特許第6446510号(P6446510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6446510
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】タッチパネル及びその駆動装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20181217BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   G06F3/041 600
   G06F3/041 412
   G06F3/044 126
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-127221(P2017-127221)
(22)【出願日】2017年6月29日
(62)【分割の表示】特願2015-168659(P2015-168659)の分割
【原出願日】2015年8月28日
(65)【公開番号】特開2017-199412(P2017-199412A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2017年7月19日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0113442
(32)【優先日】2014年8月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ウォン, ジョンヒ
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ソンヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ウンジョン
【審査官】 桜井 茂行
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0265256(US,A1)
【文献】 特表2013−501287(JP,A)
【文献】 特開2013−171369(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/098946(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/192786(WO,A1)
【文献】 特開2014−194591(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/080924(WO,A1)
【文献】 特開2011−134000(JP,A)
【文献】 特開平05−061592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1タッチ電極と、
複数の第2タッチ電極と、
前記複数の第1タッチ電極と前記複数の第2タッチ電極に接続されたドライバを含み、
前記ドライバは、
ッチのフォースレベルをセンシングするために少なくとも1つの第1タッチ駆動信号を第1タッチ電極に供給し、タッチ領域に該当する第1タッチ電極のサブセット(subset)を示すデータを生成し、
前記タッチ領域に該当する前記複数の第2タッチ電極のサブセットを示す少なくとも1つの制御信号に基づいて、前記タッチの位置をセンシングするために少なくとも1つの第2タッチ駆動信号を前記第2タッチ電極のサブセットに供給し、
前記タッチ領域に該当する前記第1タッチ電極のサブセットを示すデータ基づいて、前記タッチ領域に該当する前記第2タッチ電極のサブセットを示す前記少なくとも1つの制御信号を生成するコントローラをさらに含む、タッチセンシング表示装置。
【請求項2】
前記ドライバは、
前記タッチのフォースレベルをセンシングするために少なくとも1つの第1タッチ駆動信号を前記第1タッチ電極に供給し、前記タッチ領域に該当する第1タッチ電極のサブセットを示すデータを生成する第1タッチドライバと、
前記タッチ領域に該当する前記複数の第2タッチ電極のサブセットを示す少なくとも1つの制御信号に基づいて、前記タッチの位置をセンシングするために少なくとも1つの第2タッチ駆動信号を前記第2タッチ電極のサブセットに供給する第2タッチドライバを含む、請求項に記載のタッチセンシング表示装置。
【請求項3】
前記タッチと前記第1タッチ電極の間の距離は、前記タッチと前記第2タッチ電極の間の距離とは異なる、請求項に記載のタッチセンシング表示装置。
【請求項4】
前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極との間に配置されたカラーフィルタ基板をさらに含む、請求項に記載のタッチセンシング表示装置。
【請求項5】
前記複数の第1タッチ電極は、前記カラーフィルタ基板上に配置され、
前記複数の第2タッチ電極は、前記カラーフィルタ基板下に配置された、請求項に記載のタッチセンシング表示装置。
【請求項6】
記第1タッチ電極は、前記カラーフィルタ基板に設けられたオンセル(oncell)タイプのタッチ電極であり、
記第2タッチ電極は、TFTアレイ基板に設けられたインセル(in−cell)タイプのタッチ電極である、請求項に記載のタッチセンシング表示装置。
【請求項7】
前記カラーフィルタ基板上に配置されたカバー基板と、
前記カラーフィルタ基板と前記カバー基板の間配置された弾性誘電体層をさらに含む、請求項に記載のタッチセンシング表示装置。
【請求項8】
前記弾性誘電体層は、タッチの力によって厚さが変化して前記タッチを引き起こす物体と前記第1タッチ電極との間の静電容量変化させる、請求項に記載のタッチセンシング表示装置。
【請求項9】
前記弾性誘電体層は、PDMS(polydimethylsiloxane)、アクリル(acrylic)あるいはポリウレタン(poly−urethane)のうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載のタッチセンシング表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチの位置センシング及び力センシングが可能であり、タッチセンシングの駆動時間を短縮しながらも、タッチセンシング性能を向上させることができるタッチパネルを含むタッチセンシングディスプレイ装置及びその駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ装置の入力装置として、従来適用されていたマウスやキーボードなどの入力装置の代わりに、ユーザが指やペンを用いてスクリーンに直接情報を入力できるタッチパネルが適用されている。このようなタッチスクリーンは、誰でも容易に操作できるという利点によって適用が拡大されている。
【0003】
最近になって、液晶ディスプレイ装置にタッチスクリーンを適用する際に、スリム(Slim)化のために液晶パネルの内部にタッチセンサが内蔵された形態で開発が行われている。以下の説明において、タッチパネルは、液晶パネルの内部にタッチセンサが内蔵されたことを意味する。
【0004】
