特許第6446555号(P6446555)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6446555
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】複合部品を製造する方法および複合部品
(51)【国際特許分類】
   B29C 69/02 20060101AFI20181217BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20181217BHJP
   B29C 47/00 20060101ALI20181217BHJP
   B60R 13/02 20060101ALI20181217BHJP
   B62D 25/12 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   B29C69/02
   B29C45/14
   B29C47/00
   B60R13/02 B
   B62D25/12 L
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-531567(P2017-531567)
(86)(22)【出願日】2016年7月8日
(65)【公表番号】特表2018-500210(P2018-500210A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】EP2016066337
(87)【国際公開番号】WO2017009250
(87)【国際公開日】20170119
【審査請求日】2017年6月12日
(31)【優先権主張番号】15176351.3
(32)【優先日】2015年7月10日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515312623
【氏名又は名称】クーパー スタンダード ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ バレンシェーン
【審査官】 今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0228205(US,A1)
【文献】 特開2015−101273(JP,A)
【文献】 特開2006−176053(JP,A)
【文献】 特開昭62−103117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00 − 45/84
B29C 69/02
B60R 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(10)の部品(11,12,14,15)を被覆、密閉、縁取りまたは保持するための複合部品(100,200,300,400,500,600,700,800)を製造する方法であって、前記複合部品(100,200,300,400,500,600,700,800)が、
中央部(113)と、先端部(119,121)を有する少なくとも一のウィング部(118,120)と、を含む形状を有しており、前記中央部(113)と前記ウィング部(118,120)とが車両側の面(111)を画し、前記先端部(119,121)が装着状態にて車両(10)の部品(11,12,14,15)と突き当てられるように構成されている本体(110,210,310,410,510,610,710,810)と、
前記中央部(113)または前記ウィング部(118,120)に配置され、前記車両(10)の前記部品(11,12,14,15)と噛み合うように構成され、これにより、前記本体(110,210,310,410,510,610,710,810)の曲げ弾性から生じる力によって、装着状態にて前記先端部(119,121)を、前記車両(10)の前記部品(11,12,14,15)へと押しあてる装着ピン(130,230,330,430,530,630,730,830)と、
ウィング・シーリングリップ(341,342,441,442)と、
を備えており、
前記方法は、
1.1 前記中央部(113)と前記少なくとも一のウィング部(118,120)とを形成するよう、第一ポリマーから前記本体(110,210,310,410,510,610,710,810)を押出成形する工程と、
1.2 前記装着ピン(130,230,330,430,530,630,730,830)を、前記車両側の面(111)の側にて前記本体(110,210,310,410,510,610,710,810)と一体に接合させるようにして、前記第一ポリマーより高い成形性を有する第二ポリマーから前記装着ピン(130,230,330,430,530,630,730,830)を射出成形する工程と、
1.3 工程1.2と同時に、またはその後に、前記ウィング・シーリングリップ(341,342,441,442)を、前記本体(330,430)と一体に接合させるようにして、前記ウィング・シーリングリップ(341,342,441,442)を射出成形する工程と、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記本体(110,210,310,410,510,610,710,810)は第一ウィング部(118)と第二ウィング部(120)とを備えており、
前記中央部(113)は前記第一ウィング部(118)と前記第二ウィング部(120)とに隣接している方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記中央部(113)は縁取りストリップを収容するように構成される凹部(114)を備えており、
