】
そのようなin situ分散プロセスにおいて、ポリイソシアネート及び低分子量ポリオール、アミノアルコール、アミン、またはヒドラジド化合物は、ポリイソシアネート基が低分子量ポリオール、アミノアルコール、アミン、またはヒドラジド化合物と反応して粒子を形成するような条件下で、キャリアポリオール中に分散される。ポリイソシアネート基の一部は、キャリアポリオール上のヒドロキシル基と反応し得るが、その場合、ポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子のいくらかのグラフト化が生じる。
【0027】
PIPAポリオールを作製するために使用されるポリイソシアネートは、上述のいずれであってもよい。低分子量ポリオール、アミノアルコール、アミン、またはヒドラジドは、好ましくは、平均2〜6個のイソシアネート反応基、及び150まで、好ましくは100まで、より好ましくは75までのイソシアネート基当たりの平均当量を有する。2種以上のそのような化合物の混合物が使用される場合、上述の値は、混合物に対して適用される。いくつかの実施形態において、低分子量ポリオールは、2個以上のヒドロキシル基を含有し、アミン水素を含有しない。これは、アミン開始のものであってもよい。トリエタノールアミンが特に好ましい低分子量ポリオールである。アミノアルコールは、少なくとも1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個のアミン水素を有する。アミノアルコールの例は、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ならびに他のモノ−及びジアルカノールアミンを含む。
【0028】
低当量ポリオール、アミノアルコール、アミンまたはヒドラジドは、ポリウレタン及び/またはポリウレタン−ウレア粒子にヒドロキシル及び/またはアミノ基を提供するために、やや過剰に使用されてもよい。ポリイソシアネートが化学量論的量で、またはさらにやや過剰に存在する場合であっても、立体障害が完全な反応を妨げ、分散した粒子上の残留ヒドロキシル及び/またはアミノ基の存在をもたらす可能性がある。
【0029】
PIPAポリマーは、最終生成物中で粒子沈降の低減を補助し、そのようにしてPIPAポリオール生成物の保存安定性を増加させる1種以上の安定剤の存在下で反応を行うことにより形成されてもよい。安定剤は、PIPA形成反応中に生成されてもよく、または、事前に形成された材料であってもよい。いくつかの場合において、安定剤は、キャリアポリオールに可溶であるポリエーテルである。そのようなポリエーテルは、200〜8000の分子量を有する少なくとも1つのポリエーテルセグメントを有してもよい。ポリエーテルは、反応基を含有してもよく、それを通して、PIPA粒子は、PIPA形成反応中またはその後に結合する。そのような安定剤の例は、イソシアネート末端ポリエーテル、及びアルカノールアミン基(例えば-N−(CRH−CHOH)基)(式中、Rは、水素または低級アルキル、特に水素またはメチルであり、xは、1または2である)で終端されたポリエーテルを含む。それらの種類の安定剤は、例えば、US4,305,857及び米国仮特許出願第61/817,290号(2013年9月13日出願)に記載されている。他の種類の有用な安定剤は、様々なシリコーン界面活性剤を含む。安定剤は、例えば、PIPAポリオールの総重量の0.1〜10%を構成し得る。
【0030】
また、PIPA形成反応において、水が存在してもよい。好適な量は、キャリアポリオール(複数種可)、任意の安定剤(複数種可)及びPIPA形成反応物質の重量を含む出発材料の総重量の0〜30重量パーセント、好ましくは0〜2重量パーセントである。
【0031】
分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子は、分散系の2〜50重量パーセントを構成する。それらは、分散系の5〜50、5〜30、5〜25、10〜25または10〜20重量%を構成してもよい。in situ分散の場合、分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子の重量は、(a)PIPA形成プロセスに導入されたポリイソシアネート(複数種可)、(b)PIPA形成プロセスに導入された低分子量ポリオール、アミノアルコール、アミン及び/またはヒドラジド、(c)PIPA形成プロセスに導入された任意の種粒子、ならびに(d)PIPA形成プロセスに導入された、イソシアネート末端安定剤を生成するために使用される任意のポリイソシアネートの組み合わされた重量に等しい、計算重量である。(d)の場合、安定剤の作製に使用されるポリイソシアネートの重量は、安定剤の重量に、安定剤形成反応において使用されるポリイソシアネート化合物の重量パーセントを乗じたものとみなされる。
【0032】
