特許第6446578号(P6446578)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6446578二次元コード生成方法、二次元コード生成システム、二次元コード評価方法、二次元コード評価システム、及び、二次元コード管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6446578
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】二次元コード生成方法、二次元コード生成システム、二次元コード評価方法、二次元コード評価システム、及び、二次元コード管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/06 20060101AFI20181217BHJP
   G06K 1/12 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   G06K19/06 037
   G06K19/06 046
   G06K1/12 A
【請求項の数】11
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2018-23320(P2018-23320)
(22)【出願日】2018年2月13日
【審査請求日】2018年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】591186888
【氏名又は名称】株式会社トッパンTDKレーベル
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】西▲崎▼ 傳生
【審査官】 篠塚 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−224411(JP,A)
【文献】 特開2010−61468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K1/00−5/04
19/00−19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに関連付けられた複数の関連二次元コードを生成する二次元コード生成方法であって、
非公開データコード語を求め、公開データコード語と誤り訂正コード語とを有する置換前コードブロックを求め、前記置換前コードブロックの一部を前記非公開データコード語で置換することにより前記非公開データコード語が隠蔽された置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックに基づいて関連二次元コードを生成する生成工程を、複数回実行することにより、前記複数の関連二次元コードの各々を生成し、
各々の前記生成工程において前記非公開データコード語を求める際に、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを特定可能とするための関連コード情報を、前記非公開データコード語に含ませることを特徴とする二次元コード生成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の二次元コード生成方法において、
前記関連コード情報は、
二次元コードが関連二次元コードであるか否かを示す識別情報と、
互いに関連付けられた複数の関連二次元コードの連鎖数を示す連鎖数情報と、
前記関連コード情報を備える関連二次元コードが、前記連鎖数分の関連二次元コードのうちの何番目の関連二次元コードであるかを示す序列番号情報と、
前記関連コード情報を備える関連二次元コードが、該関連二次元コードと序列番号が異なる他の関連二次元コードと関連付けられているか否かを判断するための指標情報と、
を有することを特徴とする二次元コード生成方法。
【請求項3】
互いに関連付けられた複数の関連二次元コードを生成する二次元コード生成システムであって、
非公開データコード語を求め、公開データコード語と誤り訂正コード語とを有する置換前コードブロックを求め、前記置換前コードブロックの一部を前記非公開データコード語で置換することにより前記非公開データコード語が隠蔽された置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックに基づいて前記関連二次元コードを生成する生成工程を、複数回実行することにより、前記複数の関連二次元コードの各々を生成し、
各々の前記生成工程において前記非公開データコード語を求める際に、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを特定可能とするための関連コード情報を、前記非公開データコード語に含ませることを特徴とする二次元コード生成システム。
【請求項4】
請求項1に記載の二次元コード生成方法により生成された複数の関連二次元コードを読み取って、該複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを評価する二次元コード評価方法であって、
前記関連二次元コードから前記置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックから前記非公開データコード語を抽出し、前記非公開データコード語から前記関連コード情報を取り出す関連コード情報取り出し処理を、読み取った前記複数の関連二次元コードの各々に対して実行する取り出し工程と、
前記複数の関連二次元コードの各々から取得された前記関連コード情報に基づいて、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを評価する評価工程と、を有することを特徴とする二次元コード評価方法。
【請求項5】
請求項4に記載の二次元コード評価方法であって、
前記関連コード情報は、
二次元コードが関連二次元コードであるか否かを示す識別情報と、
互いに関連付けられた複数の関連二次元コードの連鎖数を示す連鎖数情報と、
前記関連コード情報を備える関連二次元コードが、前記連鎖数分の関連二次元コードのうちの何番目の関連二次元コードであるかを示す序列番号情報と、
前記関連コード情報を備える関連二次元コードが、該関連二次元コードと序列番号が異なる他の関連二次元コードと関連付けられているか否かを判断するための指標情報と、を有し、
前記評価工程においては、
前記識別情報に基づいて、各々の前記二次元コードが関連二次元コードであることが確認され、前記複数の関連二次元コードの各々から取得された前記連鎖数情報及び前記序列番号情報に基づいて、前記連鎖数分の互いに異なる前記序列番号が揃ったことが確認され、前記指標情報に基づいて、互いに異なる前記序列番号を有する連鎖数分の前記関連二次元コードが関連付けられていることが確認された際に、
前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていると評価することを特徴とする二次元コード評価方法。
【請求項6】
請求項5に記載の二次元コード評価方法であって、
前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていると評価した際に、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられている旨を表示する表示工程を有することを特徴とする二次元コード評価方法。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の二次元コード評価方法であって、
前記取り出し工程においては、前記置換後コードブロックから前記誤り訂正コード語を用いて前記公開データコード語を抽出し、前記公開データコード語から公開情報を取り出す公開情報取り出し処理を、読み取った前記複数の関連二次元コードの各々に対して実行し、
前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていると評価した際に、各々の前記公開情報を表示する表示工程を有することを特徴とする二次元コード評価方法。
【請求項8】
請求項7に記載の二次元コード評価方法であって、
前記取り出し工程においては、前記非公開データコード語から非公開情報を取り出す非公開情報取り出し処理を、読み取った前記複数の関連二次元コードの各々に対して実行し、
前記表示工程においては、各々の前記非公開情報を表示することを特徴とする二次元コード評価方法。
【請求項9】
請求項8に記載の二次元コード評価方法であって、
前記表示工程においては、各々の前記公開情報を前記序列番号の順に表示し、各々の前記非公開情報を前記序列番号の順に表示することを特徴とする二次元コード評価方法。
【請求項10】
請求項3に記載の二次元コード生成システムにより生成された複数の関連二次元コードを読み取って、該複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを評価する二次元コード評価システムであって、
前記関連二次元コードから前記置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックから前記非公開データコード語を抽出し、前記非公開データコード語から前記関連コード情報を取り出す関連コード情報取り出し処理を、読み取った前記複数の関連二次元コードの各々に対して実行し、
前記複数の関連二次元コードの各々から取得された前記関連コード情報に基づいて、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを評価することを特徴とする二次元コード評価システム。
【請求項11】
互いに関連付けられた複数の関連二次元コードを生成する二次元コード生成システムであって、
非公開データコード語を求め、公開データコード語と誤り訂正コード語とを有する置換前コードブロックを求め、前記置換前コードブロックの一部を前記非公開データコード語で置換することにより前記非公開データコード語が隠蔽された置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックに基づいて前記関連二次元コードを生成する生成工程を、複数回実行することにより、前記複数の関連二次元コードの各々を生成し、
各々の前記生成工程において前記非公開データコード語を求める際に、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを特定可能とするための関連コード情報を、前記非公開データコード語に含ませる二次元コード生成システムと、
該二次元コード生成システムにより生成された複数の関連二次元コードを読み取って、該複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを評価する二次元コード評価システムであって、
