特許第6446592号(P6446592)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社イトウプリントの特許一覧

特許6446592コンビネーションメタルマスク版およびコンビネーションメタルマスク版用メタルマスク
<>
  • 特許6446592-コンビネーションメタルマスク版およびコンビネーションメタルマスク版用メタルマスク 図000002
  • 特許6446592-コンビネーションメタルマスク版およびコンビネーションメタルマスク版用メタルマスク 図000003
  • 特許6446592-コンビネーションメタルマスク版およびコンビネーションメタルマスク版用メタルマスク 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6446592
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】コンビネーションメタルマスク版およびコンビネーションメタルマスク版用メタルマスク
(51)【国際特許分類】
   B41N 1/24 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
   B41N1/24
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-161193(P2018-161193)
(22)【出願日】2018年8月30日
【審査請求日】2018年8月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514004851
【氏名又は名称】有限会社イトウプリント
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 憲秀
【審査官】 小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭52−024709(JP,A)
【文献】 特開平07−038231(JP,A)
【文献】 特開2003−326869(JP,A)
【文献】 特開2014−069404(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0080738(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41N 1/00−1/24
B41F 15/36
B41M 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形の版枠の内側に、前記版枠よりも小さな四角形のメタルマスクが、該メタルマスクの各辺のエッジ部と前記版枠の対向する内壁との間に所要の間隔が開くようにして、紗を介して張設されたコンビネーションメタルマスク版であって、
前記メタルマスクの各辺の中央部および両端部に連結片が形成され、該連結片が前記版枠に固定されていることを特徴とするコンビネーションメタルマスク版。
【請求項2】
前記版枠と前記紗との間、前記紗と前記メタルマスクとの間、および前記版枠と前記連結片との間が接着剤によって固定されていることを特徴とする請求項1記載のコンビネーションメタルマスク版。
【請求項3】
四角形の版枠の内側に、前記版枠よりも小さな四角形のメタルマスクが、該メタルマスクの各辺のエッジ部と前記版枠の対向する内壁との間に所要の間隔が開くようにして、紗を介して張設されるコンビネーションメタルマスク版用の、前記メタルマスクであって、
各辺の中央部および両端部に、前記版枠に固定される連結片が形成されていることを特徴とするコンビネーションメタルマスク版用メタルマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンビネーションメタルマスク版(以下単にメタルマスク版という)および該メタルマスク版用メタルマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板に各種電子部品を実装する場合、実装する電子部品の電極部に対応して設けたプリント基板の電極部に、メタルマスク版を用いてクリームはんだを印刷し、マウンターにより電子部品をプリント基板上の所定位置に搭載し、このプリント基板をリフロー炉に通して、電子部品をはんだ付けして実装するようにしている。
メタルマスク版としては、特許文献1(特許第5859165号)に示されるタイプのものと、特許文献2(特開2014−69404号公報)に示されるタイプの2種類に大別される。
【0003】
特許文献1に示されるメタルマスク版は、メタルマスクの周縁部に係止孔を設け、メタルマスク版の版枠に設けた係止ピンが係止孔に挿通されるようにしてメタルマスクを版枠に装着し、係止ピンを版枠に設けた機構により、外方に移動させて、メタルマスクを引っ張り、これによりメタルマスクに所要のテンションを付与してメタルマスクを版枠に張設するようにしたものである。