分散したPIPA粒子は、0.05μm〜20μmの範囲内の直径を有してもよい。PIPA粒子の少なくとも95重量%が、好ましくは、その粒子サイズの範囲内に含まれる。PIPA粒子の少なくとも90重量%が、10μm未満または5μm未満であってもよい。
【0033】
分散系は、少なくとも40のヒドロキシル価を有する。好ましくは、分散系は、少なくとも50のヒドロキシル価を有する。ヒドロキシル価は、300、200、または100もの値であってもよい。いくつかの実施形態において、分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子は、ヒドロキシル基を含有する。そのような場合において、分散系のヒドロキシル価は、キャリアポリオール自体のヒドロキシル価より大きくてもよい。分散系のヒドロキシル価は、例えば、キャリアポリオール自体の1.25〜5倍、または1.25〜2.5倍であってもよい。これは、分散した粒子が反応基を含有しないSAN型コポリマーポリオールとは大きく異なり、そのため、SAN分散系のヒドロキシル価は、キャリアポリオール自体のヒドロキシル価よりも常に低くなる。
【0034】
ある特定の具体的実施形態において、PIPAポリオールは、10〜25重量%のキャリアポリオール(またはその混合物)中の分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子の分散系であり、そのキャリアポリオールまたは混合物は、200〜400の平均ヒドロキシル当量を有し、名目上2〜4個、好ましくは3個のヒドロキシル基/分子を含有し、少なくとも75%の二級ヒドロキシル基を含有する。そのような場合、分散したポリマー粒子は、トリエタノールアミン、トルエンジイソシアネート及び任意選択で水の反応生成物であってもよい。これらの具体的実施形態におけるPIPA形成反応は、事前に形成されたPIPAポリオールの存在下で行われてもよく、分散相が種粒子として機能する。
【0035】
他の具体的実施形態において、PIPAポリオールは、10〜25重量%のキャリアポリオール(またはその混合物)中の分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子の分散系であり、そのキャリアポリオールまたは混合物は、401〜1200の平均ヒドロキシル当量を有し、名目上2〜4個、好ましくは3個のヒドロキシル基/分子を含有し、少なくとも75%の二級ヒドロキシル基を含有する。そのような場合、分散したポリマー粒子は、トリエタノールアミン、トルエンジイソシアネート及び任意選択で水の反応生成物であってもよい。これらの具体的実施形態におけるPIPA形成反応は、事前に形成されたPIPAポリオールの存在下で行われてもよく、分散相が種粒子として機能する。
【0036】
さらに他の具体的実施形態において、PIPAポリオールは、10〜25重量%のキャリアポリオール(またはその混合物)中の分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子の分散系であり、そのキャリアポリオールまたは混合物は、1000〜2500の平均ヒドロキシル当量を有し、名目上2〜4個、好ましくは3個のヒドロキシル基/分子を含有する。そのような実施形態において、PIPAポリオールは、0〜100%の一級ヒドロキシル基を含有してもよく、いくつかの実施形態において、少なくとも50%の一級ヒドロキシル基を含有する。そのような場合、分散したポリマー粒子は、トリエタノールアミン、トルエンジイソシアネート及び任意選択で水の反応生成物であってもよい。これらの具体的実施形態におけるPIPA形成反応は、事前に形成されたPIPAポリオールの存在下で行われてもよく、分散相が種粒子として機能する。
【0037】
ポリオール混合物は、さらに、プロピレンオキシドのホモポリマー、または20〜99.9重量%のプロピレンオキシド及び0.1〜80重量%のエチレンオキシドのコポリマーであり、分子当たり2〜4個のヒドロキシル基を有し、200〜400のヒドロキシル当量を有する、少なくとも1種のポリオールを含有する。このポリオールは、本明細書において時折ポリオールBと呼ばれる。ポリオールBは、単一材料または2種以上の材料の混合物であってもよく、後者の場合、上述の値は混合物に適用される。プロピレンオキシド及びエチレンオキシドの重量パーセンテージは、ポリオールを作製するために重合されるそれぞれのオキシドの組み合わされた重量を指す。いくつかの実施形態において、ポリオールBは、ポリオール混合物の40〜85重量%、好ましくは45〜85重量%を構成する。
【0038】
いくつかの実施形態において、ポリオールBは、ポリオールB1及びB2の混合物であってもよく、ポリオールB1は、50〜80重量%のエチレンオキシド及びそれに対応して50〜20重量%のプロピレンオキシドのコポリマーであり、分子当たり2.5〜3.5個のヒドロキシル基、及び200〜400、好ましくは300〜400のヒドロキシル当量を有する、少なくとも1種のポリオールであり、ポリオールB2は、プロピレンオキシドのホモポリマー、または80重量%超のプロピレンオキシド及び20重量%未満のエチレンオキシドのコポリマーであり、分子当たり2〜4個のヒドロキシル基を有し、200〜400のヒドロキシル当量を有する、少なくとも1種のポリオールである。そのような実施形態において、ポリオールB1は、ポリオール混合物の30〜60重量%を構成してもよく、ポリオールB2は、ポリオール混合物の10〜25重量%を構成してもよい。