前記関連二次元コードから前記置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックから前記非公開データコード語を抽出し、前記非公開データコード語から前記関連コード情報を取り出す関連コード情報取り出し処理を、読み取った前記複数の関連二次元コードの各々に対して実行し、
前記複数の関連二次元コードの各々から取得された前記関連コード情報に基づいて、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを評価する二次元コード評価システムと、
を備えることを特徴とする二次元コード管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元コード生成方法、二次元コード生成システム、二次元コード評価方法、二次元コード評価システム、及び、二次元コード管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連二次元コードは、既によく知られている。関連二次元コードとは、当該関連二次元コードに関連付けられた他の関連二次元コードが存在する二次元コードである。
【0003】
このような関連二次元コードの代表的な例としては、JIS規格の第9章に規定されている構造的連接関係を有するQRコード(構造的連接QRコードとも呼ぶ)を挙げることができ、このコードを利用した技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−61468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、人、物等の対象の真正性が担保される要請がある。つまり、当該対象が真正な者であり(又は、真正な者により作成や管理が成された物であり)、悪徳な業者等が介入していないことが保証される必要がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、対象を二次元コードで管理する際に真正性を担保することを、関連二次元コードに係る技術を用いて、適切に実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
主たる本発明は、
互いに関連付けられた複数の関連二次元コードを生成する二次元コード生成方法であって、
非公開データコード語を求め、公開データコード語と誤り訂正コード語とを有する置換前コードブロックを求め、前記置換前コードブロックの一部を前記非公開データコード語で置換することにより前記非公開データコード語が隠蔽された置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックに基づいて関連二次元コードを生成する生成工程を、複数回実行することにより、前記複数の関連二次元コードの各々を生成し、
各々の前記生成工程において前記非公開データコード語を求める際に、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを特定可能とするための関連コード情報を、前記非公開データコード語に含ませることを特徴とする二次元コード生成方法である。
【0008】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】QRコードシンボル1の説明図である。
図2】拡張エンコーダ10のブロック図である。
図3】本実施の形態に係る関連QRコード(拡張関連QRコード)のRSブロックの概要図である。
図4】関連コード情報の一例を示した図である。
図5図5A及び図5Bは、関連コード情報の他の例を示した図である。
図6】QRコードシンボル生成方法のフローチャートである。
図7】関連QRコードのRSブロックの説明図である。
図8】関連QRコードの非公開データコード語の説明図である。
図9】RSブロックの一部を置換したときの説明図である。
図10】拡張デコーダ20のブロック図である。
図11】関連QRコード評価方法のフローチャートである。
図12】関連QRコードの非公開データコード語の抽出方法の説明図である。
図13】関連QRコードの情報本体の取り出し方法の説明図である。
図14】ディスプレイに各種情報が表示された様子を示した模式図である。
図15】第一適用例を説明するための説明図である。
図16】第一適用例に係る各種情報がディスプレイに表示された様子を示した模式図である。
図17】第二適用例を説明するための説明図である。
図18】第二適用例に係る各種情報がディスプレイに表示された様子を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
【0011】
互いに関連付けられた複数の関連二次元コードを生成する二次元コード生成方法であって、
非公開データコード語を求め、公開データコード語と誤り訂正コード語とを有する置換前コードブロックを求め、前記置換前コードブロックの一部を前記非公開データコード語で置換することにより前記非公開データコード語が隠蔽された置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックに基づいて関連二次元コードを生成する生成工程を、複数回実行することにより、前記複数の関連二次元コードの各々を生成し、
各々の前記生成工程において前記非公開データコード語を求める際に、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを特定可能とするための関連コード情報を、前記非公開データコード語に含ませることを特徴とする二次元コード生成方法。
【0012】
かかる場合には、対象を二次元コードで管理する際に真正性を担保することを、関連二次元コードに係る技術を用いて、適切に実現することが可能となる。
【0013】
また、前記関連コード情報は、
二次元コードが関連二次元コードであるか否かを示す識別情報と、
互いに関連付けられた複数の関連二次元コードの連鎖数を示す連鎖数情報と、
前記関連コード情報を備える関連二次元コードが、前記連鎖数分の関連二次元コードのうちの何番目の関連二次元コードであるかを示す序列番号情報と、
前記関連コード情報を備える関連二次元コードが、該関連二次元コードと序列番号が異なる他の関連二次元コードと関連付けられているか否かを判断するための指標情報と、
を有することとしてもよい。
【0014】
かかる場合には、真正性をより一層確実に担保することができる。
【0015】
次に、互いに関連付けられた複数の関連二次元コードを生成する二次元コード生成システムであって、
非公開データコード語を求め、公開データコード語と誤り訂正コード語とを有する置換前コードブロックを求め、前記置換前コードブロックの一部を前記非公開データコード語で置換することにより前記非公開データコード語が隠蔽された置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックに基づいて前記関連二次元コードを生成する生成工程を、複数回実行することにより、前記複数の関連二次元コードの各々を生成し、
各々の前記生成工程において前記非公開データコード語を求める際に、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを特定可能とするための関連コード情報を、前記非公開データコード語に含ませることを特徴とする二次元コード生成システム。
【0016】
かかる場合には、対象を二次元コードで管理する際に真正性を担保することを、関連二次元コードに係る技術を用いて、適切に実現することが可能となる。
【0017】
次に、上記二次元コード生成方法により生成された複数の関連二次元コードを読み取って、該複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを評価する二次元コード評価方法であって、
前記関連二次元コードから前記置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックから前記非公開データコード語を抽出し、前記非公開データコード語から前記関連コード情報を取り出す関連コード情報取り出し処理を、読み取った前記複数の関連二次元コードの各々に対して実行する取り出し工程と、
前記複数の関連二次元コードの各々から取得された前記関連コード情報に基づいて、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを評価する評価工程と、を有することを特徴とする二次元コード評価方法。
【0018】
かかる場合には、対象を二次元コードで管理する際に真正性を担保することを、関連二次元コードに係る技術を用いて、適切に実現することが可能となる。
【0019】
また、前記関連コード情報は、
二次元コードが関連二次元コードであるか否かを示す識別情報と、
互いに関連付けられた複数の関連二次元コードの連鎖数を示す連鎖数情報と、
前記関連コード情報を備える関連二次元コードが、前記連鎖数分の関連二次元コードのうちの何番目の関連二次元コードであるかを示す序列番号情報と、
前記関連コード情報を備える関連二次元コードが、該関連二次元コードと序列番号が異なる他の関連二次元コードと関連付けられているか否かを判断するための指標情報と、を有し、
前記評価工程においては、
前記識別情報に基づいて、各々の前記二次元コードが関連二次元コードであることが確認され、前記複数の関連二次元コードの各々から取得された前記連鎖数情報及び前記序列番号情報に基づいて、前記連鎖数分の互いに異なる前記序列番号が揃ったことが確認され、前記指標情報に基づいて、互いに異なる前記序列番号を有する連鎖数分の前記関連二次元コードが関連付けられていることが確認された際に、
前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていると評価することとしてもよい。
【0020】
かかる場合には、真正性をより一層確実に担保することができる。
【0021】
また、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていると評価した際に、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられている旨を表示する表示工程を有することとしてもよい。
【0022】
かかる場合には、複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることが評価(確認)され、真正性が担保された(認証された)ことを二次元コード評価システムの操作者等に対し、明確に知らせることが可能となる。
【0023】
また、前記取り出し工程においては、前記置換後コードブロックから前記誤り訂正コード語を用いて前記公開データコード語を抽出し、前記公開データコード語から公開情報を取り出す公開情報取り出し処理を、読み取った前記複数の関連二次元コードの各々に対して実行し、
前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていると評価した際に、各々の前記公開情報を表示する表示工程を有することとしてもよい。
