特許第6446472号(P6446472)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ・ボーイング・カンパニーの特許一覧
特許6446472複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置
<>
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000002
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000003
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000004
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000005
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000006
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000007
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000008
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000009
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000010
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000011
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000012
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000013
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000014
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000015
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000016
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000017
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000018
  • 特許6446472-複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置 図000019
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6446472
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/02 20060101AFI20181217BHJP
   G01K 7/02 20060101ALI20181217BHJP
   G01K 7/00 20060101ALI20181217BHJP
   B29C 43/12 20060101ALI20181217BHJP
   B29C 43/58 20060101ALI20181217BHJP
   B29K 105/08 20060101ALN20181217BHJP
【FI】
   G01K1/02 L
   G01K7/02 E
   G01K7/00 301M
   B29C43/12
   B29C43/58
   B29K105:08
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-562906(P2016-562906)
(86)(22)【出願日】2015年1月14日
(65)【公表番号】特表2017-514126(P2017-514126A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】US2015011410
(87)【国際公開番号】WO2015160395
(87)【国際公開日】20151022
【審査請求日】2018年1月15日
(31)【優先権主張番号】14/253,256
(32)【優先日】2014年4月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】スポルディング, ジョン エフ.
(72)【発明者】
【氏名】シャープ, クリステン
(72)【発明者】
【氏名】バード, メレディス エム.
(72)【発明者】
【氏名】ルッツ, メリッサ
【審査官】 平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−207911(JP,A)
【文献】 特開2003−14553(JP,A)
【文献】 特開2013−250107(JP,A)
【文献】 特開2012−194145(JP,A)
【文献】 特表2007−500627(JP,A)
【文献】 特表2016−514067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00−19/00
B29C 43/12
B29C 43/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料補修の熱管理のための装置であって、
2次元の熱電対アレイ内に配置された複数の熱電対であって、前記複数の熱電対が間隔を空けられた相対位置において前記熱電対アレイ内に固定され、前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対が、前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対の望ましい格子状配置及び前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対の間隔を空けられた相対位置を維持する柔軟なパネル上に固定され、前記柔軟なパネル上に固定される前記熱電対が複合構造体に取り付け可能であり、前記複合構造体の補修領域を覆うように寸法決定される、複数の熱電対、
前記熱電対アレイ上の少なくとも1つのアレイターゲット、
前記複合構造体、前記複合構造体に取り付けられた前記熱電対アレイ、及び前記熱電対アレイ上の前記アレイターゲットを、光学的にスキャンするように動作可能な、写真測量用スキャナシステム、
前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対と通信し、前記複数の熱電対のうちの熱電対から温度情報を受信する制御システムであって、前記写真測量用スキャナシステムとも通信し、前記写真測量用スキャナシステムによってスキャンされた情報を受信する、制御システム、並びに