【0039】
ポリオールA及びBは、合わせて、反応混合物中の水以外の全てのイソシアネート反応性材料の少なくとも75重量%、好ましくは少なくとも80重量%を構成する。それらは、合わせて、それらのイソシアネート反応性材料(同じく水を除く)の100重量%までを構成してもよい。追加のイソシアネート反応性材料が存在する場合、それらは、例えば、以下の1つ以上を含んでもよい。
(a)分散したポリマー粒子を含有しない、400超のヒドロキシル当量を有する少なくとも1種のポリオール。このポリオール(またはポリオールの混合物)は、例えば、400〜3000、500〜2000、800〜1700、または800〜1500の平均ヒドロキシル当量を有してもよく、また分子当たり2〜8個、2〜4個、または2〜3個のヒドロキシル基を有してもよい。そのようなポリオールは、ポリエーテルポリオールであってもよく、ポリエーテルポリオールが、プロピレンオキシドのホモポリマー、エチレンオキシドのホモポリマー、または1:99〜99:1、50:99〜99:1または70:30〜99:1の重量比のプロピレンオキシド及びエチレンオキシドのコポリマーであってもよい場合;
(b)少なくとも2個のヒドロキシル基、少なくとも1個のヒドロキシル基及び少なくとも1個の一級もしくは二級アミノ基、少なくとも1個の一級アミノ基、少なくとも1個の一級アミノ基及び少なくとも1個の二級アミノ基、または少なくとも2個の二級アミノ基を有し、ジオールの場合100まで、及びその他の場合は150までのイソシアネート反応基当たりの当量、好ましくは30〜100、より好ましくは30〜75の当量を有する、少なくとも1種の低当量イソシアネート反応性化合物。これらの例は、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレングリコール、エチレングリコール、グリセリン及び1,4−ブタンジオールを含む;
(c)30〜5000の分子量を有し得る1種以上のモノール。そのようなモノールは、ポリエーテルモノールであってもよく、そのようなポリエーテルモノールは、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド及び/またはエチレンオキシドのポリマーまたはコポリマーであってもよい;ならびに
(d)101〜1500の分子量を有する1種以上のジオール。そのようなジオールは、例えば、ポリエステルまたはポリエーテルであってもよい。ポリエーテルである場合、それは、プロピレンオキシド及び/またはエチレンオキシドのポリマーまたはコポリマーであってもよい。
【0040】
反応混合物は、好ましくは、SAN型ポリマーポリオールを含有しない。このようにして、VOC(例えば残留スチレン及びアクリロニトリルモノマー)の源が排除される。VEフォーム中のVOCは、例えば、VDA 278試験法により評価され得る。
【0041】
いくつかの実施形態において、ポリオール混合物は、2重量%以下、好ましくは1重量%以下のヒマシ油を含有し、またヒマシ油を含まなくてもよい。
【0042】
反応混合物は、好ましくは、1種以上の触媒を含有する。触媒(複数種可)は、水−イソシアネート反応及びアルコール−イソシアネート反応のいずれかまたは両方を触媒する。好適な触媒は、例えば三級アミン、環状アミジン、三級ホスフィン、様々な金属キレート、酸金属塩、強塩基、様々な金属アルコレート及びフェノレート、ならびに有機酸の金属塩を含む、含む。金属含有触媒の例は、ビスマス、コバルト及び亜鉛塩である。最も重要な触媒は、三級アミン触媒、環状アミジン及びスズ触媒である。三級アミン触媒の例は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジメチルピペラジン、1,4−ジアゾビシクロ−2,2,2−オクタン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチレンジアミン、及びアルキル基が4〜18個の炭素原子を含有するジメチルアルキルアミンを含む。これらの三級アミン触媒の混合物がしばしば使用される。
【0043】
反応性アミン触媒、例えばDMEA(ジメチルエタノールアミン)もしくはDMAPA(ジメチルアミノプロピルアミン)、または自己触媒ポリオールとして作用するアミン開始ポリオールもまた、VOC(揮発性有機化合物)を低減するために使用され得る。
【0044】