【0024】
かかる場合には、二次元コード評価システムの操作者等は、複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることが評価(確認)され、当該関連二次元コードによる管理対象の真正性が担保された(認証された)ことを、公開情報の表示により知ることができ、さらに、複数の関連二次元コードの各々に埋め込まれている追加の情報を二次元コード評価システムの操作者等にまとめて提示することができる。
【0025】
また、前記取り出し工程においては、前記非公開データコード語から非公開情報を取り出す非公開情報取り出し処理を、読み取った前記複数の関連二次元コードの各々に対して実行し、
前記表示工程においては、各々の前記非公開情報を表示することとしてもよい。
【0026】
かかる場合には、二次元コード評価システムの操作者等は、複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることが評価(確認)され、当該関連二次元コードによる管理対象の真正性が担保された(認証された)ことを、非公開情報の表示により知ることができ、さらに、複数の関連二次元コードの各々に埋め込まれている追加の情報を二次元コード評価システムの操作者等にまとめて提示することができる。
【0027】
また、前記表示工程においては、各々の前記公開情報を前記序列番号の順に表示し、各々の前記非公開情報を前記序列番号の順に表示することとしてもよい。
【0028】
かかる場合には、関連二次元コードの読み取り順に影響されることなく、所望の順番で公開情報及び非公開情報を表示することが可能となる。
【0029】
次に、上記二次元コード生成システムにより生成された複数の関連二次元コードを読み取って、該複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを評価する二次元コード評価システムであって、
前記関連二次元コードから前記置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックから前記非公開データコード語を抽出し、前記非公開データコード語から前記関連コード情報を取り出す関連コード情報取り出し処理を、読み取った前記複数の関連二次元コードの各々に対して実行し、
前記複数の関連二次元コードの各々から取得された前記関連コード情報に基づいて、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを評価することを特徴とする二次元コード評価システム。
【0030】
かかる場合には、対象を二次元コードで管理する際に真正性を担保することを、関連二次元コードに係る技術を用いて、適切に実現することが可能となる。
【0031】
次に、互いに関連付けられた複数の関連二次元コードを生成する二次元コード生成システムであって、
非公開データコード語を求め、公開データコード語と誤り訂正コード語とを有する置換前コードブロックを求め、前記置換前コードブロックの一部を前記非公開データコード語で置換することにより前記非公開データコード語が隠蔽された置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックに基づいて前記関連二次元コードを生成する生成工程を、複数回実行することにより、前記複数の関連二次元コードの各々を生成し、
各々の前記生成工程において前記非公開データコード語を求める際に、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを特定可能とするための関連コード情報を、前記非公開データコード語に含ませる二次元コード生成システムと、
該二次元コード生成システムにより生成された複数の関連二次元コードを読み取って、該複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを評価する二次元コード評価システムであって、
前記関連二次元コードから前記置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックから前記非公開データコード語を抽出し、前記非公開データコード語から前記関連コード情報を取り出す関連コード情報取り出し処理を、読み取った前記複数の関連二次元コードの各々に対して実行し、
前記複数の関連二次元コードの各々から取得された前記関連コード情報に基づいて、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを評価する二次元コード評価システムと、
を備えることを特徴とする二次元コード管理システム。
【0032】
かかる場合には、対象を二次元コードで管理する際に真正性を担保することを、関連二次元コードに係る技術を用いて、適切に実現することが可能となる。
【0033】
===本実施の形態に係るQRコード(二次元コードの一例)について===
先ず、本実施の形態で用いられる二次元コードの一例としてのQRコードについて説明する。なお、以下の説明で特段のことわりのない場合には、日本工業規格 JIS X 0510 : 2004「二次元コードシンボル−QRコード−」(以下、単に「JIS規格」ということがある)に準ずる。また、このJIS規格に準ずるエンコーダを標準エンコーダといい、JIS規格に準ずるデコーダを標準デコーダという。また、非公開とされる(隠蔽される)非公開データコード語(非公開情報)を取り扱うことができるエンコーダを拡張エンコーダ10(二次元コード生成システムに相当)といい、デコーダを拡張デコーダ20(二次元コード評価システムに相当)という。また、当該拡張エンコーダ10と当該拡張デコーダ20により拡張管理システム(二次元コード管理システムに相当)が構成される。
【0034】
つまり、ここで用いられるQRコードは、公開情報と非公開情報とを記録することができる二次元コード(このようなQRコードを拡張QRコードということがある)を前提としている。公開情報は、JIS規格のデコーダ(標準デコーダ)で読み出し可能な情報である。一方、非公開情報は、標準デコーダでは読み出すことができず、後述する拡張デコーダ20によって抽出することが可能な情報である。
【0035】
また、以下の説明において、「コード語」は、8ビット長として説明するが、システムに応じて、16ビット長とすることもできるし、1ビット長など他の長さを有するものとすることもできる。
【0036】
図1は、QRコードシンボル1の説明図である。QRコードシンボル1(以下、単に、「QRコード」ということもある)は、1型から40型まで様々なサイズが用意されているが、ここでは、一例として型番「2」を例に各機能について説明する。
【0037】
QRコードシンボル1は、機能パターンと符号化領域を有する。機能パターンは、QRコードのモジュール内での復号化を補助するために必要なQRコードシンボル位置の検索や特性の識別に必要なパターンである。符号化領域は、必要となる情報が書き込まれている領域である。
【0038】
機能パターンは、位置検出パターンFP、分離パターンSP、タイミングパターンTP、位置合わせパターンAP、および、クワイエットゾーンQZを有する。
【0039】
位置検出パターンFPは、QRコードの少なくとも3つの隅に配置されるパターンである。読み取り時において、3つの位置検出パターンFPを識別することで、QRコードシンボル1の方向や位置を正しく認識可能とする。
【0040】
分離パターンSPは、位置検出パターンFPの周りに配置される1モジュール幅の明モジュールである。これにより、位置検出パターンFPをQRコードシンボル1から区別することができるようになる。
【0041】
モジュールMは、QRコードシンボル1を構成する単位セルである。原則として、1ビットが1モジュールに相当する。なお、ここでは、QRコードを構成する単位セルであるモジュールMを複数集合させたものをモジュール群と呼ぶ。
【0042】
タイミングパターンTPは、暗モジュールと明モジュールが1モジュールずつ直線状に交互に配置されたパターンである。タイミングパターンTPによって、QRコードシンボル1のモジュール数を認識可能となるため、これによりQRコードの型番を識別することができる。
【0043】
位置合わせパターンAPは、QRコードの型番によって決められた位置に配置されるパターンである。位置合わせパターンAPは、大きなモジュールの場合、QRコードシンボル1の位置の検索を補助する働きをする。
【0044】
クワイエットゾーンQZは、QRコードの周囲に設けられる最低4モジュール幅の明モジュール領域である。
【0045】
符号化領域は、データおよび誤り訂正コード語(以下、単に「訂正コード語」ということがある)と、形式情報FIを有する。また、型番の大きなものには型番情報も付加される。形式情報FIは、誤り訂正レベルと標準マスクパターン(JIS規格におけるマスクパターン)の情報を有する。
【0046】
データおよび誤り訂正コード語は、実際のデータおよびデータが読み出せなかった場合の誤り訂正用の誤り訂正コード語を配置する。形式情報は、QRコードシンボル1に適用する誤り訂正レベルおよび使用する標準マスクパターンに関する情報を有し、符号化領域を復号化するのに必要な符号化パターンである。
【0047】
図2は、拡張エンコーダ10のブロック図である。拡張エンコーダ10は、公開情報のみならず非公開情報を含んだ情報をQRコードシンボル1に変換する装置である。拡張エンコーダ10は、制御部11と表示装置13と印刷装置14と入力装置15を備える。
【0048】
制御部11は、演算部11aと記憶部11bを備える。演算部11aは中央演算装置等からなり、プログラムの実行および種々の演算を担う。記憶部11bは、プログラムの実行に際して、必要なデータの記憶を担う。特に、記憶部11bには、各種処理を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0049】
表示装置13は、データの入力等に際し必要な表示機能を担う。また、表示装置13は、生成されたQRコードシンボル1をディスプレイに表示する。印刷装置14も、生成されたQRコードシンボル1を印刷により紙媒体等に表示する。また、入力装置15は、データの入力および拡張エンコーダ10の操作に使用される。
【0050】
本実施の形態においては、二次元コード(QRコード)として、関連二次元コード(QRコードの関連二次元コードであるため、以下、関連QRコードと呼ぶ)が用いられる。関連QRコードとは、当該関連QRコードに関連付けられた他の関連QRコードが存在するQRコードである。すなわち、通常のQRコードは、それ自身で独立しており、他のQRコードとは無関係であるが、関連QRコードは他の関連QRコードと関連付けられており、これらの関連QRコードは互いに連鎖している。
【0051】