前記制御システムと通信する光投影システムであって、前記熱電対アレイ内の熱電対の識別、及び前記熱電対のリアルタイムの温度についての情報を、前記熱電対の位置に投影するように、前記制御システムによって操作可能な、光投影システムを備える、装置。
【請求項2】
前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対が、前記柔軟なパネルを形成し、かつ、前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対を、前記複数の熱電対の前記間隔を開けられた相対位置において柔軟なパネルに固定する耐熱性膜の2つの薄い層の間にサンドウィッチされる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのアレイターゲットが、前記熱電対アレイのサイズ及び前記熱電対アレイ内の熱電対の数についての光学的にスキャン可能な情報を前記アレイターゲット上に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記熱電対アレイ上の前記少なくとも1つのアレイターゲットが、前記熱電対アレイ上の複数のアレイターゲットのうちの1つである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
複数の分離した写真測量用構造体ターゲットであって、各々が、前記補修領域の周りの前記複合構造体上の前記構造体ターゲットの間隔を空けられた位置において前記複合構造体に取り付け可能であり、各々が、前記構造体ターゲットの識別についての光学的にスキャン可能な情報を前記構造体ターゲット上に有する、複数の構造体ターゲット、並びに
写真測量用スキャナシステムであって、前記複合構造体に取り付けられた前記複数の分離した構造体ターゲットを有する前記複合構造体を光学的にスキャンし、前記補修領域の周りの前記複合構造体上の前記複数の構造体ターゲットの前記位置についての情報、前記複合構造体上の各位置における各構造体ターゲットのアイデンティティーについての情報、前記補修領域についての情報、前記複数の構造体ターゲットの前記位置に対する前記補修領域の位置についての情報、及び前記複合構造体に取り付けられた各構造体ターゲットに対する、前記補修領域に対する、且つ前記複合構造体の前記補修領域の前記位置に対する、前記複合構造体に取り付けられた前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対の各熱電対の前記位置についての情報を受信するように動作可能な、スキャナシステムを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記熱電対アレイに接続された複数の導体であって、前記複数の導体の各導体が、前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対のうちの熱電対と通信する近位端、及びターミナルブロックと通信する反対側の遠位端を有する、複数の導体、並びに
ターミナルレセプタクルを有するホットボンダーであって、前記ターミナルレセプタクルと前記ターミナルブロックとが、相互に取り外し可能に接続でき、前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対を前記ホットボンダーと電気的に接続させる、ホットボンダーを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記熱電対アレイが前記複合構造体に取り付けられたときに、前記熱電対アレイを覆って前記複合構造体に取り付け可能な、熱ブランケット、及び
前記熱ブランケット上の少なくとも1つのブランケットターゲットであって、前記熱ブランケットのサイズ及び前記熱ブランケットの方向についての光学的にスキャン可能な情報を前記ブランケットターゲット上に有する、少なくとも1つのブランケットターゲットを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記熱ブランケット上の前記少なくとも1つのブランケットターゲットが、前記熱ブランケット上の複数のブランケットターゲットのうちの1つである、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記熱ブランケットが前記熱電対アレイを覆って前記複合構造体に取り付けられたときに、前記光投影システムが、前記熱電対の識別及び前記熱電対のリアルタイムの温度についての情報を、前記熱電対の位置に対して前記熱ブランケット上に投影するように、前記制御システムによって操作可能である、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記熱ブランケットが前記熱電対アレイを覆って前記複合構造体に取り付けられたときに、前記熱ブランケットを覆って前記複合構造体に取り付け可能な、真空バッグアセンブリを更に備え、
前記光投影システムが、前記熱電対の識別及び前記熱電対のリアルタイムの温度についての情報を、前記熱電対の位置に対して前記真空バッグ上に投影するように、前記制御システムによって操作可能である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
複合構造体の補修領域に付けられた複合プライ及び接着剤の硬化を制御するための、前記補修領域に付けられた前記複合プライ及び前記接着剤の熱管理の方法であって、
複数の熱電対を2次元の熱電対アレイ内に配置することであって、前記複数の熱電対が前記熱電対アレイ内の間隔を空けられた相対位置において固定される、配置すること、
前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対を柔軟なパネル上に固定し、前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対の望ましい格子状配置及び前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対の間隔を空けられた相対位置を維持し、
前記熱電対アレイを前記複合構造体に取り付けることであって、前記熱電対アレイが前記複合構造体の前記補修領域に付けられた前記複合プライ及び前記接着剤を覆う、取り付けること、
複数のアレイターゲットを前記熱電対アレイ上に取り付けることであって、前記アレイターゲットが、前記熱電対アレイ内の前記熱電対の識別と、前記熱電対アレイ内の他の熱電対に対する、且つ前記アレイターゲットに対する、前記熱電対アレイ内の前記熱電対の位置とについての光学的にスキャン可能な情報を有する、取り付けること、
前記複合構造体、前記複合構造体に取り付けられた前記熱電対アレイ、及び前記熱電対アレイ上の前記アレイターゲットを、写真測量用スキャナシステムを用いて光学的にスキャンし、前記アレイターゲット上の前記スキャン可能な情報を受信すること、
