特許第6446500号(P6446500)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6446500光学テープ駆動可動平坦化装置サブシステム、および光ピックアップユニットに対する損傷を最小限にするための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6446500
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】光学テープ駆動可動平坦化装置サブシステム、および光ピックアップユニットに対する損傷を最小限にするための方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 7/003 20060101AFI20181217BHJP
   G11B 15/60 20060101ALI20181217BHJP
   G11B 7/12 20120101ALI20181217BHJP
   G11B 7/121 20120101ALI20181217BHJP
【FI】
   G11B7/003 Z
   G11B15/60
   G11B7/12
   G11B7/121
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-93858(P2017-93858)
(22)【出願日】2017年5月10日
(62)【分割の表示】特願2016-24679(P2016-24679)の分割
【原出願日】2011年6月13日
(65)【公開番号】特開2017-157266(P2017-157266A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2017年5月25日
(31)【優先権主張番号】12/814,810
(32)【優先日】2010年6月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502303739
【氏名又は名称】オラクル・インターナショナル・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーナド,ファラマーズ
【審査官】 中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−287850(JP,A)
【文献】 実開昭60−175345(JP,U)
【文献】 実開昭51−145013(JP,U)
【文献】 米国特許第06710968(US,B1)
【文献】 実公昭40−029338(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 7/003
G11B 7/12
G11B 7/121
G11B 15/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ駆動システムであって、
記憶テープから情報を読み出すかまたは情報を記憶テープに書き込むためのテープヘッドと、
前記テープヘッドに対して前記記憶テープを移動させるように構成されたテープ支持構造体と、
前記テープ支持構造体を付勢して、前記テープヘッドと前記記憶テープとの間の隙間を増大または減少させるように構成されたアクチュエータとを備え
前記アクチュエータは、動作位置に対応し、記憶テープから情報を読み取るかまたは記憶テープに情報を書き込む第1の位置と、非動作位置に対応し、前記テープヘッドを損傷することなくテープリーダが前記テープヘッドに対して移動することを可能にする第2の位置とを含む、テープ駆動システム。
【請求項2】
前記アクチュエータは、前記隙間を増大させる第1の位置と前記隙間を減少させる第2の位置との間で前記テープ支持構造体を回転させる、請求項に記載のテープ駆動システム。
【請求項3】
前記第1の位置は、前記アクチュエータに印加される第1の電流に対応し、前記第2の位置は、前記アクチュエータに印加される第2の電流に対応する、請求項1または2に記載のテープ駆動システム。
【請求項4】
テープ駆動システムであって、
記憶テープから情報を読み出すかまたは情報を記憶テープに書き込むためのテープヘッドと、
前記テープヘッドに対して前記記憶テープを移動させるように構成されたテープ支持構造体と、
前記テープ支持構造体を付勢して、前記テープヘッドと前記記憶テープとの間の隙間を増大または減少させるように構成されたアクチュエータとを備え
前記アクチュエータは、テープ暴走または停電に応答して前記テープヘッドへの損傷を防止するために前記隙間を増大させるフェールセーフ機構を含む、テープ駆動システム。