前記第一ウィング部(118)は前記凹部(114)に隣接しており、
前記中央部(113)は平坦部(115)を備えており、
前記第二ウィング部(120)は前記平坦部(115)に隣接しており、
前記装着ピン(130,230,330,430,530,630,730,830)は、前記第一ウィング部(118)と前記第二ウィング部(120)との間に、特に前記凹部(114)と前記第二ウィング部と(120)との間に、配置されており、
前記装着ピン(130,230,330,430,530,630,730,830)は、前記平坦部(115)および/または前記第二ウィング部(120)に配置されている方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の方法であって、前記複合部品(200)はさらに支持部(240)を備えており、
工程1.2の前に、前記本体(230)に一体に接合するように、前記支持部(240)が射出成形され、
工程1.2は、前記装着ピン(230)を前記支持部(240)に一体に接合させる工程を含方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記支持部(240)と前記本体(210)とは同じポリマーを用いて単一部材として形成される方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の方法であって、前記複合部品(200)はさらに、前記支持部(240)と前記本体(230)とによって形成される支持キャビティ(243)をさらに備え方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記支持部(240)は第一脚部(241)と第二脚部(242)とを有しており、
前記第一脚部(241)は、前記中央部(113)また平坦部(115)と一体に接合されており、
前記第二脚部(242)は、前記ウィング部(118,120)と一体に接合されており、
前記第一脚部(241)と前記第二脚部(242)とは同じポリマーを用いて単一部材として形成されており、
前記支持キャビティ(243)は、前記第一脚部(241)と前記第二脚部(242)と前記本体(230)特平坦部(115)および/または前記ウィング部(118,120)とによって形成されている方法。
【請求項8】
請求項1〜のいずれかに記載の方法であって前記ウィング・シーリングリップ(341,342,441,442)を前記先端部(119,121)と一体に接合させ方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の方法であって、前記ウィング・シーリングリップ(442)はさらに前記車両側の面(111)および/または前記装着ピン(430)と一体に接合されており、
前記ウィング・シーリングリップ(442)と前記装着ピン(430)とは同じポリマーを用いて単一部材として一体に形成されている方法。
【請求項10】
請求項1〜のいずれかに記載の方法であって、
前記第一ポリマーは、下記7.1〜7.3の少なくとも一つの特徴を有する方法。
7.1 前記第一ポリマーがABS、PS、PPまたはPEまたはその他の熱可塑性材料を含む。
7.2 前記第一ポリマーがABS、PS、PPまたはPEまたはその他の熱可塑性材料を含むポリマーブレンドを含む。
7.3 前記第一ポリマーは、40100との間、または6585との間、また7080との間のショアD硬度を有する。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の方法であって、
前記第二ポリマーは、下記8.1〜8.3の少なくとも一つの特徴を有する方法。
8.1 前記第二ポリマーが熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性架橋硬化物を含む。
8.2 前記第二ポリマーがポリマーブレンドを含む。
8.3 前記第二ポリマーは、40100との間、4580との間、または5075との間のショアA硬度を有する。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の方法であって、前記装着ピン(130,230,330,430,530,630,730,830)は、装着方向に延びるとともに、基部(131,231,531)とヘッド部(133,233,533)とをさらに備えており、
前記基部(131,231,531)は、前記車両側の面(111)の側にて前記本体(110,210,310,410,510,610,710,810)または前記車両側の面(111)と一体接合されている方法
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記ヘッド部(133,233,533)は噛み合うように構成されており、
前記装着ピン(530)または前記ヘッド部(533)は装着キャビティ(537)を有しており、
前記装着ピン(230)または前記基部(231)は締結ディスク(232)を有している方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記ヘッド部(133,233,533)は、実質上リング状に、かつ装着方向に対して実質上直交する方向に延びる噛み合い面(134)を有しており、
前記ヘッド部(133,233,533)はさらに、装着方向に対して実質的に角度を付けて延びる案内面(135)を有しており、
前記ヘッド部(133,233,533)はさらに、装着方向に対して実質上直交する方向に延びるとともに、装着方向に前記噛み合い面(134)から離間して配置される先端面(136)を有しており、
