【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、バッテリユニットのセル型の電気要素を接続するためのコネクタであって、カバー状のキャリア要素および被覆要素を有し、少なくとも1つのコンタクト要素が前記キャリア要素内に配置され、コネクタ要素が前記キャリア要素の前記縁領域に設けられ、前記コンタクト要素を前記コネクタ要素と接触させるための膜導体が、前記キャリア要素内に配置され、前記キャリア要素は溶接開口を有し、前記被覆要素は、前記キャリア要素の前記溶接開口が前記被覆要素によって被覆されることができるように構成されるコネクタによって達成される。
【0005】
この目的は、バッテリユニット上に上記のコネクタを設置するための方法であって、
a)前記コンタクト要素を有する側をバッテリユニットに対向させて、前記バッテリユニット上に前記カバー状のキャリア要素を載置するステップと、
b)前記キャリア要素の前記溶接開口からセル型の電気要素の前記コンタクト位置に前記コンタクト要素を溶接するステップと、
c)前記キャリア要素の前記溶接開口を前記被覆要素で被覆するステップを有する方法によっても達成される。
【0006】
本発明に係るコネクタは、前記キャリア要素が、カバーを有するハウジングよりも前記被覆要素によってより単純に製造されることができるため、製造がより単純でコスト効果が高い。セル型の電気要素との接触を生じるために、当該コネクタは、前記キャリア要素内に配置されるコンタクト要素を有する。それにより、単純な接触が保証される。
【0007】
本発明に係る課題解決手段は、以下の発展形態および実施形態によってさらに改良されることができ、以下の発展形態および実施形態は、夫々、単独で有利なものであり、且つ互いに自由に組み合わせることができる。
【0008】
当該コネクタは、前記キャリア要素内に配置された複数のコンタクト要素を有してもよい。それにより、複数のセル型の電気要素が接触されることができる。特に、かかるコンタクト要素は、前後に規則的に配列されてもよく、例えば、互いに対して一定の間隔を有してもよい。かかる一実施形態により、例えば、列になって配置された電気要素同士を接触させることができる。
【0009】
前記キャリア要素は溶接開口を有する。前記溶接開口により、前記コンタクト要素をセル型の電気要素に溶接することができる。前記溶接開口は、前記キャリア要素上に存在してもよく、又は、例えば、切断又はパンチング加工によって前記キャリア要素から切断されてもよい。溶接作業は、必ずしも前記溶接開口自体で行われなくてもよい。前記溶接開口は、例えば、電気的接触を可能にすることによって溶接作業を可能にするためだけに機能してもよいため、相手側にて、例えば通電によって溶接作業が行われることができる。前記コンタクト要素は、前記溶接開口の下方に位置してもよい。
【0010】
前記コンタクト要素は、溶接デバイスの電極が、前記溶接開口から前記コンタクト要素に押圧され、それによって前記コンタクト要素が、前記セル型の電気要素に押圧されることによって、前記キャリア要素の前記溶接開口から前記セル型の電気要素に溶接されてもよい。従って、電流が前記電極および前記コンタクト要素を流れることができ、溶接作業が、前記コンタクト要素と前記セル型の電気要素との間で行われることができる。従って、かかる実施形態では、前記溶接装置の電極により、前記コンタクト要素と前記セル型の電気要素との間の機械的接続と、それらの間の電気的接続とを同時に達成することが可能である。
【0011】
前記コンタクト要素の長手方向に整列した溶接開口の列は、前記キャリア要素内に配置されてもよく、特に、2つの列が存在してもよい。2つの列の存在により、前記コンタクト要素は、1つの位置だけでなく2つの位置に溶接されることができ、それにより、電気的かつ機械的により安定した接続が得られる。2つの溶接作業が可能な1つのより大きな溶接開口と比べ、前記キャリア要素の安定性は、2つの別々のより小さな溶接開口の場合、損なわれる程度が小さい。
【0012】
前記コンタクト要素は、前記キャリア要素によって保持されてもよい。例えば、前記コンタクト要素は、ポジティブロック接続によって、および/又は摩擦的に係合する接続によって、前記キャリア要素によって保持されてもよい。物質的に係合する接続も可能である。前記コンタクト要素は、前記キャリア要素に固定され、例えば、締付け、又はホットコーキングなどによって固定されてもよい。特に、前記コンタクト要素は、前記保持要素によって前記キャリア要素上に保持されてもよい。
【0013】
前記ストリップ状の保持要素は、ストリップ材料の分離した一部でもよい。例えば、このストリップ材料は、供給ロールから広げられてもよく、その一部が分離されてもよい。用途に応じて、異なる長さの部分が分離されてもよい。これにより、製造に関して高い柔軟性が可能になる。より多くの電気要素が接続されようとする場合、より長い片が分離され、それに応じてより多くのコンタクト要素が使用される。この分離の前又は後、前記ストリップ材料は、まだ加工されていてもよく、例えば、前記ストリップ材料は成形されてもよく、又は、前記ストリップ材料から一部が打ち抜かれてもよい。
【0014】
前記キャリア要素は、射出成形によって生成されてもよい。
【0015】
前記キャリア要素および/又は前記保持要素は、熱可塑性材料を含んでもよい。例えば、これらは、プラスチック材料を含んでもよい。それにより、前記キャリア要素および/又は前記保持要素は、容易に製造されおよび/又は成形され得る。