【請求項5】
前記アクチュエータは、特定の事象に応答して前記隙間を増大させるよう前記テープ支持構造体を付勢させる、請求項に記載のテープ駆動システム。
【請求項6】
前記アクチュエータは、逆起電力を使用して前記隙間を増大させるよう前記テープ支持構造体を付勢する、請求項またはに記載のテープ駆動システム。
【請求項7】
前記アクチュエータは磁気アクチュエータである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のテープ駆動システム。
【請求項8】
前記アクチュエータはモータを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のテープ駆動システム。
【請求項9】
前記アクチュエータは、前記テープヘッドと前記記憶テープとの間の前記隙間を増大または減少させるよう回転する、請求項1〜8のいずれか項に記載のテープ駆動システム。
【請求項10】
前記アクチュエータは、前記テープ支持構造体を付勢するためのばねを備える、請求項1〜のいずれか一項に記載のテープ駆動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、光学テープ駆動システムにおいて光ピックアップユニット(OPU)の前に光学テープ媒体を位置決めするための平坦化支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
最適性能を求めて、光学記録システムは、光ピックアップユニット(OPU)の前において移動するテープ媒体の精密な位置決めおよび平坦化をあたえる電気機械的なテープ送りサブシステムを伴う光学テープ駆動部を必要とする。テープ媒体の精密な位置決めおよび平坦化は、OPUの対物レンズの正確な合焦およびトラッキング動作を確実にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第96/08818号
【特許文献2】特開平04−019858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、光学ヘッド対物レンズ合焦規格は、媒体およびOPU配置に対して厳格な接近要件を規定する。これは、テープ供給リールおよび巻取リールの結合リーダ(テープバックル)の設計および動作を困難にする。そのような困難は、光学媒体およびOPUレンズ合焦距離の間隔要件に対してテープリーダが相対的に大きな寸法を有することから生じる。この点に関し、テープ送りサブシステムを介する大きな寸法のテープリーダの通過は、光学記録システムの最適性能のために必要とされる光学テープおよびOPUの接近により、OPUに損傷を引起す場合がある。
【0005】
その結果、そのような問題を克服する光学記録システムにおける電気機械的なテープ送りサブシステムに対するニーズが存在する。そのようなテープ送りサブシステムは、光学記録システムの最適性能を確実にするためにOPUの前においてテープ媒体の精密な位置決めおよび平坦化をあたえながらも、サブシステムを介するテープリーダ通過によるOPUの損傷の可能性を低減するだろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
ここに開示される一実施例によれば、光学テープ駆動システムにおいて、可動平坦化装置サブシステムが提供される。可動平坦化装置サブシステムは光学テープ平坦化装置を支持するためのテープ平坦化装置支持構造体を含み、支持構造体は動作位置と非動作位置との間において回転可能である。可動平坦化装置サブシステムは、さらに、テープ平坦化装置支持構造体に固定的に取付けられた回転可能なシャフトと、回転可能なシャフトを回転させ、それによって支持構造体および光学テープ平坦化装置を動作位置と非動作位置との間において回転させるためのアクチュエータとを含む。支持構造体の動作位置は、光ピックアップユニット(OPU)を介して光学テープにおける情報の読出し/書込みを可能にするよう、光学テープ平坦化装置を位置決めする。支持構造体の非動作位置は、OPUに対する損傷なしでテープ駆動システムを介するテープリーダの通過を可能にするよう、光学テープ平坦化装置を位置決めする。
【0007】
別の実施例に従うと、光学テープ駆動システムにおいて、可動平坦化装置サブシステムが設けられ、この可動平坦化装置サブシステムは、光学テープ平坦化装置を支持するためのテープ平坦化装置支持構造体を含み、支持構造体は、動作位置と非動作位置との間において可動であり、可動平坦化装置サブシステムはさらに、支持構造体および光学テープ平坦化装置を動作位置と非動作位置との間において移動させるためのアクチュエータを含む。支持構造体の動作位置は、光ピックアップユニット(OPU)を介して光学テープにおける情報の読出し/書込みを可能にするよう、光学テープ平坦化装置を位置決めし、支持構造体の非動作位置は、OPUに対する損傷なしでテープ駆動システムを介するテープリーダの通過を可能にするよう、光学テープ平坦化装置を位置決めする。