前記ヘッド部(133,233,533)は、実質上、円錐台形状またはキノコ状に形成される方法。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載の方法であって、前記複合部品(600)はさらに、前記装着ピン(630)また基部(631)と一体に接合されるリング状シーリングリップ(632)を備えている方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記リング状シーリングリップ(632)は、前記車両側の面(111)の逆側、またヘッド部(133)の側へと、片寄っており、
前記リング状シーリングリップ(632)は同じポリマーを用いて単一部材として前記装着ピン(630)と一体的に形成されている方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合部品を製造する方法に関する。本発明はさらに、その方法によって得られる複合部品に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の自動車における視覚的なデザイン及び全体的なデザインは、顧客が新車を買う際、決定的でないにしても、ますます重要になっている。車両の異なる部品間の繋がり部分は、全体的な印象に影響を与える場合がある。なかでも、繋がり部分として、二つの別個の車両部品の間の連結領域が挙げられる。例えば、トランクリッドの広範囲の表面を被覆するといった、他の用途も、想定される。理想的には、そのような被覆材ないしは縁取りは、音と湿度の両方に対する密封機能をも有する必要がある。
【0003】
ヨーロッパ特許出願公開第1369304号明細書(EP1369304A1)および米国特許出願公開第2003/0228205号明細書(US2003/0228205A1)には、型成形または押し出し成形されたプラスチック部品を、自動車ボディに緩まないように組み付ける(positive locking)締結具が開示されている。この締結具は、一般に装着ピンとして知られている。装着ピンは、プラスチック材料で形成される成形品を緩まないように組み付けるために、弾性的に変形可能な材料で形成される。装着ピンは、締結される成形部品と同じ材料から形成される。
【0004】
ドイツ特許出願公開第1980340号明細書(DE19803402A1)には、成形部品をシャシー本体に装着するための構成が開示されている。この構成は、連結要素を有する保持ストリップを備える。保持ストリップはさらに、連結要素と一体に形成された密閉フランジを備える。保持ストリップは、保持ストリップを成形部品に締結するための突き刺しピン部を備えており、これにより、成型部品をシャシー本体に固定する。保持ストリップは、第一のポリマーから形成され、そして成形部品は第二のポリマーから形成される。保持ストリップは、特には、化粧(デコレーティブ)ストリップ、バンパーカバー、内装ライニング部分などを装着するのに用いることができる。保持ストリップと、成形部品とは、成形部品における、見える面が変形するのを防ぐために、別々に形成される。
【0005】
米国特許第5524955号明細書(US5524955A)には、車両の屋根の剛直なカバーの製造プロセスが開示されている。剛直なカバーは、屋根の開口部に嵌め付けられる間隙密閉部材(ギャップ・シール)によって四方を囲まれたガラス製パネルから構成される。間隙密閉部材は、平坦で、垂直方向に突出する主形材・突条(main profile ridge)から構成される。主形材・突条の一の側から舌状凸部が下方へ突出し、T字状のアルミフレームのアンダーカットされた溝と噛み合わされる。ここで、この凸部を有する主形材・突条は、ショアA硬度70のエラストマーから適切に生産される。間隙密閉部材はさらに、主形材・突条に配置された下方へ突出する密閉突条(sealing ridge)を備える。主形材・突条の他の側には、多孔質ゴム製の中空室・形材(hollow chamber profile)が押出し成形されている。この中空室・形材の上側及び外側には、屋根開口部のスライディングを容易にするためにコーティングが施されている。なお、この場合、カバーを装着するための突条(リッジ)は、密閉のための中空室・形材より高い硬度を有する。
【0006】
ヨーロッパ特許出願公開第1455044号明細書(EP1455044A2)には、車両の窓、ドアおよびトランクリッドといった可動の閉じ部材の近傍に配置できるピンチ・センサが開示されている。ピンチ・センサを、成形部品(例えば先の段落にて説明したような剛直なカバー)によって保持することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上の例では、装着ピンの使用に関する問題が生じる虞がある。通常、装着ピンは、車両に装着される成形部品に形成される。しかし、これにより、見える側の面に変形(例えば凹みや膨らみ)が生じる場合があり、この場合、成形部品の見た目に良くない影響を与える。さらに、装着ピンを形成する材料の選択が成形部品の材料の選択によって制限されるので、既知の例は用途が限定される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、より多くの用途に利用でき、見た目のよい表面を提供できる多機能の複合部品を提供することを目的とする。
【0009】
この目的は、請求項1による方法、および請求項12による複合部品によって達成される。従属請求項2〜11は本方法の有利な実施形態に関する。請求項13は本複合部品の有利な実施形態に関する。
【0010】