タッチパネルは、タッチ感知方式によって、抵抗方式、静電容量方式、赤外線感知方式などに区分することができ、最近は、製造方式の利便性及びセンシング感度などで利点を有する静電容量方式が注目を浴びている。静電容量方式のタッチパネルは、相互静電容量(mutual capacitance)方式と自己静電容量(self capacitance)方式とに区分される。
【0005】
図1は、従来技術によるタッチパネルの断面構造を概略的に示す図である。
【0006】
図1を参照すると、従来技術によるタッチパネル1は、複数の画素及びTFTアレイが形成された下部基板、カラーフィルタアレイが形成された上部基板、偏光フィルム及びガラスを含んで構成される。下部基板(TFTアレイ基板)には、画素電極及び共通電極が形成されている。このとき、共通電極をディスプレイのための用途だけでなくタッチ電極として利用する。
【0007】
図2は、従来技術によるタッチパネルのタッチ電極を概略的に示す図である。図2では、自己静電容量(self capacitance)で全タッチ電極をセンシングするオールポイントセルフキャパシタンスタッチ(All point self capacitance touch)方式のタッチパネルを示している。
【0008】
図2を参照すると、複数の画素単位で共通電極をグルーピングして複数のタッチ電極10を形成する。全タッチ電極10のタッチをセンシングするために、複数の伝導性ライン20を介して各タッチ電極10をタッチドライバ30に接続させる。
【0009】
このようなオールポイントセルフキャパシタンスタッチ方式のタッチパネル1は、1フレーム期間をディスプレイ期間とタッチセンシング期間とに分け、時分割方式でディスプレイ駆動及びタッチセンシング駆動を行うようになる。
【0010】
ディスプレイ期間には、画素電極に画素電圧を供給し、共通電極(タッチ電極)に共通電圧を供給して画像を表示する。そして、タッチ期間には、共通電極からなる各タッチ電極にタッチ駆動信号を供給した後、各タッチ電極の静電容量をセンシングしてタッチの有無及びタッチ位置をセンシングする。タッチセンシング期間には、各画素のTFTには信号を印加しないか、またはタッチ駆動信号と同じレベルの電圧を印加して寄生容量を減少させている。
【0011】
従来技術によるオールポイントセルフキャパシタンスタッチ方式のタッチパネル1は、チャンネル数が増加するにつれて、タッチドライバのサイズが増加し、寄生キャップによってタッチ性能が減少するという問題がある。また、多くのチャンネル数によりタッチ駆動時間が増加してしまい、タッチ駆動時間を確保するのに困難がある。反面、タッチ駆動時間を十分に確保しようとする場合には、相対的にディスプレイ期間が減少するという問題がある。
【0012】
最近になって、タッチの有無及び位置のセンシングだけでなく、タッチ時に加わる力(force)をセンシングすることができるタッチパネルに対する関心が高まっている。しかし、従来技術によるタッチパネル1は、共通電極をタッチ電極として活用するため、タッチ電極の構造的な問題により、タッチ時に加わる力をセンシングするのに困難がある。
【0013】
力をセンシングするためには、TFTアレイ基板に弾性誘電体を形成しなければならないが、弾性誘電体によりディスプレイの駆動が円滑に行われないことがあるため、TFTアレイ基板に弾性誘電体を適用するのに制約がある。また、弾性誘電体の製造工程が複雑であるため、製造コストが増加するという問題がある。そして、タッチ力によって弾性誘電体が押されて静電容量が変化する量が非常に少ないため、要求水準を満たすタッチ力検出性能を得ることができないという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上述した問題点を解決するためのもので、タッチセンシング及び力センシングが可能なタッチパネル及びその駆動装置を提供することを技術的課題とする。
【0015】
本発明は、上述した問題点を解決するためのもので、タッチセンシングの駆動時間を短縮しながらも、タッチセンシング性能を向上させることができるタッチパネル及びその駆動装置を提供することを技術的課題とする。
【0016】
本発明は、上述した問題点を解決するためのもので、ディスプレイ期間を十分に確保して表示品質を高めることができるタッチパネルを提供することを技術的課題とする。
【0017】
上記で言及した本発明の技術的課題以外にも、本発明の他の特徴及び利点が、以下で記述されたり、そのような記述及び説明から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置は、カラーフィルタと、タッチ力のセンシングのための複数の第1タッチ電極と、タッチ位置をセンシングするための複数の第2タッチ電極及び複数の第3タッチ電極とを含む。前記複数の第2タッチ電極及び前記複数の第3タッチ電極は、前記カラーフィルタによって前記複数の第1タッチ電極と分離されている。
【0019】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置は、第1タッチ駆動部及び第2タッチ駆動部を含む。前記第1タッチ駆動部は、少なくとも1つの第1タッチ駆動信号を、タッチ力の強度をセンシングするための第1タッチ電極に供給する。前記第2タッチ駆動部は、タッチ位置をセンシングするための第2タッチ電極に少なくとも1つの第2タッチ駆動信号を供給する。
【0020】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置は、第1タッチ駆動部、コントローラ及び第2タッチ駆動部をさらに含む。前記第1タッチ駆動部は、少なくとも1つの第1タッチ駆動信号を、タッチ力の強度をセンシングするための第1タッチ電極に供給する。そして、タッチ領域に該当する第1タッチ電極のサブセット(subset)を示すデータを生成する。前記コントローラは、前記第1タッチ電極のサブセットを示すデータに基づいて、タッチ領域に該当する第2タッチ電極のサブセットを示す少なくとも1つのコントロール信号を生成する。前記第2タッチ駆動部は、前記第2タッチ電極のサブセットを示すコントロール信号に基づいて、少なくとも1つの第2タッチ駆動信号を、タッチ位置をセンシングするための第2タッチ電極のサブセットに供給する。
【0021】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置はカバー基板をさらに含む。前記カバー基板は、前記複数の第1タッチ電極上に位置し、タッチ力によってその厚さが変化する弾性誘電体層を含む。
【0022】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置の前記弾性誘電体層は、PDMS(polydimethylsiloxane)、アクリル(acrylic)またはポリウレタン(poly−urethane)のうちの少なくとも1つを含む。
【0023】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置は、前記複数の第1タッチ電極を前記第1タッチ駆動部に接続させる複数の伝導性ラインをさらに含む。一つの伝導性ラインが一つの第1タッチ電極に接続される。