前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対及び前記写真測量用スキャナシステムを、制御システムと通信させることであって、前記制御システムが、前記複数の熱電対から温度情報を受信し、前記写真測量用スキャナシステムによってスキャンされた情報を受信する、通信させること、並びに
前記制御システムを、前記制御システムによって制御される光投影システムと通信させて、前記熱電対の識別及び前記熱電対のリアルタイムの温度についての情報を、前記熱電対アレイ内の前記熱電対の位置に投影することを含む、方法。
【請求項12】
前記熱電対アレイを覆って前記複合構造体に熱ブランケットを取り付けること、及び
前記熱ブランケット上に複数のブランケットターゲットを取り付けることであって、前記ブランケットターゲットが、前記熱ブランケットのサイズ及び前記熱ブランケットの方向についての光学的にスキャン可能な情報を前記ブランケットターゲット上に有する、取り付けることを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記制御システムによって前記光投影システムを制御して、前記熱電対アレイ内の前記熱電対の識別及び前記熱電対のリアルタイムの温度についての情報を、前記熱電対の位置に対して前記熱ブランケット上に投影することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記熱ブランケットを覆って前記複合構造体に真空バッグを取り付けること、及び
前記制御システムによって前記光投影システムを制御して、前記熱電対の識別及び前記熱電対のリアルタイムの温度についての情報を、前記熱電対の位置に対して前記真空バッグ上に投影することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記柔軟なパネルを形成し、かつ、前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対を前記複数の熱電対の前記間隔を開けられた相対位置において前記柔軟なパネル上に固定する耐熱性膜の2つの薄い層の間に前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対をサンドウィッチすることにより、前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対を前記柔軟なパネル上に固定することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複合構造体の熱接合(hot bonded)複合材料補修又は金属構造体に対する金属接合補修の熱管理において使用される装置及びその方法に関する。該装置は、写真測量用スキャナ及び投影システム、コード化された写真測量用ターゲット、コード化された熱電対アレイ、及びコード化された熱ブランケットの組み合わせを使用して、補修される複合構造体、複合材料補修箇所、補修領域内の温度をモニターするために使用される熱電対、及び複合材料補修箇所を加熱するために使用される熱ブランケットの間の空間関係を展開させる。
【背景技術】
【0002】
複合材料の使用は、輸送産業及び他の産業で一般的になってきている。例えば、複合材料は、航空機の胴体、艇体、及び自動車本体の製造において使用される。このために、これらの高価値複合構造体の再加工又は補修、及び、補修の一次通過の品質を改良して補修を行う時間及びコストを低減させるために使用される技術が、より重要視されるようになってきた。
【0003】
複合構造体の補修は、複合構造体の補修領域に付けられた複合プライ及び接着剤の熱硬化を含むので、複合プライ及び接着剤の熱管理は補修の最重要部分である。複合プライ及び接着剤は、それらが上手く硬化され得るところの、特定の硬化温度を有する。この硬化温度は、補修を行うために使用される材料に応じて変動する。工程指示書又は製造業者のデータシートは、必要とされる硬化温度及びこの温度での滞留時間を特定する。更に、それらは、この設定点からの最大限許容可能な逸脱を特定する。許容可能な逸脱は、華氏±5度と同じくらいの大きさであり得る。許容可能な範囲を超える任意の温度の逸脱は、不合格となる補修をもたらし得る。更に面倒なことに、複合構造体は、補修位置を横断して厚さがかなり変動し得る。構造体の厚い領域は、通常、薄い領域よりもかなり低温で処理される。補修箇所を横断して補修機械が正確に温度勾配を管理しないならば、許容不可能な補修がもたらされる。
【0004】
複合材料補修の熱管理の現在の実務は、先ず、補修オペレーターが適切にサイズ決定された複合プライ及び接着剤を複合構造体の補修領域に付けることを含む。その後、補修オペレーターは、接着テープを使用して、補修領域の周りに及び補修領域を覆って複合構造体に熱電対を取り付ける。その後、各熱電対の位置は、識別目的で補修オペレーターによってラベルが付けられる。補修オペレーターは、各熱電対ワイヤーのプラグエンドにも個別にラベルを付ける。
【0005】
補修の初期のステップにおいて遭遇する、ある潜在的な熱管理の問題は、熱電対に誤ってラベルを付けることを含む。各熱電対の位置に与えられたラベルが判読できないということは、よくある。更に、ラベルが間違っている場合がある。例えば、2つの熱電対は同じ識別番号のラベルを付される可能性があり、又は熱電対に1つの番号のラベルが付され、且つ、該熱電対ワイヤーのプラグエンドに異なる番号のラベルが付され得る。
【0006】
その後、補修オペレーターは、複合構造体の補修領域の手書きのスケッチ又はマップを作り出す。各個別の熱電対の位置及び該熱電対の識別番号が、スケッチに記述される。
【0007】
しかし、補修オペレーターによって作られた熱電対のスケッチ又はマップは、不正確であり得る。補修領域のスケッチそれ自体が不正確な可能性があり、又はスケッチ内の補修領域の縮尺若しくは遠近感が歪んでいる可能性がある。これは、補修領域及び複合構造体に対する実際の熱電対の位置に関して混乱をもたらす。
【0008】
その後、補修オペレーターは、特定の補修手順に対して必要とされるように、任意の必要とされる、隔離膜、ブリーダー(bleeder)、及びカウルシートを、補修領域を覆って複合構造体上に取り付ける。これらは、複合構造体の補修領域に対する熱電対の実際の位置を分かり難くする。
【0009】
その後、補修オペレーターは、その能力の限りにおいて、以前に複合構造体に取り付けられた、隔離膜、ブリーダー、及びカウルシートの下に隠されている実際の補修領域を直接見ることなしに、補修領域を覆って複合構造体に熱ブランケットを取り付ける。したがって、熱ブランケットが補修領域及び熱電対を覆って配置されたときに、熱ブランケットは、補修領域及び熱電対に対して正確に中心を置いていないかもしれない。熱ブランケットが補修領域上に中心を置いていないならば、熱ブランケットによって補修領域及び熱電対に提供される熱は、非常に不均一であり得る。
【0010】
