特許第6446543号(P6446543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6446543
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】エーロゲルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/152 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
   C01B33/152 A
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-517235(P2017-517235)
(86)(22)【出願日】2015年9月10日
(65)【公表番号】特表2017-534556(P2017-534556A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(86)【国際出願番号】EP2015070708
(87)【国際公開番号】WO2016050474
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2017年8月29日
(31)【優先権主張番号】102014014377.5
(32)【優先日】2014年10月2日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102014117759.2
(32)【優先日】2014年12月3日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516183945
【氏名又は名称】インターブラン システムズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000545
【氏名又は名称】特許業務法人大貫小竹国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビュットナー、ジークマル
(72)【発明者】
【氏名】シュムヘン、クルト
【審査官】 廣野 知子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−509069(JP,A)
【文献】 特開2012−144428(JP,A)
【文献】 特開2003−212999(JP,A)
【文献】 特開2008−222527(JP,A)
【文献】 特開2012−091943(JP,A)
【文献】 特開2013−203804(JP,A)
【文献】 特開2005−145812(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/00−33/193
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ヒドロゾルの生成を含む第1の工程;そして
(b)ヒドロゾルを1つまたは複数の疎水化剤の存在下で反応させてヒドロゲルを形成する工程を含む第2及びそれ以降の工程であって、この工程では、前記疎水化剤が、シラン、ポリシロキサン及びシリコネート並びにそれらの混合物から選択されること、
前記疎水化剤が、溶液若しくは分散液の形態で使用されること、前記溶液若しくは分散液が、前記疎水化剤の溶液若しくは分散液に基づいて10〜80重量%の量で、前記疎水化剤を含有すること、
前記疎水化剤に対する前記ゾル粒子の重量比が、5:1〜1:10の範囲内で変化すること、
そして、
(c)前記工程(b)の後に、前記工程(b)で得られたヒドロゲルをエーロゲルに加工する工程(c)が行われるものであ、前記工程(b)で得られたヒドロゲルが分離され、その後粉砕され、それに続いて乾燥されること、そして、
1つの溶解若しくは分散媒体が、前記工程を実行するために使用されること、前記溶解若しくは分散媒体が水であることを特徴とするシリカエーロゲルを製造する方法。
【請求項2】
ヒドロキシル官能基、アミン及び/若しくはカルボン酸から選択される反応性官能基を有するポリシロキサンが使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
一般化学式(I)

R1nSiR24-n (I)
で示されるシランであって、
該一般化学式(I)において、
n=1〜3
−〜C15−アルキル及び/若しくはC−〜C15−アリル
塩化物、臭化物及び/若しくはヨウ化物
OX、ここでX=水素、アルキル、アリール、ポリエーテル及び/若しくはカルボン酸誘導体であるシランを使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
HO-[Si(R)(OM)-O-]nH (II)
で示されるシリコネートであって、
該一般化学式(II)において、
n=1〜6
R=−〜C−アルキル及び/若しくはC−〜C12−アリル
M=1価金属であるシリコネートを使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記ヒドロゾル、1つ以上の前駆体の溶液若しくは分散液から製造されること、前記溶液若しくは分散液、前記溶液若しくは分散液に基づいて0.01〜20質量%の量で、前記前駆体を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記工程(a)、前駆体として、アルカリ金属ケイ酸塩溶液から、モノケイ酸及び/若しくはコロイド状シリカに基づくヒドロゾルを生成する工程を含ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ヒドロゾルは、2〜4の範囲内のpHを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記工程(a)は、室温で実行されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記工程(b)において、溶液若しくは分散液のpHは、3.5〜6.5の範囲内に設定されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記溶液若しくは分散液は、前記疎水化剤の溶液若しくは分散液に基づいて、30〜70重量%の量で、前記疎水化剤を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記疎水化剤に対する前記ゾル粒子の重量比は、3:1〜1:5の範囲内で変化することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記工程(b)pHを設定した後に前記疎水化剤を混合する工程を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに1つに記載の方法。
【請求項13】
前記工程(b)は、疎水化剤を混合した後の混合物を、40〜80℃の範囲内の温度まで加熱することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記工程(c)ヒドロゲルが、0.1〜8mmの範囲内の絶対寸法まで粉砕される工程を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エーロゲル、特にシリカエーロゲルの技術分野に関する。
【0002】
特に、本発明は、エーロゲルの製造方法、並びに本発明の方法により得られるエーロゲル及びその使用、特に断熱材における使用に関する。本発明はさらに、エーロゲルを乾燥させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ケイ酸塩系エーロゲル、すなわちシリカエーロゲルは、オルトケイ酸HSiOおよびその縮合生成物に由来する。それらは、エーロゲルの全容積に基づいて、一般に95容積%〜99.8容積%の細孔容積を有する高多孔性の固体である。その高多孔性により、エーロゲルは、熱及び音の伝導性が低いものであり、断熱材および隔離材の開発にとって興味深いものである。
【0004】
しかしながら、エーロゲルは、その高い多孔性が、エーロゲルを比較的低い機械的応力によっても破壊される非常の壊れやすい固体状態の構造体にすることから、主に隔離材および絶縁材の分野におけるいくつかの特殊用途に限定されている。さらに、エーロゲルの調製は、非常に高価で不便であり、これまでエーロゲルは商業的には絶縁および断熱材料として有用ではなかった。
【0005】
シリカエーロゲルの初期合成は、1930年代から現在までに知られている。シリカエーロゲルは、一般的には、ゾル−ゲル法によって製造される。従来のエーロゲルの合成の出発点は、希薄ケイ酸ナトリウム溶液であり、これを塩酸で酸性化してヒドロゲルとして知られているアモルファスゲルを沈殿させる。前記ゲルは、超臨界条件下でオートクレーブ中で乾燥されるもので、この工程は、エーロゲルを得るのに非常に不便でコストがかかる。エーロゲルの高多孔性の構造のために、溶媒除去中に作用する毛細管力がエーロゲルの固体状態構造を破壊するため、エーロゲルの超臨界乾燥または溶媒の除去が必要である。
【0006】
ケイ酸塩系エーロゲルを製造する別の方法は、オルガノシラン、例えばテトラメトキシオルトケイ酸塩及び/若しくはテトラエトキシオルトケイ酸塩の加水分解から始まると共に、ヒドロゲル若しくはより正確にはアルコゲルを形成する工程と、超臨界領域において溶媒を除去する工程を含むものである。プロセスを単純化し、そのエネルギー効率を改善することを求める開発において、溶媒若しくは溶媒混合物が、二酸化炭素で置き換えることができ、次いで二酸化炭素を超臨界乾燥によって除去することができる。しかし、このような工程でさえ、工業規模での実践では、費用効果が高いためにあまり都合が良いとは言えない。
【0007】
さらに、より適度な条件下でエーロゲルを乾燥させることに基づくアプローチを発展させることを求める提案もあった。それらは、一般に、得られたヒドロゲル/アルコゲルが、特にジメチルクロロシラン若しくはトリメチルクロロシランを用いて、シリル化によって疎水化される工程を含む。これに続いて、表面張力及びこれによる毛細管力をさらに減少させるために、反応混合物中に存在する極性溶媒を無極性溶媒に交換する溶媒交換が行われる。そのような表面改質ヒドロゲル/アルコゲルは、溶媒を蒸留除去し、それに続いて100℃を超える温度でヒドロゲル/アルコゲルを乾燥させることにより、エーロゲルに変換可能である。毛細管力は、乾燥工程中にエーロゲルを収縮させるが、乾燥終了時には破壊されず元の形状に戻る。
【0008】
しかしながら、これらの方法はまた、非常に不便で時間のかかるものであり、しかも、一般的に機械的応力にほとんど耐えることのできないエーロゲルを生じることから、エーロゲルの製造方法及びエーロゲルの物理的パラメータをさらに最適化しようと努力する必要がある。
【0009】
特許文献1(DE195 38 33A1)は、ヒドロゾルが、パラフィンに噴霧されて所定の直径を有するゾル球体を生成させ、ゲル形成後にその球体が、再びポリケイ酸溶液で処理されるエーロゲルの亜臨界生成方法を記載している。さらに、これにつづいて、疎水化及びその後の溶媒交換が続く。最後に、得られたエーロゲルが、超臨界条件下で乾燥される。
【0010】
特許文献2(DE195 41 992A1)は、アルコールを使用して無機酸を水性の水ガラス溶液に添加してヒドロゾルを生成し、得られた塩を非常に実質的な範囲で除去することからなる無機的に変質されたエーロゲルを製造する方法に関する。それに続いて、前記ゲルは、水含有量を5重量%未満にするために、有機溶媒で洗浄され、続いて表面改質工程及び得られたゲルを乾燥させるそれに続く工程が実行される。
【0011】