【0024】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置の前記複数の第2タッチ電極のグループは、第1方向に位置したタッチ電極ラインによって共に接続される。そして、前記複数の第3タッチ電極のグループは、前記第1方向に垂直な第2方向に位置したタッチ電極ラインによって共に接続される。
【0025】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置において、前記第1タッチ電極は、カラーフィルタ上に位置したオンセル(on−cell)タイプのタッチ電極である。そして、前記複数の第2タッチ電極及び前記複数の第3タッチ電極は、TFTアレイ基板上に位置したインセル(in−cell)タイプのタッチ電極である。
【0026】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置は、TFTアレイ基板及びカバー基板を含む。前記複数の第2タッチ電極は、当該TFTアレイ基板上に位置し、前記カラーフィルタは、前記複数の第2タッチ電極上に位置し、及び前記第1タッチ電極は、前記カラーフィルタ上に位置する。前記カバー基板は、第1タッチ電極上に位置し、弾性誘電体層及び前記弾性誘電体層上に位置した保護層を含む。
【0027】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置は、複数の第1タッチ電極、複数の第2タッチ電極、第1タッチ駆動部、コントローラ及び第2タッチ駆動部を含む。前記第1タッチ駆動部は、少なくとも1つの第1タッチ駆動信号を、タッチ力の強度をセンシングするための第1タッチ電極に供給し、タッチ領域に該当する第1タッチ電極のサブセット(subset)を示すデータを生成する。前記コントローラは、前記第1タッチ電極のサブセットを示すデータに基づいて、タッチ領域に該当する第2タッチ電極のサブセットを示す少なくとも1つのコントロール信号を生成する。前記第2タッチ駆動部は、前記第2タッチ電極のサブセットを示すコントロール信号に基づいて、少なくとも1つの第2タッチ駆動信号を前記第2タッチ電極のサブセットに供給する。
【0028】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置は、前記複数の第1タッチ電極と前記複数の第2タッチ電極を互いに分離するためのカラーフィルタをさらに含む。
【0029】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置において、前記複数の第1タッチ電極は、前記カラーフィルタ上に位置したオンセル(on−cell)タイプのタッチ電極である。そして、前記複数の第2タッチ電極は、TFTアレイ基板上に位置したインセル(in−cell)タイプのタッチ電極である。
【0030】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置はカバー基板をさらに含む。前記カバー基板は、前記複数の第1タッチ電極上に位置し、タッチ力によってその厚さが変化する弾性誘電体層を含む。
【0031】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置は、前記複数の第1タッチ電極を前記第1タッチ駆動部に接続させる複数の伝導性ラインをさらに含む。一つの伝導性ラインが一つの第1タッチ電極に接続される。
【0032】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置の前記複数の第2タッチ電極のグループは、第1方向に位置したタッチ電極ラインによって共に接続される。そして、前記複数の第3タッチ電極のグループは、前記第1方向に垂直な第2方向に位置したタッチ電極ラインによって共に接続される。
【0033】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置は、1フレームの第1期間の間にデータ電圧を表示装置のデータラインに供給するための表示駆動回路をさらに含む。前記第1タッチ駆動部は、フレームの第1期間の間に第1タッチ駆動信号を生成する。そして、前記第2タッチ駆動部は、フレームの第2期間の間に第2タッチ駆動信号を生成する。
【0034】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置の駆動方法は、少なくとも1つの第1タッチ駆動信号を、タッチ力の強度をセンシングするための第1タッチ電極に供給し、タッチ領域に該当する第1タッチ電極のサブセット(subset)を示すデータを生成するステップを含む。その後、タッチに該当する第1タッチ電極のサブセット(subset)を示すデータに基づいて、タッチ領域に該当する第2タッチ電極のサブセット(subset)を示す少なくとも1つのコントロール信号を生成するステップを含む。その後、前記第2タッチ電極のサブセットを示すコントロール信号に基づいて、少なくとも1つの第2タッチ駆動信号を、タッチ位置をセンシングするための第2タッチ電極のサブセットに供給するステップを含む。
【0035】
本発明の実施例に係るタッチセンシング表示装置の駆動方法は、フレームの第1期間の間にデータ電圧を表示装置のデータラインに供給するステップをさらに含む。前記第1タッチ駆動信号は、フレームの第1期間の間に駆動される。そして、前記第2タッチ駆動信号は、フレームの第2期間の間に駆動される。
【発明の効果】
【0036】
本発明の実施例に係るタッチパネル及びその駆動装置は、タッチセンシング及び力センシングが可能であり、力センシングの性能を高めることができる。
【0037】
本発明の実施例に係るタッチパネル及びその駆動装置は、タッチセンシングの駆動時間を短縮しながらもタッチセンシングの性能を向上させることができる。
【0038】
本発明の実施例に係るタッチパネルは、タッチセンシング性能を維持しながらディスプレイ期間を十分に確保して、表示品質を高めることができる。
【0039】
その他にも、本発明の実施例を通じて本発明の更に他の特徴及び利点が新しく把握されることもあるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】従来技術によるタッチパネルの断面構造を概略的に示す図である。
図2】従来技術によるタッチパネルのタッチ電極を概略的に示す図である。
図3】本発明の実施例に係るタッチディスプレイ装置のタッチパネル及びその駆動装置を概略的に示す図である。
図4】本発明の実施例に係るタッチディスプレイ装置のタッチパネルの断面構造を示す図である。
図5】本発明の実施例に係るタッチパネルの駆動装置を示す図である。
図6】本発明の実施例に係るタッチパネルのタッチ力センシングのための第1タッチセンサを示す図である。
図7】弾性誘電層を用いてタッチ力をセンシングする方法を説明するための図である。
図8】本発明の実施例に係るタッチパネルの位置センシングのための第2タッチセンサを示す図である。