このような関連QRコードの代表的な例としては、JIS規格の第9章に規定されている構造的連接関係を有するQRコード(構造的連接QRコードとも呼ぶ)を挙げることができる。構造的連接QRコードとは、自身のコード情報が、あるコード情報をもとに互いに関連を持って分割された部分的コードであることが判別可能に組み込まれたコードである。すなわち、これを利用することにより大コードを、関連を持った複数の小コードに分割することができ、分割された複数の小コードが関連QRコードとなる。
【0052】
しかしながら、本明細書で取り扱う関連二次元コードは、このようなJIS規格標準の構造的連接QRコードではない。以下では、JIS規格標準の構造的連接QRコードのことを標準関連QRコードとも呼び、本稿で取り扱う関連二次元コードを拡張関連QRコードとも呼ぶ。
【0053】
詳細については後述するが、標準関連QRコードと拡張QRコードの相違点は、以下の通りである。すなわち、標準関連QRコードでは、複数の関連QRコードが互いに関連付けられていることを特定可能とするための関連コード情報(JIS規格の8.3.7章に定義があり、9.1章に記載されている構造的連接ヘッダ)が隠蔽されておらず、したがって、標準デコーダで関連QRコードを読み込んだ際に、標準デコーダは当該QRコードが関連QRコード(構造的連接QRコード)であることを把握することができる。
【0054】
一方で、拡張関連QRコードでは、前記関連コード情報が非公開データコード語に含まれているため(つまり、関連コード情報が隠蔽されているため)、標準デコーダで関連QRコードを読み込んだ際に、標準デコーダは当該QRコードが関連QRコードであることを把握することができない(換言すれば、通常のQRコードと認識する)。そして、非公開データコード語(非公開情報)を取り扱うことができる拡張デコーダ20で読み込むことにより、初めて、当該QRコードが関連QRコードであることを認識することができる。
【0055】
図3は、本実施の形態に係る関連QRコード(拡張関連QRコード)のRSブロックの概要図である。まず、図3を参照しつつ、拡張関連QRコードのデータフォーマットの概要、および、非公開データコード語(非公開情報及び関連コード情報)を埋め込む手法について説明する。図3には、誤り訂正処理単位として、RS(リード・ソロモン)ブロックが示されている。QRコードシンボル1には、1または複数のRSブロックが含まれる。そして、RSブロックを1つの誤り訂正処理単位としている。
【0056】
なお、ここで説明する実施形態においては、リード・ソロモン(RS)符号による誤り訂正方式を採用しているため、誤り検出訂正演算の処理単位ブロックの一例として、「RSブロック」と記載している。
【0057】
置換前RSブロック(置換前コードブロックに相当。後に、置換後RSブロックが登場するため、ここでは置換前RSブロックとして置換後RSブロックとは区別する)は、表示対象である情報本体(公開情報に相当する)と、非表示部分である終端符号と、非表示部分であるパディングコード語とを有する公開データコード語を含む。また、置換前RSブロックは、訂正コード語としてのRS(リード・ソロモン)符号を含む。情報本体とは、標準デコーダであってもQRコードシンボル1を読み取ったときにデコード可能な情報である。終端符号は、情報本体の終端を表す符号である。パディングコード語は、情報本体のコード語の総数がQRコードシンボル1の容量に満たない場合、空のコード語部分を充填する目的で使用される仮のコード語である。RS符号は、RSブロックを単位として誤り訂正するために付加される符号である。
【0058】
QRコードでは、「L」「M」「Q」「H」の4段階の誤り訂正レベルが選択可能である。誤り訂正レベル「L」では、全体の語数に対して約7%の誤り訂正能力を有する。例えば、RSブロックの語数を100%とした場合、そのうちの約7%の誤り訂正能力を有する。誤り訂正レベル「M」では、全体の語数に対して約15%の訂正能力を有する。誤り訂正レベル「Q」では、全体の語数に対して約25%の訂正能力を有する。誤り訂正レベル「H」では、全体の語数に対して約30%の誤り訂正能力を有する。本実施の形態では、例えば、最高クラスの誤り訂正能力である「H」を利用して、非公開データコード語(非公開情報及び関連コード情報)をQRコードに隠蔽する。ただし、コードシンボルが形成された媒体の破損の恐れの程度に応じて、あるいは方式によっては隠蔽される非公開データコード語の語数に応じて誤り訂正レベルを変更してもよい。
【0059】
QRコードに情報を隠蔽する手法の概念は、次の通りである。ここで、情報の「隠蔽」とは、標準の方法(装置、ソフトウェア等。具体例は、デコーダ)によって読み出し取得ができる通常の情報とは異なり、標準の方法(装置、ソフトウェア等。具体例は、デコーダ)では読み出し取得できないようにすることを意味する。図3には、非公開データコード語が示されている。ここでは、この非公開データコード語でRSブロックの一部を置換する。このように、一部を置換した場合であっても、標準デコーダでは、置換後の情報本体部分を、RS符号を用いて訂正できる。そして、訂正後の情報本体部分を読み出して表示することができる。一方、非公開データコード語は、RS符号により訂正されて捨てられてしまう情報であるため、標準デコーダでは表示されないことになる。
【0060】
これに対し、拡張デコーダ20では、後述するように、置換後RSブロックから非公開データコード語を抽出する。そして、その後、RS符号により訂正を行って情報本体部分を読み出す。以上の原理によりQRコードシンボル1に非公開情報及び関連コード情報を隠蔽することができる。なお、非公開データコード語でのRSブロックの一部置換方法の詳細については、後述するものとする。
【0061】
前述したとおり、また、図3に示すように、関連コード情報は、非公開情報と共に非公開データコード語に含まれている。ただし、この関連コード情報を含む非公開データコードは、先頭の非公開データコード語(つまり、先頭の置換前RSブロックの置換対象となる非公開データコード語)のみである(ただし、先頭に限定されるものではなく、例えば、二番目の非公開データコード語のみであってもよい)。本実施の形態に係る関連コード情報は、図4に示すように、識別情報と、連鎖数情報と、序列番号情報と、指標情報と、を備えている。なお、図4は、関連コード情報の一例を示した図である。
【0062】
識別情報は、QRコードが関連QRコードであるか否かを示す情報である。この識別情報は、全ての関連QRコードに対して共通のものであり(通常のQRコードでなく関連QRコードであれば同じ値を採り)、本実施の形態(図4の例)では、当該識別情報を「01010000(2進数)」としている。そして、拡張デコーダ20が、この数値「01010000(2進数)」を読み取ることにより、QRコードが(通常の関連QRコードではなく)関連QRコードであることを把握することができるようになっている。
【0063】
連鎖数情報は、互いに関連付けられた複数の関連QRコードの連鎖数を示す情報である。すなわち、連鎖数情報は、互いに関連付けられた複数の関連QRコードから構成されるQRコードグループ(集合体)の要素数とも言える。図4の例では、連鎖数情報は「3(10進数)」であり、三つの関連QRコード(QRコードA、QRコードB、QRコードC)が互いに関連付けられていることを意味している。
【0064】
序列番号情報は、当該関連コード情報を備える関連QRコードが、前記連鎖数分の関連QRコードのうちの何番目の関連QRコードであるかを示す情報である。図4の例では、QRコードAの序列番号情報は「1(10進数)」であり、したがって、QRコードAは、3個中1番目の関連QRコードとなっている。同様に、QRコードB、QRコードCの序列番号情報は「2(10進数)」、「3(10進数)」であり、したがって、QRコードB、QRコードCは、3個中2番目、3番目の関連QRコードとなっている。
【0065】
指標情報は、関連コード情報を備える関連QRコードが、該関連QRコードと序列番号が異なる他の関連QRコードと関連付けられているか否かを判断するための情報である。本実施の形態では、当該指標情報として、互いに関連付けられた複数の関連QRコードに共通のパスワードを用いることとしている。図4の例では、このパスワードをAF(16進数)としており、したがって、QRコードA、QRコードB、QRコードCの各々の指標情報はAF(16進数)となっている。そして、拡張デコーダ20が、このパスワード「AF(16進数)」をQRコードA、QRコードB、QRコードCの各々から読み取り、パスワードが一致していることを確認することによって、QRコードA(QRコードB、QRコードC)が該QRコードA(QRコードB、QRコードC)と序列番号が異なる他の関連QRコードと関連付けられているか否か(つまり、QRコードA、QRコードB、QRコードCが関連付けられていること)を判断することができるようになっている。
【0066】
なお、図4の例においては、序列番号が1のQRコードA及び序列番号が2のQRコードBと関連付けられている序列番号が3のQRコードは、QRコードCのみであるが、このような序列番号が3のQRコードが複数あってもよい。
【0067】
例えば、図5Aに示すように、序列番号が3のQRコードとして、QRコードCの他にQRコードC’が存在する場合もある。そして、かかるQRコードC ’の関連コード情報は、QRコードCと同じとなる。なお、QRコードCとQRコードC’は関連付けられていないので、QRコードAとQRコードBとQRコードC(又は、QRコードAとQRコードBとQRコードCとQRコードC’)は、互いに関連付けられた複数の関連QRコードと言えるが、QRコードAとQRコードBとQRコードCとQRコードC’は、互いに関連付けられた複数の関連QRコードとは言えない。
【0068】
また、QRコードA、QRコードBについても同様のことが言え、例えば、図5Bに示すように、QRコードA’ 、QRコードA” 、QRコードB’が更に存在することとしてもよい。
【0069】
次に、具体的な関連QRコードの生成方法について、図4の例に基づいて説明する(すなわち、QRコードA、QRコードB、QRコードCを生成する方法を例に挙げて説明する)。
【0070】
図6は、QRコードシンボル生成方法のフローチャートである。図7は、関連QRコードのRSブロックの説明図である。図8は、関連QRコードの非公開データコード語の説明図である。以下の説明において、特段のことわりがない場合、QRコードシンボル1へのエンコード手法は、JIS規格による手法が採用される。なお、QRコードシンボル1は、複数のRSブロックを有する場合がほとんどであるが、ここでは説明の容易のために、1つのRSブロックを例示して説明を行う。また、以下に示される内容は容易な説明を行うための例示であるので、各コード語長は実際のものと異なることがある。
【0071】