【0008】
さらに他の実施例によれば、光学テープ駆動システムにおいて光ピックアップユニット(OPU)に対する損傷を最小限にするための方法が提供される。この方法は、光学テープ平坦化装置を支持するテープ平坦化装置支持構造体を動作位置に移動するステップを含み、支持構造体の動作位置は、OPUを介して光学テープにおける情報の読出し/書込みを可能にするよう、光学テープ平坦化装置を位置決めする。この方法は、さらに、テープ平坦化装置支持構造体を非動作位置に移動するステップを含み、支持構造体の非動作位置は、OPUに対する損傷なしでテープ駆動システムを介する光学テープリーダの通過を可能にするよう、光学テープ平坦化装置を位置決めする。
【0009】
これらの実施例および添付の図面の詳細な説明を以下に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ここに開示される可動テープ平坦化装置サブシステムの実施例で用いられる例示的な前面要素の断面図である。
図2a】可動テープ平坦化装置が通常の読取りおよび書込み動作のために位置決めされた光学テープ送りサブシステムの一実施例の上面図である。
図2b】可動テープ平坦化装置がテープ装填および装填解除動作のために位置決めされた図2aの光学テープ送りサブシステムの実施例の上面図である。
図3a】ここに開示される可動テープ平坦化装置サブシステムの実施例で用いられる双安定ロータリーアクチュエータの簡略図であり、アクチュエータ回転子の通電される位置および通電が切られる位置が、固定子に関連して示される図である。
図3b】ここに開示される可動テープ平坦化装置サブシステムの実施例で用いられる双安定ロータリーアクチュエータの簡略図であり、アクチュエータ回転子の通電される位置および通電が切られる位置が、固定子に関連して示される図である。
図3c】ここに開示される可動テープ平坦化装置サブシステムの実施例で用いられる双安定ロータリーアクチュエータの簡略図であり、アクチュエータ回転子の通電される位置および通電が切られる位置が、固定子に関連して示される図である。
図3d】ここに開示される可動テープ平坦化装置サブシステムの実施例で用いられる双安定ロータリーアクチュエータの簡略図であり、アクチュエータ回転子の通電される位置および通電が切られる位置が、固定子に関連して示される図である。
図4a】可動テープ平坦化装置が、図3a〜図3dで示されるような双安定ロータリーアクチュエータを伴い、通常の読取りおよび書込み動作のために位置決めされた、光学テープ送りサブシステムの一実施例の上面図である。
図4b】可動テープ平坦化装置が、図3a〜図3dで示されるような双安定ロータリーアクチュエータを伴い、テープ装填および装填解除動作のために位置決めされた、図4aの光学テープ送りサブシステムの実施例の上面図である。
図5a】可動テープ平坦化装置が、図3a〜図3dで示されるような双安定ロータリーアクチュエータをばね機構とともに伴い、通常の読出しおよび書込み動作のために位置決めされた、光学テープ送りサブシステムの別の実施例の上面図である。
図5b】可動テープ平坦化装置が、図3a〜図3dで示されるような双安定ロータリーアクチュエータをばね機構とともに伴い、テープ装填および装填解除動作のために位置決めされた、図5aの光学テープ送りサブシステムの実施例の上面図である。
図6a】可動テープ平坦化装置が、図3a〜図3dで示されるような双安定ロータリーアクチュエータを伴い、通常の読取りおよび書込み動作のために位置決めされた、光学テープ送りサブシステムの別の実施例の上面図である。
図6b】可動テープ平坦化装置が、図3a〜図3dで示されるような双安定ロータリーアクチュエータを伴い、テープ装填および装填解除動作のために位置決めされた、図6aの光学テープ送りサブシステムの実施例の上面図である。
図7】光学テープ駆動システムにおいて光ピックアップユニットに対する損傷を最小限にするためにここに開示される方法の実施例を示す、単純化されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な記載