図9-11】本発明の実施例に係るタッチパネルの駆動装置を用いたタッチセンシング方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本明細書で述べられる用語の意味は、次のように理解されるべきである。
【0042】
単数の表現は、文脈上明らかに別の意味として定義しない限り、複数の表現を含むものと理解しなければならず、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するためのもので、これら用語によって権利範囲が限定されてはならない。「含む」又は「有する」などの用語は、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解しなければならない。「少なくとも1つ」という用語は、1つ以上の関連項目から提示可能な全ての組み合わせを含むものと理解しなければならない。例えば、「第1項目、第2項目、及び第3項目のうちの少なくとも1つ」の意味は、第1項目、第2項目、または第3項目のそれぞれだけでなく、第1項目、第2項目、及び第3項目のうちの2つ以上から提示できる全ての項目の組み合わせを意味する。「上に」という用語は、ある構成が他の構成の直ぐ上面に形成される場合のみならず、これら構成の間に第3の構成が介在する場合まで含むことを意味する。
【0043】
液晶ディスプレイ装置は、液晶層の配列を調節する方式に応じて、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、IPS(In Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モードなど、多様に開発されている。
【0044】
そのうち、TNモードとVAモードは、下部基板に画素電極を形成し、上部基板(カラーフィルタアレイ基板)に共通電極を形成して、垂直電界を介して液晶層の配列を調節する方式である。
【0045】
一方、IPSモードと前記FFSモードは、下部基板上に画素電極と共通電極を配置し、前記画素電極と共通電極との間の電界によって液晶層の配列を調節する方式である。
【0046】
IPSモードは、前記画素電極と共通電極を平行に交互に配列することによって、両電極間で水平電界を起こして液晶層の配列を調節する方式である。このようなIPSモードは、前記画素電極と前記共通電極の上側部分において液晶層の配列が調節されないため、その領域で光の透過度が低下するという欠点がある。
【0047】
IPSモードの欠点を解決するために考案されたものがFFSモードである。FFSモードは、前記画素電極と前記共通電極とを絶縁層を挟んで離隔するように形成させる。このとき、一つの電極は板(plate)状またはパターンで構成し、他の一つの電極はフィンガー(finger)状に構成して、両電極間で発生するフリンジフィールド(Fringe Field)を介して液晶層の配列を調節する方式である。
【0048】
本発明の実施例に係るタッチパネルは、モード(mode)の制限なしに垂直電界方式(TNモード、VAモード)及び水平電界方式(IPSモード、FFSモード)をいずれも適用することができ、以下の詳細な説明では、IPSモードが適用されたことを一例とする。
【0049】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例に係るタッチパネル及びその駆動装置について説明する。
【0050】
図3は、本発明の実施例に係るタッチディスプレイ装置のタッチパネル及びその駆動装置を概略的に示す図であり、図4は、本発明の実施例に係るタッチディスプレイ装置のタッチパネルの断面構造を示す図である。
【0051】
図3及び図4を参照すると、本発明の実施例に係るタッチパネル100は、タッチ力を検出する第1タッチセンサ及びタッチ位置(座標)を検出する第2タッチセンサが形成されたディスプレイパネル101と、保護層150の背面に弾性誘電層160が形成された保護基板(カバー基板)102とを含む。ディスプレイパネル101に加わるタッチ力に応じて弾性誘電層160の厚さが変化する。
【0052】
ディスプレイドライバ200は、ディスプレイパネルの複数の画素にデータ信号DS及び制御信号CSを供給して、ディスプレイパネルで画像が表示されるようにする。このようなディスプレイドライバ200は、ゲートドライブIC、データドライブIC及びタイミングコントローラを含む。
【0053】
ディスプレイドライバ200の全体の構成または一部の構成は、COG(Chip On Glass)またはCOF(Chip On Flexible Printed Circuit、Chip On Film)方式でディスプレイパネル101に形成されてもよい。
【0054】
タイミングコントローラは、タッチパネル100のメインコントローラ(main controller)であって、ゲートドライブIC、データドライブICの駆動を制御する。また、タイミングコントローラは、タッチパネルの駆動装置がタッチ力センシング駆動の時点及びタッチ位置センシング駆動の時点を認知してタッチ力及びタッチ位置をセンシングするように、タイミング信号をタッチパネルの駆動装置に供給する。
【0055】
タイミングコントローラは、タイミング信号(TS)を用いて、入力される映像信号(data)をフレーム単位のデジタル映像データ(R、G、B)に変換し、映像データをデータドライブICに供給する。このとき、タイミング信号は、垂直同期信号(V−sync)、水平同期信号(H−sync)及びクロック信号(CLK)を含む。
【0056】
また、タイミングコントローラは、前記タイミング信号を用いて、ゲートドライブICを制御するためのゲート制御信号(GCS:Gate Control Signal)を生成してゲートドライブICに供給する。
【0057】
ここで、データ制御信号(DCS)は、ソーススタートパルス(SSP:Source Start Pulse)、ソースサンプリングクロック(SSC:Source Sampling Clock)、ソース出力イネーブル(SOE:Source Output Enable)及び極性制御信号(POL:Polarity)などを含むことができる。
【0058】
また、タイミングコントローラは、前記タイミング信号を用いて、データドライブICを制御するためのデータ制御信号(DCS:Data Control Signal)を生成してデータドライブICに供給する。
【0059】
ここで、ゲート制御信号(GCS)は、ゲートスタートパルス(GSP:Gate Start Pulse)、ゲートシフトクロック(GSC:Gate Shift Clock)及びゲート出力イネーブル(GOE:Gate Output Enable)などを含むことができる。
【0060】
ゲートドライブICは、タイミングコントローラからのゲート制御信号(GCS)に基づいて、複数のピクセルのそれぞれに形成されたTFTを駆動させるためのスキャン信号(scan signal、ゲート駆動信号)を生成する。
【0061】
ゲートドライブICは、1フレーム期間においてディスプレイ期間に、スキャン信号を、液晶パネルに形成された複数のゲートラインに順次供給する。前記スキャン信号によって、各ピクセルに形成されたTFTが駆動されてピクセルのスイッチングが行われる。
【0062】
