(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記熱経路が、金属、熱伝導材料をドープされたポリマー、又は前記熱伝導材料をドープされたセラミックのうちの1つから形成される、請求項10に記載の誘導電力伝送装置。
前記少なくとも1つの熱経路を通して熱を前記熱質量へ案内することが、前記誘導電力を送電する結果として前記装置内で発生された熱を前記熱質量へ案内することを含む、請求項20に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
異なる図面における同じ又は類似する参照番号の使用は、類似、関連、又は同一の物品を示している。添付の図におけるクロスハッチング又は網掛けの使用は概して、隣接する要素間の境界を明確にし、また、図の視認性を促進するために提供されている。したがって、クロスハッチング又は網掛けの存在も非存在も、特定の材料、材料特性、比率、寸法、同様に示された要素の共通点、又は添付の図に示されている任意の要素についての任意の他の特徴、属性、若しくは特性を優先することを伝えるか又はそれを指示することは全くない。
【0018】
本明細書において説明されている実施形態は、無線充電インタフェースの温度を管理するための方法及び装置に関し、その形態をとる。本明細書において説明されているいくつかの実施形態は、誘導充電インタフェースの動作によって発生された熱を管理するための方法及び装置に関するか、又はその形態をとってもよい。諸実施形態は、能動的若しくは受動的ヒートシンク、熱を1つ以上の高温箇所(誘導コイルなど)から熱質量(熱を放射、散逸、若しくは吸収することができる)へ伝達するための熱経路(単数若しくは複数)、充電効率を高め、それにより、廃熱を低減する充電手法、並びに誘導充電インタフェース間の電力伝送の効率を改善するための他の構造及び方法を含んでもよい。様々な実施形態では、電力伝送効率は、充電器の活動時間を変化させること、誘導電力が送電される周波数を変更すること、誘導送電器に対する負荷を監視し、それに応じて送電される電力を変化させることなどによって達成されてもよい。
【0019】
誘導充電システムは、電力を送電するための誘導電力伝送装置(例えば、「ドック」若しくは「充電ステーション」)、並びに電力を受電するための、ポータブル電子機器(例えば「アクセサリ」)などの電力消費装置を含んでもよい。このような電子機器としては、メディアプレーヤ、メディア記憶機器、パーソナルデジタルアシスタント、タブレットコンピュータ、携帯電話、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、スタイラス、全地球測位センサユニット、遠隔制御機器、ウェアラブル機器、電気自動車、家庭電化製品、医療機器、健康監視機器、スポーツ機器、付属機器などを挙げることができる。
【0020】
ドックは電力伝送誘導器(例えば、「電力伝送コイル」)を含むことができ、アクセサリは電力消費誘導器(例えば、「電力消費コイル」)を含むことができる。これらの例では、ドックの温度維持よりもアクセサリの温度維持が実質的に優先度が高くなり得る。このように、ドックは、アクセサリからできるだけ多くの熱を犠牲的に受け入れてもよい。場合によっては、ドックは、アクセサリの温度を能動的に低下させるために、ペルチェ素子などの、冷却素子を含んでもよい。他の場合には、ドックは、アクセサリの表面を、ドック内に含まれている熱質量に熱的に結合することによってアクセサリの温度を受動的に低下させてもよい。
【0021】
関連実施形態は、アクセサリが上に配置されてもよいインタフェース面若しくは区域を有する上部部分、熱質量を有するベース部分、並びに両者を熱的に結合する熱経路、を有する筐体を含むドックの構成を含んでもよい。
【0022】
多くの場合、熱質量はアルミニウム又はその他の金属で作製されてもよい。熱質量の材料、及び質量は、そのために選択される材料の熱容量に少なくとも一部基づいて選定されてもよい。例えば、銅で構成された熱質量は、アルミニウムで構成された熱質量よりも低い熱容量を有し得、それゆえ、銅熱質量の質量は、場合によっては、アルミニウムで構成された熱質量の質量よりも大きくなり得る。他の場合には、金属合金が用いられてもよい。なお更なる実施形態では、熱質量は、銀でめっきされたアルミニウムによって包囲された液体コアなどの、異なる材料の複数の層で形成されてもよい。これらの実施形態では、インタフェース面(例えば、インタフェース区域)上に配置されたアクセサリによって発生され、及び/又はドックによって発生された熱、あるいは熱は、熱質量内に吸収されて、制御された仕方で散逸されてもよい。
【0023】
多くの場合、ドックは、電力コンセントに接続するためのケーブル又はケーブルコネクタを含んでもよい。ケーブルは、熱質量に熱的に結合された熱伝導性シールド層又はシースを含むことができる。本明細書で使用する時、「熱伝導性(thermally-conductive)」とは、金属材料に通例関連付けられる熱伝導率以上の熱伝導率を指すと理解されてもよい。多くの場合、熱伝導性シールド層は金属で作製されてもよく、材料の熱伝導率に関して特に選択された、材料の特定の厚さのものであってもよい。これら及び関連する場合には、熱質量内に蓄えられた熱は、熱質量からケーブル内へ安全かつ効率的に伝達され得る。
【0024】
このように、ドックは、できるだけ多くの熱をアクセサリから熱質量の本体内へ犠牲的に受け入れてもよく、その後、本体内の熱はケーブル内へ、又は周囲環境内へ散逸させることができる。
【0025】
アクセサリ又はドックは熱を発生する場合があり、熱は、いくつかの仕方で熱質量へ伝えられ、その内部に蓄積されることができる。例えば、誘導電力伝送システムの動作の間に、アクセサリは、ドックから受電された電力を管理し、分配することに関連付けられた回路機構をアクティブ化させてもよい。
【0026】
より具体的には、ドックに誘導的に近接して配置されると、アクセサリは、アクセサリは電力を受電する準備ができていることを、無線又は有線通信チャネルを介してドックに伝達してもよい。このような信号を受信した後に、ドックはその電力伝送コイルに交番電流又は開閉電流を印加してもよく、電力伝送コイルが、今度は、アクセサリ内の電力消費コイル内に電流を誘導することができる。アクセサリは、一例では、アクセサリ内に配置された1つ以上の再充電可能バッテリの電荷を補給するために、受電された電流を用いてもよい。
【0027】
しかし、多くの場合、電力伝送コイルに近接した任意の導体内には渦電流が誘導され得る。概して、渦電流とは、時間変動磁界の存在下において伝導性要素内に励起される電流である。多くの場合、渦電流は、伝導性要素の加熱を生じさせ得、それが今度は、伝導性要素及び近くの他の要素の温度を増大させ得る。例えば、渦電流は、回路機構の導電性構成要素(例えば、銅トレース、リードなど)及び/又は導電性構造要素(例えば、締結具、筐体など)内に励起され得、機器全体の温度を増大させ得る。したがって、本明細書において説明されている多くの実施形態は、誘導電力伝送インタフェースの動作の間におけるアクセサリの不必要な加熱又は望ましくない加熱を軽減するために、このような熱をドック内の熱質量へ伝える。
【0028】
本明細書において説明されている他の実施形態は、ドックなどの、無線充電台内の電力効率管理システムの形態をとる。通例、誘導インタフェース間の電力伝送の効率を増大させると、熱の形で失われるエネルギーは減少する。換言すれば、電力伝送効率の増大は、電力が伝送されている間における温度の低下に関連付けられ得るか、又はそれを生じさせ得る。
【0029】