また、前提として、記憶部11bには、所定の方法で定めることができる非公開データコード語で置換される開始位置と非公開データコード語の長さ(語数)にかかわる情報(開始位置情報と長さ情報)が記憶されているものとする。同様に、非公開データコード語における関連コード情報の開始位置(本実施の形態では、非公開データコード語の先頭とする)と長さにかかわる情報が記載されているものとする。なお、どの部分がどれ位の長さだけ非公開データコード語で置換されるか、また、非公開データコード語のどの部分がどれ位の長さだけ関連コード情報で占められるかをどのように定めるかについては、任意であり、何ら本実施の形態の方法に限定されるものではない。
【0072】
先ず、QRコードAに係るQRコードシンボル1に埋め込まれる情報本体および非公開情報が取り込まれる(S102)。ここでは、情報本体を「TOKYO<cr>MINATO<cr>JPN」とし(図7)、非公開情報を「1234567890」としている(図8)。
【0073】
次に、QRコードシンボル1の非公開データコード語を、取り込まれた非公開情報に関連コード情報を付加することにより求める(S103)。このことにより、非公開情報と関連コード情報を含んだ非公開データコード語が作成される。本実施の形態においては、図8に示すように、関連コード情報(「01010000(2進数)」を16進数に変換した「50h」、「3(10進数)」「1(10進数)」を16進数に変換した「31h」、パスワード「AFh」)と、非公開情報(「1234567890」)を、非公開データコード語に含ませることにより、非公開データコード語が求められることとなる。
【0074】
次に、取り込まれた情報本体(公開データコード語)及び非公開データコード語に基づいてQRコードシンボル1の型番が決定される(S104)。QRコードシンボル1は型番に応じてトータルのコード語数が定められている。トータルのコード語数は、情報本体(公開情報語)の語数を含むデータコード語数と、訂正コード語数と、の和である。また、QRコードシンボル1の型番に応じて、データコード語と訂正コード語からなるRSブロックの大きさと数が定められている。そして、誤り訂正は、RSブロックを単位として行われる。
【0075】
例えば、誤り訂正レベルが「H」であって型番が「4」の場合、トータルのコード語数は「100」と定められている。そして、4つのRSブロックを含むことが定められている。1つのRSブロックにおけるデータコード語数は「9」であり、訂正コード語数は「16」である。
【0076】
データコード語数「9」と訂正コード語数「16」の和は「25」であり、このようなRSブロックが4つあるため、型番が「4」のQRコードシンボルは、25×4=100の総コード語数を有することになる。
【0077】
また、このときの誤り訂正数は、RSブロック毎に「8」である。これは、データコード語数「9」のうちの「8」を訂正する能力を有することを表す。RSブロックは4つであったから、4×8=32の語数の総訂正能力を有することになる。100語のうち32語を訂正可能としているので、全体からすると32%の訂正能力を有することになる。
【0078】
非公開データコード語による置換は、RSブロック毎に、RSブロックの誤り訂正数を超えない範囲で行われる。上記の場合であると、RSブロック毎にコード語数「8」の置換が許容されることになり、全体では「32」のコード語数の置換が許容される(「総置換許容語数)と呼ぶことがある)ことになる。
【0079】
このような演算に基づいて、非公開データコード語数が総置換許容語数を上回らず、かつ、情報本体(公開データコード語)の語数がデータコード語数を上回らない最小サイズのQRコードシンボル1の型番が選択される。
【0080】
次に、情報本体のコード語に基づいて、公開データコード語と訂正コード語とを有するRSブロック(置換前RSブロック)が生成される(S106)。RSブロックを生成するため、情報本体のコード語が複数のブロックに分割される。そして、各ブロックに対して誤り訂正コード語が生成され、生成された訂正コード語が対応するコード語の後に付加される。そして、RSブロックが生成される。なお、訂正コード語の生成手法については、JIS規格に準ずることができる。
【0081】
図7には、情報本体と終端符号と訂正コード語の一例が示されている(なお、パディングコード語が存在しない例としている)。ここでは、情報本体のコード語としてプレインなテキスト情報が示されている。終端符号は、例えば、「0000」のビット列を採用することができる。そして、情報本体を含むコード語に基づいて生成されたRS符号が付加され、RSブロックが作成されている。
【0082】
このようにして生成されたRSブロックの一部が、図8に示したような非公開データコード語で置換される(S108)。すなわち、置換前RSブロックの一部を非公開データコード語で置換することにより非公開データコード語が隠蔽された置換後RSブロックを求める。
【0083】
図9は、RSブロックの一部を置換したときの説明図である。図9には、前述のRSブロックと、非公開データコード語が示されている。そして、前述の非公開データコード語の開始位置情報と長さ情報に基づき、図9に示されるように、本実施の形態においては、RSブロックの先頭から非公開データコード語で置換される。
【0084】
このように、RSブロックの一部が非公開データコード語で置換されると、情報本体の一部が消失してしまうことになる。しかしながら、RSブロック単位で訂正を行うことができるため、標準デコーダでは、置換後の情報本体部分をRS符号で訂正して適切に抽出し、表示できるのである。
【0085】
そして、非公開データコード語で置換された部分は、QRコードシンボル1の汚損等による誤りであるとみなされて捨てられてしまう情報となるので、標準デコーダでは表示することができない。一方、拡張デコーダ20では、後述するように、置換後RSブロックから非公開データコード語を抽出する。そして、その後、RS符号により訂正を行って情報本体部分を抽出する。そして、抽出された非公開データコード語(非公開情報)と情報本体部分(公開情報)を表示するのである。
【0086】
次に、置換後RSブロックに基づいてQRコードシンボル1を作成する(S110)。RSブロックに基づいてQRコードシンボル1を生成する手法は、JIS規格における標準的なQRコード生成手法と同様のものを採用することができる。このようにすることで、QRコードAに係るQRコードシンボル1を生成することができる。
【0087】
次に、他の関連QRコードを生成するために、ステップS102からステップS110の手順を繰り返す(S112)。すなわち、本実施の形態では、QRコードAに係るQRコードシンボル1の生成に引き続き、同様の方法を用いてQRコードBに係るQRコードシンボル1とQRコードCに係るQRコードシンボル1を生成する。このように、本実施の形態においては、ステップS102からステップS110の手順からなる生成工程を複数回実行することにより複数の関連QRコードを生成する。
【0088】
次に、このようにして生成されたQRコードシンボル1のデコード手法について説明する。デコードは、上述した拡張デコーダ20により行われる。拡張デコーダ20は、複数の関連QRコードを読み取って、該複数の関連QRコードが互いに関連付けられていることを評価する(確認する)。そして、これらの関連QRコードが互いに関連付けられていることが確認されることにより、当該関連QRコードによる管理対象(当該関連QRコードを所有している人や当該関連QRコードが添付されている物等)の真正性(正当性)を担保する(認証する)ことが可能となる(詳細については、具体例を挙げて後述する)。
【0089】
図10は、拡張デコーダ20のブロック図である。拡張デコーダ20は、複数の関連QRコードを読み取って、QRコードシンボル1に含まれる表示対象である公開情報と非公開情報とを展開し、さらに、該複数の関連QRコードが互いに関連付けられていることを評価する(確認する)装置である。拡張デコーダ20は、制御部21と撮像装置22と表示装置23と印刷装置24と入力装置25を備える。
【0090】
制御部21は、演算部21aと記憶部21bを備える。演算部21aは中央演算装置等からなり、プログラムの実行および種々の演算を担う。記憶部21bは、プログラムの実行に際して、必要なデータの記憶を担う。特に、記憶部21bには、各種処理を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0091】
撮像装置22は、QRコードシンボル1を撮像するための装置であって、例えば、CCDカメラなどである。
【0092】
表示装置23は、データの入力等に際し必要な表示機能を担う。また、表示装置23は、QRコードから展開された情報をディスプレイに表示する。印刷装置24も、展開された情報を印刷により紙媒体等に表示する。また、入力装置25は、データの入力および拡張デコーダ20の操作に使用される。
【0093】
図11は、関連QRコード評価方法のフローチャートである。以下の説明において、特段のことわりがない場合、QRコードシンボル1のデコード手法は、JIS規格による手法が採用される。
【0094】
また、前提として、拡張デコーダ20の記憶部21bには、所定の方法で定めることができる非公開データコード語で置換される開始位置と非公開データコード語の長さ(語数)にかかわる情報(開始位置情報と長さ情報)が記憶されているものとする。同様に、非公開データコード語における関連コード情報の開始位置(非公開データコード語の先頭)と長さにかかわる情報が記載されているものとする。なお、どの部分がどれ位の長さだけ非公開データコード語で置換されるか、また、非公開データコード語のどの部分がどれ位の長さだけ関連コード情報で占められるかをどのように定めるかについては、任意であり、何ら本実施の形態の方法に限定されるものではない。
【0095】
まず、QRコードシンボル1の読み取りが行われる(S202)。ここでは、最初に、QRコードAに係るQRコードシンボル1を読み取ったものとする。そして、読み取ったQRコードシンボル1に基づいて、複数のRSブロックが展開される(S204)。これら複数のRSブロックへの展開は、JIS規格に準ずるものを採用することができる。これにより、たとえば、前述の図9に示された置換後RSブロックが取得される。つまり、関連QRコードから置換後コードブロックが求められることとなる。
【0096】
次に、取得された置換後RSブロックから所定の方法によって情報本体のコード語(公開データコード語)および非公開データコード語が抽出される(S206)。
【0097】
図12は、関連QRコードの非公開データコード語の抽出方法の説明図である。図12には、置換後RSブロックと非公開データコード語が示されている。
【0098】
置換後RSブロックは、前述のように、QRコードシンボルを読み取り、JIS規格に準じて展開することにより取得することができる。本実施の形態において、拡張デコーダ20は、記憶部21bに記憶されている非公開データコード語の開始位置情報と長さ情報とに基づいて、置換後RSブロックにおける非公開データコード語の位置を特定する。そして、特定した位置から非公開データコード語を抽出する。