データドライブICは、タイミングコントローラから供給されるデジタル映像データ(R、G、B)をアナログ映像信号、すなわち、データ電圧に変換する。そして、タイミングコントローラからのデータ制御信号(DCS)に基づいて、各ピクセルのTFTがターンオンされる時点に合せてデータ電圧を液晶パネルに形成された複数のデータラインに供給し、映像が表示されるようにする。
【0063】
再び図4を参照すると、ディスプレイパネル101は、TFTアレイ基板111及びカラーフィルタアレイ基板112を含む。このような液晶パネルは、自ら光を生成できないので、バックライトユニットから供給される光を用いて画像を表示する。バックライトユニットは、光を発生させる複数のバックライト(例として、LEDまたはCCFL)と、バックライトから発生した光を前記液晶パネルの方向に案内すると共に、光の効率を向上させるための光学部材(導光板または拡散板及び複数の光学シート)とを含んで構成される。
【0064】
カラーフィルタアレイ基板112の背面には、フルカラー(full color)画像を表示するためのレッド(red)、グリーン(green)、ブルー(blue)カラーフィルタが形成されている。そして、前記カラーフィルタ間には、画素を区分するためのブラックマトリックスが形成される。また、カラーフィルタアレイ基板112の上面には、タッチ力を検出するための第1タッチセンサ(例えば、140)が形成されている。
【0065】
TFTアレイ基板111には、複数の画素がマトリックス状に形成される。前記複数の画素のそれぞれは、互いに交差するデータラインとゲートラインによって定義される。前記データラインと前記ゲートラインが交差する領域毎にTFT(thin film transistor)及びストレージキャパシター(Cst)が形成される。
【0066】
また、TFTアレイ基板111の各画素には画素電極及び共通電極が形成されている。画素電極及び共通電極は、ITO(Indium Tin Oxide)のような透明伝導性物質で形成される。共通電極をディスプレイのための用途だけでなくタッチセンサとして利用する。そのために、複数の画素単位で共通電極をグルーピングして第2タッチセンサを形成する。前記第2タッチセンサは、複数のタッチ電極120,130で構成される。カラーフィルタアレイ基板112の上に第1タッチ電極140が配置され、カラーフィルタアレイ基板112の下に第2タッチ電極120及び第3タッチ電極130が配置されている。カラーフィルタアレイ基板112を挟んで第1タッチ電極140と、第2タッチ電極120及び第3タッチ電極130とが分離されている。
【0067】
図5は、本発明の実施例に係るタッチパネルの駆動装置を示す図である。
【0068】
図5を参照すると、タッチパネル100の駆動装置300は、第1タッチ駆動部310、第2タッチ駆動部320及び制御部330を含む。
【0069】
第1タッチ駆動部310は、タッチパネル100の全第1タッチ電極140に第1タッチ駆動信号TDS1を供給し、前記全第1タッチ電極140から第1タッチセンシング信号TSS1を受信して、タッチ力をセンシングする。このとき、第1タッチ駆動信号TDS1は、タッチ力をセンシングするために第1タッチセンサに供給される信号である。ここで、第1タッチ駆動部310(first touch driver)は、タッチ力ドライバ(touch force driver)と呼ぶことができる。
【0070】
ここで、第1タッチ駆動部310は、タッチ力のデータを生成して制御部330に供給し、このとき、タッチ力のデータと共に、全第1タッチ電極140においてどの第1タッチ電極140の領域でタッチが行われたかに対する広域タッチ位置データを制御部330に供給する。タッチ位置データによって、広い範囲においてタッチが発生した概略的な位置を認知することができる。
【0071】
すなわち、第1タッチ駆動部310は、タッチ力に対するデータだけでなく、タッチが発生した第1タッチ電極140に対する広域タッチ位置情報を制御部330に供給する。
【0072】
制御部330は、前記第1タッチ駆動部310でセンシングされたタッチ力のデータに基づいて制御信号を生成する。前記制御部330で生成される制御信号は、第2タッチ駆動部320で生成された第2タッチ駆動信号TDS2の生成及び出力を制御するためのものである。そして、制御部330は、生成された前記制御信号を第2タッチ駆動部320に供給する。
【0073】
ここで、タッチ力が検出された第1タッチ電極140の領域でタッチが発生したものであるため、全第2タッチセンサのうち、タッチ力が検出された第1タッチ電極140に対応する第2タッチ電極120及び第3タッチ電極130にのみ第2タッチ駆動信号TDS2を供給しても、タッチ位置をセンシングするのには問題がない。すなわち、第2タッチ電極120及び第3タッチ電極130に第2タッチ駆動信号TDS2を供給してタッチ位置を精密にセンシングすることができる。
【0074】
したがって、制御信号には、タッチ力が検出された領域に対応する第2タッチ電極120及び第3タッチ電極130の情報が含まれて、第2タッチ駆動信号TDS2の生成及び出力を制御する。
【0075】
第2タッチ駆動部320は、制御部330から受信された制御信号に基づいて、第2タッチ駆動信号TDS2を生成し、第2タッチセンサに第2タッチ駆動信号TDS2を供給する。このとき、第2タッチ駆動信号TDS2は、タッチ位置をセンシングするために第2タッチセンサに供給される信号である。ここで、第2タッチ駆動部320(second touch driver)は、タッチ位置駆動部(touch position driver)と呼ぶことができる。
【0076】
ここで、第2タッチ駆動部320は、第1方向(水平方向)に形成された全ての第2タッチ電極120、及び第2方向(垂直方向)に形成された全ての第3タッチ電極130に第2タッチ駆動信号TDS2を選択的に供給することができる。しかし、タッチ位置のセンシングのためのタッチ駆動時間を短縮し、タッチ位置のセンシング性能を高めるために、前記制御信号に基づいて、タッチ力が検出された第1タッチ電極140に対応する第2タッチ電極120及び第3タッチ電極130にのみ第2タッチ駆動信号TDS2を供給する。
【0077】
そして、第2タッチ駆動部320は、第2タッチ電極120及び第3タッチ電極130から第2タッチセンシング信号TSS2を受信して、タッチ位置をセンシングする。
【0078】
このようなタッチパネルの駆動装置300は、タッチパネル100の外郭に形成されたFPC(flexible printed circuit)を介して、第1タッチセンサ及び第2タッチセンサに接続された伝導性ラインと接続され得る。
【0079】
図6は、本発明の実施例に係るタッチパネルのタッチ力センシングのための第1タッチセンサを示す図である。
【0080】
図4及び図6を参照すると、カラーフィルタアレイ基板112の上面に、タッチ力を検出するための第1タッチセンサが形成されている。第1タッチセンサは、複数の第1タッチ電極140で構成される。
【0081】