本発明は、車両の部品を被覆、密閉、縁取りまたは保持するための複合部品を製造する方法を提供する。複合部品は、車両側の表面を有する本体を有する。本体は第一ポリマーを含む。複合部品は、噛み合うように構成された装着ピンを有する。装着ピンは第二ポリマーを含む。第二ポリマーは、高い成形性を有する。すなわち、硬度が第一ポリマーより低い。本方法は、本体を押し出し成形する工程と、装着ピンを射出成形する工程と、を含む。装着ピンの射出成形は、装着ピンを車両側の面の側で本体と一体的に接合させるように行われる。さらに、本発明は、本製造方法の好ましい実施形態によって得られる複合部品を提供する。
【0011】
本発明の基本概念は、クリップといった別体の締結部材を不要にし、その結果、複合部品の装着時の労力の低減を可能にすることにある。このため、全体的な車両の製に寄与することができる。さらに、機能の統合を達成することができる、すなわち、複合部品が、カバー(被覆材)、シール(密閉材)、トリム(縁取り)、リテーナ(保持材)またはそれらの任意の組み合わせとして機能することができる。他の概念は、複合部品を製造するために少なくとも二つの異なる種類のポリマーを用いることにある。一つは、それ自体頑丈で、硬く、またはかなり非弾性的なポリマーであり、例えば、熱可塑性材料である。他のポリマーは、変形可能である、柔らかい、または弾性である、例えば、ゴムまたは熱可塑性エラストマーである。驚くことに、射出成形によって装着ピンを本体に接合させる場合、材料のこの組み合わせを用いることにより、本体の露出側の表面の変形が防がれる。なお、接着剤で接着する追加の工程を必要としない。
【0012】
本発明では、本体は、装着された状態で車両に噛み合うように構成された先端部を有する。先端部は、本体の曲げ弾性から生じる力によって、装着状態において車両に向かって押しあてられるように構成される。本体は、中央部と、少なくとも一のウィング部とを有する。ウィング部は先端部を有する。装着ピンは、中央部および/またはウィング部に配置される。これに代えて、またはこれに加えて、装着ピンがウィング部に配置される。他の実施形態では、本体は、第一ウィング部と第二ウィング部とをさらに備える。好ましくは、中央部は第一ウィング部と第二ウィング部とに隣接する。好ましい実施形態では、中央部は装飾ストリップを収容するように構成される凹部を備える。好適には、第一ウィング部は凹部に隣接する。中央部は平坦部を備えることができる。好ましくは、第二ウィング部は平坦部に隣接する。好ましい実施形態では、装着ピンは、第一ウィング部と第二ウィング部との間に、特に凹部と第二ウィング部との間に、配置される。好適には、装着ピンは平坦部に配置される。これに代えて、またはこれに加えて、装着ピンは第二ウィング部に配置される。本体がかなり非弾性的な材料で形成されているとき、曲げ弾性を可能にする形状に本体を形成することによって、所望の変形性能を導入することができる。本体の形状と装着ピンの配置との組み合わせによって、曲げ弾性を調整可能にできる。
【0013】
好ましい実施形態では、複合部品はさらに支持部を備える。好ましくは、装着ピンを射出する工程の前に、本体に一体に接接合するよう、支持部が射出成形される。好適には、装着ピンを射出成形する工程は、装着ピンを支持部と一体に接合させる工程を含む。任意選択的に、支持部と本体とは同じポリマーを用いて単一部材として形成されうる。好ましい実施形態では、複合部品はさらに、支持部と本体とによって輪郭が画される支持キャビティをさらに備える。好ましくは、支持部は第一脚部と第二脚部とを有する。任意選択的に、第一脚部は、中央部に、特には平坦部に、一体に接合されうる。これに代えて、またはこれに加えて、第二脚部が、ウィング部と一体に接合される。好適には、第一脚部と第二脚部とは同じポリマーを用いて単一部材として形成される。好ましくは、支持キャビティは、第一脚部、第二脚部、及び、本体(特には平坦部および/またはウィング部)の任意の組み合わせによって、輪郭が画される。支持部によって、装着距離を調整することができ、そして装着ピンを他の実施形態のものとほぼ同じサイズで形成することができる。これにより、装着ピン自体を単に延長する場合よりも、より安定して締結することができる。さらに、望ましくないノイズを防ぐ振動減衰を含みうる。
【0014】
他の好ましい実施形態では、複合部品はさらにウィング・シーリングリップを備える。好適には、ウィング・シーリングリップは装着ピンと同時に射出成形される。あるいは、ウィング・シーリングリップは、装着ピンが形成された後に射出成形される。好ましくは、ウィング・シーリングリップを本体に、特には先端部に一体に接合されるようにして、ウィング・シーリングリップが形成される。また、これに加えて、ウィング・シーリングリップを、車両側の表面および/または装着ピンに一体に接合することもできる。任意選択的に、ウィング・シーリングリップと装着ピンとが、同じポリマーを用いて単一部材として一体に形成されうる。この例では、密閉機能を複合部品に導入することができる。本体の曲げ弾性とともに、より信頼できる密閉を達成しうる。
【0015】
好適には、第一ポリマーは熱可塑性材料を含む。第一ポリマーは、ABS、PS、PPまたはPEを含む群から選択することができるが、これらには限定されない。これに代えて、またはこれに加えて、第一ポリマーは、熱可塑性材料を含むポリマーブレンドを含みうる。この熱可塑性材料は、ABS、PS、PPまたはPEを含む群から選択することができるが、これらには限定されない。第一ポリマーは、40100との間、好ましくは、6585との間、最も好ましくは7080との間のショアD硬度を有する。好適には、第二ポリマーは熱可塑性エラストマーを含む。これに代えて、またはこれに加えて、第二ポリマーは熱可塑性の架橋硬化物ないし加硫物を含む。なかでも、第二ポリマーはEPDMおよびゴムを含みうる。さらに、第二ポリマーはポリマーブレンドを含みうる。第二ポリマーは、40100との間、好ましくは、4580との間、最も好ましくは5075との間のショアA硬度を有する。これらの材料の組み合わせにより、同様のものよりも、露出側の面の望ましくない変形を驚くほど低減できることが分かった。