電力管理の実施形態は、誘導エネルギーの送電器及び受電器(例えば、それぞれ、ドック及びアクセサリ)の両方の内部における適応電力効率管理システムの形態をとってもよい。例えば、アクセサリがドックに誘導的に近接して配置されると、ドックは誘導電力伝送回路機構をアクティブ化させてもよい。その他の時は全て、相互作用電力伝送回路機構は完全に電源が切れていてもよい。
【0030】
これら及び関連実施形態では、ドック内の電力伝送コイルはアクセサリ内の電力消費コイルと誘導結合してもよい。結合すると、電力伝送コイルは負荷の増大を経験し得る。したがって、アクセサリの所要電力が変化すると、電力伝送コイルによって経験される負荷も変化し得る。様々なアクセサリ、又は単一のアクセサリの異なる動作モードの所要電力の変化を明らかにするために、ドック内の誘導電力伝送回路機構は電流モニタを含んでもよい。電流モニタは、電力を電力伝送コイルへ提供する回路内の既知の抵抗の抵抗器と並列に位置付けられてもよい。このように、電力伝送コイルを通じた電流負荷は任意の所与の時点において推定されてもよく、送電される電力はそれに応じて調整されてもよい。
【0031】
更なる実施形態では、電流モニタからの出力は、電力伝送コイルの選択動作周波数を制御するために用いられてもよい。例えば、特定の実施形態では、より低い周波数において、より高い周波数よりも多くの電力が伝送されてもよい。したがって、電流モニタが、電力伝送コイルの負荷が増大したと判定した場合には、より多くの電力を送電するために、電源の出力の周波数は低下されてもよい。一方、代わりに、電流モニタが、電力伝送コイルの負荷が減少したと判定した場合には、より少ない電力を送電するために、電源の出力の周波数は高められてもよい。いくつかの実施形態では、負荷の増大は周波数の増大を生じさせてもよく、負荷の減少は周波数の減少を生じさせてもよい。このように、誘導充電システムは、電力伝送コイルと結合された機器に必要であるよりも多くの電力を送電しないことによって、増大した電力効率を得るか、又はそれを生み出してもよい。
【0032】
なお更なる実施形態では、電力伝送コイルの負荷の検出された変化の結果として、電源の出力の他の特性が変更されてもよい。例えば、電力伝送コイルに印加された負荷の増大又は減少に応じて、電力伝送コイルに印加される電圧が増大又は減少させられてもよい。これらの実施形態では、電力伝送効率の増大は、発生される熱の減少と相互関連を有し得る。
【0033】
特定の更なる実施形態では、ドックから出力される電力は、アクセサリ自体からの定期報告によって制御されるか、又は影響を受けてもよい。例えば、アクセサリは、ドックへ情報を送信するように構成された無線送信器を含んでもよい。このような情報は、識別情報、認証情報、熱情報(動作温度、温度変化、最大動作温度等など)及び/又は電力状態情報を含んでもよい。電力状態情報は、現在若しくは将来の所要電力、バッテリが完全に充電されるまでの時間推定値、バッテリの現在の充電、又はその他の電力関連情報を含んでもよい。アクセサリは、毎秒1回以上、定期的最新情報を送ってもよい。無線送信器は、例えば、Wi−Fi(登録商標)、RF、Bluetooth(登録商標)、近距離通信、又は赤外線などの任意の好適な技術のものであってもよい。特定の実施形態では、無線送信器は、カメラフラッシュ又はディスプレイなどの、アクセサリの既存の構成要素であってもよい。
【0034】
ドックは、誘導結合されたアクセサリから送られた信号を受信するための受信器を含んでもよい。ドックは、電源の出力の周波数を増加させるか、調整するか、又は別の仕方で変更するために、これらの信号を解釈してもよい。例えば、アクセサリが、それは1アンペアにおいて5ボルトを必要としているとの信号を送った場合には、電源の出力の周波数は、アクセサリが、それは1アンペアにおいて3ボルトを必要としているとの信号を送った場合と異なる値になってもよい。いくつかの実施形態では、ドックは、電源の出力の特定の可変特性を増加させるか、調整するか、又は別の仕方で変更するために、受電器によって受信された信号を解釈してもよい。例えば、出力信号の電圧、電流、周波数、及びその他の特徴がそれに応じて変更されてもよい。
【0035】
更なる実施形態では、ドックは、アクセサリから受信された情報と電流モニタから測定された情報との組み合わせを、動的に、インテリジェントに、及び迅速に用いてもよい。例えば、電流モニタは、アクセサリから次の更新信号が受信される数百ミリ秒前に、電力伝送コイルに対する増大した負荷を認める場合がある。このような場合には、電流モニタは、電力出力を直ちに増大させ、アクセサリの所要電力が次の信号において増大したことを確認すると、新たに決定された、より高い電力送電周波数を維持してもよい。一方、代わりに、電流モニタが、増大した負荷を認め、それがアクセサリからの次の信号の受信時に確認されない場合には、電力送電周波数は以前の値に再設定されてもよい。
【0036】
上述の実施形態及び関連実施形態は、誘導電力伝送インタフェースに固有の損失及び非効率性によって生成される熱量を低減し得る。このように、システムの温度は低下され得る。
【0037】
本明細書において説明されているいくつかの実施形態は、誘導充電インタフェースにわたる温度上昇を管理するための方法及びシステムに関し、それらの形態をとってもよい。これらの場合には、誘導電力伝送インタフェースに固有の損失及び非効率性によって生成された熱は、アクセサリから、ドック内に配置された熱質量内へ効果的かつ効率的に案内され得る。
【0038】
図1Aは、誘導電力伝送システムの実例の等角正面図である。誘導充電システム100は、筐体102a内に配置された誘導電力受電器102と、筐体104a内に配置された誘導電力送電器104と、を含んでもよい。図示されている実施形態では、誘導電力送電器104は、ケーブル108によって商用電源(例えば電力コンセント)に接続されてもよい。様々な実装形態及び実施形態では、誘導電力送電器104及び誘導電力受電器102は、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ナビゲーション機器、スポーツ機器、健康機器、医療機器、付属機器、周辺入力機器等などの任意の種類若しくは形式の電子機器内で、又はその構成要素として構成されてもよい。いくつかの実施形態では、誘導充電システムは、
図1Bに示されるスマートウォッチなどのウェアラブル電子機器内に実装することができる。
【0039】
図示のように、誘導電力受電器102は、誘導電力送電器104の筐体104aの上部部分内に形成されたインタフェース面106とインタフェース接続するか、整列するか、又は他の仕方で接触することができる下面を含んでもよい。このように、誘導電力受電器102及び誘導電力送電器104は互いに対して位置付け可能であってもよい。特定の実施形態では、インタフェース面106は、誘導電力受電器102の相補形状と嵌合するように意図された特定の形状で構成されてもよい。例えば、図示のように、インタフェース面106は、選択曲線に従う凹形状(例えば、曲線状のくぼみ)として形成されてもよい。いくつかの実施形態では、インタフェース面106は、別の形状、例えば、凸形状又は平面形状をとってもよい。特定の実施形態では、インタフェース面106は軸対称であってもよく、その一方で、他のものでは、表面は軸非対称であってもよい。
【0040】
いくつかの例では、
図1Bに示されているように、インタフェース面106は、誘導電力受電器102(ここでは腕時計として示されている)の下面上に形成された凸形状に一致又は嵌合する凹形状をとってもよい。このように、誘導電力受電器102が誘導電力送電器104上に位置付けられると、インタフェース面106の湾曲は、誘導電力受電器102を、実質的に嵌合した構成(例えば、凸形及び凹形の湾曲頂点が互いに隣接して静止する)で最終的に静止するように案内することができる。他の例では、インタフェース面106は、平坦であるか、切り子面を有するか、又は凹形であることができる。更なる実施形態では、インタフェース面106は任意の好適な形状をとることができる。