スズ触媒は、塩化第二スズ、塩化第一スズ、第一スズオクトエート、オレイン酸第一スズ、二ラウリン酸ジメチルスズ、二ラウリン酸ジブチルスズ、リシノール酸スズ、及び式SnR(OR)4−n(式中、Rは、アルキルまたはアリールであり、nは、0〜18である)の他のスズ化合物等である。カルボキシレート基が6〜18個の炭素原子を有するカルボン酸スズは、時折、VEフォーム中の低級VOCと関連する。触媒は、一般に、使用されるとしても、1種以上の三級アミン触媒と併せて使用される。
【0045】
触媒は、典型的には少量で使用され、例えば、各触媒は、ポリオール(複数種可)の約0.0015〜約5重量%で使用される。スズ触媒は、一般に、この範囲内でごく微量で、例えば0.0015〜0.25重量%で使用される。
【0046】
VEフォーム配合物中にフォーム安定化界面活性剤を含めることが極めて好ましい。フォーム安定化界面活性剤は、ポリマーが硬化するまで、発泡プロセス中に発泡剤により形成される気泡の安定化を補助する。ポリウレタンフォームの作製において一般的に使用されるような広範なシリコーン界面活性剤が、本発明のポリマーポリオールまたは分散系を使用してフォームを作製する上で使用され得る。そのようなシリコーン界面活性剤の例は、Tegostab(商標)(Th. Goldschmidt and Co.)、Niax(商標)(GE OSi Silicones)及びDabco(商標)(Air Products and Chemicals)の商品名で市販されている。
【0047】
反応混合物中に補助発泡剤を含めることが望ましくなり得る。そのような補助発泡剤は、例えば様々な低沸点クロロフルオロカーボン、フッ化炭素、炭化水素等の物理的(吸熱性)発泡剤;及び、ポリウレタン形成反応条件下で分解または反応する化学的(発熱性)発泡剤(水以外)を含む。さらに、二酸化炭素、空気、窒素またはアルゴン等のガスが、起泡プロセスにおいて補助発泡剤として使用されてもよい。二酸化炭素はまた、液体または超臨界流体として使用され得る。
【0048】
上述の成分に加えて、ポリウレタンフォーム配合物は、様々な他の任意選択の成分、例えば気泡開放剤;メラミン及び炭酸カルシウム等の充填剤;二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、アゾ/ジアゾ染料、フタロシアニン、ジオキサジン及びカーボンブラック等の顔料及び/または着色剤;ガラス繊維、炭素繊維、フレーク状ガラス、雲母、タルク等の補強剤;殺生物剤;保存剤;酸化防止剤;難燃剤;可塑剤、パラフィン油、植物または動物油脂、エポキシ化植物油及び/または動物脂肪、ワックス粒子、ゲル粒子等を含有してもよい。
【0049】
好適な難燃剤は、固体または液体であってもよい。それらは、例えば、1種以上の非ハロゲン化難燃剤及び/または1種以上のハロゲン化難燃剤を含む。例示的な難燃剤は、メラミンまたは様々なメラミン誘導体、ハロゲンを含有してもよい、または含有しなくてもよいリン化合物、ハロゲンを含有してもよい、または含有しなくてもよいアルミニウム含有化合物、ハロゲンを含有してもよい、または含有しなくてもよい様々な窒素含有化合物、塩素化化合物、様々な臭素化化合物、膨張性黒鉛、様々なホウ素化合物、及びポリウレアを含む。いくつかの実施形態において、難燃剤は、メラミンまたはメラミン誘導体及び1種以上のハロゲン化リン化合物である。
【0050】
VEフォームは、上述のような様々な成分を組み合わせて、次いで発泡及び硬化される反応混合物を形成することにより生成される。本発明の方法は、特殊な処理条件を必要とせず、したがって、ポリウレタンVEフォームを作製するための、当該技術分野において説明されている処理条件及び機器が、全く好適である。一般に、反応混合物の成分が組み合わされる。触媒が存在するほとんどの場合において、イソシアネート化合物は、室温(22℃)であっても、自然に水及びポリオールと反応する。必要に応じて、硬化反応を加速させるために、反応混合物に熱が加えられてもよい。これは、成分のいくつかまたは全てを組み合わせる前にそれらを加熱する、反応混合物に熱を加える、またはそれぞれのいくつかの組み合わせにより行うことができる。硬化は、反応混合物が十分に膨張及び硬化して安定なフォームを形成するまで継続される。
【0051】
いくつかの実施形態において、硬化させるステップは、閉じた型内で行われる。そのようなプロセスにおいて、反応混合物は、型自体において形成されるか、または型の外で形成されてから型に射出され、そこで硬化する。したがって、反応混合物が硬化する際の膨張は、成型部品のサイズ及び構造と同様に、型の内側表面により制限される。
【0052】
他の実施形態において、硬化させるステップは、自由起泡(またはスラブストック)プロセスにおいて行われる。自由起泡プロセスにおいて、反応混合物は、少なくとも1つの方向(通常は垂直方向)における膨張が、フォームの膨張に対して無視できる抵抗を提供する雰囲気または軽量表面(フィルムなど)に対して生じるように、開いた容器内に注ぎ込まれる。自由起泡プロセスにおいて、反応混合物は、その自重以外には本質的に制限されない少なくとも1つの方向に膨張する。自由起泡プロセスは、反応混合物を形成し、反応混合物が膨張及び硬化するトラフ内またはコンベア上にそれを分注することにより行われてもよい。本発明は、反応混合物が起泡及び膨張するトラフまたは他の反応ゾーン内に反応混合物が連続的に分注される、連続自由起泡プロセスにおいて特に有用である。そのような場合、反応混合物は容易に処理される傾向を有することが判明している。