【0016】
好ましい実施形態では、装着ピンは装着方向に延び、基部とヘッド部をさらに備える。好ましくは、基部は、車両側の面の側で本体と、特には車両側の面そのものと一体に接合される。ヘッド部は、噛み合うように構成することができる。装着ピン、特にヘッド部は、装着キャビティを有しうる。さらに、装着ピン、特に基部は、締結ディスクを有しうる。他の有利な実施形態では、ヘッド部は、実質上環状にかつ装着方向に対して実質上直交する方向に延びる係合面を有する。好ましくは、ヘッド部はさらに、装着方向に対して実質的に角度を付けて延びる案内面を有する。ヘッド部はさらに、装着方向に対して実質上直交する方向に延びるとともに装着方向に噛み合い面から離間して配置される先端面を有することができる。他の実施形態では、ヘッド部実質上、円錐台形またはキノコ状として形成できる。さらに好ましい実施形態では、複合部品はさらに、装着ピンと、特に基部と、一体に接合されるリング状シーリングリップを備えることができる。好ましくは、リング状シーリングリップは、車両側の面の逆側へと、特にはヘッド部の側へと、撓(たわ)んで片寄った形となっている。リング状シーリングリップを、同じポリマーを用いて単一部材として装着ピンと一体に形成することができる。この装着ピンによって、複合部品の締結が特に容易となる。案内面は、より簡単な締結を可能にする。さらには、キャビティを用いることによって、装着ピンの成形性を用途に適合させることができる。シーリングリップによって、さらなる密閉機能を与えることができる。
【0017】
好ましい実施形態において複合部品は、本体に、特に露出側の面に配置される保持部を有する。保持部は、特には、ピンチ・センサを保持するために構成される。保持部を、本体に締結される別体の保持用の形材(プロファイル材)として形成することができる。好ましい選択肢において、保持部は、本体と一体の単一部材をなす保持セクションとして形成することもできる。保持部は、好ましくは、ウィング部に配置される。これらの構成により、複合部品にさらに安全機能が統合される。ピンチ・センサを、移動経路内にある、体の一部といった対象物を検出するように、閉じ部材のエッジの移動経路の近傍に装着することができる。適当な制御器によって、ピンチ・センサの出力を処理し、対象物を挟むのを防止するために、閉じ部材の移動について、停止及び/または引き戻しを行いうる。また、発光装置を保持部に収容することも考えられる。
【0018】
ある実施形態では、上に記載したすべての利点を必ずしも同時に達成するとは限らない。本発明の実施形態を概実質上的な図面を参照して説明する。それらの図面を以下に挙げる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】好ましい複合部品を有する車両を示す。
図2】第一実施形態の製造方法によって得られた複合部品の断面を示す。
図3】第二実施形態の製造方法によって得られた複合部品の断面を示す。
図4】第三実施形態の製造方法によって得られた複合部品の断面を示す。
図5】第四実施形態の製造方法によって得られた複合部品の断面を示す。
図6】第五実施形態の製造方法によって得られた装着ピンの例を部分的に示す。
図7】第六実施形態の製造方法によって得られた装着ピンの例を部分的に示す。
図8】第七実施形態の製造方法によって得られた複合部品の断面を示す。
図9】第八実施形態の製造方法によって得られた複合部品の断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に車両10を示す。車両10は、車両10の部品の一例であるトランクリッド11を備える。トランクリッド11には、第一実施形態にかかる方法によって得られるカバーとして機能する複合部品100が配置されている。複合部品100は、長手方向に延び、例えばトランクリッド11の左側または右側に配置される。
【0021】
図2から知りうるように、複合部品100は本体110を備える。本体110は、第一ポリマーまたはポリマーブレンドを用いて単一部材として形成される。第一ポリマーは、熱可塑性材料を例えばABSを含む。概して、本体110は、車両側の面111と露出側の面112とを有する。複合部品100がトランクリッド11に装着されると、車両側の面111は、トランクリッド11にの側を向いており、露出側の面112はトランクリッド11の逆側を向いている。なお、露出側の面112は、観察者に必ずしも見える必要はない。
【0022】
本体110はさらに、実質上実質上平坦に延びる中央部113を備える。中央部113は、縁取りストリップを収容するための凹部114と、凹部114に隣接する平坦部115と、を有しうる。表面が全体的に同一の平面をなすように縁取りストリップを収容すべく、凹部114を構成することができる。
【0023】
本体110は第一湾曲部116を有する。第一湾曲部116は、中央部113に、より具体的には凹部114に隣接している。第一湾曲部116は、車両側の面111の側に向かって湾曲している。本体110はさらに第二湾曲部117を有する。第二湾曲部117もまた、中央部113に、より具体的には平坦部115に隣接している。第二湾曲部117は、車両側の面111の側に向かって湾曲している。第一湾曲部116および第二湾曲部117は、同じ湾曲半径を有しうるが、円弧状に湾曲する必要はない。