【0004】
一方、特許文献2に示されるメタルマスク版は、四角形の版枠の内側に、前記版枠よりも小さな四角形のメタルマスクを、該メタルマスクの各辺のエッジ部と前記版枠の対向する内壁との間に所要の間隔が開くようにして、中央部をカットした紗(網状シート)を版枠とメタルマスクの周縁部に橋渡し状にして介在させて両者を接着剤により接着し、これによりメタルマスクを版枠に張設するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5859165号
【特許文献2】特開2014−69404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に示されるメタルマスク版によれば、メタルマスクに大きな張力を付与した状態でメタルマスクを版枠に固定できるので、スキージをメタルマスク上で移動させてクリームはんだをプリント基板に印刷する際、スキージからメタルマスク上に大きな力が加わっても、メタルマスクが撚れることがなく、プリント基板の所定位置に精度よくクリームはんだを印刷できる利点がある。しかしながら、メタルマスクに大きな張力が付与された状態であるので、メタルマスクの板厚方向への動きは減殺され、メタルマスクのプリント基板からの所謂版離れがあまりよくない、という構造上からくる問題はある。
【0007】
この点、特許文献2に示されるメタルマスク版によれば、網状シートからなる紗が弾性力を有するので、メタルマスクに対するスキージからの力が解放された際、紗の弾性力によりメタルマスクが浮き上がりやすくなり、メタルマスクの版離れが良好となり、クリームはんだの「にじみ」が防止でき、クリームはんだをきれいに印刷できる利点がある。
【0008】
しかしながら、メタルマスクが紗を介して版枠に固定されるメタルマスク枠の場合、網状シートからなる紗の強度が低いことから、印刷の際スキージをメタルマスク上で移動させると、紗が撚れ(ゆがみ)、メタルマスクが縦横方向(スキージの移動方向)に僅かながらも位置ずれするという課題がある。
特に昨今、スマートフォンなどの電子情報機器のさらなる小型化が進み、これに搭載される電子部品の小型化が著しく(例えば電極幅が数十μm)、メタルマスクが、例えば横方向に数十μm位置ずれしただけでも、プリント基板の電極上にクリームはんだを印刷することができなくなるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、紗を介してメタルマスクが版枠に固定されるメタルマスク版にあって、紗の撚れを防止し、クリームはんだを正確に印刷することができるメタルマスク版およびメタルマスク版用メタルマスクを提供することにある。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、本発明に係るスクリーン印刷用マスク装置は、上記の目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、本発明に係るコンビネーションメタルマスク版は、四角形の版枠の内側に、前記版枠よりも小さな四角形のメタルマスクが、該メタルマスクの各辺のエッジ部と前記版枠の対向する内壁との間に所要の間隔が開くようにして、紗を介して張設されたコンビネーションメタルマスク版であって、前記メタルマスクの各辺の中央部および両端部に連結片が形成され、該連結片が前記版枠に固定されていることを特徴とする。
【0011】
前記版枠と前記紗との間、前記紗と前記メタルマスクとの間、および前記版枠と前記連結片との間を接着剤によって固定するようにするとよい。
【0012】
また、本発明に係るコンビネーションメタルマスク版用メタルマスクは、四角形の版枠の内側に、前記版枠よりも小さな四角形のメタルマスクが、該メタルマスクの各辺のエッジ部と前記版枠の対向する内壁との間に所要の間隔が開くようにして、紗を介して張設されるコンビネーションメタルマスク版用の、前記メタルマスクであって、各辺の中央部および両端部に、前記版枠に固定される連結片が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、メタルマスクはその各辺から外方に延びる連結片が版枠に固定されているので、スキージの移動に対し、所要の抗力を有し、スキージの移動方向(横方向)への位置ずれが防止され、プリント基板上の所要位置に正確にクリームはんだを印刷することができる。また、連結片は、メタルマスクの各辺の全幅に亘って設けられているわけではないので、紗の弾性力は所要に維持され、これにより、スキージからの押圧力が解除された際の、メタルマスクの版離れが維持され、プリント基板にクリームはんだを外方ににじませることなくきれいに印刷することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】メタルマスク版の底面図である。
図2図1におけるA−A線端面図である。