【0053】
例示的実施形態によれば、フォーム生成物は、可変圧力発泡(VPF)法を使用して、真空下で生成され得る。
【0054】
硬化したVEフォームは、ISO 3886により測定される、30〜120kg/m、好ましくは40〜80kg/m、より好ましくは40〜60kg/mのフォーム密度を有することを特徴とする。
【0055】
フォームは、ASTM D−3574により測定される、15%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは8%未満の弾力性を有する。硬化したフォームは、以下の実施例に記載のように修正されたASTM D6374−08試験Mに従って測定される、少なくとも3秒、好ましくは少なくとも5秒の回復時間を有するが、時間は、回復するフォームが圧子に対して4.5Nの力を印加するまで測定され、または、フォームが柔軟すぎるために4.5Nの力を印加するのに十分回復しない場合は、時間は、回復するフォームがわずか1.0Nの力を印加するまで測定される。回復時間は、10秒以上、またはさらに15秒以上であってもよい。4.5Nまでの回復時間は、わずか1.0Nまでの回復時間より常に長くなる。
【0056】
本発明の利点は、VEフォームが、長い回復時間と併せて、驚異的に高い気流を示すことである。気流は、ASTM D−3574に従って好都合に測定される。本発明の圧搾されていないVEフォームは、少なくとも40リットル/分、少なくとも57リットル/分、少なくとも80リットル/分または少なくとも125リットル/分の気流を示してもよく、また500リットル/分まで高くてもよい。VEフォームは、気流をさらに増加させるために圧搾されてもよい。より高い気流は、多くの場合、フォームが個人用クッション用途において使用される場合に認識される快適性に重要であるが、これは、フォームを通る空気の動きが、体の熱の散逸を補助し、これによりフォームがより涼しく、より快適に感じられるためである。保温は、以前のVEフォーム枕及びマットレスに関する広く認識された問題であり、したがって、フォームを通る空気のより大きな移動により熱を散逸させる能力は、重要な利点である。開いたフォームもまた、音響用途において重要である。
【0057】
本発明のVEフォームは、1つ以上のFR(耐燃性)標準、例えば点火源として木製アセンブリ(クリブと呼ばれる)を使用した英国工業規格燃焼性試験(BS 5852−点火源5)に適合し得る。
【0058】
本発明のVEフォームは、枕、マットレス、背もたれ(ベッドの頭板、座席等)、座席クッション、梱包材、保護用クッション等のクッション用途において有用である。それらは、音響及び/または振動(すなわちNVH)減衰手段として、またはその構成要素として使用され得る。それらは、フォーム圧縮後のゆっくりとした回復が求められる他の用途において有用である。一般に、本発明のVEフォームは、従来通り生成されるVEフォームと同じ用途及び同じ様式で使用され得る。
【0059】
以下の実施例は、本発明を例示するために提供されるが、本発明の範囲を限定することを意図しない。全ての部及びパーセンテージは、別段に指定されない限り、重量基準である。
【0060】
イソシアネートAは、The Dow Chemical CompanyからPAPI 94として入手可能なポリマーMDIである。この製品は、131.5のイソシアネート当量、及び2.3の平均イソシアネート官能価を有する。
【0061】
イソシアネートBは、The Dow Chemical CompanyからISONATE M 320として入手可能なポリマーMDIである。この製品は、130のイソシアネート当量、及び2.3の平均イソシアネート官能価を有する。
【0062】
イソシアネートCは、65%2,4−TDI及び35%2,6 TDIのトルエンジイソシアネート(TDI)混合物である。
【0063】
PIPAポリオールAは、キャリアポリオール中のポリウレタン粒子の20%固体分散系である。キャリアポリオールは、少なくとも90%の二級ヒドロキシル基を有する、3000分子量の公称三官能性ポリ(プロピレンオキシド)である。ポリウレタン粒子は、トリエタノールアミンと、トルエンジイソシアネートの2,4−及び2,6−異性体の80/20混合物との反応生成物である。PIPAポリオールAは、2013年9月13日出願の米国仮特許米国仮特許出願第61/877,290号に記載の一般的プロセスにおいて調製される。そのヒドロキシル価は約75であり、一方キャリアポリオールのヒドロキシル価は約56である。
【0064】