特許文献3(DE196 48 798C2)は、さらに、先に溶媒改質することなしに水性ゲルを表面改質し、それから乾燥させることによって、有機的に改質されたエーロゲルを製造する方法に関する。
【0012】
特許文献4(DE197 52 456A1)は、四塩化ケイ素から開始される有機的に改質されたエーロゲルの製造方法に関する。
【0013】
最後に、特許文献5(EP0 171 722A1)は、ヒドロゲル、具体的にはケイ酸塩系ヒドロゲルを乾燥させる方法に関するもので、ここで第1の段階は、ヒドロゲルの水分含有量をメタノールに交換し、次にこれを二酸化炭素で置換する段階からなるものである。二酸化炭素は、超臨界条件下で最終的に除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】DE195 38 33A1
【特許文献2】DE195 41 992A1
【特許文献3】DE196 48 798C2
【特許文献4】DE197 52 456A1
【特許文献5】EP 0 171 722A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、これらの方法はすべて、絶縁及び断熱材料において広い範囲の使用を潜在的に達成することができる経済的に実用的な条件下で、機械的に十分に安定な粒状のエーロゲルを提供することができない。
【0016】
さらに、概説された従来技術の方法は、例外なく、通常は多数の有機溶媒及びさらなる添加剤の使用によってのみ可能な複雑な多段階の工程である。使用される化学物質は、しばしば腐食性、毒性及び/若しくは可燃性であるか、又は高圧下で使用されるので、特別な安全予防措置は、これらの化学物質を処理するために且つそれらを処分するために講じられる必要があった。これは、エーロゲルの製造コストをさらに引き上げ、結果として現時点では120ユーロ/kgまでの価格で販売されなければならないシリカエーロゲルを生じるものである。
【0017】
本発明の目的は、先行技術に関連して生じる上述の問題及び欠点を少なくとも実質的に回避するか、または少なくとも改善することのできるエーロゲル製造方法を提供することである。
【0018】
特に本発明の目的は、非常に少ない工程で、実施が簡単であり、問題となる化学物質、例えば可燃性若しくは有毒性溶媒の使用を理想的に避けるエーロゲルの製造方法を提供することである。
【0019】
本発明のさらなる目的は、製造コストが低く、機械的に強固で、絶縁体に使用するのに適したエーロゲルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上述された目的は、請求項1に記載の方法によって本発明により達成される; それぞれの従属請求項は、本発明による方法のさらなる有利な発展および改良に関する。
【0021】
本発明は、請求項31において、本発明の方法によって得られるエーロゲルをさらに提供する。
【0022】
本発明はさらに、請求項32において、本発明のエーロゲルを使用する方法を提供する。
【0023】
本発明は、さらに、請求項33において、ヒドロゲルを乾燥させることによってシリカエーロゲルを製造する方法を提供する;それぞれの従属クレームは、本発明による方法のさらなる有利な発展および改良に関する。
【0024】
本発明の一態様に関してのみ以下に引用されるような特色、特徴、詳細、改良及び利点などは、不必要な反復を回避するために、明示的な言及についての必要性なしに、本発明の他の様相にそのまま適用することもできることも容易に理解されるものである。
【0025】
以下に引用される任意の値、数字及び範囲が、それぞれの値、数字及び範囲を制限するものとして解釈されるものではないことは容易に理解されるものである;当業者は、特定の場合または特定の用途のために、引用された範囲及び詳細からの逸脱することは、本発明の領域を逸脱することなしに可能であることを認識することができる。
【0026】
さらに、以下に引用される値/パラメータの詳細等は、原則的に、標準/標準化され若しくは明確に引用された測定方法を使用して、又は、ある意味で当業者に知られている決定/測定の方法を使用して、決定され/定量化されることが可能である。
【0027】
以下に引用された重量若しくは量に基づくパーセンテージは、合計が100%になるように当業者によって選択されることは容易に理解されるであろう;しかし、これは自明である。
【0028】
これを明確にするために、本発明は、さらに詳細に説明される。
【0029】
したがって、本発明の第1の態様における本発明は、ゾル−ゲル法を介して、エーロゲル、特にシリカエーロゲルの製造方法であって、ゲルの疎水化、特にゲルのその場の疎水化が、それが形成されるように実行される方法を提供するものである。
【0030】
エーロゲル、特にシリカエーロゲルは、一般的にはゾル−ゲル法によって得られる。ゾル−ゲル法では、前駆体物質、略して前駆体は、加溶媒分解又は加水分解によって、対応する溶液若しくは分散液、すなわちコロイド溶液、ゾルに変換される。前記ゾルは、更なる反応、重合反応、特に縮合反応によって、高重合体又は巨大分子、すなわちゲルに変換される。水相中で合成が行われる場合、ゾル及びゲルは、ヒドロゾル及びヒドロゲルとしても参照される。ゾル−ゲル法は、非金属無機材料及び金属材料に基づく特に高分子材料を提供する方法である。
【0031】
疎水化は、本発明に関連して、特にゲル材料の界面特性が、極性化学物質によって表面の相互作用を弱める変化を受けることを意味すると理解すべきである。疎水化は、本発明に関連して、特にヒドロゲルの表面改質を意味すると理解すべきである。前記疎水化は、表面と極性化学物質、例えばアルコール又は水との間の相互反応が最小限となるように、ゲル、特にヒドロゲルの表面を変化させる。
【0032】