その後、オペレーターは、任意の残っている隔離膜又はブリーダーの層を、熱ブランケットを覆って複合構造体に取り付ける。その後、真空バッグが、以前に取り付けられた層を覆って複合構造体に取り付けられる。その後、補修オペレーターは、真空バッグの下の各熱電対の位置を突き止め、真空バッグ上に各熱電対の位置及び熱電対の識別を記述しラベルを付けることを試みる。時々、各熱電対の位置において突起が見えるが、多くの場合に、カウルシート及び真空バッグが完全に熱電対の位置を分かり難くしている。これらの例では、補修オペレーターが、熱電対のスケッチ又はマップを頼りにして、複合構造体の補修領域に対する熱電対の位置を決定しなければならない。しばしば、熱電対の位置のそのような決定は、最良の予測である。
【0011】
その後、補修オペレーターは、各個別の熱電対の各プラグエンドをホットボンダー(hot bonder)の中へ差し込む。不規則な形状を有する複雑な補修領域又は大きな補修領域は、補修領域の覆うために使用される40個以上の熱電対を必要とし、間違いが生じる可能性を増加させ得る。各熱電対は、熱電対の温度情報をホットボンダーに送信し、それは、その後、ホットボンダーのスクリーン上に表示される。
【0012】
その後、補修オペレーターは、複合構造体の補修領域のための硬化サイクルを開始する。ホットボンダーが起動され、熱ブランケットを制御し、補修領域及び補修領域を覆って配置された熱電対に熱を加える。オペレーターは、ホットボンダーのスクリーン上に表示された熱電対の温度をモニターする。ホットボンダーのスクリーンのディスプレイ上で特定の熱電対の低すぎる温度が見られたならば、オペレーターは、手書きのスケッチ又はマップ及び真空バッグ上の熱電対の位置及び識別の記述を参考にして、補修領域に対するバッグの下の特定の低温の熱電対の位置を決定する。その後、補修オペレーターは、この領域の温度を増加させるには低過ぎるように読める特定の熱電対を取り囲んでいる領域を覆う真空バッグ上に外部絶縁体を配置する。その後、補修オペレーターは、ホットボンダーのスクリーンに戻り、ホットボンダーのスクリーン上で低過ぎるように読めた熱電対の熱応答をモニターする。
【0013】
硬化プロセスの間に真空バッグに付けられた外部絶縁体は、補修オペレーターによって真空バッグ上に配置された熱電対の記述を分かり難くする。補修オペレーターは、絶縁体の下の、熱電対を識別する記述及び補修領域に対するその位置を特定する記述を見ることができない。これは、硬化プロセスの間に、補修が異なるシフトの別のオペレーターに引き継がれたならば殊に、補修オペレーターの混乱をもたらし、結果として、複合材料補修の品質における不具合をもたらし得る。
【0014】
オペレーターは、ホットボンダーのスクリーンをモニターし続け、低過ぎるように読める任意の特定の熱電対を識別し、それは、通常、4〜8時間である複合材料補修の硬化の時間の間に、特定の熱電対を覆う真空バッグ上に絶縁体が配置されることを必要とする。この時間の間に、オペレーターは、必要に応じて何回も補修箇所に外部絶縁体を加え、且つ、必要に応じて何回も補修箇所から外部絶縁体を除去し得る。
【発明の概要】
【0015】
本開示の対象である、複合構造体の補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置は、上で説明された複合材料補修の熱管理の現在の実務の問題を克服する。該装置は、ホットボンダー、熱ブランケット、及び真空バッグのみならず、隔離膜、ブリーダー、及びカウルシートを必要に応じて採用し、それらは、複合構造体の複合材料補修の熱管理の現在の実務において使用される上述のものと同じタイプである。更に、該装置は、写真測量用光スキャナ及び投影システム並びに2次元の熱電対アレイ内に配置された複数の熱電対も採用し、複数の熱電対は、熱電対の間隔を空けられた相対位置において熱電対アレイ内に固定される。該装置は、写真測量用スキャナによってスキャン可能な補修されるべき複合構造体に取り付けられ得る構造体ターゲットと、写真測量用スキャナによってスキャン可能な熱電対アレイ上のアレイターゲットと、写真測量用スキャナによってスキャン可能な熱ブランケットに取り付けられたブランケットターゲットと、ホットボンダー、熱ブランケット、真空バッグ、光スキャナ及び投影システム、並びに熱電対アレイと通信して、複合構造体の補修領域に付けられた複合プライ及び接着剤の硬化を制御する、コンピュータ化された制御システムとを更に採用する。
【0016】
該装置の使用において、写真測量用光スキャナ及び投影システムが、先ず、複合構造体の補修領域に対して設定される。該システムは、複合構造体を対象とし、光スキャナは補修領域をスキャンすることができ、投影機は、複合構造体の全体の補修領域及び補修領域を取り囲む複合構造体の部分を覆って、複合構造体の表面上に投影することができる。
【0017】
その後、構造体ターゲットは、補修領域を取り囲む位置において複合構造体上に配置される。該ターゲットは、補修箇所と干渉しない位置において配置され、真空バッグによって覆われるべき複合構造体上の領域の外側にある。
【0018】
その後、複合構造体の補修領域は、コンピュータ化された制御システムによって制御される写真測量用スキャナによってスキャンされる。スキャン動作は、以前に複合構造体に取り付けられた構造体ターゲットの位置を特定する。スキャンは、構造体ターゲットに対する補修領域の位置も特定し、補修領域の詳細も特定する。この情報の全ては、コンピュータ化された制御システムによって記録される。
【0019】
スキャンされ記録された補修領域についての情報を用いて、補修複合プライ又は複数のプライが切断され組み合わされる。補修プライ及び接着剤が、補修領域内の複合構造体に付けられる。
【0020】
その後、任意の必要とされる、隔離膜、ブリーダー材料、及びカウルシートが、特定の補修手順に従って、補修領域を覆って複合構造体に取り付けられる。
【0021】
その後、取り付けられたアレイターゲットを有する熱電対アレイが、補修領域上に中心を置いた状態で複合構造体に取り付けられる。その後、写真測量用スキャナによって補修領域を覆って複合構造体のスキャンが行われ、アレイターゲットの位置を特定し、アレイターゲットによって提供される情報を読み、補修領域及び複合構造体に以前に取り付けられた構造体ターゲットに対する熱電対アレイの位置を特定する。この情報は、コンピュータ化された制御システムによって記録される。
【0022】
その後、取り付けられたブランケットターゲットを有する熱ブランケットが、熱電対アレイ及び補修領域を覆って複合構造体に取り付けられる。その後、写真測量用スキャナは、複合構造体をスキャンし、ブランケットターゲットから、使用されている特定の熱ブランケットを識別し、熱電対アレイ及び補修領域に対する熱ブランケットの寸法及び方向を特定し、且つ、構造体ターゲット、熱電対アレイ、及び補修領域に対する熱ブランケットの位置を特定する。この情報は、コンピュータ化された制御システムによって記録される。
【0023】
その後、真空バッグアセンブリの構成要素が、熱ブランケット、熱電対アレイ、及び補修領域を覆う真空バッグの位置において、複合構造体に取り付けられるが、それらは、複合構造体に以前に取り付けられた構造体ターゲットの範囲内にある。補修領域、熱電対アレイ上のアレイターゲット、及び熱ブランケット上のブランケットターゲットの光景が、複合構造体に取り付けられた真空バッグによって分かり難くなっているとしても、装置のコンピュータ化された制御システムは、写真測量用光スキャナ及び投影システムを制御して、補修領域の位置、熱電対アレイの熱電対の位置、熱電対アレイ内の各熱電対の識別、及び各熱電対のリアルタイムの温度を特定する情報を真空バッグ上に投影する。