【0041】
誘導電力受電器102は、誘導電力送電器104の水平断面よりも小さい水平断面を有するサイズに作られているように図示されているが、このような関係は必須ではない。例えば、特定の実施形態では、誘導電力受電器102は、誘導電力送電器104よりも大きい水平断面を含んでもよい(例えば、
図1B参照)。これらの例では、誘導電力受電器102のインタフェース区域は、誘導電力受電器102の底面の一部分のみとしてのサイズに作られたインタフェース面106を含んでもよい。
【0042】
上述されたように、誘導電力受電器102は、任意の数の電子機器として(又はそれらの一部分として)実装することができる。例えば、いくつかの実施形態では、誘導電力受電器102は、
図1Bに示されるウェアラブル電子機器として実装することができる。本例では、ウェアラブル電子機器は、筐体102a内に、プロセッサ、メモリ、電源及び/又はバッテリ、ネットワーク通信手段、タッチセンサ、入力センサ、力センサ、環境センサ、1つ以上の表示画面、音響要素、入力/出力ポート、触覚要素、ウェアラブル電子機器のタスクを実行及び/又は調整するデジタル及び/又はアナログ回路機構などを含むことができる。いくつかの例では、ウェアラブル電子機器は、1つ以上の固有及び/又は標準の有線及び/又は無線インタフェースを介して別個の電子機器と通信することができる。図解を簡単にするために、ウェアラブル電子機器は、
図1Bにおいて、これらの要素の多くを有せずに示されている。これらは各々、筐体102a内に、部分的に、任意選択的に、又は完全に含まれてもよい。
【0043】
図2は、誘導電力伝送システムの実例の簡略化されたブロック図である。誘導充電システム200は、送電器部分200aと受電器部分200bとを含むことができる。送電器部分200aは、コントローラ206及び直流コンバータ204に動作可能に接続されたクロック回路202を含んでもよい。クロック回路202は誘導充電システム200のための1つ以上のタイミング信号を発生することができる。コントローラ206は直流コンバータ204の状態を制御してもよい。一実施形態では、クロック回路202は、直流コンバータ204内のスイッチを1サイクルごとにアクティブ化及び非アクティブ化させるためにコントローラ206によって用いられる周期信号を発生する。誘導充電システム200内では、任意の好適な直流コンバータを用いることができる。例えば、一実施形態では、Hブリッジが直流コンバータとして用いられてもよい。いくつかの実施形態では、Hブリッジは必要でなくてもよい。例えば、単一のスイッチが直流コンバータ204からの電流の流れを制御してもよい。このように、直流コンバータ204は矩形波発生器として機能してもよい。
【0044】
直流コンバータ204によって生成された時間変動信号(例えば、交番信号)又は矩形波信号は、変圧器212内に投入されてもよい。直流コンバータ204と変圧器212との間には、ハイパスフィルタリングを提供するためのキャパシタを配置することができる。通例、上述された連結電力伝送システム内で用いられるものなどの変圧器は、電力消費コイルに結合された電力伝送コイルを含み、各コイルは共通のコアの周りに巻かれている。しかし、本明細書において説明されているとおりの誘導充電システムは通例、間隙によって分離された一次コイル及び電力消費コイル、並びに、いくつかの実施形態では、各コイルを包含するそれぞれの筐体102a、104aを含む。図示のように、変圧器212は、必ずしも物理的要素でなくてもよく、代わりに、電力伝送コイル208及び電力消費コイル210などの2つの誘導的に近接した電磁コイルの間の関係及びインタフェースを指してもよい。
【0045】
上述のことは、送電器部分200a、及び誘導充電システム200の受電器部分200bの電力消費コイル210との送電器部分200aの相互作用の単純化された説明である。送電器部分200aは、電力消費コイル210内に電圧を誘導するために、電力伝送コイル208に時間変動電圧を提供するように構成されてもよい。交流及び矩形波の両方が例として扱われているが、その他の波形も企図されることが理解されるであろう。このような場合には、コントローラ206は直流コンバータ204の複数の状態を制御してもよい。例えば、コントローラ206は、電圧、電流、デューティサイクル、波形、周波数、又はこれらの任意の組み合わせを制御してもよい。
【0046】
コントローラ206は、電力伝送回路機構の動作の効率を高めるために、電力伝送コイル208に印加される波形の様々な特徴を定期的に変更してもよい。様々な変更は、リアルタイムで行われるか、所定のシーケンスで行われるか、又は時々固定されてもよい。特定の状況のためには特定の変更が望ましくなり得ることが理解されるであろう。
【0047】
例えば、場合によっては、電力消費コイル210は電力伝送コイル208に誘導的に近接していないと判定された場合には、コントローラ206は電力伝送コイル208への全電力を停止してもよい。この判定は任意の数の好適な仕方で遂行されてもよい。例えば、コントローラ206は、電力伝送コイル208に対する誘導負荷を検出するように構成されてもよい。誘導負荷が特定の選択閾値を下回る場合には、コントローラ206は、電力消費コイル210は電力伝送コイル208に誘導的に近接していないであろうと結論を下してもよい。このような場合には、コントローラ206は、電力伝送コイル208への全電力を停止してもよい。
【0048】
他の場合には、一実施形態では、コントローラ206は、デューティサイクルを、変圧器212の共振周波数又はその付近にあるように設定してもよい。別の例では、デューティサイクルの活性状態(例えば、高)を規定する波形の周期が、変圧器212の共振周波数又はその付近にあるように選択されてもよい。このような選択は、電力伝送コイル208と電力消費コイル210との間の電力伝送効率を高め、ひいては、システム内の熱損失を低減し得ることが理解されるであろう。
【0049】
代替例では、誘導負荷における突然のスパイクが感知された場合には、コントローラ206は、電力伝送コイル208への全電力を停止してもよい。例えば、誘導負荷が、一定の選択閾値を上回る特定の速度でスパイクを生じた場合には、コントローラ206は、介在物体が電力伝送コイル208に誘導的に近接して配置された可能性があると結論を下してもよい。このような場合には、コントローラ206は、電力伝送コイル208への全電力を停止してもよい。代替的に、誘導負荷におけるこのようなスパイクは、アクティブな誘導充電への、及びそれゆえ、電力伝送コイル208へ電力を供給するための信号として用いられてもよい。
【0050】
なお更なる例では、コントローラ206は、電力伝送コイル208に印加される波形の他の特徴を変更してもよい。例えば、受電器回路機構が追加の電力を必要とする場合には、コントローラ206は、電力伝送コイル208に印加される波形のデューティサイクルを増加させてもよい。関連する例では、受電器回路機構がより少ない電力を必要とする場合には、コントローラ206は、電力伝送コイル208に印加される波形のデューティサイクルを減少させてもよい。これらの例の各々においては、電力伝送コイル208に印加される時間平均電力が変更され得る。
【0051】
別の例では、コントローラ206は、電力伝送コイル208に印加される波形の振幅を変更するように構成されてもよい。このような例では、受電器回路機構が追加の電力を必要とする場合には、コントローラ206は、電力伝送コイル208に印加される波形の最大電圧を増幅してもよい。関連する場合において、受電器回路機構がより少ない電力を必要とする場合には、波形の最大電圧は低下されてもよい。
【0052】