驚くべきことに、本出願人によって発見されたように、ゲル、特にヒドロゲルの形成の間、特にその場の疎水化−すなわちゲルが形成されている時のゲルの界面の疎水化−が、1つだけの溶解/分散液において疎水化されたエーロゲルの合成を可能にするものである。表面と、極性化学物質、例えばアルコール又は水との間の相互作用は、乾燥時に、エーロゲル構造が破壊されることなく溶解/分散媒体の直接的な除去が可能になるように、本方法において弱められる。これは、特にシリカエーロゲルの製造において、これらの無極性の溶解又は分散媒体の完全な除去を達成するために、より無極性の溶媒に対してアルコール又は水の時間のかかる溶媒交換を実施するために一般的に必要とされる点で顕著である。すでに得られたヒドロゲルが、さらなる溶媒交換が実行される前に、最初に溶媒交換によってアルコゲルに変換されることも時に必要である。
【0033】
その場の疎水化、すなわちゲル形成中の疎水化は、本発明に関して、エーロゲルの孔系から水の実質的に非破壊的な除去を可能にするエーロゲルの、特に細孔の内部界面の効率的な疎水化を実現するものである。
【0034】
本発明に関して、ゲルが1つ以上の疎水化剤の存在下で形成されることがさらに好ましい。これに関して、前記疎水化剤が、ホスホン酸塩、スルホン酸塩、置換アミン、シラン、ポリシロキサン、シリコネート、カルボン酸誘導体、エトキシレート、ポリエーテル、特にシラン、ポリシロキサン及びシリコネート並びにそれらの混合物から選択される場合に、良好な結果が得られるものである。前記疎水化剤として、シラン及び/若しくはシリコネートを使用する場合、本発明に関して、特に良好な結果が得られる。特に、疎水化剤としてのポリシロキサン、シリコネート及びシランの使用は、初期のゲル材料への、特にシリカヒドロゲルへの特に均一な結合を与えるように見え、すなわちゲルの内部表面を含む全ての表面の表面改質の効果的な形成を確実にするものである。特に、シランは、この効果の特に顕著な形成を与えるものである。
【0035】
本発明に関して、ポリシロキサンが疎水化剤として使用される場合、ポリシロキサンの化学組成は広い範囲で変化することができる。しかし、特に良好な結果は、特にヒドロキシル官能基、アミン及び/若しくはカルボン酸から選択される反応性官能基を有するポリシロキサンを使用する時に得られるものである。同様に、特に良好な結果は、250〜50,000g/molの範囲内、特に300〜30,000g/molの範囲内、好ましくは400〜20,000g/molの範囲内、より好ましくは450〜10,000g/molの範囲内、皿により好ましくは500〜5,000g/molの範囲内の重量平均分子量Mwを有するポリシロキサンを使用する時に得られるものである。
【0036】
本発明に関して、シランが疎水化剤として使用される場合、シランの化学的性質は同様に広い範囲で変化し得することができる。しかしながら、良好な結果は、下記する一般化学式(I)のシランを使用する時に得られるものである。
【0037】
R1nSiR24-n (I)
【0038】
この一般化学式(I)において、
n=1〜3、特に1又は2、好ましくは1である;
=C−〜C30−アルキル及び/若しくはC−〜C30−アリル、
特にC−〜C20−アルキル及び/若しくはC−〜C20−アリル、
好ましくはC−〜C20−アルキル及び/若しくはC−〜C20−アリル、
より好ましくはC−〜C15−アルキル及び/若しくはC−〜C15−アリル、
さらにより好ましくはC−〜C12−アルキル及び/若しくはC−〜C12−アリル、
最も好ましくはC−〜C12−アルキルである;
=ハロゲン化物、特に塩化物、臭化物及び/若しくはヨウ化物、
OX、ここでX=アルキル、アリール、ポリエーテル及び/若しくはカルボン酸誘導体、
特にアルキル、好ましくC−〜C−アルキル、
より好ましくはC−〜C−アルキルである。
【0039】
本発明に関して、シリコネートが疎水化剤として使用される場合、多数のシリコネートを使用することができる。しかし、一般化学式(II)のシリコネートを使用する時に、特に良好な結果が得られるものである。
【0040】
HO-[Si(R)(OM)-O-]nH (II)
【0041】
この一般化学式(II)において、
n=1〜6、特に1〜3、好ましくは1である;
R=C−〜C10−アルキル及び/若しくはC−〜C15−アリル、
特にC−〜C−アルキル及び/若しくはC−〜C12−アリル、
好ましくはC−〜C−アルキル及び/若しくはC−〜C10−アリル、
より好ましくはC−〜C−アルキル、
特により好ましくはC−〜C−アルキルである;
M=1価金属、
特にアルカリ金属、好ましくはナトリウム若しくはカリウムである。
【0042】
これに関連して、疎水化剤が、メチルシリコン酸ナトリウム、メチルシリコン酸カリウム、プロピルシリコン酸ナトリウム及びプロピルシリコン酸カリウムから選択されることが有利であることが分かる。
【0043】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つの溶解又は分散媒体が、本方法を実施するために用いられる。溶解又は分散媒体は、本発明に関連して、それぞれ化学化合物を、特に塩を、溶解及び分散させることができる液体媒体を意味すると理解されるべきである。溶解媒体は、化学物質の個々の構成部分の分離を生じること、すなわち、前記化学物質が、分子レベルで個々の分子及び/若しくは構成部分、例えばイオンに分離され、その後に個々の構成部分が永久に分離されたままで有り、巨視的に且つ微視的に、均質な単相系として作用する溶液に変換されるものである。本発明に関連した分散液は、二相混合物であり、不連続相として知られる分散されるべき化学物質を含んでいる第1の相が、第2の相、分散媒体及び/若しくは連続相に、細分化の微細な状態において、特に細分化の均質な状態において存在するものである。しかしながら、溶液から分散液への移行は、例えば、コロイド溶液が、明らかに溶液若しくは分散液のいずれかに割り当てることができないという点において流体である。巨大分子若しくは高分子の「溶液」と同様に、溶液若しくは分散液が存在するかどうかを明確に決定することができない。