【0099】
図13は、関連QRコードの情報本体の取り出し方法の説明図である。拡張デコーダ20は、置換後RSブロックの誤り訂正を行うことにより、置換前RSブロックを取得する。そして、置換前RSブロックの先頭から終端符号までの情報を抽出し、抽出したデータを情報本体とする。つまり、置換後RSブロックから訂正コード語を用いて公開データコード語を抽出し、公開データコード語から公開情報である情報本体を取り出すこととなる。
【0100】
次に、拡張デコーダ20は、非公開データコード語から、非公開情報と関連コード情報を取り出す。すなわち、拡張デコーダ20は、記憶部21bに記憶されている関連コード情報の開始位置情報と長さ情報とに基づいて、非公開データコード語における関連コード情報の位置を特定する。そして、特定した位置から関連コード情報を取り出すと共に、非公開データコード語の残りの情報を非公開情報とする。
【0101】
拡張デコーダ20は、関連コード情報(すなわち、識別情報と連鎖数情報と序列番号情報と指標情報)を把握(確認)する(ステップS210)。つまり、識別情報から本QRコードが関連QRコードであることを把握(確認)すると共に、本実施の形態においては、他の3つの情報から当該関連QRコードが3つの関連QRコードのうちの1番目の関連QRコードであり、パスワードがAF(16進数)であることを把握(確認)する。
【0102】
なお、本実施の形態においては、上述した関連コード情報取り出し処理を、読み取った複数の関連QRコードの各々に対して実行し、複数の関連QRコードの各々から取得された関連コード情報に基づいて、複数の関連QRコードが互いに関連づけられていることを評価する。より具体的には、前記識別情報に基づいて、各々のQRコードが関連QRコードであることが確認され、複数の関連QRコードの各々から取得された連鎖数情報及び序列番号情報に基づいて、連鎖数分の互いに異なる序列番号が揃ったことが確認され、指標情報に基づいて、互いに異なる序列番号を有する連鎖数分の関連QRコードが関連付けられている(ここでは、連鎖数分の関連QRコードの指標情報(パスワード)が一致している)ことが確認された際に(評価条件が満たされた際に)、複数の関連QRコードが互いに関連付けられていると評価する。
【0103】
ここでは、一つの関連QRコードのみしか読み取られていないため、当該評価工程は未だ実行されない。そして、表示装置23による表示についても何ら行われない。
【0104】
次に、QRコードBを読み込むと、ステップS202からステップS210と同様の手順(ステップS212からステップS220)が実行され、公開情報、非公開情報、関連QRコード情報が取り出される(ステップS218)。
【0105】
拡張デコーダ20は、関連コード情報(すなわち、識別情報と連鎖数情報と序列番号情報と指標情報)を把握(確認)する(ステップS220)。つまり、識別情報から本QRコードが関連QRコードであることを把握(確認)すると共に、本実施の形態においては、他の3つの情報から当該関連QRコードが3つの関連QRコードのうちの2番目の関連QRコードであり、パスワードがAF(16進数)であることを把握(確認)する。
【0106】
そして、当該関連コード情報と、QRコードAの関連コード情報と、を照らし合わせることにより、前述した評価工程が実施される(ステップS221)。ここでは、連鎖数分の互いに異なる序列番号が揃っておらず(つまり、3つのうちの1,2しかない)評価条件が満たされていないため、複数の関連QRコードが互いに関連付けられているとは評価されない。そして、このような場合には、表示装置23による表示については何ら行われない。
【0107】
さらに、QRコードCを読み込むと、ステップS202からステップS210と同様の手順(ステップS222からステップS230)が実行され、公開情報、非公開情報、関連QRコード情報が取り出される(ステップS228)。
【0108】
拡張デコーダ20は、関連コード情報(すなわち、識別情報と連鎖数情報と序列番号情報と指標情報)を把握(確認)する(ステップS230)。つまり、識別情報から本QRコードが関連QRコードであることを把握(確認)すると共に、本実施の形態においては、他の3つの情報から当該関連QRコードが3つの関連QRコードのうちの3番目の関連QRコードであり、パスワードがAF(16進数)であることを把握(確認)する。
【0109】
そして、当該関連コード情報と、QRコードA及びQRコードBの関連コード情報と、を照らし合わせることにより、前述した評価工程が実施される(ステップS231)。ここでは、各々のQRコードが関連QRコードであることが確認され、連鎖数分の互いに異なる序列番号が揃ったことが確認され(つまり、3つのうちの1,2,3が揃う)、互いに異なる序列番号を有する連鎖数分の関連QRコードが関連付けられている(連鎖数分の関連QRコードの指標情報(パスワード)がAFで一致している)ことが確認され、前記評価条件が満たされるため、複数の関連QRコード(QRコードA乃至QRコードC)が互いに関連付けられていると評価される。
【0110】
そして、本実施の形態においては、拡張デコーダ20がかかる評価をした際に、複数の関連QRコードが互いに関連付けられている旨(例えば、「認証できました」の文字)が表示装置23により表示される(ステップS232)。なお、表示の代わりに、又は、表示に加えて、かかる旨を音声により報知することとしてもよい。
【0111】
さらに、かかる際に、表示装置23は、ステップS208、ステップS218、ステップS228で取り出されたQRコードA乃至QRコードCの各々の公開情報と非公開情報も表示する(ステップS232)。なお、本実施の形態においては、図14に示すように、各々の公開情報を、関連QRコードの読み取り順ではなく、前記序列番号の順に表示し、同様に、各々の非公開情報も前記序列番号の順に表示する。また、公開情報のグループと非公開情報のグループがそれぞれ一塊になるように表示し、公開情報のグループの次に非公開情報のグループが続くように表示する。なお、図14は、ディスプレイに各種情報が表示された様子を示した模式図である。
【0112】
===具体的な適用例について===
上述した関連QRコードの適用例について、幾つかの例を挙げて説明する。
【0113】
<<<第一適用例>>>
先ず、第一適用例について、図15及び図16を用いて説明する。図15は、第一適用例を説明するための説明図である。図16は、第一適用例に係る各種情報がディスプレイに表示された様子を示した模式図である。
【0114】
第一適用例では、上述した関連QRコードを用いて、医療施設に入院する患者に対する投薬を処方通りに間違いなく実施することをチェックする仕組みを構築する。
【0115】
本例では、連鎖数が2の関連QRコードを用いる。また、序列番号2の関連QRコードが複数(3つ)存在する。序列番号1の関連QRコードをQRコードA、序列番号2の関連QRコードをQRコードB、QRコードB’,QRコードB”とする。
【0116】
QRコードAは、患者のリストバンド又はベッドサイドのサインプレートに貼付される。そして、図15に示すように、公開情報(情報本体)として診療科目、患者名、年齢、性別、血液型(例えば、「循環器内科、健康太郎様、30歳、男性、O型」)をQRコードAに埋め込み、また、非公開情報として病名(例えば、「狭心症」)をQRコードAに埋め込む。
【0117】
QRコードB、QRコードB’,QRコードB”は、配布する薬の包材に貼付される。そして、図14に示すように、公開情報(情報本体)として診療科目、薬名(例えば、「循環器内科、経口薬1」、「循環器内科、経口薬2」、「循環器内科、経口薬3」)をQRコードB、QRコードB’,QRコードB”に埋め込み、非公開情報として投与日時(例えば、「2月16日昼用」)をQRコードB、QRコードB’,QRコードB”に埋め込む。
【0118】
薬を患者に配布する看護師等の担当者は、前記拡張デコーダ20として例えばハンディ端末を所有し、当該ハンディ端末を当該QRコードAとQRコードBに順次または同時にかざす。すると、当該ハンディ端末において、前述した工程が実行され、QRコードAとQRコードBが互いに関連付けられているとの評価が成される。そして、当該評価が成されると、「認証できました」の文字が図16に示すように表示され、「経口薬1」が間違いなく「健康太郎様」用のものであることが認証される。したがって、投薬の誤りの発生が確実に回避される。また、合わせて、図16に示すように、公開情報及び非公開情報がディスプレイに表示され、問題が発生してないことを担当者や患者がディスプレイを見て確認できる。
【0119】
また、同様の作業を、QRコードAとQRコードB’に行い、また、QRコードAとQRコードB”に行うことにより、「経口薬2」が間違いなく「健康太郎様」用のものであることが認証され、「経口薬3」が間違いなく「健康太郎様」用のものであることが認証される。
【0120】
<<<第二適用例>>>
次に、第二適用例について、図17及び図18を用いて説明する。図17は、第二適用例を説明するための説明図である。図18は、第二適用例に係る各種情報がディスプレイに表示された様子を示した模式図である。
【0121】
第二適用例では、上述した関連QRコードを用いて、作業者が依頼主の元へ出向いて作業を行うケース(例えば、家電製品の据え付け工事、修理工事や水道工事など)にて、訪問してきた作業者が真正な者であることを依頼主に確認してもらう仕組みを構築する。
【0122】
本例では、連鎖数が3の関連QRコードを用いる。序列番号1の関連QRコードをQRコードA、序列番号2の関連QRコードをQRコードB、序列番号3の関連QRコードはQRコードCとする。
【0123】
QRコードAは、作業者が携行するIDバッジ(写真、作業を請け負う会社(以下、請負会社とする)、氏名が記載されたバッジ)に貼付される。そして、図17に示すように、公開情報(情報本体)として作業者の名前(例えば、「作業太郎」)をQRコードAに埋め込み、また、非公開情報として作業者のメールアドレス(例えば、「sagyo-t@・・・」)をQRコードAに埋め込む。
【0124】
依頼主が、請負会社に対し作業の予約を行うと、請負会社は依頼主へメールやファックスなどで予約書を送付する。QRコードBは、当該予約書に添付される。そして、図17に示すように、公開情報(情報本体)として予約情報(訪問日時、請負会社名等。例えば、「3月10日、○○株式会社」)をQRコードBに埋め込む(なお、本ケースでは非公開情報は埋め込まれない)。
【0125】
また、依頼主が、請負会社に対し作業の予約を行うと、請負会社は作業者へメールやファックスなどで作業指示書を送付する。QRコードCは、当該作業指示書に添付される。そして、図17に示すように、公開情報(情報本体)として作業情報(訪問日時、訪問場所、作業内容等。例えば、「3月10日、東京都世田谷区・・、エアコン修理」)をQRコードCに埋め込む(なお、本ケースでは非公開情報は埋め込まれない)。