図2に戻ると、上述されたように、誘導充電システム200の送電器部分200aは、電力伝送コイル208と電力消費コイル210との間の誘導結合を通じて受電器部分200b内の電力消費コイル210内に電圧を誘導するために、電力伝送コイル208に時間変動信号を提供するように構成されてもよい。このように、電力は、電力伝送コイル208内における時間変動信号による変動磁束の生成を通じて電力伝送コイル208から電力消費コイル210へ伝送されてもよい。
【0053】
電力消費コイル210内で生成された時間変動信号は、時間変動信号をDC信号に変換する直流コンバータ214によって受信されてもよい。いくつかの実施形態では、直流コンバータ214と電力消費コイル210との間にフィルタキャパシタを位置付けることができる。誘導充電システム200内では、任意の好適な直流コンバータを用いることができる。例えば、一実施形態では、整流器が直流コンバータとして用いられてもよい。その後、DC信号はプログラム可能負荷216によって受信されてもよい。いくつかの実施形態では、直流コンバータ214と回路グランドとの間にローパスフィルタキャパシタが位置付けられることができ、プログラム可能負荷216による使用の前に直流信号を安定化させる。
【0054】
いくつかの実施形態では、受電器直流コンバータは半ブリッジであってもよい。このような例では、電力消費コイル210は、増加した巻き数を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、電力消費コイルは2倍の巻き数を有してもよい。このように、理解されるであろうように、電力消費コイル210間の誘導電圧は、半ブリッジ整流器によって効果的に半減され得る。場合によっては、この構成は、実質的により少数の電子構成要素を必要としてもよい。例えば、半ブリッジ整流器は、全波ブリッジ整流器の半分の数のトランジスタを必要としてもよい。電子構成要素がより少なくなる結果、抵抗損失が実質的に低減され得る。
【0055】
特定のいくつかの実施形態では、受電器はまた、送電器内に存在する励磁インダクタンスを調整して消すか、又は低減する回路機構を含んでもよい。概して、励磁インダクタンスは、不完全に結合されたコイルによって形成された変圧器内に損失を生じさせ得る。この励磁インダクタンスは、漏れインダクタンスの中でも、送電器の効率を実質的に低下させ得る。励磁インダクタンスは送電コイルと電力消費コイルとの間の結合の関数になり得るため、それは送電器自体の内部で必ずしも完全に補償され得ないことが更に理解されるであろう。したがって、本明細書において説明されている特定の実施形態では、受電器内に調整回路機構が含まれてもよい。例えば、特定の実施形態では、キャパシタがプログラム可能負荷216と並列に位置付けられてもよい。
【0056】
なお更なる例では、上述された変更の実例の組み合わせがコントローラによって行われてもよい。例えば、コントローラ206は、デューティサイクルを低減することに加えて、電圧を2倍にしてもよい。別の例では、コントローラは、デューティサイクルを時間とともに減少させつつ、電圧を時間とともに増大させてもよい。本明細書においては、任意の数の好適な組み合わせが企図されることが理解されるであろう。
【0057】
いくつかの実施形態は複数の電力伝送コイルを含んでもよい。例えば、2つの電力伝送コイルが存在する場合には、各々は、独立して、又は同時にアクティブ化又は使用されてもよい。このような実施形態では、個々のコイルは各々、コントローラ206に結合されてもよい。更なる例では、いくつかの個々の電力伝送コイルのうちの1つが選択的に短絡されてもよい。例えば、スイッチが第2の電力伝送コイルと並列に位置付けられてもよく、それにより、スイッチがオフである時には、電流が誘導器内を通って流れてもよい。他方で、スイッチがオンである時には、電流は第2の電力伝送コイルを通って流れないことになる。他のスイッチは、スイッチがオンである時のみ電流の流れを許すように構成されてもよい。スイッチは、任意の好適な種類の手動スイッチ、固体スイッチ、又はリレーベースのスイッチであり得る。このように、いくつかのコイルの各々を通る電流の増加量は選択的に制御されてもよい。例えば、高い誘導負荷を有する動作では、第2の電力伝送コイルを電力伝送コイル208とともに回路内に含めるために、スイッチはオフにされてもよい。
【0058】
本開示では、開示されている方法は、回路機構又はその他のデジタル若しくはアナログ論理要素によって実行されるか、あるいは他の仕方で組み込まれてもよい。例えば、「送信(sending)」、「受信(receiving)」、「判定(determining)」、「解釈(interpreting)」、「要求(requesting)」、「認証(authorizing)」及び同様の動作は、上述された機能を実行するように構成された回路機構のそれぞれの入力及び出力を指すと理解されてもよい。これらの回路又は論理要素はまた、受電器又は送電器の機能性をそれぞれ直接又は間接的に制御してもよい。更に、開示されている方法内のステップの特定の順序又は階層はサンプルアプローチの例であり、特定の状況では、複数の独立した回路若しくは論理要素によって、又は、他の例では、単一の回路若しくは論理要素によって遂行されてもよいことが理解される。なお更なる例では、上述のステップは、特定の決定若しくはインテリジェント回路機構を必ずしも含まなくてもよいか、又はそれを必要としなくてもよい。換言すれば、本明細書において説明されている実施形態は、アナログ回路、デジタル回路、又はソフトウェアの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、任意の方法又はプロセスにおけるステップの具体的な順序又は階層は、本開示の主題の範囲内にとどまりつつ、再編成されてもよい。
【0059】
図3は、誘導電力消費装置の簡略化されたブロック図、及び誘導電力伝送装置の簡略化されたブロック図を含む、切り口A−Aに沿って見た
図1Aのシステムの1つの構成例の断面図である。
【0060】
図示のように、誘導電力受電器102は、電力消費コイル部分116a、116bとしてそれぞれ断面で示されている、電力消費コイルを含んでもよい。電力消費コイル部分116a、116bは、電力消費コイル116の断面内で正反対の部分であってもよいことが理解されるであろう。図示のように、電力消費コイル116は、各々3つの巻線の2つの層、合計6つの巻線を有する。しかし、実施形態ごとに、任意の適当な巻線数又は構成が望まれてもよいことが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、電力消費コイル116は、誘導電力受電器102の筐体102aの湾曲に従うために、傾斜した形状若しくは半円錐形状、又は曲線状の表面を有してもよい。多くの例では、電力消費コイル116は、銅合金、銀合金、又は銅−銀合金などの導電性金属から形成することができる。他の実施形態では、他の種類の導電性材料を用いることができる。
【0061】
誘導電力受電器102はまた、処理ユニット110、記憶媒体112(例えば、一時的若しくは非一時的記憶媒体)、並びに電源114を含んでもよい。記憶媒体112は、必ずしも限定するものでなくてよいが、磁気記憶装置、光学記憶装置、磁気光学記憶装置、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、消去可能プログラムメモリ、フラッシュメモリなどを含んでもよい。電源114は、必ずしも限定するものでなくてよいが、バッテリ電源、容量電源、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0062】
処理ユニット110は、誘導電力受電器102の機器動作を実行するために、記憶媒体112内に記憶された命令を実行してもよい。
【0063】