【0044】
本発明の方法の過程において、エーロゲル、特にシリカエーロゲルの生成が、多くの場合、溶解媒体が複数回交換されることを要求することから、1つだけの溶解媒体を使用することは工程管理を非常に顕著に単純化する。より頻繁な溶媒の交換は、技術的により負担が大きく、溶解し/分散する媒体残留物が、分離方法において頻繁に収集して処分しなければならないことから、これらの除去は大いに不便である。
【0045】
一般に、本発明に関して、使用される溶解若しくは分散媒体は、極性溶解若しくは極性分散媒体、特に極性プロトン性溶解若しくは極性プロトン性分散媒体である。
【0046】
本発明の目的のために、溶解若しくは分散媒体は、アルコール、特にC−〜C−アルコール、アミン若しくは水、特にメタノール、エタノール、プロパノール及び水、好ましくはエタノール及び水の郡から選択されることが有利であることが見出されるであろう。本発明の目的のためには、溶解若しくは分散媒体が水である場合が特に好ましい。水を使用することの利点の1つは、それが有毒でもなく、環境的にも問題があるわけでもなく関連しているわけでもないということである。水はさらに不燃性であり、処理するのが簡単である。
【0047】
本発明の好ましい実施形態では、本発明は、特に上述のように、エーロゲル、特にシリカエーロゲルを製造する方法において、
(a) 第1の工程が、ゾル、特にヒドロゾルを生成すること;そして
(b) 第2及びそれ以降のステップは、ゾル、特にヒドロゾルを、1つまたは複数の疎水化剤の存在下で反応させて、ゲル、特にヒドロゲルを形成する方法を提供するものである。
【0048】
本発明による方法におけるこの特別な実施形態は、上述された特徴及び工程パラメータの制限されない適用を可能にするものであり、すなわち、本発明による方法の上記の特徴は、制限されない方法において、記載された特別な実施形態に適用することもできるものである。
【0049】
一般的には、本発明に関連して、前記ゾルは前駆体の溶液若しくは分散液から製造される。これに関して、溶液若しくは分散液が、溶液若しくは分散液の重量に基づいて、0.01〜20重量%の範囲内、特に0.1〜15重量%の範囲内、好ましくは0.5〜10重量%の範囲内、より好ましくは0.75〜8重量%の範囲内の量で、前駆体を含むことに利点があることが証明された。前述した濃度範囲は、ゾル分子/粒子の特に均一な重合/縮合を提供し、特に均質なゲル、特にヒドロゲルを得るものである。
【0050】
本発明に関するゾルは、多数の可能性のある前駆体化合物から得ることができる。しかしながら、特に良好な結果は、前駆体として、アルカリ金属ケイ酸塩溶液、特にケイ酸ナトリウム溶液から、モノケイ酸及び/若しくはコロイドシリカに基づいてヒドロゾルを製造する時に得られるものである。本発明に関して、これらが、特に断熱目的に適した物理的性質を有するため、シリカエーロゲルの製造のためであることが好ましい。
【0051】
ヒドロゾルが、本発明に関して、アルカリ金属ケイ酸塩溶液から製造される場合に、鉱酸、特に塩酸、硝酸及び硫酸と、アルカリ金属ケイ酸塩溶液を反応させることによって又はイオン交換によって、好ましくはイオン交換によって製造されることに利点があることが証明されるであろう。特に良好な結果は、これに関して、イオン交換が、強酸性カチオン交換樹脂、特にスルホン化ポリスチレン樹脂、好ましくはスルホン化ジビニルベンゼン架橋ポリスチレン樹脂を用いて実施される場合に得られる。イオン交換体、特にスルホン化ジビニルベンゼン架橋ポリスチレン樹脂に基づくイオン交換体の使用は、エーロゲルの重合を妨げ且つ/又は転位をもたらす塩、特に破壊イオンをほとんど含まない特に純粋なヒドロゾルを生じるものである。
【0052】
本発明に関連して、前記ゾルが、1〜6の範囲内、特に2〜4の範囲内、好ましくは2〜3の範囲内のpHを有することに利点があることが証明されるであろう。同様に、本発明に関して、良好な結果は、前記ゾルが6未満、特に4未満、特に3未満のpHを有する時に得られるものである。前述のpH値は、理想的に低分子量のゾル分子/粒子に、細分化の特に均質な状態を提供するものである。
【0053】
本発明に関連して、前記ゾルが、1200μS/cm以下、特に1100μS/cm以下、好ましくは1000μS/cm以下の20℃導電率を有する時に、利点がある。同様に、特に良好な結果は、前記ゾルが、10〜1200μS/cmの範囲内、特に20〜1100μS/cmの範囲内、好ましくは30〜1000μS/cmの範囲内の20℃導電率を有する時に、得られるものである。低い導電値は、前記ゾルが、ゲルを形成するためのそれに続く重合/縮合に悪影響を与えるイオン、特に外来イオンを実質的に含まないことを意味するものである。
【0054】
前記工程(a)は、一般的には、室温で、又は20〜30℃の温度範囲で実行される。
【0055】
本発明の好ましい実施態様では、前記工程(b)において、特に前記工程(b)の開始時に、前記工程(a)で得られた溶液若しくは分散液のpHは、3.5〜7、特に3.5〜6.5、好ましくは4〜6の範囲内で設定される。上記の範囲では、ゲルを形成するためのゾル、特にヒドロゲルを形成するためのシリカヒドロゾルの特に均一で制御された重合/縮合が実行される。次いで、前記工程(b)におけるpHの設定は、様々な方法で達成することができる。しかし、特に良好な結果は、pHが、塩基を混合することによって、特に水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液及び/若しくはアンモニア水溶液、好ましくはアンモニア水溶液を混合することによって設定される場合に、本発明に関して、特に良好な結果が得られる。アンモニア溶液の使用は、結果として得られるアンモニウムイオンが、ゾルのゲルへの重合/縮合に悪影響を及ぼさず、且つ、例えばナトリウム若しくはカリウムイオンのようなゲル構造に組み込まれないので、特に有利である。