【0024】
その後、熱電対アレイの熱電対からの配線が、熱電対の積分器/パススルーボックスと電気的に接続される。その後、熱電対の積分器/パススルーボックスは、装置のコンピュータ化された制御システム及びホットボンダーと電気的に接続される。コンピュータ化された制御システムは、複合構造体上の構造体ターゲットに対する補修領域の位置及びサイズ、複合構造体の補修領域及び構造体ターゲットに対する熱電対アレイ内の熱電対の識別及び位置、並びに複合構造体の補修領域、熱電対アレイ内の熱電対、及び構造体ターゲットに対する熱ブランケットの方向及び位置を統合する。これらの空間的な関係に基づいて、コンピュータ化された制御システムは、熱電対アレイ内のどの熱電対が、補修領域を覆って配置されているのか、補修領域に付けられた複合プライ及び接着剤の硬化を制御するために必要とされるのかを自動的に決定する。これらの熱電対は、熱電対アレイ内の「アクティブな」熱電対として識別される。アクティブな熱電対からの識別及び温度情報は、高温ボンドコントローラに通信される。この情報は、写真測量用光スキャナ及び投影システムにも通信される。
【0025】
ホットボンダーは、通常通りにプログラムされ操作される。熱ブランケットが、起動されて、熱ブランケットによって覆われた補修領域及び複合構造体の領域に熱を供給し、補修領域に付けられた複合プライ及び接着剤の硬化を開始する。硬化の間に、投影システムが起動されている。投影システムは、アクティブな熱電対の各位置において、熱電対のアイデンティティー及び熱電対のリアルタイムの温度についての情報を、真空バッグ上に投影する。投影される情報は、数値であり、カラーコードであり、又はそれらの両方であり得る。投影された温度データを見ることによって、補修オペレーターは、更なる絶縁体が真空バッグ上に配置されるべきところ、又は絶縁体が真空バッグから除去されるべきところを正確に知る。絶縁体は、均一な温度が補修領域にわたり達成されるまで、必要に応じて調整される。均一な温度が補修領域にわたり達成された状態で、硬化プロセスが完了まで継続される。
【0026】
上述の特徴、機能、及び利点は、様々な実施形態において単独で実現することが可能であり、又は更に別の実施形態において組み合わせることが可能である。これらの実施形態は、以下の説明及び添付図面を参照することによって更に詳細に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】航空機の製造及び保守方法のフロー図である。
図2】航空機のブロック図である。
図3】写真測量用光スキャナ及び投影システム並びに複合構造体の一部分上の補修領域に対して配置された装置のコンピュータ化された制御システムの側面図である。
図4】複合構造体の一部分及び複合構造体の補修領域の前面図である。
図5図3のものと類似するが、複合構造体の補修領域に付けられた複合プライ及び接着剤を示す図である。
図6】補修領域に付けられた複合プライ及び接着剤を有する複合構造体の一部分の前面図である。
図7図5のものと類似するが、複合構造体の補修領域を覆って複合構造体に取り付けられた熱電対アレイを示す図である。
図8】補修領域を覆って複合構造体に取り付けられた熱電対アレイを有する複合構造体の一部分の前面図である。
図9図7と類似するが、熱電対アレイ及び複合構造体の補修領域を覆って複合構造体に取り付けられた熱ブランケットを示す図である。
図10】熱電対アレイ及び複合構造体の補修領域を覆って複合構造体に取り付けられた熱ブランケットを有する複合構造体の一部分の前面図である。
図11図9と類似するが、熱ブランケット、熱電対アレイ、及び複合構造体の補修領域を覆って複合構造体に取り付けられた真空バッグを示す図である。
図12】熱ブランケット、熱電対アレイ、及び複合構造体の補修領域を覆って複合構造体に取り付けられた真空バッグを有する複合構造体の一部分の前面図である。
図13】本開示の主題である複合材料補修の熱管理のための光スキャナ及び投影装置の概略図である。
図14】装置を操作する方法における初期ステップの間に、複合構造体の補修領域を覆って複合構造体に取り付けられた熱電対アレイの図である。
図15】装置を操作する方法における更なるステップの間に、複合構造体の補修領域を覆って複合構造体に取り付けられた熱電対アレイの図である。
図16】複合構造体の補修領域の周りの複合構造体の一部分に取り付けられた装置の更なる実施形態の前面図である。
図17】複合構造体の補修領域の周りの複合構造体に取り付けられた装置の更なる実施形態を有する、複合構造体の一部分の図16に類似した前面図である。
図18】本開示の方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面を更に具体的に参照しながら、本開示の実施形態を、図1に示す航空機の製造及び保守方法10、及び図2に示す航空機12に照らして説明する。製造前の段階では、例示的な方法10が、航空機12の仕様及び設計14と、材料の調達16とを含み得る。製造段階では、航空機12の、構成要素及びサブアセンブリの製造18と、システムインテグレーション20とが行われる。その後、航空機12は、認可及び納品22を経て運航24に供され得る。顧客により運航される間に、航空機12は、定期的な整備及び保守26(改造、再構成、改修なども含み得る)が予定される。
【0029】
方法10の工程の各々は、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレーター(例えば、顧客)によって実行され又は実施され得る。本開示の目的のために、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造者及び主要システムの下請業者を含むが、これらに限定されず、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含むが、これらに限定されず、オペレーターは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであり得る。
【0030】
図2で示されるように、例示的な方法10によって生産された航空機12は、複数のシステム30及び内装32を有する機体28を含み得る。高レベルのシステム30の例は、推進システム34、電気システム36、油圧システム38、及び環境システム40のうちの1以上を含む。任意の数の他のシステムも含まれ得る。航空宇宙産業(航空機、ロケット)の例を示しているが、本発明の原理は、自動車産業、鉄道産業、又は機械工具産業などの他の産業にも適用され得る。
【0031】