【0126】
作業者は、前記拡張デコーダ20として例えばハンディ端末を所有し、当該ハンディ端末を当該QRコードA乃至QRコードCに順次または同時にかざす。すると、当該ハンディ端末において、前述した工程が実行され、QRコードA乃至QRコードCが互いに関連付けられているとの評価が成される。そして、当該評価が成されると、「認証できました」の文字が図18に示すように表示され、依頼主が依頼した作業内容が真正な作業者により間違いなく実施されることが認証される。したがって、誤った作業が実施されたり、悪徳な業者により作業者が派遣されたりすることが確実に回避される。また、合わせて、図18に示すように、公開情報及び非公開情報がディスプレイに表示され、問題が発生してないことを作業者や依頼主がディスプレイを見て確認できる。
【0127】
また、依頼主が、保有する関連QRコード(すなわち、QRコードB)によって認証に参加することで業者の不正(たとえば検収の確認を受けていないのに作業終了としてしまうなど)を防止することができる。また、認証の結果は履歴として記録保管することで後日の監査や万が一のクレームや疑義の検証のための証左として効力を有する客観的な情報として活用できる。
【0128】
===本実施の形態に係るQRコード生成方法等の有効性について===
上述したとおり、本実施の形態に係るQRコード生成方法は、互いに関連付けられた複数の関連QRコードを生成するQRコード生成方法であって、非公開データコード語を求め、公開データコード語と誤り訂正コード語とを有する置換前コードブロックを求め、前記置換前コードブロックの一部を前記非公開データコード語で置換することにより前記非公開データコード語が隠蔽された置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックに基づいて関連QRコードを生成する生成工程を、複数回実行することにより、前記複数の関連QRコードの各々を生成し、各々の前記生成工程において前記非公開データコード語を求める際に、前記複数の関連QRコードが互いに関連付けられていることを特定可能とするための関連コード情報を、前記非公開データコード語に含ませることとした。
【0129】
また、本実施の形態に係る拡張エンコーダ10(QRコード生成システム)は、互いに関連付けられた複数の関連QRコードを生成する拡張エンコーダ10(QRコード生成システム)であって、非公開データコード語を求め、公開データコード語と誤り訂正コード語とを有する置換前コードブロックを求め、前記置換前コードブロックの一部を前記非公開データコード語で置換することにより前記非公開データコード語が隠蔽された置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックに基づいて関連QRコードを生成する生成工程を、複数回実行することにより、前記複数の関連QRコードの各々を生成し、各々の前記生成工程において前記非公開データコード語を求める際に、前記複数の関連QRコードが互いに関連付けられていることを特定可能とするための関連コード情報を、前記非公開データコード語に含ませることとした。
【0130】
また、本実施の形態に係るQRコード評価方法は、上記のQRコード生成方法により生成された複数の関連QRコードを読み取って、該複数の関連QRコードが互いに関連付けられていることを評価するQRコード評価方法であって、前記関連QRコードから前記置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックから前記非公開データコード語を抽出し、前記非公開データコード語から前記関連コード情報を取り出す関連コード情報取り出し処理を、読み取った前記複数の関連QRコードの各々に対して実行する取り出し工程と、前記複数の関連QRコードの各々から取得された前記関連コード情報に基づいて、前記複数の関連QRコードが互いに関連付けられていることを評価する評価工程と、を有することとした。
【0131】
また、本実施の形態に係る拡張デコーダ20(QRコード評価システム)は、上記の拡張エンコーダ10(QRコード生成システム)により生成された複数の関連QRコードを読み取って、該複数の関連QRコードが互いに関連付けられていることを評価する拡張デコーダ20(QRコード評価システム)であって、前記関連QRコードから前記置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックから前記非公開データコード語を抽出し、前記非公開データコード語から前記関連コード情報を取り出す関連コード情報取り出し処理を、読み取った前記複数の関連QRコードの各々に対して実行し、前記複数の関連QRコードの各々から取得された前記関連コード情報に基づいて、前記複数の関連QRコードが互いに関連付けられていることを評価することとした。
【0132】
また、本実施の形態に係る拡張管理システム(QRコード管理システム)は、互いに関連付けられた複数の関連QRコードを生成する拡張エンコーダ10(QRコード生成システム)であって、非公開データコード語を求め、公開データコード語と誤り訂正コード語とを有する置換前コードブロックを求め、前記置換前コードブロックの一部を前記非公開データコード語で置換することにより前記非公開データコード語が隠蔽された置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックに基づいて関連QRコードを生成する生成工程を、複数回実行することにより、前記複数の関連QRコードの各々を生成し、各々の前記生成工程において前記非公開データコード語を求める際に、前記複数の関連QRコードが互いに関連付けられていることを特定可能とするための関連コード情報を、前記非公開データコード語に含ませる拡張エンコーダ10(QRコード生成システム)と、当該拡張エンコーダ10(QRコード生成システム)により生成された複数の関連QRコードを読み取って、該複数の関連QRコードが互いに関連付けられていることを評価する拡張デコーダ20(QRコード評価システム)であって、前記関連QRコードから前記置換後コードブロックを求め、前記置換後コードブロックから前記非公開データコード語を抽出し、前記非公開データコード語から前記関連コード情報を取り出す関連コード情報取り出し処理を、読み取った前記複数の関連QRコードの各々に対して実行し、前記複数の関連QRコードの各々から取得された前記関連コード情報に基づいて、前記複数の関連QRコードが互いに関連付けられていることを評価する拡張デコーダ20(QRコード評価システム)と、を備えることとした。
【0133】
そのため、対象をQRコードで管理する際に真正性を担保することを、関連QRコードに係る技術を用いて、適切に実現することが可能となる。
【0134】
JIS規格の第9章に規定されている構造的連接QRコード等の関連QRコードは、既によく知られており、このコードを利用した技術も提案されている。しかしながら、従来は、複数の関連QRコードが互いに関連付けられていることを評価(確認、判定)することにより、当該関連QRコードによる管理対象(当該関連QRコードを所有している人や当該関連QRコードが添付されている物等)の真正性を担保する(認証する)ようなことは実施されていなかった。
【0135】
また、仮に、かかる事項を、構造的連接QRコードのような標準関連QRコードを用いて実施しようとする場合には、以下の問題点が生じることが考えられる。
【0136】
すなわち、標準デコーダで構造的連接QRコード(関連QRコード)の一つを読み取った際には、標準デコーダはこのQRコードが構造的連接QRコード(関連QRコード)であることを理解することができ、その旨(例えば、「次のQRコードを読み取って下さい」等のメッセージ)を表示する。したがって、標準デコーダを操作する操作者は、このQRコードが通常のQRコードではなく構造的連接QRコード(関連QRコード)であることを容易に認識することができる。
【0137】
そして、このような認識行為は、当該操作者が悪徳な業者等であった場合に、当該業者等が付け入る契機となり得る。例えば、当該業者等は、この読み取った構造的連接QRコード(関連QRコード)を解析して、この構造的連接QRコード(関連QRコード)に関連付けられた他の構造的連接QRコード(関連QRコード)を偽造することができる。そして、この偽造した他の構造的連接QRコード(関連QRコード)を用いて、悪事を働く可能性が生ずる。
【0138】
これに対し、本実施の形態においては、前記事項を、標準関連QRコードではなく独自の関連QRコードを用いて行うこととし、当該独自の関連QRコードにおいては、関連コード情報を非公開データコード語に含ませることとした。標準デコーダでは、非公開データコード語から関連コード情報を取り出せないため、標準デコーダは、本実施の形態に係るQRコードを読み取ったとしても、通常のQRコードと理解するのみで、関連QRコードであることをそもそも理解することができない。したがって、標準デコーダを操作する操作者は、このQRコードが通常のQRコードではなく関連QRコードであることを認識することができない。そのため、操作者が悪徳な業者等であった場合であっても、当該業者等は前述した偽造を行う発想には至り得ない。
【0139】
このように、本実施の形態に係るQRコード生成方法、拡張エンコーダ10(QRコード生成システム)、QRコード評価方法、拡張デコーダ20(QRコード評価システム)、拡張管理システム(QRコード管理システム)によれば、対象をQRコードで管理する際に、関連QRコードに係る技術を用いて、真正性をより確実に担保することができる。
【0140】
また、本実施の形態において、前記関連コード情報は、QRコードが関連QRコードであるか否かを示す識別情報と、互いに関連付けられた複数の関連QRコードの連鎖数を示す連鎖数情報と、前記関連コード情報を備える関連QRコードが、前記連鎖数分の関連QRコードのうちの何番目の関連QRコードであるかを示す序列番号情報と、前記関連コード情報を備える関連QRコードが、該関連QRコードと序列番号が異なる他の関連QRコードと関連付けられているか否かを判断するための指標情報と、を有することとした。
【0141】
また、前記評価工程においては、前記識別情報に基づいて、各々の前記QRコードが関連QRコードであることが確認され、前記複数の関連QRコードの各々から取得された前記連鎖数情報及び前記序列番号情報に基づいて、前記連鎖数分の互いに異なる前記序列番号が揃ったことが確認され、前記指標情報に基づいて、互いに異なる前記序列番号を有する連鎖数分の前記関連QRコードが関連付けられていることが確認された際に、前記複数の関連QRコードが互いに関連付けられていると評価することとした。
【0142】
このように、本実施の形態においては、識別情報と連鎖数情報と序列番号情報と指標情報が、非公開データコード語に含まれている。つまり、偽造を行う上で必須の情報が隠蔽されているので、第三者がこの隠蔽された情報を知らなければ、偽造を行うことがより一層難しい状況となる。したがって、本実施の形態においては、真正性をより一層確実に担保することができる。