【0056】
同様に、酸、特に鉱酸、好ましくは塩酸を混合することによってpHを設定することができる。酸を混合することによるpHの設定は、特に、強塩基性疎水化剤、例えばケイ酸塩を使用する場合に特に必要となり得る。
【0057】
一般に、疎水化剤は、本発明に関して、溶液若しくは分散の形態で、特に水溶液若しくは分散液の形態で使用される。溶液若しくは分散液中の疎水化剤の濃度は、広い範囲で変化することができる。 しかしながら、溶液若しくは分散液が、疎水化剤の溶液若しくは分散に基づいて、1〜90重量%、特に10〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、より好ましくは40〜60重量%の量で含有する場合に、特に良好な結果が得られる。
【0058】
本発明に関して、特に良好な結果は、疎水化剤に対するゾル粒子の重量比が、10:1〜1:20の範囲内、特に5:1〜1:10の範囲内、好ましくは3:1〜1:5の範囲内、より好ましくは2:1〜1:4の範囲内、さらに好ましくは1:1〜1:3の範囲内で変化する場合に、得られるものである。前述された比は、乾燥により、溶解/分散媒体残留物、特に水を簡単に除去することができる特に安定したエーロゲルを提供するものである。ここでゾル粒子は、ゾル、特にシリカの溶解/分散した粒子である。
【0059】
疎水化剤は、一般的には、pHが設定された後に、前記工程(b)において混合される。疎水化剤は、好ましくは、pHを設定した後、特に0.1〜60分、好ましくは0.5〜30分、より好ましくは0.5〜15分で混合されることが好ましい。疎水化剤の混合は、pHが設定された後、且つこれによってゾル粒子の重合/縮合反応が開始した後に、速やかに実行されるべきである。事実、いくつかの分散/溶解されたゾル粒子の比較的大きな凝集体は、上記の時間内に、混合物の時点で既に形成されているにもかかわらず、重合は、結果として生じるヒドロゲル粒子の界面領域への疎水化剤の均質/均一な結合を除外するようにまだ進んでいない。特に塩基性疎水化剤の使用が、弱酸性範囲のpHを優先的に設定をするのに好ましいことから、疎水化剤の混合後にphを設定することも可能である。
【0060】
同様に、疎水化剤のゾルへの混合が15分未満、特に10分未満、好ましくは5分未満の時間内に完了したことが、本発明に関して、有利であることが判明する。
【0061】
疎水化剤がゾルと混合される温度は、当然広い範囲で変化し得る。しかし、ゾルへの疎水化剤の混合は、10〜40℃、特に20〜30℃の範囲の温度で、実行されることが有利であることが判明するであろう。そのため、本発明に関して、ゾルへの疎水化剤の混合は、室温で実行されることができるものである。
【0062】
本発明の好ましい実施態様において、前記工程(b)は、30〜90℃の範囲内、特に35〜85℃の範囲内、好ましくは40〜80℃の範囲内、 より好ましくは50〜75℃の範囲内、さらに好ましくは60〜70℃の範囲内の温度まで、前記疎水化剤を混合した後に混合物を加熱することを有する。上記の温度範囲では、ゾル粒子の縮合反応は、急速なゲル形成が起こる程度に速くなるが、ゲル形成は依然として非常に均一で均一な多孔質表面構造を形成するのに十分低い速度で進行する。
【0063】
前記混合物が高温で維持される時間の長さは、同様に広い範囲で変化し得る。しかしながら、本発明の目的のために、前記混合物が、0.1〜48時間、特に0.5〜35時間、好ましくは1〜24時間、より好ましくは1〜12時間、特により好ましくは2〜8時間、高温で維持される場合に有益であることが証明される。同様に、良好な結果は、前記混合物が、48時間未満、特に35時間未満、好ましくは24時間未満、より好ましくは12時間未満、皿に好ましくは8時間未満、高温で維持する時に、得られるものである。
【0064】
本発明の好ましい態様において、前記工程(b)の後に、前記工程(b)で得られたゲル、特にヒドロゲルを、エーロゲルに加工する前記工程(c)が続く。これに関連して、本発明は、特に、前記工程(b)で得られたゲル、特にヒドロゲルを分離し、その後に任意に粉砕しその後乾燥させることができることを提供するものである。
【0065】
ゲルは、例えば、溶解/分散媒体をデカントすることによって、又は濾過によって、任意の所望の方法で分離することができる。しかしながら、処理条件の選択に依存して、ほんの少量の溶解媒体が生成されるか若しくは遊離溶解媒体が生成されない。次いで、前記工程(b)で得られたゲル、特にヒドロゲルは、反応容器からの除去によって分離され、必要に応じて粉砕され、続いて乾燥される。
【0066】
この特別な実施形態は、前記工程(c)が、0.01〜10mmの範囲内、特に0.1〜8mmの範囲内、好ましくは0.3〜7mmの範囲内、より好ましくは0.5〜5mmの範囲内の絶対サイズにゲルを粉砕することを提供するものである。この粉砕は、任意の適切な手順によって、例えば、ブレード若しくはワイヤメッシュを用いた切断又は分断によって達成することができる。それが高い粘度のペースト状物質の形で得られるので、ゲル、特にヒドロゲルを粉砕することが、一般的には直接的である。しかし、ゲル、特にヒドロゲルを、特に大気中で、室温で、1〜5時間、特に1.5〜4時間、好ましくは2〜3時間、予備乾燥することが有利であることが判明するであろう。この期間は、ゲル、特にヒドロゲルが、粉砕中に、個々の微粒子/粒子の形成に必要な必要な硬さ及び寸法性安定性を獲得するために必要とされる場合がある。
【0067】
一般的には、本発明に関して、前記工程(c)は、ゲルを1つ以上の段階で乾燥することを含んでいる。
【0068】