図1図7を参照して、光学テープ駆動システムで用いられる可動テープ平坦化装置サブシステム、および光学テープ駆動システムにおいて光ピックアップユニットに対する損傷を最小限にするための方法が記載される。例示を容易にするため、および理解を容易にするため、同様の参照番号は、ここにおいては、図面の全体にわたって、同様の構成要素および特徴に対して用いられている。
【0012】
まず、図1を参照して、ここに開示される可動テープ平坦化装置サブシステムの実施例で用いられる例示的な前面要素(10)の断面図が示される。図1において見られるように、前面要素(10)は、4mmの長さLおよび0.5〜1.5mmの深さDをあたえられてもよい。前面要素(10)は、6.5〜9.5mmの半径Rをあたえられてもよい支持面(12)を有する。前面要素(10)は当該技術分野において公知の任意の態様において、非常に研磨されたアルミナまたは他の種類のセラミック材から製造されてもよい。
【0013】
図2aは、可動テープ平坦化装置(16)が通常の読取りおよび書込み動作のために位置決めされた光学テープ送りサブシステム(14)の一実施例の上面図である。図2bは、可動テープ平坦化装置(16)がテープ装填および装填解除動作のために位置決めされた、図2aの光学テープ送りサブシステム(14)の実施例の上面図である。そこに見られるように、テープ媒体(18)は、その支持および光ピックアップユニット(OPU)(20)における通過が、供給リールおよび巻取リール(22、24)ならびにガイドローラ(26)によって行われる。
【0014】
図2aおよび図2bにおいて示されるように、可動テープ平坦化装置(16)は、回転可能なシャフト(30)にそれ自体は取付けられ得る、平坦化装置支持構造体(28)の上に取付けられた前面要素(10)(図1を参照)を含む。この回転可能な構造は、アクチュエータ(図示せず)を介して、平坦化支持面(12)を、第1の位置もしくは動作位置(図2aを参照)、または第2の位置もしくは非動作位置(図2bを参照)に移動させることを可能にする(図1を参照)。第1の位置または動作位置は、読出しおよび書込み動作を可能にするよう、OPU(20)の対物レンズ(32)の前にあり、およびそれに近い位置であり、第2の位置または非動作位置は、テープリーダ(34)がOPU(20)に対する損傷を引起すことなく、テープ媒体(18)の装填および装填解除中のように、光学テープ駆動システムを介するテープリーダ(34)の安全な通過を可能にするよう、OPU(20)から離れて間隔を置かれた位置である。
【0015】
回転可能なものとしてここに示され記載される一方で、平坦化装置支持構造体(28)は、代替的に、動作位置と非動作位置との間において他の態様で可動であってもよいことが注目されるべきである。たとえば、回転運動に加えて、または回転運動の代りに、平坦
化装置支持構造体(28)は、アクチュエータと協働して、前面要素(10)とOPU(20)との間の隙間または間隔を、読出しおよび書込み動作を可能にするよう必要とされるものから、テープリーダ(34)がOPU(20)に対する損傷を引起すことなく、テープ媒体(18)の装填および装填解除中のように、光学テープ駆動システムを介するテープリーダ(34)の安全な通過を可能にするのに十分なものにまで、増大するのに十分な、OPU(20)に対する平坦化装置支持構造体(28)の線形運動をあたえるよう、構成されてもよい。
【0016】
平坦化装置支持構造体(28)の回転運動を容易にするために、回動シャフト(30)または支持構造体(28)の本体は、双安定ロータリーアクチュエータの回転子に接続されてもよい。この点に関し、図3a〜図3dは、ここに開示される可動テープ平坦化装置サブシステムの実施例で用いられる双安定ロータリーアクチュエータ(36)の簡略図である。双安定ロータリーアクチュエータ(36)は、永久磁石回転子(38)、強磁性の固定子ハウジング(40)、停止バー(42)、およびコイル巻線(44)を含んでもよい。図3a〜図3dは、ロータリーアクチュエータ(36)の通電された状態および/または通電を切られた状態、ならびにその結果の、固定子(40)に対する回転子(38)の位置を示す。
【0017】
より具体的には、図3aおよび図3bにおいて見られるように、磁性回転子(38)と強磁性の固定子ハウジング(40)との間の磁気作用によって引起された回転子(38)の2つの代替的な安定位置は、固定子ハウジング(40)の内部または外部の、90度間隔で設置されている停止バー(42)の組によって抑制される。電流がアクチュエータ(36)の固定子ハウジング(40)のコイル(44)に印加されない状態では、回転子(38)はこれらの安定位置で静止しているままである。
【0018】