図3図1におけるB−B線端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1はメタルマスク版10の底面図(プリント基板側から見た図面)、図2図1におけるA−A線端面図(ハッチングを省略)、図3図1におけるB−B線端面図(ハッチングを省略)である。
本実施の形態に係るメタルマスク版10は、四角形の版枠12の内側に、版枠12よりも小さな四角形のメタルマスク14が、該メタルマスク14の各辺のエッジ部と版枠12の対向する内壁との間に所要の間隔が開くようにして、紗16を介して張設されたメタルマスク版である。
【0016】
そして、メタルマスク版10は、メタルマスク14の各辺に外方に延びる1または複数の連結片14aが形成され、該連結片14aが版枠12に固定されていることを特徴とする。
図1に示すメタルマスク版10においては、連結片14aを、メタルマスク14の各辺の中央部と両端部の3箇所に設けている。
【0017】
なお、版枠12は、例えばアルミニウム合金製のものとすることができる。
また、紗16は、ポリエステル紗、テトロン紗、ステンレス紗など公知の網状シートからなる紗を用いることができる。
紗16は、中央部をカットして設けられている。この中央部をカットした紗16を、版枠12とメタルマスク14の周縁部とに橋渡し状にして介在させて、版枠12と紗16の間、および紗16とメタルマスク14の周縁部との間を接着剤(図示せず)により接着し、これによりメタルマスク14を所要のテンションを付与した状態で版枠12に張設するようにしている。
【0018】
メタルマスク14はステンレス製ものとすることができる。
メタルマスク14には、プリント基板(図示せず)のクリームはんだを塗布するパターンに応じて、クリームはんだを刷り込む透孔(図示せず)が形成される。
メタルマスク14の厚さは特に限定されないが、100μm前後、場合によって、50μm前後の薄いものも用いられる。
【0019】
連結片14aも接着剤(図示せず)を用いて版枠12に固定するとよい。
連結片14aの幅は、中央部のものを両端部のものよりも幅広とすると好適である。
連結片14aの形状は特に限定されないが、長方形状、版枠12側が幅広となる台形状、中途部が湾曲する形状などに形成することができる。上記台形状に形成すれば、版枠12との接着強度が増すので好適である。
連結片14aを版枠12に固定することによって、メタルマスク14を高い張力で版枠12に張設することができるが、紗16の弾性が適宜に維持されるように、連結片14aの数、幅が設定される。
なお、図示しないが、連結片14aや紗16の部分を覆って、目隠し用の樹脂シートを貼付するようにしてもよい。
【0020】
本実施の形態に係るメタルマスク版10、およびメタルマスク版用メタルマスク14は上記のように構成されている。
プリント基板上の所要部位にクリームはんだを印刷するのは、常法によって行える。
すなわち、メタルマスク版10を位置決めしてプリント基板上に配設し、メタルマスク14上にクリームはんだを供給し、図示しないスキージを所要押圧力でメタルマスク14に圧接させつつメタルマスク上を移動させ、クリームはんだを透孔に刷り込むことによって、クリームはんだをプリント基板上の所要位置に印刷することができる。
【0021】
その際、メタルマスク14はその連結片14aが版枠12に固定されているので、スキージの移動に対し、所要の抗力を有し、スキージの移動方向(横方向)への位置ずれが防止され、プリント基板上の所要位置に正確にクリームはんだを印刷することができる。
また、連結片14aは、メタルマスク14の各辺の全幅に亘って設けられているわけではないので、紗16の弾性力は所要に維持され、これにより、スキージからの押圧力が解除された際の、メタルマスク14の版離れが維持され、プリント基板にクリームはんだを外方ににじませることなくきれいに印刷することができるという効果を奏する。
【0022】
また、連結片14aをメタルマスク14の各辺の中央部および両端部に設けるようにすれば、各辺の長さ方向において、メタルマスク14の抗力がバランスよく生じ、メタルマスクの変形を防止できる。
【符号の説明】
【0023】
10 コンビネーションメタルマスク版
12 版枠
14 メタルマスク
14a 連結片
16 紗
【要約】
【課題】紗の撚れを防止し、クリームはんだを正確に印刷することができるメタルマスク版を提供する。
【解決手段】本発明に係るコンビネーションメタルマスク版10は、四角形の版枠12の内側に、版枠12よりも小さな四角形のメタルマスク14が、該メタルマスク14の各辺のエッジ部と版枠12の対向する内壁との間に所要の間隔が開くようにして、紗16を介して張設されたコンビネーションメタルマスク版10であって、メタルマスク14の各辺に外方に延びる1または複数の連結片14aが形成され、連結片14aが版枠12に固定されていることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3