ゲルは、前記工程(c)において、ゲル、特にヒドロゲル、且つ/又は結果として生じるエーロゲルの細孔及び/若しくは固体構造が、強力な毛細管作用の結果として乾燥の間に破壊されてはならないという条件にさらされるいろいろな方法において、乾燥されることが好ましい。ゲル、特にヒドロゲルが、超臨界乾燥、凍結乾燥、熱乾燥若しくはそれらの組み合わせによって乾燥させる場合に、特に良好な結果が得られる。
【0069】
超臨界乾燥で、前記溶解媒体は、超臨界領域においてゲル、特にヒドロゲルから除去され、且つ/又は、元の溶解媒体は液体二酸化炭素と交換され、続いて超臨界条件下で除去される。凍結乾燥では、一般的には、前記工程(b)で得られたゲル、特にヒドロゲルは、特に事前の粉砕後、液体窒素を用いて急速冷却され、続いて溶解媒体、特に水が、昇華により減圧下で除去される。熱乾燥において、溶解媒体は、ゲル、特にヒドロゲル、且つ/又はその結果として生じるエーロゲルの細孔及び/若しくは固体状態構造を、温度上昇によって除去され、これに関連してこの段階は、減圧下で実行される。
【0070】
好ましくは、本発明に関して、ヒドロゲルは一段階の熱乾燥に供される。したがって、本発明の特定の方法は、ゲルを加熱することによって、ゲル、特にヒドロゲルの細孔系から、溶解媒体、特に水を除去することを可能にする。特に、標準的な圧力、すなわち大気圧の下では、単段階熱乾燥は、設備要件が低く、業界での操作が簡単であるという利点がある。ここで、エーロゲルは、条件付けチャンバー若しくはオーブン内で乾燥されて、一貫した乾燥条件を保証することが、本発明の目的にとって有利であることが判明するであろう。
【0071】
前記工程(c)におけるヒドロゲルの単段階熱乾燥のための具体的な処理条件は当然広い範囲で変動し得る。しかしながら、ゲルを20〜180℃の範囲内、特に30〜150℃の範囲内、好ましくは40〜120℃の範囲内、より好ましくは50〜100℃の範囲の温度で乾燥させるときに、特に良好な結果が得られる。
【0072】
乾燥期間の長さも、広い範囲で変化し得る。しかし、ゲルを5〜72時間、特に10〜60時間、好ましくは24〜48時間、乾燥させることが有利であることが判明するであろう。上記の期間は、十分であるだけでなく、溶解媒体を完全に除去するために必要である。
【0073】
ゲルが形成されるようにゲルを疎水化すること、特にその場の疎水化によって、本発明は、ゲル、特にヒドロゲルの毛細管系から液体水ですら除去することを可能にし、これによって実質的に非破壊的な方法で、エーロゲルの生成を可能にするものである。これが、疎水化、特にその場の疎水化が、ゲル内部の毛細管力、すなわちゲルの表面と溶解/分散媒体の分子との間の相互作用を、液体水が直接除去されるようになる程度まで、弱体化する理由である。
【0074】
同じように有利な本発明の態様は、前記工程(c)が、ヒドロゲルを2つ以上の段階で、特に2つの段階で乾燥することを含んでいることを提供する。
【0075】
これに関して、ヒドロゲルを乾燥させる第1の段階が、10〜60℃の範囲内、特に20〜50℃の範囲内、好ましくは30〜40℃の範囲内の温度で、ヒドロゲルを乾燥させることが好ましい。この乾燥は、8〜72時間、特に12〜60時間、好ましくは24〜48時間、有効に行うことが好ましい。ヒドロゲルは、大気中で乾燥させるか、あるいは、特に一貫した乾燥条件を確保できる条件付きチャンバ内で行うことにも利点がある。
【0076】
本発明の目的にとって、ヒドロゲルを乾燥させる第2の段階が、60〜275℃の範囲内、特に80〜250℃の範囲内、好ましくは100〜230℃の範囲内、より好ましくは150〜200℃の温度で、ヒドロゲルを乾燥させることを含んでいることが有利であることが判明するであろう。これに関連して、乾燥の第2の段階は、275℃まで、特に250℃まで、好ましくは230℃まで、より好ましくは200℃までの温度で実行されることが、これに関して提供されるものである。これは、乾燥の第2の段階を、0.2〜10時間、特に0.5〜5時間、好ましくは1〜2時間の間で行うことが有利であることが判明するであろう。
【0077】
上記の多段階熱乾燥形態は、特に敏感で機械的に堅牢でないエーロゲルを乾燥するのに特に適している。乾燥工程の第1の補助工程中に、大部分の溶解/分散媒体、特に液体水をゆっくりと除去し、次に短時間高温に加熱することにより、溶解/分散媒体、特に水を、エーロゲルの構造から、非常に穏やかに除去させることが提供される。
【0078】
しかしながら、上述したように、本発明の目的のために、本発明に関連して、疎水化、特にその場の疎水化が、極性溶解媒体、特に水と、ゲル、特にヒドロゲルの表面との間の相互作用を、ゲル、特にヒドロゲルの微細で脆弱な多孔質構造が、溶解媒体を除去したにもかかわらず、多孔質構造及びこれによるエーロゲルを破壊することなしに可能となるような程度まで、減少させることを助けることから、単段階熱乾燥による溶解媒体、特に水のヒドロゲル/エーロゲルを除去することが、一般的に十分である。
【0079】
本発明の方法は、結果としてエーロゲルを得るゾル−ゲル法により製造されたゲルの特に穏やかな乾燥を可能にする。本発明の乾燥工程は、前記エーロゲルが、乾燥工程の間、最小限でその上可逆的な収縮に晒され、エーロゲル粒子の構造が破壊されないような緩やかな条件下で、シリカエーロゲルから水を除去させるものである。
【0080】
本発明は、第2の態様によれば、さらに上記の方法によって得られるエーロゲルを提供する。
【0081】
一般に、エーロゲルは、粒子について0.01〜10mm、特に0.1〜8mm、好ましくは0.3〜7mm、より好ましくは0.5〜5mmの絶対サイズを有する。
【0082】
前記エーロゲルは、0.05〜0.30g/cm、特に0.08〜0.25g/cm、好ましくは0.10〜0.22g/cm、好ましくは0.12〜0.20g/cmのかさ密度を有することをさらに提供することが好ましい。
【0083】