処理ユニット110はまた、センサ111に結合されてもよい。例えば、センサ111は温度センサであってもよく、選択温度閾値に達した場合には、電源が誘導電力受電器102への電流を停止するように、電源114又は処理ユニット110に動作可能に接続されてもよい。他の実施形態では、処理ユニット110は2つ以上のセンサに結合されることができる。
【0064】
多くの実施形態では、誘導電力受電器102は、筐体102a内に、ディスプレイ、センサ、入力機器、ネットワーク通信インタフェース等などの他の構成要素を含むことができる。本明細書において説明され、図示されている他の実施形態と同様に、誘導電力受電器102は、図解を簡単にするために、
図3において、これらの構成要素の多くを有せずに示されている。これらは各々、筐体102a内に、部分的に、任意選択的に、又は完全に含まれてもよい。
【0065】
同様に、誘導電力送電器104はまた、処理ユニット120、記憶媒体122、及び電源124を含んでもよい。記憶媒体122は、必ずしも限定するものでなくてよいが、磁気記憶装置、光学記憶装置、磁気光学記憶装置、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、消去可能プログラムメモリ、フラッシュメモリなどを含んでもよい。電源124は、必ずしも限定するものでなくてよいが、バッテリ電源、容量電源、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0066】
処理ユニット120はまた、センサ121結合されてもよい。例えば、センサ121は温度センサであってもよく、選択温度閾値に達した場合には、電源が誘導電力送電器104への電流を停止するように、電源124又は処理ユニット120に対してであってもよい。他の実施形態では、処理ユニット120は2つ以上のセンサに結合されることができる。
【0067】
多くの実施形態では、誘導電力送電器104は、筐体104a内に、ディスプレイ、センサ、入力機器、ネットワーク通信インタフェース等などの他の構成要素を含むことができる。本明細書において説明され、図示されている他の実施形態と同様に、誘導電力送電器104は、図解を簡単にするために、
図3において、これらの他の構成要素の多くを有せずに示されている。これらは各々、筐体104a内に、部分的に、任意選択的に、又は完全に含まれてもよい。
【0068】
図3はまた、電源124に補給又は補充するために用いられる電力コンセントに接続するためのケーブル108を含む。多くの場合、ケーブル108は、少なくとも1つの導体対、及びこの少なくとも1つの導体対を包囲するように位置付けられた熱伝導性シールド層を含んでもよい。
【0069】
誘導電力送電器104は、上部部分104b及びベース部分104cを含むことができる。誘導電力送電器104はまた、上部部分104b内に配置された1つ以上の電力伝送コイル部分126a、126bをそれぞれ含んでもよい。電力伝送コイル部分126a、126bは、電力伝送コイル126の断面内で正反対の部分であってもよいことが理解されるであろう。図示のように、電力伝送コイル126は、各々3つの巻線の2つの層、合計6つの巻線を有する。いくつかの実施形態では、異なる数の層及び巻線が用いられてもよい。例えば、電力伝送コイルは、3つの層各々内の4つの巻線、合計12個の巻線を含んでもよく、電力消費コイルは、4つの層内の6つの巻線、合計24個の巻線を含んでもよい。しかし、実施形態ごとに、任意の適当な巻線数又は構成が望まれてもよいことが理解されるであろう。多くの実施形態では、電力伝送コイル126は、誘導電力送電器104の筐体104aの湾曲に従うために、傾斜した形状又は半円錐形状を有してもよい。多くの例では、電力伝送コイル126は、銅、銀、又は銅−銀合金などの導電性金属から形成することができる。他の実施形態では、他の種類の導電性材料を用いることができる。
【0070】
誘導電力送電器104はまた、誘導電力送電器104の上部部分104b内に形成された、実質的に曲線状の形状をとるインタフェース面106を含んでもよい。例えば、図示のように、インタフェース面106は、選択曲線に従う凹形状で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、インタフェース面106は、別の形状、例えば、凸形状をとってもよい。なお更なる実施形態では、インタフェース面106は軸対称形状の形態をとってもよい。このように、誘導電力受電器102及び誘導電力送電器104が互いに隣接して配置されると、インタフェース面106の形状は、
図3に示される位置合わせを助長し得る。いくつかの実装形態では、誘導電力受電器102及び誘導電力送電器104の表面のうちの1つ以上は、低摩擦材料を用いて形成されるか、又はさもなければ、それをコーティングされてもよい。1つ以上の表面を低摩擦材料から形成することによって、重力が、
図3に示されるように、誘導電力受電器102を滑り込ませて位置合わせさせることを促進することができる。なお更なる実施形態では、誘導電力受電器102及び誘導電力送電器104は、それに対応して、2つのインタフェース接続表面の間の摩擦係数(例えば、静止摩擦係数及び/又は動摩擦係数)を最小化する形状に作られてもよい。
【0071】
インタフェース面106内における渦電流の発達を阻止するために、インタフェース面106は、熱伝導性かつ実質的に電気絶縁性である材料で構築されてもよい。多くの例では、渦電流は時間変動磁界の存在下で導体内に誘導され得る。このように、渦電流(周回電流)が生み出されてもよい。これらの渦電流はまた、時間変動磁界と反対の方向の磁界を生成し得る。このように、渦電流によって誘導された磁界は、時間変動磁界の方向を変えるか、又はそれに対抗し得る。誘導電力伝送システムの場合、この効果は、受電コイル内で受けられる全磁束を低減することによって、電力伝送の効率を低下させ得る。また、渦電流は抵抗要素を全く通過せずに導体内で循環するため、渦電流によって経験される抵抗は非常に低くなり得る。したがって、誘導電流は比較的高くなり得る。その結果、渦電流はエネルギーを廃熱として散逸し得る。したがって、渦電流がインタフェース面106内又はそれに隣接して発達するのを阻止するために、インタフェース面106は電気絶縁性材料から作製されてもよい。例えば、インタフェース面106、及び上部部分104bの残りの任意のものは、必ずしも限定するものではないが、セラミック材料、結晶性材料、サファイア材料、ガラス材料等などの材料から形成されてもよい。
【0072】
多くの実施形態では、電力伝送コイル126及び電力消費コイル116は電磁シールド要素117、127によってそれぞれ取り巻かれてもよい。電磁シールド要素は任意の好適な材料から作製されてもよい。例えば、特定の実施形態では、電磁シールド要素117、127は、結晶性鉄−ケイ素などの、結晶性合金で形成されてもよい。このように、電磁シールド要素117、127は、電力伝送コイル126及び電力消費コイル116に関連付けられる電束の方向を、誘導電力受電器102と誘導電力送電器104との間のインタフェースの方へ変更することができる。この方向変更された電束の結果、選択される電力伝送コイル126及び電力消費コイル116の材料及びサイズは、小さくなり得、より大きな、又はシールドされていない、送電コイル及び電力消費コイルの対と同等の誘導電力伝送を提供する。それゆえ、さもなければ電力消費コイル116から外方へ放射し、散逸し得たであろう電束は、方向を変更され、実質的に、又は完全に電力伝送コイル126内に存在し得る。このように、電力消費コイル116において受電される電力は、電磁シールド要素117、127を除外した実施形態よりも大きくなり得る。
【0073】
いくつかの実施形態は、切り口A−Aに沿って見た
図1Aのシステムの別の構成例の断面である、