PIPAポリオールBは、PIPAポリオールAと同じ一般的様式で作製されるが、但し、キャリアポリオールは、プロピレンオキシド及びエチレンオキシドを三官能性出発物質に逐次的に加えることにより作製される、5000分子量の公称三官能性材料である。キャリアポリオールは、少なくとも85%の一級ヒドロキシル基を含有する。固体含量は、20重量%である。そのヒドロキシル価は約60であり、一方キャリアポリオールのヒドロキシル価は33である。
【0065】
ポリオールB1は、約1000g/モルの数平均分子量を有する、約40%のプロピレンオキシド及び60%のエチレンオキシドの公称三官能性コポリマーである。ポリオールB2−Aは、約700g/モルの数平均分子量を有する公称三官能性ポリオキシプロピレンである。
【0066】
ポリオールB2−Bは、約1000g/モルの数平均分子量を有する公称三官能性ポリオキシプロピレンである(The Dow Chemical CompanyからVORANOL 3150として入手可能)。
【0067】
ポリオールCは、約3000g/モルの数平均分子量を有する公称三官能性ポリオキシプロピレンポリエーテルである(The Dow Chemical CompanyからVORANOL(商標)WK3138として入手可能)。
【0068】
ポリオールDは、約3500g/モルの数平均分子量を有する、88%のプロピレンオキシド及び12%のエチレンオキシドの公称三官能性ランダムコポリマーである(The Dow Chemical CompanyからVORANOL 3322として入手可能)。
【0069】
ポリオールEは、約3000の数平均分子量を有する、87%のプロピレンオキシド及び13%のエチレンオキシドの公称三官能性ランダムコポリマーである(The Dow Chemical CompanyからVORANOL 3010として入手可能)。
【0070】
ポリオールFは、約6000の数平均分子量を有する、18%のエチレンオキシドでキャッピングされた公称三官能性ポリ(プロピレンオキシド)である(The Dow Chemical CompanyからVORANOL 6001として入手可能)。
【0071】
モノールAは、約500g/モルの数平均分子量を有する、50%のプロピレンオキシド及び50%のエチレンオキシドのコポリマーである。
【0072】
SANポリオールAは、キャリアポリオール中に分散した40%の固体を含有するSANポリマーポリオールである。キャリアポリオールは、約3000の数平均分子量を有するポリエーテルトリオールである。SANポリオールAは、The Dow Chemical CompanyからVORALUX(商標)HL 400として入手可能である。
【0073】
SANポリオールBは、キャリアポリオール中に分散した40%の固体を含有するSANポリマーポリオールである。キャリアポリオールは、約5000の数平均分子量を有するポリエーテルトリオールである。SANポリオールBは、Dow Chemical CompanyからSPECFLEX(商標)NC 700として入手可能である。キャリアポリオールは、約33のヒドロキシル価を有するが、SANポリオールBは、わずか約20のヒドロキシル価を有する。
【0074】
シリコーン界面活性剤Aは、MomentiveからNiax(商標)L−620として入手可能な有機シリコーン界面活性剤である)。
【0075】
シリコーン界面活性剤Bは、MomentiveからNiax L−618として入手可能な有機シリコーン界面活性剤である。
【0076】
シリコーン界面活性剤Cは、EvonikからTegostab B8239として入手可能な有機シリコーン界面活性剤である。
【0077】
FR剤Aは、AlbemarleからAntiblaze TMCPとして入手可能なハロゲン化リン酸エステルである。
【0078】
FR剤Bは、メラミンである。
【0079】
触媒Aは商業グレードの第一スズオクトエートである(Air ProductsからDabco(登録商標)T9として入手可能)。
【0080】
触媒Bは、70%のビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテルを含有する溶液である(MomentiveからNiax A1として入手可能)。
【0081】
触媒Cは、ジプロピレングリコール中のトリエチレンジアミンの33重量%溶液である(Air ProductsからDabco 33LVとして入手可能)。
【0082】
実施例1から3及び比較例AからDは、以下の表1中の配合に従って、スラブストック形成プロセスにおいて調製される。ポリイソシアネート以外の全ての成分を混合し、得られた混合物を、ベンチスケール静的ミキサーを使用して室温でポリイソシアネートと組み合わせる。次いで、反応混合物を開いた容器内に注ぎ込み、起泡及び硬化させる。容器から除去されるのに十分に硬化したら、フォーム試料を炉内で5分間アニールし、試験前に周囲温度で24時間さらに硬化させる。
【0083】