その空隙率に関する限り、本発明のエーロゲルは、一般的に、10〜300nm、特に40〜250nm、好ましくは60〜220nm、より好ましくは100〜200nmの平均孔径を有する。同様に、前記エーロゲルが、300nm未満、特に250nm未満、好ましくは220nm未満、より好ましくは200nm未満の平均孔径を有することが提供されることが好ましい。
【0084】
本発明の方法を用いて得られるエーロゲルは、一般的に、100〜170°、特に130〜165°、好ましくは140〜165°の水との接触角を有するものである。
【0085】
本発明の方法を用いて得られるエーロゲルは、特に断熱材および断熱材料への組み込み、特に熱的及び音響的な遮断/絶縁の目的で有用である。本発明のエーロゲルは、特に下塗り機による断熱下塗りの機械的に塗布する過程において、前記断熱下塗りが7〜8バールの圧力に晒されることから、エーロゲル粒子の機械的堅牢性が特に要求される断熱下塗りのための使用に特に適している。本発明のこの態様に関するさらなる詳細については、本発明の方法に関する先の見解を参照することによって、それは、本発明によるエーロゲルに関して必要な変更を加えて適用することができる。
【0086】
本発明の第3の態様による本発明は、建築材料、特に断熱下塗り、断熱パネル若しくは外部断熱複合システムなどの断熱材料の製造において、上述されたエーロゲルを使用する方法をさらに提供する。
【0087】
本発明のこの態様に関するさらなる詳細については、本発明の方法に関して及び本発明のエーロゲルに関してなされた上述した所見も、本発明による使用に関してそのまま適用することができるものである。
【0088】
最後に、本発明の第4の態様による本発明は、さらにヒドロゲルを乾燥させることによってシリカエーロゲル、特に疎水性化されたシリカエーロゲルを製造する方法を提供し、この方法は、複数の、特に2つ以上の段階を含むものであり、この段階は、
(a) 第1の段階が、10〜60℃、特に20〜50℃、好ましくは30〜40℃の範囲の温度でヒドロゲルを乾燥させることを含んでいること、その後に、
(b) 第2の段階が、60〜275℃、特に80〜250℃、好ましくは100〜230℃、より好ましくは150〜200℃の範囲の温度で、ヒドロゲルを乾燥させることを含んでいること、である。
【0089】
前記第1の段階が、8〜72時間、特に12〜60時間、好ましくは24〜48時間実行される場合、本発明に関して、特に良好な結果が得られる。
【0090】
同様に、前記第2の段階が、0.2〜10時間、特に0.5〜5時間、好ましくは1〜2時間実行される場合に、実施することが有利であることが判明するであろう。
【0091】
ヒドロゲルからシリカエーロゲルを製造するために本発明が提供する方法は、ヒドロゲルの特定の多段階、特に2段階の乾燥工程からなり、疎水性シリカエーロゲルの製造に特に有用である。本発明の方法は、特に水が溶解/分散媒体として使用される場合ですら、ヒドロゲルの乾燥及びこれによるエーロゲルの製造及び分離を、特に穏やかな形で可能にするものである。水は、一般的に、シリカエーロゲルの細孔から除去することを非常に困難にする極性を有する。これは、例えばn−ヘキサンである、より不極性の溶解媒体のための面倒で繰り返される水の交換が実行され且つ最初に水がメタノールに交換されるアルコゲル段階を介して実行される場合にのみ、疎水化されたシリカエーロゲルの場合においてすら、成功裏に達成される。これらの厄介な処理工程及び/若しくは段階は、本発明による乾燥工程のおかげで回避することができる。
【0092】
本発明のこの態様に関するさらなる詳細について、本発明の他の態様に関する上述した所見を参照にして、本発明が乾燥によってヒドロゲルからシリカエーロゲルを製造するために提供する方法に関して適用することもできるものである。
【発明を実施するための形態】
【0093】
本発明の主題は、本発明の主題を例示的に記載する以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0094】
実施例
エーロゲルを製造すること
次に、本発明の方法を用いたシリカエーロゲルの合成について説明する。
【0095】
1.ヒドロゾルを製造すること
市販の珪酸ナトリウム溶液が、溶液の総重量に基づいて珪酸ナトリウム約5重量%まで脱イオン水で希釈され、スルホン化ジビニルベンゼン架橋ポリスチレンに基づく強酸性カチオン交換樹脂を通過する。得られた反応生成物は、約900μS/cmの導電率を有するヒドロゾルである。これによって、ケイ酸塩のナトリウムイオンはほぼ完全にプロトンに置き換えられている。
【0096】
2.ヒドロゲルを製造すること
工程1で得られたヒドロゾルは、アンモニア水溶液でpH3に調整される。その直後に、前記ゾルは、水に50重量%のオクチルトリエトキシシランを分散させた液と混合して、溶解したゾル粒子、すなわちオルトケイ酸に対する重量比1:3をシランに設定する。次いで、混合物は、60℃の温度に加熱され、60℃で7時間維持され、その間にヒドロゲルが粘性のペースト状の塊として形成される。
【0097】
3.エーロゲルを製造すること
工程2で得られたヒドロゲルは、濾過により過剰の水から分離され、プレート上に注がれる。次いで、ヒドロゲルを室温で約3時間乾燥させ、続いてグリッドを用いて、0.5〜5mmの範囲の粒度に粉砕する。このようにして得られた寸法安定性を有するヒドロゲル粒子は、その後、85℃の条件付きチャンバ内で41時間乾燥される。
【0098】
得られたエーロゲルは、以下の特性を有する。
粒径: 0.5〜5mm
密度: 0.15〜0.16g/cm
接触角: >130°
熱伝導率:0.019〜0.025W/(mK)
細孔径: 100〜200nm
透過率:なし
【0099】
得られたエーロゲルは、絶縁体として、また断熱下塗りに組み込むために非常に有用である。 さらに、エーロゲルの合成中に、有害な、有毒な若しくは可燃性の化学物質は使用されない。