図4に示されるように構成されてもよい。図示のように、誘導電力受電器102及び誘導電力送電器104は、対応して、各々、位置合わせ磁石118及び128をそれぞれ含んでもよい。本明細書において説明され、図示されている他の実施形態と同様に、誘導電力受電器102又は誘導電力送電器104の両方又はいずれかは、各々のそれぞれの筐体102a、104a内に多くの他の構成要素(例えば、プロセッサ、メモリ、センサ、ディスプレイ、入力など)を含むことができ、したがって、両者は、
図4において、これらの追加の構成要素を有せずに示されている。これらは、各々のそれぞれの筐体102a、104a内に、部分的に、任意選択的に、又は完全に含まれてもよい。
【0074】
引き続き
図4において、位置合わせ磁石118、128は概して、互いに引き付け合うように配置及び/又は位置合わせされる。このように、位置合わせ磁石118、128の間の磁気引力は、誘導電力受電器102が誘導電力送電器104の上面上の実質的に中心に配置され、機器及び充電器の両方の指示(indicative)充電コイルが実質的に位置合わせされる、
図3及び
図4に示される位置合わせ位置の達成を促進するか、助長するか、又は別の仕方で容易にし得る。多くの実施形態では、位置合わせ磁石118、128の各々(又はいくつか、若しくはグループ)は磁気シールド要素119、129によってそれぞれ取り巻かれてもよい。
【0075】
図4の磁気シールド要素119、129は任意の好適な材料から作製され得る。例えば、特定の実施形態では、磁気シールド要素119、129は、鉄−コバルトなどの、強磁性合金で形成されてもよい。このように、磁気シールド要素119、129は、位置合わせ磁石118、128に関連付けられる磁束の方向を、誘導電力受電器102と誘導電力送電器104との間のインタフェースの方へ変更することができる。方向変更された磁束の結果、選択される位置合わせ磁石118、128は小さくなり得、より小さな区域にわたって、より大きな、又はシールドされていない位置合わせ磁石と同等の引力を提供する。このように、縮小されたサイズの位置合わせ磁石を利用することによって、電力伝送コイル126に誘導的に近接した導電性要素の総質量は低減され得る。上述されたように、導電性質量の低減は、それに応じて、渦電流、ひいては熱損失内を低減し得る。
【0076】
誘導電力送電器104はまた、送電器の上部部分104bと反対に、実質的に誘導電力送電器104のベース部分104cに沿って位置付けられた熱質量130を含んでもよい。特定の構成では、熱質量130はアルミニウム又は別の金属である。多くの場合、熱質量130は導電性であり、それゆえ、誘導渦電流を被りやすくなり得る。その結果、熱質量130は、実質的に電磁シールド要素127の下方に位置付けられてもよい。上述されたように、渦電流は時間変動磁界によって導体内に誘導され得る。しかし、熱質量は電力伝送コイル126に実質的に近接して位置付けられていないため、渦電流は質量内で発達しにくい。磁界は1/r
3に比例して消え得ること、即ち、換言すれば、磁界は磁界源からの距離の3乗に比例して消え得ることが理解されるであろう。したがって、熱質量130は、電力伝送コイル126を通じて送電された電力に応じて渦電流が生じないよう、電力伝送コイル126から距離をおいて位置付けられてもよい。
【0077】
更に、上述されたように、電磁シールド要素117、127が、電力伝送コイル126の下方に存在する総磁束量を低減してもよい。換言すれば、上部部分104b内に電磁シールド要素117、127を含む実施形態では、熱質量130は、ベース部分104c内に、それゆえ、電力伝送コイル126の底面のより近くに位置付けられてもよい。
【0078】
いくつかの例では、熱質量130の質量は、そのために選択された材料の熱容量に少なくとも一部基づいて選定されてもよい。例えば、銅で構成された熱質量130は、アルミニウムで構成された熱質量130よりも低い熱容量を有し得る。この場合には、銅から形成された熱質量130の質量は、アルミニウムから形成された熱質量130の質量よりも大きくなり得る。なお更なる実施形態では、金属合金が用いられてもよい。なお更なる実施形態では、熱質量130は、熱吸収材料又は熱分散材料によって包囲された水又は液体コアなどの、異なる材料の複数の層で形成されてもよい。熱吸収材料又は熱分散材料の一例はアルミニウムであり、銀などの熱伝導材料をめっきされる。このように、熱質量130の外部表面は、熱を、熱を蓄えるように適合され得る熱質量130の内部表面内へ伝導し得ることが理解されるであろう。
【0079】
更に、複数の層は、熱を熱質量130の1つのロケーションから熱質量130の別のロケーションへ伝達することを促進し得る。換言すれば、熱質量130内又はその上の比較的高温の箇所は、熱質量の他の部分に対して冷却されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、熱経路(図示されていない)は、インタフェース面106、又は誘導電力送電器のその他の表面などの、表面に沿って位置付けられてもよい。例えば、熱経路は、熱散逸経路を助長するために、選択された表面に沿って配置されてもよい。いくつかの実施形態では、熱経路は、筐体104a内又はその上に形成された金属トレース又はその他の金属要素などの、熱伝導材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、熱経路は、熱伝導性かつ電気絶縁性の材料から作製されてもよい。例えば、金属線条、粒子、顆粒又はその他の金属片をドープされたセラミックが、熱経路を形成するために用いられてもよい。
【0081】
更なる実施形態は、熱質量130の少なくとも一部分が電磁干渉シールド132の少なくとも一部分を更に形成する構成を含んでもよい。例えば、熱質量130内に、ダイカストスロットが、基板140上に位置付けられた電気回路要素142がその下方に位置付けられるようなサイズに作られてもよい。このように、熱質量130は電気回路要素142のための電磁シールドの役割を果たす。
【0082】
他の例では、熱質量130はまた、ヒートシンクを含むか、又はその一部分であってもよい。例えば、基板は、サーマルペーストを含むことができる熱界面144の1つ以上の区域によって熱質量130に熱的に結合されてもよく、それにより、基板140に位置付けられるか、又はそれに結合された要素によって発生された熱が熱質量130内に案内され、散逸され得るようにする。これらの実施形態では、誘導電力送電器104によって発生された熱、又はインタフェース面106上に配置された誘導電力受電器102によって発生された熱は、熱質量130内に吸収され、少なくともケーブル108を通して制御された仕方で散逸されてもよい。
【0083】
図4はまた、電力コンセントに接続するためのケーブル108を含む。多くの場合、ケーブル108は、少なくとも1つの導体対、及びこの少なくとも1つの導体対を包囲するように位置付けられた熱伝導性シールド層を含んでもよい。多くの実施形態では、伝導性シールド層は熱質量130に熱的に結合されてもよい。他の場合には、熱伝導性シージングが導体対及び熱伝導性シールド層を取り巻いてもよく、熱伝導性シージングは熱伝導性シールド層に熱的に結合される。多くの場合、熱伝導性シージングは熱質量130に熱的に結合されてもよい。
【0084】
多くの場合、ケーブル108の熱伝導性シールド層は金属で作製されてもよく、材料の熱伝導率のために特に選択された、材料の特定の厚さのものであってもよい。これら及び関連する場合には、熱質量130内に蓄えられた熱は、熱質量130からケーブル108内へ安全かつ効率的に伝達され得る。
【0085】
図5は、誘導電力受電器102と誘導電力送電器104との間のエアギャップ152を協調して画定する多数の突起状表面特徴150(リブ、隆起、壁、円環及び同様のものなど)を示す、切り口A−Aに沿って見た