【0024】
本体110には、第一湾曲部116と第一先端部119を有する第一ウィング部分118が配置されている。第一ウィング部118は凹部114に隣接している。本体110にはさらに、第二湾曲部117と第二先端部119を有する第二ウィング部118が配置されている。第二ウィング部119は平坦部115に隣接している。こうして、本体110はある一定の曲げ弾性を有する。
【0025】
複合部品100はさらに、複合部品100を車両10に、特にはトランクリッド11に装着するための装着ピン130を有する。装着ピン130は、第二ポリマーまたはポリマーブレンドを用いて単一部材として形成される。第二ポリマーは、熱可塑性エラストマー、例えばEPDMを含む。本実施形態では、装着ピン130は、平坦部115に配置される。平坦部115に対して実質上直交する方向である装着方向に、装着ピン130は延びる。一般的には装着ピン130は円柱状であるが、必ずしも円形または丸形である必要はない。
【0026】
装着ピン130は基部131を備える。基部131は平坦部115に接合される。基部131は、特に装着方向に沿って弾性的に変形できる。
【0027】
装着ピン130はさらにヘッド部133を備える。ヘッド部133は、噛み合うように構成される。ヘッド部133は、装着方向に対して実質上直交する方向に、かつ装着ピン130の円周方向に、リング状に延びる噛み合い面134を有する。複合部品100が装着方向と平行に移動するのを防止するために、噛み合い面134は、装着状態にあるとき、トランクリッド11の表面部と噛み合うように、すなわち接触するように構成される。
【0028】
さらに、ヘッド部133は、案内面135を有しうる。案内面135は、装着方向に対して傾斜角をなし、これにより、実質上円錐台形をなしている。案内面135は、装着ピン130の初期の噛み合わせを可能にし、次いで、確実な締結を可能にする。
【0029】
これに加えて、ヘッド部133は先端面136を備えることもできる。先端面136は、装着方向に対して実質上直交するとともに装着方向に沿って噛み合い面134から離間して配置される。
【0030】
トランクリッド11に装着されると、装着ピン130はトランクリッド11の一部と噛み合う。本体110と装着ピン130とは、互いに組み合わさって、複合部品100に、トランクリッド11へと向かうバネ力を生じるように構成される。特には装着方向に沿って弾性的に変形可能な装着ピン130により、力が発生し、本体110はトランクリッド11に向かって引っ張られる。このために、第一先端部119と第二先端部121とがトランクリッド11に向かって押圧されるとともに、トランクリッド11と接触する。
【0031】
複合部品100は、少なくとも二つの異なるポリマーの成形により製造される。本体110は押し出し成形によって形成される。こうして、本体110は、長手方向に延び、所望の長さの個々の部材に切断することができる。押し出し成形は、ショアD硬度が高い第一ポリマーを用いて行われる。第一ポリマーは、ポリマーブレンドでありえ、熱可塑性材料、例えばABSを含みうる。
【0032】
次に、射出成形によって複数の装着ピン130が所定間隔で本体110に接合される。射出成形は、第一ポリマーよりも、より変形可能な第二ポリマーを用いて行われる。第二ポリマーは、ポリマーブレンドでありえ、熱可塑性エラストマー、例えばEPDMを含みうる。
【0033】
射出成形の際に、本体110のいくつかの小さい部分は再加熱される。通常、これは、露出側の面112に窪みを生じさせるので、望ましくない。より柔らかく、変形しやすい材料を射出成形に用いることにより、窪みの深さを低減でき、その結果、露出側の面112をより滑らかにすることができる。また、本製造方法は、窓枠材、窓(可動および固定の両方)などのためのシールストリップといった、種々の複合部品への適用性が高い。
【0034】
簡単にするため、先に説明した実施形態と異なるところだけを、さらなる実施形態において説明する。
【0035】
再び図1を参照して、車両10はさらに、車両10の部品の他の例である車両扉(ドア)12を備える。車両ドア12は、第二実施形態にかかる方法によって得られる複合部品200が配置されている窓枠材13を有する。複合部品200は、窓枠材13と実質上平行な長手方向に延びるとともに、車両10の内側に配置される。
【0036】
図3から知りうるように、複合部品200は、デザインが上記本体110と実質上同じである本体210を備える。複合部品200はさらに、複合部品200を車両10に装着するための装着ピン230を有する。装着ピン230は、第二ポリマーまたはポリマーブレンドを用いて単一部材として形成される。第二ポリマーは熱可塑性架橋硬化物を含む。装着ピン230は装着方向に延びる。
【0037】
装着ピン230は基部231を備える。基部231は平坦部115に接合される。基部231は、特に装着方向に沿って弾性的に変形できる。基部231はさらに、装着ピン230を締結するための締結ディスク232を有する。締結ディスク232は、装着方向に対して実質上直交する方向に延びる。装着ピン230はさらに、ヘッド部133と実質上同じように構成されるヘッド部233を備える。
【0038】
図3では、複合部品200はさらに支持部240を備える。支持部240は本体210に接合される。支持部240は装着ピン230を支持する。互いに一体に接合される第一脚部241および第二脚部242を、支持部240は備える。第一脚部241と第二脚部242とを直交して配置することができる。第一脚部241は、本体210と、特に中央部113または平坦部115と一体的に接合される。第二脚部242は、第一ウィング部118または第二ウィング部120と一体に接合される。装着ピン230は、第二脚部242に、例えば締結ディスク232を介して締結される。