図3cおよび図3dにおいて見られるように、固定子(40)のコイル巻線(44)に十分な大きさパルスの電流iを印加することによって、回転子(38)は、パルス電流iの方向に依って、安定位置の一方にとどまるか、または他方の安定位置に移動する。たとえば、図3cにおいて示されるように、端子(48)から端子(46)にコイル(44)にわたってパルス電流を印加することによって、回転子(38)は安定位置(50)から位置(52)に移動される。図3dにおいて示される別の例においては、端子(46)から端子(48)にコイル(44)にわたって反対方向にパルス電流を印加することによって、回転子(38)は安定位置(54)から位置(56)に移動される。
【0019】
ここで図4aおよび図4bを参照して、図4aは、可動テープ平坦化装置(16)が、図3a〜図3dにおいて示されるタイプの双安定ロータリーアクチュエータを有し、通常の読出しおよび書込み動作に対して位置決めされた、光学テープ送りサブシステムの一実施例の上面図を示す。図4bは、可動テープ平坦化装置(16)が、双安定ロータリーアクチュエータ(36)を有し、テープ装填および装填解除動作に対して位置決めされた、図4aの光学テープ送りサブシステムの実施例の上面図を示す。
【0020】
そこに見られるように、回転可能なテープ平坦化装置(16)のテープ平坦化装置支持構造体(28)は、双安定ロータリーアクチュエータ(36)の回転子(38)に接続される。この点に関し、2つの機構の、移動する部分は、その動きを結合するためにシャフトを介して互いに堅固にまたは固定的に取付けまたは接続されてもよい。その結果、適切な方向における電流のパルスの印加によって、上に詳細に図3a〜図3dと関連して記載されるように、可動テープ平坦化装置(16)は、読出しおよび書込み動作を可能にするよう、OPU(20)の前にあり、およびそれに近い、動作位置(図4aを参照)か、またはテープリーダ(34)がOPU(20)に対する損傷を引起すことなく、テープリーダ(34)の通過を可能にするよう、OPU(20)から離れて間隔を置かれた非動作位
置(図4bを参照)に移動されてもよい。
【0021】
図5aおよび図5bを参照して、図5aは、可動テープ平坦化装置(16)が、図3a〜図3dで示されるような双安定ロータリーアクチュエータ(36)をばね機構(50および/または52)とともに伴う、光学テープ送りサブシステム(14)の別の実施例の上面図であり、可動テープ平坦化装置(16)は通常の読出しおよび書込み動作のために位置決めされている。図5bは、可動テープ平坦化装置(16)が、図3a〜図3dで示されるような双安定ロータリーアクチュエータ(36)をばね機構(50および/または52)とともに伴う、図5aの光学テープ送りサブシステム(14)の実施例の上面図であり、可動テープ平坦化装置(16)はテープ装填および装填解除動作のために位置決めされている。
【0022】
そこに見られるように、機械ばねは、読出しおよび/または書込み動作を可能にするよう、可動テープ平坦化装置(16)を、OPU(20)の前でありOPU(20)に近い動作位置に置く位置にアクチュエータ(36)の回転子(38)を保持するために利用されてもよい(図5a)。機械ばねは、ロータリーばね(50)、真っすぐなばね(52)または当該技術分野において公知である任意の他の種類のばねであってもよい。
【0023】
コイル(44)に適切な連続的な電流を印加することは、テープ媒体(18)の装填中や装填解除時のような、OPU(20)通過するテープリーダ(34)の安全な通過のためにOPU(20)から離れて間隔を置かれた非動作位置に、テープ平坦化装置(16)を移動させる(図5b)。単純なラッチ機構(図示せず)または付加的な電磁力を適用することにより、さらに、読出しおよび/または書込み動作のために、OPU(20)の前およびOPU(20)に近い動作位置に可動テープ平坦化装置(16)の位置を安定させることができることが、注目されるべきである。
【0024】
次に図6aおよび図6bを参照して、図6aは、可動テープ平坦化装置(16)が、図3a〜図3dで示されるような双安定ロータリーアクチュエータ(36)を伴い、通常の読取りおよび書込み動作のために位置決めされた、光学テープ送りサブシステム(14)の別の実施例の上面図である。図6bは、可動テープ平坦化装置(16)が、図3a〜図3dで示されるような双安定ロータリーアクチュエータ(36)を伴い、テープ装填および装填解除動作のために位置決めされた、図6aの光学テープ送りサブシステム(14)の実施例の上面図である。
【0025】