図1Aのシステムの別の構成例の断面である。本例では、表面特徴150は誘導電力受電器102を誘導電力送電器104から、選択された距離だけ分離する。エアギャップ152は、誘導電力受電器102によって誘導電力送電器104内へ放射されるか、又は誘導電力受電器102から誘導電力送電器104内へ別の仕方で伝わる熱を低減し得ることが理解されるであろう。いくらかのこのような熱はエアギャップ152内で散逸され得、及び/又はエアギャップ152はこのような放射を阻止し得る。
【0086】
表面特徴150は誘導電力送電器104のインタフェース面上に存在するように図示されているが、複数の表面特徴150はまた、誘導電力受電器102の底面上に存在してもよいことが理解されるであろう。他の場合には、表面特徴は、誘導電力受電器102及び誘導電力送電器104の両方の表面に沿って位置付けられてもよい。エアギャップ152は特定の距離をもって示されているが、任意の好適な距離が企図されることが理解されるであろう。例えば、エアギャップ152はマイクロメートルのオーダーであってもよいか、又は他の場合には、エアギャップ152は1センチメートル以上であってもよい。誘導電力送電器104と誘導電力受電器102との間の電力伝送の効率はエアギャップ152の距離に直接依存し得ることが更に理解されるであろう。
【0087】
図6は、誘導電力伝送装置に関連付けられた熱質量への複数の熱経路の例を示す、切り口A−Aに沿って見た
図1Aのシステムの簡略化された断面である。熱経路は、誘導電力受電器102によって発生された熱を、誘導電力送電器104内へ案内し、そこから逃がすように案内することができる。
【0088】
例えば、上述されたように、多くの実施形態の誘導電力受電器102は、その筐体102a内に、プロセッサ、メモリ、電源及び/又はバッテリ、ネットワーク通信手段、タッチセンサ、入力センサ、力センサ、環境センサ、1つ以上の表示画面、音響要素、入力/出力ポート、触覚要素、誘導電力受電器102のタスクを実行及び/又は調整するデジタル及び/又はアナログ回路機構などを含むことができる。理解され得るように、これらの要素の多くは動作時に熱を発生させ得る。熱は、上述されたように、誘導電力受電器102内の要素、及び誘導電力伝送インタフェース自体の動作効率を低下させ得る。
【0089】
更に、誘導電力受電器102内の要素の各々は、導電性材料から形成されることができ、及び/又は導電性材料から形成された電気トレースに結合される(若しくはそれに隣接する)ことができるため、誘導電力伝送インタフェースの動作によって誘導される渦電流の結果、これらの導電性材料内に追加的な熱を発生させてしまうリスクが生じ得る。
【0090】
更に、特定の実施形態では、誘導電力伝送の間に誘導電力送電器104の上面に沿って高温箇所が発達し得る。箇所が伝送コイル及び電力消費コイルに近接しているために、温度はこれらの箇所において上昇し得る。多くの例では、高温箇所は、誘導電力送電器104又は誘導電力受電器102を操作するユーザに対して、望ましくないユーザエクスペリエンスをもたらし得る。
【0091】
したがって、図解を簡単にするために、誘導電力受電器102内にある、又はそれに関連付けられる全ての熱発生要素又は熱蓄積要素は、
図6において、熱源600としてまとめて表されている。
【0092】
図示のように、熱(例えば、熱エネルギー)を誘導電力受電器102の底面から誘導電力送電器104内へ案内するいくつかの可能な熱経路が示されている。このように、望ましくない高温箇所は解消されてもよく(又は低減されてもよく)、誘導電力受電器102及び誘導電力伝送インタフェースの両方の動作効率が増大し得る。
【0093】
熱エネルギーが、誘導電力受電器102の底面から逃がされるように案内されると、それは、高い熱容量を有するように形成され得る熱質量130に効果的に蓄えられ、及び/又はそれに案内されることができる。このように、熱質量130は、熱を誘導電力受電器102から逃がすよう迅速に案内することができ、熱が周囲環境内へ放射されるか、(例えば、その後に)誘導電力受電器102を誘導電力送電器104から取り外す時に放射されて逃がされるか、又は別の仕方で誘導電力受電器102から逃がされることができるようになるまで、前記ヘッド(head)を蓄える。
【0094】
多くの例では、熱経路は誘導電力送電器104の筐体104aの最上面を熱質量130に結合することができる。いくつかの実施形態では、誘導電力送電器104の筐体104a自体の内部に熱経路602aを形成することができる。これらの例では、誘導電力送電器104の筐体104aは、高い熱伝導性を有する材料から形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、誘導電力送電器104の筐体104aは金属から形成することができる。他の例では、誘導電力送電器104の筐体104aは、セラミック材料の熱伝導率を高めるために熱伝導ドーパントをドープされてもよいセラミック材料から形成することができる。通例、本明細書において説明されている熱経路は、インタフェース区域又はインタフェース面106などの、熱の伝導元の区域の熱伝導率よりも大きい熱伝導率を有する。
【0095】
他の実施形態では、誘導電力送電器104の筐体104aの内面又は外面上に配置されたコーティング内に熱経路602bを形成することができる。これらの例では、コーティングは、高い熱伝導率を有する材料から形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、コーティングは金属材料から形成することができる。他の例では、コーティングは、熱伝導ポリマー又はセラミック材料から形成することができる。なお更なる実施形態では、コーティングのために選択される材料には、コーティングの熱伝導率を増大させるために、熱伝導ドーパントをドープすることができる。
【0096】
多くの例では、誘導電力送電器104の筐体104aの内面又は外面上のコーティングは、筐体104aの外面及び/又は側壁全体を覆うように配置することができる。他の例では、コーティングは、筋及び/又は物理的熱経路に形成することができる。いくつかの実施形態では、コーティングは、誘導電力送電器104の筐体104aのために選択された材料と美的に調和する材料から形成することができる。例えば、
図1Bに示される実施形態などのいくつかの実施形態では、誘導電力送電器104は実質的に円筒状の(例えば、円盤)形状をとることができる。これらの例では、コーティングはハブ−スポーク構成で配置することができる。換言すれば、熱伝導コーティングは、筐体の最上面の中心から発する放射状の筋の形態で適用することができる。他の実施形態では、コーティングは別のパターンで適用することができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、誘導電力送電器104の筐体104aの内面上に配置されたコーティング内に熱経路602cを形成することができる。誘導電力送電器104の筐体104aの外面上に配置されてもよいコーティングと同様に、熱経路602を形成するコーティングは、高い熱伝導率を有する材料から形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、コーティングは金属材料から形成することができる。他の例では、コーティングは、熱伝導ポリマー又はセラミック材料から形成することができる。なお更なる実施形態では、コーティングのために選択される材料には、コーティングの熱伝導率を増大させるために、熱伝導ドーパントをドープすることができる。
【0098】