フォーム密度は、ISO 3386に従って測定される。CFD(圧縮力たわみ)は、ISO 3386に従って測定される。弾力性及び気流(圧搾されていないフォーム試料に対して)は、ASTM 3574に従って測定される。
【0084】
回復時間は、圧入先端を(4.5Nではなく)1Nの事前負荷で接触させて検体の初期厚さを確定するように修正したASTM D6374−08試験Mに従って測定される。時間の記録は、フォームが圧入先端に対して4.5Nの負荷を印加するまで回復するとすぐに停止する。
【0085】
【表1】
【0086】
比較試料A及びDは、対照である。それらは、比較試料Aが若干より多くのポリオールD、及びそれに対応してより少ない量のポリオールB1で作製されている点が異なる。これらの試料は共に、高い気流及び長い回復時間を同時に得る上での困難を実証している。比較試料Aは、長い回復時間を有するが、気流は幾分低い。比較試料Bでは、気流は増加しているが、回復時間が犠牲となる。
【0087】
比較試料B及びCは、配合物へのSAN型ポリマーポリオールの組込みの効果を実証している。これは、気流の変化をわずかしかもたらさない(比較試料Aと比較して)が、回復時間の大きな低下をもたらす。
【0088】
実施例1〜2は、PIPAポリオールにより、気流及び回復時間の両方の増加を得ることができることを実証している。これは、SANポリマーポリオールを使用した結果と対照的である。実施例3は、5000分子量ポリオールに基づくPIPAポリオールを使用した効果を実証している。PIPA粒子の非存在下では、そのようなはるかにより高い当量のポリオールの存在は、VEフォーム特性に大きく影響することが予測される。観察され得るように、非常に高い気流を伴う良好な品質のVEフォームが得られる。
【0089】
実施例4〜6及び比較試料E及びFを作製し、表2に示されるような配合を使用して、上記実施例と同じ一般的方法で試験する。この実験の組においてフォーム試料は非常に柔軟であり、したがって圧子に対して4.5Nの力を印加するのに十分回復しないため、試験は、回復したフォームがわずか1Nの力を印加した時に打ち切られる。
【0090】
【表2】
【0091】
実施例4及び5対比較試料E及びFもまた、PIPAポリオールがSAN型ポリオールに置き換わった場合の優れた結果を実証している。気流及び回復時間は、PIPAポリオールを用いて作製されたフォームにおいてはるかにより高い。
【0092】
実施例6は、実施例4及び5ならびに比較試料E及びFとは大きく異なる配合における高い気流を実証している。
【0093】
実施例6は、Crib 5燃焼性試験(BS 5852、点火源5)に従い、40×6.5×6.5mmの寸法及び17グラムの合計質量を有する18個の木製スティックで作製された木製クリブを使用して評価される。1.4mLのプロパン−2−オールをリントに加えて試験を開始する。合格/不合格基準は、(i)検体当たり60グラム以下の重量損失、(ii)検体の点火から10分以内の自己消火、(iii)炎が試料の厚さ全体を貫通し得ないこと、及び(iv)点火源のいずれかの側での10cm以下の損傷(5cmの幅を有するクリブ構造を中心と仮定して、幅方向における25cm以下の損傷として測定される)である。これらの基準に従い、実施例6はCrib 5燃焼性試験に合格する。
本願発明には以下の態様が含まれる。
[1]
粘弾性フォームを作製する方法であって、少なくとも1種の有機ポリイソシアネートを、60から150のイソシアネート指数で水及びポリオール混合物と組み合わせて、反応混合物を形成することと、前記反応混合物を硬化させて、30〜120kg/mのフォーム密度、15%未満の弾力性及び少なくとも3秒の回復時間(後述のように測定される)を有する、ポリウレタン−ウレアフォームを形成することとを含み、前記ポリオール混合物は、
ポリオールA:キャリアポリオール中のポリウレタン及び/またはポリウレタン−ウレア粒子の少なくとも1種の分散系であって、前記キャリアポリオールは、600〜5000の平均分子量、及び分子当たり平均少なくとも2個のヒドロキシル基を有し、分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子は、前記分散系の5〜50重量パーセントを構成し、前記分散系は、少なくとも40のヒドロキシル価を有する、少なくとも1種の分散系と;
ポリオールB:プロピレンオキシドのホモポリマー、または20〜99.9重量%のプロピレンオキシド及び0.1〜80重量%のエチレンオキシドのコポリマーであり、分子当たり2〜4個のヒドロキシル基を有し、200〜400のヒドロキシル当量を有する、少なくとも1種のポリオールと;
を含み、さらに、ポリオールA及びBは、合わせて、前記反応混合物中の水以外の全てのイソシアネート反応性材料の少なくとも75重量パーセントを構成し、前記ポリオール混合物は、少なくとも1重量パーセントの前記分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子を含有する、前記方法。
[2]