図6aおよび図6bに示される実施例は、停電またはテープ巻き戻しの場合にテープリーダ(34)からOPU(20)への損傷を最小限にするためにフェールセーフ機構を組込む。たとえば、通常のテープ移動動作中の電力損失の場合において、テープ駆動スピンドルモータ(図示せず)の逆起電力(逆EMF)を利用して固定子(40)に通電して、OPU(20)から離れて間隔を置かれた非動作安全位置に向かってテープ平坦化装置(16)を移動させ、それによって、OPU(20)への損傷を伴わないテープリーダ(34)の通過を可能にしてもよい。
【0026】
その同じ点に関し、図6aおよび図6bにおいて見られるように、テープリーダ(34)はピン(56)を設けられてもよい。前面要素(10)または回転可能なテープ平坦化装置(16)の平坦化装置支持構造体(28)は、テープリーダ(34)がOPU(20)を通過する際にテープリーダ(34)のピン(56)と接触するように構成されるエッジを設けられてもよい。テープリーダ(34)がOPU(20)に接近する際のテープリーダ(34)のピン(56)と前面要素(10)または平坦化装置支持構造体(28)のエッジとのそのような機械的結合(図6aを参照)は、可動テープ平坦化装置(16)の回転を、読出しおよび/または書込み動作が可能になるOPU(20)の前およびOPU
(20)に近い動作位置から、OPU(20)から離れて間隔を置かれた非動作位置(図6bを参照)に向かって強制し、それによって、OPU(20)を破損せずに、テープリーダ(34)の安全な通過を可能にする。
【0027】
ここで図7を参照して、光学テープ駆動システムにおいて光ピックアップユニット(OPU)への損傷を最小限にするためにここに開示される方法(70)の実施例を示す、単純化されたフローチャートが示される。そこに見られるように、この方法(70)は、光学テープ平坦化装置を支持するテープ平坦化装置支持構造体を動作位置に移動するステップ(72)を含む。支持構造体の動作位置は、OPUを介して光学テープにおける情報の読出し/書込みを可能にするよう、光学テープ平坦化装置を位置決めする。
【0028】
さらに、光ピックアップユニット(OPU)への損傷を最小限にするための方法(70)は、テープ平坦化装置支持構造体を非動作位置に移動するステップ(74)を含む。支持構造体の非動作位置は、OPUに対する損傷なしでテープ駆動システムを介する光学テープリーダの通過を可能にするよう、光学テープ平坦化装置を位置決めする。
【0029】
この点に関し、先に上に図2図6と関連して記載されたように、テープ平坦化装置支持構造体を動作位置および非動作位置に移動するステップ(72、74)は、双安定ロータリーアクチュエータにおいて永久磁石回転子とともに動作に対して構成された磁気固定子のコイル巻線に通電することおよび通電を切ることを含んでもよい。回転子は、テープ平坦化装置支持構造体と協働して、回転子の回転が動作位置と非動作位置との間のテープ平坦化装置支持構造体の回転運動をあたえるようにする。
【0030】
同様に、テープ平坦化装置支持構造体を動作位置および非動作位置に移動するステップ(72、74)は、固定子のコイル巻線に第1の電流および第2の電流を通電することを含んでもよく、固定子は、再び、双安定ロータリーアクチュエータにおいて、永久磁石回転子とともに、動作に対して構成される。もう一度、回転子は、テープ平坦化装置支持構造体と協働して、回転子の回転が動作位置と非動作位置との間のテープ平坦化装置支持構造体の回転運動をあたえるようにする。
【0031】
前述の記載から容易に明らかなように、光学テープ駆動部を通るテープリーダ通過による、光学テープ駆動部における光ピックアップユニット(OPU)に対する損傷の可能性を低減する、光学記録システムにおけるテープ送りサブシステムで用いられる可動テープ平坦化装置が開示された。同様に、可動テープ平坦化装置は、光学記録システムの最適性能を確実にするためにOPUの前においてテープ媒体の精密な位置決めおよび平坦化をあたえ続ける。
【0032】
可動テープ平坦化装置および光学テープ駆動システムにおいて光ピックアップユニットに対する損傷を最小限にするための方法のある実施例がここに例示され記載される一方で、それらは単に例示的なものであって、可能なもの全てを例示および/または記載するように意図されるものではない。むしろ、ここに用いられる文言は限定ではなく記載の文言であり、さまざまな変更が特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱せずに行われてもよいことが理解される。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図3d
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7