【0039】
複合部品200はさらに支持キャビティ243を有する。支持キャビティ243により、本体210と装着ピン230との間の相対的な動きについての振動減衰を行うことができる。支持キャビティ243は、ここでは本体210と支持部240とによって輪郭が画されるようにして形成される。このことは、複合部品200が、本実施形態のように、車両の内側の乗客領域中に配置される場合、特に有利となりえる。
【0040】
車両ドア12に装着される場合、複合部品200は上記複合部品100と同様の効果がある。複合部品200は、先に説明した通り、少なくとも二つの異なるポリマーの成形により製造される。さらに、支持部240は本体210に射出成形される。支持部240は、好ましくは、装着ピン230が配置されることになる位置にのみ形成される。
【0041】
装着ピン230と支持部240とを、同時に、または順次、射出成形することができる。射出成形の際に、本体210の一部は再加熱される。特に支持部240が本体210と同じ材料を用いて形成される場合、本体210と装着ピン230との間に支持部240を用いることによって、露出側の面112をより滑らかにできる。
【0042】
再び図1を参照すると、車両ドア12には、第三実施形態にかかる方法によって得られた、車両10の外側を縁取りするとともに密閉する複合部品300が配置される。図4から知りうるように、複合部品300は本体310を備える。本体310は上記本体110と同様である。しかしながら、本体310は、ポリマーブレンドを用いて単一部材として形成される。ポリマーブレンドは、熱可塑性材料のブレンドを例えばPEとPPとの混合物を有する。
【0043】
複合部品300はさらに、複合部品300を車両10に、特には車両ドア12に装着するための装着ピン330を有する。装着ピン330は、上記装着ピン130と同様である。
【0044】
複合部品300は、例えば水分に対して密閉を行う密閉部340を備える。密閉部340は、第一ウィング・シーリングリップ341と第二ウィング・シーリングリップ342とを備える。第一ウィング・シール・リップ341は、第一先端部119と一体に接合される。第二ウィング・シール・リップ342は、第二先端部121と一体に接合される。密閉部340は、より具体的には第一ウィング・シール・リップ341と第二ウィング・シール・リップ342とは、ポリマーまたはポリマーブレンドを用いて、特に好ましくは天然ゴムまたはEPDMを含む熱可塑性エラストマーを用いて、射出成形によって形成される。
【0045】
第一実施形態と同様、複合部品300が車両ドア12に装着されると、本体310が弾性的に変形し、これにより、第一先端部119と第二先端部121とが、車両ドア12の表面に向かって押しあてられる。その結果、第一ウィング・リップ341と第二ウィング・リップ342とが車両ドア12に接触し、例えば水分に対して密閉を行うことができる。
【0046】
複合部品300は、複合部品100と同様、少なくとも二つの異なるポリマーの成形により製造される。先に説明した通り、本体310は押し出し成形によって形成される。次に、先に説明した通り、射出成形によって複数の装着ピン330が所定間隔で本体310に接合される。同時にまたは順次に、シーリング部340、すなわち第一ウィング・リップ341および第二ウィング・リップ342は、第一先端部119及び第二先端部121に、それぞれ一体に接合されるように、射出成形される。本実施形態において、複合部品300は、合計三つの異なるポリマーを用いて形成される。
【0047】
次に図4を参照すると、第四実施形態にかかる方法によって得られる複合部品400は、本体410を備える。本体410は上記本体310と同様である。複合部品400はさらに、複合部品400を車両10に装着するための装着ピン430を含む。複合部品400は、例えば水分に対して密閉を行うシーリング部440をも含む。シーリング部440は、第一ウィング・シーリング・リップ341と同様の第一ウィング・シーリング・リップ441を含む。密閉部440は第二ウィング・シーリング・リップ442を含む。装着ピン430と、第二ウィング・シーリング・リップ442とは、一体の単一部材として一体に形成される。したがって、複合部品400は、装着ピン430と、第二ウィング・シール・リップ442との間に延びる接続部431を有する。接続部431は、本体410と一体に接合される。装着ピン430と第二ウィング・シール・リップ442とについて、したがって接続部431についても、ポリマーまたはポリマーブレンドを用いて、特には熱可塑性エラストマーを用いて、好ましくは、天然ゴムまたはEPDMを含む熱可塑性エラストマーを用いて、射出成形によって形成される。
【0048】
複合部品400は、複合部品300と同様、少なくとも二つの異なるポリマーの成形により製造される。先に説明した通り、本体410は押し出し成形によって形成される。次に、射出成形によって複数の装着ピン430と第二シール・リップ442が本体410に接合される。装着ピン430は先に説明した通り、所定間隔で配置される。本体410と一体的に接合されるように、装着ピン430と第二ウィング・リップ442とは射出成形によって同時に形成される。本実施形態において、複合部品400は、合計二つの異なるポリマーを用いて形成される。
【0049】
