【実施例1】
【0009】
<1>全体の説明(
図1)
本発明に係る案内装置Aは、建設現場の工事看板、フェンス、安全鋼板などに取り付けて使用する装置である。
そして、本発明に係る案内装置Aは、本体A1の内部に、基本的に人感センサ10と、記録用のカメラ20と、音声発生装置30とを少なくとも設けて構成する。
【0010】
<2>人感センサ
人感センサ10は、周辺の人や物の動きを検知するための装置である。
人感センサ10は通行人など移動する物体があると、それを検知してON、OFFの切り替えを行う信号を発することができる。
検知のためには、赤外線、超音波、可視光などを用いることができ、またこれらを適宜組み合わせてもよい。
その他、人感センサ10は、人や動物などの温度をもつものから自然に放射されている赤外線による温度変化を検知する熱センサを利用することもできる。
人感センサ10は約4度以上の温度差で感知して作動するもので、周囲温度に対し約4度以上の差、移動速度毎秒1mを感知して動作する構造のものも採用することができる。
【0011】
<3>カメラ
カメラ20は、案内装置Aの周囲を撮影するための装置である。
カメラ20は、人感センサ10の検知反応によって作動するよう構成し、いわゆる監視カメラ20のように機能する。
本発明で「カメラ20」とは、実際の撮影用のカメラ20単体ではなく、撮影した映像の伝送・処理、記録、表示機能を含むシステム全体も含まれる。
【0012】
<3.1>レンズ・赤外線照射部
カメラ20のレンズ21の周囲には、暗所での撮影を可能とするための赤外線照射部22を設けている。
また、カメラ20の映像はハードディスクやフラッシュメモリなどの記録媒体23に保存する。
映像は記憶領域の容量があるかぎり保存できるが、容量が足りなくなった後は古い記録から削除して行く方式であり、この記憶装置の容量については必要な保存期間を考慮して選定する。
【0013】
<3.2>その他の要素
このカメラ20は集音マイクを持ち音声の録音が可能な監視カメラ20を採用することができ、本発明の目的の一つである、証拠の収集という用途では集音マイクを備えていることが好ましい。
監視カメラ20にマイクがない場合でも、別に集音マイクを設置することもできる。
なお、プライバシー侵害につながるという批判を回避するために監視カメラ20を設置していることを「監視カメラ作動中」といった看板などで告知することが好ましい。
【0014】
<4>音声発生装置
音声発生装置30は、記録した定型文を音声で出力する装置である。
音声発生装置も、人感センサ10の検知反応によって作動するよう構成するが、設置場所によって想定される定型文を複数記録しておき、選択スイッチ31によって、望ましい定型文を選択して使用する。
設定したチャンネルは、チャンネル表示部32において表示する。
チャンネルの中には外国語で案内を行うチャンネルなどを用意しておくことができる。
また、1つのチャンネルで複数言語の音声を連続して流すよう構成してもよい。
【0015】
<5>背面の形状
本発明では、カメラ20の本体A1のカメラ20のレンズ21側とは反対の面を「背面」と表現するが、その背面側の構造、形状について説明する。
【0016】
<5.1>磁石40の配置
カメラ20の本体A1の背面には、金属板に接着する磁石40を配置する。
カメラ20の本体A1を、工事現場の金属製の案内看板、あるいは安全柵、板囲いの鋼板などに設置する場合に、磁石40で簡単に設置、撤去を行うことができる。
なお図示していないが、実際の取り付けに際しては鋼製ワイヤーなどを配置して、取り付け対象と強固に一体化しておくことはもちろんである。
【0017】
<5.2>傾斜面A11(
図2a)
案内装置Aの背面の他の一部は、カメラ20のレンズ中心線211と直交せず、一定の角度で交わる傾斜面A11として形成する。
したがって傾斜面A11を背中にして取付対象に取り付ければ、レンズ21の中心線(レンズ中心線211)が、案内看板と直交しない方向に向くことになる。
【0018】
<5.3>直交面A12(
図2b)
案内装置Aの背面の一部は、カメラ20のレンズ中心線211と直交する直交面A12として形成する。
したがって直交面A12を背中にして案内看板などに取り付ければ、レンズ中心線211が、案内看板と直交した方向に向くことになる。
【0019】
<5.4>面の配置(
図2)
上記のようにカメラ20本体A1の背面は直交面A12と傾斜面A11で構成するが、その配置は、案内装置Aを看板などに取り付ける姿勢において、傾斜面A11が下、直交面A12が上に位置するように形成する。
その理由は後述するようにカメラ20のレンズ21の方向と、案内看板などの取り付け対象の傾斜に対応させるためである。
【0020】
<6>設置イメージ(
図3〜5)
本発明のカメラ20本体A1を取り付ける対象が工事看板Bである場合には、その表面は、地表面に対して90度ではなく、例えば60度程度に傾斜しているのが普通である。
一方、現場の周囲を包囲する安全柵や板囲いなどに用いる安全鋼板Cは、その表面が地表面に対して90度の直立状態で設置してある。
【0021】
<6.1>傾斜している場合(
図3)
取り付け対象が、工事看板Bのように、地表面に対して60度程度に傾斜している場合、本発明のカメラ20本体A1を対象物に取り付けるには、カメラ20本体A1の背面下方の傾斜面A11の磁石40を利用して取り付ける。
するとカメラ20のレンズ21の中心線はほぼ水平になり、接近する人物の全体像を映像として捉えることができる。
【0022】
<6.2>直立している場合(
図4)
取り付け対象が、安全鋼板Cのように、地表面に対して90度で直立している場合、本発明のカメラ20本体A1を対象物に取り付けるには、カメラ20本体A1の背面下方の直交面A12の磁石40を利用して取り付ける。
するとカメラ20のレンズ21の中心線はほぼ水平になり、接近する人物の全体像を映像として捉えることができる。
【0023】
<6.3>高い位置に取り付ける場合(
図5)
取り付け対象が安全鋼板Cなど、地表面に対して90度で直立している場合に、カメラ20本体A1の破損や盗難を避けるために、人の手の届かない範囲の高い位置に取り付けることができる。
その場合には本発明のカメラ20本体A1を対象物に取り付けるには、カメラ20本体A1の背面下方の傾斜面A11の磁石40を利用して取り付ける。
するとカメラ20のレンズ21の中心線は下向きとなり、接近する人物の全体像を上方から映像として捉えることができる。
【0024】
<7>実際の作動
本発明の案内装置Aを上記のような状態で設置する。
設置に際しては鋼製の板に磁石40を用いて設置する。同時に図示しないワイヤーなどで対象物と強固に一体化しておく。さらに音声選択スイッチ31で、その設置場所にふさわしい音声を選択する。選択したチャンネルは表示部において表示される。
その案内装置Aに通行人などが接近してくると、それを人感センサ10が検知して、記録用カメラ20と音声発生装置30を作動する。
すると音声発生装置30からは選択したチャンネルの録音音声を発音して、無人でありながら通行人を安全に誘導することができる。
また同時にカメラ20の映像の記録を開始するので、装置の近くに「録画中」といった表示をしておけば、装置に対するいたずらや故意の破壊を未然に防止することができる。
また万一、看板の設置箇所の付近で通行人が転倒したような場合、あるいは車両と接触した場合でも、その前後の映像が記録として残っている。
そのために事故の責任の所在を巡って争いになった場合にも、本装置に保存した記録を客観的な証拠として裁判所などに提出して公正な判断を仰ぐことができる。