複数の第1タッチ電極140は、ITO(Indium Tin Oxide)のような透明伝導性物質で形成され、ITOをパターニングして、複数の画素に対応する面積で複数の第1タッチ電極140が形成されている。TFTアレイ基板111に形成された第2タッチ電極120及び第3タッチ電極130と対応するように複数の第1タッチ電極140が形成されている。
【0082】
カラーフィルタアレイ基板112の上面に複数の第1伝導性ライン142が形成されており、複数の第1伝導性ライン142を介して、複数の第1タッチ電極140のそれぞれが第1タッチ駆動部310に接続される。それぞれの第1伝導性ライン142は、ただ1つの第1タッチ電極140と接続される。
【0083】
第1タッチ駆動部310は、オールポイントセルフキャパシタンスタッチ(All point self capacitance touch)方式で複数の第1タッチ電極140のそれぞれに第1タッチ駆動信号TDS1を供給し、複数の第1タッチ電極140のそれぞれの静電容量をセンシングして、タッチ時に加えられた力をセンシングする。
【0084】
一方、図6では、複数の第1タッチ電極140のそれぞれが四角形状に形成された場合を示しているが、これに限定されず、複数の第1タッチ電極140のそれぞれは、円形または菱形の形状に形成されてもよい。
【0085】
再び図4を参照すると、ディスプレイパネル101の前面に保護基板102が配置され、保護基板102の保護層150の背面に弾性誘電層160が形成されている。
【0086】
保護層150は、タッチパネル100の最上端に配置されてタッチパネル100を保護するもので、種々の材質が適用され得る。例えば、保護層150は、ガラスまたは強化ガラスで形成されてもよい。他の例として、保護層150は、プラスチック材質のプレートまたは軟性を有するフィルムで形成されてもよい。
【0087】
タッチ力の検出のための第1タッチセンサが形成されたディスプレイパネル101と、保護基板102の保護層150との間に弾性誘電層160が形成されている。このような弾性誘電層160を用いてタッチ力のセンシングが行われるようにする。
【0088】
弾性誘電層160は、透明接着剤によって複数の第1タッチ電極140の上面及び保護層150の背面に付着することができる。このような弾性誘電層160は、弾性力を有すると共に、高誘電率を有する材質からなることができる。例えば、弾性誘電層160は、PDMS(polydimethylsiloxane)、アクリル(acrylic)、またはポリウレタン(poly−urethane)材質からなることができる。しかし、これに限定されず、弾性誘電層160は、弾性力を有すると共に誘電率を有する材質で形成されてもよい。
【0089】
図7は、弾性誘電層を用いてタッチ力をセンシングする方法を説明するための図である。
【0090】
図7(a)乃至図7(c)を参照すると、弾性誘電層160は、カラーフィルタアレイ基板112上に形成された複数の第1タッチ電極140とユーザの指170との間に静電容量Cap1,Cap2,Cap3を形成させる。
【0091】
ここで、弾性誘電層160は、ユーザのタッチ力によって弾性変形してその厚さが変化することによって、複数の第1タッチ電極140と指170との間に形成される静電容量Cap1,Cap2,Cap3を変化させる。このとき、静電容量Cap1,Cap2,Cap3は、第1タッチ電極140と指170との間の距離に応じて変わり得る。このような弾性誘電層160を用いて、別途の複雑なセンシング回路を構成しなくても、タッチ時に指170の圧力によるタッチ力のセンシングが可能である。
【0092】
第1タッチ電極140の面積は、タッチ時に加えられた指170の力とは関係なく一定である。しかし、タッチ力が増加するほど弾性誘電層160の厚さは減少し、保護層150に触れる指170の面積は大きくなる。
【0093】
タッチ時に指170に加えられた力によって弾性誘電層160が押され、第1タッチ電極140と指170との間の距離が減少するようになる。静電容量Cap1,Cap2,Cap3は、電極間の距離に反比例するので、第1タッチ電極140と指170との間の距離が減少するほど、静電容量は大きくなる。
【0094】
図7(a)に示されたように、指170で第1の力を加えて軽くタッチするときの第1静電容量Cap1よりは、図7(b)に示されたように、指170で第2の力を加えてある程度の力でタッチするときの第2静電容量Cap2がさらに大きくなる。また、前記第2静電容量Cap2よりは、図7(c)に示されたように、指170で第3の力を加えて強い力でタッチするときの第3静電容量Cap3がさらに大きくなる。
【0095】
このような、タッチ時に加えられる力に応じて変化する静電容量に基づいて、タッチ力に応じて静電容量Cap1,Cap2,Cap3の増加変化量をモデリングすることができ、力レベルアルゴリズムを通じて、タッチ時に加えられた力をセンシングすることができる。
【0096】
そのために、第1タッチ駆動部310は、センシングされた静電容量値に対応するタッチ力値がマッピングされたルックアップテーブルを含むことができ、ルックアップテーブルにマッピングされたタッチ力値を参照して、複数の第1タッチ電極140のそれぞれでセンシングされた静電容量値に対応するタッチ力値をセンシングすることができる。
【0097】
図8は、本発明の実施例に係るタッチパネルの位置センシングのための第2タッチセンサを示す図である。
【0098】
図4及び図8を参照すると、本発明の実施例に係るタッチパネル100は、下部基板に形成された共通電極を、ディスプレイのための用途だけでなく、タッチ位置をセンシングするための第2タッチセンサとして利用する。すなわち、第2タッチセンサは、インセルタッチ方式(in cell touch type)でTFTアレイ基板111に内蔵される。
【0099】
このような第2タッチセンサは、複数のタッチ電極120,130で構成され、複数の画素単位で共通電極をグルーピングして複数のタッチ電極120,130が形成されている。ここで、複数の第2タッチ電極120と複数の第3タッチ電極130は互いに交差するように配置されている。
【0100】
複数の第2タッチ電極120は、複数の第2伝導性ライン122を介して第1方向に接続される。このとき、第2タッチ電極120がライン単位で第1方向に接続される。すなわち、複数の第2タッチ電極120がX軸方向に接続され、バー(bar)状の複数のタッチラインが形成される。
【0101】
ここで、TFTアレイ基板111のゲートラインを形成するとき、同一の物質で同一のレイヤに第2伝導性ライン122を形成し、ビアホール(via hole)を形成して、第2タッチ電極120を第2伝導性ライン122と接続する。
【0102】
TFTアレイ基板111の外郭で第2伝導性ライン122がルーティングされ、タッチパネルの駆動装置300の第2タッチ駆動部320と複数の第2タッチ電極120が接続される。
【0103】
複数の第3タッチ電極130は、複数の第3伝導性ライン132を介して第2方向に接続される。このとき、第3タッチ電極130がライン単位で第2方向に接続される。すなわち、複数の第3タッチ電極130がY軸方向に接続され、バー(bar)状の複数のタッチラインが形成される。
【0104】