本明細書中で具現化される装置及び方法は、製造及び保守方法10の任意の1以上の段階において用いられ得る。例えば、製造プロセス18に対応する構成要素又はサブアセンブリは、航空機12の運航中に製造される構成要素又はサブアセンブリと類似の方法で作製又は製造され得る。また、1以上の装置の実施形態、方法の実施形態、又はそれらの組み合わせは、例えば、航空機12の組み立てを実質的に効率化するか、又は航空機12のコストを削減することにより、製造段階18及び20において利用され得る。同様に、装置の実施形態、方法の実施形態、又はそれらの組み合わせのうちの1以上を、航空機12の運航中に、例えば限定しないが、整備及び保守26に利用することもできる。
【0032】
図3は、補修される必要がある複合構造体の表面上の領域44を有する、複合構造体42の一部分の側面図である。図4は、補修領域44を示している複合構造体42の一部分の前面図である。図3は、本開示の主題である光スキャナ及び投影装置の構成要素部分の図も示している。該構成要素部分は、複合構造体42の補修領域44の補修において使用されるために、複合構造体に対して位置決めされる。
【0033】
図3で表されているのは、装置の写真測量用光スキャナ及び投影システム46である。光スキャナ及び投影システムは、例えば、Twin Coast 3D MetrologyのPlyGageシステムなどとして、当該技術分野において知られている。システム46の光スキャナは、補修領域44、未だ説明されていない補修で使用される熱電対アレイ、及び未だ説明されていない補修で使用される熱ブランケットの空間座標及びサイズを、補修領域44を取り囲む複合構造体42の部分に対して決定するために使用される。投影システムは、温度データが記録された熱電対の正確な位置において、補修されている複合構造体42の表面上に、熱電対アレイの熱電対によって記録された温度データを投影するために使用される。光スキャナ及び投影システム46は、装置のコンピュータ化された制御システム50と電気的に接続されている(48)ように図3で表されている。
【0034】
コンピュータ化された制御システム50は、光スキャナ及び投影システム46によってスキャンされた情報を受信し、その情報を記録する。更に、コンピュータ化された制御システム50は、光スキャナ及び投影システム46を制御し、以後説明されるように、熱電対の正確な位置において、補修領域44を覆って複合構造体42に配置されている熱電対アレイの熱電対からの識別情報及び温度データ情報を、複合構造体42の表面上に投影する。
【0035】
装置は、光スキャナ及び投影システム46によってスキャンされ得る、複数の構造体ターゲット54も構成要素として含む。図4は、複数の構造体ターゲットの54が複合構造体の表面に取り付けられた状態の、補修領域44を取り囲む複合構造体42の一部分の前面図である。構造体ターゲット54の各々は、特定の構造体ターゲットを識別する光スキャナ及び投影システム46によってスキャン可能な情報を表示する。光スキャナ及び投影システム46は、複合構造体42の表面をスキャンし、複合構造体42に取り付けられた構造体ターゲット54の位置及びアイデンティティー、構造体ターゲットに対する補修領域44の位置、並びにその形状及び複合構造体42の中への深さなどの補修領域の詳細についての情報を送信することができる。この情報の全ては、コンピュータ化された制御システム50に送信され、該システムによってデジタルマッピングされる。これらの全ては、図18のフロー図内の最初の4つの方法ステップ56で表されている。
【0036】
スキャンされ記録された補修領域44についての情報を用いて、補修複合プライ又は複数のプライが切断され組み合わされる。補修プライが組み合わされた状態で、光スキャナ及び投影システム46が使用されて、複合構造体42の補修領域44内にプライ及び接着剤を正確に配置することができる。これは、図5及び図6で表されている。図5は、複合構造体42の一部分の側面図から、補修領域44内に配置された複合プライ及び接着剤58を示している。図6は、補修領域44内に配置された複合プライ及び接着剤58を有する、複合構造体42の一部分の前面図を示している。ただ1つの複合プライがここで言及されているが、任意のタイプの接着剤と同様に、補修領域44を補修するために必要とされる任意の数の複合プライが、この説明によって包含されるように意図されていることを理解するべきである。これらの全ては、図18のフロー図内の続きの2つの方法ステップ60で表されている。
【0037】
その後、任意の必要とされる(図示せぬ)隔離膜、ブリーダー材料、及びカウルシートが、特定の補修手順に従って、補修領域44を覆って複合構造体42に取り付けられる。膜、材料、及びシートの使用は、異なる複合材料補修において異なる可能性があり、したがって、これらは図面の中で示されていない。
【0038】
装置は、2次元の熱電対アレイ64内に配置された複数の熱電対62も含む。複数の熱電対62は、複数の熱電対の間隔が空けられた相対位置において、熱電対アレイ64内に固定される。例えば、2次元の熱電対アレイ64内に配置された熱電対62は、耐熱性膜の2つの薄い層の間にサンドウィッチされ、柔軟なパネル内に熱電対アレイを固定し、望ましい格子状配置及び隣接する熱電対の間の間隔を維持することができる。例えば、熱電対は、一辺が2フィートの正方形領域をカバーする4インチ×4インチの格子状パターンで配置され得る。特定の熱電対アレイ64は、複合構造体42の補修領域44に付けられた複合プライ及び接着剤58を完全に覆うように、寸法が決められ得る。これは、補修オペレーターが、個別に熱電対を補修領域に取り付け、補修領域に対する各熱電対の位置及びアイデンティティーを、マッピング又はスケッチする必要性を除去する。
【0039】
図7は、複合構造体の補修領域44を覆って取り付けられた熱電対アレイ64を有する、複合構造体42の一部分の側面図である。図8は、補修領域44を覆って、且つ、補修領域に付けられた複合プライ及び接着剤58を覆って複合構造体に取り付けられた熱電対アレイ64を有する、複合構造体42の一部分の前面図である。図8で表されているように、複数の導電性ワイヤー66が、熱電対アレイ64から延伸している。複数のワイヤー66の各々は、ワイヤーの近位端において、熱電対アレイ64内の熱電対62のうちの1つと電気的に接続されている。ワイヤー66の反対側の遠位端は、ターミナルブロック68内で共に固定されている。ターミナルブロック68は、熱電対のワイヤー66のうちのどれが、熱電対アレイ64内の熱電対62の各々と接続されているかを、確実に識別する。これは、補修オペレーターが、熱電対のワイヤーを誤って識別し、又は熱電対のワイヤーをホットボンダーの間違ったレセプタクルに差し込むことを防ぐ。
【0040】
少なくとも1つのアレイターゲット72が、熱電対アレイ64に取り付けられる。図8の描写では、熱電対アレイ64に取り付けられた、4つのアレイターゲット72が示されている。アレイターゲット72は、熱電対アレイ64内の各熱電対の識別、並びに熱電対アレイ内の他の熱電対に対する、及びアレイターゲット72に対する、熱電対アレイ内の各熱電対の位置についての光学的にスキャン可能な情報をターゲット上に有している。
【0041】