図6を参照すると、第五実施形態にかかる方法によって得られる複合部品500は、先に説明した実施形態のうちのいずれでもありうる。複合部品500は装着ピン530を備える。装着ピン530は、装着方向に延びるとともに、基部531を備える。基部531は、特に装着方向に沿って弾性的に変形できる。装着ピン530はさらにヘッド部533を備える。ヘッド部533は上記ヘッド部133と同様に構成される。これに加えて、ヘッド部533はキャビティ537を有する。キャビティ537によって、装着ピン530を全体的に変形しやすくできる。
【0050】
図7を参照すると、第六実施形態にかかる方法によって得られる複合部品600は、先に説明した実施形態のうちのいずれでもありうる。複合部品600は装着ピン630を備える。装着ピン630は、先に説明した実施形態にかかる装着ピンと同様である。装着ピン630は基部631を有する。これに加えて、装着ピン630が挿入される車両10の開口部を密閉するよう、装着ピン630はリング状のシーリングディスク632を有する。リング状のシーリングディスク632は、基部631に配置される。
【0051】
再び図1を参照すると、車両10はさらに、車両10の部品の他の例であるピンチ(挟み込み)センサ15を備える。トランクリッド11の移動経路にある対象物を検出するように、ピンチ・センサ15がトランクリッド11に配置される。ピンチ・センサ15は、第七実施形態にかかる方法によって得られる複合部品700によって保持される。
【0052】
図8から知りうるように、複合部品700は、上記本体110と同様に構成される本体710を備える。しかしながら、上記本体110とは異なり、本体710は凹部を有しない。本体710は、第一ポリマーまたはポリマーブレンドを用いて単一部材として形成される。第一ポリマーは、熱可塑性材料を含み、例えばABSを含む。
【0053】
複合部品700はさらに、複合部品700をトランクリッド11に装着するための装着ピン730を有する。装着ピン730は、例えば装着ピン130と同様に構成される。さらに、複合部品700は、ピンチ・センサ15を収容するための保持部740を有する。保持部740は保持・形材部(プロファイル材部)741を含む。保持・形材部741は長手方向に延びるとともに、本体710とは別に製造される。保持・形材部741は、適当な締結部材742によって、好ましくは接着ストリップ743によって、露出側の面112に締結される。
【0054】
再び図1を参照すると、車両10はさらに、車両10の部品の他の例である窓ガラス(ドアガラス)14を備える。窓ガラス14は、開いた位置・姿勢と閉じた位置との間で移動・シフトできるように、窓枠材13に配置される。窓ガラス14もまた閉じ部材の一例である。車両ドア12の上部の内側には、第八実施形態にかかる方法によって得られる複合部品800が配置される。複合部品800は、車両ドア12のフレームの密閉材(シーリング)および/またはカバーとして機能しうる。
【0055】
図9から知りうるように、複合部品800は、上記本体710と同様に構成される本体810を備える。本体710は、第一ポリマーまたはポリマーブレンドを用いて単一部材として形成される。第一ポリマーは、熱可塑性材料を含み、例えばABSを含む。
【0056】
複合部品800はさらに、複合部品800を車両ドア12に装着するための装着ピン830を有する。装着ピン830は、例えば上記装着ピン710と同様に構成される。これに加えて、複合部品800は、ピンチ・センサ15を収容するための保持部840を含む。保持部840は保持セクション841を含む。保持セクション841は、一つの単一部材として本体810と一体に形成される。
【0057】
ここで説明した複合部品100,200,300,400,500,600,700,800は少なくともポリマー材料で構成される。本体110,210,310,410,510,610,710,810の硬いポリマー材料と、装着ピン130,230,330,430,530,630,730,830の柔らかい材料との組み合わせにより、特には、表面をより滑らかにできる。複合部品100,200,300,400,500,600,700,800は、押し出し成形とそれに続く射出成形とによって形成される。
【符号の説明】
【0058】
10 車両
11 トランクリッド
12 車両ドア
13 窓枠材
14 窓ガラス
15 ピンチ・センサ
100 複合部品
110 本体
111 車両側の面
112 露出側の面
113 中央部
114 凹部
115 平坦部
116 第一湾曲部
117 第二湾曲部
118 第一ウィング部
119 第一先端部
120 第二ウィング部
121 第二先端部
130 装着ピン
131 基部
133 ヘッド部
134 噛み合い面
135 案内面
136 先端面
200 複合部品
210 本体
230 装着ピン
231 基部
232 締結ディスク
233 ヘッド部
240 支持部
241 第一脚部
242 第二脚部
243 支持キャビティ
300 複合部品
310 本体
330 装着ピン
340 シーリング部
341 第一ウィング・リップ
342 第二ウィング・リップ
400 複合部品
410 本体
430 装着ピン
431 接続部
440 シーリング部
441 第一ウィング・リップ
442 第二ウィング・リップ
500 複合部品
530 装着ピン
531 基部
533 ヘッド部
537 キャビティ
600 複合部品
630 装着ピン
631 基部
632 リング状シーリングディスク
700 複合部品
710 本体
730 装着ピン
740 保持部
741 保持プロファイル
742 締結部材
743 粘着性ストリップ
800 複合部品
810 本体
818 第一ウィング部
819 第一先端部
830 装着ピン
840 保持部
841 保持セクション
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9