熱経路602bを画定してもよいコーティングと同様に、熱経路602cを画定するコーティングは、筐体の内部表面及び/又は側壁全体を覆うように配置することができる。他の例では、コーティングは、筋及び/又は物理的熱経路に形成することができる。熱経路602bを画定してもよいコーティングと同様に、熱経路602cを画定するコーティングは、ハブ−スポーク構成で配置することができる。換言すれば、熱伝導コーティングは、筐体104aの最上面の中心から発する放射状の筋の形態で適用することができる。他の実施形態では、コーティングは別のパターンで適用することができる。
【0099】
上述されたように、熱経路602a、602b、及び602cは、熱を熱質量130内へ案内するように構成されることができ、熱はそこに一時的に蓄積してもよい。熱経路602a、602b、及び602cが熱質量130に熱的に結合する地点は、(いくつかの実施形態では)高温箇所604a、604bを発達させ得る。他の実施形態では、熱質量130を形成するために用いられる材料(若しくは材料群)の熱容量及び熱伝導率は、高温箇所604a、604bの発達を軽減することができる。例えば、熱質量130が、高い熱伝導率を有する材料から形成される場合には、高温箇所604a、604bは発達しなくなり得る。
【0100】
熱経路602a、602b、及び602cを通って(高温箇所604a、604bを通って)熱質量130内へ伝導された熱は、熱質量130の本体606内に蓄積することができ、熱質量130の正味温度を上昇させる。多くの例では、熱質量130のために選択される材料(又は材料群)の熱容量は、誘導電力伝送インタフェースの推定最大使用時間に少なくとも一部基づいて選択することができる。例えば、誘導電力伝送インタフェースが動作するのは一度に1時間以下であると予想される場合には、熱質量130の熱容量は、熱源600によって発生された熱を1時間にわたって効果的に吸収し、蓄積し、蓄えるように選択することができる。
【0101】
他の例では、図示のように、熱質量130の本体606内に蓄積された熱は、熱経路608を経由し、熱質量の底面を通して周囲環境内へ放射されることができる。他の例では、熱質量130によって蓄積された熱は、熱質量130の1つ以上の側壁を通して周囲環境内へ放射されることができる(図示されていない)。
【0102】
加えて、熱質量130の本体606内に蓄積された熱は、ケーブル108を通して外に放射されることができる。これらの例では、熱質量130は、ケーブル108の1つ以上の熱伝導部分に熱的に結合されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、ケーブル108は、熱エネルギーを熱質量130から逃がすよう案内するために、熱質量130に結合されることができる遮蔽及び/又は接地シース108aを含むことができる。他の例では、熱質量は、ケーブル108内の1本以上の配線又は配線束に熱的に結合されることができる。例えば、熱質量130は、ケーブル108内の接地接続に結合されることができる。別の実施形態では、熱質量130は、電気的に不活性であるが、熱伝導性を有する要素(図示されていない)を介して、電気的に活性の配線に結合されることができる。
【0103】
更なる実施形態では、熱質量130は、誘導電力送電器104自体の内部で発生された熱を吸収し、蓄積するように構成することができる。例えば、誘導電力送電器104の動作構成要素の下方に、熱経路612を形成するようにサーマルペーストを配置することができる。
【0104】
加えて、多くの実施形態では、熱質量130は、(図示のように)誘導電力送電器104の筐体104a内において、誘導電力受電器102及び熱源600と直接接触するインタフェース面106から一定の距離、離れて配置されてもよい。熱質量130と誘導電力受電器102の底面との物理的分離は、誘導電力受電器102から離れた熱質量130からの熱放射を促進することができる。したがって、より一般的に、誘導電力送電器104の筐体104aの上部部分104b又はその他の部分内に、熱経路(例えば、熱経路602a、602b、602c)が組み込まれてもよい。
【0105】
上述のように、筐体104aは、第1の熱伝導度を有する第1の材料から作製されてもよく、熱経路は、第2の熱伝導度を有する第2の材料から作製されてもよい。他の例では、筐体104a及び熱経路は同じ材料で作製されてもよい。例として、筐体104aはセラミック材料から作製されてもよく、熱経路は、金属線条をドープされたセラミック又はプラスチック材料から作製されてもよい。多くの場合、金属線条はそれらの熱伝導率に関して選択されてもよい。ドーパントとして用いられる金属線条は熱経路の熱伝導率を増大させ得るが、その内部に生じる渦電流による効率損失のリスクをも増大させ得る。これらの例では、金属線条は、渦電流が生じにくいか、又は生じないようなサイズに作られてもよい。代替実施形態では、金属線条を包含する熱経路は、特別に選択された幾何形状(例えば、S字状パターン、スポーク及びハブパターン、ハッチパターン、格子パターンなど)で配置されてもよい。選択される熱経路の幾何形状は、渦電流が発達する可能性を低減又は解消するように選定されてもよい。
【0106】
いくつかの更なる実施形態は、誘導電力送電器104の筐体104aの周りをくるむ熱経路を含む。例えば、熱経路は、熱を、誘導電力受電器102の高温箇所から誘導電力送電器104の筐体104aの外縁部へ分散させるように規定されてもよい。これらの例では、誘導電力送電器104の筐体104aの表面積は高温箇所自体の表面積よりも大きいため、熱はより効率的に散逸され得る。
【0107】
多くの実施形態では、熱経路は、熱を誘導電力送電器104のインタフェース区域から熱質量に向けて逃がすよう案内してもよい。
【0108】
なお更なる実施形態では、熱経路は、熱をインタフェース区域からケーブル108内へ逃がすよう案内してもよい。このような実施形態では、ケーブル108、及び誘導電力送電器104の筐体104aに熱的に結合された少なくとも1つの導体対を包囲するように位置付けられた熱伝導性シールド層。このように、ケーブル108の熱伝導性遮蔽は、追加的又は代替的な熱経路としての機能を果たし得る。換言すれば、インタフェース区域において発生された熱は、熱経路によって熱質量130又はケーブル108のいずれかの内部へ案内されてもよい。このように、ケーブル108は、誘導電力送電器104から熱を逃がすよう案内するように構成されてもよい。
【0109】
図7は、誘導電力送電器104の上部部分若しくは表面、並びにその下方に位置付けられた熱質量130を熱的に結合し、それらの間の熱経路702を形成するサーマルビア700の形態をとる熱経路を示す、切り口A−Aに沿って見た、
図1のシステムの構成例に関する断面である。
【0110】
本開示では、開示された方法は、命令セット又はデバイスにより読み取り可能なソフトウェアとして実装されてよい。更に、開示された方法におけるステップの具体的な順序又は階層は、サンプルアプローチの例であることが理解される。いくつかの実施形態では、本方法におけるステップの具体的な順序又は階層は、本開示の主題の範囲内にとどまりつつ、再編成されてもよい。付随する方法の特許請求の範囲は、サンプル順序における様々なステップの要素を提示し、提示の具体的な順序又は階層を必ずしも限定することを意図しない。
【0111】
前述の説明は、記述される実施形態の完全な理解を提供するために、説明を目的として特定の専門用語を使用した。しかし、記述される実施形態を実践するために、特定の詳細が必要とされないことが当業者にとって明らかであろう。それゆえ、本明細書で説明した具体的な実施形態の上述の説明は、例示及び説明の目的のために提示されるものである。説明は、排他的であること及び実施形態を開示される厳密な形態に限定することを目的としない。上記の教示を考慮して多くの変更及び変形が可能であることが当業者には明らかとなるであろう。