熱電対アレイ64が補修領域44を覆って複合構造体42に取り付けられた状態で、コンピュータ化された制御システム50は、光スキャナ及び投影システム46を制御し、複合構造体42及び複合構造体に取り付けられた熱電対アレイ64をスキャンする。構造体ターゲット54及びアレイターゲット72のスキャンは、各熱電対62を識別し、複合構造体42の補修領域44に対する、及び複合構造体上の構造体ターゲット54に対する、その位置を特定する。この情報は、コンピュータ化された制御システム50によって記録される。これらの全ては、図18のフロー図内の続きの方法ステップ74で表されている。
【0042】
装置は、熱ブランケット76も含む。熱ブランケット76は、少なくとも1つのブランケットターゲット78が熱ブランケットに取り付けられるということを除いて、構成及び動作が従来のものと同じである。図10における熱ブランケット76の描写では、ブランケットに取り付けられた、4つのブランケットターゲット78が示されている。ブランケットターゲット78は、熱ブランケット76のサイズ及び形状並びに熱ブランケットの方向についての光学的にスキャン可能な情報を有している。図9は、熱電対アレイ64を覆って、且つ、補修領域44に付けられた複合プライ及び接着剤58を覆って、複合構造体に取り付けられた熱ブランケット76を有する、複合構造体42の一部分の側面図である。図10は、熱電対アレイ64を覆って、且つ、補修領域44に付けられた複合プライ及び接着剤58を覆って、複合構造体に取り付けられた熱ブランケット76を有する、複合構造体42の一部分の前面図である。図10で見ることができるように、複合構造体42に取り付けられた熱ブランケット76は、補修領域44に対する熱電対アレイ64の位置を完全に分かり難くする。しかし、補修領域44に対する熱電対アレイ64及びアレイの熱電対62の位置についての情報は、以前に、コンピュータ化された制御システム50内にスキャン及び記録されている。熱ブランケット76が複合構造体42に取り付けられた状態で、コンピュータ化された制御システム50は、光スキャナ及び投影システム46を制御して、複合構造体、熱ブランケット76、及びブランケットターゲット78をスキャンし、ブランケットターゲットから使用されている特定の熱ブランケットを識別し、熱ブランケットのサイズ及び形状、熱電対アレイ64及び補修領域44に対する熱ブランケットの方向、並びに構造体ターゲット54に対する熱ブランケット76の位置を特定する。この情報は、コンピュータ化された制御システム50によって記録される。これらの全ては、図18の続きの方法ステップ80で表されている。
【0043】
その後、真空バッグ82の構成要素が組み立てられ、図11で示されている複合構造体42の一部分の側面図、及び図12で示されている複合構造体42の一部分の前面図で表されているように、複合構造体に取り付けられる。真空バッグアセンブリ82の構成及び真空バッグアセンブリの動作は、従来のものと同じである。図12で表されているように、真空バッグアセンブリ82は、熱ブランケット76、熱電対アレイ64、及び補修領域44を覆う真空バッグの位置において、複合構造体42に取り付けられる。しかし、真空バッグアセンブリ82は、真空バッグアセンブリが複合構造体に取り付けられるときに、複合構造体42に取り付けられた構造体ターゲット54の範囲内に収まるように寸法決定される。補修領域44及び熱電対アレイ64の図は、複合構造体42に取り付けられた真空バッグによって分かり難くされているが、装置のコンピュータ化された制御システム50は、光スキャナ及び投影システム46を制御して、真空バッグアセンブリ82の下の熱電対アレイ64内の各熱電対62を識別し、各熱電対62の位置、及び各熱電対62のリアルタイムの温度データを特定する情報を、真空バッグアセンブリ82上に投影する。これらの全ては、図18の続きの2つの方法ステップ84で表されている。補修オペレーターは、熱電対の位置において、真空バッグ上に、熱電対のアイデンティティーを記述する必要がない。
【0044】
図13は、熱電対アレイ64、熱ブランケット76、及び真空バッグアセンブリ82が、複合構造体42に取り付けられた後の、装置の概略図である。図13では、熱電対の積分器/パススルーボックス86と電気的に接続された、熱電対アレイ64の熱電対62からの配線66が示されている。熱電対の積分器/パススルーボックス86は、構成及び動作が従来のものと同じである。装置のコンピュータ化された制御システム50、熱電対アレイ64、及びホットボンダー90と電気的に接続された、熱電対の積分器/パススルーボックス86が示されている。ホットボンダー90は、今度は、熱ブランケット76と電気的に接続される。ホットボンダー90は、構成及び動作が従来のものと同じである。
【0045】
装置の動作は、コンピュータ化された制御システム50によって制御される。光スキャナ及び投影システム46によって制御システム50に供給される情報から、制御システムは、補修領域44、熱電対アレイ64、及び熱ブランケット76の空間的な位置及びサイズを統合する。空間的な関係に基づいて、制御システム50は、補修箇所の硬化を制御するために熱電対アレイ64内のどの熱電対が必要とされるか、すなわち、熱電対アレイ64のどの熱電対が補修領域44を覆って又はその直近に位置しているかを決定する。これらの熱電対は、コンピュータ化された制御システム50によって、補修の硬化において「アクティブな」熱電対であると決定される。熱電対アレイ64のアクティブな熱電対は、補修領域44を取り囲む破線94の範囲内の熱電対として、図14で表されている。これらのアクティブな熱電対からのデータは、ホットボンダー90のコントローラにパスされる。図14の破線94の外側の熱電対は、補修領域44の外側にあり、これらの熱電対からの情報は、コンピュータ化された制御システム50によって考慮されない。オプションとして、非制御(non‐controlling)熱電対からのデータは、硬化の制御に影響を与えないが、オペレーターから要求されれば、情報開示目的で表示され得る。
【0046】
ホットボンダー90は、通常通りにプログラムされ操作される。熱ブランケット76が、起動されて、熱ブランケットによって覆われた補修領域44及び複合構造体42の領域に熱を供給し、補修領域に付けられた複合プライ及び接着剤の硬化を開始する。
【0047】
補修箇所の硬化の間に、装置の光スキャナ及び投影システム46はアクティブである。光スキャナ及び投影システム46は、各アクティブな熱電対のリアルタイムの温度と同様に、コンピュータ化された制御システム50の中へ記録されたアクティブな熱電対の位置において、各アクティブな熱電対の識別を、真空バッグアセンブリ82の表面上に投影する。投影された情報は、数値であり、カラーコードであり、又はそれらの両方であり得る。投影された情報は、カラーコードであり、補修オペレーターに補修領域44の任意の問題位置を注意喚起し得る。例えば、補修領域44の低温領域は青の光で照らされ、高温領域は赤の光で照らされ得る。真空バッグアセンブリ82の表面上に投影された温度データを見ることによって、補修オペレーターは、真空バッグ上で絶縁体が配置されるべきところ、又は真空バッグから絶縁体が除去されるべきところを、正確に知ることができる。データがその部分上に投影されるので、外部絶縁体の追加又は取り外しによって、情報が分かり難くされたり又は除去されたりすることがない。これは、図18のフロー図の方法ステップ102で表されている。均一な温度が補修領域44にわたり達成された状態で、硬化プロセスが完了まで継続される。これは、図18のフロー図の方法ステップ104で表されている。