【0143】
また、本実施の形態においては、前記複数の関連QRコードが互いに関連付けられていると評価した際に、前記複数の関連QRコードが互いに関連付けられている旨を表示する表示工程を有することとした。
【0144】
そのため、複数の関連QRコードが互いに関連付けられていることが評価(確認)され、当該関連QRコードによる管理対象の真正性が担保された(認証された)ことを拡張デコーダ20の操作者等に対し、明確に知らせることが可能となる。
【0145】
また、本実施の形態において、前記取り出し工程においては、前記置換後コードブロックから前記誤り訂正コード語を用いて前記公開データコード語を抽出し、前記公開データコード語から公開情報を取り出す公開情報取り出し処理を、読み取った前記複数の関連QRコードの各々に対して実行し、前記複数の関連QRコードが互いに関連付けられていると評価した際に、各々の前記公開情報を表示する表示工程を有することとした。
【0146】
そのため、拡張デコーダ20の操作者等は、複数の関連QRコードが互いに関連付けられていることが評価(確認)され、当該関連QRコードによる管理対象の真正性が担保された(認証された)ことを、公開情報の表示により知ることができ、さらに、複数の関連QRコードの各々に埋め込まれている追加の情報(例えば、前述の第一適用例では、診療科目、患者名、年齢、性別、血液型、薬名)を拡張デコーダ20の操作者等にまとめて提示することができる。
【0147】
また、本実施の形態において、前記取り出し工程においては、前記非公開データコード語から非公開情報を取り出す非公開情報取り出し処理を、読み取った前記複数の関連QRコードの各々に対して実行し、前記表示工程においては、各々の前記非公開情報を表示することとした。
【0148】
そのため、拡張デコーダ20の操作者等は、複数の関連QRコードが互いに関連付けられていることが評価(確認)され、当該関連QRコードによる管理対象の真正性が担保された(認証された)ことを、非公開情報の表示により知ることができ、さらに、複数の関連QRコードの各々に埋め込まれている追加の情報(例えば、前述の第一適用例では、病名、投与日時)を拡張デコーダ20の操作者等にまとめて提示することができる。
【0149】
また、本実施の形態において、前記表示工程においては、各々の前記公開情報を前記序列番号の順に表示し、各々の前記非公開情報を前記序列番号の順に表示することとした。
【0150】
そのため、関連QRコードの読み取り順に影響されることなく、所望の順番で公開情報及び非公開情報を表示することが可能となる。
【0151】
===その他の実施の形態===
上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0152】
上記実施の形態においては、二次元コードとしてQRコードを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、他の二次元コードであっても構わない。当該他の二次元コードとしては、DataMatrix(ISO/IEC16022:2006、JIS X−0512:2015)、PDF417(ISO/IEC15438:2006、JIS X−0508:2010)を、一例として挙げることができる。
【0153】
また、上記実施の形態においては、情報(公開情報、非公開情報)が平文であることとして説明したが、暗号化されたもの(暗号文)であってもよい。
【0154】
また、上記実施の形態においては、指標情報として、互いに関連付けられた複数の関連QRコードに共通のパスワードを用いることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、JIS規格の第9.3章に規定されているパリティデータのようなものを用いることとしてもよい。
【0155】
また、指標情報が前記パスワードであり、さらに、公開情報及び非公開情報のうちの少なくとも一方が暗号文である場合(以下では、公開情報が暗号文である場合を例にとって説明する)には、以下のようにしてもよい。すなわち、当該パスワードを、前記暗号文の暗号鍵を特定するためのインデックス(見出し)情報としてもよい。例えば、複数種類のパスワードの各々毎に、このパスワードに対応する鍵の組(公開鍵暗号方式であれば、拡張エンコーダ10が前記公開情報を暗号化する際の公開鍵と拡張デコーダ20が前記公開情報を復号化する際の秘密鍵)を予め決めておく。そして、あるパスワード(例えば、図4のAF)を使用する場合には、拡張エンコーダ10が、当該パスワード(AF)に対応する公開鍵で公開情報を暗号化する。また、拡張デコーダ20は、非公開データコード語から関連コード情報(指標情報であるパスワード(AF))を取り出して当該パスワード(AF)に対応する秘密鍵を選択(特定)し、この秘密鍵で公開情報を復号化する。
【0156】
上記実施の形態においては、連鎖数分の関連QRコードの指標情報(パスワード)が一致しているか否かの確認しか行っていない。かかる確認のみでも十分であるが、このようなパスワードと鍵とを対応させる形態とすれば、よりセキュリティを高めることが可能となる。すなわち、仮に(改ざん等により偶然)AF以外のパスワード(BGとする)で連鎖数分の関連QRコードの指標情報が一致した場合には、BGに対応する秘密鍵が選択されることとなり公開情報の復号化が不可能となるので、事態が正常でないことが分かるようになっている。したがって、この形態では、連鎖数分の関連QRコードに係る指標情報(パスワード)が一致することだけでなく、連鎖数分の関連QRコードに係る指標情報(パスワード)がAFで一致することまで要求されることとなる。そのため、よりセキュリティを高めることが可能となる。
【0157】
また、これと類似の手法として、電子署名を付加する手法を採用してもよい。すなわち、パスワードを、前記暗号文の暗号鍵を特定するためのインデックス(見出し)情報とし、複数種類のパスワードの各々毎に、このパスワードに対応する鍵の組(拡張エンコーダ10が情報(例えば、図7のTOKYO<cr>MINATO<cr>JPN)のハッシュ値を暗号化して電子署名を作成する際の秘密鍵と拡張デコーダ20が電子署名を復号化してハッシュ値を作成する際の公開鍵)を予め決めておく。そして、あるパスワード(例えば、図4のAF)を使用する場合には、拡張エンコーダ10が、当該パスワード(AF)に対応する秘密鍵で電子署名を作成する。作成された電子署名は、例えば、図3の公開情報又は非公開情報の中に含ませる(公開情報の例であれば、TOKYO<cr>MINATO<cr>JPN及び電子署名が公開情報となる)また、拡張デコーダ20は、非公開データコード語から関連コード情報(指標情報であるパスワード(AF))を取り出して当該パスワード(AF)に対応する公開鍵を選択(特定)し、この公開鍵で電子署名からハッシュ値を作成する。また、情報(例えば、図7のTOKYO<cr>MINATO<cr>JPN)からもハッシュ値を作成し、双方のハッシュ値を比較する(ハッシュ値の一致を確認する)。
【0158】
仮に(改ざん等により偶然)AF以外のパスワード(BGとする)で連鎖数分の関連QRコードの指標情報が一致した場合には、BGに対応する公開鍵が選択されることとなり、電子署名から当該公開鍵を用いて作成されたハッシュ値と、情報(例えば、図7のTOKYO<cr>MINATO<cr>JPN)から作成されたハッシュ値とが一致せず、事態が正常でないことが分かるようになっている。したがって、この形態では、連鎖数分の関連QRコードに係る指標情報(パスワード)が一致することだけでなく、連鎖数分の関連QRコードに係る指標情報(パスワード)がAFで一致することまで要求されることとなる。そのため、よりセキュリティを高めることが可能となる。
【0159】
また、上記実施の形態においては、二次元コード生成システムとして、制御部11と表示装置13と印刷装置14と入力装置15を備えるハンディ端末等の拡張エンコーダ10を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、前記生成工程を実行する遠隔地に備えられたサーバーと、サーバーとデータのやり取りを行い、表示装置13、印刷装置14、入力装置15を備える端末と、から構成されることとしてもよい。
【0160】
また、上記実施の形態においては、二次元コード評価システムとして、制御部21と撮像装置22と表示装置23と印刷装置24と入力装置25を備えるハンディ端末等の拡張デコーダ20を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、前記評価工程を実行する遠隔地に備えられたサーバーと、サーバーとデータのやり取りを行い、撮像装置22、表示装置23、印刷装置24、入力装置25を備える端末から構成されることとしてもよい。また、印刷装置24が存在しないこととしてもよい。
【0161】
また、二次元コード生成システム(二次元コード評価システム)は、専用端末であってもよいし、PC、スマートフォン、携帯電話などの汎用端末に、生成(評価)工程を実行するためのソフトウェア(アプリケーション)を組み込んだものであっても構わない。
【0162】
また、特開2017−91039号公報に開示されている技術を用いて、コードブロック(RSブロック)の保護符号化を行ってもよい。このような保護符号化を行えば、関連コード情報を含んだ非公開データコード語がより秘匿化されることとなる。
【符号の説明】
【0163】
1 QRコードシンボル
10 拡張エンコーダ
11 制御部、11a 演算部、11b 記憶部
13 表示装置、14 印刷装置、15 入力装置
20 拡張デコーダ
21 制御部、21a 演算部、21b 記憶部
22 撮像装置、23 表示装置、24 印刷装置、25 入力装置
【要約】
【課題】対象を二次元コードで管理する際に真正性を担保することを、関連二次元コードに係る技術を用いて、適切に実現することにある。
【解決手段】互いに関連付けられた複数の関連二次元コードを生成する二次元コード生成方法であって、非公開データコード語を求め、公開データコード語と誤り訂正コード語とを有する置換前コードブロックを求め、前記置換前コードブロックの一部を前記非公開データコード語で置換することにより前記非公開データコード語が隠蔽された置換後コードブロックを求め、前記置換後データブロックに基づいて関連二次元コードを生成する生成工程を、複数回実行することにより、前記複数の関連二次元コードの各々を生成し、各々の前記生成工程において前記非公開データコード語を求める際に、前記複数の関連二次元コードが互いに関連付けられていることを特定可能とするための関連コード情報を、前記非公開データコード語に含ませることを特徴とする。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18