ここで、TFTアレイ基板111のソース/ドレインレイヤを形成するとき、同一の物質で同一のレイヤに第3伝導性ライン132を形成し、ビアホール(via hole)を形成して、第3タッチ電極130を第3伝導性ライン132と接続する。または、ソース/ドレインレイヤ以外に、複数の第3伝導性ラインを形成するためのレイヤを追加すると共に、ビアホールを形成し、第3タッチ電極130のそれぞれを第3伝導性ライン132のそれぞれと接続することができる。
【0105】
TFTアレイ基板111の外郭で第3伝導性ライン132がルーティングされ、タッチパネルの駆動装置300の第2タッチ駆動部320と複数の第3タッチ電極130が接続される。
【0106】
第2タッチ駆動部320は、1フレーム期間においてタッチセンシング期間に1つ以上の第2伝導性ライン122に第2タッチ駆動信号TDS2を供給して、第2タッチ電極120に第2タッチ駆動信号TDS2を印加させる。ここで、タッチセンシング期間は、タッチ位置をセンシングする期間を意味する。
【0107】
また、第2タッチ駆動部320は、タッチセンシング期間に1つ以上の第3伝導性ライン132に第2タッチ駆動信号TDS2を供給して、第3タッチ電極130に第2タッチ駆動信号TDS2を印加させる。
【0108】
ここで、全第2タッチ電極120及び全第3タッチ電極130のうち、選択的に第2タッチ駆動信号TDS2が供給される。このとき、第1タッチセンサのタッチ力センシングの結果に基づいて、タッチ力がセンシングされた第1タッチ電極140に対応する1つ以上の第2タッチ電極120及び1つ以上の第3タッチ電極130に第2タッチ駆動信号TDS2の供給が行われる。
【0109】
第2タッチ駆動部320は、第2タッチ電極120及び第3タッチ電極130に第2タッチ駆動信号TDS2を印加した後、第2タッチ駆動信号TDS2が供給された第2伝導性ライン122と第3伝導性ライン132を介して第2タッチセンシング信号TSS2を受信する。すなわち、第2タッチ電極120及び第3タッチ電極130の静電容量をセンシングして、タッチが発生した位置をセンシングする。第2タッチ電極120がX軸方向に接続されており、第3タッチ電極130がY軸方向に接続されているので、2次元の空間においてタッチが行われた正確な位置座標をセンシングすることができる。
【0110】
一方、図8では、複数のタッチ電極120,130のそれぞれが四角形状に形成された場合を示しているが、これに限定されず、複数のタッチ電極120,130のそれぞれは、円形または菱形の形状に形成されてもよい。
【0111】
図4乃至図8を参照して説明したように、本発明の実施例に係るタッチパネル100は、第1タッチ電極140がオンセル方式(on cell type)でカラーフィルタアレイ基板112の上面に形成されており、第2タッチ電極120及び第3タッチ電極130がインセル方式(in cell type)でTFTアレイ基板111に形成されており、弾性誘電層160がカバー(Cover)レイヤとディスプレイパネルとの中間に配置されているので、タッチ力をセンシングするときにディスプレイの駆動に影響を与えない。すなわち、画像のディスプレイ、タッチ位置センシング及びタッチ力センシングの性能をいずれも満足させることができる。
【0112】
図9乃至図11は、本発明の実施例に係るタッチパネルの駆動装置を用いたタッチセンシング方法を示す図である。
【0113】
図9を参照すると、タッチパネルには、画面の表示のための画素、TFTアレイ及びカラーフィルタアレイが形成されると共に、タッチ力のセンシングのための第1タッチセンサ及びタッチ位置のセンシングのための第2タッチセンサが形成されている。
【0114】
1フレーム期間をディスプレイ期間とタッチセンシング期間とに分割し、時分割方式で画面の表示及びタッチセンシング駆動が行われるようにする。ディスプレイ期間には、画面の表示と共にタッチ力センシング駆動が行われ、タッチセンシング期間には、タッチ位置のセンシングが行われるようにする。
【0115】
本発明の実施例に係るタッチパネル駆動装置は、オールポイントセルフキャパシタンスタッチ方式でタッチ力をセンシングし、ラインセルフキャパシタンスタッチ(Line self capacitance touch)方式でタッチ位置をセンシングする。
【0116】
ここで、タッチ位置をセンシングするタッチセンシング期間t2よりも、タッチ力センシングが行われるディスプレイ期間t1を長くすることによって、ディスプレイ基板の表示品質を高め、タッチ力センシングの性能を高めることができる。
【0117】
タッチ位置のセンシングにラインセルフキャパシタンスタッチ方式を適用することによって、タッチ位置の検出のための第2タッチ駆動信号TDS2が供給されるタッチラインの数を減少させることができ、タッチセンシング駆動時間及びタッチパネル駆動装置のハードウェアのサイズを減少させることができる。
【0118】
全第2タッチセンサのうち、タッチ力が検出された第1タッチ電極140に対応する少なくとも1つの第2タッチ電極120及び少なくとも1つの第3タッチ電極130に選択的に第2タッチ駆動信号TDS2を供給して、タッチ位置をセンシングする。したがって、タッチセンシング期間t2を減少させることができ、減少した時間だけディスプレイ期間及びタッチ力センシング期間t1を増加させることができる。
【0119】
図5及び図10を参照してより詳細に説明すると、第1タッチ駆動部310は、タッチパネル100の全第1タッチ電極140に第1タッチ駆動信号TDS1を供給し、前記全第1タッチ電極140から第1タッチセンシング信号TSS1を受信して、タッチ力をセンシングする。
【0120】
第1タッチ駆動部310は、タッチ力のデータを生成して制御部330に供給する。このとき、第1タッチ駆動部310は、タッチ力に対するデータだけでなく、タッチが発生した第1タッチ電極140に対する広域タッチ位置情報を制御部330に供給する。
【0121】
制御部330は、前記第1タッチ駆動部310でセンシングされたタッチ力のデータに基づいて制御信号を生成する。前記制御部330で生成される制御信号は、第2タッチ駆動部320で生成された第2タッチ駆動信号TDS2の生成及び出力を制御するためのものである。そして、制御部330は、生成された前記制御信号を第2タッチ駆動部320に供給する。
【0122】
第2タッチ駆動部320は、制御部330から受信された制御信号に基づいて、第2タッチ駆動信号TDS2を生成し、第2タッチセンサに第2タッチ駆動信号TDS2を供給する。
【0123】
ここで、第2タッチ駆動部320は、タッチ位置のセンシングのためのタッチ駆動時間を減少させ、タッチ位置センシング性能を高めるために、タッチ力がセンシングされた第1タッチ電極140に対応する第2タッチ電極120a及び第3タッチ電極130aには、第2タッチ駆動信号TDS2を供給する。一方、タッチ力がセンシングされていない第1タッチ電極140に対応する第2タッチ電極120b及び第3タッチ電極130bには、第2タッチ駆動信号TDS2を供給しない。
【0124】