【0048】
図16は、それを用いて装置の更なる実施形態が複合材料補修の熱管理で使用されるところの、複合構造体42の一部分及び複合構造体の補修領域44の前面図である。図16で表されている実施形態では、複合プライ及び接着剤58が、以前に説明された実施形態とほぼ同じやり方で、補修領域44に付けられている。更に、装置の構造体ターゲット54は、以前に説明された実施形態におけるように、補修領域44を取り囲む位置において複合構造体42に取り付けられている。
【0049】
図16は、以前に説明された実施形態の熱電対アレイが使用され得ないところの、複合材料補修を表している。図16の実施形態では、熱電対110が、従来のやり方で、複合構造体42の一部分に個別に取り付けられる。
【0050】
その後、コード化された熱電対ターゲット112が、各熱電対110の上部において複合構造体42に取り付けられる。これは、図17で示されている。コード化された熱電対ターゲット112は、その上にターゲットが配置されるところの、各熱電対110についての識別情報を各ターゲット上に有する。
【0051】
その後、光スキャナ及び投影システム46は、以前に説明された実施形態と極めて同じやり方で、コンピュータ化された制御システム50によって制御される。システム46は、複合構造体42上の構造体ターゲット54及び熱電対ターゲット112をスキャンし、コンピュータ化された制御システム50は、各構造体ターゲット54及び熱電対ターゲット112の識別、並びに複合構造体42の補修領域44に対する各構造体ターゲット54及び熱電対ターゲット112の位置を正確に記録する。
【0052】
構造体ターゲット54、熱電対ターゲット112、及び複合材料補修箇所44の空間的な関係がコンピュータ化された制御システム50の中へ読み込まれ、補修箇所の硬化が、以前に説明された実施形態と極めて同じやり方で実行される。
【0053】
本発明の範囲から逸脱せずに、本明細書中に記載され図示された装置の構成及びその装置の構成方法に様々な改良を加えることができるであろうから、先ほどの記述に含まれ、添付図面に示された全ての対象となるものは、限定というよりむしろ例示として解釈されたい。したがって、本開示の幅広さ及び範囲は、先述の例示的な実施形態のうちの任意のものによって限定されるべきではなく、本明細書に添付される以下の特許請求の範囲及びそれらと同等のものによってのみ定義されるべきである。
さらに、本開示は下記条項による実施形態を含む。
(条項1)
複合材料補修の熱管理のための装置であって、
複数の分離した構造体ターゲットであって、各々が、補修領域の周りの複合構造体上の前記構造体ターゲットの間隔を空けられた位置において前記複合構造体に取り付け可能であり、各々が、前記構造体ターゲットの識別についての光学的にスキャン可能な情報を前記構造体ターゲット上に有する、複数の構造体ターゲット、
2次元の熱電対アレイ内に配置された複数の熱電対であって、前記複数の熱電対が間隔を空けられた相対位置において前記熱電対アレイ内に固定され、前記熱電対アレイが前記複合構造体に取り付け可能であり、前記熱電対アレイが前記複合構造体に取り付けられたときに、前記熱電対アレイが、前記複合構造体の前記補修領域に付けられた複合プライ及び接着剤を完全に覆うように寸法決定される、複数の熱電対、
前記熱電対アレイ上の複数のアレイターゲットであって、各々が、前記熱電対アレイ内の各熱電対の識別と、前記熱電対アレイ内の他の熱電対に対する、且つ各アレイターゲットに対する、前記熱電対アレイ内の各熱電対の位置とについての光学的にスキャン可能な情報を前記アレイターゲット上に有する、複数のアレイターゲット、
前記複合構造体を光学的にスキャンするように動作可能な写真測量用スキャナシステムであって、前記複数の構造体ターゲットが前記複合構造体に取り付けられ、前記熱電対アレイが前記複合構造体に取り付けられ、且つ前記アレイターゲットが前記熱電対アレイ上に取り付けられている、スキャナシステム、
前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対と通信して、前記複数の熱電対のうちの熱電対から温度情報を受信する制御システムであって、前記写真測量用スキャナシステムとも通信し、前記写真測量用スキャナシステムによってスキャンされた情報を受信する、制御システム、並びに
前記制御システムと通信する光投影システムであって、前記熱電対の識別及び前記熱電対のリアルタイムの温度についての情報を、前記熱電対アレイ内の前記熱電対の位置に投影するように、前記制御システムによって操作可能な、光投影システムを備える、装置。
(条項2)
前記熱電対アレイが前記複合構造体に取り付けられたときに、前記熱電対アレイを覆って前記複合構造体に取り付け可能な、熱ブランケット、並びに
前記熱ブランケット上の複数のブランケットターゲットであって、各々が、前記熱ブランケットのサイズ及び前記熱ブランケットの方向についての光学的にスキャン可能な情報を前記ブランケットターゲット上に有する、複数のブランケットターゲットを更に備える、条項1に記載の装置。
(条項3)
前記熱ブランケットが前記熱電対アレイを覆って前記複合構造体に取り付けられたときに、前記光投影システムが、前記熱電対の位置における前記熱電対の識別及び前記熱電対のリアルタイムの温度についての情報を、前記熱電対の位置に対して前記熱ブランケット上に投影するように、前記制御システムによって操作可能である、条項2に記載の装置。
(条項4)
前記熱ブランケットが前記熱電対アレイを覆って前記複合構造体に取り付けられたときに、前記熱ブランケットを覆って前記複合構造体に取り付け可能な、真空バッグを更に備え、
前記光投影システムが、前記熱電対の位置における前記熱電対の識別及び前記熱電対のリアルタイムの温度についての情報を、前記熱電対の位置に対して前記真空バッグ上に投影するように、前記制御システムによって操作可能である、条項3に記載の装置。
(条項5)
前記熱電対アレイに接続された複数の導体であって、前記複数の導体の各導体が、前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対のうちの熱電対と通信する近位端、及びターミナルブロックと通信する反対側の遠位端を有する、複数の導体、並びに
ターミナルレセプタクルを有するホットボンダーであって、前記ターミナルレセプタクルと前記ターミナルブロックとが、相互に取り外し可能に接続でき、前記熱電対アレイ内の前記複数の熱電対を前記ホットボンダーと電気的に接続させる、ホットボンダーを更に備える、条項1に記載の装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18