前記ポリオール混合物は、少なくとも1重量パーセントの前記分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子を含有する、上記[1]に記載の前記方法。
[3]
ポリオールAは、前記ポリオール混合物の3〜60重量パーセントを構成する、上記[1]または[2]に記載の前記方法。
[4]
ポリオールBは、前記ポリオール混合物の40〜85重量パーセントを構成する、上記[1]から[3]のいずれか一項に記載の前記方法。
[5]
ポリオールBは、ポリオールB1及びB2の混合物であり、ポリオールB1は、50〜80重量%のエチレンオキシド及びそれに対応して50〜20重量%のプロピレンオキシドのコポリマーであり、分子当たり2.5〜3.5個のヒドロキシル基、及び200〜400のヒドロキシル当量を有する、少なくとも1種のポリオールであり、ポリオールB2は、プロピレンオキシドのホモポリマー、または80重量%超のプロピレンオキシド及び20重量%未満のエチレンオキシドのコポリマーであり、分子当たり2〜4個のヒドロキシル基を有し、200〜400のヒドロキシル当量を有する、少なくとも1種のポリオールである、上記[1]から[4]のいずれか一項に記載の前記方法。
[6]
ポリオールB−1は、前記ポリオール混合物の30〜60重量%を構成し、ポリオールB−2は、前記ポリオール混合物の10〜25重量%を構成する、上記[5]に記載の前記方法。
[7]
ポリオールAは、前記キャリアポリオールよりも高いヒドロキシル価を有する、上記[1]から[6]のいずれか一項に記載の前記方法。
[8]
前記分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子は、ポリオールAの5〜25重量パーセントを構成する、上記[1]から[7]のいずれか一項に記載の前記方法。
[9]
ポリオールAは、10〜25重量%の前記キャリアポリオール(複数種可)中の分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子の分散系であり、前記キャリアポリオール(複数種可)は、200〜400の平均ヒドロキシル当量を有し、名目上2〜4個のヒドロキシル基/分子を含有し、少なくとも75%の二級ヒドロキシル基を含有する、上記[1]から[7]のいずれか一項に記載の前記方法。
[10]
ポリオールAは、10〜25重量%の前記キャリアポリオール(複数種可)中の分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子の分散系であり、前記キャリアポリオール(複数種可)は、401〜1200の平均ヒドロキシル当量を有し、名目上2〜4個のヒドロキシル基/分子を含有し、少なくとも75%の二級ヒドロキシル基を含有する、上記[1]から[7]のいずれか一項に記載の前記方法。
[11]
ポリオールAは、10〜25重量%の前記キャリアポリオール(複数種可)中の分散したポリウレタンまたはポリウレタン−ウレア粒子の分散系であり、前記キャリアポリオール(複数種可)は、1000〜2500の平均ヒドロキシル当量を有し、名目上2〜4個のヒドロキシル基/分子を含有する、上記[1]から[7]のいずれか一項に記載の前記方法。
[12]
前記分散したポリマー粒子は、トリエタノールアミン、トルエンジイソシアネート及び任意選択で水の反応生成物である、上記[1]から[11]のいずれか一項に記載の前記方法。
[13]
前記反応混合物は、SAN型ポリマーポリオールを含有しない、上記[1]から[12]のいずれか一項に記載の前記方法。
[14]
前記ポリオール混合物は、2重量%以下のヒマシ油を含有する、上記[1]から[13]のいずれか一項に記載の前記方法。
[15]
ポリオールBは、前記ポリオール混合物の45〜85重量%を構成する、上記[1]から[14]のいずれか一項に記載の前記方法。
[16]
前記VEフォームは、自由起泡プロセスにおいて作製され、前記硬化させるステップは、少なくとも1つの方向への膨張が、前記フォームの前記膨張に対して無視できる抵抗を提供する雰囲気または軽量表面に対して生じるように、前記反応混合物を開いた容器内に注ぎ込むことにより実行される、上記[1]から[15]のいずれか一項に記載の前記方法。
[17]
前記反応混合物を前記開いた容器内に連続的に注ぎ込むことにより実行される、上記[16]に記載の前記方法。
[18]
前記VEフォームは、型内で硬化される、上記[1]から[15]のいずれか一項に記載の方法。
[19]
前記VEフォームは、少なくとも57L/mの圧搾前の気流及び少なくとも3秒の回復時間を有する、上記[1]から[18]のいずれか一項に記載の前記方法。
[20]
前記VEフォームは、少なくとも57L/mの圧搾前の気流及び少なくとも10秒の回復時間を有する、上記[1]から[19]のいずれか一項に記載の前記方法。
[21]
前記VEフォームは、少なくとも80L/mの圧搾前の気流及び少なくとも10秒の回復時間を有する、上記[1]から[20]のいずれか一項に記載の前記方法。