すなわち、タッチ力がセンシングされた領域に形成された第2タッチ電極120a及び第3タッチ電極130aにのみタッチ位置の検出のための第2タッチ駆動信号TDS2を供給することによって、タッチ位置のセンシングのための駆動時間を短縮することができる。
【0125】
次いで、第2タッチ駆動部320は、第2タッチ駆動信号TDS2が供給された第2タッチ電極120a及び第3タッチ電極130aから第2タッチセンシング信号TSS2を受信して、タッチ位置をセンシングする。
【0126】
すなわち、第2タッチ駆動信号TDS2が供給された第2タッチ電極120a及び第3タッチ電極130aの静電容量をセンシングし、基準静電容量とセンシングされた静電容量との比較を通じて、タッチが行われた位置を精密にセンシングすることができる。
【0127】
ここで、タッチ力が検出された第1タッチ電極140の領域でタッチが発生したものであるため、全第2タッチセンサのうち、タッチ力が検出された第1タッチ電極140に対応する第2タッチ電極120a及び第3タッチ電極130aにのみ第2タッチ駆動信号TDS2を供給しても、タッチ位置のセンシングを精密に行うことができる。
【0128】
また、少ない数の第2タッチ電極120a及び第3タッチ電極130aにのみ第2タッチ駆動信号TDS2を供給するので、信号の干渉を減少させてタッチ位置センシング性能を高めることができ、消費電力も低減することができるという効果がある。
【0129】
このように、1フレーム期間において、タッチ位置センシングの駆動時間t2を減少させ、減少した時間だけディスプレイ期間及びタッチ力センシング期間t1を増加させることができるので、ディスプレイ性能だけでなく、タッチ力センシング及びタッチ位置センシングの性能をいずれも向上させることができる。
【0130】
図10では、タッチパネルにシングルタッチ(single touch)が発生した場合を基準としてタッチ力センシング及びタッチ位置センシング方法を説明した。次いで、図5及び図11を参照して、タッチパネルにマルチタッチ(multi touch)が発生した場合を基準としてタッチ力センシング及びタッチ位置センシング方法を説明する。
【0131】
図5及び図11を参照すると、第1タッチ駆動部310は、タッチパネル100の全第1タッチ電極140に第1タッチ駆動信号TDS1を供給し、前記全第1タッチ電極140から第1タッチセンシング信号TSS1を受信してタッチ力をセンシングする。このとき、1つの領域ではなく複数の領域でタッチがセンシングされた場合、複数のタッチに対してタッチ力をセンシングする。
【0132】
第1タッチ駆動部310は、複数のタッチに対するタッチ力のデータを生成して制御部330に供給する。第1タッチ駆動部310は、複数のタッチ力に対するデータだけでなく、タッチが発生した複数の領域に対する広域タッチ位置情報を制御部330に供給する。
【0133】
制御部330は、前記第1タッチ駆動部310でセンシングされた複数のタッチ力のデータ及びタッチが発生した複数の領域に対する広域タッチ位置情報に基づいて制御信号を生成する。ここで、前記制御部330で生成された制御信号は、第2タッチ駆動部320で生成される第2タッチ駆動信号TDS2の生成及び出力を制御するためのものである。そして、前記制御部330は、生成された制御信号を第2タッチ駆動部320に供給する。
【0134】
第2タッチ駆動部320は、制御部330から受信された制御信号に基づいて、第2タッチ駆動信号TDS2を生成し、第2タッチセンサに第2タッチ駆動信号TDS2を供給する。
【0135】
ここで、第2タッチ駆動部320は、タッチ位置のセンシングのためのタッチ駆動時間を減少させ、タッチ位置センシング性能を高めるために、タッチ力がセンシングされた第1タッチ電極140に対応する複数の第2タッチ電極120a及び複数の第3タッチ電極130aに第2タッチ駆動信号TDS2を供給する。一方、タッチ力がセンシングされていない第1タッチ電極140に対応する第2タッチ電極120b及び第3タッチ電極130bには、第2タッチ駆動信号TDS2を供給しない。
【0136】
次いで、第2タッチ駆動部320は、第2タッチ駆動信号TDS2が供給された複数の第2タッチ電極120a及び複数の第3タッチ電極130aの静電容量をセンシングし、基準静電容量とセンシングされた複数の静電容量との比較を通じて、タッチが行われた複数の位置を精密にセンシングすることができる。
【0137】
ここで、全第2タッチセンサのうち、タッチ力が検出された複数の領域に対応する複数の第2タッチ電極120a及び複数の第3タッチ電極130aに選択的に第2タッチ駆動信号TDS2を供給して、タッチ位置のセンシングを精密に行うことができる。
【0138】
基本的に、ラインセルフキャパシタンスタッチ方式は、マルチタッチのセンシングに制約があるが、本発明の実施例に係るタッチパネル及びその駆動装置は、第1タッチ電極を用いたオールポイントセルフキャパシタンスタッチ方式でタッチ力をセンシングし、タッチ力センシングの結果に基づいて、ラインセルフキャパシタンスタッチ方式でタッチ位置をセンシングすることによって、マルチタッチセンシングが可能であるという利点がある。
【0139】
また、全第2及び第3タッチ電極120,130のうち、一部の第2タッチ電極120a及び一部の第3タッチ電極130aにのみ第2タッチ駆動信号TDS2を供給するので、信号の干渉を減少させてタッチ位置センシング性能を高めることができ、消費電力も低減することができるという効果がある。
【0140】
このように、1フレーム期間において、タッチ位置センシングの駆動時間t2を減少させ、減少した時間だけディスプレイ期間及びタッチ力センシング期間t1を増加させることができるので、ディスプレイ性能だけでなく、タッチ力センシング及びタッチ位置センシングの性能をいずれも向上させることができる。
【0141】
本発明の属する技術分野における当業者は、上述した本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施できるということを理解できるはずである。したがって、以上記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【0142】
本発明の範囲は、上記詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導かれる全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に属するものと解さねばならない。
【符号の説明】
【0143】
100 タッチパネル
101 ディスプレイパネル
102 保護基板
111 TFTアレイ基板
112 カラーフィルタアレイ基板
120,120a,120b 第2タッチ電極
122 第2伝導性ライン
130,130a,130b 第3タッチ電極
132 第3伝導性ライン
140 第1タッチ電極
142 第1伝導性ライン
150 保護層
160 弾性誘電層
170 指
200 ディスプレイドライバ
300 タッチパネルの駆動装置
310 第1タッチ駆動部
320 第2タッチ駆動部
330 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11