【0016】
前記保持要素は、膜として、特に、従って膜導体を有する膜として構成されてもよく、例えば、コンタクト要素と共に前記カバー状のキャリア要素に接合されてもよい。前記接着接合により、前記コンタクト要素は、前記キャリア要素および前記保持要素上に固定されおよび/又は保持されてもよい。前記コンタクト要素は、前記キャリア要素にのみ又は前記保持要素にのみ接着接合されてもよい。
【0017】
前記被覆要素は、前記キャリア要素に接続されてもよい。それらの間には、接着剤が配置されてもよい。この種類の取り付けにより、非常に単純な取り扱いが可能になる。
【0018】
前記被覆要素は、電気的絶縁のため、すなわち、接触安全性のために使用され、前記溶接個所の機械的保護を行う。前記被覆要素は、さらに、スノーフレークコード、デートクロックなどの追跡要素を取り付けるために使用されてもよい。この被覆要素を接着接合される要素として形成することが特に有利である。前記被覆要素は、前記膜導体に発生した機械的損傷を再び閉塞するという利点を有する自己修復膜も含んでもよい。
【0019】
前記保持要素は、前記コンタクト要素と接触している電気的な膜導体を有してもよい。かかる保持要素は、従って、2つの機能を行う。かかる保持要素は、前記コンタクト要素を保持し、同時に、前記コンタクト要素の電気的接触を可能にする。それにより、前記コンタクト要素と接触するための別個の要素は余分になり、部品の数を減少することができる。
【0020】
前記電気的な膜導体は、前記保持要素に埋め込まれてもよい。それにより、単純な取り扱いが保証される。同時に、前記保持要素の部品が、例えば、前記電気導体を絶縁するために使用されてもよく、それにより、材料の複雑性は低減される。
【0021】
前記保持要素は、電気要素が接触することができる複数の電気的な膜導体を有してもよい。前記電気的な膜導体は、いずれの場合も、コンタクト要素に接続されることができる。その他の箇所では、前記電気的な膜導体は、例えば、電圧を測定するために、例えば、外側から接触されることができてもよい。かかる実施形態により、例えば、複数のセル型の電気要素に同時に接触して確認することができる。
【0022】
前記保持要素は、互いに平行に延在する複数の電気膜要素を有してもよい。かかる実施形態は、特に省スペースであり、機械的処理の際には有用になり得る。特に、前記電気的な膜導体は、当該コネクタの長手方向に延在してもよい。それにより、当該コネクタの長手方向に前後に位置する複数のセル型の電気要素に同時に接触することができる。保持要素は、特に、FFC(フラットフレックスケーブル)とも呼ばれるフラットリボンケーブル又はフラットリボン線を含んでもよい。
【0023】
互いに並んで位置する少なくとも比較的多数の膜導体は、溶接開口の2つの列の間に延在してもよい。それにより、前記溶接開口は、互いの空間的距離により、機械的に安定した接続を可能にし得る。同時に、溶接開口の前記2つの列の間に延在する前記導体により、コンパクトな構成が可能である。
【0024】
前記コンタクト要素は板状でもよい。かかる実施形態により、前記コンタクト要素は、特に安定的な方法で前記キャリア要素に配置されることができる。同時に、この実施形態により、高い電流密度を可能にする。金属板からパンチング加工されおよび/又は打ち抜き加工された板状のコンタクト要素は、例えば、製造が特に単純である。
【0025】
前記コンタクト要素は凸部を有してもよい。前記凸部は、単純な接触のために使用されることができる。前記凸部は膜導体に対向してもよい。この場合、前記凸部は、複数の膜導体と空間的に重複し、1つの膜導体のみと電気的に接触していてもよい。複数のコンタクト要素の場合、1つのコンタクト要素が、夫々、1つの導体に接続されてもよい。
【0026】
コンパクトな構成を可能にするために、前記凸部は、一列の溶接開口の内の2つの隣接する溶接開口の間に延在してもよい。
【0027】
前記凸部は、前記保持要素の導体領域に突出してもよい。この場合、前記凸部は、1つ以上の導体と接触していてもよい。
【0028】
複数の電気導体が、ストリップ方向に延在してもよく、前記凸部は、前記保持要素の導体領域内へ前記ストリップ方向に対して垂直に突出してもよい。それにより、コンパクトで同時にしっかりとした構成が得られる。
【0029】
コンタクト要素は、2つのセルを接続するためのセルコネクタでもよい。かかるコンタクト要素により、例えば、2つのセルを並列又は直列に接続することができ、2つのセルを個別に接触させなくてもよい。
【0030】
さらに、いずれの場合もセルに接触する2つの領域間に延在するスロットを前記コンタクト要素に備えると特に有利である。このスロットは、前記隣接するセルの位置の間の誤差を補償する一方、異なる温度経路によって生じる誤差を補償することができる誤差補償を行う。
【0031】
前記セル型の電気要素は、電圧ソースおよび/又はシンク、特にガルバニ電池でもよい。当該コネクタは、当然のことながら、その他のセル型の電気要素上、例えば、キャパシタ、特にスーパーキャパシタ(「スーパーキャップ」)上で使用されてもよい。
【0032】
本発明に係る課題解決法は、有利な実施形態および発展形態および図面を参照して、一例として以下により詳細に説明される。本例に示す発展形態および実施形態は、用途において望ましい利点に応じて、互いに自由に組み合わされ、且つ省略されることができる。